誘電体共振部品
【課題】大電力高周波信号を入力して動作させた場合でも温度上昇が抑えられて性能劣化が少なく、且つ部品点数が少なく安価な誘電体共振部品を提供する。
【解決手段】誘電体ブロック20は、第1端面21aおよび第2端面21b、並びにこれら端面の外周縁の間に位置する外側面21c,21d,21e,21fにより画定される基本形状部21を持つ。この基本形状部に外側面に沿って第1端面から第2端面まで貫通して貫通孔22A,22B,22C,22D,22Eが形成され、貫通孔内面に内導体膜23が形成され、第2端面に短絡導体膜24が形成され、外側面に外導体膜25が形成され、貫通孔に対応して形成される共振器同士を結合させる結合導体膜26が第1端面に形成され、入出力電極膜27が共振器のいずれかと結合する。誘電体ブロック20は基本形状部21の外側面21eから突出する複数の突起からなる放熱用突起構造部28を有する。
【解決手段】誘電体ブロック20は、第1端面21aおよび第2端面21b、並びにこれら端面の外周縁の間に位置する外側面21c,21d,21e,21fにより画定される基本形状部21を持つ。この基本形状部に外側面に沿って第1端面から第2端面まで貫通して貫通孔22A,22B,22C,22D,22Eが形成され、貫通孔内面に内導体膜23が形成され、第2端面に短絡導体膜24が形成され、外側面に外導体膜25が形成され、貫通孔に対応して形成される共振器同士を結合させる結合導体膜26が第1端面に形成され、入出力電極膜27が共振器のいずれかと結合する。誘電体ブロック20は基本形状部21の外側面21eから突出する複数の突起からなる放熱用突起構造部28を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体ブロックに複数の貫通孔を形成し、該貫通孔に対応して複数の共振器を形成し、これら共振器を結合させることで構成される、誘電体フィルタや誘電体送受共用器などの誘電体共振部品に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの移動通信機器に用いられる機能性電子部品である誘電体フィルタや誘電体送受共用器としては、誘電体ブロックを用い、これに複数の共振器を作り込んでなる一体型の誘電体共振部品がしばしば用いられる。このような誘電体共振部品に外部から大電力高周波信号を入力して動作させると、誘電体共振部品は発熱する。
【0003】
近年、移動通信機器には小型化が要請されており、これに伴い該移動通信機器に用いられる誘電体共振部品にも小型化が要請されている。小型化した誘電体共振部品は、表面積が小さいため発熱に伴う表面からの放熱が困難になる。その場合、誘電体共振部品の温度が上昇しすぎて無負荷Qが低下するなど電気的特性の劣化が生じやすい。
【0004】
このような問題を解決し、放熱を促進するために、たとえば実開平5−2401号公報[特許文献1]には、プリント基板に金属製放熱板を貼設し、誘電体フィルタなどの機能性電子部品を放熱板上に実装することが提案されている。
【0005】
また、特開平11−145708号公報[特許文献2]には、誘電体フィルタや誘電体デュプレクサ(誘電体送受共用器)を構成する誘電体共振器の発熱部分に凹部を形成し、該凹部に伝熱部材を挿入して放熱を促すことが提案されている。
【特許文献1】実開平5−2401号公報
【特許文献2】特開平11−145708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の手法では、別途放熱板を設ける必要があり、部品点数が増える。また、誘電体フィルタなどの機能性電子部品の実装方法も複雑になるため、部品コストおよび組み立てコストが増大する。
【0007】
また、特許文献2の手法においても、別途伝熱部材が必要であり、部品点数が増える。さらに、構造も複雑になり組み立てコストも増大する。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大電力高周波信号を入力して動作させた場合でも温度上昇が抑えられて性能劣化が少なく、且つ部品点数が少なく安価な誘電体共振部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面を持つ誘電体ブロック;該誘電体ブロックに前記第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された複数の貫通孔;及び、該貫通孔のそれぞれに対応して形成される共振器のうちのいずれかと結合する入出力電極を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは前記第1及び第2の端面以外の面を含んで構成される放熱用突起構造部を有することを特徴とする誘電体共振部品、
が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面、並びに前記第1の端面の外周縁と前記第2の端面の外周縁との間に位置する複数の外側面により画定される基本形状部を持つ誘電体ブロック;該誘電体ブロックの基本形状部に前記外側面に沿って前記第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された複数の貫通孔;該貫通孔の内面に形成された内導体膜;前記第2の端面に形成された短絡導体膜;前記外側面のうちの少なくとも一部に形成された外導体膜;前記貫通孔のそれぞれに対応して形成される共振器同士を結合させ、前記第1の端面に形成される結合導体膜;及び、前記共振器のうちのいずれかと結合する入出力電極を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは前記基本形状部の外側面から突出する複数の突起からなる放熱用突起構造部を有することを特徴とする誘電体共振部品、
が提供される。
【0011】
本発明の一態様においては、前記誘電体ブロックの基本形状部の外側面は平面からなる。
【0012】
本発明の一態様においては、前記放熱用突起構造部は複数の板形状の突起からなる。本発明の一態様においては、前記放熱用突起構造部の外面には導体膜が形成されている。本発明の一態様においては、前記放熱用突起構造部の表面積は、該放熱用突起構造部を除去した場合の前記誘電体ブロックの表面積または前記基本形状部の表面積の0.5倍〜5倍である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部品点数を増加させることなく効率的な放熱が可能となるため、大電力高周波信号を入力した場合でも誘電体共振部品の温度上昇が抑えられ、安価で高性能な誘電体共振部品が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1、図2及び図3はいずれも本発明による誘電体共振部品の一実施形態を示す模式的斜視図であり、図4は本実施形態の誘電体共振部品の模式的部分断面図である。また、図5は、参考例として示す誘電体共振部品の模式的部分断面図である。
【0015】
本実施形態の誘電体共振部品は、高周波誘電体フィルタである。この誘電体フィルタは、誘電体ブロック20を用いて形成される。誘電体ブロック20の材質としては、たとえば比誘電率εrが93程度の誘電体セラミックを使用することができる。
【0016】
誘電体ブロック20は、長さL、幅W及び高さHの略直方体形状の基本形状部21を持つ。長さLはたとえば約7.6mmであり、幅Wはたとえば約51mmであり、高さHはたとえば約7mmである。すなわち、基本形状部21は、互いに反対側に位置する長方形状の第1の端面21aおよび第2の端面21b、並びに第1の端面21aの外周縁と第2の端面21bの外周縁との間に位置する4つの外側面21c,21d,21e,21fにより画定される。これらの外側面は平面からなる。
【0017】
誘電体ブロック20の基本形状部21には、上記外側面21c,21d,21e,21fに沿って第1の端面21aから第2の端面21bまで貫通して、互いに平行な5つの断面円形の貫通孔22A,22B,22C,22D,22Eが形成されている。これらの貫通孔の内面には、内導体膜23が形成されている。これらの貫通孔は誘電体ブロック基本形状部21の幅方向に配列されている。第2の端面21bには短絡導体膜24が形成されており、外側面21d,21fの全体及び外側面21c,21eの一部には外導体膜25が形成されている。短絡導体膜24は、内導体膜23と外導体膜25とを接続している。
【0018】
貫通孔22A,22B,22C,22D,22Eのそれぞれに対応して、1/4波長型の共振器が形成される。これらの共振器同士を結合させるようにして、第1の端面21aには結合導体膜26が形成されている。これらの結合導体膜26のうちのいくつかは内導体膜23と接続されており、他のいくつかは外導体膜25と接続されて互いに隣接する貫通孔の間に位置している。かくして、各貫通孔に対応して形成される誘電体共振器が誘導性結合により5段に結合された誘電体バンドパスフィルタが形成される。
【0019】
第1の端面21aから外側面21cにかけて、両端の貫通孔22A,22Eに対応する共振器との容量結合を形成する入出力電極を構成する入出力電極膜27が形成されている。これらの入出力電極膜は、外部回路との接続に用いられる。たとえば、外側面21cを実装基板に接合させて表面実装を行い、外側面21cまで延びた入出力電極膜27を実装基板の回路の入出力端子と接続させることができる。
【0020】
誘電体ブロック20は、第1の端面21aおよび第2の端面21b以外の面を含んで構成される放熱用突起構造部28を有する。放熱用突起構造部28は、基本形状部21の外側面21eから外方へと突出する複数の突起からなる。尚、図においては、放熱用突起構造部の突起自体も符号28で指示されている。放熱用突起構造部28の各突起は、長さL’、厚さW’及び高さH’の略矩形板形状をなしており、外側面21eを横切り特に該外側面21eと直交する主面を持つ。このような突起がピッチPで配列されている。本実施形態では、長さL’はたとえば上記長さLと同一で約7.6mmであり、厚さW’はたとえば約1.5mmであり、高さH’はたとえば約6mmであり、配列ピッチPはたとえば約3mmである。突起を板形状とすることにより、突起の強度を維持しつつ放熱用突起構造部28の表面積を効果的に増加させることができる。
【0021】
図4に示されているように、放熱用突起構造部28は、基本形状部21と同一の材質からなり且つ一体的に形成されている。ここでいう「一体的」とは、部材の内部組織が連続していることをいうものとし、接着剤による接着のように単に部材同士を機械的に一体化したものは含まないものとする。このような基本形状部21及び放熱用突起構造部28からなる誘電体ブロック20は、たとえば射出成形法を用いた一体成形により製造することができる。放熱用突起構造部28の外面には、外導体膜25’が形成されている。外導体膜25’は外導体膜25と接続されている。
【0022】
放熱用突起構造部28の表面積すなわち全突起の表面積の合計は、放熱用突起構造部28を除去した場合の誘電体ブロック20の表面積(端面及び外側面の面積の合計であり、貫通孔内面の面積を含まない)すなわち基本形状部21の表面積(端面及び外側面の面積の合計であり、貫通孔内面の面積を含まない)の0.5倍〜5倍の範囲内にあるのが好ましい。この誘電体ブロック20の表面積すなわち基本形状部21の表面積に対する放熱用突起構造部28の表面積の割合については、放熱機能を高めるためには0.5倍以上であるのが好ましく、形状の形成しやすさおよび重量や寸法の増加の抑制の観点からは5倍以下であるのが好ましい。このような放熱用突起構造部28の表面積の調整は、各突起の高さや設置個数を変化させることで行うことができる。
【0023】
上記の内導体膜23、短絡導体膜24、外導体膜25,25’、結合導体膜26、及び入出力電極膜27は、たとえば銀膜からなる。
【0024】
以上のような本実施形態の誘電体共振部品の誘電体ブロック20においては、基本形状部21が誘電体フィルタとして機能する部分であり、放熱用突起構造部28が放熱体として機能する部分である。放熱用突起構造部28が存在することに起因してフィルタ特性が劣化するようなことは、実質上ない。本実施形態では、放熱用突起構造部28の外面に外導体膜25’を形成しているので、フィルタ特性を一層良好に維持しつつ良好な放熱を行うことができる。
【0025】
尚、参考例として図5に示される誘電体フィルタの誘電体ブロック20は、図1〜図4で示される本発明実施形態の誘電体フィルタの誘電体ブロック20の基本形状部21のみからなり、且つ外側面21eの全体に外導体膜25を形成したものである。
【0026】
以上のような本実施形態の誘電体共振部品の放熱効果を調べた。誘電体ブロック20として、比誘電率εrが93で、基本形状部21の寸法が幅W51mm、長さL7.6mm及び高さH7mmで、放熱用突起構造部28の各突起の寸法が高さH’6mm、長さL’7.6mm及び厚さW’1.5mmで、突起の配列ピッチPが3mmで、突起の個数が17個のものを用いた。これにより、放熱用突起構造部28を除去した場合の誘電体ブロック20の表面積または基本形状部21の表面積を基準として、放熱用突起構造部28の表面積は約1.3倍となった。放熱効果は、高周波信号を入力したときの温度上昇を測定することで行った。比較のために、図5に示される参考例の誘電体共振部品の放熱効果をも、同一条件下で調べた。以上の結果を図6に示す。
【0027】
図6のグラフにおいて、横軸は連続高周波信号(814.5MHz)が誘電体フィルタを経由して出力された電力を示し、縦軸は誘電体ブロック20の第2の端面21bの表面温度を示す。実線は本発明実施形態に属するものの温度変化であり、破線は図5の参考例に属するものの温度変化である。このグラフより、放熱用突起構造部28を有する本発明実施形態に属するもののほうが図5の参考例に属するものより温度上昇が押さえられていることがわかる。その結果、本発明実施形態によれば、温度上昇による無負荷Q低下が抑えられ高性能な電気的特性が維持される。本発明実施形態に属するものと参考例に属するものとの温度差は、出力電力が大きいほど大きくなっており、従って、本発明は特に大電力信号が入力される場合の放熱効果の改善において格別であるといえる。
【0028】
図7に本発明実施形態に属するバンドパスフィルタの周波数特性を示し、図8に参考例に属するバンドパスフィルタの周波数特性を示す。これらは同一の出力電力条件下で測定されたものである。本発明実施形態においては、放熱用突起構造部28が存在することに起因してフィルタ特性が劣化するようなことがないことが分かる。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、誘電体ブロック20に、第1の端面21aおよび第2の端面21b以外の面を含んで構成される放熱用突起構造部28、すなわち誘電体ブロック基本形状部21の外側面21eから突出する複数の突起からなる放熱用突起構造部28を設けることで、誘電体ブロック20の表面積を大きくすることができ、放熱が良好になる。特に、放熱用突起構造部28の突起が誘電体ブロック基本形状部21と一体的に形成されていることで、部品点数を増加させることなく効率的な放熱が可能となるため、大電力高周波信号を入力した場合でも誘電体共振部品の温度上昇が抑えられ、安価で高性能な誘電体共振部品を提供できる。
【0030】
本発明においては、放熱用突起構造部28の突起の形状は上記実施形態のものに限定されない。たとえば、図9〜図11に示されるような形状の突起28からなる放熱用突起構造部が可能である。すなわち、放熱用突起構造部の形成されている誘電体ブロック基本形状部21の外側面21eに対して垂直方向から見た放熱用突起構造部の各突起28の形状は、図7の形態では波形状であり、図8の形態では散点状であり、図9の形態では幅W方向に延びた直線状である。
【0031】
また、放熱用突起構造部の形成部位は上記実施形態のものに限定されない。たとえば、外側面21e以外に、外側面21d,21fに形成しても良く、更には、誘電体共振部品が表面実装以外の手法(たとえば入出力電極膜27を第1の端面21aのみに形成しておき、ここから直接リード線等によって信号を取り出すような実装手法)により実装される場合には、外側面21cに形成しても良い。2つ以上の外側面に放熱用突起構造部を形成することで、放熱効果を一層高めることができる。
【0032】
また、誘電体ブロック20に形成する貫通孔の数、形状及び寸法も上記実施形態のものに限定されない。
【0033】
上記実施形態においては、誘電体共振部品が誘電体バンドパスフィルタである例が示されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、誘電体共振部品が例えばその他の誘電体フィルタや誘電体送受共用器であるものであっても、同様な作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による誘電体共振部品の一実施形態を示す模式的斜視図である。
【図2】図1の誘電体共振部品の模式的斜視図である。
【図3】図1の誘電体共振部品の模式的斜視図である。
【図4】図1の誘電体共振部品の模式的部分断面図である。
【図5】参考例として示す誘電体共振部品の模式的斜視図である。
【図6】図1の誘電体共振部品の放熱効果を示す図である。
【図7】図1の誘電体共振部品の周波数特性図である。
【図8】参考例の誘電体共振部品の周波数特性図である。
【図9】本発明による誘電体共振部品の誘電体ブロックの放熱用突起構造部の突起の一形態を示す模式図である。
【図10】本発明による誘電体共振部品の誘電体ブロックの放熱用突起構造部の突起の一形態を示す模式図である。
【図11】本発明による誘電体共振部品の誘電体ブロックの放熱用突起構造部の突起の一形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0035】
20 誘電体ブロック
21 基本形状部
21a 第1の端面
21b 第2の端面
21c,21d,21e,21f 外側面
22A,22B,22C,22D,22E 貫通孔
23 内導体膜
24 短絡導体膜
25,25’ 外導体膜
26 結合導体膜
27 入出力電極膜
28 放熱用突起構造部
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体ブロックに複数の貫通孔を形成し、該貫通孔に対応して複数の共振器を形成し、これら共振器を結合させることで構成される、誘電体フィルタや誘電体送受共用器などの誘電体共振部品に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの移動通信機器に用いられる機能性電子部品である誘電体フィルタや誘電体送受共用器としては、誘電体ブロックを用い、これに複数の共振器を作り込んでなる一体型の誘電体共振部品がしばしば用いられる。このような誘電体共振部品に外部から大電力高周波信号を入力して動作させると、誘電体共振部品は発熱する。
【0003】
近年、移動通信機器には小型化が要請されており、これに伴い該移動通信機器に用いられる誘電体共振部品にも小型化が要請されている。小型化した誘電体共振部品は、表面積が小さいため発熱に伴う表面からの放熱が困難になる。その場合、誘電体共振部品の温度が上昇しすぎて無負荷Qが低下するなど電気的特性の劣化が生じやすい。
【0004】
このような問題を解決し、放熱を促進するために、たとえば実開平5−2401号公報[特許文献1]には、プリント基板に金属製放熱板を貼設し、誘電体フィルタなどの機能性電子部品を放熱板上に実装することが提案されている。
【0005】
また、特開平11−145708号公報[特許文献2]には、誘電体フィルタや誘電体デュプレクサ(誘電体送受共用器)を構成する誘電体共振器の発熱部分に凹部を形成し、該凹部に伝熱部材を挿入して放熱を促すことが提案されている。
【特許文献1】実開平5−2401号公報
【特許文献2】特開平11−145708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の手法では、別途放熱板を設ける必要があり、部品点数が増える。また、誘電体フィルタなどの機能性電子部品の実装方法も複雑になるため、部品コストおよび組み立てコストが増大する。
【0007】
また、特許文献2の手法においても、別途伝熱部材が必要であり、部品点数が増える。さらに、構造も複雑になり組み立てコストも増大する。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大電力高周波信号を入力して動作させた場合でも温度上昇が抑えられて性能劣化が少なく、且つ部品点数が少なく安価な誘電体共振部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面を持つ誘電体ブロック;該誘電体ブロックに前記第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された複数の貫通孔;及び、該貫通孔のそれぞれに対応して形成される共振器のうちのいずれかと結合する入出力電極を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは前記第1及び第2の端面以外の面を含んで構成される放熱用突起構造部を有することを特徴とする誘電体共振部品、
が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面、並びに前記第1の端面の外周縁と前記第2の端面の外周縁との間に位置する複数の外側面により画定される基本形状部を持つ誘電体ブロック;該誘電体ブロックの基本形状部に前記外側面に沿って前記第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された複数の貫通孔;該貫通孔の内面に形成された内導体膜;前記第2の端面に形成された短絡導体膜;前記外側面のうちの少なくとも一部に形成された外導体膜;前記貫通孔のそれぞれに対応して形成される共振器同士を結合させ、前記第1の端面に形成される結合導体膜;及び、前記共振器のうちのいずれかと結合する入出力電極を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは前記基本形状部の外側面から突出する複数の突起からなる放熱用突起構造部を有することを特徴とする誘電体共振部品、
が提供される。
【0011】
本発明の一態様においては、前記誘電体ブロックの基本形状部の外側面は平面からなる。
【0012】
本発明の一態様においては、前記放熱用突起構造部は複数の板形状の突起からなる。本発明の一態様においては、前記放熱用突起構造部の外面には導体膜が形成されている。本発明の一態様においては、前記放熱用突起構造部の表面積は、該放熱用突起構造部を除去した場合の前記誘電体ブロックの表面積または前記基本形状部の表面積の0.5倍〜5倍である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部品点数を増加させることなく効率的な放熱が可能となるため、大電力高周波信号を入力した場合でも誘電体共振部品の温度上昇が抑えられ、安価で高性能な誘電体共振部品が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1、図2及び図3はいずれも本発明による誘電体共振部品の一実施形態を示す模式的斜視図であり、図4は本実施形態の誘電体共振部品の模式的部分断面図である。また、図5は、参考例として示す誘電体共振部品の模式的部分断面図である。
【0015】
本実施形態の誘電体共振部品は、高周波誘電体フィルタである。この誘電体フィルタは、誘電体ブロック20を用いて形成される。誘電体ブロック20の材質としては、たとえば比誘電率εrが93程度の誘電体セラミックを使用することができる。
【0016】
誘電体ブロック20は、長さL、幅W及び高さHの略直方体形状の基本形状部21を持つ。長さLはたとえば約7.6mmであり、幅Wはたとえば約51mmであり、高さHはたとえば約7mmである。すなわち、基本形状部21は、互いに反対側に位置する長方形状の第1の端面21aおよび第2の端面21b、並びに第1の端面21aの外周縁と第2の端面21bの外周縁との間に位置する4つの外側面21c,21d,21e,21fにより画定される。これらの外側面は平面からなる。
【0017】
誘電体ブロック20の基本形状部21には、上記外側面21c,21d,21e,21fに沿って第1の端面21aから第2の端面21bまで貫通して、互いに平行な5つの断面円形の貫通孔22A,22B,22C,22D,22Eが形成されている。これらの貫通孔の内面には、内導体膜23が形成されている。これらの貫通孔は誘電体ブロック基本形状部21の幅方向に配列されている。第2の端面21bには短絡導体膜24が形成されており、外側面21d,21fの全体及び外側面21c,21eの一部には外導体膜25が形成されている。短絡導体膜24は、内導体膜23と外導体膜25とを接続している。
【0018】
貫通孔22A,22B,22C,22D,22Eのそれぞれに対応して、1/4波長型の共振器が形成される。これらの共振器同士を結合させるようにして、第1の端面21aには結合導体膜26が形成されている。これらの結合導体膜26のうちのいくつかは内導体膜23と接続されており、他のいくつかは外導体膜25と接続されて互いに隣接する貫通孔の間に位置している。かくして、各貫通孔に対応して形成される誘電体共振器が誘導性結合により5段に結合された誘電体バンドパスフィルタが形成される。
【0019】
第1の端面21aから外側面21cにかけて、両端の貫通孔22A,22Eに対応する共振器との容量結合を形成する入出力電極を構成する入出力電極膜27が形成されている。これらの入出力電極膜は、外部回路との接続に用いられる。たとえば、外側面21cを実装基板に接合させて表面実装を行い、外側面21cまで延びた入出力電極膜27を実装基板の回路の入出力端子と接続させることができる。
【0020】
誘電体ブロック20は、第1の端面21aおよび第2の端面21b以外の面を含んで構成される放熱用突起構造部28を有する。放熱用突起構造部28は、基本形状部21の外側面21eから外方へと突出する複数の突起からなる。尚、図においては、放熱用突起構造部の突起自体も符号28で指示されている。放熱用突起構造部28の各突起は、長さL’、厚さW’及び高さH’の略矩形板形状をなしており、外側面21eを横切り特に該外側面21eと直交する主面を持つ。このような突起がピッチPで配列されている。本実施形態では、長さL’はたとえば上記長さLと同一で約7.6mmであり、厚さW’はたとえば約1.5mmであり、高さH’はたとえば約6mmであり、配列ピッチPはたとえば約3mmである。突起を板形状とすることにより、突起の強度を維持しつつ放熱用突起構造部28の表面積を効果的に増加させることができる。
【0021】
図4に示されているように、放熱用突起構造部28は、基本形状部21と同一の材質からなり且つ一体的に形成されている。ここでいう「一体的」とは、部材の内部組織が連続していることをいうものとし、接着剤による接着のように単に部材同士を機械的に一体化したものは含まないものとする。このような基本形状部21及び放熱用突起構造部28からなる誘電体ブロック20は、たとえば射出成形法を用いた一体成形により製造することができる。放熱用突起構造部28の外面には、外導体膜25’が形成されている。外導体膜25’は外導体膜25と接続されている。
【0022】
放熱用突起構造部28の表面積すなわち全突起の表面積の合計は、放熱用突起構造部28を除去した場合の誘電体ブロック20の表面積(端面及び外側面の面積の合計であり、貫通孔内面の面積を含まない)すなわち基本形状部21の表面積(端面及び外側面の面積の合計であり、貫通孔内面の面積を含まない)の0.5倍〜5倍の範囲内にあるのが好ましい。この誘電体ブロック20の表面積すなわち基本形状部21の表面積に対する放熱用突起構造部28の表面積の割合については、放熱機能を高めるためには0.5倍以上であるのが好ましく、形状の形成しやすさおよび重量や寸法の増加の抑制の観点からは5倍以下であるのが好ましい。このような放熱用突起構造部28の表面積の調整は、各突起の高さや設置個数を変化させることで行うことができる。
【0023】
上記の内導体膜23、短絡導体膜24、外導体膜25,25’、結合導体膜26、及び入出力電極膜27は、たとえば銀膜からなる。
【0024】
以上のような本実施形態の誘電体共振部品の誘電体ブロック20においては、基本形状部21が誘電体フィルタとして機能する部分であり、放熱用突起構造部28が放熱体として機能する部分である。放熱用突起構造部28が存在することに起因してフィルタ特性が劣化するようなことは、実質上ない。本実施形態では、放熱用突起構造部28の外面に外導体膜25’を形成しているので、フィルタ特性を一層良好に維持しつつ良好な放熱を行うことができる。
【0025】
尚、参考例として図5に示される誘電体フィルタの誘電体ブロック20は、図1〜図4で示される本発明実施形態の誘電体フィルタの誘電体ブロック20の基本形状部21のみからなり、且つ外側面21eの全体に外導体膜25を形成したものである。
【0026】
以上のような本実施形態の誘電体共振部品の放熱効果を調べた。誘電体ブロック20として、比誘電率εrが93で、基本形状部21の寸法が幅W51mm、長さL7.6mm及び高さH7mmで、放熱用突起構造部28の各突起の寸法が高さH’6mm、長さL’7.6mm及び厚さW’1.5mmで、突起の配列ピッチPが3mmで、突起の個数が17個のものを用いた。これにより、放熱用突起構造部28を除去した場合の誘電体ブロック20の表面積または基本形状部21の表面積を基準として、放熱用突起構造部28の表面積は約1.3倍となった。放熱効果は、高周波信号を入力したときの温度上昇を測定することで行った。比較のために、図5に示される参考例の誘電体共振部品の放熱効果をも、同一条件下で調べた。以上の結果を図6に示す。
【0027】
図6のグラフにおいて、横軸は連続高周波信号(814.5MHz)が誘電体フィルタを経由して出力された電力を示し、縦軸は誘電体ブロック20の第2の端面21bの表面温度を示す。実線は本発明実施形態に属するものの温度変化であり、破線は図5の参考例に属するものの温度変化である。このグラフより、放熱用突起構造部28を有する本発明実施形態に属するもののほうが図5の参考例に属するものより温度上昇が押さえられていることがわかる。その結果、本発明実施形態によれば、温度上昇による無負荷Q低下が抑えられ高性能な電気的特性が維持される。本発明実施形態に属するものと参考例に属するものとの温度差は、出力電力が大きいほど大きくなっており、従って、本発明は特に大電力信号が入力される場合の放熱効果の改善において格別であるといえる。
【0028】
図7に本発明実施形態に属するバンドパスフィルタの周波数特性を示し、図8に参考例に属するバンドパスフィルタの周波数特性を示す。これらは同一の出力電力条件下で測定されたものである。本発明実施形態においては、放熱用突起構造部28が存在することに起因してフィルタ特性が劣化するようなことがないことが分かる。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、誘電体ブロック20に、第1の端面21aおよび第2の端面21b以外の面を含んで構成される放熱用突起構造部28、すなわち誘電体ブロック基本形状部21の外側面21eから突出する複数の突起からなる放熱用突起構造部28を設けることで、誘電体ブロック20の表面積を大きくすることができ、放熱が良好になる。特に、放熱用突起構造部28の突起が誘電体ブロック基本形状部21と一体的に形成されていることで、部品点数を増加させることなく効率的な放熱が可能となるため、大電力高周波信号を入力した場合でも誘電体共振部品の温度上昇が抑えられ、安価で高性能な誘電体共振部品を提供できる。
【0030】
本発明においては、放熱用突起構造部28の突起の形状は上記実施形態のものに限定されない。たとえば、図9〜図11に示されるような形状の突起28からなる放熱用突起構造部が可能である。すなわち、放熱用突起構造部の形成されている誘電体ブロック基本形状部21の外側面21eに対して垂直方向から見た放熱用突起構造部の各突起28の形状は、図7の形態では波形状であり、図8の形態では散点状であり、図9の形態では幅W方向に延びた直線状である。
【0031】
また、放熱用突起構造部の形成部位は上記実施形態のものに限定されない。たとえば、外側面21e以外に、外側面21d,21fに形成しても良く、更には、誘電体共振部品が表面実装以外の手法(たとえば入出力電極膜27を第1の端面21aのみに形成しておき、ここから直接リード線等によって信号を取り出すような実装手法)により実装される場合には、外側面21cに形成しても良い。2つ以上の外側面に放熱用突起構造部を形成することで、放熱効果を一層高めることができる。
【0032】
また、誘電体ブロック20に形成する貫通孔の数、形状及び寸法も上記実施形態のものに限定されない。
【0033】
上記実施形態においては、誘電体共振部品が誘電体バンドパスフィルタである例が示されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、誘電体共振部品が例えばその他の誘電体フィルタや誘電体送受共用器であるものであっても、同様な作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による誘電体共振部品の一実施形態を示す模式的斜視図である。
【図2】図1の誘電体共振部品の模式的斜視図である。
【図3】図1の誘電体共振部品の模式的斜視図である。
【図4】図1の誘電体共振部品の模式的部分断面図である。
【図5】参考例として示す誘電体共振部品の模式的斜視図である。
【図6】図1の誘電体共振部品の放熱効果を示す図である。
【図7】図1の誘電体共振部品の周波数特性図である。
【図8】参考例の誘電体共振部品の周波数特性図である。
【図9】本発明による誘電体共振部品の誘電体ブロックの放熱用突起構造部の突起の一形態を示す模式図である。
【図10】本発明による誘電体共振部品の誘電体ブロックの放熱用突起構造部の突起の一形態を示す模式図である。
【図11】本発明による誘電体共振部品の誘電体ブロックの放熱用突起構造部の突起の一形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0035】
20 誘電体ブロック
21 基本形状部
21a 第1の端面
21b 第2の端面
21c,21d,21e,21f 外側面
22A,22B,22C,22D,22E 貫通孔
23 内導体膜
24 短絡導体膜
25,25’ 外導体膜
26 結合導体膜
27 入出力電極膜
28 放熱用突起構造部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面を持つ誘電体ブロック;該誘電体ブロックに前記第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された複数の貫通孔;及び、該貫通孔のそれぞれに対応して形成される共振器のうちのいずれかと結合する入出力電極を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは前記第1及び第2の端面以外の面を含んで構成される放熱用突起構造部を有することを特徴とする誘電体共振部品。
【請求項2】
互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面、並びに前記第1の端面の外周縁と前記第2の端面の外周縁との間に位置する複数の外側面により画定される基本形状部を持つ誘電体ブロック;該誘電体ブロックの基本形状部に前記外側面に沿って前記第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された複数の貫通孔;該貫通孔の内面に形成された内導体膜;前記第2の端面に形成された短絡導体膜;前記外側面のうちの少なくとも一部に形成された外導体膜;前記貫通孔のそれぞれに対応して形成される共振器同士を結合させ、前記第1の端面に形成される結合導体膜;及び、前記共振器のうちのいずれかと結合する入出力電極を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは前記基本形状部の外側面から突出する複数の突起からなる放熱用突起構造部を有することを特徴とする誘電体共振部品。
【請求項3】
前記誘電体ブロックの基本形状部の外側面は平面からなることを特徴とする、請求項2に記載の誘電体共振部品。
【請求項4】
前記放熱用突起構造部は複数の板形状の突起からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
【請求項5】
前記放熱用突起構造部の外面には導体膜が形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
【請求項6】
前記放熱用突起構造部の表面積は、該放熱用突起構造部を除去した場合の前記誘電体ブロックの表面積または前記基本形状部の表面積の0.5倍〜5倍であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
【請求項1】
互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面を持つ誘電体ブロック;該誘電体ブロックに前記第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された複数の貫通孔;及び、該貫通孔のそれぞれに対応して形成される共振器のうちのいずれかと結合する入出力電極を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは前記第1及び第2の端面以外の面を含んで構成される放熱用突起構造部を有することを特徴とする誘電体共振部品。
【請求項2】
互いに反対側に位置する第1の端面および第2の端面、並びに前記第1の端面の外周縁と前記第2の端面の外周縁との間に位置する複数の外側面により画定される基本形状部を持つ誘電体ブロック;該誘電体ブロックの基本形状部に前記外側面に沿って前記第1の端面から第2の端面まで貫通して形成された複数の貫通孔;該貫通孔の内面に形成された内導体膜;前記第2の端面に形成された短絡導体膜;前記外側面のうちの少なくとも一部に形成された外導体膜;前記貫通孔のそれぞれに対応して形成される共振器同士を結合させ、前記第1の端面に形成される結合導体膜;及び、前記共振器のうちのいずれかと結合する入出力電極を含んでなる誘電体共振部品であって、
前記誘電体ブロックは前記基本形状部の外側面から突出する複数の突起からなる放熱用突起構造部を有することを特徴とする誘電体共振部品。
【請求項3】
前記誘電体ブロックの基本形状部の外側面は平面からなることを特徴とする、請求項2に記載の誘電体共振部品。
【請求項4】
前記放熱用突起構造部は複数の板形状の突起からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
【請求項5】
前記放熱用突起構造部の外面には導体膜が形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
【請求項6】
前記放熱用突起構造部の表面積は、該放熱用突起構造部を除去した場合の前記誘電体ブロックの表面積または前記基本形状部の表面積の0.5倍〜5倍であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の誘電体共振部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−124232(P2009−124232A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293122(P2007−293122)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]