説明

調理鍋

【課題】銅を用いた調理鍋において、銅の酸化を防止し、耐久性の向上を図ること。
【解決手段】調理鍋9の外面を構成する銅12の外面にコーティング15を処理し、コーティング15表面にダイヤモンドライクカーボンの薄膜層14を設け、調理による加熱によって生じる銅の酸化を抑制し、コーティングの耐摩耗性も向上し耐久性の高い調理鍋とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭及び業務用に使用される調理鍋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、広く世間一般に市販されている調理鍋は、アルミニウムやステンレス単体、あるいはこれら金属の合わせ材からなることが多いが、熱伝導性が良好であることから銅を基材とした調理鍋も盛んに使用されている。基材を銅とした場合、食品衛生法上、通常は内面に錫メッキが処理されており、外面は酸化防止剤を塗布するのみの場合もあるが、通常は酸化防止や外観性向上目的で、耐熱性の高いアクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂または、セラミック系の透明コーティングが処理されていることが多い。
【0003】
また、電磁誘導加熱調理器に使用可能とした調理鍋の中には、外観品位の向上や電磁誘導加熱効率の向上を目的に、フェライト系ステンレス等の磁性金属の外面に銅メッキを施し、その上にクリアコーティング処理し、調理時の熱による銅の酸化を防止しているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
典型的なものは、内面がフッ素樹脂コーティングで覆われ、その下層に熱伝導が良好なアルミニウムを配し、そして、その外面、つまり、鍋の最外面にはフェライト系ステンレス、鉄、パーマロイ等の磁性金属層を設け、この磁性金属層に銅メッキを処理した、電磁誘導加熱式の炊飯器用鍋等である。
【特許文献1】特開2001−145558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の銅を基材に用いる、あるいは基材金属上に銅メッキ等の手法により銅の層を調理鍋外面に用いた構成では、調理時の熱により銅が酸化によって変色しまい、また、たとえクリアコーティング等の塗装処理を銅表面にしていても、使用中の傷の発生などにより銅の酸化は完全には防止できず、調理を長期間繰り返すと銅と塗膜との間に酸化膜が成長し、また、塗装自体も熱劣化を受け、ついには塗装が剥離してしまう現象が生じることがある。
【0006】
また、その他にも、銅表面に処理した塗装は実使用においては調理を行うという状況を考慮すると、洗浄時の摩耗環境や調味料などによる腐食環境に置かれるため、下地金属の腐食により塗装が剥離するという現象に到ることもある。
【0007】
したがって、本発明は上記の課題を解決するために成されたものであり、鍋を構成する銅の酸化と樹脂コーティングの熱劣化を抑制するとともに摩耗や腐食にも強い調理鍋を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、銅あるいは銅と他種金属との合わせ材を調理鍋の基材とし、銅の表面に樹脂コーティングを処理し、さらに、その外面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)の薄膜層を設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明の調理鍋は、外面を構成する銅の表面に樹脂コーティングを処理し、さらに、その上にダイヤモンドライクカーボンの薄膜層を設けたものであり、この構
成により銅そのものが有する美しい色調、光沢を損なわずに、ダイヤモンドライクカーボンの薄膜層が酸素の透過を抑制し銅の酸化を抑制する作用とともに、耐摩耗性や耐食性の向上作用も加わり、耐久性が高く美しい外観を長期間に渡り維持することが可能となるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、調理鍋の外面を構成する銅の表面に樹脂コーティングを塗装した上にダイヤモンドライクカーボンの薄膜層を上層することにより、実使用において銅が酸化しにくくなり、銅の酸化による劣化を抑制するとともに、樹脂コーティングの熱劣化を抑制しつつ、耐摩耗性や耐食性の向上を図ることができる。
【0011】
ダイヤモンドライクカーボンはダイヤモンドとグラファイトの中間的な特徴を有する炭素膜であり、その製法はプラズマCVD法またはPVD法が一般的に用いられ、樹脂コーティング表面に稠密な炭素膜コーティングを均一に施すことにより酸素を始めとするガス透過を減少させる作用があるので、結果として樹脂コーティングを透過して銅表面に到達してくる酸素量を減少させ、銅表面の酸化劣化や樹脂コーティングの熱劣化を抑制するものである。
【0012】
ダイヤモンドライクカーボンの一般的な特長はその他にも、硬質、潤滑性、耐摩耗性、化学的安定性、などがあり高温、水分、調味料、あるいは、摩耗などといった負荷に晒される調理鍋外面には好適なものである。
【0013】
なお、銅は純銅の他、真鍮や丹銅などの合金系のものであっても何ら問題はない。
【0014】
また、基材にフェライト系ステンレス等の磁性金属あるいは磁性金属とアルミニウム等の熱良導性金属の合わせ材を用い、その外面に銅薄膜を設けた調理鍋とすると、この構成により電磁誘導可能でしかも高効率の発熱が得られる。
【0015】
基材金属外面の銅層は銅メッキ処理や蒸着などによって得られるものあり、比較的均一な銅の銅薄膜層を形成することができ、これにより、特に電磁誘導加熱時に安定した発熱が得られるほか、光沢剤を添加した銅メッキを処理すれば、表面光沢に優れた調理鍋となる。
【0016】
なお、銅は真鍮や丹銅等の銅合金系のメッキであっても何ら問題はない。
【0017】
一般的に、電磁誘導加熱を行なう場合、電磁誘導加熱用の調理鍋の発熱部には表皮電気抵抗値の高い金属材料を使用するのが普通である。例えば、代表的なフェライト系ステンレスの430ステンレスでは、25kHzの高周波電流を誘導コイルに流すと、表皮電気抵抗値が23.3*10−4Ω、鉄では9.4*10−4Ωと高く電磁誘導加熱に適していると言える。一方、銅は0.39*10−4と低く、通常は電磁誘導加熱には適さない材料である。そのため、通常、非磁性金属に磁界を作用させた場合、非磁性金属に反抗磁界が生じ反抗電流が流れて、磁界は非磁性金属を通過できず、電磁誘導加熱による発熱作用は期待できない。
【0018】
しかしながら、これらの非磁性金属層も厚みを薄くしていくと、ついには表皮抵抗が上昇し、電磁誘導加熱可能となる。即ち、これは、非磁性金属層である銅も十分に薄いと、表皮抵抗が高くなるために反抗磁界が生じにくくなり、磁界が非磁性金属を通過しやすくなる。その通過した磁界により磁性金属にも渦電流が生じ、銅とステンレス等の磁性金属層の両方が共に発熱するものである。本発明はこの現象を利用したものであり、銅と磁性金属層の組み合わせによって、非磁性金属である銅が鍋外面にあっても、単なる磁性金属
層単層の場合に比べて、より効率よく発熱し、炊飯が可能となるものである。
【0019】
これは、磁性金属と銅の総発熱量を検証し、磁性金属単独で発熱させる場合よりも高い発熱量が得られる銅の厚さを詳細に検討した上で、最適な厚さの銅をメッキ等の手法により略均一に磁性金属層の外面に配し、従来よりも効率の良い発熱を得る事ができる、つまり、銅の厚さを詳細に検証し、磁性金属単体時よりも高い発熱を得るという効果を奏するものである。
【0020】
こうして高い発熱を得た調理鍋では、特に電磁誘導で発熱する部位の銅の酸化が激しいため、銅層に樹脂コーティングを塗装し、さらに、その上にダイヤモンドライクカーボンの薄膜層を上層することによって銅の酸化を抑制可能であるとともに、樹脂コーティングの耐久性を向上することができる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば調理鍋の外面を構成する銅の表面に樹脂コーティングが塗装され、その上に設けられるダイヤモンドライクカーボンの薄膜層は銅の色調、光沢を隠蔽しない厚さとしたものであるが、この厚さ範囲は概ね5〜30nmであり、5nm未満では銅の色調がほぼ完全に保存されるが、酸化防止効果はさほど期待できない。一方、30nmを越えると銅の酸化防止効果が高い反面、銅を隠蔽してしまい、上層されるダイヤモンドライクカーボン層特有の黒色となり銅独特の赤銅色を失い外観を損ねる他、電磁誘導加熱を行う調理鍋では加熱性能や電気特性に悪影響を及ぼしかねない。
【0022】
また、ダイヤモンドライクカーボンの薄膜層は調理鍋外面全体に略均一に処理してもよいが、調理時に加熱が強い底面部分のみに処理してもよいし、加熱が比較的弱い部位には加熱部位よりも薄めに処理することも可能である。
【0023】
なお、銅は純銅の他、真鍮や丹銅などの合金系のものであっても何ら問題はない。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、銅の外面に設けられる樹脂コーティングはクリアコーティングであることを特徴とした請求項1〜2記載の調理鍋であり、樹脂コーティングを無色透明のクリアコーティングとすれば、銅独特の色調を保ったままにすることができ、ダイヤモンドライクカーボンの薄膜層が酸素の透過を抑制することにより銅の酸化を抑制することが可能であるとともに、樹脂コーティングの耐久性も向上する。
【0025】
(実施の形態1)
以下、本発明の調理鍋の一実施の形態について、電磁誘導加熱式の炊飯器に用いられる鍋を例に取り、図1を用いて説明する。
【0026】
図1は電磁誘導加熱により鍋9を加熱し炊飯する方式の1.8L炊飯用の炊飯器であり、電磁誘導加熱コイル1、フェライト2、鍋底温度検知センサー3、加熱制御基板4、基板冷却ファン5、操作部6、加熱板7、蒸気キャップ8、及び本体に着脱自在に備えられる鍋9を主な構成部品とし、鍋内に米及び水を適量加えた後、炊飯及び保温工程を実行するが、この工程はマイクロコンピュータによるプログラム制御により実行される。
【0027】
鍋9は、1mm厚のアルミニウム10、0.5mm厚のフェライト系ステンレス11、クラッド材をプレス成形して得られるものであり、内面は非粘着性の高いフッ素樹脂コーティング13をアルミニウム上に処理している。磁性金属であるフェライト系ステンレス11の外面には光沢硫酸銅メッキが厚さ5μmで処理されており、この銅メッキ層12はフェライト系ステンレスとともに電磁誘導加熱の発熱層を形成している。
【0028】
また、本実施の形態では電磁誘導加熱することを考慮し、鍋の金属層素材として、フェ
ライト系ステンレスを用いたが、材料はこれに限定されるものではなく、電磁誘導可能な材質であればいかなる材料でも応用可能であるし、電磁誘導しない用途であれば必ずしも磁性金属は必要とされるものでもない。
【0029】
また、本実施の形態において、電磁誘導加熱コイルには炊飯中に25kHzの高周波電流が流れるが、このとき誘導コイルより発生する磁力線は鍋の誘導発熱部である銅及びフェライト系ステンレス層に進入する際に渦電流を生じ、鍋が発熱する仕組みであり、この熱によって炊飯工程が遂行され、ご飯が調理される。
【0030】
本実施の形態では、25kHzの高周波電流を用いたが、状況によってこの周波数を変更することは任意であるし、また、それに応じて銅の厚みを変えることも任意である。
【0031】
また、電磁誘導発熱部の銅の厚みを、磁性金属単独で用いる場合よりも高い発熱量が得られるようになる銅厚さを検討した結果、本実施の形態では5μm付近に発熱量の極大値を有することを見出しため、厚さ5μmの銅を鍋外面に処理した。
【0032】
銅メッキ層12外面にはエポキシ樹脂系のクリアコーティング15を塗装し、180℃15分間の焼成を行って、焼成後約20μmの厚さとした。
【0033】
次いで、クリアコーティングの表面にはPVDの一種であるイオンプレーティング法により、ダイヤモンドライクカーボンの薄膜層14を形成するが、これは真空チャンバー中に炭化水素ガスを導入し、直流アーク放電プラズマ中で炭化水素イオンを生成させ、この炭化水素イオンがクリアコーティング面に衝突し固体化、成膜するものであり、本実施の形態の鍋においては鍋全体に略均一厚さでダイヤモンドライクカーボンの薄膜層厚さがそれぞれ2nm、5nm、30nm、44nmとなっていることが鍋の蛍光エックス線による精密厚さ測定によって判明した。
【0034】
なお、この領域のダイヤモンドライクカーボンの厚さにおいては炊飯器本体からの電磁誘導加熱には何らの悪影響をもたらさず、正しく炊飯工程が実施されることを確認した。
【0035】
ここで、上述の炊飯器用鍋の作製工程においてダイヤモンドライクカーボン工程を実施せずに鍋外面の銅表面に同様のエポキシ樹脂混合系のクリアコーティングを塗装したのみの鍋を比較例として、実施の形態と外観及び耐熱耐久性について比較を行った結果を(表1)に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
まず、本実施の形態で作製した、クリアコーティング上にダイヤモンドライクカーボンの薄膜層が2nm、5nm、30nm、44nmの厚さで形成された、電磁誘導加熱可能なそれぞれの炊飯器用鍋No.1〜4の外観色をダイヤモンドライクカーボン層がない比較例のNo.5と比較すると、ダイヤモンドライクカーボン厚さ2nm及び5nmではほとんど銅色が保存され、30nmと厚くなるにつれて銅色が淡くなりやや黒みがかるが、これらの領域ではまだ十分に銅色を呈している。しかし、44nmではほのかに銅色が残る程度で、ほとんどダイヤモンドライクカーボンの黒色になってしまうため、銅色の外観を維持するためには概ね30nm以下の厚みが望ましい。
【0038】
次に、調理鍋は強い加熱条件下に曝されることを想定して、クリアコーティングの耐熱試験を実施したが、これは、これら調理鍋を200℃において所定時間保持後、鍋外面のクリアコーティング面でJIS試験法規格に基づいた碁盤目試験を実施した。
【0039】
試験は200℃で所定時間保持後、室温まで冷却してから試験面に縦横に1mm間隔で11本づつの切込みを入れ碁盤目を100マス作り、その後セロテープ(登録商標)を碁盤目に密着し、90°方向に剥離した。
【0040】
(表1)では、セロテープ(登録商標)剥離時にクリアコーティングの残存率100/100を○、90/100以上を△、90/100未満を×として評価しているため、当然ながら加熱保持時間が長時間に渡り残存率が高いものが優れた耐熱耐久性があることを示している。
【0041】
ダイヤモンドライクカーボン層を有しない比較例に比べて、ダイヤモンドライクカーボン層を有する実施の形態の方が耐熱耐久性は高く、しかも、その傾向はダイヤモンドライクカーボン層の厚さが厚いほど顕著であることが表1の結果から判定できるが、これはダイヤモンドライクカーボンの薄膜層が厚いほど銅の酸化が生じにくく、クリアコーティングの下層において脆い酸化銅の形成が抑制される結果である。
【0042】
なお、ダイヤモンドライクカーボンは比較的平滑であり潤滑性の高い表面を有するので、非粘着性も高く、また、高い耐摩耗性をも示すものであるが、ここで、表2に本実施の形態と比較例を用いて耐摩耗性の比較試験を行った結果を示す。
【0043】
表2は研磨粒子入りの市販のナイロンたわしに洗剤をしみこませ、1kgの荷重をかけつつ鍋外面を往復摩耗した結果であり、クリアコーティングが摩耗し、基材の銅が露出してきた時点を×、露出がない段階を○で表したものである。
【0044】
【表2】

【0045】
(表2)に示すように研磨粒子入りのナイロンたわしで摩耗した場合にはダイヤモンドライクカーボンの薄膜層が厚くなるにつれ高い耐摩耗性を有することが確認された。
【0046】
(実施の形態2)
以下、図2を用いつつ、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は加熱調理一般に供される調理鍋であり、基材は1.5mm厚の銅16で、内面は錫メッキ処理17が施されている。また、基材である銅16の外面にはエポキシ系クリアコーティング18が処理されており、さらに、その表面にダイヤモンドライクカーボン薄膜層20が処理されていて、処理時間などの条件を変更することによって、12nm、24nm、30nm厚のダイヤモンドライクカーボン層を処理したものであり、いずれの厚さにおいても銅の色調や光沢が十分に感知できる。
【0047】
ここで、上記実施の形態2の調理鍋の作製工程においてダイヤモンドライクカーボン処理を実施せずに鍋外面にエポキシ系クリアコーティングを塗装したのみの調理鍋を比較例2として、上記実施の形態2と耐熱変色試験を実施した結果を(表3)に示す。
【0048】
【表3】

【0049】
(表3)は実施の形態2と比較例2の調理鍋を130℃の炉内に投入したときの表面酸化色の変化を色差ΔEで示したものであり、ΔE値が大きくなるほど酸化による変色が大きいことを表わしている。
【0050】
(表3)に示す通り、銅表面にエポキシ系クリアコーティング処理したのみの比較例2では、クリアコーティングの熱劣化と銅の酸化による色相変化が比較的速やかに進行しΔE値が大きく変化しているのに対し、実施の形態2では色差の変化が遅く、銅独特の色調、光沢感が長期に渡り保持できることが判る。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明に関わる調理鍋は外面を構成する銅の表面にダイヤモンドライクカーボンの薄膜層を設けているので、銅の酸化劣化が抑制される結果十分な耐久性を有するので銅製の配管や建材などにも応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態の鍋が備えられる炊飯器と鍋の断面図
【図2】本発明の第2の実施の形態である調理鍋とその断面図
【符号の説明】
【0053】
1 電磁加熱誘導コイル
2 フェライト
3 底底温度検知センサー
4 加熱制御基板
5 基板冷却ファン
6 操作部
7 加熱板
8 蒸気キャップ
9 鍋
10 アルミニウム
11 フェライト系ステンレス
12 銅
13 フッソ樹脂コーティング
14 ダイヤモンドライクカーボンの薄膜層
15 クリアコーティング
16 銅
17 錫メッキ
18 クリアコーティング
19 把手
20 ダイヤモンドライクカーボンの薄膜層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材が、銅または銅合金、もしくは、銅または銅合金と他種金属との合わせ材、もしくは、磁性金属かあるいは磁性金属と熱良導性金属との合わせ材かの外面に銅薄膜を設けた積層体であって、前記基材の外面には樹脂コーティング層を設け、当該樹脂コーティング層の外面にはダイヤモンドライクカーボンの薄膜層を設けたことを特徴とする調理鍋。
【請求項2】
ダイヤモンドライクカーボンの薄膜層は銅の5〜30nmの厚さとしたことを特徴とする請求項1記載の調理鍋。
【請求項3】
樹脂コーティングはクリアコーティングであることを特徴とした請求項1または2記載の調理鍋。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−75495(P2010−75495A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247860(P2008−247860)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】