説明

誤出力防止回路及び誤出力防止システム

【課題】マスター出力に異常が生じ、制御出力部に誤った制御出力許可が連続してなされる場合に、この誤った制御出力許可を停止し、誤出力を防止する。
【解決手段】制御出力モジュール2は、PLC6の指令によって、制御対象設備の動作を制御するための第1及び第2の制御出力を制御対象設備4に行う。マスター出力モジュール1は、PLC6の指令によって、制御出力モジュール2に供給する駆動電源の継続又は切断を切替え、制御出力モジュール2が第1及び第2の制御出力を行うことの許否を行う。タイマーリレー32が計時する第1の期間が予め指定した期間より長い場合に、タイマーリレー32は、接点32′をオフし、タイマーリレー32が駆動電源の供給を遮断することによって、制御出力モジュール2が制御対象設備4に行う第1及び第2の制御出力を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、制御指令部として用いられるコントローラが動作を制御する対象となる設備(以下、「制御対象設備」と呼ぶ。)に制御出力を行う場合に適用して好適な誤出力防止回路及び誤出力防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コントローラを用いて、制御対象設備に制御出力する出力回路がある。このような出力回路は、化学、水処理等のプラントにおけるポンプ・バルブの開閉制御や、電力系統を制御する場合における遮断器の開閉制御等に用いられている。プラントには、コントローラから制御出力を受け、コントローラに応答値を返す入出力装置が取り付けられており、コントローラは受け取った応答値に基づいて円滑に制御出力のための制御指令を行うことができる。
【0003】
特許文献1には、同一の操作指令を異なる2つの出力装置に与え、両者の出力が同じ内容であれば、誤出力防止スイッチをオンにして操作指令を出力する回路が開示されている。この回路は、入出力装置の故障、コントローラが入出力装置と通信する際に発生するノイズ等によって制御対象設備に誤った制御出力を行うこと(以下、「誤出力」と呼ぶ。)を防止する目的で用いられる。この回路は、制御対象設備に送る制御出力信号の出力を制御すると同時に、マスター出力が制御出力許可を行うことによって、制御出力に用いる共通電源の供給を制御することを可能としており、マスター出力がオンである場合に、制御出力が続き、マスター出力がオフとなると、制御出力が停止する制御を行っている。
【0004】
特許文献2には、制御対象設備から受け取った状態入力信号と、制御対象設備に出力する制御指令の論理的合理性から制御指令の有効性を判断し、制御出力を許可する誤出力防止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−153401号公報
【特許文献2】実開昭63−99903公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来用いられてきた誤出力防止回路は、マスター出力が長期間オンとなるような異常が発生すると、制御出力部に誤った制御出力許可を出し続けてしまうが、このような状態を回避できなかったため、有効に誤出力を防止できなかった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、マスター出力に異常が生じ、制御出力部に誤った制御出力許可が連続してなされる場合に、この誤った制御出力許可を停止し、制御対象設備への誤出力を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の誤出力防止回路は、制御指令部の指令によって、制御対象設備の動作を制御するための制御出力を制御対象設備に行う制御出力部と、制御指令部の指令によって、制御出力部に供給する駆動電源の継続又は切断を切替え、制御出力部が制御出力を行うことの許否を行うマスター出力部と、を備える。また、マスター出力部が制御出力部に制御出力を行うことを許可している場合に、駆動電源が制御出力部に連続して供給されている第1の期間を計時する計時部を備える。そして、第1の期間が予め指定した期間より長い場合に、計時部が駆動電源の供給を遮断することによって、制御出力部が制御対象設備に行う制御出力を停止する制御出力停止部を備えている。
【0009】
また、本発明の誤出力防止システムは、制御対象設備の動作を制御するための制御出力の指令を行う制御指令部と、制御指令部の指令によって、制御出力を制御対象設備に行う制御出力部と、制御指令部の指令によって、制御出力部に供給する駆動電源の継続又は切断を切替え、制御出力部が制御出力を行うことの許否を行うマスター出力部と、を備える。また、マスター出力部が制御出力部に制御出力を行うことを許可している場合に、駆動電源が制御出力部に連続して供給されている第1の期間を計時する計時部を備える。そして、第1の期間が予め指定した期間より長い場合に、計時部が駆動電源の供給を遮断することによって、制御出力部が制御対象設備に行う制御出力を停止する制御出力停止部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、駆動電源が制御出力部に供給され続けた場合に、計時部が駆動電源の供給を遮断することによって、制御出力部が制御対象設備に行う制御出力を停止する。これにより、例えば、マスター出力部が故障することによって、マスター出力が長期間オンとなるような異常が発生し、制御出力部に誤った制御出力許可が連続してなされる場合に、制御対象設備に誤った制御出力が行われないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態における誤出力防止回路の構成例を示すリレー回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における制御出力とマスター出力を行うための制御信号を生成する論理的ラダー回路の例を示すラダー図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における誤出力防止回路の構成例を示すリレー回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1と図2を参照して説明する。本実施の形態では、制御出力モジュール2が制御対象設備4に制御出力を行う場合に、制御対象設備4に誤った制御出力を行わないようにする誤出力防止システム8に適用した例(以下、「本例」という。)について説明する。なお、PLC6、入出力装置7及び誤出力防止回路3を合わせて、誤出力防止システム8を構成している。また、「制御指令」は、PLC6の内部でなされ、PLC6は、制御出力モジュール2に第1及び第2の制御出力信号を出力することにより、第1及び第2の制御出力の制御指令を行う。
【0013】
図1は、誤出力防止システム8の内部構成例を示す。
【0014】
制御対象設備4の動作を制御するための第1及び第2の制御出力を制御出力モジュール2が出力する場合に、この制御出力モジュール2に対して制御指令部として用いられるPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ:Programmable Logic Controller)6が制御指令を行う。そして、PLC6と誤出力防止回路3の間に設置され、マスター出力(マスター出力信号)、第1及び第2の制御出力(第1及び第2の制御出力信号)及びマスター出力異常(マスター出力異常信号)の入出力を受け持つ入出力装置7は、マスター出力を行うマスター出力モジュール1と、第1及び第2の制御出力を行う制御出力モジュール2と、マスター出力モジュール1の動作に異常が生じた場合にマスター出力異常信号をPLC6に出力することにより、マスター出力異常を渡す出力異常モジュール5と、を備える。
【0015】
また、入出力装置7と制御対象設備4の間には、制御出力モジュール2の誤出力を防止する誤出力防止回路3が設置される。制御対象設備4は、制御出力モジュール2から誤出力防止回路3を介して受け取る第1及び第2の制御出力によって動作する。マスター出力、第1及び第2の制御出力を行うタイミングは、PLC6に構成される論理的ラダー回路によって制御される(後述する図2参照)。
【0016】
ここで、誤出力防止回路3における第1の電源線を「N線」、第2の電源線を「P線」、第3の電源線を「N1線」と呼ぶ。N線とN1線は、接点31′,32′が同時にオンのときに通電する。
【0017】
マスター出力モジュール1、マスター出力リレー31は、PLC6の指令によって、制御出力モジュール2に供給する駆動電源の継続又は切断を切替え、制御出力モジュール2が第1及び第2の制御出力を行うことの許否を行うマスター出力部として用いる。また、マスター出力モジュール1は、PLC6から入力するマスター出力信号をベースに取り込むnpn型トランジスタ11を、マスター出力用トランジスタとして備える。npn型トランジスタ11のエミッタは、誤出力防止回路3のN線に接続され、コレクタが誤出力防止回路3のP線に接続される。なお、このマスター出力用トランジスタを、例えば、pnp型トランジスタ、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、リレー出力等に置き換えて、マスター出力モジュール1及び誤出力防止回路3の回路構成を組み替えてもよい。
【0018】
制御出力モジュール2は、PLC6が出力する2系統の第1及び第2の制御出力信号をベースに取り込む2個のnpn型トランジスタ23a,23bを、制御出力用トランジスタとして備える。第1及び第2の制御出力は、これら第1及び第2の制御出力信号によって行われる。ここで、第1及び第2の制御出力信号は、プラント制御や電力系統の遮断器操作等で一般的に用いられるパルス出力信号であることを前提とする。
【0019】
制御出力モジュール2が備えるnpn型トランジスタ23a,23bのエミッタは、誤出力防止回路3のN1線に接続し、コレクタは、誤出力防止回路3のP線に制御出力リレー33a,33bを介して接続する。制御出力モジュール2は、PLC6が出力する第1及び第2の制御出力信号を受け取ると、制御出力リレー33a,33bに電源を供給し、制御出力リレー33a,33bを駆動する。本例では、制御出力モジュール2、制御出力リレー33a,33b、及び接点33a′,33b′を、PLC6の指令によって、PLC6から入力する第1及び第2の制御出力信号によって表される第1及び第2の制御出力を制御対象設備4に行う制御出力部として用いる。
【0020】
また、誤出力防止回路3は、マスター出力モジュール1のコレクタとP線に接続するマスター出力リレー31と、マスター出力モジュール1のマスター出力が異常であることを検知するタイマーリレー32を備える。タイマーリレー32は、マスター出力モジュール1が制御出力モジュール2に第1及び第2の制御出力を行うことを許可している場合に、駆動電源が制御出力モジュール2に連続して供給されている第1の期間を計時する計時部として用いる。
【0021】
マスター出力リレー31の駆動電源はN線-P線間で常に供給されており、マスター出力リレー31がオンされると接点31′がオンされ、N1線−P線間に電源が供給される。タイマーリレー32は、P線とN1線の間に接続され、N1線に設けられる接点32′が継続してオンされる第1の期間を計測する。
【0022】
マスター出力リレー31がオンされると、接点31′がオンされると同時に、制御出力モジュール2に電源が供給され、誤出力防止回路3は、制御出力モジュール2が第1及び第2の制御出力を行うことを許可する。そして、タイマーリレー32がタイマーをカウントアップして所定の秒数に達すると、b接点である接点32′がオフされ、接点32′′がオンされる。
【0023】
また、誤出力防止回路3は、制御出力モジュール2における第1及び第2の制御出力が行われるトランジスタのコレクタとP線に接続する制御出力リレー33a,33bを備える。マスター出力モジュール1が誤出力防止回路3にマスター出力を行なうと、マスター出力リレー31が駆動する。マスター出力リレー31の駆動中に、制御出力モジュール2が誤出力防止回路3に第1及び第2の制御出力を行うと、制御出力リレー33a,33bが接点33a′,33b′をオンして、制御対象設備4に第1及び第2の制御出力を行う。
【0024】
また、誤出力防止回路3は、制御対象設備4が備える入力部43a,43bにそれぞれ接続される接点33a′,33b′を備える。接点33a′,33b′は、制御出力リレー33a,33bが通電されると、オンされる。接点33a′,33b′がオンされることにより、制御対象設備4の入力部43a,43bに対して第1及び第2の制御出力が行われる。
【0025】
マスター出力リレー31の駆動時間がタイマーリレー32に予め設定された所定の時間(10秒〜20秒程度)を上回ると、タイマーリレー32が異常に対応した処理を開始する。ここで、マスター出力モジュール1の異常には、例えば、数十秒間にわたってマスター出力リレー31に駆動電源を供給し、マスター出力リレー31を駆動し続けるものがある。本例では、タイマーリレー32は、設定された所定の時間を経過した後、接点32′をオフにして、制御出力リレー33a,33bの動作を停止する。本例の接点32′は、第1の期間が予め指定した期間より長い場合に、計時部が駆動電源の供給を遮断することによって、制御出力部が制御対象設備4に行う第1及び第2の制御出力を停止する制御出力停止部として用いられる。
【0026】
そして、出力異常モジュール5は、制御対象設備4に送る第1及び第2の制御出力が停止したことをタイマーリレー32の接点32′′から受け取り、マスター出力モジュール1の動作が異常であったことを表すマスター出力異常信号としてPLC6に出力する。
【0027】
なお、タイマーリレー32が計時する際の駆動時間は、第1及び第2の制御出力に用いられる第1及び第2の制御出力信号のパルス幅よりも長い時間を設定する。また、PLC6は、タイマーリレー32の接点32′がオフしたことを出力異常モジュール5から知ることができるため、マスター出力異常時の処理やユーザへの警報出力を行うことができる。
【0028】
図2は、PLC6がマスター出力モジュール1と制御出力モジュール2に対して、それぞれマスター出力と制御出力を指令する論理的ラダー回路の例を示す。この論理的ラダー回路は、各リレーに用いられるリレーコイルと接点を、それぞれ記号で表すことによって、PLC6の動作を簡略化して説明するものである。
【0029】
PLC6が備える論理的接点61a〜61nは、それぞれ論理的リレーコイル62a〜62nに接続される。論理的接点61a〜61nがオンされると、論理的リレーコイル62a〜62nにそれぞれ対応する第1〜第nの制御出力を行う。本例では、PLC6は、制御出力モジュール2に第1及び第2の制御出力信号を出力する。
【0030】
そして、論理的接点61a〜61nのうち、いずれかの接点がオンされると、リレーコイルMは、マスター出力を行う。このとき、PLC6は、マスター出力モジュール1にマスター出力信号を出力する。
【0031】
以上説明した第1の実施の形態に係る誤出力防止システム8によれば、マスター出力モジュール1に異常が発生して、制御出力リレー33a,33bに供給される駆動電源が、予め指定した、制御対象設備4が正常に動作する限界時間より長く連続して供給されると、接点32′をオフにして駆動電源を遮断する。これにより、制御出力モジュール2が制御対象設備4に行う第1及び第2の制御出力を停止するため、マスター出力が長時間オンとなるような異常が発生した状態であっても、制御対象設備4に誤った制御出力が行われないようにすることができる。
【0032】
また、PLC6が制御出力モジュール2と誤出力防止回路3を介して制御対象設備4に第1及び第2の制御出力を行うために論理的接点61a,61bのいずれかをオンすると、論理的ラダー回路によりマスター出力モジュール1からリレーコイルMを介してマスター出力が行われる。このようにPLC6に論理的ラダー回路を用いることによって、ユーザあるいはPLC6のプログラムはマスター出力指令の存在を意識することなく、マスター出力モジュール1に行うマスター出力指令を、制御出力モジュール2への第1及び第2の制御出力と同時に行うことができる。
【0033】
また、マスター出力モジュール1に異常動作が発生した際には、タイマーリレー32が接点32′′をオンすることにより、出力異常モジュール5がPLC6にマスター出力異常信号を出力する。このため、PLC6は、ユーザや他のプログラムに対してマスター出力に異常が生じたことを警報することができる。
【0034】
<2.第2の実施の形態>
【0035】
図3は、PLC6が制御対象設備4に第1及び第2の制御出力を行う場合に用いられる誤出力防止システム10の構成例を示す。以下の説明において、既に第1の実施の形態で説明した図1に対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、PLC6、入出力装置7及び誤出力防止回路9を合わせて、誤出力防止システム10を構成する。
【0036】
誤出力防止システム10は、マスター出力モジュール1と、制御出力モジュール2と、出力異常モジュール5と、PLC6と、誤出力防止回路9と、を備える。制御対象設備4は、制御出力モジュール2から誤出力防止回路9を介して受け取る第1及び第2の制御出力によって動作する。そして、誤出力防止回路9が備えるマスター出力リレー31が長期間にわたってマスター出力を続けた場合、および制御出力リレー33a,33bが長期間にわたって第1及び第2の制御出力を続けた場合に、第1及び第2の制御出力を停止する機能を有する。
【0037】
誤出力防止回路9は、マスター出力リレー31と、タイマーリレー32を備える。
タイマーリレー32は、マスター出力モジュール1がマスター出力を行なう場合、および制御出力モジュール2が第1及び第2の制御出力を行う場合に、これらいずれかが連続して出力する第2の期間を計時する。
【0038】
また、誤出力防止回路9は、N線とP線に接点31′,32′の順に接続される出力許可リレー34を備える。また、P線に接続されるタイマーリレー32は、接点31′′を介してN線に接続される。接点31′,31′′は、マスター出力リレー31によってオン又はオフが制御される。また、接点32′,32′′は、タイマーリレー32によってオン又はオフが制御される。
【0039】
また、誤出力防止回路9は、制御出力モジュール2から第1及び第2の制御出力を受け取る制御出力リレー33a,33bを備える。制御出力リレー33a,33bは、それぞれN線とN1線の間に設置された接点33a′′,33b′′のオン又はオフと、制御対象設備4に第1及び第2の制御出力を供給する接点33a′,33b′のオン又はオフを制御する。
【0040】
また、誤出力防止回路9は、接点31′,32′が同時にオンされた場合に、出力許可リレー34の制御によってオンされる接点34′,34′′を備える。マスター出力指令により接点34′,34′′がオンされた状態で、制御出力指令により接点33a′,33b′がオンされると、制御対象設備4の入力部43a,43bに対して第1及び第2の制御出力が行なわれる。
【0041】
ここで、マスター出力モジュール1、制御出力モジュール2に異常が発生して、マスター出力、第1及び第2の制御出力が連続して出力される第2の期間がタイマーリレー32に予め設定された所定の時間(10秒〜20秒程度)を上回ると、タイマーリレー32は異常を検出し、接点32′をオフし、出力許可リレー34への電源供給を停止する。このとき、出力許可リレー34は接点34′,34′′をオフするため、誤った第1及び第2の制御出力が制御対象設備4に出力されない。
【0042】
そして、出力異常モジュール5は、制御対象設備4に送る第1及び第2の制御出力が停止したことをタイマーリレー32の接点32′′から受け取り、マスター出力モジュール1の動作が異常であったことを表すマスター出力異常信号としてPLC6に出力する。PLC6は、タイマーリレー32の接点32′がオフしたことを出力異常モジュール5から知ることができるため、ユーザや他のプログラムに対して警報を発することができる。
【0043】
以上説明した第2の実施の形態に係る誤出力防止回路9によれば、マスター出力モジュール1だけでなく、制御出力モジュール2が第1及び第2の制御出力を長期間続けた場合に、誤出力であることを検知し、制御対象設備4に対する第1及び第2の制御出力を停止することができる。このため、制御対象設備4に対する安全性を向上することができる。
【0044】
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
1…マスター出力モジュール、2…制御出力モジュール、3…誤出力防止回路、4…制御対象設備、5…出力異常モジュール、6…PLC、7…入出力装置、8…誤出力防止システム、9…誤出力防止回路、10…誤出力防止システム、11…npn型トランジスタ、23a,23b…npn型トランジスタ、31…マスター出力リレー、31′,31′′…接点、32…タイマーリレー、32′,32′′…接点、33a…制御出力リレー、33a′,33a′′…接点、33b…制御出力リレー、33b′,33b′′…接点、34…出力許可リレー、34′,34′′…接点、44a,44b…入力部、61a〜61n…論理的接点、62a〜62n…論理的リレーコイル、M…論理的リレーコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御指令部の指令によって、制御対象設備の動作を制御するための制御出力を前記制御対象設備に行う制御出力部と、
前記制御指令部の指令によって、前記制御出力部に供給する駆動電源の継続又は切断を切替え、前記制御出力部が制御出力を行うことの許否を行うマスター出力部と、
前記マスター出力部が前記制御出力部に制御出力を行うことを許可している場合に、前記駆動電源が前記制御出力部に連続して供給されている第1の期間を計時する計時部と、
前記第1の期間が予め指定した期間より長い場合に、前記計時部が前記駆動電源の供給を遮断することによって、前記制御出力部が前記制御対象設備に行う前記制御出力を停止する制御出力停止部と、を備えたことを特徴とする誤出力防止回路。
【請求項2】
前記計時部によって前記制御出力停止部が前記制御対象設備に送る制御出力を停止したことを、前記マスター出力部の動作が異常であったことを示すマスター出力異常として前記制御指令部に供給し、前記制御指令部から警報を行わせることを特徴とする請求項1記載の誤出力防止回路。
【請求項3】
前記計時部は、前記制御出力部が前記制御出力を行う第2の期間を計時し、
前記制御出力停止部は、前記第2の期間が、前記予め指定した期間より長い場合に、前記計時部が前記制御出力部に供給する前記駆動電源の供給を遮断して、前記制御出力部が前記制御対象設備に行う前記制御出力を停止することを特徴とする請求項1記載の誤出力防止回路。
【請求項4】
前記計時部によって前記制御出力停止部が前記制御対象設備に送る制御出力を停止したことを、前記制御出力部の動作が異常であったことを示す制御出力異常として前記制御指令部に供給し、前記制御指令部から警報を行わせることを特徴とする請求項3記載の誤出力防止回路。
【請求項5】
制御対象設備の動作を制御するための制御出力の指令を行う制御指令部と、
前記制御指令部の指令によって、前記制御出力を前記制御対象設備に行う制御出力部と、
前記制御指令部の指令によって、前記制御出力部に供給する駆動電源の継続又は切断を切替え、前記制御出力部が制御出力を行うことの許否を行うマスター出力部と、
前記マスター出力部が前記制御出力部に制御出力を行うことを許可している場合に、前記駆動電源が前記制御出力部に連続して供給されている第1の期間を計時する計時部と、
前記第1の期間が予め指定した期間より長い場合に、前記計時部が前記駆動電源の供給を遮断することによって、前記制御出力部が前記制御対象設備に行う前記制御出力を停止する制御出力停止部と、を備えたことを特徴とする誤出力防止システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−137916(P2012−137916A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289478(P2010−289478)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】