説明

調理実習台

【課題】 天板の周りを行き来する実習生がむき出しの配管に足を取られることがないように配管類を覆ったカバー部材を天板下部で簡易に取り付けることができる調理実習台を提供すること。
【解決手段】 少なくとも4隅を脚柱9で支持した天板2の一端側にコンロ7を、他端側にシンク8を配置して調理を行う調理実習台1において、このシンク8には天板2の側部2d寄りに給水管8c及び排水管8bが配備され、シンク8側の2隅の脚柱9,9に取り付けたカバー部材11,12により給水管8c及び排水管8bが覆われているので、シンク8周りで活動する実習生19がこれらの配管に足を取られるようなことがない。またカバー部材11,12が天板2の側部側に近づくことになり、天板2を支持する2隅の脚柱9,9への取り付けにも便利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも4隅を脚柱で支持した天板の一端側にコンロを、他端側にシンクを配置して調理を行う調理実習台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の調理台は、天板にガスレンジや電磁加熱器等のコンロと、食材の水洗い等のためのシンクと、食材の切断や盛り付け用の調理台を備えており、シンク下の給水管や排水管が外部から直接見えないように覆ったキャビネットタイプのものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そしてこのキャビネットタイプにおいては、板材等でキャビネットの外側部を完全に囲むことで給水管や排水管を覆っており、人が直接配管に触れることがないので安全である。しかし、複数の実習生が使う脚柱で天板を支持したやや広めのテーブルタイプの調理台においては、配管類を覆うカバーの取り付け場所に制約があり、下側部全体を覆うようにすることは重くなるだけでなくコストも嵩むことから、配管類をむき出し状態にしたものがほとんどである(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−104070号公報(図3参照)
【特許文献2】実用新案登録第2582814号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載の調理台にあっては、多くの実習生が天板の周りを調理のために行き来するので、むき出しの配管に足を取られる恐れがあり、またシンクで作業する際に、配管類が足につかえて邪魔になることもあった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、天板の周りを行き来する実習生がむき出しの配管に足を取られることがないように配管類を覆ったカバー部材を天板下部で簡易に取り付けることができる調理実習台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の調理実習台は、少なくとも4隅を脚柱で支持した天板の一端側にコンロを、他端側にシンクを配置して調理を行う調理実習台であって、前記シンクには天板の側部寄りに給水管及び排水管が配備され、シンク側の2隅の脚柱に取り付けたカバー部材により前記給水管及び排水管が覆われていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー部材により給排水管を覆うので見栄えが良いばかりでなく、シンク周りで活動する実習生が配管に足を取られるようなことがなく、しかも給水管及び排水管が天板の側部寄りに配備することで、それらを覆うカバー部材が天板側部側に近づくことになり、天板を支持する2隅の脚柱への取り付けに便利である。
【0007】
本発明の請求項2に記載の調理実習台は、請求項1に記載の調理実習台であって、前記シンクを天板の前後方向略中央部に配置すると共に、シンクに配備した蛇口、前記給水管及び排水管をシンクの左右方向略中心線に沿った位置に設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、シンクを調理実習台の前後方向から実習生が同時に使用することができると共に、蛇口、給水管及び排水管を天板の前後方向略中央部に集めることができるので、シンクがある天板下方前後域に空間部が構成されシンクに近づく足場が確保できる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の調理実習台は、請求項1または2に記載の調理実習台であって、前記カバー部材は天板の前後方向に延びる一対のカバー体で構成され、各カバー体の前端縁と後端縁はそれぞれ前記2隅の脚柱の対向する面側に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー部材を一対のカバー体で構成することで、組み付け取り外しに手間が掛からず、しかもカバー部材は天板2隅の脚柱の対向する面側に取り付けられているので取付状態が外から見えにくく体裁がよい。
【0009】
本発明の請求項4に記載の調理実習台は、請求項1乃至3のいずれかに記載の調理実習台であって、前記一対のカバー体の内、天板内方のカバー体の断面は略中央部が一部突出した凸状であり、天板外方のカバー体は外方に向かって断面略円弧状であることを特徴としている。
この特徴によれば、天板外方のカバー体は断面略円弧状であるので人体が触れても安全であり、また天板内方のカバー体の断面は略中央部が一部突出した凸状であるので、この一部突出した凸状部に配管類を収納させることで、天板の下部を占有する内方のカバー体の占有面積を極力少なくすることができる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の調理実習台は、請求項1乃至4のいずれかに記載の調理実習台であって、前記脚柱にはカバー部材を取り付けるための取付金具が着脱自在に止着されていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー部材が取付金具を介して脚柱に取り付けられるので、脚柱の形状が異なっても対応でき、カバー部材の取付向きも取付金具の位置を調整することで自由に選択できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1における調理実習台の全体像を示す斜視図であり、図2(a)は、調理実習台の右側の正面図であり、図2(b)は、調理実習台の右側面図であり、図3は、調理実習台の脚柱間にカバー部材を取り付ける過程を示す断面図であり、図4は、調理実習台の平面図である。
【0013】
図1に示すこの調理実習台1は、学校等の教室内において複数の人数で調理実習を行う際に利用される多機能なテーブルタイプの台であり、教室内に複数台設置され主に生徒達の調理実習に使用される。以下、本実施例の説明において、図1に示した調理実習台1の正面側を前方をとし背面側を後方とし、調理実習台1のコンロ7側を左方としシンク8側を右方として説明する。
【0014】
まず、調理実習台1の全体像を図1および図2(a)(b)に基づき説明する。図1に示されるように、調理実習台1は複数の実習生に共同作業を行わせるために、天板2の一端側である左方位置に火力調理を行うコンロ7が設けられ、他端側である右方位置に水およびお湯を供給可能な蛇口8aを備えたシンク8が設けられている。
【0015】
天板2は上下方向に向けて立設された複数の脚柱9に支持されており、天板下部には空間部10が形成されている。この空間部10には特に図示しないが各種調理器具等を収納可能な移動式の収納ボックス等を収納することで、空間部10を有効に活用でき機能性が高められている。
【0016】
シンク8の下方には、天板2から床面22の前後方向に延びる外カバー体11および内カバー体12が一対で略円筒形状のカバー部材を構成しており、図2(a)に示されるように、シンク8から床面22に延設された排水管8bと蛇口8aから床面22に延設された水道管8cの両者およびシンク8の一部が調理実習台1の外方周囲から遮蔽される構成となっている。
【0017】
また、図2(b)に示されるように、外カバー体11の取り付けについては後で詳述するが、前後の脚柱9,9間に連結ボルト15で前後上下に4箇所で取り付けられており、排水管8bおよび水道管8cとシンク8の一部が調理実習台1の左側面からも遮蔽されている。
【0018】
図1に示されるように、外カバー体11は薄い金属板で断面略半円状に成型されており、この外カバー体11の前後端縁は折曲された取付片11a、11aをそれぞれ有し、これら前後の取付片11a,11aには所定間隔離間された上下位置に左右方向に貫通する取付孔11b,11bが形成されている。
【0019】
内カバー体12も同様にして、薄い金属板で断面略半円状に成型されており、この内カバー体12の前後端縁は折曲された取付片12a、12aをそれぞれ有し、これら前後の取付片12a,12aには所定間隔離間された上下位置に左右方向に貫通する取付孔12b,12bが形成されている。さらに、上部位置にはシンク8の下部との当接を避けるため凹状の切欠部12cが形成されている。そして、外カバー体11と内カバー体12は連結ボルト15で取付孔11b,12bを介して前方および後方の脚柱9に取り付けられている。
【0020】
そこで、外カバー体11と内カバー体12の取り付けについて具体的に説明すると、図3に示されるように、向かい合う前後の脚柱9,9の対向する面には平面視正方形の金属中空形状の取付金具9aが上下2カ所に脚柱ボルト16によりそれぞれ着脱自在に止着されている。
【0021】
前後の取付金具9aの左右面にはそれぞれ連結ボルト15が螺合可能な螺合穴9bが形成されている。そこで、後方の取付金具9aの右面に形成された螺合穴9bに外方より、外カバー体11の後方側の取付孔11bから介挿された連結ボルト15を螺合することで、この後方の取付金具9aと後方の取付片11aが連結される。
【0022】
同様に前方の取付金具9aの右面に形成された螺合穴9bに外カバー体11の前方側の取付孔11bから介挿された連結ボルト15を螺合することで、この前方の取付金具9aと前方の取付片11aが連結され、前後の脚柱9,9間に外カバー体11の取り付けが完了する。なお、内カバー体12の取付金具9aへの取り付けについても、左右に対称である以外は略同様の構成のため取り付けの説明を省略する。
【0023】
このように、カバー部材を一対の外カバー体11および内カバー体12で構成することで、組み付け取り外しに手間が掛からず容易に行なうことができるとともに、カバー部材(外カバー体11および内カバー体12)は、天板2の前後2隅に配置された脚柱9,9の対向する面側に取付金具9aを介して取り付けられているので、脚柱9,9とカバー部材との取付状態が外から見えにくく体裁がよい。
【0024】
しかも、外カバー体11および内カバー体12が取付金具9aを介して脚柱9に取り付けられることで、例えば脚柱9の形状が異なっても、外カバー体11および内カバー体12の取り付けに対応でき、外カバー体11および内カバー体12の取付向きも取付金具9aの位置を調整することで自由に選択できる。
【0025】
次に、図4に示されるように、天板2におけるコンロ7およびシンク8周りの位置関係について説明すると、天板2の一端側(左方)に位置するコンロ7側には前後に向けて幅広な広幅部3が形成され、天板2の他端側(右方)に位置するシンク8側には前後に向けて幅細な細幅部4が形成されている。そして広幅部3および細幅部4を連接するように中央部5が形成されたことで、天板2は平面視略ナス形で形成され、外周面(前側面2a・後側面2b・左側面2c・右側面2d)の全体が角のない滑らかな曲線の弧状となっており、実習生19の作業移動時に衣類(エプロン等)を引っ掛けることや身体をぶつけることがなく、安全に使用可能になっている。
【0026】
そして、天板2は所定位置に設けられた複数(本実施例では6本)の脚柱9のみで支持されており、天板2の4隅(広幅部3と細幅部4のそれぞれ前後の角部2箇所)と中央部5の2箇所とで支持され、天板2の下方に広い空間部が形成されている。したがって、実習生19はシンク8、コンロ7及び調理台部6間の天板2周りの移動が円滑に行え、かつ調理作業もスムーズに行うことができる構成になっている。
【0027】
コンロ7は広幅部3の前部に配置され、後述する調理実習台1の実習生による利用の際に広幅部3の前端近傍において、コンロ7の火力調整等の操作が行いやすくなっている。広幅部3に配置されたコンロ7の左側部のスペースおよび後部の幅広なスペースから天板2中央の中央部5にかけては、連続して調理台部6(天板2の斜線部分)が形成されている。
【0028】
シンク8は細幅部4の略中央に配置されており、シンク8に配備された蛇口8aは天板2の右側部寄りでほぼ前後の中間位置に設置されている。この蛇口8aの下方には給水管である水道管8cおよび排水管8bがシンク8の左右方向略中心線に沿った位置に設けられている。そして、水道管8cおよび排水管8bが外カバー体11と内カバー体12で覆われている。
【0029】
したがって、シンク8を調理実習台1の前後方向から実習生19が同時に使用することができると共に、蛇口8a、排水管8bおよび水道管8cを細幅部4の前後方向略中央部に集めることができるので、シンク8がある天板2の下方前後域にシンク8に近づく実習生19の足場が確保される。
【0030】
以上の説明により実施例1では、シンク8側の前後2隅の脚柱9,9に取り付けたカバー部材(外カバー体11,内カバー体12)で給排水管(排水管8b,水道管8c)が覆われるので見栄えが良いばかりでなく、シンク8周りで活動する実習生19がこれらの配管に足を取られるようなことがなく、安全性が高められるとともに円滑な調理実習が行なえる。
【0031】
さらに、排水管8b及び水道管8cが天板2の右側部寄りに配備されたことで、それらを覆う外カバー体11および内カバー体12が天板2の側部側に近づくことになり、天板2を支持する2隅の脚柱9,9への取り付けにも便利である。
【実施例2】
【0032】
次に、本発明の実施例2を図5、図6、図7、図8に基づいて説明する。図5は、本発明の実施例2における調理実習台の全体像を示す斜視図であり、図6(a)は、調理実習台の左側の正面図であり、図6(b)は、調理実習台の左側面図であり、図7は、調理実習台の脚柱間にカバー部材を取り付ける過程を示す断面図であり、図8は、調理実習台の平面図である。
【0033】
なお、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略する事とし、図5に示す調理実習台31の正面側を前方をとし背面側を後方とし、調理実習台31のシンク8側を左方としコンロ7側を右方として説明する。
【0034】
まず、調理実習台31の全体像を図5および図6(a)(b)に基づき説明する。図5に示されるように、天板32の一端側である右方位置に火力調理を行うコンロ7が設けられ、他端側である左方位置に水およびお湯を供給可能な蛇口8aを備えたシンク8が設けられている。天板32は上下方向に向けて立設された複数の脚柱9に支持されており、天板下部には空間部10が形成されている。
【0035】
シンク8の下方には、天板32から床面22の前後方向に延びる内カバー体42および外カバー体41が一対でカバー部材を構成しており、図6(a)に示されるように、シンク8に接続された排水管8bと蛇口8aに接続した水道管8cの両者およびシンク8の一部が調理実習台31の外方周囲から遮蔽される構成となっている。
【0036】
また、図6(b)に示されるように、外カバー体41の取り付けについては後で詳述するが、前後の脚柱9,9間に連結ボルト15で前後上下に4箇所で取り付けられており、排水管8bおよび水道管8cとシンク8の一部が調理実習台31の左側面からも遮蔽されている。
【0037】
しかも、図5に示されるように、調理実習台31の右側面側の前後の脚柱9,9間にも、外カバー体41と同形の左右対称で外カバー体43の前後端部が連結ボルト15で取り付けられ、調理実習台31の左右側面の外部からも天板32の下方が遮蔽される。また、調理実習台31の左右に外カバー体41,43が配置されたことで全体のバランスも良くなっている。
【0038】
外カバー体41は薄い金属板で外側に凸となるよう断面円弧状に成型されており、この外カバー体41の前後端縁は折曲された取付片41a、41aをそれぞれ有し、これら前後の取付片41a,41aには所定間隔離間された上下位置に左右方向に貫通する取付孔41b,41bが形成されている。
【0039】
内カバー体42は薄い金属板で、その断面は略中央部が一部突出した凸状となるように成型されており、この内カバー体42の前後端縁は折曲された取付片42a、42aをそれぞれ有し、これら前後の取付片42a,42aには所定間隔離間された上下位置に左右方向に貫通する取付孔42b,42bが形成されている。
【0040】
さらに、上端位置はシンク8の下部との当接を避けるため、外カバー体41の上端よりも高さが低く形成されている。そして、外カバー体41と内カバー体42は連結ボルト15でそれぞれの取付孔41b,42bを介して、天板32の左側端側の前方および後方の脚柱9,9間に取り付けられている。
【0041】
そこで、外カバー体41と内カバー体42の取り付けについて具体的に説明すると、図7に示されるように、向かい合う前後の脚柱9,9の対向する面には平面視正方形の金属中空形状の取付金具9aが上下2カ所に脚柱ボルト16によりそれぞれ着脱自在に止着されている。
【0042】
前後の取付金具9aの左右面にはそれぞれ連結ボルト15を螺合可能な螺合穴9bが形成されている。そこで、後方の取付金具9aの右面に形成された螺合穴9bに内カバー体42の後方側の取付孔42bから介挿された連結ボルト15を螺合することで、この後方の取付金具9aと後方の取付片42aが連結される。
【0043】
同様に前方の取付金具9aの右面に形成された螺合穴9bに内カバー体42の前方側の取付孔42bから介挿された連結ボルト15を螺合することで、この前方の取付金具9aと前方の取付片42aが連結され、内カバー体42の取り付けが完了する。なお、外カバー体41の取付金具9aへの取り付けについては略同様の構成のため説明を省略する。
【0044】
このように、カバー部材を一対の外カバー体41および内カバー体42で構成することで、組み付け取り外しに手間が掛からず容易に行なうことができるとともに、カバー部材(外カバー体41および内カバー体42)は、天板32の左側の前後2隅に配置された脚柱9,9の対向する面側に取付金具9aを介して取り付けられているので、脚柱9,9とカバー部材との取付状態が外から見えにくく体裁がよい。
【0045】
しかも、外カバー体41および内カバー体42が取付金具9aを介して脚柱9に取り付けられることで、例えば脚柱9の形状が異なっても、外カバー体41および内カバー体42の取り付けに対応でき、これらカバー体41,42の取付向きも取付金具9aの位置を調整することで自由に選択できる。
【0046】
次に、図8に示されるように、天板32におけるコンロ7およびシンク8周りの位置関係について説明すると、天板32の平面形状は略等幅で左右端から中央部35にかけて緩やかな角度で屈曲して形成されたており、天板32の右方のコンロ7側に右天板部34を、天板32の左方のシンク8側に左天板部33を備えている。シンク8の右側部近傍と中央部35、そしてコンロ7の左側部近傍にかけては、連続して調理台部36(天板32の斜線部分)が形成されており、この調理台部36は食材置き場としたり、これら食材を加工および調理を行う場として利用される。また、調理台部36を試食用のスペースとしても利用できる。
【0047】
天板32の外周面を構成する前側面32a・後側面32b・左側面32c・右側面32dから形成される4隅の角部が滑らかな曲線弧状であるとともに、中央部35の前後の中央位置も緩やかな角度で屈曲された平面視略く字形で形成されているので、実習生19の作業移動時に衣類(エプロン等)を引っ掛けることや身体をぶつけることがなく、安全に使用可能になっている。
【0048】
そして、天板32は所定位置に設けられた複数(本実施例では6本)の脚柱9で支持されており、天板32の4隅(左天板部33と右天板部34のそれぞれ前後の角部2箇所)と中央部35の2箇所とで支持され、天板32の下方に広い空間部が形成されている。したがって、実習生19はシンク8、コンロ7及び調理台部36間の天板32周りの移動が円滑に行え、かつ調理作業もスムーズに行うことができる構成になっている。
【0049】
コンロ7は右天板部34のやや前部に配置され、実習生による利用の際に右天板部34の前端近傍において、コンロ7の火力調整等の操作が行いやすくなっている。シンク8は左天板部33の略中央に配置されており、シンク8に配備された蛇口8aは天板32の左側部寄りでほぼ前後の中間位置に設置されている。
【0050】
つまり、シンク8を調理実習台31の前後方向から実習生19に同時に使用させることができると共に、蛇口8a、排水管8bおよび水道管8cを右天板部34の前後方向略中央部に集めることができ、かつ内カバー体42によって排水管8bや水道管8cが覆われているので、見栄えが良いばかりでなく、天板32下方に、例えば調理時に必要な収納ボックスや、椅子等を押し込んだ場合であっても配管類が保護される。
【0051】
さらに内カバー体42の形状は、その断面が略中央部が一部突出した凸状であることから、その凸状部に配管類を収納させ、天板32の下部を占有する内カバー体42の占有面積を極力少なくすることができる。したがってシンク8周りの天板32の前後域下方に部分的な空間部が形成されるので、調理実習の際にシンク8に近づく場合でも実習生19の足回りの妨げにならない構成になっており、実習生19の足場が余裕を持って確保され、調理実習の移動等にともなう安全性が高められている。
【0052】
以上の説明により実施例2では、シンク8側の2隅の脚柱に取り付けたカバー部材(外カバー体41,内カバー体42)で給排水管(排水管8b,水道管8c)が覆われるので見栄えが良いばかりでなく、シンク8周りで活動する実習生19がこれらの配管に足を取られるようなことがなく、安全性が高められるとともに円滑な調理実習が行える。さらに、排水管8b及び水道管8cが天板32の左側部寄りに配備されたことで、それらを覆う排水管8b及び水道管8cが天板32の側部側に近づくことになり、天板32を支持する2隅の脚柱9,9に簡便に取り付ける事ができ便利である。
【0053】
以上、本発明の実施例1および実施例2を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1における調理実習台の全体像を示す斜視図である。
【図2】(a)は、調理実習台の右側の正面図であり、(b)は、調理実習台の右側面図である。
【図3】調理実習台の脚柱間にカバー部材を取り付ける過程を示す断面図である。
【図4】調理実習台の平面図である。
【図5】本発明の実施例2における調理実習台の全体像を示す斜視図である。
【図6】(a)は、調理実習台の左側の正面図であり、(b)は、調理実習台の左側面図である。
【図7】調理実習台の脚柱間にカバー部材を取り付ける過程を示す断面図である。
【図8】調理実習台の平面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 調理実習台
2 天板(平面視ナス形天板)
2a 前側面
2b 後側面
2c 左側面
2d 右側面
3 広幅部
4 細幅部
5 中央部
6 調理台部
7 コンロ
7a 操作部
8 シンク
8a 蛇口
8b 排水管
8c 水道管(給水管)
9 脚柱
9a 取付金具
9b 螺合穴
10 空間部
11 外カバー体(カバー部材の一部)
11a 取付片
11b 取付孔
12 内カバー体(カバー部材の一部)
12a 取付片
12b 取付孔
12c 切欠部
15 連結ボルト
16 脚柱ボルト
19 実習生
22 床面
31 調理実習台
32 天板(平面視く形天板)
32a 前側面
32b 後側面
32c 左側面
32d 右側面
33 左天板部
34 右天板部
35 中央部
36 調理台部
41 外カバー体(カバー部材の一部)
41a 取付片
41b 取付孔
42 内カバー体(カバー部材の一部)
42a 取付片
42b 取付孔
43 外カバー体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4隅を脚柱で支持した天板の一端側にコンロを、他端側にシンクを配置して調理を行う調理実習台であって、前記シンクには天板の側部寄りに給水管及び排水管が配備され、シンク側の2隅の脚柱に取り付けたカバー部材により前記給水管及び排水管が覆われていることを特徴とする調理実習台。
【請求項2】
前記シンクを天板の前後方向略中央部に配置すると共に、シンクに配備した蛇口、前記給水管及び排水管をシンクの左右方向略中心線に沿った位置に設けた請求項1に記載の調理実習台。
【請求項3】
前記カバー部材は天板の前後方向に延びる一対のカバー体で構成され、各カバー体の前端縁と後端縁はそれぞれ前記2隅の脚柱の対向する面側に取り付けられている請求項1または2に記載の調理実習台。
【請求項4】
前記一対のカバー体の内、天板内方のカバー体の断面は略中央部が一部突出した凸状であり、天板外方のカバー体は外方に向かって断面略円弧状である請求項1乃至3のいずれかに記載の調理実習台。
【請求項5】
前記脚柱にはカバー部材を取り付けるための取付金具が着脱自在に止着されている請求項1乃至4のいずれかに記載の調理実習台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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