説明

調整可能なプランジャーの用量停止部材

【課題】用量を引き込むときにプランジャーの移動を制限し、それにより、投薬量を制御する、調整可能なカラーを有する注射器を提供する。
【解決手段】注射器は、液状医薬を受容するための本体、および、上記本体の中または上に配置された回転可能なカラーを含む。上記カラーは、所望の用量をセットするために回転可能である。プランジャーは、上記カラー内に移動可能に配置されている。上記プランジャーは、上記液状医薬を引き込み、投薬するために移動可能である。上記カラーの端部は、正確な用量が引き込まれるように上記プランジャーの移動を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年6月18日に出願された、米国仮出願第61/344,256号の米国特許法第119条(e)(35 U.S.C.§119(e))による利益を主張し、その全ての開示は、ここに参照として組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般的には、投薬量を制御するための、調整可能なプランジャーの用量停止部材に関する。より詳しくは、本発明は、注射器のための調整可能なプランジャーの用量停止部材に関する。さらに詳しくは、本発明は、用量を引き込むときにプランジャーの移動を制限し、それにより、投薬量を制御する、調整可能なカラーを有する注射器に関する。
【背景技術】
【0003】
現存する注射器の使用者は、一般的に、用量が引き込まれるとき、目盛りの数字を用いて、容器から注射器に引き込まれる液状医薬のレベルを目で見て計測する必要がある。使用者が、用量を引き込む間、目盛りの数字を連続的に目で監視する必要のない注射器のためのニーズが存在する。
【0004】
一回の用量の量は、注射器に引き込まれる液状医薬の容積によって決定される。目盛りの数字は、注射器の長手方向軸に垂直に走る。目盛りの数字は、読むことが難しく、正確な用量を引き込むことを困難にしている可能性がある。したがって、用量のセットが容易に視認され、決定される注射器のためのニーズが存在する。
【0005】
さらに、使用者は、注射器に引き込まれる液状医薬の量を決定する。したがって、使用者が注意深くないとき、少なすぎる、または、多すぎる医薬が、注射器に引き込まれ得る。したがって、正確な用量が容易に注射器に引き込まれ得る注射器のためのニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の特徴によれば、投薬量を制御するために、調整可能なプランジャーの用量停止部材が提供される。
【0007】
本発明の他の特徴によれば、注射器は、投薬量を制御するために、調整可能なプランジャーの用量停止部材を有する。
【0008】
さらに本発明の他の特徴によれば、注射器は、用量を引き込むときにプランジャーの移動を制限し、それによって投薬量を制御する、調整可能なカラーを有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
調整可能なプランジャーの用量停止部材を有する注射器は、使用者が、容器から液状医薬を引き込むのに先立って、所望の用量を選択すること、および、プランジャーによって注射器へ引き込まれる液状医薬の量を制限する機械的な停止部材を提供することを可能にする。加えて、使用者は、現存する注射器を用いるときに要求されるような目盛りの数字を用いて液状医薬を目で計測することを要求されない。
【0010】
いくつかの利点が、注射器における目盛りの数字の必要を消去することによって達成される。注射器バレルは、より短く、より幅広であり得、それにより、注射器の全体的な長さが短くされることをもたらす。選択された用量セット数字だけが使用者に視認され得、それにより、扱いの容易な注射器を提供し得る。用量セット数字は、注射器の軸に沿って配向され、それにより、用量セットのより容易で改良された表示を提供し得る。
【0011】
上述の目的は、医薬を受容するための本体、および、本体に回転可能に配置されたカラーを含む注射器によって達成される。カラーは、所望の用量をセットするために回転可能である。プランジャーはカラー内に移動可能に配置されている。プランジャーは、液状医薬を引き込み、および、投薬するために可動である。
【0012】
上述の目的は、また、第一部分および第二部分を有する本体を含む注射器によって達成される。第二部分は、液状の医薬を受容する。カラーは、本体内または本体上で回転可能に配置される。カラーは、所望の用量をセットするために回転可能である。プランジャーロッドがカラーに移動可能に結合される。ストッパーが、液状医薬を引き込み、投薬することを容易にするために、プランジャーロッドの端部に配置される。
【0013】
上述の目的は、また、注射器で液状医薬を注射する方法によって得られる。カラーは、カラーが所望の用量をセットするためにその中に配置されている本体に対して回転される。プランジャーは、注射器本体に液状医薬を引き込むためにカラーに対して第一の方向で軸方向に移動させられる。プランジャーは、注射器本体から液状医薬を投薬するためにカラーに対して第二の方向で軸方向に移動させられる。
【0014】
本発明の目的、利点および際立った態様は、添付した図面と併せて理解され、本発明の例示的具体例を開示する、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0015】
この出願において使用されるように、用語の「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、「上方に」、「下方に」、および、他の方向を示す記述は、本発明の例示的具体例の説明を容易にすることを意図されており、いかなる特定の位置または方向に対しても、その構造を限定することを意図されていない。
【0016】
本発明の種々の具体例の上記の利点および他の効果は、以下の本発明の例示的具体例の詳細な説明および添付する図面からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の例示的具体例による注射器の透視図である。
【図2】図1の注射器のカラーおよびプランジャーアセンブリの正面図である。
【図3】図1の注射器による注射器本体の正面図である。
【図4】図2のカラーナットの後方正面図である。
【図5】図2のカラーおよびプランジャーアセンブリならびに図3の注射器本体を含む、本発明の例示的具体例による組み立てられた注射器の正面図である。
【図6】本発明の他の例示的具体例による注射器の部分断面の正面図である。
【図7】その中に切り欠きを有するスリーブが注射器本体の外表面に配置された、他の例示的具体例の透視図である。
【図8】その外表面に配置された用量数字を有するカラーの正面図である。
【図9】その外表面に配置された用量数字を有する注射器本体の正面図である。
【図10】外部のねじ溝を有するカラーの正面図である。
【図11】図10のカラーを受容する、雄型の内部のねじ溝を有する注射器本体の正面図である。
【図12】雄型の内部のねじ溝を有するカラーの正面図である。
【図13】図12のカラーを受容する内部のねじ溝を有する注射器本体の正面図である。
【図14】注射器本体のねじ溝とねじ係合するための突部を有するカラーの部分断面の正面図である。
【図15】カラーのねじ溝をねじ式に受容するための突部を有する注射器本体の正面図である。
【図16】注射器本体に配置されたスリーブの正面図である。
【図17】ハンドルに配置された複数のリブを有するカラーの正面図である。
【図18】殺菌キャップを受容するためにそこから延びる円筒を有するカラーの正面図である。
【図19】カラーに結合される殺菌キャップの正面図である。
【図20】そこから延びる円筒を有さない、六角形状のハンドルを有する殺菌キャップの正面図である。
【図21】本発明の他の例示的具体例による注射器の透視図である。
【図22】図21の注射器の断面の透視図である。
【図23】図21の注射器の注射器本体の透視図である。
【図24】図21の注射器のカラーの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を通して、同じ参照番号は、同じ部分、構成要素および構造に言及することが理解されるであろう。
【0019】
図1〜図5に示されるように、本発明の例示的具体例において、注射器111は、注射器本体121、注射器本体121に対して、回転方向および軸方向に可動のカラー141、および、カラー141に対して可動のプランジャー161を含む。これらの構成要素の全ては、適切なプラスチック材料から好ましくは製造される。金属の針181が注射器本体121に結合される。液状医薬が容器(不図示)から針181を通して注射器本体121内に引き込まれ、注射器本体から針を通して注射部位に注射される。本発明の例示的具体例は、インシュリン注射器のようなどのタイプの注射器にも、または、例えば、成長ホルモンまたは麻酔薬を投薬するための、他のタイプの注射器にも適用可能である。注射器は、永久的に取り付けられた針を提供するための、一体のバレル、または、除去可能な針を提供するための、ねじ込み式、スナップ式または他のタイプのバレル構造を有し得る。針181は、また、必要に応じて、削除され得る。
【0020】
注射器111は、図1および図3に示されるように、好ましくは、使用者が、見易く、分かり易く、および、使用し易いような、大きな数字で、用量セットが表示される窓123を有する。使用者は、所望の用量をダイアルし、その後、プランジャーが、カラー141のような、機械的な停止部材に突き当たり、それによって、注射器へ引き込まれる医薬の量をセットされた用量に制限するまで、注射器本体121からプランジャー161を引き出すことによって、液状医薬を引き上げる。現存する注射器において、プランジャーは、ストッパーが、プランジャーの引き出し方向と直交する方向に注射器本体に配置され、用量設定に対応する目盛り数字と整列するまで引き出される。
【0021】
カラー141は、図1および図2に示されるように、注射器本体121に対して回転方向および軸方向に可動である。ねじ部143がカラー141の外表面142に配置されている。穴146が、そこを通してプランジャーロッド163を受容するため、第一端148から第二端149に、カラー141を貫通する。カラー141の外表面142は、ねじ部143の近傍に配置され、用量セットに対応する、複数の表示145を有する。表示145は、一単位、単一単位群、複数の単位群の一部であり得る。表示は、数字、シンボルまたは機能障害を有する使用者による使用を容易にするため点字であり得る。代わりに、表示は、デジタルに表示され得る。ハンドル147が、用量を設定するための使用者によるカラー141の回転を容易にするために、カラー141の第一端148に配置される。カラー141の第二端149は、第一端148よりも小さな直径を有し、容器から注射器本体121へ医薬を引き込むためにカラー141からプランジャーを引き出すときに、プランジャー161のための機械的ストッパーとして機能し、その結果、注射器に引き込まれる医薬の量をセットされた用量に制限する。
【0022】
好ましくは、カラーの穴146およびプランジャーロッド163は、実質的に円形であり、プランジャーロッド163の回転は、セットされた用量に影響する、カラー141の望ましくない回転をもたらさない。したがって、プランジャーロッド163は、カラー141の回転をもたらすことなく穴146内で自由に回転する、すなわち、プランジャー161は、カラー141とは無関係に移動する。したがって、使用者が、液状医薬を引き込み、または、注射するためにプランジャーを回転させるとき、カラーはプランジャーと一緒に回転せず、用量セットに影響を及ぼさない。代わりに、穴146は、カラー141に対するプランジャーロッド163の回転運動を防止するため、キー構造とされる。例えば、カラーの穴146およびプランジャーロッド123は、実質的に六角形状であり得るが、しかし、どんな好適な形状でも用いられ得る。したがって、キー構造とされたプランジャーロッド163は、カラー141の回転と共に回転し、キー構造とされたプランジャーロッド163は、カラー141を移動させることなく軸方向に移動可能である。例えば、図6に示されるように、プランジャーロッド163は、カラー241に対してキー構造とされ、その結果、プランジャーハンドル247は、カラーのハンドルとして機能する。プランジャーハンドル267の回転は、プランジャー261の軸方向移動をもたらすことなく、注射器211に対するカラー241の回転をもたらす。プランジャーハンドル267は、所望の用量がセットされるまで回転させられる。
【0023】
注射器本体121は、図1および図3に示されるように、第一部分122および第二部分124を有する。図1に示されるように、第一部分122は、液状医薬を受容し、第二部分124は、カラー141を受容する。好ましくは、第一および第二部分は、注射器本体が一つの、単一の部材であるように一体に形成される。代わりに、第一部分122は、注射の実行後、第一部分が除去されて、適切に廃棄される一方で、第二部分は更なる使用のために保持されるように、第二部分124に結合される。第一部分122は、固定タブ、留め金、ねじ、または、O−リングまたは第二部分124の転がり軸受け箱によって保持された溝付の開放構造を含むが、これらに限定されない、どんな適切な方法によっても第二部分124に除去可能に結合され得る。シール171は、廃棄可能な第一部分122の長さに沿って延び、第二部分が流体通路と接触することを防止するための首部を有する。ストッパーまたはシール171は、図2に示されるように、プランジャーロッド163の先端を受け入れる内部構造を有し、組立てられ、および、分解され得る。代わりに、シール271およびプランジャーロッド263は、図6のプランジャー261のように、一つの合成樹脂部品として単一に形成され得る。第一部分122は、廃棄可能な先端が第一部分122から分解されるときに、シールおよびプランジャーが注射器本体から出てくるのを防止する壁を、一つの端に有する。第二部分124の直径は、図1および図3に示されるように、第一部分122の直径より大きい。
【0024】
注射器は、針を保護し、殺菌障壁を提供するシールリングを含む、廃棄可能な第一部分の針端に、シールドを有する統合されたユニットであり得る。廃棄可能な第一部分122が、殺菌障壁を提供する包装体に収容されるとき、シールドは、殺菌障壁を提供し、または、提供しない。廃棄可能な第一部分は、シールされて殺菌障壁を提供するキャップまたはラベルで閉鎖されるカバー内に収容される。代わりに、シールは、医薬を収容する筺体の端部に配置され、殺菌障壁を提供する。
【0025】
代わりに、注射器本体は、その全体の長さにわたり、単一の直径であり得、カラーは、その全体の長さにわたり、単一の直径であり得る。
【0026】
注射器本体121の第一部分122は、好ましくは、透明であり、その結果、医薬は使用者の目に見え、注射の後、使用者は、医薬が注射されたことを確認し得る。注射器本体121の第二部分124は、所望の用量セットを示す窓123を有する。注射器本体121の第二部分124は、非透明の着色材料からなり得、窓123は、材料の欠如によって形成される。代わりに、窓123は、一つの用量セットを示す窓123を除いて、第二部分124の表面を非透明にすることによって形成される。代わりに、切抜き窓を有するラベルが、注射器本体121の第二部分124に配置される。代わりに、所望の用量セットのみを示すインクの帯が、第二部分124に適用される。代わりに、窓は、注射器本体121の端部に位置決めされ、その結果、切抜きは、窓の三つの側面のみによって形成される。
【0027】
プランジャーは、プランジャーがカラーを過ぎて移動することを防止し、セットされた用量を提供するための適正な容量に注射器筺体を開放する、図6のフランジ265のような、一体の停止構造を有する。代わりに、図2および図5に示されるように、シールが、カラーに向って底に達し、引き込まれる医薬の量を調節する。
【0028】
プランジャーは、カラーとは無関係に移動し得る。代わりに、プランジャーは、カラーに対してキー構造とされ、その結果、プランジャーハンドルは、カラーハンドルの役目を果たす。
【0029】
内部ねじ129が、図3に示されるように、注射器本体121の第二部分124の内面に配置され、注射器本体121に対するカラーの回転および軸方向の移動のために、カラー141の外表面142のねじ143と係合する。ねじ129は、図3に示されるように、注射器本体121の内表面の一部に沿って延びるか、注射器本体の全内表面に沿って延びることができ、または、図11に示されるような一つのノッチが、カラー141のねじ143を受容するように使用される。注射器本体121の第二部分124の窓123は、カラー141が注射器本体から回転されるとき、使用者が容量セット表示145を見ることを可能にする。窓123内で見ることのできる容量セット表示145は、容量セットに対応する。注射器本体121の第二部分124は、不透明であり得、インクによる印付けまたは他の好適な手段が、窓123を通して見ることができる容量セット表示のみを視ることができるように用いられる。例えば、注射器本体121の第二部分124は、凹凸がつけられ、その結果、窓内に位置決めされる容量セット表示のみが視認可能である。
【0030】
注射器本体121の第2端126の近傍の内表面127は、針ハブアセンブリを受容する、ルアーロックのような内部ねじ(不図示)を有する。代わりに、製造中に、針が注射器本体121の第二端126に結合される。したがって、針は、永久的に取り付けられるか、例えば、ルアーロックによって、取り外し可能であり得る。更なる代替例として、注射器は、例えば、針なし弁を経由して静脈ラインに、ポートまたは注射部位に、流体を投与するために、針なしで使用され得る。
【0031】
プランジャー161は、カラー141に対して軸方向に移動可能なプランジャーロッド163を含む。プランジャーロッド163の第一端165は、カラー141の外方に配置されたプランジャーヘッド167を有する。プランジャーヘッド167は、プランジャーの第一端165が穴に入るのを防止するため、カラーの穴146よりも大きい。プランジャーロッド163の第二端166は、カラー141の外方で、注射器本体121内に配置される。
【0032】
分離したゴム製のシールまたはストッパー171が、プランジャー161の第二端166に配置される。シール171は、注射器本体の減少した直径部分128の第一位置と、カラー141の第二端149の機械的停止部における第二位置の間を、注射器本体121内で移動可能である。シール171は、注射器本体121内で流体シールを形成し、流体医薬がシールを超えて通過するのを防止する。
【0033】
注射器の軸に沿って移動可能である保護部材が、注射器の針端部に設けられ得る。保護部材は、要求される種々の針長さを露出するように調整可能である。例えば、保護部材は、容器から医薬を引き込むために全部の針長さを露出するように完全に後退させられる。医薬が送達されるとき、保護部材は、針がそれほど露出されない位置に調整され得る。医薬が送達された後、保護部材は、針全体が覆われる位置に移動させられ、不測の針刺しを防止するための安全シールドを提供する。
【0034】
注射を実行するために、注射されるべき所望の用量が、調整可能なカラー141でダイアルされる。最初に、シール171は、注射器本体の減少した直径部分128と係合する最初の位置にある。カラーのハンドル147が回転させられると、それにより、注射器本体121からカラー141を軸方向に移動させる。所望の用量設定に対応する用量表示が窓123に現れると、所望の用量は、注射器本体121の第一部分122にいつでも引き込まれ得る。送達される用量が大きければ大きいほど、カラー141は、注射器本体121からより多く移動し、カラー141の第二端149は、注射器本体121の減少した直径部分128からより遠くに移動する。プランジャー161は、注射器本体121に空気を引き込むために後方に引かれ得る。
【0035】
針181は、送達される液状医薬が貯蔵されている、インシュリンのバイアル瓶のような容器に、(典型的にはセプタムを通して)挿入される。プランジャー161が、注射器本体121内に空気を引き込むために後方に引かれたら、プランジャー161は、空気を吐出させ、シール171を注射器本体121の減少した直径部分128に対して着座させるために、内方に押入される。プランジャーヘッド167が、カラー141から引かれ、それにより、シール171がカラー141の第二端149に当接し、プランジャー161の更なる移動を制限するまで、シール171を後方に移動させる。好ましくは、錠止手段(不図示)が、プランジャー161が外方に引かれる間、カラー141の回転を妨ぎ、それにより、セットされた用量に対する不慮の変更を防止する。注射器本体121へ引き込まれる医薬の量は、窓123に見えるようにセットされた用量に対応する。
【0036】
引き込まれた用量を注射するために、プランジャー161は、シール171が、注射器本体121の減少した直径部分128に当接し、それにより、プランジャーの更なる内方への動きを制限する第一位置に復帰するまで、カラー141内に押し戻される。代わりに、用量は、調整可能なカラー141を元の第一位置(またはゼロ位置)まで回転させることによって注射される。
【0037】
針181が注射器本体121に一体的に取付けられている場合、注射器111は、注射後、適切に廃棄される。図2〜図5に示されるように、針ハブアセンブリが注射器本体と共に使用される場合、針ハブアセンブリは除去され、注射器が再使用されるように適切に廃棄される。針ハブアセンブリは、廃棄されるために、注射器本体からねじ戻され得る。代わりに、注射器の第一部分122は、第二部分124にねじ込まれうるように結合されることができ、その結果、第一部分122は、第二部分124から除去され、第一部分は適切に廃棄され得る。注射器本体121の第二部分124、カラー141およびプランジャー161は、その後、再使用される。
【0038】
レンズ、拡大鏡または他の類似の器具が、使用者に、用量セット表示の大きさを増大させるために注射器本体121の窓123に配置され得、それにより、用量セット表示の可読性を手助けする。
【0039】
カラー141の回転を制御するための手段が設けられ、用量セット表示145は、窓123に中心づけられる。そのような手段は、用量セット表示間の回転を提供し、その結果、用量セット間でのカラーの位置づけは実質的に妨げられる。加えて、錠止手段がカラー141の移動を防止するために設けられ、その結果、用量セットの不慮の変動を防止する。
【0040】
ディテント機構が注射器本体121およびカラー141に配置されることができ、所望の用量のために、カラーが、回転整列することを容易にする。注射器本体121は、カラー141のディテントに係合する少なくとも一つの柔軟性ビームを含み得る。可聴音、および/または、触感上の感覚が、用量をダイアルするとき、カラー141の適正な位置づけを示すために、ディテントの影響を乗り越えることによって生成され、それにより、用量セットの間での用量のダイアルを実質的に防止する。調整可能なカラー141は、注射器のバレルに組みつけられた、一つ以上のばね式プランジャーを受容するディテントを有し得る。
【0041】
表示が、使用者に、プランジャー161が用量停止部にぶつかった(シール171が注射器本体121の減少した直径端部128に再着座した)ことを示すために設けられ、それにより、所望の全用量を注射しないことから実質的に使用者を防止する。窓は、プランジャーロッド上の指標への視的アクセスを提供し、また、可聴クリックまたは他の好適手段が、プランジャーが用量停止部にぶつかったことを示すために設けられる。したがって、注射器は、ゼロに降下する用量セット表示または用量セット指示器がゼロに達するときの可聴クリックのような、しかしながら、これらに限定されない、用量送達を確認するための手段と共に提供される。
【0042】
図6に示されるような他の例示的具体例において、注射器211は、注射器本体221内に完全に配置されたカラー241を有する。プランジャーフランジ265が、プランジャー261のプランジャーロッド263に配置される。プランジャーロッド263はカラー241の第一端243を通過し、カラーの第二端245を通って出て行く。プランジャーフランジ265は、カラー241の第二端245に当接する。カラー241の第二端245は、プランジャーフランジ265が第二端に当接することからの損傷を実質的に防止するために奥まって置かれている。用量セット表示246は、カラー241の外表面に配置され、注射器本体221に形成された窓を通して視認可能である。カラー241の外表面247に形成されたねじ249は、注射器本体の内表面225に形成されたねじ223に係合する。
【0043】
プランジャーロッド263は、カラー241にキー止めされており、その結果、プランジャーロッドの回転は、カラーの回転および軸方向運動をもたらし、プランジャーロッドの軸方向運動はカラーを移動させない。プランジャーロッド263は実質的に六角形形状を有し、カラーの穴は対応する六角形形状を有する。しかしながら、いかなる好適な形状も使用され得る。プランジャーロッド263の回転は、プランジャー261の軸方向の運動をもたらさないで、カラー241が注射器本体221内を回転することを可能にする。プランジャーロッド263は、プランジャー261の回転がストッパー271を回転させないように、ストッパーまたはシール271に結合され得る。
【0044】
注射を実施するために、注射器本体221に対するカラーの回転によって、注射される所望の用量が、調整可能なカラー241でダイアルされる。最初に、シール271は、図6に示されるように、注射器本体221の減少した直径部分228と係合する第一位置にある。プランジャー261が回転させられ、それにより、カラー241を回転させ、注射器本体221を通してカラー241の後方への軸方向移動をもたらす。所望の用量セットに対応する用量セット表示246が注射器本体221の窓に現れると、液状医薬の所望の用量が注射器本体221内へ引かれる用意ができる。送達される用量が多ければ多いほど、カラー241は注射器本体221におけるより後方に(第一端229に向って)移動する。プランジャー261は、フランジ265がカラー241の第二端245に当接するまで、カラー241および注射器本体221を通して後方に引かれる。プランジャー261は、その後、シール271が注射器本体221の減少した直径部分228に係合するまで、注射器本体221内に軸方向に押し戻される。プランジャーが軸方向に移動させられると、プランジャーロッド263とカラー241とのキー構造は、カラーの移動をもたらすことなく、プランジャー261の軸方向移動を可能にする。プランジャーが注射器本体221から完全に引き抜かれることを防止するために、停止部材が設けられる。
【0045】
針281が、送達される液状医薬が貯蔵されている容器に(典型的にはセプタムを通して)挿入される。プランジャー261は、軸方向後方に引かれ、それにより、シール271を後方に移動させ、注射器本体221の減少した直径部分228から離す。プランジャーフランジ265がカラー241の第二端245に当接するまで、プランジャー261が軸方向後方に引かれ、それにより、プランジャー261の更なる移動を制限する。好ましくは、錠止手段が、医薬を吸引する間にプランジャー261が後方に引かれるとき、カラー241の回転を防止し、それにより、セットされた用量に対する不慮の変動を防止する。注射器本体221に引き込まれる医薬の量は、注射器本体221の窓で見ることのできる用量セットに対応する。
【0046】
用量を引き込むことに先立って、注射器本体に一回分の空気を引き込むため、プランジャー261は、後方に移動させられ得る。針281が容器に挿入されると、プランジャー261は、注射器本体内でシール271に再着座させるために軸方向に押入され、それにより、注射器本体221から引き込まれた空気を追い出す。
【0047】
引き込まれた用量を注射するために、プランジャー261は、シール271が注射器本体221の減少した直径部分228に当接し、それにより、プランジャーの更なる内方への移動を防止するまで、注射器本体221内で軸方向に押し戻される。
【0048】
注射器本体に医薬を引き込むことを容易にするために、カラー241の第一端243とプランジャーハンドル267の間にばねが配置され得る。カラーが所望の用量セットに移動させられた後、プランジャー261は、注射器本体221内で軸方向に押入され、それにより、プランジャーハンドル267とカラー241の第一端243の間のばねを圧縮する。注射器本体に医薬を引き込むために注射器本体からプランジャー261を引き出すとき、ばねは、プランジャー261の後方への軸方向移動を容易にする。
【0049】
図6に示されるように、ねじ249がカラー241の外表面247の対向端に配置される。代わりに、ねじは、カラー241の第一端243のみに近接して、カラーの第二端245のみに近接して、または、カラーの外表面247に沿って連続して配置され得る。代わりに、ねじ249は、同様な方法で、カラー241の内表面に配置され得る。
【0050】
図7に示されるように、スリーブ331、ラベルまたは他の好適な部材が、用量セット表示窓として機能するように、その中に切り欠き333を有する注射器本体321の外表面に配置され得る。フランジ335が、使用中に注射器311を把持することを容易にするために、スリーブ331に配置され得る。
【0051】
図8に示されるように、カラー441は、その外表面442に配置された用量セット表示445を有し得る。代わりに、用量セット表示425は、図9に示されるように、注射器本体421の外表面422に配置される。
【0052】
図10に示されるように、カラー541は、その外表面542に配置された溝543を有し得る。図11に示されるように、雄ねじ523が注射器本体521の内表面522に配置され、カラーの溝543を受容する。カラー541のハンドル547が回転させられると、カラーは注射器本体521内を移動し、それにより、プランジャーに対する移動限界および引き込まれる流体の許容量をセットする。代わりに、図12および図13に示されるように、カラー641は、その外表面642に配置された雄ねじ643を有し得る。溝623が、カラーのねじ643を受容するために注射器本体621の内表面622に配置される。
【0053】
図14に示されるように、カラー741は、その内表面742に配置されたねじ743を有し得る。ねじ743は、カラー741を回転可能に受容するため、注射器本体721の外表面722に配置される。カラー穴746が注射器本体721内に配置され、プランジャーを受容するように適合している。したがって、注射器本体の非患者端で外側に用量ノブを配置することにより、注射器本体の内部のねじは削除される。
【0054】
図15に示されるように、少なくとも一つの突部823が、カラーを案内するために、注射器本体821の外表面822に形成され得る。突部823は、注射器本体821に一体成形される。代わりに、図16に示されるように、突部823は、スリーブ831または圧入ピンによって注射器本体821の外表面822に形成され得る。バレルは、その各々が、カラーの溝に係合するように形作られた一端における構造を含んだ、一つ以上のプラグを受容するための一つ以上の切欠きを含む。
【0055】
図1、図2および図4に示されるように、カラーハンドル147は、器用さの制限を有する使用者によって容易に操作される、実質的に六角形の形状を有する。代わりに、図17に示されるように、カラー921は、カラー921の回転軸に実質的に平行に走る複数のリブ925を有するハンドル927を有し得る。リブ925は、器用さの制限を有する使用者によって容易に把持される。したがって、カラーハンドル927は、使用中、注射器の制御を容易にするための手段を提供する。代わりに、図7に示されるように、注射器本体321のスリーブ331に配置されたフランジ335のような、使用中に注射器の制御を容易にするための手段が注射器本体に配置され得る。
【0056】
カラー941のハンドル947は、図18および図19に示されるように、そこから外方に延びる実質的に円筒状の突出部945を有し得る。キャップ951が、流体通路のための殺菌障壁を形成するために、突出部945によって受容される。キャップ951は、プランジャーハンドル967を覆い、図19に示されるように、プランジャー961とカラー941との間の殺菌障壁を形成するため、突出部945に係合する内部リング953を有し得る。注射器本体(図11の注射器本体521のような)とカラーとの間の殺菌障壁を形成するために、複数のリング949が、カラー941の外表面942に配置される。代わりに、注射器(図1の注射器111のような)のための包装が、殺菌障壁を提供するとき、カラー981は、ハンドル987から延びる突出部を有さない。
【0057】
図21〜図24に示されるように、本発明の他の例示的具体例において、注射器1011は、注射器本体1021、注射器本体1021に対して回転方向および軸方向に可動のカラー1041、カラー1041に対して可動のプランジャー1061を含む。針1081は、注射器本体1021に結合される。医薬は、針1081を通して容器から注射器本体1021に引き込まれ、注射器本体から注射部位に針を通して注射される。注射器1011は、永久的に取付けられた針を提供するための一体型のバレルを有するか、除去可能な針を提供するために設計された、ねじ式、スナップ式または他のタイプのバレル構造を有し得る。代わりに、針1081は、完全に削除され得る。
【0058】
注射器1011は、図21に示されるように、好ましくは、使用者が、見て、学習して、使用するのが容易である大きな数字で用量セットが表示される窓1023を有する。使用者は、注射器本体1021に対してカラーノブ1047を回転させることで所望の用量をダイアルする。フランジ1095が、使用中に注射器1011を把持するために注射器本体1021から外方に延び得る。医薬は、その後、プランジャーが機械的停止部と当接し、それによって、注射器に引き込まれる医薬の量をセットされた用量に制限するまで、注射器本体から後方にプランジャー1061を引くことによって、容器から引き込まれ得る。図22および図24に示されるように、プランジャー1061の後方への移動は、ストッパー1071がカラー1041の第二端1049に当接するときに停止される。
【0059】
カラー1041は、注射器本体1021に対して、回転方向および軸方向に可動である。ねじ1089が、カラー1041の外表面1042に配置される。穴1046が、カラー1041を通して、第一端1048から第二端1049まで通っており、そこを通してプランジャーロッド1063を受容する。カラー1041の外表面1042は、ねじの近傍に配置され、用量のセットに対応する、複数の表示1045を有する。表示1045は、一単位、単一単位群または複数単位群の一部分であり得る。表示は、数字、シンボルまたは機能障害を有する使用者による使用を容易にするため点字であり得る。代わりに、表示は、デジタルに表示され得る。ハンドル1047が、用量をセットするための使用者によるカラー1041の回転を容易にするために、カラー1041の第一端1048に配置される。カラー1041の第二端1049は、第一端1048よりも小さな直径を有し、容器から注射器本体1021へ医薬を引き込むため、カラー1041からプランジャーを引き出すときに、プランジャー1061のための機械的ストッパーとして機能し、その結果、注射器に引き込まれる医薬の量をセットされた用量に制限する。
【0060】
カラーの穴1046は、カラー1041に対するプランジャーロッド163の回転運動を阻止するためにキー構造にされ得る。したがって、カラー1041は、セットされた用量が、カラー1041の望まない回転によって不慮に変更されるような、不慮の回転から防止される。
【0061】
注射器本体1021は、図21〜図23に示されるように、第一部分1022および第二部分1024を有する。第二部分1024の直径は、好ましくは、第一部分1022の直径よりも大きい。図21および図22に示されるように、第一部分1022は、医薬を受け入れ、第二部分は、カラー1041を受け入れる。好ましくは、第一および第二部分は、注射器本体が一つの、単一な部材であるように、一体的に形成される。分離したゴム製のストッパーまたはシール1071が、図22に示されるように、注射器本体1021の第一部分1022に配置され、流体通路との接触から第二部分1024を実質的に防止する。ストッパー1071は、図22に示されるように、プランジャーロッド1066の先端を受容する開口1072を有し、組みつけられ、取り外しされ得る。ストッパーに対するプランジャーロッドの独立した回転を容易にし、プランジャーロッドおよびストッパーが軸方向に共に移動することを可能にするように、ストッパー1071にプランジャーロッド1063を接続するために、他の構造が使用され得る。例えば、ストッパー内の空洞に受容されるボールが、プランジャーロッド1063の端部に形成され得、空洞にアクセスするための開口は、ストッパーの開口より小さく、それにより、プランジャーロッドがストッパーから引き抜かれることを実質的に阻止する。
【0062】
注射器本体1021の第一部分1022は、好ましくは、透明であり、その結果、医薬は使用者にとって可視であり、注射後に、使用者は、医薬が注射されたことを確認できる。注射器本体1021の第二部分1024は、所望の用量セットを示す窓1023を有する。
【0063】
内部のねじ1087は、注射器本体1021の第二部分1024の内表面に配置され、注射器本体1021に対するカラーの回転および軸方向移動のために、カラー1041の外表面のねじと係合する。注射器本体1021の第二部分1024にある窓1023は、カラー1041が注射器本体1021から回転させられる際、使用者が、用量セット表示1045を見ることを可能にする。窓1023内で見ることのできる用量セット表示1045は、用量セットに対応する。プランジャー1061は、カラー1041に対して軸方向に可動であるプランジャーロッド1063を含む。プランジャーロッド1063の第一端1065は、カラー1041の外方に配置されたプランジャーヘッド1067を有する。プランジャーヘッド1067は、カラー穴1046よりも大きく、プランジャーの第一端1065が穴に入るのを防止する。プランジャーロッド1063の第二端1066は、カラー1041の外方で、注射器本体1021内でストッパー1071内に配置される。
【0064】
ストッパーまたはシール1071は、プランジャーロッド1063の第二端1066に結合される。ストッパー1071は、注射器本体の減少した直径部分1028における第一位置とカラー1041の第二端1049の機械的停止部における第二位置との間で、注射器本体1021内を可動である。ストッパー1071は、医薬がシールを超えて通過することを阻止する、注射器本体1021内におけるシールを形成する。
【0065】
注射を実行するために、注射されるべき所望の用量が、調整可能なカラー1041でもって、ダイアルされる。最初に、ストッパー1071は、図22に示されるように、注射器本体の減少した直径部分1028に係合する第一位置にある。カラーハンドル1047が回転させられ、それにより、注射器本体1021からカラー1041を軸方向に移動させる。所望の用量セットに対応する用量表示1045が、窓1023に現れると、所望の用量が、注射器本体1021の第一部分1022内に引き込まれる準備ができる。送達される用量が多ければ多いほど、カラー1041は注射器本体1021からより遠くに移動し、注射器本体1021の減少した直径部分からより遠くにカラー1041の第二端1049が移動する。
【0066】
針1081が、送達されるべき液状医薬が貯蔵された、インシュリンのバイアル瓶のような容器内に(典型的にはセプタムを通して)挿入される。プランジャーヘッド1067は、カラー1041から引かれ、それにより、ストッパー1071がカラー1041の第二端1049に当接し、それにより、プランジャーロッド1063の更なる移動を制限するまで、ストッパー1071を後方に移動させる。注射器本体1021内に引き込まれた医薬の量は、窓1023に見える用量セットに対応する。
【0067】
引き込まれた用量を注射するために、プランジャー1061は、シール1071が注射器本体1021の減少した直径部分1028と当接する第一位置に復帰し、それによりプランジャーロッド1063の更なる内方への移動を阻止するまで、カラー1041内に押し戻される。
【0068】
注射器は、プランジャーが通る中空のねじ付きポストを有するように提供され得る。ねじ付きのハンドルは、その端部に配置されたダイアルハンドルを有する。ねじ付きポストは、ねじ付きポストがバレルに対して回転のみ可能であるように、バレルに固定され、ねじ付きポストの軸方向移動は、実質的に制限される。カラーは、キー構造およびバレルの溝により、自由に回転せず、ねじ付きポスト上を移動する。ダイアルハンドルおよびねじ付きポストが回転すると、カラーは、ねじ付きポストを上下に平行移動し、プランジャーの停止部材として役立つ。
【0069】
二片のキャップが、殺菌性を提供するために使用され得る。第一のキャップ片は、除去可能である。キャップの第二片は、注射器上に止まり、用量セットのための窓として作用するノッチを有する。
【0070】
ノッチは、注射器本体に形成され、用量セットを見るための窓として機能する。
【0071】
注射器本体に、複数の小さな隆起が設けられ、注射器本体に対する針アセンブリの圧入を容易にする。
【0072】
注射器ハウジングは、参照目的のために、その上で液状医薬の量を表示する目盛り数字を有し得る。
【0073】
注射器本体は、ねじ付きの構造を提供するために、製造中に、注射器ハウジングと一体となったねじ付き部材を含み得る。シールは、針アセンブリが注射器ハウジングと一体とされ、プランジャーが注射器ハウジングの反対側の端部から組みつけられる前に、患者(針)端部において注射器本体内に組みつけられる。代わりに、シールは、患者(針)端と反対側の注射器ハウジングの端部から組みつけられ得る。
【0074】
事前に充填された液状医薬のカートリッジが、注射器ハウジングに装着され得る。
【0075】
二つの調整可能なノブが、注射器に備えられ得る。第一ノブは、10の桁の用量セットを調整する、すなわち、10、20、30およびその他の不連続の位置に用量をダイアルする。第二のノブは、一の桁を調整し、第一ノブ内で、または、その周りに回転する。この配置は、注射器のコンパクトな直径を維持し、用量セットの単位を1から100の範囲にすることを可能にする。第一および/または第二のノブは、また、螺旋での回転よりはむしろ平行移動し得、注射器本体に沿った予めセットされた位置にクリックすることができる。
【0076】
調整可能なノブは、吸引中に部材がシールに接触するとき、シールの背部と係合する可動または取り外しできる構成部材を有し得る。構成部材は、スナップ止め、磁石、または他のどんな好適な方法によっても結合され得る。プランジャーが押圧されるとき、構成部材は、シールと共に移動し、それにより、使用者に、プランジャーが十分に引き戻されたという可視の表示を与える。
【0077】
一つ以上のディテントを有するトラックが、所望の用量を得ることを容易にするために使用される。
【0078】
注射器は、極微針を含むが、これに限定されない、種々の長さおよびゲージの針に適合する。代わりに、注射器は、例えば、針のない弁を介した静脈ライン、ポートまたは注射部位を通して流体を投与するために、針なしで用いられる。
【0079】
注射器は、プラスチックまたはガラスのような、しかし、これらに限定されない、種々の材料から製造され得る。注射器は、どんな色にも製造できる。注射器のバレルおよびストッパー材料は、医薬の効能の低下または喪失を発生させることなく、未来の医薬送達のために、引き込まれた医薬が注射器に貯蔵され得る材料から製造され得る。
【0080】
注射器は、不慮の針刺しおよび/または針の再使用を防止するための安全構成を有し得る。
【0081】
注射器は、第一の容器から第一の用量をダイアルして引き込み、それから、インシュリン混合物のような、医薬の混合物を担持するための第二の容器から用量をダイアルして引き込むことを容易にするための構造を含む。
【0082】
用量セット表示の目盛りは、U−100、U−400およびmlのような、しかしこれらに限定されない、注射器の意図される使用の関数であり得る。代わりに、用量目盛りは、患者の体重に準拠され得る。目盛りは、患者の体重であり、その結果、注射器は、医療関係者の代わりに容量および用量を計算する。注射器のある特徴は、全用量、および、ねじのピッチ、ねじの長さおよび直径のような、選択される目盛りによって変化する。注射器は、意図される適用に依存する通常の容量を変更して保持し得る。
【0083】
ねじ接続は、ペン型ニードルを受容するために注射器の針端に配置され得る。容量セット表示は、プランジャーによって駆動されるオドメータの形状であり得る。
【0084】
事前に充填された使い捨ての注射器は、4mmを含む種々の針の長さに適合でき、深さ停止部材を有する。プランジャー停止部材は、針から最も遠い調整可能なカラーの一側にある。プランジャーは、最も後退した位置で始まり、プランジャーが押圧されるとき、所望の用量にセットされた調整可能なカラーに当接するまで、移動することのみが可能である。用量が送達された後、注射器は、廃棄される。注射器の容量は、使用によって変わり得る。例えば、注射器は、10、20、30または50ユニットを含むような大きさとされ得るが、注射器の大きさは、これらの例に限定されない。
【0085】
代わりに、注射器は、インシュリンのような液状の医薬、充填された容器およびダイアルされた用量を含み得る。弁プランジャーが医薬の所望量を投薬するために用いられ、加圧ガスが、適切な作動を提供するために用いられる。代わりに、フラッパ弁が、送達されるべき医薬の適正量を規制することを容器にもたらすために使用される。代わりに、容器は、シールまたは他の好適な手段によって、二室(使用可能および使用不能室)に分けられる。流体接続通路は、二室に結合される。一定量の医薬は、使用可能室から使用不能室へと移動され、したがって、適正な量の医薬のみが送達される。
【0086】
例示的具体例のいずれによる注射器も、使用者によって、事前に充填され、または、充填される。事前に充填された注射器は、針から最も遠い調整可能なカラーの一側面に配置されるプランジャー停止部材を有し得る。プランジャーは、最も後退した位置で動き始める。プランジャーが押圧されるとき、プランジャーは、所望の用量にセットされた調整可能なカラーに当接するまで移動することのみ可能である。代わりに、使い捨て後に廃棄されることに代えて、調整可能なカラーは、その後の用量を送達するためにリセットされ得る。このことは、二重カムまたは他の好適な手段の使用によって達成され得る。注射器は、セプタムおよびペン型ニードルを受容するねじを含み得る。
【0087】
例示的具体例のいずれによる注射器も、複数の用量に適合するように充填され得る。調整可能なカラーは、その日にセットされた用量を示すように表示され得る。例えば、カラーは、1、2および3の数字(または、A、BおよびC、または、食事時間または夜間を示すために、AM、PM、MTおよびNT、または他のいかなる好適な配列)で表示され得る。また、使用者に、一つのセットから他に移動することを知らせるために、カラーが回転するにつれて厚みが広くなる、調整可能なカラー上の線が、また、存在し得る。シールは、調整可能なカラーに設けられ、カラーがバレル内を移動するとき、流体通路が殺菌状態を保つことを確実にする。
【0088】
例示的具体例のいずれによる注射器も、引き込み後の医薬の中の気泡を追い出すことを容易にする構造を含み得る。
【0089】
注射器は、液状の医薬に加えて、または、代わりに、乾燥した、粉状の、または、凍結乾燥された医薬と一緒の使用のために適合され得る。
【0090】
上述の具体例および利点は、単に例示的であり、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。本発明の例示的具体例の記載は、説明のためであることを意図されており、本発明の範囲を制限することは意図されていない。種々の修正、代替および変更は、当業者にとって明らかであり、添付の特許請求の範囲に規定された発明およその均等物の範囲に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器であって、
医薬を受容するための本体、
上記本体に回転可能に配置されたカラーであって、所望の用量をセットするために回転可能である上記カラー、および、
上記カラーに移動可能に配置されたプランジャーであって、上記医薬を引き込み、投薬するために可動である上記プランジャー、
を含むことを特徴とする注射器。
【請求項2】
請求項1の注射器であって、上記本体は、第一直径を有する第一部分および第二直径を有する第二部分を有し、上記第二直径は、上記第一直径よりも大きいことを特徴とする注射器。
【請求項3】
請求項2の注射器であって、上記医薬が上記本体の上記第一部分に受容されることを特徴とする注射器。
【請求項4】
請求項1の注射器であって、上記カラーは、完全に上記本体内に配置されていることを特徴とする注射器。
【請求項5】
請求項4の注射器であって、上記プランジャーの回転が、上記カラーを回転させることを特徴とする注射器。
【請求項6】
請求項5の注射器であって、上記プランジャーの軸方向の移動が、上記カラーの移動をもたらさないことを特徴とする注射器。
【請求項7】
請求項2の注射器であって、上記カラーの外表面が、上記本体の内表面の対応するねじ部と係合するねじ部を有することを特徴とする注射器。
【請求項8】
請求項1の注射器であって、複数の用量表示が、上記カラーの外表面に配置されていることを特徴とする注射器。
【請求項9】
請求項8の注射器であって、上記複数の用量表示を見るために、窓が上記本体に配置されていることを特徴とする注射器。
【請求項10】
請求項8の注射器であって、上記プランジャーが、プランジャーロッドおよび上記プランジャーロッドの端部に結合されたストッパーを有しており、上記ストッパーは、上記本体の上記第一部分に可動に配置されていることを特徴とする注射器。
【請求項11】
請求項10の注射器であって、上記ストッパーおよび上記プランジャーロッドは、ツーピース構造として分離可能に形成されていることを特徴とする注射器。
【請求項12】
注射器であって、
第一部分および第二部分を有する本体であって、上記第二部分が医薬を受容する上記本体、
上記本体に回転可能に配置されたカラーであって、所望の用量をセットするために回転可能である上記カラー、
上記カラーに移動可能に結合されたプランジャーロッド、および、
上記医薬を引き込み、投薬することを容易にするために、上記プランジャーロッドの端部に配置されたストッパー、
を含むことを特徴とする注射器。
【請求項13】
請求項12の注射器であって、上記ストッパーおよびプランジャーロッドは、一体構造として単一に形成されていることを特徴とする注射器。
【請求項14】
請求項12の注射器であって、上記プランジャーロッドおよび上記ストッパーは、ツーピース構造として分離可能に形成されていることを特徴とする注射器。
【請求項15】
請求項12の注射器であって、上記プランジャーロッドの回転は、上記カラーを回転させることを特徴とする注射器。
【請求項16】
請求項15の注射器であって、上記プランジャーロッドの軸方向の移動が、上記カラーの移動をもたらさないことを特徴とする注射器。
【請求項17】
請求項2の注射器であって、上記カラーの外表面は、上記本体の内表面の対応するねじ部と係合するねじ部を有していることを特徴とする注射器。
【請求項18】
請求項12の注射器であって、上記カラーが、完全に上記注射器本体内に配置されていることを特徴とする注射器。
【請求項19】
注射器で医薬を投薬する方法であって、上記方法は、
所望の用量をセットするために、カラーがその中またはその上に配置されている注射器本体に対して、上記カラーを回転させるステップ、
上記注射器本体に上記医薬を引き込むために、上記カラーに対して第一方向で軸方向にプランジャーを移動させるステップ、および、
上記注射器本体から上記医薬を投薬するために、上記カラーに対して第二方向で軸方向に上記プランジャーを移動させるステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19の注射器で医薬を投薬する方法であって、上記方法は、さらに、上記医薬を上記注射器本体に引き込むとき、上記プランジャーの移動を停止させるため、上記カラーを上記プランジャーに当接させるステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−470(P2012−470A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−136316(P2011−136316)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】