説明

試験管内及び生体内遺伝子毒性試験のための完全自動化ロボット補助による画像分析のシステムと方法

本システム及び方法は、遺伝子毒性スクリーニングを実行するために提供される。本システム及び方法は(1)1台以上のコンピュータ、(2)1台以上のコンピュータに接続されたフレームグラバー、(3)フレームグラバーに接続されたカメラ、(4)1台以上のコンピュータに接続された顕微鏡、(5)1台以上のコンピュータに接続されたスライド供給装置、及び(6)1台以上のコンピュータ上で作動するプログラムを利用する。このプログラムにより、第1の遺伝子毒性試験方法を用いて生体物質の第1バッチをスクリーニングした後の第2の遺伝子毒性試験方法を用いる生体物質の第2バッチのスクリーニングが容易になる。スクリーニングは、カメラ、顕微鏡又はスライド供給装置に手動による操作をほぼ必要とせずに作動する。


【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
コンピュータプログラム一覧の付表
本出願明細書のコンピュータプログラム一覧の付表が、本発明の出願日に37C.F.R. 1.52及び1.96に従って米国特許商標庁に提出され、その全体が本出願明細書中に参照事項として包含されている。このコンピュータプログラム一覧の付表は、1枚のCD−ROM中に収められ、そのCD−ROMのコピー2部が米国特許商標庁にファイルされ、それらコピーの各々は、本発明者の名称、発明の名称、代理人の事件番号及びCD−ROMの作成日により標識されている。
【0002】
発明の分野
本発明は、遺伝子毒性試験に関し、具体的には、その試験に、自動化されたロボットスライド供給装置又はそれと同等の装置、電動顕微鏡、マイクロプロセッサ式コンピュータ及び付加的構成要素、並びに試験管内及び生体内遺伝子毒性試験における高スループットを促進するソフトウェアを利用する方法及びシステムに関する。
【0003】
発明の背景
毒性試験は様々な技術、産業及び研究分野において、薬剤及びその他の化合物が生物体の性質や特性に与える影響を評価するのに用いられる。遺伝子毒性試験は、特定の薬品がヒト、動物、及びその他生命体の細胞のDNA構造に与える影響を分析するのに特に有用であり、この試験には遺伝性疾患や遺伝性突然変異を誘発する可能性の分析も含まれる。遺伝子毒性試験には通常、生体内又は試験管内の生体物質のスクリーニングが含まれる。
よく知られている試験管内試験システムには、これらに限られるものではないが、以下が含まれる。
(1)コメットアッセイ。このアッセイは、一次的DNA損傷、DNA−DNA架橋及びDNA−タンパク質相互作用の検出に用いられる。特定の種類のコメットアッセイは、Singh等による"A simple technique for quantiation of low levels of DNA damage in individual cells"、(Experimental Cellular Research, vol. 175., pp.184-191、1998年)に記載の「アルカリコメットアッセイ」である。アルカリコメットアッセイは、Tebbs等による"Modification of the Comet Assay for the detection of DNA strand breaks in extremely small tissue samples"(Mutagenesis, vol. 14, pp.437-438、1999年)にも記載されている。
(2)細胞系(V79細胞、マウスリンパ腫細胞、TK6細胞)又はヒトリンパ球における微小核の試験。これらの試験は全て、産業毒物学における新規化合物の初期スクリーニングに有用である事が知られている。
(3)染色体異常試験。この試験は、経済協力開発機構及び米国食品医薬局等の特定の監督当局が新規薬物を認可する際に必要とされる。この試験管内試験では、染色体異常の評価は、分析のために検出されなければならない分裂中期に基づいて行われる。
【0004】
生体内遺伝子毒性試験システムには以下のものが含まれるが、これらに限られるものではない。
(1)げっ歯動物に投与された試験化合物の染色体異常誘発性又は異数性誘発性の可能性についての骨髄中の生体内微小核試験。この試験は、"A Rapid in vivo test for chromosomal damage"(Heddle, JA., Mutual Res., vol. 18, pp.187-90、1973年)に記載されている。
(2)生体内コメットアッセイ。このアッセイは、環境条件次第では、試験管試験の結果をデータ検証するための、生体内微小核試験に加えて行なわれる調節アッセイとして受け取られる。生体内コメットアッセイは、Hartmann等による"Recommendations for conducting the in vivo alkaline Comet assay"(Mutagenesis vol. 18, no. 1, pp. 45-51、2003年)に記載されている。
その他の生体内及び試験管内試験の方法も、従来技術において周知である。
【0005】
生体内及び試験管内物質両方の遺伝子毒性スクリーニング(「スクリーニング」は、予め試験用化合物で処理された生体物質試料の分析を意味する)を容易にするための一部自動化された方法も試みられてきた。一例として、医薬品業界において新規化合物の遺伝子毒性の可能性を試験するために用いられる、マウス骨髄の自動化された生体内微小核アッセイ分析が、本発明者の共著になる"Technical aspects of automatic micronucleus analysis in rodent bone"(Cell Biology and Toxicology, vol. 10, pp. 283-289、1994年)に記載されている。試験管内微小核試験についての自動化された分析の形態も又知られている。本発明者による"Automatic analysis of the in vitro micronucleus test on V79 cells"(Mutation Research, vol. 413, pp. 57-68、1998年)には、V79細胞の自動化された試験管内微小核試験が記載されている。
上記の生体内及び試験管内生体物質の自動化された遺伝子毒性スクリーニング技術は、画像分析ソフトウェア、及び特定の種類の試験及びスクリーニング対象である特定の種類の試料のために個別に設計された技術を利用する。画像分析を利用する遺伝子毒性試験の自動化により、化合物スクリーニング工程が簡素化され、面倒な手動記録が排除され、所定期間内に実行できる遺伝子毒性スクリーニングの総数が著しく増加する。通常、画像取得機能を有する自動の電動顕微鏡及び顕微鏡制御と画像分析ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ式コンピュータ(各々特定のスクリーニングを実行するために特別に設計、較正、及びプログラムされている)が、画像分析式自動スクリーニング工程を操作し容易化するのに用いられる。
【0006】
遺伝子毒性試料のスクリーニングのスループットを更に増大させるために、従来技術の装置には試料スライドの供給を容易にするためのロボットアームアセンブリ又はそれと同等の装置が組み込まれている事が知られており、これによりユーザは画像分析のためのスライド充填を手動で行う面倒さから解放されると共にスクリーニングのスループット効率がさらに増大する。
しかしながら、公知の従来技術のシステムでは、単一プラットフォームを用いる生体内及び試験管内遺伝子毒性スクリーニングにおいて、微小核試験、コメットアッセイ及び染色体分析における分裂中期の検出といった生体内及び試験管内遺伝子毒性試験の全ての操作を自動で実行することができず、またいかなる公知の従来技術のシステムも、生体内及び試験管内試験の全ての操作で、ユーザの介入の手間を増やすこと無しにロボットスライド供給装置又はそれと同等の装置を利用することはできない。
【0007】
発明の概要
本発明の遺伝子毒性スクリーニングシステムの一実施形態には、(1)1台以上のコンピュータ、(2)1台以上のコンピュータに接続されたフレームグラバー、(3)フレームグラバーに接続されたカメラ、(4)1台以上のコンピュータに接続された顕微鏡、(5)1台以上のコンピュータに接続されたスライド供給装置、及び(6)1台以上のコンピュータ上で作動するプログラムが含まれる。このプログラムにより、第1の遺伝子毒性試験方法を用いて生体物質の第1バッチをスクリーニングした後の第2の遺伝子毒性試験方法を用いる生体物質の第2バッチのスクリーニングが容易になる。本遺伝子毒性スクリーニング法は、カメラ、顕微鏡又はスライド操作に手動による操作を実質的に必要としない。
本発明の別の実施形態において、遺伝子毒性分析システムの操作を制御するソフトウェアが提供される。このソフトウェアは、遺伝子毒性分析システムの配置可能な構成要素の配置を自動化し、この自動配列によって、遺伝子毒性分析システムは、複数の生体試料それぞれに対する複数の遺伝子毒性試験を実行できる。
【0008】
本発明のまた別の実施形態において、生体物質の遺伝子毒性試験は遺伝子毒性分析システムを用いて実行される。遺伝子毒性システムには、ソフトウェア制御により操作されるハードウェア構成要素が含まれる。遺伝子毒性分析システムは多数の種類の遺伝子毒性試験を実行する事が可能である。遺伝子毒性分析システムは次のように使用される。(1) 第1遺伝子毒性試験を用いて処理する生体物質試料の第1バッチを調製する、(2)遺伝子毒性分析システムを利用して、生体物質試料の第1バッチに第1遺伝子毒性試験を実行する、(3)第2遺伝子毒性試験を用いて処理する生体物質試料の第2バッチを調製する、そして(4)遺伝子毒性分析システムを利用して、生体物質試料の第2バッチに第2遺伝子毒性試験を実行する。第1遺伝子毒性試験の実行と第2遺伝子毒性試験の実行の間にソフトウェア制御がハードウェア構成要素の配置を操作することにより、第1遺伝子毒性試験と第2遺伝子毒性試験とを同一のハードウェア構成要素を用いて実行可能となる。
本発明の更に別の一実施形態には、遺伝子毒性分析システムを用いて生体物質試料の個々のバッチに様々な種類の遺伝子毒性試験を実行する方法が含まれる。本方法には次のステップが含まれる。(1)遺伝子毒性分析システムのユーザから、実行する遺伝子毒性試験の種類を特定するコマンドを受け取るステップ、(2)遺伝子毒性分析システムの構成要素の自動配列を実行することにより、遺伝子毒性分析システムにステップ(1)で特定された種類の遺伝子毒性試験を実行させるステップ、(3)生体試料の1バッチに特定された種類の遺伝子毒性試験を実行するステップ、(4)遺伝子毒性試験の結果を記録するステップ、及び(5)ステップ(1)〜(4)を繰り返すステップ。
【0009】
本発明による遺伝子毒性スクリーニング実行方法の更に別の実施形態において、次のステップが実行される。(1)遺伝子毒性スクリーニング用スライドの1バッチを調製するステップ、(2)遺伝子毒性試験の種類を選択するステップ、(3)スライド保持装置から、生体試料を含む複数のスライドのうち最初のスライドを自動的に取り出すステップ、(4)取り出したスライドを自動的に電動顕微鏡に送達するステップ、(5)スライド上に含まれる物質に自動的に焦点を合わせるステップ、(6)焦点合わせされた画像の視覚的表現を自動的に記録するステップ、(7)焦点合わせされた画像をマイクロプロセッサ式コンピュータに自動的に送達するステップ、(8)ステップ(2)で選択された種類の遺伝子毒性試験に適合する画像分析ソフトウェアを用いて、記録された画像の画像分析を自動的に実行するステップ、(9)画像分析の結果データを自動的に記録するステップ、(10)ステップ(3)で取り出されたスライドをスライド保持装置に自動的に返却するステップ、(11)分析用の次のスライドを自動的に取り出すステップ、(12)対象バッチ中の全てのスライドの分析が完了するまで、バッチ中の後続のスライドに対してステップ(3)〜(11)を自動的に繰り返すステップ、及び(13) 全ての所望のスライドの処理が完了するまで、ステップ(1)〜(12)を繰り返すステップ。
本発明の上記及びその他の特徴は、以下の詳細な説明及び本発明の例示的実施形態を示す添付図面から、より容易に明らかになる。
【0010】
発明の実施形態の詳細な説明
本明細書に記載されているのは、生体内及び試験管内の微小核試験、コメットアッセイスクリーニング及び試験管内の分裂中期検出試験等を収容できる遺伝子毒性スクリーニング用の単一の自動化プラットフォームであるが、最小限のユーザの監視及び/又は操作は必要である。
具体的に記述すると、本発明は、遺伝子毒性試験の試料分析を実行するための自動化されたシステムと方法である。本発明によるシステムの一実施形態には、(1)ロボットスライド供給装置、(2)電動顕微鏡、(3)画像取得装置、(4)プログラム制御ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ式コンピュータ、並びに(5)種々の構成要素を結び付けるのに必要な連絡ケーブル及びインタフェース機器が含まれる。本発明は、下記の実施形態の中で例示されるシステム及び方法に具体化されるが、これら実施形態の詳細に限定されるものではない。当業者であれば、本発明が本発明の範囲内にある同等の構成要素及び工程を含み、且つそれらを利用することができ、本発明が本明細書と共に出願される特許請求の範囲によってのみ定義される事を容易に理解するであろう。更に本発明は、上記の構成要素及びそれら構成要素のプログラムされた制御を制限なく含む構成要素間の相互関係の態様を含むことができる。
【0011】
本発明の自動化された遺伝子毒性分析のシステムと方法を用いることにより、検査技師又はその他のユーザは、バッチ毎に異なる種類の試験や異なる種類の生体物質を用いて、ハードウェアを手動で調節する必要なく、ユーザによる操作を最小限に抑えながら、生体物質を含むスライドからなる連続するバッチを最適な条件で分析処理する事ができる。
下記に具体的に記載するように、本発明の自動化された遺伝子毒性分析システムの操作方法は以下のように進行する。検査技師又はその他のユーザは遺伝子毒性スクリーニング用の1バッチのスライドを調製する。これらのスライドは生体内又は試験管内生体物質を含んでおり、次に挙げる試験の何れか、又は付加的な試験によるスクリーニング用に調製される。(1)生体内微小核試験、(2)試験管内微小核試験、(3)試験管内又は生体内コメットアッセイ、及び(4)試験管内分裂中期検出試験。試験用にスライドが調製されたら、ユーザは、マイクロプロセッサ式コンピュータの画面に表示されたメニュー又は同等のユーザインタフェース(中の選択肢のリスト)から適切な遺伝子毒性試験システムを選択する。次に、ロボットスライド供給装置が、ユーザが調製したバッチの最初のスライドを自動的に取り出して電動顕微鏡に自動的に送達し、次いで電動顕微鏡は自動的かつ適切にスライド上に含まれる試料に焦点を合わせる。次に、画像取得装置が焦点合わせされた画像の視覚的表現を記録し、それをマイクロプロセッサ式コンピュータに送達する。マイクロプロセッサ式コンピュータは次に、コンピュータに予め搭載されている適切な画像分析ソフトウェアを用いて記録された画像に画像分析を実行する。コンピュータは次に、所定数の細胞がカウントされるまで、或いは現在分析中のスライドの分析対象画像視野の数が最大数に達するまで、画像分析の結果データを記録する。スライドの分析が完了したら、ロボットスライド供給装置はスライドをスライド棚に返却し、分析用の次のスライドを取り出す。この工程はバッチ中の全スライドの分析が完了するまで続けられる。ユーザは次に、生体内物質又は試験管内物質の種類のスライドからなる新しいバッチを調製し、システム装置のいずれをも手動で変更又は修正することなく、上記遺伝子毒性アッセイの何れかを用いて物質の自動化スクリーニングを開始する事ができる。
【0012】
図1は、本発明による自動遺伝子毒性分析システム100の一実施形態のブロック図である。遺伝子毒性分析システム100には、フレームグラバー基板120、2台のカラー表示モニタ130と132、電荷結合素子(CCD)カメラ140、電動顕微鏡150及びロボットスライド供給装置160を有するマイクロプロセッサ式コンピュータ110が含まれる。
図1のコンピュータ110は、コンピュータ用の公知のオペレーティングシステム、例えばウィンドゥズXP、ウィンドゥズNTサーバ又はUNIXを実行する、IBMと互換性を有する多数の公知のパソコン又はサーバコンピュータであってよい。好ましい実施形態においては、1.3ギガへルツで作動し、内部RAMメモリーが少なくとも128メガバイトの容量を持ち、ウィンドゥズNT4、サービスパック5オペレーティングシステム又はウィンドゥズ2000を実行する、IBM互換性のトランステック1300のパソコンを使用する。コンピュータ110は、遺伝子毒性分析システム100用に、全ての操作用ソフトウェア、制御用ソフトウェア及び画像処理用ソフトウェア(以下に更に詳細に記述する)を実行し、遺伝子毒性分析システム100中のその他全ての構成要素に接続されてそれらの動作を制御する。コンピュータ110は、RS−232直列インタフェースを介して電動顕微鏡150及びロボットスライド供給装置160に接続される。コンピュータ110は、フレームグラバー基板120、好ましくはMatrox Imaging社(Dorval,Quebec)製のMatrox MILの6.1以降のバージョンのドライバソフトウェアを利用したMeteor−IIフレームグラバーを含む。コンピュータ110は、全てのプログラムソフトウェア及び生成データをローカルハードドライブに保存する。或いは、コンピュータ110は、ネットワーク化されたデータベース(図示しない)上のデータをサポートするために、又は別のネットワーク化されたコンピュータサーバ(図示しない)上に位置するパラメータデータファイルや他のプログラムソフトウェアに接続しこれらを回収し保存できるようにするために、ローカルエリアネットワーク(LAN200)に接続されてもよい。好ましい実施形態において、C言語DLL及びその関連ファイルがコンピュータ110のハードドライブに局在的に常駐する一方、ビジュアルベーシック及びC/C++ソースコードから集約された実行可能プログラム及び生成された測定データの結果ファイルは、ネットワーク化されたデータベース及びサーバに保存される。
【0013】
ロボットスライド供給装置160は、好ましくは日本のセイコーエプソン株式会社製のSRC−320ドライバを搭載したES−553Sロボットである。ロボットスライド供給装置160は、直列ケーブル170を介してコンピュータ110から受信する電子コマンドにより制御及び操作される。ロボットスライド供給装置160は、先ず多数のスライドを含むスライド棚(図示しない)から現在のスライドを取り出し、次いでスライドを電動顕微鏡150の台に載せ、スライド分析完了後にスライドをスライド棚に返却する。本明細書に記載の本発明の実施形態において、スライド棚は、生体物質又は「試料」を含むガラススライドを130枚まで収納できる。
遺伝子毒性分析システム100の電動顕微鏡150は、好ましくはライカ製SDKドライバソフトウェアを実行するライカのDM RXA/2電子顕微鏡であり、Leica Microsystems AG(Wetzlar,Germany)によって製造及び販売されている。電動顕微鏡150は、好ましくは、ステージ、焦点ドライブ、照明、対物レンズ、蛍光キューブ、絞りと視野のためのダイアフラム、追加の倍率変更器及び蛍光シャッターからなる構成要素を含み、これらの構成要素はみなソフトウェアによって駆動及び制御可能である。電動顕微鏡150は、一方が電動顕微鏡150のステージ制御装置用であり、他方が顕微鏡立て用である2本の直列ケーブル180及び182によって、コンピュータ110から受信した電子コマンドにより制御及び操作される。
【0014】
カメラ140は、好ましくは米国法人であるソニー社によって販売されるXC−003又はDXC−390 CCDカメラである。カメラ140は、C−マウントアダプターを用いる公知の方法で電動顕微鏡150上に搭載されており、電動顕微鏡150からの現在の画像を捉え、直列ケーブル190を介してアナログフォーマットで画像をフレームグラバー基板120へ送るのに使用される。カメラ140は、フレームグラバー120を介してコンピュータ110の操作制御下にある。カメラ140から受信したアナログフォーマットされた画像はコンピュータ110によってデジタル化される。
遺伝子毒性分析システム100は又、コンピュータ110に接続されたカラー表示モジュール130及び132を含む。好ましくは、カラー表示モジュール130が遺伝子毒性分析システム100のユーザにユーザインタフェースを提供し、カラー表示モジュール132が電動顕微鏡150により提供される現在の画像、又は代りに画像処理分析の結果を表示する。
【0015】
コンピュータ110は、遺伝子毒性分析システム100の操作を制御するソフトウェアを実行する。
コンピュータ110及び、やはり遺伝子毒性分析システム100の制御及び操作に用いられるネットワーク化されたサーバは、好ましくはマイクロソフトNTバージョン4又はウィンドゥズ2000オペレーティングシステムソフトウェアを駆動する。遺伝子毒性分析システム100を制御するためにコンピュータ110が実行するソフトウェアは、マイクロソフトビジュアルベーシックバージョン6及びマイクロソフトビジュアルC/C++バージョン6を用いて作成される。実行可能なコード及び付加的なソフトウェアやデータファイルを作成するのに用いられる注釈つきのソースコードを、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表として添付し、後述でさらに詳細に説明する。当業者であれば、一部コンピュータプログラム一覧の付表にあるソフトウェアソースコードとその関連ファイル及び第三者から入手可能なソフトウェアを用いることにより、特許請求されている本遺伝子毒性分析システムの本明細書に記載する実施形態を実行する事ができる。
【0016】
図2は、論理的構成図の形式でコンピュータ110及びネットワーク化された制御サーバの中に常駐し、遺伝子毒性分析システム100の操作を制御するアプリケーションソフトウェア200の好ましい実施形態を例示しており、また、遺伝子毒性分析の結果を保存するファイルも例示している。アプリケーションソフトウェア200には、メインの実行可能プログラム210、ライブラリリンク及びDLLファイル220、パラメータファイル230及び結果データファイル240が含まれ、これらの詳細については後述する。ロボット制御プログラム250は好ましくはロボットスライド供給装置160の製造者から提供される制御ソフトウェアである。
メインの実行可能プログラム210には、DataInput.exe252、AutoScan.exe254及びRelocation.exe256が含まれる。DataInput.exe252により、ユーザは、特に例えば後述の図5に示すように分析される各スライドに情報を入力する事ができる。AutoScan.exe254は、DataInput.exe252を用いて識別されるスライドに対し、選択された種類の完全自動遺伝子毒性スクリーニングを開始及び提供する。Relocation.exe256は、AutoScan.exe254を用いて処理されたスライドを取り出し手動で観察できるようにするためのユーティリティーであり、必要に応じてスライド上に含まれる生体物質の特性の目視検査を可能にする。
【0017】
実行可能プログラム210の各々は、好ましくはマイクロソフトビジュアルベーシックバージョン6を用いてライブラリリンク及びDLLファイル220にコンパイル及びリンクされる。各実行可能プログラム210のソースコードは、その各バージョンが各実行可能プログラム210に対応する「メイン」の機能を含む「Globals.bas」という名称の個々のファイルを参照し、更にその他のモジュール、及び種々のユーザインタフェースィンドゥズを作成するのに必要なビジュアルベーシックのフォームとコードを含む。さらに、後述で更に説明するように、実行可能プログラム210及び実行可能プログラム210と組み合わされるモジュール及びフォームは、操作中にライブラリリンク及びDLLファイル220を呼び出すことにより作動する。
本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表には、マイクロソフトビジュアルベーシックバージョン6.0を用いて各実行可能プログラム210を作成するためのソースコードが含まれる。より具体的には、コンピュータプログラム一覧の付表には、種々のサブフォルダを含む「VB6」という名称のフォルダが含まれる。「DATAINPUT」、「AUTOMATICSCAN」及び「RELOCATION」という名称のサブフォルダには、それぞれDataInput.exe252、AutoScan.exe254及びRelocation.exe256を作成するためのソースコードが含まれる。
【0018】
コンピュータプログラム一覧の付表中の「VB6」でラベルされたフォルダ中に残るサブフォルダには、遺伝子毒性分析システム100の付加的な機能を提供するためのソースコードが含まれる。これらのサブフォルダは、必要に応じてシステムパラメータの手動調節を可能にするユーザインタフェースを作成するためのソースコードを保存する「SUPERUSER」、実行可能プログラム210により使用されるユーザインタフェースモジュールのソースコードを保存する「TOOLFORMS」、遺伝子毒性分析システム100へのパスワードにより保護されたアクセスを提供するためのソースコードを保存する「PASSWORD」、及び遺伝子毒性分析システム100の操作の間に必要なライブラリリンク及びDLLファイル220を呼び出すためのソースコードを含む「MODULES」を含む。
実行可能プログラム210を作成するためのソースコードに加えて、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表には、マイクロソフトビジュアルC/C++バージョン6.0を用いてライブラリリンク及びDLLファイル220を作成するためのソースコードも含まれる。具体的には、ライブラリリンク及びDLLファイル220を作成するためのソースコードはコンピュータプログラム一覧の付表上の「VC6」でラベルされたサブフォルダ中に見ることができる。
【0019】
「VC6」という名称のフォルダ中の「AUTO0」でラベルされたサブフォルダには、遺伝子毒性分析システム100の自動機能を容易にするための機能を提供する「auto0」262と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれ、遺伝子毒性分析システム100の自動機能を容易にするための機能には、特に、オートフォーカス制御及び自動ランプ調節が含まれる。「auto0」262により提供される機能は、以下に更に詳細に記述する「micro0」264DLL及び「improc0」266 DLLにより提供される関連機能に基づいている。
「VC6」という名称のフォルダ中の「COMET」でラベルされたサブフォルダには、コメットアッセイにおいて分析されるスライドの画像分析の実行に必要な機能を提供する「comet」268と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
【0020】
「VC6」という名称のフォルダ中の「GENERAL0」でラベルされたサブフォルダには、入出力機能及びグラフ表示ルーチンを含む一般的な目的のツールの機能を提供する「general0」270と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
「IMPROC0」でラベルされたサブフォルダには、フレームグラバー基板120のMatroxドライバソフトウェアに関する機能のライブラリにインタフェース機能を提供する「improc0」266と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。これらの機能には全般的な画像処理に関する機能が含まれる。
【0021】
「METFIN」でラベルされたサブフォルダには、分裂中期検出用に分析されるスライドの画像分析の実行に必要な機能を提供する「metfin」272と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
「MICRO0」でラベルされたサブフォルダには、電動顕微鏡150用のライカSDKドライバソフトウェアに関連するインタフェース及び制御機能を提供する「micro0」264と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
【0022】
「MNTINVIVO」でラベルされたサブフォルダには、生体内微小核試験用に分析されるスライドの画像分析の実行に必要な機能を提供する「MNTinvivo」274と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
「NNET0」でラベルされたサブフォルダには、試験管内微小核試験用の神経回路網、例えば逆伝播アルゴリズム)を用いた予測によるパターン分類に必要な機能を提供する「nnet0」276と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
【0023】
「RELOC0」でラベルされたサブフォルダには、Relocation.exe256内の対象物の検索機能、例えばデータの入出力機能及び分析結果の検索機能を提供する「reloc0」278と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
「ROBO0」でラベルされたサブフォルダには、ロボットスライド供給装置160との通信に必要な機能を提供する「robo0」280と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
「SCAN0」でラベルされたサブフォルダには、自動走査工程の容易化に必要な機能、例えば走査モード設定の取扱い機能、処理対象スライドのバッチ連続分析の起動機能、及び特定のアプリケーションDLLへのインタフェース機能を提供する「scan0」282と呼ばれるCライブラリを作成するためのソースコードが含まれる。
【0024】
付加的なライブラリもライブラリリンク及びDLLファイル220と共に含まれ、それらには電動顕微鏡150及びフレームグラバー基板120の操作を制御するために必要な第三者によって提供されるライブラリファイルが含まれる。
上記ライブラリリンク及びDLLファイル220のうちの一部のソースコードは、アルゴリズム及び種々のスクリーニングのために実行される画像分析処理を規定する。
【0025】
生体内微小核試験の画像分析処理は、赤青カメラチャンネル情報及び多染性の赤血球と正染色性の赤血球とを識別するための閾値処理技術を用いる。その後、微小核候補の分節に勾配及び流域変形が利用される。分割した対象物の個々の分析では、形態計測上の特性、並びに「周辺部割合」、「焦点偏差」及び「グレー偏差」といった構造的特性に基づくパターンの指導付きトレーニングを用いる。さらなる詳細については、上記の適応可能なソースコードを参照できる。
分裂中期の検出にはグレー画像を基にするスペクトル画像の差異が利用され、その後、核候補の分節に流域変形と「トップ−ハット」分節との組み合わせが利用される。その後、分裂中期の範囲を非核領域に制限し、更にその後、トップ−ハット分節及び流域分節をもう一度適用する。最後に、染色体構造の個々のパラメータを含む、特性に基づく分裂中期候補の分類を行なう。更なる詳細については、上記の応用可能なソースコードを参照できる。
【0026】
コメットアッセイ分析には、初回有効核検出時における蛍光画像の赤色チャンネルの使用が含まれ、これには形態計測上の特性の分類が含まれる。尾部モーメント測定、及び画像中の画素総変化に対する勾配を含む順次劣化閾値処理技術の使用のための、検出核の自動再配置も又利用される。更なる詳細については、上記の応用可能なソースコードを参照できる。
試験管内微小核試験には全三色チャンネル画像が使用される。画像アルゴリズムは、有効核及び細胞質域の分割を試み、その後、勾配、トップ−ハット分割と閾値処理分割の組み合わせを用いて微小核候補を検出する。最終分類には、真の微小核の可能性を予測するためのオフライン訓練済み逆伝播神経回路網が用いられる。更なる詳細については、上記の応用可能なソースコードを参照できる。
【0027】
引き続き図2に関し、アプリケーションソフトウェア200には更に、実行される特定の種類の分析に応じて、遺伝子毒性分析システム100上で作動する電動顕微鏡150及び画像分析ソフトウェアの操作に適当な設定に関する情報を保存するパラメータファイル230が含まれる。各パラメータと各調節は、実行される遺伝子毒性試験の種類により異なり、特定の種類の試験を指定することにより自動的に設定される。
パラメータファイル230には以下のファイルが含まれる。
−「cometpar.txt」290:コメットアッセイ用に使用される画像分析アルゴリズムの構築に必要なパラメータが含まれる。
−「metfinpar.txt」292:分裂中期検出用に使用される画像分析アルゴリズムの構築に必要なパラメータが含まれる。
−「mntinvivopar.txt」294:生体内微小核試験用に使用される画像分析アルゴリズムの構築に必要なパラメータが含まれる。
−「molymntpar.txt」295:試験管内微小核試験用に使用される画像分析アルゴリズムの構築に必要なパラメータが含まれる。
【0028】
パラメータファイル230には更に「focus_std.txt」284と呼ばれるファイルが含まれ、このファイルには、Datainput.exe252及びAutoscan.exe256のオートフォーカス実行に関連して、電動顕微鏡150のオートフォーカス特性を制御するパラメータデータが含まれる。「focus_reloc.txt」286と呼ばれるパラメータファイル230には、通常「focus_std.txt」284と同じパラメータ定義が含まれるが、それよりもさらに精巧であるので、Relocation.exe254下での操作にさらに適合するオートフォーカス性能が可能となる。「scanref.txt」288でラベルされたパラメータファイル230には、選択した用途に応じて、電動顕微鏡150の構成に用いられるパラメータデータが含まれる。そのような構成には、顕微鏡の光学的モジュールの自動調節及びアプリケーションの走査工程に関する全般的なパラメータ設定が含まれる。
又、「roboplace.txt」296と呼ばれるパラメータファイル230には、ロボットスライド供給装置160の初期設定と配置を制御するためのパラメータデータが含まれる。これらのパラメータデータにはxとyの位置決め及び速度が含まれる。
【0029】
「focus_std.txt」及び「focus_reloc.txt」の各々は、実行されるスクリーニング試験について特定化される。即ち、生体内微小核試験、試験管内微小核試験、コメットアッセイ及び試験管内分裂中期検出の各々に対して「focus_std.txt」及び「focus_reloc.txt」が存在する。コンピュータプログラム一覧の付表では、各スクリーニングの種類に対するパラメータファイル230が個々のファイルフォルダ中に保存されている。
具体的には、コンピュータプログラム一覧の付表には、コメットアッセイ分析に用いられる上記パラメータファイル230を含む「COMETASSAY」でラベルされたサブフォルダを含む「Applications」という名のフォルダが含まれる。同様に、「METFIN」と呼ばれるサブフォルダには、分裂中期検出分析の上記パラメータファイルが含まれる。「MNTINVIVO」と呼ばれるサブフォルダには、生体内微小核試験分析の上記パラメータファイルが含まれる。
「MOLYMNT」と呼ばれるサブフォルダには、試験管内微小核試験分析の上記パラメータファイルが含まれる。サブフォルダ「MOLYMNT」には、更に「p21h9.net」と呼ばれるファイル、及び試験管内微小核試験分析に用いられる神経回路網パターンの予測と分類のためのパラメータが含まれる。
【0030】
好適な一実施形態において、遺伝子毒性分析システム100 用の一般的なアプリケーションのシステム特定情報を収容する「robias.txt」、及び初期化時にロボットスライド供給装置160により使用されるパラメータを含む「roboplace.txt」296は、コンピュータ110のハードドライブに局在的に常駐し、一方、残りのプログラム及びファイルはコンピュータ110に接続されたネットワーク化されたサーバに常駐する。
上記パラメータデータファイルに加えて、「shadref_black」及び「shadref_whitbl」を含む「shadimages」を収容する較正ファイルは、実行可能プログラム210により参照される。当業者であれば、シェーディング補正用を較正するためにこれらのファイルを作成する事ができる。較正ファイルは各スクリーニングアプリケーションに特定のものである。較正ファイルは、好ましくはパラメータデータを含む個々のサブディレクトリと平行なサブディレクトリに保存される。
【0031】
図2のアプリケーションソフトウェア200は、実行可能プログラム210により作成及び修正されたデータ結果ファイル240を更に含む。
以下のフォームを有するデータ結果ファイル240には3つの種類がある。
(1)<<path>>scanresults/<study>/<experiment>/<slidename>.txt;
(2)<<path>>individualdata/<study>/<experiment>/<slidename>.txt;及び
(3)<<path>>slidedata/slidedata<rackposition>.txt
上記にリストしたデータ結果ファイル240用のファイルフォーマット中、<<path>>は当該ファイルを含むディレクトリの予備ファイルパスを示す。パスのこの部分は、操作用ソフトウェア全体のファイル構造により異なる。「scanresults」、「individualdata」及び「slidedata」は、ファイルに対する個々のサブフォルダ名を表す。<study>は、特定の試験用化合物の毒性試験を符号化する調査名称に対するプレースホルダを表し、独自の「調査名称」に関連している。<experiment>は、選択された調査に関連する特定の実験に対するプレースホルダを表す。特定の調査に属する実験は、処理時間、細胞の代謝活性化の有無又は動物の処理後のサンプリング時間に関して変更することができる。通常、それは同じ対象試験用化合物に対する「実験」条件を特定するものである。<slidename>は特定のスライドを特定するプレースホルダを表し、<rackposition>はあるスライドの棚中の特定位置を示すプレースホルダを表す。
【0032】
遺伝子毒性分析システム100の操作について、以下図3のフローチャート及び図4〜14に例示する遺伝子毒性分析システム100の例示的な画面インタフェースを参照して記述する。
図3に示す工程のステップ302において、ユーザはカラー表示モニタ130のメインの表示画面から実行するDataInput.exe、AutoScan.exe及びRelocation.exeの内の一つを選択する。各アプリケーションは、好ましくは、ウィンドゥズNTプラットフォームのメインの表示画面上にアプリケーション又はショートカットアイコンとして表示される。ユーザは、公知の方法で対応するアイコンをダブルクリックする事により所望のプログラムを選択できる。
【0033】
分析される各スライドの情報を入力したい場合、ユーザはステップ302で実行対象としてDataInput.exeを表すアイコンを選択する。その結果、工程はステップ304に進み、図4に例示されるフォームが表示される。図4のフォームを用いて、ユーザは、スライドデータが書き込まれる唯一のパスを選択する事により、現在のアプリケーション、即ち実行されるべき分析を特定する。こうして、パスの選択によっても実行される分析、即ちコメットアッセイ、生体内微小核試験、試験管内微小核試験又は分裂中期検出試験が選定される。図4のフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/TOOLFORMS中の「frmInit.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。
工程は次にステップ306に進み、図5に例示されるフォームがユーザに表示される。このフォームを用いて、ユーザは、処理される各スライドを識別するためのデータを入力する。各スライドに対する識別ストリングは、左から、調査名(欄501)、実験名(欄502)及びスライドコード(欄503)から成り、それらの各々は数字又は記号を用いる事ができる。図5に提示される例示的なスライドコード503には「a」及び「b」の文字が付されているということに注意されたい。本発明の本実施形態において、2つの生体物質の試料をスライドのそれぞれの側、即ち一方を「a」及び他方を「b」として、1つのスライドに含めることができる。遺伝子毒性分析システム100の構成要素をアプリケーションソフトウェア200と組み合わせることによって得られる精度により、スクリーニングのためのスライド容量を効果的に倍にするためにスライド上のスペースを有効に使用することができる。
【0034】
同じ調査コード及び実験コードを共有するスライドに対して、保存のための共通のフォルダが作成される。図5のフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/DATAINPUT中の「frmSlides.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。
ステップ308において、図5のフォームの「Accept settings」ボタン506を押す事により、ユーザはステップ306で入力した設定を受け入れ、この時点でシステムはDataInput.exeの操作を終了し、全ての必要なフォルダ(スクリーニング及び実験用)及びデータファイルを作成して図3のステップ302に戻る。
一方ステップ310において、ユーザは各スライドに関する特定のパラメータを調節するために、各スライドに対する個々の詳細ボタン(図5のフォームの欄504参照)のいずれかを選択することができる。図6は、特定のスライドに対するパラメータを調節するためにユーザに提示されるフォームを表す。図6のフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/DATAINPUT中の「frmSlideparam.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。
図6のフォームによりユーザによる制御が可能となる種々のパラメータの中で、閾値調節(ボタン602)と顕微鏡調節(ボタン604)である。
【0035】
ユーザによる特定のスライドに対する閾値設定の調節を可能にするためのフォームを図7に例示する。このフォームは、本明細書のプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/TOOLFORMS中の「frmInterThresh.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。ユーザによる当該特定のスライドに対する顕微鏡パラメータの調節を可能にするためのフォームを図8に例示する。このフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/TOOLFORMS中の「frmAdjustMicro.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。
特定のスライドに十分な調節を行ったら、ユーザは、図6のフォームの「acc.Settings for ALL slides」ボタン606を選択する事により、図5のフォームにおいて有効なスライドコードの入力を行うことにより前もって識別したスライド全てに対し、上記のパラメータを設定することができる。或いは、ユーザは、現在選択されているスライドについてのみパラメータ設定を保存する「acc. settings for CURRENT slide」(ボタン608)を選択することができる。制御は次に図5のフォーム(ステップ306)に戻る。
【0036】
ここで図3に例示する工程のステップ302に戻ると、ユーザがAutoScan.exeの実行を開始するアイコンを選択した場合、工程はステップ312に進み、図8aに例示されるフォームが提示される。ここでユーザは、図8aのフォーム中のウィンドゥ802に表示された対応するサブディレクトリを選択する事により、遂行される遺伝子毒性試験、即ちコメットアッセイ、生体内微小核試験、試験管内微小核試験及び分裂中期検出試験のいずれかを選択する。図8aのフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/TOOLFORMS中の「frmInit.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。
工程は次にステップ314に進み、図9のフォームが提示される。図9のフォームによって、ユーザは、ステップ312で図8のフォームを用いて特定した実行する遺伝子毒性分析の走査オプションを選択できる。図9のフォームで提示されるオプションには次のものが含まれる。(1)表示なしのスライド走査(ボタン902):スライドの分析中ユーザには中間の画像表示は提示されない。(2)表示つきのスライド走査(ボタン904):ユーザが分析を続けるための操作をしなくても最も重要な中間の画像処理結果が分析中に表示される。(3)試験1レベルのスライド走査(ボタン906):幾つかの中間画像処理ステップが実行され、次いでユーザが自動分析を継続するためのキーを押すまで工程が停止する。及び(4)試験2レベルのスライド走査(ボタン908):ボタン906による操作と同様であるが、検出結果は表示されない。この最後のモードは、同じ画像視野内で、ユーザがスライドの手分析を自動分析と平行して実行するアプリケーションの操作を確認するのに利用される。最後にユーザはオートフォーカス試験によるスライド走査を行なうためのボタン910を押し、それにより各スライドのオートフォーカス結果、例えば対照曲線のグラフ表示を提示しながらスライドが処理される。
ユーザはExitボタン912を押して分析の実行を中止する事もできる。
【0037】
ユーザが自動走査を中止しなければ工程はステップ316に進み、実行される特定の種類の分析のためのアプリケーションソフトウェア200の適用可能なライブラリリンク及びDLLファイル220及びパラメータファイル230を参照する事によって、自動走査が実行される。図9のフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/AUTOMATICSCAN中の「frmMain.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。
自動走査が完了し全ての結果データが書き込まれ保存されると、工程は図3のステップ302に戻る。
【0038】
ステップ302でユーザがRelocations.exe.を実行した場合、図3の工程はステップ318に進み、図10のフォームが表示される。図10のフォームを用いて、図10のフォーム中のウィンドゥ1002に表示された対応するサブディレクトリを選択する事により、ユーザは結果をリビューできる遺伝子毒性試験の種類、即ちコメットアッセイ、生体内微小核試験、試験管内微小核試験及び分裂中期検出試験の内の1つを選択する。図10のフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/TOOLFORMS中の「frmInit.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。
工程は次にステップ320に進み、リビューする特定のスライドを選択するためのフォームが表示される。具体的には、図11及び12に例示されるフォームが表示される。図11のフォームにおいて、ユーザは、適切な調査名及び実験名(ウィンドゥ1102参照)でラベルされた適切なサブディレクトリを選択する事により、スライドを含む特定の調査を選択する。図12のフォームを用いて、ユーザは、スライドデータ(ウィンドゥ1202参照)を含むファイルを選択する事により特定のスライドを識別する。図11のフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/RELOCATION中の「frmMain.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。図12のフォームは、標準のビジュアルベーシックCommon Dialogユーザインタフェースオブジェクトを用いて作成される。
【0039】
次に、ステップ322において、図12のフォームを用いて特定されたスライドに関する走査結果の表示(ウィンドゥ1302参照)を含む図13のフォームが表示される。図13のフォームは図11のフォームと同様であるが、ウィンドゥ1302中に、検出した対象物の数、走査した視野の数、エラーコード及び現在リビュー中のスライドのその他アプリケーション特定情報等、自動スライド分析中に得られた最も関連性の高いデータが含まれている。
ユーザは、図13のフォームのボタン1304をクリックする事により、Relocation.exeを終了することができ(ステップ324)、この時点で図3の工程はステップ302に戻る。
【0040】
或いは、ユーザは、図13のフォームのボタン1306を選択することができ、それにより図3の工程はステップ326に進み、図14のフォームが表示される。図14のフォームにより、ユーザは、自動走査分析の間に検出された対象物を検索する事ができる。このために、ユーザは矢印ボタン1402及び1404を用いて一つの対象物からもう一つの対象物へ(及び逆戻りも可)移動する事ができる。図14のフォームに提示される付加的な制御を用いることにより、走査の間に保存された各対象物の座標、及び対象物を表す現在のライブ画像が、目視検査用のカラー表示画面130及び132上に表示される。ユーザは、右又は左のマウスボタンを操作して観察下の対象物にフラッグを立てる事ができ、対象物を有効微小核として廃棄する(左のマウスボタンを用いて)か、或いは対象物を有効微小核として受け入れる(右のマウスボタンを用いて)ことができる。各スライドについて、最初に検出された対象物から最後に検出された対象物まで移動する事により、ユーザは、各対象物に適切なラベル(即ち、「受容」か「拒絶」)を割り当てる事ができ、よって監督下の目視検査により自動走査の結果を調節する事ができる。現在のスライドの補正結果、即ち微小核試験における微小核数、或いは分裂中期検出試験における分裂中期数などは、図14のフォームを終了させた後で保存される。図14のフォーム中のその他のオプションは、現在の画像の調節、例えば顕微鏡や焦点合わせをサポートし、その他の興味深い対象物の画像分析をサポートすることにより、画像分析に利用されるアルゴリズムの適切な性能を確保する。
図14のフォームは、本明細書のコンピュータプログラム一覧の付表のサブディレクトリVB6/RELOCATION中の「frmRelocation.frm」と呼ばれるファイル中に見出されるソースコードから作成される。
【0041】
こうして、上記に示したように、異なるタイプの遺伝子毒性スクリーニングを容易にする事ができ、且つ異なる遺伝子毒性試験の各々に対して構成されたパラメータデータファイルを参照するソフトウェアコードを作成する事により、本発明の遺伝子毒性分析システムは、ユーザによる操作を最小限に抑えた、種々の遺伝子毒性スクリーニングを実行するための、柔軟性があり使用が容易なプラットフォームを提供する。実行されるスクリーニングの種類によって、異なる種類の分析試験のスクリーニングを実行する間の手動による顕微鏡モジュールの調節は必要ない。コメットアッセイスクリーニングの場合、コメットアッセイ分析の蛍光着色をサポートするために投射照明を手動で変更すること、及び他の種類の遺伝子毒性スクリーニングのために透過光照明へ戻す手動による変更が必要になる。更には、上述のように、本発明の遺伝子毒性分析システムにより、対話式パターン制御が可能で、これにより自動走査中に間違って分類された対象物を手動により人工的に排除することができる。
【0042】
37C.F.R. 1.52(e)に従って、コンピュータプログラム一覧の付表を収容したCD−ROMに含まれる各ファイルの名称、個々の作成日及びサイズ(バイト数)を、図15a〜15lにリストする。参照を容易にするため、コンピュータプログラム一覧の付表のディレクトリ構造中に表示されるようにファイル名をリストした。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】自動遺伝子毒性分析システムの一実施形態のブロック図である。
【図2】遺伝子毒性分析システムの操作を制御するためのアプリケーションソフトウェア及び遺伝子毒性分析の結果を保存するファイルの一実施形態の論理ブロック図である。
【図3】遺伝子毒性分析システムの一実施形態の操作を示すフローチャートである。
【図4】遺伝子毒性分析システムを用いて分析されるスライドに関する情報を入力するためのユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図5】遺伝子毒性分析システムを用いて処理される特定のスライドを識別するデータを入力するためのユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図6】遺伝子毒性分析システムを用いて分析される特定のスライドに対するパラメータを調節するためのユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図7】遺伝子毒性分析システムを用いて分析される特定のスライドに対する閾値設定のユーザによる調節を可能にするための、ユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図8】遺伝子毒性分析システムを用いて分析される特定のスライドに対する顕微鏡パラメータを調節するためのユーザインタフェースの一実施形態を示す。
【図8a】遺伝子毒性分析システムを用いて処理される遺伝子毒性試験の選択に用いられるユーザインタフェースの一実施形態を示す。
【図9】ユーザによる遺伝子毒性分析システムの走査オプションの選択を可能にするユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図10】遺伝子毒性分析システムを用いてリビューする遺伝子毒性試験の結果を選択するためのユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図11】遺伝子毒性分析システムのユーザがリビューしたいと望むスライドを含む特定の調査を指定するためのユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図12】図11のユーザインタフェース画面において選択された調査のリビューの対象となる特定のスライドを識別するためのユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図13】特定の遺伝子毒性試験を用いて行った特定のスライドのスクリーニングの結果を表示するためのユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図14】自動化された遺伝子毒性試験システムを用いた自動走査工程において検出された対象物のユーザによる回収を可能にするユーザインタフェース画面の一実施形態を示す。
【図15a】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15b】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15c】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15d】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15e】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15f】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15g】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15h】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15i】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15j】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15k】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。
【図15l】自動遺伝子毒性試験システムの一実施形態の作成に用いるコンピュータファイルの一覧を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体物質試料の生体内及び/又は試験管内遺伝子毒性スクリーニングを行なうシステムであって、
a.1台以上のコンピュータ、
b.1台以上のコンピュータに接続されてそれにより制御される、電子画像を作成するためのフレームグラバー、
c.フレームグラバーに接続され、1台以上のコンピュータの制御の下にフレームグラバーに画像を提供するカメラ、
d.1台以上のコンピュータに接続されてそれにより制御される顕微鏡であって、スクリーニングされる試料の画像をカメラに提供する顕微鏡、
e.1台以上のコンピュータに接続されてそれにより制御されるスライド供給装置であって、顕微鏡がその画像を映し出す事ができる位置まで試料を移動させるためのスライド供給装置、及び
f.1台以上のコンピュータ上で作動する遺伝子毒性スクリーニングの実行プログラムであって、電子画像の分析により、カメラ、顕微鏡又はスライド供給装置の手動操作を実質的に必要とせずに、第1の遺伝子毒性試験方法を用いて生体物質の第1バッチをスクリーニングした後の第2の遺伝子毒性試験方法を用いる生体物質の第2バッチのスクリーニングを容易にするプログラム
を備えるシステム。
【請求項2】
遺伝子毒性スクリーニングシステムのユーザによる、所定の生体物質のバッチに実行される遺伝子毒性スクリーニング方法の選択を可能にする、一台以上のコンピュータに接続された表示モニタ上のユーザインタフェースを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
カメラ、顕微鏡及びスライド供給装置が、カメラ、顕微鏡及びスライド供給装置を制御する一台以上のコンピュータから電子信号を受信する物理的接続を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
遺伝子毒性分析システムの操作を制御するソフトウェアであって、遺伝子毒性分析システムの配置可能な構成要素を自動的に配置することにより、遺伝子毒性分析システムがそれぞれ複数の生体物質試料に複数の遺伝子毒性試験を実行できるソフトウェア。
【請求項5】
ソフトウェアによって、生体試料の所定のグループに実行される遺伝子毒性試験をユーザが特定できる、請求項4に記載のソフトウェア。
【請求項6】
ユーザにより実行する遺伝子毒性試験が特定された後、特定された遺伝子毒性試験に従って遺伝子毒性分析システムの配置可能な構成要素に送られる信号を自動的に生成する、請求項5に記載のソフトウェア。
【請求項7】
送られた信号により、遺伝子毒性分析システムの配置可能な構成要素が、選択された遺伝子毒性試験を実行できるように配置される、請求項6に記載のソフトウェア。
【請求項8】
更に、遺伝子毒性分析システムのユーザによる各生体物質試料の情報の識別を可能にする、請求項4に記載のソフトウェア。
【請求項9】
分析された各試料の遺伝子毒性試験の結果を記録するよう機能し、遺伝子毒性試験の記録された結果の手動による検査を可能にする機能を更に提供する、請求項4に記載のソフトウェア。
【請求項10】
複数の遺伝子毒性試験の各々について、配置可能な構成要素の調節可能なパラメータを決定するデータを含むそれぞれのファイルを含む、請求項4に記載のソフトウェア。
【請求項11】
複数の遺伝子毒性試験の各々が使用する各画像分析技術を決定するソフトウェアコードを含む、請求項4に記載のソフトウェア。
【請求項12】
ソフトウェア制御により動作するハードウェア構成要素を含み、ソフトウェアにより試料の電子画像を分析する遺伝子毒性分析システムを利用して、生体物質試料の生体内及び/又は試験管内遺伝子毒性試験を実行する方法であって:
a.第1遺伝子毒性試験を用いた処理の対象となる生体物質試料の第1バッチを調製するステップ、
b.生体物質試料の第1バッチに第1遺伝子毒性試験を実行するために遺伝子毒性分析システムを利用するステップ、
c.第2遺伝子毒性試験を用いた処理の対象となる生体物質試料の第2バッチを調製するステップ、
d.生体物質試料の第2バッチに第2遺伝子毒性試験を実行するために遺伝子毒性分析システムを利用するステップ、及び
e.同一のハードウェア構成要素を用いて第1及び第2遺伝子毒性試験を実行できるように、第1遺伝子毒性試験の実行と第2遺伝子毒性試験の実行との間にソフトウェアによりハードウェア構成要素の配列を操作するステップ
を含む方法。
【請求項13】
試料の電子画像を分析する遺伝子毒性分析システムを用いて生体試料の個々のバッチに様々な生体内及び/又は試験管内遺伝子毒性試験を実行する方法であって:
a.遺伝子毒性分析システムのユーザから、実行すべき遺伝子毒性試験を特定するコマンドを受け取るステップ、
b.遺伝子毒性分析システムの構成要素の自動配列を実行することにより、遺伝子毒性分析システムによるステップaで特定された遺伝子毒性試験の実行を可能にするステップ、
c.生体試料の1バッチに特定の遺伝子毒性試験を実行するステップ、
d.遺伝子毒性試験の結果を記録するステップ、及び
e.ステップa〜dを繰り返すステップ
を含む方法。
【請求項14】
遺伝子毒性試験の種類が、生体内微小核試験、試験管内微小核試験、コメットアッセイ及び分裂中期検出試験の1つ以上からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
a.遺伝子毒性スクリーニング用スライドの1バッチを調製するステップ、
b.遺伝子毒性試験を選択するステップ、
c.生体試料を含む複数のスライドのうち最初のスライドをスライド保持装置から自動的に取り出すステップ、
d.取り出したスライドを自動的に電動顕微鏡に送達するステップ、
e.スライド上に含まれる試料に自動的に焦点を合わせるステップ、
f.焦点合わせされた画像の視覚的表現を自動的に記録するステップ、
g.焦点合わせされた画像をマイクロプロセッサ式コンピュータに自動的に送達するステップ、
h.ステップbで選択された遺伝子毒性試験に適する画像分析ソフトウェアを用いて、記録された画像の画像分析を自動的に実行するステップ、
i.画像分析の結果データを自動的に記録するステップ、
j.ステップcで取り出されたスライドをスライド保持装置に自動的に返却するステップ、
k.分析用の次のスライドを自動的に取り出すステップ、
l.1バッチ中の全スライドの分析が終了するまで、バッチ中の連続するスライドにステップc〜kを自動的に繰り返すステップ、及び
m.全ての所望のスライドの処理が終了するまで、ステップa〜lを繰り返すステップ
を含む遺伝子毒性スクリーニングの実行方法。
【請求項16】
記録されたデータを手動で検証するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
遺伝子毒性試験は生体内微小核試験、試験管内微小核試験、コメットアッセイ及び分裂中期検出試験からなる群より選択され、この実行すべき遺伝子毒性試験に従ってスライドのバッチを調製する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ビデオモニタ上に表示されるメニューから適切な試験を選択する事により選択するステップを実行する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
自動的に取り出すステップ及び自動的に返却するステップを、ロボットスライド供給装置により実行する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
現在分析中のスライドについて、所定の限界数の細胞がカウントされるまで、或いは分析される画像視野の数が最大数に達するまで、画像分析の結果データを自動的に記録するステップを連続して実行する、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−527501(P2007−527501A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506296(P2006−506296)
【出願日】平成16年3月6日(2004.3.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000623
【国際公開番号】WO2004/097707
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】