説明

証明書類自動生成システム

【課題】 ネットワークを介した申請においても、セキュリティ性の高い偽造防止技術が選択可能な証明書類自動生成システムを提供する。
【解決手段】 受託側コンピュータ1aと依頼者側コンピュータ1b、1c・・・と受託側運用サーバコンピュータ5内の依頼者側が送信した画像を記録する画像データベース8、前記画像に対応した所属者情報を記録したテキストデータベース11、偽造防止技術を付与し各種証明書類をデザインしたレイアウトデータベース10、偽造防止データを生成する偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7、加工後記録保存する偽造防止データベース9、顧客が要望する偽造防止技術を付与し各種証明書類に加工する自動組版サーバPC13、組版したドキュメントを記録保存する証明書類データベース12、各種証明書類を出力するプリントサーバPC14が、ネットワーク4を介し、各種偽造防止技術の印刷及び真偽判別認証を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、証明書類自動生成システムに関するものである。特に、ネットワークを介して、顧客の要望にあった偽造防止技術が付与されたIDカード及び各種証明書類の発行に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、社会生活のあらゆる場面で、様々な形態のカードを使用する機会や各種証明書類の提出の機会が増えてきている。
【0003】
カードにおいては、その使用目的、発行団体等により、それぞれあらかじめ決められたデザインで作製され、加入した発行団体等の会員番号や有効期限等といったものが、文字やエンボス加工等で表記され、更に個人情報等が磁気情報として、又はICタグに記入されてカードに付帯されており、識別情報として機能している。また、これらのカードの一部に利用者の顔写真を表示して身分証明書として利用されている。
【0004】
顔写真が表示された身分証明書を作成するためには、カード作製業者に、各個人情報と写真とを持参又は郵送することで作製依頼をしていた。しかし、作成されたカード類は、作成者側の仕上り形態から選択したものであり、依頼者側の意向に基づくものでなく、また、手作業による写真等の加工に時間がかかるというような問題があった。
【0005】
そこで、コンピュータネットワークを通じて顧客が所望のカードデザインを指定することができ、カード作成時間も短縮することができるカード作成支援として、顧客の端末から送られる画像を使ったカードの出来上がりのイメージを端末に表示させ、画像の加工を容易に、かつ、自由に行うとともに、変造や盗用という不正を防止するセキュリティに優れたカード作成支援の装置及び方法並びにカード作成支援用ソフトウエアを記録した記録媒体(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【0006】
さらに、申請者の身分確認手段を設け、申請者側端末装置において各種証明書の申請手段から証明書の発行まですべて行うことができ、かつ、不法申請や不法発行を防止することができる電子申請及び電子申請システム(例えば、特許文献2参照)も提案されている。
【0007】
また、一般に、顧客の要求に合わせた形態で個別印刷物を提供する方法として、個別情報を取り扱う可変フィールドと、随時保守される画像データベース及びテキストデータベースの情報を用いて自動組版を行い、PDFファイルを生成するようにして、個別の印刷情報をコンピュータシステム上で瞬時に、かつ、大量に得ることができ、その印刷情報を各顧客に提出する方法として、ネットワークを介して電子データとして供給する方法と、オンデマンド印刷にて出力した印刷物を配送する方法と、顧客の要求に合わせた形態で個別印刷物を提供する、個別印刷情報自動生成配信システムの印刷情報配信サーバ、個別印刷情報配信方法及び個別印刷情報配信プログラム(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
【特許文献1】特許第3369994号公報
【特許文献2】特開2001−357154号公報
【特許文献3】特開2003−241910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、ユーザの用意したオリジナル画像とあらかじめサーバ側に用意された既製画像とを組み合わせたデザインや、画面上で加工内容や仕上りイメージの更新を繰り返すことが可能であるが、任意の偽造防止技術を証明書に付与することができるものではない。
【0009】
特許文献2は、利用者側の端末で、申請した証明書が出力可能であり、更に、申請者の身分確認を保証することが可能であるが、任意の偽造防止技術を証明書に付与することができるものではない。
【0010】
特許文献3は、顧客の要求に合わせた形態で必要な個別印刷物を提供することが可能なことから、任意の偽造防止技術を付与した証明書を一部は提供することはできるが、顧客が申し込んだ画像データをシステム内部で自動生成し、偽造防止技術エレメントとして、付加価値を高めた証明書ではない。
【0011】
これらの各種カードや証明書類に付与される偽造防止技術としては、簡単な複写防止技術であり、また、高度な複写防止画線、パール印刷やホログラム等の高額な機能性材料等は、生産コスト面において経済性に見合う製品にしか適用することができなかった。
【0012】
そこで、本発明は、かかる課題にかんがみてなされたものであり、本発明の目的は、ネットワークを介した申請処理でありながら、手軽にセキュリティ性の高い偽造防止技術を選択することが可能であり、また、一般の商業印刷において幅広く使用されている市販インキの異なる特性を有するインキを組み合わせて使用し、安価な市販インクジェットプリンタやカラーレーザープリンタで、特徴のあるカード及び証明書類を得ることができる、カード及び証明書類の発行に関する証明書類自動生成システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの問題を解決するために、本発明の証明書類自動生成システムは、各種証明書類の発行を依頼するため、前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字の送信、前記画像、イラスト又は文字に対応付けた固有情報の送信、前記画像、イラスト又は文字に偽造防止技術を付与した各種証明書類の書式の選択及び自動組版指示並びに前記自動組版後の各種証明書類の閲覧、表示、ダウンロード、印刷及び真偽判別が実行可能な依頼者側コンピュータと、
前記依頼者側コンピュータからの各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字を登録する画像データベース、前記依頼者側コンピュータからの前記画像、イラスト又は文字に対応付けた固有情報を登録するテキストデータベース、前記依頼者側が前記各種証明書類の書式を選択するレイアウトデータベース、偽造防止データ生成サーバPCのコンピュータソフトウエアによって監視されたデータフォルダの中に、前記画像、イラスト又は文字が記録されると、前記記録された前記画像、イラスト又は文字に埋め込み処理を行い、又は前記画像、イラスト又は文字をあらかじめ用意されている可視画像の中に埋め込み処理を行う偽造防止データ生成サーバ、前記偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPCを介して偽造防止技術を付与した画像、イラスト又は文字を登録する偽造防止データベース、前記偽造防止データ生成サーバにより前記各種証明書類又は可視画像の中に前記画像、イラスト又は文字を埋め込んだ偽造防止画像を付与した各種証明書類を作製する自動組版サーバ、依頼者側が作成した所望する証明書を登録する証明書類データベース及び各種証明書類を出力するためのプリントサーバを有する受託側運用サーバコンピュータと、
前記依頼者側コンピュータのアクセス可能な情報や使用可能な機能に制限を設定し、前記受託側運用サーバコンピュータのWebアクセスログ管理を主として行うための受託側コンピュータとを備えて構成され、
前記依頼者側コンピュータと前記受託側運用サーバコンピュータと前記受託側コンピュータとが、通信ネットワークを介して相互に接続されて構成され、
前記依頼者側コンピュータは、取得したID及びパスワードを入力して前記受託側運用サーバコンピュータに接続するステップと、
前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字を前記受託側運用サーバコンピュータに送信するステップと、
前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字に対応付けた固有情報を前記受託側運用サーバコンピュータに送信するステップと、
前記各種証明書類の中から所望する証明書をレイアウトデータベースから選択するステップと、
前記依頼者側の前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字と証明書の書式選択に基づき、自動組版を指示するステップと、
前記受託側運用サーバコンピュータによって作製された前記証明書を前記依頼者側コンピュータに表示して閲覧し、又はダウンロードするステップとを有し、
前記受託側運用サーバコンピュータは、前記依頼者側のID及びパスワードを、受信し、登録してある個人認証用情報に基づいて認証するステップと、
前記依頼者側から送信された各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字を画像データベースに登録し、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPCを介して偽造防止技術を付与した画像、イラスト又は文字に変換して偽造防止データベースに登録するステップと、
前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字に対応付けた固有情報をテキストデータベースに登録するステップと、
前記依頼者側が選択した各種証明書類の書式をレイアウトデータベースに登録するステップと、
前記依頼者側の証明書の書式選択に基づき、自動組版サーバを介して自動組版を実行し、所定の証明書を自動生成するステップと、
前記自動生成された組版データに基づき、依頼者側が所望する証明書を作成して証明書類データベースへ登録するステップを有し、
前記受託側コンピュータは、依頼者側の登録状況、新規登録状況を管理することを特徴としている。
【0014】
また、本発明の証明書類自動生成システムは、前記偽造防止データ生成サーバにより付与する前記偽造防止技術は、赤外線下において潜像画像を認識可能とするものであって、前記依頼者側コンピュータから送信された前記画像、イラスト又は文字、若しくは前記画像、イラスト又は文字以外の可視画像に対して、第1の網点領域と第2の網点領域が複数配置されて濃度階調を有する可視画像を形成し、前記第1の網点領域は赤外吸収特性を含まない色材を用いて構成された領域を有し、前記第2の網点領域は赤外吸収特性を含む色材を用いて構成された第2aの網点領域と、赤外吸収特性を含まない色材を用いて構成された第2bの網点領域を有し、前記第2aの網点領域によって潜像画像が形成され、前記潜像画像は前記第2aの網点領域と前記第2bの網点領域との比率に応じて決定される前記第2aの網点領域の大きさにより階調を表現するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の証明書類自動生成システムによれば、ネットワークを介した申請処理において、手軽にセキュリティ性の高い偽造防止技術を選択することが可能となり、また、一般の市販インキの異なる特性を有するインキを組み合わせているため、特徴のあるカード及び証明書類を得ることができ、更に、インクジェットプリンタやカラーレーザープリンタを用いることで製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明にかかる証明書類自動生成システムの構成について、一実施の形態としてカード及び証明書類の発行システムについて詳述する。
本実施の形態において、依頼者側とは、企業、各種団体、各自治体等の顧客側を指し、受託側とは、本システムを管理し、それぞれの顧客側に所属する所属者に対して発行するカードや各種証明書類、各自治体が発行する住民票等の様式やデザインの変更等の依頼を受託し、依頼者側が所望する偽造防止技術を付与したカード及び各種証明書類を発行するものである。
【0017】
本実施の形態では、カードや証明書類に付与する主要な偽造防止技術として構成されているImage Switch(登録商標第4718813号。以下「イメージスイッチ」という。)について説明する。
本出願人が先に開示した特許3544536号公報では、一般の商業印刷で使用されているシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(Bk)の基本4色インキのうちブラック(Bk) インキは、カーボンブラックを主体とした黒色顔料で、紫外線領域から赤外線領域まで全域にわたり吸収を示す。前述の基本4色のうち、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)インキを重ね合わせたものが、赤外線を吸収しないことを利用すれば、赤外線カメラ等の特殊な鑑定装置を用いて観察した場合において、カーボンブラック含有のブラック(Bk)インキで印刷された画像、イラスト又は文字のみ視認することができるということに注目した。
【0018】
このような現象を利用したものが、本実施の形態に用いられる主要な偽造防止技術の一つであるイメージスイッチと呼ぶ網点印刷である。
図1は、本発明の証明書類自動生成システムを用いた、一実施の形態にかかるカード及び各種証明書類の発行に際して、各種偽造防止技術のうち、イメージスイッチという技術をカードに形成する形成部分のみを模式的に示した概略図である。
【0019】
図1(a)は、社員証明書のカードの一例であり、カードの左下の丸印の中にライオンのイラストが印刷されている。この部分を赤外線カメラ等の認証装置で観察すると、図1(b)に示すように、ライオンのイラストが本人の顔となって現出する。このようなライオンのイラストから網点で階調表現した本人の顔画像に変化する現象をイメージスイッチといい、図1(c)に示すような概略構成となっている。
【0020】
図1(c)を用いて、イメージスイッチの構成を説明する。一つの第1の網点領域と、前記第1の網点領域に隣接する一つの第2の網点領域とが複数組配置され、前記第1の網点領域は、前記第2の網点領域より面積が大きく、また、前記第2の網点領域は、赤外線吸収性色素を含むブラックインキを用いて構成された第2aの網点領域と、赤外線吸収性色素を含まないインキを用いて構成された黒色系である第2bの網点領域とを有し、各々の前記第2の網点領域における前記第2aの網点領域と前記第2bの網点領域との比率に応じて、複数の前記第2の網点領域における前記第2aの網点領域により階調画像が構成されており、通常の可視光下では肉眼で同色に見える赤外線(例えば、波長850nm)に対して異なる特性を有するインキの組合せに着目したものである。
ここで、前記第2bの網点領域に用いられているインキは、赤外線吸収性色素を含まないシアン、マゼンタ、イエローの3原色インキを用いて構成された黒色系であってもよい。
【0021】
上記したイメージスイッチやその他の偽造防止技術は、ソフトウエアで制御することにより実現される。そのソフトウエアは、既に確立した技術にあっては、それに基づいて組み込まれ、また、本明細書の記載に従った命令を組みこむことで作られる。このようにして作られたソフトウエアのプログラムを記録した記録媒体が、本実施の形態の発行システムを構成する依頼者側のコンピュータ、受託側の運用サーバコンピュータ等に組み込まれることで、本発明の実施の形態を運用させることが可能となる。この記録媒体から読み出されるプログラム自体が実施の形態及び機能を実現するものであり、本発明を構成するものである。
ただし、本発明の実施の形態によるソフトウエア等は、これに限定されるものでなく、種々に変更されるのは言うまでもない。
【0022】
次に、本実施の形態のカード及び各種証明書類の発行システムの構成を説明する。図2は、本実施の形態に係るカード及び各種証明書類の自動生成システムの構成を示すシステム図である。出力機としては、一般的なインクジェットプリンタ(IJP)でよい。
【0023】
まず、本発明の一実施の形態である証明書類自動生成システムは、図2に示すように、コンピュータネットワークであるワイドエリアネットワーク(WAN)に接続された受託側の運用サーバコンピュータ5と、カード及び各種証明書類の作成を依頼する依頼者側コンピュータ1b、1c・・・が通信ネットワーク4を介して接続された構成となっている。
また、受託側運用サーバコンピュータ5は、小規模なネットワークであるローカルエリアネットワーク(LAN)で構成されており、前記依頼者側コンピュータ1b、1c・・・や受託側コンピュータ1aとの間で、双方向にデータ送受信可能な構成になっている。
【0024】
図2に示すように、プリンタ2aと真偽判別装置3aとが搭載された受託側コンピュータ1aとプリンタ2b、2c・・・と真偽判別装置3b、3c・・・とが搭載された依頼者側コンピュータ1b、1c・・・と受託側の運用サーバコンピュータ5とがネットワーク4を介して、各種偽造防止技術の印刷及び各種証明書類の真偽判別認証が可能な構成となっている。
【0025】
受託側の運用サーバコンピュータ5は、依頼者側が送信した依頼者側に所属する者を特定可能な画像、イラスト又は文字が記録された画像データベース8、前記画像、イラスト又は文字に対応付けた依頼者側に所属する者に関する情報を記録したテキストデータベース11、依頼者の要望にあった偽造防止技術が付与されたカード及び各種証明書類をデザインしたレイアウトデータベース10、イメージスイッチやその他の偽造防止データを生成する偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7、加工後記録及び保存される偽造防止データベース9、顧客の要望にあった偽造防止技術が付与されたカード及び各種証明書類に加工するための自動組版サーバPC13及び組版されたドキュメントを記録及び保存するための証明書類データベース12、各種証明書類を出力するためのプリントサーバPC14が、通信ネットワーク4を介して接続された構成となっている。
【0026】
また、偽造防止データベース9は、セキュリティデザイナが、各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字を画像データベースに登録し、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPCを介して偽造防止技術を付与した画像、イラスト又は文字に変換して登録するステップを、レイアウトデータベース10は、レイアウトデザイナが、各種証明書類の書式を新規制作又は更新して登録するステップを、更に含む構成としている。
【0027】
受託側コンピュータ1a及び依頼者側コンピュータ1b、1c・・・、受託側運用サーバコンピュータ5内のデータベースサーバPC6、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7、自動組版サーバPC13及びプリントサーバPC14は、モニタ等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置、各種処理等を行う中央演算処理装置(CPU)、中央演算処理装置(CPU)が各処理に使用されるシステムメモリ、前記各処理を行うウェブブラウザソフトウェアプログラムが使用するメモリとして使用されるRAM、現在の時刻情報や任意の年月日、曜日等のカレンダー情報を出力可能なリアルタイムクロック、データの送受信を行う通信インターフェイス及び前記ウェブブラウザソフトウェア等が記憶されているハードディスク等の記憶装置とが接続された、比較的高速な処理を行うことのできる通常のコンピュータである。
【0028】
受託側コンピュータ1aの中央演算処理装置(CPU)は、依頼者側が、受託側運用サーバコンピュータ5との間で、アクセスするためのID及びパスワードを新規発行する処理やアクセス権限の内容を通知する処理等を行う。
また、受託側コンピュータ1aには、受託側の運用サーバコンピュータ5を管理、運用する上で、最もアクセス権限が高く、当該システムの管理運用作業ができるデータが記憶されており、これらのデータと前記受託側の運用サーバコンピュータ5の各種プログラムとが協調して、各種の証明書類自動生成システムにかかわる運用管理等を実施するようになっている。
【0029】
一方、依頼者側コンピュータ1b、1c・・・の中央演算処理装置(CPU)は、運用サーバ5との間で、アクセスするためのID及びパスワードを求める処理、アクセス権限を求める処理、所属者を特定することが可能な画像、イラスト又は文字を送信する処理、送信した前記画像、イラスト又は文字に対応付けた依頼者側に所属する者に関する情報を入力する処理、所属者を特定することが可能な前記画像、イラスト又は文字と偽造防止機能を付与した各種証明書類の書式を選択(申請)する処理、自動組版を実行指示する処理並びに前記自動組版を実行後、登録された各種証明書類を表示して閲覧又はダウンロードし、所定の出力機に証明書類の印刷(発行)を指示する処理等を行う。
また、依頼者側コンピュータ1b、1c・・・には、受託側の運用サーバコンピュータ5との間で、アクセス可能な権限を有した作業ができ、前記受託側の運用サーバコンピュータ5の各種プログラムとが協調して、各種の証明書類自動生成システムにかかわる申請や発行処理等を実施するようになっている。
【0030】
また、本実施の形態で使用した印刷手段としてのプリンタ2a、2b、2c・・・及び受託側の運用サーバコンピュータ5のプリントサーバPC14は、組版されたドキュメントを記録及び保存された証明書類データベース12との間で送受信を行うことができ、依頼者側が申請した偽造防止技術を付与した各種証明書類を印刷することのできる比較的高速のプリンタを用いているが、本実施の形態は、これに限定するものではなく、これら印刷手段としては、各種偽造防止を付与した各種証明書類を印刷することができる装置であれば任意のものを使用することができる。
【0031】
さらに、本実施の形態で使用した真偽判別装置3a、3b、3c・・・は、依頼者側が申請した各種偽造防止技術を付与した各種証明書類を印刷した後に、各種偽造防止技術が付与されていることを確認するための装置であり、本実施の形態では、赤外線ビュワを用いているが、これに限定されるものではなく、偽造防止技術を付与した各種証明書類の真偽判別を認証することができる装置であれば任意のものを使用することができる。
【0032】
また、さらに、本実施の形態で使用した受託側の運用サーバコンピュータ5において、依頼者側が送信した、所属者を特定することが可能な画像、イラスト又は文字が記録された画像データベース8等の各データベースは、前記受託側コンピュータ1aで説明したように、通信ネットワーク4を介してウェブブラウザ上から管理及び運用することができるが、データベースサーバPC6から直接アクセスすることもできる。
本データベースサーバPC6は、受託側の運用サーバコンピュータ5の各データベースを管理及び運用する上で、最もアクセス権限が高く、当該システムの管理・運用作業ができるデータが記憶されており、これらのデータと前記受託側運用サーバコンピュータ5の各データベースの各種プログラムとが協調して、各種の証明書類自動生成システムにかかわる運用管理等を実施するようになっている。
【0033】
また、さらに、本実施の形態で使用した偽造防止データベース9は、受託側の運用サーバ5の依頼者側が送信した、所属者を特定することが可能な画像、イラスト又は文字が記録された画像データベース8が搭載されたデータベースサーバPC6の中にフォルダとして管理されており、当該PC6とローカルネットワークで結ばれている偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7で生成された各種偽造防止エレメントがフォルダ内に記録されている。
【0034】
また、さらに、本実施の形態で使用したテキストデータベース11は、受託側の運用サーバコンピュータ5の依頼者側が送信した、所属者を特定することが可能な画像、イラスト又は文字が記録された画像データベース8が搭載されたデータベースサーバPC6の中にフォルダとして管理されており、前記画像、イラスト又は文字に対応付けた依頼者側に所属する所属者に関する情報を記録したテキストデータがフォルダ内に記録されている。
【0035】
また、さらに、本実施の形態で使用したレイアウトデータベース10は、受託側の運用サーバコンピュータ5の依頼者側が送信した、所属者を特定することが可能な画像、イラスト又は文字が記録された画像データベース8が搭載されたデータベースサーバPC6の中にフォルダとして管理されており、依頼者の要望にあった偽造防止技術が付与されたカード及び各種証明書類をデザインしたレイアウトデータがフォルダ内に記録されている。
【0036】
また、さらに、本実施の形態で使用した証明書類データベース12は、受託側の運用サーバコンピュータ5の依頼者側が送信した、所属者を特定することが可能な画像、イラスト又は文字が記録された画像データベース8が搭載されたデータベースサーバPC6の中にフォルダとして管理されており、依頼者の要望にあった偽造防止技術が付与されたカード及び各種証明書類が組版され、印刷や閲覧が可能なデータとして、フォルダ内に記録されている。
【0037】
また、さらに、本実施の形態で使用した受託側の運用サーバコンピュータ5の偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7は、イメージスイッチやその他の偽造防止技術を自動生成することにより実現される。そのソフトウエアは、既に確立した技術の場合、それに基づいて組み込まれ、また、本実施の形態の記載に従った命令を組み込むことで作られる。本実施の形態では、イメージスイッチを用いているが、これに限定されるものではなく、偽造防止技術を自動生成することができるものであれば任意のものを使用することができる。
【0038】
また、さらに、本実施の形態で使用した受託側の運用サーバコンピュータ5の自動組版サーバPC13は、自動組版処理を実施するようになっている。
【0039】
なお、ここでいう「組版」とは、印刷の一工程で、文字や図版等の各素材を配置し、紙面を構成することであり、「組み付け」とも言われる。コンピュータで作業される今日では、レイアウトソフトを用いて紙面を作ることを指し、このような作業を行うことを「組む」と表現する。
【0040】
また、自動組版とは、例えば、本実施の形態で使用したテキストデータベース11に記録された画像、イラスト又は文字に対応付けた依頼者側に所属する者に関するテキスト情報を指定したレイアウトに従って、文字や図版等の各素材を自動的に配置し、コンピュータ処理により紙面を構成することをいう。
これは、定期的な商品カタログや更新頻度が多い食品チラシ等の制作においては非常に有効な処理方法であり、通常は、依頼者側から提供されたデータベースを基に編集作業を進めていくが、本実施の形態のように、インターネットを介した受託側運用サーバコンピュータ5内でテキストデータベース11が一元管理されている場合は、組版後の各種証明書類に加えた修正をテキストデータベース11に書き戻したり、組版済みの証明書類にデータベースの修正を反映させることができるため、入力漏れや誤入力などの人為的ミスの発生を防止することができる。また、書き戻せるのは、画像に対応付けた依頼者側に所属する者に関するテキスト情報だけではなく、画像ファイル名や用いる書体の属性、レイアウトデータベース10上で定義した文字や図版の位置情報まで書き戻すことができるため、柔軟な組版を実現することができる。
【0041】
なお、本実施の形態におけるデータベースサーバや自動組版処理は、公知のものを用いており、本実施の形態は、これに限定されるものではなく、データベース化又は自動組版できるものであれば任意のものを使用することができる。
【0042】
以下、WAN等から、依頼者側が本実施の形態の受託側運用サーバコンピュータ5へアクセスした際における依頼者側コンピュータ1b、1c・・・及び受託側運用サーバコンピュータ5の処理状況について説明する。
【0043】
図3は、本発明の証明書類自動発行システムを用いた一実施の形態であり、通信ネットワーク4を介して接続された、依頼者側コンピュータ1b、1c・・・と受託側運用サーバコンピュータ5における処理動作を示す図であり、依頼者側が所望するカード及び各種証明書類を作製するものである。
カードの種別としては、通行証、各種会員カードという一般的なカードやICタグ内蔵IDカード、身分証明書等あらゆるカードが対象製品となる。証明書類としては、各自治体が発行する住民票、車検票、納税証明書等が対象製品となる。
【0044】
以下に、本発明の実施の形態に基づく実施例を、図3に示す依頼者側コンピュータと受託側運用サーバコンピュータの処理動作を用いて説明する。まず、依頼者側コンピュータから受託側運用サーバコンピュータへ接続する工程、次に、接続後に、発行依頼を行うカード及び各種証明書類の中から、カードとして身分証明書を、また、証明書類として住民票の発行を行うための処理及び動作を説明する。
【0045】
図4は、住民基本台帳カードの一例であり、この住民基本台帳カードの発行をウェブブラウザ上から行うための動作例を、図5に示す、本実施の形態の証明書類自動生成システムに基づいて行う例を説明する。住民基本台帳カードは、住民が所属する市区町村の窓口に申請する。申請を受けた市区町村は、本実施の形態のシステムにアクセスし、申請者の顔写真を登録し、各市区町村があらかじめ決定している偽造防止技術を選択して、カードを完成し、住民に交付する。
【0046】
(1) 依頼者側コンピュータ1b、1c・・・から受託側運用サーバコンピュータ5へ接続を行う場合
依頼者側は、依頼者側コンピュータ1b、1c・・・をONにし(図3のS001)、パスワード等の入力画面を表示し、あらかじめ取得しているID及びパスワードを入力し(図3のS002及び図5(a))、Webブラウザにて、受託側運用サーバコンピュータ5に送信し(図3のS003)、受信した受託側運用サーバコンピュータ5による認証結果がOKとなったら(図3のS004)、依頼者側コンピュータ1b、1c・・・は依頼者専用サイトを表示し(図3のS005)、各サイトが表示された画面から、所望するカード又は住民票等を選択し、次の操作に進む。依頼者側コンピュータ1b、1c・・・画面に表示されるサイトとしては、例えば、各種カード、証明書類、チケット等の項目ごとの分類とする。
このとき、ID及びパスワードをあらかじめ取得していない場合には、受託側コンピュータ1aに接続し、ID及びパスワードを受けるための諸手続を行う。
【0047】
また、依頼者側において、偽造防止技術やレイアウトデザインに対して充分な技術を持ち合わせていない場合においては、あらかじめ受託側の専属デザイナと十分な打合せを行った上で、依頼者側のニーズに合った偽造防止技術や証明書類のレイアウトデザインを新規に制作し、また、新規に取得したデータの更新(図3のS010又はS011)を行うことによって、受託側運用サーバコンピュータ5内の画像データベース8やレイアウトデータベース11に登録してもよい。
【0048】
(2)依頼者専用サイトから、カード型の身分証明書を選択した場合
依頼者側コンピュータ1b、1c・・・から受託側運用サーバコンピュータ5に接続が完了したら、次に、依頼者側コンピュータ1b、1c・・・は、依頼者専用サイトを表示し(図3のS005)、各サイトが表示された画面から、カード型の身分証明書を選択する。次に、依頼者側は、作成依頼する各個人の顔画像を登録(図3のS006及び図5(b))する。
依頼者側の登録と同時に、受託側運用サーバコンピュータ5では、画像データベース8に顔画像が登録され、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7内に設定されたフォルダに、画像データベース8に登録された顔画像と同じ画像がコピーされる。本フォルダは、監視フォルダ形式になっており、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7にあらかじめ設定してある図柄等の可視画像で構成されたデザインの中に、登録された前記顔画像を埋め込んだイメージスイッチのデータが自動生成される仕組みとなっている。このフォルダは、画像データベース8に何かデータが登録されると、同じデータがコピーされ自動的にイメージスイッチのデータが生成される仕組みとなっている。
【0049】
次に、前記各個人の顔画像に対応付けた、氏名、性別、生年月日等の固有情報を画像情報として登録(図3のS007及び図5(c))し、受託側運用サーバコンピュータ5のテキストデータベース11に登録し、レイアウトデータベース10の中から作成したいカードの書式を選択(図3のS008及び図5(d))する。
【0050】
依頼者側は、イメージスイッチを埋め込んだ前記顔画像と前記カードの書式を選択したら、次に、自動組版の指示をし、自動組版処理の実行開始ボタンをクリックする(図3のS009及び図5(e))。受託側運用サーバコンピュータ5の自動組版サーバPC13はこれを受けて、自動組版を実行し、所定の身分証明書を自動生成して前記受託側運用サーバコンピュータ5の証明書類データベース12に登録される。
【0051】
証明書類データベース12に登録された後、依頼者側の閲覧によりOKがでたら、受託側運用サーバコンピュータ5に搭載されたプリントサーバPC14で出力し、出力物を得る。
ここで必要な場合、依頼者側は、前記証明書類データベース12の中から登録された証明書ファイルを表示して閲覧又はダウンロードして、依頼者側コンピュータに搭載されたインクジェットプリンタ(IJP)等で出力することが可能である(図5(f))。
受託側サーバコンピュータ5で出力された出力物は、その後、一般に公知のカード作成工程により、IC内蔵プリラミネート板にラミネートを施してカード型の身分証明書を完成させる。
必要な場合は、依頼者側の指示により、他のセキュリティ技術を更に付与し、再ラミネートを施してもよい。
【0052】
次に、一般に公知のカード作成工程により、IC内蔵プリラミネート板にラミネートを施す例を説明するが、これに限定したものではない。
(A) ICとアンテナが貼られたフィルム原反と厚さ0.30mmの透明PVCをラミネータ(HUETTENHOELSCHER社製(独国))で、温度140℃〜−140℃、20kNの圧力で60秒圧着後、温度40℃で60秒クーリングしてラミネートする。
(B) 厚さ0.15mmの透明PVC2枚を白色インキで印刷し、両印刷面を前記(A)と重ね合わせて、同ラミネータで温度140℃、20kNの圧力で60秒圧着後、温度40℃で60秒クーリングしてラミネートする。
(C) 前記証明書類データベース12の中から必要な証明書ファイルを、厚さ0.05mmの透明PET(三菱樹脂社製「プリメイク」)にインクジェットプリンタ(エプソン社製PX6000)で表裏模様を逆像で印刷する。
(D) 前記(B)及び(C)を、ラミネータ(日本オフィスラミネータ株式会社製)で温度120℃で5秒で圧着する。
(E) 圧着後、カード型ヌキ装置(大島工業株式会社製)で型抜きをする。
(F) 保護シートを剥離する。
なお、必要な場合、依頼者側の指示により、他のセキュリティ技術を更に付与し、再ラミネートを施してもよい。
【0053】
本実施例では、カード表面に対し、更に、前記(C)、(D)及び(F)の工程を繰り返すことにより、セキュリティ技術をさらに付与した。
また、本実施例では、前記(C)の工程の後で、裏面のみに、磁気ストライプを前記(A)で使用したラミネータを用いて、温度160℃、20kNの圧力で120秒圧着後、温度40℃で60秒クーリングしてラミネートした。
【0054】
次に、本実施の形態によるカード型の身分証明書の作成手順に基づいて、住民基本台帳カードの発行システムの実施例を図面により説明する。
【0055】
図4は、住民基本台帳カードの一例を示す図である。図4(a)は、受託側運用サーバコンピュータ5のレイアウトデータベース10で、偽造防止技術を付与していない住民基本台帳カードの書式を選択して、自動組版サーバPC13で自動組版処理を行い、証明書類データベース12に登録された証明書ファイルを選択し、プリントサーバPC14で住民基本台帳カードをプリント出力したものである。
【0056】
一方、図4(b)は、受託側運用サーバコンピュータ5のレイアウトデータベース10で、偽造防止技術の中から、イメージスイッチを付与した住民基本台帳カードの書式を選択して、自動組版サーバPC13で自動組版処理を行い、証明書類データベース12に登録された証明書ファイルを選択し、プリントサーバPC14で住民基本台帳カードをプリント出力したものである。住民基本台帳カードの左下の建物の図柄には、イメージスイッチが埋め込まれた顔画像が隠されている。
【0057】
図4(c)は、図4(b)の住民基本台帳カードを、認証装置である赤外線カメラで観察した場合で、建物の図柄に変わり、個人の顔画像が現出することで、イメージスイッチが埋め込まれていることを確認することができる。
【0058】
(3)依頼者専用サイトから、住民票を選択した場合
各自治体において、住民票を扱う担当者(依頼者側)が、新たな仕様の住民票を当該システムを用いて発注する場合である。依頼者側は、依頼者側コンピュータ1b、1c・・・をONにし(図3のS001)、あらかじめ取得しているID及びパスワードを入力し(図3のS002)、Webプラウザにて、受託側運用サーバコンピュータ5に送信し(図3のS004)、受信した受託側運用サーバコンピュータ5による認証結果がOKとなったら、依頼者側コンピュータ1b、1c・・・は、依頼者専用サイトを表示し(図3のS005)、各サイトが表示された画面から、住民票を選択し、次の操作に進む。
【0059】
依頼者側は、ここでは各自治体の公印を画像データ形式で登録(図3のS006)する。依頼者側が登録すると、受託側運用サーバコンピュータ5では、画像データベース8に公印が登録され、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7内に設定されたフォルダに、登録された公印と同じイラストがコピーされる。本フォルダは、監視フォルダ形式になっており、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7にあらかじめ設定してある図柄等の可視画像で構成された網点で表現された画像の中に、登録された公印を埋め込んだイメージスイッチのデータが自動生成される仕組みとなっている。このフォルダは、何かデータが登録されると自動的にイメージスイッチのデータが生成される仕組みとしている。
【0060】
次に、登録した自治体の公印に対する自治体名や市町村長氏名等の固有情報を登録(図3のS007)し、受託側運用サーバコンピュータ5のテキストデータベース11に登録し、前記依頼者側が登録した画像データベース8の中から、前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字と、レイアウトデータベース10の中から、作成したい証明書類の書式を選択(図3のS008)する。
【0061】
本実施例では、依頼者側は、偽造防止技術の一つであるイメージスイッチを埋め込んだ自治体の公印と作成したい証明書類の書式を選択し、自動組版を指示し(図3のS009)、自動組版処理の実行開始ボタンをクリックする。受託側運用サーバコンピュータ5の自動組版サーバPC13はこれを受けて、証明書ファイルを自動生成し、証明書類データベース12に登録される。このとき、依頼者側コンピュータは、必要ならば証明書ファイルをダウンロードするか、カラーレーザープリンタ等で出力することになる。必要ならば、他のセキュリティ技術をさらに付与しても良い。
【0062】
図5は、依頼者側がWebプラウザ上からカード及び各種証明書類の発行依頼を行うための動作例を示す図である。図5(a)は、依頼者側から受託側運用サーバコンピュータ5にアクセスするために、ID及びパスワードを入力し、登録するためのキー入力要求画面であり、IDを入力(a1)し、パスワードを入力(a2)し、OK(a3)で登録する。
【0063】
図5(b)は、依頼する各個人の顔画像を、画像データベース8に登録する画面である。(b1)は、依頼者側が登録した各個人の顔画像が登録完了した状態を示す画面である。(b2)は、依頼者側が登録した各個人の顔画像に対応付けた固有情報を登録及び確認するための画面切替ボタンである。(b3)は、自動組版を実行指示するに当たり、所属者を特定することが可能な前記画像、イラスト又は文字を選択するための画面切替ボタンであり、そのボタンを押すことにより、図5(e)に示す画面に切り替わる。(b4)は、依頼者側が各個人の顔画像を新規登録するための処理画面である。(b5)は、依頼者側が登録した各個人の顔画像を削除するための処理画面である。
【0064】
図5(c)は、依頼者側が登録した各個人の顔画像に対応付けた固有情報を登録する画面である。依頼者側に所属する所属者に関する情報の中で、(c1)は個人の住所、(c2)は個人の氏名、(c3)は個人の生年月日及び(c4)は個人の性別を登録するためのキー入力要求画面である。
【0065】
図5(d)は、住民基本台帳カードの書式の一覧画面である。
依頼者の要望にあった偽造防止技術等が付与されたものや、付与されていない住民基本台帳カードをデザインし、レイアウトデータベース10に登録されたものを表示して閲覧する画面である。(d1)は、偽造防止技術等が付与されている住民基本台帳カードの書式である。(d2)は、自動組版を実行指示するに当たり、前記(b3)での所属者を特定することが可能な前記画像、イラスト又は文字の選択に加え、偽造防止機能等を付与した各種カードの書式を選択するための画面切替ボタンであり、そのボタンを押すことにより、図5(e)に示す画面に切り替わる。
【0066】
図5(e)は、自動組版画面であり、前記(b3)及び(d2)により、選択された所属者を特定することが可能な前記画像、イラスト又は文字と偽造防止機能等を付与したカードの書式に対し、自動組版を実行するためのボタン(e1)を示す画面である。
【0067】
図5(f)は、依頼者側が要望する住民基本台帳カードを作成して、証明書類データベース12に登録された画面である。(f1)は、自動組版処理により生成されたデータを、証明書類データベース12から表示して閲覧又はダウンロードする処理画面である。(f2)は、自動組版処理により生成されたデータを、受託側運用サーバコンピュータ5に搭載されたプリントサーバPC14で出力するためのボタンである。
【0068】
図6は、ある自治体の印鑑登録証明書を扱う担当者(依頼者側)が、新たな仕様の印鑑登録証明書を当該システムにて発注してきた場合の一例を示す図である。図6(a)は、印鑑登録証明書の下部に、市町村名、市町村長氏名及び自治体の公印が付与されていないが、本実施の形態に基づき、前記依頼者が、デジタル画像処理済みの自治体の公印を画像データベース8に登録し、前記依頼者が登録した自治体の公印に対応付けた固有情報として、市町村名及び市町村長氏名を登録し、テキストデータベース11に登録し、レイアウトデータベース10の中から、作成したい証明書類の書式を選択する。
依頼者側は、前記依頼者が登録した自治体の公印と作成したい証明書類の書式を選択したら、自動組版の指示をし、自動組版処理の実行開始ボタンをクリックする。
【0069】
受託側運用サーバコンピュータ5の自動組版サーバPC13は、これを受けて、証明書ファイルを自動生成し、証明書類データベース12に登録される。こうして、図6(b)のような、依頼者側の市町村名、市町村長氏名及び市町村の公印が付与された証明書が作成される。
【0070】
また図6(c)の実施例においては、偽造防止技術の一つであるイメージスイッチを埋め込んだ自治体の公印と偽造防止技術として、イメージスイッチを付与した証明書類の書式を選択し、自動組版の指示をし、自動組版処理実行後、証明書ファイルをプリント出力したものである。印鑑登録証明書の左下の建物の図柄には、自治体の公印のイメージスイッチが付与されており、認証装置である赤外線カメラで観察すると、自治体の公印が埋め込まれていることを確認することができる。
【0071】
建物の図柄を認証装置で観察すると、自治体の公印に変化するということは、依頼者が、デジタル画像処理済みの自治体の公印を画像データベース8に登録したと同時に、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPC7では、第1の網点領域と第2の網点領域が複数配置されて濃度階調を有する可視画像が形成され、前記第1の網点領域は赤外吸収特性を含まない色材を用いて構成され、本実施例では、建物の網点画像で形成される。一方、前記第2の網点領域は赤外吸収特性を含む色材を用いて構成された第2aの網点領域と、赤外吸収特性を含まない色材を用いて構成された第2bの網点領域を有し、前記第2aの網点領域によって、自治体の公印のイラスト画が、潜像画像として形成されることによる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係るイメージスイッチの形成部分を模式的に示した図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカード及び各種証明書類の自動生成システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカード及び各種証明書類の自動生成システムの動作例を示すフローチャートを示す図である。
【図4】本実施の形態の一実施例として、カードを示す図である。
【図5】本実施の形態の一実施例として、住民基本台帳カードの発行をウェブブラウザ上から行うための動作例を示す図である。
【図6】本実施の形態の一実施例として、印鑑登録証明書を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種証明書類の発行を依頼するため、前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字の送信、前記画像、イラスト又は文字に対応付けた固有情報の送信、前記画像、イラスト又は文字に偽造防止技術を付与した各種証明書類の書式の選択及び自動組版指示並びに前記自動組版後の各種証明書類の閲覧、表示、ダウンロード、印刷及び真偽判別が実行可能な依頼者側コンピュータと、
前記依頼者側コンピュータからの各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字を登録する画像データベース、前記依頼者側コンピュータからの前記画像、イラスト又は文字に対応付けた固有情報を登録するテキストデータベース、前記依頼者側が前記各種証明書類の書式を選択するレイアウトデータベース、偽造防止データ生成サーバPCのコンピュータソフトウエアによって監視されたデータフォルダの中に、前記画像、イラスト又は文字が記録されると、前記記録された前記画像、イラスト若しくは文字に埋め込み処理を行い、又は前記画像、イラスト又は文字をあらかじめ用意されている可視画像の中に埋め込み処理を行う偽造防止データ生成サーバ、前記偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPCを介して偽造防止技術を付与した画像、イラスト又は文字を登録する偽造防止データベース、前記偽造防止データ生成サーバにより前記各種証明書類又は可視画像の中に前記画像、イラスト又は文字を埋め込んだ偽造防止画像を付与した各種証明書類を作製する自動組版サーバ、依頼者側が作成した所望する証明書を登録する証明書類データベース及び各種証明書類を出力するためのプリントサーバを有する受託側運用サーバコンピュータと、
前記依頼者側コンピュータのアクセス可能な情報や使用可能な機能に制限を設定し、前記受託側運用サーバコンピュータのWebアクセスログ管理を主として行うための受託側コンピュータとを備えて構成され、
前記依頼者側コンピュータと前記受託側運用サーバコンピュータと前記受託側コンピュータとが、通信ネットワークを介して相互に接続されて構成され、
前記依頼者側コンピュータは、取得したID及びパスワードを入力して前記受託側運用サーバコンピュータに接続するステップと、
前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字を前記受託側運用サーバコンピュータに送信するステップと、
前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字に対応付けた固有情報を前記受託側運用サーバコンピュータに送信するステップと、
前記各種証明書類の中から所望する証明書をレイアウトデータベースから選択するステップと、
前記依頼者側の前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字と証明書の書式選択に基づき、自動組版を指示するステップと、
前記受託側運用サーバコンピュータによって作製された前記証明書を前記依頼者側コンピュータに表示して閲覧し又はダウンロードするステップとを有し、
前記受託側運用サーバコンピュータは、前記依頼者側のID及びパスワードを受信し、登録してある個人認証用情報に基づいて認証するステップと、
前記依頼者側から送信された各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字を画像データベースに登録し、偽造防止データ生成用ジェネレーションサーバPCを介して偽造防止技術を付与した画像、イラスト又は文字に変換して偽造防止データベースに登録するステップと、
前記各種証明書類に付与する画像、イラスト又は文字に対応付けた固有情報をテキストデータベースに登録するステップと、
前記依頼者側が選択した各種証明書類の書式をレイアウトデータベースに登録するステップと、
前記依頼者側の証明書の書式選択に基づき、自動組版サーバを介して自動組版を実行し、所定の証明書を自動生成するステップと、
前記自動生成された組版データに基づき、依頼者側が所望する証明書を作成して証明書類データベースへ登録するステップとを有し、
前記受託側コンピュータは、依頼者側の登録状況、新規登録状況を管理することを特徴とする証明書類自動生成システム。
【請求項2】
前記偽造防止データ生成サーバにより付与する前記偽造防止技術は、赤外線下において潜像画像を認識可能とするものであって、前記依頼者側コンピュータから送信された前記画像、イラスト又は文字、若しくは前記画像、イラスト又は文字以外の可視画像に対して、第1の網点領域と第2の網点領域が複数配置されて濃度階調を有する可視画像を形成し、前記第1の網点領域は赤外吸収特性を含まない色材を用いて構成された領域を有し、前記第2の網点領域は赤外吸収特性を含む色材を用いて構成された第2aの網点領域と、赤外吸収特性を含まない色材を用いて構成された第2bの網点領域を有し、前記第2aの網点領域によって、前記画像、イラスト若しくは文字が潜像画像として形成され、前記潜像画像は、前記第2aの網点領域と前記第2bの網点領域との比率に応じて決定される前記第2aの網点領域の大きさにより階調を表現するものである請求項1記載の証明書類自動生成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−26617(P2010−26617A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184392(P2008−184392)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】