説明

調整可能なフォトニック結晶

赤外線エミッタはフォトニック結晶(PC)構造を利用して、狭帯域の波長を有する電磁放射を生成する。PC構造は、電磁波の伝搬がバンド構造類似散乱によって制御される、人工的に設計された周期的な誘電体アレイである。この構造は、電子エネルギー・バンドの許容伝搬、及び禁制伝搬を示す。この構造の内面の電磁波の許容伝搬の欠如は、フォトニック・バンド・ギャップと呼ばれる波長の範囲で、自然放射の抑制、高反射率の全方向性ミラー、低損失導波管、等のような別個の光学現象を引き起こす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本願は、2004年07月08日に出願の米国特許仮出願第60/586,334号の優先権を主張し、その開示を本明細書中で参照する。
【0002】
本発明は、赤外線電磁エネルギーを放射、及び/又は検出するための赤外線エミッタ/検出器/センサに関し、更に詳細には、赤外線電磁波を放射、及び/又は検出するためのマイクロマシン装置に関する。
【背景技術】
【0003】
赤外線エミッタ/検出器/センサは、例えば、特定の生物学的、化学物質(例えば、ガス)の存在を検出して識別する様な多くの用途で使用される。
【0004】
一般に、従来の検出器、又はセンサは、赤外線放射のソースとして加熱された素子、放射された光の波長を制御するためのフィルタ、及び放射された光と相互作用する物質による放射された光の吸収を検出するための検出器を含む。一般に、今後はIR(赤外線)エミッタと呼ばれるソースは、ワイヤ、フィラメント、又は他の赤外線放射素子を含む。起動するために、IRエミッタは、電流に導電ワイヤ、又はフィラメントを通過させることによって加熱される。電流は、ワイヤ、又はフィラメントで熱に変換される。ワイヤ、又はフィラメントからの赤外線放射は、加熱された素子の温度、及び表面積に比例する。加熱された素子の表面温度を調整するために電流を周期的に中断することによって赤外線放射をパルス化することが望ましいことが多い。スペクトル・フィルタは、検出する目標物の吸収特性と実質的に整合する赤外線放射のスペクトルを選択的に調整するために使用される。
【0005】
検出器は、フィルタを通過した光を受け取るために、エミッタ、及びフィルタに面して配置される。検出器の1実施例では、電気抵抗Rは温度Tの関数として変化する。即ち、R=f{T}である。関数f{T}は、特定の検出器に対して経験的に、又は分析的に決定される。検出器の温度Tはどれ位の早さで検出器が冷却するかに依存し、検出器の冷却速度は隣接する環境の光吸収特性に依存する。一般に、異なる物質(例えば、ガス)は、各々が別個の光吸収特性を示すことが知られる。赤外線源、及びセンサが研究中のガスの吸収特性に対応する調整された空胴バンド・エミッタを形成するように、スペクトル・フィルタが選択される。従って、目標とされたガスがエミッタと検出器の間の光路に存在するとき、検出器から受け取った光学的エネルギーは減少し、検出器の温度は下がり、次に検出器の抵抗の変化をもたらす。それによって、検出器の抵抗Rをモニタすることによってガスが検出される。
【特許文献1】米国特許第5973316号明細書
【特許文献2】米国特許第6756594号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
センサで使用される電流エミッタの熱放射は、黒体スペクトルと常に関連してきた。スペクトル・フィルタは所定の特定のスペクトルを達成するために使用されるが、検出装置の費用は高く、装置の精度は低下する。更に、上記のセンサは、特別な調整、較正、並びにエミッタ、及び検出器の両方に対して別々の電子回路を必要とする複数構成要素システムであり、このセンサを複雑で高価にする。
【0007】
現在使用されている他の1つの技術は、放射源としてダイオード・レーザを利用している。この技術は電気化学センサよりも高感度で、汚染、及び誤り検出に影響されにくいが、装置が家庭用としては高価である。加えて、それらは物理的バンドギャップに依存するので、ダイオード・レーザは非常に狭い範囲内で辛うじて調整できるだけである。
【0008】
最近、周期的な誘電体アレイのようなフォトニック結晶構造が、制御可能な狭帯域赤外線吸光度を有する光学フィルタ、及び赤外線フィルタとして多くの注目を集めている。これらのフォトニック構造は、伝達/反射フィルタとして開発されてきた。
【0009】
フォトニック結晶構造に類似した構造を実施する1つのタイプの装置は、米国特許第5,973,316号に開示される。開口部に光が入射したときに、金属膜の表面プラズモンが乱されてアレイの個々の開口部から放射された光の伝達の向上をもたらすように、その装置は、1つのパターンに配置されたアレイに配置された開口部を有する金属膜を含む。その種の装置の光伝達特性は、光の波長に強く依存する。向上した伝達は、開口部内部の空間に関する光の波長に対して発生する。開口部アレイは、開口部を横断する予め定められた波長の光を選択的に通すために使用される。米国特許第5,973,316号に開示される装置は、主にフィルタで使用され、一般に、開口部アレイに当たる光を発生するために外部光源(エミッタ)が更に必要である。
【0010】
PCT公報第 号、及び米国特許第6,756,594号は、センサ・エンジンを開示し、センサ・エンジンは、特定の化学的、及び/又は生物学的種の存在を検出するためのマイクロマシン化された赤外線吸収エミッタ/センサである。センサ・エンジンは、その上に配置された放射機構の規則的なアレイを有する基板面を有する。基板は、金属化された単結晶シリコンから作られる。
【0011】
特定のスペクトルで赤外線光を正確に放射、及び/又は検出することが出来る安価なエミッタ/検出器装置の必要性が存在する。装置が、温度に対して高い安定性を示すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、赤外線電磁エネルギーを放射、及び/又は検出するための赤外線エミッタ/検出器/センサに関する。本発明の1側面によると、本発明によって構成された装置は、所定の物体の存在を感知するための装置、及びシステムで利用される。
【0013】
赤外線エミッタはフォトニック結晶(PC)構造を利用して、狭帯域の波長を有する電磁放射を生成する。PC構造は、電磁波の伝搬がバンド構造類似散乱によって制御される、人工的に設計された周期的な誘電体アレイである。この構造は、電子エネルギー・バンドの許容伝搬、及び禁制伝搬を示す。この構造の内面の電磁波の許容伝搬の欠如は、フォトニック・バンド・ギャップと呼ばれる波長の範囲で、自然放射の抑制、高反射率の全方向性ミラー、低損失導波管、等のような別個の光学現象を引き起こす。
【0014】
好ましい1実施例によると、エミッタは、半導体材料レイヤ、半導体材料レイヤを覆う誘電体材料レイヤ、及び誘電体材料レイヤを覆う内面を有する導電材料レイヤを含む。半導体材料レイヤは、単結晶シリコン、ポリシリコン、単結晶炭化ケイ素(SiC)、多結晶炭化ケイ素(ポリSiC)、ゲルマニウムから成る群、又はインジウム、ガリウム、アルミニウム、ヒ素、アンチモン、及びリンの合金、並びに亜鉛、水銀、カドミウム、テルル、硫黄、及びセレンの合金を含むIII−V半導体の群、II−VI半導体の群から選択された(しかし、限定されない)材料から作られることが好ましい。SiCは高温で高い安定性を示し、そのことがSiCを本発明によるエミッタ装置、特に高温環境で動作する装置に対する良い候補にする。半導体材料レイヤは、N型、又はP型の不純物をドープされる。或いは、半導体レイヤは、ドープされたプラスチック(ポリマー)である。
【0015】
本発明の1側面によると、誘電体材料レイヤは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、サファイア、窒化アルミニウム、及び酸窒化ケイ素から成る群から選択されるが、限定されない。
【0016】
或いは、誘電体レイヤは、プラスチック(ポリマー)であり得る。導電材料レイヤは、金属材料、又は金属類似材料から作ることが出来る。金属材料は、金、アルミニウム、ニッケル、銀、チタニウム、及び、白金、又は上記金属の合金から成る群から選択されることが好ましいが、限定されない。金属類似材料は、大量にドープされた半導体、又は窒化チタン、窒化タンタル、及び酸化インジウムスズ、又は他の非金属導電材料から成る群から選択された導電セラミックを意味する。窒化チタン材料は、本発明による装置の加工に使用される従来のCMOS加工技術を可能にする。以下では、導電材料レイヤは、金属、又は金属類似材料レイヤを意味する。従って、金属類似レイヤは、有効な金属特性を高度にドープされた半導体、又は窒化チタン、窒化タンタル、及び酸化インジウムスズから成る群から作られることが好ましいが、限定されない導電セラミックであり得る。半導体材料レイヤは、エネルギーを半導体材料レイヤに投入するためのエネルギー源に結合できる。金属材料レイヤは、周期的に分布した表面特徴を内面と反対側の外面に含む。3つの材料レイヤは、エネルギーを半導体材料レイヤから金属材料レイヤの外面へ移動させ、電磁エネルギーを狭帯域の波長で金属材料レイヤの外面から放射するように適合される。次に、装置は、材料の4以上、又は3未満のレイヤを有してもよい。マルチレイヤ構造は、狭いピークを有する電磁波を、それらの応答に基づいて放射する。
【0017】
1つの好ましい形態では、放射された電磁エネルギーは、固有の波長(λ)が中心の波長を有し、全幅を最大半量(Δλ)に有する。ここで、Δλ/λは0.5以下である。
【0018】
本発明の1側面によると、放射された電磁エネルギーは、周期的に分布した表面特徴のパラメータによって決定されたスペクトル特性を有し、パラメータは、形状、サイズ、深さ、分布形状、周期性、欠陥/歪み、及び材料特性(例えば、ドーピング、常誘電性、圧電性)を含む。
【0019】
1つの好ましい形態では、周期的に分布した表面特徴はホールのアレイを含み、ホールは個々に金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの少なくとも一部を通って伸長するか、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤを通って誘電体材料レイヤの少なくとも一部まで伸長するか、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤ、及び誘電体材料レイヤを通って半導体材料レイヤの少なくとも一部まで伸長する。他の1つの形態では、金属レイヤ、又は金属類似レイヤ、及び半導体材料レイヤを(部分的、又は完全に貫通する)ホールのアレイが存在するが、誘電体レイヤにはホールのアレイが存在しない。この形態では、2つのアレイは位置合わせされるか、整列しており、同一の、又は異なる形状を有する。
【0020】
本発明の1側面によると、ホールは、円形、正n角形、正方形、三角形、六角形、ドーナツ形、C−逆C形、矩形、切り込み付き円形、三脚形、及び三角骨形から成る群から選択される形状を有する。本発明の他の1つの側面によると、ホールのアレイは、(正方形、矩形、六角形を含む)平行四辺形から成る群から選択された規則的な形状、又は例えば、アルキメデス・タイリングのような準規則的な形状で分布する。
【0021】
サイズ(即ち、円形ホールに対しては直径)、深さ、及びホールの周期性は、実施例が異なれば変化し得る。1つの好ましい形態では、ホールは約0.5マイクロメートル〜約2.0マイクロメートルの直径、約1マイクロメートル〜約30マイクロメートルの深さ、及び約1マイクロメートル〜約25マイクロメートルの周期性(2つのホールの中心から中心への間隔)を有するが、他の寸法も利用できる。1実施例では、金属レイヤは約0.1マイクロメートルの厚さであり、ホールの直径は約2マイクロメートルであり、2つのホールの中心から中心への間隔は約4.2マイクロメートルである。
【0022】
本発明の1側面によると、ホールは、誘電体材料、非線形光学材料、液晶材料、圧電性材料、ピロ電気性材料、及び強誘電性材料から成る群から選択された1又は複数の材料で少なくとも部分的に充填される。
【0023】
本発明の他の形態では、表面特徴は本発明の他の1つの側面による(ホールの代わりの)「バンプ」でもよく、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤはバイアス電圧に結合され、放射された電磁エネルギーのスペクトル特性は電圧によって決定される。他の1つの形態では、半導体材料レイヤは電圧によってバイアスされ、放射された電磁エネルギーの強度は電圧によって決定される。
【0024】
本発明の更に他の側面によると、周期的に分布した表面特徴は周期的に分布した欠陥を含み、周期的に分布した欠陥は表面特徴とは構造的に異なる。1つの好ましい形態では、周期的に分布した欠陥は、3つ目の表面特徴の位置毎に発生する。
【0025】
本発明の更に他の側面によると、放射された電磁エネルギーは、中心軸の周りで広がる円錐形の範囲内にある。1つの好ましい形態では、放射の円錐形の範囲の中心軸は、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの主平面に対して傾斜している。
【0026】
本発明の好ましい他の1実施例によると、エミッタ装置は、半導体レイヤ上に蒸着した金属レイヤを有する半導体レイヤを含む。半導体レイヤは、エネルギー源に結合できる。装置は、周期的に分布した表面特徴、ホールが好ましい、でパターン形成され、各々は装置の半導体レイヤ、及び金属レイヤを横断する中心軸の周りで広がる。サイズ、形状、深さ、間隔、及び分布形状を含む周期的に分布したホールの形態は、上記の異なる実施例によって変化し得る。放射された電磁エネルギーは、周期的に分布した表面特徴のパラメータによって決定されたスペクトル特性を有し、パラメータは、形状、サイズ、深さ、分布形状、周期性、欠陥/歪み、及び材料特性(例えば、ドーピング、常誘電性、圧電性)を含む。
【0027】
本発明の更に他の好ましい実施例によると、装置は1つの半導体レイヤだけを含み、半導体レイヤは、半導体レイヤの上面で定められたホールのアレイであることが好ましい、周期的に分布した表面特徴を含む。
【0028】
本発明は赤外線スペクトル偏移装置を更に提供し、赤外線スペクトル偏移装置は、プラスチック材料レイヤ、及びプラスチック材料レイヤを覆う金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤを含み、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤは、周期的に分布した表面特徴を含む。赤外線スペクトル偏移装置は、周期的に分布した表面特徴のパラメータによって決定されたスペクトル特性を有する電磁エネルギーを吸収するように適合され、パラメータは、形状、サイズ、深さ、分布形状、周期性、欠陥/歪み、及び材料特性(例えば、ドーピング、常誘電性、圧電性)を含む。
【0029】
1つの好ましい形態では、周期的に分布した表面特徴は、金属材料レイヤの内部で少なくとも部分的に定められたホールである。サイズ、形状、深さ、周期性、及び分布形状を含む周期的に分布したホールの形態は、上記の異なる実施例によって変化し得る。
【0030】
本発明は装置を更に提供し、装置は、誘電体材料レイヤ、及び誘電体材料レイヤを覆う金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤを含み、周期的に分布した表面特徴を含む。装置は、周期的に分布した表面特徴のパラメータによって決定されたスペクトル特性を有する電磁エネルギーを放射/吸収するように適合され、パラメータは、形状、サイズ、深さ、分布形状、周期性、欠陥/歪み、及び材料特性(例えば、ドーピング、常誘電性、圧電性)を含む。1つの好ましい形態では、周期的に分布した表面特徴は、金属材料レイヤの内部で少なくとも部分的に定められるホールである。サイズ、形状、深さ、周期性、及び分布形状を含む周期的に分布したホールの形態は、上記の異なる実施例によって変化し得る。他の1つの好ましい形態では、誘電体材料レイヤは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、サファイア、窒化アルミニウム、及び酸窒化ケイ素から成る群から選択された誘電体材料から作られる。
【0031】
周期的に分布したホールの種々の形状、サイズ、深さ、又は間隔が本発明で使用できることを理解すべきである。放射/吸収ピーク波長、及びピーク波長の周りの狭帯域波長の幅は、周期的に分布したホールの幾何学的形状、サイズ、深さ、及び間隔を選択することによって調節できる。特に、ピーク波長はホールの周期性に比例し、狭帯域の幅は、ホールの幾何学的形状、サイズ、及び深さの関数である。また、ピーク波長、及びピーク波長の周りの狭帯域波長の幅も、半導体レイヤ中のドーパント濃度、等を調節することによって異なる材料、例えば、金属レイヤとして異なる金属、を選択することにより調節できる。
【0032】
本発明は、周期的に分布した表面特徴を定めるための自己集合プロセスを更に提供する。1つの好ましい形態では、プロセスは、基板(例えば、金属レイヤ、誘電体レイヤ、及び半導体レイヤを有するエミッタ装置)の上面にミクロスフェアの単分子層を形成すること、ポリマーを上面に蒸着させること、ミクロスフェアを上面から除去してポリマーによって遮蔽されない領域のアレイを上面にもたらすこと、上面をエッチングしてホールをポリマーによって遮蔽されない領域のアレイに定めること、及びポリマーを基板の上面から除去することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、狭帯域の波長で赤外線光を放射するための赤外線エミッタに関する。また、本発明によって構成された装置も、放射と同じピーク波長で電磁波を吸収し、それによって、装置は赤外線検出器、又はセンサとしても使用できる。
【0034】
本発明による赤外線エミッタはフォトニック結晶(PC)構造を利用して、狭帯域の波長を有する電磁放射を生成する。好ましい1実施例によると、図1に示されるように、エミッタ10は、半導体材料レイヤ12、半導体材料レイヤ12を覆う誘電体材料レイヤ14、及び誘電体材料レイヤ14を覆う内面15Aを有する導電材料レイヤ16を含む。
【0035】
半導体材料レイヤ12は、単結晶シリコン、ポリシリコン、単結晶炭化ケイ素(SiC)、多結晶炭化ケイ素(ポリSiC)、ゲルマニウムから成る群、インジウム、ガリウム、アルミニウム、ヒ素、アンチモン、及びリンの合金、並びに亜鉛、水銀、カドミウム、テルル、硫黄、セレン、及びプラスチック(ポリマー)の合金を含むIII−V半導体の群、II−VI半導体の群、並びに小分子半導体有機物から選択された(しかし、限定されない)材料から作られることが好ましい。半導体材料レイヤ12は、N型、又はP型の不純物をドープされる。半導体プラスチックの実施例は、以下の様である。
ポリフェニレン
ポリフェニレン・ビニレン
ポリチオフェン
ポリアニリン
上記の誘電体プラスチックを、上記の半導体プラスチックをドープ/合金される。上記の誘電体プラスチックは、小分子半導体有機物をドープ/合金される(以下を参照のこと)。小分子半導体有機物の実施例は、以下の様である。
アルミニウム−ヒドロキシキノリン錯体(ALQ)
Titanylpthalocyanine
【0036】
本発明の1側面によると、誘電体材料レイヤ14は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、サファイア、窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素、及びプラスチック(ポリマー)から成る群から選択されるが、限定されない材料から作られる。導電材料レイヤは、金属材料、又は金属類似材料から作ることが出来る。金属材料は、金、アルミニウム、ニッケル、銀、チタニウム、及び白金、タンタル、又は 上記金属の合金、又は化合物から成る群から選択されることが好ましいが、限定されない。加えて、金属類似材料は、有効な金属特性を高度にドープされた半導体、又は窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、及び酸化インジウムスズから成る群から作られることが好ましいが、限定されない導電セラミックであり得る。以下では、導電材料レイヤは、金属レイヤ、又は金属材料レイヤを意味する。誘電体プラスチックの実施例は、以下の様である。
低温
ポリスチレン(PS)
ポリエチレン(PE)
ポリプロピレン(PP)
ポリエチレンテレフタレート(PET)
ナイロン/ポリエステル
高温プラスチック(更に興味がある)(温度範囲RT−350C):
ポリイミド(PI)「カプトン」(登録商標)
ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)
ポリエーテル・ケトン(PEK)
ポリスルフォン(PSO)
【0037】
装置10は、半導体材料レイヤ12、又は金属材料レイヤ16に接続される導体を有する。半導体材料レイヤ12は、エネルギーを半導体材料レイヤ12に導入するためのエネルギー源に結合できる。1形態では、半導体材料レイヤ12は電流に結合され、半導体材料レイヤ中の抵抗加熱に影響を与える。或いは、金属材料レイヤ16は電流に結合され、エネルギーが金属材料レイヤ16から半導体レイヤ12に移される。光ポンピング、電子ビームポンピング、又は直接加熱のような、(プラズモンを発生するために)フォトニック共振を励起する他の方法が使用できる。
【0038】
図2に示されるように、金属材料レイヤ16は、周期的に分布した表面特徴を、内面15Aと向かい合う外面15Bに含む。3つの材料レイヤ12,14,16は、エネルギーを半導体材料レイヤ12から金属材料レイヤ16の外面15Bに移すように適合され、電磁エネルギーを狭帯域の波長で金属材料レイヤ16の外面15Bから放射する。マルチレイヤ構造は、狭いピークを有する電磁波を、それらの応答に基づいて放射する。
【0039】
使用中、半導体材料レイヤ12が刺激される。刺激されたら直ぐに、半導体レイヤ12は光子を放射する。誘電体材料レイヤ14は、半導体材料レイヤ12からの光子を、金属材料レイヤ16の内面15A、及び外面15Bに結合する。光子が、プラズモンを金属材料レイヤ16で励起する。次に、金属材料レイヤ16の内面15A、及び外面15Bにおける表面プラズモンが、金属材料レイヤ16の外面15Bから放射された光子に壊変する。好ましい1実施例によると、装置10によって放射、又は吸収される狭帯域の波長は、赤外線スペクトルにある。他の形態によると、放射された電磁エネルギーは、可視スペクトル、又はミリメートル波スペクトルにある。
【0040】
1つの好ましい形態では、図2に示されるように、周期的に分布した表面特徴は、金属材料レイヤ16に定められた空孔領域、又はホール18であり、それによってフォトニック結晶構造をエミッタ装置10に形成する。本発明の好ましい他の1実施例によると、金属材料レイヤ16の外面15B上の周期的に分布した表面特徴は、金属材料レイヤ16の空孔領域/ホール18中に誘電体材料を配置することによって実施される。ホール18は、異なる実施例では異なるサイズ、深さ、形状、及び相互の間隔を有する。1実施例では、金属レイヤ16の厚さは約0.1マイクロメートルであり、ホール18の直径は約2マイクロメートルであり、2つのホールの中心から中心への間隔は約4.2マイクロメートルである。
【0041】
本発明の更に他の側面によると、表面特徴は、エミッタ装置の上面の個別素子の規則的なアレイを含む。例えば、格子構造は金属材料レイヤ16から除去でき、周期的に分布した個別の金属アイランドを装置10の上面に残す。表面特徴は、上記の形状を取り得る(しかし、限定されない)。
【0042】
図3は、本発明の好ましい他の1実施例であるエミッタ装置100を示し、エミッタ装置100は、半導体レイヤ112、及び半導体レイヤ112に蒸着された金属レイヤ116だけを含む。半導体レイヤ112は、エネルギー源に結合できる。金属レイヤ116は、内面115A、及び外面115Bを含む。内面115Aは、半導体レイヤ112と接触する面である。半導体レイヤ112、及び金属レイヤ116の材料は、上記の装置10の半導体レイヤ、及び金属レイヤの材料と同じである。金属レイヤ116は、周期的に分布した表面特徴118を外面115Bに含む。サイズ、深さ、形状、間隔及び、分布形状を含む周期的に分布した表面特徴118の形状は、図2に示される装置10と同じであり得る。例えば、図3に示されるように、周期的に分布した表面特徴は、金属レイヤ116から半導体レイヤ112の一部まで貫通して定められる実質的に円形のホールであり得る。
【0043】
図4は本発明の更に他の実施例を示し、装置200は1つの半導体レイヤ212だけを含む。半導体レイヤ212は、エネルギー源に結合できる。半導体レイヤ212は、周期的に分布した表面特徴218を上面に含む。サイズ、形状、深さ、間隔、及び分布形状を含む周期的に分布した表面特徴の形態は、図2、及び図3に示される実施例と同じであり得る。例えば、図4に示されるように、周期的に分布した表面特徴は、少なくとも部分的に半導体レイヤ212を貫通して定められる実質的に円形のホールであり得る。
【0044】
図2〜図4に示される実施例は類似の、又は同じ構造を有し、従って、以下の記載では、たった1つの実施例が詳細な記載のために使用されるが、当業者は同じ特性を、又は特性は他の実施例に適用すべきであることを理解する。例えば、ホール18に対する詳細な記載も、図3のホール118、及び図4のホール218に適用される。
【0045】
図5は、黒体からの広帯域放射と比較した、本発明によるエミッタ装置から放射された電磁エネルギーのスペクトルを示す。図5に示されるように、参照番号52によって示されるような放射された電磁波の曲線は、参照番号54によって示されるような黒体放射と比較して狭い帯域ピーク放射を有する。1つの好ましい形態では、放射された電磁エネルギーは、固有の波長(λ)が中心の波長を有し、全幅を最大半量(Δλ)に有する。ここで、Δλ/λは0.5以下であることが好ましい。中心波長(λ)は、周期的に分布した表面特徴の間隔によって主に定められ、最大半量(Δλ)における全幅は、周期的に分布した表面特徴のサイズ、形状、及び深さ、並びに欠陥/歪みによって主に定められる。
【0046】
図6は、エミッタ装置の物理的図解を示し、本発明によると、エミッタ装置はフォトニック結晶構造を利用する。図6に示されるように、例示のエミッタ装置は、半導体材料レイヤ212、及び金属材料レイヤ216を含む。半導体材料レイヤ212は熱的に励起されて光子を放射し、光子は表面プラズモンと金属材料レイヤ126の底面、及び上面で結合し、表面特徴(ホール)218のエッジで強い電磁場を発生する。ピークの中心波長の位置、ピーク放射の幅、ピーク放射とピーク外放射の間のコントラスト、エミッタ装置から放射された電磁波の前方放射(ピーク放射)の軸を含むスペクトル特性が、種々の方法で調整できる。特に、放射は、表面特徴のエッジにおける電磁場の小さな修正、例えば、表面特徴(例えば、鋭さ)のエッジの構造の修正、表面特徴のサイズ、又は形状、ホール(表面特徴)を誘電体材料で少なくとも部分的に充填すること、エミッタ装置の材料を変更すること、バイアス電圧、又は熱を装置に加えること、等によって劇的に制御できる。放射の調整が、以下に記載される。
【0047】
図7Aは装置10の平面図であり、金属材料レイヤ16の外面のホール18のパターンを示す。図7Aに示されるように、ホール18は、1組の約60度の内角(六角形の形状)を有する平行四辺形の形状で分布する。一般に、周期的に分布した表面特徴は、他のパターン、例えば、正方形の形状、で、又は、図7Bに示されるように、平行四辺形で分布する。また、図7Cに示すように、準規則的な形状、例えば、アルキメデス・タイリング、も使用できる。平行四辺形の形状は1組の60度の内角を有することが好ましいが、他の角度も使用できる。分布形状は、放射のスペクトル特性に影響する。言い換えると、エミッタ装置のピーク放射は、分布形状を修正することによって調整できる。図8Aは、図7Aの六角形の分布形状に対応する放射スペクトル(曲線82)を示す。図8Bは、図7Bの正方形の分布形状に対応する放射スペクトル(曲線84)を示す。図8A、及び図8Bに示されるように、六角形の形状(曲線82)は、正方形の形状(曲線84)と比較して比較的狭い帯域ピーク放射を有する。
【0048】
図7A、及び図7Bは、実質的に円形の形状を有するホール18を示す。ホール18は、他の形状、例えば、図9Aに示される十字形状、又はX形状、図9Bに示される、丸められた角を有する正方形の形状、三角形の形状、六角形の形状、矩形の形状、図9Cに示されるドーナツ形の(又は、環状の)形状、図9Dに示されるC−逆C形状、図9Eに示される切り込み付き円形、図9Fに示される三脚形状、図9Gに示される三角骨形状、又は他の形状のような正n角形の形状に定めることが出来る。
【0049】
また、表面特徴の形状も、エミッタ装置の放射のスペクトル特性に影響する。図10は、異なる形状のホールに対する反射−波長のグラフを示し、全てのホールは六角形の分布形状を利用する。エミッタ/吸収装置の放射/吸収性能は、反射性能の逆である。図10では、曲線92は図9Cに示されるドーナツ形状ホールを有するエミッタ装置の反射性能のグラフであり、曲線94は図9Fに示される三脚ホールに対するグラフであり、曲線96は図9Gに示される三角骨形状ホールに対するグラフである。ピーク放射のスペクトル特性は、ホールの形状を修正することによって調整できる。
【0050】
他の1つの実施例に対して、円形ホール、及びドーナツ形ホールに対する反射−波長の性能曲線のグラフが、図11に示される。図11に示されるように、ドーナツ形状ホールを有するエミッタ装置の短波長反射(参照番号98によって示される曲線)が、円形ホールを有するエミッタ装置の短波長反射(参照番号102によって示される曲線)と比較して向上し、これは、ピーク放射と短波長放射のコントラストが、ドーナツ形状ホールを有するエミッタ装置で向上したことを意味する。図11に示されるように、表面特徴の形状も、共振の波長の位置(ピーク波長)に影響する。ドーナツ形ホールを有する装置は、更に長いピーク波長(曲線98)を有し、円形ホールを有する装置は、更に短いピーク波長(曲線102)を有する。
【0051】
ホール18の直径は、実施例が異なれば変化し得る。ホールの直径は、放射のスペクトル特性に影響する。図12は、異なるホール・サイズを有するエミッタ装置に対する反射−波長のグラフである。図12で比較される、ホールの分布形状のような、エミッタ装置のホール・サイズ以外のパラメータは、同じである。一般に、小さなホールは信号と弱い共振に小さなコントラストを与え、中間サイズのホールは良い信号コントラスト、及び狭い帯域幅を与え、並びに更に大きなホールは良い信号コントラストを与え、大きなホールは側面共振における向上した強度を有するので、大きなホールも更に広い帯域幅を有し、従って、全体的に大きな信号を有する。図12のグラフでは、2.45マイクロメートルの直径を有するホールに対応する曲線122が比較的小さな幅のピーク放射(図12では、低反射)を有し、1.55マイクロメートルの直径を有する比較的小さなホールに対応する曲線124が大きな幅のピーク放射を有する。また、曲線122も、向上したピーク放射とピーク外放射の間のコントラストを示す。
【0052】
ホール18は、異なる実施例では異なる深さで定めることが出来る。例えば、図13Aに示されるように、ホール18は金属レイヤ16の内部へ部分的に伸長するか、図13Bに示されるように、金属レイヤ16を貫通するか、図13Cに示されるように、金属レイヤ16を貫通して、誘電体レイヤ14の内部へ部分的に伸長するか、図13Dに示されるように、金属レイヤ16、及び誘電体レイヤ14を貫通するか、図13Eに示されるように、金属レイヤ16、及び誘電体レイヤ14を貫通して、半導体レイヤ12の内部へ部分的に伸長するか、図13Fに示されるように、金属レイヤ16、誘電体レイヤ14、及び半導体レイヤ12を貫通する。
【0053】
図14は、放射のスペクトル特性へのホールの深さの効果を示すグラフである。図3に示されるように、図14で検討されるエミッタ装置は、メタル−オン−シリコン構造を利用する。図14に示されるように、更に深いホールを有するエミッタは、曲線142(シリコンの内部に4マイクロメートル)、曲線144(シリコンの内部に0.5マイクロメートル)、及び曲線148(ホールが、金属レイヤの中にだけエッチングされる)によってグラフ化される浅いホールを有するエミッタと比較して、更に狭く更に高いピーク放射(曲線146、ホールは金属レイヤを貫通し、シリコンの内部に8マイクロメートルだけエッチングされる)を有する。図14は、ホールの深さを修正することによって放射のスペクトル特性が調整できることを示す。
【0054】
図15A−図15Cは、ホール18が金属レイヤ16を通って伸長し、半導体材料レイヤ12が、半導体材料レイヤ12の少なくとも一部を通って個々に伸長する周期的に分布したホール20のアレイを定める他の実施例を示す。図15Aの実施例では、金属レイヤ16のホール18、及び半導体レイヤ12のホール20は同じ形状を有し、軸方向に位置合わせされる。図15Bの実施例では、ホール18、及びホール20は同じ形状を有するが、軸方向に位置合わせされない。図15Cの実施例では、ホール18、及びホール20は異なる形状を有し、軸方向に位置合わせされない。
【0055】
本発明の1側面によると、ピーク波長の位置は、ホールの周期性(2つのホールの間の中心から中心までの間隔)に関連する。特に、ピーク波長は、ホールの周期性に実質的に比例する。図16Aは、ホールの間の中心から中心までの比較的小さな間隔を有するエミッタ装置の平面図を示し、図16Bは、ホールの間の中心から中心までの比較的大きな間隔を有するエミッタ装置の平面図を示す。図17は、放射のスペクトル特性へのホールの周期性の効果を示すグラフである。図17に示されるように、比較的小さな周期性を有するホールの規則的なアレイを有するエミッタ装置は、更に短いピーク波長(曲線172)を示し、更に大きな周期性は、更に長いピーク波長(曲線174,176,178)を生成する。図17は、放射のピーク波長の位置が、表面特徴の周期性を修正することによって調整できることを示す。
【0056】
本発明の他の1つの側面によると、エミッタ装置は、「欠陥」の(周期的に分布した)規則的なアレイを含む。欠陥は、周期的に分布した表面特徴に属さない構造的差異を有する要素、又は特徴である。言い換えると、欠陥は、欠陥を周期的に分布した表面特徴と区別する固有の形質を含む。図18Aは1実施例を示し、周期的に分布した表面特徴は、4.22マイクロメートルの周期性を有する六角形の形状で分布する直径D1=1.5マイクロメートルを各々が有する円形ホールのアレイを含み、欠陥の規則的なアレイは、直径D2=3マイクロメートルを各々が有し、周期的に分布した表面特徴の3つ目のホールの位置毎に発生する更に大きなホールを含む。図18Bは本発明の他の1つの実施例を示し、欠陥の規則的なアレイは、ホールの六角形のアレイで3つ目毎のホールを故意に抜かすことによって実施される。欠陥は、周期的に分布した表面特徴とは異なる構造的差異を利用することによって実施できる。例えば、もし周期的に分布した表面特徴がホールなら、欠陥は異なるサイズ、形状、又は深さを有するホールであり得る。1形態では、周期的に分布した表面特徴は円形ホールを含み、欠陥は(図9Eに示されるように)切り込み付き円形の形状のホールである。また、欠陥は、誘電体材料、又は非線形光学材料のような他の材料で充填されたホールであり得る。欠陥が3つ目の表面特徴毎の位置において発生することは必要でない。欠陥は他の分布形状、又は周期性でも実施でき、例えば、表面特徴の4つ目毎の位置で発生してもよい。
【0057】
図19は、(欠陥のない)表面特徴の規則的なアレイの間の比較に対する反射−波長の性能曲線のグラフ(参照番号192)、及び欠陥の規則的なアレイを有する表面特徴の規則的なアレイに対するグラフ(参照番号194)を示す。グラフに示されるように、曲線192は参照番号196によって指示される第2共振を有する。しかし、曲線194では、曲線192と比較して第2共振は比較的平滑である。何故ならば、高次の(側面)共振の中には消失するものもあるからである。図19は、欠陥の規則的なアレイを有するエミッタ装置の放射スペクトルが、強いピーク放射、及び平滑なピーク外放射を呈示することを示す。欠陥の規則的なアレイを有さない周期的に分布した表面特徴を有するエミッタ装置は、複数の第2共振と一緒に第1共振を有するスペクトルを有する光を放射し、それによって、ピーク放射とピーク外放射の間のコントラストは、欠陥の規則的なアレイと一緒の周期的に分布した表面特徴を有するエミッタ装置と同じ強さではない。
【0058】
また、放射/吸収された電磁エネルギーのスペクトル特性は、装置のレイヤの材料、レイヤの厚さ、材料のドーパント型、及び濃度を選択することによって、又はエミッタ装置の他の材料特性を修正すること、例えば、図20に示されるようにホール(ホールは、三角形のエッジを有する)のエッジの形状を修正すること、材料の屈折率を修正すること、材料の導電率を修正すること、等によって調整できる。
【0059】
本発明の他の1つの側面によると、放射のスペクトル特性は、ホールを異なる材料で少なくとも部分的に充填することによって、又は充填材料の性質を修正すること、例えば、ドーピング、充填材料への電圧印加、等によって調整できる。1つの好ましい形態では、エミッタ装置のホールは、誘電体材料、非線形光学材料、液晶材料、圧電性材料、ピロ電気性材料、強誘電性材料から選択されることが好ましい(しかし、限定されない)材料で充填される。これらの材料の光学的、及び/又は電気的特性(例えば、誘電率、導電率、分極)は、例えば、バイアス電圧を印加、又は修正すること、温度を修正すること、等によって動的に制御でき、それによって放射のスペクトル特性を調整する。図21は、充填材料の方向に対応する放射率−波長を表すグラフを示す。図21に示されるように、第1の規則的な状態では、放射の狭帯域が達成できる。第2の規則的な状態では、ピーク放射の2つのバンドが達成できる。不規則的な状態では、ピーク放射は殆ど認識できない。1つの好ましい形態では、上記の充填材料で充填されたホールは、個々にアドレス指定可能である。本発明の他の1つの側面によると、もし装置が誘電体材料で充填されたホールを有するなら、放射のスペクトル特性は、誘電体材料の誘電率、又は屈折率を修正することによって、又は誘電体材料をドーピングすることによって調整できる。他の1つの好ましい形態では、ドーナツ形状ホールを有する実施例では、心柱の誘電率、又は他の特性は、放射を調整するために修正できる。更に他の1つの形態では、ダイオード・アンテナ・ポストが、誘電体レイヤ、又は半導体レイヤに蒸着される。ダイオード・アンテナ・ポストの特性は、例えば、バイアス電圧によって動的に制御でき、それによって放射を調整する。
【0060】
本発明の好ましい他の1実施例によると、装置が、バイアス電圧を装置に印加すること(又は、修正すること)、又は電荷を装置に誘導すること(又は、修正すること)によって使用中のとき、放射/吸収された電磁エネルギーのスペクトル特性は動的に調整できる。1つの好ましい形態では、図22に示されるように、エミッタ装置の金属レイヤは電圧でバイアスされる。バイアス電圧を修正することは、放射のスペクトル特性を調整する。好ましい1実施例では、金属材料レイヤは酸化インジウムスズ(ITO)を使用でき、酸化インジウムスズは電子ビーム蒸着、又はスパッタリングによって誘電体レイヤ、又は半導体レイヤに蒸着できる。ITO薄膜の光学的、及び電気的特性は、蒸着パラメータ、電荷担体の密度、バイアス電圧、等のような要因に依存する。
【0061】
本発明によるエミッタ装置から放射された赤外線光のピーク放射(帯域内放射)は、図23、並びに図24A、及び図24Bの参照番号240によって指示されるように中心軸Xの周りで広がる狭い角度の範囲、又は円錐形の範囲(例えば、円錐)で前方に放射する。参照番号242によって指示されるように、ピーク外放射(帯域外放射)は、低い広帯域放射率を有する灰色体ソースからの放射に類似する。円形246は、黒体からの放射のような、全放射を示す。図23で示されるように、帯域内放射は狭い角度範囲内にあり、帯域外放射、及び全放射は、比較的広い放射角を有する。
【0062】
一般に、図24Aに示されるように、前方放射光の中心軸Xは、エミッタ装置10の主平面に垂直である。図24Bに示されるように、前方放射光(ピーク放射)の中心軸Xは、主平面に垂直な軸に関して、表面特徴のパラメータを調節することによってオフセット出来る。例えば、図9Eに示されるように、表面特徴が切り込み付き円形を利用する実施例では、エミッタ装置から放射される前方放射光の軸は、装置の主平面に対して傾斜している。
【0063】
図25Aに示されるように、表面特徴の形状、寸法、及び周期性を調節することによって、たった1つの代わりに、2つのバンドの向上した放射を達成できる。図25Bに示されるように、表面特徴の寸法、又は他のパラメータを更に修正することによって、2つのバンドの向上した放射は選択的にオン・オフ出来る。
【0064】
本発明の更に他の側面によると、上記のエミッタ装置は、メンブレンの形状に形成されることが好ましい。メンブレンは、10より大きい厚さに対する長さ、又は幅の縦横比を有することが、必ずしも必要ではないが、好ましい。図26Aに示されるように、メンブレン10,100,又は200(以下では、装置10だけが、実施例として使用される)は、2つの単軸サスペンションアーム422,424によってフレーム400から吊される。結果として生じる装置は、MEMS装置である。フレーム400、及びサスペンションアーム422,424は、シリコン、炭化ケイ素、又は他の材料から作られる。メンブレン10、サスペンションアーム422,424、及びフレーム400は、1つの半導体ウェハから作られることが好ましく、一体構造として構成されることが好ましい。サスペンションアーム422,424は電気的に導電性であり得、それによって電気エネルギーを装置10の半導体レイヤ12に伝導して、半導体レイヤ12を加熱する。メンブレン10は、装置の精度を向上させるために、フレームから熱的に絶縁されることが好ましい。結果として生じるMEMS装置は、他の構造にも形成できる。例えば、図26B,26C,26Dに示されるように、サスペンションアームは、「H」「S」及び「U」形のような他の形状を利用できる。図27Bに示されるように、他の1つの実施例に対して、メンブレン10は、基板402上で支持脚426,428によって支持される。(2つの脚だけが図に示されているが、MEMS装置は3以上の脚を含むことが出来る。)電気エネルギーを装置10の半導体レイヤ12に伝導するために、接点を支持脚426,428に形成することが出来る。
【0065】
装置の加工は当該技術分野で利用可能なMEMS製造方法を利用し、一般に、MEMS製造方法は、多数の光リソグラフィ・ステップ、及びエッチング・ステップを含む。図2に示されるように、比較的厚いシリコン・レイヤを半導体レイヤ12として使用する装置10の構造の加工は、二酸化ケイ素レイヤ14を形成するためにシリコン基板上で酸化物を成長させること、金属レイヤ16を二酸化ケイ素レイヤ14に蒸着させること、フォトレジストを金属レイヤ16に適用すること、フォトレジストをパターン形成すること、及び装置10にホール18を形成するために構造をエッチングすることを含む。上記の、周期的に分布した表面特徴は、異なる実施例では異なる形状を利用し、従って、異なるマスクが、周期的に分布した表面特徴のこれら異なるパターンを達成するために使用される。
【0066】
好ましい他の1実施例では、2次元PCパターンが不動態化されたシリコン基板で処理される。PCパターンは光リソグラフィ的に定められ、その後に、不動態化レイヤを通ってシリコン基板の内部まで反応性イオン・エッチング(RIE)される。第2の光リソグラフィ・ステップは、エッチングされたホールからマスクを除去するために使用でき、その後に、チタン、白金,及び金が電子ビーム蒸着される。有機溶媒を利用するリフトオフ・プロセスが、フォトレジスト、及び余分な金属を除去するために使用される。
【0067】
図3、及び図4に示されるように、装置100,200の構造の加工は、上記の図2の装置10の加工プロセスに類似する。例えば、図3に示される装置100は、酸化物を成長させるステップを飛ばすことによって、上記と類似したステップを使用して製造できる。
【0068】
炭化ケイ素が半導体レイヤとして使用される実施例では、装置を加工するために使用されるプロセスは、マルチユーザ炭化ケイ素(MUSiC)プロセスである。MUSiCプロセスは、当該技術分野で利用可能である。(J.M. Melzak, A. Leppart, S. Rajgopal, 及び K.M. Moses, “MUSiC-An Enabling Microfabrication Process for MEMS”,Commercialization of Micro Systems Conference (COMS 2002), Ypsilanti, MI, September 8-12, 2002 を参照のこと。)炭化ケイ素装置は、2005年06月17日に出願された米国特許出願第11/156,081号に開示される。
【0069】
図26A−図26D、図27A、及び図27Bに示されるように、薄いメンブレンの構造の加工は、メンブレンを支持するために犠牲レイヤを利用し、メンブレン、及びサスペンションアームの構造が定められ、周期的特徴が装置の上面に形成された後、犠牲レイヤは、装置の材料の上方の犠牲レイヤの材料の高い選択性を有するエッチング液を使用して除去される。
【0070】
1つの好ましい形態では、図26A−図26D、図27A、及び図27Bのように蒸着されたMEMS装置は、SOIシリコンウェハ上に加工され、SOIシリコンウェハは、装置レイヤ、誘電体レイヤ、及びハンドル・レイヤを含む。PCエッチングは、メンブレンをパターン形成するために実行される。次に、メンブレンは、深い反応性イオン・エッチング(DRIE)を使用して装置レイヤ中に定められる。図27Aに示されるように、装置はバックサイドスルー・エッチングによってリリースされ、開口空胴をまたがって吊されるメンブレン構造をもたらす。犠牲材料が蒸着されて、メンブレンを支持する。次に、犠牲材料が装置から除去される。
【0071】
上記実施例はエミッタ装置を形成するための方法を例示するが、構造を形成するのに適した他の製造プロセスも使用できる。例えば、エミッタは別々のメンブレンに形成でき、ウェハ・ボンディング技術を使用してフレーム、又は基板にボンディングされる。
【0072】
図28Aは更に他の好ましい実施例を示し、エミッタ/検出器装置10がサスペンションアーム422,424によって基板、又はフレーム430から吊される。装置10は、透明カバー432の反射を減少させるために薄膜434で被覆されることが好ましい透明カバー432によって覆われる。1つの好ましい形態では、透明カバー432はシリコンから作られる。透明カバー432、及び薄膜434の厚さは、エミッタ/検出器が放射/検出するように設計された特定の光スペクトルの最適な伝達を達成するように定められる。カバー432は基板430にボンディングされ、エミッタ/検出器装置10は、基板430、及びカバー432によって形成された内部領域によって、外部環境から封止される。内部領域は大気圧、又は他の所望する圧力に維持できるが、基板430、及びカバー432によって形成された内部領域は真空であることが好ましい。図28Bは3つのウェハ構造を示し、装置10は図27Aに示されるように1つのウェハ上に加工され、基板ウェハ430とカバー・ウェハ432の間に挟まれる。
【0073】
当業者は、上記のプロセス、及び図が加工プロセスを簡単に示すだけであり、詳細なステップの中には図、及び記述に記載されていないものもあることを理解すべきである。当業者は、本明細書で開示される実施例から全体の加工プロセスを評価すべきである。本明細書は好ましいプロセスのステップを順番に記載するが、これらのステップを記載された順番で必ずしも実行する必要はないことを当業者は理解すべきである。
【0074】
本明細書は、装置、及び装置を製造する方法を単一の装置レベルで記載してきた。一般に、その種の装置は、半導体材料のウェハ上で多数が加工される。次に、ウェハ・スケールのアセンブリが、個々の装置の内部に分割される。当業者は、ウェハ・スケールの加工が上記と同じプロセスを使用することを理解すべきである。
【0075】
ウェハ・レベルの製造、及びパッケージングでは、(上記の実施例の何れかであり得る)エミッタ装置のアレイが、ウェハ上で最初に加工される。他の1つのウェハがエッチングされ、透明カバーのアレイを形成する。次に、2つのウェハが位置合わせされ、一緒にボンディングされる。2つのウェハは、シリコン・ダイレクト・ボンディングによって一緒にボンディングされることが好ましい。シリコン融解ボンディングとも呼ばれるシリコン・ダイレクト・ボンディングは、当該技術分野で既知のウェハ−ウェハ・ボンディング技術である。また、他の代替ウェハ・ボンディング技術も使用でき、陽極ボンディング、中間レイヤ・ボンディング、ガラス・フリット・ボンディング、及び同様のものを含むが、限定はされない。次に、内部に配置され封止されたエミッタ装置を有する2つのボンディングされたウェハが、個々の装置に分割される。メンブレンがウェハ・エッチングを通して裏面を使用してリリースされる実施例では、装置の裏面を封止する装置ウェハの裏面に第3のウェハがボンディングされる。次に、透明カバー・ウェハが、封止されたパッケージを完成させる2つのウェハ・スタックにボンディングされる。
【0076】
本発明の更に他の側面によると、エミッタ装置アセンブリは、エミッタ装置10(又は、上記の他の実施例)のアレイを含む。図29は、エミッタ/検出器アセンブリ500を示し(図は、アセンブリの一部を示す)、エミッタ/検出器アセンブリ500は装置10のアレイを含む。図29に示されるように、アセンブリ500は基板502、及びカバー504を含む。好ましい形態では、装置10のアレイは、個々に、又はグループでアドレス指定可能である。例えば、各装置10は、基板502を通って伸長する導電体を含み、各装置10が個々に給電、及び/又は制御できるように、外部電源、及び/又は制御装置に接続される。エミッタ/検出器アセンブリ500は、感知、又は撮像システムで使用される。
【0077】
図30に示されるように、本発明は赤外線スペクトル偏移(ISS)装置300を更に提供し、赤外線スペクトル偏移装置300は、プラスチック材料レイヤ(ポリマー)312であることが好ましい誘電体材料レイヤ、及びプラスチック材料レイヤを覆う金属(又は、金属類似)材料レイヤ316を含む。金属レイヤ316は、内面315A、及び外面315Bを含む。内面315Aは、プラスチック材料レイヤ312と接触する面である。金属レイヤ316は、周期的に分布した表面特徴318を外面315Bに含む。サイズ、形状、深さ、間隔、及び分布形状を含む周期的に分布した表面特徴318の形態は、上記の実施例と同じであり得る。例えば、表面特徴は、金属材料レイヤ316を通して定められたホール、又は金属材料レイヤ316、及びプラスチック材料レイヤ312を通して定められたホールであり得る。
【0078】
上記の実施例では、プラスチック材料は可撓スプレッドシートで構成できるので、図31に示されるように、本発明によるエミッタ/吸収装置は大きな可撓シートとして作ることが出来る。図32は、装置の可撓シートに表面特徴を定めるためのナノ・インプリント成形システムを示す。また、表面特徴は、UVリソグラフィ、又は直接書き込み電子ビーム技術によっても加工できる。図33は、2つの異なるプロセスによって加工された装置の性能を示す。図33に示されるように、両方の曲線は共振を示す。周期的に分布した表面特徴を有する可撓シートは、他のプロセスで製造される。上記の実施例と同様に、ピーク放射/吸収の位置、及び帯域幅、及び大きな可撓シートのエミッタ/吸収装置の伝達/反射の許容されたバンドは、形状、サイズ、周期性、分布形状、及び欠陥を含む表面特徴形態によって調整できる。大きな可撓シートのエミッタ/吸収装置は、多くの用途を有する。例えば、熱撮像カメラが動作するバンドで赤外線出力を抑制するために、装置は調整できる。他の1つの実施例に対して、大気水蒸気吸収バンドで赤外線波長の伝達を可能にし、隣接バンドで赤外線出力を抑制するために、装置は調整できる。
【0079】
自己集合:図34A−図34Dは代替方法を簡単に示し、代替方法は、本発明の1つの好ましい形態による周期的に分布した表面特徴を生成するための自己集合プロセスである。図34Aに示されるように、最初に、ミクロスフェアの単分子層がエミッタ装置の複数レイヤ構造の上面に蒸着され、ミクロスフェアが、静電吸着、又は共有結合吸着によって装置の上面に吸着される。図34Bに示されるように、次にポリマーが付加されて、負のテンプレートの設計を形成する。図34Cに示されるように、ミクロスフェアがエッチング(現像)によって除去される。図34Dに示されるように、次のステップは、パターンを基板へ反応性イオン・エッチングによって転写することである。この後に、ポリマー・テンプレート・レジストの除去(図示されない)が続く。結果として生じる面は、2次元フォトニック結晶として作用する表面特徴の規則的な六角形のアレイを有する。自己集合プロセスは、以下で更に詳細に記載される。
【0080】
自己集合技術は2次元コロイド結晶をパターン・テンプレートとして利用し、そのパターンをレジスト材料に転写する。その種の戦略に対する基本的要求は、表面へのコロイドのアセンブリに対する本来備わった原動力である。この原動力は、コロイドと基板の間の静電引力として単純になり得る。材料選択を通して、その種の静電引力は容易に達成できる。現在、単分散シリカ・ミクロスフェアは、種々の企業(Duke Scientific, GelTech)から溶液、及び乾燥された固体としてバルクの両方で購入可能である。中性pHの水中で分散されるとき、SiO2の等電点は2なので、シリカ粒子は負に帯電される。次に、これは、等電点Al23より下のpHを有する水溶液に単に浸すことによってアルミナ表面に誘導できる正に帯電された基板を必要とし、等電点Al23は9に等しい。(アルミニウムは、薄い自然酸化物を表面に常に有するので)これはサファイア、及びアルミニウムに対してpH5〜7で作用し、環境は負に帯電されたシリカ粒子に対して理想的に適する。代替の基板は、マグネシウムイオンとイオン交換してきた、新たに劈開された雲母である。二価のMg2+は、吸着のために正味の正電荷を表面に残す。この方法は、原子間力顕微鏡分析のために負に帯電された試料を表面に蒸着する方法として、原子間力顕微鏡法コミュニティで広範囲に使用されてきた。
【0081】
表面へのシリカ・コロイドの蒸着は、2つの方法によって実行できる。浸漬被覆は、2つの方法のうちの1つである。基板として表面に付着されたコロイドの単分子層が、サスペンションの外に示される。次に、基板が、2Dコロイド結晶で被覆される。
【0082】
浸漬被覆は、明らかに安価で単純なプロセスである。しかし、従来の半導体処理技術を使用することは、プロセスが標準製造技術と一体化することを更に容易にする。従って、スピンコーティングも魅力的な方法である。何故ならば、それが、レジスト、及び有機不動態化レイヤに対する主要な蒸着技術だからである。スピン・プロセスは、数滴の懸濁液をスピナ・チャックに既に取り付けられた基板に蒸着することで開始する。基板が水と平衡状態になることを可能にするために、懸濁液は表面に短時間だけ存在することを許容される。次に、たった1つの単分子層を蒸着する間に余分なスラリを振り落とすために、システムは低RPMで回転する。
【0083】
その種のプロセスが製造スケールで実行可能になるように、蒸着の速度は非常に速くなければならない。従って、蒸着の速度を上げるために、代替の吸収化学物質が必要である。これらの代替化学物質の開発は、試薬の強力なシステムを必要とする。これらの分子システムは、金のアルカンチオールを使用して広範囲に調べられる。本質的に、自己集合した単分子層が、単一機能アルカンに基づく分子の化学吸着を通して、表面に形成される。チオール機能は金原子と容易に反応し、アルカン鎖を金表面と共有結合させる。いったん、金表面の全ての利用可能な場所が反応したら、システムは自己不動態化し、反応は停止する。これは、表面へのアルカン鎖の等角被覆をもたらす。この技術は、アルカン・トリクロロシランの発見を通して、シリコン面、及び二酸化ケイ素面まで拡大された。これらの分子は、自己集合した単分子層(SAM)を形成するSi、又はSiO2の表面と反応する。二価のモノマーの僅かな割合をSAM溶液と混合することによって、制御された機能を有する表面を発生することが可能である。溶液中の二価モノマー対一価モノマーの濃度を変化させることによって、ユーザは、官能基の最終的な表面密度を線形に制御できる。現在、二価のアルカンチオール、及びトリクロロシランが、 Aldrich 社から種々の長さで購入可能である。従って、単分散ガラス・マイクロビーズを一価、及び二価のモノマーのSAM溶液と混合することによって、ユーザは制御された密度の反応基をシリカ球に発生できる。次に、これらの反応基は、シリカ・コロイダル粒子をガラス、又はシリコン面に共有結合させる機能を有する。二価の濃度を制御することによって、ユーザは基板面に対するミクロスフェアの化学吸着ポテンシャルをダイヤルイン出来る。基板を被覆するために、速い浸漬方法が必要である。
【0084】
上記のSAM方法は、コロイダル粒子が直接共有結合によって基板にボンディングされるシステムをもたらす。(多くの共有結合の変化によって)吸収の強度を制御するための機能が、コロイダル粒子の結晶化の制御において有用であることを証明する。吸収が強過ぎるとき、粒子は、低エネルギー格子サイトを求めて、表面に沿って自由に移動できない。次に、これは、結晶の周期性なしに無作為にパックされた表面をもたらす。吸収エネルギーを減少させることによって、コロイダル粒子は異なるサイトを表面で更に自由に探せる。そうすると、システムは、所望する結晶のパックを更に容易に達成できる。
【0085】
コロイダル・アセンブリの対称性、及び周期性を直接コピーするために、直接テンプレート技法が使用される。テンプレート技術はインバース・システムで効果的に実行できる。即ち、軟質有機六角形格子を使用して硬質無機フェーズをテンプレートする。格子間欠陥を充填する格子を浸透させるための流体ポリマー前駆体が、使用される。この重合可能な液体は、ウレタン、スチレン、又はメタクリル酸メチル(Aldrich 社)の何れかであり得る。毛管力は1〜2マイクロメートルのサイズ範囲で非常に大きく、従って、隣接するミクロスフェアの間の空孔スペースに流体を強く吸い込む。いったんシステムが格子間サイトの全てを完全に充填されたら、UV放射が適用されてレジストを重合し、正しい位置に固定する。フッ化水素酸を用いて構造からシリカを溶解することによって、レジスト中でパターンが「発達」する。最終的な構造は、ポリマー薄膜の窪みの六角形アレイとして出現する。各窪みの底で、基板は、ミクロスフェアが基板に接触する位置で露出する。基板へのパターン転写が反応性イオン・エッチング、又は湿式化学エッチングによって起こり得るのは、このホールを通してである。これは、基板面への元のコロイダル・テンプレートの対称性、及び周期性の直接コピーをもたらす。
【0086】
この技法に対する強力な結果は、特徴サイズの制御である。いったんコロイドが表面に蒸着したら、システムは焼きなますことができる。この焼なましプロセスの間、コロイダル粒子は一緒に焼結する。図35に示されるように、コロイダル粒子も基板の表面に焼結される。焼きなましの時間、及び温度は、焼結断面の半径を定める。この焼結断面はテンプレーティングの後にホールのサイズとして自身を明らかにし、従って、特徴寸法、並びに周期性、及び対称性を制御する方法を提供する。この焼結技術は、3次元コロイダル構造で既に研究されてきた。
【0087】
また、レジストの低濃度溶液をスピンコーティングすることも、有効なパターン転写技法である。もし、被覆厚さが2Dアレイの厚さ以下であるように濃度が低ければ、等角被覆を格子の格子間サイトに蒸着することが可能である。シリカのHFエッチングの後、薄くパターンを形成されたレジストが残る。その種の技術の長所は、技法が従来の半導体処理から劇的に逸脱しないことである。これは、製造可能な製造プロセスを開発するために重要である。
【0088】
本発明を実施するMEMS装置に対して、製造プロセスの流れは、低分解能、及び高分解能リソグラフィ・ステップの両方を含むMEMS処理技術、リリース・エッチング、並びに深い溝の要素の全てを統合しなければならない。提案されたパターン形成技術を使用して、図36に示されるガイドラインに従って装置は加工される。プロセスは、シリコンSOI(絶縁体上の半導体)ウェハから開始する。窒化ケイ素は、PECVDによって、厚さ150ナノメートルまで蒸着される。ヴィアを通したエッチングは窒化物薄膜の内部まで穴をあけ、シリコン上面を露呈させる。金属は基板に、従来のリフト・オフ法を使用して蒸着される。次に、ウェハは、コロイダル懸濁液中で浸漬被覆される。次に、コロイド結晶はテンプレートされ、発達の後、基板は反応性イオン・エッチング、又は湿式の化学的方法を使用してエッチングでき、フォトニック・バンド・ギャップ面構造を作り出す。次に、赤外線フィラメントは、深い反応性イオン・エッチングによって、シリコン上面から切り取られる。これは、フィラメントをリリースするためにアンダー・エッチング出来る、埋め込まれた犠牲酸化レイヤを露呈させる。これは、シリコン酸化物に対する強い選択制を有するバッファされたHFで実行される。最後に、臨界点乾燥が、試料を乾燥させ、ベース・シリコンに対するブリッジ・フィラメントの静止摩擦力を阻止するために使用される。次に、装置は、TO−8トランジスタに取り付けられ、ワイヤ・ボンディングされ、及び試験される。
【0089】
感知素子:本発明の他の1つの側面によると、別々の統合された感知素子が、エミッタ装置に組み込まれる。感知素子は、温度変化、又は光子密度を、抵抗値、静電容量、分極、機械的共振、キャリア型、磁気特性、ホール効果、空乏幅、フォノン状態、キャリア寿命、又は光電流の変化と結合させる材料である。感知素子は、強誘電性材料、圧電性材料、金属酸化物材料、金属窒化物材料、及びセラミック材料を含む群から選択されるが、限定されない材料から作られることが好ましい。本発明の更に他の側面によると、本発明を実施する検出器装置は、トランジスタ、又はダイオードを使用する測定機構を利用する。
【0090】
本発明の他の1つの側面によると、エミッタ装置は、マルチレイヤ・エミッタを加熱するためのヒータを更に含む。1つの好ましい形態では、ヒータは、エミッタに取り付けられた材料のレイヤである。他の1つの好ましい形態では、ヒータ、及びエミッタは、装置の同じ平面の別々の素子である。他の形態では、ヒータ、及びエミッタは、装置の異なる平面の別々の素子である。
【0091】
以上、本発明の好ましい実施例について図示し記載したが、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなしに種々の変形および変更がなし得ることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の側面図である。
【図2】本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の断面図である。
【図3】本発明によるエミッタ/検出器の好ましい他の1実施例の断面図である。
【図4】更に他の本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の断面図である。
【図5】黒体からの放射と比較した、本発明によるエミッタ装置から放射された電磁エネルギーのスペクトル特性を示す。
【図6】本発明によるエミッタ装置の物理的図解であり、エミッタ装置はフォトニック結晶構造を利用する。
【図7A】本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の平面図であり、表面特徴の平行四辺形分布形状を示す。
【図7B】本発明によるエミッタ装置の好ましい他の1実施例の平面図であり、周期的に分布した表面特徴の正方形分布形状を示す。
【図7C】本発明によるエミッタ装置の好ましい他の1実施例の平面図であり、表面特徴のアルキメデス・タイリング分布形状を示す。
【図8A】図7Aで示された表面特徴を有するエミッタ装置から放射された電磁エネルギーのスペクトル特性を示す。
【図8B】図7Bで示された表面特徴を有するエミッタ装置から放射された電磁エネルギーのスペクトル特性を示す。
【図9A】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の平面図であり、装置の内部にエッチングされたホールの十字形状を示す。
【図9B】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の平面図であり、装置の内部にエッチングされたホールの正方形の形状を示す。
【図9C】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の平面図であり、装置の内部にエッチングされたホールのドーナツ形状を示す。
【図9D】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の平面図であり、装置の内部にエッチングされたホールのC−逆C形状を示す。
【図9E】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の平面図であり、装置の内部にエッチングされたホールの切り込み付き円形形状を示す。
【図9F】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の平面図であり、装置の内部にエッチングされたホールの三脚形状を示す。
【図9G】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の平面図であり、装置の内部にエッチングされたホールの三角骨形状を示す。
【図10】異なる形状に形成されたホールを有するエミッタ装置のスペクトル特性を示す。
【図11】異なる形状に形成されたホールを有するエミッタ装置の他の1つのスペクトル特性を示す。
【図12】異なる直径に形成されたホールを有するエミッタ装置のスペクトル特性を示す。
【図13A】異なる深さに形成されたホールを有するエミッタ装置の断面図である。
【図13B】異なる深さに形成されたホールを有するエミッタ装置の断面図である。
【図13C】異なる深さに形成されたホールを有するエミッタ装置の断面図である。
【図13D】異なる深さに形成されたホールを有するエミッタ装置の断面図である。
【図13E】異なる深さに形成されたホールを有するエミッタ装置の断面図である。
【図13F】異なる深さに形成されたホールを有するエミッタ装置の断面図である。
【図14】異なる深さに形成されたホールを有するエミッタ装置のスペクトル特性を示す。
【図15A】本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の断面図である。
【図15B】本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の断面図である。
【図15C】本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の断面図である。
【図16A】異なる周期性に形成されたホールを有するエミッタ装置の平面図である。
【図16B】異なる周期性に形成されたホールを有するエミッタ装置の平面図である。
【図17】異なる周期性に形成されたホールを有するエミッタ装置のスペクトル特性を示す。
【図18A】欠陥を有するエミッタ装置の平面図である。
【図18B】欠陥を有するエミッタ装置の平面図である。
【図19】欠陥を有さないエミッタ装置と比較した、欠陥を有するエミッタ装置のスペクトル特性を示す。
【図20】本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の断面図である。
【図21】材料で充填されたホールを有するエミッタ装置、及び充填された材料の方向に対応するスペクトル特性を示す。
【図22】本発明によるエミッタ装置の好ましい実施例の断面図である。
【図23】エミッタ装置から放射された電磁エネルギーのスペクトル特性を示す。
【図24A】エミッタ装置、及び放射された電磁エネルギーを示す。
【図24B】エミッタ装置、及び放射された電磁エネルギーを示す。
【図25A】本発明の1側面によるエミッタ装置のスペクトル特性を示す。
【図25B】本発明の1側面によるエミッタ装置のスペクトル特性を示す。
【図26A】本発明によるエミッタ装置の平面図であり、フレーム中に吊されるメンブレンの形状のエミッタ装置を示す。
【図26B】本発明によるエミッタ装置の平面図であり、フレーム中に吊されるメンブレンの形状のエミッタ装置を示す。
【図26C】本発明によるエミッタ装置の平面図であり、フレーム中に吊されるメンブレンの形状のエミッタ装置を示す。
【図26D】本発明によるエミッタ装置の平面図であり、フレーム中に吊されるメンブレンの形状のエミッタ装置を示す。
【図27A】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の側面図であり、基盤上で吊されるメンブレンを示す。
【図27B】本発明によるエミッタ装置の好ましい他の1実施例の側面図であり、基板上で支持されるメンブレンを示す。
【図28A】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の断面図であり、筐体の中に入れられた装置を示す。
【図28B】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の断面図であり、筐体の中に入れられた装置を示す。
【図29】本発明によるエミッタ装置の好ましい1実施例の断面図であり、エミッタ装置のアレイを利用する装置を示す。
【図30】本発明の好ましい1実施例による赤外線スペクトル偏移装置を示す。
【図31】可撓シートの形態の赤外線スペクトル偏移装置を示す。
【図32】図31の赤外線スペクトル偏移装置を作るためのシステムを示す。
【図33】異なるプロセスによって製造された2つの赤外線スペクトル偏移装置のスペクトル特性を示す。
【図34A】本発明の好ましい1実施例による周期的に分布した表面特徴を定めるためのプロセスを示す。
【図34B】本発明の好ましい1実施例による周期的に分布した表面特徴を定めるためのプロセスを示す。
【図34C】本発明の好ましい1実施例による周期的に分布した表面特徴を定めるためのプロセスを示す。
【図34D】本発明の好ましい1実施例による周期的に分布した表面特徴を定めるためのプロセスを示す。
【図35】本発明の好ましい1実施例による焼なましプロセスを示す。
【図36】本発明の好ましい1実施例によって本発明を実施するMEMS装置を製造するためのプロセスを示す。
【符号の説明】
【0093】
10,100,200 エミッタ装置
12,112,212 半導体材料レイヤ
14 誘電体材料レイヤ
15A,115A,315A 内面
15B,115B,315B 外面
16,116,216,316 金属材料レイヤ
18,20,118 ホール
100 エミッタ装置
218 ホール
300 赤外線スペクトル偏移装置
312 プラスチック材料レイヤ
318 表面特徴
400,430 フレーム
402,502 基板
422,424 サスペンションアーム
426,428 支持脚
432,504 透明カバー
434 薄膜
500 エミッタ/検出器アセンブリ
504 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック結晶装置であって、
エネルギーを投入するためのエネルギー源に結合できる半導体材料レイヤ、
前記半導体材料レイヤを覆う誘電体材料レイヤ、及び
前記誘電体材料レイヤを覆い、周期的に分布した表面特徴を含む、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤを含み、
前記装置は、前記周期的に分布した表面特徴のパラメータによって決定されたスペクトル特性を有する電磁エネルギーを放射/吸収するように適合され、
前記周期的に分布した表面特徴はホールのアレイを含み、ホールは個々に金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの少なくとも一部を通って伸長し、及び
前記ホールは、誘電体材料、非線形光学材料、液晶材料、圧電性材料、ピロ電気性材料、及び強誘電性材料から成る群から選択された1又は複数の材料で少なくとも部分的に充填されることを特徴とするフォトニック結晶装置。
【請求項2】
前記ホールは、円形、正n角形、正方形、三角形、六角形、ドーナツ形、C−逆C形、矩形、切り込み付き円形、三脚形、及び三角骨形から成る群から選択される形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記周期的に分布した表面特徴が、平行四辺形、及び六角形を含む規則的な形状分布、並びにアルキメデス・タイリングを含む準規則的な形状分布の群から選択される形態に分布する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ホールが、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤを通って前記誘電体材料レイヤの少なくとも一部まで個々に伸長する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ホールが、前記誘電体材料レイヤを通って、前記半導体材料レイヤの少なくとも一部まで個々に伸長する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ホールが、前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤ、前記誘電体材料レイヤ、及び前記半導体材料レイヤを通って個々に伸長する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記半導体材料レイヤが、単結晶シリコン、ポリシリコン、単結晶炭化ケイ素、多結晶炭化ケイ素、ゲルマニウムから成る群、III−V半導体の群、及びII−VI半導体の群、及び半導体プラスチック、及び小分子半導体有機物から選択される材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記誘電体材料レイヤが、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、サファイア、窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素、及びプラスチックから成る群から選択される誘電体材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤが、金、アルミニウム、ニッケル、銀、チタニウム、タンタル、白金、及び高度にドープされた半導体から成る群から選択された材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤが、窒化チタン、窒化タンタル、及び酸化インジウムスズから成る群から選択される導電セラミックを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤが電圧でバイアスされ、前記電磁エネルギーの前記スペクトル特性が前記電圧によって決定される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記半導体材料レイヤが電圧でバイアスされ、前記電磁エネルギーの前記スペクトル特性が前記電圧によって決定される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記周期的に分布した表面特徴が分布した欠陥を含み、前記分布した欠陥が前記表面特徴とは構造的に異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記分布した欠陥が周期的に分布する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記周期的に分布した欠陥が、3つ目の表面特徴の位置毎に発生する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
フォトニック結晶であって、
エネルギーを投入するためのエネルギー源に結合できる半導体材料レイヤ、
前記半導体材料レイヤを覆う誘電体材料レイヤ、及び
前記誘電体材料レイヤを覆い、周期的に分布した表面特徴を含む、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤを含み、
前記装置が、前記周期的に分布した表面特徴のパラメータによって少なくとも部分的に決定されるスペクトル特性を有する電磁エネルギーを放射、及び検出するために適合され、
前記周期的に分布した表面特徴がホールのアレイを含み、前記ホールが前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤ、前記誘電体材料レイヤ、及び前記半導体材料レイヤを通って個々に伸長することを特徴とするフォトニック結晶。
【請求項17】
前記ホールは、円形、正n角形、正方形、三角形、六角形、ドーナツ形、C−逆C形、矩形、切り込み付き円形、三脚形、及び三角骨形から成る群から選択される形状を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記周期的に分布した表面特徴が、平行四辺形、及び六角形を含む規則的な形状分布、並びにアルキメデス・タイリングを含む準規則的な形状分布の群から選択される形態に分布する、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
フォトニック結晶であって、
エネルギーを投入するためのエネルギー源に結合できる半導体材料レイヤ、
前記半導体材料レイヤを覆う誘電体材料レイヤ、及び
前記誘電体材料レイヤを覆い、周期的に分布した表面特徴を含む、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤを含み、
前記装置は、前記周期的に分布した表面特徴のパラメータによって決定されたスペクトル特性を有する電磁エネルギーを放射/吸収するように適合され、
前記周期的に分布した表面特徴がホールのアレイを含み、前記ホールが、前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの少なくとも一部を通って個々に伸長し、
前記周期的に分布した表面特徴が分布した欠陥を含み、前記分布した欠陥が前記表面特徴とは構造的に異なることを特徴とするフォトニック結晶。
【請求項20】
前記分布した欠陥が周期的に分布する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記周期的に分布した欠陥が、n番目の表面特徴の位置毎に発生し、nは整数である、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
n=3である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
フォトニック結晶装置であって、
エネルギーを投入するためのエネルギー源に結合できる半導体材料レイヤ、
前記半導体材料レイヤを覆う誘電体材料レイヤ、及び
前記誘電体材料レイヤを覆い、周期的に分布した表面特徴を含む、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤを含み、
前記装置は、電磁エネルギーを放射及び/又は吸収するように適合され、前記放射された電磁エネルギーは、前記周期的に分布した表面特徴のパラメータによって少なくとも部分的に決定されるスペクトル特性を有し、前記パラメータは形状、サイズ、深さ、分布形状、及び周期性を含み、
前記表面特徴が、円形、三角形、環形、C−逆C形、切り込み付き円形、三脚形、及び三角骨形から成る群から選択される形状を有することを特徴とするフォトニック結晶装置。
【請求項24】
前記周期的に分布した表面特徴がホールのアレイを含み、前記ホールが、前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの少なくとも一部を通って個々に伸長する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記周期的に分布した表面特徴が、前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤから伸長する突起のアレイを含む。請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記周期的に分布した表面特徴が、平行四辺形、及び六角形を含む規則的な形状分布、並びにアルキメデス・タイリングを含む準規則的な形状分布の群から選択される形態に分布する、請求項23に記載の装置。
【請求項27】
前記装置と一体のセンサを更に含み、前記センサが前記装置に関連するパラメータを表す信号を発生するための手段を含むことを特徴とする、フォトニック結晶。
【請求項28】
前記パラメータが、抵抗値、静電容量、分極、機械的共振、キャリア型、磁気特性、ホール効果、空乏幅、フォノン状態、キャリア寿命、又は光電流の変化に対する温度変化、又は光子密度から成る群からのパラメータである、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記センサが、強誘電性材料、圧電性材料、金属酸化物材料、金属窒化物材料、及びセラミック材料を含む群から選択されるが、限定されない材料から作られる、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記装置と一体のヒータを更に含む、請求項27に記載の装置。
【請求項31】
前記ヒータが、前記装置に配置された通電可能なレイヤの形態である、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
フォトニック結晶であって、
エネルギーを投入するためのエネルギー源に結合できる半導体材料レイヤ、
前記半導体材料レイヤを覆う誘電体材料レイヤ、及び
前記誘電体材料レイヤを覆い、周期的に分布した表面特徴を含む、金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤ,
前記装置は、前記周期的に分布した表面特徴のパラメータによって決定されたスペクトル特性を有する電磁エネルギーを放射/吸収するように適合され、
前記周期的に分布した表面特徴がホールのアレイを含み、前記ホールが前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの少なくとも一部を通って個々に伸長し、
前記半導体材料レイヤが、少なくとも部分的にそこを通って伸長するホールのアレイを含むことを特徴とするフォトニック結晶。
【請求項33】
前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの前記ホール、及び前記半導体材料レイヤの前記ホールが、相互に平行な軸に沿って個々に伸長する、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの前記ホールの前記軸、及び前記半導体材料レイヤの前記ホールの前記軸が同軸である、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの前記ホールの前記軸、及び前記半導体材料レイヤの前記ホールの前記軸が軸方向にオフセットされる、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの前記ホール、及び前記半導体材料レイヤの前記ホールが同じ形状を有する、請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記金属材料レイヤ、又は金属類似材料レイヤの前記ホール、及び前記半導体材料レイヤの前記ホールが異なる形状を有する、請求項33に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図34D】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2008−506269(P2008−506269A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520590(P2007−520590)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024654
【国際公開番号】WO2006/010133
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(507007876)イオン オプティクス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】