説明

調湿装置

【課題】容器内に貯留された貯留水によって空間内を加湿する加湿機構を備えた調湿装置において、低騒音且つ低コストな構成で、上記貯留水を効率良く浄化することができる構成を得る。
【解決手段】活性種を発生させる放電部(51)と、該放電部(51)によって発生した活性種を水タンク(41)内に導入する搬送路(52)と、該水タンク(41)内に設けられ、該水タンク(41)内の貯留水を液面よりも上方へ搬送して該水タンク(41)内に導入された上記活性種と接触させるように、少なくとも一部が上記貯留水中に浸漬された状態で回転する浄化用水車(60)とを備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に貯留された貯留水によって空間内を加湿する加湿機構を備えた調湿装置に関し、該貯留水の浄化処理の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空間内を加湿する加湿機構を備えた調湿装置として、容器内に貯留された貯留水を気化させて空間内に供給する構成のものが一般的に知られている。このような調湿装置では、貯留水を容器内に長時間、溜めておくと、該貯留水にカビや細菌などが繁殖して汚染される可能性があるため、例えば特許文献1に開示されるように、加湿水が貯留されている貯水容器内にオゾンガスを供給して、該加湿水をオゾンガスでバブリングするようにしている。
【0003】
詳しくは、上記特許文献1の構成では、オゾンガスを発生させるためのオゾナイザーと、該オゾナイザーで発生したオゾンガスを上記貯水容器の加湿水に対してバブリングさせるための加圧ポンプと、オゾンガスの気泡を細かい気泡にするための多孔質板とを備えている。
【特許文献1】特開2001−153409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のように、貯水容器内の貯留水に対してオゾンガスのバブリングを行う場合、該オゾンガスを所定の圧力で貯留水に放出させるための加圧ポンプが必要となるため、その分、製造コストが増大する。しかも、上記加圧ポンプが動作しているときには、その動作音が大きいため、騒音となりやすい。
【0005】
また、上述のように、貯留水に対してオゾンガスのバブリングを行う際も、気泡発生時に大きな音が生じるため、調湿装置の低騒音化の妨げとなる。
【0006】
そのうえ、上記オゾンガスの気泡を細分化するために必要なフィルター(多孔質板)は、細かい気泡を形成するために目が細かくなっているため、汚れ等による目詰まりが生じやすい構成になっている。
【0007】
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容器内に貯留された貯留水によって空間内を加湿する加湿機構を備えた調湿装置において、低騒音且つ低コストな構成で、上記貯留水を効率良く浄化することができる構成を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る調湿装置(10)では、加湿水として容器(41)内に貯留される貯留水を、回転体(60)によって液面の上方に搬送して、該容器(41)内に導入されるオゾンガスなどの活性種と接触させることで、バブリングを行うことなく該活性種によって貯留水を効率良く浄化できるようにした。
【0009】
具体的には、第1の発明は、容器(41)内に貯留された貯留水によって空間内を加湿する加湿機構(40)を備えた調湿装置を対象とする。そして、上記容器(41)内に活性種が存在するように該活性種を発生させる活性種発生手段(51)と、上記容器(41)内に設けられ、該容器(41)内の貯留水を液面よりも上方へ搬送して該容器(41)内で上記活性種と接触させるように、少なくとも一部が上記貯留水中に浸漬された状態で回転する回転体(60)とを備えているものとする。
【0010】
この構成により、加湿機構(40)によって加湿するために容器(41)内に貯留された貯留水に対し、活性種発生手段(51)で発生した活性種を効率良く接触させることができる。すなわち、上記容器(41)内の貯留水を、少なくとも一部が該貯留水中に浸漬された状態で回転する回転体(60)によって液面よりも上方へ搬送することで、バブリング等を行うことなく、上記容器(41)内に導入される活性種と効率良く接触させることができる。
【0011】
したがって、上述の構成によって、上記容器(41)内の貯留水に対してバブリングを行う場合に必要なポンプが不要になって、コスト低減を図れるとともに、ポンプの騒音やバブリング時に気泡の発生する音もなくなり、低騒音化を実現できる。また、気泡細分化のためのフィルタも不要になるため、該フィルタのメンテナンス作業もなくすことができる。
【0012】
上述の構成において、上記活性種発生手段(51)は、上記容器(41)の外方に設けられていて、上記活性種発生手段(51)で発生した活性種を上記容器(41)内に導入する導入路(52)をさらに備えているものとする(第2の発明)。
【0013】
こうすることで、上記容器(41)外に活性種発生手段(51)を配置できるので、容器(41)内の貯留水によって該活性種発生手段(51)に結露が発生するのを確実に防止することができる。また、一般的に、活性種を放電によって生成する場合、周囲の湿度が低い方が活性種の生産効率が高まるので、上述のように、高湿度の容器(41)内ではなく、湿度の低い容器(41)外に活性種発生手段(51)を設けることで、効率良く活性種を発生させることができる。
【0014】
また、上記容器(41)内に設けられ、上記回転体(60)を回転駆動するように、該回転体(60)と係合し且つ回転軸(67)を介して駆動手段(65)に接続される第2回転体(66)をさらに備えていて、上記第2回転体(66)は、その回転軸(67)が上記容器(41)内の貯留水の液面よりも常に上方に位置するように配置されているものとする(第3の発明)。
【0015】
これにより、回転体(60)を回転駆動する第2回転体(66)の回転軸(67)は、容器(41)内の貯留水の液面よりも常に上方に位置しているため、駆動手段(65)に接続される第2回転体(66)の回転軸(67)と容器(41)との隙間から貯留水が漏れ出すのを防止することができる。すなわち、上記回転体(60)の回転軸(67)にモータ(65)を直結すると、上記容器(41)の貯留水が該回転軸(67)と容器(41)との隙間から漏れ出す可能性があるが、上述のような構成にすることで、貯留水の流出を確実に防止することができる。
【0016】
また、上記回転体(121,122)は、回転軸が上下方向に互いに平行になるように複数、並設されていて、該複数の回転体(121,122)のうち少なくとも一番上に位置する回転体(121)の一部が、上記容器(41)内の貯留水の液面よりも上方に位置するように配置されていてもよい(第4の発明)。
【0017】
このように、回転軸が上下方向に互いに平行になるように複数の回転体(121,122)が並設されている場合に、該複数の回転体(121,122)のうち少なくとも一番上に位置する回転体(121)の一部が貯留水の液面よりも上方に位置するように複数の回転体(121,122)を配置することで、容器(41)内の貯留水の液面が上下に変動した場合でも、複数の回転体(121,122)のいずれかが必ず貯留水を液面の上方に搬送することができ、該貯留水を活性種と確実に接触させることができる。
【0018】
また、容器(41)内に大きな回転体を配置できない場合などでも、上述のように複数の回転体(121,122)を上下方向に並べることで、容器(41)内の貯留水を確実に液面の上方に搬送可能な構成を得ることができる。
【0019】
また、上記容器(41)内に設けられ、上記回転体(131)に対して活性種を吹き当てるように構成された送風手段(132)をさらに備えていてもよい(第5の発明)。こうすることで、回転体(131)によって液面の上方に搬送される貯留水に対して活性種を確実に接触させることができ、該貯留水をより効率良く浄化することができる。
【0020】
以上の構成において、上記活性種発生手段(51)で発生した活性種を含む空気を上記容器(41)内に導入する導入路(52)と、上記容器(41)内に導入した空気を容器(41)の外部へ排出する排出路(56a)と、上記容器(41)内に設けられて上記導入路(52)側の空間と上記排出路(56a)側の空間とを繋ぐ案内流路(161)を形成する案内部材(160)とを更に備え、上記回転体(60)が、上記案内流路(161)に配置されているのが好ましい(第6の発明)。これにより、導入路(52)より容器(41)内へ供給された活性種を含む空気は、容器(41)内の空間を通じて排出路(56a)へ送られ、排出路(56a)から容器(41)の外部へ排出される。
【0021】
このようにして、活性種を含む空気を、導入路(52)、容器(41)内の空間、排出路(56a)という順に流す場合、仮に容器(41)内に単純に上記回転体(60)を配置した場合、容器(41)の上壁部と回転体(60)の上端部との間に、活性種が流通可能な通路(上側通路)が形成されてしまう。このため、導入路(52)より容器(41)内へ流入した活性種は、回転体(60)の表面の水と充分に接触せずに、上記の上側通路を通じて排出路(56a)へ送られ、容器(41)の外部へ排出されてしまう。
【0022】
そこで、第6の発明では、導入路(52)から容器(41)内へ流入した活性種を、確実に回転体(60)の近傍へ送るために案内部材(160)を設けている。即ち、容器(41)内において、導入路(52)側の空間へ送られた活性種は、案内部材(160)によって形成された案内流路(161)を流れる。ここで、案内流路(161)には回転体(60)が設けられているため、案内流路(161)を流れる活性種と回転体(60)の表面近傍の貯留水とが効率良く接触する。その結果、貯留水の浄化効率が向上する。案内流路(161)を流出した空気は、排出路(56a)より容器(41)の外部へ排出される。
【0023】
また、回転体(60)は、その外形が略円板状に形成され、上記案内部材(160)には、上記回転体(60)の外周縁部に沿うような略円柱状の案内流路(161)が形成されていることが好ましい(第7の発明)。これにより、回転体(60)と案内部材(160)との間の隙間を最小限に抑えることができ、回転体(60)の表面近傍の水と活性種とが更に効率良く接触することになる。更に、上記回転体(60)には、上記外周縁部を構成する環状の枠部(60a)と、該環状の枠部(60a)の内側を軸方向に延びる複数の通気孔(60d)とが形成されていることが好ましい。これにより、回転体(60)では、環状の枠部(60a)によって回転体(60)の外周側の隙間を最小限に抑えることができる。また、案内流路(161)を流れる空気は、回転体(60)の複数の通気孔(60d)を通過する。これにより、活性種と通気孔(60d)の内壁等に付着する貯留水とを接触させることができ、貯留水の浄化効率が向上する。このような構成では、上記回転体(60)を、上記複数の通気孔(60d)が形成された格子状の円板部材とすることが更に好ましい(第9の発明)。
【0024】
また、回転体(60)は、その外周縁部が上記案内流路(161)の内縁部と摺接してシール部を構成していることが好ましい(第10の発明)。これにより、案内流路(161)の内縁部と回転体(60)の外周との間の隙間をシールすることができ、空気を回転体(60)の複数の通気孔(60d)へ確実に流通させることができる。
【0025】
また、回転体(60)は、軸心を構成する軸部(63)と、該軸部(63)から径方向に延びる複数の回転羽根部(60e)とを備えるようにしても良い(第11の発明)。これにより、案内流路(161)に流入した空気は、回転する各回転羽根部(60e)の間の空間を流通するので、活性種と貯留水とを効率良く接触させることができる。
【0026】
また、軸心を構成する軸部(63)と、該軸部(63)と同軸となるように該軸部(63)と連結する略円板状のベース部(61)と、該ベース部(61)から軸方向に延びる複数の突起部(62)とを備えるようにしても良い(第12の発明)。これにより、案内流路(161)を流れる空気中の活性種を、突起部(62)やベース部(61)の表面の貯留水と接触させることができ、活性種と貯留水との接触効率が向上する。
【0027】
更に、回転体(60)が、軸心を構成する軸部(63)と、該軸部(63)の周りに軸方向に並設される複数の円板部(165)とを有し、上記案内部材(160)には、上記複数の円板部(165)の配列方向と直交する方向に上記案内流路(161)が形成されていても良い(第13の発明)。この構成では、案内流路(161)に流入した空気は、回転する複数の円板部(165)の間の空間を流通するので、活性種と貯留水とを効率良く接触させることができる。
【0028】
以上の構成において、上記回転体(60)の表面には、貯留水を保持するための保持部(70)が設けられているのが好ましい(第14の発明)。これにより、回転体(60)によって容器(41)内の貯留水を確実に液面の上方へ搬送することができる。すなわち、上記回転体(60)の表面に設けられた保持部(70)によって貯留水を保持しつつ、該回転体(60)を回転させることで、該貯留水を液面の上方へ搬送し、活性種と確実に接触させることができる。
【0029】
具体的には、上記保持部は、上記回転体(60)の表面に形成された複数の溝部(70)であるのが好ましい(第15の発明)。このように回転体(60)の表面に複数の溝部(70)を設けることで、該溝部(70)内に容器(41)内の貯留水を保持することができ、該回転体(60)の回転によって貯留水を確実に液面の上方まで搬送することができる。
【0030】
特に、上記溝部(70)は、上記回転体(60)の表面上で互いに交差する方向に延びるように設けられているのが好ましい(第16の発明)。これにより、回転体(60)が回転した際に、該回転体(60)の表面の溝部(70)が容器(41)内の貯留水をすくうタイミングが多くなるため、一方向に延びるように溝部を設けた場合に比べて、溝部(70)内に貯留水が進入しやすくなり、より多くの貯留水を確実に搬送することができる。
【0031】
また、上記回転体(60)は、略円盤状に形成されていて、上記溝部(70)は、上記回転体(60)の表面が周方向に複数分割されてなる略扇状の各領域において、隣り合う領域で互いに交差する方向に延びるように設けられていてもよい(第17の発明)。
【0032】
こうすることで、容器(41)内の貯留水に対し、回転体(60)の溝部(70)の方向を該回転体(60)の回転に応じてより細かく変えることができるため、該回転体(60)が回転しても、該回転体(60)の溝部(70)を、貯留水を保持しやすい向きにすることが可能となり、該溝部(70)内にさらに多くの貯留水を保持することができる。
【0033】
さらに、上述のように回転体の表面に溝部を設ける構成において、上記回転体(60)は、略円盤状に形成されていて、上記回転体(60)の表面には、複数の突条の羽根部(62)が設けられていて、上記溝部は、上記羽根部(62)同士の間に形成されているのが好ましい(第18の発明)。
【0034】
これにより、回転体(60)の表面に設けられた羽根部(62)間により多くの貯留水が保持されるため、該回転体(60)の回転によって搬送される貯留水の量を多くすることができる。したがって、活性種に対してより多くの貯留水を接触させることができ、該貯留水をより効率良く浄化することができる。
【0035】
また、上記保持部は、上述のような溝部ではなくて、上記回転体の表面に設けられた親水性の部分(第19の発明)や、上記回転体(141)の表面に形成された凹部(142)(第20の発明)、上記回転体(143)に形成された貫通穴(144)(第21の発明)であってもよい。このような構成にすることで、容器(41)内の貯留水を保持部で効率良く且つ確実に保持することができる。
【発明の効果】
【0036】
上記第1の発明によれば、調湿装置(10)は、容器(41)内の貯留水を液面よりも上方に搬送して活性種と接触させるように、一部が該貯留水に浸漬した状態で回転する回転体(60)を備えているため、バブリング等を行うことなく、貯留水を効率良く浄化することができる。したがって、活性種のバブリングを行った場合に比べて、騒音及びコストの低減を図れる。
【0037】
また、第2の発明によれば、活性種発生手段(51)は容器(41)の外方に配置されていて、該活性種発生手段(51)で生成された活性種は、導入路(52)を介して上記容器(41)内に導入されるため、上記活性種発生手段(51)で結露が発生するのを確実に防止できるとともに、効率良く活性種を発生させることができる。
【0038】
また、第3の発明によれば、上記回転体(60)は、駆動手段(44)に回転軸(67)を介して接続される第2回転体(66)によって回転駆動されるように構成されていて、該第2回転体(66)は回転軸(67)が貯留水の液面よりも上方に位置するように配置されているため、該第2回転体(66)の回転軸(67)と容器(41)との隙間から貯留水が漏れ出すのを確実に防止することができる。
【0039】
また、第4の発明によれば、上記回転体(121,122)は、上下方向に複数、並設されていて、該複数の回転体(121,122)のうち一番上に位置する回転体(121)の一部が、貯留水の液面よりも上方に位置しているため、容器(41)内で該貯留水の水位が変動しても、上記回転体(121,122)によって貯留水を確実に液面の上方に搬送して活性種と接触させることができる。
【0040】
また、第5の発明によれば、上記回転体(131)に対して活性種を吹き当てる送風手段(132)を備えているため、該回転体(131)によって搬送される貯留水に対して活性種を効率良く接触させることができ、該貯留水を効率良く浄化することができる。
【0041】
また、第6の発明によれば、案内部材(160)の案内流路(161)に回転体(60)を配置したため、導入路(52)から流入した空気を回転体(60)の近傍へ確実に流通させることができ、気液接触効率の向上、ひいては貯留水の浄化効率の向上を図ることができる。
【0042】
特に、第7の発明によれば、回転体(60)を略円板状とし、案内流路(161)を回転体(60)の外周縁部に沿うような略円柱状としたので、回転体(60)の外周縁部と案内部材(160)との間での空気の流通を抑制でき、回転体(60)の表面の貯留水と活性種とを効率良く接触させることができる。
【0043】
また、第8の発明によれば、回転体(60)に環状の枠部(60a)と複数の通気孔(60d)とを形成したので、活性種を含む空気を複数の通気孔(60d)へ流すことができ、この通気孔(60d)で活性種と貯留水とを効率良く接触させることができる。特に、第9の発明によれば、回転体(60)を格子状の円板部(165)とすることで、枠部(60a)の内側に通気孔(60d)を多数形成することができる。
【0044】
また、第10の発明によれば、回転体(60)の外周縁部にシール部を構成するようにしたので、上記回転体(60)の外周側の隙間を埋めることができ、活性種を含む空気を複数の通気孔(60d)へ確実に流すことができる。
【0045】
また、第11の発明によれば、軸部(63)から径方向に延びる複数の回転羽根部(60e)を形成したので、回転状態の回転羽根部(60e)の間の空間へ活性種を導入でき、活性種と貯留水との気液接触効率を更に向上できる。
【0046】
第12の発明によれば、回転体(60)に、軸部(63)と同軸となるベース部(61)に複数の突起部(62)を形成しているので、ベース部(61)と突起部(62)との双方の表面において、貯留水と活性種とを接触させることができる。また、複数の突起部(62)をベース部(61)に保持させることができるので、突起部(62)の形状の自由度を向上できる。
【0047】
13の発明によれば、回転体(60)に、軸部(63)と、該軸部(63)に並設される複数の円板部(165)とを形成したので、活性種を含む空気を回転状態の複数の円板部(165)の間の空間へ流すことができ、この空間で活性種と貯留水とを効率良く接触させることができる。
【0048】
また、第14の発明によれば、上記回転体(60)の表面には、貯留水を保持するための保持部(70)が設けられているため、該回転体(60)の回転によって貯留水を確実に液面の上方に搬送することができ、これにより、貯留水を確実に浄化することができる。
【0049】
また、第15の発明によれば、上記保持部は、上記回転体(60)の表面に形成された複数の溝部(70)であるため、該溝部(70)内に貯留水を確実に保持できる。特に、第16の発明によれば、上記溝部(70)は、上記回転体(60)の表面上で互いに交差する方向に延びるように設けられているため、該回転体(60)が回転した場合でも効率良く貯留水を保持できる。さらに、第17の発明によれば、上記溝部(70)は、略円盤状の回転体(60)の表面が周方向に複数分割されてなる略扇状の領域において、隣り合う領域で互いに交差する方向に延びるように設けられているため、上記回転体(60)に貯留水をさらに効率良く保持することができる。また、第18の発明によれば、略円盤状の回転体(60)の表面には、突条の複数の羽根部(62)が設けられていて、上記溝部(70)は、上記羽根部(62)同士の間に形成されるため、より多くの貯留水を上記回転体(60)で保持することができ、貯留水をより効率良く浄化することができる。
【0050】
さらに、第19〜21の発明によれば、上記保持部は、上記回転体の表面に設けられた親水性部分や凹部(142)、貫通穴(144)であるため、該回転体で貯留水をより確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0052】
《実施形態1》
〈全体構成〉
本発明の実施形態1に係る調湿装置(10)は、空気を加湿する加湿運転が可能に構成されている。また、上記調湿装置(10)は、空気を浄化するための種々の空気浄化手段を有している。
【0053】
図1及び図2に示すように、調湿装置(10)は、樹脂製のケーシング(11)内に加湿運転や空気浄化を行うための各種構成機器が収納されたものである。このケーシング(11)は、幅方向寸法が前後方向の寸法よりも大きく、且つ高さ寸法が該幅方向や前後方向の寸法よりも大きい直方体状に形成されている。上記ケーシング(11)には、その前面及び側面の少なくとも一方に、空気を該ケーシング(11)内に導入するための吸込口(12)が形成されている。また、上記ケーシング(11)には、その上部後方寄りの部位にケーシング(11)内の空気を空間内へ吹き出すための吹出口(13)が形成されている。そして、上記ケーシング(11)の内部には、上記吸込口(12)から吹出口(13)に向かって空気が流れる空気通路(14)が形成されている。なお、上記図1に示す調湿装置(10)では、上記ケーシング(11)の前面は、前面パネル(11a)によって覆われている。
【0054】
図2に示すように、上記空気通路(14)内には、空気の流れの上流側から下流側に向かって順に、空気浄化手段(20)、加湿ユニット(40)(加湿機構)及び遠心ファン(15)が配設されている。また、上記調湿装置(10)は、後述する水タンク(41)(容器)内にオゾンなどの活性種を供給する活性種供給ユニット(50)も備えている。
【0055】
〈空気浄化手段の構成〉
上記図2に示すように、上記空気浄化手段(20)は、空気通路(14)内を流れる空気を浄化するためのものであり、空気の流れの上流側から下流側に向かって順に、プレフィルタ(21)、イオン化部(22)、プリーツフィルタ(23)を有している。
【0056】
上記プレフィルタ(21)は、空気中に含まれる比較的大きな塵埃を物理的に捕捉する集塵用のフィルタを構成している。
【0057】
上記イオン化部(22)は、空気中の塵埃を帯電させる塵埃荷電手段を構成している。このイオン化部(22)には、例えば線状の電極と、この線状の電極に対向する板状の電極とが設けられている。上記イオン化部(22)では、両電極に電源から電圧が印加されることで、両電極の間でコロナ放電が行われる。このコロナ放電により、空気中の塵埃が所定の電荷(正又は負の電荷)に帯電される。
【0058】
上記プリーツフィルタ(23)は、波板状の静電フィルタを構成している。つまり、プリーツフィルタ(23)では、上記イオン化部(22)で帯電された塵埃が電気的に誘引されて捕捉される。なお、上記プリーツフィルタ(23)に光触媒等の脱臭用の材料を担持させても良い。
【0059】
〈加湿ユニットの構成〉
次に、上記加湿ユニット(40)の構成について、上記図2に基づいて以下で説明する。この図2に示すように、加湿ユニット(40)は、水(貯留水、加湿水)を貯留するための水タンク(41)(容器)と、該水タンク(41)内の水を汲み上げるための水車(42)と、該水車(42)によって汲み上げられた水を空気中へ付与するための加湿手段を構成する加湿ロータ(43)と、該加湿ロータ(43)を回転駆動するための駆動モータ(44)とを備えている。また、上記加湿ユニット(40)は、加湿ロータ(43)を加熱するためのヒータ(48)も備えている。
【0060】
上記水タンク(41)は、図1などにも示すように、上側が開口する横長の箱部材(45)と該箱部材(45)の上側を覆う蓋部材(46)とによって構成されている。この水タンク(41)は、ケーシング(11)の下部の空間内に、該水タンク(41)の長手方向がケーシング(11)の幅方向になるように設置され、該ケーシング(11)の側面に形成された引出口(11b)に対して出し入れ可能(スライド可能)に構成されている(図1を参照)。これにより、上記水タンク(41)をケーシング(11)から引き出した状態で、該水タンク(41)内に加湿用の水を適宜補充することができる。
【0061】
上記水車(42)は、略円盤状に形成され、その軸心部に両面から厚み方向外方に突出するように回転軸(42a)が設けられている。この回転軸(42a)は、上記水タンク(41)の底面に立設された軸受部(図示省略)の上端に枢支されており、これにより、水車(42)は水タンク(41)内に回転自在に支持されている。また、上記水車(42)は、その下端部を含む所定部位が水タンク(41)内の水中に浸漬される高さ位置になるように、上記軸受部に支持されている。
【0062】
上記水車(42)には、ケーシング後方側に位置する側面(上記加湿ロータ(43)に面する側面)に複数の凹部(42b)が形成されている。これらの凹部(42b)は、加湿水を上記加湿ロータ(43)側へ汲み上げるための加湿用凹部を構成している。上記凹部(42b)は、上記水車(42)の径方向外側端部において周方向に等間隔になるように形成されている。また、上記凹部(42b)は、水車(42)の回転動作によって、水タンク(41)の水中に浸積する位置、または、水中から引き出される位置に位置付けられて、該水中に浸漬する位置で凹部(42b)内に浸入した水を、液面の上方まで汲み上げることが可能となる。
【0063】
また、上記水車(42)の後側の側面上には、該水車(42)と同軸状に中間歯車(42d)が配設されていて、該中間歯車(42d)の外周面上には歯部(42c)が一体的に形成されている。この中間歯車(42d)の歯部(42c)は、後述する加湿ロータ(43)の従動歯車(43a)と噛み合うように構成されている。
【0064】
上記加湿ロータ(43)は、環状の従動歯車(43a)と、この従動歯車(43a)に内嵌して保持される円盤状の吸着部材(43b)とを有している。この吸着部材(43b)は、吸水性を有する不織布によって構成されている。上記加湿ロータ(43)は、上記水タンク(41)の満水時の水位よりも高い位置において、回転軸を介して回転自在に保持されている。また、上記加湿ロータ(43)は、その下端を含む所定部位が上記水車(42)と実質的に接触するように配置されている。つまり、上記加湿ロータ(43)は、水車(42)の凹部(42b)と軸方向(前後方向)に重なる部位を有している。これにより、上記加湿ロータ(43)の吸着部材(43b)には、水車の凹部(42b)によって汲み上げられた水が吸収される。
【0065】
上記駆動モータ(44)は、ピニオン等を介して加湿ロータ(43)の従動歯車(43a)を回転駆動するように構成されている。そして、駆動モータ(44)によって従動歯車(43a)が回転すると、該従動歯車(43a)と歯合する水車(42)が回転する。これにより、上記駆動モータ(44)によって、加湿ロータ(43)及び水車(42)を回転させることができる。
【0066】
上記ヒータ(48)は、加湿ロータ(43)の上流側の側面の上端部に近接するように配置されている。このヒータ(48)を設けることによって、上記加湿ロータ(43)に流入する空気を加熱することができ、その熱によって該加湿ロータ(43)の水を気化させて空気を加湿することができる。
【0067】
〈貯留水浄化ユニットの構成〉
上記活性種供給ユニット(50)は、加湿ロータ(43)に供給される水タンク(41)内の水(貯留水、加湿水)に活性種(オゾンなど)を含む気体を供給するためのものである。この活性種供給ユニット(50)は、図3に示すように、活性種生成手段としての放電部(51)(活性種発生手段)と、該放電部(51)で生成された活性種を上記水タンク(41)内に導くための搬送路(52)(導入路)を構成する搬送ダクト(53)と、該搬送ダクト(53)を介して活性種を水タンク(41)内に送るためのファン(54)とを備えている。なお、このファン(54)を設ける代わりに、調湿装置(10)の空気通路(14)内を流れる空気の流れを利用して、活性種を水タンク(41)内に供給するようにしてもよいし、上記ファン(54)を放電部(51)よりも下流側に配置してもよい。
【0068】
ここで、特に図示しないが、上記放電部(51)は、棒状電極と平板電極とを備えていて、両電極に電位差を付与することで、棒状電極の先端から平板電極に向かってストリーマ放電を生起させることによって活性種を生成するように構成されている。
【0069】
上記搬送ダクト(53)の下端は、上記水タンク(41)の上面に接続されている。この水タンク(41)には、上面から所定の深さまで延びる仕切壁(41b)が設けられていて、該仕切壁(41b)によって、上記水タンク(41)の内部は、上記加湿ユニット(40)に加湿水を供給するための加湿室(47)と、後述する貯留水浄化用の水車(60)が収納された反応室(48)とに区画されている。この反応室(48)の上方を覆う水タンク(41)の上面に、上記搬送ダクト(53)の下端が接続されている。また、上記反応室(48)の上方を覆う水タンク(41)の上面には、該反応室(48)内の活性種を外部へ排出するための排出ダクト(56)の下端も接続されている。
【0070】
そして、上記搬送ダクト(53)は、上記反応室(48)に対し、後述する浄化用水車(60)が加湿水をすくい上げる側に設けられている一方、上記排出ダクト(56)は、上記浄化用水車(60)が回転して加湿水中に沈み込む側に設けられている。これにより、上記搬送ダクト(53)を介して水タンク(41)内に導入される活性種は、上記浄化用水車(60)の表面にできるだけ長い時間、接触することができる。したがって、上述の構成によって、上記浄化用水車(60)の回転により液面の上方に搬送される加湿水を、活性種によって効率良く浄化することができる。
【0071】
上記反応室(48)内には、略円盤状のベース部(61)に多数の羽根(62)が立設された浄化用水車(60)(回転体)が収納されている。この浄化用水車(60)は、上記反応室(48)内に、水タンク(41)の長手方向が厚み方向になるように配置されていて、該反応室(48)の内面に対して回転可能に支持されている。具体的には、上記浄化用水車(60)のベース部(61)には、その両面から厚み方向外方に向かって突出する軸部(63)が形成されていて、該軸部(63)の先端部分が上記反応室(48)の内面、すなわち上記仕切壁(41b)及び水タンク(41)の内面に形成された軸受け部(41c,41c)によって回転可能に支持されている。
【0072】
上記浄化用水車(60)のベース部(61)の外周面上には、歯部(61a)が一体的に形成されている。この歯部(61a)は、水タンク(41)外に配設された駆動手段としてのモータ(65)に回転軸(67)を介して接続された動力伝達歯車(66)(第2回転体)と噛合可能に構成されている。この動力伝達歯車(66)は、外周面に上記浄化用水車(60)の歯部(61a)と噛合可能な歯部(66a)が一体的に形成された円盤状の部材からなるもので、その両面から厚み方向外方に向かって突出する回転軸(67)が形成されている。そして、該回転軸(67)の一方がカップリング(69)を介して上記モータ(66)の駆動軸(66a)に接続されていて、回転軸(67)の他方が上記仕切壁(41b)に形成された軸受け部(41d)によって回転可能に支持されている。
【0073】
これにより、上記モータ(65)の回転駆動力は、駆動軸(65a)、カップリング(69)及び動力伝達歯車(66)を介して浄化用水車(60)に伝わり、該浄化用水車(60)を上記図3のように回転させることができる。
【0074】
また、上記図3に示すように、上記動力伝達歯車(66)は、その回転軸(67)が上記浄化用水車(60)の軸部(63)や水タンク(41)内の加湿水の液面よりも上方に位置するように配置されている。これにより、上記回転軸(67)と水タンク(41)との隙間から該水タンク(41)内の加湿水が外部に漏れ出すのを確実に防止することができる。
【0075】
さらに、上記図3(B)に示すように、上記浄化用水車(60)のベース部(61)上には、周方向に4つに分割されてなる略扇状の各領域に、隣り合う領域で互いに直交する方向に延びるように複数の羽根(62)が設けられている。すなわち、これらの羽根(62)は、各領域内では互いに平行に配設されているとともに、上記ベース部(61)の軸部(63)を挟んで対向する領域では同じ方向に延びるように設けられている。これにより、上記羽根(62)同士の間に溝部(70)が形成されるとともに、上記浄化用水車(60)が回転しても、上記4つの領域のいずれかで水タンク(41)内の加湿水をすくうことができる。したがって、上述の構成によって、上記羽根(62)で効率よく加湿水をすくって保持しつつ、液面の上方まで搬送することができる。なお、上記羽根(62)同士の間に形成される溝部(70)が、本発明の保持部を構成する。
【0076】
ここで、上記浄化用水車における羽根の配置は、上記図3のような配置に限らず、図4に示すような各配置であってもよい。すなわち、上記図4(A)に示すように、ベース部(61)に対して複数の羽根(71)を径方向に延びるように設けてもよいし、図4(B)に示すように、複数の羽根(72)を同一方向に且つ互いに略平行に延びるように設けてもよい。また、上記図4(C)に示すように、複数の羽根(73)を図4(A)のように半径方向に延びるように配置するとともに、該各羽根(73)を同じ方向に湾曲させてもよいし、図4(D)に示すように、複数の羽根(74)を図4(B)のように同一方向に延びるように配置するとともに、該各羽根(74)の両端部にそれぞれ逆方向に湾曲する湾曲部(74a)を設けるようにしてもよい。上記浄化用水車を図4(C)、(D)のような形状にすることで、水タンク(41)内の加湿水の水量が少なく、水位が低い場合でも、効率良く加湿水をすくい上げることができ、該加湿水を効率良く浄化することができる。
【0077】
−運転動作−
上記調湿装置(10)は、室内空気を浄化するとともに室内空気を加湿する加湿運転を行う。また、上記調湿装置(10)は、この加湿運転と同時に、水タンク(41)内の加湿水を浄化する水浄化動作を行う。なお、この水浄化動作は、加湿運転と同時ではなく、加湿運転を行っていないときに行うようにしてもよい。
【0078】
〈加湿運転〉
加湿運転では、遠心ファン(15)が駆動されるとともに、加湿ロータ(43)が駆動モータ(44)によって回転駆動される。また、空気浄化手段(20)のイオン化部(22)の電極に電圧が印加されるとともに、加湿ロータ(43)の空気上流側に位置するヒータ(48)は通電状態となる。
【0079】
上記遠心ファン(15)が駆動されると、図2に白抜き矢印で示すように、室内の空気が吸込口(12)からケーシング(11)内の空気通路(14)に導入される。この空気通路(14)内に導入された空気は、プレフィルタ(21)を通過して該プレフィルタ(21)で塵埃が捕捉された後、イオン化部(22)を通過する。このイオン化部(22)では、電極間でコロナ放電が行われており、これにより、空気中の塵埃が帯電される。上記イオン化部(22)を通過した空気は、プリーツフィルタ(23)を通過する。このプリーツフィルタ(23)では、上記イオン化部(22)で帯電した塵埃が電気的に誘引されて捕捉される。上記プリーツフィルタ(23)を通過した空気は、ヒータ(48)で加熱された後、加湿ロータ(43)を通過する。
【0080】
加湿ユニット(40)では、水車(42)が回転し、水タンク(41)内の加湿水が加湿ロータ(43)の吸着部材(43b)に適宜供給される。具体的には、水車(42)が回転して該水車(42)の凹部(42b)が水タンク(41)内の加湿水中に浸漬することにより、凹部(42b)内に加湿水が浸入し、該凹部(42b)内に保持される。上記水車(42)がさらに回転すると、加湿水を保持した状態の上記凹部(42b)は、加湿水中から引き上げられて上方へ変位する。そして、上述のように、上記水車(42)の回転に伴って上記凹部(42b)が上方へ移動すると、該凹部(42b)は加湿ロータ(43)に徐々に近接するとともに、該凹部(42b)内に保持されている加湿水は自重によって徐々に該凹部(42b)から流出する。これにより、上記凹部(42b)内の加湿水は、上記加湿ロータ(43)の吸着部材(43b)に吸着される。このような動作によって、加湿ユニット(40)において、加湿ロータ(43)に連続的に加湿水が供給される。
【0081】
なお、上記凹部(42b)は、上記水車(42)の回転によって最上端位置まで到達すると、該凹部(42b)内の加湿水が概ね全量流出するように構成されている。
【0082】
上述のように加湿水の吸着された加湿ロータ(43)の吸着部材(43b)に対し、空気通路(14)内を流れる空気が通過すると、該吸着部材(43b)に吸着していた水分が空気中へ放出される。その結果、空気の加湿が行われる。
【0083】
以上のようにして清浄化され且つ加湿された空気は、吹出口(13)から室内へ供給される。なお、この加湿運転では、電源からイオン化部(22)への電圧の供給を停止することで、空気の浄化を積極的に行わない運転も可能である。
【0084】
〈加湿水の浄化動作〉
上記水タンク(41)内に加湿水が長時間に亘って貯留されていると、水中でカビや雑菌等が繁殖することにより、該水タンク(41)内の加湿水が汚染される場合がある。また、例えば空気通路(14)内を流れる空気中にアンモニア等の物質(有害物質や臭気物質)が含まれている場合、この物質が水中に溶解して上記水タンク(41)内の加湿水が汚染されることもある。そして、このように汚染された加湿水が気化されて室内へ供給されると、室内に雑菌や有害物質等も供給することになり、室内の清浄度を損なう虞がある。
【0085】
本実施形態に係る調湿装置(10)では、活性種を発生可能な活性種供給ユニット(50)を用いて、上記水タンク(41)内に活性種を供給することにより、該水タンク(41)内の加湿水を浄化する水浄化動作が可能に構成されている。
【0086】
具体的には、水浄化動作が始まると、ファン(54)が稼働するとともに、放電部(51)に電圧が印加される。これにより、上記放電部(51)ではストリーマ放電が生起されて、このストリーマ放電によって活性種が発生する。そして、発生した活性種は上記ファン(54)によって搬送ダクト(53)内の搬送路(52)を水タンク(41)に向かって搬送される。該水タンク(41)内では、浄化用水車(60)が、モータ(65)の回転駆動力によって回転している。該浄化用水車(60)の回転によって、上記水タンク(41)内の加湿水は、液面の上方まで搬送され、該水タンク(41)内に導入された活性種と接触する。
【0087】
このように、水タンク(41)内の加湿水に対して活性種を接触させることで、該活性種によって加湿水中に含まれる雑菌や有害物質等が分解除去され、上記水タンク(41)内の加湿水が浄化される。
【0088】
また、上記水浄化動作が、継続して行われるのではなく、断続的に行われる間欠運転の場合には、図5に示すように、コントローラ(75)からファン(54)への駆動信号がオフになっても、該ファン(54)が惰性で回転している間t1は、放電部(51)によるストリーマ放電を停止しない(放電部(51)に対してオフ信号を出力しない)ようにする。これにより、上記ファン(54)に与えたエネルギーを効率良く使って、多くの活性種を水タンク(41)に供給することができ、該水タンク(41)内の加湿水をより効率良く浄化することができる。なお、上記図5では、ファン(54)の上流側に放電部(51)を配置した調湿装置(10)に上述のような制御を適用しているが、この限りではなく、放電部よりも上流側にファンを配置した調湿装置に適用してもよい。
【0089】
−実施形態1の効果−
以上より、この実施形態によれば、水タンク(41)内に浄化用水車(60)を設けて、該浄化用水車(60)によって水タンク(41)内に貯留された加湿水を液面の上方まで搬送し、放電部(51)から該水タンク(41)内に供給される活性種と接触させるようにしたため、活性種のバブリングを行うことなく、上記加湿水を活性種によって浄化することができる。したがって、活性種のバブリングが不要になるため、専用のポンプが不要になってコスト低減を図れるとともに、該ポンプで発生する騒音や気泡発生時に発生する音をなくすことができ、調湿装置(10)の低騒音化を実現することができる。
【0090】
また、上記浄化用水車(60)を、液面の上方に回転軸(67)が位置する動力伝達歯車(66)によって回転させることで、該回転軸(67)と水タンク(41)との隙間から加湿水が漏れ出すのを確実に防止することができる。
【0091】
さらに、上記浄化用水車(60)の円盤状のベース部(61)上には、該ベース部(61)を周方向に4分割してなる略扇状の各領域において、隣り合う領域で互いに直交する方向に延びるように羽根(62)が設けられているため、上記浄化用水車(60)の回転によって、加湿水を効率良くすくい上げることができる。したがって、上述の構成により、より多くの加湿水を液面の上方に搬送して、活性種に接触させ、浄化することができる。
【0092】
また、活性種を発生させる放電部(51)は、上記容器(41)の外方に設けられていて、該放電部(51)で発生した活性種は搬送路(52)を介して容器(41)内に導入されるため、該容器(41)内の貯留水によって放電部(51)に結露が発生するのを確実に防止することができる。さらに、一般的に、活性種を放電によって生成する場合、周囲の湿度が低い方が活性種の生産効率が高まるので、上述のように、高湿度の容器(41)内ではなく、湿度の低い容器(41)外に放電部(51)を設けることで、効率良く活性種を発生させることができる。
【0093】
また、上記水タンク(41)内に活性種を供給するためのファン(54)を間欠運転する場合には、該ファン(54)が惰性で回転している間t1は、放電部(51)によるストリーマ放電を停止しないようにすることで、上記ファン(54)のエネルギーを最大限に利用して、できるだけ多くの活性種を水タンク(41)に供給することができる。したがって、上記水タンク(41)内の加湿水をより効率良く浄化することができる。
【0094】
−実施形態1の変形例1−
この変形例1は、図6に示すように、浄化用水車(80)が単なる円盤であって、上記実施形態1のような羽根が設けられていない点が該実施形態1とは異なる。
【0095】
具体的には、上記浄化用水車(80)は円盤状の部材からなり、その円中心に位置する軸部(81)を中心に回転可能に構成されている。なお、上記浄化用水車(80)を回転駆動させる構成としては、上記実施形態1と同様、浄化用水車(80)以外に動力伝達歯車を設けて、該動力伝達歯車を回転駆動させる構成や、上記浄化用水車(80)の軸部(81)に、直接、駆動モータ(44)を接続して回転駆動させる構成が考えられる。上記浄化用水車(80)の軸部(81)に駆動モータ(44)を直接、接続する場合には、該軸部(81)と水タンク(41)との隙間から加湿水が漏れ出さないように、該隙間をシールする必要がある。
【0096】
また、上記浄化用水車(80)は、上記実施形態1と同様、上記水タンク(41)内の加湿水に対して、一部が浸漬するように配置されている。
【0097】
これにより、上記浄化用水車(80)を駆動モータ(44)によって回転駆動させると、該浄化用水車(80)はその表面に加湿水が付着した状態で回転するため、加湿水を液面の上方まで搬送することができる。そして、液面の上方まで搬送された加湿水は、上記水タンク(41)内に導入される活性種と接触して、浄化される。
【0098】
上記図6では、上記浄化用水車(80)を一つだけ設けているが、この限りではなく、軸部(81)を介して複数の浄化用水車を軸方向に接続してもよい。
【0099】
−実施形態1の変形例2−
この変形例2は、図7に示すように、浄化用水車(90)が、軸部(91)の外周面上から径方向外方に延びる複数の羽根(92)を備えている点が上記実施形態1とは異なる。
【0100】
具体的には、上記浄化用水車(90)は、円柱状の軸部(91)と、該軸部(91)の外周面上に径方向外方に延びるように設けられる複数の羽根(92)とを備えている。上記軸部(91)は、上記変形例2と同様、駆動モータ(44)に直接、接続されていてもよいし、上記実施形態1と同様、水タンク(41)の軸受け部(41c)で軸支されていて動力伝達歯車によって回転するように構成されていてもよい。上記羽根(92)は、長方形状の板部材からなり、上記軸部(91)に対し、短辺側が該軸部(91)の軸方向に延びるように接続されている。
【0101】
また、上記浄化用水車(90)は、上記羽根(92)の一部が上記水タンク(41)内の加湿水に浸漬されるように配置されていて、上記駆動モータ(44)によって回転駆動されると、上記羽根(92)によって加湿水をより確実にすくい上げることができるように構成されている。
【0102】
これにより、上記浄化用水車(90)の回転によって上記水タンク(41)内の加湿水を液面の上方へより確実に搬送して、該水タンク(41)内に導入される活性種によってより確実に浄化することができる。
【0103】
−実施形態1の変形例3−
この変形例3は、図8に示すように、浄化用水車(100)が、複数の平行な平板によって形成されている点が上記実施形態1とは異なる。
【0104】
具体的には、上記浄化用水車(100)は、円筒状の円筒部(101)内に複数の平板部(102)が互いに平行に配置されてなるもので、該円筒部(101)及び平板部(102)が一体形成されている。また、上記浄化用水車(100)の円筒部(101)の中心には、該中心を通る平板部(102)に軸部(103)が設けられている。上記浄化用水車(100)は、上記軸部(103)を中心に回転するように構成されている。なお、上記変形例1のように、上記軸部(103)に駆動モータ(44)を直接、接続してもよいし、上記実施形態1のように、動力伝達歯車を介して上記浄化用水車(100)を回転駆動させるようにしてもよい。
【0105】
また、上記浄化用水車(100)も、上記実施形態1やその変形例1、2と同様、一部が水タンク(41)内の加湿水に浸漬されるように配置されている。これにより、上記浄化用水車(100)が回転すると、該浄化用水車(100)の表面に付着した加湿水が該浄化用水車(100)の回転に伴って液面の上方へ移動する。そして、この加湿水は、上記水タンク(41)内に導入された活性種と接触して、浄化される。
【0106】
−実施形態1の変形例4−
この変形例4は、図9に示すように、浄化用水車(110)が、上述の各変形例の複数の浄化用水車を軸方向に組み合わせてなる点が上記実施形態1とは異なる。
【0107】
具体的には、上記浄化用水車(110)は、軸部(111)に対して軸方向に並べられた複数の円盤部材(112)と、該円盤部材(112)間の軸部(111)上に配設され、該軸部(111)の径方向外方に延びる複数の羽根(113)とを備えている。なお、上記変形例1のように、上記軸部(111)に駆動モータ(44)を直接、接続してもよいし、上記実施形態1のように、動力伝達歯車を介して上記浄化用水車(110)を回転駆動させるようにしてもよい。
【0108】
上述のような構成の浄化用水車(110)を用いることで、該浄化用水車(110)を回転させれば、上記円盤部材(112)及び羽根(113)の両方で水タンク(41)内の加湿水を液面の上方に搬送することができ、該水タンク(41)内に導入される活性種によって加湿水を効率良く浄化することができる。
【0109】
なお、上記図9の例では、変形例1、2の浄化用水車を組み合わせているが、この限りではなく、変形例1、3の浄化用水車を組み合わせてもよい。
【0110】
《実施形態2》
図10に、実施形態2に係る調湿装置の水タンク内の浄化用水車(120)の構成を示す。この浄化用水車(120)は、水タンク(41)内に複数の水車(121,122)を回転軸が平行になるように配置した点で、上記実施形態1の構成とは異なる。そのため、上記実施形態1と同一の部分には同一の符号を付して、異なる部分について以下で説明する。
【0111】
具体的には、水タンク(41)内には、回転軸が平行になるように2つの円盤状の水車(121,122)が配置されている。これらの水車(121,122)は、一方の水車(122)が上記水タンク(41)の加湿水中に浸漬されていて、他方の水車(121)が該一方の上方に位置し、加湿水の液面から一部が露出するように配置されている。また、上記水車(121,122)は、上側の水車(121)の軸部(123)に駆動モータ(44)が接続されていて、下側の水車(122)は上記上側の水車(121)の回転によって回転するように構成されている。すなわち、例えば、上記各水車(121,122)の外周面にはそれぞれ歯部が設けられていて、該水車(121,122)は、これらの歯部で互いに噛合するように配置されている。
【0112】
上述の構成により、上側の水車(121)が駆動モータ(44)によって回転すると、下側の水車(122)は上側の水車(121)とは反対方向に回転する。これにより、上記上側の水車(121)で、水タンク(41)内の加湿水を液面の上方まで搬送することができる一方、上記下側の水車(122)によって該水タンク(41)内の加湿水を攪拌して、活性種によって浄化された加湿水が水タンク(41)内に偏在するのを防止できる。
【0113】
また、上述のように、水車(121,122)を上下に2つ並べることで、上記水タンク(41)内の加湿水の液面が上下に変化した場合でも、上記水車(121,122)のいずれかによって加湿水を液面の上方まで確実に搬送することができる。
【0114】
なお、このような水タンク(41)内での加湿水の液面変化ΔWLに対応するために、図11に示すように、水車(124,125,126)を上下に3つ並べるようにしてもよいし、それよりも多い数の水車を並べてもよい。このように、3つ以上の水車を並べる場合でも、上記図10の構成と同様、一つの水車を駆動モータ(44)によって回転駆動させ、その水車の回転によって残りの水車を回転させるようにすればよい。また、上述のように、複数の水車を用いることで、小さい水タンク内にも配置することができ、加湿水が付着し且つ水タンク内に導入される活性種と接触する水車の表面積を或る程度、確保することができる。
【0115】
−実施形態2の効果−
以上より、この実施形態によれば、水タンク(41)内に回転軸が平行になるように上下に複数の水車(121,122)を配置して、上側の水車(121)の一部を水タンク(41)内の加湿水の液面よりも上方に位置付けるとともに、下側の水車(122)を加湿水中に浸漬させることで、上記上側の水車(121)によって加湿水を液面の上方まで搬送できるとともに、上記下側の水車(122)によって上記水タンク(41)内の加湿水を攪拌して該水タンク(41)内の加湿水全体を効率良く浄化することが可能になる。
【0116】
また、上述のように、水タンク(41)内に水車(121,122)を上下に並べることで、該水タンク(41)内の加湿水の液面が上下に変動した場合でも、上記水車(121,122)の回転によって加湿水を液面の上方に確実に搬送することができ、上記水タンク(41)内に導入された活性種と確実に接触させることができる。
【0117】
さらに、上記水タンク(41)が小さく、該水タンク(41)内での加湿水の液面の変化が大きい場合に、上述のように複数の水車(121,122)を用いることで、大型の水車を用いることなく液面変化に対応できるとともに、小型の水車であっても複数、設けることによって表面積を確保することができる。
【0118】
《実施形態3》
図12に、実施形態3に係る調湿装置の水タンク(41)の内部の構成を示す。この水タンク(41)の内部は、該水タンク(41)内に導入される活性種を、水車(131)によって搬送される加湿水に対して効率良く接触させるように構成されている点で、上記実施形態1、2の構成とは異なる。そのため、上記実施形態1、2と同一の部分には同一の符号を付して、異なる部分について以下で説明する。
【0119】
具体的には、水タンク(41)の内部には、上記実施形態1の変形例1と同様、円盤状の水車(131)が、加湿水に一部が浸漬された状態で配置されているとともに、該水車(131)に対して風を送るためのファン(132)が設けられている。このファン(132)は、ファン用モータ(133)によって回転するように構成されていて、上記水タンク(41)の内部上方に設けられている。
【0120】
これにより、上記ファン(132)の回転によって、上記水タンク(41)内に導入された活性種は上記水車(131)に吹き当てられる。したがって、上記水車(131)の回転で液面の上方まで搬送された加湿水に対して活性種を効率良く且つ確実に接触させることができる。
【0121】
−実施形態3の効果−
以上より、この実施形態によれば、水タンク(41)内に、水車(131)に対して風を送るためのファン(132)を設けることで、該水タンク(41)内に導入された活性種を該ファン(132)によって上記水車(131)に吹き当てて、該水車(131)によって搬送される加湿水を活性種と効率良く且つ確実に接触させることができ、該加湿水を効率良く且つ確実に浄化することができる。
【0122】
−実施形態3の変形例1−
この変形例1は、図13に示すように、水タンク(41)の内部に、ファン(132)の代わりに、搬送ダクト(53)と繋がる活性種の供給部(134)を設けた点で、上記実施形態3とは異なる。
【0123】
具体的には、上記水タンク(41)の内部には、搬送ダクト(53)の水タンク(41)内方側から水車(131)の上方まで活性種を搬送するための供給部(134)が設けられている。この供給部(134)は、上記搬送ダクト(53)から水車(131)の上方まで延びる供給ダクト(135)と、該供給ダクト(135)の水車(131)側の先端部に設けられる供給ノズル(136)とを備えている。
【0124】
これにより、上記搬送ダクト(53)を介して放電部(51)から水タンク(41)内に導入された活性種は、上記供給部(134)の供給ダクト(135)及び供給ノズル(136)を介して上記水車(131)の表面に直接、供給される。
【0125】
したがって、上記水車(131)によって液面の上方に搬送される加湿水に対し、活性種をより確実に接触させることができ、該加湿水をより効率良く且つ確実に浄化することができる。
【0126】
−実施形態3の変形例2−
この変形例2は、図14に示すように、ファン(132)の代わりに、放電によるイオン風を利用した点で、上記実施形態3とは異なる。
【0127】
具体的には、水タンク(41)内には、ファン(132)の代わりに、放電装置(137)が配設されている。この放電装置(137)は、針状電極(138)とリング状電極(139)とを備えていて、それらの電極に対して電圧を印加すると、電極間で放電を生じるように構成されている。このような放電が生じると、放電によって生じるイオンの泳動に励起されて空気流(イオン風)が発生する。この空気流は、上記針状電極(138)からリング状電極(139)に対して発生するため、上記図14に示すように、上記針状電極(138)を上方に、上記リング状電極(139)を下方に配置することで、下方への空気の流れを生じさせることができる。
【0128】
以上より、上記放電装置(137)で電極(138,139)間に電圧をかけることによって、該電極(138,139)間にイオン風を発生させ、そのイオン風を利用して上記水タンク(41)内の活性種を上記水車(131)に吹き当てることができる。したがって、上記実施形態3のように、モータ(133)やファン(132)を用いることなく、放電装置(137)で発生するイオン風を利用して、加湿水と活性種を効率良く且つ確実に接触させて、該加湿水を浄化することができる。
【0129】
《実施形態4》
この実施形態4に係る調湿装置では、水タンク(41)内に配設される水車の表面に工夫を凝らした点で、上記実施形態1から3の構成とは異なる。そのため、上記実施形態1から3と同一の部分には同一の符号を付して、異なる部分について以下で説明する。
【0130】
具体的には、水車の表面には、該表面に加湿水が付着した場合に該加湿水が膜状となるように、親水処理が施されているものとする。これにより、加湿水は活性種と面で接触できるため、表面が撥水性の場合のように、水車の表面に付着した加湿水が水玉状になって加湿水と活性種との接触面積が減少するのを防止できる。
【0131】
なお、水車の表面を親水処理するのではなく、該水車自体を親水性の材料によって構成してもよい。
【0132】
また、図15(A)に示すように水車(141)の表面に多くの凹部(142)を設けたり、図15(B)に示すように水車(143)に多数の貫通穴(144)を形成したりしてもよい。これにより、上記水車(141)の表面の凹部(142)や、水車(143)の貫通穴(144)内に、多くの加湿水を保持することができ、該水車(141,143)によって液面の上方へ搬送する加湿水の水量を増やすことができる。
【0133】
ここで、上述のような水車の親水性の表面や、凹部(142)、貫通穴(144)が、本発明の保持部に対応する。
【0134】
なお、本実施形態の構成は、単なる円盤状の水車に適用してもよいし、上記各実施形態の構成を有する水車に適用してもよい。
【0135】
−実施形態4の効果−
以上より、この実施形態によれば、水車の表面を親水性にすることで、該表面上に付着した加湿水が水玉状になることなく、膜状になるため、活性種との接触面積の減少を防止でき、該活性種によって加湿水をより確実に浄化することができる。
【0136】
また、水車(141)の表面に凹部(142)を設けたり、水車(142)に貫通穴(144)を設けたりすることで、該水車(141,142)により多くの加湿水を保持することができるため、上記水車(141,142)の回転に伴ってより多くの加湿水を活性種によって浄化することができる。
【0137】
−実施形態4の変形例−
この変形例は、図16に示すように、水車(145,147,149)の表面に複数の溝(146,148,151)を設けて、該水車(145,147,149)の回転に伴って該溝(146,148,151)内を加湿水が流れるようにした点で、上記実施形態4とは異なる。
【0138】
具体的には、上記図16(A)に示すように、水車(145)の表面には、複数の溝(146)が円盤状の水車(145)の中心から径方向に延びるように形成されている。これらの溝(146)は、上記水車(145)の回転に伴って、該水車(145)に付着した加湿水が流れるように形成されている。これにより、上記水車(145)の表面全体に効率良く加湿水を付着させることができる。よって、水タンク(41)内の加湿水の水量が少ない場合でも、上記水車(145)全体に加湿水を付着させて、該水タンク(41)内の活性種と接触させることができる。
【0139】
なお、上記図16(A)では、円盤状の水車(145)の表面に径方向に延びるように水(146)を形成しているが、この限りではなく、図16(B)に示すように、水車(147)の一方向に延び且つ平行に並ぶように溝部(148)を設けてもよい。また、図16(C)に示すように、上記実施形態1の変形例2のような水車(148)の羽根(149)の表面に複数の溝(150)を設けてもよい。
【0140】
《実施形態5》
実施形態5は、上記各実施形態において、水タンク(41)内に案内部材(160)を設けたものである。以下には、上記各実施形態と異なる点について説明する。
【0141】
図17(A)及び(B)に示すように、水タンク(41)内の反応室(48)には、案内部材(160)が設けられている。案内部材(160)の外形は、容器(41)の上下及び左右の内壁に沿うような略四角柱状に形成されている。つまり、案内部材(160)の外縁部は、容器(41)の上下左右の各内壁と当接しながら固定されている。そして、案内部材(160)は、反応室(48)を概ね2つの空間に仕切っている。これらの2つの空間は、一方が上記搬送ダクト(53)の搬送路(導入路(52))と繋がる流入側反応室(48a)を構成し、他方が上記排出ダクト(56)の排出路(56a)と繋がる流出側反応室(48b)を構成している。
【0142】
本実施形態の案内部材(160)の内部には、略円柱状の案内流路(161)が形成されている。案内流路(161)は、軸方向の一端が流入側反応室(48a)に向かって開口し、軸方向の他端が流出側反応室(48b)に向かって開口している。つまり、案内流路(161)は、流入側反応室(48a)と流出側反応室(48b)とを繋いでおり、反応室(48)へ流入した活性種を案内するように構成されている。そして、案内流路(161)には、浄化用水車(60)が配設されている。
【0143】
本実施形態の浄化用水車(60)は、その外形が略円板状、あるいは円柱状に形成されている。案内部材(160)では、この浄化用水車(60)の外周縁部(60a)に沿うように案内流路(161)が形成されており、案内流路(161)に浄化用水車(60)が内嵌している。なお、本実施形態では、浄化用水車(60)の外周縁部(60a)は、案内流路(161)の内縁部とが僅かに摺接するシール部を構成している。
【0144】
また、浄化用水車(60)は、格子状の円板部材で構成されている。つまり、浄化用水車(60)は、上記の外周縁部を構成する環状の枠部(60a)と、該枠部(60a)の内側において縦方向に延びる複数の縦壁部(60b)と、該縦壁部(60b)と直交するように横方向に延びる複数の横壁部(60c)とを有している。そして、浄化用水車(60)では、枠部(60a)の内側において、複数の通気孔(60d)が軸方向に延びて形成されている。この通気孔(60d)は、流入側反応室(48a)と流出側反応室(48b)とを連通させている。また、本実施形態の浄化用水車(60)では、その軸方向両端部にそれぞれ突出するように軸部(63)が形成されており、この軸部(63)が軸受け部(41c,41c)に回転自在に支持されている。
【0145】
実施形態5では、搬送路(52)から水タンク(41)内に導入された活性種を含む空気は、まず流入側反応室(48a)に流入する。また、浄化用水車(60)は、図示を省略した駆動軸等によって回転駆動され、案内部材(160)の案内流路(161)で回転する。
【0146】
流入側反応室(48a)に流入した空気は、案内部材(160)の案内流路(161)側へ送り込まれる。ここで、浄化用水車(60)の外周縁部(枠部(60a))は、案内流路(161)の内周縁部と摺接してシール部を構成している。このため、流入側反応室(48a)の空気は、水面上で気相空間に露出した状態の複数の通気孔(60d)に流入し、この通気孔(60d)を軸方向に流れる。ここで、通気孔(60d)の内壁表面には貯留水が付着しているため、通気孔(60d)を流れる空気中の活性種と、通気孔(60d)内の貯留水とが効率良く接触する。その結果、通気孔(60d)内の貯留水が効率良く浄化される。貯留水の浄化に利用された後の空気は、通気孔(60d)から流出側反応室(48b)へ送られ、その後に排出路(56a)を通じて水タンク(41)の外部へ排出される。
【0147】
以上のように、実施形態5では、案内部材(160)の案内流路(161)に浄化用水車(60)を配設したので、水タンク(41)へ流入させた活性種を浄化用水車(60)の近傍へ確実に送ることができる。このため、活性種と貯留水の気液接触効率を向上させることができ、ひいては貯留水の浄化効率を向上できる。また、浄化用水車(60)を、複数の通気孔(60d)が形成された格子状の円板部材で構成しているため、浄化用水車(60)の加工を比較的容易とでき、且つ浄化用水車(60)の内部に複数の通気孔(60d)を形成することができる。更に、浄化用水車(60)の外周縁部(60a)を案内流路(161)の内周縁部と摺接させてシール部を構成するようにしたので、空気が浄化用水車(60)の外周側を流通してしまうことを防止でき、この空気を確実に通気孔(60d)へ送ることができる。
【0148】
〈実施形態5の変形例1〉
実施形態5の変形例1は、上記実施形態5と異なる浄化用水車(60)が案内流路(161)に配設されている。具体的には、図18(A)及び(B)に示すように、この変形例1の浄化用水車(60)は、軸部(63)と、この軸部(63)の外周に固定されて径方向に延びる複数の回転羽根部(60e)と、各回転羽根部(60e)の径方向外側の端部に固定される環状の枠部(60a)と、該枠部(60a)の内周面に固定される多数の補助羽根部(60g)とを有している。
【0149】
軸部(63)は、円柱状の案内流路(161)の内部を軸方向に延びており、その両端が軸受け部(41c,41c)によって回転自在に支持されている。軸部(63)の外周には、4枚の回転羽根部(60e)が設けられている。各回転羽根部(60e)は、案内流路(161)の両端に跨るように軸方向に延びている。環状の枠部(60a)は、その外周面が案内流路(161)の内周縁部と摺接してシール部を構成している。また、環状の枠部(60a)は、その内側に複数の補助羽根部(60g)を支持する支持部材を構成している。
【0150】
また、この変形例1では、軸部(63)の軸直角断面で視た場合において、上記実施形態1と同様にして4つの領域の補助羽根部(60g)が、隣り合う領域同士で互いに直交するように配列されている。また、補助羽根部(60g)は、案内流路(161)の両端に跨るように軸方向に延びている。以上のような構成の浄化用水車(60)では、枠部(60a)の内側であって、回転羽根部(60e)や補助羽根部(60g)の間に、空気が流通可能な通気孔(60d)が形成されている。
【0151】
実施形態5の変形例1において、流入側反応室(48a)の空気は案内部材(160)側へ送られ、浄化用水車(60)内の複数の通気孔(60d)を流れる。つまり、この空気は、環状の枠部(60a)の内側において、複数の補助羽根部(60g)の間の通路や、回転羽根部(60e)と補助羽根部(60g)との間の通路等を流れる。これにより、空気中の活性種と貯留水とが、補助羽根部(60g)や回転羽根部(60e)の表面で効率良く接触する。その結果、この変形例1においても、貯留水が効率良く浄化される。通気孔(60d)を流出した空気は、流出側反応室(48b)及び排出路(56a)を通じて水タンク(41)の外部へ排出される。
【0152】
〈実施形態5の変形例2〉
実施形態5の変形例2は、上記実施形態5と異なる浄化用水車(60)が案内流路(161)に配設されている。具体的には、図19(A)及び(B)に示すように、この変形例2の浄化用水車(60)は、軸部(63)と、この軸部(63)の外周に固定されて径方向に延びる複数の回転羽根部(60e)と、各回転羽根部(60e)の厚さ方向の一方の面に固定される複数の補助羽根部(60g)とを有している。
【0153】
軸部(63)及び回転羽根部(60e)は、上記実施形態5の変形例1と同様に構成されているが、この変形例2では、回転羽根部(60e)の径方向外側の端部に環状の枠部(60a)が設けられていない。そして、この変形例2では、浄化用水車(60)の外周縁部(即ち、各回転羽根部(60e)の径方向外側の端部)と、案内流路(161)の内周縁部との間には、所定の隙間(S)が形成されている。つまり、変形例2では、浄化用水車(60)が案内流路(161)の内周縁部と摺接しない構成となっている。
【0154】
補助羽根部(60g)は、回転羽根部(60e)における回転方向(図19(B)における時計回り方向)側の側面において、径方向に所定の間隔を介して配列されている。また、この変形例2についても、軸部(63)の軸直角断面視において、上記実施形態1と同様にして4つの領域の補助羽根部(60g)が、隣り合う領域同士で互いに直交するように配列されている。また、補助羽根部(60g)は、案内流路(161)の両端に跨るように軸方向に延びている。
【0155】
実施形態5の変形例2において、流入側反応室(48a)の空気は案内部材(160)の案内流路(161)を流れる。この空気は、案内流路(161)の内壁と、複数の補助羽根部(60g)や回転羽根部(60e)の間の通路を流れる。この際、補助羽根部(60g)や回転羽根部(60e)の表面に付着した貯留水と、空気中に含まれる活性種とが効率良く接触し、貯留水の浄化が図られる。以上のように、この変形例2においても、反応室(48)に流入した活性種は、案内部材(160)に案内されて浄化用水車(60)の近傍を確実に流れるため、充分な気液接触効率を得ることができる。
【0156】
〈実施形態5の変形例3〉
実施形態5の変形例3は、上記実施形態5と異なる浄化用水車(60)が案内流路(161)に配設されている。具体的には、図20(A)及び(B)に示すように、この変形例3の浄化用水車(60)は、上記実施形態1の浄化用水車(60)と概ね同様に構成されており、軸部(63)と、この軸部(63)の外周に固定される円板状のベース部(61)と、ベース部(61)の軸方向端面に固定される複数の羽根(62)とを有している。
【0157】
軸部(63)は、上記実施形態5の変形例1や2と同様に構成されている。ベース部(61)は、軸部(63)のうち流出側反応室(48b)寄りの部位に固定され、ベース部(61)の軸心に軸部(63)が貫通している。また、複数の羽根(62)は、上記実施形態1と同様にして、ベース部(61)のうち流入側反応室(48a)側の側面に固定されている。複数の羽根(62)は、軸部(63)と平行となるようにして、流入側反応室(48a)側に向かって軸方向に延びる突出部を構成している。なお、この変形例3の複数の羽根(62)の配列パターンは、上記実施形態1と概ね同じである。
【0158】
また、実施形態5の変形例3では、上記実施形態5よりも案内部材(160)の軸方向長さが短くなっている。そして、案内部材(160)の内部の円柱状の案内流路(161)には、浄化用水車(60)の一部である羽根(62)が配設されている。そして、案内部材(160)とベース部(61)との間には、所定の間隔が置かれている。
【0159】
実施形態5の変形例3では、流入側反応室(48a)の空気が案内流路(161)の内壁と、複数の羽根(62)との間を流通する。これにより、空気中の活性種と貯留水とが、羽根(62)の表面で効率良く接触する。その結果、この変形例3においても、貯留水が効率良く浄化される。複数の羽根(62)の間を流れる空気は、ベース部(61)に沿うように上方へ案内された後、流出側反応室(48b)及び排出路(56a)を通じて水タンク(41)の外部へ排出される。
【0160】
〈実施形態5の変形例4〉
実施形態5の変形例4は、上記実施形態5と異なる浄化用水車(60)が案内流路(161)に配設されている。具体的には、図21(A)及び(B)に示すように、この変形例4の浄化用水車(60)は、軸部(63)と、この軸部(63)の外周に固定される複数の円板部(165)とを有している。
【0161】
この変形例4の軸部(63)は、流入側反応室(48a)と流出側反応室(48b)との間に位置するように、案内部材(160)の案内流路(161)内を水平に延びている。軸部(63)の両端は、軸受け部(図示省略)に枢支されている。複数の円板部(165)は、軸部(63)の軸方向に所定の間隔を置きながら並設されている。つまり、軸部(63)は、複数の円板部(165)の軸心を貫通している(図22を参照)。
【0162】
また、実施形態5の変形例4では、水タンク(41)の上側内壁と下側内壁とにそれぞれ案内部材(160,160)が設けられている。そして、これらの案内部材(160,160)の間に案内流路(161)が形成されている。つまり、上側の案内部材(160)は、円板部(165)の上部外縁に沿うように断面円弧状の内壁を構成し、下側の案内部材(160)は、円板部(165)の下部外縁に沿うように断面円弧状の内壁を構成している。また、この変形例4では、複数の円板部(165)と各案内部材(160)とが僅かに摺接している。
【0163】
実施形態5の変形例4では、流出側反応室(48b)の空気が各案内流路(161)の内壁と複数の円板部(165)との間の通路を流通する。これにより、空気中の活性種と貯留水とが、羽根(62)の表面で効率良く接触する。その結果、この変形例4においても、貯留水が効率良く浄化される。複数の羽根(62)の間を流れる空気は、流出側反応室(48b)及び排出路(56a)を通じて水タンク(41)の外部へ排出される。
【0164】
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0165】
また、上記各実施形態では、オゾン供給ユニット(50)内でストリーマ放電によって活性種を発生させているが、この限りではなく、活性種を発生できる構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0166】
さらに、上記各実施形態では、調湿装置(10)が加湿運転を行うように構成されているが、この限りではなく、除湿運転を行うように構成されていてもよい。このように除湿運転を行う場合、除湿によって集めた水を水タンク(41)内に貯留するように構成することで、該水タンク(41)内に加湿水を補充する量や頻度を低減することができる。
【0167】
また、上記各実施形態では、活性種を発生させる放電部(51)を、容器(41)の外方に設けているが、この限りではなく、該容器(41)内に設けてもよい。ただし、上記放電部(51)での結露の発生防止や活性種の発生効率等の観点から、上記各実施形態のように、放電部(51)は容器(41)外に設けるのが好ましい。
【0168】
また、上記実施形態1では、動力伝達歯車(66)を介して浄化用水車(60)を回転するようにしているが、この限りではなく、該浄化用水車(60)の軸部(63)に直接、駆動モータ(44)を接続して回転させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0169】
以上説明したように、本発明は、水を貯留するための水タンクを備えていて、該水タンク内の水を利用して空間内の湿度を調整するように構成された調湿装置に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る調湿装置の構成(水タンク及び加湿ロータを引き出した状態)を示す斜視図である。
【図2】図2は、調湿装置の内部の概略構成を側方から見た断面図である。
【図3】図3は、(A)水タンクの断面図、(B)(A)におけるIIIb-IIIb線断面図である。
【図4】図4は、水車の羽根の他の形態を示す図である。
【図5】図5は、(A)ファン及び放電部とコントローラとの信号の授受を示すブロック図、(B)ファンの間欠運転を行う場合のファンと放電部との運転動作の関係を示す図である。
【図6】図6は、変形例1に係る調湿装置の水車を模式的に示す図である。
【図7】図7は、変形例2に係る調湿装置の水車を示す図6相当図である。
【図8】図8は、変形例3に係る調湿装置の水車を示す図6相当図である。
【図9】図9は、変形例4に係る調湿装置の水車を示す図6相当図である。
【図10】図10は、実施形態2に係る調湿装置の水車を示す図6相当図である。
【図11】図11は、水車を上下方向に3つ並べた場合を示す図6相当図である。
【図12】図12は、実施形態3に係る調湿装置の水タンク内の構成を示す図6相当図である。
【図13】図13は、変形例1に係る調湿装置の水タンク内の構成を示す図6相当図である。
【図14】図14は、変形例2に係る調湿装置の水タンク内の構成を示す図6相当図である。
【図15】図15は、実施形態4に係る調湿装置の水車において、(A)表面に凹部を設けた場合、(B)貫通穴を設けた場合の部分拡大断面図である。
【図16】図16は、変形例1に係る調湿装置の水車において、(A)水車の表面に放射状に溝を設けた場合、(B)水車の表面に一方向に溝を設けた場合、(C)実施形態1の変形例2と同様の構成を有する水車の羽根の表面に溝を設けた場合を模式的に示す図である。
【図17】図17は、実施形態5に係る水タンク内の概略構成を示す図であり、(A)は浄化用水車の縦断面図であり、(B)は浄化用水車を上流側反応室から視た図である。
【図18】図18は、実施形態5の変形例1に係る水タンク内の概略構成を示す図であり、(A)は浄化用水車の縦断面図であり、(B)は浄化用水車を上流側反応室から視た図である。
【図19】図19は、実施形態5の変形例2に係る水タンク内の概略構成を示す図であり、(A)は浄化用水車の縦断面図であり、(B)は浄化用水車を上流側反応室から視た図である。
【図20】図20は、実施形態5の変形例3に係る水タンク内の概略構成を示す、図17相当図である。
【図21】図21は、実施形態5の変形例4に係る水タンク内の概略構成を示す図であり、(A)は浄化用水車の縦断面図であり、(B)は浄化用水車を上流側反応室から視た図である。
【図22】図22は、実施形態5の変形例4の浄化用水車の概略の斜視図である。
【符号の説明】
【0171】
10 調湿装置
40 加湿ユニット(加湿機構)
41 水タンク(容器)
51 放電部(活性種発生手段)
52 搬送路(導入路)
60,80,90,100,110,120,131,141,143,145,147,149 浄化用水車(回転体)
60a 枠部(外周縁部)
60e 回転羽根部
61 ベース部
62 羽根(羽根部、突起部)
63 軸部
65 モータ(駆動手段)
66 動力伝達歯車(第2回転体)
67 回転軸
70 溝部(保持部)
121 上側の水車(回転体)
122 下側の水車(回転体)
132 ファン(送風手段)
142 凹部(保持部)
144 貫通穴(保持部)
146,148,151 溝(保持部)
160 案内部材
161 案内流路
165 円板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(41)内に貯留された貯留水によって空間内を加湿する加湿機構(40)を備えた調湿装置であって、
上記容器(41)内に活性種が存在するように該活性種を発生させる活性種発生手段(51)と、
上記容器(41)内に設けられ、該容器(41)内の貯留水を液面よりも上方へ搬送して該容器(41)内で上記活性種と接触させるように、少なくとも一部が上記貯留水中に浸漬された状態で回転する回転体(60)とを備えていることを特徴とする調湿装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記活性種発生手段(51)は、上記容器(41)の外方に設けられていて、
上記活性種発生手段(51)で発生した活性種を上記容器(41)内に導入する導入路(52)をさらに備えていることを特徴とする調湿装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記容器(41)内に設けられ、上記回転体(60)を回転駆動するように、該回転体(60)と係合し且つ回転軸(67)を介して駆動手段(65)に接続される第2回転体(66)をさらに備えていて、
上記第2回転体(66)は、その回転軸(67)が上記容器(41)内の貯留水の液面よりも常に上方に位置するように配置されていることを特徴とする調湿装置。
【請求項4】
請求項1または2において、
上記回転体(121,122)は、回転軸が上下方向に互いに平行になるように複数、並設されていて、該複数の回転体(121,122)のうち少なくとも一番上に位置する回転体(121)の一部が、上記容器(41)内の貯留水の液面よりも上方に位置するように配置されていることを特徴とする調湿装置。
【請求項5】
請求項1または2において、
上記容器(41)内に設けられ、上記回転体(131)に対して活性種を吹き当てるように構成された送風手段(132)をさらに備えていることを特徴とする調湿装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
上記活性種発生手段(51)で発生した活性種を含む空気を上記容器(41)内に導入する導入路(52)と、
上記容器(41)内に導入した空気を容器(41)の外部へ排出する排出路(56a)と、
上記容器(41)内に設けられて上記導入路(52)側の空間と上記排出路(56a)側の空間とを繋ぐ案内流路(161)を形成する案内部材(160)とを更に備え、
上記回転体(60)が、上記案内流路(161)に配置されていることを特徴とする調湿装置。
【請求項7】
請求項6において、
上記回転体(60)は、その外形が略円板状に形成され、
上記案内部材(160)には、上記回転体(60)の外周縁部に沿うような略円柱状の案内流路(161)が形成されていることを特徴とする調湿装置。
【請求項8】
請求項7において、
上記回転体(60)には、上記外周縁部を構成する環状の枠部(60a)と、該環状の枠部(60a)の内側を軸方向に延びる複数の通気孔(60d)とが形成されていることを特徴とする調湿装置。
【請求項9】
請求項8において、
上記回転体(60)は、上記複数の通気孔(60d)が形成された格子状の円板部材で構成されていることを特徴とする調湿装置。
【請求項10】
請求項8又は9において、
上記回転体(60)は、その外周縁部が上記案内流路(161)の内縁部と摺接してシール部を構成していることを特徴とする調湿装置。
【請求項11】
請求項7において、
上記回転体(60)は、軸心を構成する軸部(63)と、該軸部(63)から径方向に延びる複数の回転羽根部(60e)とを備えていることを特徴とする調湿装置。
【請求項12】
請求項7において、
上記回転体(60)は、軸心を構成する軸部(63)と、該軸部(63)と同軸となるように該軸部(63)と連結する略円板状のベース部(61)と、該ベース部(61)から軸部(63)と平行に延びる複数の突起部(62)とを備えていることを特徴とする調湿装置。
【請求項13】
請求項6において、
上記回転体(60)は、軸心を構成する軸部(63)と、該軸部(63)の周りに軸方向に並設される複数の円板部(165)とを有し、
上記案内部材(160)には、上記複数の円板部(165)の配列方向と直交する方向に上記案内流路(161)が形成されていることを特徴とする調湿装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一つにおいて、
上記回転体(60)の表面には、貯留水を保持するための保持部(70)が設けられていることを特徴とする調湿装置。
【請求項15】
請求項14において、
上記保持部は、上記回転体(60)の表面に形成された複数の溝部(70)であることを特徴とする調湿装置。
【請求項16】
請求項15において、
上記溝部(70)は、上記回転体(60)の表面上で互いに交差する方向に延びるように設けられていることを特徴とする調湿装置。
【請求項17】
請求項16において、
上記回転体(60)は、略円盤状に形成されていて、
上記溝部(70)は、上記回転体(60)の表面が周方向に複数分割されてなる略扇状の各領域において、隣り合う領域で互いに交差する方向に延びるように設けられていることを特徴とする調湿装置。
【請求項18】
請求項15から17のいずれか一つにおいて、
上記回転体(60)は、略円盤状に形成されていて、
上記回転体(60)の表面には、複数の突条の羽根部(62)が設けられていて、
上記溝部は、上記羽根部(62)同士の間に形成されていることを特徴とする調湿装置。
【請求項19】
請求項14において、
上記保持部は、上記回転体の表面に設けられた親水性部分であることを特徴とする調湿装置。
【請求項20】
請求項14において、
上記保持部は、上記回転体(141)の表面に形成された凹部(142)であることを特徴とする調湿装置。
【請求項21】
請求項14において、
上記保持部は、上記回転体(143)に形成された貫通穴(144)であることを特徴とする調湿装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−43833(P2010−43833A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3968(P2009−3968)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】