説明

試料において病原体を検出および分析する方法

本発明は、特定の標的領域の増幅により、ヒトから採取された試料においてS.ニューモニエ(S. pneumoniae)、N.メニンギティディス(N. meningitidis)、H.インフルエンザエ(H. influenaze)、アデノウイルス(Adenovirus)、クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumonite)、リステリア モノサイトゲネス(Lysteria monocytogenes)、エシェリキア コリ(Escherichia coli)、およびストレプトコッカス アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)からなる群から選択される原核生物の存在および/または特定の血清群を検出するための方法およびキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトから採取された試料においてS.ニューモニエ(S. pneumoniae)、N.メニンギティディス(N. meningitidis)、H.インフルエンザエ(H. influenaze)、アデノウイルス(Adenovirus)、クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumonite)、リステリア モノサイトゲネス(Lysteria monocytogenes)、エシェリキア コリ(Escherichia coli)、およびストレプトコッカス アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)からなる群から選択される原核生物の存在および/または特定の血清群を検出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレプトコッカス ニューモニエ(Streptococcus pneumonite)(肺炎球菌)、ナイセリアメニンギティディス(Neisseria meningitidis)(髄膜炎菌)、およびヘモフィルスインフルエンザエ(Haemophilus influenzae)の感染は、ヒトにとって最も危険なものの1つである。S.ニューモニエは、肺炎の病原因子として発見されたが、他の病態も引き起こし、それらの中には、髄膜炎、心膜炎、骨髄炎、および腹膜炎がある。細菌は、グラム陽性であり、多糖莢膜を発現し、様々な90個の血清型で存在する。いったんヒトに存在すると、肺炎球菌は、血液系に侵入し(菌血症を引き起こし)、髄膜、関節、骨、および腹膜腔に送達されて、髄膜炎、脳膿瘍、化膿性関節炎、または骨髄炎を誘発する可能性がある。
【0003】
N.メニンギティディスは、ヒトに対してのみ病原性であり、当技術分野においてよく知られた致死性病態である髄膜炎、および致死の可能性があり、かつウォーターハウス-フリーデリクセン症候群のような病態につながる可能性がある敗血症の両方を引き起こす原核生物である。
【0004】
H.インフルエンザエは、インフルエンザ大流行の1892年に初めて発見されたグラム陰性球桿菌であり、いくつかの病態の原因であり、その病態の一部は、インフルエンザに似ているが、直接的な意味においてはインフルエンザではない。H.インフルエンザエは、例えば、咽頭蓋炎などの他の病態を引き起こす可能性がある免疫反応および炎症反応を決定する。H.インフルエンザエの発病機構はよく知られていないが、それが、いくつかの病態を引き起こし、またはその原因であるが、それらのゲストにいかなる症状も引き起こさないH.インフルエンザエの菌株が存在することは広く知られている。
【0005】
ヒトにおける前記の病原性原核生物の存在およびそれらに由来する病態を減少または除去するための抗生物質治療が存在する。
【0006】
しかしながら、前記原核生物は、それらに関係した病態が、その治療が前記感染および結果として生じる病態を治癒するために用いられるよりも速く、致死/身体障害(例えば、それらは麻痺を引き起こす場合がある)になることがあるため、非常に危険であると考えられている。実際、髄膜炎のような病態の病原性および致死性は高いので、実験分析によって患者における髄膜炎の疑いを確認する前でも抗生物質治療を施すことは、医師の一般的なやり方である。
【0007】
これらの病原性で、かつ致死性の恐れがある原核生物の存在を診断するために既知の技術において用いられる実験分析は、微生物学的培養技術を用いる。前記分析は、診断結果を示すまで最長で36時間続くことがある。また、前記技術での診断の前の抗生物質の使用は、抗生物質の存在により病原体が培養中、増殖しないため、偽陰性の結果を与える可能性があることも指摘されていた。
【0008】
さらに、培養診断技術は、試料における病原性原核生物が(インビボで)再生する能力があること、培地が特定の病原体のあらゆる種を選択するのに適していること、および最後に、病原体を生かしておくために試料採取と培養の間の期間が最小であることを必要とする。結果として、微生物学的装置は、試料が採取される場所の近くにあることを必要とされ、その結果生じる費用は高い。
【0009】
これらの診断上の論点に加えて、更なる問題として、前記の原核生物病原体の血清群および/または特定の血清型を診断することができる医学的ニーズが存在する。上記で述べたように、S.ニューモニエは、90個の血清型に分けられる。前記原核生物病原体により引き起こされる感染性病態の予防におけるワクチン接種プログラムの作用および/または結果を評価するために、上記で述べた診断問題を解決し、かつ病原体の原核生物種の血清群および/または血清型を正確に決定する方法が開発される必要がある。例えばS.ニューモニエなどの上記病原体は、複数の血清群に分けられる。各血清群は、血清型に分けられる。血清型を知ることは、血清群を知ることより重要である。例えば、病原体S.ニューモニエの血清群19について、2つの血清型、19Aおよび19Fが存在する。血清型19Fはワクチン中に存在し、血清型19Aは存在しない。結果として、感染に存在する血清型が血清型19Aであるかまたは19Fであるかを診断することは重要である。それゆえに、診断において、血清型を得ることが好ましく、およびそれが可能ではない(当技術分野において知られていないために)、または有用ではない場合のみ、血清群を得ることが好ましい。本発明の文脈において、血清群とは、血清型も意味し、ただし、当技術分野の知識のおかげでそれが可能である場合である。その方法は、病原性原核生物を対象にしており、それゆえに、感染性であることが当技術分野において知られている血清型および/または血清群についてのプライマーのみがそこで用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Arbique JC、Poyart C、Trieu-Cuot P、Quesne G、Carbalho Mda G、Steigerwalt AG、Morey RE、Jackson D、Davidson RJ、Facklam RR、「Accuracy of Phenotypic and genotypic testing for identification of Streptococcus pneumoniae and description of Streptococcus pseudopneumoniae sp. nov.」J Clin Microbiol、2004;42(10):4686〜96頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の著者らは、培養技術を用いることなく、迅速に実施でき、高い選択性、高い効率性および高い多用途性を有する、病原体の存在および/または血清群を検出するための方法を実施した。試料は、有利には、そこに存在するDNAを抽出する、またはアクセス可能な状態にするように処理されてよい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
それゆえに、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法であって、
a)試料に存在する場合、前記病原体のゲノムの特定の標的領域の増幅および顕示を可能にするような条件下で試料の第1アリコートをインキュベートする段階であって、標的領域が、
N.メニンギティディスのctrA遺伝子の配列番号119、および
H.インフルエンザエのP2遺伝子の配列番号120もしくはbex遺伝子の配列番号121、および
S.ニューモニエのlyt遺伝子の配列番号122もしくはply遺伝子の配列番号123、および
アデノウイルスの配列番号124
に含まれる段階
ならびに/または
b)試料がN.メニンギティディス陽性である場合には、N.メニンギティディスのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅を可能にするような条件下で試料の第2アリコートをインキュベートする段階であって、標的領域が、
N.メニンギティディスの血清型Bについての配列番号125、
N.メニンギティディスの血清型Cについての配列番号126、
N.メニンギティディスの血清型W135についての配列番号127、
N.メニンギティディスの血清型Wについての配列番号128、
N.メニンギティディスの血清型Yについての配列番号129、
N.メニンギティディスの血清型Aについての配列番号130
に含まれる段階、
c)増幅を顕示する段階、
b')試料がH.インフルエンザエ陽性である場合には、莢膜を有するH.インフルエンザエを顕示するためにH.インフルエンザエのゲノムの領域である配列番号131の増幅を可能にするような条件下で試料の第2アリコートをインキュベートする段階、ならびに
c')増幅を顕示する段階、
d')試料が、莢膜を有するH.インフルエンザエの顕示について陽性である場合には、H.インフルエンザエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅を可能にするような条件下で試料の第3アリコートをインキュベートする段階であって、標的領域が、
β-ラクタマーゼの産生菌であるH.インフルエンザエの顕示のための配列番号132
H.インフルエンザエ血清型a、b、c、d、e、fの顕示のための配列番号133、
H.インフルエンザエB型莢膜保有血清型の顕示のための配列番号134、
に含まれる段階、
b'')試料がS.ニューモニエ(S. pneumonite)陽性である場合には、S.ニューモニエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅を可能にするような条件下で試料の第2アリコートをインキュベートする段階であって、標的領域が、
S.ニューモニエの血清型19Fについての配列番号135
S.ニューモニエの血清型22Fについての配列番号136
S.ニューモニエの血清型3についての配列番号137
S.ニューモニエの血清型6についての配列番号138
S.ニューモニエの血清型19Aについての配列番号139
S.ニューモニエの血清型9vについての配列番号140
S.ニューモニエの血清型4についての配列番号141
S.ニューモニエの血清型14についての配列番号142
S.ニューモニエの血清型12fについての配列番号143
S.ニューモニエの血清型7fについての配列番号144
S.ニューモニエの血清型11aについての配列番号145
S.ニューモニエの血清型33fについての配列番号146
S.ニューモニエの血清型16fについての配列番号147
S.ニューモニエの血清型35bについての配列番号148
S.ニューモニエの血清型18fについての配列番号149
S.ニューモニエの血清型38についての配列番号150
S.ニューモニエの血清型31についての配列番号151
S.ニューモニエの血清型15cについての配列番号152
S.ニューモニエの血清型8についての配列番号153
S.ニューモニエの血清型10Aについての配列番号154
S.ニューモニエの血清型35fについての配列番号155
S.ニューモニエ(S. pneumonite)の血清型34についての配列番号156
S.ニューモニエの血清型1についての配列番号157
S.ニューモニエの血清型17fについての配列番号158
S.ニューモニエの血清型20についての配列番号159
S.ニューモニエの血清型15aについての配列番号160
S.ニューモニエの血清型7cについての配列番号161
S.ニューモニエの血清型18fについての配列番号162
S.ニューモニエの血清型5についての配列番号163
S.ニューモニエの血清型23Fについての配列番号164
に含まれる段階、
c'')増幅を強調する段階、
d'')試料がS.ニューモニエの血清型6陽性である場合には、S.ニューモニエの血清型6aについての領域である配列番号165もしくは血清型6bについての領域である配列番号166の増幅を可能にするような条件下で試料の第3アリコートをインキュベートする段階、
e'')増幅を強調する段階
を含む方法を提供することが本発明の目的である。
【0013】
好ましくは、標的領域は、
N.メニンギティディスのctrA遺伝子の配列番号119のヌクレオチド21位からヌクレオチド131位まで、および
H.インフルエンザエのP2遺伝子の配列番号120のヌクレオチド21位からヌクレオチド171位まで、またはbex遺伝子の配列番号121のヌクレオチド21位からヌクレオチド120位まで、および
S.ニューモニエのlyt遺伝子の配列番号122のヌクレオチド21位からヌクレオチド121位まで、またはply遺伝子の配列番号123のヌクレオチド21位からヌクレオチド101位まで、および
アデノウイルスの配列番号124のヌクレオチド21位からヌクレオチド116位まで
に含まれる。
【0014】
好ましくは、試料がN.メニンギティディス陽性である場合には、N.メニンギティディスのゲノムの特定の血清型決定標的領域は、
N.メニンギティディスの血清型Bについての配列番号125のヌクレオチド21位からヌクレオチド477位まで、
N.メニンギティディスの血清型Cについての配列番号126のヌクレオチド21位からヌクレオチド462位まで、
N.メニンギティディスの血清型W135についての配列番号127のヌクレオチド21位からヌクレオチド718位まで、
N.メニンギティディスの血清型Wについての配列番号128のヌクレオチド21位からヌクレオチド140位まで、
N.メニンギティディスの血清型Yについての配列番号129のヌクレオチド21位からヌクレオチド140位まで、
N.メニンギティディスの血清型Aについての配列番号130のヌクレオチド21位からヌクレオチド415位まで
に含まれ、
試料がH.インフルエンザエ陽性である場合には、莢膜を有するH.インフルエンザエを顕示するための標的領域が、配列番号131のヌクレオチド21位からヌクレオチド121位までの領域内に含まれ、
試料が、莢膜を有するH.インフルエンザエの顕示について陽性である場合には、特定の血清型決定標的領域は、
β-ラクタマーゼの産生菌であるH.インフルエンザエの顕示のための配列番号132のヌクレオチド21位からヌクレオチド477位まで
H.インフルエンザエ血清型a、b、c、d、e、fの顕示のための配列番号133のヌクレオチド21位からヌクレオチド357位まで、
H.インフルエンザエB型莢膜保有血清型の顕示のための配列番号134のヌクレオチド21位からヌクレオチド263位まで
に含まれ、
試料がS.ニューモニエ陽性である場合には、S.ニューモニエのゲノムの特定の血清型決定標的領域は、
S.ニューモニエの血清型19Fについての配列番号135のヌクレオチド21位からヌクレオチド149位まで
S.ニューモニエの血清型22Fについての配列番号136のヌクレオチド21位からヌクレオチド663位まで
S.ニューモニエの血清型3についての配列番号137のヌクレオチド21位からヌクレオチド391位まで
S.ニューモニエの血清型6についての配列番号138のヌクレオチド21位からヌクレオチド240位まで
S.ニューモニエの血清型19Aについての配列番号139のヌクレオチド21位からヌクレオチド498位まで
S.ニューモニエの血清型9vについての配列番号140のヌクレオチド21位からヌクレオチド527位まで
S.ニューモニエの血清型4についての配列番号141のヌクレオチド21位からヌクレオチド350位まで
S.ニューモニエの血清型14についての配列番号142のヌクレオチド21位からヌクレオチド284位まで
S.ニューモニエの血清型12fについての配列番号143のヌクレオチド21位からヌクレオチド396位まで
S.ニューモニエの血清型7fについての配列番号144のヌクレオチド21位からヌクレオチド846位まで
S.ニューモニエの血清型11aについての配列番号145のヌクレオチド21位からヌクレオチド483位まで
S.ニューモニエの血清型33fについての配列番号146のヌクレオチド21位からヌクレオチド358位まで
S.ニューモニエの血清型16fについての配列番号147のヌクレオチド21位からヌクレオチド1008位まで
S.ニューモニエの血清型35bについての配列番号148のヌクレオチド21位からヌクレオチド697位まで
S.ニューモニエの血清型18fについての配列番号149のヌクレオチド21位からヌクレオチド593位まで
S.ニューモニエの血清型38についての配列番号150のヌクレオチド21位からヌクレオチド594位まで
S.ニューモニエの血清型31についての配列番号151のヌクレオチド21位からヌクレオチド721位まで
S.ニューモニエの血清型15cについての配列番号152のヌクレオチド21位からヌクレオチド516位まで
S.ニューモニエの血清型8についての配列番号153のヌクレオチド21位からヌクレオチド314位まで
S.ニューモニエの血清型10Aについての配列番号154のヌクレオチド21位からヌクレオチド648位まで
S.ニューモニエの血清型35fについての配列番号155のヌクレオチド21位からヌクレオチド537位まで
S.pneumoniteの血清型34についての配列番号156のヌクレオチド21位からヌクレオチド428位まで
S.ニューモニエの血清型1についての配列番号157のヌクレオチド21位からヌクレオチド300位まで
S.ニューモニエの血清型17fについての配列番号158のヌクレオチド21位からヌクレオチド713位まで
S.ニューモニエの血清型20についての配列番号159のヌクレオチド21位からヌクレオチド534位まで
S.ニューモニエの血清型15aについての配列番号160のヌクレオチド21位からヌクレオチド454位まで
S.ニューモニエの血清型7cについての配列番号161のヌクレオチド21位からヌクレオチド280位まで
S.ニューモニエの血清型18fについての配列番号162のヌクレオチド21位からヌクレオチド374位まで
S.ニューモニエの血清型5についての配列番号163のヌクレオチド21位からヌクレオチド382位まで
S.ニューモニエの血清型23Fについての配列番号164のヌクレオチド21位からヌクレオチド197位まで
に含まれ、
試料はS.ニューモニエの血清型6陽性である場合には、血清型6aと6bの識別を可能にする標的領域が、それぞれ、配列番号165のヌクレオチド21位からヌクレオチド270位まで、および配列番号166のヌクレオチド21位からヌクレオチド270位までである。
【0015】
好ましくは、N.メニンギティディスのctrA遺伝子の配列番号119、およびS.ニューモニエのlyt遺伝子の配列番号122またはply遺伝子の配列番号123に含まれる特定領域の増幅および顕示が、単一の第1反応環境で起こり、H.インフルエンザエのP2遺伝子の配列番号120またはbex遺伝子の配列番号121、およびアデノウイルスの配列番号124に含まれる特定領域の増幅および顕示が、単一の第2反応環境で起こる。
【0016】
好ましくは、試料がS.ニューモニエ陽性である場合には、第2アリコートは、S.ニューモニエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅を可能にするような条件下で、
血清型19Fについての配列番号135、血清型6についての配列番号138、血清型9vについての配列番号140、血清型4についての配列番号141、血清型14についての配列番号142、血清型5についての配列番号163
に含まれる配列については単一の第1反応環境において、
血清型22Fについての配列番号136、血清型6についての配列番号138、血清型3についての配列番号137、血清型19Aについての配列番号139
に含まれる配列については単一の第2反応環境において、
血清型9vについての配列番号140、血清型4についての配列番号141、血清型14についての配列番号142、血清型12fについての配列番号143
に含まれる配列については単一の第3反応環境において、
血清型7fについての配列番号144、血清型11Aについての配列番号145、血清型33fについての配列番号146
に含まれる配列については単一の第4反応環境において、
血清型16fについての配列番号147、血清型35bについての配列番号148、血清型18fについての配列番号149、血清型38についての配列番号150
に含まれる配列については単一の第5反応環境において、
血清型31についての配列番号151、血清型15cについての配列番号152、血清型8についての配列番号153、血清型10Aについての配列番号154
に含まれる配列については単一の第6反応環境において、
血清型35fについての配列番号155、血清型34についての配列番号156、血清型1についての配列番号157、血清型17fについての配列番号158
に含まれる配列については単一の第7反応環境において、
血清型20についての配列番号159、血清型15aについての配列番号160、血清型7cについての配列番号161、血清型18fについての配列番号162
に含まれる配列については単一の第8反応環境において、
血清型5についての配列番号163、血清型23Fについての配列番号164
に含まれる配列については単一の第9反応環境において、
インキュベートされる。
【0017】
より好ましくは、段階a)の増幅および顕示の反応は、RT-PCRによって起こる。さらに好ましくは、段階b)からe'')までの増幅および顕示の反応は、PCRによって起こり、増幅産物の顕示はクロマトグラフィーによって起こる。
【0018】
より好ましくは、試料は、病原体量を増加させるために予めインキュベートしない。
【0019】
上記で言及された標的領域および対照標的領域を増幅する能力があるプライマーおよびプローブオリゴヌクレオチドを含む、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するためのキットを提供することが本発明のさらなる目的である。
【0020】
好ましくは、N.メニンギティディスおよびS.ニューモニエについてのプライマーおよびプローブは、単一の第1反応環境内にあり、H.インフルエンザエおよびアデノウイルスについてのプライマーおよびプローブは、単一の第2反応環境内にある。
【0021】
さらにより好ましくは、
配列番号119についてのプライマーは配列番号1および配列番号2であり、プローブは配列番号91である;
配列番号120についてのプライマーは配列番号116および配列番号117であり、プローブは配列番号118である;または配列番号121についてのプライマーは配列番号3および配列番号4であり、プローブは配列番号92である;
配列番号122についてのプライマーは配列番号5および配列番号6であり、プローブは配列番号93である;または配列番号123ついてのプライマーは配列番号94および配列番号95であり、プローブは配列番号96である;
配列番号124についてのプライマーは配列番号99および配列番号100であり、プローブは配列番号101である。
【0022】
好ましくは、N.メニンギティディスのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅については、
配列番号125についてのプライマーは、配列番号9および配列番号10である;
配列番号126についてのプライマーは、配列番号11および配列番号12である;
配列番号127についてのプライマーは、配列番号13および配列番号14である;
配列番号128についてのプライマーは、配列番号15および配列番号15である;
配列番号129についてのプライマーは、配列番号17および配列番号18である;
配列番号130についてのプライマーは、配列番号19および配列番号20である;
対照領域についてのプライマーは、配列番号1および配列番号2、または配列番号7および配列番号8である。
【0023】
好ましくは、H.インフルエンザエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅については、
配列番号131についてのプライマーは、配列番号97および配列番号98である;
配列番号132についてのプライマーは、配列番号23および配列番号24である;
配列番号133についてのプライマーは、配列番号25および配列番号26である;
配列番号134についてのプライマーは、配列番号27および配列番号28である;
対照領域についてのプライマーは、配列番号21および配列番号22である。
【0024】
好ましくは、S.ニューモニエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅については、
配列番号135についてのプライマーが配列番号31および配列番号31である;
配列番号136についてのプライマーが配列番号33および配列番号34である;
配列番号137についてのプライマーが配列番号35および配列番号36である;
配列番号138についてのプライマーが配列番号37および配列番号38である;
配列番号139についてのプライマーが配列番号39および配列番号40である;
配列番号140についてのプライマーが配列番号41および配列番号42である;
配列番号141についてのプライマーが配列番号43および配列番号44である;
配列番号142についてのプライマーが配列番号45および配列番号46である;
配列番号143についてのプライマーが配列番号47および配列番号48である;
配列番号144についてのプライマーが配列番号49および配列番号50である;
配列番号145についてのプライマーが配列番号51および配列番号52である;
配列番号146についてのプライマーが配列番号53および配列番号54である;
配列番号147についてのプライマーが配列番号55および配列番号56である;
配列番号148についてのプライマーが配列番号57および配列番号58である;
配列番号149についてのプライマーが配列番号59および配列番号60である;
配列番号150についてのプライマーが配列番号61および配列番号62である;
配列番号151についてのプライマーが配列番号63および配列番号64である;
配列番号152についてのプライマーが配列番号65および配列番号66である;
配列番号153についてのプライマーが配列番号67および配列番号68である;
配列番号154についてのプライマーが配列番号69および配列番号70である;
配列番号155についてのプライマーが配列番号71および配列番号72である;
配列番号156についてのプライマーが配列番号73および配列番号74である;
配列番号157についてのプライマーが配列番号75および配列番号76である;
配列番号158についてのプライマーが配列番号77および配列番号78である;
配列番号159についてのプライマーが配列番号79および配列番号80である;
配列番号160についてのプライマーが配列番号81および配列番号82である;
配列番号161についてのプライマーが配列番号83および配列番号84である;
配列番号162についてのプライマーが配列番号85および配列番号86である;
配列番号163についてのプライマーが配列番号87および配列番号88である;
配列番号164についてのプライマーが配列番号89および配列番号90である;
配列番号165についてのプライマーが配列番号114および配列番号115である;
配列番号166についてのプライマーが配列番号114および配列番号115である;
the control regionについてのプライマーが配列番号29および配列番号30である、
かつ前記プライマーが任意で、複数の反応環境において部分的にグループ化される。
【0025】
上記で言及されたキットを含む、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および血清群を検出するためのキットを提供することが本発明のさらなる目的である。
【0026】
生体試料においてクレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、リステリア モノサイトゲネス、E.コリ、S.アガラクティエからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法であって、
a)試料に存在する場合、前記病原体のゲノムの特定の標的領域の増幅および顕示を可能にするような条件下で試料のアリコートをインキュベートする段階を含み、標的領域が、
クレブシエラ ニューモニエのphoE遺伝子の配列番号167、
リステリア モノサイトゲネスのiap遺伝子の配列番号168
E.コリのuidA遺伝子の配列番号169
S.アガラクティエのsip遺伝子の配列番号170
に含まれる方法を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0027】
好ましくは、標的領域は、
クレブシエラ ニューモニエのphoE遺伝子の配列番号167のヌクレオチド21位からヌクレオチド95位まで、
リステリア モノサイトゲネスのiap遺伝子の配列番号168のヌクレオチド21位からヌクレオチド104位まで、
E.コリのuidA遺伝子の配列番号169のヌクレオチド21位からヌクレオチド87位まで、
S.アガラクティエのsip遺伝子の配列番号170のヌクレオチド21位からヌクレオチド98位まで
に含まれる。
【0028】
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエのphoE遺伝子の配列番号167、およびE.コリのuidA遺伝子の配列番号169に含まれる特定領域の増幅および顕示は、単一の第1反応環境で起こり、リステリア モノサイトゲネスのiap遺伝子の配列番号168、およびS.アガラクティエのsip遺伝子の配列番号170に含まれる特定領域の増幅および顕示は、単一の第2反応環境で起こる。
【0029】
好ましくは、試料は、病原体量を増加させるために予めインキュベートしない。
【0030】
上記で言及された標的領域を増幅する能力があるプライマーおよびプローブオリゴヌクレオチドを含む、生体試料においてクレブシエラ ニューモニエ、リステリア モノサイトゲネス、E.コリ、S.アガラクティエからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するためのキットを提供することがさらに本発明の目的である。
【0031】
好ましくは、クレブシエラ ニューモニエおよびE.コリについてのプライマーおよびプローブは、単一の第1反応環境内にあり、リステリア モノサイトゲネスおよびS.アガラクティエについてのプライマーおよびプローブは、単一の第2反応環境内にある。
【0032】
好ましくは、
配列番号167についてのプライマーは配列番号102および配列番号103であり、プローブは配列番号104である;
配列番号168についてのプライマーは配列番号105および配列番号106であり、プローブは配列番号107である;
配列番号169についてのプライマーは配列番号108および配列番号109であり、プローブは配列番号110である;
配列番号170についてのプライマーは配列番号111および配列番号112であり、プローブは配列番号113である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の好ましい実施形態は下記の特許請求の範囲に報告されている。
【0034】
ヒト身体から採取される試料は、任意のタイプのヒト生体組織でよい。これらの中で、血液、胸水、および脳脊髄液(CSF)が好ましい。器官病態(髄膜炎、胸膜炎を伴う肺炎)が存在する場合、試料は、感染の病巣(CSFまたは胸水)から採取されることが好ましい。これらが入手できず、かつ非局在性の形としてある場合(敗血症、菌血症)、全血が好ましく、なぜなら、その試料採取についての標準規制およびそれの転置/凍結は当技術分野においてよく知られ、実施されており、装置もまた当業者に知られているからである。
【0035】
本発明による方法の利点は、生体組織の試料を、たとえこれが遠く離れて試料採取されていたとしても、または1日(試料を培養によって用いるための最大限の時間である)より長い時間間隔で試料採取されていたとしても、用い得ることである。8日間早く採取された試料でも本発明による方法にまだ使用可能である。採取された試料は、任意で、凍結し、分析の時に解凍してもよい。
【0036】
したがって、試料の凍結および解凍の方法を用いて、病原体の存在ならびに/または血清群および/もしくは血清型は、8日間より長く後に、および無期限に、検出することができる。本発明による方法の唯一の必要条件は、原核生物の核酸は無傷かつ抽出可能のままであり、試料採取と本方法の開始との間の待機中、加水分解または分解していないことである。
【0037】
採取された生体試料については、試験管内にあってもブロッティングペーパー上のスポットとして吸収させてもよく、ブロッティングペーパーシートは、甲状腺機能低下症およびフェニルケトン尿症のスクリーニングのための出生時のガスリー試験に通常用いられるものと類似している。この方法の利点は、血液を、キャピラリープリック(capillary prick)により指先からも試料採取し得ることである。このように、試料採取は、静脈血の試料採取に頼ることなく、患者の居住地で、または医院で行うこともできる。スポットに用いられる、(使用前は無菌である)シートは、いったん用いると、環境病原菌による汚染を避けるためにすぐにプラスチック小袋に収納し、その後、試験を行う実験室に送らなければならない。
【0038】
本発明の方法との関連において、RNAは不安定で、長期間保存できないため、DNAのみを抽出および使用することが好ましい。当技術分野において知られた、生体組織の試料からDNAを抽出するための任意の方法を、本発明の方法として用いてもよい。例えば、Qiagen、Hilden、GermanyによるQIAmp DNAミニキットなどのKプロテアーゼを含むDNAを抽出するための一群の試薬またはキットを用いることが好ましい。Kプロテアーゼの使用は、比較研究において、細菌DNAを回収するより優れた能力を示しており、前記能力は、試験のより高い感度をもたらす。
【0039】
病原菌をボール紙シート上に吸収された血液試料において探索する場合、その同じ抽出方法を用いることができるが、これより前に、約15〜20mm2(平方ミリメートル)のボール紙シートの画分を100〜200マイクロリットルの容量の水または他の溶解緩衝液(それらの1つは、生体液についてのQiagen抽出キットに存在する溶解緩衝液である)に溶解する段階が先行しなければならない。
【0040】
診断を行うために、試料から抽出された核酸、好ましくはDNAの存在のみが必要とされることは本発明による方法のもう1つの利点である。核酸配列、好ましくはDNA配列を溶液中、しばらく安定に維持するための当技術分野において知られた全ての方法が組み込まれる
【0041】
本発明の態様において、アッセイされるべき病原体の1つにだけそれが存在するということに基づいて選択された、前記核酸、好ましくはDNAの特定配列の存在が決定される。
【0042】
本発明の文脈において、用語「病原体」とは、N.メニンギティディス、S. ニューモニエ、H.インフルエンザエ、およびアデノウイルス、または試料が新生児対象由来である場合には、クレブシエラ ニューモニエ、リステリア モノサイトゲネス、E.コリ、S.アガラクティエからなる群から選択される1つまたは複数の原核生物を意味する。
【0043】
前記病原体の1つに属する配列の存在の前記決定は、少なくとも1つのリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)での、好ましくはプライマー配列を用いての、増幅によって行われる。RT-PCRは、当技術分野において知られた技術である。反応増幅は、シグナルで示され、場合によっては、増幅反応と同時にシグナルを発生する蛍光プローブの使用によって定量化される。RT-PCRから生じる核酸配列はDNA配列である。RT-PCR反応は、当技術分野において知られた任意の装置または試薬で行うことができる。
【0044】
少なくとも1つの病原体の存在または非存在が検出される本発明の前記態様の好ましい実施形態において、プライマー配列および加水分解プローブ配列が用いられ、それらの中で、例えば、TaqManプローブを、TaqMan反応として知られたPCR増幅サイクル反応に用いてもよい。前記TaqManプローブ配列は、核酸配列によってクエンチャーに結合した蛍光プローブである。核酸配列はDNAである。TaqManプローブ配列は、Taqポリメラーゼの重合の結果(Taqポリメラーゼの3'-5'エキソヌクレアーゼの作用により)加水分解される。結果として、クエンチャーからの干渉なしの蛍光加水分解プローブまたはTaqManプローブは、蛍光を放射し、重合が起こったことをシグナルで伝える。
【0045】
本発明に用いられるTaqManプライマーおよびプローブは、DNA配列を構築するための当技術分野において知られた方法、およびプローブまたはクエンチャーをそれらに結合するための方法により構築することができる。
【0046】
本発明の前記態様において、RT-PCR反応は、1つまたは複数の配列の存在を検出することができ、それゆえに、試薬が適切に選択されている場合には、同時に1つまたは複数の病原体種を検出することができる。1つまたは複数の異なる配列の存在を検出するためのRT-PCRである本発明の前記態様の使用の利点は、試料に病原体種が存在するかどうか、およびどの病原体種が存在するのかを検出するための時間および/または費用の低減である。RT-PCRは、遺伝子または特定の配列を増幅するように設計された、1つまたは複数のプライマー対(対は、特定の配列についてのフォワードプライマーおよびリバースプライマーである)を用いて前記病原体間の識別を可能にする。TaqManプローブの存在により、増幅は、抽出された核酸の試料における存在をシグナルで伝える。あらゆる核酸配列が、上記のものの中でたった1つの病原体に対して一意的に特異的である場合には、RT-PCRはそれらの存在のシグナル伝達を可能にする。
【0047】
本発明の前記態様の好ましい実施形態において、RNAが不安定で、長期間保たれず、かつTaqDNAポリメラーゼがDNAと共により良く働くことから、核酸配列はDNAである。より好ましい実施形態において、DNA配列は、病原体の遺伝子または特定の配列である。なおより好ましくは、病原体の前記の遺伝子または特定配列は、N.メニンギティディスのctr、H.インフルエンザエのP2またはBex、およびS.ニューモニエのlytまたはplyである。
【0048】
さらにより好ましい実施形態において、前記RT-PCR反応に用いられ得る配列は以下である:
・N.メニンギティディスについてのフォワードおよびリバースプライマーとして配列番号1および2、ならびにN.メニンギティディスについてのTaqManプローブ配列として配列番号91
・H.インフルエンザエについてのフォワードおよびリバースプライマーとして配列番号3および4、または配列番号116および117、ならびにH.インフルエンザエについてのTaqManプローブ配列として、それぞれ、配列番号92または配列番号118
・S.ニューモニエについてのフォワードおよびリバースプライマーとして配列番号5および6、または配列番号94および95、ならびにS.ニューモニエについてのTaqManプローブ配列として、それぞれ、配列番号93または配列番号96。
【0049】
ヘモフィルス インフルエンザエについては、P2遺伝子もまた用いる。P2と呼ばれる1つの「外膜タンパク質」に対応するP2遺伝子は、分類可能(すなわち、莢膜を有する)および分類不可能(すなわち、莢膜なし、またはHINT)の両方の全てのヘモフィルス インフルエンザエに共通である。したがって、P2遺伝子に特異的なプライマーの、リアルタイムPCR(RT-PCR)で病原菌を検出するフェーズである、試験の第1フェーズにおける使用は、莢膜型であろうとなかろうといかなるヘモフィルスも検出することを可能にする。このように、試験は非常に感度が高い。イタリアで最も頻繁に見られた莢膜を有するヘモフィルス、すなわち、b型が、小児期の集団予防接種により撲滅しているため、今日では、これは特に重要である。HINTによる侵襲性細菌感染の多数の症例が出現してきている。この理由により、HINTの探索はさらにより必要である。
【0050】
RT-PCR反応は、n増幅サイクル、好ましくは40サイクルより多く、さらにより好ましくは43〜45サイクル、さらにより好ましくは45サイクル行われる。本発明のこの態様からの診断結果の信頼性については、RT-PCRサイクルの数に基づいて向上させ、45が最善値である。45サイクルより多い増幅は、診断結果の信頼性を向上させない。診断結果は、閾値サイクル(CT)と比較される。CTは、放射される蛍光シグナルが適切に測定でき、かつバックグラウンドノイズに対して統計的に妥当であるサイクルである。CTにおいて有意により高く、かつ統計的に意味のある蛍光が見出される場合には、放射された蛍光の周波数、およびTaqMan蛍光プローブがどのようにTaqManプローブに調製されているかに基づいて、どの遺伝子が、およびそれゆえに、どの病原体が試料に存在しているか、ならびにどれが存在していないかを決定することができる。自発的(すなわち、バックグラウンドノイズとは異なる)蛍光が測定されない場合には、3つの病原体に特異的な3つの遺伝子が、採取された試料から抽出されたDNAに存在しないと推測できる。
【0051】
本発明の前記態様によれば、前記RT-PCR反応の終了時点での前記遺伝子の存在が検出される、または検出されない場合には、前記病原体が、宿主から採取された試料に存在する、または存在しないと結論づけることができる。
【0052】
本発明の前記態様の実施形態は、実施例1、2、および4にさらにより詳細に報告されている。既知の技術の方法と比較しての本方法の利点は、生体組織の試料から抽出された核酸、好ましくはDNAの使用を可能にすることである。
【0053】
これは、プライマー配列、および加水分解プローブまたはTaqmanプローブに用いられる配列が、病原体の前記遺伝子配列に特異的に結合するように意図的に選択されているがゆえに起こる。前記のプライマーおよびプローブ配列の選択は、上記のことに加えて、S.ニューモニエについて(lyt遺伝子についてのプライマーを用いることにより)、CTサイクルに達するためのPCRサイクル数を低下させ、それにより、採取された試料の報告までの時間をRT-PCR反応あたり4時間未満まで、好ましくは3時間未満まで、さらにより好ましくは2時間未満まで低減することに寄与するという利点を有する。実際、試料が、好ましくは28〜35サイクル、さらにより好ましくは29〜32サイクルによる閾値(CT)で陽性であるように見える場合、増幅サイクルの終わりを待つことなく、試料はすでに陽性と見なされ、それとして報告され得る。
【0054】
方法のより良い感度および外部影響(例えば、抗生物質の存在、または試料採取と報告との間の長期化など)からの独立性は、偽陰性結果の可能性を低下させる。
【0055】
前記の特定遺伝子の選択はまた、それらが前記病原体種に対して高度に特異的であるため、それらは、他の病原体または宿主DNAの他のDNA配列と「交差反応」を示さず、それにより、偽陽性結果の可能性を低下させるという理由によっても有利である。採取された試料から抽出されたDNA中にヒト宿主DNAもまた存在し、これは以前には宿主から採取された試料に前記病原体についての前記RT-PCRを実施するのを妨げていたため、選択性は重要である。さらに、選択性は、原核生物-原核生物交差反応を最小限にし、それにより、存在する病原体種に特異的な診断結果をより信頼性の高いものにしている。
【0056】
上記で論じられているように、RT-PCRからの結果の信頼性および迅速性は、それらが両方とも、TaqManプライマーおよびプローブの増幅されるべき遺伝子の配列との結合の選択性(強度および特異性)に依存するため、当業者によって取り扱われ得る相互連結したパラメータである。前記信頼性および迅速性パラメータは、i)本来存在する病原体量、ならびにii)TaqManプライマーおよびプローブの増幅されるべき配列との結合の強度および特異性を含む因子に依存する。それらは相互連結しているため、当業者が、CTにおけるシグナルを用いて、(緊急事態において彼/彼女が必要としている)RT-PCR反応の報告時間を短縮するか、または(例えば、本来の細菌量が非常に低い場合のように)結果の信頼性を向上させ、RT-PCRが40サイクルより多く、好ましくは43サイクル、もしくはより好ましくは45サイクルに達した時の報告を待つかを決定する場合がある。
【0057】
RT-PCR反応の本発明の前記態様は、各種の存在を別々に検出するために繰り返されてもよく、または、有利には、RT-PCRは、病原体の2つについて同時に、もしくは一度に全ての病原体について行ってもよい。一度に全ての病原体についてRT-PCRを行うことの利点は、4時間未満までに、好ましくは3時間未満までに、さらにより好ましくは2時間未満までに、試料からのDNA抽出からの報告時間の減少である。
【0058】
RT-PCR法の信頼性をさらに向上させるために、核酸の抽出とRT-PCRによる核酸の増幅との間に中間段階を導入することが好ましい。前記中間段階において、核酸溶液を、例えば、Amperase UNGなどのdUTPを含む配列に特異的なDNAアーゼとインキュベートする。前記段階は、いくつかのRT-PCRまたはPCRフェーズおよびDNA抽出が同じ実験室で行われる場合、特に有用である。前記方法は、同じ実験室でPCRによりDNAを増幅するためにdUTPがdTTPの代わりに用いられる場合のみ、機能する。デオキシヌクレオチドの交換は、RT-PCR反応の前に実験室および装置に存在し得るPCRにより増幅される配列由来の汚染の可能性の排除、およびそれゆえに、これらがその後のPCR反応で偽陽性結果を与える可能性の排除を可能にする。したがって、本発明のPCR反応においてdTTPの代わりにdUTPを常に用いることが好ましい。
【0059】
本発明の別の態様において、病原体の正確な血清群および/または血清型は、存在する病原体種がすでに知られている場合には同定することができる。この方法は、上記のようにRT-PCR反応で種の同定を追跡してもよく、またはDNAが生体試料から抽出され、その後、血清群が同定される一連の別々の段階で行ってもよい。
【0060】
本発明に従って血清群を同定するために、1つまたは複数のPCR反応を行う必要がある。
【0061】
反応に用いられるプライマーは、血清群を同定したい種、および血清群に特異性を与える遺伝子に依存する。プライマーはどのDNA配列が増幅されるかを決定し、前記DNA配列の増幅は、種のどの特定の遺伝子血清群が存在するかをシグナルで伝える。
【0062】
いくつかの血清群において、複数の血清型を識別することができる。血清群は、当技術分野において、いくつかの特異的な遺伝子についての数字で命名され、血清型は、その数字とその後の文字で命名される(表1〜3および7参照)。本発明の前記態様において、検出され得る血清群および/または血清型は、上記および感染性として知られた病原体に属するものに限定される。
【0063】
本発明の前記態様において、病原体の血清群および/または血清型は、本発明に従って、並行して1つまたは複数のPCR反応がある1つまたは2つのPCRフェーズで検出される。少なくとも1つのPCR反応は、前記の反応型に関する当技術分野において知られた全ての機器または試薬を用いて行ってもよい。
【0064】
上記の理由により、dTTPの代わりにdUTPを用いることが好ましい。
【0065】
本発明の前記態様のいくつかの実施形態においては、血清型および/または血清群を決定するために増幅された配列の測定のキャリブレーションを実施することが必要であるため、PCR反応によって増幅された産物をアガロースゲル電気泳動により測定すること、および臭化エチジウムで染色することは好ましい。
【0066】
前記種の全体についての共通配列として知られた遺伝子配列における位置に特異的な少なくとも1対のプライマーを少なくとも1つのPCR反応に導入することも好ましい。本発明の文脈において、前記のプライマー対は対照プライマーと呼ばれる。前記対照プライマーからの配列の増幅は以下の2つのことを示す:
- PCR反応が起こったこと、
- すべての他のプライマー対についての他の陽性増幅結果がなかった場合には、核酸試料、好ましくはDNAは、前記種に属する原核生物のそれを含むが、血清型がその方法によって認識できないこと。
【0067】
前記の認識できない血清型の一部は、プライマー配列が有効ではないため、認識できないのであり、これは、その後の微生物学的培養方法によって実証することができる。あるいは、血清型および/または正確な血清群のプライマーについての反応の欠如が、新しい血清型または血清群の検出を意味するが、それは、その後、培養方法によって検証されなければならない。
【0068】
N.メニンギティディスについて、前記の対照プライマー対は、配列番号1および2ならびに/または配列番号7および8であり、H.インフルエンザエについては、配列番号21および22、S.ニューモニエについては、配列番号29および30である。
【0069】
本発明の前記態様の好ましい実施形態において、前記の少なくとも1つのPCR反応は、0.7Mから1.3Mまで、好ましくは0.85Mから1.15Mまでの様々な濃度で、さらにより好ましくは0.98Mから1.02Mまでの濃度で、例えば、Qiagen、Hilden、Germania製の緩衝溶液Qなどのベタインを含む緩衝溶液中で行われる。ベタインを前記濃度で含む緩衝溶液は、GCリッチな鋳型のより高精度での増幅を可能にし、さらに、PCRのTaqポリメラーゼが増幅中、DNAから離れるのを防ぐ。前記効果は、PCR配列からの発現と、試料中の宿主DNAの大量の存在によるバックグラウンドノイズとの間の差の最大化を可能にする。
【0070】
少なくとも1つのPCR反応に用いられる全プライマーは同じ濃度であることがさらに望ましい。前記のプライマー濃度は、0.15〜0.25mMの間、好ましくは0.2mMであり得る。
【0071】
N.メニンギティディスが試料に存在する場合には、病原体の血清群は、交差反応の可能性があるため、好ましくは単一のPCR反応で決定される。前記反応は、あらゆる単一のPCR反応が並行して行われる1つまたは複数の同時に行われるフェーズへ分けてもよい。PCR反応の各同時フェーズにおいて、少なくとも1対の対照プライマーが必要とされる。あらゆるPCR反応についての試薬は、感染性であることが当技術分野において知られ、かつ対照プライマー対以外に、SiaD遺伝子から選択されたN.メニンギティディスの異なる血清群に特異的なプライマーを含む。反応に用いられ得る前記プライマーは、ここで表1に列挙されている。
【0072】
【表1】

【0073】
並行したPCR反応の各フェーズによって産生される増幅配列の結果は、好ましくは、アガロースゲル上の泳動方法によって同定される。各単一反応物は別々のレーンに置かれる。
【0074】
図1は、2つの試料においてN.メニンギティディスの血清群を検出するためのPCR反応の結果を示すアガロースゲルである。別々のレーンにおけるバンドの存在から、試料1においてN.メニンギティディスの血清群がSiaD Bであること、および試料2においては血清群SiaD Cであること、および両方の試料において血清群SiaD Y/W135は存在しないことが明らかである。
【0075】
フェーズから生じる各ゲルにおいて、存在する対照プライマーに由来する増幅産物を見ることができる少なくとも1つのレーンが存在する。別のレーン(対照のレーンを除く)における増幅産物の存在が、レーンおよび用いられたプライマーが対応するその血清型の存在を示す。図1において、レーン1は、対照プライマー対Iからの発現を示し、レーン5は、対照プライマー対IIからのプライマーの発現を示す。
【0076】
1つまたは2つの同時に行われるフェーズを用いるかどうか、およびどのプライマーが選択されるべきかの選択は、診断試験の必要条件に依存し、当業者が、前記ニーズを満たすように方法を管理することができる。
【0077】
好ましい実施形態において、SiaD WおよびSiaD Y血清群があまり存在しない(イタリアにおけるN.メニンギティディスの感染の症例の95%近くがSiaD B型およびSiaD C型からである)ため、反応は2つのフェーズに分ける。利便性および費用の有利さとしては、PCR反応の第1フェーズにおいてはプライマー対、配列番号12および13を用い、試料に存在する核酸が前記のプライマー対、配列番号12および13で増幅される場合には、少なくとも1群の対照プライマーならびに配列番号14〜15および16〜17を用いたPCR反応の第2フェーズを続けて、正確な血清群を決定することが好ましい。
【0078】
N.メニンギティディスについて、特別なレーンにおけるバンドの存在により血清群が存在するかどうか、およびどの血清群が存在するかを推測することができるが、生じたバンドの分子量もまた、表1に列挙された値を参照することにより、どの血清群が存在するかを示し得る。分子量は、当技術分野において知られた任意の方法で、アガロースゲル上で推測することができ、好ましくは、バンドの目盛り(その目盛りにおいては、各バンドが100bp(bpは、本発明の文脈において、塩基対を意味する)の増加を表す)を用いてキャリブレーションする。本発明の文脈において、bpとして示された数字は、当業者が、特に、アガロースゲルのレーン上の増幅産物の測定値を解釈する場合に用いるだろう精度で解釈されるべきである。100bpの目盛りを用いたアガロースゲル上の分子量のキャリブレーションについて全産物は、本発明のフェーズ(iii)において妥当である。
【0079】
H.インフルエンザエの血清群を決定したい場合には、PCR反応を、1つまたは複数のPCR反応で行うことができ、多重反応を行う場合には、並行して、または別々の時間フェーズで行ってもよい。少なくとも1つのPCR反応は、当技術分野において知られた方法で行われ、用いられ得るプライマーは表2に列挙されたものである。
【0080】
【表2】

【0081】
試料に存在する血清群は、N.メニンギティディスについての上記のように、電気泳動後アガロースゲル上に存在するバンドによって決定される。好ましい実施形態は、異なる血清群間の交差反応のリスクが存在しないため、異なる血清群についての全プライマーが存在する単一反応においてである。利点は、H.インフルエンザエの血清群を決定するために複数個のPCR反応を行うのに必要な費用および時間の削減である。前記方法において、N.メニンギティディスについての上記のように、試料に血清群が存在するかどうか、およびどの血清群が存在するかを決定するために、表2に示された値を参照して、バンド分子量キャリブレーション方法を用いることが必要である。
【0082】
S.ニューモニエが試料に存在する場合には、当技術分野において知られた血清群および/または90個の血清型からの血清型を決定しなければならない。交差反応を避けるために、特定の血清群を決定するために複数個のPCR反応を必要とすることはあり得る。cps遺伝子の座位に特異的なプライマーが用いられる。対照プライマー対もまたcps遺伝子に特異的である。PCR反応は、対照プライマーの配列および複数のプライマー配列群を含むミックスPCR(Mix-PCR)群を用いて行われる。配列の増幅は、上記のように、各PCR反応についてのアガロースゲル上での電気泳動で測定される。
【0083】
少なくともPCR反応が行われている核酸抽出物に血清群が存在する場合、電気泳動結果は、1つのバンドが常に対照プライマーによるものであるため、1つではなく、ゲル上に2つのバンドを示す。PCR反応は、ミックスPCRと命名された群に複数個のPCR対を含むので、N.メニンギティディスについての上記のように、増幅産物の分子量(参照表3)でのを用いたキャリブレーションシステムが用いられる。
【0084】
用いられ得るプライマー配列は表3に列挙されている。
【0085】
【表3A】

【0086】
【表3B】

【0087】
プライマー59/60および85/86は、血清型18に関係する。プライマー59/60は、増幅すると、573bpのバンドを与え、85/86プライマーは354bpのバンドを与える。それらがそのそれぞれの混合物内に置かれた場合、それらが有する長さが、混合物に含まれる他の血清型からそれらを識別するのを可能にするため、両方を維持することは重要である。
【0088】
配列を、好ましくは、以下の9つの群に細分し、9個の別々のPCR反応を行う:
ミックスPCR1:配列番号29-30、31-32、37-38、41-42、43-44、45-46、87-88、および91-92;
ミックスPCR2:配列番号29-30、33-34、35-36、37-38、および39-40;
ミックスPCR3:配列番号29-30、41-42、43-44、45-46、および47-48;
ミックスPCR4:配列番号29-30、49-50、51-52、および53-54;
ミックスPCR5:配列番号29-30、55-56、57-58、59-60、および61-62;
ミックスPCR6:配列番号29-30、63-64、65-66、67-68、および69-70;
ミックスPCR7:配列番号29-30、71-72、73-74、75-76、および77-78;
ミックスPCR8:配列番号29-30、79-80、81-82、83-84、および85-86;
ミックスPCR9:配列番号29-30、87-88、89-90、および91-92。
【0089】
前記のミックスPCRプライマー対を用いる利点は、交差反応が症例の0〜0.2%の間、さらにより好ましくは症例の0〜0.1%の間の値に最小化されることである。
【0090】
さらにより好ましい実施形態において、ミックスPCR群は、図2に示されているように、2フェーズのPCR反応で反応するように作製される。
【0091】
前記のミックスPCR群1〜9でのPCR反応を前記の経時的順序で用いることの利点は、特定の血清群を見出す可能性に基づいて血清群および/または特定の血清型をできるだけ迅速に、好ましくは3時間未満で、さらにより好ましくは2時間未満で、同定することを可能にすることであり、なぜなら、ミックスPCR1に存在するプライマーは、イタリアで報告された症例の80%を超える、80%〜90%の間に存在するプライマーに特異的であるからである。
【0092】
好ましい実施形態において、核酸の溶液を、例えば、Amperase UNGのようなdUTPを含む配列に特異的なDNAアーゼとインキュベートする段階を抽出と増幅の間に導入してもよい。前記段階を導入する利点は、上記で述べたように、結果の信頼性を向上させることである。同じ配慮が前記の好ましい実施形態に適用され、それゆえに、PCR反応は、好ましくは、dTTPの代わりにdUTPの使用を含む。
【0093】
本発明の方法全体の好ましい実施形態は、
・DNAが試料から抽出され、
・1つまたは複数のRT-PCR反応が、試料から抽出されたDNAの第1部分において病原体の少なくとも1つの存在または非存在を、好ましくはそれらの3つ全部を同時に検出するように行われ、
・そのRT-PCR反応の結果、どの種が試料に存在するのかをすでに判明しているので、1つまたは複数のPCR反応が、試料から抽出されたDNAの第2部分において病原体の少なくとも1つの血清群を決定するように行われる
方法である。
【0094】
前記の好ましい実施形態は、上記のような全ての段階および試薬を組み入れてもよい。前記実施形態の利点は、例えば、本方法の信頼性および多用途性などの本発明の前記態様について上記で述べた全ての利点と共に、1つまたは複数の病原体が生体組織の試料に存在するかどうか、ならびにそれらの血清群および/または血清型を、8時間未満で、好ましくは6時間未満で、より好ましくは5時間未満で、さらにより好ましくは4時間未満で、知ることを可能にすることである。
【0095】
本発明による方法のもう1つの利点は、特に培養技術での診断のような当技術分野において知られた方法と比較した場合、それらがほとんど常に、反応を自動的に行うために設計された装置を用い、操作における人的ミスの可能性を低下させ、その結果として、系の効率を統計的に向上させることである。
【0096】
これらの利点の多くは、特定のプライマー配列の選択に由来し、したがって、以下の群に含まれるプライマー配列:配列番号1および配列番号2;配列番号116および配列番号117;配列番号3および配列番号4;配列番号5および配列番号6;配列番号94および配列番号95;配列番号99および配列番号100、ならびにTaqManプローブ配列番号91、92、92、93、96、118、101、104、107、110、113を提供することが本発明のもう1つの目的である。
【0097】
診断キットは本発明のもう1つの態様である。一実施形態において、診断キットは、N.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、およびS.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在を、ヒトから採取された試料から抽出されるDNAにおいて検出するためのものである。前記キットは、任意で、前記試料からDNAを抽出するための試薬、中でも、好ましくはプロテアーゼKを含む第1コンパートメント;およびRT-PCRを行うための試薬を含む第2コンパートメントであって、前記試薬が配列番号1および配列番号2;配列番号116および配列番号117;配列番号3および配列番号4;配列番号5および配列番号6;配列番号94および配列番号95;配列番号99および配列番号100;ならびにTaqManプローブ配列番号91、92、92、93、96、118、101、104、107、110、113を含む、第2コンパートメントを含む。
キットの好ましい実施形態において、0.7Mから1.3Mまでの濃度でベタインを含む緩衝溶液が、第3コンパートメントのPCR反応の試薬として存在する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、2つの試料においてN.メニンギティディスの血清群を検出するためのPCR反応の結果を示すアガロースゲルである。別々のレーンにおけるバンドの存在から、試料1においてN.メニンギティディスの血清群がSiaD Bであること、および試料2においては血清群SiaD Cであること、および両方の試料において血清群SiaD Y/W135は存在しないことが明らかである。
【図2】図2は、32組のプライマー対(配列番号29〜92)を9つの多重反応に用いた図を示す。
【図3】図3は、切断後の血清型6Aの3%ゲルの例(アクセッション番号AF246898、AY078347、AY078344、AY078343、AY078342、CR931638で同定される血清型6A)を示す。
【図4】図4は、血清型6B(アクセッション番号:AY078341、AY078340、AY078339、CR931639、AF316640、AF298581)の3%ゲルの例を示す。
【図5】図5は、血清型6B AY078341、AY078340、AY078339、CR931639、AF316640、AF298581の3%ゲルの例を示す。
【実施例】
【0099】
[実施例1:小児科集団におけるS.ニューモニエの発生率の研究]
0〜14歳の間の小児において臨床研究を行い、S.ニューモニエによる感染の疑いのある症例を、S.ニューモニエによる感染を示す臨床症状(髄膜炎、敗血症、骨髄炎、関節炎、または肺炎などの病態の症状)を有するかどうかを分類する。分析を、本発明による方法で行い、培養による古典的分析方法を用いる分析と比較した。患者から血液を採取し、髄膜炎の疑わしい症例においては、CSFの試料も採取した。微生物学的方法および本発明による方法での分析のために試料を採取した。
【0100】
(本発明による方法)
i)DNA抽出
QIAmpDNAミニキット(Qiagen、Hilden、Germany)を用いてゲノム原核生物DNAを生体試料から抽出し、キット製造者により提案されたプロトコールに従って200マイクロリットルの生体液から抽出した。
【0101】
ii)RT-PCR
25マイクロリットルにおいて、以下を含むRT-PCR用試薬を調製した:
・2×TaqMan Universal Master Mix(Applied Biosystem、Foster City、CA、USA)、
・300nMの濃度での配列番号1-2および5-6のプライマー、
・50nMの濃度でのTaqManプローブ配列、配列番号93および95、
・6マイクロリットルの抽出されたDNA。
【0102】
反応を3連で行った。
【0103】
病原体についての陰性対照および陽性対照を反応ごとに含め、陽性対照は、S.ニューモニエを含む試料を用い、陰性対照は、S.ニューモニエを含まない試料(通常は水)であった。
【0104】
DNAを以下のパラメータで増幅した:
AmperaseでのUNG切断のために50℃で2分間、95℃で10分間、続いて、45サイクル(各サイクルが95℃で15秒間と60℃で1分間の2フェーズに分かれている)。
【0105】
iii)PCR反応
その後、段階(i)による試料から抽出されたDNAにいくつかのPCR反応を実行した。
【0106】
表3による32組のプライマー対(配列番号29〜92)を9つの多重反応に、図2に示された経時的順序で用いた。
【0107】
PCR反応については、以下からなる25マイクロリットルの溶液中で行った:
・Q Qiagen溶液を含む1×PCR緩衝液(Applera、Applied Biosystem、Foster City、CA、USA)
・200マイクロMの各dNTP(New England Biolabs、Beverly、MA、USA)
・2.5mM MgCl2
・2ユニットのAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(Applied Biosystem、Foster City、CA、USA)
・0.2mMの各プライマー、および
・5マイクロリットルのDNA抽出物。
【0108】
PCR反応については、Perkin-Elmer GeneAmp PCR System 9600(Applied Biosystem、Foster City、CA、USA)で以下のパラメータを用いて行った:
・94℃で15分間、
・続いて、94℃で30秒間、
・54℃で90秒間、および
・72℃で60秒間の35増幅サイクル。
【0109】
PCR反応の産物を、1×TAE緩衝液でのアガロースゲル2%Nusieve(Cambrex Bio Science Inc.、Rockland、Me)上の電気泳動により分析した。ゲルを臭化エチジウム(0.5マイクログラム/ml)で染色し、それらの画像を記録した。PCR産物の長さについては、100bpごとに細分したバンドの目盛りを用いたバンドのキャリブレーションにより決定した。
【0110】
(比較のための培養による微生物学的方法)
採取された試料をボトルシステムBACTEC TM PLUS(Necton Dickinson and Co.、Sparks、MD、USA)と用いることにより、血液との培養物を増殖させた。試料を血液寒天中で増殖させ、肺炎球菌の存在を、標準方法によるオプトヒンに対する感受性および胆汁溶解性によって評価した(参照:Arbique JC、Poyart C、Trieu-Cuot P、Quesne G、Carbalho Mda G、Steigerwalt AG、Morey RE、Jackson D、Davidson RJ、Facklam RR、「Accuracy of Phenotypic and genotypic testing for identification of Streptococcus pneumoniae and description of Streptococcus pseudopneumoniae sp. nov.」J Clin Microbiol、2004;42(10):4686〜96頁)。
【0111】
(結果)
S.ニューモニエの感染を示す臨床症状を有する92人の患者を研究に登録した。表4(患者を、前のとは異なるやり方で分けた)は各患者の結果を示す。
【0112】
【表4】

【0113】
本発明による方法に従って非感染であると診断された全ての患者は、当技術分野において知られた培養方法でもまた非感染であることが証明された。
【0114】
一方、本発明による方法で22人の患者がS.ニューモニエに感染していると診断され、当技術分野において知られた微生物学的培養方法では4人だけだった。それゆえに、症例の81.8%((22-4)/22)について、微生物学的培養方法に対してPCR方法がS.ニューモニエによる感染を診断するにおいてより効果的であることが証明された。
【0115】
RT-PCRによって感染していると診断された22人の患者のうちで、7人は抗生物質治療を以前、受けていた。全7人は培養方法で陰性であるとはみなされなかった。15人は抗生物質治療を受けておらず、これらのうちで、4人(4/15=26.7%)が、培養方法によって感染していることが検出されていた。
【0116】
この実施例は、(S.ニューモニエ以外にN.メニンギティディスの存在を示す点において)多用途性、本方法のより高い感度および信頼性(診断された15人の患者に対して、当技術分野において知られた方法では4人)、ならびに診断と同時、または診断前に行われた抗生物質治療によって生じる問題の克服を示している。
【0117】
22個の症例のうちの19個を、分子方法によって分類した(3人の患者において、細菌量が低すぎ、それゆえに、細菌DNAが乏しすぎて、分類を行うことができなかった)。様々な血清型/血清群の分布は表5に示されている。特定の血清群および/または血清型の集団に関する医学的関連をもつ前記情報は、本発明による方法なしには得ることができなかったであろう。
【0118】
【表5】

【0119】
[実施例2:RT-PCRのために選択された遺伝子の感度の比較]
例として、lyt遺伝子と、当技術分野において知られ、かつPCRによってS.ニューモニエの存在を検出する能力があるもう1つの遺伝子:ply遺伝子との間でRT-PCRによるS.ニューモニエの存在の検出効率に関して比較した。
【0120】
lytに対するRT-PCR用のプライマーとして、配列番号5および6を用い、TaqManプローブとして配列番号89を用いた。
【0121】
plyに対するRT-PCR用のプライマーとして、配列番号90および91を用い、TaqManプローブとして配列番号91を用いた。
【0122】
実施例1(i)に従って抽出し、実施例1(ii)の方法に従って反応させて、DNAの8つの試料についてRT-PCR方法を実施した。この方法においては、陽性が現れたサイクルを求め、合計の増幅を45サイクルまで延ばした。結果は表6に報告されている。
【0123】
【表6】

【0124】
表6の結果から、S.ニューモニエについてRT-PCRによってスキャンする方法において、TaqManプライマーおよびプローブ配列は、ply遺伝子に対するよりlyt遺伝子に対する方が感度が高いことが観察された。平均はサイクルの差を示しているが、前記サイクルは指数関数的に増幅させたものであり、よって、30サイクル目と31サイクル目の間の感度の差は、遺伝子間の感度の差を実証するのに顕著であることを思い起こさなければならない。さらに、ply遺伝子に関して、試料No. 3は、陰性であるように見えた(「S.ニューモニエに感染していない」という報告に対応する)。その代わりに、lyt遺伝子は、S.ニューモニエによる感染の検出を、これが低い細菌量で存在していたにもかかわらず、可能にしている。
【0125】
[実施例3:病原体の血清型決定効率の実証]
血清型/血清群6B、9V、14、19A、および23FのS.ニューモニエの菌株は、ATCCから入手した。調査の特異性を検証するために、上記で列挙した血清群/血清型に属するS.ニューモニエの菌株をATCCから入手した。全ては、それぞれの混合物において陽性であること、および特異的なプライマーが存在しない全ての混合物において陰性であることが見出された。
【0126】
同じプロトコールで血清型決定を行った。出発試料は、遠心分離した細菌のペレットであり、その後、緩衝食塩水(PBS)に再懸濁した。このようにして生じた試料を、実施例1(i)および(iii)に報告されたヒト生体液と同じプロトコールで処理した。
【0127】
結果を、前記菌株についてすでに確立された血清型と比較し、全ての場合において、多重PCR方法によって決定された血清群が、ATCCカタログに記載されたのと等しいことが見出されており、このことは、病原体の正確な血清型を決定することについて本方法が100%正確であることを示している。
【0128】
[実施例4:N.メニンギティディスへの方法効果の実証]
1年にわたって、実施例1(i)および(ii)に報告されているようにRT-PCRによって、感染による髄膜炎の6つの症例を診断してきたが、それらのうち、2つのみが培養により診断可能であることが見出された。RT-PCRに基づいた方法は、培養に基づいた方法より3倍も感度が高いことが証明されている。
【0129】
全ての髄膜炎症例におけるS.ニューモニエに関して、またナイセリア メニンギティディスについても、上記の実施例1(iii)に説明されたものと同様のプロトコールを用い、かつ表1に列挙されたプライマーを用いて、PCRによって血清型決定を行った。培養物が陽性である場合のみ(本発明者らの実施例においては6つの症例のうち2つの症例においてのみ)、培養に基づく方法で血清型決定が可能である。要するに、髄膜炎の3つの症例のうちの2つは、当技術分野において知られた方法では診断されず、結果として、血清型決定もしなかっただろうが、代わりに、本発明においては可能であった。
【0130】
[実施例5:ストレプトコッカス ニューモニエの血清型6Aおよび6Bを区別するための方法]
ストレプトコッカス ニューモニエ(肺炎球菌)は、約90個の血清型が知られているグラム陽性病原菌である。これらのうち一部のみが、重篤な侵襲性細菌疾患の原因であると考えられている。ワクチンは市販されており、それは、小児用に適しており、最も頻繁に見られ、かつ健康にとって最も危険性が高い、90個の血清型のうちの7個のみを含む。そのような血清型(4、6B、9V、14、18C、19F、23F)だけで、侵襲性細菌型の80%の原因である。しかしながら、長い年月を経るうちに、ワクチンによって誘導される免疫学的圧力と、「永続的趨勢」と呼ばれる現象により引き起こされる血清型間の自然発生的シフトの両方により、現在最も頻繁に見られる菌株が、異なる菌株によって取って換わられつつあることが考えられる。特に、血清型6Aおよび19Aは、以前最も頻繁に見られた菌株に取って代わっていると考えられている。血清型6Aは、現在市販されているワクチンに存在しないが、間もなく製造される予定の2つのワクチン、10-valentおよび13-valentに存在する。よって、血清型6Aおよび6Bを同定すること、およびそのテリトリーに関する分布を知ることは、現在のワクチンがその効果を維持するのか、またはそれは新しいワクチンに置換されなければならないのかを理解できるようになるために非常に重要である。
【0131】
(方法)
ストレプトコッカス ニューモニエがPCRリアルタイムによって陽性であると見出され、かつその後、PCR多重によって血清型6が陽性であると見出された全ての生体試料(血液、液体、鼻-咽頭タンポン、胸膜液、細菌単離物など)を、以下に記載されたプライマー(wciP遺伝子)および反応混合物を用いるPCRによって増幅する:
プライマー
プライマーフォワード AATTTGTATTTTATTCATGCCTATATCTGG
プライマーリバース TTAGCGGAGATAATTTAAAATGATGACTA
【0132】
反応混合物
10×Qiagen 2.5μl
dNTPs 2.0μl(2.5mM)
プライマーフォワード 1.0μl(10pmol/μl)
プライマーリバース 1.0μl(10pmol/μl)
Taq Qiagen 0.2μl
H2O 13.3μl
5μlの抽出されたDNA
【0133】
増幅プロトコール
PCR反応については、以下のパラメータを用いてPerkin-Elmer GeneAmp PCR system 9600(Applied Biosystem、Foster City、CA、USA)で行う:
1. 95℃で15分間、
2. 続いて、以下で30増幅サイクル:
・94℃で30秒間、
・55℃で45秒間、および
・72℃で60秒間
3. 72℃で10分間。
【0134】
これらのプライマーは、血清型6Aおよび血清型6Bの両方を増幅し、2つの多型部位(塩基118位および128位、表7)、すなわち、6Aと6Bの間で異なる2つの部位が存在する250個の塩基対の産物を生じる。
【0135】
【表7】

【0136】
血清型6Aの塩基118位に存在する多型は、制限酵素CviKI-1による切断部位として認識され、その制限酵素は、血清型6Bのコドン118を未切断のままにしておく。
【0137】
それゆえに、6Aと6Bを識別するために、酵素CviKI-1を用いた増幅産物のインキュベーション段階(=切断)を行うことが必要であり、その酵素は、2つの断片において血清型6Aを切断し、一方、血清型6Bを未切断(したがって、無傷)のままにしておくだろう。
【0138】
CviKI-1(New England BioLabs)での切断反応
CviKI-1酵素 0.2μl
10×(NEB 4) 2μl
H2O 2.8μl
15μlのPCR反応産物。
混合物を37℃で1時間、保持する;インキュベーションの終了時に、それの10μlを3%アガロースゲルの上で泳動させる。
【0139】
血清型6Aの場合、制限酵素は、コドン118で切断を生じ、それゆえに、以下の異なるサイズの2つのバンドが強調されるだろう:118pbおよび132pb。
【0140】
図3 - 切断後の血清型6Aの3%ゲルの例(アクセッション番号AF246898、AY078347、AY078344、AY078343、AY078342、CR931638で同定される血清型6A)。血清型6Bの場合、制限酵素はいかなる切断も生じない。
【0141】
図4 - 血清型6B(アクセッション番号:AY078341、AY078340、AY078339、CR931639、AF316640、AF298581)の3%ゲルの例。いくつかの6B血清型(アクセッション番号AY078346、AY078345、AF246897で同定される)において、切断は、コドン44で起こり、それゆえに、以下の異なるサイズの2つのバンドが強調されるだろう:44pbおよび206pb(図3)。しかしながら、これらは、増幅産物のサイズによる図3に見られる6Aの断片化パターンに基づいて完全に識別可能であろう。
【0142】
図5 - 血清型6B AY078341、AY078340、AY078339、CR931639、AF316640、AF298581の3%ゲルの例
【0143】
(感度)
ATCCから購入された血清型6Aおよび6Bの菌株、ならびに培養で増殖し、かつ標準血清学的方法(Pneumotestキット、Biogenetics、Pone San Nicolo、Padova、Italia)によって同定されたストレプトコッカス ニューモニエの菌株、合計で6Aの7菌株および6Bの7菌株について、本方法を試験した。試験は、全ての「単離物」において陽性結果(正しい同定)を示し、全ての場合において血清型を同定した(14/14、100%)。
【0144】
(特異性)
本方法を、ストレプトコッカス ニューモニエ以外の病原菌(異なる病原菌が陽性の15個の試料)、および6以外の血清型のストレプトコッカス ニューモニエ(18個の試料)について試験した。上記プライマーを用いるどの場合においても、増幅は起こらず、それにより、100%特異性を示した。
【0145】
[実施例6:新生児において病原菌を同定するための方法]
(背景-本方法の有用性)
分子生物学的方法(リアルタイムPCRおよび標準PCR)は、侵襲性細菌感染の微生物学的診断における培養方法に対して有意により高い感度および同等の特異性を示している。
【0146】
小さな子ども(生後0〜3カ月)において最も頻繁に感染を引き起こす病原菌は、より年長の子どもにおいて病態を引き起こすものと同じではない。
【0147】
この理由により、小さな子どもにおいて最も頻繁に見られる病原菌に特異的なプライマーおよびプローブ(表8)を含む異なるパネルを作製することが有用である。このパネルは「乳幼児パネル」と呼ばれ、以下の病原菌を含む:
・エシェリキア コリ
・クレブシエラ ニューモニエ
・ストレプトコッカス アガラクティエ
・リステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)
これらの4つの病原菌は、生後0〜3カ月の乳幼児の細菌感染の大部分の原因である。
【0148】
試験を行うための方法
届けられた時点でのプローブおよびプライマーを、注射可能調製物(無菌または非発熱性)かそれ以上の調製物用に、水で100pmol/μLの濃度に希釈する。
【0149】
方法(リアルタイムPCR)は、プローブおよびプライマーが異なるという違いはあるが、成人パネルの方法に正確に従う(表8)。
【0150】
「乳幼児パネル」において、各病原菌を、プライマー対ごとに1つの試験管を用いることにより、別々に探索してもよい(1つの試験管はエシェリキア コリについてのプライマーを含み、1つの試験管はクレブシエラ ニューモニエについてのプライマーを含むなど)。あるいは、より少量の抽出DNAを用いるために、多重リアルタイムPCRを行うことによって同じ試験管中、一度に2つの病原菌を試験することが可能である。
【0151】
この代替法は、より少量の出発生体試料を必要とするという利点を提供し、それゆえに、採取され得る試料の量が非常に少ない可能性がある非常に小さな子どもにおいても適用可能である。
【0152】
同じ試験管中での2つの病原菌の同時調査は、試験感度を低下させる可能性がある。場合によっては、試験の結果サイクルは、1〜2サイクル、右へシフトする(例えば、36から38へ)。出発生体試料における病原菌の量が非常に低いならば、サイクルをシフトさせることにより(例えば、43から45へ)、超低細菌量の場合、試料が、陽性の代わりに陰性と観察される可能性がある。
【0153】
好ましいカップルは
1)エシェリキア コリ/クレブシエラ ニューモニエ
2)ストレプトコッカス アガラクティエ/リステリア モノサイトゲネス
である。
【0154】
2つの異なる病原菌についてのプライマーおよびプローブを用いるという代替法を、「年長児/成人パネル」でも行ってもよい;この代替法は、その数ある利点の中でも、以下を有する:
1. 必要なDNAの低減
2. 試薬費用の低減
3. 試験実行のより高い利便性(調製されるべき試験管数のより少なさ)
欠点としては、感度のわずかな低下を示し、閾値サイクルの1〜2サイクル、右へのシフトを有する。
【0155】
感度低下を避けるために、たとえ最小限であっても、リアルタイム多重増幅に有利に働くタンポンを用いることができる。この改良は、「乳幼児パネル」および「年長児/成人パネル」の両方に用いることができる。
【0156】
【表8】

【0157】
用いられる配列のリスト
【0158】
【表9A】

【0159】
【表9B】

【0160】
【表9C】

【0161】
【表9D】

【0162】
【表9E】

【0163】
【表9F】

【0164】
【表9G】

【0165】
【表9H】

【0166】
【表9I】

【0167】
【表9J】

【0168】
【表9K】

【0169】
【表9L】

【0170】
【表9M】

【0171】
【表9N】

【0172】
【表9O】

【0173】
【表9P】

【0174】
【表9Q】

【0175】
【表9R】

【0176】
【表9S】

【0177】
【表9T】

【0178】
【表9U】

【0179】
【表9V】

【0180】
【表9W】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料においてN.メニンギティディス(N. meningitidis)、H.インフルエンザエ(H. influenaze)、S.ニューモニエ(S. pneumoniae)、またはアデノウイルス(Adenovirus)からなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法であって、
a)試料に存在する場合、前記病原体のゲノムの特定の標的領域の増幅および顕示を可能にするような条件下で試料の第1アリコートをインキュベートする段階であって、標的領域が、
N.メニンギティディスのctrA遺伝子の配列番号119、および
H.インフルエンザエのP2遺伝子の配列番号120もしくはbex遺伝子の配列番号121、および
S.ニューモニエのlyt遺伝子の配列番号122もしくはply遺伝子の配列番号123、および
アデノウイルスの配列番号124
に含まれる段階、
ならびに/または
b)試料がN.メニンギティディス陽性である場合には、N.メニンギティディスのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅を可能にするような条件下で試料の第2アリコートをインキュベートする段階であって、標的領域が、
N.メニンギティディスの血清型Bについての配列番号125、
N.メニンギティディスの血清型Cについての配列番号126、
N.メニンギティディスの血清型W135についての配列番号127、
N.メニンギティディスの血清型Wについての配列番号128、
N.メニンギティディスの血清型Yについての配列番号129、
N.メニンギティディスの血清型Aについての配列番号130
に含まれる段階、
c)増幅を顕示する段階、
b')試料がH.インフルエンザエ陽性である場合には、莢膜を有するH.インフルエンザエを顕示するためにH.インフルエンザエのゲノムの領域である配列番号131の増幅を可能にするような条件下で試料の第2アリコートをインキュベートする段階、および
c')増幅を顕示する段階、
d')試料が、莢膜を有するH.インフルエンザエの顕示について陽性である場合には、H.インフルエンザエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅を可能にするような条件下で試料の第3アリコートをインキュベートする段階であって、標的領域が、
β-ラクタマーゼの産生菌であるH.インフルエンザエの顕示のための配列番号132
H.インフルエンザエ血清型a、b、c、d、e、fの顕示のための配列番号133、
H.インフルエンザエB型莢膜保有血清型の顕示のための配列番号134
に含まれる段階、
b'')試料がS.ニューモニエ陽性である場合には、S.ニューモニエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅を可能にするような条件下で試料の第2アリコートをインキュベートする段階であって、標的領域が、
S.ニューモニエの血清型19Fについての配列番号135
S.ニューモニエの血清型22Fについての配列番号136
S.ニューモニエの血清型3についての配列番号137
S.ニューモニエの血清型6についての配列番号138
S.ニューモニエの血清型19Aについての配列番号139
S.ニューモニエの血清型9vについての配列番号140
S.ニューモニエの血清型4についての配列番号141
S.ニューモニエの血清型14についての配列番号142
S.ニューモニエの血清型12fについての配列番号143
S.ニューモニエの血清型7fについての配列番号144
S.ニューモニエの血清型11aについての配列番号145
S.ニューモニエの血清型33fについての配列番号146
S.ニューモニエの血清型16fについての配列番号147
S.ニューモニエの血清型35bについての配列番号148
S.ニューモニエの血清型18fについての配列番号149
S.ニューモニエの血清型38についての配列番号150
S.ニューモニエの血清型31についての配列番号151
S.ニューモニエの血清型15cについての配列番号152
S.ニューモニエの血清型8についての配列番号153
S.ニューモニエの血清型10Aについての配列番号154
S.ニューモニエの血清型35fについての配列番号155
S.ニューモニエの血清型34についての配列番号156
S.ニューモニエの血清型1についての配列番号157
S.ニューモニエの血清型17fについての配列番号158
S.ニューモニエの血清型20についての配列番号159
S.ニューモニエの血清型15aについての配列番号160
S.ニューモニエの血清型7cについての配列番号161
S.ニューモニエの血清型18fについての配列番号162
S.ニューモニエの血清型5についての配列番号163
S.ニューモニエの血清型23Fについての配列番号164
に含まれる段階、
c'')増幅を強調する段階、
d'')試料がS.ニューモニエの血清型6陽性である場合には、S.ニューモニエの血清型6aについての領域である配列番号165もしくは血清型6bについての領域である配列番号166の増幅を可能にするような条件下で試料の第3アリコートをインキュベートする段階、
e'')増幅を強調する段階
を含む方法。
【請求項2】
標的領域が、
N.メニンギティディスのctrA遺伝子の配列番号119のヌクレオチド21位からヌクレオチド131位まで、および
H.インフルエンザエのP2遺伝子の配列番号120のヌクレオチド21位からヌクレオチド171位まで、またはbex遺伝子の配列番号121のヌクレオチド21位からヌクレオチド120位まで、および
S.ニューモニエのlyt遺伝子の配列番号122のヌクレオチド21位からヌクレオチド121位まで、またはply遺伝子の配列番号123のヌクレオチド21位からヌクレオチド101位まで、および
アデノウイルスの配列番号124のヌクレオチド21位からヌクレオチド116位まで
に含まれる、請求項1に記載の、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項3】
試料がN.メニンギティディス陽性である場合には、N.メニンギティディスのゲノムの特定の血清型決定標的領域が、
N.メニンギティディスの血清型Bについての配列番号125のヌクレオチド21位からヌクレオチド477位まで、
N.メニンギティディスの血清型Cについての配列番号126のヌクレオチド21位からヌクレオチド462位まで、
N.メニンギティディスの血清型W135についての配列番号127のヌクレオチド21位からヌクレオチド718位まで、
N.メニンギティディスの血清型Wについての配列番号128のヌクレオチド21位からヌクレオチド140位まで、
N.メニンギティディスの血清型Yについての配列番号129のヌクレオチド21位からヌクレオチド140位まで、
N.メニンギティディスの血清型Aについての配列番号130のヌクレオチド21位からヌクレオチド415位まで
に含まれ、
試料がH.インフルエンザエ陽性である場合には、莢膜を有するH.インフルエンザエを顕示するための標的領域が、配列番号131のヌクレオチド21位からヌクレオチド121位までの領域内に含まれ、
試料が、莢膜を有するH.インフルエンザエの顕示について陽性である場合には、特定の血清型決定標的領域が、
β-ラクタマーゼの産生菌であるH.インフルエンザエの顕示のための配列番号132のヌクレオチド21位からヌクレオチド477位まで
H.インフルエンザエ血清型a、b、c、d、e、fの顕示のための配列番号133のヌクレオチド21位からヌクレオチド357位まで、
H.インフルエンザエB型莢膜保有血清型の顕示のための配列番号134のヌクレオチド21位からヌクレオチド263位まで
に含まれ、
試料がS.ニューモニエ陽性である場合には、S.ニューモニエのゲノムの特定の血清型決定標的領域が、
S.ニューモニエの血清型19Fについての配列番号135のヌクレオチド21位からヌクレオチド149位まで
S.ニューモニエの血清型22Fについての配列番号136のヌクレオチド21位からヌクレオチド663位まで
S.ニューモニエの血清型3についての配列番号137のヌクレオチド21位からヌクレオチド391位まで
S.ニューモニエの血清型6についての配列番号138のヌクレオチド21位からヌクレオチド240位まで
S.ニューモニエの血清型19Aについての配列番号139のヌクレオチド21位からヌクレオチド498位まで
S.ニューモニエの血清型9vについての配列番号140のヌクレオチド21位からヌクレオチド527位まで
S.ニューモニエの血清型4についての配列番号141のヌクレオチド21位からヌクレオチド350位まで
S.ニューモニエの血清型14についての配列番号142のヌクレオチド21位からヌクレオチド284位まで
S.ニューモニエの血清型12fについての配列番号143のヌクレオチド21位からヌクレオチド396位まで
S.ニューモニエの血清型7fについての配列番号144のヌクレオチド21位からヌクレオチド846位まで
S.ニューモニエの血清型11aについての配列番号145のヌクレオチド21位からヌクレオチド483位まで
S.ニューモニエの血清型33fについての配列番号146のヌクレオチド21位からヌクレオチド358位まで
S.ニューモニエの血清型16fについての配列番号147のヌクレオチド21位からヌクレオチド1008位まで
S.ニューモニエの血清型35bについての配列番号148のヌクレオチド21位からヌクレオチド697位まで
S.ニューモニエの血清型18fについての配列番号149のヌクレオチド21位からヌクレオチド593位まで
S.ニューモニエの血清型38についての配列番号150のヌクレオチド21位からヌクレオチド594位まで
S.ニューモニエの血清型31についての配列番号151のヌクレオチド21位からヌクレオチド721位まで
S.ニューモニエの血清型15cについての配列番号152のヌクレオチド21位からヌクレオチド516位まで
S.ニューモニエの血清型8についての配列番号153のヌクレオチド21位からヌクレオチド314位まで
S.ニューモニエの血清型10Aについての配列番号154のヌクレオチド21位からヌクレオチド648位まで
S.ニューモニエの血清型35fについての配列番号155のヌクレオチド21位からヌクレオチド537位まで
S.pneumoniteの血清型34についての配列番号156のヌクレオチド21位からヌクレオチド428位まで
S.ニューモニエの血清型1についての配列番号157のヌクレオチド21位からヌクレオチド300位まで
S.ニューモニエの血清型17fについての配列番号158のヌクレオチド21位からヌクレオチド713位まで
S.ニューモニエの血清型20についての配列番号159のヌクレオチド21位からヌクレオチド534位まで
S.ニューモニエの血清型15aについての配列番号160のヌクレオチド21位からヌクレオチド454位まで
S.ニューモニエの血清型7cについての配列番号161のヌクレオチド21位からヌクレオチド280位まで
S.ニューモニエの血清型18fについての配列番号162のヌクレオチド21位からヌクレオチド374位まで
S.ニューモニエの血清型5についての配列番号163のヌクレオチド21位からヌクレオチド382位まで
S.ニューモニエの血清型23Fについての配列番号164のヌクレオチド21位からヌクレオチド197位まで
に含まれ、
試料がS.ニューモニエの血清型6陽性である場合には、血清型6aと6bの識別を可能にする標的領域が、それぞれ、配列番号165のヌクレオチド21位からヌクレオチド270位まで、および配列番号166のヌクレオチド21位からヌクレオチド270位までである、請求項1または2に記載の、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項4】
N.メニンギティディスのctrA遺伝子の配列番号119、およびS.ニューモニエのlyt遺伝子の配列番号122またはply遺伝子の配列番号123に含まれる特定領域の増幅および顕示が、単一の第1反応環境で起こり、H.インフルエンザエのP2遺伝子の配列番号120またはbex遺伝子の配列番号121、およびアデノウイルスの配列番号124に含まれる特定領域の増幅および顕示が、単一の第2反応環境で起こる、請求項1から3のいずれか一項に記載の、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項5】
試料がS.ニューモニエ陽性である場合には、第2アリコートが、S.ニューモニエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅を可能にするような条件下で、
血清型19Fについての配列番号135、血清型6についての配列番号138、血清型9vについての配列番号140、血清型4についての配列番号141、血清型14についての配列番号142、血清型5についての配列番号163
に含まれる配列については単一の第1反応環境において、
血清型22Fについての配列番号136、血清型6についての配列番号138、血清型3についての配列番号137、血清型19Aについての配列番号139
に含まれる配列については単一の第2反応環境において、
血清型9vについての配列番号140、血清型4についての配列番号141、血清型14についての配列番号142、血清型12fについての配列番号143
に含まれる配列については単一の第3反応環境において、
血清型7fについての配列番号144、血清型11Aについての配列番号145、血清型33fについての配列番号146
に含まれる配列については単一の第4反応環境において、
血清型16fについての配列番号147、血清型35bについての配列番号148、血清型18fについての配列番号149、血清型38についての配列番号150
に含まれる配列については単一の第5反応環境において、
血清型31についての配列番号151、血清型15cについての配列番号152、血清型8についての配列番号153、血清型10Aについての配列番号154
に含まれる配列については単一の第6反応環境において、
血清型35fについての配列番号155、血清型34についての配列番号156、血清型1についての配列番号157、血清型17fについての配列番号158
に含まれる配列については単一の第7反応環境において、
血清型20についての配列番号159、血清型15aについての配列番号160、血清型7cについての配列番号161、血清型18fについての配列番号162
に含まれる配列については単一の第8反応環境において、
血清型5についての配列番号163、血清型23Fについての配列番号164
に含まれる配列については単一の第9反応環境において、
インキュベートされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項6】
段階a)の増幅および顕示の反応がRT-PCRによって起こる、請求項1から5のいずれか一項に記載の、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項7】
段階b)〜e'')の増幅および顕示の反応がPCRによって起こり、増幅産物の顕示がクロマトグラフィーによって起こる、請求項1から6のいずれか一項に記載の、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項8】
病原体量を増加させるために試料を予めインキュベーとしない、請求項1から7のいずれか一項に記載の生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に定義した標的領域および対照標的領域を増幅する能力があるプライマーおよびプローブオリゴヌクレオチドを含む、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するためのキット。
【請求項10】
N.メニンギティディスおよびS.ニューモニエについてのプライマーおよびプローブが単一の第1反応環境内にあり、H.インフルエンザエおよびアデノウイルスについてのプライマーおよびプローブが単一の第2反応環境内にある、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
配列番号119についてのプライマーが配列番号1および配列番号2であり、プローブが配列番号91である;
配列番号120についてのプライマーが配列番号116および配列番号117であり、プローブが配列番号118である;または配列番号121についてのプライマーが配列番号3および配列番号4であり、プローブが配列番号92である;
配列番号122についてのプライマーが配列番号5および配列番号6であり、プローブが配列番号93である;または配列番号123ついてのプライマーが配列番号94および配列番号95であり、プローブが配列番号96である;
配列番号124についてのプライマーが配列番号99および配列番号100であり、プローブが配列番号101である、
請求項9または10に記載のキット。
【請求項12】
配列番号125についてのプライマーが配列番号9および配列番号10である;
配列番号126についてのプライマーが配列番号11および配列番号12である;
配列番号127についてのプライマーが配列番号13および配列番号14である;
配列番号128についてのプライマーが配列番号15および配列番号15である;
配列番号129についてのプライマーが配列番号17および配列番号18である;
配列番号130についてのプライマーが配列番号19および配列番号20である;
対照領域についてのプライマーが配列番号1および配列番号2、または配列番号7および配列番号8である、
N.メニンギティディスのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅のための請求項9に記載のキット。
【請求項13】
配列番号131についてのプライマーが配列番号97および配列番号98である;
配列番号132についてのプライマーが配列番号23および配列番号24である;
配列番号133についてのプライマーが配列番号25および配列番号26である;
配列番号134についてのプライマーが配列番号27および配列番号28である;
対照領域についてのプライマーが配列番号21および配列番号22である、
H.インフルエンザエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅のための、請求項9に記載のキット。
【請求項14】
配列番号135についてのプライマーが配列番号31および配列番号31である;
配列番号136についてのプライマーが配列番号33および配列番号34である;
配列番号137についてのプライマーが配列番号35および配列番号36である;
配列番号138についてのプライマーが配列番号37および配列番号38である;
配列番号139についてのプライマーが配列番号39および配列番号40である;
配列番号140についてのプライマーが配列番号41および配列番号42である;
配列番号141についてのプライマーが配列番号43および配列番号44である;
配列番号142についてのプライマーが配列番号45および配列番号46である;
配列番号143についてのプライマーが配列番号47および配列番号48である;
配列番号144についてのプライマーが配列番号49および配列番号50である;
配列番号145についてのプライマーが配列番号51および配列番号52である;
配列番号146についてのプライマーが配列番号53および配列番号54である;
配列番号147についてのプライマーが配列番号55および配列番号56である;
配列番号148についてのプライマーが配列番号57および配列番号58である;
配列番号149についてのプライマーが配列番号59および配列番号60である;
配列番号150についてのプライマーが配列番号61および配列番号62である;
配列番号151についてのプライマーが配列番号63および配列番号64である;
配列番号152についてのプライマーが配列番号65および配列番号66である;
配列番号153についてのプライマーが配列番号67および配列番号68である;
配列番号154についてのプライマーが配列番号69および配列番号70である;
配列番号155についてのプライマーが配列番号71および配列番号72である;
配列番号156についてのプライマーが配列番号73および配列番号74である;
配列番号157についてのプライマーが配列番号75および配列番号76である;
配列番号158についてのプライマーが配列番号77および配列番号78である;
配列番号159についてのプライマーが配列番号79および配列番号80である;
配列番号160についてのプライマーが配列番号81および配列番号82である;
配列番号161についてのプライマーが配列番号83および配列番号84である;
配列番号162についてのプライマーが配列番号85および配列番号86である;
配列番号163についてのプライマーが配列番号87および配列番号88である;
配列番号164についてのプライマーが配列番号89および配列番号90である;
配列番号165についてのプライマーが配列番号114および配列番号115である;
配列番号166についてのプライマーが配列番号114および配列番号115である;
対照領域についてのプライマーが配列番号29および配列番号30である、
かつ前記プライマーが任意で、複数の反応環境において部分的にグループ化される、S.ニューモニエのゲノムの特定の血清型決定標的領域の増幅のための、請求項9に記載のキット。
【請求項15】
請求項9〜13のいずれか一項に記載のキットを含む、生体試料においてN.メニンギティディス、H.インフルエンザエ、S.ニューモニエ、またはアデノウイルスからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するためのキット。
【請求項16】
生体試料においてクレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、リステリア モノサイトゲネス(Lysteria monocytogenes)、E.コリ(E. coli)、S.アガラクティエ(S. agalactiae)からなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法であって、
a)試料に存在する場合、前記病原体のゲノムの特定の標的領域の増幅および顕示を可能にするような条件下で試料のアリコートをインキュベートする段階を含み、標的領域が、
クレブシエラ ニューモニエのphoE遺伝子の配列番号167、
リステリア モノサイトゲネスのiap遺伝子の配列番号168
E.コリのuidA遺伝子の配列番号169
S.アガラクティエのsip遺伝子の配列番号170
に含まれる方法。
【請求項17】
標的領域が、
クレブシエラ ニューモニエのphoE遺伝子の配列番号167のヌクレオチド21位からヌクレオチド95位まで、
リステリア モノサイトゲネスのiap遺伝子の配列番号168のヌクレオチド21位からヌクレオチド104位まで、
E.コリのuidA遺伝子の配列番号169のヌクレオチド21位からヌクレオチド87位まで、
S.アガラクティエのsip遺伝子の配列番号170のヌクレオチド21位からヌクレオチド98位まで
に含まれる、請求項16に記載の生体試料においてクレブシエラ ニューモニエ、リステリア モノサイトゲネス、E.コリ、S.アガラクティエからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項18】
クレブシエラ ニューモニエのphoE遺伝子の配列番号167、およびE.コリのuidA遺伝子の配列番号169に含まれる特定領域の増幅および顕示が、単一の第1反応環境で起こり、かつリステリア モノサイトゲネスのiap遺伝子の配列番号168、およびS.アガラクティエのsip遺伝子の配列番号170に含まれる特定領域の増幅および顕示が、単一の第2反応環境で起こる、請求項16または17に記載の、生体試料においてクレブシエラ ニューモニエ、リステリア モノサイトゲネス、E.コリ、S.アガラクティエからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項19】
病原体量を増加させるために試料を予めインキュベートしない、請求項16から18のいずれか一項に記載の生体試料においてクレブシエラ ニューモニエ、リステリア モノサイトゲネス、E.コリ、S.アガラクティエからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するための方法。
【請求項20】
請求項16から19のいずれか一項に定義の標的領域を増幅する能力があるプライマーおよびプローブオリゴヌクレオチドを含む、生体試料においてクレブシエラ ニューモニエ、リステリア モノサイトゲネス、E.コリ、S.アガラクティエからなる群から選択される病原体の存在および/または血清群を検出するためのキット。
【請求項21】
クレブシエラ ニューモニエおよびE.コリについてのプライマーおよびプローブが単一の第1反応環境内にあり、リステリア モノサイトゲネスおよびS.アガラクティエについてのプライマーおよびプローブが単一の第2反応環境内にある、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
配列番号167についてのプライマーが配列番号102および配列番号103であり、プローブが配列番号104である;
配列番号168についてのプライマーが配列番号105および配列番号106であり、プローブが配列番号107である;
配列番号169についてのプライマーが配列番号108および配列番号109であり、プローブが配列番号110である;
配列番号170についてのプライマーが配列番号111および配列番号112であり、プローブが配列番号113である、
請求項20または21に記載のキット。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公表番号】特表2010−532987(P2010−532987A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515624(P2010−515624)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001817
【国際公開番号】WO2009/024844
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(510010975)ウニヴェルシタ・デグリ・ストゥディ・ディ・フィレンツェ (1)
【Fターム(参考)】