詰め替え品を備えた触媒燃焼式の香料拡散器
本発明は、気化されるべき液体を収容するリザーバ4であって、前記気化されるべき液体内に浸漬された第1端部及び該リザーバ4の外部にある第2端部を備えた芯材6を有するリザーバ4と、触媒式燃焼区域及び気化区域を備えた拡散ヘッド2とを具備する、揮発性材料の放出を許容する触媒式燃焼により物質を拡散させる拡散器において、前記拡散ヘッド2が前記芯材6の前記第2端部に対して着脱自在に接続されることを特徴とする拡散器に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒燃焼式拡散器の分野に関する。
より詳細には本発明は、空気中における特に香料若しくは香水、更には殺虫剤の拡散に適用される触媒式燃焼により物質を拡散する拡散器に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術、特に特許文献1は既に、香り付き燃料を収容する本体の吐出口部上に配設された触媒式拡散ヘッドを備えた拡散器を開示している。芯材の第1端部は拡散ヘッドに対して接続され、且つ、その第2端部は本体内に収容された香り付き燃料内に浸漬される。燃料は、芯材内を毛管現象により上昇し、孔性材料から形成された拡散ヘッドに浸み込む。拡散ヘッドにおける点火は、該拡散ヘッドに浸み込んだ香り付き燃料に点火する外部火炎により開始される。点火段階は、拡散ヘッド上の火炎の存在に対応する。火炎が一旦消されたなら、香水拡散器の機能は、拡散ヘッドの燃焼区域により引き起こされる触媒式燃焼により提供される。これが行われる理由は、これらの拡散器の拡散ヘッドの触媒式燃焼区域が一定量の例えば白金などの触媒を収容しているからである。火炎なしでの香り付き燃料の燃焼は触媒材料により行われ、この触媒式燃焼により発せられる熱によって、拡散ヘッドの気化区域であって触媒材料を欠くという気化区域における揮発による香水の拡散が可能となる。燃焼により本体内の燃料は減少されることから、本体内の負圧を回避することで拡散ヘッドに対する香り付き燃料の供給が不十分となることを回避するために、本体内に空気取入口を配備することが必要である。しかも、先行技術に係るこの拡散器を再充填するには、リザーバを満たすべく、拡散ヘッドと、該ヘッドが接続された芯材とを取り外す必要がある。この操作はユーザに対して火傷の恐れを呈する、と言うのも、拡散ヘッドは消火の後でさえも長時間に亘り高温のままだからである。
【0003】
拡散器の充填を促進するために、先行技術、特に特許文献2は、2つの開口を有するリザーバを備える拡散器を開示している。第1開口によって拡散ヘッドに接続された芯材の通過が可能となり、且つ、第2開口によって拡散器の充填が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】仏国特許発明第2530144号明細書
【特許文献2】欧州特許第1637169号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし先行技術の拡散器のリザーバが完全に空ではないとき、香料を変更すると、ユーザに対しては非常な問題が生じる。これが何故かと言えば、新たな香り付き燃料による一切の充填に先立ちリザーバを排液しても、各香料の混合に関連する一切の不都合を防止するには不十分だからである。使用される芯材は同一なので、それは古い香り付き燃料が浸み込んだままであり、各香料が混合する部位を構成し、古い香料が希釈されるまでは混合物の拡散を引き起こす。
【0006】
先行技術に係る拡散器はまた、比較的に短い寿命を有すると共に、経時的には、長期に亘る芯材の炭化に関する種々の機能的問題がある。
【0007】
更に、新たな燃料で再充填する場合、ユーザが不適切な燃料を使用することもあり、拡散器の可能的な故障若しくは劣化の原因となる。
【0008】
これに加え、先行技術の拡散器の充填は、それ自体が危ない操作である、と言うのも、燃料は引火性であることから、接触により火災、爆発、又は火傷の原因となり得るからである。これに加え、気化されるべき化学製品と皮膚が直接的に接触すると、ユーザに対する潜在的障害が引き起こされる。最後に、香り付き燃料が、該燃料に対して設計された拡散器の外部に載置され得るという事実によれば、換言すると、燃料に手が届くことによれば、偶発的な摂取の恐れがある。
【0009】
また先行技術に係る拡散器は、多くの火災の原因となる。これが何故かと言えば、機能している拡散器を転倒しただけで又は衝撃を加えただけで燃料が流出し、燃焼している拡散ヘッドにより点火され得るからである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、気化されるべき液体を収容するリザーバであって、前記気化されるべき液体内に浸漬された第1端部及び該リザーバの外部にある第2端部を備えた芯材を有するリザーバを具備する、揮発性材料の放出を可能にする触媒式燃焼により物質を拡散させる拡散器であって、触媒式燃焼区域及び気化区域から成る拡散ヘッドを更に具備する拡散器において、前記拡散ヘッドは前記芯材の前記第2端部に対して着脱自在に接続されるという拡散器を提案することにより、前記先行技術のこれらの欠点を克服することを意図する。
【0011】
好適には、前記芯材は前記リザーバに対する閉塞要素により該リザーバに対して固定して維持されることから、前記芯材は前記リザーバと単一片であり、且つ、気化されるべき前記液体には手が届かない。故にこの組立体は、ユーザに対する火傷を引き起こす火炎の恐れを呈さない。
【0012】
これに加え、前記芯材の少なくとも前記第2端部は、該芯材が前記拡散器の前記拡散ヘッドに容易に挿入されるように該芯材を補強する手段を備える。
【0013】
好適には、前記リザーバ、前記閉塞要素、前記芯材、及び、該芯材を補強する前記手段は、詰め替え品を構成すべく取り外せないように組立てられる。故に、前記拡散器が詰め替えられるべきとき、ユーザは燃料に対してもはや直接接触を行わず、単に前記詰め替え品を交換するだけである。この詰め替え品によれば、危険性なしで前記拡散器が迅速に充填され得る。
【0014】
本発明の別実施例によれば、前記拡散ヘッドはハウジングにより少なくとも部分的に、前記芯材の前記第2端部に対して近接して又は該第2端部上に保持される。好適には前記ハウジングは、前記リザーバを一切の衝撃から保護する保護ハウジングである。
【0015】
好適には前記ハウジングは、前記拡散ヘッドを着脱自在に保持する支持要素を具備する。その場合、前記拡散器の残部を維持しながら、前記拡散ヘッドは交換され得る。前記支持要素は、前記芯材を通過させる貫通孔を具備する。この貫通孔は、前記詰め替え品が挿入されるときに前記拡散ヘッドと前記芯材の頂端部との間の直接接触を提供し、拡散を向上させる。
【0016】
本発明の変更例によれば、前記ハウジングは、前記詰め替え品を収容することが意図された本体を具備し、前記支持要素及び前記本体は単一片の組立体を形成する。前記本体は、その底部において、前記リザーバの挿入を可能にする開口を備える。
【0017】
別の変更例によれば、前記本体は、その頂部において、前記リザーバの挿入を可能にする開口を備える。
【0018】
好適には、前記拡散器は、外側の有孔要素に関して内側の有孔要素を回転することにより閉塞され得る貫通孔を有する有孔カバーを具備する。前記拡散ヘッドは、該拡散ヘッドの点火炎の強度を調整する調節可能な火炎減少器を備え得る。
【0019】
更に、前記詰め替え品は、格納位置において前記液体が気化されることを防止すべく前記芯材の少なくとも前記第2端部を覆うストッパを備える。
【0020】
本発明は、説明目的のためにのみ以下に与えられる添付図面を参照した本発明の実施例の説明の助力により、より良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】拡散器の第1実施形態の垂直断面図である。
【図2】拡散器の第1実施形態における詰め替え品の垂直断面図である。
【図3】拡散器の第1実施形態におけるリザーバを閉塞する手段の第1変更例の垂直断面図である。
【図4】拡散器の第1実施形態におけるリザーバを閉塞する手段の第2変更例の垂直断面図である。
【図5】本発明に係る拡散器の芯材の第1実施形態の垂直断面図である。
【図6】本発明に係る拡散器の芯材の第2実施形態の垂直断面図である。
【図7A】拡散器の第1実施形態の第1変更例の分解垂直断面図である。
【図7B】拡散器の第1実施形態におけるカバーの変更例を示す図である。
【図8】拡散器の第1実施形態の第1変更例の垂直断面図である。
【図9】拡散器の第1実施形態の第2変更例の分解垂直断面図である。
【図10】拡散器の第1実施形態の第2変更例の垂直断面図である。
【図11】拡散器の第1実施形態における拡散ヘッドの支持要素の垂直断面図である。
【図12】拡散器の第1実施形態における拡散ヘッドの支持要素の平面図である。
【図13】拡散器の第1実施形態における火炎減少器を備えた拡散ヘッドの分解図である。
【図14】拡散器の第1実施形態における火炎減少器を備えた拡散ヘッドの垂直斜視断面図である。
【図15A】拡散器の第1実施形態の頂部の分解断面図である。
【図15B】拡散器の第1実施形態の頂部の断面図である。
【図16】カバーを備えた拡散器の分解前面図である。
【図17】有孔取付け部材を備えた拡散器の分解前面図である。
【図18】拡散器の第2実施形態の詰め替え品の垂直断面図である。
【図19】拡散器の第2実施形態の分解図である。
【図20】拡散器の第2実施形態の頂部の垂直断面図である。
【図21】詰め替え品を外した拡散器の第2実施形態の頂部の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下において拡散器の記述は、拡散ヘッドを頂部位置とした垂直な非作動若しくは作動位置における配向に関して行われる。
【0023】
本発明に係る拡散器は、拡散ヘッド2及び詰め替え品3に対するハウジング1から成る(図1参照)。このハウジング1は、拡散ヘッド2及び詰め替え品3の両者を支持することで、それらを相互に接近させて保持する。上記ハウジング1は、本体1aと、拡散ヘッド2に対して直接的に接触し基部と称される支持要素1bとで構成される。
【0024】
第1実施形態によれば詰め替え品3(図2)は、リザーバ4、該リザーバを閉塞すべくシール5により形成される手段、芯材6、及び、格納ストッパ7の4個の要素から成る。
【0025】
ストッパ7は、一切の使用の前に、特に詰め替え品3aの保存の間において、該詰め替え品3aの頂部、特に芯材6を保護する。ストッパ7はリザーバ4の吐出口部8に対し、螺着若しくは掛止手段7a及び8bにより固定される。
【0026】
リザーバ4は、異なる形状を有する異なる容量で利用可能である。該リザーバを設計する材料は、使用される香り付き燃料に対して化学的に不活性である任意の種類の材料であって、衝撃に耐えることにより上記拡散器の落下若しくは衝撃に伴うリザーバ4上の上記シールの一切の破損を回避するという任意の種類の材料に対応する。選択される材料はまた、拡散ヘッド2からリザーバ4に対して熱伝導により伝えられる最高の熱である約60℃の温度に対する耐性も提供する。上記リザーバは好適には、PET若しくはアルミニウムから成る。
【0027】
シール5は二重の用途を有しており、それは、香り付き燃料をリザーバ4内に密封して局限することにより詰め替え品3aの液密性を確実とし、且つ、芯材6をリザーバ4の吐出口部8に固定して維持することにより該芯材に対する支持要素の役割を果たしている。シール5は、吐出口部8の形状を採用して、該吐出口部に挿入される。シール5は、使用される香り付き燃料に対して化学的に不活性であり且つ火炎に耐える材料から設計される。
【0028】
図3に示されたシール5の第1変更例によれば、シール5aは約1mmの高さを備えた直径D2のショルダ9を有する。ショルダ9は吐出口部8に当接することから、シール5aが装着されたときに該シールがリザーバ4内へと押圧されることを防止する。
【0029】
シール5aの直径D1は、吐出口部8に挿入されるべき該シール5aの部分の直径に対応する。この直径D1は、それが吐出口部8に対して圧力嵌めされるように、該吐出口部8の内径に従い決定される。
【0030】
シール5aの高さH1は、該シール5aの液密性と芯材6の保持とを確実とするに十分なものである。シール5aは、自身を貫通する2つの垂直な貫通孔10a及び11を有している。第1の貫通孔10aは、シール5aを貫通通過する芯材6の直径に対して決定された直径D3を有することから、固定は堅固であり且つ不浸透性である。第2の貫通孔11は、上記拡散器の正しい機能に必要な空気取入口に対応する。第2の貫通孔11の直径は、約0.5〜1mmである。この第1実施形態のシール5aにおいて、拡散ヘッド2に対する支持部、すなわち基部1bは、シール5aの表面に配置される。
【0031】
図4に示されたシール5の第2変更例によれば、内側裾部を備えた基部が、特に貫通孔10bの直径D4の部分に少なくとも部分的に進入することによりシール5bと協働するように、該シール5bは、高さH2及び直径D4に亘り当該貫通孔の頂部にて拡開された貫通孔10bを有している。リザーバ4の吐出口部8は、シール5bが吐出口部8内に一旦挿入されたならば引抜くことを困難とするために該シール5bのショルダ9を覆うリング8aを備え得る。
【0032】
シール5、5a、5bの貫通孔11及び芯材6の端部は、上記リザーバの内部体積と外部との間の流体連通手段を構成することで、詰め替え品3aが使用されないときに燃料の揮発を促進する。上記リザーバの頂部に対してストッパ7を固定すると、詰め替え品3aが保存されるときに該詰め替え品の全体的な液密性を実現することが可能となり、該ストッパ7は詰め替え品3aをハウジング1に嵌合し得るべく取り外される。
【0033】
詰め替え品3aの別の変更例において、上記リザーバの空気取入口は、シール5、5a、5bにおける貫通孔11によるのではなく、リザーバ4の壁部に載置された(不図示の)貫通孔により達成され得る。
【0034】
本発明に係るリザーバ4の芯材6は、該リザーバ4、シール5、5a、5b及び芯材6から成る組立体が詰め替え品3aを構成し得る密封された組立体を形成するように、該リザーバ4に対して固定される。
【0035】
芯材6を作製するために使用される材料は、毛管現象により香り付き燃料を吸収して移送する良好な特性を有する。
【0036】
芯材6は、シール5、5a、5bによるリザーバ4に対する該芯材の固定と、拡散ヘッド2に対して香り付き燃料を供給するために該拡散ヘッドにおける該芯材の装着とを促進すべく、少なくとも、シール5、5a、5bに含まれる部分と、上記詰め替え品の外部となる該芯材の端部とにおいて、堅固な構造を形成する。
【0037】
図5に示された芯材6の実施例は、該芯材6を補強する手段であってこの実施例によるとセラミック・スリーブ6bにより形成されるという手段内へと押圧される織物芯材6aから成る。高さH3のスリーブ6bは、シール5を貫通通過してリザーバ4の外部にあることが意図される織物芯材6aの端部を囲繞する。
【0038】
スリーブ6bの管材の高さH3は、密封封止を可能にするシール5若しくは同等物の高さだけでなく、拡散ヘッド2の位置決めのために必要とされる上記管材の出現高さ、及び、必要とされる香り付き燃料の供給に対する調整レベルにも従って決定される。リザーバ4の外部に載置された織物芯材6aの端部を囲繞するセラミック・スリーブ6bによって、拡散ヘッド2において毛管現象により移動する香り付き燃料の量の調整が可能となる。
【0039】
これが何故かと言えば、セラミック・スリーブ6bを使用することによって、減少直径D7の織物芯材6aの使用が可能となると共に、これに対応して吸収能力が減少するからである。
【0040】
織物芯材6aの直径D7及びセラミック・スリーブ6bの内径D6は、所望の拡散と、使用される拡散ヘッド2の寸法とに従い決定される。セラミック・スリーブ6bの外径D5は、厚みE1に依存することから、該スリーブ6bの良好な機械的強度のために必要とされて使用される材料に依存する。外径D5はシール5の貫通孔10の直径D3と直接的に関係しており、図5を参照されたい。
【0041】
セラミック・スリーブ6b用に使用されるセラミックは、香り付き燃料を芯材6から拡散ヘッド2へと移送するに十分な多孔性及び吸収能力を有し、カオリナイト、ステアタイト又はコーディエライトの如き孔性材料である。
【0042】
芯材6を補強する上記手段は図6に示されたセラミック管材6cとされ得、該管材6cは、拡散ヘッド2に対する香り付き燃料の移送が織物芯材6aと該セラミック管材6cとの両者により確実とされるように、両端部にて開放されている。この差違は拡散ヘッド2の機能に関して何らの実質的な影響を有さない、と言うのも、セラミック管材6cは主として、織物芯材6aをシール5内に且つ拡散ヘッド2を芯材6上に位置決めする役割を果たすからである。
【0043】
セラミック管材6cは、熱応力及び機械的応力を満足するに必要な特性を有する非孔性材料により作製され得る。これらの条件下で、拡散ヘッド2に対して香り付き燃料の移動を実現するのは織物芯材6aであり、且つ、移送損失の制限、並びに、芯材6に対する拡散ヘッド2の装着は、使用されるセラミック管材6cの形状に依存する。
【0044】
本発明によって、(不図示の)孔性セラミックで全体的に作成された芯材6の使用が可能となる。
【0045】
詰め替え品3aは拡散ヘッド2を備えたハウジング1内に配置され、このハウジング1は、触媒式香水拡散器の組立てを可能にする装飾的な本体1a及び基部1bを有する。本体1a内への詰め替え品3aの導入は、2つのよう式に従い企図され得る。
【0046】
図7A及び図8に示されたハウジング1の第1変更例において、詰め替え品3aは本体13の頂部を通して導入される。本体13は底部13a及び側壁13bを備え、該側壁の頂縁部は、本体13内への詰め替え品3aの導入を可能にすることが意図される開口13cを画成する。詰め替え品3aの導入の後、開口13cは部分的にカバー12により閉塞される。カバー12はその中央に、詰め替え品3aの吐出口部8の通過を可能にする貫通孔12aを有する。上記拡散器の基部1bは、吐出口部8を覆い隠すべく該吐出口部8上に部分的に着座され、且つ、カバー12における貫通孔12aの縁部に部分的に着座させられる。
【0047】
カバー12は、壁部同士を当接させて基部1bに装着されるか、又は、例えば螺着若しくは掛止手段又は突起部の如き任意の固定手段により該基部に対して固定され得る。
【0048】
別体的な蓋体12及び基部1bを配備することを回避するために、これらの2つの部材を、カバー12bを形成する単一の部材で作製することが可能である(図7Bを参照)。
【0049】
カバー12b及び基部1bに対する設計材料は、香り付き燃料の蒸気に関する酸化、並びに、熱に対して耐えるべきであり、特にこれらの2つの構成要素は火炎に耐えねばならない。
【0050】
ハウジング1の第2変更例は、図9及び図10に示されると共に、本体14の底部を貫通して詰め替え品3aを導入することを可能とする。本体14は側壁14bを有し、その頂縁部は頂部開口15を画成する。側壁14bの頂部の自由縁部は、上記拡散器の基部1bを支持することが意図される径方向膨張部14cを備えている。本体14は、側壁14bの自由縁部により輪郭形成された底部開口16であって、詰め替え品3aがハウジング1内に挿入されるときに該詰め替え品の通過を可能にすることを意図する底部開口16を備えている。
【0051】
詰め替え品3aの挿入の後で本体14における開口16を閉塞するために、取外し可能なベースプレート14aが配備される。ベースプレート14aは、壁部同士を当接させて本体14に装着されるか、又は、例えば螺着若しくは掛止手段又は突起部の如き任意の固定手段により該本体に対して固定され得る。
【0052】
頂部開口15によって、詰め替え品3aの吐出口部8の通過が可能となる。基部1bは、吐出口部8上に部分的に、且つ、本体14の径方向膨張部14cの自由縁部上に部分的に着座する。
【0053】
上記拡散器の本体1a、13a及び14の設計材料の選択肢は非常に広範囲である、と言うのも、香り付き燃料との接触が無く、該本体は非常に僅かな熱応力のみに遭遇するからである。
【0054】
図11及び図12に示された基部1bはその頂面上に、直径が約1mmである非常に小径の第1孔17であって、シール5における貫通孔11に臨むべく配置されることでリザーバ4の内部体積と外部雰囲気との間の流体連通を確実とすることが意図された第1孔17を有している。これが何故かと言えば、この孔17が無いと、基部1bの壁部がシール5における貫通孔11を閉塞するからである。第2開口18によって、基部1bを通る芯材6の通過と、拡散ヘッド2の固定とが可能となる。シール5、5a又は5bに貫通孔11が無ければ、孔17が不要なことは理解される。
【0055】
基部1b上に設けられたショルダ19は、上記拡散器の本体1a、13a若しくは14における開口の隠蔽、及び、有孔取付け部材20の固定の両方の役割を果たす(図17を参照)。基部1b上に有孔取付け部材20を付加すると、上記拡散器が転倒した場合、高温の拡散ヘッドが、熱に敏感な外部材料に接触することが防止される。
【0056】
空気取入れの孔は、詰め替え品3a上における空気取入れの位置に依存し、上記拡散器の基部1b、又は、本体1a、13a若しくは14の他の部分に配備され得る。基部1bはその頂部にて全体的に開放されることで、詰め替え品3aの吐出口部8の頂面を視認可能とし得る。
【0057】
上記拡散器が上記記述に従い一旦組み付けられたなら、拡散ヘッド2を芯材6上に配置するだけで十分である。
【0058】
煙の放出を防止するためには、一旦装着されたならば拡散ヘッド2は芯材6に接触しないように配置するだけで十分である。加熱系統により伝達される拡散ヘッド2の熱は、芯材6から該拡散ヘッド2への香り付き燃料の揮発にとって十分である。高温の触媒材料と接触する香り付き燃料の蒸気は、消費されて触媒式燃焼を開始させる。
【0059】
拡散ヘッド2上には火炎減少器21が配備されることで、点火炎の制御が可能となる(図13a及び図14を参照)。火炎減少器21は、拡散ヘッド2に対して固定され得るか又は拡散ヘッド2と共に単一片の組立体を形成し得る独立的構造を構成する。
【0060】
火炎減少器21は拡散ヘッド2を囲繞し、複数の孔6が貫通する管材で構成される(図13a及び図14を参照)。孔6の存在は、拡散ヘッド2に対して空気取入口を制御することにより点火炎に作用する一方、拡散ヘッド2の全ての領域に亘る香り付き燃料の良好な燃焼及び拡散を可能にする。
【0061】
この形式の拡散器に対しては、(不図示の)非常に細かい格子又は貫通孔のない管材の形態の火炎減少器が想起され得る。
【0062】
火炎減少器21の直径及び高さは、点火炎を制御する要素である。故に、選択された火炎減少器21の寸法、及び、孔の有無により、点火炎及び香水拡散の特性は異なる。
【0063】
拡散ヘッド2は、触媒式燃焼を提供する白金の如き貴金属から成る燃焼区域2aと、貴金属を欠く気化区域2bとから構成される(図13a及び図14)。
【0064】
火炎減少器21は基部1bの開口18に嵌合することが意図された底部裾部22を備えることから、基部1bは、火炎減少器21、及び、それに組み合わされた拡散ヘッド2を支持する。
【0065】
シール5と基部1bとの間に存在する空間23aは、火炎減少器21を保持するための装着の十分な深度、及び、上記材料の熱伝導に対するシール5の保護の両方を付与する、と言うのも、空気は良好な断熱材だからである(図15A及び図15Bを参照)。拡散ヘッド2は、自身の内側に対する芯材6の頂端部の嵌合を可能にする内部キャビティ24を有している。拡散ヘッド2が芯材6の頂端部上に載置された後、該芯材6の該頂端部と拡散ヘッド2との間には空間25が提供され得る。この空間25内における空気の存在によれば、炭化による芯材6の尚早な摩耗が防止され、拡散ヘッド2に対する液状の香り付き燃料の拡散が制限され、且つ、揮発による香り付き燃料の拡散が促進される。これが何故かと言えば、拡散ヘッド2における芯材6の貫通のレベルは、香り付き燃料の拡散の制御を可能とする要因だからである。
【0066】
上記拡散器は、基部1bに嵌合し且つ特に該基部1bのショルダ19により支持され得るストッパ26及び有孔取付け部材20を備えている(図16及び図17を参照)。ストッパ26(図16参照)によれば、それが上記拡散器に対して固定されたときに該拡散器から一切の酸素を奪うことにより、拡散ヘッド2における燃焼を停止させることが可能とされる。
【0067】
詰め替え品3aをハウジング1内に挿入するためには、該詰め替え品3aを格納するストッパ7が取り外されねばならない。すると、拡散段階同士の間において、詰め替え品3aに収容された燃料は芯材6とシール5における貫通孔9とを通して揮発することがある。但し、拡散段階同士の間における燃料の揮発は、詰め替え品3aがハウジング1内に挿入されたときに上記拡散器のストッパ26を装着して該詰め替え品のシール閉塞を提供することにより、防止され得る。
【0068】
有孔取付け部材20(図17参照)は、上記拡散器が使用されるときに基部1bに対して固定されて拡散ヘッド2を保護する装飾要素である。基部1bに対して固定されることにより、有孔取付け部材20は、高温の拡散ヘッド2を、上記拡散器の外部の材料から遮断する付加的な安全要素を形成する。
【0069】
上記拡散器の第2実施形態に係る詰め替え品3b(図18参照)は、リザーバ27と、該リザーバを閉塞すべくバルブ・カップ28により形成された手段と、織物芯材29と、該芯材29を補強する手段と、格納ストッパ31とから構成される。
【0070】
リザーバ27は、熱の衝撃に耐える材料から成ると共に、香り付き燃料に対しても不活性である。基壁部27a及び側壁27bから構成されることで、リザーバ27は、側壁27bの自由縁部上に形成されたネック33により境界付けられた開口32を備える。
【0071】
バルブ・カップ28は、リザーバ27を閉塞すべく開口32にて該バルブ・カップ28の捲縮を可能にすることが意図された横方向カラー28aを備えている。バルブ・カップ28はその中央にて、リング28cを備えた貫通孔28bを有し、該貫通孔28bは上記芯材29の通過を可能にすることが意図される。
【0072】
芯材29は、織物材料、好適には綿から形成される。芯材29の第1端部29aは、リザーバ27内に載置されて燃料に浸漬されると共に、第2端部29bは上記リザーバの外部にある。芯材29は、バルブ・カップ28における貫通孔28bを通り、該バルブ・カップ上に保持される。
【0073】
織物芯材29の第2端部29bは、緊密に保持されるべく又は上記拡散器の上記拡散ヘッドに含まれるべく十分に堅固であることから、それは、この実施例においては芯材取付け部材30である補強手段内に把持される。
【0074】
芯材取付け部材30は、熱に対して非常に強い材料、好適には金属材料で構成される。有孔構造を有することにより、芯材取付け部材30は二群の突起部34を備えている。リザーバ27上に自身が捲縮されたバルブ・カップ28上に芯材29を固定して維持するために、芯材取付け部材30の各アーム30aは、バルブ・カップ28のリング28cの頂端部及び底端部に弾性係止することが意図された2本の突起部34を備えている。この故に、詰め替え品3b内の燃料に手が届かず、該詰め替え品3bは開かれ得ない。
【0075】
詰め替え品3bのストッパ31は、該詰め替え品3bの保存の間における燃料の一切の揮発を防止すべく、芯材29の密封遮断を行う内側裾部31aにより、芯材取付け部材30に嵌合する。
【0076】
詰め替え品3bは、格納ストッパ31の取り外しの後でハウジング1内に挿入される。
【0077】
ハウジング1は、詰め替え品3bのリザーバ27が挿入される本体1aを備えている。該本体1aは、円周リング36により境界付けられる貫通孔を自身の中央部分に有するカバー35を備えている。円周リング36は、拡散ヘッド38に対する支持要素として作用する。これが何故かと言えば、拡散ヘッド38は、一切の側方移動を防止する円周リング36内に挿入されるからである。詰め替え品3bが存在すると、拡散ヘッド38の底部は該詰め替え品3bの芯材29の頂端部に着座する。変更例において拡散ヘッド38は、詰め替え品3bのカバーのリング28cの自由縁部に着座する(不図示)。
【0078】
カバー35の変更例は、上記拡散器内に詰め替え品3bが不在であるときに上記拡散ヘッドを支持するショルダ39を自身の自由端部に備えたリング36に対する底部延長部37を備えている(図21を参照)。
【0079】
リング36には、該リング36の自由縁部からその基部まで延在する2本の螺旋溝39が刳り抜かれている。上記拡散ヘッドとカバー35のリング36との間においては、火炎減少器40が摺動する。火炎減少器40は、孔40aと、該火炎減少器40を回転するとその垂直な平行移動が引き起こされるように、溝39に沿い摺動することが意図された2本の突起部40bとを備えている。
【0080】
故に、拡散ヘッド38に従い火炎減少器40の高さを調整することにより、ユーザは点火炎の強度を減少させ得る。
【0081】
詰め替え品3bを固定化すべく、且つ、本体1a上へのカバー35の良好な固定を保証すべく、該カバー35と本体1aとの間にはシール41が配備され得る。
【0082】
上記拡散器はまた、燃焼を停止させるためのカバー、及び、拡散ヘッド38に対するユーザの一切の接触を防止するための有孔取付け部材の両方の役割を果たすカバー42も備えている。
【0083】
カバー42はリング36に沿い摺動し、該リング上に掛止具の如き固定手段により保持される。カバー42は、一方が他方内に挿入された2つの有孔要素43及び44で構成される。内側の有孔要素43は、各有孔要素43及び44における貫通孔をオフセットさせるべく該有孔要素43が外側の有孔要素44に対して回転駆動されることを可能とする舌部43aを備えている。カバー42における各貫通孔を遮断することにより、ユーザは、一切の空気取入を防止することで拡散ヘッド38における燃焼を停止させ得る。
【0084】
本発明は、例示的にのみ上述された。当業者であれば、本発明の範囲から何ら逸脱せずに、本発明の種々の変更例を実現し得る立場に在る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒燃焼式拡散器の分野に関する。
より詳細には本発明は、空気中における特に香料若しくは香水、更には殺虫剤の拡散に適用される触媒式燃焼により物質を拡散する拡散器に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術、特に特許文献1は既に、香り付き燃料を収容する本体の吐出口部上に配設された触媒式拡散ヘッドを備えた拡散器を開示している。芯材の第1端部は拡散ヘッドに対して接続され、且つ、その第2端部は本体内に収容された香り付き燃料内に浸漬される。燃料は、芯材内を毛管現象により上昇し、孔性材料から形成された拡散ヘッドに浸み込む。拡散ヘッドにおける点火は、該拡散ヘッドに浸み込んだ香り付き燃料に点火する外部火炎により開始される。点火段階は、拡散ヘッド上の火炎の存在に対応する。火炎が一旦消されたなら、香水拡散器の機能は、拡散ヘッドの燃焼区域により引き起こされる触媒式燃焼により提供される。これが行われる理由は、これらの拡散器の拡散ヘッドの触媒式燃焼区域が一定量の例えば白金などの触媒を収容しているからである。火炎なしでの香り付き燃料の燃焼は触媒材料により行われ、この触媒式燃焼により発せられる熱によって、拡散ヘッドの気化区域であって触媒材料を欠くという気化区域における揮発による香水の拡散が可能となる。燃焼により本体内の燃料は減少されることから、本体内の負圧を回避することで拡散ヘッドに対する香り付き燃料の供給が不十分となることを回避するために、本体内に空気取入口を配備することが必要である。しかも、先行技術に係るこの拡散器を再充填するには、リザーバを満たすべく、拡散ヘッドと、該ヘッドが接続された芯材とを取り外す必要がある。この操作はユーザに対して火傷の恐れを呈する、と言うのも、拡散ヘッドは消火の後でさえも長時間に亘り高温のままだからである。
【0003】
拡散器の充填を促進するために、先行技術、特に特許文献2は、2つの開口を有するリザーバを備える拡散器を開示している。第1開口によって拡散ヘッドに接続された芯材の通過が可能となり、且つ、第2開口によって拡散器の充填が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】仏国特許発明第2530144号明細書
【特許文献2】欧州特許第1637169号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし先行技術の拡散器のリザーバが完全に空ではないとき、香料を変更すると、ユーザに対しては非常な問題が生じる。これが何故かと言えば、新たな香り付き燃料による一切の充填に先立ちリザーバを排液しても、各香料の混合に関連する一切の不都合を防止するには不十分だからである。使用される芯材は同一なので、それは古い香り付き燃料が浸み込んだままであり、各香料が混合する部位を構成し、古い香料が希釈されるまでは混合物の拡散を引き起こす。
【0006】
先行技術に係る拡散器はまた、比較的に短い寿命を有すると共に、経時的には、長期に亘る芯材の炭化に関する種々の機能的問題がある。
【0007】
更に、新たな燃料で再充填する場合、ユーザが不適切な燃料を使用することもあり、拡散器の可能的な故障若しくは劣化の原因となる。
【0008】
これに加え、先行技術の拡散器の充填は、それ自体が危ない操作である、と言うのも、燃料は引火性であることから、接触により火災、爆発、又は火傷の原因となり得るからである。これに加え、気化されるべき化学製品と皮膚が直接的に接触すると、ユーザに対する潜在的障害が引き起こされる。最後に、香り付き燃料が、該燃料に対して設計された拡散器の外部に載置され得るという事実によれば、換言すると、燃料に手が届くことによれば、偶発的な摂取の恐れがある。
【0009】
また先行技術に係る拡散器は、多くの火災の原因となる。これが何故かと言えば、機能している拡散器を転倒しただけで又は衝撃を加えただけで燃料が流出し、燃焼している拡散ヘッドにより点火され得るからである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、気化されるべき液体を収容するリザーバであって、前記気化されるべき液体内に浸漬された第1端部及び該リザーバの外部にある第2端部を備えた芯材を有するリザーバを具備する、揮発性材料の放出を可能にする触媒式燃焼により物質を拡散させる拡散器であって、触媒式燃焼区域及び気化区域から成る拡散ヘッドを更に具備する拡散器において、前記拡散ヘッドは前記芯材の前記第2端部に対して着脱自在に接続されるという拡散器を提案することにより、前記先行技術のこれらの欠点を克服することを意図する。
【0011】
好適には、前記芯材は前記リザーバに対する閉塞要素により該リザーバに対して固定して維持されることから、前記芯材は前記リザーバと単一片であり、且つ、気化されるべき前記液体には手が届かない。故にこの組立体は、ユーザに対する火傷を引き起こす火炎の恐れを呈さない。
【0012】
これに加え、前記芯材の少なくとも前記第2端部は、該芯材が前記拡散器の前記拡散ヘッドに容易に挿入されるように該芯材を補強する手段を備える。
【0013】
好適には、前記リザーバ、前記閉塞要素、前記芯材、及び、該芯材を補強する前記手段は、詰め替え品を構成すべく取り外せないように組立てられる。故に、前記拡散器が詰め替えられるべきとき、ユーザは燃料に対してもはや直接接触を行わず、単に前記詰め替え品を交換するだけである。この詰め替え品によれば、危険性なしで前記拡散器が迅速に充填され得る。
【0014】
本発明の別実施例によれば、前記拡散ヘッドはハウジングにより少なくとも部分的に、前記芯材の前記第2端部に対して近接して又は該第2端部上に保持される。好適には前記ハウジングは、前記リザーバを一切の衝撃から保護する保護ハウジングである。
【0015】
好適には前記ハウジングは、前記拡散ヘッドを着脱自在に保持する支持要素を具備する。その場合、前記拡散器の残部を維持しながら、前記拡散ヘッドは交換され得る。前記支持要素は、前記芯材を通過させる貫通孔を具備する。この貫通孔は、前記詰め替え品が挿入されるときに前記拡散ヘッドと前記芯材の頂端部との間の直接接触を提供し、拡散を向上させる。
【0016】
本発明の変更例によれば、前記ハウジングは、前記詰め替え品を収容することが意図された本体を具備し、前記支持要素及び前記本体は単一片の組立体を形成する。前記本体は、その底部において、前記リザーバの挿入を可能にする開口を備える。
【0017】
別の変更例によれば、前記本体は、その頂部において、前記リザーバの挿入を可能にする開口を備える。
【0018】
好適には、前記拡散器は、外側の有孔要素に関して内側の有孔要素を回転することにより閉塞され得る貫通孔を有する有孔カバーを具備する。前記拡散ヘッドは、該拡散ヘッドの点火炎の強度を調整する調節可能な火炎減少器を備え得る。
【0019】
更に、前記詰め替え品は、格納位置において前記液体が気化されることを防止すべく前記芯材の少なくとも前記第2端部を覆うストッパを備える。
【0020】
本発明は、説明目的のためにのみ以下に与えられる添付図面を参照した本発明の実施例の説明の助力により、より良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】拡散器の第1実施形態の垂直断面図である。
【図2】拡散器の第1実施形態における詰め替え品の垂直断面図である。
【図3】拡散器の第1実施形態におけるリザーバを閉塞する手段の第1変更例の垂直断面図である。
【図4】拡散器の第1実施形態におけるリザーバを閉塞する手段の第2変更例の垂直断面図である。
【図5】本発明に係る拡散器の芯材の第1実施形態の垂直断面図である。
【図6】本発明に係る拡散器の芯材の第2実施形態の垂直断面図である。
【図7A】拡散器の第1実施形態の第1変更例の分解垂直断面図である。
【図7B】拡散器の第1実施形態におけるカバーの変更例を示す図である。
【図8】拡散器の第1実施形態の第1変更例の垂直断面図である。
【図9】拡散器の第1実施形態の第2変更例の分解垂直断面図である。
【図10】拡散器の第1実施形態の第2変更例の垂直断面図である。
【図11】拡散器の第1実施形態における拡散ヘッドの支持要素の垂直断面図である。
【図12】拡散器の第1実施形態における拡散ヘッドの支持要素の平面図である。
【図13】拡散器の第1実施形態における火炎減少器を備えた拡散ヘッドの分解図である。
【図14】拡散器の第1実施形態における火炎減少器を備えた拡散ヘッドの垂直斜視断面図である。
【図15A】拡散器の第1実施形態の頂部の分解断面図である。
【図15B】拡散器の第1実施形態の頂部の断面図である。
【図16】カバーを備えた拡散器の分解前面図である。
【図17】有孔取付け部材を備えた拡散器の分解前面図である。
【図18】拡散器の第2実施形態の詰め替え品の垂直断面図である。
【図19】拡散器の第2実施形態の分解図である。
【図20】拡散器の第2実施形態の頂部の垂直断面図である。
【図21】詰め替え品を外した拡散器の第2実施形態の頂部の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下において拡散器の記述は、拡散ヘッドを頂部位置とした垂直な非作動若しくは作動位置における配向に関して行われる。
【0023】
本発明に係る拡散器は、拡散ヘッド2及び詰め替え品3に対するハウジング1から成る(図1参照)。このハウジング1は、拡散ヘッド2及び詰め替え品3の両者を支持することで、それらを相互に接近させて保持する。上記ハウジング1は、本体1aと、拡散ヘッド2に対して直接的に接触し基部と称される支持要素1bとで構成される。
【0024】
第1実施形態によれば詰め替え品3(図2)は、リザーバ4、該リザーバを閉塞すべくシール5により形成される手段、芯材6、及び、格納ストッパ7の4個の要素から成る。
【0025】
ストッパ7は、一切の使用の前に、特に詰め替え品3aの保存の間において、該詰め替え品3aの頂部、特に芯材6を保護する。ストッパ7はリザーバ4の吐出口部8に対し、螺着若しくは掛止手段7a及び8bにより固定される。
【0026】
リザーバ4は、異なる形状を有する異なる容量で利用可能である。該リザーバを設計する材料は、使用される香り付き燃料に対して化学的に不活性である任意の種類の材料であって、衝撃に耐えることにより上記拡散器の落下若しくは衝撃に伴うリザーバ4上の上記シールの一切の破損を回避するという任意の種類の材料に対応する。選択される材料はまた、拡散ヘッド2からリザーバ4に対して熱伝導により伝えられる最高の熱である約60℃の温度に対する耐性も提供する。上記リザーバは好適には、PET若しくはアルミニウムから成る。
【0027】
シール5は二重の用途を有しており、それは、香り付き燃料をリザーバ4内に密封して局限することにより詰め替え品3aの液密性を確実とし、且つ、芯材6をリザーバ4の吐出口部8に固定して維持することにより該芯材に対する支持要素の役割を果たしている。シール5は、吐出口部8の形状を採用して、該吐出口部に挿入される。シール5は、使用される香り付き燃料に対して化学的に不活性であり且つ火炎に耐える材料から設計される。
【0028】
図3に示されたシール5の第1変更例によれば、シール5aは約1mmの高さを備えた直径D2のショルダ9を有する。ショルダ9は吐出口部8に当接することから、シール5aが装着されたときに該シールがリザーバ4内へと押圧されることを防止する。
【0029】
シール5aの直径D1は、吐出口部8に挿入されるべき該シール5aの部分の直径に対応する。この直径D1は、それが吐出口部8に対して圧力嵌めされるように、該吐出口部8の内径に従い決定される。
【0030】
シール5aの高さH1は、該シール5aの液密性と芯材6の保持とを確実とするに十分なものである。シール5aは、自身を貫通する2つの垂直な貫通孔10a及び11を有している。第1の貫通孔10aは、シール5aを貫通通過する芯材6の直径に対して決定された直径D3を有することから、固定は堅固であり且つ不浸透性である。第2の貫通孔11は、上記拡散器の正しい機能に必要な空気取入口に対応する。第2の貫通孔11の直径は、約0.5〜1mmである。この第1実施形態のシール5aにおいて、拡散ヘッド2に対する支持部、すなわち基部1bは、シール5aの表面に配置される。
【0031】
図4に示されたシール5の第2変更例によれば、内側裾部を備えた基部が、特に貫通孔10bの直径D4の部分に少なくとも部分的に進入することによりシール5bと協働するように、該シール5bは、高さH2及び直径D4に亘り当該貫通孔の頂部にて拡開された貫通孔10bを有している。リザーバ4の吐出口部8は、シール5bが吐出口部8内に一旦挿入されたならば引抜くことを困難とするために該シール5bのショルダ9を覆うリング8aを備え得る。
【0032】
シール5、5a、5bの貫通孔11及び芯材6の端部は、上記リザーバの内部体積と外部との間の流体連通手段を構成することで、詰め替え品3aが使用されないときに燃料の揮発を促進する。上記リザーバの頂部に対してストッパ7を固定すると、詰め替え品3aが保存されるときに該詰め替え品の全体的な液密性を実現することが可能となり、該ストッパ7は詰め替え品3aをハウジング1に嵌合し得るべく取り外される。
【0033】
詰め替え品3aの別の変更例において、上記リザーバの空気取入口は、シール5、5a、5bにおける貫通孔11によるのではなく、リザーバ4の壁部に載置された(不図示の)貫通孔により達成され得る。
【0034】
本発明に係るリザーバ4の芯材6は、該リザーバ4、シール5、5a、5b及び芯材6から成る組立体が詰め替え品3aを構成し得る密封された組立体を形成するように、該リザーバ4に対して固定される。
【0035】
芯材6を作製するために使用される材料は、毛管現象により香り付き燃料を吸収して移送する良好な特性を有する。
【0036】
芯材6は、シール5、5a、5bによるリザーバ4に対する該芯材の固定と、拡散ヘッド2に対して香り付き燃料を供給するために該拡散ヘッドにおける該芯材の装着とを促進すべく、少なくとも、シール5、5a、5bに含まれる部分と、上記詰め替え品の外部となる該芯材の端部とにおいて、堅固な構造を形成する。
【0037】
図5に示された芯材6の実施例は、該芯材6を補強する手段であってこの実施例によるとセラミック・スリーブ6bにより形成されるという手段内へと押圧される織物芯材6aから成る。高さH3のスリーブ6bは、シール5を貫通通過してリザーバ4の外部にあることが意図される織物芯材6aの端部を囲繞する。
【0038】
スリーブ6bの管材の高さH3は、密封封止を可能にするシール5若しくは同等物の高さだけでなく、拡散ヘッド2の位置決めのために必要とされる上記管材の出現高さ、及び、必要とされる香り付き燃料の供給に対する調整レベルにも従って決定される。リザーバ4の外部に載置された織物芯材6aの端部を囲繞するセラミック・スリーブ6bによって、拡散ヘッド2において毛管現象により移動する香り付き燃料の量の調整が可能となる。
【0039】
これが何故かと言えば、セラミック・スリーブ6bを使用することによって、減少直径D7の織物芯材6aの使用が可能となると共に、これに対応して吸収能力が減少するからである。
【0040】
織物芯材6aの直径D7及びセラミック・スリーブ6bの内径D6は、所望の拡散と、使用される拡散ヘッド2の寸法とに従い決定される。セラミック・スリーブ6bの外径D5は、厚みE1に依存することから、該スリーブ6bの良好な機械的強度のために必要とされて使用される材料に依存する。外径D5はシール5の貫通孔10の直径D3と直接的に関係しており、図5を参照されたい。
【0041】
セラミック・スリーブ6b用に使用されるセラミックは、香り付き燃料を芯材6から拡散ヘッド2へと移送するに十分な多孔性及び吸収能力を有し、カオリナイト、ステアタイト又はコーディエライトの如き孔性材料である。
【0042】
芯材6を補強する上記手段は図6に示されたセラミック管材6cとされ得、該管材6cは、拡散ヘッド2に対する香り付き燃料の移送が織物芯材6aと該セラミック管材6cとの両者により確実とされるように、両端部にて開放されている。この差違は拡散ヘッド2の機能に関して何らの実質的な影響を有さない、と言うのも、セラミック管材6cは主として、織物芯材6aをシール5内に且つ拡散ヘッド2を芯材6上に位置決めする役割を果たすからである。
【0043】
セラミック管材6cは、熱応力及び機械的応力を満足するに必要な特性を有する非孔性材料により作製され得る。これらの条件下で、拡散ヘッド2に対して香り付き燃料の移動を実現するのは織物芯材6aであり、且つ、移送損失の制限、並びに、芯材6に対する拡散ヘッド2の装着は、使用されるセラミック管材6cの形状に依存する。
【0044】
本発明によって、(不図示の)孔性セラミックで全体的に作成された芯材6の使用が可能となる。
【0045】
詰め替え品3aは拡散ヘッド2を備えたハウジング1内に配置され、このハウジング1は、触媒式香水拡散器の組立てを可能にする装飾的な本体1a及び基部1bを有する。本体1a内への詰め替え品3aの導入は、2つのよう式に従い企図され得る。
【0046】
図7A及び図8に示されたハウジング1の第1変更例において、詰め替え品3aは本体13の頂部を通して導入される。本体13は底部13a及び側壁13bを備え、該側壁の頂縁部は、本体13内への詰め替え品3aの導入を可能にすることが意図される開口13cを画成する。詰め替え品3aの導入の後、開口13cは部分的にカバー12により閉塞される。カバー12はその中央に、詰め替え品3aの吐出口部8の通過を可能にする貫通孔12aを有する。上記拡散器の基部1bは、吐出口部8を覆い隠すべく該吐出口部8上に部分的に着座され、且つ、カバー12における貫通孔12aの縁部に部分的に着座させられる。
【0047】
カバー12は、壁部同士を当接させて基部1bに装着されるか、又は、例えば螺着若しくは掛止手段又は突起部の如き任意の固定手段により該基部に対して固定され得る。
【0048】
別体的な蓋体12及び基部1bを配備することを回避するために、これらの2つの部材を、カバー12bを形成する単一の部材で作製することが可能である(図7Bを参照)。
【0049】
カバー12b及び基部1bに対する設計材料は、香り付き燃料の蒸気に関する酸化、並びに、熱に対して耐えるべきであり、特にこれらの2つの構成要素は火炎に耐えねばならない。
【0050】
ハウジング1の第2変更例は、図9及び図10に示されると共に、本体14の底部を貫通して詰め替え品3aを導入することを可能とする。本体14は側壁14bを有し、その頂縁部は頂部開口15を画成する。側壁14bの頂部の自由縁部は、上記拡散器の基部1bを支持することが意図される径方向膨張部14cを備えている。本体14は、側壁14bの自由縁部により輪郭形成された底部開口16であって、詰め替え品3aがハウジング1内に挿入されるときに該詰め替え品の通過を可能にすることを意図する底部開口16を備えている。
【0051】
詰め替え品3aの挿入の後で本体14における開口16を閉塞するために、取外し可能なベースプレート14aが配備される。ベースプレート14aは、壁部同士を当接させて本体14に装着されるか、又は、例えば螺着若しくは掛止手段又は突起部の如き任意の固定手段により該本体に対して固定され得る。
【0052】
頂部開口15によって、詰め替え品3aの吐出口部8の通過が可能となる。基部1bは、吐出口部8上に部分的に、且つ、本体14の径方向膨張部14cの自由縁部上に部分的に着座する。
【0053】
上記拡散器の本体1a、13a及び14の設計材料の選択肢は非常に広範囲である、と言うのも、香り付き燃料との接触が無く、該本体は非常に僅かな熱応力のみに遭遇するからである。
【0054】
図11及び図12に示された基部1bはその頂面上に、直径が約1mmである非常に小径の第1孔17であって、シール5における貫通孔11に臨むべく配置されることでリザーバ4の内部体積と外部雰囲気との間の流体連通を確実とすることが意図された第1孔17を有している。これが何故かと言えば、この孔17が無いと、基部1bの壁部がシール5における貫通孔11を閉塞するからである。第2開口18によって、基部1bを通る芯材6の通過と、拡散ヘッド2の固定とが可能となる。シール5、5a又は5bに貫通孔11が無ければ、孔17が不要なことは理解される。
【0055】
基部1b上に設けられたショルダ19は、上記拡散器の本体1a、13a若しくは14における開口の隠蔽、及び、有孔取付け部材20の固定の両方の役割を果たす(図17を参照)。基部1b上に有孔取付け部材20を付加すると、上記拡散器が転倒した場合、高温の拡散ヘッドが、熱に敏感な外部材料に接触することが防止される。
【0056】
空気取入れの孔は、詰め替え品3a上における空気取入れの位置に依存し、上記拡散器の基部1b、又は、本体1a、13a若しくは14の他の部分に配備され得る。基部1bはその頂部にて全体的に開放されることで、詰め替え品3aの吐出口部8の頂面を視認可能とし得る。
【0057】
上記拡散器が上記記述に従い一旦組み付けられたなら、拡散ヘッド2を芯材6上に配置するだけで十分である。
【0058】
煙の放出を防止するためには、一旦装着されたならば拡散ヘッド2は芯材6に接触しないように配置するだけで十分である。加熱系統により伝達される拡散ヘッド2の熱は、芯材6から該拡散ヘッド2への香り付き燃料の揮発にとって十分である。高温の触媒材料と接触する香り付き燃料の蒸気は、消費されて触媒式燃焼を開始させる。
【0059】
拡散ヘッド2上には火炎減少器21が配備されることで、点火炎の制御が可能となる(図13a及び図14を参照)。火炎減少器21は、拡散ヘッド2に対して固定され得るか又は拡散ヘッド2と共に単一片の組立体を形成し得る独立的構造を構成する。
【0060】
火炎減少器21は拡散ヘッド2を囲繞し、複数の孔6が貫通する管材で構成される(図13a及び図14を参照)。孔6の存在は、拡散ヘッド2に対して空気取入口を制御することにより点火炎に作用する一方、拡散ヘッド2の全ての領域に亘る香り付き燃料の良好な燃焼及び拡散を可能にする。
【0061】
この形式の拡散器に対しては、(不図示の)非常に細かい格子又は貫通孔のない管材の形態の火炎減少器が想起され得る。
【0062】
火炎減少器21の直径及び高さは、点火炎を制御する要素である。故に、選択された火炎減少器21の寸法、及び、孔の有無により、点火炎及び香水拡散の特性は異なる。
【0063】
拡散ヘッド2は、触媒式燃焼を提供する白金の如き貴金属から成る燃焼区域2aと、貴金属を欠く気化区域2bとから構成される(図13a及び図14)。
【0064】
火炎減少器21は基部1bの開口18に嵌合することが意図された底部裾部22を備えることから、基部1bは、火炎減少器21、及び、それに組み合わされた拡散ヘッド2を支持する。
【0065】
シール5と基部1bとの間に存在する空間23aは、火炎減少器21を保持するための装着の十分な深度、及び、上記材料の熱伝導に対するシール5の保護の両方を付与する、と言うのも、空気は良好な断熱材だからである(図15A及び図15Bを参照)。拡散ヘッド2は、自身の内側に対する芯材6の頂端部の嵌合を可能にする内部キャビティ24を有している。拡散ヘッド2が芯材6の頂端部上に載置された後、該芯材6の該頂端部と拡散ヘッド2との間には空間25が提供され得る。この空間25内における空気の存在によれば、炭化による芯材6の尚早な摩耗が防止され、拡散ヘッド2に対する液状の香り付き燃料の拡散が制限され、且つ、揮発による香り付き燃料の拡散が促進される。これが何故かと言えば、拡散ヘッド2における芯材6の貫通のレベルは、香り付き燃料の拡散の制御を可能とする要因だからである。
【0066】
上記拡散器は、基部1bに嵌合し且つ特に該基部1bのショルダ19により支持され得るストッパ26及び有孔取付け部材20を備えている(図16及び図17を参照)。ストッパ26(図16参照)によれば、それが上記拡散器に対して固定されたときに該拡散器から一切の酸素を奪うことにより、拡散ヘッド2における燃焼を停止させることが可能とされる。
【0067】
詰め替え品3aをハウジング1内に挿入するためには、該詰め替え品3aを格納するストッパ7が取り外されねばならない。すると、拡散段階同士の間において、詰め替え品3aに収容された燃料は芯材6とシール5における貫通孔9とを通して揮発することがある。但し、拡散段階同士の間における燃料の揮発は、詰め替え品3aがハウジング1内に挿入されたときに上記拡散器のストッパ26を装着して該詰め替え品のシール閉塞を提供することにより、防止され得る。
【0068】
有孔取付け部材20(図17参照)は、上記拡散器が使用されるときに基部1bに対して固定されて拡散ヘッド2を保護する装飾要素である。基部1bに対して固定されることにより、有孔取付け部材20は、高温の拡散ヘッド2を、上記拡散器の外部の材料から遮断する付加的な安全要素を形成する。
【0069】
上記拡散器の第2実施形態に係る詰め替え品3b(図18参照)は、リザーバ27と、該リザーバを閉塞すべくバルブ・カップ28により形成された手段と、織物芯材29と、該芯材29を補強する手段と、格納ストッパ31とから構成される。
【0070】
リザーバ27は、熱の衝撃に耐える材料から成ると共に、香り付き燃料に対しても不活性である。基壁部27a及び側壁27bから構成されることで、リザーバ27は、側壁27bの自由縁部上に形成されたネック33により境界付けられた開口32を備える。
【0071】
バルブ・カップ28は、リザーバ27を閉塞すべく開口32にて該バルブ・カップ28の捲縮を可能にすることが意図された横方向カラー28aを備えている。バルブ・カップ28はその中央にて、リング28cを備えた貫通孔28bを有し、該貫通孔28bは上記芯材29の通過を可能にすることが意図される。
【0072】
芯材29は、織物材料、好適には綿から形成される。芯材29の第1端部29aは、リザーバ27内に載置されて燃料に浸漬されると共に、第2端部29bは上記リザーバの外部にある。芯材29は、バルブ・カップ28における貫通孔28bを通り、該バルブ・カップ上に保持される。
【0073】
織物芯材29の第2端部29bは、緊密に保持されるべく又は上記拡散器の上記拡散ヘッドに含まれるべく十分に堅固であることから、それは、この実施例においては芯材取付け部材30である補強手段内に把持される。
【0074】
芯材取付け部材30は、熱に対して非常に強い材料、好適には金属材料で構成される。有孔構造を有することにより、芯材取付け部材30は二群の突起部34を備えている。リザーバ27上に自身が捲縮されたバルブ・カップ28上に芯材29を固定して維持するために、芯材取付け部材30の各アーム30aは、バルブ・カップ28のリング28cの頂端部及び底端部に弾性係止することが意図された2本の突起部34を備えている。この故に、詰め替え品3b内の燃料に手が届かず、該詰め替え品3bは開かれ得ない。
【0075】
詰め替え品3bのストッパ31は、該詰め替え品3bの保存の間における燃料の一切の揮発を防止すべく、芯材29の密封遮断を行う内側裾部31aにより、芯材取付け部材30に嵌合する。
【0076】
詰め替え品3bは、格納ストッパ31の取り外しの後でハウジング1内に挿入される。
【0077】
ハウジング1は、詰め替え品3bのリザーバ27が挿入される本体1aを備えている。該本体1aは、円周リング36により境界付けられる貫通孔を自身の中央部分に有するカバー35を備えている。円周リング36は、拡散ヘッド38に対する支持要素として作用する。これが何故かと言えば、拡散ヘッド38は、一切の側方移動を防止する円周リング36内に挿入されるからである。詰め替え品3bが存在すると、拡散ヘッド38の底部は該詰め替え品3bの芯材29の頂端部に着座する。変更例において拡散ヘッド38は、詰め替え品3bのカバーのリング28cの自由縁部に着座する(不図示)。
【0078】
カバー35の変更例は、上記拡散器内に詰め替え品3bが不在であるときに上記拡散ヘッドを支持するショルダ39を自身の自由端部に備えたリング36に対する底部延長部37を備えている(図21を参照)。
【0079】
リング36には、該リング36の自由縁部からその基部まで延在する2本の螺旋溝39が刳り抜かれている。上記拡散ヘッドとカバー35のリング36との間においては、火炎減少器40が摺動する。火炎減少器40は、孔40aと、該火炎減少器40を回転するとその垂直な平行移動が引き起こされるように、溝39に沿い摺動することが意図された2本の突起部40bとを備えている。
【0080】
故に、拡散ヘッド38に従い火炎減少器40の高さを調整することにより、ユーザは点火炎の強度を減少させ得る。
【0081】
詰め替え品3bを固定化すべく、且つ、本体1a上へのカバー35の良好な固定を保証すべく、該カバー35と本体1aとの間にはシール41が配備され得る。
【0082】
上記拡散器はまた、燃焼を停止させるためのカバー、及び、拡散ヘッド38に対するユーザの一切の接触を防止するための有孔取付け部材の両方の役割を果たすカバー42も備えている。
【0083】
カバー42はリング36に沿い摺動し、該リング上に掛止具の如き固定手段により保持される。カバー42は、一方が他方内に挿入された2つの有孔要素43及び44で構成される。内側の有孔要素43は、各有孔要素43及び44における貫通孔をオフセットさせるべく該有孔要素43が外側の有孔要素44に対して回転駆動されることを可能とする舌部43aを備えている。カバー42における各貫通孔を遮断することにより、ユーザは、一切の空気取入を防止することで拡散ヘッド38における燃焼を停止させ得る。
【0084】
本発明は、例示的にのみ上述された。当業者であれば、本発明の範囲から何ら逸脱せずに、本発明の種々の変更例を実現し得る立場に在る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化されるべき液体を収容するリザーバ(4、27)であって、前記気化されるべき液体内に浸漬された第1端部及び当該リザーバ(4、27)の外部にある第2端部を備えた芯材(6、29)を有するリザーバ(4、27)と、
触媒式燃焼区域及び気化区域を備えた拡散ヘッド(2)と、
を具備する、揮発性材料の放出を可能にする触媒式燃焼により物質を拡散させる拡散器において、
前記拡散ヘッド(2)が前記芯材の前記第2端部に対して着脱自在に接続されることを特徴とする拡散器。
【請求項2】
前記芯材(6、29)が前記リザーバ(4、27)用の閉塞要素により前記リザーバに対して固定して維持されることを特徴とする請求項1に記載の拡散器。
【請求項3】
前記リザーバ(4、27)と前記閉塞要素と前記芯材(6、29)とが、密封された詰め替え品(3a、3b)を構成すべく取り外せないように組立てられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の拡散器。
【請求項4】
前記拡散ヘッド(2)が保護ハウジング(1)により少なくとも部分的に、前記芯材(6、29)の前記第2端部に対して近接して又は該第2端部上に維持され、前記ハウジングが前記詰め替え品(3a、3b)を収容する本体(1a)を具備することを特徴とする請求項3に記載の拡散器。
【請求項5】
前記ハウジング(1)が、前記拡散ヘッド(2)を着脱自在に保持する支持要素(1b)を具備することを特徴とする請求項4に記載の拡散器。
【請求項6】
前記支持要素(1b)が、前記芯材(6、29)を通過させる貫通孔(10a)を具備することを特徴とする請求項5に記載の拡散器。
【請求項7】
前記支持要素(1b)及び前記本体(1a)が単一片の組立体を形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の拡散器。
【請求項8】
前記本体(1b)が、その底部において、前記リザーバ(4、27)の挿入を可能にする開口(16)を備えることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項9】
前記本体(1a)が、その頂部において、前記リザーバ(4、27)の挿入を可能にする開口(13c)を備えることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項10】
前記芯材(6、29)の少なくとも前記第2端部が、該芯材(6、29)を補強する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項11】
当該拡散器が、外側の有孔要素に関して内側の有孔要素を回転することにより閉塞され得る貫通孔(12a)を有する有孔カバー(12)を具備することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項12】
前記拡散ヘッド(2)が、該拡散ヘッドの点火炎の強度を調整する調節可能な火炎減少器(21、40)を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の触媒燃焼式拡散器のための詰め替え品(3a、3b)。
【請求項14】
当該詰め替え品が、格納位置において前記液体が気化されることを防止すべく前記芯材(6、29)の少なくとも前記第2端部の頂部に装着するストッパ(16、31)を備えることを特徴とする請求項14に記載の詰め替え品(3a、3b)。
【請求項1】
気化されるべき液体を収容するリザーバ(4、27)であって、前記気化されるべき液体内に浸漬された第1端部及び当該リザーバ(4、27)の外部にある第2端部を備えた芯材(6、29)を有するリザーバ(4、27)と、
触媒式燃焼区域及び気化区域を備えた拡散ヘッド(2)と、
を具備する、揮発性材料の放出を可能にする触媒式燃焼により物質を拡散させる拡散器において、
前記拡散ヘッド(2)が前記芯材の前記第2端部に対して着脱自在に接続されることを特徴とする拡散器。
【請求項2】
前記芯材(6、29)が前記リザーバ(4、27)用の閉塞要素により前記リザーバに対して固定して維持されることを特徴とする請求項1に記載の拡散器。
【請求項3】
前記リザーバ(4、27)と前記閉塞要素と前記芯材(6、29)とが、密封された詰め替え品(3a、3b)を構成すべく取り外せないように組立てられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の拡散器。
【請求項4】
前記拡散ヘッド(2)が保護ハウジング(1)により少なくとも部分的に、前記芯材(6、29)の前記第2端部に対して近接して又は該第2端部上に維持され、前記ハウジングが前記詰め替え品(3a、3b)を収容する本体(1a)を具備することを特徴とする請求項3に記載の拡散器。
【請求項5】
前記ハウジング(1)が、前記拡散ヘッド(2)を着脱自在に保持する支持要素(1b)を具備することを特徴とする請求項4に記載の拡散器。
【請求項6】
前記支持要素(1b)が、前記芯材(6、29)を通過させる貫通孔(10a)を具備することを特徴とする請求項5に記載の拡散器。
【請求項7】
前記支持要素(1b)及び前記本体(1a)が単一片の組立体を形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の拡散器。
【請求項8】
前記本体(1b)が、その底部において、前記リザーバ(4、27)の挿入を可能にする開口(16)を備えることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項9】
前記本体(1a)が、その頂部において、前記リザーバ(4、27)の挿入を可能にする開口(13c)を備えることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項10】
前記芯材(6、29)の少なくとも前記第2端部が、該芯材(6、29)を補強する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項11】
当該拡散器が、外側の有孔要素に関して内側の有孔要素を回転することにより閉塞され得る貫通孔(12a)を有する有孔カバー(12)を具備することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項12】
前記拡散ヘッド(2)が、該拡散ヘッドの点火炎の強度を調整する調節可能な火炎減少器(21、40)を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の触媒燃焼式拡散器のための詰め替え品(3a、3b)。
【請求項14】
当該詰め替え品が、格納位置において前記液体が気化されることを防止すべく前記芯材(6、29)の少なくとも前記第2端部の頂部に装着するストッパ(16、31)を備えることを特徴とする請求項14に記載の詰め替え品(3a、3b)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A−15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A−15B】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2010−503441(P2010−503441A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527858(P2009−527858)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001530
【国際公開番号】WO2008/034977
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509076731)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001530
【国際公開番号】WO2008/034977
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509076731)
【Fターム(参考)】
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