評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法とシステム
【課題】 評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方式およびシステムを提案する。
【解決手段】 本発明の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法は、推薦するアイテムを入力するステップと、アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するステップと、決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定するステップと、決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するステップとを含む。他の実施の形態においては、アイテムの時間的評価モデルは、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合から選択され、あるいは、システム内の履歴データによって自動的に生成される。さらに、選択した時間的評価モデルは、ユーザ嗜好情報あるいはユーザフィードバック情報に従って調整される。
【解決手段】 本発明の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法は、推薦するアイテムを入力するステップと、アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するステップと、決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定するステップと、決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するステップとを含む。他の実施の形態においては、アイテムの時間的評価モデルは、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合から選択され、あるいは、システム内の履歴データによって自動的に生成される。さらに、選択した時間的評価モデルは、ユーザ嗜好情報あるいはユーザフィードバック情報に従って調整される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に情報フィルタリングに関連し、特に、時間制御型アイテム推薦を実現することができる評価予測に基づくアイテム推薦方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
推薦システムは、10年間以上業務用途において展開されている。既定のユーザのために、推薦システムは、ユーザのプロファイルに基づいて情報を収集しかつ記録し、ユーザが興味を持つであろうアイテムを予測する。プロファイルは、年齢、教養および趣味、又はいくつかの規定の質問に対する回答、一定のアイテムについての投票(評価)、ウェブ・ブランジング履歴、オンライン購買記録などのような個人情報である。予測は、ある予め定義されたルール集合、統計模型あるいは機械学習アルゴリズムに基づいて実行される。
【0003】
最近、オンライン・ショッピング、ソーシャル・ネットワークおよび個別化された予約購読などのようなオンライン行動の絶え間ない増大に従って、推薦システムは、ウェブおよびモバイル用途においてますます広く適用されている。インターネットおよびモバイルのユーザは、どのレストランで食べるか、どんな種類の本を読むか、どの映画を観るか、何処へ旅行するか、などのような日常生活についての提案を得るために推薦システムを利用する。
【0004】
既存の推薦システムは、提供する推薦アイテムに対するユーザの興味の変分を考慮せず、常に高い信頼レベルのアイテムを推薦する。しかしながら、高信頼レベルのアイテムが、ユーザにとってその信頼レベルを維持しない場合がある。例えば、最初に高信頼レベルの映画がカルト・ムービーとしてリリースされ、その後超大作になると、超大作であることは周知であり、推薦する必要がないので、カルト・ムービーとしてよりも超大作となった時の方がその映画を推薦する信頼レベル値は低くなる。さらに、固定的なアイテムに対するユーザの興味は時とともに変化する場合がある。勤務時間より週末夜に推薦された映画が、非常に人を引きつける可能性ある。また、ユーザは、夕食時間の後ではなく夕食時間の前にレストランについての推薦を受け取る傾向がある。しかしながら、既存の推薦システムは、提供するアイテムに対するユーザの興味の時間的な変化を考慮しない。
【0005】
特許文献1(米国特許No.6334127)は、関連技術と異なる新型の推薦システムを提案している。このシステムは、セレンディピティ制御型アイテム推薦:serendipity−controlled item recommendation)を生成するために用いられる。
図1Aは、アイテムセレンディピティに基づいた推薦システム100の一般的なブロック図を示す。また、図1Bは、システム100の動作フローを示す。図1Aに示されるように、システム100は推薦アイテム記憶部101、アイテム入力部102、セレンディピティモデル記憶装置103、セレンディピティ統合部104およびセレンディピティ加重アイテム記憶装置105を含んでいる。
図1Bを参照すると、ステップ101aで、アイテム入力部102は、推薦アイテム記憶部101から推奨されるアイテムを入力する。推薦アイテム記憶部101がセレンディピティ特徴を考慮しないアイテムを格納することに注目すべきである。推薦されるアイテムは、例えば、ユーザのアイテム嗜好及びアイテム人気度等に基づく各種の既存方法によって生成することができる。
ステップ102aでは、セレンディピティ統合部104は、セレンディピティ加重アイテム記憶装置105から、各入力アイテムについて適切なセレンディピティモデルを選択し、選択したモデルに従って各アイテムのセレンディピティ加重値を計算する。その後、セレンディピティ加重アイテムはセレンディピティ加重アイテム記憶装置105に格納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許No.6334127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、セレンディピティ制御型推薦システムは、ユーザにセレンディピティ加重推薦を提供する。これにより、高信頼レベルが低い値のアイテムを推薦しないようにする。
しかし、このシステムは、提供するアイテムに対するユーザの興味の時間的な変化を反映させることができない。すなわち、このシステムでは、アイテムをユーザに推薦すべき最適な時間がいつであるかを決定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を考慮して開発されたものであり、評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方式およびシステムを提供する。本発明の主要な考えは、アイテム評価の計算に時間的な要因を組み込み、計算した最適な推薦時間に基づいてユーザにアイテムを推薦することにある。
【0009】
本発明による評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法は、推薦するアイテムを入力するステップと、アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するステップと、決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定するステップと、決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するステップとを含む
【0010】
本発明による評価予測に基づいた時間的制御型アイテム推薦システムは、推薦されるアイテムを入力するためのアイテム入力部と、アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するための時間的評価モデル決定部と、決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定する推薦方策適用部と、決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するアイテム推薦部とを含む。
【0011】
異なる実施の形態において、本発明は、アイテムに関する時間的評価モデルを決定する複数の方法を提案する。例えば、1つの実施の形態においては、推薦されるアイテムが属するカテゴリをまず決定する。ここで、異なるカテゴリは、異なる時間的な特性に関係する。すなわち、異なる時間的評価モデルに対応する。次に、アイテムについて適切な時間的評価モデルが、アイテムのカテゴリに従って、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合から選択される。その後、選択した時間的評価モデルに1つ以上の推薦方策を適用して、アイテムの最適の推薦時間を決定する。この推薦方策は、アイテムを推薦する時点、推薦回数および推薦周期を決定するために使用される。
【0012】
他の実施の形態においては、アイテムの推薦のためのユーザの嗜好情報を、選択した時間的評価モデルを調整するために使用し、異なるユーザに対するアイテムの個別的な時間的評価モデルを取得する。
【0013】
他の実施の形態においては、アイテムの推薦に関する特定のユーザのフィードバック情報を、ユーザの潜在的な嗜好として収集して選択した時間的評価モデルを調整するために使用する。その結果としてユーザに対する個別的な時間的評価モデルを取得する。
【0014】
他の実施の形態においては、推薦システム中のアイテム推薦についての履歴データが、個々のアイテムについて、アイテムに関する時間的評価モデルを学習して生成するために記憶される。
【0015】
本発明の推薦システムは、また、いずれか既存の推薦システム(例えば、セレンディピティ制御型推薦システム)と組み合わせて、既存の技術によって生成されたアイテムを本発明の候補アイテムとして採用して入力し、その結果として、既存の推薦システムの中に時間的なファクターを導入することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の主要な効果は、アイテム推薦の時間的な変化を考慮に入れることができるため、最適な推薦時間においてユーザにアイテムを推薦することができることである。これにより、推薦の有効性を向上させ、ユーザ体験を改善することが可能となる。
【0017】
更に、この発明のシステムおよび方法は、異なるユーザの要求にアイテムの最適な推薦時間を適応させることができる。すなわち、アイテムのために最適の推薦時間を、すべてのユーザにとって同じままとするのではなく、異なるユーザの嗜好あるいはフィードバック情報によって調整することができる。さらに、他の実施の形態によれば、アイテムの時間的評価モデルを、システム内の履歴データに従って学習して生成することができ、かつ、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合を必要としない。
【0018】
本発明の他の特徴および効果は、添付図面に関連する以下の詳細な記述から明らかになるであろう。本発明が、図面あるいは特定の実施の形態において示される例に限定されないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、添付図面と関連する本発明の実施の形態の以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。図面中、同じ参照番号は同様の構成要素を示している。
【図1A】関連技術によるセレンディピティ制御型推薦システム100の構成を示すブロック図である。
【図1B】図1Aに示すシステム100の動作処理を説明するフローチャートである。
【図2A】本発明による評価予測に基づいた時間的制御型アイテム推薦システム200の構成例を示すブロック図である。
【図2B】図2Aに示すシステム200の動作処理を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるアイテム推薦システム300の内部構成を示すブロック図である。
【図4A】時間的評価モデル集合の構造について説明するための概略図である。
【図4B】推薦方策選択について説明するための概略図である。
【図5】図3に示すシステム300の動作処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるアイテム推薦システム600の内部構成を示すブロック図である。
【図7A】ユーザ嗜好情報によって時間的評価モデルを調整する処理について説明するための概略図である。
【図7B】図6に示すステム600の動作処理を説明するフローチャートである。
【図8A】本発明の第3の実施の形態によるアイテム推薦システム800の内部構成を示すブロック図である。
【図8B】図8Aに示すシステム800の動作処理を説明するフローチャートである。
【図9A】本発明の第4の実施の形態によるアイテム推薦システム900の内部構成を示すブロック図である。
【図9B】図9Aに示すシステム900の動作処理を説明するフローチャートである。
【図10A】本発明(すなわち、システム300、600、800および900の1つ)のアイテム推薦システムと既存の推薦システムとを組み合わせた完全なシステム1000を示すブロック図である。
【図10B】図10Aに示すシステム1000の動作処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図2Aは、本発明による評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム200の構成例を示すブロック図である。図2Aに示されるように、アイテム推薦システム200は、アイテム入力部201、時間的評価モデル決定部202、推薦方策適用部203、アイテム推薦部204、推薦アイテム記憶部205および時間的制御推薦アイテム記憶部206を含む。
【0021】
図2Bは、図2Aに示すシステム200の動作処理の例を説明するフローチャートである。図2Bにおいて、処理200Aはステップ201aから開始し、そこで、アイテム入力部201は、推薦アイテム記憶部205から推奨されるアイテムAを入力する。推薦アイテム記憶部205に格納されるアイテムは、あらかじめ提供されるか、あるいは後述するように、既存の推薦技術を使用することにより自動的に生成される。ここで、注意すべきは、推薦アイテム記憶部205が時間的影響を考慮せずにアイテムを格納するということである。次に、ステップ202aでは、時間的評価モデル決定部202が、入力アイテムAに関する時間的な評価モデルRi(t)を決定する。この時間的な評価モデルRi(t)は、例えば、アイテム評価の時間的な変動を予測するために使用される。時間的な評価モデルの取得については、実施の形態において詳細に説明する。次に、ステップ203aでは、ユーザにアイテムAを推薦するのに最適の推薦時間を決定するために、推薦方策適用部203は、決定した時間的な評価モデルに1つ以上の推薦方策を適用する。ここで述べた「推薦方策」は、アイテムを推奨する時点、回数および期間などのようなファクターに関連するものである。その後、推薦時間を考慮に入れた時間的に制御された推薦アイテムは、ユーザに推薦されることを待機するため、時間的制御型推薦アイテム記憶部206に格納される。ステップ204aでは、アイテム推薦部204は、タイマを利用し、推薦方策適用部203により決定された最適な推薦時にユーザにアイテムを推薦する。その後、処理200Aが終了する。
【0022】
本発明においては、様々な実施の形態による多くの方法によってアイテムに関する時間的な評価モデルを生成することが可能である。例えば、時間的な評価モデルは、アイテムのカテゴリに基づいてあらかじめ格納された時間的な評価するモデルの集合から選択することも可能であるし、あるいは推薦システム内の履歴データに基づいて自動的に生成することも可能である。その詳細な説明は、種々の実施の形態と共に以下に示す。
【0023】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態によるアイテム推薦システム300の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、システム300の一般的な構成は、図2Aに示すシステム200の構成と類似している。しかし、図3は、時間的評価モデル決定部202の内部構成をさらに詳細に示している点で図2Aと相違する。図3において、時間的評価モデル決定部202は、アイテム分類ユニット2021、時間的評価モデル選択ユニット2022および時間的評価モデル記憶装置2023を含んでいる。
【0024】
図5は、図3に示すシステム300の動作処理を説明するフローチャートである。説明を分かり易くするため、時間的評価モデル集合の構造を説明するための概略図である図4Aと、推薦方策選択を説明するための概略図である図4Bをさらに示す。
【0025】
図5を参照すると、まず、アイテム入力部201が、推薦されるアイテムAを入力する。次に、時間的評価モデル決定部202のアイテム分類ユニット2021が、アイテムAが属するカテゴリを決定するために使用される。次に、アイテムAのために適切な時間的な評価モデルRi(t)を選択するために、時間的評価モデル選択ユニット2022は、時間的評価モデル記憶装置2023を検索する。図4Aは、時間的評価モデル記憶装置2023に格納された時間的評価モデル集合の構造を示している。
図4Aは、2つのカテゴリ(すなわち「レストラン」、「遊園地」)の時間的評価モデルを単に示すけれども、本発明に使用することができる時間的評価モデルは上記の2つのカテゴリに限定されないことは言うまでもない。
更に、図4Aにおいて、時間的評価モデルは、例えば、時間曲線の形式で表示される。その横座標が時間を表し、垂直座標がアイテム評価の時間的な変動を表している。
しかしながら、本発明に使用可能な時間的評価モデルは上述した形式に限定しない。また、アイテム評価の時間的な変動を表すために使用することができる他のモデルも、本発明に同様に適用することができる。
「レストラン」カテゴリと「遊園地」カテゴリの2つの時間的評価モデルが、異なる時間的な特性を有することを図4Aから理解できる。
「レストラン」カテゴリのモデルは2つのピークを有し毎日繰り返す。一方、「遊園地」カテゴリのモデルは1つのピークを有するが、より長く持続し、毎週繰り返す。
この表を検索することにより、アイテムAに適切な時間的評価モデルRi(t)を容易に取得することができる。
【0026】
続いて図5を参照すると、例えば、「レストラン」カテゴリの時間的評価モデルがアイテムAについて選択される(図5において、ステップ(4)を参照)。
次に、選択された時間的評価モデルは、推薦方策適用部203に供給される。
推薦方策適用部203は、アイテムAについての最適な推薦時点、推薦の回数あるいは推薦の周期を決定するために、選択した時間的評価モデルに1つ以上の適切な推薦方策を適用する。
【0027】
図4Bは、例として、いくつかの可能な推薦方策を示す。推薦時点を選択する方策は、図4Bの左側部分に示される。特に、この方策には、以下の異なる3つの方策が含まれる。
(A)時間的評価モデル曲線Riu(t)のピーク値に到達した時に推薦すること。
(B)時間的評価モデル曲線Riu(t)の閾値をちょうど超えた時に推薦すること。
(C)閾値を超えた後、一定遅延時間経過した時に推薦すること。
図4Bの右側部分は、推薦の回数を選択する方策を示しており、それは、例えば、3つの異なる策略を含む。
(a)ピーク値に到達する度に一回推薦すること。
(b)ピーク値に到達する度に数回推薦すること。
(c)一定の周期で繰り返し推薦すること。
異なる推薦方策を組み合わせることにより、推薦方策適用部203は、時間的評価モデルに従って最適なアイテム推薦時間を選択することができる。
【0028】
続いて図5を参照すると、ステップ(6)では、例として、推薦方策の適用に、図4Bに示される推薦方策(A)と(c)の組合せを採用した場合を示している。
推薦方策の適用により、アイテムAのための最適な推薦時点が毎日「11:00」と「19:00」であることが決定される。
その後、最適な推薦時点にマーク付けされたアイテムは、ユーザに推薦するために時間的制御型推薦アイテム記憶部206に格納される。
アイテム推薦部204は、タイマを利用し、毎日、「11:00」と「19:00」にユーザに「レストラン」カテゴリのアイテムAを推薦する。
【0029】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態によるアイテム推薦システム600の内部構成例を示すブロック図である。
図3に示すシステム300に類似するシステム600は、図3にす構成要素に加えて、システム600内の時間的評価モデル決定部202が、ユーザ嗜好情報入力ユニット601および調整ユニット602をさらに含む点においてのみシステム300と相違する。
ユーザ嗜好情報入力ユニット601と調整ユニット602は、最終的に決定されたアイテムの最適の推薦時間を異なるユーザの要求に適応させるために、異なるユーザの嗜好情報に応じて選択した時間的評価モデルを調整するために使用される。
この「ユーザ嗜好情報」は、ユーザのスケジュール、行為追跡記録あるいは他のリソースから容易に取得することができる。
【0030】
図7Aは、ユーザ嗜好情報によって時間的評価モデルを調整する処理について説明する概略図である。
この例においては、一般的なユーザの休日についての時間的評価曲線のピーク値が、金曜日から日曜日まであり、日曜日に下降する。次に、時間的評価モデルをユーザMの嗜好情報によって調整した後、ピーク値が金曜日に移動し、土曜日に下降する。
【0031】
図7Bは、図6に示すシステム600の動作処理を説明するフローチャートである。この動作処理は、図5に示すシステム300に類似し、ユーザ嗜好情報に従って時間的評価モデルの調整を実行するためのステップ(5)および(6)(太字に示したステップ)を追加する点においてのみ第1の実施の形態と相違する。
調整の後、推薦方策適用部203により決定した最適な推薦時間が、第1の実施の形態とは異なる可能性がある。例えば、最適な推薦時間が毎日「12:00」と「20:00」として決定される。
【0032】
第2の実施の形態においては、アイテムAのための最適な推薦時間を、すべてのユーザにとって同じままでとするのではなく、異なるユーザに応じて変化させる。このように、異なるユーザの要求に適合するアイテム推薦を実現することができる。
【0033】
(第3の実施の形態)
図8Aは、本発明の第3の実施の形態によるアイテム推薦システム800の内部構成例を示すブロック図である。また、図8Bは、図8Aに示すシステム800の動作処理を説明するフローチャートである。
【0034】
第2の実施の形態で説明したシステム600に類似する第3の実施の形態によるシステム800は、ユーザ嗜好情報を入力する代わりに、受信したアイテムについてユーザのフィードバック情報を収集することにより、アイテム推薦に関してユーザの個別的な要求を取得することにおいて相違する。
【0035】
図8Aに示すように、システム800の時間的評価モデル決定部202は、第1と第2実施の形態に示す構成要素に加えて、受信したアイテム推薦についてユーザのフィードバック情報を格納するのためのユーザフィードバック情報記憶装置801と、ユーザフィードバック情報によって選択された時間的評価モデルを調整するのための調整ユニット802をさらに含む。すなわち、時間的評価モデルRi(t)をRi,u(t)に調整する。
【0036】
第3の実施の形態においては、システムは、ユーザの要求に従って時間的評価モデルを調整するために、アイテム推薦についてユーザの潜在的な嗜好を収集するためにフィードバックメカニズムを採用する。
この方法により、第2の実施の形態において求められるようなユーザの嗜好を収集するための負担を回避することができる。推薦を行う前にユーザ嗜好情報を取得するのが困難な場合、このようなメカニズムは有用である。
【0037】
(第4の実施の形態)
前述したように第1、第2および第3の実施の形態においては、推薦システムは、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合からの特定のアイテムに適合する時間的評価モデルを選択する。この方法は、十分に理解されているカテゴリについて適している。
しかしながら、いくつかの特別のカテゴリについては、ユーザはそれに関する時間的評価モデルを予め取得できない可能性がある。この場合、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するために他の方式を採用する必要がある。図9Aおよび9Bに示す第4の実施の形態は、このような問題を解決するために用いることができる。
【0038】
図9Aは、本発明の第4の実施の形態によるアイテム推薦システム900の内部構成例を示すブロック図である。また、図9Bは、図9Aに示すシステム900の動作処理を説明するフローチャートである。
【0039】
図9Aに示すシステム900は、時間的評価モデル決定部202の構成において第1、第2および第3の実施の形態と相違する。なお、システム内の他の構成要素については基本的に同じである。
図9Aに示されるように、システム900の時間的評価モデル決定部202は、履歴データ分析ユニット901、時間的評価モデル生成ユニット902および履歴データ記憶装置903を含む。履歴データ記憶装置903は、ユーザに推薦されたのはどのアイテムか、そのアイテムの推薦時間、そのアイテムがユーザに受け入れられたか等の、推薦システムにおける推薦履歴を記録することができる。
【0040】
図9Bを参照すると、アイテム入力部201は、上述した他の実施の形態と同様に、最初に推奨されるアイテムAを入力する。
次に、履歴データ分析ユニット901は、アイテムAについてユーザ(例えば、ユーザM)の推薦時間嗜好情報を生成するために、履歴データ記憶装置903に格納された履歴データを分析する。
例えば、推薦時間嗜好情報は、<推薦時間:11:00,受取時間:12:00>、<推薦時間:21:00、未受取>,・・・<推薦時間:20:00,受取時間:20:00>のように表される。
もちろん、推薦時間嗜好情報の表し方は、これに限定せず、ユーザの要求に従って設計することが可能である。
その後、生成された推薦時間嗜好情報は、時間的評価モデル生成ユニット902に供給される。
時間的評価モデル生成ユニット902は、受け取ったユーザMの推薦時間嗜好情報によって学習することにより、ユーザMのためのアイテムAに関する時間的評価モデルを生成する。
時間的評価モデルの生成のために学習方法に関して、本発明の技術分野において公知の任意の方法、例えば、簡単な統計方法(simple statistics)、決定木(decision tree)、k−階マルコフモデル(k−order Markov model)、回帰算法(regression)等を利用することが可能である。
【0041】
上述されるように、本発明により提案される時間制御型アイテム推薦方策は、既存のどのようなアイテム推薦方式(例えば、セレンディピティ制御型アイテム推薦方法:serendipity−controlled item recommendation method)とも組み合わせることができる。
図10Aは、本発明のアイテム推薦システム(すなわち、システム300、600、800および900の1つ)を既存の推薦システムと組み合わせた完全なシステム1000を例示するブロック図である。
図10Bは、図10Aに示すシステム1000の動作処理を説明するフローチャートである。
【0042】
システム1000において、アイテム生成部1001は、推薦される候補アイテムを生成するために、任意の既存のアイテム推薦方法を採用することができる(図10Bにおけるステップ1001aを参照)。
既存のアイテム推薦方法は、例えば、協調フィルタリング(collaborative filtering)、内容ベースフィルタリング(content−based filtering)、ルールベースフィルタリング(rule−based filtering)およびハイブリッドフィルタリング(hybrid filtering)である。
図10Aに示すシステム1000の他の構成要素の構成および機能は、図2Aに示されるシステム200のそれらと同じである。すなわち、第1、第2、第3及び第4の実施の形態のどの構造をも使用することができる。
【0043】
以上、本発明による評価予測に基づいた制御アイテム推薦システムおよび方法について説明した。
上記の説明から、本発明が以下の効果を有することが理解できるであろう。
【0044】
本発明の主要な効果は、アイテム推薦の時間的な変化を考慮に入れることができるため、最適な推薦時間においてユーザにアイテムを推薦することができることである。これにより、推薦の有効性を向上させ、ユーザ体験を改善することが可能となる。
【0045】
更に、この発明のシステムおよび方法は、異なるユーザの要求にアイテムの最適な推薦時間を適応させることができる。
すなわち、アイテムのために最適の推薦時間を、すべてのユーザにとって同じままとするのではなく、異なるユーザの嗜好あるいはフィードバック情報によって調整することができる。
さらに、他の実施の形態によれば、アイテムの時間的評価モデルを、システム内の履歴データに従って学習して生成することができ、かつ、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合を必要としない。
【0046】
上記では、添付図面を参照して本発明の特定の実施の形態について説明してきたが、本発明は添付図面に示した特定の構成および処理に限定されるものではない。また、説明を分かり易くするために、既知の方法および技術についての詳細な説明は省略した。上述した実施の形態において、幾つかの特定のステップを例として示しかつ説明している。
しかしながら、本発明の方法と処理は、これらの特定のステップに限定されない。当業者は、発明の精神を理解すれば、これらのステップに変更、修正、追加を行うことができ、あるいはステップ間の順番を変更できるであろう。
【0047】
本発明に要素は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアあるいはそれの組み合わせにおいて実現され、それのシステム、サブシステム、構成部品あるいはサブコンポーネントにおいて利用することができる。ソフトウェア中で実現された時、本発明に要素は、必要なタスクを実行するためのプログラム、あるいはコードセグメントである。プログラムまたはコードセグメントは、コンピュータ読み取り可能な媒体に格納するか、あるいは伝送ケーブルか通信リンク上の搬送波に包含されたデータ信号によって送信することが可能である。コンピュータ読み取り可能な媒体には、情報を格納するか転送することが可能であるすべての媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な媒の具体例は、電子回路、半導体記憶装置、ROM、フラッシュ・メモリー、消去可能ROM(EROM)、フレキシブル・ディスク、CD−ROM光ディスク、ハードディスク、光ファイバー媒体、無線周波数(RF)リンクなどを含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネットなどのようなコンピュータネットワークを経由してダウンロードすることも可能である。
【0048】
本発明は、本発明の精神および本質的な機能から外れずに、他の特定の形態で実現可能である。例えば、特徴が本発明に基本的な範囲から外れない限り、特定の実施の形態で述べられたアルゴリズムは修正することが可能である。従って、現在の実施の形態は、全ての点において例示でありかつ限定的でないとして考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述の説明によってではなく添付された請求項によって示される。また、したがって、請求項の範囲あるいはそれと同等の範囲内で生ずる変更は全て本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0049】
101:推薦アイテム記憶装置
102:アイテム入力部
103:セレンディピティモデル記憶装置
104:セレンディピティ統合部
105:セレンディピティ加重アイテム記憶装置
201:アイテム入力部
202:時間的評価決定部
2021:アイテム分類ユニット
2022:時間的評価モデル選択ユニット
2023:時間的評価モデル記憶装置
203:推薦方策適用部
204:アイテム推薦部
205:推薦アイテム記憶装置
601:ユーザ嗜好情報入力ユニット
602:調整ユニット
801:ユーザフィードバック情報記憶装置
802:調整ユニット
901:履歴データ分析ユニット
902:時間的評価モデル生成ユニット
903:ユーザフィードバック情報記憶装置
1001:アイテム生成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に情報フィルタリングに関連し、特に、時間制御型アイテム推薦を実現することができる評価予測に基づくアイテム推薦方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
推薦システムは、10年間以上業務用途において展開されている。既定のユーザのために、推薦システムは、ユーザのプロファイルに基づいて情報を収集しかつ記録し、ユーザが興味を持つであろうアイテムを予測する。プロファイルは、年齢、教養および趣味、又はいくつかの規定の質問に対する回答、一定のアイテムについての投票(評価)、ウェブ・ブランジング履歴、オンライン購買記録などのような個人情報である。予測は、ある予め定義されたルール集合、統計模型あるいは機械学習アルゴリズムに基づいて実行される。
【0003】
最近、オンライン・ショッピング、ソーシャル・ネットワークおよび個別化された予約購読などのようなオンライン行動の絶え間ない増大に従って、推薦システムは、ウェブおよびモバイル用途においてますます広く適用されている。インターネットおよびモバイルのユーザは、どのレストランで食べるか、どんな種類の本を読むか、どの映画を観るか、何処へ旅行するか、などのような日常生活についての提案を得るために推薦システムを利用する。
【0004】
既存の推薦システムは、提供する推薦アイテムに対するユーザの興味の変分を考慮せず、常に高い信頼レベルのアイテムを推薦する。しかしながら、高信頼レベルのアイテムが、ユーザにとってその信頼レベルを維持しない場合がある。例えば、最初に高信頼レベルの映画がカルト・ムービーとしてリリースされ、その後超大作になると、超大作であることは周知であり、推薦する必要がないので、カルト・ムービーとしてよりも超大作となった時の方がその映画を推薦する信頼レベル値は低くなる。さらに、固定的なアイテムに対するユーザの興味は時とともに変化する場合がある。勤務時間より週末夜に推薦された映画が、非常に人を引きつける可能性ある。また、ユーザは、夕食時間の後ではなく夕食時間の前にレストランについての推薦を受け取る傾向がある。しかしながら、既存の推薦システムは、提供するアイテムに対するユーザの興味の時間的な変化を考慮しない。
【0005】
特許文献1(米国特許No.6334127)は、関連技術と異なる新型の推薦システムを提案している。このシステムは、セレンディピティ制御型アイテム推薦:serendipity−controlled item recommendation)を生成するために用いられる。
図1Aは、アイテムセレンディピティに基づいた推薦システム100の一般的なブロック図を示す。また、図1Bは、システム100の動作フローを示す。図1Aに示されるように、システム100は推薦アイテム記憶部101、アイテム入力部102、セレンディピティモデル記憶装置103、セレンディピティ統合部104およびセレンディピティ加重アイテム記憶装置105を含んでいる。
図1Bを参照すると、ステップ101aで、アイテム入力部102は、推薦アイテム記憶部101から推奨されるアイテムを入力する。推薦アイテム記憶部101がセレンディピティ特徴を考慮しないアイテムを格納することに注目すべきである。推薦されるアイテムは、例えば、ユーザのアイテム嗜好及びアイテム人気度等に基づく各種の既存方法によって生成することができる。
ステップ102aでは、セレンディピティ統合部104は、セレンディピティ加重アイテム記憶装置105から、各入力アイテムについて適切なセレンディピティモデルを選択し、選択したモデルに従って各アイテムのセレンディピティ加重値を計算する。その後、セレンディピティ加重アイテムはセレンディピティ加重アイテム記憶装置105に格納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許No.6334127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、セレンディピティ制御型推薦システムは、ユーザにセレンディピティ加重推薦を提供する。これにより、高信頼レベルが低い値のアイテムを推薦しないようにする。
しかし、このシステムは、提供するアイテムに対するユーザの興味の時間的な変化を反映させることができない。すなわち、このシステムでは、アイテムをユーザに推薦すべき最適な時間がいつであるかを決定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を考慮して開発されたものであり、評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方式およびシステムを提供する。本発明の主要な考えは、アイテム評価の計算に時間的な要因を組み込み、計算した最適な推薦時間に基づいてユーザにアイテムを推薦することにある。
【0009】
本発明による評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法は、推薦するアイテムを入力するステップと、アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するステップと、決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定するステップと、決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するステップとを含む
【0010】
本発明による評価予測に基づいた時間的制御型アイテム推薦システムは、推薦されるアイテムを入力するためのアイテム入力部と、アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するための時間的評価モデル決定部と、決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定する推薦方策適用部と、決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するアイテム推薦部とを含む。
【0011】
異なる実施の形態において、本発明は、アイテムに関する時間的評価モデルを決定する複数の方法を提案する。例えば、1つの実施の形態においては、推薦されるアイテムが属するカテゴリをまず決定する。ここで、異なるカテゴリは、異なる時間的な特性に関係する。すなわち、異なる時間的評価モデルに対応する。次に、アイテムについて適切な時間的評価モデルが、アイテムのカテゴリに従って、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合から選択される。その後、選択した時間的評価モデルに1つ以上の推薦方策を適用して、アイテムの最適の推薦時間を決定する。この推薦方策は、アイテムを推薦する時点、推薦回数および推薦周期を決定するために使用される。
【0012】
他の実施の形態においては、アイテムの推薦のためのユーザの嗜好情報を、選択した時間的評価モデルを調整するために使用し、異なるユーザに対するアイテムの個別的な時間的評価モデルを取得する。
【0013】
他の実施の形態においては、アイテムの推薦に関する特定のユーザのフィードバック情報を、ユーザの潜在的な嗜好として収集して選択した時間的評価モデルを調整するために使用する。その結果としてユーザに対する個別的な時間的評価モデルを取得する。
【0014】
他の実施の形態においては、推薦システム中のアイテム推薦についての履歴データが、個々のアイテムについて、アイテムに関する時間的評価モデルを学習して生成するために記憶される。
【0015】
本発明の推薦システムは、また、いずれか既存の推薦システム(例えば、セレンディピティ制御型推薦システム)と組み合わせて、既存の技術によって生成されたアイテムを本発明の候補アイテムとして採用して入力し、その結果として、既存の推薦システムの中に時間的なファクターを導入することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の主要な効果は、アイテム推薦の時間的な変化を考慮に入れることができるため、最適な推薦時間においてユーザにアイテムを推薦することができることである。これにより、推薦の有効性を向上させ、ユーザ体験を改善することが可能となる。
【0017】
更に、この発明のシステムおよび方法は、異なるユーザの要求にアイテムの最適な推薦時間を適応させることができる。すなわち、アイテムのために最適の推薦時間を、すべてのユーザにとって同じままとするのではなく、異なるユーザの嗜好あるいはフィードバック情報によって調整することができる。さらに、他の実施の形態によれば、アイテムの時間的評価モデルを、システム内の履歴データに従って学習して生成することができ、かつ、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合を必要としない。
【0018】
本発明の他の特徴および効果は、添付図面に関連する以下の詳細な記述から明らかになるであろう。本発明が、図面あるいは特定の実施の形態において示される例に限定されないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、添付図面と関連する本発明の実施の形態の以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。図面中、同じ参照番号は同様の構成要素を示している。
【図1A】関連技術によるセレンディピティ制御型推薦システム100の構成を示すブロック図である。
【図1B】図1Aに示すシステム100の動作処理を説明するフローチャートである。
【図2A】本発明による評価予測に基づいた時間的制御型アイテム推薦システム200の構成例を示すブロック図である。
【図2B】図2Aに示すシステム200の動作処理を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるアイテム推薦システム300の内部構成を示すブロック図である。
【図4A】時間的評価モデル集合の構造について説明するための概略図である。
【図4B】推薦方策選択について説明するための概略図である。
【図5】図3に示すシステム300の動作処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるアイテム推薦システム600の内部構成を示すブロック図である。
【図7A】ユーザ嗜好情報によって時間的評価モデルを調整する処理について説明するための概略図である。
【図7B】図6に示すステム600の動作処理を説明するフローチャートである。
【図8A】本発明の第3の実施の形態によるアイテム推薦システム800の内部構成を示すブロック図である。
【図8B】図8Aに示すシステム800の動作処理を説明するフローチャートである。
【図9A】本発明の第4の実施の形態によるアイテム推薦システム900の内部構成を示すブロック図である。
【図9B】図9Aに示すシステム900の動作処理を説明するフローチャートである。
【図10A】本発明(すなわち、システム300、600、800および900の1つ)のアイテム推薦システムと既存の推薦システムとを組み合わせた完全なシステム1000を示すブロック図である。
【図10B】図10Aに示すシステム1000の動作処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図2Aは、本発明による評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム200の構成例を示すブロック図である。図2Aに示されるように、アイテム推薦システム200は、アイテム入力部201、時間的評価モデル決定部202、推薦方策適用部203、アイテム推薦部204、推薦アイテム記憶部205および時間的制御推薦アイテム記憶部206を含む。
【0021】
図2Bは、図2Aに示すシステム200の動作処理の例を説明するフローチャートである。図2Bにおいて、処理200Aはステップ201aから開始し、そこで、アイテム入力部201は、推薦アイテム記憶部205から推奨されるアイテムAを入力する。推薦アイテム記憶部205に格納されるアイテムは、あらかじめ提供されるか、あるいは後述するように、既存の推薦技術を使用することにより自動的に生成される。ここで、注意すべきは、推薦アイテム記憶部205が時間的影響を考慮せずにアイテムを格納するということである。次に、ステップ202aでは、時間的評価モデル決定部202が、入力アイテムAに関する時間的な評価モデルRi(t)を決定する。この時間的な評価モデルRi(t)は、例えば、アイテム評価の時間的な変動を予測するために使用される。時間的な評価モデルの取得については、実施の形態において詳細に説明する。次に、ステップ203aでは、ユーザにアイテムAを推薦するのに最適の推薦時間を決定するために、推薦方策適用部203は、決定した時間的な評価モデルに1つ以上の推薦方策を適用する。ここで述べた「推薦方策」は、アイテムを推奨する時点、回数および期間などのようなファクターに関連するものである。その後、推薦時間を考慮に入れた時間的に制御された推薦アイテムは、ユーザに推薦されることを待機するため、時間的制御型推薦アイテム記憶部206に格納される。ステップ204aでは、アイテム推薦部204は、タイマを利用し、推薦方策適用部203により決定された最適な推薦時にユーザにアイテムを推薦する。その後、処理200Aが終了する。
【0022】
本発明においては、様々な実施の形態による多くの方法によってアイテムに関する時間的な評価モデルを生成することが可能である。例えば、時間的な評価モデルは、アイテムのカテゴリに基づいてあらかじめ格納された時間的な評価するモデルの集合から選択することも可能であるし、あるいは推薦システム内の履歴データに基づいて自動的に生成することも可能である。その詳細な説明は、種々の実施の形態と共に以下に示す。
【0023】
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態によるアイテム推薦システム300の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、システム300の一般的な構成は、図2Aに示すシステム200の構成と類似している。しかし、図3は、時間的評価モデル決定部202の内部構成をさらに詳細に示している点で図2Aと相違する。図3において、時間的評価モデル決定部202は、アイテム分類ユニット2021、時間的評価モデル選択ユニット2022および時間的評価モデル記憶装置2023を含んでいる。
【0024】
図5は、図3に示すシステム300の動作処理を説明するフローチャートである。説明を分かり易くするため、時間的評価モデル集合の構造を説明するための概略図である図4Aと、推薦方策選択を説明するための概略図である図4Bをさらに示す。
【0025】
図5を参照すると、まず、アイテム入力部201が、推薦されるアイテムAを入力する。次に、時間的評価モデル決定部202のアイテム分類ユニット2021が、アイテムAが属するカテゴリを決定するために使用される。次に、アイテムAのために適切な時間的な評価モデルRi(t)を選択するために、時間的評価モデル選択ユニット2022は、時間的評価モデル記憶装置2023を検索する。図4Aは、時間的評価モデル記憶装置2023に格納された時間的評価モデル集合の構造を示している。
図4Aは、2つのカテゴリ(すなわち「レストラン」、「遊園地」)の時間的評価モデルを単に示すけれども、本発明に使用することができる時間的評価モデルは上記の2つのカテゴリに限定されないことは言うまでもない。
更に、図4Aにおいて、時間的評価モデルは、例えば、時間曲線の形式で表示される。その横座標が時間を表し、垂直座標がアイテム評価の時間的な変動を表している。
しかしながら、本発明に使用可能な時間的評価モデルは上述した形式に限定しない。また、アイテム評価の時間的な変動を表すために使用することができる他のモデルも、本発明に同様に適用することができる。
「レストラン」カテゴリと「遊園地」カテゴリの2つの時間的評価モデルが、異なる時間的な特性を有することを図4Aから理解できる。
「レストラン」カテゴリのモデルは2つのピークを有し毎日繰り返す。一方、「遊園地」カテゴリのモデルは1つのピークを有するが、より長く持続し、毎週繰り返す。
この表を検索することにより、アイテムAに適切な時間的評価モデルRi(t)を容易に取得することができる。
【0026】
続いて図5を参照すると、例えば、「レストラン」カテゴリの時間的評価モデルがアイテムAについて選択される(図5において、ステップ(4)を参照)。
次に、選択された時間的評価モデルは、推薦方策適用部203に供給される。
推薦方策適用部203は、アイテムAについての最適な推薦時点、推薦の回数あるいは推薦の周期を決定するために、選択した時間的評価モデルに1つ以上の適切な推薦方策を適用する。
【0027】
図4Bは、例として、いくつかの可能な推薦方策を示す。推薦時点を選択する方策は、図4Bの左側部分に示される。特に、この方策には、以下の異なる3つの方策が含まれる。
(A)時間的評価モデル曲線Riu(t)のピーク値に到達した時に推薦すること。
(B)時間的評価モデル曲線Riu(t)の閾値をちょうど超えた時に推薦すること。
(C)閾値を超えた後、一定遅延時間経過した時に推薦すること。
図4Bの右側部分は、推薦の回数を選択する方策を示しており、それは、例えば、3つの異なる策略を含む。
(a)ピーク値に到達する度に一回推薦すること。
(b)ピーク値に到達する度に数回推薦すること。
(c)一定の周期で繰り返し推薦すること。
異なる推薦方策を組み合わせることにより、推薦方策適用部203は、時間的評価モデルに従って最適なアイテム推薦時間を選択することができる。
【0028】
続いて図5を参照すると、ステップ(6)では、例として、推薦方策の適用に、図4Bに示される推薦方策(A)と(c)の組合せを採用した場合を示している。
推薦方策の適用により、アイテムAのための最適な推薦時点が毎日「11:00」と「19:00」であることが決定される。
その後、最適な推薦時点にマーク付けされたアイテムは、ユーザに推薦するために時間的制御型推薦アイテム記憶部206に格納される。
アイテム推薦部204は、タイマを利用し、毎日、「11:00」と「19:00」にユーザに「レストラン」カテゴリのアイテムAを推薦する。
【0029】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態によるアイテム推薦システム600の内部構成例を示すブロック図である。
図3に示すシステム300に類似するシステム600は、図3にす構成要素に加えて、システム600内の時間的評価モデル決定部202が、ユーザ嗜好情報入力ユニット601および調整ユニット602をさらに含む点においてのみシステム300と相違する。
ユーザ嗜好情報入力ユニット601と調整ユニット602は、最終的に決定されたアイテムの最適の推薦時間を異なるユーザの要求に適応させるために、異なるユーザの嗜好情報に応じて選択した時間的評価モデルを調整するために使用される。
この「ユーザ嗜好情報」は、ユーザのスケジュール、行為追跡記録あるいは他のリソースから容易に取得することができる。
【0030】
図7Aは、ユーザ嗜好情報によって時間的評価モデルを調整する処理について説明する概略図である。
この例においては、一般的なユーザの休日についての時間的評価曲線のピーク値が、金曜日から日曜日まであり、日曜日に下降する。次に、時間的評価モデルをユーザMの嗜好情報によって調整した後、ピーク値が金曜日に移動し、土曜日に下降する。
【0031】
図7Bは、図6に示すシステム600の動作処理を説明するフローチャートである。この動作処理は、図5に示すシステム300に類似し、ユーザ嗜好情報に従って時間的評価モデルの調整を実行するためのステップ(5)および(6)(太字に示したステップ)を追加する点においてのみ第1の実施の形態と相違する。
調整の後、推薦方策適用部203により決定した最適な推薦時間が、第1の実施の形態とは異なる可能性がある。例えば、最適な推薦時間が毎日「12:00」と「20:00」として決定される。
【0032】
第2の実施の形態においては、アイテムAのための最適な推薦時間を、すべてのユーザにとって同じままでとするのではなく、異なるユーザに応じて変化させる。このように、異なるユーザの要求に適合するアイテム推薦を実現することができる。
【0033】
(第3の実施の形態)
図8Aは、本発明の第3の実施の形態によるアイテム推薦システム800の内部構成例を示すブロック図である。また、図8Bは、図8Aに示すシステム800の動作処理を説明するフローチャートである。
【0034】
第2の実施の形態で説明したシステム600に類似する第3の実施の形態によるシステム800は、ユーザ嗜好情報を入力する代わりに、受信したアイテムについてユーザのフィードバック情報を収集することにより、アイテム推薦に関してユーザの個別的な要求を取得することにおいて相違する。
【0035】
図8Aに示すように、システム800の時間的評価モデル決定部202は、第1と第2実施の形態に示す構成要素に加えて、受信したアイテム推薦についてユーザのフィードバック情報を格納するのためのユーザフィードバック情報記憶装置801と、ユーザフィードバック情報によって選択された時間的評価モデルを調整するのための調整ユニット802をさらに含む。すなわち、時間的評価モデルRi(t)をRi,u(t)に調整する。
【0036】
第3の実施の形態においては、システムは、ユーザの要求に従って時間的評価モデルを調整するために、アイテム推薦についてユーザの潜在的な嗜好を収集するためにフィードバックメカニズムを採用する。
この方法により、第2の実施の形態において求められるようなユーザの嗜好を収集するための負担を回避することができる。推薦を行う前にユーザ嗜好情報を取得するのが困難な場合、このようなメカニズムは有用である。
【0037】
(第4の実施の形態)
前述したように第1、第2および第3の実施の形態においては、推薦システムは、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合からの特定のアイテムに適合する時間的評価モデルを選択する。この方法は、十分に理解されているカテゴリについて適している。
しかしながら、いくつかの特別のカテゴリについては、ユーザはそれに関する時間的評価モデルを予め取得できない可能性がある。この場合、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するために他の方式を採用する必要がある。図9Aおよび9Bに示す第4の実施の形態は、このような問題を解決するために用いることができる。
【0038】
図9Aは、本発明の第4の実施の形態によるアイテム推薦システム900の内部構成例を示すブロック図である。また、図9Bは、図9Aに示すシステム900の動作処理を説明するフローチャートである。
【0039】
図9Aに示すシステム900は、時間的評価モデル決定部202の構成において第1、第2および第3の実施の形態と相違する。なお、システム内の他の構成要素については基本的に同じである。
図9Aに示されるように、システム900の時間的評価モデル決定部202は、履歴データ分析ユニット901、時間的評価モデル生成ユニット902および履歴データ記憶装置903を含む。履歴データ記憶装置903は、ユーザに推薦されたのはどのアイテムか、そのアイテムの推薦時間、そのアイテムがユーザに受け入れられたか等の、推薦システムにおける推薦履歴を記録することができる。
【0040】
図9Bを参照すると、アイテム入力部201は、上述した他の実施の形態と同様に、最初に推奨されるアイテムAを入力する。
次に、履歴データ分析ユニット901は、アイテムAについてユーザ(例えば、ユーザM)の推薦時間嗜好情報を生成するために、履歴データ記憶装置903に格納された履歴データを分析する。
例えば、推薦時間嗜好情報は、<推薦時間:11:00,受取時間:12:00>、<推薦時間:21:00、未受取>,・・・<推薦時間:20:00,受取時間:20:00>のように表される。
もちろん、推薦時間嗜好情報の表し方は、これに限定せず、ユーザの要求に従って設計することが可能である。
その後、生成された推薦時間嗜好情報は、時間的評価モデル生成ユニット902に供給される。
時間的評価モデル生成ユニット902は、受け取ったユーザMの推薦時間嗜好情報によって学習することにより、ユーザMのためのアイテムAに関する時間的評価モデルを生成する。
時間的評価モデルの生成のために学習方法に関して、本発明の技術分野において公知の任意の方法、例えば、簡単な統計方法(simple statistics)、決定木(decision tree)、k−階マルコフモデル(k−order Markov model)、回帰算法(regression)等を利用することが可能である。
【0041】
上述されるように、本発明により提案される時間制御型アイテム推薦方策は、既存のどのようなアイテム推薦方式(例えば、セレンディピティ制御型アイテム推薦方法:serendipity−controlled item recommendation method)とも組み合わせることができる。
図10Aは、本発明のアイテム推薦システム(すなわち、システム300、600、800および900の1つ)を既存の推薦システムと組み合わせた完全なシステム1000を例示するブロック図である。
図10Bは、図10Aに示すシステム1000の動作処理を説明するフローチャートである。
【0042】
システム1000において、アイテム生成部1001は、推薦される候補アイテムを生成するために、任意の既存のアイテム推薦方法を採用することができる(図10Bにおけるステップ1001aを参照)。
既存のアイテム推薦方法は、例えば、協調フィルタリング(collaborative filtering)、内容ベースフィルタリング(content−based filtering)、ルールベースフィルタリング(rule−based filtering)およびハイブリッドフィルタリング(hybrid filtering)である。
図10Aに示すシステム1000の他の構成要素の構成および機能は、図2Aに示されるシステム200のそれらと同じである。すなわち、第1、第2、第3及び第4の実施の形態のどの構造をも使用することができる。
【0043】
以上、本発明による評価予測に基づいた制御アイテム推薦システムおよび方法について説明した。
上記の説明から、本発明が以下の効果を有することが理解できるであろう。
【0044】
本発明の主要な効果は、アイテム推薦の時間的な変化を考慮に入れることができるため、最適な推薦時間においてユーザにアイテムを推薦することができることである。これにより、推薦の有効性を向上させ、ユーザ体験を改善することが可能となる。
【0045】
更に、この発明のシステムおよび方法は、異なるユーザの要求にアイテムの最適な推薦時間を適応させることができる。
すなわち、アイテムのために最適の推薦時間を、すべてのユーザにとって同じままとするのではなく、異なるユーザの嗜好あるいはフィードバック情報によって調整することができる。
さらに、他の実施の形態によれば、アイテムの時間的評価モデルを、システム内の履歴データに従って学習して生成することができ、かつ、あらかじめ格納された時間的評価モデル集合を必要としない。
【0046】
上記では、添付図面を参照して本発明の特定の実施の形態について説明してきたが、本発明は添付図面に示した特定の構成および処理に限定されるものではない。また、説明を分かり易くするために、既知の方法および技術についての詳細な説明は省略した。上述した実施の形態において、幾つかの特定のステップを例として示しかつ説明している。
しかしながら、本発明の方法と処理は、これらの特定のステップに限定されない。当業者は、発明の精神を理解すれば、これらのステップに変更、修正、追加を行うことができ、あるいはステップ間の順番を変更できるであろう。
【0047】
本発明に要素は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアあるいはそれの組み合わせにおいて実現され、それのシステム、サブシステム、構成部品あるいはサブコンポーネントにおいて利用することができる。ソフトウェア中で実現された時、本発明に要素は、必要なタスクを実行するためのプログラム、あるいはコードセグメントである。プログラムまたはコードセグメントは、コンピュータ読み取り可能な媒体に格納するか、あるいは伝送ケーブルか通信リンク上の搬送波に包含されたデータ信号によって送信することが可能である。コンピュータ読み取り可能な媒体には、情報を格納するか転送することが可能であるすべての媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な媒の具体例は、電子回路、半導体記憶装置、ROM、フラッシュ・メモリー、消去可能ROM(EROM)、フレキシブル・ディスク、CD−ROM光ディスク、ハードディスク、光ファイバー媒体、無線周波数(RF)リンクなどを含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネットなどのようなコンピュータネットワークを経由してダウンロードすることも可能である。
【0048】
本発明は、本発明の精神および本質的な機能から外れずに、他の特定の形態で実現可能である。例えば、特徴が本発明に基本的な範囲から外れない限り、特定の実施の形態で述べられたアルゴリズムは修正することが可能である。従って、現在の実施の形態は、全ての点において例示でありかつ限定的でないとして考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述の説明によってではなく添付された請求項によって示される。また、したがって、請求項の範囲あるいはそれと同等の範囲内で生ずる変更は全て本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0049】
101:推薦アイテム記憶装置
102:アイテム入力部
103:セレンディピティモデル記憶装置
104:セレンディピティ統合部
105:セレンディピティ加重アイテム記憶装置
201:アイテム入力部
202:時間的評価決定部
2021:アイテム分類ユニット
2022:時間的評価モデル選択ユニット
2023:時間的評価モデル記憶装置
203:推薦方策適用部
204:アイテム推薦部
205:推薦アイテム記憶装置
601:ユーザ嗜好情報入力ユニット
602:調整ユニット
801:ユーザフィードバック情報記憶装置
802:調整ユニット
901:履歴データ分析ユニット
902:時間的評価モデル生成ユニット
903:ユーザフィードバック情報記憶装置
1001:アイテム生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法であって、
推薦するアイテムを入力するステップと、
アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するステップと、
決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定するステップと、
決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するステップとを含むことを特徴とする評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項2】
前記時間的評価モデルを決定するステップが、
アイテムが属するカテゴリを決定するステップと、
あらかじめ格納された時間的評価モデル集合から、決定したアイテムのカテゴリに従ってアイテムに対して適切な時間的評価モデルを選択するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項3】
前記時間的評価モデルを決定するステップが、さらに、
アイテムの推薦時間についてユーザのユーザ嗜好情報を入力するステップと、
選択した前記時間的評価モデルを前記ユーザ嗜好情報によって調整するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項4】
前記時間的評価モデルを決定するステップが、さらに、
ユーザによって受け取られたアイテムの推薦時間に関するユーザフィードバック情報を記録するステップと、
選択した前記時間的評価モデルを前記ユーザフィードバック情報によって調整するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項5】
前記時間的評価モデルを決定するステップが、
推薦システム中のアイテム推薦履歴に関する履歴データを収集するステップと、
前記履歴データを分析し、アイテムの対するユーザの推薦時間嗜好情報を取得するステップと、
取得した前記推薦時間嗜好情報に基づいて、アイテムに関する時間的評価モデルを生成するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項6】
既存の推薦方法を使用して推薦されるアイテムを生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項7】
前記既存の推薦方法が、協調フィルタリング、内容ベースフィルタリング、ルールベースフィルタリングおよびハイブリッドフィルタリングの少なくも1つであることを特徴とする請求項6に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項8】
前記推薦方策が、アイテムを推薦する時点、推薦時間周期および推薦回数を決定するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項9】
評価予測に基づいた時間的制御型アイテム推薦システムであって、
推薦されるアイテムを入力するためのアイテム入力部と、
アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するための時間的評価モデル決定部と、
決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定する推薦方策適用部と、
決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するアイテム推薦部と
を備えることを特徴とする評価予測に基づいた時間的制御型アイテム推薦システム。
【請求項10】
前記時間的評価モデル決定部が、
アイテムのカテゴリに関連のある時間的評価モデル集合を格納するための時間的評価モデル記憶装置と、
アイテムが属するカテゴリを決定するためのアイテム分類ユニットと、
前記時間的評価モデル記憶装置に格納された時間的評価モデル集合から、決定したアイテムのカテゴリに従ってアイテムに対して適切な時間的評価モデルを選択するための時間的評価モデル選択ユニットとを含むことを特徴とする請求項9に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項11】
前記時間的評価モデル決定部が、さらに、
アイテムの推薦時間についてユーザのユーザ嗜好情報を入力するためのユーザ嗜好情報入力ユニットと、
選択した前記時間的評価モデルを前記ユーザ嗜好情報によって調整するための調整ユニットとを含むことを特徴とする請求項10に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項12】
前記時間的評価モデル決定部が、さらに、
ユーザによって受け取られたアイテムの推薦時間に関するユーザフィードバック情報を記録するためのユーザフィードバック情報記憶装置と、
選択した前記時間的評価モデルを前記ユーザフィードバック情報によって調整するための調整ユニットとを含むことを特徴とする請求項10に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項13】
前記時間的評価モデル決定部が、
推薦システム中のアイテム推薦履歴に関する履歴データを記録するための履歴データ記憶装置と、
前記履歴データを分析し、アイテムの対するユーザの推薦時間嗜好情報を取得するための履歴データ分析ユニットと、
取得した前記推薦時間嗜好情報に基づいて、アイテムに関する時間的評価モデルを生成するための時間的評価モデル生成ユニットとを含むことを特徴とする請求項9に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項14】
既存の推薦方法を使用して推薦されるアイテムを生成するためのアイテム生成部をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項15】
タイマをさらに備え、
前記アイテム推薦部は、タイマで決定した最適な推薦時間にユーザに対してアイテムを推薦することを特徴とする請求項9に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項1】
評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法であって、
推薦するアイテムを入力するステップと、
アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するステップと、
決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定するステップと、
決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するステップとを含むことを特徴とする評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項2】
前記時間的評価モデルを決定するステップが、
アイテムが属するカテゴリを決定するステップと、
あらかじめ格納された時間的評価モデル集合から、決定したアイテムのカテゴリに従ってアイテムに対して適切な時間的評価モデルを選択するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項3】
前記時間的評価モデルを決定するステップが、さらに、
アイテムの推薦時間についてユーザのユーザ嗜好情報を入力するステップと、
選択した前記時間的評価モデルを前記ユーザ嗜好情報によって調整するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項4】
前記時間的評価モデルを決定するステップが、さらに、
ユーザによって受け取られたアイテムの推薦時間に関するユーザフィードバック情報を記録するステップと、
選択した前記時間的評価モデルを前記ユーザフィードバック情報によって調整するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項5】
前記時間的評価モデルを決定するステップが、
推薦システム中のアイテム推薦履歴に関する履歴データを収集するステップと、
前記履歴データを分析し、アイテムの対するユーザの推薦時間嗜好情報を取得するステップと、
取得した前記推薦時間嗜好情報に基づいて、アイテムに関する時間的評価モデルを生成するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項6】
既存の推薦方法を使用して推薦されるアイテムを生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項7】
前記既存の推薦方法が、協調フィルタリング、内容ベースフィルタリング、ルールベースフィルタリングおよびハイブリッドフィルタリングの少なくも1つであることを特徴とする請求項6に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項8】
前記推薦方策が、アイテムを推薦する時点、推薦時間周期および推薦回数を決定するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦方法。
【請求項9】
評価予測に基づいた時間的制御型アイテム推薦システムであって、
推薦されるアイテムを入力するためのアイテム入力部と、
アイテムの評価に対する時間的な変動を予測するために使用する、アイテムに関する時間的評価モデルを決定するための時間的評価モデル決定部と、
決定した時間的評価モデルに1以上の推薦方策を適用し、アイテムの最適な推薦時間を決定する推薦方策適用部と、
決定した最適な推薦時間にユーザにアイテムを推薦するアイテム推薦部と
を備えることを特徴とする評価予測に基づいた時間的制御型アイテム推薦システム。
【請求項10】
前記時間的評価モデル決定部が、
アイテムのカテゴリに関連のある時間的評価モデル集合を格納するための時間的評価モデル記憶装置と、
アイテムが属するカテゴリを決定するためのアイテム分類ユニットと、
前記時間的評価モデル記憶装置に格納された時間的評価モデル集合から、決定したアイテムのカテゴリに従ってアイテムに対して適切な時間的評価モデルを選択するための時間的評価モデル選択ユニットとを含むことを特徴とする請求項9に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項11】
前記時間的評価モデル決定部が、さらに、
アイテムの推薦時間についてユーザのユーザ嗜好情報を入力するためのユーザ嗜好情報入力ユニットと、
選択した前記時間的評価モデルを前記ユーザ嗜好情報によって調整するための調整ユニットとを含むことを特徴とする請求項10に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項12】
前記時間的評価モデル決定部が、さらに、
ユーザによって受け取られたアイテムの推薦時間に関するユーザフィードバック情報を記録するためのユーザフィードバック情報記憶装置と、
選択した前記時間的評価モデルを前記ユーザフィードバック情報によって調整するための調整ユニットとを含むことを特徴とする請求項10に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項13】
前記時間的評価モデル決定部が、
推薦システム中のアイテム推薦履歴に関する履歴データを記録するための履歴データ記憶装置と、
前記履歴データを分析し、アイテムの対するユーザの推薦時間嗜好情報を取得するための履歴データ分析ユニットと、
取得した前記推薦時間嗜好情報に基づいて、アイテムに関する時間的評価モデルを生成するための時間的評価モデル生成ユニットとを含むことを特徴とする請求項9に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項14】
既存の推薦方法を使用して推薦されるアイテムを生成するためのアイテム生成部をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【請求項15】
タイマをさらに備え、
前記アイテム推薦部は、タイマで決定した最適な推薦時間にユーザに対してアイテムを推薦することを特徴とする請求項9に記載の評価予測に基づく時間制御型アイテム推薦システム。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2010−198603(P2010−198603A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−289291(P2009−289291)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(505418870)エヌイーシー(チャイナ)カンパニー, リミテッド (108)
【氏名又は名称原語表記】NEC(China)Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289291(P2009−289291)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(505418870)エヌイーシー(チャイナ)カンパニー, リミテッド (108)
【氏名又は名称原語表記】NEC(China)Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
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