警送業務支援機能付ATM
【課題】警送員へ各店舗の最新指示を通話不要で知らせることができる機構をATMに追加し、警送員とオペレータの通話時間の短縮を実現する。
【解決手段】複数のATMと警送業務支援のための運営管理センタがネットワークを介して接続された警送業務支援システムにおいて、上記運営管理センタのセンタコンピュータに設けられているデータベースで回収対象のカード情報及び回収対象の封入金情報を含む警送計画をリアルタイムで更新すると共に、上記各ATMは上記運用センタの上記データベースを参照して、警送員にリアルタイムで警送業務の誘導・支援を行う。
【解決手段】複数のATMと警送業務支援のための運営管理センタがネットワークを介して接続された警送業務支援システムにおいて、上記運営管理センタのセンタコンピュータに設けられているデータベースで回収対象のカード情報及び回収対象の封入金情報を含む警送計画をリアルタイムで更新すると共に、上記各ATMは上記運用センタの上記データベースを参照して、警送員にリアルタイムで警送業務の誘導・支援を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ATMの警送業務における係員処理、特にその支援処理に関する。
なお、警送とは、現金・有価証券などの重要物を、指定地から指定地へ安全に輸送する業務のことである。日本では大手運送会社が警送業務の大手であり、銀行等金融機関からの委託を受け、ATMの現金回収・補充業務を行っている。
【背景技術】
【0002】
従来、ATMの警送業務における係員処理は、以下のようになされる。なお、この従来処理について、図19〜23が参照される。
【0003】
(1)一般的に警送業務を行う警送員は、朝、警送拠点から輸送車で出発し、当日の計画されたルート上のATM店舗を巡回しながら、夕刻までに拠点に戻る。
(2)警送員は、ATMの現金を回収・補充する以外にも店舗でATMの以下の管理作業を行う。
−レシートを補充・交換する。
−お客様の取り忘れカードを回収する。
−パンフレット補充・交換、ポスター貼り替えなど。
−各店舗で行うべき単位の作業内容は当日朝に警送員に手渡しされる指示書兼チェックリスト(紙)に記載されている。
(3)各ATMは、警送業務を主管する運用管理センタへ接続するインターホンを併設し、警送員は電話口で運用オペレータから、自身がなすべき作業の指示を仰ぐことができる。
(4)警送員は、ATMに係員鍵を差し込み、ATMを係員モードへ切替え、タッチパネルまたは係員操作盤を使い、指示書に従い、管理作業の操作を行う。
【0004】
これらの作業を図19〜図23について、具体的な事例について説明すると、以下のごとくなる。
【0005】
(1)トラブル発生時
図19において、トラブルが発生するとATM側からトラブルが通知され(40)、オペレータ41から警備員42に電話で指示がいく。オペレータ41は、警送受付(43)を入力する。警備員は、赤封筒(銀行現金)、青封筒(顧客現金)及びカードをATM装置内に一時保管する。なお、ここで、警備員とは銀行側の警備担当者であり、警送員とは警送会社からATM警送業務処理用に派遣される担当者をいう。
(2)警送員入店
図20に示すように、警送員が派遣され、警送員は入店するとオペレータ53に電話(50)し、オペレータは警送受付を確認して管理帳票を更新すると共に、警送員へ電話(52)で「封筒枚数、番号、回収カード枚数」等の指示を出す。
警送員は、カセットを交換し、回収物を持ち帰る。
(3)回収金計算
警送員がカセット交換を行った店舗の有高情報は、警送会社に通知される(図21)が、警送の終了状況がシステム的に分らないため、図22に示すように、回収金チームは、現金情報の確認作業を日に何度も繰り返している。
そして、回収金チームは、その都度、警送時刻及び現金情報を手入力で修正している(図23)。
【0006】
上記従来のATMの警送業務における係員処理には、以下のような問題があった。
(1)警送員は前日または当日の朝までの情報を元に作成された指示書にもとづき、警送作業を行うため、店舗到着時、指示書に記載されている作業内容が一部変更されていることがある。
例えば、以下の事例があげられる。
−回収する取忘カード枚数が増えた。(例.指示書記載:2枚、店舗到着時:3枚)
−回収する取忘カードのうち1枚は、店舗へお客様が直接受け取りにくる連絡があったので、回収不要となった。
−警送員到着前に紙幣詰りが発生し、しわくちゃとなってしまった紙幣を専用回収封筒(封入金と呼ぶ)に入れ、ATM内の保管場所に入れておいた。
【0007】
(2)上記のとおり、警送員持参の指示書と実際の作業内容のズレが常に発生するため、警送員は店舗へ入店後、必ず、装置備え付けのインターホンで運用管理センタへ連絡を入れ、オペレータからの指示を仰ぐことで問題を回避している(図20の50参照)。
そのため、警送員からのインターホン呼び出しに対応するため、運用管理センタにはピーク時間帯にあわせ、電話回線設備とオペレータの配備が必要となり、コストがかかる。
オペレータの数が充分でない場合、警送員はインターホンで待たされることになり、1日に巡回できる店舗の数が少なくなる。
【0008】
(3)警送員の入店・退店時刻、操作記録は、電話応対したオペレータが紙に記入していた。その際の紙への記入もれや、誤記も多く、訂正のための事務処理に多くの時間や労力を費やしていた(図19,図20参照)。
【0009】
(4)警送員がATMを操作する際に使用する「係員モード」メニューには、ATMが備える全ての係員操作機能のボタンが表示される。警送員は指示書に従い、ボタンを選択して警送作業を行うが、店舗により、操作する項目が違うため、押し間違いや操作忘れによるミスが発生すると、警送員自身では、なかなか気づかない。よって、作業終了後、インターホンで運用管理センタへ連絡を入れてもらい、オペレータが警送員から作業結果のヒアリングを行い、ミスを抑制している。
【0010】
それにより、警送員とオペレータがインターホンで会話する時間はますます長時間となり、作業の信頼性を高めようとすると、電話回線やオペレータの数が必要となり、コストを優先し、オペレータの数を絞ると、警送員が1日で回る店舗が少なくなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−289130号公報
【特許文献2】特許第4108993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来のATMの警送業務における係員処理の上記欠点を解消し、以下の課題の解決を図ることを目的とする。
【0013】
(1)ATMに警送員への各店舗の最新指示を通話不要で知らせることができる機構を追加する。警送員とオペレータの通話時間の短縮を実現する。
(2)ATMに係員モードでの操作ミスを防止する仕組みを追加し、警送員とオペレータの通話時間の短縮を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係るATMの警送業務における係員処理は、以下の要件を有する。
【0015】
(1)運用管理センタにセンタコンピュータを設け、該コンピュータのデータベースで警送計画をリアルタイムで更新する。更新情報は、例えば、以下のとおりである。
−回収対象のカード情報(新規・更新・削除・参照)
−回収対象の封入金情報(新規・更新・削除・参照)
(2)警送員がATMを係員モードで起動すると、ATMのプログラムは運用管理センタのセンタコンピュータのデータベースを参照し、最新の警送計画の内容を取得する。
(3)警送員がATMの係員モードで操作を行うと、上記プログラムが最新の警送計画に従い、警送員を誘導・支援する。
(4)係員モードで表示するボタンは、ATMが備える全機能ではなく、上記データベースを参照し、各店毎の警送計画で必要なボタンだけを表示・制御する。
(5)係員モードで表示されたボタンは、全て実行しないと警送員は退店できないよう制御する。このことにより、操作忘れを防止する。
(6)警送員の入店・退店・操作記録は、紙ではなく、コンピュータ・プログラムにより自動で運用管理センタのセンタコンピュータのデータベースに保存する。
【0016】
すなわち、本発明の警送業務支援システムは、複数のATMと警送業務支援のための運営管理センタがネットワークを介して接続された警送業務支援システムにおいて、上記運用管理センタにセンタコンピュータを設け、該運営管理センタのセンタコンピュータのデータベースにおいて、回収対象のカード情報及び回収対象の封入金情報を含む警送計画をリアルタイムで更新すると共に、上記ATMにおいて、上記警送計画をリアルタイムで画面に表示することを特徴とする。
【0017】
さらに、前記ATMは、係員モードで起動する鍵を設け、上記鍵により係員モードで起動すると、ATMのプログラムは運用管理センタのセンタコンピュータのデータベースを参照して最新の警送計画の内容を取得し、最新の警送計画に従い、警送作業を誘導・支援すること、あるいは、前記係員モードで表示するボタンは、前記データベースを参照し、各店毎の警送計画で必要なボタンだけを表示・制御することを特徴とする。
またさらに、前記係員モードで表示されたボタンは、全て実行しないと警送員が退店できないよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の警送業務支援機能付ATMを用いれば、以下の効果が生じる。
(1)警送員がATMから回収を行う際、最新の情報(回収対象のカード、封入金)を提供でき、回収の間違いを防止できる。
(2)警送員の入店・退店・操作記録を紙に記入する必要もなくなり、誤りの防止になる。
(3)警送員と運用管理センタのオペレータの通話が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のATMの警送業務における係員処理(トラブル発生時処理手順)の概念図である。
【図2】本発明のATMの警送業務における係員処理(通常の入店後の処理手順)の概念図である。
【図3】本発明のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順)の概念図である。
【図4】本発明のATMの警送業務における警送依頼処理のフローチャートである。
【図5】本発明のATMの警送業務における障害処理のフローチャートである。
【図6】本発明のATMの警送業務における警送員入店後のフローチャートである。
【図7】本発明のATMの警送業務における封入金回収処理のフローチャートである。
【図8】本発明のATMの警送業務における回収カード回収処理のフローチャートである。
【図9】本発明のATMの警送業務における付帯作業のフローチャートである。
【図10】本発明のATMの警送業務における出金カセット装填・回収カセット交換処理のフローチャートである。
【図11】本発明のATMの警送業務における退店時のフローチャートである。
【図12】本発明のATMの警送業務に用いられるシステム構成を示す図である。
【図13】本発明のATMの警送業務に用いられる「警送計画マスターテーブル」の例を示す図である。
【図14】本発明のATMの警送業務に用いられる「装填枚数マスターテーブル」の例を示す図である。
【図15】本発明のATMの警送業務に用いられる「封入金管理テーブル」の例を示す図である。
【図16】本発明のATMの警送業務に用いられる「回収カード管理テーブル」の例を示す図である。
【図17】本発明のATMの警送業務に用いられる「ATM→センタコンピュータ(リクエスト)」の電文例を示す図である。
【図18】本発明のATMの警送業務に用いられる「センタコンピュータ→ATM(レスポンス)」の電文例を示す図である。
【図19】従来のATMの警送業務における係員処理(トラブル発生時処理手順)の概念図である。
【図20】従来のATMの警送業務における係員処理(警送員入店後の処理手順)の概念図である。
【図21】従来のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順1)の概念図である。
【図22】従来のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順2)の概念図である。
【図23】従来のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順3)の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1〜図18を参照しながら本発明に係る警送業務支援機能付ATMの各種処理について、詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明のATMの警送業務における係員処理(トラブル発生時処理手順)の概念図を、図2は、本発明のATMの警送業務における係員処理(通常の入店後の処理手順)の概念図を示す。また、図3は、本発明のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順)の概念図を示す。
【0022】
図12は、ATM保守管理システムのネットワーク構成を示す図である。ATM保守管理システムは、ATM(自動取引装置:Automated Teller Machine)1の保守管理をするための保守管理系のシステムであり、ATM1が銀行ホスト2と通信可能に接続する銀行業務処理系のシステムから独立して構成されている。
【0023】
ATM1は、顧客の口座の残高照会、顧客の口座への入金、顧客の口座からの出金など顧客に対してサービスを提供する端末装置である。運用管理センタ3は、ATMの稼動状態を監視し、ATM(自動取引装置)を保守するための情報を管理する管理装置(保守管理装置)を備える。図示せぬCE(Customer Engineer)センタは、ATM(自動取引装置)1の保守管理をおこなう拠点であり、所定の地域エリア毎にCEセンタが設けられる。また、CEセンタは、運用管理センタ3と保守管理のための情報の通信をおこなう管理装置を備える。なお、運用管理センタ3がCEセンタに代わって保守管理の拠点機能を有することもできる。
【0024】
各銀行の各支店は、店舗内にATMを備える。各ATM1は、ネットワーク11を介して運用管理センタ3と通信可能に接続する。なお、ATMは、銀行の店舗内に設置される場合に限らず、店舗外の場所(たとえば、役所、駅、ショッピングモールなどの屋内、またはこれら施設の駐車場などの屋外など)に店外機として設けられる場合がある。
【0025】
各ATM(自動取引装置)は、上記した保守管理系のシステム構成とは別にネットワークを介して銀行ホストと通信可能に接続する銀行業務処理系のシステムを構成している。
【0026】
各CE(Customer Engineer)センタは、ネットワークを介して運用管理センタ3と通信可能に接続する。各ATMは、機番(ユニークな識別情報)により一意に特定可能になっている。また、機番は、支店番号(金融機関番号を含む、ATMの管理エリアを特定可能な情報)と対応付けされて管理される。したがって、運用管理センタは、機番によりATM(自動取引装置)を特定し、支店番号により管理エリアを特定できる。
【0027】
図1〜図3を前記従来システムの作業の図19〜図20と対比して説明すると、
(1)トラブル発生時(図1)
図1において、トラブルが発生すると、ATMからATMのトラブルを処理する遠隔監視制御装置に該トラブルが通知され(10)、オペレータ11から警備員12に電話で指示がいく。また、オペレータ11は、センタコンピュータに最新の警送情報を入力する(13)。ATM側の警備員は、従来同様、赤封筒(銀行現金)、青封筒(顧客現金)及びカードをATM装置内に一時保管する。
【0028】
(2)警送員入店(図2)
警送員が派遣され、警送員は入店すると、ATMからセンタコンピュータに入店情報(22)を入力する。次いで、封筒枚数、番号、回収カード枚数等の警送業務に必要な最新情報をセンタコンピュータから入手(22)し、ATMの画面に表示しながら警送業務を行う。
【0029】
また、警送員は、ATM端末において、警送員がセンタコンピュータの「封筒枚数、番号、回収カード枚数」等のデータ更新を行う。警送員は、カセットを交換し、回収物を持ち帰る。
【0030】
この処理が、従来「オペレータに電話(50)し、オペレータは警送受付を確認(53)して、警送員へ電話(52)で指示を出す。オペレータは警送受付終了後、「封筒枚数、番号、回収カード枚数」等の記録を更新する」(図20)と異なる。
【0031】
(3)回収金計算(図3)
警送員の退店通知(24)もATM端末に入力され、カセット交換を行った店舗の有高情報は、センタコンピュータを介して警送会社に通知される。したがって、警送会社は当日の警送終了状況をセンタコンピュータでの履歴を見ればリアルタイムで把握できる。
【0032】
回収金情報もATM端末から回収金アプリを介して上記センタコンピュータに入力され、回収金アプリ上で封入金・RJカード・テーブル26が表示されるようになり、これを警送実施店分回収金テーブル27として一覧表示される。
【0033】
回収金チームは、いつでもリアルタイムで最新の上記回収金テーブルを参照できるので、従来のように、警送の終了状況がシステム的に分らないため、図22の場合に回収金チームが現金情報の確認作業を日に何度も繰り返しているといった従来システムの不便が解消される。
【0034】
以下、図4〜図11によって、ATMとセンタコンピュータ間のやりとりの詳細をフローチャートを用いて説明する。
【0035】
図4は、現金残量は残り少ないまたは、現金があふれそうになっているATMを遠隔監視制御装置で確認し、警送計画を起案する時の警送計画のフローチャートを示す。
【0036】
(1)まず、ATMの現金補充回収を行うことを決定する(S101)。
(2)次いで、警送会社への警送依頼書作成する(S102)。
警送依頼書には、下記事項が記入される。
・警送拠点識別番号
・ATM識別番号
・警送計画日
・警送依頼種別
・警送作業種別
・万券装填枚数、千券装填枚数
(3)次いで、警送会社への警送依頼書が送付される。
同時に、センタコンピュータの警送計画マスターテーブル104、装填枚数マスターテーブル105へ依頼書の内容をアップロードする(S103)。
(4)警送会社では、依頼された期日に、警送員に現金カセットを持たせ、出動する。
【0037】
図5は、ATM稼働中に発生する障害処理のフローチャートを示す。
ATM稼働中に発生する障害は、遠隔監視制御装置へ通知され、障害を解除して復旧させるオペレータが24時間、運用管理センタへ待機しており、障害対処はリアルタイムで行う。
【0038】
(1)まず、ATMから遠隔監視制御装置へ障害通知がある(S201)。
その内容は、例えば、以下の状態である。
・紙幣詰まり障害
・カード取り忘れ 等
この場合、ATMは休止状態になる。
(2)警備員出動を依頼する(S202)。
(3)警備員が到着し、装置の扉を開けて中を確認する(S203)。
作業は、例えば、以下のような作業となる。
・紙幣詰まりを除去
・カードを確認
(4)作業後、警備員から運用管理センタへ電話で連絡する(S204)。
報告事項は、以下のとおりである。
・除去した紙幣の金種別枚数
・回収したカードの種別と口座番号等
(5)運用管理センタのオペレータは、警備員から連絡を受けた内容をセンタコンピュータの封入金管理テーブル206,回収カード管理テーブル207へアップロードする(S205)。
(6)その後、運用管理センタのオペレータは、封筒番号を採番した結果を警備員へ通知し、封筒に記入してもらう(S208)。
(7)最後に、警備員は、封入金を封入金格納部に、カードをカード格納部へ格納し、退店する(S209)。
【0039】
図6は、警送員入店後のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0040】
(1)警送依頼書を受け、警送員が出動する(S301)。
(2)警送員がATM全面に到着する(S302)。
(3)警送員は係員鍵をATMに差し込み、捻る。係員鍵はスイッチとなっているので、捻る動作をトリガーにATMのタッチパネル画面は係員専用画面となる(S303)。
(4)タッチパネルで警送ボタンを押す。この時、警送員認証のため、パスコード入力画面となる(S304)。
(5)タッチパネルでパスコードを入力し一致すると、次のステップに移行する。
(6)次いで、警送員は、ATM内記憶装置に保存されているATM識別番号で電文を編集し、「入店通知リクエスト電文」を作成し、センタコンピュータと通信を行う(S306)。
(7)センタコンピュータの方では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、警送計画マスターテーブルを検索する(S307)。
(8)「本日、警送計画あり」の場合、警送計画を実行中とし、入店時刻を記録する(S311)。
なお、「本日、警送計画なし」の場合は、「入店通知レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMではエラー画面を表示して、S303の係員専用画面に戻る(S310)。
(9)警送計画に従い、警送メニュー画面に表示するキーを編集し、応答する(S313)。「入店通知レスポンス電文(正常)」がATM側に送信される。
(10)警送員は、ATM側で、タッチパネルに警送メニュー画面を表示する(S314)。
【0041】
このように、上記センタコンピュータ側の処理は、ATM側の警送員の入力処理に応じて、コンピュータが自動処理を行うのでオペレータは介在しなくて済む。
【0042】
図7は、封入金回収処理のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0043】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「封入金」ボタンを押す(S401)。
(2)ATM機内に保管されていた封筒の番号を1件単位でタッチパネル入力する(S402)。
(3)確認画面で確認後、入力された封筒数と封筒番号を編集し、センタコンピュータへ「封入金回収完了リクエスト電文」を送信する(S403)。
(4)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、封入金管理テーブル405を検索する(S404)。
(5)入力内容がテーブルと一致すると、回収された封筒の記録を“回収済み”に更新する(S407)。
なお、入力内容がテーブルと一致しない場合は、「封入金回収完了レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMではエラー画面を表示して、警送メニュー画面に戻る(S406)。
(6)警送計画マスターテーブル410で、警送計画を封入金回収実行済みとする(S409)。
(7)次いで、ATM側に「封入金回収完了リクエスト電文(正常)」が送信され、「ボタン表示制御=封入金ボタン:“済み”」の制御信号が送られる。
これにより、ATM端末には、タッチパネルに警送メニュー画面を表示する(S411)。なお、封入金ボタンは、実行済みのため、背景色と同じ色になる。
【0044】
図8は、回収カード回収処理のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0045】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「カード回収」ボタンを押す(S501)。
(2)次いで、ATM機内に保管されていたカードの枚数をタッチパネルで入力する(S502)。
(3)確認画面で確認後、入力されたカード枚数を編集し、「カード回収完了リクエスト電文」を作成してセンタコンピュータへ送信する(S503)。
(4)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、回収カード管理テーブル505を検索する(S504)。
(5)入力内容がテーブルと一致すると、回収されたカードの記録を“回収済み”に更新し、該情報は、回収カード管理テーブル508に格納される(S507)。
なお、入力内容がテーブルと一致しない場合は、「カード回収完了レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMではエラー画面を表示して、警送メニュー画面に戻る(S506)。
(6)警送計画を封入金回収実行済みとされ、該情報は警送計画マスターテーブル510に格納される(S509)。
(7)次いで、「回収カード完了レスポンス電文(正常)」及び「ボタン表示制御=カード回収ボタン:“済み”」の制御信号がATM側に送信され、ATM端末では、タッチパネルに警送メニュー画面を表示する(S511)。なお、カード回収ボタンは、実行済みのため、背景色と同じ色になる。
【0046】
図9は、付帯作業のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0047】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「付帯作業」ボタンを押す(S601)。
(2)次いで、センタコンピュータへ「付帯作業入力通知リクエスト電文」を送信する(S602)。
(3)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、付帯作業管理テーブル604を検索する(S603)。
(4)「付帯作業登録あり」の場合、「付帯作業入力通知レスポンス電文(正常)」をATM側に送信する。
なお、「付帯作業登録なし」の場合は、「付帯作業入力通知レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMでは、エラー画面を表示して、警送メニュー画面に戻る(S605)。
(5)ATM側では、応答された“付帯作業名称”をタッチパネルに表示し、“はい”または“いいえ”ボタンが押されるのを待ち合わせる(S606)。
(6)次いで、「付帯作業入力通知リクエスト電文」がセンタコンピュータに送信され、センタコンピュータ側では次の付帯作業を編集する(S607)。なお、付帯作業は1件づつ編集し、応答する。
(7)次いで、「付帯作業終わり?」かどうかを検出し、“いいえ”の場合は上記(4)のステップに戻り、次の付帯作業を行い、付帯作業終了までこのルーチンを繰り返す。
(8)付帯作業がすべて終了した時、「付帯作業終わり?」の問いに対して“はい”と入力した付帯作業を“実施済み”に更新し、付帯作業管理テーブル609に格納する(S608)。
(9)次いで、警送計画を付帯作業実行済みとし、警送計画マスターテーブル611に該情報を格納する。
(10)センタコンピュータから「付帯作業入力通知レスポンス電文(正常)」および「ボタン表示制御=付帯作業ボタン:“済み”」の制御信号がATM端末側に送信され、ATM端末側では、タッチパネルに警送メニュー画面を表示する(S612)。なお、付帯作業ボタンは、実行済みのため、背景色と同じ色になる。
【0048】
図10は、出金カセット装填・回収カセット交換のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0049】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「カセット」ボタンを押し、カセットを交換する(S701)。
(2)ATM側からセンタコンピュータへ「出金カセット装填、回収カセット交換のリクエスト電文」を送信する(S702)。
(3)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、警送計画マスタテーブル704を検索する(S703)。
(4)次いで、金融機関ホストコンピュータから、取引成立金額カウンタを取得する(S706)。例えば、以下のとおりである。
入金 ○万△千円 出金●万▲千円
(5)「前回の装填金+入金○万△千円-出金●万▲千円+封入金」の金額が、警送員が持ち帰る回収金の金額になる(S707)。
(6)これらが一致すると、警送計画を付帯作業実行済みとする(S708)。
該情報が、警送計画マスターテーブル709に格納される。
(7)「カセット装填/交換レスポンス電文(正常)」及び「ボタン表示制御=カセット装填/交換ボタン:“済み”」制御信号がATM側に送信され、ATM側端末のタッチパネルに警送メニュー画面を表示する。なお、カセットボタンは、実行済みのため、背景色と同じ色になる(S710)。
【0050】
図11は、退店時のATMと運用コンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0051】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「退店」ボタンを押す(S801)。
(2)センタコンピュータへ「退店通知リクエスト電文」を送信する(S802)。
(3)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、警送計画マスタテーブル804を検索する(S803)。
(4)「全作業を終了している?」をチェックし“はい”の場合は、警送計画を実行済みとし、退店時刻を記録する(S805)。該情報が、警送計画マスターテーブル806に格納される。
なお、「全作業を終了している?」をチェックし“いいえ”の場合は、「退店通知レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMではエラー画面を表示して、警送メニュー画面に戻る(S808)。
(5)「退店通知レスポンス電文(正常)」がATM側に送信され、タッチパネルに係員画面を再表示し、警送員は鍵を元の位置に戻し、退店する(S807)。
【0052】
図13〜図16は、前記センタコンピュータのデータベースのファイル構造を示す。
図13は、本発明のATMの警送業務に用いられる「警送計画マスターテーブル」の例を示す。
図14は、本発明のATMの警送業務に用いられる「装填枚数マスターテーブル」の例を示す。
図15は、本発明のATMの警送業務に用いられる「封入金管理テーブル」の例を示す。
図16は、本発明のATMの警送業務に用いられる「回収カード管理テーブル」の例を示す。
【0053】
なお、図17は、本発明のATMの警送業務に用いられる「ATM→センタコンピュータ(リクエスト)」の電文例を示す。
また、図18は、本発明のATMの警送業務に用いられる「センタコンピュータ→ATM(レスポンス)」の電文例を示す。
【産業上の利用可能性】
【0054】
前記の如く、本発明の警送業務支援機能付ATMを用いれば、以下の効果が生じる。
(1)警送員がATMの回収を行う際、最新の情報(回収対象のカード、封入金)を提供でき、回収の間違いを防止できる。
(2)警送員の入店・退店・操作記録を紙に記入する必要もなくなり、誤りの防止になる。
(3)警送員と運用管理センタのオペレータの通話が削減される。
従来の技術では1回の警送あたり、10分間の通話が必要としたので、1日に500台のATM警送がある場合、実に、83.3時間/日(8時間勤務前提の場合、約10人)の運用オペレータの削減が可能となる。
【0055】
従って、本発明の警送業務支援システムを採用すれば、大幅な運用コスト削減と警送業務の作業信頼性の向上効果は大きく、正確さと共に作業効率も向上するので産業上の利用性は高い。
【符号の説明】
【0056】
1 ATM
2 金融機関ホストコンピュータ
3 運用管理センタ
4 センタコンピュータ
5 表示装置
6 入力装置
7 補助記憶装置
8 封入金格納部
9 回収カード格納部
11 ネットワーク
12 通信部
13 係員鍵
【技術分野】
【0001】
本発明は、ATMの警送業務における係員処理、特にその支援処理に関する。
なお、警送とは、現金・有価証券などの重要物を、指定地から指定地へ安全に輸送する業務のことである。日本では大手運送会社が警送業務の大手であり、銀行等金融機関からの委託を受け、ATMの現金回収・補充業務を行っている。
【背景技術】
【0002】
従来、ATMの警送業務における係員処理は、以下のようになされる。なお、この従来処理について、図19〜23が参照される。
【0003】
(1)一般的に警送業務を行う警送員は、朝、警送拠点から輸送車で出発し、当日の計画されたルート上のATM店舗を巡回しながら、夕刻までに拠点に戻る。
(2)警送員は、ATMの現金を回収・補充する以外にも店舗でATMの以下の管理作業を行う。
−レシートを補充・交換する。
−お客様の取り忘れカードを回収する。
−パンフレット補充・交換、ポスター貼り替えなど。
−各店舗で行うべき単位の作業内容は当日朝に警送員に手渡しされる指示書兼チェックリスト(紙)に記載されている。
(3)各ATMは、警送業務を主管する運用管理センタへ接続するインターホンを併設し、警送員は電話口で運用オペレータから、自身がなすべき作業の指示を仰ぐことができる。
(4)警送員は、ATMに係員鍵を差し込み、ATMを係員モードへ切替え、タッチパネルまたは係員操作盤を使い、指示書に従い、管理作業の操作を行う。
【0004】
これらの作業を図19〜図23について、具体的な事例について説明すると、以下のごとくなる。
【0005】
(1)トラブル発生時
図19において、トラブルが発生するとATM側からトラブルが通知され(40)、オペレータ41から警備員42に電話で指示がいく。オペレータ41は、警送受付(43)を入力する。警備員は、赤封筒(銀行現金)、青封筒(顧客現金)及びカードをATM装置内に一時保管する。なお、ここで、警備員とは銀行側の警備担当者であり、警送員とは警送会社からATM警送業務処理用に派遣される担当者をいう。
(2)警送員入店
図20に示すように、警送員が派遣され、警送員は入店するとオペレータ53に電話(50)し、オペレータは警送受付を確認して管理帳票を更新すると共に、警送員へ電話(52)で「封筒枚数、番号、回収カード枚数」等の指示を出す。
警送員は、カセットを交換し、回収物を持ち帰る。
(3)回収金計算
警送員がカセット交換を行った店舗の有高情報は、警送会社に通知される(図21)が、警送の終了状況がシステム的に分らないため、図22に示すように、回収金チームは、現金情報の確認作業を日に何度も繰り返している。
そして、回収金チームは、その都度、警送時刻及び現金情報を手入力で修正している(図23)。
【0006】
上記従来のATMの警送業務における係員処理には、以下のような問題があった。
(1)警送員は前日または当日の朝までの情報を元に作成された指示書にもとづき、警送作業を行うため、店舗到着時、指示書に記載されている作業内容が一部変更されていることがある。
例えば、以下の事例があげられる。
−回収する取忘カード枚数が増えた。(例.指示書記載:2枚、店舗到着時:3枚)
−回収する取忘カードのうち1枚は、店舗へお客様が直接受け取りにくる連絡があったので、回収不要となった。
−警送員到着前に紙幣詰りが発生し、しわくちゃとなってしまった紙幣を専用回収封筒(封入金と呼ぶ)に入れ、ATM内の保管場所に入れておいた。
【0007】
(2)上記のとおり、警送員持参の指示書と実際の作業内容のズレが常に発生するため、警送員は店舗へ入店後、必ず、装置備え付けのインターホンで運用管理センタへ連絡を入れ、オペレータからの指示を仰ぐことで問題を回避している(図20の50参照)。
そのため、警送員からのインターホン呼び出しに対応するため、運用管理センタにはピーク時間帯にあわせ、電話回線設備とオペレータの配備が必要となり、コストがかかる。
オペレータの数が充分でない場合、警送員はインターホンで待たされることになり、1日に巡回できる店舗の数が少なくなる。
【0008】
(3)警送員の入店・退店時刻、操作記録は、電話応対したオペレータが紙に記入していた。その際の紙への記入もれや、誤記も多く、訂正のための事務処理に多くの時間や労力を費やしていた(図19,図20参照)。
【0009】
(4)警送員がATMを操作する際に使用する「係員モード」メニューには、ATMが備える全ての係員操作機能のボタンが表示される。警送員は指示書に従い、ボタンを選択して警送作業を行うが、店舗により、操作する項目が違うため、押し間違いや操作忘れによるミスが発生すると、警送員自身では、なかなか気づかない。よって、作業終了後、インターホンで運用管理センタへ連絡を入れてもらい、オペレータが警送員から作業結果のヒアリングを行い、ミスを抑制している。
【0010】
それにより、警送員とオペレータがインターホンで会話する時間はますます長時間となり、作業の信頼性を高めようとすると、電話回線やオペレータの数が必要となり、コストを優先し、オペレータの数を絞ると、警送員が1日で回る店舗が少なくなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−289130号公報
【特許文献2】特許第4108993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来のATMの警送業務における係員処理の上記欠点を解消し、以下の課題の解決を図ることを目的とする。
【0013】
(1)ATMに警送員への各店舗の最新指示を通話不要で知らせることができる機構を追加する。警送員とオペレータの通話時間の短縮を実現する。
(2)ATMに係員モードでの操作ミスを防止する仕組みを追加し、警送員とオペレータの通話時間の短縮を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係るATMの警送業務における係員処理は、以下の要件を有する。
【0015】
(1)運用管理センタにセンタコンピュータを設け、該コンピュータのデータベースで警送計画をリアルタイムで更新する。更新情報は、例えば、以下のとおりである。
−回収対象のカード情報(新規・更新・削除・参照)
−回収対象の封入金情報(新規・更新・削除・参照)
(2)警送員がATMを係員モードで起動すると、ATMのプログラムは運用管理センタのセンタコンピュータのデータベースを参照し、最新の警送計画の内容を取得する。
(3)警送員がATMの係員モードで操作を行うと、上記プログラムが最新の警送計画に従い、警送員を誘導・支援する。
(4)係員モードで表示するボタンは、ATMが備える全機能ではなく、上記データベースを参照し、各店毎の警送計画で必要なボタンだけを表示・制御する。
(5)係員モードで表示されたボタンは、全て実行しないと警送員は退店できないよう制御する。このことにより、操作忘れを防止する。
(6)警送員の入店・退店・操作記録は、紙ではなく、コンピュータ・プログラムにより自動で運用管理センタのセンタコンピュータのデータベースに保存する。
【0016】
すなわち、本発明の警送業務支援システムは、複数のATMと警送業務支援のための運営管理センタがネットワークを介して接続された警送業務支援システムにおいて、上記運用管理センタにセンタコンピュータを設け、該運営管理センタのセンタコンピュータのデータベースにおいて、回収対象のカード情報及び回収対象の封入金情報を含む警送計画をリアルタイムで更新すると共に、上記ATMにおいて、上記警送計画をリアルタイムで画面に表示することを特徴とする。
【0017】
さらに、前記ATMは、係員モードで起動する鍵を設け、上記鍵により係員モードで起動すると、ATMのプログラムは運用管理センタのセンタコンピュータのデータベースを参照して最新の警送計画の内容を取得し、最新の警送計画に従い、警送作業を誘導・支援すること、あるいは、前記係員モードで表示するボタンは、前記データベースを参照し、各店毎の警送計画で必要なボタンだけを表示・制御することを特徴とする。
またさらに、前記係員モードで表示されたボタンは、全て実行しないと警送員が退店できないよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の警送業務支援機能付ATMを用いれば、以下の効果が生じる。
(1)警送員がATMから回収を行う際、最新の情報(回収対象のカード、封入金)を提供でき、回収の間違いを防止できる。
(2)警送員の入店・退店・操作記録を紙に記入する必要もなくなり、誤りの防止になる。
(3)警送員と運用管理センタのオペレータの通話が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のATMの警送業務における係員処理(トラブル発生時処理手順)の概念図である。
【図2】本発明のATMの警送業務における係員処理(通常の入店後の処理手順)の概念図である。
【図3】本発明のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順)の概念図である。
【図4】本発明のATMの警送業務における警送依頼処理のフローチャートである。
【図5】本発明のATMの警送業務における障害処理のフローチャートである。
【図6】本発明のATMの警送業務における警送員入店後のフローチャートである。
【図7】本発明のATMの警送業務における封入金回収処理のフローチャートである。
【図8】本発明のATMの警送業務における回収カード回収処理のフローチャートである。
【図9】本発明のATMの警送業務における付帯作業のフローチャートである。
【図10】本発明のATMの警送業務における出金カセット装填・回収カセット交換処理のフローチャートである。
【図11】本発明のATMの警送業務における退店時のフローチャートである。
【図12】本発明のATMの警送業務に用いられるシステム構成を示す図である。
【図13】本発明のATMの警送業務に用いられる「警送計画マスターテーブル」の例を示す図である。
【図14】本発明のATMの警送業務に用いられる「装填枚数マスターテーブル」の例を示す図である。
【図15】本発明のATMの警送業務に用いられる「封入金管理テーブル」の例を示す図である。
【図16】本発明のATMの警送業務に用いられる「回収カード管理テーブル」の例を示す図である。
【図17】本発明のATMの警送業務に用いられる「ATM→センタコンピュータ(リクエスト)」の電文例を示す図である。
【図18】本発明のATMの警送業務に用いられる「センタコンピュータ→ATM(レスポンス)」の電文例を示す図である。
【図19】従来のATMの警送業務における係員処理(トラブル発生時処理手順)の概念図である。
【図20】従来のATMの警送業務における係員処理(警送員入店後の処理手順)の概念図である。
【図21】従来のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順1)の概念図である。
【図22】従来のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順2)の概念図である。
【図23】従来のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順3)の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1〜図18を参照しながら本発明に係る警送業務支援機能付ATMの各種処理について、詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明のATMの警送業務における係員処理(トラブル発生時処理手順)の概念図を、図2は、本発明のATMの警送業務における係員処理(通常の入店後の処理手順)の概念図を示す。また、図3は、本発明のATMの警送業務における係員処理(回収金計算処理手順)の概念図を示す。
【0022】
図12は、ATM保守管理システムのネットワーク構成を示す図である。ATM保守管理システムは、ATM(自動取引装置:Automated Teller Machine)1の保守管理をするための保守管理系のシステムであり、ATM1が銀行ホスト2と通信可能に接続する銀行業務処理系のシステムから独立して構成されている。
【0023】
ATM1は、顧客の口座の残高照会、顧客の口座への入金、顧客の口座からの出金など顧客に対してサービスを提供する端末装置である。運用管理センタ3は、ATMの稼動状態を監視し、ATM(自動取引装置)を保守するための情報を管理する管理装置(保守管理装置)を備える。図示せぬCE(Customer Engineer)センタは、ATM(自動取引装置)1の保守管理をおこなう拠点であり、所定の地域エリア毎にCEセンタが設けられる。また、CEセンタは、運用管理センタ3と保守管理のための情報の通信をおこなう管理装置を備える。なお、運用管理センタ3がCEセンタに代わって保守管理の拠点機能を有することもできる。
【0024】
各銀行の各支店は、店舗内にATMを備える。各ATM1は、ネットワーク11を介して運用管理センタ3と通信可能に接続する。なお、ATMは、銀行の店舗内に設置される場合に限らず、店舗外の場所(たとえば、役所、駅、ショッピングモールなどの屋内、またはこれら施設の駐車場などの屋外など)に店外機として設けられる場合がある。
【0025】
各ATM(自動取引装置)は、上記した保守管理系のシステム構成とは別にネットワークを介して銀行ホストと通信可能に接続する銀行業務処理系のシステムを構成している。
【0026】
各CE(Customer Engineer)センタは、ネットワークを介して運用管理センタ3と通信可能に接続する。各ATMは、機番(ユニークな識別情報)により一意に特定可能になっている。また、機番は、支店番号(金融機関番号を含む、ATMの管理エリアを特定可能な情報)と対応付けされて管理される。したがって、運用管理センタは、機番によりATM(自動取引装置)を特定し、支店番号により管理エリアを特定できる。
【0027】
図1〜図3を前記従来システムの作業の図19〜図20と対比して説明すると、
(1)トラブル発生時(図1)
図1において、トラブルが発生すると、ATMからATMのトラブルを処理する遠隔監視制御装置に該トラブルが通知され(10)、オペレータ11から警備員12に電話で指示がいく。また、オペレータ11は、センタコンピュータに最新の警送情報を入力する(13)。ATM側の警備員は、従来同様、赤封筒(銀行現金)、青封筒(顧客現金)及びカードをATM装置内に一時保管する。
【0028】
(2)警送員入店(図2)
警送員が派遣され、警送員は入店すると、ATMからセンタコンピュータに入店情報(22)を入力する。次いで、封筒枚数、番号、回収カード枚数等の警送業務に必要な最新情報をセンタコンピュータから入手(22)し、ATMの画面に表示しながら警送業務を行う。
【0029】
また、警送員は、ATM端末において、警送員がセンタコンピュータの「封筒枚数、番号、回収カード枚数」等のデータ更新を行う。警送員は、カセットを交換し、回収物を持ち帰る。
【0030】
この処理が、従来「オペレータに電話(50)し、オペレータは警送受付を確認(53)して、警送員へ電話(52)で指示を出す。オペレータは警送受付終了後、「封筒枚数、番号、回収カード枚数」等の記録を更新する」(図20)と異なる。
【0031】
(3)回収金計算(図3)
警送員の退店通知(24)もATM端末に入力され、カセット交換を行った店舗の有高情報は、センタコンピュータを介して警送会社に通知される。したがって、警送会社は当日の警送終了状況をセンタコンピュータでの履歴を見ればリアルタイムで把握できる。
【0032】
回収金情報もATM端末から回収金アプリを介して上記センタコンピュータに入力され、回収金アプリ上で封入金・RJカード・テーブル26が表示されるようになり、これを警送実施店分回収金テーブル27として一覧表示される。
【0033】
回収金チームは、いつでもリアルタイムで最新の上記回収金テーブルを参照できるので、従来のように、警送の終了状況がシステム的に分らないため、図22の場合に回収金チームが現金情報の確認作業を日に何度も繰り返しているといった従来システムの不便が解消される。
【0034】
以下、図4〜図11によって、ATMとセンタコンピュータ間のやりとりの詳細をフローチャートを用いて説明する。
【0035】
図4は、現金残量は残り少ないまたは、現金があふれそうになっているATMを遠隔監視制御装置で確認し、警送計画を起案する時の警送計画のフローチャートを示す。
【0036】
(1)まず、ATMの現金補充回収を行うことを決定する(S101)。
(2)次いで、警送会社への警送依頼書作成する(S102)。
警送依頼書には、下記事項が記入される。
・警送拠点識別番号
・ATM識別番号
・警送計画日
・警送依頼種別
・警送作業種別
・万券装填枚数、千券装填枚数
(3)次いで、警送会社への警送依頼書が送付される。
同時に、センタコンピュータの警送計画マスターテーブル104、装填枚数マスターテーブル105へ依頼書の内容をアップロードする(S103)。
(4)警送会社では、依頼された期日に、警送員に現金カセットを持たせ、出動する。
【0037】
図5は、ATM稼働中に発生する障害処理のフローチャートを示す。
ATM稼働中に発生する障害は、遠隔監視制御装置へ通知され、障害を解除して復旧させるオペレータが24時間、運用管理センタへ待機しており、障害対処はリアルタイムで行う。
【0038】
(1)まず、ATMから遠隔監視制御装置へ障害通知がある(S201)。
その内容は、例えば、以下の状態である。
・紙幣詰まり障害
・カード取り忘れ 等
この場合、ATMは休止状態になる。
(2)警備員出動を依頼する(S202)。
(3)警備員が到着し、装置の扉を開けて中を確認する(S203)。
作業は、例えば、以下のような作業となる。
・紙幣詰まりを除去
・カードを確認
(4)作業後、警備員から運用管理センタへ電話で連絡する(S204)。
報告事項は、以下のとおりである。
・除去した紙幣の金種別枚数
・回収したカードの種別と口座番号等
(5)運用管理センタのオペレータは、警備員から連絡を受けた内容をセンタコンピュータの封入金管理テーブル206,回収カード管理テーブル207へアップロードする(S205)。
(6)その後、運用管理センタのオペレータは、封筒番号を採番した結果を警備員へ通知し、封筒に記入してもらう(S208)。
(7)最後に、警備員は、封入金を封入金格納部に、カードをカード格納部へ格納し、退店する(S209)。
【0039】
図6は、警送員入店後のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0040】
(1)警送依頼書を受け、警送員が出動する(S301)。
(2)警送員がATM全面に到着する(S302)。
(3)警送員は係員鍵をATMに差し込み、捻る。係員鍵はスイッチとなっているので、捻る動作をトリガーにATMのタッチパネル画面は係員専用画面となる(S303)。
(4)タッチパネルで警送ボタンを押す。この時、警送員認証のため、パスコード入力画面となる(S304)。
(5)タッチパネルでパスコードを入力し一致すると、次のステップに移行する。
(6)次いで、警送員は、ATM内記憶装置に保存されているATM識別番号で電文を編集し、「入店通知リクエスト電文」を作成し、センタコンピュータと通信を行う(S306)。
(7)センタコンピュータの方では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、警送計画マスターテーブルを検索する(S307)。
(8)「本日、警送計画あり」の場合、警送計画を実行中とし、入店時刻を記録する(S311)。
なお、「本日、警送計画なし」の場合は、「入店通知レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMではエラー画面を表示して、S303の係員専用画面に戻る(S310)。
(9)警送計画に従い、警送メニュー画面に表示するキーを編集し、応答する(S313)。「入店通知レスポンス電文(正常)」がATM側に送信される。
(10)警送員は、ATM側で、タッチパネルに警送メニュー画面を表示する(S314)。
【0041】
このように、上記センタコンピュータ側の処理は、ATM側の警送員の入力処理に応じて、コンピュータが自動処理を行うのでオペレータは介在しなくて済む。
【0042】
図7は、封入金回収処理のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0043】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「封入金」ボタンを押す(S401)。
(2)ATM機内に保管されていた封筒の番号を1件単位でタッチパネル入力する(S402)。
(3)確認画面で確認後、入力された封筒数と封筒番号を編集し、センタコンピュータへ「封入金回収完了リクエスト電文」を送信する(S403)。
(4)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、封入金管理テーブル405を検索する(S404)。
(5)入力内容がテーブルと一致すると、回収された封筒の記録を“回収済み”に更新する(S407)。
なお、入力内容がテーブルと一致しない場合は、「封入金回収完了レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMではエラー画面を表示して、警送メニュー画面に戻る(S406)。
(6)警送計画マスターテーブル410で、警送計画を封入金回収実行済みとする(S409)。
(7)次いで、ATM側に「封入金回収完了リクエスト電文(正常)」が送信され、「ボタン表示制御=封入金ボタン:“済み”」の制御信号が送られる。
これにより、ATM端末には、タッチパネルに警送メニュー画面を表示する(S411)。なお、封入金ボタンは、実行済みのため、背景色と同じ色になる。
【0044】
図8は、回収カード回収処理のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0045】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「カード回収」ボタンを押す(S501)。
(2)次いで、ATM機内に保管されていたカードの枚数をタッチパネルで入力する(S502)。
(3)確認画面で確認後、入力されたカード枚数を編集し、「カード回収完了リクエスト電文」を作成してセンタコンピュータへ送信する(S503)。
(4)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、回収カード管理テーブル505を検索する(S504)。
(5)入力内容がテーブルと一致すると、回収されたカードの記録を“回収済み”に更新し、該情報は、回収カード管理テーブル508に格納される(S507)。
なお、入力内容がテーブルと一致しない場合は、「カード回収完了レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMではエラー画面を表示して、警送メニュー画面に戻る(S506)。
(6)警送計画を封入金回収実行済みとされ、該情報は警送計画マスターテーブル510に格納される(S509)。
(7)次いで、「回収カード完了レスポンス電文(正常)」及び「ボタン表示制御=カード回収ボタン:“済み”」の制御信号がATM側に送信され、ATM端末では、タッチパネルに警送メニュー画面を表示する(S511)。なお、カード回収ボタンは、実行済みのため、背景色と同じ色になる。
【0046】
図9は、付帯作業のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0047】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「付帯作業」ボタンを押す(S601)。
(2)次いで、センタコンピュータへ「付帯作業入力通知リクエスト電文」を送信する(S602)。
(3)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、付帯作業管理テーブル604を検索する(S603)。
(4)「付帯作業登録あり」の場合、「付帯作業入力通知レスポンス電文(正常)」をATM側に送信する。
なお、「付帯作業登録なし」の場合は、「付帯作業入力通知レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMでは、エラー画面を表示して、警送メニュー画面に戻る(S605)。
(5)ATM側では、応答された“付帯作業名称”をタッチパネルに表示し、“はい”または“いいえ”ボタンが押されるのを待ち合わせる(S606)。
(6)次いで、「付帯作業入力通知リクエスト電文」がセンタコンピュータに送信され、センタコンピュータ側では次の付帯作業を編集する(S607)。なお、付帯作業は1件づつ編集し、応答する。
(7)次いで、「付帯作業終わり?」かどうかを検出し、“いいえ”の場合は上記(4)のステップに戻り、次の付帯作業を行い、付帯作業終了までこのルーチンを繰り返す。
(8)付帯作業がすべて終了した時、「付帯作業終わり?」の問いに対して“はい”と入力した付帯作業を“実施済み”に更新し、付帯作業管理テーブル609に格納する(S608)。
(9)次いで、警送計画を付帯作業実行済みとし、警送計画マスターテーブル611に該情報を格納する。
(10)センタコンピュータから「付帯作業入力通知レスポンス電文(正常)」および「ボタン表示制御=付帯作業ボタン:“済み”」の制御信号がATM端末側に送信され、ATM端末側では、タッチパネルに警送メニュー画面を表示する(S612)。なお、付帯作業ボタンは、実行済みのため、背景色と同じ色になる。
【0048】
図10は、出金カセット装填・回収カセット交換のATMとセンタコンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0049】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「カセット」ボタンを押し、カセットを交換する(S701)。
(2)ATM側からセンタコンピュータへ「出金カセット装填、回収カセット交換のリクエスト電文」を送信する(S702)。
(3)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、警送計画マスタテーブル704を検索する(S703)。
(4)次いで、金融機関ホストコンピュータから、取引成立金額カウンタを取得する(S706)。例えば、以下のとおりである。
入金 ○万△千円 出金●万▲千円
(5)「前回の装填金+入金○万△千円-出金●万▲千円+封入金」の金額が、警送員が持ち帰る回収金の金額になる(S707)。
(6)これらが一致すると、警送計画を付帯作業実行済みとする(S708)。
該情報が、警送計画マスターテーブル709に格納される。
(7)「カセット装填/交換レスポンス電文(正常)」及び「ボタン表示制御=カセット装填/交換ボタン:“済み”」制御信号がATM側に送信され、ATM側端末のタッチパネルに警送メニュー画面を表示する。なお、カセットボタンは、実行済みのため、背景色と同じ色になる(S710)。
【0050】
図11は、退店時のATMと運用コンピュータ間の情報処理の具体的なフローチャートを示す。
【0051】
(1)警送員が、タッチパネルに表示されている警送メニュー画面で「退店」ボタンを押す(S801)。
(2)センタコンピュータへ「退店通知リクエスト電文」を送信する(S802)。
(3)センタコンピュータ側では、受信した「ATM識別番号」をキーとして、警送計画マスタテーブル804を検索する(S803)。
(4)「全作業を終了している?」をチェックし“はい”の場合は、警送計画を実行済みとし、退店時刻を記録する(S805)。該情報が、警送計画マスターテーブル806に格納される。
なお、「全作業を終了している?」をチェックし“いいえ”の場合は、「退店通知レスポンス電文(異常)」がATM側に送信される。ATMではエラー画面を表示して、警送メニュー画面に戻る(S808)。
(5)「退店通知レスポンス電文(正常)」がATM側に送信され、タッチパネルに係員画面を再表示し、警送員は鍵を元の位置に戻し、退店する(S807)。
【0052】
図13〜図16は、前記センタコンピュータのデータベースのファイル構造を示す。
図13は、本発明のATMの警送業務に用いられる「警送計画マスターテーブル」の例を示す。
図14は、本発明のATMの警送業務に用いられる「装填枚数マスターテーブル」の例を示す。
図15は、本発明のATMの警送業務に用いられる「封入金管理テーブル」の例を示す。
図16は、本発明のATMの警送業務に用いられる「回収カード管理テーブル」の例を示す。
【0053】
なお、図17は、本発明のATMの警送業務に用いられる「ATM→センタコンピュータ(リクエスト)」の電文例を示す。
また、図18は、本発明のATMの警送業務に用いられる「センタコンピュータ→ATM(レスポンス)」の電文例を示す。
【産業上の利用可能性】
【0054】
前記の如く、本発明の警送業務支援機能付ATMを用いれば、以下の効果が生じる。
(1)警送員がATMの回収を行う際、最新の情報(回収対象のカード、封入金)を提供でき、回収の間違いを防止できる。
(2)警送員の入店・退店・操作記録を紙に記入する必要もなくなり、誤りの防止になる。
(3)警送員と運用管理センタのオペレータの通話が削減される。
従来の技術では1回の警送あたり、10分間の通話が必要としたので、1日に500台のATM警送がある場合、実に、83.3時間/日(8時間勤務前提の場合、約10人)の運用オペレータの削減が可能となる。
【0055】
従って、本発明の警送業務支援システムを採用すれば、大幅な運用コスト削減と警送業務の作業信頼性の向上効果は大きく、正確さと共に作業効率も向上するので産業上の利用性は高い。
【符号の説明】
【0056】
1 ATM
2 金融機関ホストコンピュータ
3 運用管理センタ
4 センタコンピュータ
5 表示装置
6 入力装置
7 補助記憶装置
8 封入金格納部
9 回収カード格納部
11 ネットワーク
12 通信部
13 係員鍵
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のATMと警送業務支援のための運営管理センタがネットワークを介して接続された警送業務支援システムにおいて、
上記運用管理センタにセンタコンピュータを設け、該運営管理センタのセンタコンピュータのデータベースにおいて、回収対象のカード情報及び回収対象の封入金情報を含む警送計画をリアルタイムで更新すると共に、上記ATMにおいて、上記警送計画をリアルタイムで画面に表示することを特徴とする警送業務支援システム。
【請求項2】
前記ATMは、係員モードで起動する鍵を設け、上記鍵により係員モードで起動すると、ATMのプログラムは運用管理センタのセンタコンピュータのデータベースを参照して最新の警送計画の内容を取得し、最新の警送計画に従い、警送作業を誘導・支援することを特徴とする前記請求項1記載の警送業務支援システム。
【請求項3】
前記係員モードで表示するボタンは、前記データベースを参照し、各店毎の警送計画で必要なボタンだけを表示・制御することを特徴とする前記請求項1、または2記載の警送業務支援システム。
【請求項4】
前記係員モードで表示されたボタンは、全て実行しないと警送員が退店できないよう制御することを特徴とする前記請求項1〜3の内、いずれか1項記載の警送業務支援システム。
【請求項1】
複数のATMと警送業務支援のための運営管理センタがネットワークを介して接続された警送業務支援システムにおいて、
上記運用管理センタにセンタコンピュータを設け、該運営管理センタのセンタコンピュータのデータベースにおいて、回収対象のカード情報及び回収対象の封入金情報を含む警送計画をリアルタイムで更新すると共に、上記ATMにおいて、上記警送計画をリアルタイムで画面に表示することを特徴とする警送業務支援システム。
【請求項2】
前記ATMは、係員モードで起動する鍵を設け、上記鍵により係員モードで起動すると、ATMのプログラムは運用管理センタのセンタコンピュータのデータベースを参照して最新の警送計画の内容を取得し、最新の警送計画に従い、警送作業を誘導・支援することを特徴とする前記請求項1記載の警送業務支援システム。
【請求項3】
前記係員モードで表示するボタンは、前記データベースを参照し、各店毎の警送計画で必要なボタンだけを表示・制御することを特徴とする前記請求項1、または2記載の警送業務支援システム。
【請求項4】
前記係員モードで表示されたボタンは、全て実行しないと警送員が退店できないよう制御することを特徴とする前記請求項1〜3の内、いずれか1項記載の警送業務支援システム。
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図23】
【図1】
【図2】
【図3】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図5】
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【図10】
【図11】
【図23】
【図1】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−168657(P2012−168657A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27892(P2011−27892)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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