説明

試験装置

試験サンプル(1)は、例えば食品や医薬品、特にパッケージされた物品の異物のスポットに、X線や金属検出器を利用して生産ラインの測定及び監視装置(5)の性能を試験するのに適している。試験サンプル(1)は、特定のサイズの金属粒子のような基準試験体(3)を閉じ込めた薄板状のカード(2)を有する。このカード(2)又は他のサンプル(1)は、光学スキャナ(12)によって読み取り可能なバーコードを含む少なくとも1つの識別ゾーン(4)を支持している。装置(5)を試験するために、カード(2)は、この装置を通過する物品のパッケージ(13)に置かれる。光学スキャナ(12)は、正しい試験サンプル(1)が提示されたのを確認するために、バーコードを読み取り、結果がコンピュータ(9)のログに記録される。この結果が提示された特定の試験サンプル(1)から予期されるものと一致しなければ、装置の再較正又は修理の必要がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産ライン監視装置のための試験及び較正システムに関する。特に、しかし排他的ではないが、本発明は、異物監視装置の正確な動作を確認するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生産ライン(工程線、流れ作業)を出る物品が異物によって汚染されていないことを確実にすることは、重要である。これは、ラインが食品や医薬品のような物品を生産している場合、特にそうである。それ故、監視システムが、ライン上の物品をスキャン(走査)するために使用される。金属検出器は、金属粒子等をスキャンするために使用され、一方、X線スキャニングは、物品から、食肉品の骨、ガラス、鉱物石及びポリ塩化ビニルのようなプラスチック材料のような、ほんのわずかに異なる放射線密度、つまり密度(consistency)を有する物体を検出することができる。
【0003】
初めにシステムが適切にセットアップされていることを確実にするために、そして、一定間隔で、又はランダムに、監視システムの正確な動作を確認するために、試験サンプルをこのような監視システムに通すことが通例である。このような試験の結果は、例えば、品質保証システムの一部として、ログに記録される。食品製造業者の顧客は、しばしば、食品製造業者自身の顧客が危険なく、汚染された食品等による苦情の原因のないことを確実にするための食品製造業者の努力の一部として、このようなログ及び関連する手順を検査することを要求するであろう。
【0004】
試験サンプルは、一般的に、通常は生産ライン上に置かれるか、生産ライン上で個々の物品に取り付けられることができる薄板状の試験カード、又は試験棒を有する。
【0005】
仕様は、しばしば、このようなサンプルがこのシステムに通される度に、生産ラインの監視システムが特定のサイズ及びタイプの試験サンプルをピックアップしなければならないことを必要とするであろう。それができなければ、監視システムは、使用停止され、再較正されるか調節されるべきである。これは、ほぼ確実に、全生産ラインを停止させることを伴うが、このような停止はかなり費用のかかる可能性が高い。この状況は、いくつかの場合において、オペレータに特定の試験サンプルの使用を記録させるが、より容易に検出可能なサンプル(例えば、1mmの粒子を検出する仕様のとき、3mmの金属粒子)がシステムを通過することが明らかになった。これは、再較正のための停止の頻度を減少させるが、システムが検出すべきであった汚染された物品を通過させる可能性のある誤った較正監視システムを導き得る。間違った試験サンプルが誤って使用される可能性も同様にあり、これもまた、見つかっておらず補正されていない誤った較正システムを導き得る。
【0006】
生産ラインで使用される他の監視及び測定装置でも同様の問題に直面する。各場合において、測定の精度は、明確に、又は暗示的に保証されており、ある形態の基準で規則的に測定装置の測定の精度を試すことによって、測定装置の信頼性を試験することが必要である。上述のように、再調節のために装置を使用停止とすることにより見込まれるコストは、装置の状態にかかわらず、試験がパスされることを確実にする不適当な基準を提示する装置に対する責任を負う人々を困惑させ得る。同様に、不正確な基準が、単純な誤りとして提示される可能性がある。
【0007】
例えば、マイクロ波技術は、食品の油脂含有量を測定するために使用され、測定された油脂含有量が有意義であることを確認するために、基準試験サンプルが、それぞれの装置に通されなければならない。X線技術は、製薬分野において、タブレットダイ(tabletting die)又は粉末吸引器に運ばれた粉末の質量を決定するために使用される。較正ディスクは、これらの測定が正確であることを確実にするために使用される。各場合において、正確な基準が使用され、理想的には、顧客や規制団体に明示されることができることを確実にすることが重要である。
【発明の概要】
【0008】
従って、本発明の目的は、このような測定システムと監視システムとの少なくとも一方のシステムの動作をチェックするための装置を提供することであり、この装置は、上述の問題をなくし、システムに対して実際に努力する試験管理体制(testing regime)の信頼できる記録を提供する。また、本発明の目的は、このような測定システムと監視システムとの少なくとも一方のシステムをチェックするための対応する方法を提供することである。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、生産ライン等の測定と監視との少なくとも一方を果す装置を試験する(challenge)ように構成された試験サンプルが設けられ、この試験サンプルは、予め選択された組成と、寸法と、質量と、の少なくとも1つの試験基準手段と、前記組成と、寸法と、質量と、の少なくとも1つに対応している機械読み取り可能な識別手段と、を具備する。
【0010】
前記試験基準手段は、汚染物質監視装置を試験するように設定された汚染物質試験体手段を有することができる。
【0011】
前記汚染物質試験体手段は、特定の汚染物質をシミュレーションしている物質を含むことができる。
【0012】
好ましくは、前記試験サンプルは、前記生産ライン等を通過する物品手段に装着されるように構成されている。
【0013】
効果的には、前記試験サンプルは、前記物品手段の上部に、使い捨てのほぼ薄板体(laminar body)を有する。
【0014】
前記試験サンプルは、この試験サンプルに損傷を引き起こさないように、前記物品手段に着脱可能に装着可能であるように構成されている。
【0015】
好ましくは、前記識別手段は、光センサ手段によって読み取り可能である。
【0016】
効果的には、前記識別手段は、バーコード手段を有する。
【0017】
前記バーコード手段は、1次元バーコード手段を有することができる。
【0018】
代わって、前記バーコード手段は、2次元バーコード手段を有することができる。
【0019】
前記識別手段は、RFID(ラジオ周波数識別)タグ手段のような電子識別手段を有することができる。
【0020】
前記試験基準手段は、重さ、サイズ及び組成のような物品の特性を測定するための装置を試験するように設定された試験基準を有することができる。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、生産ライン等の測定と監視との少なくとも一方を果す装置が設けられ、この装置は、物品の特性を決定するための決定手段と、前記特性の決定を報告するための報告手段と、この装置の正確な動作を確認するために、この装置に提示された試験サンプル手段の認識手段を読み取るように構成された読み取り手段と、を具備する。
【0022】
前記測定と監視との少なくとも一方を果す装置は、汚染監視装置を有することができ、前記特性は、特定の汚染物質手段の有無である。
【0023】
前記汚染監視装置は、X線スキャニング手段を有することができる。
【0024】
代わって、あるいはさらに、前記汚染監視装置は、金属検出器手段を有することができる。
【0025】
代わって、あるいはさらに、前記測定と監視との少なくとも一方を果す装置は、重さと、寸法と、組成と、の少なくとも1つのような、少なくとも1つの物品の特性を測定するように構成されることができる。
【0026】
好ましくは、前記試験サンプル手段は、上述の第1の態様に記載されたような試験サンプルを有する。
【0027】
前記読み取り手段は、好ましくは、光学読み取り手段を有する。
【0028】
前記読み取り手段は、効果的には、バーコードリーダ手段を有する。
【0029】
前記報告手段は、警報手段を有することができる。
【0030】
前記報告手段は、電子ログファイル手段のような、好ましくは、データベースサーバ等を経由してのように、リモートアクセス可能なログ手段を有することができる。
【0031】
前記ログ手段は、前記試験サンプル手段の物品の特性の決定の報告に関連して、この装置に提示された試験サンプル手段から読み取られるサンプルの同一性(identity)を記録するように構成されることができる。
【0032】
手段は、試験サンプル手段の実際の物品の特性の決定の報告と、前記試験サンプル手段の予期される物品の特性の決定の報告とを比較するように設けられることができる。
【0033】
比較手段は、前記読み取り手段によって読み取られるような、前記試験サンプル手段の同一性に関する前記予期される物品の特性の決定の報告を基にすることができる。
【0034】
前記監視装置には、試験サンプル手段を提示するオペレータに警告を出すための手段が設けられることができる。
【0035】
前記警報手段は、どの試験サンプル手段を提示するべきであるかをオペレータに通知するように構成されることができる。
【0036】
本発明の第3の態様によれば、生産ライン手段の測定と監視との少なくとも一方を果す装置の正確な動作を試験するための方法が提供され、この方法は、機械読み取り可能な識別手段を有する試験サンプル手段を与える工程と、前記識別手段を読み取るための手段を有する測定と監視との少なくとも一方を果す装置を与える工程と、前記装置に前記試験サンプル手段を提示する工程と、前記試験サンプル手段に対する前記装置の応答を記録する工程と、この試験サンプル手段の同一性を決定するために、前記試験サンプル手段の前記識別手段を読み取る工程と、前記応答に関連して前記サンプルの同一性を記録する工程と、を具備する。
【0037】
前記測定と監視との少なくとも一方を果す装置は、汚染監視装置を有することができる。
【0038】
代わって、あるいはさらに、前記測定と監視との少なくとも一方を果す装置は、重さと、寸法と、組成と、の少なくとも1つのような物品の特性を測定するように構成された装置を有することができる。
【0039】
好ましくは、前記識別手段は、バーコード手段を有する。
【0040】
前記識別手段は、好ましくは、組成と、寸法と、質量との少なくとも1つのような前記試験サンプル手段の少なくとも1つの特性に関するデータを含む。
【0041】
前記識別手段は、前記試験サンプル手段に含まれる、又は前記試験サンプル手段によってシミュレーションされる汚染物質のタイプと、レベルと、サイズと、の少なくとも1つに関するデータを含むことができる。
【0042】
前記識別手段は、効果的には、ソースのような、前記試験サンプル手段の出所に関するデータと、認証データと、生産と認証との少なくとも一方の日付と、の少なくとも1つを含む。
【0043】
前記識別手段は、前記データのうちのいくつか又は全てへの参照、又は相互参照を可能にするように構成されたシリアルナンバ手段を有することができる。
【0044】
好ましくは、前記記録する工程は、ログ手段に、好ましくは電子ログファイル手段に記録をすることを含む。
【0045】
本方法は、予め選択された試験サンプル手段を提示するためのスケジュールを与える工程と、提示された試験サンプル手段の前記識別手段と、前記スケジュールで予め選択されたものとを比較する工程と、を含むことができる。
【0046】
好ましくは、本方法は、提示された試験サンプル手段に対する実際の応答と、その試験サンプル手段に対して予期される応答とを比較する工程を含む。
【0047】
効果的には、本方法は、前記提示された試験サンプル手段の前記識別手段を読み取ることにより決定されたサンプルの同一性に基づいて、前記予期される応答を構築する工程を含む。
【0048】
前記測定と監視との少なくとも一方を果す装置は、上述の第2の態様に記載されたような測定と監視との少なくとも一方を果す装置を有することができる。
【0049】
前記試験サンプル手段は、上述の第1の態様に記載されたような試験サンプルを有することができる。
【0050】
本発明の実施の形態が、特に、例によって、添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す試験サンプルの平面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の一実施形態を示す監視装置の正面図である。
【図2B】図2Bは、本発明の一実施形態を示す監視装置の上面図である。
【図2C】図2Cは、本発明の一実施形態を示す監視装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
食品又は医薬品のための生産ラインには、汚染物質の存在をチェックするために、監視システムが設けられている。例えば、金属検出器構成体は、物品中の金属片をスキャンするために使用されることができる。X線スキャニング及びイメージング、又は信号積算(signal integration)構成体は、異物が問題の物品の真の含有物とは異なる密度である限り、物品中の所定の範囲の異物を監視するために使用されることができる。
【0053】
このような監視システムが正確にセットアップされ、物品の汚染を検出するのに信頼されることができることを確認するために、(金属粒子や特定の寸法のストリップのような)基準汚染物質、又は基準汚染物質をシミュレーションしている物質を含む試験サンプルが与えられる。試験サンプルは、しばしば、内部に基準汚染物質が閉じ込められた薄板状の(laminated)カード又は試験棒を有する。これらは、生産ラインを通過する物品の上部に適切に置かれることができ、それから、監視システムを試験するために使用されて、物品を傷つけることなく取り除かれる。
【0054】
監視システムは、代表的には、試験スケジュールでプログラムされ、試験サンプルが試験として監視システムにいつ通過されることになっているか、及びどの試験サンプルを使用するか、をオペレータに通知する。また、監視システムは、試験サンプルが通されたこと、及び、監視システムが試験サンプルを付けている物品を通過させたかどうかを確認するために、ログをつける。監視システムが通過させるべきではなかった試験サンプルを通過させたならば、これは、監視システムが再較正されることができるまで、使用停止されなければならない監視システム(及び関連する生産ライン)につながる可能性がある。
【0055】
既存の監視システムにおいて、偶然であれ故意であれ、不正確な試験サンプルが通されることが起こり得る。従って、監視システムが容易に検出されすぎるサンプルで試験されたならば、それは気付かれることなく、較正対象から外れる可能性がある。あるいは、システムのセッティングの故意の、又は不注意の調節不良が捕え損なわれる可能性がある。どちらの場合においても、汚染された物品は、結果として、生産ラインから放され、顧客に供給される可能性がある。
【0056】
図を、特に、図1を参照すると、本発明の一実施形態を示す試験サンプル1は、内部に閉じ込められた異物試験体3を備えた薄板状のカード2を有する。この異物試験体3は、予め選択された仕様の判断基準に適合するように基準化されており、例えば、特定の寸法の金属粒子を有することができる。
【0057】
少なくとも1つの識別ゾーン4は、カード2の一方の面に設けられている(好ましくは、対応するゾーン4は、便宜的に、カード2の表面と裏面との両方に設けられる)。各識別ゾーン4は、存在する汚染物質/異物の試験体3のタイプ、寸法、試験サンプル1のシリアルナンバ、及び試験サンプル1の出所のような他の識別情報、及び生産と発行との少なくとも一方の日付に関するデータを符号化するバーコード(図示されない)をつけている。代わって、これらのいくつか、又は全てのデータは、バーコードに符号化された試験サンプル1のシリアルナンバによって参照されるように、データベースに与えられることができる。バーコードは、一定間隔で離間された直線の特徴を有する1次元コードを有することができるし、あるいは、「マトリックス」又は「スノーフレーク」コードとして知られているような2次元配列の情報を有することができる。
【0058】
図2Aないし図2Cは、本発明の一実施形態を示す監視装置5の一部を示しており、これは、生産ラインに適切に組み込まれている。物品は、矢印6によって示されるように、可動の連続的なベルト7に支持され、左から右へとこの装置5を通過する。物品は、検査ポイント8で、(この場合、イメージングX線システムで)スキャンされ、この結果が、内蔵コンピュータ9によって、分析され、表示される。汚染物質が検知されたならば、そのことが電子ログファイルに記録され、警報がオペレータに通知される。検査ポイント8の下流側の不合格ポイント10で、汚染物質が検知された特定の物品は、生産ラインから不合格ビン11に捨てられる。
【0059】
本発明の監視装置5には、検査ポイント8の直前に、可動ベルト7の上方に位置されたバーコードリーダ12が設けられている。このリーダ12は、ベルト7を通過する物品13の上部に置かれた試験サンプル1の識別ゾーン4のバーコードを読み取ることができるように配置されている(特に、図2C参照)。
【0060】
そして、バーコードから読み取られたデータは、装置5を通過するようにスケジュールされていた試験サンプル1のデータと比較される。データが一致しなければ、オペレータがこの事実により警告され、この結果、正確な試験サンプル1は、通過されることができる。電子ログファイルは、監視装置5を通る各試験サンプル1の通過の結果と相互参照される、実際に使用される試験サンプル1の記録をする。
【0061】
このログファイルは、顧客が汚染されていないラインからの物品であることを信頼することができるように、特定の試験管理体制が行なわれたという十分な確証を提供するために、所望のように検査されることができる。
【0062】
好ましい一実施の形態では、汚染の存在が注意され記録されるだけでなく、そのサイン(signature)も注意され記録される。このサインは、例えば、汚染物質の検出されたサイズと、形状と、検出信号の大きさと、の少なくとも1つを含むことができる。しばしば、このようなサインは、多次元アレイで配列された複数の独立データアイテムを処理するアルゴリズムに起因する。バーコードリーダ12は、試験サンプル1からデータを読み込み、これらのデータから、特定の試験サンプル1に関して予期されるサインが、例えば、このようなサインのアーカイブから、選択によって、決定される。試験サンプル1に関して実際に検出されたサインは、予期されるものと比較される。これらが予め設定された範囲内で一致しなければ、これは、記録されて、オペレータに通知される。
【0063】
これは、起こり得る過誤をなくす。システムが試験されているとき、汚染物質が明らかに検出されることを確実にするために、付加的な未検定の(unauthorised)汚染物質(例えば、コイン)が付加される。
【0064】
使用される特定の試験サンプル1の識別、これらの出所及びこれらの日付は、完全な検査の跡(行跡)が、一次基準(primary standard)に、又は独立した認証結果に帰するように構築されることを可能にする。また、これは、その時点での基準が使用されていることをチェックする(仕様の詳細は、変更されることができ、例えば、いくつかの異物試験体3が、所定の時間にわたって特性を変更し、規則的な取り替えを要求することができる)。
【0065】
以上に記載された装置5及びサンプル1は、既存の装置及びサンプルよりもはるかに信頼できて、故障せず作動するように設計された(極めて簡単に動かせる)(foolproof)汚染物質監視体制を与えることができる。
【0066】
本発明のさらなる実施の形態は、例えば、物品の質量、寸法又は組成をチェックするために、生産ライン上で使用される他の測定装置の正確な動作を試験するように設定されている。
【0067】
このような装置の使用の1つの例は、医薬品の調合である。タブレット、カプセル等は、有効分の正確な服用量を含むことが非常に重要である。このための1つの技術は、簡便的には、ディスクキャリア上で、ポケット又はモールドに粉末物質を分配(調剤)することである。各ポケット中の物質は、例えば、タブレット内に押されるか、カプセル内に運ばれるか、粉末吸入器に装填されることができる。X線装置が、運ばれた物質の質量を決定するために使用され、較正ディスクは、X線装置が正確に測定していることを確認するために設けられる。本発明では、バーコード等の識別は、較正ディスクに適用され、X線装置には、これらを読み取るためのスキャナが設けられている。そして、装置は、較正基準の質量を決定して、これがバーコードから読まれた同一性に対して予期される質量に(予め選択された範囲内で)相当することをチェックして、これらのデータを記録する。決定された質量が予め選択された限界範囲外にあるならば、オペレータが警告される。このログは、信頼できる較正及び品質管理体制が置かれていることを実証するために、保存される。
【0068】
他の例は、食品(食肉品のような、油脂含有量が通常特定されるか、「低脂肪の」スプレッド又はデザート)の油脂含有量の決定である。油脂含有量は、マイクロ波装置を使用して決定されることができる。上述のように、その結果の信頼性を確認するこの装置の較正をチェックすることが必要である。本発明では、所定の油脂含有量の試験基準が、装置に提示される。これらの基準は、各試験基準の所定の油脂含有量及び出所を記録するバーコードを付けている。この装置には、バーコードリーダが設けられている。このバーコードリーダは、提示された試験基準の同一性及び出所、基準のために決定されるべき予期される油脂含有量、及び実際に測定された油脂含有量を読み取り、記録する。測定された油脂含有量が、許される限界範囲よりも多く、予期された油脂含有量と異なるならば、オペレータに通知されて、装置は、再較正又は他のメンテナンスのために使用停止されるべきである。
【0069】
測定と監視との少なくとも一方のプロセスの他の形態は、測定/監視装置によって自動的に識別されることができる試験基準の使用から利益を得ると考えられる。例えば、水分含有量(含水量)は、しばしば、赤外線技術によって決定される。パッケージングシールは、しばしば、超音波技術によってチェックされ、既知のシールの欠陥を備えた基準パッケージを提示することによって試験されるべきである。従来のチェック秤量システムでさえも、これらが許容限界範囲内で、正確に較正されたまま留まっていることを確認するために、基準分銅で規則的に試験されるべきである。これらの全ての場合、及び他の多くの場合において、試験サンプル、サンプルの同一性、及びそのサンプルから予期される試験結果のバーコードから読み取るためにセットアップされて、バーコードリーダを与えることは有益である。
【0070】
本発明は、バーコード及び光学バーコードリーダに関して上に記載されているが、特に大量のサンプルデータが含まれている場合、RFID装置もまた有用であることができる。しかし、いくつかの場合には、RFID装置は、RFID装置がそれ自体汚染物質であるように思われる可能性があるか、検出技術がRFID装置を破損する可能性があるかのように、バーコードほど適切ではない可能性がある。
【0071】
試験サンプル及び基準に自動読み取り可能な識別手段を加えるアプローチは、例えば、視覚システムを利用する監視装置、又は検査システムの他の形態で、より広く適用可能であり得ると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ライン手段の測定と監視との少なくとも一方を果す装置を試験するように設定された試験サンプルであって、
予め選択された組成と、寸法と、質量と、の少なくとも1つの試験基準試験体手段と、
前記組成と、寸法と、質量と、の少なくとも1つに対応している機械読み取り可能な識別手段と、を具備する試験サンプル。
【請求項2】
前記試験基準手段は、汚染監視装置を試験するように設定された汚染物質試験体手段を有する請求項1の試験サンプル。
【請求項3】
前記試験基準手段は、重さ、サイズ又は組成のような、物品の特性を測定するための装置を試験するように設定された試験基準を有する請求項1の試験サンプル。
【請求項4】
前記生産ライン手段を通過する物品手段に装着されるように構成されている請求項1ないし3のいずれか1の試験サンプル。
【請求項5】
前記識別手段は、光センサ手段によって読み取り可能である請求項1ないし4のいずれか1の試験サンプル。
【請求項6】
前記識別手段は、バーコード手段を有する請求項1ないし5のいずれか1の試験サンプル。
【請求項7】
前記識別手段は、RFID(ラジオ周波数識別)タグ手段のような電子識別手段を有する請求項1ないし6のいずれか1の試験サンプル。
【請求項8】
生産ライン手段のための測定と監視との少なくとも一方を果す装置であって、
物品の特性を決定するための決定手段と、
前記特性の決定を報告するための報告手段と、
この装置の正確な動作を確認するために、この装置に提示された試験サンプル手段の識別手段を読み取るように構成された読み取り手段と、を具備する装置。
【請求項9】
汚染監視装置を有し、
前記物品の特性は、予め選択された汚染物質手段の有無を含む請求項8の装置。
【請求項10】
前記試験サンプル手段は、請求項1ないし7のいずれか1に規定されるような試験サンプルを有する請求項8又は9の装置。
【請求項11】
前記読み取り手段は、光学読み取り手段を有する請求項8ないし10のいずれか1の装置。
【請求項12】
前記読み取り手段は、バーコードリーダ手段を有する請求項11の装置。
【請求項13】
前記報告手段は、警報手段を有する請求項8ないし12のいずれか1の装置。
【請求項14】
前記報告手段は、電子ファイル手段のようなログ手段を有する請求項8ないし13のいずれか1の装置。
【請求項15】
前記ログ手段は、前記試験サンプル手段に対する物品の特性の決定の報告と関連して、この装置に提示された試験サンプル手段から読み取られるサンプルの同一性を記録するように構成されている請求項14の装置。
【請求項16】
試験サンプル手段の実際の物品の特性の決定の報告と、前記試験サンプル手段の予期される物品の特性の決定の報告とを比較するための比較手段を有する請求項8ないし15のいずれか1の装置。
【請求項17】
前記比較手段は、前記読み取り手段によって読み取られるような、前記試験サンプル手段の同一性に基づいて予期される物品の特性の決定の報告を利用する請求項16の装置。
【請求項18】
試験サンプル手段を提示するように、好ましくは、どの試験サンプルを提示すべきかをオペレータに通知するように構成された、オペレータに警告を出すための警報手段が設けられている請求項8ないし17のいずれか1の装置。
【請求項19】
生産ライン手段の測定と監視との少なくとも一方を果す装置の正確な動作を試験するための方法であって、
機械読み取り可能な識別手段を有する試験サンプル手段を与える工程と、
前記識別手段を読み取るための手段を有する測定と監視との少なくとも一方を果す装置を与える工程と、
前記装置に前記試験サンプル手段を提示する工程と、
前記試験サンプル手段に対する前記装置の応答を記録する工程と、
前記試験サンプル手段の同一性を決定するために、前記試験サンプル手段の前記識別手段を読み取る工程と、
前記応答に関連して前記サンプルの同一性を記録する工程と、を具備する方法。
【請求項20】
前記測定と監視との少なくとも一方を果す装置は、汚染監視装置を有する請求項19の方法。
【請求項21】
前記装置は、質量と、寸法と、組成と、の少なくとも1つのような物品の特性を測定するように構成されている請求項19の方法。
【請求項22】
前記識別手段は、バーコード手段を有する請求項19ないし21のいずれか1の方法。
【請求項23】
前記識別手段は、前記試験サンプル手段の少なくとも1つの特性に関するデータを含む請求項19ないし22のいずれか1の方法。
【請求項24】
前記識別手段は、前記試験サンプル手段に含まれる、又は前記試験サンプル手段によってシミュレーションされる汚染物質のタイプと、レベルと、サイズと、の少なくとも1つに関するデータを含む請求項19ないし23のいずれか1の方法。
【請求項25】
前記識別手段は、前記試験サンプル手段の出所に関するデータを含む請求項19ないし24のいずれか1の方法。
【請求項26】
前記記録する工程は、ログファイル手段に、好ましくは、電子ログファイル手段に記録をする請求項19ないし25のいずれか1の方法。
【請求項27】
予め選択された試験サンプル手段を提示するためのスケジュールを与える工程と、
提示された試験サンプルの前記識別手段と、前記スケジュールで予め選択されたものとを比較する工程と、を含む請求項19ないし26のいずれか1の方法。
【請求項28】
提示された試験サンプル手段に対する実際の装置の応答と、前記試験サンプル手段に対して予期される応答とを比較する工程を含む請求項19ないし27のいずれか1の方法。
【請求項29】
前記提示された試験サンプル手段の前記識別手段を読み取ることにより構築されるサンプルの同一性に基づいて、前記予期される検出の応答を決定する工程を含む請求項28の方法。
【請求項30】
前記汚染監視装置は、請求項8ないし18のいずれか1に規定されるような汚染監視装置を有する請求項19ないし29のいずれか1の方法。
【請求項31】
前記試験サンプル手段は、請求項1ないし7のいずれか1に規定されるような試験サンプルを有する請求項19ないし30のいずれか1の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公表番号】特表2011−520094(P2011−520094A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550263(P2010−550263)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000707
【国際公開番号】WO2009/112852
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(510247434)チェイニー・デザイン・アンド・ディベロップメント・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】