説明

調光装置および調光システム

【課題】停電回復時に操作装置からの制御信号に対して照明負荷の明るさの変化が良好に行える調光装置および調光システムを提供する。
【解決手段】調光装置5は、電源Vsの停電を検出する停電検出手段18と、停電が回復した場合、操作装置2から照明負荷6の調光レベルを徐々に増加させる制御信号が入力されているときには、当該制御信号に応じた調光信号を出力し、操作装置3から照明負荷9,9を所定の調光レベルで点灯させる制御信号が入力されているときには、照明負荷9,9の調光レベルを徐々に増加させるように設定された調光信号を出力する制御手段19,20,21,22とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷の制御を行う調光装置および調光システムに関する。
【背景技術】
【0002】
舞台やスタジオ等の演出照明を行う調光システムは、調光操作卓(操作装置)と、複数の調光器を内蔵した調光盤と、各調光器に接続されて調光制御される照明負荷とを基本的な構成とし、調光操作卓で照明負荷の調光レベルの設定を行い、調光レベルデータを作成して、伝送線を介して調光盤の各調光器に伝送するようにしている。
【0003】
そして、調光操作卓での調光レベルの設定において、例えば白熱ランプのような照明負荷を消灯状態から100%点灯させるようにすると、照明負荷に突入電流が流れて、ランプ寿命が短くなるとともに、ブレーカが遮断することがあるという問題がある。そこで、調光レベルを徐々に変化させて所定の調光レベルに移行させることが行われている(例えば特許文献1参照。)。この従来技術の調光装置は、調光操作卓で変更する所定の調光レベルとフェード時間を入力する。これにより、設定されたフェード時間をかけて、現在の調光レベルから所定の調光レベルへ変化させるように時々刻々調光レベルデータを作成し、調光盤の調光器へ伝送するものである。したがって、照明負荷に突入電流が流れることを防止できて照明負荷にかかるストレスを軽減できるというものである。
【0004】
しかし、照明負荷に供給される電源が停電し、その後回復すると、調光操作卓から所定の調光レベルデータが出力され、照明負荷が消灯状態から所定の調光レベルで点灯するようになるので、照明負荷に突入電流が流れてストレスがかかるなどの問題があった。そこで、停電が回復したときに、所定の調光レベルデータに対して調光盤側で所定の調光レベルまで徐々に調光レベルを変化させる調光レベルデータを作成して、調光器に伝送する調光装置が提供されている。すなわち、この調光装置に調光操作卓から停電回復時に所定の調光レベルデータ(制御信号)が入力されると、図3(b)に示すように、当該所定レベルデータに対して予め設定されたフェード時間(10秒)で所定の調光レベル(100%点灯)まで、調光レベルを一定の割合で増加させる調光レベルデータ(調光信号)が調光器に伝送される。
【0005】
また、停電が回復したときに、所定の調光レベルデータを出力するのではなく、所定の調光レベルまで徐々に調光レベルを変化させる調光レベルデータを出力する調光操作卓が提供されている。
【特許文献1】特開平8−55684号公報(第5頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記調光装置には、停電回復時に所定の調光レベルまで徐々に調光レベルを変化させる調光レベルデータ(制御信号)を出力する調光操作卓が接続されることがある。このとき、調光装置は、時々刻々変化する調光レベルデータ(制御信号)に対して調光レベルを一定の割合で増加させるように演算するので、図4に示すように、指数関数的に増加する調光レベルデータ(調光信号)が調光器に伝送される。すなわち、調光操作卓における照明負荷の制御と、照明負荷の明るさの変化が異なるという不都合が発生する。
【0007】
また、調光装置には、当該調光操作卓とともに、停電回復時に所定の調光レベルデータ(制御信号)を出力する前記調光操作卓が接続されることがある。この場合、停電回復時には、例えフェード時間が同じであってもそれぞれの調光操作卓により制御される照明負荷の明るさの変化が異なり、人に違和感や不快感を与えることがあるという問題がある。
【0008】
本発明は、停電回復時に操作装置からの制御信号に対して照明負荷の明るさの変化が良好に行える調光装置および調光システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の調光装置は、照明負荷へ電力を供給する電源の停電を検出する停電検出手段と;停電検出手段が検出した停電が回復した場合、操作装置から照明負荷の調光レベルを徐々に増加させる制御信号が入力されているときには、当該制御信号に応じた調光信号を出力し、操作装置から照明負荷を所定の調光レベルで点灯させる制御信号が入力されているときには、照明負荷の調光レベルを徐々に増加させるように設定された調光信号を出力する制御手段と;を具備していることを特徴とする。
【0010】
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【0011】
制御信号に応じた調光信号は、制御信号に対して相対的に増加傾向となっていればよいものである。
【0012】
「所定の調光レベル」とは、照明負荷を100%(全光)レベルで点灯させることを包含する。
【0013】
制御手段は、停電回復時に照明負荷の調光レベルを徐々に増加させる制御信号を出力する操作装置および停電回復時に照明負荷を所定の調光レベルで点灯させる制御信号を出力する操作装置の両方から同時にそれぞれの制御信号を入力するように構成することができる。この場合、制御手段は、それぞれの操作装置に対して個別に構成されるものではなく、共用に構成されるとともに、それぞれの操作装置からの制御信号に対応する調光信号を出力するものである。
【0014】
本発明によれば、停電回復時に、操作装置から出力された照明負荷の調光レベルを徐々に増加させる制御信号に応じた調光信号または照明負荷の調光レベルを徐々に増加させるように設定された調光信号が出力されて、照明負荷の調光レベルが制御される。
【0015】
請求項2に記載の調光装置は、請求項1記載の調光装置において、制御手段は、操作装置から入力される制御信号に対して出力する調光信号が前記制御信号に応じた調光信号または照明負荷の調光レベルを徐々に増加させるように設定された調光信号のいずれかに選択される選択手段を有していることを特徴とする。
【0016】
選択手段は、スイッチのオンオフとすることができる。また、プログラムに設定することができる。
【0017】
本発明によれば、操作装置に対して選択手段を設定することにより、操作装置からの制御信号に応じて、当該制御信号に応じた調光信号または照明負荷の調光レベルを徐々に増加させるように設定された調光信号が出力される。
【0018】
請求項3に記載の調光システムは、停電検出手段が検出した停電が回復した場合、照明負荷を所定の調光レベルまで調光レベルを徐々に増加させる制御信号を出力する第1操作装置または照明負荷を所定の調光レベルで点灯させる制御信号を出力する第2操作装置の少なくとも一方で構成された操作装置と;この操作装置から前記制御信号を入力する請求項1または2記載の調光装置と;照明負荷が配設され、当該照明負荷が操作装置の制御により所定の調光レベルで点灯される照明器具と;を具備していることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、請求項1または2記載の調光装置を備えるので、停電回復時に、操作装置に係わらず、照明負荷の調光レベルが徐々に増加される調光システムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、停電回復時に、操作装置から入力される制御信号が照明負荷の調光レベルを徐々に増加させる制御信号または照明負荷を所定の調光レベルで点灯させる調光信号のいずれか一方または両方であっても、照明負荷の調光レベルを徐々に増加させる調光信号が出力されるので、停電回復時の照明負荷の明るさが徐々に立ち上がり、明るさの変化が良好なものとなって人に違和感や不快感を与えることを防止できるとともに、照明負荷に突入電流が流れることを防止でき、照明負荷の短寿命化やブレーカの遮断を防止することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、操作装置が照明負荷の調光レベルを徐々に増加させる制御信号を出力する第1操作装置または照明負荷を所定の調光レベルで点灯させる調光信号を出力する第2操作装置のいずれか一方または両方であっても、第1操作装置または第2操作装置のそれぞれに対して選択手段の設定を行うことにより、停電回復時に、第1操作装置または第2操作装置のそれぞれに対応した調光信号を出力させることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、請求項1または2記載の調光装置を具備するので、停電回復時に、操作装置からの制御信号に係わらず、照明負荷の明るさが良好に変化し、照明負荷への突入電流を防止でき、かつ人に違和感や不快感を与えることを防止できる調光システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態を示す調光システムの概略ブロック図、図2は、同じく調光器を示し、(a)は電球用の調光器の概略ブロック図、(a)は放電ランプ用の調光器の概略ブロック図、図3は、同じくフェード時間に対する調光レベルの変化を示し、(a)は徐々に変化する制御信号に対する調光信号の特性図、(b)は一定の制御信号に対する調光信号の特性図である。
【0025】
図1において、調光システム1は、第1操作装置2および第2操作装置3からなる操作装置4、調光装置5および照明器具6,7を有して構成されている。照明器具6は、照明負荷としてのハロゲンランプなどの電球8が配設され、照明器具7は、照明負荷としての蛍光ランプ9,9が配設されている。
【0026】
第1操作装置2は、照明器具6に配設された電球8の調光レベルを変化させる制御信号(調光レベルデータ)を出力するものであり、出力部10、操作部11、制御部12および記憶部13を有して構成されている。出力部10は、例えばRS485規格等に対応した専用の信号線14に接続され、この信号線14に制御信号を送信するように構成されている。
【0027】
操作部11は、例えばキーボード、表示画面に表示されたタッチパネルやフェーダーなどからなり、手動操作により電球8の調光レベルを変更(設定)させるものである。そして、変更信号を制御部12に送出するように構成されている。
【0028】
制御部12は、データ変換や演算などを行うCPU(中央処理装置)、プログラムが格納されているROMおよび各種データが格納されているRAMを有して構成されている。そして、制御部12は、操作部11から送出された変更信号をデータ変換して出力部10から伝送線14に伝送させるように構成されている。すなわち、操作部11からの変更信号を伝送線14にて伝送させる伝送データ(制御信号)に演算して、出力部10から伝送させるように制御する。この制御動作は、ROMに格納されているプログラムに基づいて行われている。
【0029】
そして、制御部12は、電球8へ電力を供給する商用交流電源Vsの停電を検出する検出信号が入力されている。そして、停電が回復した場合、所定の調光レベルまで電球8の調光レベルを徐々に増加させる制御信号を演算して、出力部10から出力させるように形成されている。すなわち、図3(a)に示すように、調光レベルを例えば1秒当たり10%ずつ増加させる。フェード時間(例えば10秒)や調光レベルの増加率などは、記憶部13に記憶させている。なお、所定の調光レベルとは、電球8を点灯させる調光レベルであり、停電前の調光レベルである。
【0030】
第2操作装置3は、照明器具7に配設された蛍光ランプ9,9の調光レベルを変化させる制御信号を出力するものであり、出力部15、操作部16および制御部17を有して構成されている。出力部15、操作部16および制御部17は、第1操作装置2の出力部10、操作部11および制御部12とほぼ同様に形成されている。そして、制御部17は、商用交流電源Vsが停電したときであっても、操作部16で設定された蛍光ランプ9,9を所定の調光レベルで点灯させる制御信号を出力部15から伝送線14に出力させるものである。
【0031】
調光装置5は、第1操作装置2および第2操作装置3からそれぞれの制御信号を入力し、照明器具6の電球8および照明器具7の蛍光ランプ9,9のそれぞれの調光レベル(点灯状態)を制御するものであり、停電検出手段を構成するリレー18、制御手段を構成する入力部19、制御部20、出力部21および記憶部22、調光器23および調光器24からなる調光器装置25などを有している。
【0032】
リレー18は、調光器23および調光器24の入力側において、図示しないリレーコイルが商用交流電源Vsに接続されている。そして、リレー18の常開接点18a,18aが制御部20および第1操作装置2の制御部12に接続されている。商用交流電源Vsが停電すると、常開接点18a,18aが開路する。これにより、制御部20および第1操作装置2の制御部12は、商用交流電源Vsの停電を検出する。そして、再び常開接点18a,18aが閉路すると、停電の回復を検出する。
【0033】
入力部19は、入力端子5a,5bに接続された伝送線14,14から第1操作装置2から出力された制御信号および第2操作装置3から出力された制御信号を入力する。そして、それぞれの制御信号をデータ変換して制御部20に送出する。
【0034】
制御部20は、データ変換や演算などを行うCPU(中央処理装置)、プログラムが格納されているROMおよび各種データが格納されているRAMを有して構成されている。そして、入力部19が受信した制御信号を演算し、伝送フォーマットに変換して、出力部21に送出する。出力部21は、伝送フォーマットをさらに調光信号にデータ変換して調光器23,24に伝送するように構成されている。
【0035】
そして、制御部20には、選択手段としてのスイッチ26およびスイッチ27が接続されている。ここで、スイッチ26は、入力端子5aに入力する制御信号に対応し、スイッチ27は、入力端子5bに入力する制御信号に対応するようにしている。スイッチ26(スイッチ27)がオフされると、商用交流電源Vsの停電回復時に、記憶部22に予め記憶されている電球8および蛍光ランプ9,9のそれぞれの調光レベルを徐々に増加させる調光信号を出力部21から出力させるように制御する。また、スイッチ26(スイッチ27)がオンされると、商用交流電源Vsの停電回復時に、入力端子5a,5bに入力される制御信号に応じた調光信号を出力部21から出力させるように制御する。
【0036】
入力端子5aには、第1操作装置2から出力された制御信号が入力され、停電回復時に電球8の調光レベルを徐々に増加させる制御信号が入力されるので、スイッチ26は、オンにされている。これにより、商用交流電源Vsの停電が回復した場合、第1操作装置2から入力した制御信号に応じた調光信号が調光器23に伝送される。
【0037】
また、入力端子5bには、第2操作装置3から出力された制御信号が入力され、停電回復時に蛍光ランプ9,9を所定の調光レベルで点灯させる制御信号が入力されるので、スイッチ27は、オフにされている。これにより、商用交流電源Vsの停電が回復した場合、記憶部22に記憶されている電球8および蛍光ランプ9,9の調光レベルを徐々に増加させるように設定された調光信号が調光器24に伝送される。
【0038】
調光器23は、図2(a)に示すように、入力部28、制御部29およびランプ電源生成部30を有して構成されている。入力部28は、入力端子28aに接続されており、入力端子28aに伝送された調光信号を入力して、データ変換して制御部29に送出する。制御部29は、調光信号に応じてランプ電源生成部30を制御する。
【0039】
ランプ電源生成部30は、制御部29の制御により、入力端子23a,23aに入力されている商用交流電源Vsの交流電圧を位相制御して出力端子23b,23bを介して電球8に供給するように構成されている。電球8は、位相制御された交流電圧により消費電力量が制御されて調光点灯される。そして、商用交流電源Vsの停電回復時には、第1操作装置2から出力された制御信号に応じた調光信号に応じて、電球8の調光レベルが所定の調光レベルまで徐々に増加されて点灯される。
【0040】
また、調光器24は、図2(b)に示すように、入力部31、PWM信号生成部32および出力部33を有して構成されている。入力部31は、入力端子31aに接続されており、入力端子31aに伝送された調光信号を入力して、データ変換してPWM信号生成部32に送出する。PWM信号生成部32は、調光信号に応じてPWM信号を生成する。PWM信号は、出力部33から出力端子33a,33aを介して照明器具7の点灯装置34に出力される。
【0041】
また、調光器24は、入力端子24a,24aおよび出力端子24b,24bを介して商用交流電源Vsの交流電圧を点灯装置34に供給している。そして、蛍光ランプ9,9は、調光器24から出力されたPWM信号に応じて点灯装置34により調光点灯される。そして、商用交流電源Vsの停電回復時には、第2操作装置3から出力された制御信号によらず、記憶部22に予め記憶された調光信号に応じて、蛍光ランプ9,9の調光レベルが所定の調光レベルまで徐々に増加されて点灯される。
【0042】
このように、調光器23および調光器24からなる調光器装置25は、制御手段から出力された調光信号に応じて、照明負荷としての電球8および蛍光ランプ9,9の調光レベルを制御するものである。
【0043】
そして、照明器具6は、図1に示すように、電球8を配設している。電球8は、調光器23により調光レベルが制御され、第1操作装置2において設定された所定の調光レベルで点灯される。また、照明器具7は、蛍光ランプ9,9および点灯装置34を配設している。点灯装置34は、高周波点灯回路を有し、調光器24から出力されたPWM信号に応じて蛍光ランプ9,9を調光点灯させる。すなわち、蛍光ランプ9,9は、調光器24により調光レベルが制御され、第2操作装置3において設定された所定の調光レベルで点灯される。
【0044】
なお、照明器具6および照明器具7は、それぞれ複数設けられている。ここで、複数個がひとつの調光器23または調光器24に接続されていてもよい。また、照明器具6,7および調光器23,24は、いずれか一方のみであってもよい。
【0045】
次に、本発明の一実施の形態の作用について述べる。
【0046】
商用交流電源Vsの停電が回復すると、当該停電回復が調光装置5の制御部20および第1操作装置2の制御部12により検出される。そして、第1操作装置2から電球8の調光レベルを徐々に増加させる制御信号が出力される。
【0047】
当該制御信号は、調光装置5の入力端子5aに伝送され、選択手段を構成するスイッチ26がオンされているので、調光装置5の制御部20は、電球8の調光レベルを徐々に増加させる調光信号を出力部21から調光器23に出力させる。例えば、図3(a)に示すように、第1操作装置2から一定の割合で徐々に増加する制御信号が出力され、調光器23に一定の割合で徐々に増加する調光信号が出力される。そして、調光器23の制御により、電球8は、調光レベルが徐々に増加されて点灯され、所定の調光レベルで点灯する。これにより、電球8の明るさが徐々に立ち上がり、電球8に突入電流が流れることが防止される。
【0048】
また、第2操作装置3から蛍光ランプ9,9を所定の調光レベルで点灯させる調光信号が出力される。当該制御信号は、調光装置5の入力端子5bに伝送され、選択手段を構成するスイッチ27がオフされているので、調光装置5の制御部20は、記憶部22に記憶されている蛍光ランプ9,9の調光レベルを徐々に増加させる調光信号を出力部21から調光器24に出力させる。例えば、図3(b)に示すように、第2操作装置2から一定レベルの制御信号(100%調光)が出力されていても、調光器24に一定の割合で徐々に増加する調光信号が出力される。そして、調光器24の制御により、蛍光ランプ9,9は、調光レベルが徐々に増加されて点灯され、所定の調光レベルで点灯する。これにより、蛍光ランプ9,9の明るさが徐々に立ち上がり、点灯装置34に突入電流が流れることが防止される。
【0049】
そして、第1操作装置2から出力された制御信号が調光装置5の入力端子5bに入力され、第2操作装置3から出力された制御信号が入力端子5aに入力されるようにしてもよい。この場合、選択手段のスイッチ26をオフし、スイッチ27をオンすればよいものである。また、入力端子5a,5bに個別の第1操作装置2,2(第2操作装置3,3)から出力された制御信号が入力されるようにしてもよく、この場合、スイッチ26およびスイッチ27は、両方ともオン(オフ)にすればよいものである。したがって、第1操作装置2または第2操作装置3のいずれに対しても、停電回復時における電球8および蛍光ランプ9,9の明るさの変化を略同一とすることができ、これにより、両者の明るさの変化が良好なものとなって人に違和感や不快感を与えなくすることができる。
【0050】
上述したように、商用交流電源Vsの停電が回復した場合、電球8を所定の調光レベルまで調光レベルを徐々に増加させる制御信号を出力する第1操作装置または蛍光ランプ9,9を所定の調光レベルで点灯させる制御信号を出力する第2操作装置のいずれか一方または両方が調光装置5に接続されても、停電回復時における電球8および点灯装置34に突入電流が流れることを防止することができ、ブレーカが遮断することを防止できる。また、電球8および蛍光ランプ9,9の明るさの変化が良好となって、人に違和感や不快感を与えることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態を示す調光システムの概略ブロック図。
【図2】同じく、調光器を示し、(a)は電球用の調光器の概略ブロック図、(a)は放電ランプ用の調光器の概略ブロック図。
【図3】同じく、フェード時間に対する調光レベルの変化を示し、(a)は徐々に変化する制御信号に対する調光信号の特性図、(b)は一定の制御信号に対する調光信号の特性図。
【図4】従来のフェード時間に対する調光レベルの変化を示し、徐々に変化する制御信号に対する調光信号の特性図。
【符号の説明】
【0052】
1…調光システム
2…第1操作装置
3…第2操作装置
4…操作装置
5…調光装置
6,7…照明器具
18…停電検出手段を構成するリレー
20…制御手段を構成する制御部
26,27…選択手段としてのスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明負荷へ電力を供給する電源の停電を検出する停電検出手段と;
停電検出手段が検出した停電が回復した場合、操作装置から照明負荷の調光レベルを徐々に増加させる制御信号が入力されているときには、当該制御信号に応じた調光信号を出力し、操作装置から照明負荷を所定の調光レベルで点灯させる制御信号が入力されているときには、照明負荷の調光レベルを徐々に増加させるように設定された調光信号を出力する制御手段と;
を具備していることを特徴とする調光装置。
【請求項2】
制御手段は、操作装置から入力される制御信号に対して出力する調光信号が前記制御信号に応じた調光信号または照明負荷の調光レベルを徐々に増加させるように設定された調光信号のいずれかに選択される選択手段を有していることを特徴とする請求項1記載の調光装置。
【請求項3】
停電検出手段が検出した停電が回復した場合、照明負荷を所定の調光レベルまで調光レベルを徐々に増加させる制御信号を出力する第1操作装置または照明負荷を所定の調光レベルで点灯させる制御信号を出力する第2操作装置の少なくとも一方で構成された操作装置と;
この操作装置から前記制御信号を入力する請求項1または2記載の調光装置と;
照明負荷が配設され、当該照明負荷が操作装置の制御により所定の調光レベルで点灯される照明器具と;
を具備していることを特徴とする調光システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−262783(P2008−262783A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103938(P2007−103938)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】