説明

試料を光学測定する方法及び装置

本発明は、試料を光学測定する方法に関する。電磁信号(2)が、試料に向かって一時的に繰り返し向けられて、試料中の物質が、第1電子状態(1)から第2電子状態(3)に遷移される。この場合、この物質の少なくとも一部が、第2状態(3)から光子を放射し、これらの光子は、試料を光学測定するために使用される。この場合、電磁信号(2)は、或る繰り返し期間で試料の同じ領域に向けられる。この場合、電磁信号(2)のこの繰り返し期間は、物質からの光子の量に関して最適化されている値に設定される。第2状態の寿命が1nsの大きさを有する物質での電磁信号の繰り返し期間は、少なくとも0.1μsの値に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を光学測定する方法に関する。この場合、この方法は、請求項1に記載の上位概念の特徴を有する。さらに本発明は、請求項19に記載の上位概念の特徴によって試料を光学測定する装置に関する。
【0002】
試料を第1状態から第2状態に移動させる電磁信号は、特に光である。
【背景技術】
【0003】
試料を光学測定する方法及びこの方法を実施するSTED顕微鏡とも呼ばれる装置が、ドイツ連邦共和国特許出願公開第101 54 699号明細書から公知である。試料を蛍光顕微鏡で検査するため、試料中の色素が、最初に励起光によって励起されたエネルギー状態に移される。この光学励起の場合、光学方法時の空間分解能に対する通常の限界は、λ/2nである。この場合、λは、使用された光の波長であり、nは、試料の屈折率である。この限界を下回るため、色素の光学励起された状態が、非励起光によって希望する測定点まで再び非励起される。非励起光の強度分布が、この測定点で零点を有する;すなわち、色素が、非励起光によって測定点の外側のいたる所で刺激放出される。非励起光が、希望する測定点の外側で刺激放出による非励起時に飽和する程度の高い強度で試料に照射されることによって、結果として生じる蛍光を発する測定点のサイズ、すなわち残留している蛍光の空間分解能が、光学分解能の通常の限界より明らかに下に低下され得る。したがって試料中の色素は、蛍光を発する状態の非励起光の強度分布の零点の周りの非常に狭く限定された領域内だけに存在する。非励起光の低い平均強度で済むようにするため、非励起光及び励起光が、パルス化される。STED顕微鏡でパルス化された非励起光を使用する別の理由は、色素が励起されていない時でも、強い非励起光が試料に負荷をかけることを阻止するためである。1つの測定点内の色素分子が僅かである場合でも、測定信号をバックグラウンドノイズからさらに十分に際立たせるため、光によるこの照射は、僅かな繰り返し間隔で試料の同じ領域に対して何度も繰り返される。この僅かな繰り返し間隔は、色素の蛍光を発する状態の一般に1nsに相当する半地幅の時間より十分上にあって10nsの大きさを有する。この場合、試料の同じ領域内に入射する励起光及び非励起光の複数のパルスが、80MHzの一般的な繰り返し率(Wiederholungsrate)を有する。
【0004】
非励起光の飽和に対して必要である高い強度の場合、試料中の色素が減少する可能性、すなわち試料中の色素が蛍光をもはや放射しないように変化する可能性が、非常に高い。したがって、色素の寿命、すなわち色素からの蛍光が記録され得る回数が著しく減少する。このことは、実際の試料からの蛍光の量を制限する。この実際の試料では、当然に限られた数の色素分子しか利用できない。
【0005】
パルス光によって作動されるその他の蛍光顕微鏡法の場合でも、特により多くの光子が高い光強度で励起されるような場合、及び、例えば蛍光体の寿命を測定する(ライフタイムイメージング)ような、試料を光学測定する別の方法の場合でも、試料の光学測定時の光子の量に関する類似の問題が発生する。
【0006】
試料を光学測定する方法時の光子の量を改良するため、試料からの光子が記録される検出器の応答率(Ansprechwahrscheinlichkeit)が、多大な経費を伴って改良された。すなわち、高価な検出器の応答率をこの10〜15年間に約20%から40〜60%に上げることに成功した。しかしながら、この結果としての光子の量の最大で3倍の上昇が、検出器の極端なコスト上昇と同時に発生する。
【0007】
検出器のこの進歩にもかかわらず、光子の総量は依然として有限である。光子のこの有限な総量は、蛍光に基づくほとんどの測定方法の限界を決める。蛍光顕微鏡では、蛍光色素からの全ての光子の有限な数、すなわち褪色(Bleichen)まで放射された光子の有限な数が、ほぼ恒常的な主な問題である。褪色前の蛍光放出の数の増加による各絶対信号の明らかな上昇が、蛍光顕微鏡に対して基本的に重要である。
【0008】
請求項1に記載の上位概念の特徴を有する試料を光学測定する方法及び請求項19に記載の上位概念の特徴を有するこの方法を実施する共焦点走査型顕微鏡とも呼ばれる装置が、米国特許出願公開第2002/0027202号明細書から公知である。この二光子顕微鏡の場合、励起光の強度分布による蛍光色素の遷移確率(Ubergangswahrscheinlichkeit)の2乗特性(quadratischen Abhangigkeit)が、分解能を上げるために利用される。2つの光子を吸収してその基底状態からその励起された蛍光状態に遷移するため、この蛍光色素は、この2乗特性を有する。この場合、蛍光の量を可能な限り大きく得るため、励起光が、高い強度のパルスに集中される。励起光の強度による蛍光色素の遷移確率の2乗特性に起因して、高い強度のこれらのパルスは、励起光の平均出力が同じ場合により僅かな強度に対応するより多くの数のパルスより多い蛍光を放つ。さらにこの米国特許出願公開第2002/0027202号明細書は、個々のパルス間の蛍光を発する状態の励起の飽和によって生じうる蛍光の量に関する悪影響を考察し、蛍光の量に関するこの悪影響が全く起こらないように、パルスの強度を励起光の同じに残留する出力の場合のこれらのパルスの繰り返し率によって調整することを提唱する。蛍光色素の褪色の危険は考慮されない。この米国特許出願公開第2002/0027202号明細書は、繰り返し率で基本的に可能な範囲としてGHz〜kHzの範囲を挙げる。この場合、この繰り返し率は、蛍光色素の寿命に適合されなければならない。しかし数字の例が、これに対して与えられていない。
【0009】
比較的低い出力の励起光を使用するにもかかわらず、例えば0.1μs(1×10-7s)の長い平均寿命を有するランタニドキレートの形態の非常に特殊な蛍光色素に合わせられた比較的長いパルスの励起光が、この蛍光色素に照射されることによって、二光子顕微鏡で比較的高い量の蛍光を得ることが、ヨーロッパ特許第0666 473号明細書から公知である。これらの長いパルスの繰り返し率は、この示されている寿命に応じて10MHz(1×107Hz)未満近辺にある。
【0010】
蛍光顕微鏡で通常使用される蛍光色素の蛍光を発する状態の寿命は、1nsの大きさにある、すなわち10ns未満である。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第101 54 699号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0027202号明細書
【特許文献3】ヨーロッパ特許第0666 473号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、使用される検出器の応答率を、費用をかけて上げることなしに光子の量が大幅に上昇する、請求項1に記載の上位概念の特徴を有する試料を光学測定する方法及び請求項20に記載の上位概念の特徴を有する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有する方法及び請求項19の特徴を有する装置によって解決される。この新規の方法及びこの新規の装置の好適な構成は、従属請求項中に記載されている。従属請求項25は、この新規の装置を蛍光顕微鏡として使用することに関する。
【0013】
物質からの光子の量が、信号の最適化された繰り返し間隔の場合に最適に達することが、予想外に分かっている。この繰り返し間隔は、この物質の光子を放射する状態の寿命より明らかに長い。信号が、試料の同じ領域内の物質に新たに向かう前に、信号によってこの物質のさらに別の状態に直接又は間接に励起されることがあり得る。これらの状態は、より長い寿命を有しかつより考えられた方法で初めて消失する。従来のアプローチを放棄して、試料の光学測定時のデットタイムが、可能な限り短い繰り返し間隔によって、すなわち物質の光子を放射する状態の寿命に近づけられた繰り返し間隔によって光子の量を増大することが必要である。本発明の場合、信号の2つの繰り返し間のデットタイムの主な部分が、むしろ甘受される。これによって、物質からの光子の量が増大する。この場合、繰り返し間隔を任意に長くすることは有益でないことが自明である。何故ならこのことは、光学測定の全体の期間の負担になるからである。したがって最適化された繰り返し間隔は、物質からの光子の最大量と光学測定の合わせられている全体の期間との妥協である。
【0014】
繰り返し間隔が、少なくとも0.1μs〜2μsの範囲内で変化する場合、物質からの光子の量が、繰り返し間隔を大きくすることによって最も激しい増大する。
【0015】
繰り返し間隔が変化する場合、個々の信号のエネルギーは、一定に保持されてもよい。しかしこのことは、強制ではない。むしろ、最適化された繰り返し間隔の場合の個々の信号のエネルギーは、信号による物質の褪色の上昇した危険が存在することなしに、より短い繰り返し間隔に比べて一般に明らかに増大され得る。
【0016】
繰り返し間隔は、観察された物質からの格子の量の異なる変動に基づいて最適化され得る。観測した物質からの格子の量が、信号の所定の繰り返し数によって得られた物質からの光子の量である場合、一般にこの量は、各繰り返し間隔を大きくすることによって増える。信号の1回の繰り返し当たりの光子の量も、信号の所定の繰り返し数によって得られた物質からの光子の量の一部である。このとき、最適化された繰り返し間隔に対する基準は、最大量の例えば90%分の所定のパーセンテージに達することでもよい。
【0017】
観測した物質からの光子の量が、試料の光学測定の所定の期間に得られた物質からの光子の量である場合、最適化された繰り返し間隔は、最大量がプリセットされている時間内に得られる繰り返し間隔である。
【0018】
観測した物質からの光子の量は、所定量の物質全体によって得られた光子の量、すなわち物質が褪色するまでに得られた光子の量でもよい。物質からの光子のこの総量の場合、各繰り返し間隔を大きくすることによって、増大が再び期待できる。これに応じて、最適化された繰り返し間隔は、物質からの光子の最大総量の例えば90%分の所定のパーセンテージに達することでもよい。
【0019】
本発明にしたがって求められた最適化された繰り返し間隔が好ましい方法で試料の別の光学測定に合わせられることは自明である。新規の装置の場合、このことは、自動的に実施できるか、又は、最適化装置が、最適化された1つの繰り返し間隔又は異なる基準にしたがって最適化された多数の繰り返し間隔を出力できる。これらの最適化された繰り返し間隔のうちの1つの繰り返し間隔が、この新規の装置のユーザによって選択され、次いで最適化装置によって又は繰り返し間隔自体を任意に調整する調整装置のユーザによって試料の別の光学測定に合わせられる。
【0020】
特別な観点では、この新規の方法の場合、繰り返し期間が、第3状態の寿命より大きく設定される。試料中の物質を第1電子状態から第2電子状態に遷移させるため、電磁信号、例えば光学的な光信号が、この繰り返し期間で試料の同じ領域に一時的に繰り返し向けられる。試料中の物質の大部分が、この電磁信号に起因してこの第3状態に付随的に遷移される。特に、繰り返し期間は、このような第3状態の寿命に関して確定され得る。物質は、電磁信号によって第3状態から第4状態に遷移可能である。物質は、光学測定の期間より長い期間に対しては第4状態から第1状態又は第2状態に戻らない。この場合、試料中の物質の不活性化の重大な危険は、物質が電磁信号によって第3状態から第4状態に遷移可能であり、物質は、第3状態に付随的に達し、しかしこの物質自体は、比較的早く第3状態から第1状態又は第2状態に再び戻り、この物質は、第4状態から第1状態又は第2状態に長期間戻らないか又はもはやほとんど戻らないことから出発するという特出した認識に、本発明は基づく。電磁信号を試料の同じ領域に非常に頻繁に繰り返し向ける場合に、試料中の物質の大部分が第4状態に遷移して持続して不活性にある状況の確率は、非常に小さい。本発明の理論にしたがって、電磁信号の繰り返し間隔が、第3状態の寿命より大きく選択される場合、電磁信号を試料にその次に向けるごとに、物質の重要な部分が、第3状態にもはや存在しない。すなわち物質の重要な部分が、電磁信号によって第3状態から第4状態にもはや遷移せず、したがって不活性にならない。
【0021】
物質が第3状態に達する大部分は、電磁信号の1回の入射で第3状態に遷移されるこの物質の1×10-2〜1×10-4によって見かけ上非常に小さくできる。試料の測定の間の電磁信号の一般的に非常に多い繰り返し回数によって、例えば第3状態の寿命が、第1状態又は第2状態の有効な寿命より明らかに大きい場合でも、第3状態に遷移される物質のより小さい割合が、物質の褪色の危険をより著しく増大させる。その結果、第3状態にある物質が累積する。信号が物質を第3状態から第4状態に遷移する確率が比較的大きい場合、褪色は、当然に同様に強くなる。
【0022】
第4状態は、本発明のここで説明した観点に対する特別な重要性を有する。物質が、電磁信号によって第3状態からこの第4状態に達することができる。この物質は、1分より長い、特に10分より長い、全体では特に1時間より長い期間に対しては第4状態から第1状態又は第2状態に戻らない。物質が試料を光学測定するために光学測定の期間に実際にもはや利用できない間は、物質の少なくとも重要な部分が第4状態にポテンシャル的に留まるので、物質がこの期間の経過後に第4状態から第1状態又は第2状態に戻るか又は戻らないかは、本発明による試料の光学測定に対しては多くの場合にもはや重要でない。
【0023】
第3状態の寿命又は物質が第4状態から第1状態又は第2状態に戻らない期間から言えることは、第3状態又は第4状態のその都度の半減期がこれによって推測されていることである。非常に長い半減期の場合でも、物質の一部が、はるか遅くに初めて又は既にはるかに早くにその都度の状態から離れることは、当業者にとって明らかである。何故なら、一定の時点に対して遷移しない遷移確率がこれらの遷移を根拠にするからである。
【0024】
本発明の手段は、信号が最適を得るまで試料の同じ領域に向けられる繰り返し間隔を簡単に実現しかつ新規の装置の機器経費を実際に多くかけずに済むにもかかわらず、本発明の効果は予想外に大きい。すなわち、高い強度の光が、繰り返し信号の各々によって試料中の蛍光色素に印加される場合、試料を光学測定する方法での光子の量は、十倍よりはるかに大きくなる。これに関する具体的な例は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第101 54 699号明細書中に記されているSTED顕微鏡及び多光子励起による蛍光顕微鏡である。STED顕微鏡の場合、非励起光が、特に高い強度を有する。蛍光顕微鏡の場合は、同様に非常に高い光強度で動作される必要がある。しかし根本的な利点は、例えばパルス光によるライフタイムイメージングのような試料を光学測定する別の方法でも得られる。
【0025】
例えば光信号のような電磁信号が、本発明の定義の範囲内で異なる要素、すなわち例えば異なる波長の成分又は時間的に相前後して続く構成要素を有し得ることを指摘することが重要である。電磁信号に対する繰り返し間隔が、本発明によって確定される。この電磁信号は、少なくとも1つの測定点の1回の光学測定に対して試料に向けられる。
【0026】
電磁信号の最適化された繰り返し間隔は、本発明の場合は少なくとも0.1μsである。これは、10MHzの最大繰り返し率に相当する。電磁信号が、この最大繰り返し率で試料の同じ領域に向けられる。電磁信号の繰り返し間隔が、少なくとも1μsであることが好ましい。これは、1MHz未満の繰り返し率に相当する。繰り返し間隔に相当する繰り返し率を決定する場合、その都度の電磁信号の期間をさらに考慮することも必要である。その結果、若干低い値が、繰り返し率の逆数としてその都度発生する。
【0027】
既に説明したように、本発明の場合、繰り返し周波数を任意に低くすることを目的としない。電磁信号が、この繰り返し周波数で試料の或る領域に向けられて、これらの領域を光学的に測定する。これによって、光学測定の期間が著しく増大する。光子の所定の絶対量が、この期間内に得られる。その結果、S/N比が低下しうるか又は安定性の問題が発生しうる。それ故に、電磁信号の繰り返し周波数が、少なくとも100kHzであることが好ましい。しかしながら、試料がn個の測定点で同時に光学測定される場合は、これより明らかに低い繰り返し周波数が甘受され得る。何故なら、単位時間当たりの光子の量が、これによってn倍だけ増大するからである。これに応じて信号の繰り返し周波数は、100kHz/nに下げられ得る。電磁信号が、試料の例えば全面に印加され、カメラによって観測される場合、カメラの像点の数が、nと同じにされ得る。その結果、nは、適切に大きくしてもよい。しかし、1/nに比例する繰り返し周波数の低減によって、試料中の物質からの光子の最大量に関する重要な利点は、物質が褪色するまでもはや得られない。電磁信号の繰り返し間隔を増大した場合、これらの利点は、物質に応じて約0.1μs〜10μsに適応する。
【0028】
本発明に具体的に置換するため、試料に向けられる光学信号の繰り返し周波数が下に合わせられ得て、繰り返し間隔を増大する。光学信号が、試料に繰り返し向けられる多くの光学方法の場合、このような繰り返し周波数は、現在80MHzの大きさにある。本発明を実施するため、この繰り返し周波数は、例えば500kHzに低下される。
【0029】
電磁信号が、試料の空間的に限定された少なくとも1つの領域にその都度向けられる場合、電磁信号の繰り返し周波数を下げる代わりに、繰り返し期間を大きくするため走査速度を上げてもよい。試料が、この走査速度で電磁信号によって空間的に走査される。繰り返し間隔を本発明の値へ高く設定するため、両手段、すなわち繰り返し周波数の低減及び走査速度の増大が一緒に利用されてもよい。本発明の最低限を保持する電磁信号が、この繰り返し間隔で試料の同じ領域に繰り返し印加されるこの繰り返し間隔が重要である。これに対して電磁信号による試料の非常に速い走査は、電磁信号が試料の同じ領域に2回相前後して入射するのではなくて、光学信号がその都度入射した領域が重ならないことに寄与する。この場合、単位時間当たりの光子の量が低下することなしに、繰り返し間隔が非常に大きくされ得る。電磁信号が、この繰り返し間隔で試料の同じ領域に向けられる。
【0030】
試料が、電磁信号によって走査される場合、試料からの光子が、特に1次元光センサアレイ又は2次元センサアレイによって記録される。試料の少なくとも一部が、このセンサアレイ上に時間一定に投影される。したがって、試料の走査時にこの試料に対向して移動する電磁信号の空間的に限定された各領域が、この光センサアレイの別の光センサ上に持続して投影される。この場合、同じ光センサが、試料の同じ領域からの光子を常に記録する。したがって、試料の異なる領域から光子を分離するときの問題が、本発明にしたがう試料の速い走査に結びつかない。光線さアレイは、カメラ、例えばCCDカメラ又はCMOSカメラのような特に電子式カメラでもよい。
【0031】
電磁信号によって試料を十分速く走査する場合、信号は、それどころか連続する成分を有してもよいし又は全体的に連続する信号でもよい。それにもかかわらずこの信号は、試料が走査される高い走査速度に起因して試料の個々の領域に一時的にだけ向けられる。したがって光学信号の全体又はその一部が、連続波レーザーを光源としてもよい。
【0032】
当業者は、試料自体の走査から利点を予測しなかったので、高いラスター速度(Rastergeschwindigkeiten)による非常に速い走査に起因した信号の上昇は、当業者によって同様に予想外である。この間違った理解は、十分な信号が収集されるまで一点で測定する必要があるといった間違った観念によって助長される。それ故にこの速い走査は、当業者にとってはさしあたって不要な複雑化としてしか見えない。
【0033】
新規の方法は、蛍光顕微鏡の分野で置換できる。信号は、具体的にはSTED方法で物質を励起し、空間的に限定して再び非励起にする励起光及び非励起光を含み得る。同様に信号は、試料中の物質としての蛍光色素又は一般的な蛍光体を特に多光子励起する励起光を含み得る。
【0034】
物質が電磁信号によって第2状態に遷移され、この物質がこの第2状態から光子を放射するこの第2状態は、試料中の分子の仮想状態(非固有状態)でもよい。この仮想状態は、確かに極めて寿命が短い(<1fs)ものの、それにもかかわらず入射された電磁信号の(非線形な)散乱過程に関与する。この場合、散乱過程を通じて(非線形な)散乱によって生成された散乱光が、測定信号として使用される。このような非線形な散乱光は、特により高い高調波(第2高調波及び第3高調波)及びカース(CARS)を含む。
【0035】
本発明にしたがう繰り返し間隔で試料に繰り返し向けられる信号の強度変化は、異なってもよい。この信号は、個々の単一パルスから構成されてもよく、多数の単一パルスから構成されてもよい。この場合、ここでは、STED顕微鏡の場合のような異なる波長のパルスの既に説明した組み合わせだけを意味しない。信号は、例えば衝撃(バースト)の形態の同じ波長の多数の単一パルスを有してもよい。これらの衝撃では、単一パルスの周波数が、100MHz以上の通常の大きい程度を有する。この場合、信号の同じ波長の単一パルスの数が、例えば2個〜100個範囲内にある。しかしながら、物質の大部分が、上記信号を既に超えて上述した第3状態に遷移された時に、信号が終了し、繰り返し間隔が開始することが重要である。第3状態への遷移確率が小さい場合、個々の信号中の同じ波長の単一パルスの数は、100個より大きくてもよい。どんな場合でも、第3状態にある物質の割合が、十分な時間の後続する繰り返し間隔の間に再び徐々に減少する。
【0036】
本発明の好適なその他の構成は、従属請求項及び全ての説明に記載されている。その他の特徴は、図面−特に示された幾何構造,多数の構成部分の相対的な寸法,これらの構成部分の相対配置及び作用結合−から読み取れる。これらの選択された関係と異なる本発明の異なる実施形の特徴の組み合わせ又は異なる請求項の特徴の組み合わせが、同様に可能であってこれによって提案される。このことは、個々の図面に示されているか又はこれらの図面で列挙される特徴に関する。これらの特徴は、異なる請求項の特徴と結合されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1中に概略的に示されている蛍光色素の電子状態は、大体においてかつその一重項状態Sでこの蛍光色素の最も低いエネルギーに相当する基底状態1を含む。蛍光色素が、電磁信号2によって励起状態3に遷移され得る。この励起状態3は、同様に蛍光色素の一重項状態に属する。この一重項状態は、蛍光色素の興味の対象となる蛍光を発する状態である。蛍光色素は、この一重項状態から記録可能な蛍光4を照射しながら基底状態1に戻ることができる。蛍光色素が、第3状態5に達する或る一定の確率が同時に存在する。この第3状態5は、三重項状態内の最も低いエネルギーを有する状態である。図1中には、蛍光色素が状態3から状態5に達することが示されている。しかし、蛍光色素が、信号2に基づいて状態1から第3状態5に直接達することも可能である。蛍光色素が第3状態5から基底状態1又は励起状態3に戻ることを決定する寿命は、信号2の繰り返し間隔より大きいので、状態5は、信号2の速い繰り返しによって或る一定の程度までポンピングされる。この程度は、状態5への遷移確率と状態5の寿命と信号2の繰り返し間隔との状況によって決定されている。すなわち、蛍光色素の一般に数パーセントの割合の分子が、常に状態5にあり、このため蛍光4の放射に対して一時的に使用できない。しかしながら、状態5にある蛍光色素のこれらの分子は、基本的に依然として使用できず、状態1又は状態3に戻った後に蛍光4を再び放射する。それ故に状態5にある蛍光色素は、褪色されたとみなす必要はない、すなわち試料の光学測定に対してもはや使用できないとみなす必要がある。しかしながらこれとは違って、蛍光色素の一部が、第3状態5から信号2によって励起しながら第4状態6に到達され得る場合、この第4状態は、非常に長い寿命を有するか又はこの第4状態6から化学変化が起きる、すなわち蛍光色素が分解するので、蛍光色素のこれらの一部は、第4状態から基底状態1又は励起状態3にもはや戻らない。
【0038】
蛍光色素の蛍光を発する状態2の一般的な寿命は、1nsの大きさにある。ここで考察した状態5の寿命は、一般にこれよりも大きい少なくとも1つの大きさにある。蛍光色素がほぼ戻る場合、この蛍光色素が状態6から状態5又は別の経路を経由して状態1及び状態3のうちの一方の状態に戻るのに伴う半減期は、数十乗大きい。その結果、蛍光色素が状態5に達し、そしてこの状態5から状態6に達する数字的に僅かな確率も、蛍光色素が褪色する前に、すなわち何らかの方法で活動しなくなる前に、蛍光色素が蛍光4を放射できる回数に多大に影響する。
【0039】
しかしながら、信号2の繰り返し期間が、第3状態5の寿命を超えて増大することによって、蛍光色素が状態6に達したときのこの蛍光色素の褪色は、本発明にしたがって抑制される。一方では状態5の重要でない占有がほとんどなくなり、このため、他方では信号2が状態5にある蛍光色素の重要な部分に印加され、これらの部分が状態6に達するという危険が取り除かれている。
【0040】
信号2が、この信号2の繰り返し間隔の考察に対して蛍光色素の同じ分子だけに達するので、すなわち信号2が、非常に高い繰り返し率で試料の同じ領域に当たらないので、繰り返し周波数の低減に相当する信号2の繰り返し間隔の増大の代わりに、信号2が、その固有の繰り返し周波数で試料の同じ領域に当たらないように、信号2が向かう試料の領域が、速く変更されてもよい。図2は、1つの測定点8による試料7の走査を示す。この測定点8は、信号2が試料7に印加される領域に相当する。信号2が、上述したようにその繰り返しごとに試料7の同じ領域にもはや当たらないように、測定点8が、示された方向で試料7の上を速く移動する場合、信号2の繰り返し周波数自体が減少する場合と同じ効果が得られる。測定点8が、試料7の上を十分速く移動する場合、信号2は、連続する信号でもよく、それにもかかわらず個々の測定点8で通過する信号のように作用する。
【0041】
図3は、信号2の繰り返し周波数が、測定点8の各々に対して低減される場合でも、単位時間当たりの光子の総量が、試料7を走査する測定点8の数を増やすことによってどのくらい増大され得るかを示す。この示された10個の測定点8の場合、繰り返し周波数が低減されない測定点8に比べて図1の信号2による試料7の励起に対する損失を示すことなしに、信号2の繰り返し周波数が、各測定点8で10分の1に低減され得る。図1の状態5又は状態6に達する蛍光色素の相対的な割合が減少するときだけ、各測定点8の光子の量が、信号2の繰り返し周波数の説明した低減によって反比例して同時に低下するので、信号2の10倍の周波数による1つの測定点の代わりの10個の測定点の場合の単位時間当たりの光子の量は、それどころか最初からより大きい。蛍光色素のほとんどの分子が、もはや状態6に達せず、このため試料7の光学測定に対して持続して利用されないので、この差は、時間と共にむしろ増大する。
【0042】
試料に特有の印加される電磁信号の繰り返し率が、光子の最大総量を提供することが、本発明の理論の一部である。この場合、繰り返し率の範囲が重要である。光子の最大総量の全部又は一部が、この繰り返し率の範囲内でほぼ得られる。この繰り返し率の範囲内では、しかし可能な限り高い繰り返し率を選択することが好ましい。この可能な限り高い繰り返し率の場合、蛍光総量が高いだけではなくて、全体の測定期間も可能な限り短い。500kHz〜1MHzの繰り返し率が、良好な選択であることが、図4中に示された色素Atto532(励起波長 470 nm; 1光子吸収)に対する測定リストから分かる。この繰り返し率の場合、色素の蛍光からの光子の総量が、従来の技術に対して一般的な40MHzの繰り返し率に比べて6.5〜7.7倍だけ上がっている。
【0043】
色素Atto532の蛍光からの光子の最大量を算出する測定が、32個の異なる位置(4×8)から構成されたラスターブロックパターン内の固定されたAtto532の色素層に対して実施された。その結果が、図4中に示されている。各ブロックでは、各行の出力が、下に向かうごとに2倍になる。その結果、最も暗い区画は、最も高いレーザー出力に相当する。しかし出力の上昇及びラスラー自体は、ここでは重要でない。ラスターブロックが、異なるレーザーパルス率:40MHz,10MHz,1MHz及び500kHzによって撮影された点が重要である。この場合、同じ総数のパルスが各点に印加されるように、1つの位置での撮影時間が、これらの繰り返し率に応じて適合された。したがって、パルス間の期間だけが変化するものの、全体の照射負荷は一定である。40MHzの場合、最大出力は、40μWである。これらの経時変化が、4つのレーザーパルス繰り返し率の場合に測定された色素の分子に対する同じピーク出力でパルスの同じ総数のときの試料の1つの一定場所に対する蛍光の量を示す。測定時間にわたる積分が、40MHzの場合の測定と500kHzの場合の測定との間で7.7倍だけの蛍光の量の増大を示す。同時に、繰り返し率の低減による色素の褪色の低減が、これらの図中で明白である。
【0044】
蛍光顕微鏡に対して非常に重要な緑色蛍光蛋白質(GFP)で900nmの波長の2光子励起を実施する場合、励起光パルスの繰り返し率が、通常の40MHzの場合の代わりに500kHz〜1MHzの間隔で設定されるときに、それどころか光子の総量が10〜14.3倍だけ増大することが、図5から分かる。
【0045】
測定が、緑色蛍光蛋白質(GFP)の固定された層に対して実施された。これらの測定の結果が、図5中に示されている。図4の先の結果の場合のように、同じピーク出力ごとにかつ適合されている撮影時間の繰り返し率に応じて測定された(40MHzの場合で最大出力4mW)。パルスの繰り返し間隔が最適化されると、40MHzの場合の測定と500kHzの場合の測定との間の比較で、光子の量が、GFPに対して14.3倍だけ増大する。蛍光体の褪色の低減が、この場合でも褪色図(Bleichbilder)によって直接確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】蛍光色素の異なる電子エネルギー状態を示す。
【図2】試料の光学測定時の単一の測定点によるこの試料の走査を示す。
【図3】試料の光学測定時の多数の測定点によるこの試料の走査を示す。
【図4】470nmでかつ100ピコ秒の一定のパルス期間の場合の1光子吸収による一般的な蛍光体のパルス励起時の光子の総量が、繰り返し周波数を40MHzから500kHzに低減することによって7.7倍だけ増大したことを示す。
【図5】900nmでかつ約200フェムト秒のパルス期間の場合の2光子吸収による緑色蛍光蛋白質GFPのパルス励起時の光子の総量が、繰り返し周波数を40MHzから500kHzに低減することによって14.3倍だけ増大したことを示す。
【符号の説明】
【0047】
1 基底状態
2 信号
3 状態
4 蛍光
5 状態
6 状態
7 試料
8 測定点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を光学測定する方法にあって、
−この場合、電磁信号が、試料に向かって一時的に繰り返し向けられて、試料中の物質が、第1電子状態から第2電子状態に遷移され、
−この場合、この物質の少なくとも一部が、第2状態から光子を放射し、これらの光子は、試料を光学測定するために使用され、
−この場合、電磁信号は、或る繰り返し期間で試料の同じ領域に向けられ、
−この場合、電磁信号のこの繰り返し期間は、物質からの光子の量に関して最適化されている値に設定される方法において、
−第2状態の寿命が1nsの大きさを有する物質での電磁信号の繰り返し期間は、少なくとも0.1μsの値に設定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
物質の第2状態の寿命は、0.1nsより大きくかつ10nsより小さく、特に0.5〜5nsであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
繰り返し期間の値で最適化された物質からの光子の量は、物質全体の所定の量から得られた光子の量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
電磁信号(2)の繰り返し期間の値が、第3状態(5)の寿命より大きく、試料(7)中の物質の大部分が、この電磁信号(2)に起因して第3状態(5)に付随的に遷移され、
−この場合、第3状態の寿命は、少なくとも1つの大きさだけ第2状態の寿命より大きく、
−この場合、物質は、電磁信号(2)によって第3状態(5)から第4状態(6)に遷移可能であり、この物質は、第3状態(5)の寿命の百倍より長い期間に対しては第4状態から第1状態(1)又は第2状態(3)に戻らないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
物質の大部分は、電磁信号(2)の1回の入射時に物質の少なくとも1×10-4、特に1×10-2であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
物質が第4状態(6)から第1状態(1)又は第2状態(3)に戻らない期間は、1分、特に10分、全体では特に1時間より長いこと、又は、物質は、第4状態から第1状態(1)又は第2状態(3)にもはや戻らないことを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
繰り返し期間の値は、少なくとも1μsであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
試料が、n個の測定点で同時に測定される方法において、光学信号の繰り返し周波数は、少なくとも100kHz/nであり、試料のさらなる光学測定時にこの光学信号によってこの試料の任意の領域に向けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
電磁信号は、試料の空間的に限定された少なくとも1つの領域にその都度向けられる方法において、繰り返し期間の値は、走査速度によって設定され、試料(7)は、空間的に限定された少なくとも1つの領域によってこの走査速度で空間的に走査されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
試料からの光子が、1次元の光センサアレイ又は2次元の光センサアレイによって記録され、試料の少なくとも一部が、この光センサアレイ上に時間一定に投影される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
電磁信号は、少なくとも1つの連続部分を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
電磁信号(2)は、物質を励起する励起光及び物質を空間的に限定して非励起にする非励起光を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
電磁信号(2)は、物質を多光子励起する励起光を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
電磁信号(2)は、物質を非線形に多光子散乱する光を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
電磁信号はそれぞれ、同じ波長の多数の単一パルスを有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
電磁信号中の同じ波長の多数の単一パルスは、1個〜100個の範囲内にあることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
試料を光学測定する装置にあって、
−この場合、この装置は、光学信号を一時的に繰り返し試料に向けて、試料中の物質を第1電子状態から第2電子状態に遷移させ、
−この場合、この装置は、試料を光学測定するために物質の少なくとも一部からの光子を使用し、これらの光子は、第2状態から放射され、
−この場合、この装置は、電磁信号を或る繰り返し期間で試料の同じ領域に向け、
−この場合、電磁信号の最適化された繰り返し期間を調整する調整装置が設けられていて、電磁信号の繰り返し期間の値が、この調整装置によって少なくとも0.1μsに調整可能であり、この場合
−電磁信号によって試料を空間的に走査する走査装置が設けられている装置において、
繰り返し期間の値を調整するため、走査装置の走査速度が、調整装置によって調整可能であることを特徴とする装置。
【請求項18】
電磁信号の繰り返し期間の値は、調整装置によって少なくとも1μsに調整可能であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
電磁信号の繰り返し期間の値を最適化する最適化装置が設けられていて、
−この最適化装置は、調整装置によって電磁信号の繰り返し期間を変化させ、これに伴って現れる物質からの光子の量の変化を記録し、
−この最適化装置は、物質からの光子の量に関して最適化された繰り返し期間の値を算出することを特徴とする請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
記録された物質からの光子の量は、物質全体の所定の量によって得られた光子の量を含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
最適化装置は、調整装置によって試料をさらに光学測定するために繰り返し期間の算出された最適値を自動的に調整する請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
最適化装置は、繰り返し間隔の算出された最適値を出力することを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
試料からの光子用の記録装置が、1次元の光センサアレイ又は2次元の光センサアレイを有し、試料の少なくとも一部が、この光センサアレイ上に時間一定に投影されることを特徴とする請求項17〜22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
光学信号(2)を提供する連続波レーザーが、設けられていることを特徴とする請求項17〜23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
請求項17〜24のいずれか1項に記載の装置を蛍光顕微鏡としての使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−544235(P2008−544235A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516235(P2008−516235)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005765
【国際公開番号】WO2006/133944
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(505377304)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツーア・フェルデルング・デア・ヴィセンシャフテン・エー.ファウ. (4)
【Fターム(参考)】