説明

証明カード作成用顔画像撮影システム

【課題】申請者を直接撮像する機能と、申請者が希望する写真画像を採用する機能の双方の機能をもったシステムを提供する。
【解決手段】証明カード作成用顔画像撮影システム20は、カメラ22と、申請書1が投入される申請書投入部30と、カメラ22により申請書投入部30内の申請書1の顔画像2を撮像する申請書撮像モードと、カメラ22により窓31を介して申請者3を撮像する直接撮像モードとにカメラの光路を切換える一対のシャッター24a、24bと、カメラ22および一対のシャッター24a、24bを制御する制御部33とを備えている。制御部33は一対のシャッター24a、24bを作動させて、カメラ22の光路を申請書撮像モードまたは直接撮像モードのいずれかに切換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップを有するICカード等の証明カードを作成するための証明カード作成用顔画像撮影システムに係り、とりわけ、申請者が希望する顔画像を採用することが可能な証明カード作成用顔画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
身分証明証などの身分確認時に用いられる証明カードとして、電子情報が記録されたICチップを有するICカードが知られている。このようなICカードには、例えば、氏名、住所などの文字、数字等が印字されている。
【0003】
この場合、ICカードの表面には、氏名、住所などの文字、数字等が印字され、ICカードの裏面には文字、数字等が印字される。
【0004】
このようなICカードを作成する場合、申請場所において申請者が予め申請者に必要事項を記入しておき、必要に応じて申請者の顔画像をカメラにより撮像する。
【0005】
この場合、申請者は申請場所においてカメラにより顔画像が撮像されるが、申請者によっては自分が希望する写真画像を入手しておき、この写真画像の採用を希望する場合がある。
【0006】
しかしながら、現在のところ、申請者の顔画像を直接カメラにより撮像するシステムと、申請者が自分の希望する写真画像を採用するシステムの両者の機能を有するシステムは開発されていないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−271951号公報
【特許文献2】特開平8−99487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、申請者の顔画像をカメラにより直接撮像する機能と、申請者が希望する写真画像を採用する機能の両者の機能を備えた簡便な証明カード作成用顔画像撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、証明カード作成用顔画像撮影システムにおいて、画像を取得するカメラと、申請書が投入される申請書投入部と、カメラにより申請者を撮像する直接撮像部と、カメラにより申請書投入部内の申請書の顔画像を撮像する申請書撮像モードと、カメラにより直接撮像部を介して申請者を撮像する直接撮像モードとにカメラの光路を切換えるモード切換部と、カメラおよびモード切換部を制御してカメラからの画像を入手する制御部とを備え、制御部はモード切換部を作動させ、カメラの光路を申請書撮像モードまたは直接撮像モードのいずれかに切換えてカメラにより画像を取得することを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システムである。
【0010】
本発明は、申請書撮像モードの要否が入力される申請書撮像モード入力部を更に備え、
制御部は申請書撮像モード入力部からの信号に基づいて、申請書撮像モード切換部を作動させ、カメラの光路を申請書撮像モードに切換えることを特徴とする証明カード作成用顔画像撮像システムである。
【0011】
本発明は、申請書投入部に申請書中の顔画像の有無を判定する画像判定部が設けられ、制御部は顔画像判定部からの信号に基づいて、申請書中の顔画像が有る場合、モード切換部を作動させ、カメラの光路を申請書撮像モードに切換えることを特徴とするの証明カード作成用顔画像撮像システムである。
【0012】
本発明は、制御部は申請書撮像モードおよび直接撮像モードの双方で取得した画像を入手するとともに、制御部は申請書撮像モードおよび直接撮像モードの双方で取得した画像を比較して、いずれの画像を採用するか決定する画像比較部を更に有することを特徴とする証明カード作成用顔画像撮像システムである。
【0013】
本発明は、モード切換部は一対のシャッターを有し、いずれか一方のシャッターを開とし、他方のシャッターを閉としてカメラの光路を切換えることを特徴とする証明カード作成用顔画像撮像システムである。
【0014】
本発明は、カメラと各シャッターとの間にハーフミラーが介在されていることを特徴とする証明カード作成用顔画像撮像システムである。
【0015】
本願発明は、モード切換部はカメラを載置するとともに回転自在の回転台からなり、回転台を回転させてカメラの光路を申請書撮像モードまたは直接撮像モードのいずれかに切換えることを特徴とする証明カード作成用顔画像システムである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明によれば、モード切換部を作動させて、カメラにより申請書中の顔画像を撮像する申請書撮像モードと、カメラにより申請者を撮像する直接撮像モードとにカメラの光路を切り換えることができる。このため申請者の顔画像を直接撮像する機能と、申請者が希望する写真画像を採用する機能を双方の機能をもった簡便な構造のシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムが組込まれた証明カード作成装置全体を示す概略図。
【図2】図2(a)はICカードの表面を示す図であって、図2(b)はICカードの裏面を示す図。
【図3】図3は本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムの第1の実施の形態を示すフローチャート。
【図4】図4は本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムの第2の実施の形態を示すフローチャート。
【図5】図5は本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムの第3の実施の形態を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の実施の形態
以下、図1乃至図3を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0019】
はじめに図2(a)(b)を参照して証明カード、例えばICカード11について説明する。
【0020】
図2(a)(b)に示すように、本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムにより得られる証明カードは、カード基体11Bと、運転免許証のようなICチップ11Aとを含むICカードからなり、ICカード11の表面11aには氏名、住所を表示する文字、数字等からなる印字部12および顔画像13が設けられている。またICカード11の裏面11bにも追加情報となる印字部15が設けられている。
【0021】
さらにICカード11の裏面11bには、たとえば臓器提供の意思を表示する文字からなる印字部16が設けられ、この印字部16はICカード11の裏面11bに貼付された保護シール17により隠されている。なお、保護シール17の代わりに、ICカード11の裏面11bに追加の備考紙が貼付されることもある。
【0022】
次に図1により証明カード作成用顔画像撮影システムが組込まれた証明カード作成用装置全体について説明する。
【0023】
証明カード作成用装置20は、図1に示すように本発明による証明カード作成用顔画像システム21を組込んだものである。このうち本発明による証明カード作成用顔画像撮影システム21は、筐体21aと、筐体21a内に配置され画像を取得するカメラ22と、運転免許証のようなICカード11を発行するための申請書1が投入される申請書投入部30と、カメラ22にょり申請者を撮像する直接撮像部31とを備えている。
【0024】
このうち、申請書1には申請者3の住所、氏名等の情報が記載され、また必要に応じて顔画像2が設けられている。
【0025】
また、申請書投入部30は図1において、便宜上筐体21aの外方に配置されているが、この申請書投入部30は、一般には筐体21a内に組込まれている。また直接撮像部31は筐体21aの一面に設けられた窓等からなっている。
【0026】
さらにカメラ22と窓(直接撮像部)31との間の光路には、カメラ22側から順次、ハーフミラー25、集光レンズ27aおよびシャッター24aが配置され、ハーフミラー25と申請書投入部30との間には、集光レンズ27bおよびシャッター24bが配置されている。
【0027】
そしてシャッター24a、24bにより、カメラ22により申請書投入部30内の申請書1の顔画像2を撮像する申請書撮像モードと、カメラ22により窓31を介して申請者3を撮像する直接撮像モードとにカメラ22の光路を切換えるようになっている。
【0028】
すなわち、カメラ22により申請書投入部30内の申請書1の顔画像2を撮像する場合は、シャッター24aを閉としてシャッター24aを開とする。またカメラ22により窓31を介して申請者3を撮像する場合は、シャッター24aを開としてシャッター24bを閉とする。この場合、シャッター24a、24bはカメラ22の光路を申請者撮像モードと、直接撮像モードとに切換えるモード切換部として機能する。
【0029】
またハーフミラー25および一対のシャッター24a、24bを設ける代わりに、カメラ22を載置するとともに回転自在の回転台(図示せず)を設けてもよい。この場合、回転台を回転させてカメラ22の光路を申請書撮像モードまたは直接撮像モードのいずれかに切換えることができ回転台はモード切換部として機能する。
【0030】
また直接撮像モードにより申請者3を撮像する際、申請者3を照らす照明部26が設けられている。
【0031】
さらに申請書投入部30内の申請書1の情報をスキャニングするため、スキャナ23が設けられ、このスキャナ23は好ましくは筐体21a内に配置されている。
【0032】
またカメラ22、一対のシャッター24a、24bおよびスキャナ23は、いずれも制御部33に接続され、この制御部33によりカメラ22、一対のシャッター24a、24bおよびスキャナ23が駆動制御される。
【0033】
また証明カード作成用顔画像撮像システム21の筐体21aの窓31側の面には、申請者3に対して操作ガイダンスを表示する表示部29が設けられている。さらに筐体21aの表示部29近傍に、申請書撮像モードの要否を入力する申請書撮像モード入力部28が設けられている。この申請書撮像モード入力部28は、申請者3が申請書撮像モードの要否を入力するものであり、申請書撮像モード入力部28からの信号は制御部33へ送られる。この場合、申請書撮像モード入力部28を表示部29中に設けてもよい。
【0034】
ところで制御部33には、カード基体11Bに対して印字を施して証明カードを作成するための証明カード用プリンタ37が接続され、さらに制御部33には申請者3の住所、氏名、顔画像等に関する過去のデータを記憶するファイリングサーバ38が接続されている。また制御部33にはスキャナ23およびカメラ22から送られた申請者の住所、氏名、顔画像等に関する現在のデータを記憶するホストサーバ39が接続されている。
【0035】
また制御部33は、後述のように申請者の顔画像を保存する画像保存部34と、申請書1中の顔画像2の有無を判定する画像判定部35と、申請書撮像モードおよび直接撮像モードの双方のモードで取得した画像を比較していずれの画像を採用するか決定する画像比較部36とを有している。
【0036】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について図1および図3により説明する。
【0037】
まず、申請者3は証明カード発行受付を終え、証明カード作成用顔画像撮影システム21の筐体21aに接近する。
【0038】
次に申請者3は筐体21aの申請者投入部30へ申請書1を投入する。この場合、申請書投入部30内の申請書1上に記載された、住所、氏名、生年月日等に関するデータがスキャナ23により読み取られる。スキャナ23により読み取られた、住所、氏名、生年月日等に関する印字データは制御部33に送られた後、ファイリングサーバ38およびホストサーバ39に保存される。
【0039】
次に申請者3は申請書1に設けられた顔画像2を採用するか否かの希望を申請書撮像モード入力部28に入力する。
【0040】
すなわち申請者3は予め気に入った自分の写真(顔画像)2を申請書1上に貼付することができ、この場合は、申請書撮像モード入力部28により申請書1上の顔画像2を撮像する申請書撮像モードを選択する。
【0041】
申請者3が申請書撮像モード入力部28を介して申請書撮像モードを選択した場合、申請者3は再度申請書1を申請書投入部39内に投入する。
【0042】
このとき、制御部33はシャッター24aを閉、シャッター24bを開として、カメラ22の光路を申請書撮像モードに切換える。
【0043】
この段階で制御部33によりカメラ22が作動し、申請書1中の顔画像2が撮像され、この顔画像2の画像はカメラ22から制御部33に送られる。制御部33はカメラ22から取得した顔画像2の画像を表示部29に表示し、申請者3がこの画像を確認する。
【0044】
申請者3が、この画像は切出ミス等の不備と判断した場合、表示部29にその旨入力し、カメラ22により申請書中の顔画像2が再度撮像される。その後、制御部33はシャッター24aを開、シャッター24を閉として、カメラ22の光路を直接撮像モードに切換えて戻しておく。
【0045】
他方、申請者3が申請書撮像モードを選択しない場合、制御部33は表示部29を介して申請者3に対して着座することを指示する。このとき予めシャッター24aが開、シャッター24bが閉となって、カメラ22の光路が直接撮像モードになっているため、制御部33によりカメラ22が作動し、申請者1の顔が直接撮像される。この申請者3の画像はカメラ22から制御部33に送られる。制御部33はカメラ22から取得した画像を表示部29に表示する。
【0046】
申請者3がこの画像は目つぶり等不備であると判断した場合、表示部29にその旨入力し、カメラ22により申請者1の顔が再度撮像される。
【0047】
申請書撮像モードにより取得した画像データ、あるいは直接撮像モードにより取得した画像データは、制御部33の画像保存部34内に保存されるとともに、ファイリングサーバ38およびホストサーバ39に送られる。
【0048】
次に制御部33は、ホストサーバ39に保存された、申請者3の住所、氏名、生年月日等に関する印字データおよび顔画像データを入手し、証明カード用プリンタ37へ送る。 証明カード用プリンタ37は制御部33から送られた、住所、氏名、生年月日等に関する印字データおよび顔画像データに基づいて、カード基体11B上に印字を施す。このようにしてICカードからなる証明カード11が得られる。
【0049】
このように本実施の形態によれば、一対のシャッター24a、24bの開閉を行うだけで、容易にカメラの光路を申請者を撮像する直接撮像モードと、申請書を撮像する申請書撮像モードに切換えることができる。このため、申請者を直接撮像する機能と、申請者が希望する写真画像を採用する機能を双方の機能をもったシステムを容易に実現することができる。
【0050】
第2の実施の形態
次に図4により本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0051】
図4に示す第2の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】
図4において、まず、申請者3は証明カード発行受付を終え、証明カード作成用顔画像撮影システム21の筐体21aに接近する。
【0053】
次に申請者3は筐体21aの申請者投入部30へ申請書1を投入する。この場合、申請書投入部30内の申請書1上に記載された、住所、氏名、生年月日等に関するデータ、および顔画像2がある場合はこの顔画像2のデータがスキャナ23により読み取られる。スキャナ23により読み取られた、住所、氏名、生年月日等に関する印字データおよび顔画像データは制御部33に送られた後、ファイリングサーバ38およびファイリングサーバ39に保存される。
【0054】
次に制御部33は申請書1中に顔画像2があるか否か判定する。この顔画像2の有無は画像判定部35において判定される。
【0055】
制御部33の画像判定部35が、申請書1中に顔画像2が存在すると判定した場合、制御部33はシャッター24aを閉、シャッター24bを開として、カメラ22の光路を申請書撮像モードに切換える。
【0056】
この段階で制御部33によりカメラ22が作動し、申請書1中の顔画像2が撮像され、この顔画像2の画像はカメラ22から制御部33に送られる。制御部33はカメラ22から取得した顔画像2の画像を表示部29に表示し、申請者3がこの画像を確認する。
【0057】
申請者3が、この画像は切出ミス等の不備と判断した場合、表示部29にその旨入力し、カメラ22により申請書中の顔画像2が再度撮像される。その後、制御部33はシャッター24aを開、シャッター24を閉として、カメラ22の光路を直接撮像モードに切換えて戻しておく。
【0058】
他方、制御部33の画像判定部35が、申請書1中に顔画像2が存在しないと判定した場合、制御部33は表示部29を介して申請者3に対して着座することを指示する。このとき予めシャッター24aが開、シャッター24bが閉となって、カメラ22の光路が直接撮像モードになっているため、制御部33によりカメラ22が作動し、申請者1の顔が直接撮像される。この申請者3の画像はカメラ22から制御部33に送られる。制御部33はカメラ22から取得した画像を表示部29に表示する。
【0059】
申請者3がこの画像は目つぶり等不備であると判断した場合、表示部29にその旨入力し、カメラ22により申請者1の顔が再度撮像される。
【0060】
申請書撮像モードにより取得した画像データ、あるいは直接撮像モードにより取得した画像データは、制御部33の画像保存部34内に保存されるとともに、ファイリングサーバ38およびホストサーバ39に送られる。
【0061】
次に制御部33は、ホストサーバ39に保存された、申請者3の住所、氏名、生年月日等に関する印字データおよび顔画像データを入手し、証明カード用プリンタ37へ送る。 証明カード用プリンタ37は制御部33から送られた、住所、氏名、生年月日等に関する印字データおよび顔画像データに基づいて、カード基体11B上に印字を施す。このようにしてICカードからなる証明カード11が得られる。
【0062】
このように本実施の形態によれば、一対のシャッター24a、24bの開閉を行うだけで、容易にカメラの光路を申請者を撮像する直接撮像モードと、申請書を撮像する申請書撮像モードに切換えることができる。このため、申請者を直接撮像する機能と、申請者が希望する写真画像を採用する機能を双方の機能をもったシステムを容易に実現することができる。
【0063】
第3の実施の形態
次に図5により本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0064】
図5に示す第3の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】
図5において、まず、申請者3は証明カード発行受付を終え、証明カード作成用顔画像撮影システム21の筐体21aに接近する。
【0066】
次に申請者3は筐体21aの申請者投入部30へ申請書1を投入する。この場合、申請書投入部30内の申請書1上に記載された、住所、氏名、生年月日等に関するデータ、および顔画像2がある場合はこの顔画像2のデータがスキャナ23により読み取られる。スキャナ23により読み取られた、住所、氏名、生年月日等に関する印字データおよび顔画像データは制御部33に送られた後、ファイリングサーバ38およびファイリングサーバ39に保存される。
【0067】
次に、制御部33は表示部29を介して申請者3に対して着座することを指示する。このとき予めシャッター24aが開、シャッター24bが閉となって、カメラ22の光路が直接撮像モードになっているため、制御部33によりカメラ22が作動し、申請者1の顔が直接撮像される。この申請者3の画像はカメラ22から制御部33に送られる。制御部33はカメラ22から取得した画像を表示部29に表示する。
【0068】
申請者3がこの画像は目つぶり等不備であると判断した場合、表示部29にその旨入力し、カメラ22により申請者1の顔が再度撮像される。直接撮像モードにより取得された申請者3の画像データは画像保存部34内に保存される。
【0069】
次に、制御部33はシャッター24aを閉、シャッター24bを開として、カメラ22の光路を申請書撮像モードに切換える。
【0070】
この段階で制御部33によりカメラ22が作動し、申請書投入部30に投入されている申請書1中の顔画像2が撮像され、この顔画像2の画像はカメラ22から制御部33に送られる。制御部33はカメラ22から取得した顔画像2の画像を表示部29に表示し、申請者3がこの画像を確認する。
【0071】
申請者3が、この画像は切出ミス等の不備と判断した場合、表示部29にその旨入力し、カメラ22により申請書中の顔画像2が再度撮像される。
【0072】
申請書撮像モードにより取得した画像データ、あるいは直接撮像モードにより取得した画像データは、制御部33の画像保存部34内に保存されるとともに、ファイリングサーバ38およびホストサーバ39に送られる。
【0073】
次に制御部33において、画像保存部34内に保存された、申請書撮像モードにより取得した顔画像2の画像データと、直接撮像モードにより取得した申請者の画像データを画像比較部36において比較される。この場合、必要に応じて、ファイリングサーバ38に保存された過去の画像データを画像比較部36に送り、この過去の画像データを同時に比較してもよい。
【0074】
このように申請書撮像モードにより取得した顔画像2の画像データと、直接撮像モードにより取得した申請者3の画像データを画像比較部36において比較することにより、以下のような効果を得ることができる。
【0075】
すなわち、申請書1に添付された顔画像2が本当に本人のものであるか否か確認することができ、このことにより他人になりますまして不正に証明カード(ICカード)11を入手することが未然に防止される。また申請者3が入れ違ったりするミスを未然に防止することができる。
【0076】
さらに申請書1に添付された顔画像2が証明カード(ICカード)11用のものとして適切なものであるか否か確認することができ、これにより本人の画像として登録するのに適切な画像であるか否かを判定することができる。同時に申請書1に添付された顔画像2の主要部が髪の毛で隠されていないかどうか、あるいは顔画像2の大きさが適切か否か等も判定することができる。
【0077】
このとき申請書撮像モードで取得した顔画像2の画像データと、直接撮像モードで取得した申請者の画像データに基づいて、申請書撮像モードで取得した顔画像2の画像データが本人を正しく表示していると画像比較部36において判断された場合、この顔画像2の画像データが用いられて後工程において、カード基体11Bにプリントされる。
【0078】
他方、画像比較部36において、申請書撮像モードで取得した顔画像2の画像データが本人を正しく表示していないと判断された場合、顔画像2の画像データをい用いない旨、制御部33から表示部29に表示される。この場合は、直接撮像モードにより取得した申請者の画像データが用いられて後工程においてカード基体11Bにプリントされる。
【0079】
この間、制御部33はシャッター24aを開、シャッター24bを閉として、カメラ22の光路を直接撮像モードに切換えて戻しておく。
【0080】
次に制御部33は、ホストサーバ39に保存された、申請者3の住所、氏名、生年月日等に関する印字データおよび顔画像データを入手し、証明カード用プリンタ37へ送る。この場合、画像比較部36において比較された結果に基づいて、申請書撮像モード又は直接撮像モードのいずれかの顔画像データが用いられる。
【0081】
証明カード用プリンタ37は制御部33から送られた、住所、氏名、生年月日等に関する印字データおよび顔画像データに基づいて、カード基体11B上に印字を施す。このようにしてICカードからなる証明カード11が得られる。
【0082】
このように本実施の形態によれば、一対のシャッター24a、24bの開閉を行うだけで、容易にカメラの光路を申請者を撮像する直接撮像モードと、申請書を撮像する申請書撮像モードに切換えることができる。このため、申請者を直接撮像する機能と、申請者が希望する写真画像を採用する機能を双方の機能をもったシステムを容易に実現することができる。
【0083】
なお、上記各実施の形態において申請者3が申請書撮像モード入力部28を操作したり、申請者3が表示部29の画像を確認し、かつ再度撮像する旨入力する点について説明したが、これに限らず申請者3の代わりに専門のオペレータが申請書撮像モード入力部28を操作したり、表示部29の画像を確認し、かつ撮像する旨入力してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 申請書
2 顔画像
3 申請者
20 証明カード作成用装置
21 証明カード作成用顔画像撮影システム
21a 筐体
22 カメラ
23 スキャナ
24a、24b シャッター
25 ハーフミラー
26 照明部
28 申請書撮像モード入力部
29 表示部
30 申請書投入部
31 窓
33 制御部
34 画像保存部
35 画像判定部
36 画像比較部
37 証明カード用プリンタ
38 ファイリングサーバ
39 ホストサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
証明カード作成用顔画像撮影システムにおいて、
画像を取得するカメラと、
申請書が投入される申請書投入部と、
カメラにより申請者を撮像する直接撮像部と、
カメラにより申請書投入部内の申請書の顔画像を撮像する申請書撮像モードと、カメラにより直接撮像部を介して申請者を撮像する直接撮像モードとにカメラの光路を切換えるモード切換部と、
カメラおよびモード切換部を制御してカメラからの画像を入手する制御部とを備え、
制御部はモード切換部を作動させ、カメラの光路を申請書撮像モードまたは直接撮像モードのいずれかに切換えてカメラにより画像を取得することを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システム。
【請求項2】
申請書撮像モードの要否が入力される申請書撮像モード入力部を更に備え、
制御部は申請書撮像モード入力部からの信号に基づいて、申請書撮像モード切換部を作動させ、カメラの光路を申請書撮像モードに切換えることを特徴とする請求項1記載の証明カード作成用顔画像撮像システム。
【請求項3】
申請書投入部に申請書中の顔画像の有無を判定する画像判定部が設けられ、
制御部は顔画像判定部からの信号に基づいて、申請書中の顔画像が有る場合、モード切換部を作動させ、カメラの光路を申請書撮像モードに切換えることを特徴とする請求項1記載の証明カード作成用顔画像撮像システム。
【請求項4】
制御部は申請書撮像モードおよび直接撮像モードの双方で取得した画像を入手するとともに制御部は申請書撮像モードおよび直接撮像モードの双方で取得した画像を比較して、いずれの画像を採用するか決定する画像比較部を更に有することを特徴とする請求項1記載の証明カード作成用顔画像撮像システム。
【請求項5】
モード切換部は一対のシャッターを有し、いずれか一方のシャッターを開とし、他方のシャッターを閉としてカメラの光路を切換えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の証明カード作成用顔画像撮像システム。
【請求項6】
カメラと各シャッターとの間にハーフミラーが介在されていることを特徴とする請求項5記載の証明カード作成用顔画像撮像システム。
【請求項7】
モード切換部はカメラを載置するとともに回転自在の回転台からなり、回転台を回転させてカメラの光路を申請書撮像モードまたは直接撮像モードのいずれかに切換えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の証明カード作成用顔画像システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−215977(P2012−215977A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79533(P2011−79533)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】