説明

警報装置

【課題】第三者が警報を耳にした際に、当人が如何なる異常事態に遭遇しているか認識することができる。異常事態によって、警報手段をの音声を定めておけば、警報を聞いた第三者はその異常事態に応じて最も適した対応を素早くとることができる。心筋梗塞等で意識を失った場合には警報を聞いた際に救急車への連絡をとることができるため、最悪の事態を防止することができる。 ドア等の建造物に設置する場合には相応の比較データ、識別警報手段を設定すればよい。
【解決手段】加速度センサーとジャイロセンサーと演算回路と所要数の比較データと所要数の識別警報手段とを備え、演算回路によって、加速度センサー及びジャイロセンサーからの信号の種類に応じて比較データを選択し、加速度センサー及びジャイロセンサーからの信号の大きさが相応する比較データの範囲内に該当した際に相応する識別警報手段を作動させる警報装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は警報装置に関し、人が携帯したり、ドア等の建造物又は車両に設置して使用されるものである。
【背景技術】
【0002】
従来におけるこの種の警報装置は防犯のために使用され、加速度センサーと警報ブザーを備え、携帯人の動作の異常に前記センサーが反応し、前記ブザーを作動させるものであっため、使用者はビックリして声を発することができない場合でも異常状態に遭遇していることを第三者に伝えることができた。
【0003】
しかしながら、かかる従来の警報装置にあっては、単にブザーを鳴らすことによって異常事態を知らせているにすぎないため、いかなる異常事態が起きているのか第三者はその警報からは判断できず、この結果、場合によっては、第三者の対応が遅れざるを得ないという不都合を有した。特に、歩行中に突然倒れ意識を失った場合には緊急を要するにもかかわらず、警報を聞いた者は、現場に行ってはじめて状態を把握でき、救急車への連絡が遅れ命取りになるおそれも生じた。
【0004】
【特許文献1】特開2008−198169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記不都合を解消することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る警報装置においては、加速度センサーとジャイロセンサーと演算回路と所要数の比較データと所要数の識別警報手段とを備え、前記演算回路によって、前記加速度センサー及び前記ジャイロセンサーからの信号の種類に応じて前記比較データを選択し、前記加速度センサー及び前記ジャイロセンサーからの信号の大きさが相応する前記比較データの範囲内に該当した際に相応する前記識別警報手段を作動させることを特徴とするものである。
【0007】
この場合、前記比較データおよび前記識別警報手段を使用者に応じて変更可能にすることができる。
【0008】
また、前記加速度センサーと前記ジャイロセンサーとをユニット化し、他の部分からは別体として独立させることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る警報装置は上記のように構成されているため、即ち、加速度センサーとジャイロセンサーと演算回路と所要数の比較データと所要数の識別警報手段とを備え、前記演算回路によって、前記加速度センサー及び前記ジャイロセンサーからの信号の種類に応じて前記比較データを選択し、前記加速度センサー及び前記ジャイロセンサーからの信号の大きさが相応する前記比較データの範囲内に該当した際に相応する前記識別警報手段を作動させるものであるため、第三者は警報を耳にした際に、当人が如何なる異常事態に遭遇しているか認識できるものである。
【0010】
よって、この警報装置を使用すれば、異常事態によって、警報手段を「助けて」、「誰か来て」、「救急車を呼んで」等の音声を定めておけば、警報を聞いた第三者はその異常事態に応じて最も適した対応を素早くとることができるものである。特に、心筋梗塞、脳卒中等で突然倒れ意識を失った場合には、第三者は警報を聞いた際に、救急車への連絡をとることができるため、最悪の事態を防止することができるものである。
【0011】
なお、ドア等の建造物又車両に設置する場合には、それ相応の比較データ、識別警報手段を設定すればよい。
【0012】
この場合、前記比較データおよび前記識別警報手段を使用者に応じて変更可能にすることができるため、使用者の使用態様に応じて設定できる結果、誤作動は発生しにくいものである。
【0013】
また、前記加速度センサーと前記ジャイロセンサーとをユニット化し、他の部分からは別体として独立させれば、前記センサーを常時一定の位置に設置しやすく(例えば、ブローチ型、タイピン型、腰ベルト固定型等)、この結果、装置自体の携帯場所を代えても、常時、安定した信号を得やすいものである。

【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明に係る警報装置の実施例の外観図である。
【図2】図2は本発明に係る警報装置のブロック図である。
【図3】図3は本発明に係る警報装置の動作を示すフローチャート図である。
【図4】図4は本発明に係る警報装置を車両に設置した場合の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
「加速度センサー」と「ジャイロセンサー」は別体であっても良いし、ユニット化されてても良い。発生する信号は波形によって演算回路に伝えられる。なお、前記加速度センサーと前記ジャイロセンサーとをユニット化し、他の部分(本体)から別体として独立させた場合、本体とは無線又は有線によって接続される。この場合、ユニット化されたものを、ブローチ型、タイピン型、腰ベルト固定型等にすることもできる。
【0016】
「演算回路」は通常の電子回路から構成される。
【0017】
「比較データ」は種類としては、使用者毎に異常事態における前記加速度センサーとジャイロセンサーの波形を及び警報発生範囲の大きさ(振幅)を各々予め登録しておく。異常事態の態様としては、「突き飛ばされた場合」、「強引に引っ張られた場合」、「押し倒された場合」、「自ずから倒れた場合」等が考えられる。また、クレーン車等の車両に設置された場合には、「車両が傾いた場合」、「吊りロープ等が切れかかった場合」等が考えられる。
【0018】
「識別警報手段」としては、前記異常事態に応じて使用者が予め音声登録しておく。具体的には、「助けて」、「誰か来て」、「どろぼう」、「救急車を呼んで」等の音声である。クレーン車等の車両に設置された場合には、「危険ですから非難して下さい」、「離れて下さい」等が考えられる。この場合、肉声を録音して使用することもできる。なお、音声以外にブザー、サイレン等を使用することもできる。
【0019】
被介護者が携帯して、異常事態を知らせることもできる。
【実施例1】
【0020】
図1〜3に基づいて、本発明の実施例を説明する。
【0021】
図1、2において、Aは携帯防犯警報装置(この発明の「警報装置」に相当する)、10はその本体である。この本体10はタバコケース位の直方体状である。この本体10には、演算回路11、データ記部12、スピーカー13、電池、電源スイッチ14が収容されている。データ記憶部12は比較データおよび識別警報手段としての音声データを記録する場所である。20はセンサー部であり、ケーブル15によって前記本体10に接続されている。このセンサー部20には、ユニット化された加速度センサー21とジャイロセンサー22とが一体的に収められている。なお、前記ケーブル15の代わり微弱電波による無線にすることもできる。
【0022】
センサー部20によって振動状態・傾斜状態が検地されると、波形信号として演算回路11に伝えられ、この回路のおいてその波形のパターン及び大きさ(振幅)が比較データと比較演算され、異常状態の種類及び識別信号を発するか否かの判断をする。信号を発する場合には、異常状態に相応する信号を発する。
【0023】
図3に基づいて、この装置Aの制御方法を説明する。
【0024】
まず、装置Aの電源スイッチをONにする。このとき、前記データ記憶部12には、所要数の比較データ及び「識別警報手段」として所要数の音声データは既に登録された状態である。
【0025】
.振動及び傾斜があるか否かを判断する。
【0026】
・振動及び傾斜がある場合。
その波形が第一振動・傾斜パターンに該当するか否かを判断する。第1振動・傾斜パターンに該当した場合にはその大きさ(振幅)が信号発生範囲に含まれるか否かを判断し、含まれる場合には相応する識別音声信号を発する。含まれない場合にはもとに戻る。
【0027】
第1振動・傾斜パターンに該当しない場合には、第2振動・傾斜パターンに該当するか否かを判断する。第2振動・傾斜パターンに該当した場合にはその大きさ(振幅)が信号発生範囲に含まれるか否かを判断し、含まれる場合には相応する識別音声信号を発する。含まれない場合にはもとに戻る。
、傾斜状態を判断する。
【0028】
第二振動・傾斜パターンに該当しない場合には、第3振動・傾斜パターンに該当するか否かを判断する。第3傾斜・振動パターンに該当した場合にはその大きさ(振幅)が信号発生範囲に含まれるか否かを判断し、含まれる場合には相応する識別音声信号を発する。含まれない場合にはもとに戻る。
【0029】
登録されている振動・傾斜パターンの数だけ繰り返す。該当する振動・傾斜パターンがない場合にはもとに戻る。

【0030】

振動及び傾斜がない場合。振動及び傾斜があっても該当する振動。傾斜パターンがない場合。該当振動・傾斜パターンがあってもその大きさが信号発生範囲に含まれない場合にはもとに戻る。
図4はこの発明にかかる警報装置Bをクレーン車Mに設置した場合を示したものである。この場合、警報装置Bは車両本体31の壁面または/および吊りケース(吊り上げるものを入れる)32を吊っている複数の吊りロープ33,33,…に設置する。とくに、複数の吊りロープ33,33,…に各々設置すれば、いずれかの一本が切れ掛かった場合(切れた場合)に作動させることができ、危険状態を予めに周囲に知らせることができる。なお、車両に設置する場合は、車両のバッテリーをこの警報装置の電源として使用できるため、長時間にわたってスピーカー13を大きな音で鳴らすことができる。
【0031】
また、この発明にかかる警報装置を建造物に設置すれば、その崩壊の予兆を検知することができる。この場合、より性格に板断するために、複数の警報装置を使用するのが良い。
【0032】
なお、いずれの場合にも、警報を発する状態をより正確に判断するためにこの警報装置は複数個セットとして使用することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この携帯防犯警報装置が発する警報を耳にした際に、第三者は、当人が如何なる異常事態に遭遇しているか認識できるものである。異常事態によって、警報手段を「助けて」、「誰か来て」、「救急車を呼んで」等の音声を定めておけば、警報を聞いた第三者はその異常事態に応じて最も適した対応を素早くとることができるものである。特に、心筋梗塞、脳卒中等で突然倒れ意識を失った場合には、第三者は警報を聞いた際に、救急車への連絡をとることができるため、最悪の事態を防止することができるものである。よって、この装置の産業上における利用可能性は極めて高いものである。
【符号の説明】
【0034】
A … 携帯防犯警報装置(警報装置)
B … 警報装置(車両に設置された場合)
M … クレーン車(車両)
10 … 本体
11 … 演算回路
12 … データ記憶部
13 … スピーカー
14 … 電源スイッチ
15 … ケーブル
20 … センサー部
21 … 加速度センサー
22 … ジャイロセンサー
31 … 車両本体
32 … 吊りケース
33 … 吊りロープ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度センサーとジャイロセンサーと演算回路と所要数の比較データと所要数の識別警報手段とを備え、前記演算回路によって、前記加速度センサー及び前記ジャイロセンサーからの信号の種類に応じて前記比較データを選択し、前記加速度センサー及び前記ジャイロセンサーからの信号の大きさが相応する前記比較データの範囲内に該当した際に相応する前記識別警報手段を作動させること特徴とする警報装置。
【請求項2】
前記比較データおよび前記識別警報手段は使用者に応じて変更可能であることを特徴とする請求項1の警報装置。
【請求項3】
前記加速度センサーと前記ジャイロセンサーとはユニット化されており、他の部分からは別体として独立していることを特徴とする請求項1の警報装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−8664(P2012−8664A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142115(P2010−142115)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(503206503)
【Fターム(参考)】