識別具及び包装体
【課題】 一つで複数の商品内容に対応でき、判別性に優れる識別具を備えた包装体を提供すること。
【解決手段】 本発明の包装体1は、包装体本体2に識別具3を備えている。識別具3は、両面に複数の識別子が付されており、折り曲げて元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が認識できるよう設けられている。識別具は、折曲誘導線を有していることが好ましく、折り曲げた形態を維持するための形態維持手段を備えていることが好ましい。
【解決手段】 本発明の包装体1は、包装体本体2に識別具3を備えている。識別具3は、両面に複数の識別子が付されており、折り曲げて元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が認識できるよう設けられている。識別具は、折曲誘導線を有していることが好ましく、折り曲げた形態を維持するための形態維持手段を備えていることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別具及び該識別具を備えた包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を陳列する際に、商品の陳列スペースが狭いと、同じ種類であって、色やサイズ等の内容の異なる商品を陳列棚に一列に並べたり、積み上げたり、或いは、陳列棚に配した一本のハンガーに掛けて陳列せざるを得ない場合がある。このようにして商品が陳列されていると、奥に陳列された商品の仕様等の商品内容を手前から容易に判別することができないので、消費者が商品を選ぶ場合や、商品管理者が在庫等の商品の管理する上で不便であった。
【0003】
斯かる課題を解決する手段として、商品内容を表示するタブを、商品の包装容器の上部に位置を変えて付しておき、縦一列に並べた場合でも奥の商品を手前から容易に判別できるようにした技術が提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
【0004】
ところで、この技術は、例えば、商品の仕様の一つとして挙げられる商品の色が多数ある場合のように、商品内容の種類が多くなると、それに応じてタブの位置や商品内容の表示の異なる包装体もその種類の数だけ製造する必要がある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−17998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、一つで複数の商品内容に対応でき、判別性に優れる識別具及びそれを備えた包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート材の片面若しくは両面に複数の異なる識別子が付されており、前記シート材の折り曲げ及び/又は一部分離により、元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が認識できるよう設けられた識別具を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、上記本発明の識別具を備えた包装体を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の識別具及び包装体は、一つで複数の商品内容に対応でき、判別性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明をその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明の包装体を包装箱に適用した第1実施形態を模式的に示すものである。これらの図において、符号1は包装体を示している。
【0011】
本実施形態の包装体1は、六面体形状の容器本体(包装体本体)2の上部の右奥に識別具3を備えている。識別具3は、容器本体2の背面部21に連設されており、後述するように原板(シート材)10で設けられている。
【0012】
識別具3は、正方形状の基面部31の左右に台形状のタブ32、33が連設された形態を有しており、これら基面部31及びタブ32、33に二つの識別子(サイズM、L)が付されている。識別具3は、その両面に識別子が付されており、後述する折曲誘導線34又は35に沿って識別具3を折り曲げたときに、当該折り曲げた部分によって、折り曲げた側に付された特定の識別子が表示されるとともに、該折り曲げた側の面に付された特定の識別子以外の識別子が全て隠蔽されるように設けられている。これにより、識別具3を折曲誘導線に沿って折り曲げるだけで、両面に特定の識別子のみが簡単に表示される。
【0013】
基面部31には、互いに交差する二本の折曲誘導線34、35が形成されている。折曲誘導線34、35は、それに沿って識別具3を折曲できる形態であれば、その形態に特に制限はない。
【0014】
包装体1は、識別具3の折り曲げた形態を維持するための形態維持手段を備えている。本実施形態では、この形状維持手段は、識別具3のタブ32、33及び容器本体2の背面部21に設けられたスリット状の挿入孔22からなり、折曲誘導線34、35に沿って折り曲げたときにタブ32、33を挿入孔22に挿入することで折り曲げた状態を維持する。識別具3は、基面部31を折曲誘導線34又は35に沿って折り曲げ、タブ32又は33を挿入孔22に挿入して固定すると、図2(a)及び(b)に示すように、折り曲げられた基面部31の傾斜部分の向き及び識別子(サイズL又はM)の付されたタブ32又は33の位置が異なるようになり、認識できる特定の識別子に応じて識別具3が異なる形態となるように設けられている。
【0015】
包装体1は、図3に示す一枚の原板10を、図1の形態に折曲げ、必要に応じて接着することで作製することができる。原板10は、六面体形状の包装体本体2となる本体部20に、識別具3となる片部30を連設し、さらに背面部21の部分に挿入孔22を設けるとともに基面部31に折曲誘導線34、35を付して製造される。原板10は、板紙等の公知のシート材から製造することができる。
【0016】
本実施形態の包装体1は、図2(a)及び(b)に示すように、識別具3を、包装する商品のサイズに応じて異なる形態となるように折り曲げ、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、図4に示すように、一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定のサイズの製品を容易に識別することができる。
【0017】
図5〜図9は、本発明の包装体を包装箱に適用した他の実施形態を模式的に示すものである。これらの図において、第1実施形態の包装体と共通する部分については同一符号を付している。よって、特に説明のない部分は第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0018】
図5及び図6は、本発明の包装体の第2実施形態を示すものである。本実施形態の包装体1’は、図5に示すように、識別具3’の基面部31に、折曲誘導線に代えて分離誘導線36、37が形成されているとともに、識別子(サイズM、L)が基面部31に付されていない以外は、第1実施形態の包装体1と同様の構成を有している。分離誘導線36、37の形態は、当該分離誘導線に沿って識別具を部分的に分離できる形態であれば特に制限はない。本実施形態では、分離誘導線36、37は、破線で形成されている。
【0019】
本実施形態の包装体1’は、分離誘導線36又は37に沿って基面部の一部を分離したときに、基面部31の分離端部となる傾斜部分の傾斜の向き及び識別子(サイズL又はM)の付されたタブ32又は33の位置が異なるようになり、認識できる特定の識別子に応じて識別具3が異なる形態となるように設けられている。例えば、図6に示すように、分離誘導線36に沿って識別具3’の一部(識別子Mが付された側)を分離し、元の形態と異なる形態としたときに、特定の識別子(サイズL)のみが認識できるようになる。
【0020】
上述のように、本実施形態の包装体1’は、識別具3を、商品のサイズに応じて異なる形態となるように分離し、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、第1実施形態の包装体1と同様に、一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定のサイズの製品を容易に識別することができる。
【0021】
図7(a)〜(c)は、本発明の包装体の第3実施形態を部分的に示すものである。本実施形態の包装体1’の備える識別具3’は、折り曲げと一部の分離とが組み合わされて、折り曲げと一部を分離して元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が認識できるよう設けられたものである。
【0022】
識別具3’は、複層化された部分を有しており、複層化された部分が分離可能に設けられている。即ち、識別具3’は、図7(c)及び(d)に示すように、基面部31’の表(正面)側が縦に二色(図では、右45°の斜線で示す着色領域C1、左45°の斜線で示す着色領域C2で図示)に色分けされ、その表面が被覆層38で被覆されている。図7(a)に示すように、被覆層38には、前記各着色領域C1、C2の上に位置し且つ折曲誘導線34、35にかかるように円形の分離誘導線で画成された4つの剥離部分381〜384が設けられている。つまり、本実施形態の識別具3’は、被覆層38を剥離部分381〜384で前記分離誘導線に沿って引き剥がして分離することによって、その下の着色領域が露呈されるように設けられている。
本実施形態の識別具3’を使用するときには、例えば、先ず、分離部分381を引き剥がし、図8(a)に示すようにその下の着色領域C1を露呈させる。そして、折曲誘導線34に沿って識別具3’を折り曲げることによって、図8(b)及び(c)に示すように、特定の識別子(サイズLと色(領域C1の色)との組み合わせ)のみを表裏に表示させることができる。或いは、分離部分384(図7(a)参照)を引き剥がし、図8(d)に示すように、その下の着色領域C2を露呈させる。そして、折曲誘導線34に沿って識別具3’を折り曲げることによって、図8(e)及び(f)に示すように、特定の識別子(サイズLと色(領域C2の色)との組み合わせ)のみを表裏に表示させることができる。なお、図には示していないが、本実施形態の識別具3’は、分離部分382又は383の分離と、折曲誘導線35に沿った識別具の折り曲げとの組み合わせによっても、特定の識別子(サイズMと着色領域C1又はC2の色の組み合わせ)のみを表示させることができる。よって本実施形態の包装体1’は、第1実施形態の包装体の効果に加えて、色の異なる商品を包装にも適している。
【0023】
図9(a)〜(c)に示す第4実施形態の包装体1’の備える識別具3’は、図9(c)及び(d)に示すように、基面部31’の表(正面)側が縦に三色(図では、右45°の斜線で示す着色領域C1、左45°の斜線で示す着色領域C2、水平線で示す着色領域C3で図示)に色分けされ、その表面が被覆層38で被覆されている。被覆層38には、一つの着色領域の上で且つ折曲誘導線34、35の一方又は両方にかかるように円形の分離誘導線で画成された5つの剥離部分381〜385が設けられている。被覆層38は、これらの剥離部分381〜385を前記分離誘導線に沿って引き剥がして分離することによって、その下の着色領域が露呈されるように設けられている。本実施形態の識別具は、分離部分381〜385の何れかの分離と、折曲誘導線34、35の何れかに沿った識別具3’の折り曲げとの組み合わせによって、二種類のサイズと三種類の色の組み合わせからなる特定の識別子のみを表裏に表示させることができる。よって、本実施形態の包装体1’は、第1実施形態の包装体の効果に加えて、色の異なる商品を包装にも適している。
【0024】
図10〜及び図12は、包装体本体とは別体に設けられた本発明の識別具の一実施形態を示すものである。なお、これらの図において、第1実施形態の包装体1における識別具3と共通する部分については、同一符号を付しており、特に説明のない部分は第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0025】
図10(a)及び(b)に示す実施形態の識別具3’は、折り曲げて元の形態と異なる形態としたときに、識別できる識別子に応じて異なる形態となり、特定の識別子のみが認識できるように設けられたものである。本実施形態の識別具3’は、基面部31を折曲誘導線34に沿って正面側又は折曲誘導線35に沿って背面側に折り曲げて元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が両面から認識できるよう設けられている。即ち、本実施形態の識別具3’は、折り曲げられた基面部31の傾斜部分の傾斜の向き及び識別子(サイズL又はM)の付されたタブ32又は33の位置が異なるようになり、認識できる特定の識別子に応じて識別具3が異なる形態となるように設けられている。図10(c)及び(d)に示すように、基面部31を折曲誘導線35に沿って背面側に折り曲げることによって、一方の識別子(サイズM)が隠蔽され、当該特定の識別子(サイズL)のみが正面及び背面から認識できるようになる。また、図10(e)及び(f)に示すように、基面部31を折曲誘導線34に沿って折り曲げることによって、一方の識別子(サイズL)が隠蔽され、特定の識別子(サイズM)のみが正面及び背面から認識できるようになる。そしてこの除隊で包装体本体2に取り付ける。このように、識別具3’は、包装する商品のサイズに応じて異なる形態で、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、識別具3’を同じ位置に取り付けた包装体を一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定のサイズの製品を容易に識別することができる。本実施形態の識別具3’は、包装体本体2とは別体であるので、様々な包装本体に取り付けて用いることができる。
【0026】
図11(a)及び(b)に示す実施形態の識別具3’は、折り曲げと一部の分離とが組み合わされて、折り曲げと一部を分離して元の形態と異なる形態にしたときに、識別できる識別子(サイズと色の組み合わせ)に応じて異なる形態となり、特定の識別子のみが認識できるよう設けられたものである。本実施形態の識別具3’は、基面部31’の表側が対角線34’を境として二色(図では、右45°の斜線で示す着色領域C4、左45°の斜線で示す着色領域C5で図示)に色分けされている。また、識別具3’は、タブ32が着色領域C4に、タブ33が着色領域C5に隣接し、タブ同士が対角線34’、35’の交点を回転中心とする回転対称位置に位置するように配されている。対角線34’、35’は、それぞれ基面部31’の折曲誘導線となっているとともに、交点より上方(斜め上)の部分は、基面部31’を逆三角形形状に分離できるようにミシン目状の分離誘導線となっている。
【0027】
本実施形態の識別具3’は、基面部31’の分離誘導線で囲まれた部分を分離し、積極誘導線34’又は35’に沿って折曲げてそのまま使用するか、或いはさらに反時計回りに90°回転させて使用することによって、基面部の上端部の傾斜部分の傾斜の向き、露呈される着色領域の色及びサイズが付されたタブの位置が異なるようになり、認識できる特定の識別子に応じて異なる形態となるように設けられている。例えば、サイズMと着色領域C5の色の組み合わせを特定の識別子として表示させる場合には、基面部31’の前記分離誘導線で囲まれた逆三角形形状の部分の分離部分310を分離した後(図11(c))、折曲誘導線35’に沿って着色領域C4が隠蔽されるように、図11(d)及び(e)に示すように基面部31’を反折りに折り曲げてタブ32を下方位置に配する。そしてこの状態で、タブ32が隠蔽されるように、包装体本体2に取り付ける。サイズLと着色領域C5の色の組み合わせを特定の識別子として表示させる場合には、図11(f)及び(g)に示すように、図11(d)及び(e)の状態からさらに90°反時計周りに回転させ、タブ33を下方位置に配する。そして、この状態で、タブ33が隠蔽されるように、包装体本体2に取り付ける。このように、識別具3’は、包装する商品の色及びサイズに応じて異なる形態で、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、識別具3’を同じ位置に取り付けた包装体を一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定の色及びサイズの製品を容易に識別することができる。本実施形態の識別具3’は、包装体本体2とは別体であるので、様々な包装本体に取り付けて用いることができる。
【0028】
図12(a)及び(b)に示す実施形態の識別具3’は、図11におけるタブ33の位置がタブ32に対して基面部31’の縦の中心線を境として線対称位置に設けられている以外は、図11に示す実施形態の識別具3’と同様に設けられている。そして、識別具3’と同様に、基面部31’の分離誘導線で囲まれた逆三角形形状の部分の分離部分310を分離した後、折曲誘導線35’に沿って着色領域C4が隠蔽されるように、基面部31’を反折りに折り曲げてタブ32を下方位置に配し、タブ32が隠蔽されるように、包装体本体2に取り付けたり、或いはさらに反時計回りに90°回転させて取り付けて用いることができる。よって、本実施形態の識別具3’も、図11の実施形態の識別具3’と同様に、包装する商品の色及びサイズに応じて異なる形態で、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、識別具3’を同じ位置に取り付けた包装体を一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定の色及びサイズの製品を容易に識別することができ、様々な包装本体に取り付けて用いることができる。
【0029】
本発明は前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0030】
本発明の包装体は、前記実施形態のように、識別具が包装体本体に連設されている形態、識別具と包装体本体とを別体で設けている形態の何れの形態でもよい。別体とする場合の識別具の包装体本体への取り付け手法に制限はない。別体の場合には、包装体本体と識別具は同じ材質であっても良く、異なる材質であっても良い。
【0031】
本発明の包装体及び識別具は、識別具の備える形状維持手段に特に制限はなく、例えば、図13(a)に示す識別具3’のように、タブ32、33に切れ目320、330を入れておき、折曲誘導線34又は35に沿って基面部31’を折り曲げたときに、スリット状の挿入孔22’にこれらの切れ目320、330を差し込むようにして折曲形態を維持することもできる。逆に、挿入孔22’の開口部に切れ目220を設けてもよい。また、図13(b)に示す識別具3’のように、タブ32、33とは別に互いに係止可能な片部311、312を形成できるように基面部31に切り込みを設けることもできる。さらに、図14に示すように、包装体本体2やの挿入孔を省略し、タブを容器本体2の背面部21と上面部23の先端の差し込みフラップ部230との間に差し込んで折曲状態を維持するようにすることもできる。
【0032】
本発明の包装体は、包装体本体の形態に特に制限はない。本発明における包装体本体には、前記実施形態のような六面体の形態以外の各種の多面体(平面若しくは曲面又は平面と曲面との組み合わせを含む。)からなる形態等、板紙等のシート材で作製可能な形態が全て含まれる。
【0033】
また、本発明の包装体の備える包装体本体の形態は、被包装物を全て収容する形態の他、部分的に収容する形態も含まれる。また、包装体本体に、フックを備えていてもよく、また、包装体本体の一部に、陳列棚のフックに挿入するための孔や凹部を有していてもよい。また、本発明の包装体は、その包装する商品に特に制限はない。
【0034】
本発明の識別具は、前記各実施形態のように、折曲誘導線や分離誘導線を有していることが好ましいが、これらを省略することもできる。
【0035】
また、本発明の識別具は、タブ及びタブの挿入孔の形態にも特に制限はない。例えば、図15(a)に示すように、タブ32、33の外形の形態に合わせ且つタブの外形よりも大きい寸法の挿入孔22’とし、挿入をし易くすることもできるし、図15(b)に示すように、タブ32、33の挿入端部321、331及び挿入孔22’の開口端部220を連続する山形状の形態とし、挿入したタブを抜けにくくすることもできる。
【0036】
本発明の識別具は、付する識別子の種類は、2種類以上であってもよい。例えば、図16に示す実施形態の識別具3’のように、基面部から上方に突出するタブ39をさらに設けて新たに識別子(サイズS)を付すとともに、これらのタブをそれぞれ独立して分離できるような分離誘導線390を形成し、識別具3’を、商品の3種類のサイズに応じて分離して元の形態と異なるように変更できるようにすることもできる。
【0037】
また、本発明の識別具は、識別子の付し方に制限はなく、印刷によって付する以外に、シールなどを貼り付けてもよく、それ以外の方法で付してもよい。また、識別子は、同種の製品の中から特定の製品を識別させるための当該製品に関連する事項(例えば、商品仕様)であれば特に制限はない。前記実施形態のような記号の他、例えば、価格、寸法、使用時期、使用対象年齢等の各種の数値、色、模様、性別又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。識別具を折り曲げるか部分的に分離して表示させる特定の識別子は、一の識別子限られず、複数の識別子の組み合わせであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の識別具及び包装体は、商品を一列に並べたり積み上げて陳列するときに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の包装体の一実施形態を模式的に示す図であり、(a)は正面側からみた斜視図、(b)は背面側からみた斜視図である。
【図2】(a)及び(b)は、前記実施形態の包装体の識別具を折り曲げた状態を示す部分拡大斜視図である。
【図3】前記実施形態の包装体の展開平面図である。
【図4】前記実施形態の包装体の陳列状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の包装体の第2実施形態を模式的に示す部分拡大斜視図である。
【図6】第2実施形態の使用状態を模式的に示す部分拡大斜視図である。
【図7】本発明の包装体の第3実施形態を模式的に示す図であり、(a)は部分拡大正面図、(b)は(a)の背面図、(c)は(a)のA−A矢視断面図、(d)は(a)の被覆層を剥がした状態を示す図である。
【図8】第3実施形態の包装体の識別具の使用形態を模式的に示す図であり、(a)は被覆層の一の分離部分を分離した状態を示す図、(b)は基面部を折り曲げた状態を示す正面図、(c)は(b)の背面図、(d)は被覆層の他の分離部分を分離した状態を示す図、(e)は基面部を折り曲げた状態を示す正面図、(f)は(e)の背面図である。
【図9】本発明の包装体の第4実施形態を模式的に示す図であり、(a)は部分拡大正面図、(b)は(a)の背面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図、(d)は(a)の被覆層を剥がした状態を示す図である。
【図10】本発明の識別具の一実施形態及びその使用形態を模式的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)基面部を背面側に折り曲げた状態を示す図、(d)は(c)の背面図、(e)基面部を背面側に折り曲げた状態を示す図、(f)は(e)の背面図である。
【図11】本発明の識別具の他の実施形態及びその使用形態を模式的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は基面部の分離部分を分離した状態を示す正面図、(d)は(c)の背面図、(e)は(c)の基面部をさらに折り曲げた状態を示す図、(f)は(e)の背面図、(g)はさらに反時計回りに回転させた状態を示す図、(h)は(g)の背面図である。
【図12】本発明の識別具の他の実施形態を模式的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図13】(a)及び(b)は、折曲形態維持手段の他の形態を備えた識別具を模式的に示す正面図である。
【図14】本発明の包装体の他の実施形態を模式的に示す部分拡大斜視図である。
【図15】(a)及び(b)は、他の形態のタブ及びその挿入孔を備えた識別具を模式的に示す正面図である。
【図16】本発明の識別具の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1、1’ 包装体
2 容器本体(包装体本体)
22、22’ 挿入孔
3、3’ 識別具
31、31’ 基面部
34、34’、35、35’ 折曲誘導線
36、37 分離誘導線
10 原板
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別具及び該識別具を備えた包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を陳列する際に、商品の陳列スペースが狭いと、同じ種類であって、色やサイズ等の内容の異なる商品を陳列棚に一列に並べたり、積み上げたり、或いは、陳列棚に配した一本のハンガーに掛けて陳列せざるを得ない場合がある。このようにして商品が陳列されていると、奥に陳列された商品の仕様等の商品内容を手前から容易に判別することができないので、消費者が商品を選ぶ場合や、商品管理者が在庫等の商品の管理する上で不便であった。
【0003】
斯かる課題を解決する手段として、商品内容を表示するタブを、商品の包装容器の上部に位置を変えて付しておき、縦一列に並べた場合でも奥の商品を手前から容易に判別できるようにした技術が提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
【0004】
ところで、この技術は、例えば、商品の仕様の一つとして挙げられる商品の色が多数ある場合のように、商品内容の種類が多くなると、それに応じてタブの位置や商品内容の表示の異なる包装体もその種類の数だけ製造する必要がある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−17998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、一つで複数の商品内容に対応でき、判別性に優れる識別具及びそれを備えた包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート材の片面若しくは両面に複数の異なる識別子が付されており、前記シート材の折り曲げ及び/又は一部分離により、元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が認識できるよう設けられた識別具を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、上記本発明の識別具を備えた包装体を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の識別具及び包装体は、一つで複数の商品内容に対応でき、判別性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明をその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明の包装体を包装箱に適用した第1実施形態を模式的に示すものである。これらの図において、符号1は包装体を示している。
【0011】
本実施形態の包装体1は、六面体形状の容器本体(包装体本体)2の上部の右奥に識別具3を備えている。識別具3は、容器本体2の背面部21に連設されており、後述するように原板(シート材)10で設けられている。
【0012】
識別具3は、正方形状の基面部31の左右に台形状のタブ32、33が連設された形態を有しており、これら基面部31及びタブ32、33に二つの識別子(サイズM、L)が付されている。識別具3は、その両面に識別子が付されており、後述する折曲誘導線34又は35に沿って識別具3を折り曲げたときに、当該折り曲げた部分によって、折り曲げた側に付された特定の識別子が表示されるとともに、該折り曲げた側の面に付された特定の識別子以外の識別子が全て隠蔽されるように設けられている。これにより、識別具3を折曲誘導線に沿って折り曲げるだけで、両面に特定の識別子のみが簡単に表示される。
【0013】
基面部31には、互いに交差する二本の折曲誘導線34、35が形成されている。折曲誘導線34、35は、それに沿って識別具3を折曲できる形態であれば、その形態に特に制限はない。
【0014】
包装体1は、識別具3の折り曲げた形態を維持するための形態維持手段を備えている。本実施形態では、この形状維持手段は、識別具3のタブ32、33及び容器本体2の背面部21に設けられたスリット状の挿入孔22からなり、折曲誘導線34、35に沿って折り曲げたときにタブ32、33を挿入孔22に挿入することで折り曲げた状態を維持する。識別具3は、基面部31を折曲誘導線34又は35に沿って折り曲げ、タブ32又は33を挿入孔22に挿入して固定すると、図2(a)及び(b)に示すように、折り曲げられた基面部31の傾斜部分の向き及び識別子(サイズL又はM)の付されたタブ32又は33の位置が異なるようになり、認識できる特定の識別子に応じて識別具3が異なる形態となるように設けられている。
【0015】
包装体1は、図3に示す一枚の原板10を、図1の形態に折曲げ、必要に応じて接着することで作製することができる。原板10は、六面体形状の包装体本体2となる本体部20に、識別具3となる片部30を連設し、さらに背面部21の部分に挿入孔22を設けるとともに基面部31に折曲誘導線34、35を付して製造される。原板10は、板紙等の公知のシート材から製造することができる。
【0016】
本実施形態の包装体1は、図2(a)及び(b)に示すように、識別具3を、包装する商品のサイズに応じて異なる形態となるように折り曲げ、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、図4に示すように、一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定のサイズの製品を容易に識別することができる。
【0017】
図5〜図9は、本発明の包装体を包装箱に適用した他の実施形態を模式的に示すものである。これらの図において、第1実施形態の包装体と共通する部分については同一符号を付している。よって、特に説明のない部分は第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0018】
図5及び図6は、本発明の包装体の第2実施形態を示すものである。本実施形態の包装体1’は、図5に示すように、識別具3’の基面部31に、折曲誘導線に代えて分離誘導線36、37が形成されているとともに、識別子(サイズM、L)が基面部31に付されていない以外は、第1実施形態の包装体1と同様の構成を有している。分離誘導線36、37の形態は、当該分離誘導線に沿って識別具を部分的に分離できる形態であれば特に制限はない。本実施形態では、分離誘導線36、37は、破線で形成されている。
【0019】
本実施形態の包装体1’は、分離誘導線36又は37に沿って基面部の一部を分離したときに、基面部31の分離端部となる傾斜部分の傾斜の向き及び識別子(サイズL又はM)の付されたタブ32又は33の位置が異なるようになり、認識できる特定の識別子に応じて識別具3が異なる形態となるように設けられている。例えば、図6に示すように、分離誘導線36に沿って識別具3’の一部(識別子Mが付された側)を分離し、元の形態と異なる形態としたときに、特定の識別子(サイズL)のみが認識できるようになる。
【0020】
上述のように、本実施形態の包装体1’は、識別具3を、商品のサイズに応じて異なる形態となるように分離し、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、第1実施形態の包装体1と同様に、一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定のサイズの製品を容易に識別することができる。
【0021】
図7(a)〜(c)は、本発明の包装体の第3実施形態を部分的に示すものである。本実施形態の包装体1’の備える識別具3’は、折り曲げと一部の分離とが組み合わされて、折り曲げと一部を分離して元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が認識できるよう設けられたものである。
【0022】
識別具3’は、複層化された部分を有しており、複層化された部分が分離可能に設けられている。即ち、識別具3’は、図7(c)及び(d)に示すように、基面部31’の表(正面)側が縦に二色(図では、右45°の斜線で示す着色領域C1、左45°の斜線で示す着色領域C2で図示)に色分けされ、その表面が被覆層38で被覆されている。図7(a)に示すように、被覆層38には、前記各着色領域C1、C2の上に位置し且つ折曲誘導線34、35にかかるように円形の分離誘導線で画成された4つの剥離部分381〜384が設けられている。つまり、本実施形態の識別具3’は、被覆層38を剥離部分381〜384で前記分離誘導線に沿って引き剥がして分離することによって、その下の着色領域が露呈されるように設けられている。
本実施形態の識別具3’を使用するときには、例えば、先ず、分離部分381を引き剥がし、図8(a)に示すようにその下の着色領域C1を露呈させる。そして、折曲誘導線34に沿って識別具3’を折り曲げることによって、図8(b)及び(c)に示すように、特定の識別子(サイズLと色(領域C1の色)との組み合わせ)のみを表裏に表示させることができる。或いは、分離部分384(図7(a)参照)を引き剥がし、図8(d)に示すように、その下の着色領域C2を露呈させる。そして、折曲誘導線34に沿って識別具3’を折り曲げることによって、図8(e)及び(f)に示すように、特定の識別子(サイズLと色(領域C2の色)との組み合わせ)のみを表裏に表示させることができる。なお、図には示していないが、本実施形態の識別具3’は、分離部分382又は383の分離と、折曲誘導線35に沿った識別具の折り曲げとの組み合わせによっても、特定の識別子(サイズMと着色領域C1又はC2の色の組み合わせ)のみを表示させることができる。よって本実施形態の包装体1’は、第1実施形態の包装体の効果に加えて、色の異なる商品を包装にも適している。
【0023】
図9(a)〜(c)に示す第4実施形態の包装体1’の備える識別具3’は、図9(c)及び(d)に示すように、基面部31’の表(正面)側が縦に三色(図では、右45°の斜線で示す着色領域C1、左45°の斜線で示す着色領域C2、水平線で示す着色領域C3で図示)に色分けされ、その表面が被覆層38で被覆されている。被覆層38には、一つの着色領域の上で且つ折曲誘導線34、35の一方又は両方にかかるように円形の分離誘導線で画成された5つの剥離部分381〜385が設けられている。被覆層38は、これらの剥離部分381〜385を前記分離誘導線に沿って引き剥がして分離することによって、その下の着色領域が露呈されるように設けられている。本実施形態の識別具は、分離部分381〜385の何れかの分離と、折曲誘導線34、35の何れかに沿った識別具3’の折り曲げとの組み合わせによって、二種類のサイズと三種類の色の組み合わせからなる特定の識別子のみを表裏に表示させることができる。よって、本実施形態の包装体1’は、第1実施形態の包装体の効果に加えて、色の異なる商品を包装にも適している。
【0024】
図10〜及び図12は、包装体本体とは別体に設けられた本発明の識別具の一実施形態を示すものである。なお、これらの図において、第1実施形態の包装体1における識別具3と共通する部分については、同一符号を付しており、特に説明のない部分は第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0025】
図10(a)及び(b)に示す実施形態の識別具3’は、折り曲げて元の形態と異なる形態としたときに、識別できる識別子に応じて異なる形態となり、特定の識別子のみが認識できるように設けられたものである。本実施形態の識別具3’は、基面部31を折曲誘導線34に沿って正面側又は折曲誘導線35に沿って背面側に折り曲げて元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が両面から認識できるよう設けられている。即ち、本実施形態の識別具3’は、折り曲げられた基面部31の傾斜部分の傾斜の向き及び識別子(サイズL又はM)の付されたタブ32又は33の位置が異なるようになり、認識できる特定の識別子に応じて識別具3が異なる形態となるように設けられている。図10(c)及び(d)に示すように、基面部31を折曲誘導線35に沿って背面側に折り曲げることによって、一方の識別子(サイズM)が隠蔽され、当該特定の識別子(サイズL)のみが正面及び背面から認識できるようになる。また、図10(e)及び(f)に示すように、基面部31を折曲誘導線34に沿って折り曲げることによって、一方の識別子(サイズL)が隠蔽され、特定の識別子(サイズM)のみが正面及び背面から認識できるようになる。そしてこの除隊で包装体本体2に取り付ける。このように、識別具3’は、包装する商品のサイズに応じて異なる形態で、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、識別具3’を同じ位置に取り付けた包装体を一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定のサイズの製品を容易に識別することができる。本実施形態の識別具3’は、包装体本体2とは別体であるので、様々な包装本体に取り付けて用いることができる。
【0026】
図11(a)及び(b)に示す実施形態の識別具3’は、折り曲げと一部の分離とが組み合わされて、折り曲げと一部を分離して元の形態と異なる形態にしたときに、識別できる識別子(サイズと色の組み合わせ)に応じて異なる形態となり、特定の識別子のみが認識できるよう設けられたものである。本実施形態の識別具3’は、基面部31’の表側が対角線34’を境として二色(図では、右45°の斜線で示す着色領域C4、左45°の斜線で示す着色領域C5で図示)に色分けされている。また、識別具3’は、タブ32が着色領域C4に、タブ33が着色領域C5に隣接し、タブ同士が対角線34’、35’の交点を回転中心とする回転対称位置に位置するように配されている。対角線34’、35’は、それぞれ基面部31’の折曲誘導線となっているとともに、交点より上方(斜め上)の部分は、基面部31’を逆三角形形状に分離できるようにミシン目状の分離誘導線となっている。
【0027】
本実施形態の識別具3’は、基面部31’の分離誘導線で囲まれた部分を分離し、積極誘導線34’又は35’に沿って折曲げてそのまま使用するか、或いはさらに反時計回りに90°回転させて使用することによって、基面部の上端部の傾斜部分の傾斜の向き、露呈される着色領域の色及びサイズが付されたタブの位置が異なるようになり、認識できる特定の識別子に応じて異なる形態となるように設けられている。例えば、サイズMと着色領域C5の色の組み合わせを特定の識別子として表示させる場合には、基面部31’の前記分離誘導線で囲まれた逆三角形形状の部分の分離部分310を分離した後(図11(c))、折曲誘導線35’に沿って着色領域C4が隠蔽されるように、図11(d)及び(e)に示すように基面部31’を反折りに折り曲げてタブ32を下方位置に配する。そしてこの状態で、タブ32が隠蔽されるように、包装体本体2に取り付ける。サイズLと着色領域C5の色の組み合わせを特定の識別子として表示させる場合には、図11(f)及び(g)に示すように、図11(d)及び(e)の状態からさらに90°反時計周りに回転させ、タブ33を下方位置に配する。そして、この状態で、タブ33が隠蔽されるように、包装体本体2に取り付ける。このように、識別具3’は、包装する商品の色及びサイズに応じて異なる形態で、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、識別具3’を同じ位置に取り付けた包装体を一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定の色及びサイズの製品を容易に識別することができる。本実施形態の識別具3’は、包装体本体2とは別体であるので、様々な包装本体に取り付けて用いることができる。
【0028】
図12(a)及び(b)に示す実施形態の識別具3’は、図11におけるタブ33の位置がタブ32に対して基面部31’の縦の中心線を境として線対称位置に設けられている以外は、図11に示す実施形態の識別具3’と同様に設けられている。そして、識別具3’と同様に、基面部31’の分離誘導線で囲まれた逆三角形形状の部分の分離部分310を分離した後、折曲誘導線35’に沿って着色領域C4が隠蔽されるように、基面部31’を反折りに折り曲げてタブ32を下方位置に配し、タブ32が隠蔽されるように、包装体本体2に取り付けたり、或いはさらに反時計回りに90°回転させて取り付けて用いることができる。よって、本実施形態の識別具3’も、図11の実施形態の識別具3’と同様に、包装する商品の色及びサイズに応じて異なる形態で、一方の識別子のみを表裏に表示させることができるので、識別具3’を同じ位置に取り付けた包装体を一列に縦置きに並べて陳列した場合にも特定の色及びサイズの製品を容易に識別することができ、様々な包装本体に取り付けて用いることができる。
【0029】
本発明は前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0030】
本発明の包装体は、前記実施形態のように、識別具が包装体本体に連設されている形態、識別具と包装体本体とを別体で設けている形態の何れの形態でもよい。別体とする場合の識別具の包装体本体への取り付け手法に制限はない。別体の場合には、包装体本体と識別具は同じ材質であっても良く、異なる材質であっても良い。
【0031】
本発明の包装体及び識別具は、識別具の備える形状維持手段に特に制限はなく、例えば、図13(a)に示す識別具3’のように、タブ32、33に切れ目320、330を入れておき、折曲誘導線34又は35に沿って基面部31’を折り曲げたときに、スリット状の挿入孔22’にこれらの切れ目320、330を差し込むようにして折曲形態を維持することもできる。逆に、挿入孔22’の開口部に切れ目220を設けてもよい。また、図13(b)に示す識別具3’のように、タブ32、33とは別に互いに係止可能な片部311、312を形成できるように基面部31に切り込みを設けることもできる。さらに、図14に示すように、包装体本体2やの挿入孔を省略し、タブを容器本体2の背面部21と上面部23の先端の差し込みフラップ部230との間に差し込んで折曲状態を維持するようにすることもできる。
【0032】
本発明の包装体は、包装体本体の形態に特に制限はない。本発明における包装体本体には、前記実施形態のような六面体の形態以外の各種の多面体(平面若しくは曲面又は平面と曲面との組み合わせを含む。)からなる形態等、板紙等のシート材で作製可能な形態が全て含まれる。
【0033】
また、本発明の包装体の備える包装体本体の形態は、被包装物を全て収容する形態の他、部分的に収容する形態も含まれる。また、包装体本体に、フックを備えていてもよく、また、包装体本体の一部に、陳列棚のフックに挿入するための孔や凹部を有していてもよい。また、本発明の包装体は、その包装する商品に特に制限はない。
【0034】
本発明の識別具は、前記各実施形態のように、折曲誘導線や分離誘導線を有していることが好ましいが、これらを省略することもできる。
【0035】
また、本発明の識別具は、タブ及びタブの挿入孔の形態にも特に制限はない。例えば、図15(a)に示すように、タブ32、33の外形の形態に合わせ且つタブの外形よりも大きい寸法の挿入孔22’とし、挿入をし易くすることもできるし、図15(b)に示すように、タブ32、33の挿入端部321、331及び挿入孔22’の開口端部220を連続する山形状の形態とし、挿入したタブを抜けにくくすることもできる。
【0036】
本発明の識別具は、付する識別子の種類は、2種類以上であってもよい。例えば、図16に示す実施形態の識別具3’のように、基面部から上方に突出するタブ39をさらに設けて新たに識別子(サイズS)を付すとともに、これらのタブをそれぞれ独立して分離できるような分離誘導線390を形成し、識別具3’を、商品の3種類のサイズに応じて分離して元の形態と異なるように変更できるようにすることもできる。
【0037】
また、本発明の識別具は、識別子の付し方に制限はなく、印刷によって付する以外に、シールなどを貼り付けてもよく、それ以外の方法で付してもよい。また、識別子は、同種の製品の中から特定の製品を識別させるための当該製品に関連する事項(例えば、商品仕様)であれば特に制限はない。前記実施形態のような記号の他、例えば、価格、寸法、使用時期、使用対象年齢等の各種の数値、色、模様、性別又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。識別具を折り曲げるか部分的に分離して表示させる特定の識別子は、一の識別子限られず、複数の識別子の組み合わせであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の識別具及び包装体は、商品を一列に並べたり積み上げて陳列するときに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の包装体の一実施形態を模式的に示す図であり、(a)は正面側からみた斜視図、(b)は背面側からみた斜視図である。
【図2】(a)及び(b)は、前記実施形態の包装体の識別具を折り曲げた状態を示す部分拡大斜視図である。
【図3】前記実施形態の包装体の展開平面図である。
【図4】前記実施形態の包装体の陳列状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の包装体の第2実施形態を模式的に示す部分拡大斜視図である。
【図6】第2実施形態の使用状態を模式的に示す部分拡大斜視図である。
【図7】本発明の包装体の第3実施形態を模式的に示す図であり、(a)は部分拡大正面図、(b)は(a)の背面図、(c)は(a)のA−A矢視断面図、(d)は(a)の被覆層を剥がした状態を示す図である。
【図8】第3実施形態の包装体の識別具の使用形態を模式的に示す図であり、(a)は被覆層の一の分離部分を分離した状態を示す図、(b)は基面部を折り曲げた状態を示す正面図、(c)は(b)の背面図、(d)は被覆層の他の分離部分を分離した状態を示す図、(e)は基面部を折り曲げた状態を示す正面図、(f)は(e)の背面図である。
【図9】本発明の包装体の第4実施形態を模式的に示す図であり、(a)は部分拡大正面図、(b)は(a)の背面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図、(d)は(a)の被覆層を剥がした状態を示す図である。
【図10】本発明の識別具の一実施形態及びその使用形態を模式的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)基面部を背面側に折り曲げた状態を示す図、(d)は(c)の背面図、(e)基面部を背面側に折り曲げた状態を示す図、(f)は(e)の背面図である。
【図11】本発明の識別具の他の実施形態及びその使用形態を模式的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は基面部の分離部分を分離した状態を示す正面図、(d)は(c)の背面図、(e)は(c)の基面部をさらに折り曲げた状態を示す図、(f)は(e)の背面図、(g)はさらに反時計回りに回転させた状態を示す図、(h)は(g)の背面図である。
【図12】本発明の識別具の他の実施形態を模式的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図13】(a)及び(b)は、折曲形態維持手段の他の形態を備えた識別具を模式的に示す正面図である。
【図14】本発明の包装体の他の実施形態を模式的に示す部分拡大斜視図である。
【図15】(a)及び(b)は、他の形態のタブ及びその挿入孔を備えた識別具を模式的に示す正面図である。
【図16】本発明の識別具の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1、1’ 包装体
2 容器本体(包装体本体)
22、22’ 挿入孔
3、3’ 識別具
31、31’ 基面部
34、34’、35、35’ 折曲誘導線
36、37 分離誘導線
10 原板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材の片面若しくは両面に複数の異なる識別子が付されており、前記シート材の折り曲げ及び/又は一部分離により、元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が認識できるよう設けられた識別具。
【請求項2】
前記シート材が複層構造を有している請求項1記載の識別具。
【請求項3】
折り曲げた部分で、その折り曲げた側に前記特定の識別子が表示されるとともに、該折り曲げた側の面に付された前記特定の識別子を除く他の識別子が全て隠蔽されるように、前記各識別子が付されている請求項1又は2記載の識別具。
【請求項4】
折曲誘導線若しくは分離誘導線を有している請求項1〜3の何れかに記載の識別具。
【請求項5】
折り曲げた形態を維持するための形態維持手段を備えている請求項1〜4の何れかに記載の識別具。
【請求項6】
前記特定の識別子が両面から認識できるように付されている請求項1〜5の何れかに記載の識別具。
【請求項7】
認識できる前記特定の識別子に応じて異なる形態となることが可能な請求項1〜6の何れかに記載の識別具。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の識別具を備えた包装体。
【請求項9】
前記識別具が包装体本体に連設されている請求項8記載の包装体。
【請求項10】
前記形態維持手段に代えて、前記包装体本体に、他の形態維持手段を備えている請求項8又は9記載の包装体。
【請求項1】
シート材の片面若しくは両面に複数の異なる識別子が付されており、前記シート材の折り曲げ及び/又は一部分離により、元の形態と異なる形態にしたときに、特定の識別子が認識できるよう設けられた識別具。
【請求項2】
前記シート材が複層構造を有している請求項1記載の識別具。
【請求項3】
折り曲げた部分で、その折り曲げた側に前記特定の識別子が表示されるとともに、該折り曲げた側の面に付された前記特定の識別子を除く他の識別子が全て隠蔽されるように、前記各識別子が付されている請求項1又は2記載の識別具。
【請求項4】
折曲誘導線若しくは分離誘導線を有している請求項1〜3の何れかに記載の識別具。
【請求項5】
折り曲げた形態を維持するための形態維持手段を備えている請求項1〜4の何れかに記載の識別具。
【請求項6】
前記特定の識別子が両面から認識できるように付されている請求項1〜5の何れかに記載の識別具。
【請求項7】
認識できる前記特定の識別子に応じて異なる形態となることが可能な請求項1〜6の何れかに記載の識別具。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の識別具を備えた包装体。
【請求項9】
前記識別具が包装体本体に連設されている請求項8記載の包装体。
【請求項10】
前記形態維持手段に代えて、前記包装体本体に、他の形態維持手段を備えている請求項8又は9記載の包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−160338(P2006−160338A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−356845(P2004−356845)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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