誘導性結合プラズマの均一性を改善する側壁磁石及びそれと共に使用するシールド
【課題】チャンバー壁をスパッタ堆積から保護するもので、蓄積した堆積材料が剥げ落ちて粒子を形成しないように固定数の堆積サイクル後に交換される、誘導結合プラズマスパッタリアクタと共に使用可能なシールドシステム提供する。
【解決手段】内部シールド162は、ターゲットバッキングプレート130付近の上端からRFコイル160より下の下端まで延び、通常、処理位置にあるペデスタル146の上面のすぐ下まで延びる。プラズマスパッタリアクタに使用するよう適応され、軸の周りで略円形対称であるシールド162において、前記軸に沿って延びる上端と、前記軸に沿って延びる下端と、前記上端と下端との間で前記軸から半径方向外方に延びるフランジ168と、を備え、前記軸に面したシールド内面は、前記軸からの傾斜が10°以下で、それ以外は滑らかであるようにしたシールド。
【解決手段】内部シールド162は、ターゲットバッキングプレート130付近の上端からRFコイル160より下の下端まで延び、通常、処理位置にあるペデスタル146の上面のすぐ下まで延びる。プラズマスパッタリアクタに使用するよう適応され、軸の周りで略円形対称であるシールド162において、前記軸に沿って延びる上端と、前記軸に沿って延びる下端と、前記上端と下端との間で前記軸から半径方向外方に延びるフランジ168と、を備え、前記軸に面したシールド内面は、前記軸からの傾斜が10°以下で、それ以外は滑らかであるようにしたシールド。
【発明の詳細な説明】
【関連技術】
【0001】
本出願は、2002年11月14日に出願された国際出願PCT/US02/36940号の一部継続出願であり、該出願は、2001年11月14日に出願され、無料で発行された特許出願第09/993,543号の一部継続出願であり、これら両方の出願は、参考としてその全体をここに援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概略的に、材料のスパッタリングに関する。より詳細には、本発明は、誘導性結合プラズマリアクタに使用される補助磁石に関する。また、本発明は、スパッタリアクタに使用されるシールドにも関する。
【背景技術】
【0003】
スパッタリングは、別名、物理的気相堆積(PVD)とも称されるが、半導体集積回路の製造において金属及び関連材料の層を堆積する最も普及した方法である。スパッタリングの1つの用途は、図1に断面で示されたビア構造に関連したバリア層及びシード層を堆積することである。通常、酸化シリコン又は他のケイ酸ガラスで形成されて、おそらく低い誘電率をもつようにドープされた下部誘電体層12の表面に導電性特徴部10が形成される。下部誘電体層12の上に上部誘電体層14が堆積され、次いで、導電性特徴部12のエリアにおいてこの上部誘電体層14を貫通してビアホール16がエッチングされる。近代的な回路では、ビアホール16は、深さ対最小巾で測定したアスペクト比が4:1又はそれより大きくなるものもある。最終的に、金属がビアホール16に充填されて、導電性特徴部10を含む下部配線レベルと、上部誘電体層14の上面に形成された上部配線レベルとの間に垂直方向の電気的相互接続部を形成する。単純なまっすぐなビア16が示されている。デュアルダマシンでは、単純なビア16は、誘電体層14の下部の狭いビアがその上部の広いトレンチに接続されたものに置き換えられ、このトレンチは、水平方向にかなりの距離延びて、上部配線層の水平相互接続部を形成する。
【0004】
ビアを金属化する前に、誘電体層14の上面と、ビアホールの底壁及び側壁とにライナー層20が堆積される。このライナー層14は、ビア金属と酸化物誘電体との間の拡散に対するバリア、酸化物と金属との間の接着層、及びその後に堆積される金属に対するシード又は核生成層を含む多数の機能を遂行する。過去において有力な金属はアルミニウムであったが、デュアルダマシン構造では銅が進歩型集積回路にとって有力なものとなり始めている。というのは、電気的抵抗率及びエレクトロミグレーションが低く、且つ電気−化学メッキ(ECP)を使用してビアホール16に銅を充填することができるからである。銅の場合に、導電性特徴部10は、通常、デュアルダマシン金属化のトレンチ部分である。銅に対するライナー層20は、通常、窒化タンタル(TaN)のバリア層、Taの接着層を含む。薄い銅シード層は、ECP銅の核を生成すると共に、電気−化学的プロセスの電極としても働く。化学的気相付着(CVD)又はその改良である原子層堆積(ALD)は、幾つかの層に使用することができる。両技術は、高アスペクト比のホールに適合層を被覆する傾向があり、また、ALDは、化合物の非常に薄い層を被覆することができる。しかしながら、多数の固有の問題を克服できれば、その経済性と、膜のクオリティの高さから、通常、スパッタリングが好ましい。側壁カバレージが概して不充分で、ホール16内の深部に形成される側壁部分22が薄くなる。スパッタリングは、ホール16の頂部にオーバーハング24を形成する傾向があり、これは、最低限、ホール16へその後に被覆するための有効アスペクト比を高め、最悪の場合、ホール16の頂部を橋絡して、ホール16への更なる堆積を妨げる。ウェハを電気的にバイアスすることを組み込んだ種々の技術を使用して、オーバーハング24を減少すると共に、側壁カバレージを増加することができる。これらの技術は、厚い底部26で表されたように、底部カバレージを改善する傾向がある。しかしながら、底部26は、下部導電性特徴部への導電性経路にある。タンタルは、金属であるが、電気的抵抗率が若干高い。窒化タンタルは、著しく抵抗性である。その結果、底部26をエッチング除去することが望ましい。他方、オーバーハング24のエッチングは、その下に横たわるバリア層を除去してはならない。
【0005】
親の国際出願において、ディン氏等は、Ta及びTaNの両方を堆積できる図2に概略的に示すスパッタリアクタを使用することにより、これらの多数の矛盾する要件に対処している。真空チャンバーの側壁30は、リアクタの中心軸32の周りに配列される。タンタルターゲット34がチャンバー30に支持され、環状アイソレータ36を経て真空密封される。ペデスタル38は、スパッタ処理されるべきウェハ40を中心軸32に沿ってターゲット34に対向して保持する。真空ポンプシステム42は、チャンバー30を10−8トールの低い圧力にポンピングすることができる。しかしながら、アルゴン作用ガスが、ガス源44からマスフローコントローラ46を経て通常0.1から10ミリトールの範囲の圧力で供給される。選択的DC電源48は、接地された金属チャンバー30又はその図示されていないシールドに対してターゲット34を負にバイアスし、作用ガスをプラズマへと放電させる。負のターゲットバイアスは、正のアルゴンイオンをターゲット34に引き付けると共に、エネルギーのあるイオンがターゲット34からタンタル原子をスパッタさせる。幾つかのタンタルイオンがウェハ40に当り、そこにタンタル層を堆積する。プロセスのある部分において、窒素ガスがガス源50からそのマスフローコントローラ52を経てチャンバー30に供給される。窒素は、反応性イオンスパッタリングと称するプロセスにおいて、スパッタされたタンタルと反応してウェハ40上に窒化タンタルを形成する。
【0006】
ターゲット34付近のプラズマの密度は、ターゲットの背後に置かれた小さな不平衡ネスト状マグネトロン56により高められる。フュー氏は、米国特許第6,183,614号においてこのようなマグネトロンを説明している、これは、一方の磁気極性の内部磁極62を、逆極性の環状の外部磁極64で包囲したものを備え、その両磁極は、磁気ヨークに支持されて磁気結合されている。ターゲット34の前方の磁界の水平成分が電子を捕獲し、プラズマ密度、ひいては、スパッタリング率を高める。マグネトロン60の小さな面積は、マグネトロン60付近のエリアにおけるターゲットスパッタリング電力を集中させ、これも、プラズマ密度を高める。マグネトロン56は、円形、楕円形、三角形及びレーストラックを含む種々の形状をもつことができる。均一なスパッタリングを与えるために、マグネトロン60は、ロータリ駆動シャフト68に支持されて、中心軸32の周りで回転される。外部磁極64の全磁界強度、即ちその面を横切って一体化される磁束は、内部磁極62より著しく大きく、マグネトロン60を不平衡にさせる。その比は、少なくとも1.5であり、好ましくは、2.0より大きい。この不平衡状態は、外部磁極64からウェハ40に向けて磁気成分を突出させ、プラズマを閉じ込めると共に、タンタルイオンをウェハ40へ誘導させる。
【0007】
充分な電力密度がターゲット34に与えられる場合には、マグネトロン60の下の高密度プラズマ領域が、スパッタされたタンタル原子の大部分をイオン化する。タンタルイオンは、ターゲット34に戻るように引き付けられて、自己イオン化プラズマ(SIP)スパッタリングと称される効果において更なるスパッタリングを生じさせることができる。その結果、アルゴンのスパッタリングガスは、プラズマを維持する上で重要性が低くなり、アルゴンの圧力を下げることができる。銅のスパッタリングを伴うある状態では、SIPプラズマが自己持続され、アルゴンの供給を遮断することができる。
【0008】
ウェハ40より大きくて2つの個別の端を有するバンド形状のRFコイル70がチャンバー30内に位置され、その図示されていないシールドが、ターゲット34とウェハ40との間の処理スペースの下半分又は1/3に置かれる。一実施形態では、コイル70は、ターゲットと同じ材料で作られ、即ち、この実施例では、タンタルについて述べる。更に、これは、中心軸32に沿って管状の形状を有し、軸の長さ対半径方向厚みのアスペクト比は、通常、少なくとも4である。この組成及び形状は、コイル70が1つの動作モードにおいて第2のスパッタリングターゲットとして働くのを許容する。DC電源72及びRF電源74は、図示されていない結合回路及び分離回路を経て結合され、コイル70を独立してDCバイアスするか、又はRFエネルギーをコイル70に誘導性結合させるか、或いはこれら2つを結合して行うのを許容する。RF電源は、コイル70の一端でキャパシタ76を経て接地されるが、このキャパシタは、DC電源72によりコイル70をDC分離する。この図は、電源72、74の相対的な位置、及びコイル70の接地点を示していない。コイルは、中心軸32に垂直な平面内をほぼ360°に延び、その両端は、中心軸32の周りで最小距離、例えば、25°未満で分離されるのが好ましい。これらの端の一方は電力供給され、他方は接地される。
【0009】
コイル70が負にバイアスされると、アルゴンイオンを引き付けてコイル70からタンタルをスパッタさせる。コイル70は、RF電力で駆動されると、軸方向RF磁界を発生し、これは、方位電界を誘起して、チャンバー30の下部にプラズマ領域を誘起させる。即ち、二次プラズマ源は、アルゴンイオンの円板状領域をウェハ付近に形成する。別のRF電源が容量性結合回路80を経てペデスタル電極38に結合され、これは、付近のプラズマのエッジに負のDC自己バイアスを誘起する。その結果、二次プラズマ源内及び頂部マグネトロン/ターゲット源からのアルゴンイオンがウェハ40へと加速されて、これをスパッタエッチングする。加速により生じる非等方性のために、エネルギーのあるイオンがビアホールの底部に到達し、側壁部分22に比べて底部26を効果的に選択的エッチングする。
【0010】
ここに示すリアクタは、多数のモードで動作できるが、2つの極端なモードが考えられる。堆積モードでは、コイル70へのRF電力がターンオフされる。大きなDC電力がターゲット34に印加される。自己イオン化プラズマであるために、アルゴンの圧力を下げて、ウェハ40のアルゴンイオンスパッタエッチングを減少することができる。もし希望であれば、コイル70をDCバイアスして、二次ターゲットとして働くようにしてもよい。このモードは、主として、ウェハのスパッタエッチングを最小にしてタンタルを堆積する。他方、エッチングモードでは、2つのDCターゲット電力46、72がターンオフされ、タンタルは本質的にスパッタされない。更に、コイル70へのRF電流が増加され、RFバイアス電源78がウェハ70をDC自己バイアスする。その結果、タンタルはほとんど堆積されず、第2プラズマ源からのアルゴンイオンがウェハ40をスパッタエッチングする。全電源46、72、74、78を使用することにより、同時堆積及びエッチングの組み合せを達成することができる。
【0011】
しかしながら、このような装置で遂行されるエッチングは、ウェハの直径にわたって非常に非均一であることが分かった。図3のグラフに示す2本の曲線は、800W及び450Wのバイアス電力をペデスタルに印加した場合に実験で観察されるエッチングレートを各々表している。エッチングレートは、ウェハの中心付近で最も高く、ウェハのエッジに向かって約40%降下する。図2のスパッタリアクタは、スパッタ堆積については受け容れられる均一性を示すが、スパッタエッチングの均一性は改善を必要とする。
【0012】
コイル70は、電気的に接地されたチャンバー壁30内だけでなく、接地されたスパッタシールド内でも支持しなければならず、これらスパッタシールドは、堆積から壁を保護するのに使用されるだけでなく、カソードターゲット34に対向するアノードとして働くようにも使用される。コイルを支持すると共に、コイルへの電気的接続を与えるために、簡単で容易に修理可能な機械的システムが必要とされる。特に、近年開発された300mmチャンバーに伴う更に別の問題は、貴重なクリーンルームスペース内におけるリアクタの設置面積を減少するためにチャンバーのサイズを最小限にする必要があることである。
【発明の概要】
【0013】
プラズマスパッタリングに関連した本発明の1つの態様は、コイルの後方に位置された磁気リングであって、コイルの軸に沿って磁気極性を有する磁気リングを包含する。コイルは、処理されている基板の付近にプラズマを誘起し、特に、基板をスパッタエッチングするのに使用できると共に、スパッタ堆積のための二次ターゲットとしても使用できる。2つのプロセス間の切り換え又はそれらの結合は、コイルにおけるRF及びDCバイアス状態に依存すると共に、ターゲット及びウェハのバイアスにも依存する。磁気リングは、プラズマバリアとして働く軸方向DC磁界をコイル付近に発生し、従って、コイルにより誘導的に形成されたプラズマが、基板へと拡散されるかさもなければ引き付けられる前にコイルに接地されるのを防止し、これにより、基板のスパッタエッチングの半径方向均一性を改善する。また、軸方向DC磁界は、コイルのスパッタリング用マグネトロンとしても働く。
【0014】
磁気リングは、中心軸と同軸的な1つ以上のソレノイドにより、又は小さなソレノイドの環状アレイにより、軸方向に分極された永久磁石の環状アレイで形成することができる。コイルは、管状の形状を有するのが好ましく、従って、磁気リングは、コイルの中心軸方向部分からコイルを越えて基板に向けて延びるのが好ましい。複数のソレノイドは、電気的に直列に配列され、個別に及び独立して電力供給されてもよい。
【0015】
ネスト状不平衡ルーフマグネトロンが一次ターゲットの後方に使用される場合には、コイルのボア内に磁気リングにより発生されるDC磁界の軸方向極性が、ルーフマグネトロンの外部磁極により形成される極性と逆であるのが好ましい。
磁石アレイは、真空チャンバーの外部側壁に装着されるのが好ましい。
【0016】
本発明の別の態様は、磁気リングを合体したものを含むがこれに限定されないプラズマスパッタリアクタと共に使用可能なシールドシステムを包含する。内部シールドが、ターゲットから、ウェハを支持するペデスタルへと延び、シールドの中央部のフランジにより支持される。内部シールドの内面は、滑らかな輪郭を有し、チャンバー軸から10°を越えてずれる面はない。RFコイルは、内部シールドにより支持され、その電気的リードが内部シールドを貫通している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来のビアライナーに伴う多数の問題を示す概略断面図である。
【図2】プラズマ源及びスパッタリングターゲットとして動作する小型の不平衡マグネトロン及び誘導性コイルを使用したプラズマスパッタリアクタを示す概略断面図である。
【図3】図2の形式のスパッタリアクタで観察される非均一なスパッタエッチングを示すグラフである。
【図4】図3の非均一なエッチングを説明するための概略図である。
【図5】RFコイル及びコイル後方の外部磁石アレイを備えた本発明のリアクタを示す概略断面図である。
【図6】図5の形式のスパッタリアクタで観察されるより均一なスパッタエッチングを示すグラフである。
【図7】永久磁石のアレイに取って代わる磁気リングとして使用される1つのソレノイドコイルの概略図である。
【図8】磁気リングとして使用される2つの同軸コイルの概略図である。
【図9】RFコイルと、磁石リングと、内部シールド、外部シールド及びスカートシールドのシールドシステムとを組み込んだスパッタリアクタの断面図である。
【図10】内部シールドの平面図である。
【図11】内部シールドの正射投影図である。
【図12】外部シールドの正射投影図である。
【好ましい実施形態の説明】
【0018】
非均一なレートの原因であると考えられるメカニズムを、図4の概略図を参照して説明する。RF誘導性コイル70は、該コイル70付近に主として集中する初期プラズマ分布80を生成する。エッジ局所化は、生成されるプラズマの表皮深さに関して説明することができる。RFコイル70は、中心軸32に概略的に沿ったRF磁界を発生する。このRF磁界は、次いで、方位電界を発生して方位電流を励起し、これは、プラズマを維持すると共に、その密度を高める。しかしながら、電界は、次いで、高導電性プラズマにより電気的に短絡される。即ち、RF磁界は、プラズマの表皮深さまでしかプラズマに到達しない。しかしながら、プラズマは、分布82で示すように、軸方向にウェハ40に向かって且つ半径方向にも拡散する。半径方向の拡散は、中心軸32に向かう内方成分と、コイル70に向かう外方成分とを含み、これは、電気的に駆動されるコイル70に当たる電子を弱める。中性プラズマでは、イオン密度が電子の密度に従う。エッジロスは、実際に、その後の分布84へと鋭敏になり、ここで、エッジは、中心32へ以前に拡散した電子を流出させる。その結果、プラズマがウェハに当たると、プラズマ密度の分布が、中心32における最大値から、ウェハ40のエッジに向かって減少する。このプラズマ密度分布は、スパッタエッチングレートで直接的に表される。
【0019】
無磁界領域における拡散のレート、より詳細には、ベクトル拡散フローJは、プラズマ密度nの勾配に拡散定数D0を乗算したものに比例し、即ち、
J=D0▽n
となる。本発明者の理解によれば、拡散を磁気的に制御することができる。磁界中の中性プラズマの有効拡散定数Dは、次式で与えられることが知られている。
【0020】
【数1】
【0021】
但し、Tcは、サイクロトロン周波数で、次式により磁界Bに関係付けられる。
【0022】
【数2】
【0023】
本発明の1つの態様によれば、磁界は、電子を捕獲するための磁気バリアを生成し、ひいては、プラズマ電子がコイル70、チャンバー側壁30、又はそれらの間の図示されていないシールドへ漏れるのを防止するように配置される。軸方向の磁界は、壁への拡散を防止する上で最も効果的である。方位磁界も、壁への拡散を低速化するが、スパッタリアクタの略円対称の幾何学形状と一致せず、ウェハへのプラズマの軸方向拡散を更に低速化する。半径方向磁界は、半径方向拡散を低速化せず、軸方向拡散のみを低速化する。
【0024】
これらの概念は、図5に概略的に示すスパッタリアクタに組み込まれた補助的な側壁リング磁石90に組み入れられる。簡単化のため、この図は、図2に既に示された電源回路を示していない。この点において、より現実的な構造は、以下で詳細に説明するが、この図は、本発明の磁気部分及びそれらの実施を理解するのに充分であることを述べておく。
【0025】
磁気リング90は、チャンバー側壁30の外部で、コイル70の略半径方向外方に位置されて、ダイポールリング磁界92を生成する。この磁界は、主として軸方向(中心軸32に平行)であって、コイル70の面に隣接し且つそれに平行である。内部コイル面のこの軸方向部分は、プラズマ電子を、それらのエネルギー及び速度方向に基づいて捕獲する傾向があり、ひいては、コイル70又は以下に述べるシールドへのプラズマ電子の拡散を著しく減少する磁気バリアを生成する。磁気リング90は、チャンバー30の外周に配列された同じ極性の複数の永久磁石で形成することができる。概略的に、リングの磁気極性は、希望のバリアに直接影響しないが、リング90の極性は、ルーフマグネトロン60の強力な外部磁極64の極性と逆又は逆平行であるのが好ましい。他方、平行な配向は、内部コイル面から離れて隣接ルーフマグネトロン60の外部磁極64に向けて磁界92を引っ張る傾向があり、従って、コイル70の1つの点における希望の作用を低下させる。ディン氏等は、祖父母の米国特許出願第09/993,543号、現在、US2003−089,601−A1号として公告された、において、同様の磁石リングを同様の位置に入れているが、コイルを欠いている。しかしながら、彼等は、磁石リングをルーフマグネトロン60の外部磁極64と平行な極性配向にして、外部磁極64からの投影磁界をウェハ40に向けて更に延ばし、ひいては、ターゲットからスパッタされたイオンを更に誘導することを唱えている。
【0026】
磁気リング90は、その磁石及び磁極面を含めて、コイル70の半径方向外方に少なくとも部分的に延びねばならない。また、磁気リング90は、その軸方向距離も、好ましくは、コイル70と少なくとも同程度の長さに延びねばならない。一実施形態では、磁気リング90の上端は、バンドコイル70の軸方向中間面と同一平面又はその若干上にあり、一方、その下端は、コイル70の軸方向最下面より下に延びる。この配置は、ウェハ40に向かうプラズマの拡散及び磁界駆動電流を制御するコイル70の面付近及びその軸方向下側の最も強力な二次プラズマ源領域付近の重要な軸方向磁気成分を増強する。
【0027】
磁気リング90は、マグネトロンとして働く付加的な作用を有する。バンドコイル70の面に平行な磁気成分は、電子を捕獲し、従って、プラズマ強度及びバンドコイル70からのスパッタリングレートを増加させる。この作用の効果は、少なくとも、主ターゲット34からスパッタされるものと同じ材料で構成されたバンドコイル70の表面部分に依存する。コイルのスパッタリングは、コイル70が二次プラズマ源に誘導的に電力供給するスパッタエッチングではなく、スパッタ堆積に貢献する。
【0028】
リング磁石なしで図3のデータを得るのに使用した実験を、本発明の磁石リングを使用して繰り返した。ウェハの直径にわたるエッチングレートが、2つの異なるバイアス電力に対して図6にプロットされている。明らかに、リング磁石は、エッチングの均一性を大幅に改善する。
【0029】
電磁石は、永久磁石と若干同様の作用を与えることができる。図7に断面で示すように、電磁石とも称されるソレノイドコイル100は、図5の磁石リング90と同様の磁石リングとして働くようにチャンバー壁30の外部で中心軸32の周りに巻かれる。DC電流源102又は他の電源がソレノイド100に電力供給して磁界104を発生し、この磁界は、RFバンドコイル70の内面にほぼ垂直であり、ソレノイド100のボア内の極性は、図5のルーフ磁石64の外部磁極64と逆であるのが好ましい。磁界の強度を変えて、プロセスを最適化するか、又はプロセスのステップ間で磁界を変えるように、電流源102が選択的であるのが好都合である。ソレノイド100は、図5の永久磁石リング90と同様の長さ及び位置を有するのが好ましい。ソレノイド100は、単一のターンを有してもよいし複数のターンを有してもよく、且つ好ましいRFコイル70と同様の環状バンドとして形成されてもよい。単一ターンの実施形態は、円の全360°の範囲を越える必要はなく、コイル70の2つの端間に25°、好ましくは、約18°の角度ギャップが存在して、2つの端への分離した電気的接続を許容してもよい。
【0030】
ソレノイドが発生する磁界は、ダイポール磁界である永久磁石のリングにより発生される磁界と厳密ではないが同様の形状を有する。更に、リングのダイポール磁界は、約1/tの依存性で磁石から減衰し、ここで、tは、磁石からの距離であり、リングの半径より著しく小さい。他方、ソレノイドの磁界は、tと共に対数的に減衰する。プラズマは、DC磁界を短絡しないので、ソレノイド磁界は、中心軸に沿ったボアの中心において強くなる。従って、ソレノイド磁界は、中心に向かう環状プラズマ源の内方拡散を防止する傾向となる。それにもかかわらず、電気コイルを使用して、リングダイポール分布に近い磁界分布を発生することができる。図8に示すように、2つの同軸ソレノイド106、108がチャンバー壁30の外部に巻かれる。それらは、同じ軸方向位置を有するが、距離sだけ半径方向に分離されている。それらは、互いに逆の方位方向又はセンスで電力供給されると、それらの共通ボア内に実質的に逆平行の磁界を各々発生する。全磁界、即ち2つの大きさの差は、sの値に依存し、リングダイポール磁界分布を近似する。2つのコイル106、108は、直列であるが逆のセンスで単一の電源に接続されてもよいし、或いは図示されたように、各々の独立した電源102a、102bに接続されてもよい。
【0031】
ソレノイド磁気リングは、プロセス最適化のために、且つ同じプロセスの異なるステップ間で、磁界、ひいては、プラズマバリア及びターゲットスパッタリングを変更するために、同調をなし得るという効果を有する。独立して電力供給される同軸ソレノイドは、これもプロセス最適化又はプロセスステップ間で、ソレノイド磁界とダイポールリング磁界との間で同調をなし得るという更に別の効果を有する。このような同調性は、RFコイルを欠いたスパッタリングリアクタに使用することができる。
【0032】
環状電磁リングの別の形式は、磁石リングの永久磁石に有効に個々に置き換わる小型の軸方向配向ソレノイドの環状アレイである。ディン氏等は、祖父母の特許出願第09/993,543号にこの構成を説明している。このようなソレノイドアレイは、ソレノイドが個々に電力供給される場合に方位的に同調することができる。
【0033】
電磁石の使用は、RFコイルの近くでチャンバー内にコイルを配するのを容易にする。
【0034】
より現実的なプラズマスパッタリアクタが図9に示されているが、ルーフマグネトロン、電源、及びペデスタルの部分といった多数の部品は、図示されておらず、図2及び5に見ることができる。上部チャンバーは、上部チャンバー壁120及び金属性リム122により形成され、これらは両方とも中心軸124の周りでほぼ対称的である。アイソレータ126は、それを支持するリム122に対して密封されると共に、アイソレータ126が支持するターゲットバッキングプレート130のフランジ128に対して密封される。バッキングプレート130は、角をもつくぼみ132を含み、その下で、ターゲット層134がバッキングプレート130に接合される。ターゲット層134は、スパッタされるべき金属、例えば、タンタル又は他の耐火金属で構成される。銅又はアルミニウムをスパッタすべき場合には、ターゲットの設計が非常に簡単でよい。
【0035】
本発明の磁気リング136は、上部チャンバー壁120の下部のくぼみに部分的に嵌合されて支持される。磁気リング136は、2つの180°セグメントを一緒に端−端固定して、非常に多数の永久磁石、例えば、20個以上を捕獲する円形構造体としたもので形成することができる。そのキャリアは、図示されていない機械的構造体によりチャンバー壁120に固定される。一般的なキャリア及び磁石設計は、ディン氏等により特許出願第09/993,543号に開示されている。
【0036】
下部チャンバーは、上部チャンバー壁120に密封されてそれを支持する下部チャンバー壁140により形成される。下部チャンバーは、大きな真空ポンピングポート142と、ペデスタル146の図示されていないステムのための密封された通路144とを備えている。外部で操作されるステムは、ペデスタル146を、図示された処理位置から下部移送位置へ下げることができ、ウェハを、スリットバルブアパーチャー148を経てペデスタル146へ及びペデスタル146から移送できるようにする。ペデスタル146を堆積から保護するために、図示されていない堆積リングがペデスタルの棚150に支持される。プロセスガスのための1つ以上のガスポート152も下部チャンバーに置かれる。
【0037】
アスペクト比が好ましくは少なくとも4であるバンド形状又は管状のRFコイル160は、コイル160の外方に延びるタブ166を捕獲する5つの絶縁スタンドオフ164を経て単一部片の内部シールド162に支持される。RFコイル162は、金属シールド内に位置させて、シールドがRF磁界を短絡するのを防止しなければならない。シールドは、それらが非磁性材料で作られる限り、リング磁石136からのDC磁界にあまり影響を及ぼさない。RFコイル160及び磁石リング136の相対的な位置は、図5を参照して既に説明した。
【0038】
内部シールド162は、ターゲットバッキングプレート130付近の上端からRFコイル160より下の下端まで延び、通常、処理位置にあるペデスタル146の上面のすぐ下まで延びる。内部シールド162は、チャンバー壁120をスパッタ堆積から保護するもので、通常は、かなりの厚みまで蓄積した堆積材料が剥げ落ちて粒子を形成しないように固定数の堆積サイクル後に交換される消耗品と考えられる。内部シールド162の上端は、ターゲットフランジ128及びその角により形成されたくぼみ132に嵌合され、また、内部シールド162の角部とターゲットフランジ128及びアイソレータ129との間には小さな分離がある。この小さなギャップは、プラズマを維持しないプラズマダークスペースとして働き、従って、ギャップ内に金属がスパッタ堆積したりターゲットが接地されたシールド162又は金属リム122に短絡したりするのを防止する。環状フランジ168は、内部シールド162から半径方向外方に延び、上部チャンバー壁120の内部棚に支持されて電気的に接地される。フランジ168は、内部シールド162の上端と下端との間に置かれ、内部シールド162の上端がリム122及びアイソレータ126の両方の前方に延びるのを許容する。シールドをチャンバー壁120にスクリュー固定するのを許容するためには、個別リム122が好ましい。内部シールド162の内面は、ビードブラスティングを越える滑らかな輪郭を有し、丸み付けされた上下の尖端を除くと垂直から10°以上ずれる面はない。この滑らかな面は、鋭い角に堆積した材料の剥げ落ちを減少する。
【0039】
内部シールド162は、更に、図10に平面図で、また、図11に正射投影図で示されている。5つの円形くぼみ170がシールド162の外壁に形成されて、外部キャップ172を、ホールを通過するスクリューと一緒に受け入れ、外部キャップ172及び内部カラー176が、くぼみ170のエリアにおいてシールド162を貫通するアパーチャー178を経てコイルタブ166を捕獲し、従って、コイル170を内部シールド162に固定するのを許容する。
【0040】
シールドフランジ168は、多数のスルーホール180を含み、これを通してシールドをチャンバー本体にスクリュー固定する。フランジ168の外部上角に形成された2つの部分くぼみ182は、ホール184を通過するねじ切りされた部材にねじ込まれるナットを受け入れて、2つのシールドをユニットとしてアッセンブルするのを許容する。一対のホール184にねじ切りして、頭上ホイストへの一時的なねじ接続を許し、シールドユニットを機械的に持ち上げることができる。2つの角度的にオフセットした平らな面186が外壁面に形成されて、RFフィードスルーをシールド162から分離する絶縁セラミックプレートを受け入れる。スルーホール188に入れられるセラミックブッシングは、コイル160の外方に延びる円形端を、それらが貫通するシールド162から分離させる。ホール190は、シールド162へのフィードスルー構造体のねじ固定を許容する。平らな面186のエリアにおけるフランジ168の外側部分を貫通する2つの略半円形の欠切部192は、各平らな面186に置かれたコイル端を、チャンバー壁120を貫通するRF真空フィードスルーにねじ固定するのを許容する。
【0041】
図9に断面で示され、図12に正射投影図で示された環状外部シールド200は、概略的に、内部シールド162と上部チャンバー壁120との間に配置される。これは、内部シールド162のフランジ168とチャンバー壁120の棚との間に位置されたフランジ202を備えている。1組のスクリューが内部シールド162のスルーホール180及び外部シールド200のスルーホール204を通過して、それらをチャンバー壁120に固定すると共に、それを通して電気的に接地する。
【0042】
外部シールド200は、その下端に、半径方向に延びる底壁206及び上方に延びる短い内壁208を含むボウル部分を備え、それらは両方とも下部チャンバーを堆積から保護する。図示されていないシャドーリングは、ペデスタル146が処理位置にあるときにはペデスタルの棚150にある堆積リングに支持されるが、ペデスタル146がウェハ移送のために下げられたときには内部シールド壁208に支持される。
【0043】
非常に多数の円形アパーチャー210、例えば、少なくとも20個が、外部シールド200のまっすぐな外壁212の底付近に円形アレイで形成される。これらのガスアパーチャー210は、下部チャンバーのガスポート152から上部チャンバーの処理スペースへ処理ガスが容易に流れるのを許容する。ガス流の向上は、1つのガス種が消費される反応性スパッタリングに対して特に重要である。ガス流は、内部シールド162の底付近で背部に環状くぼみ214を形成することにより形成することにより、更に向上される。
【0044】
まっすぐな壁212には、小さなアパーチャー210の上に5つの大きな円形アパーチャー216が形成される。これらの大きなアパーチャー216は、内部シールド162に固定されるスタンドオフ164に対応して形成され、スタンドオフ164の外部カップ172へのアクセス及びそのためのスペースを許容する。更に、RFフィードスルー及びRFコイル160の端のエリアには、まっすぐな壁212及びフランジ204に大きな長方形のスルーアーク状欠切部218が切られる。大きなアパーチャー216及び欠切部218も、ガス流を促進する。
【0045】
図9に示す第3の環状スカートシールド220は、上部チャンバー壁120に固定されるが、外部シールド200の底付近まで降下し、若干の内方テール即ちひだ222で終わる。このシールドは、上部及び下部チャンバー壁120、140を、小さなガスアパーチャー210を経て漏れることのある堆積から保護する。内部及び外部シールド162、200は、通常、アルミニウムで形成されるが、スカートシールド220は、非磁性スチールで形成することができる。
【0046】
シールド設計は、リアクタ内で比較的僅かなスペースしか占有しないが、それでも、ガス流を促進する。更に、シールドシステムは、RFコイルを支持し、そこへの電気的接続を通す。シールドシステムは、内部コイル及び外部磁石リングを伴うリアクタの一実施例内で説明したが、このようなコイル又は磁石を欠いた他のリアクタにも使用できる。リアクタが内部RFコイルを欠く場合には、内部シールドの円形くぼみ、並びに外部シールドの大きなアパーチャー及び欠切部を含ませる必要はない。
【0047】
スパッタリアクタの上述した実施形態は、タンタルターゲットを含むものであった。他の金属ターゲット、特に、耐火金属チタン及びタングステンを使用してもよい。本発明は、銅のスパッタリングに適用できるが、銅のRFコイルを溶融しないように注意を払う必要があり、アルミニウムについても同様である。
【0048】
上述したリアクタ及びその部品は、小さな設置面積及び僅かな追加コストで改良された融通性のある性能を発揮するものである。
【符号の説明】
【0049】
10…導電性特徴部、12…下部誘電体層、14…上部誘電体層、16…ビアホール、20…ライナー層、22…薄い側壁部分、24…オーバーハング、26…厚い底部分、30…側壁、32…中心軸、34…タンタルターゲット、36…環状アイソレータ、38…ペデスタル、40…ウェハ、42…真空ポンプシステム、44、50…ガス源、46、52…マスフローコントローラ、48…DC電源、60…不平衡ネスト状マグネトロン、62…内部磁極、64…外部磁極、68…駆動シャフト、70…コイル、72…DC電源、74…RF電源、78…RFバイアス電源、80…容量性結合回路、80…初期プラズマ分布、82…分布、84…その後の分布、90…リング磁石、92…磁界、100…ソレノイドコイル、102…DC電流源、102a、102b…電源、104…磁界、106、108…同軸ソレノイド、120…上部チャンバー、122…金属性リム、124…中心軸、126…アイソレータ、128…フランジ、130…ターゲットバッキングプレート、132…くぼみ、134…ターゲット層、136…磁石リング、142…真空ポンピングポート、144…通路、146…ペデスタル、150…棚、152…ガスポート、160…RFコイル、162…内部シールド、164…スタンドオフ、166…タブ、168…フランジ、200…外部シールド、220…第3の環状スカートシールド
【関連技術】
【0001】
本出願は、2002年11月14日に出願された国際出願PCT/US02/36940号の一部継続出願であり、該出願は、2001年11月14日に出願され、無料で発行された特許出願第09/993,543号の一部継続出願であり、これら両方の出願は、参考としてその全体をここに援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概略的に、材料のスパッタリングに関する。より詳細には、本発明は、誘導性結合プラズマリアクタに使用される補助磁石に関する。また、本発明は、スパッタリアクタに使用されるシールドにも関する。
【背景技術】
【0003】
スパッタリングは、別名、物理的気相堆積(PVD)とも称されるが、半導体集積回路の製造において金属及び関連材料の層を堆積する最も普及した方法である。スパッタリングの1つの用途は、図1に断面で示されたビア構造に関連したバリア層及びシード層を堆積することである。通常、酸化シリコン又は他のケイ酸ガラスで形成されて、おそらく低い誘電率をもつようにドープされた下部誘電体層12の表面に導電性特徴部10が形成される。下部誘電体層12の上に上部誘電体層14が堆積され、次いで、導電性特徴部12のエリアにおいてこの上部誘電体層14を貫通してビアホール16がエッチングされる。近代的な回路では、ビアホール16は、深さ対最小巾で測定したアスペクト比が4:1又はそれより大きくなるものもある。最終的に、金属がビアホール16に充填されて、導電性特徴部10を含む下部配線レベルと、上部誘電体層14の上面に形成された上部配線レベルとの間に垂直方向の電気的相互接続部を形成する。単純なまっすぐなビア16が示されている。デュアルダマシンでは、単純なビア16は、誘電体層14の下部の狭いビアがその上部の広いトレンチに接続されたものに置き換えられ、このトレンチは、水平方向にかなりの距離延びて、上部配線層の水平相互接続部を形成する。
【0004】
ビアを金属化する前に、誘電体層14の上面と、ビアホールの底壁及び側壁とにライナー層20が堆積される。このライナー層14は、ビア金属と酸化物誘電体との間の拡散に対するバリア、酸化物と金属との間の接着層、及びその後に堆積される金属に対するシード又は核生成層を含む多数の機能を遂行する。過去において有力な金属はアルミニウムであったが、デュアルダマシン構造では銅が進歩型集積回路にとって有力なものとなり始めている。というのは、電気的抵抗率及びエレクトロミグレーションが低く、且つ電気−化学メッキ(ECP)を使用してビアホール16に銅を充填することができるからである。銅の場合に、導電性特徴部10は、通常、デュアルダマシン金属化のトレンチ部分である。銅に対するライナー層20は、通常、窒化タンタル(TaN)のバリア層、Taの接着層を含む。薄い銅シード層は、ECP銅の核を生成すると共に、電気−化学的プロセスの電極としても働く。化学的気相付着(CVD)又はその改良である原子層堆積(ALD)は、幾つかの層に使用することができる。両技術は、高アスペクト比のホールに適合層を被覆する傾向があり、また、ALDは、化合物の非常に薄い層を被覆することができる。しかしながら、多数の固有の問題を克服できれば、その経済性と、膜のクオリティの高さから、通常、スパッタリングが好ましい。側壁カバレージが概して不充分で、ホール16内の深部に形成される側壁部分22が薄くなる。スパッタリングは、ホール16の頂部にオーバーハング24を形成する傾向があり、これは、最低限、ホール16へその後に被覆するための有効アスペクト比を高め、最悪の場合、ホール16の頂部を橋絡して、ホール16への更なる堆積を妨げる。ウェハを電気的にバイアスすることを組み込んだ種々の技術を使用して、オーバーハング24を減少すると共に、側壁カバレージを増加することができる。これらの技術は、厚い底部26で表されたように、底部カバレージを改善する傾向がある。しかしながら、底部26は、下部導電性特徴部への導電性経路にある。タンタルは、金属であるが、電気的抵抗率が若干高い。窒化タンタルは、著しく抵抗性である。その結果、底部26をエッチング除去することが望ましい。他方、オーバーハング24のエッチングは、その下に横たわるバリア層を除去してはならない。
【0005】
親の国際出願において、ディン氏等は、Ta及びTaNの両方を堆積できる図2に概略的に示すスパッタリアクタを使用することにより、これらの多数の矛盾する要件に対処している。真空チャンバーの側壁30は、リアクタの中心軸32の周りに配列される。タンタルターゲット34がチャンバー30に支持され、環状アイソレータ36を経て真空密封される。ペデスタル38は、スパッタ処理されるべきウェハ40を中心軸32に沿ってターゲット34に対向して保持する。真空ポンプシステム42は、チャンバー30を10−8トールの低い圧力にポンピングすることができる。しかしながら、アルゴン作用ガスが、ガス源44からマスフローコントローラ46を経て通常0.1から10ミリトールの範囲の圧力で供給される。選択的DC電源48は、接地された金属チャンバー30又はその図示されていないシールドに対してターゲット34を負にバイアスし、作用ガスをプラズマへと放電させる。負のターゲットバイアスは、正のアルゴンイオンをターゲット34に引き付けると共に、エネルギーのあるイオンがターゲット34からタンタル原子をスパッタさせる。幾つかのタンタルイオンがウェハ40に当り、そこにタンタル層を堆積する。プロセスのある部分において、窒素ガスがガス源50からそのマスフローコントローラ52を経てチャンバー30に供給される。窒素は、反応性イオンスパッタリングと称するプロセスにおいて、スパッタされたタンタルと反応してウェハ40上に窒化タンタルを形成する。
【0006】
ターゲット34付近のプラズマの密度は、ターゲットの背後に置かれた小さな不平衡ネスト状マグネトロン56により高められる。フュー氏は、米国特許第6,183,614号においてこのようなマグネトロンを説明している、これは、一方の磁気極性の内部磁極62を、逆極性の環状の外部磁極64で包囲したものを備え、その両磁極は、磁気ヨークに支持されて磁気結合されている。ターゲット34の前方の磁界の水平成分が電子を捕獲し、プラズマ密度、ひいては、スパッタリング率を高める。マグネトロン60の小さな面積は、マグネトロン60付近のエリアにおけるターゲットスパッタリング電力を集中させ、これも、プラズマ密度を高める。マグネトロン56は、円形、楕円形、三角形及びレーストラックを含む種々の形状をもつことができる。均一なスパッタリングを与えるために、マグネトロン60は、ロータリ駆動シャフト68に支持されて、中心軸32の周りで回転される。外部磁極64の全磁界強度、即ちその面を横切って一体化される磁束は、内部磁極62より著しく大きく、マグネトロン60を不平衡にさせる。その比は、少なくとも1.5であり、好ましくは、2.0より大きい。この不平衡状態は、外部磁極64からウェハ40に向けて磁気成分を突出させ、プラズマを閉じ込めると共に、タンタルイオンをウェハ40へ誘導させる。
【0007】
充分な電力密度がターゲット34に与えられる場合には、マグネトロン60の下の高密度プラズマ領域が、スパッタされたタンタル原子の大部分をイオン化する。タンタルイオンは、ターゲット34に戻るように引き付けられて、自己イオン化プラズマ(SIP)スパッタリングと称される効果において更なるスパッタリングを生じさせることができる。その結果、アルゴンのスパッタリングガスは、プラズマを維持する上で重要性が低くなり、アルゴンの圧力を下げることができる。銅のスパッタリングを伴うある状態では、SIPプラズマが自己持続され、アルゴンの供給を遮断することができる。
【0008】
ウェハ40より大きくて2つの個別の端を有するバンド形状のRFコイル70がチャンバー30内に位置され、その図示されていないシールドが、ターゲット34とウェハ40との間の処理スペースの下半分又は1/3に置かれる。一実施形態では、コイル70は、ターゲットと同じ材料で作られ、即ち、この実施例では、タンタルについて述べる。更に、これは、中心軸32に沿って管状の形状を有し、軸の長さ対半径方向厚みのアスペクト比は、通常、少なくとも4である。この組成及び形状は、コイル70が1つの動作モードにおいて第2のスパッタリングターゲットとして働くのを許容する。DC電源72及びRF電源74は、図示されていない結合回路及び分離回路を経て結合され、コイル70を独立してDCバイアスするか、又はRFエネルギーをコイル70に誘導性結合させるか、或いはこれら2つを結合して行うのを許容する。RF電源は、コイル70の一端でキャパシタ76を経て接地されるが、このキャパシタは、DC電源72によりコイル70をDC分離する。この図は、電源72、74の相対的な位置、及びコイル70の接地点を示していない。コイルは、中心軸32に垂直な平面内をほぼ360°に延び、その両端は、中心軸32の周りで最小距離、例えば、25°未満で分離されるのが好ましい。これらの端の一方は電力供給され、他方は接地される。
【0009】
コイル70が負にバイアスされると、アルゴンイオンを引き付けてコイル70からタンタルをスパッタさせる。コイル70は、RF電力で駆動されると、軸方向RF磁界を発生し、これは、方位電界を誘起して、チャンバー30の下部にプラズマ領域を誘起させる。即ち、二次プラズマ源は、アルゴンイオンの円板状領域をウェハ付近に形成する。別のRF電源が容量性結合回路80を経てペデスタル電極38に結合され、これは、付近のプラズマのエッジに負のDC自己バイアスを誘起する。その結果、二次プラズマ源内及び頂部マグネトロン/ターゲット源からのアルゴンイオンがウェハ40へと加速されて、これをスパッタエッチングする。加速により生じる非等方性のために、エネルギーのあるイオンがビアホールの底部に到達し、側壁部分22に比べて底部26を効果的に選択的エッチングする。
【0010】
ここに示すリアクタは、多数のモードで動作できるが、2つの極端なモードが考えられる。堆積モードでは、コイル70へのRF電力がターンオフされる。大きなDC電力がターゲット34に印加される。自己イオン化プラズマであるために、アルゴンの圧力を下げて、ウェハ40のアルゴンイオンスパッタエッチングを減少することができる。もし希望であれば、コイル70をDCバイアスして、二次ターゲットとして働くようにしてもよい。このモードは、主として、ウェハのスパッタエッチングを最小にしてタンタルを堆積する。他方、エッチングモードでは、2つのDCターゲット電力46、72がターンオフされ、タンタルは本質的にスパッタされない。更に、コイル70へのRF電流が増加され、RFバイアス電源78がウェハ70をDC自己バイアスする。その結果、タンタルはほとんど堆積されず、第2プラズマ源からのアルゴンイオンがウェハ40をスパッタエッチングする。全電源46、72、74、78を使用することにより、同時堆積及びエッチングの組み合せを達成することができる。
【0011】
しかしながら、このような装置で遂行されるエッチングは、ウェハの直径にわたって非常に非均一であることが分かった。図3のグラフに示す2本の曲線は、800W及び450Wのバイアス電力をペデスタルに印加した場合に実験で観察されるエッチングレートを各々表している。エッチングレートは、ウェハの中心付近で最も高く、ウェハのエッジに向かって約40%降下する。図2のスパッタリアクタは、スパッタ堆積については受け容れられる均一性を示すが、スパッタエッチングの均一性は改善を必要とする。
【0012】
コイル70は、電気的に接地されたチャンバー壁30内だけでなく、接地されたスパッタシールド内でも支持しなければならず、これらスパッタシールドは、堆積から壁を保護するのに使用されるだけでなく、カソードターゲット34に対向するアノードとして働くようにも使用される。コイルを支持すると共に、コイルへの電気的接続を与えるために、簡単で容易に修理可能な機械的システムが必要とされる。特に、近年開発された300mmチャンバーに伴う更に別の問題は、貴重なクリーンルームスペース内におけるリアクタの設置面積を減少するためにチャンバーのサイズを最小限にする必要があることである。
【発明の概要】
【0013】
プラズマスパッタリングに関連した本発明の1つの態様は、コイルの後方に位置された磁気リングであって、コイルの軸に沿って磁気極性を有する磁気リングを包含する。コイルは、処理されている基板の付近にプラズマを誘起し、特に、基板をスパッタエッチングするのに使用できると共に、スパッタ堆積のための二次ターゲットとしても使用できる。2つのプロセス間の切り換え又はそれらの結合は、コイルにおけるRF及びDCバイアス状態に依存すると共に、ターゲット及びウェハのバイアスにも依存する。磁気リングは、プラズマバリアとして働く軸方向DC磁界をコイル付近に発生し、従って、コイルにより誘導的に形成されたプラズマが、基板へと拡散されるかさもなければ引き付けられる前にコイルに接地されるのを防止し、これにより、基板のスパッタエッチングの半径方向均一性を改善する。また、軸方向DC磁界は、コイルのスパッタリング用マグネトロンとしても働く。
【0014】
磁気リングは、中心軸と同軸的な1つ以上のソレノイドにより、又は小さなソレノイドの環状アレイにより、軸方向に分極された永久磁石の環状アレイで形成することができる。コイルは、管状の形状を有するのが好ましく、従って、磁気リングは、コイルの中心軸方向部分からコイルを越えて基板に向けて延びるのが好ましい。複数のソレノイドは、電気的に直列に配列され、個別に及び独立して電力供給されてもよい。
【0015】
ネスト状不平衡ルーフマグネトロンが一次ターゲットの後方に使用される場合には、コイルのボア内に磁気リングにより発生されるDC磁界の軸方向極性が、ルーフマグネトロンの外部磁極により形成される極性と逆であるのが好ましい。
磁石アレイは、真空チャンバーの外部側壁に装着されるのが好ましい。
【0016】
本発明の別の態様は、磁気リングを合体したものを含むがこれに限定されないプラズマスパッタリアクタと共に使用可能なシールドシステムを包含する。内部シールドが、ターゲットから、ウェハを支持するペデスタルへと延び、シールドの中央部のフランジにより支持される。内部シールドの内面は、滑らかな輪郭を有し、チャンバー軸から10°を越えてずれる面はない。RFコイルは、内部シールドにより支持され、その電気的リードが内部シールドを貫通している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来のビアライナーに伴う多数の問題を示す概略断面図である。
【図2】プラズマ源及びスパッタリングターゲットとして動作する小型の不平衡マグネトロン及び誘導性コイルを使用したプラズマスパッタリアクタを示す概略断面図である。
【図3】図2の形式のスパッタリアクタで観察される非均一なスパッタエッチングを示すグラフである。
【図4】図3の非均一なエッチングを説明するための概略図である。
【図5】RFコイル及びコイル後方の外部磁石アレイを備えた本発明のリアクタを示す概略断面図である。
【図6】図5の形式のスパッタリアクタで観察されるより均一なスパッタエッチングを示すグラフである。
【図7】永久磁石のアレイに取って代わる磁気リングとして使用される1つのソレノイドコイルの概略図である。
【図8】磁気リングとして使用される2つの同軸コイルの概略図である。
【図9】RFコイルと、磁石リングと、内部シールド、外部シールド及びスカートシールドのシールドシステムとを組み込んだスパッタリアクタの断面図である。
【図10】内部シールドの平面図である。
【図11】内部シールドの正射投影図である。
【図12】外部シールドの正射投影図である。
【好ましい実施形態の説明】
【0018】
非均一なレートの原因であると考えられるメカニズムを、図4の概略図を参照して説明する。RF誘導性コイル70は、該コイル70付近に主として集中する初期プラズマ分布80を生成する。エッジ局所化は、生成されるプラズマの表皮深さに関して説明することができる。RFコイル70は、中心軸32に概略的に沿ったRF磁界を発生する。このRF磁界は、次いで、方位電界を発生して方位電流を励起し、これは、プラズマを維持すると共に、その密度を高める。しかしながら、電界は、次いで、高導電性プラズマにより電気的に短絡される。即ち、RF磁界は、プラズマの表皮深さまでしかプラズマに到達しない。しかしながら、プラズマは、分布82で示すように、軸方向にウェハ40に向かって且つ半径方向にも拡散する。半径方向の拡散は、中心軸32に向かう内方成分と、コイル70に向かう外方成分とを含み、これは、電気的に駆動されるコイル70に当たる電子を弱める。中性プラズマでは、イオン密度が電子の密度に従う。エッジロスは、実際に、その後の分布84へと鋭敏になり、ここで、エッジは、中心32へ以前に拡散した電子を流出させる。その結果、プラズマがウェハに当たると、プラズマ密度の分布が、中心32における最大値から、ウェハ40のエッジに向かって減少する。このプラズマ密度分布は、スパッタエッチングレートで直接的に表される。
【0019】
無磁界領域における拡散のレート、より詳細には、ベクトル拡散フローJは、プラズマ密度nの勾配に拡散定数D0を乗算したものに比例し、即ち、
J=D0▽n
となる。本発明者の理解によれば、拡散を磁気的に制御することができる。磁界中の中性プラズマの有効拡散定数Dは、次式で与えられることが知られている。
【0020】
【数1】
【0021】
但し、Tcは、サイクロトロン周波数で、次式により磁界Bに関係付けられる。
【0022】
【数2】
【0023】
本発明の1つの態様によれば、磁界は、電子を捕獲するための磁気バリアを生成し、ひいては、プラズマ電子がコイル70、チャンバー側壁30、又はそれらの間の図示されていないシールドへ漏れるのを防止するように配置される。軸方向の磁界は、壁への拡散を防止する上で最も効果的である。方位磁界も、壁への拡散を低速化するが、スパッタリアクタの略円対称の幾何学形状と一致せず、ウェハへのプラズマの軸方向拡散を更に低速化する。半径方向磁界は、半径方向拡散を低速化せず、軸方向拡散のみを低速化する。
【0024】
これらの概念は、図5に概略的に示すスパッタリアクタに組み込まれた補助的な側壁リング磁石90に組み入れられる。簡単化のため、この図は、図2に既に示された電源回路を示していない。この点において、より現実的な構造は、以下で詳細に説明するが、この図は、本発明の磁気部分及びそれらの実施を理解するのに充分であることを述べておく。
【0025】
磁気リング90は、チャンバー側壁30の外部で、コイル70の略半径方向外方に位置されて、ダイポールリング磁界92を生成する。この磁界は、主として軸方向(中心軸32に平行)であって、コイル70の面に隣接し且つそれに平行である。内部コイル面のこの軸方向部分は、プラズマ電子を、それらのエネルギー及び速度方向に基づいて捕獲する傾向があり、ひいては、コイル70又は以下に述べるシールドへのプラズマ電子の拡散を著しく減少する磁気バリアを生成する。磁気リング90は、チャンバー30の外周に配列された同じ極性の複数の永久磁石で形成することができる。概略的に、リングの磁気極性は、希望のバリアに直接影響しないが、リング90の極性は、ルーフマグネトロン60の強力な外部磁極64の極性と逆又は逆平行であるのが好ましい。他方、平行な配向は、内部コイル面から離れて隣接ルーフマグネトロン60の外部磁極64に向けて磁界92を引っ張る傾向があり、従って、コイル70の1つの点における希望の作用を低下させる。ディン氏等は、祖父母の米国特許出願第09/993,543号、現在、US2003−089,601−A1号として公告された、において、同様の磁石リングを同様の位置に入れているが、コイルを欠いている。しかしながら、彼等は、磁石リングをルーフマグネトロン60の外部磁極64と平行な極性配向にして、外部磁極64からの投影磁界をウェハ40に向けて更に延ばし、ひいては、ターゲットからスパッタされたイオンを更に誘導することを唱えている。
【0026】
磁気リング90は、その磁石及び磁極面を含めて、コイル70の半径方向外方に少なくとも部分的に延びねばならない。また、磁気リング90は、その軸方向距離も、好ましくは、コイル70と少なくとも同程度の長さに延びねばならない。一実施形態では、磁気リング90の上端は、バンドコイル70の軸方向中間面と同一平面又はその若干上にあり、一方、その下端は、コイル70の軸方向最下面より下に延びる。この配置は、ウェハ40に向かうプラズマの拡散及び磁界駆動電流を制御するコイル70の面付近及びその軸方向下側の最も強力な二次プラズマ源領域付近の重要な軸方向磁気成分を増強する。
【0027】
磁気リング90は、マグネトロンとして働く付加的な作用を有する。バンドコイル70の面に平行な磁気成分は、電子を捕獲し、従って、プラズマ強度及びバンドコイル70からのスパッタリングレートを増加させる。この作用の効果は、少なくとも、主ターゲット34からスパッタされるものと同じ材料で構成されたバンドコイル70の表面部分に依存する。コイルのスパッタリングは、コイル70が二次プラズマ源に誘導的に電力供給するスパッタエッチングではなく、スパッタ堆積に貢献する。
【0028】
リング磁石なしで図3のデータを得るのに使用した実験を、本発明の磁石リングを使用して繰り返した。ウェハの直径にわたるエッチングレートが、2つの異なるバイアス電力に対して図6にプロットされている。明らかに、リング磁石は、エッチングの均一性を大幅に改善する。
【0029】
電磁石は、永久磁石と若干同様の作用を与えることができる。図7に断面で示すように、電磁石とも称されるソレノイドコイル100は、図5の磁石リング90と同様の磁石リングとして働くようにチャンバー壁30の外部で中心軸32の周りに巻かれる。DC電流源102又は他の電源がソレノイド100に電力供給して磁界104を発生し、この磁界は、RFバンドコイル70の内面にほぼ垂直であり、ソレノイド100のボア内の極性は、図5のルーフ磁石64の外部磁極64と逆であるのが好ましい。磁界の強度を変えて、プロセスを最適化するか、又はプロセスのステップ間で磁界を変えるように、電流源102が選択的であるのが好都合である。ソレノイド100は、図5の永久磁石リング90と同様の長さ及び位置を有するのが好ましい。ソレノイド100は、単一のターンを有してもよいし複数のターンを有してもよく、且つ好ましいRFコイル70と同様の環状バンドとして形成されてもよい。単一ターンの実施形態は、円の全360°の範囲を越える必要はなく、コイル70の2つの端間に25°、好ましくは、約18°の角度ギャップが存在して、2つの端への分離した電気的接続を許容してもよい。
【0030】
ソレノイドが発生する磁界は、ダイポール磁界である永久磁石のリングにより発生される磁界と厳密ではないが同様の形状を有する。更に、リングのダイポール磁界は、約1/tの依存性で磁石から減衰し、ここで、tは、磁石からの距離であり、リングの半径より著しく小さい。他方、ソレノイドの磁界は、tと共に対数的に減衰する。プラズマは、DC磁界を短絡しないので、ソレノイド磁界は、中心軸に沿ったボアの中心において強くなる。従って、ソレノイド磁界は、中心に向かう環状プラズマ源の内方拡散を防止する傾向となる。それにもかかわらず、電気コイルを使用して、リングダイポール分布に近い磁界分布を発生することができる。図8に示すように、2つの同軸ソレノイド106、108がチャンバー壁30の外部に巻かれる。それらは、同じ軸方向位置を有するが、距離sだけ半径方向に分離されている。それらは、互いに逆の方位方向又はセンスで電力供給されると、それらの共通ボア内に実質的に逆平行の磁界を各々発生する。全磁界、即ち2つの大きさの差は、sの値に依存し、リングダイポール磁界分布を近似する。2つのコイル106、108は、直列であるが逆のセンスで単一の電源に接続されてもよいし、或いは図示されたように、各々の独立した電源102a、102bに接続されてもよい。
【0031】
ソレノイド磁気リングは、プロセス最適化のために、且つ同じプロセスの異なるステップ間で、磁界、ひいては、プラズマバリア及びターゲットスパッタリングを変更するために、同調をなし得るという効果を有する。独立して電力供給される同軸ソレノイドは、これもプロセス最適化又はプロセスステップ間で、ソレノイド磁界とダイポールリング磁界との間で同調をなし得るという更に別の効果を有する。このような同調性は、RFコイルを欠いたスパッタリングリアクタに使用することができる。
【0032】
環状電磁リングの別の形式は、磁石リングの永久磁石に有効に個々に置き換わる小型の軸方向配向ソレノイドの環状アレイである。ディン氏等は、祖父母の特許出願第09/993,543号にこの構成を説明している。このようなソレノイドアレイは、ソレノイドが個々に電力供給される場合に方位的に同調することができる。
【0033】
電磁石の使用は、RFコイルの近くでチャンバー内にコイルを配するのを容易にする。
【0034】
より現実的なプラズマスパッタリアクタが図9に示されているが、ルーフマグネトロン、電源、及びペデスタルの部分といった多数の部品は、図示されておらず、図2及び5に見ることができる。上部チャンバーは、上部チャンバー壁120及び金属性リム122により形成され、これらは両方とも中心軸124の周りでほぼ対称的である。アイソレータ126は、それを支持するリム122に対して密封されると共に、アイソレータ126が支持するターゲットバッキングプレート130のフランジ128に対して密封される。バッキングプレート130は、角をもつくぼみ132を含み、その下で、ターゲット層134がバッキングプレート130に接合される。ターゲット層134は、スパッタされるべき金属、例えば、タンタル又は他の耐火金属で構成される。銅又はアルミニウムをスパッタすべき場合には、ターゲットの設計が非常に簡単でよい。
【0035】
本発明の磁気リング136は、上部チャンバー壁120の下部のくぼみに部分的に嵌合されて支持される。磁気リング136は、2つの180°セグメントを一緒に端−端固定して、非常に多数の永久磁石、例えば、20個以上を捕獲する円形構造体としたもので形成することができる。そのキャリアは、図示されていない機械的構造体によりチャンバー壁120に固定される。一般的なキャリア及び磁石設計は、ディン氏等により特許出願第09/993,543号に開示されている。
【0036】
下部チャンバーは、上部チャンバー壁120に密封されてそれを支持する下部チャンバー壁140により形成される。下部チャンバーは、大きな真空ポンピングポート142と、ペデスタル146の図示されていないステムのための密封された通路144とを備えている。外部で操作されるステムは、ペデスタル146を、図示された処理位置から下部移送位置へ下げることができ、ウェハを、スリットバルブアパーチャー148を経てペデスタル146へ及びペデスタル146から移送できるようにする。ペデスタル146を堆積から保護するために、図示されていない堆積リングがペデスタルの棚150に支持される。プロセスガスのための1つ以上のガスポート152も下部チャンバーに置かれる。
【0037】
アスペクト比が好ましくは少なくとも4であるバンド形状又は管状のRFコイル160は、コイル160の外方に延びるタブ166を捕獲する5つの絶縁スタンドオフ164を経て単一部片の内部シールド162に支持される。RFコイル162は、金属シールド内に位置させて、シールドがRF磁界を短絡するのを防止しなければならない。シールドは、それらが非磁性材料で作られる限り、リング磁石136からのDC磁界にあまり影響を及ぼさない。RFコイル160及び磁石リング136の相対的な位置は、図5を参照して既に説明した。
【0038】
内部シールド162は、ターゲットバッキングプレート130付近の上端からRFコイル160より下の下端まで延び、通常、処理位置にあるペデスタル146の上面のすぐ下まで延びる。内部シールド162は、チャンバー壁120をスパッタ堆積から保護するもので、通常は、かなりの厚みまで蓄積した堆積材料が剥げ落ちて粒子を形成しないように固定数の堆積サイクル後に交換される消耗品と考えられる。内部シールド162の上端は、ターゲットフランジ128及びその角により形成されたくぼみ132に嵌合され、また、内部シールド162の角部とターゲットフランジ128及びアイソレータ129との間には小さな分離がある。この小さなギャップは、プラズマを維持しないプラズマダークスペースとして働き、従って、ギャップ内に金属がスパッタ堆積したりターゲットが接地されたシールド162又は金属リム122に短絡したりするのを防止する。環状フランジ168は、内部シールド162から半径方向外方に延び、上部チャンバー壁120の内部棚に支持されて電気的に接地される。フランジ168は、内部シールド162の上端と下端との間に置かれ、内部シールド162の上端がリム122及びアイソレータ126の両方の前方に延びるのを許容する。シールドをチャンバー壁120にスクリュー固定するのを許容するためには、個別リム122が好ましい。内部シールド162の内面は、ビードブラスティングを越える滑らかな輪郭を有し、丸み付けされた上下の尖端を除くと垂直から10°以上ずれる面はない。この滑らかな面は、鋭い角に堆積した材料の剥げ落ちを減少する。
【0039】
内部シールド162は、更に、図10に平面図で、また、図11に正射投影図で示されている。5つの円形くぼみ170がシールド162の外壁に形成されて、外部キャップ172を、ホールを通過するスクリューと一緒に受け入れ、外部キャップ172及び内部カラー176が、くぼみ170のエリアにおいてシールド162を貫通するアパーチャー178を経てコイルタブ166を捕獲し、従って、コイル170を内部シールド162に固定するのを許容する。
【0040】
シールドフランジ168は、多数のスルーホール180を含み、これを通してシールドをチャンバー本体にスクリュー固定する。フランジ168の外部上角に形成された2つの部分くぼみ182は、ホール184を通過するねじ切りされた部材にねじ込まれるナットを受け入れて、2つのシールドをユニットとしてアッセンブルするのを許容する。一対のホール184にねじ切りして、頭上ホイストへの一時的なねじ接続を許し、シールドユニットを機械的に持ち上げることができる。2つの角度的にオフセットした平らな面186が外壁面に形成されて、RFフィードスルーをシールド162から分離する絶縁セラミックプレートを受け入れる。スルーホール188に入れられるセラミックブッシングは、コイル160の外方に延びる円形端を、それらが貫通するシールド162から分離させる。ホール190は、シールド162へのフィードスルー構造体のねじ固定を許容する。平らな面186のエリアにおけるフランジ168の外側部分を貫通する2つの略半円形の欠切部192は、各平らな面186に置かれたコイル端を、チャンバー壁120を貫通するRF真空フィードスルーにねじ固定するのを許容する。
【0041】
図9に断面で示され、図12に正射投影図で示された環状外部シールド200は、概略的に、内部シールド162と上部チャンバー壁120との間に配置される。これは、内部シールド162のフランジ168とチャンバー壁120の棚との間に位置されたフランジ202を備えている。1組のスクリューが内部シールド162のスルーホール180及び外部シールド200のスルーホール204を通過して、それらをチャンバー壁120に固定すると共に、それを通して電気的に接地する。
【0042】
外部シールド200は、その下端に、半径方向に延びる底壁206及び上方に延びる短い内壁208を含むボウル部分を備え、それらは両方とも下部チャンバーを堆積から保護する。図示されていないシャドーリングは、ペデスタル146が処理位置にあるときにはペデスタルの棚150にある堆積リングに支持されるが、ペデスタル146がウェハ移送のために下げられたときには内部シールド壁208に支持される。
【0043】
非常に多数の円形アパーチャー210、例えば、少なくとも20個が、外部シールド200のまっすぐな外壁212の底付近に円形アレイで形成される。これらのガスアパーチャー210は、下部チャンバーのガスポート152から上部チャンバーの処理スペースへ処理ガスが容易に流れるのを許容する。ガス流の向上は、1つのガス種が消費される反応性スパッタリングに対して特に重要である。ガス流は、内部シールド162の底付近で背部に環状くぼみ214を形成することにより形成することにより、更に向上される。
【0044】
まっすぐな壁212には、小さなアパーチャー210の上に5つの大きな円形アパーチャー216が形成される。これらの大きなアパーチャー216は、内部シールド162に固定されるスタンドオフ164に対応して形成され、スタンドオフ164の外部カップ172へのアクセス及びそのためのスペースを許容する。更に、RFフィードスルー及びRFコイル160の端のエリアには、まっすぐな壁212及びフランジ204に大きな長方形のスルーアーク状欠切部218が切られる。大きなアパーチャー216及び欠切部218も、ガス流を促進する。
【0045】
図9に示す第3の環状スカートシールド220は、上部チャンバー壁120に固定されるが、外部シールド200の底付近まで降下し、若干の内方テール即ちひだ222で終わる。このシールドは、上部及び下部チャンバー壁120、140を、小さなガスアパーチャー210を経て漏れることのある堆積から保護する。内部及び外部シールド162、200は、通常、アルミニウムで形成されるが、スカートシールド220は、非磁性スチールで形成することができる。
【0046】
シールド設計は、リアクタ内で比較的僅かなスペースしか占有しないが、それでも、ガス流を促進する。更に、シールドシステムは、RFコイルを支持し、そこへの電気的接続を通す。シールドシステムは、内部コイル及び外部磁石リングを伴うリアクタの一実施例内で説明したが、このようなコイル又は磁石を欠いた他のリアクタにも使用できる。リアクタが内部RFコイルを欠く場合には、内部シールドの円形くぼみ、並びに外部シールドの大きなアパーチャー及び欠切部を含ませる必要はない。
【0047】
スパッタリアクタの上述した実施形態は、タンタルターゲットを含むものであった。他の金属ターゲット、特に、耐火金属チタン及びタングステンを使用してもよい。本発明は、銅のスパッタリングに適用できるが、銅のRFコイルを溶融しないように注意を払う必要があり、アルミニウムについても同様である。
【0048】
上述したリアクタ及びその部品は、小さな設置面積及び僅かな追加コストで改良された融通性のある性能を発揮するものである。
【符号の説明】
【0049】
10…導電性特徴部、12…下部誘電体層、14…上部誘電体層、16…ビアホール、20…ライナー層、22…薄い側壁部分、24…オーバーハング、26…厚い底部分、30…側壁、32…中心軸、34…タンタルターゲット、36…環状アイソレータ、38…ペデスタル、40…ウェハ、42…真空ポンプシステム、44、50…ガス源、46、52…マスフローコントローラ、48…DC電源、60…不平衡ネスト状マグネトロン、62…内部磁極、64…外部磁極、68…駆動シャフト、70…コイル、72…DC電源、74…RF電源、78…RFバイアス電源、80…容量性結合回路、80…初期プラズマ分布、82…分布、84…その後の分布、90…リング磁石、92…磁界、100…ソレノイドコイル、102…DC電流源、102a、102b…電源、104…磁界、106、108…同軸ソレノイド、120…上部チャンバー、122…金属性リム、124…中心軸、126…アイソレータ、128…フランジ、130…ターゲットバッキングプレート、132…くぼみ、134…ターゲット層、136…磁石リング、142…真空ポンピングポート、144…通路、146…ペデスタル、150…棚、152…ガスポート、160…RFコイル、162…内部シールド、164…スタンドオフ、166…タブ、168…フランジ、200…外部シールド、220…第3の環状スカートシールド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマスパッタリアクタに使用するよう適応され、軸の周りで略円形対称であるシールドにおいて、
前記軸に沿って延びる上端と、
前記軸に沿って延びる下端と、
前記上端と下端との間で前記軸から半径方向外方に延びるフランジと、
を備え、前記軸に面したシールド内面は、前記軸からの傾斜が10°以下で、それ以外は滑らかであるようにしたシールド。
【請求項2】
前記上端の上方終端は、前記プラズマスパッタリアクタのターゲットとアイソレータとの間にプラズマダークスペースを形成する形状とされる、請求項1に記載のシールド。
【請求項3】
前記下端の下方部分は、該下方部分の半径方向厚みを減少するように前記下端の外面に形成された環状くぼみを有する、請求項1に記載のシールド。
【請求項4】
前記下端の外面に円形アレイで形成された複数の円形くぼみを更に備えた、請求項1に記載のシールド。
【請求項5】
前記くぼみは、前記くぼみのエリアにおいて前記下端を通過する電気的スタンドオフの部分を受け入れるように構成される、請求項1に記載のシールド。
【請求項6】
各プレートを受け入れるための互いに隣接した2つの平らな面であって、各電気的ラインを通すために各ホールが貫通形成されている平らな面を更に備えた、請求項1に記載のシールド。
【請求項7】
前記2つの平らな面に隣接して前記フランジの外側に2つの欠切部を更に備えた、請求項6に記載のシールド。
【請求項8】
(a)中心軸の周りに配列された真空チャンバーと、(b)ターゲットであって、このターゲットを前記チャンバーに支持する支持フランジ、及び該フランジとターゲットのスパッタリング領域との間に形成されたくぼみを含むようなターゲットと、(c)基板を前記ターゲットに対向して支持するために前記中心軸に沿って動作位置を有しているペデスタルと、を備えたスパッタリアクタに使用するために、前記中心軸の周りで略円形対称であるシールドが、
前記軸に沿って前記くぼみへと延びる上端と、
前記軸に沿って、前記動作位置にある前記ペデスタルの上面の後方へと延びる下端と、
前記上端と下端との間で前記軸から半径方向外方に延びるフランジと、
を備え、前記軸に面したシールド内面は、前記軸からの傾斜が10°以下で、それ以外は滑らかであるようにした改良。
【請求項9】
前記上端の上方終端は、前記ターゲットとアイソレータとの間にプラズマダークスペースを形成する形状とされ、前記アイソレータは、前記ターゲットと前記チャンバーの金属性側壁との間に配置される、請求項8に記載のシールド。
【請求項10】
前記下端の下方部分は、該下方部分の半径方向厚みを減少するように前記下端の外面に形成された環状くぼみを有する、請求項8に記載のシールド。
【請求項11】
前記下端の外面に円形アレイで形成された複数の円形くぼみを更に備えた、請求項8に記載のシールド。
【請求項1】
プラズマスパッタリアクタに使用するよう適応され、軸の周りで略円形対称であるシールドにおいて、
前記軸に沿って延びる上端と、
前記軸に沿って延びる下端と、
前記上端と下端との間で前記軸から半径方向外方に延びるフランジと、
を備え、前記軸に面したシールド内面は、前記軸からの傾斜が10°以下で、それ以外は滑らかであるようにしたシールド。
【請求項2】
前記上端の上方終端は、前記プラズマスパッタリアクタのターゲットとアイソレータとの間にプラズマダークスペースを形成する形状とされる、請求項1に記載のシールド。
【請求項3】
前記下端の下方部分は、該下方部分の半径方向厚みを減少するように前記下端の外面に形成された環状くぼみを有する、請求項1に記載のシールド。
【請求項4】
前記下端の外面に円形アレイで形成された複数の円形くぼみを更に備えた、請求項1に記載のシールド。
【請求項5】
前記くぼみは、前記くぼみのエリアにおいて前記下端を通過する電気的スタンドオフの部分を受け入れるように構成される、請求項1に記載のシールド。
【請求項6】
各プレートを受け入れるための互いに隣接した2つの平らな面であって、各電気的ラインを通すために各ホールが貫通形成されている平らな面を更に備えた、請求項1に記載のシールド。
【請求項7】
前記2つの平らな面に隣接して前記フランジの外側に2つの欠切部を更に備えた、請求項6に記載のシールド。
【請求項8】
(a)中心軸の周りに配列された真空チャンバーと、(b)ターゲットであって、このターゲットを前記チャンバーに支持する支持フランジ、及び該フランジとターゲットのスパッタリング領域との間に形成されたくぼみを含むようなターゲットと、(c)基板を前記ターゲットに対向して支持するために前記中心軸に沿って動作位置を有しているペデスタルと、を備えたスパッタリアクタに使用するために、前記中心軸の周りで略円形対称であるシールドが、
前記軸に沿って前記くぼみへと延びる上端と、
前記軸に沿って、前記動作位置にある前記ペデスタルの上面の後方へと延びる下端と、
前記上端と下端との間で前記軸から半径方向外方に延びるフランジと、
を備え、前記軸に面したシールド内面は、前記軸からの傾斜が10°以下で、それ以外は滑らかであるようにした改良。
【請求項9】
前記上端の上方終端は、前記ターゲットとアイソレータとの間にプラズマダークスペースを形成する形状とされ、前記アイソレータは、前記ターゲットと前記チャンバーの金属性側壁との間に配置される、請求項8に記載のシールド。
【請求項10】
前記下端の下方部分は、該下方部分の半径方向厚みを減少するように前記下端の外面に形成された環状くぼみを有する、請求項8に記載のシールド。
【請求項11】
前記下端の外面に円形アレイで形成された複数の円形くぼみを更に備えた、請求項8に記載のシールド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−80154(P2011−80154A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−256888(P2010−256888)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【分割の表示】特願2006−517590(P2006−517590)の分割
【原出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256888(P2010−256888)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【分割の表示】特願2006−517590(P2006−517590)の分割
【原出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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