説明

調理装置

進歩性のある棚システム(100)を備えた調理装置および調理方法を提供する。一部の実施形態によれば、本発明の調理装置の例示的な実施形態は、限定されないが、少なくとも、常設棚(102)が固定されたフレームアセンブリ(101)と、常設棚から垂直に離れ、フレームアセンブリに取り付けられた複数の選択可能な棚機構と(104、106)と、常設棚から垂直に離れ、選択された数の複数の選択可能な棚機構により支持される第1の非常設棚(108)とを備える。本発明の調理装置の例示的な実施形態では、常設棚が風味注入領域(118)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な棚システムを、多くの異なる目的で使用することができる。一部の棚システムは、オーブンラック等の調理環境で使用することができる。
理解できるように、棚システムは、様々な大きさの品物を支持するために、取扱いおよび構成が困難となり得る。多くの棚システムが独立棚を使用しており、この独立棚は、別の器具の機構に係合して1つまたはすべての棚の移動および引出しを容易にする。さらに、独立棚は均一の設計であることが多く、棚や障害物が近接して存在するため多くの空間を使用することができない。このため、棚システムの設定可能性と、ユーザにとって不利な使用可能空間とが、しばしば競合する。
【0002】
これらおよびその他のタイプの棚システムにおいて、特に、異なる大きさの様々な品物のための空間を作りつつ可能な構成を増やすことに関して、効率を高めることがしばしば望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の例示した種々の実施形態は、一般に、進歩性のある棚システムを備えた調理装置および調理方法に向けたものである。本発明の調理装置の例示的な実施形態は、限定されないが、少なくとも、常設棚が固定されたフレームアセンブリと、常設棚から垂直に離れ、フレームアセンブリに取り付けられた複数の選択可能な棚機構と、常設棚から垂直に離れ、選択された数の複数の選択可能な棚機構により支持される第1の非常設棚とを備える。本発明の調理装置の例示的な実施形態では、常設棚が風味注入領域を提供する。
【0004】
別の例示的な実施形態では、本発明の調理装置を形成し使用する方法は、限定されないが、少なくとも、[風味注入領域を提供する]常設棚が取り付けられた自立フレームアセンブリを設けるステップと、複数の選択可能な棚機構をフレームアセンブリに固定するステップと、非常設棚が選択された数の複数の選択可能な棚機構に係合することにより、少なくとも1つの非常設棚をフレームアセンブリに固定するステップとを含む。
【0005】
本発明の調理装置の実施形態を形成し使用する別の例示的な方法は、限定されないが、少なくとも、調理室内に画定された風味注入部品に風味増強物質を付着させるステップを含み、調理室および前記風味注入部品がそれぞれ、別個の基部と相互作用する別個の円筒壁により形成される。次の例示的なステップは、フレームアセンブリに固定された非常設棚に所定量の食品を配置するステップと、支持された食品を含むフレームアセンブリを、調理室の円筒壁に接触しないように、かつ調理室の円筒壁の風味注入領域が、風味注入部品の円筒壁の中間領域に接触せずに隣接して確実に位置決めされるように、調理室内に位置決めするステップとを含む。食品を支持するラックが最終的に調理室内に位置決めされると、調理室の環境が調節されて、風味増強物質から得られる所定の風味を食品に注入する。
【0006】
本発明の種々の実施形態を特徴付けるこれらおよびその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付図面を参照して理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の種々の実施形態により構成され動作される例示的な棚システムの正面図である。
【図2】図1の棚システムの側面図である。
【図3】図1の棚システムの上面図である。
【図4】本発明の種々の実施形態により構成され動作される例示的な棚システム全体の側面図である。
【図5】図4の棚システムの上面図である。
【図6】本発明の種々の実施形態により棚システムを使用可能な例示的な環境を示す図である。
【図7】図6に示す例示的な環境の上面図である。
【図8】本発明の種々の実施形態による、図6の環境における棚システムの例示的な動作を示す図である。
【図9】中実の棚を示す、進歩性のある棚システムの代替形態の上面斜視図である。
【図10】本発明の種々の実施形態により実施される例示的な調理プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照すると、図1は、調理棚装置100の例示的な実施形態の正面図であり、調理棚装置100は、フレームアセンブリ101を常設棚102と、食品調理用の複数の第1および第2の選択可能な棚機構104、106と組み合わせたものである。選択可能な棚機構104、106は相互に作用して、1または複数の非常設棚108を常設棚102から垂直に離れた位置に固定して、様々な調理用の棚構成を容易にする。各棚構成は、非常設棚108が選択された数の第1および第2の選択可能な棚機構104、106に係合することにより容易になり得る。
【0009】
限定的ではないが、非常設棚108は、複数の第1の選択可能な棚機構104および第2の選択可能な棚機構106に同時に係合することができる。種々の実施形態では、第1の選択可能な棚機構104が、非常設棚108を垂直かつ水平に支持する上向き支持部品を有することができる。逆に、第2の選択可能な棚機構106は、第1の選択可能な機構104に対して逆向きにされ、下向き支持部品により非常設棚108を垂直および水平に支持することができる。例示的な動作では、非常設棚108が、任意の数の異なる水平面にある任意の数の第1および第2の選択可能な棚機構104、106に係合し、これらにより固定され得る。
【0010】
さらに、任意の数の非常設棚機構108がフレームアセンブリ101に取り付けられ、これにより支持され得る。図示したように、3つの非常設棚108が、複数の異なる水平面にある、使用できる選択可能な棚機構104、106のすべてをふさいでいる。しかし、任意の数の非常設棚108をフレームアセンブリ101に組み込むことができるので、このような非常設棚構成は必要なものではなく限定的ではない。
【0011】
調理棚装置100には、常設棚102の周囲の一部にのみ延びるレール110が設計されていてもよい。一部の実施形態では、レール110が、常設棚102に対して略水平方向から略垂直方向にレール110を移行する折曲げ機構112を備える。しかし、レール110および折曲げ機構112の存在および向きは、フレームアセンブリ101の必要な要素ではない。さらに一部の実施形態では、常設棚102を備えたフレームアセンブリ101を、複数の脚114により基準面に対して高くすることができる。脚114の数および向きは、図1〜2に示す構成に限定されないことを理解されたい。
【0012】
図2の側面図に示すように、例示的な実施形態では、調理棚装置100が、常設棚102に接続され、常設棚102から垂直に離れた複数の第1および第2の選択可能な棚機構104、106から構成される。第1および第2の選択可能な棚機構104、106を、常設棚102にそれぞれ平行な複数の異なる共通面に沿って水平に位置合わせして構成することができる。すなわち、選択された数の第1および第2の選択可能な機構104、106を共通面に沿って係合させて、非常設棚108を、選択可能な機構により、共通面および常設棚102とほぼ同じ角度で完全に支持することができる。
【0013】
第1および第2の選択可能な棚機構104、106が、フレームアセンブリ101の外縁部周囲に垂直に位置合わせして構成されることに注目すべきである。さらに、第1の選択可能な棚機構104が、常設棚102の中心から離れた垂直面に沿った向きになっている。調理棚装置100の例示的な動作では、特定の水平面に対応する第1の選択可能な棚機構104を係合させつつ、各非常設棚108を非直角に傾斜させる。次に、第2の選択可能な棚機構106を係合させるときに、非常設棚108を直角に傾斜させて、食品を非常設棚108により略水平な角度で支持できるようにする。
【0014】
図2はまた、脚の一部が常設棚102を非直角に支持する例示的な脚構成を示す。このような構成は、選択可能な棚機構の支持柱から脚116を形成することによりフレームアセンブリ101を製作する際に、助けとなり得る。任意の数の脚に非直角の支持部を構成することができるが、このような支持部は必要なものではなく、様々な向きで直角脚114と組み合わせて使用することができる点に注目すべきである。
【0015】
図3では、本発明の種々の実施形態による調理棚装置100の上面図が示される。図示したように、風味注入領域118を含むように常設棚102を構成することができる。一部の実施形態では、風味注入領域118は常設棚102に開口を形成する。しかし、風味注入領域118の形状および向きは限定されず、フレームアセンブリ101の設定可能性を最大にするために希望に応じて変更可能である。
【0016】
さらに、複数の非常設棚108が、第1および第2の選択可能な機構104、106により異なる共通面で固定されるとともに、常設棚102に水平に位置合わせして固定される。図示したように、常設棚102および非常設棚108は略円形とすることができるが、本発明の精神から逸脱することなく、棚を対称形または非対称形にすることができるので、このような設計は必要なものではなく限定的ではない。しかし、対称形の棚を使用することにより、選択可能な棚機構104、106を逆向きに係合させることが可能になる。例えば、各非常設棚108を、元の向きから、または元の向きに対して上下逆の向きで、常設棚102に平行な共通面で固定することができる。
【0017】
図1〜3は、種々の第1および第2の選択可能な棚機構104、106に固定された複数の非常設棚108を含む調理棚装置100を示しているが、調理棚装置100を種々の他の構成で使用してもよい。実際に、図4は、非常設棚のない調理棚装置120の側面図を全体的に示す。このような実施形態では、フレームアセンブリ121が、複数の第1の選択可能な棚機構124および第2の選択可能な棚機構126に取り付けられた常設棚122に固定される。また、フレームアセンブリ121は、1または複数の折曲げ領域130を有するように構成されたレール128から構成される。この折曲げ領域130は、レール128を、常設棚122に平行な共通面から、共通面および常設棚102に略垂直な面に移動させる。
【0018】
さらに、第1の選択可能な棚機構124は、常設棚122から離れて延びる突出部に結合された略水平な部分を特徴とする、上向き支持部品として構成される。逆に、第2の選択可能な棚機構126は、常設棚122側へ延びる突出部に結合された略水平な部分があるため、下向き支持部品として構成される。図1〜3の調理棚装置100について、調理棚装置120は、第1の選択可能な棚機構124を第1の柱に沿って垂直に位置合わせし、第2の選択可能な棚機構126を第2の柱に沿って垂直に位置合わせする。
【0019】
種々の実施形態は、常設棚122から垂直に離れた、常設棚122に平行な共通面である非常設棚(図1〜3の108等)の可能な固定位置を提供するために、選択された数の第1の選択可能な棚機構124が、選択された数の第2の選択可能な棚機構126に水平に位置合わせされて構成される。常設棚122と基準面132との間に脚134を取り付けることにより、常設棚122を基準面132よりも高くするように、フレームアセンブリ121を構成してもよい。しかし、脚134の直角または非直角部分を使用して常設棚122を基準面132よりも上で支持することができるため、脚134の位置および構成は限定されない。
【0020】
図5は、本発明の種々の実施形態により構成された調理棚装置120の上面図である。風味注入領域118が、常設棚122の一側から接近可能な開口として示される。さらに、第1の選択可能な棚機構124が、常設棚122の直径よりも短い最大長さを有する翼弦線に沿って構成される。すなわち、第1の選択可能な棚機構124が、常設棚122の中心から離れた面に沿って水平に位置合わせされる。第1および第2の選択可能な機構124、126が、フレームアセンブリ121および常設棚122の外側範囲に沿った異なる位置に位置決めされるが、常設棚122の外周より内側の点に向かって延びていることを理解されたい。
【0021】
図6では、調理棚装置140の動作図が、例示的な環境において全体的に示される。調理棚装置140は円筒壁144を有する調理室142内に位置決めされるが、調理室142の側壁144が調理棚装置140のどの部分にも接触しないため、調理棚装置140は自立したままである。すなわち、調理棚装置140は、調理室142の基部146以外のものに支持されることなく、調理室142内で食材(図示せず)を支持することができる。
【0022】
このような自立特性は、さらに常設棚150の風味注入領域に風味注入部品148を設置することに対応する。このように、風味注入部品148が、常設棚150の外周よりも内部に位置決めされて、常設棚150が、風味注入部品148に接触係合することなく風味注入部品148を部分的に囲む。風味注入部品148の設計、位置、および向きは限定されず、図6に示したものから希望に応じて変更することができる。
【0023】
さらに一部の実施形態では、風味注入部品148が風味注入要素152を含み、風味注入要素152は、風味増強物質から、食材に注入可能な所定の風味を与える。風味注入部品148の向きは限定されないが、エネルギー伝達部材155を調理室142の基部146と組み合わせて使用して、風味注入部品148を均一化することができる。基部146に沿って選択された量の風味注入液154が存在すれば、風味注入部品148の動作をさらに容易にすることができる。例示的な実施形態では、風味注入液154としては水でよいことがわかっている。
【0024】
複数の非常設棚156は、図では平行に支持されているが、第1および第2の選択可能な棚機構158、160によって常設棚150に対して垂直に離れている。棚の数および位置は限定されない。例えば非常設棚156がなくてもよく、常設棚150が食材を支持するのに使用可能な唯一の場所であってもよい。図示したように、調理棚装置140をリップ162より下で調理室142内に位置決めし、蓋(図示せず)を調理室142上に位置決めして調理室142内の圧力および温度を高めることができる。
【0025】
さらに、調理室142に対する調理棚装置140の位置および動作が、図7の上面図に示される。風味注入領域164と風味注入部品148との関係が、部分的に囲んでいるが互いに接触係合していないものとして容易に識別できる。同様に、調理棚装置140は、円筒側壁144のどの部分にも接触係合していない。種々の実施形態では、風味注入領域164に、風味注入部品148を部分的に囲む種々の異なる形状および向きが構成されているが、いずれかの構成が必要なわけではなく限定的ではないことに注目すべきである。
【0026】
調理棚装置140の別の例示的な動作が、図8の側面図に全体的に示される。図示したように、単一の非常設棚156から垂直に離れた、棚156に平行な共通面にほぼ沿って棚156を支持するために、棚156が選択された数の第1および第2の選択可能な棚機構158、160に固定される。非常設棚156を互いに逆向きの複数の選択可能な棚機構で支持する利点は、調理棚装置140が不注意に動くことを心配せずに、食材166を支持することができる点である。
【0027】
調理棚装置140の別の利点は、所望の数の非常設棚156を選択的に位置決めして、異なる大きさの食材166を収容できる点である。したがって、図8は、1つの非常設棚156があり、食材166が常設棚150および非常設棚156の両方に同時にある状態を示す。さらに、調理棚装置140の自立設計により、食品を、調理室142の側壁144または風味注入部品148に接触することなく、異なる棚により支持することができる。
【0028】
図8に示す環境の例示的な動作では、調理室142の温度および圧力が高くなっている間は調理室142が密閉される。これにより、風味増強物質からの風味と風味注入液154とが半液体状、半気体状に組み合わさって、食材166を容易に完全に通過する。あるいは、調理室142内の圧力量および温度を制御して、所定時間監視し、所望量の風味を食材166に注入することができる。
【0029】
次に図9に移り、本発明の種々の実施形態により構成され動作される調理装置170の等角図が示される。風味注入領域174を含む常設棚172が、フレームアセンブリ176、ならびにそれぞれ常設棚172から垂直に離れた、常設棚172に平行な複数の第1および第2の選択可能な棚機構178、180に固定される。複数の非常設棚182が、選択された数の選択可能な棚機構178、180により支持される。しかし、非常設棚182は中実片として構成される。限定的または必要なわけではないが、中実面がどのような食材をも支持するように非常設棚182を構成することができる。
【0030】
中実面は、単一の材料に限定されるのではなく、食材を1または複数のクロスバーに架け渡す格子面とは対照的に、均一面に食材を置くことができることを示すことを理解されたい。しかし、本発明の精神を逸脱することなく、非常設棚182の設計および構成を、希望に応じてさらに変更することができる。例えば、非常設棚182の全体または一部に孔および/または汚れの付きにくい被覆を含むことができる。さらに、常設棚182は、同一の機構を有する必要はなく、一部が格子面を有し、他が被覆面または中実面を有していてもよい。同様に、常設棚の面は限定されず、非常設棚182の面と似ていなくてもよい。
【0031】
調理装置の例示的な使用が、図10の調理手順190に全体的に示される。ステップ192では、風味注入領域を有する常設棚に固定されたフレームアセンブリが設けられる。フレームアセンブリは、ステップ194でフレームアセンブリに固定され、常設棚に垂直に位置合わせされ常設棚から離れた、複数の選択可能な棚機構を含むこともできる。ステップ196で、非常設棚が、選択された数の選択可能な棚機構に係合して、これにより支持され、非常設棚は、常設棚から垂直に離れた、常設棚に平行な共通面内にほぼ支持される。
【0032】
次に、ステップ198で、調理室内に画定された風味注入部品に風味増強要素が付着される。風味増強要素を種々の形状の多用な物質とすることができる点を理解されたい。ステップ200では、少なくとも、選択された数の選択可能な棚機構によりフレームに固定された非常設棚に、所定量の食品を置く。続いてステップ202で、フレームアセンブリおよび食品が、調理室または風味注入室の円筒壁に接触しないようにして調理室内に位置決めされる。
【0033】
最後にステップ204では、調理室内の環境が調節されて、食品に風味増強要素から所定の風味を注入する。調理手順190の種々のステップを、必要に応じて容易に変更または省略可能であることに注目すべきである。例えば、フレームアセンブリを調理室内に配置した後に食品を非常設棚に置くことができる。さらに、調理手順190は、実際には例示的なものにすぎず、調理装置の可能な使用範囲を限定するものではない。
【0034】
種々の実施形態の理解を深めるために、図6〜8を参照して、本発明を限定することなく本発明の使用の例示的な実施形態の概略を開示する。この特定の使用の実施形態は、例示のためのものにすぎず、本発明の使用を制限したり、使用に限定または本質的な限定を加えたりすることはなく、すべての使用可能な調理サイクルの変形形態を含むこともない。本発明を、予め調製した食品の調理に使用することができることに注目されたい。前述の図示した例に関し、食品の風味増強が望ましい状況で使用される調理装置の動作について説明する。
【0035】
以下の図示した開示例(本発明の複数の使用のうちの1つ)について、木片または他の風味付け物質を調理室に導入して、食品に増強した風味、特に燻製風味を付けるのに使用する。木片を風味増強物質として選択可能な多様な木材に加えて、例えばハーブ、香辛料、エキス、ワインまたは蒸留酒等の代わりの風味増強物質を、ユーザが調理室に導入するものとして選択してもよいことに注目されたい。
【0036】
ユーザは、圧力または蒸気がないときに、調理装置を動作させることを選んでもよい。通電した風味増強要素に木片が接触することにより発生する煙に、食品を晒すことができる。調理室が、調理室または代わりの手段により後で調理される食品に、燻製風味を付けることを促進する。例えば、ステーキ、魚、その他の食品を冷燻製にした後にグリルで炭火焼にすることができる。あるいは、チーズ、ナッツ、その他の食品を冷燻製にして食用にすることができる。
【0037】
あるいは、ユーザは、圧力と熱の一連の組合せを使用して食品に燻製風味を付けることを選択してもよい。このような圧力調理は、少量の水を含む密閉容器に食品を入れて、加熱することを伴う。これにより、食品の汁や風味が周囲に逃げるのを防ぐ密閉された圧力容器内に、食品が閉じ込められる。
【0038】
本発明の種々の実施形態の多くの特徴および利点について、本発明の種々の実施形態の構造および機能の詳細とともに説明したが、この詳細な説明は例示的なものにすぎず、特に本発明の原理に含まれる部分の構造および配置について、添付の特許請求の範囲が表す用語の広く全体的な意味により示される最大限の範囲で詳細に変更を加えてもよいことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームアセンブリと、
前記フレームアセンブリに固定された常設棚と、
前記常設棚から垂直に離れ、前記フレームアセンブリに取り付けられた複数の選択可能な棚機構と、
前記常設棚から垂直に離れ、選択された数の前記複数の選択可能な棚機構により支持される第1の非常設棚とを備え、
前記常設棚が風味注入領域を提供する調理装置。
【請求項2】
前記選択された数の前記複数の選択可能な棚機構が2以上で、共通面に位置する一群の選択可能な棚機構を形成し、前記共通面が前記常設棚に略平行に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記風味注入領域が前記常設棚に開口を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フレームアセンブリを支持する調理室と、
前記調理室内に画定された風味注入部品とをさらに備え、
前記形成された開口が、前記風味注入部品に接触係合することなく前記風味注入部品を部分的に囲むように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記常設棚が複数の脚部材によって基準面よりも高くされ、前記非常設棚が連続した中実支持面を呈する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
基部により支持された円筒側壁から形成された調理室と、
前記第1の非常設棚に接触せずに隣接し、共通面に位置する一群の選択可能な棚機構を形成する選択された数の複数の選択可能な棚機構によって支持された、前記常設棚から離れた第2の非常設棚とをさらに備え、前記共通面が前記常設棚および前記フレームアセンブリに略平行に位置し、前記各常設棚ならびに第1および第2の棚が、前記円筒側壁に接触せずに隣接したまま、前記調理室内で食材を同時に支持するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記選択可能な棚機構が、前記常設棚の外縁部から垂直に離れ、互いに接触せずに隣接して前記フレームアセンブリに固定された、複数の上向きおよび下向き支持部品から形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記常設棚が円形構造を形成し、前記上向き支持部品の少なくとも2つが、前記常設棚の直径よりも短い最大長さを有する翼弦線の範囲で位置決めされる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記常設棚により支持された非円周形のレールをさらに備え、前記レールが前記フレームアセンブリの一部を形成し、前記複数の選択可能な棚機構を取り付けるための構造を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記非常設棚が、常設棚に対して傾斜して、前記複数の選択可能な棚機構により支持されるように構成され、前記常設棚が連続した中実支持面を呈する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記非常設棚が第1の選択可能な棚機構および複数の第2の選択可能な棚機構により支持され、前記複数の第2の選択可能な棚機構が、前記第1の選択可能な棚機構の向きに対して逆向きである、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記非常設棚が、前記常設棚に対して第1および第2の向きの両方で、前記選択された数の前記複数の選択可能な棚機構により支持されるように構成され、前記第2の向きが前記第1の向きの逆である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記フレームアセンブリおよび前記常設棚のそれぞれが略円形である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
風味注入領域を提供する常設棚が取り付けられた自立フレームアセンブリを設けるステップと、
複数の選択可能な棚機構を前記フレームアセンブリに固定するステップと、
前記非常設棚が選択された数の前記複数の選択可能な棚機構に係合することにより、少なくとも1つの非常設棚を前記フレームアセンブリに固定するステップとを含む方法。
【請求項15】
調理室内に画定された風味注入部品に風味増強物質を付着させるステップであって、前記調理室および前記風味注入部品がそれぞれ、別個の基部と相互作用する別個の円筒壁により形成されるステップと、
前記フレームアセンブリに固定された前記非常設棚に所定量の食品を配置するステップと、
前記支持された食品を含む前記フレームアセンブリを、前記調理室の前記円筒壁に接触しないように、かつ前記調理室の前記円筒壁の前記風味注入領域が、前記風味注入部品の前記円筒壁の中間領域に接触せずに隣接して確実に位置決めされるように、前記調理室内に位置決めするステップと、
前記調理室の環境を調節して、前記風味増強物質から得られる所定の風味を前記食品に注入するステップとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記風味注入領域が前記常設棚に開口を形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記形成された開口を、前記風味注入部品に接触係合することなく風味注入部品の中間部分を部分的に囲むように位置決めするステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記非常設棚を前記常設棚に平行でない面に傾斜させるステップと、
前記非常設棚を、前記選択された数の前記複数の選択可能な棚機構に接触係合させるステップとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の選択可能な棚機構のうちの第1の選択可能な棚機構を、前記常設棚により支持された第1の非円周形レールに隣接する第1の向きに向けるステップと、
前記第1の向きに向けられた前記複数の選択可能な棚機構のうちの第1の選択可能な棚機構を、前記常設棚により支持された前記第1の非円周形レールに取り付けるステップと、
前記複数の選択可能な棚機構のうちの第2の選択可能な棚機構を、前記常設棚により支持された第2の非円周形レールに隣接する第2の向きに位置決めするステップであって、前記第2の向きが前記第1の向きの逆であるステップと、
前記第2の向きに位置決めされた前記複数の選択可能な棚機構の前記第2の選択可能な棚機構を、前記常設棚により支持された前記第2の非円周形レールに固定するステップとにより、
前記複数の選択可能な棚機構が前記フレームアセンブリに固定される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記風味注入部品内に画定された風味増強要素の温度を上げて、前記風味注入部品に付着された前記風味増強物質を燻して煙を発生させるステップと、
前記食品周囲の空気圧を大気圧よりも上昇させて、前記煙を前記食品に注入するステップと、
前記食品に前記煙を注入しつつ、前記常設棚と前記非常設棚との間に所定の距離を維持するステップとにより、
前記調理室の前記環境が調節される、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−511290(P2013−511290A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541142(P2012−541142)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/057644
【国際公開番号】WO2011/063341
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(512134853)エレクトラ・ウェイブ・コーポレーション (1)
【出願人】(312013561)
【出願人】(312013572)
【Fターム(参考)】