説明

識別媒体を装着した物品、同物品の真贋判定及び物流管理方法

スライドファスナーの上止5に第1識別媒体50である近距離交信用のRFIDを内蔵し、スライダー2の第1引手部材3aにおける同第1引手の孔部3cには、第2引手部材3bが着脱可能に取り付けられている。第2引手部材3bに第2識別媒体52である遠距離交信用のRFIDを設け、第2識別媒体52を被着した図示せぬ物品に対して着脱可能に装着する。これにより、物品及びファスニング製品の真贋判断を行う識別媒体と、物品の物流管理を行う識別媒体とをそれぞれ物品に装着することができ、しかも、物流管理を行う識別媒体は物品から取り外すことで物流管理を行う識別媒体の機密性を確保することができる。また、取り外した物流管理を行う識別媒体は、他の新たな物品に装着すことで再利用を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、例えばスライドファスナー、面ファスナー、テープ付きスナップファスナー、係合条片を有するレール状ファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタンなどのファスニング製品が被着された物品、同物品の真贋判定及び物流管理方法に係わり、特に、近距離交信用又は近距離確認用の第1識別媒体が前記ファスニング製品に備えられ、かつ着脱可能な第2識別媒体が装着された前記物品、同物品の真贋判定及び物流管理方法に関するものである。
尚、本願明細書及び特許請求の範囲の記載において識別媒体とは、読み取り及び/又は書き込みが可能な符号、ID(Identification)識別符号をもつ媒体を指す用語として用いている。識別媒体として代表的なものとしては、RFID(Radio Frequency Identification)、識別手段を有する添加物とその添加物を含有する識別情報保持物(例えば、登録商標であるプラゲノムやDNAインクなど)、同じく識別手段を有する秘密情報が埋め込まれた文字や図形などがある。
RFIDとしては、シリコンチップのRFIDやクリスタルチップのRFIDを用いることができるものである。また、RFIDは、無線ICとかICタグと称される場合もある。
本願明細書及び特許請求の範囲の記載において用いる近距離交信用の識別媒体とは、交信距離が30cm未満、好適には10数cm未満で識別情報の入出力を行うことのできる識別媒体を総称した用語として用いているものであり、例えば、交信距離が0〜10数cm未満であるRFIDなどが近距離交信用の識別媒体として含まれるものである。RFIDとしては、アンテナを具備するもの、又はアンテナを具備しないもののいずれのものであってもよい。
また、本願明細書及び特許請求の範囲の記載において遠距離交信用の識別媒体とは、交信距離が10数cm以上で、好適には30cm以上で5m未満の範囲において識別情報の入出力を行うことのできる識別媒体を総称した用語として用いているものであり、例えば、交信距離が10数cm以上であるRFIDなどが遠距離交信用の識別媒体として含まれるものである。
更に、本願明細書及び特許請求の範囲の記載において近距離確認用の識別媒体とは、上述した識別情報保持物や識別手段を有する秘密情報が埋め込まれた文字や図形などを総称した用語として用いているものである。
識別情報保持物としては、例えば、希土類元素を樹脂等に混入させた識別媒体であり、混入させた希土類元素の種類、添加量等により特定な情報を表す識別情報としたもので所謂プラゲノム(登録商標)と称されるもの、生物のDNA情報の一部から人工的に作られた合成DNAをインクに混入した所謂DNAインク(登録商標)と称されるものなどである。核磁気共鳴現象を利用した検出、赤外線等の光学式による検出等により、インクに混入した合成DNA情報を読み出すことができる。
また、識別手段を有する秘密情報が埋め込まれた文字や図形などとしては、赤外線等に反応する識別糸を媒体に組み込んだ識別媒体であり、赤外線等を照射することで媒体に組み込んだ識別糸を視認することができるもの、あるいは、文字、絵柄、模様等を媒体に設けた識別媒体であり、同文字、絵柄、模様等を視認することができるものなどが含まれるものである。
【背景技術】
近年、無線通信方式によってデータ通信を行うRFIDを生産段階で商品に内蔵させ、商品の生産から物流、販売等にいたるトータル的な商品管理を行うことや、商品の紛失防止、盗難防止、偽造防止などが行われている。また、RFIDを衣服に装着して痴呆症患者の徘徊防止等に利用することなどが提案されてきている。
一般にRFIDは、大きく分けて3つのタイプのものが用いられている。1つ目のタイプは、パッシブタグと称されるものであり、起動用の電源電池を備えておらず、データが格納されているものである。格納されているデータの書き換えが可能なものもある。また、パッシブタグにおける起動用の電源としては、外部の読取装置から受信した電磁波で起電力を発生させ、発生した起電力をRFIDの電源として用いる。
2つ目のタイプは、アクティブタグと称されるもので、起動用の電源電池を持っていて格納されているデータを発信することができるものであり、格納されているデータの書き換えが可能なものもある。3つ目のタイプは、セミパッシブタグと称されるもので、起動用の電源電池は持っているが、外部の読取装置から発信したトリガ信号を受信しないと格納されているデータを外部の読取装置に発信しないものである。セミパッシブタグにおいても、格納されているデータの書き換えが可能なものもある。
RFIDのメモリに格納されているデータを外部の読取装置によって読取るにあたって、パッシブタグにおいては、RFID内に内蔵した受信アンテナに読取装置からの制御信号を受信する機能と共にコイルとしての機能も持たせている。外部の読取装置から送信した電磁波によって、受信アンテナであるコイルに起電力を発生させ、同起電力でもってRFIDの動作を行わせている。電源電池を備えたものでは、受信アンテナによる起電力を発生させず、備えた電源電池によってRFIDを動作させている。
RFIDが動作可能状態にあると、読取装置からの制御信号に基づいてRFID内のメモリから必要なデータを取り出して、同データを応答データとして送信アンテナから読取装置に応答送信することができる。応答送信された信号は読取装置の受信アンテナで受信され、読取装置の制御部において応答データの解析が行われる。この応答データはRFID内に格納されていたデータとして読取装置内に一時格納されたのち、パソコンなどの制御機器へと送信される。
また、読取装置から送信された制御信号に基づいて、RFID内のメモリに格納されるデータの更新あるいは書き換え等を行うこともRFIDの性能によって可能である。RFID内のメモリからのデータの読み出し、データの書き込みにあたっては、各種セキュリティ手段が講じられている。
この種のRFIDをファスニング製品に内蔵したものとしては、例えば、特開2002−125721号公報に記載された「スライドファスナーの引手」や特開2002−42100号公報に記載された「縫止脚付衣服用ボタン」が提案されている。また、RFIDを用いない識別媒体としては、特開2002−332414号公報に記載された「種類や製造履歴等を識別することのできる高分子材料及びその識別方法」が提案されている。
特開2002−125721号公報に記載されたスライドファスナーの引手は、第43図に示すように金属製や合成樹脂、皮革、厚布等の軟質材製の引手本体71内にRFIDチップ74とコイルアンテナ73とを埋め込んでおり、コイルアンテナ73とRFIDチップ74とは細いガラス管75内に封入されている。
引手本体71を金属材料により構成する場合は、同引手本体71にガラス管75の埋込孔72が形成されるとともに、同埋込孔72の壁面に内外に連通する送受信用スリット76が形成され、同送受信用スリット76の部位に配したコイルアンテナ73と外部に配した読取装置との間で信号の送受信が行えるように構成されている。コイルアンテナ73とRFIDチップ74とを封入したガラス管75が前記埋込孔72内に挿入したのち、同埋込孔72の開口端をエポキシ樹脂によって密閉し、コイルアンテナ73とRFIDチップ74とからなるRFIDが埋設した引手本体71が形成されている。
また、前記引手本体71を合成樹脂材により構成する場合は、同引手本体71が電磁透過性をもつ合成樹脂材料から構成される。ガラス管75中に封入されたRFIDは、上記金属製の引手本体と同様に、前記エポキシ樹脂によって前記埋込孔72内に封入され、RFIDを埋設した引手本体71が形成されている。
更にまた、前記引手本体71を皮革材や布材により構成する場合は、ガラス管75を挿入する埋込空間が引手本体71に形成されている。ガラス管75中に封入されたコイルアンテナ73とRFIDチップ74とからなるRFIDは、送受信用の長孔を有する金属管によって被覆して補強されている。補強されたRFIDは前記埋込空間内に隠蔽して収納されている。
特開2002−42100号公報に記載された縫止脚付衣服用ボタンは、第44図に示すように、電磁透過性を有する硬質樹脂製のボタン本体82により構成されている。ボタン本体82の表面にはリング状の凹所84が形成され、その裏面にはボタンを衣服等に縫い止める縫止脚81が一体に突設されている。
第45図に示すように凹所84の中心部にはRFIDチップ86が配されるとともに、同RFIDチップ86に電気的に接続されたらせん状コイルアンテナ85が前記凹所84内で周回するように配されている。このRFIDチップ86とコイルアンテナ85とからなるRFIDが前記凹所84内に配されたのち、同凹所84内にエポキシ樹脂87が流し込まれて固化され、コイルアンテナ85とRFIDチップ86とからなるRFIDは密封防水処理され、RFIDを内蔵したボタンが形成されている。
特開2002−332414号公報に記載された高分子材料及びその識別方法では、一種ないし二種以上の元素またはそれらの化合物を情報提示物質として、識別対象の高分子材料に含ませている。情報提示物質の種類やその含有量に対応した一桁ないし複数桁の数値データを、同情報提示物質を含ませた識別対象の高分子材料に関する情報として利用している。このため、一桁ないし複数桁の数値データがバーコード的な情報を有することなり、様々な情報を高分子材料に簡単に含ませることができるとするものである。
特開2002−125721号公報、特開2002−42100号公報に開示されたRFIDは、近距離交信用のRFIDであるため、RFIDと読取装置間の距離が短い狭小領域内でのみRFIDに格納したデータの読取が可能であった。また、RFIDを内蔵したスライドファスナーやボタンを装着した衣料品やカバン等に関して、これら衣料品やカバン等の物流管理をスライドファスナーやボタンに内蔵したRFIDのメモリに記憶されたデータで行うことにすると、RFIDのメモリには、RFIDを内蔵したスライドファスナーやボタンの製品情報に関するデータ以外に物流管理用のデータを格納しなければならない。
RFIDは、常に衣料品やカバン等の製品に装着されているため、第3者が悪意に基づいてRFIDを装着した衣料品やカバン等の製品を購入したエンドユーザーからRFIDに格納されている情報を盗み取ることが可能となる。このため、エンドユーザーが所有しているRFIDを装備した物品の履歴やエンドユーザーの個人情報、例えば、所有している物品の値段が幾らでどの店で購入したのか、とか、どういう店でどのような商品を購入するのが好きなのかといった、個人のプライバシーに係わる情報が外部に筒抜けになってしまうことになる。
特に、スライドファスナーなどのファスニング製品の用途は拡大されており、カバンやバックから衣料品に至るまで幅広く使用されてきており、その使用形態も種々にわたっている。このため、これらのものに使用されているファスニング製品に対して、不正アクセスすることが可能なRFIDを備えたファスニング製品を装着した物品に関する物流情報まで格納しておくことは、消費者ニーズに合致するものではなく、また、個人のプライバシー等を保護する上からも好ましいものではなかった。
また、RFIDや近距離確認用の識別媒体を備えたファスニング製品を装着した物品がエンドユーザーである顧客に手渡った後の真贋判定においては、RFIDは読取装置側からに信号に応じて発信すればよく、RFIDからの電波到達距離を必要としないが、製造や問屋、販売段階での物流管理においては、RFIDから発信された電波が所定範囲内に亘って安定した状態で読取装置により受信されることが望まれている。
このため、真贋判定と物流管理とを行わせるためには、遠距離交信用のRFIDを用いなければならないが、遠距離交信用のRFIDをファスニング製品に配設することが難しく、また、遠距離交信用のRFIDを物品に装着しておくと、不正アクセスを許容することになり問題となっていた。
【発明の開示】
この発明は、これらの問題を解決するためになされたものである。物品及びファスニング製品の真贋判断を行う識別媒体と、物品の物流管理を行う識別媒体とを異なる条件でそれぞれ使用することができるようにすることで、上述の問題点の解決を図ることにある。また、物流管理を行う識別媒体は、物品から取り外して、他の新たな物品に装着することで、取り外した識別媒体の再利用を図ることにある。
これによって、物品に装着した識別媒体と物品に対して着脱可能な識別媒体を用いることで物品に対する真贋判定や物流管理を別個の識別媒体により行うことができるようになり、物品についてのトータル的な商品管理を行うことができるようになる。
前記の目的を達成するため、この発明の第1の基本的な構成は、近距離交信用又は近距離確認用の第1識別媒体を物品に装着するとともに、同物品に対して第2識別媒体を着脱可能に装着することを特徴としている。
これにより、物品に対して常に装着した第1識別媒体と着脱可能な第2識別媒体とを備えることができ、例えば、第1識別媒体を物品の真贋判定用に用い、第2識別媒体を物品の物流管理用に使用するなど、異なる用途に識別媒体をそれぞれ使用することができるようになる。また、物品の販売後においても必要な管理情報又は判断情報を物品に残しておくことができ、不要となった管理情報又は判断情報は物品から外しておくことができるので、物品に関する秘密情報等が外部に漏れ出るのを防止することができる。
また、請求の範囲第2項に記載したように、第1識別媒体を物品に被着されるファスニング製品に設けることで、ファスニング製品の管理と同ファスニング製品を被着した物品の管理とを第1識別媒体にて行うことができるようになる。また、第2識別媒体としては、物品に関する物流情報等、ファスニング製品を被着した後の物品の管理を第1識別媒体とは別に行わせることができるようになる。
更に、第2識別媒体を物品から任意に取り外すことができるようになり、ファスニング製品や物品に付加する識別情報を、第1識別媒体と第2識別媒体とで分担させることが可能となり、しかも、個人情報や物流情報等のセキュリティ上問題となる情報は、任意に取り外すことのできる第2識別媒体に格納しておくことができる。
第1識別媒体としては、請求の範囲第6項に記載したようにファスニング製品や物品の真贋判定用の識別媒体として使用することができ、第2媒体としては、請求の範囲第7項に記載したように物流管理用の識別媒体として使用することができる。これにより、物流管理用の識別媒体は、同識別媒体として必要な物流管理が終了した時点で物品から取り外すことができ、取り外した物流管理用の識別媒体は、別の新たな物品に対する物流管理用の識別媒体として再利用することができる。
また、真贋判定用の識別媒体は物品にそのまま装着されているので、エンドユーザーが同物品の修理を依頼してきた場合や、税関での製品検査時等において物品の真贋を判定する判定手段として使用することができる。真贋判定としては、第1識別部材に格納されているデータを真贋判定用の予め設定した基準データと比較することにより行うことができる。
第1識別媒体としては、近距離交信用の識別媒体や近距離確認用の識別媒体を使用することができる。近距離交信用の識別媒体としては、交信距離が0〜10数cmであるRFID等を使用することができる。また、近距離確認用の識別媒体としては、視認により、あるいは専用の検出装置により特定の識別情報を読み取ることのできる識別媒体を用いることができる。
近距離確認用の識別媒体としては、例えば、着色時にプラスチックなどの材料に、特殊な蛍光物質を特定な情報を示すものとして目に見えない形で添加した識別媒体であって、必要なときにその特定な情報を専用の読み取り機により読み取ることのできる所謂プラゲノム(登録商標)と称されるもの、生物のDNA情報の一部から人工的に作られる合成DNAを混入したインクを媒体に印刷した識別媒体であって、核磁気共鳴現象を利用した検出、赤外線等の光学式による検出等により、インクに混入した合成DNA情報を読み出すもの、赤外線等に反応する識別糸を媒体に組み込んだ識別媒体であって、赤外線等を照射することで媒体に組み込んだ識別糸を視認することができるもの、あるいは、文字、絵柄、模様等を媒体に設けた識別媒体であって、同文字、絵柄、模様等を視認することができるものなどを使用することができる。
第2識別媒体としては、近距離交信用の識別媒体や遠距離交信用の識別媒体を使用することができる。近距離交信用の識別媒体としては、交信距離が0〜10数cmであるRFID等を使用することができ、遠距離交信用の識別媒体としては、交信距離が10数cm以上であるRFID等を使用することができる。
第1識別媒体及び第2識別媒体として近距離交信用のRFIDを用いた場合には、第1識別媒体のRFIDと第2識別媒体のRFIDの交信周波数を異ならしておくことが望ましい。
第1識別媒体として近距離交信用のRFIDを用い、第2識別媒体として遠距離交信用のRFIDを用いた場合には、第1識別媒体と第2識別媒体との間で信号の送信及び受信を行い得るように構成しておくことで、第2識別媒体を介して第1識別媒体に格納されているデータを外部の読取装置との間での送信あるいは、外部の読取装置から送信されたデータ等を第1識別媒体に格納することができるようになる。これにより、様々な要求を満たすことができる識別媒体とすることができる。
第2識別媒体は、物品に被着されているファスニング製品に着脱可能に装着することもできる。特に、ファスニング製品がスライドファスナーであるときには、同スライドファスナーの引手に着脱可能に装着することができる。引手に対して着脱可能に装着する場合には、引手に対して着脱可能に装着することのできるリボン状のテープや面ファスナー等に第2識別媒体を配設しておくことができる。
また、第2識別媒体は、物品に対して着脱可能に装着することのできるタグに配設しておくこともできる。この場合には、タグの表面に第2識別媒体が装着されている旨の印等を付与しておくことで、消費者への物品の販売時に第2識別媒体を装着したタグを取り外し、取り外したタグを物品の製造者等に戻すことで、同タグを再利用することができる。タグを再利用する場合には、第2識別媒体に格納されているデータを消去して新たなデータを書き込んで使用することが望ましい。
この発明の第2の基本的な構成では、第1識別媒体として近距離交信用のRFIDを物品に設けるとともに、同RFIDに遠距離交信用のアンテナを接続することができるアンテナ接続端子を設け、同アンテナ接続端子に遠距離交信用のアンテナを着脱可能に接続したことを特徴としている。
これにより、遠距離交信用のアンテナを接続することで近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用することができるようになる。遠距離交信用のアンテナを接続している状態では、RFIDを物流管理用のRFIDとして使用し、遠距離交信用のアンテナを取り外した状態では、真贋判定用のRFIDとして使用することができるようになる。
しかも、遠距離交信用のアンテナは、フィルム等に導電性塗料によりアンテナを印刷して形成するなどにより構成することや、面ファスナーの面上に配線すること等により構成することができ、交信距離に応じて所望のアンテナ線の長さを有するアンテナを容易に形成することができる。
遠距離交信用のアンテナと接続するRFIDのアンテナ接続端子は、物品上に形成することも、或いは物品に装着したファスニング製品上に形成することもでき、アンテナ接続端子を配設することができる部位であれば、所望の部位に形成することができる。また、遠距離交信用のアンテナを配設した部材を物品又はファスニング製品に着脱可能に取り付ける取り付け手段としては、粘着による取り付けや、磁力を用いた取り付け、クリップ等による狭持による取り付け、アンテナ接続端子が形成されている部位にアンテナを配設した部材を挿入すること等の種々の取り付け手段を用いて取り付けることができる。取り付ける際には、アンテナが結線しないように取り付けることが望ましい。
また、この第2の発明では、RFIDに電源電池を着脱可能な状態で接続することもできる。第1識別媒体のRFIDがアクティブタイプやセミパッシブタイプの場合には、電源電池を別途接続することは必要としないが、電源電池を接続することにより遠距離交信の交信距離を更に延ばすことが可能となる。
これにより、近距離交信用のRFIDを取り付けた物品に遠距離交信用のアンテナを取り付けることで、広範囲の領域での外部の読取装置との間での交信や、ダンボール箱等の中に収納された物品と外部の読取装置との間での交信等を行うことができるようになる。
この発明の第3の基本的な構成では、近距離交信用又は近距離確認用の第1識別媒体を物品に設けるとともに、同物品に対して第2識別媒体を着脱可能に装着して、物品の物流管理を第2識別媒体に格納されているデータ又は第2識別媒体に所望のデータを格納することにより行う真贋判定及び物流管理方法を特徴としている。
第2識別媒体に格納されたデータ又は格納するデータは、データそのものによって物流管理を行うデータとして使用することができる。また、第2識別媒体に格納されたデータ又は格納するデータに対応する物流管理の情報をパソコン等の外部のメモリに記憶させておき、第2識別媒体から読み出したデータ又は第2記憶媒体に格納したデータとパソコン等に記憶した情報とを対応させることで物品やファスニング製品の物流管理を行うこともできる。パソコン等に情報を記憶しておくことで、第2識別媒体に格納することができないような大きなデータ量のものであっても取り扱うことが可能となる。
第1識別媒体の格納されたデータは、データそのものによってファスニング製品又は物品の真贋判定を行うデータとして使用することができる。また、第1識別媒体に格納されたデータに対応する真贋判定用の情報をパソコン等の外部のメモリに記憶させておき、第1識別媒体から読み出したデータとパソコン等に記憶した情報とを対応させることで物品やファスニング製品の真贋判定を行うこともできる。パソコン等に情報を記憶しておくことにより、第1識別媒体に格納することができないような大きなデータ量のものであっても取り扱うことが可能となる。
第2識別媒体は、物流管理用としての機能が終了した後には、物品から取り外して新たな物品に取り付け、取り付けた新たな物品の物流管理用の識別媒体として再利用することができ、識別媒体の資源をリサイクルすることができる。なお、識別媒体をリサイクルして使用する場合には、同識別媒体に格納されていた既存のデータを消去して、新たなデータを再利用する識別媒体に格納していくことが望ましい。
この発明の第4の基本的な構成では、第1識別媒体として近距離交信用のRFIDを物品に設けるとともに、同RFIDに遠距離交信用のアンテナを接続することができるアンテナ接続端子を設け、同アンテナ接続端子に遠距離交信用のアンテナを着脱可能に接続して、物品の物流管理を第1識別媒体に格納されているデータ又は第1識別媒体に所望のデータを格納することにより行う真贋判定及び物流管理方法を特徴としている。
これにより、近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用することができるようになる。このため、特に遠距離交信用のRFIDを用いなくても、一つのRFIDを遠距離交信用のアンテナを接続したり取り外したりすることだけで、遠距離交信用のRFIDとしたり近距離交信用のRFIDとすることができる。
第1識別媒体である近距離交信用のRFIDに格納されたデータ又は格納するデータは、遠距離交信用のアンテナを第1識別媒体であるRFIDのアンテナ接続端子に接続することによって、前記RFIDに格納されたデータ又は格納するデータそのものを物流管理用のデータとして使用することができる。
また、第1識別媒体に格納されたデータ又は格納するデータに対応する物流管理の情報をパソコン等の外部のメモリに記憶させておき、第1識別媒体から読み出したデータ又は第1記憶媒体に格納したデータとパソコン等に記憶した情報とを対応させることで物品やファスニング製品の物流管理を行うこともできる。
パソコン等に情報を記憶しておくことで、第1識別媒体に格納することができないような大きなデータ量のものであっても取り扱うことが可能となる。しかも、物流管理用のデータ量が増大しても、増大したデータをパソコン等の記憶装置に記録させておくことで、第1識別媒体のメモリ容量を大きくしなくても、物流管理を行うことができるようになり、RFIDを大きな形状としなくてすむ。
取り外した後の遠距離交信用のアンテナは、別の新たな物品における遠距離交信用のアンテナとして使用することができ、遠距離交信用のアンテナの再利用を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施形態に係わるスライドファスナーの正面図である。
第2図は、第1図に示すスライドファスナーを被着した物品の要部正面図である。
第3図は、第1識別媒体を内蔵した上止の部分破断斜視図である。
第4図は、第1識別媒体を内蔵した箱体の部分正面図である。
第5図は、第1識別媒体を内蔵した下止の部分正面図である。
第6図は、第1識別媒体を内蔵したファスナーエレメントの部分正面図である。
第7図は、第1識別媒体を内蔵したスライダーの部分断面図である。
第8図は、第1識別媒体を内蔵した引手の部分断面図である。
第9図は、スライドファスナーを被着した物品の要部正面図である。
第10図は、第1識別媒体を配設したファスナーテープの部分断面図である。
第11図は、第1識別媒体を配設したファスナーテープの変形例を示す部分断面図である。
第12図は、第1識別媒体を配設した補強テープの部分正面図である。
第13図は、第12図の要部断面図である。
第14図は、第1識別媒体を配設した引手の部分斜視図である。
第15図は、第1識別媒体を配設した引手の変形例を示す部分断面図である。
第16図は、スライドファスナーを被着した物品の正面図である。
第17図は、スライドファスナーを被着した物品の変形例を示す正面図である。
第18図は、スライドファスナーを被着した物品の他の変形例を示す正面図である。
第19図は、第1識別媒体を配設したバックルの部分正面図である。
第20図は、第1識別媒体を配設したベルト調整具の部分斜視図である。
第21図は、第1識別媒体を配設したナス環の部分斜視図である。
第22図は、第1識別媒体を配設したコードストッパーの部分斜視図である。
第23図は、第1識別媒体を配設したスナップボタンの部分斜視図である。
第24図は、第1識別媒体を配設したボタンの部分斜視図である。
第25図は、第1識別媒体を配設した面ファスナーの部分斜視図である。
第26図は、第25図の要部断面図である。
第27図は、第1識別媒体を配設したスナップファスナーの部分斜視図である。
第28図は、第27図の要部断面図である。
第29図は、第1識別媒体を配設したレールファスナーの部分斜視図である。
第30図は、第29図の要部断面図である。
第31図は、着脱可能なアンテナを第1識別媒体に配設したスライドファスナーの部分斜視図である。
第32図は、第31図の要部断面図である。
第33図は、アンテナを形成したフィルムの変形例を示す斜視図である。
第34図は、着脱可能なアンテナを第1識別媒体に配設した引手のカバーとした部分斜視図である。
第35図は、第34図の要部断面図である。
第36図は、着脱可能なアンテナを第1識別媒体に配設した引手のカバーとした変形例の部分斜視図である。
第37図は、着脱可能なアンテナを第1識別媒体に配設した引手取り付けた変形例の部分斜視図である。
第38図は、着脱可能なアンテナを面ファスナーに配した部分斜視図である。
第39図は、アンテナをテープに織成した要部拡大図である。
第40図は、アンテナをテープに織成した変形例の要部拡大図である。
第41図は、アンテナをテープに編成した要部拡大図である。
第42図は、着脱可能なアンテナをダミーの雄部材に配したバックルの部分斜視図である。
第43図は、RFIDを引手に用いた従来例を示す図である。
第44図は、RFIDをボタンに用いた他の従来例を示す断面図である。
第45図は、第44図に示す従来例の平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
この発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。この発明の物品の構成としては、以下で説明する形状、配置構成以外にもこの発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を採用することができるものである。このため、この発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
また、この発明におけるファスニング製品としては、例えば、スライドファスナー、面ファスナー、スナップファスナー、レールファスナー、バックル、コードストッパー、ベルトアジャスター、ナス環、スナップボタン、ボタンなどの各種ファスニング製品が含まれるものである。物品としては、上記ファスニング製品を被着することのできる、例えばカバン、スポーツウェアその他の各種の衣類、鞄等が、物品として含まれるものである。
この発明に適用されるRFIDの曲型的な態様としは、識別対象物の識別情報などのデータを格納するメモリを備えたRFIDチップとアンテナとが互いに電気的に接続されて応答回路を構成している。その応答回路として、RFIDチップには、例えば検出回路、電源回路、制御回路、メモリ回路、変調回路、発振回路等が組み込まれている。
更にこの発明にあっては、外部からの電磁誘導などにより各回路に電力を供給する無電池式であるパッシブタグ、あるいは電源として電池を内蔵したアクティブタグ、セミパッシブタグを含んでいる。また、RFIDチップとしては、シリコンチップ、クリスタルチップを包含しているものである。
また、この発明におけるRFIDチップとしては、読取装置からの送信信号によりRFIDチップ内のメモリに格納しているデータを取り出して読取措置に応答信号として送信するもの、読取装置からの送信信号によりRFIDチップ内のメモリに格納しているデータやプログラムの書き換えや更新等を行うことができるもの、更にはRFIDチップ内の制御装置がプログラムに基づいて自動的にメモリ内に格納したデータ等を読取装置に送信することのできるもの等の各種制御形態を行い得るRFIDチップとして構成されているものである。
この発明の以下の実施例において、第1識別媒体を真贋判定用に使用し、第2識別媒体を物流管理用に使用する場合について説明を行うが、第1識別媒体は真贋判定用に限定されるものではなく、また、第2識別媒体は物流管理用に限定されるものではなく、第1識別媒体及び第2識別媒体は多様な用途に使用することができるものである。
【実施例1】
第1図は、この発明に係わる第1の実施形態における2つの識別媒体、即ち、第1識別媒体と第2識別媒体を備えたスライドファスナーの正面図である。第2図は、第1図に示すスライドファスナーを被着した物品、第2図では衣服を示す要部正面図である。第3図〜第15図は、スライドファスナーにおける第1識別媒体の配置例を示す図である。
第16図〜第18図は、第1識別媒体を物品(この例では、物品としては鞄。)に装着し、第2識別媒体を着脱可能に物品に装着した例を示す図である。第19図〜第30図は、スライドファスナー以外のファスニング製品に第1識別媒体を配置した例を示す図である。
第1図において、符号1は例えば衣服やカバン等の図示せぬ物品に縫製により被着されるスライドファスナーを示しており、ファスナーテープ4には、スライダー2、引手3、上止5、箱体6、複数のファスナーエレメント7、補強片8、蝶棒9、箱棒10等が取り付けられている。
ファスナーテープとしては、例えば合成樹脂繊維を織成又は編成された繊維テープ状の基布、不織布、合成樹脂製シートなどから構成される。ファスナーエレメントとしては、ファスナーテープの側縁部の表裏を狭持する合成樹脂製又は金属製のエレメントから構成される。また、合成樹脂製モノフィラメントをコイル状に巻回してなるコイル状エレメント、平面内に横方向にU字形に屈曲した部分を長手方向に沿って上下交互に連続してジグザグ状に形成したジグザグ状エレメントなどの連続状エレメント等から構成してもよい。このことは、上述のスライダー、上下止具、補強用シート状部材、開離嵌挿具についても同様であり、その太さや材質及び構造なども様々に変更が可能である。
一方の上止5には第1識別媒体50である近距離交信用のRFIDが内蔵されている。また、スライダー2の第1引手部材3aには同第1引手の孔部3cに第2引手部材3bが着脱可能に取り付けられており、第2引手部材3bには第2識別媒体52であるRFIDが設けられている。
第2引手部材3bの構成としては、第14図に示すように雄係合素子19aと雌係合素子19とを備えた面ファスナー19の構成とし、雄係合素子19aと雌係合素子19との間に第2識別媒体52を狭持する構成とすることができる。また、第2引手部材3bをリボン等により構成し、第2識別媒体を同リボンに接着剤、スナップボタン、面ファスナー等の適宜の手段により取り付けるとともに、同リボンの端部を第1引手部材3aの孔部3cに挿入して、適宜の取り付け手段により第1引手部材3aに取り付ける構成等のようにすることもできる。
以下の説明では、第2識別媒体52として遠距離交信用のRFIDを用いた場合について説明を行うが、第2識別媒体52であるRFIDとしては、近距離交信用のRFIDとすることも遠距離交信用のRFIDとすることもできる。第2識別媒体52として近距離交信用のRFIDを用いたときには、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDが作動する周波数と、第2識別媒体52としての近距離交信用のRFIDが作動する周波数とを異なる周波数としておくことが、誤作動を生じさせずに望ましい。
第2図に示すように、第1識別媒体50を内蔵し、第2識別媒体52を着脱可能に装着したスライドファスナー1を物品54に被着することで、物品54は、真贋判定用の第1識別媒体50と物品54の物流管理用の第2識別媒体52とを備えることができる。しかも、第2識別媒体52は着脱可能であるので、物品54の物流管理が終了した時点でスライダー2の第1引手部材2aから取り外すことができる。取り外した第2識別媒体52は、別途新たな物品に被着したスライダー2の引手に装着することで、第2識別媒体の再利用を図ることができる。
また、第2識別媒体は物品の物流管理が終了した時点で取り外すことができるので、物品を購入したエンドユーザーが同物品を持ち歩いても、持ち歩いている物品の履歴等が外部に漏れることがなくなり、エンドユーザーも安心して購入した物品を持ち歩くことができる。
第3図は、第1識別媒体50が上止5内に内蔵された状態を示す要部破断図であり、第4図は、箱体6内に第1識別媒体50が内蔵された状態を示している。第5図では、第1識別媒体50を下止12内に内蔵した状態を示し、第6図では、ファスナーエレメント7に第1識別媒体を内蔵した状態を示している。また、第7図には第1識別媒体50をスライダー胴体2a内に内蔵した状態を示しており、第8図では、スライダー2の引手3内に内蔵した状態を示している。これら、第3図〜第8図に示す状態において、第1識別媒体50を内蔵する各部材は、非導電性、非電磁性の材料から形成しておくことが、第1識別媒体50と外部の読取装置間で信号の送信及び受信を行う上で望ましい。
第9図は、スライドファスナー1のファスナーテープ4に第1識別媒体50を配設した例を示している。第1識別媒体50を配設するファスナーテープ4上の部位としては、第10図、第11図に示すようにスライドファスナー1を物品54に被着したときに物品54によって被覆されるファスナーテープ4の縁部寄りの部位とすることが望ましい。また、第11図に示すように、少なくとも第1識別媒体の周囲をテープ部材17で被覆した後に、物品54にスライドファスナー1を被着することもできる。テープ部材17を用いることで、第1識別媒体50を保護することが可能となり、物品54に対して洗濯等を行った場合でも、テープ部材17として防水性のテープを用いることで、第1識別媒体であるRFIDに浸水することが防止される。
テープ部材として片面に粘着剤が塗布されたものを用いることで、第1識別媒体50をスライドファスナー1上で位置固定することができ、スライドファスナー1を物品に被着した後に、スライドファスナー1と物品54との間で第1識別媒体50が移動してしまうのを防止することができる。また、第1識別媒体50の取り付け位置が固定されることで、第1識別媒体50から所望のデータを読み取る位置が特定される。
第12図は、スライドファスナー1の補強テープ15に第1識別媒体50を配設した状態を示しているもので、第13図に第12図の横断面図を示すように、第1識別媒体50を補強テープ15内に収納することができる。
このように第1識別媒体50をスライドファスナー1の特定の部位に配設することで、外部からの読取装置で第1識別媒体に格納されているデータを読み取る上でも、第3者に読取箇所が知られることなく、第1識別媒体による真贋判定等を迅速に行うことができる。
第14図、第15図は、第2識別媒体をスライドファスナー1の引手3に対して着脱可能に装着する例、即ち、第2識別媒体52を配設した第2引手部材3bを第1引手部材3aに対して着脱可能に装着した例を示している。第14図では、雄係合素子19aと雌係合素子19bとを同一面上に備えた面ファスナー19に第2識別媒体52を配設し、面ファスナー19を第1引手部材3aの孔部3cに挿入した状態を示している。雄係合素子19aと雌係合素子19bとを係合させることで、その間に配した第2識別媒体52を着脱可能にスライダー2に取り付けることができる。
第15図は、第2引手部材3bには、第1引手部材3aを挿入することのできる孔部21bと、同孔部21b内に突出した係合部21aを一端に備えた弾性片21が形成されている。また、第2引手部材3bには第2識別媒体52が内蔵されている。第1引手部材3aを第2引手部材3bの孔部21b内に挿入することで、第1引手部材3aの孔部3cに弾性片21の係合部21aが係合し、第2引手部材3bを第1引手部材3aに着脱可能に装着することができる。
第16図は、物品55として鞄を用いた例を示している。物品55に被着されたスライドファスナー1には、第1識別媒体がスライドファスナー1の上止5に内蔵されている。第2識別媒体52を配したタグ53が紐53aを介して鞄に着脱可能に装着されている。スライドファスナー1及び物品55としての鞄の真贋判定用としては、第1識別媒体50を用い、物品55の物流管理用としては、タグ53に設けた第2識別媒体52を使用することができる。
第2識別媒体52による物品55の物流管理が終了した場合には、タグ53を鞄から取り外して、他の鞄等の物品に再使用することができる。第2識別媒体52を再使用する場合には、第2識別媒体52に格納されているデータを消去することが望ましい。
これにより、遠距離交信を行うことのできる第2識別媒体52を用いて、離れた場所から物品の物流管理を行うことができ、第2識別媒体52を備えたタグ53を取り外すことで、第1識別媒体50を用いて物品55の真贋判定を行うことができる。尚、第1識別媒体50との真贋判定は、必ずしも第2識別媒体52が取り外された後に行い得るものではなく、第2識別媒体52が物品55に装着されている状態においても、真贋判定を行うことができるものである。
第17図、第18図は、第16図と同様に物品55として鞄を用いた例を示している。第17図、第18図では、物品55としての鞄における所望の部位に第1識別媒体50が外部から見づらい状態で配設されている。第1識別媒体50としては、鞄における模様の一部として配設することも、鞄に裏面側等に隠して配設することもできる。
第17図では、第2識別媒体52がスライダー2の引手3に着脱可能に配設されており、第18図では、第2識別媒体52がタグ53に配設され、同タグ53が紐53aにより鞄に着脱可能に装着されている。
第17図、第18図に示す例においても、遠距離交信を行うことのできる第2識別媒体を用いて、離れた場所から物品の物流管理を行うことができ、第2識別媒体52を備えたタグ53を取り外すことで、第1識別媒体50を用いて物品55の真贋判定を行うことができる。尚、第1識別媒体50との真贋判定は、必ずしも第2識別媒体52が取り外された後に行い得るものではなく、第2識別媒体52が物品55に装着されている状態においても、真贋判定を行うことができるものである。
第19図は、第1識別媒体50をバックル22の雌部材22bに内蔵した例を示している。第1識別部材50は、バックル22の雌部材22bに内蔵する代わりに雄部材22aに内蔵させて配設することも、ベルト23に配設しておくこともできる。また、第1識別部材をバックル22の雄部材22a又は雌部材22bに内蔵させる代わりに、雄部材22a又は雌部材22bに接着等の適宜の取り付け手段により取り付けることもできる。
バックル22及びベルト23が一つの物品として取り扱われる場合には、第2識別媒体を配設したタグ等を用いてベルト等に装着させておくこともできる。これにより、ベルトの物流管理とベルト及びバックルの真贋判定を行うことが可能となる。
第20図は、ベルト調整具24に第1識別媒体50を内蔵した例を示している。この場合も、第1識別媒体をベルト調整具24に内蔵させる代わりに、ベルト調整具24に接着等の適宜の取り付け手段により取り付けることができる。また、ベルト調整具24及びベルト23が一つの物品として取り扱われる場合には、第2識別媒体を配設したタグ等を用いてベルト等に装着させておくこともできる。これにより、ベルトの物流管理とベルト及びバックルの真贋判定を行うことが可能となる。
第21図は、ナス環25に第1識別媒体50を内蔵した例を示している。第1識別媒体50の内蔵部位としては、ナス環25の本体26bに内蔵させている。本体26bに内蔵させる代わりに、フック26aに内蔵させることも、ベルト23に配設することもできる。ナス環25及びベルト23が一つの物品として取り扱われる場合には、第2識別媒体を配設したタグ等を用いてベルト23等に装着させておくこともできる。これにより、ベルト23の物流管理とベルト23及びナス環25の真贋判定を行うことが可能となる。
第22図は、コードストッパー27に第1識別媒体50を内蔵した例を示している。第1識別媒体50の内蔵部位としては、コードストッパー27の摺動体27bに内蔵させている。摺動体27bに内蔵させる代わりに、本体27aに内蔵させることも、コード28に配設することもできる。コードストッパー27及びコード28が一つの物品として取り扱われる場合には、第2識別媒体を配設したタグ等を用いてコード28等に装着させておくこともできる。これにより、コードストッパー付きのコードの物流管理とコード及びコードストッパーの真贋判定を行うことが可能となる。
第23図は、スナップボタン29に第1識別媒体50を内蔵した例を示している。第1識別媒体50の内蔵部位としては、雌部材29bに内蔵させている。雌部材29bに内蔵させる代わりに、雄部材29aに内蔵させることも、スナップボタン29を取り付ける生地30に配設することもできる。
第24図は、ボタン31に第1識別媒体50を内蔵した例を示している。第1識別媒体50の内蔵部位としては、ボタン31に内蔵させている。ボタン31に内蔵させる代わりに、ボタン31の外周面に接着等の適宜の取り付け手段を用いて取り付けることもできる。
第25図は、面ファスナー19に第1識別媒体50を配設した例を示している。第1識別媒体50の配設部位としては、面ファスナー19の基材19cに接着等の適宜の取り付け手段を用いて取り付けている。第25図の横断面である第26図に示すように、基材19cを物品54に被着するとき、物品54によって覆われる基材19cの部位に第1識別媒体50を配設しておくことが、第1識別媒体50の設置を第3者により確認することができないので望ましい。
第27図は、スナップファスナー33に第1識別媒体50を配設した例を示している。第1識別媒体50の配設部位としては、スナップファスナー33の基材33cに接着等の適宜の取り付け手段を用いて取り付けている。第27図の横断面である第28図に示すように、基材33cを物品54に被着するとき、物品54によって覆われる基材33cの部位に第1識別媒体50を配設しておくことが、第1識別媒体50の設置が第3者により確認することができないので望ましい。
第29図は、係合部34aと被係合部34bとが係脱自在のレールファスナー34に第1識別媒体50を配設した例を示している。第1識別媒体50の配設部位としては、レールファスナー34のファスナーテープ34cに接着等の適宜の取り付け手段を用いて取り付けている。第29図の横断面である第30図に示すように、ファスナーテープ34cを物品54に被着するとき、物品54によって覆われるファスナーテープ34cの部位に第1識別媒体50を配設しておくことが、第1識別媒体50の設置が第3者により確認することができないので望ましい。
以上説明したように、第1識別媒体をファスニング製品又はファスニング製品が被着される物品に配設し、同第1識別媒体によりファスニング製品及び同ファスニング製品を被着した物品の真贋判定を行い、第2識別媒体を物品に対して着脱可能に装着した例を説明した。上述した例は、この発明を説明するために記載したものであって、上述した例にこの発明が限定されるものではなく、この発明の技術思想の範囲内で多様な変更が可能である。
また、第1識別媒体として近距離交信用のRFID及び第2識別媒体として遠距離交信用のRFIDを用いた場合には、近距離交信用のRFIDと遠距離交信用のRFIDとの間で、信号の送信及び受信を行い得る構成とすることで、第2識別媒体を介して第1識別媒体に格納されているデータを外部の読取装置間でも信号の送信及び受信を行うことが可能となる。
また、上述の説明では、第1識別媒体として近距離交信用のRFIDを用いた例を説明したが、第1識別媒体としては近距離交信用のRFIDに限定されるものではなく、先に述べた近距離確認用の識別媒体を用いて行うことができるものである。近距離確認用の識別媒体は、ファスニング製品に対して適宜の形式で形成することも、物品に対して適宜の形式で形成することもできる。
【実施例2】
この発明に係わる第2の実施形態では、上述の第1実施例における第2識別媒体を用いる代わりに、遠距離交信用のアンテナを用い、同アンテナを第1識別媒体に対して着脱可能に接続するものであり、アンテナを接続した第1識別媒体を遠距離交信用の識別媒体として使用し、アンテナを取り外すことにより第1識別媒体を近距離交信用の識別媒体として使用するものである。このため、実施例1で説明した同様の構成については、実施例1において用いた部材符号と同じ部材符号を用いることでその説明を省略する。
第31図は、遠距離交信用のアンテナをフィルム上に形成し、同フィルムを第1識別媒体である近距離交信用のRFIDに着脱可能に接続することのできる例を示している。第32図は、第31図の横断面図を示し、第33図は、フィルムを近距離交信用のRFIDに接続する変形例を示している。第34図は、スライドファスナーの引手に着脱可能なアンテナの構成を示す斜視図であり、第35図は、第34図の横断面図を示している。第36図は、スライドファスナーの引手に装着することのできるアンテナの変形例を示している。また、第37図は、スライドファスナーの引手に装着することのできるアンテナの別の変形例を示している。
第38図は、物品のポケットに第1識別媒体を配設した場合における遠距離交信用のアンテナの接続構成を示しており、第39図〜第41図には、織製又は編製したファスナーテープの織糸又は編糸の一部にアンテナ線を配した例を示している。また、第42図には、第1識別媒体が内蔵されたバックルにおいて、遠距離交信用のアンテナを接続する例を示している。
第31図に示すように、フィルム36上に導電性塗料を用いた印刷等の適宜の手段によりアンテナ線35aを形成し、アンテナ線35aの両端部には接点35bを形成する。接点35bを除いたフィルム36の端部に粘着部37が形成してある。粘着部37の代わりに、第33図に示すように磁性部材60を形成することもできる。尚、磁性部材60を形成する場合には、左右の接点35b、35b間が電気的に導通しないように磁性部材を形成することが必要である。
第31図では、上止5に内蔵した第1識別媒体50である近距離交信用のRFIDから遠距離交信用のアンテナ接続端子51、51を延設し、上止5の表面上にアンテナ接続端子51、51を露出させている。第32図に示すように、フィルム36の粘着部37を上止5の上面に貼り付けることにより、アンテナ線35aの接点35b、35bとアンテナ接続端子51,51とをそれぞれ接続する。これにより、第1識別媒体50を遠距離交信用のRFIDとして使用することができる。そして、フィルム36を上止5から剥がすことにより第1識別媒体50は、近距離交信用のRFIDとすることができる。
また、第33図に示すような磁性部材60を一端部に配したフィルム36を用いた場合には、アンテナ接続端子51,51の露出した面積を大きくすることで、アンテナ接続端子51,51の露出した面積部分と磁性部材60、60の間に作用する磁力を用いて、アンテナ接続端子51,51と接点35b、35bとを磁力により固定して両者間を接続することができる。そして、フィルム36を上止5から磁力に抗して剥がすことにより第1識別媒体50は、近距離交信用のRFIDとすることができる。
第31図〜第33図に例示した遠距離交信用のアンテナをフィルム上に形成した場合には、フィルム上に形成したアンテナを近距離交信用のRFIDに接続することで近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用することが可能となり、物流管理等の使用において遠距離間での物流管理用のデータの送受信を行うことができるようになる。また、アンテナを形成したフィルム状のものを近距離交信用のRFIDから剥がすことで、近距離交信用のRFIDとして使用することができる。
しかも、近距離交信用のRFIDは、ファスニング製品に装着されたままの状態となるので、ファスニング製品及び同ファスニング製品を装着した物品の真贋判定用として使用することができる。尚、近距離交信用のRFIDを上止に配設した例を用いて説明を行ったが、近距離交信用のRFIDの配設部位としては上止に限定されるものではなく、スライドファスナーを構成する部位に配設することができるものである。
更に、フィルム上に形成した遠距離交信用のアンテナは、スライドファスナーに接続することに限定されるものではなく、上記実施例1において第19図〜第30図に示したような各ファスニング製品に近距離交信用のRFIDを配したものに対しても遠距離交信用のアンテナを接続することができるものである。
第34図〜第36図は、スライドファスナーの引手に配した近距離交信用のRFIDに遠距離交信用のアンテナを着脱可能に接続する例を示している。この場合においても、上述の遠距離交信用のアンテナをフィルム上に形成した場合と同様に近距離交信用のRFIDは、遠距離交信用のアンテナを接続することで遠距離交信用のRFIDとして使用することができるようになり、また、遠距離交信用のアンテナを外すことにより近距離交信用のRFIDは、近距離交信が行えるRFIDとして使用することができる。
第34図では、スライダー2の引手3に、遠距離交信用のアンテナを配設したカバー38を装着する例を示している。スライダー2の引手3には、第1識別媒体50として近距離交信用のRFIDが内蔵され、同RFIDのアンテナ接続端子51、51が引手3の外表面の一部に露出している。
カバー38には、引手3を挿入する差込口56が形成され、差込口56内には弾性変形可能な係合片57が一端部に係合突部57aを形成して配されている。また、カバー38内に配したアンテナ線35aの端部が接点35b、35bとして差込口56内に露出して形成されている。第35図に示すように、引手3が差込口56に挿入されると、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDのアンテナ接続端子51,51と接点35b、35bとが接続するとともに、係合突部57aが引手3の孔部58と係合してカバー38を引手3に取り付けることができる。
これにより、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用することが出来る。また、カバー38を係合片57の弾性力に抗して引手3から引き抜くと、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDを近距離交信用に使用することができるようになる。
第36図は、第34図に示すような引手3に挿入するカバーの変形例を示している。第36図に示すものでは、カバー39を絶縁性の合成樹脂等により本体39aを形成し、アンテナ39bを導電性の合成樹脂等により本体39aの両側縁部を形成する形で形成している。また、引手3を挿入することのできる差込口39cが本体39a及びアンテナ39b間に形成されている。
カバー39を第34図に示すような引手3に挿入することで、アンテナ39bを引手3内に配設した第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDのアンテナ接続端子51,51に接続することができる。これにより、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用することができる。また、カバー39を引手3から取り外すことにより、第1識別媒体50を近距離交信用のRFIDとして使用することができるようになる。
第37図は、引手3の係合孔部40bに係合する係合突部40aを備えた飾り部材40にアンテナ線35aを配設した例を示している。アンテナ線35aの接点35bと引手3に配設した第1識別媒体50である近距離交信用のRFIDのアンテナ接続端子51,51とを接続するための位置決め用に、飾り部材40には嵌合溝部40cが形成され、引手3には同嵌合溝部40cと嵌合する嵌合突部41が形成されている。
飾り部材40を引手3に係合させることで、アンナナ線35aの接点35b、35bを引手3内に配設した第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDのアンテナ接続端子51,51にそれぞれ接続することができる。これにより、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用することができる。また、飾り部材40を引手3から取り外すことにより、第1識別媒体50を近距離交信用のRFIDとして使用することができるようになる。
第34図、第36図に示すアンテナを配設したカバー及び第37図に示す飾り部材40の形状は、例示であって他の形状に形成することは可能である。また、カバー38,39及び飾り部材40は、引手3から取り外した後は、他の引手に取り付けることで、遠距離交信用のアンテナを再利用することができ、資源の有効利用を図ることができる。
第38図は、第1識別媒体50である近距離交信用のRFIDを配設した面ファスナー44をポケット42のフラップ43開閉用に使用した例を示している。アンテナ線35a及び接点35b、35bを配設した別の面ファスナーテープ45を、第1識別媒体50である近距離交信用のRFIDを配した面ファスナー44に係合させることにより、アンテナ線35aの接点35b、35bを第1識別媒体50である近距離交信用のRFIDのアンテナ接続端子51,51に接続することができる。
これにより、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用することができる。また、面ファスナーテープ45を取り外すことにより、第1識別媒体50を近距離交信用のRFIDとして使用することができるようになる。
第36図及び第38図に示すものにおいては、アンテナとして2本のアンテナを用いる例を示しているが、アンテナとしては2本のアンテナを用いる代わりに2本のアンテナの端部同士を接続したループ状のアンテナを使用することができるものである。
第39図〜第41図には、織製又は編製したファスナーテープの織糸又は編糸の一部にアンテナ線を配した例を示している。アンテナ線48としては、第39図〜第41図に示すように導電性繊維材を織糸又は編糸として、ファスナーテープ46の基布の織成又は編成と同時に織成又は編成することができる。導電性繊維材の代わりに金属線、金属薄板、あるいは導電性樹脂等から構成される導電材を用いることもできる。なお、第39図〜第41図においては、織目、編目を分かり易くするために誇張して拡大した状態を示しているものである。
アンテナ線48を図示せぬ第1識別媒体のアンテナ接続端子と断接させることで、第1識別媒体としての近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用したり、近距離交信用のRFIDとして使用することができる。アンテナ線48と第1識別媒体のアンテナ接続端子と断接形態としては、アンテナ線を初めは第1識別媒体としての近距離交信用のRFIDに接続して使用し、遠距離交信が必要なくなったときに、アンテナ線を切断することで第1識別媒体としての近距離交信用のRFIDとして使用することができる。
また、接続していた状態から、アンテナ線の接点を第1識別媒体のアンテナ接続端子から離間させること等によってアンテナ線48と第1識別媒体のアンテナ接続端子と断接を行わせることもできる。アンテナ線48は、ファスナーテープの基布に配設する以外のも、ファスニング製品を被着する物品を構成する布等に織成又は編成により配設することもできる。あるいは、アンテナ線として金属線、金属薄板、あるいは導電性樹脂等から構成される導電材を用いて、ファスナーテープ又は物品に接着等の適宜の取り付け手段により配設することもできる。
これらのアンテナ線の配設構成は、アンテナ線を使用するファスニング製品又は物品の使用形態に応じて、適宜の形態を採用することができるものである。
第42図は、アンテナ線35aをダミーの雄部材60に配設したバックル22の例を示している。バックル22の形状としては、第19図で説明したバックル22を用いて説明を行うこととする。このため、第19図で用いたバックル22の部材についての説明は、第19図で用いたと同じ部材符号を用いることでその説明を省略する。
雌部材22内に配設された第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDは、アンテナ接続端子51,51を備えている。ダミーの雄部材60には、雄部材22aと同様の形状を有し、内部には遠距離交信用のアンテナ線35a及び同アンテナ線25aの端部が接点35b、35bとして露出している。ダミーの雄部材60を雌部材22bに係合させることにより、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDのアンテナ接続端子51,51に、アンテナ線35aの接点35b、35bをそれぞれ接続させることができる。
これにより、ダミーの雄部材60を雌部材22bに係合させることで第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDを遠距離交信用のRFIDとして使用することができ、ダミーの雄部材60を雌部材22bから取り外すことにより、第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDを近距離交信用として使用することができる。
また、遠距離交信用としての使用が終えたときには、ダミーの雄部材60を雌部材22bから取り外して、他の第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDを備えたバックルに係合させることで、他のバックルに対しても遠距離交信を行い得るようにすることができる。これにより、ダミーの雄部材60を再利用することができる。
実施例2においては、着脱可能のアンテナと同様に電源電池を第1識別媒体50としての近距離交信用のRFIDに接続することで、電源電池を有しないRFIDFに対して電源電池を配設することができ、遠距離交信の交信距離をより拡大させることができるようになる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】

【図42】

【図43】

【図44】

【図45】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離交信用又は近距離確認用の第1識別媒体を装着した物品であって、
更に、同物品に対して第2識別媒体が着脱可能に装着されてなることを特徴とする識別媒体を装着した物品。
【請求項2】
前記第1識別媒体が、前記物品に被着されるファスニング製品に配されてなることを特徴とする請求の範囲第1項記載の物品。
【請求項3】
前記第2識別媒体が、前記ファスニング製品に対して着脱可能に装着されてなることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の物品。
【請求項4】
前記ファスニング製品が、スライドファスナーであり、
前記第2識別媒体が、前記スライドファスナーの引手に着脱可能に装着されてなることを特徴とする請求の範囲第3項記載の物品。
【請求項5】
前記第2識別媒体が、前記物品に装着されるタグに配設されてなることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の物品。
【請求項6】
前記第1識別媒体が、真贋判定用の識別媒体であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の物品。
【請求項7】
前記第2識別媒体が、物流管理用の識別媒体であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の物品。
【請求項8】
前記第1識別媒体が近距離確認用の識別媒体であり、
前記第2識別媒体が、近距離交信用のRFIDであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに記載の物品。
【請求項9】
前記第1識別媒体が近距離交信用のRFIDであり、
前記第2識別媒体が、前記近距離交信用のRFIDとは異なる周波数で作動する近距離交信用のRFIDであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに記載の物品。
【請求項10】
前記第2識別媒体が、遠距離交信用のRFIDであることを特徴とする請求の範囲第1項1乃至第7項のいずれかに記載の物品。
【請求項11】
前記第1識別媒体が、近距離交信用のRFIDであり、前記近距離交信用のRFIDと前記遠距離交信用のRFIDとの間で信号の送信及び受信が行い得ることを特徴とする請求の範囲第10項記載の物品。
【請求項12】
近距離交信用の第1識別媒体を有する物品であって、
前記第1識別媒体が、近距離交信用のRFIDであり、
前記近距離交信用のRFIDが、遠距離交信用のアンテナ接続端子を有し、
同アンテナ接続端子に対して、遠距離交信用のアンテナが着脱可能に接続されてなることを特徴とする識別媒体を装着した物品。
【請求項13】
前記遠距離交信用のアンテナが着脱可能に装着される前記物品の部位に、前記アンテナ接続端子が配設されてなることを特徴とする請求の範囲第12項記載の物品。
【請求項14】
前記第1識別媒体が、前記物品に被着されるファスニング製品に配されてなることを特徴とする請求の範囲第12項又は第13項記載の物品。
【請求項15】
前記近距離交信用のRFIDに対して、バッテリーが着脱可能に接続されてなることを特徴とする請求の範囲第12項記載の物品。
【請求項16】
近距離交信用又は近距離確認用の第1識別媒体を有し、かつ遠距離交信用の第2識別媒体が着脱可能に装着されてなる物品に対して、
前記物品の物流管理を、前記第2識別媒体のメモリから直接的又は間接的に読み出したデータ及び/又は前記メモリヘ書き込んだデータに基づいて行われることを特徴とする前記物品の真贋判定及び物流管理方法。
【請求項17】
前記物品の真贋判定を、前記第1識別媒体のメモリから直接的又は間接的に読み出したデータを予め設定した基準データと比較することにより行われることを特徴とする請求の範囲第16項記載の真贋判定及び物流管理方法。
【請求項18】
前記物品の真贋判定を、前記第2識別媒体を前記物品から取り外した後に、近距離交信により前記第1識別媒体のメモリから直接的又は間接的に読み出したデータを予め設定した基準データと比較することにより行われることを特徴とする請求の範囲第16項記載の真贋判定及び物流管理方法。
【請求項19】
前記第2識別媒体を前記物品から取り外した後、同取り外した前記第2識別媒体を他の新たな物品に対する第2識別媒体として使用してなることを特徴とする請求の範囲第16項乃至第18項のいずれかに記載の真贋判定及び物流管理方法。
【請求項20】
近距離交信用のRFIDを第1識別媒体として有し、かつ前記近距離交信用のRFIDと接続した遠距離交信用のアンテナ接続端子に、遠距離交信用のアンテナが着脱可能に接続される物品に対して、
前記物品の物流管理を、前記RFIDに接続した前記アンテナを介した遠距離交信により、前記第1識別媒体のメモリから直接的又は間接的に読み出したデータ及び/又は前記メモリへ書き込んだデータに基づいて行われることを特徴とする前記物品の真贋判定及び物流管理方法。
【請求項21】
前記物品の真贋判定を、前記遠距離交信用のアンテナを前記RFIDのアンテナ接続端子から取り外した後に、近距離交信により前記第1識別媒体のメモリから直接的又は間接的に読み出したデータを予め設定した基準データと比較することにより行われることを特徴とする請求の範囲第20項記載の真贋判定及び物流管理方法。
【請求項22】
前記アンテナを前記物品から取り外した後、同取り外した前記アンテナを他の新たな物品の遠距離交信用のアンテナとして使用してなることを特徴とする請求の範囲第20項又は第21項記載の真贋判定及び物流管理方法。

【国際公開番号】WO2005/073905
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【発行日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517358(P2005−517358)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000850
【国際出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(000006828)YKK株式会社 (263)
【Fターム(参考)】