説明

豆乳凝固方法及び豆乳凝固装置

【課題】 凝固空間内に収容した温豆乳に即効性の凝固剤である塩化マグネシウムを均等に分散させながら攪拌混合させ、速かにムラなく凝固させることができる豆乳凝固技術の提供。
【解決手段】 温豆乳を収容させる凝固空間10と、前記凝固空間内を往復移動する攪拌手段33と、この攪拌手段に形成された凝固剤注入口24と、を備え、温豆乳を凝固させるに際し、前記凝固空間内で攪拌手段を1方向にのみ移動させると同時に凝固剤注入口から凝固剤を注入させて温豆乳と凝固剤を攪拌混合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温豆乳に凝固剤を注入させて混合攪拌させることにより、温豆乳を凝固させて豆腐を得るための豆乳凝固方法及び豆乳凝固装置に関する。
【背景技術】
【0002】
豆腐を作る際、温豆乳に凝固剤を添加し攪拌混合することで凝固が進行して豆腐となる。
このとき、使用する凝固剤には複数の種類があるが、中でも近年味が最も良いとされるのが塩化マグネシウムである。
しかし、塩化マグネシウムは温豆乳に対して凝固反応が非常に速く、人の手でキレイな絹状の豆腐に凝固させることは難しい。
【0003】
これを解決する方法として、凝固反応が遅い低温豆乳の状態で凝固剤を攪拌混合させ、容器に充填したのち再加熱して凝固を完了させる方法、また、凝固剤を油脂(乳化塩化マグネシウム)でコーティングさせ、そのコーティングが溶けるまでの時間差を利用して凝固反応を遅らせる方法、などが採用されている。
【0004】
しかしながら、前者の方法では手間と時間がかかるし、豆乳を冷却したり、再加熱したりするなど熱的に効率が悪いという問題があった。
後者の方法では油脂でコーティングさせるため特別な装置が必要になるなどの問題があった。
【0005】
また、従来、温豆乳と塩化マグネシウムの凝固反応が完了するまでに速やかに混合攪拌させて、効率よく温豆乳を凝固させる方法が知られている(特許文献1、2、3参照)。
【0006】
特許文献1の技術は、凝固空間内に回転子があり、この回転子によって混合攪拌を行なうようにしているが、混合攪拌後は凝固の妨げにならないように回転子を取り外す必要があり、手間がかかる。
又、回転による混合攪拌であるため、凝固空間の隅部分などを十分に攪拌することができないといった問題があった。
【0007】
特許文献2の技術は、混合攪拌のために、平板を向かい合わせで往復移動させるようにしているが、混合攪拌に伴い、泡の噛み込みが生じたり、十分な攪拌混合が迅速に行えないといった問題があった。
【0008】
また、特許文献3の技術は、本願の出願人が提供した従来技術であって、凝固空間と、移動攪拌手段と、凝固剤注入装置とを備えている。
しかしながら、この技術では、温豆乳の凝固に際し、移動攪拌手段(攪拌板)が往復移動する。
温豆乳の凝固に際しては、凝固剤注入後は出来るだけ速やかに攪拌を終了させるのが好ましいが、攪拌板を往復移動させると既に凝固が開始された豆腐組織を壊しながら攪拌混合することになり、均一な凝固が行なえないという問題が残る。
また、凝固剤注入装置の注入口が凝固空間の壁面に形成されていた。
このため注入口と攪拌板が分離してしまい、凝固剤の注入と攪拌までの時間差が生じてしまう。
塩化マグネシウムという凝固剤はその性質上、温豆乳と接した部分から直ちに凝固反応が始まるために凝固剤の注入と攪拌に時間差が生じると、既に凝固が開始された豆腐組織を壊しながら攪拌混合する為均一な凝固が行なえないという問題が残る。
【0009】
以上のように、凝固空間内に即効性の凝固剤である塩化マグネシウムを添加し、これを均等に分散させ、かつ混合攪拌させて温豆乳を速やかに凝固させることは容易ではないというのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−159581号公報
【特許文献2】特開2006−34144号公報
【特許文献3】特開2008−228724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、凝固空間内に収容した温豆乳に即効性の凝固剤である塩化マグネシウムを均等に分散させながら攪拌混合させ、速かにムラなく凝固させることができる豆乳凝固技術を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る豆乳凝固方法は、
温豆乳(T)を収容させる凝固空間(10)と、前記凝固空間内を往復移動する攪拌手段(33)と、この攪拌手段に配設された凝固剤注入口(24)と、を備え、
温豆乳を凝固させるに際し、前記凝固空間内で攪拌手段を1方向にのみ移動させると同時に凝固剤注入口から凝固剤(M)を注入させて温豆乳と凝固剤を攪拌混合させる構成とした。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る豆乳凝固方法は、
温豆乳(T)を収容させる凝固空間(10)と、
前記凝固空間内を往復移動し、かつ温豆乳を凝固させるに際し前記凝固空間内で1方向にのみ移動する攪拌手段(33)と、
前記攪拌手段に配設され、かつ温豆乳を凝固させるに際し前記攪拌手段の1方向移動と同時に温豆乳内に凝固剤(M)を注入させるように形成された凝固剤注入口(24)と、を備えている構成とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、凝固剤として塩化マグネシウム(水溶液)を用い、これを温豆乳が収容された凝固空間の中で均等に分散させながら速やかに攪拌混合させて豆腐としての凝固を促すことができる。
このように職人の手作業でなければ作り難く、即効性で凝固反応が速い凝固剤である塩化マグネシウムを凝固剤として用いながらも温豆乳をキレイに均等に凝固させ、生産性を向上させることができる。
【0015】
本来、凝固剤と混合した後の温豆乳は、その凝固が完全に終了するまで、できるだけ動かさないというのが一般的である。
そこで本発明では、予め温豆乳のみを収容した凝固空間の中に規定量の凝固剤を注入するが、その凝固剤注入口を凝固剤と温豆乳とを混合攪拌させるための攪拌手段に設けて、この注入口が攪拌手段と同時に凝固空間内を移動するようになっている。
【0016】
さらに、混合攪拌を行う攪拌手段は1方向にのみ移動(1パス)するもので、往復運動を行わないことから攪拌手段が通過した後の温豆乳は静止した状態に保たれ、凝固が完全に終了するまで、できるだけ動かさないということからも理にかなっている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施例に係る豆乳凝固装置及びその凝固方法の工程図。
【図2】本発明の第2実施例に係る豆乳凝固装置及びその凝固方法の工程図。
【図3】豆乳凝固装置の攪拌板及び凝固剤注入口を示す断面図。
【図4】豆乳凝固装置の攪拌板及び凝固剤注入口の他例を示す断面図。
【図5】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【図6】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【図7】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【図8】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【図9】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【図10】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【図11】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【図12】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【図13】凝固容器と攪拌板の他例を示す断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
先ず、図1に示す第1実施例の豆乳凝固装置を説明する。
第1実施例の豆乳凝固装置は、攪拌板を昇降させる駆動装置と凝固剤を注入させる駆動装置を昇降用シリンダで共用させた形態である。
【0019】
図1において、1は凝固容器で、底面が閉鎖され、上面が開口された上下方向に長い角筒体に形成され、その内部が凝固空間10に形成されている。
【0020】
前記凝固容器1の上方には支持枠11を介して凝固剤注入シリンダ20が取り付けられ、その注入用ピストンロッド21が前記凝固空間10内に上端の開口部12から下向きに挿入されている。
前記注入用ピストンロッド21の先端には注入用ノズル22が取り付けられ、この注入用ノズル22は、前記凝固剤注入シリンダ20の上端内部にフレキシブルな凝固剤供給ホース23を介して接続されると共に、その下端部に前記凝固空間10内に臨むように複数個(実施例では4個)の凝固剤注入口24が等配間隔で放射状に配設されている。
【0021】
前記支持枠11には前記凝固剤注入シリンダ20と並行して昇降用シリンダ30が取り付けられ、その昇降用ピストンロッド31が前記凝固空間10内に上端の開口部12から下向きに挿入されている。
前記昇降用ピストンロッド31の下端には、横腕32及び前記注入用ノズル22を介して攪拌手段としての攪拌板33が取り付けられている。
【0022】
前記昇降用シリンダ30は攪拌板33の昇降駆動用と、前記凝固剤注入シリンダ30(注入用ピストンロッド31)の昇降駆動用とに共用されており、従って、凝固剤注入シリンダ30の駆動装置を省略できる。
【0023】
前記攪拌板33は、その外周縁と凝固容器1の内壁面13との間に若干の隙間Sが生じるように、平面形状が凝固空間10の平面形状よりも若干小さ目に形成され、昇降用シリンダ30の作動に伴い凝固空間10内で上下に往復移動する。
【0024】
なお、本発明では、凝固剤注入口を攪拌手段に配設させる構成にしており、従って、第1実施例のように凝固剤注入口24を形成した注入用ノズル22については本発明で言う攪拌手段に含まれる。
【0025】
次に、第1実施例の豆乳凝固方法を説明する。
まず、昇降用シリンダ30を下降作動させて攪拌板33を凝固容器1の凝固空間10の底部に移動させたのち、豆乳供給装置(図示省略)により凝固空間10内に温豆乳Tを収容させる(図1−A)。
【0026】
次に、昇降用シリンダ30を上昇作動させるもので、これにより攪拌板30を勢いよく上昇させていくと同時に注入用ピストンロッド21を引き上げていく(図1−B)。
これに伴い凝固剤注入シリンダ20内に収容していた凝固剤M(塩化マグネシウム水溶液)が押し出され、凝固剤供給ホース23及び注入用ノズル22を経て凝固剤注入口24から温豆乳T内に注入される。
この場合、攪拌板30の上昇距離に比例して凝固剤Mを押し出すように設定されており、従って、凝固空間10内の全ての箇所で凝固剤Mを均一に供給することができる。
【0027】
前記攪拌板33の上昇と共に、この攪拌板33の近辺では乱流が起るため温豆乳Tと凝固剤Mが均等に混合し、また、攪拌板33が通過した部分は静止して凝固反応が進行していく。
即ち、攪拌板33が上昇する勢いに伴い、温豆乳Tが攪拌板33の外周と凝固容器10の内壁面13との隙間Sを通過する際に乱流が生じ、その乱流効果で攪拌混合を促すことができる。
また、その隙間Sを通過する際の乱流効果が最大となる近辺に凝固剤Mを注入することになるため、凝固剤Mの注入と攪拌板33による攪拌までの時間差がほとんどなくなり、一度凝固を始めた組織を再度壊すことがない。
さらに、攪拌を行う攪拌板33は高速で移動し、しかも温豆乳Tを凝固させるに際しては1方向のみの移動(1パス)であり、往復移動を行わないことから攪拌板33が通過した後の凝固剤混合済み温豆乳T1を静止した状態に保つことができる。
また、攪拌板33は凝固容器1の内壁面13近くまで広げることができることから凝固空間10の隅々まで均一に攪拌することができる。
【0028】
そして、攪拌板33が凝固空間10の最上部まで上昇したところで昇降用シリンダ30を停止させるもので(図1−C)、その後、凝固剤混合済み温豆乳T1を十分に凝固させて豆腐として製造させたのち、所定の手段によって凝固空間10から豆腐を取り出し、切り分けてパックに包装させていく。
【0029】
凝固空間10から豆腐を取り出したのちは再び昇降用シリンダ30を下降作動させて攪拌板33を凝固空間10の底部に移動させ、凝固空間10内に温豆乳Tを収容させていくもので(図1−A)、上記した(図1−A)から(図1−C)までの工程を1サイクルとして繰り返しながら、順次連続して豆腐を製造していくものである。
なお、凝固剤注入シリンダ20内への凝固剤Mの充填は、昇降用シリンダ30の下降作動に伴い注入用ピストンロッド21が引き下げられる際に凝固剤タンク(図示省略)から供給させるようになっている。
【0030】
図2及び図3に示す第2実施例の豆乳凝固装置を説明する。
第2実施例の豆乳凝固装置は、攪拌板33を昇降させる駆動装置(ラックアンドピニオン方式のモータ51)と凝固剤Mを注入させる駆動装置(駆動シリンダ8)を分離させた形態である。
【0031】
図2において、1は凝固容器で、底部に豆腐切り出し装置4が設けられ、上面が開口された上下方向に長い筒体に形成され、その内部が凝固空間10に形成されている。
【0032】
前記凝固容器1の上方には攪拌ユニットUが設けられ、この攪拌ユニットUは図示省略したセット装置により全体として凝固容器1から離反した離反位置(図2−A)と、凝固容器1にセットされたセット位置(図2−B,C,D,E,F)との間を往復移動するように形成されている。
【0033】
前記攪拌ユニットUはラックアンドピニオン方式を用いて昇降する昇降フレーム5を有している。
この場合、ユニットベース50に取り付けたモータ51にピニオン52を取り付け、このピニオン52に噛合うラック53を昇降フレーム5に取り付け、前記モータ51の正逆転により昇降フレーム5を前記セット位置において、上昇位置(図2−B,F)と、下降位置(図2−C)との間で上下方向に往復移動させるようになっている。
【0034】
また、前記昇降フレーム5の下端には、前記セット位置において凝固容器1の開口部12に被せて凝固空間10を泡噛みが無いように密閉させるための蓋部材6が設けられている。
【0035】
前記昇降フレーム5には上下方向に延在してガイドロッド54が垂設され、このガイドロッド54をユニットベース50に取り付けた保持ベアリング55内でスライドさせることにより昇降フレーム5の昇降動作をスムーズに安定させている。
【0036】
前記昇降フレーム5には前記蓋部材6を貫通して凝固空間10内に延長するように攪拌板用ロッド70が垂設され、この攪拌板用ロッド70の下端に攪拌板33が取り付けられている。
この攪拌板33は、その外周縁と凝固容器10の内壁面13との間に若干の隙間Sが生じるように、平面形状が凝固空間10の平面形状よりも若干小さ目に形成され、前記昇降フレーム5の昇降に伴い凝固空間10内で上下に往復移動する。
また、攪拌板33は、図3に示すように2枚の板材33a,33bを上下に重合させて形成され、その板材33a,33b間に外周に開口するように凝固剤注入口24が形成されている。
【0037】
前記昇降フレーム5には駆動シリンダ8と凝固剤注入シリンダ81が設けられ、その駆動用ピストンロッド82と凝固剤注入シリンダ81の注入用ピストンロッド83とが連結されている。
また、前記凝固剤注入シリンダ81の内部と前記攪拌板33の凝固剤注入口24とが攪拌板用ロッド70の内部に挿通させた凝固剤注入ホース84を介して接続されている。
【0038】
なお、図4に示すように、凝固剤注入口24を攪拌板33に近い攪拌板用ロッド70の下端部に形成してもよく、この場合には、凝固剤注入口24を形成した攪拌板用ロッド70についても本発明で言う攪拌手段に含まれる。
【0039】
次に、第2実施例の豆乳凝固方法を説明する。
まず、攪拌ユニットUが離反位置(図2−A)にある時に凝固空間10内に温豆乳Tを収容させる(図2−A)。
【0040】
次に、攪拌ユニットUを離反位置からセット位置に移動させ、蓋部材6を凝固容器1の開口部12に被せて凝固空間10を泡噛みが無いように密閉させる(図2−B)。
【0041】
次に、モータ51を駆動させてラックアンドピニオンにより昇降フレーム5を下降させ、これにより攪拌板33を凝固空間10の底部に移動させる(図2−C)。
このとき、凝固剤タンク(図示省略)から凝固剤注入シリンダ81内へ凝固剤Mを供給させる。
【0042】
次に、モータ51を逆転させてラックアンドピニオンにより昇降フレーム5を勢いよく上昇させ、これにより攪拌板33を凝固空間10の底部から勢いよく上昇させていくと同時に駆動シリンダ8を進出作動させる(図2−D,E)。
これにより、凝固剤注入シリンダ81の内部に収容していた凝固剤M(塩化マグネシウム水溶液)が押し出され、凝固剤供給ホース84を経て凝固剤注入口24から温豆乳T内に注入される。
この場合、モータ51に付属させたエンコーダーにより攪拌板33の上昇位置を割出し、その移動距離に比例した量の凝固剤Mを注入するように駆動シリンダ8を制御しており、これにより凝固空間10内の全ての箇所で凝固剤を均一に供給することができる。
なお、このときの攪拌凝固作用は、前記第1実施例と同様である。
【0043】
そして、攪拌板33が凝固空間10の最上部まで上昇したところでモータ51及び駆動シリンダ8を停止させ(図1−F)、その後は攪拌ユニットUを離反位置(図2−A)に移動させる。
このとき、図示省略したが、前記攪拌ユニットUを離反位置から更に水平方向に移動させ、その水平移動位置で攪拌ユニットUを洗浄させるようにしている。
凝固空間10内の凝固剤混合済み温豆乳T1は熟成時間を経て十分に凝固させ、豆腐として製造させたのち豆腐切り出し装置4によって凝固容器10の下端でカットさせ、自動でパック詰装置等へ供給させる。
【0044】
凝固空間10から豆腐を取り出したのちは、その凝固空間10内に温豆乳Tを収容させると共に、攪拌ユニットUを離反位置に移動させ、上記した(図2−A)から(図2−F)までの工程を1サイクルとして繰り返しながら、順次連続して豆腐を製造していくものである。
【0045】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明において、凝固剤注入口24は図3のように攪拌板33の外周から放射状に凝固剤を供給するように形成させてもよいし、図4のように攪拌板33から一定の距離を保持して形成させてもよい。
【0046】
攪拌板33の形状及び凝固空間10の断面形状は正方形、長方形、円形などその形には限定されないし、攪拌板33の平面形状を凝固空間10の断面形状より僅かに小さい形状に形成してもよいし、羽根形状に形成してもよいし、その形状は限定されない。
また、攪拌板33に移動抵抗を軽減させるための貫通孔39を形成してもよい。
【0047】
なお、図5、6、7、8は、攪拌板33の平面形状を凝固空間10(凝固容器1)の断面形状より僅かに小さい方形形状に形成させたもので、図5は攪拌板30に貫通孔を形成させず、図6は複数個(4個)の貫通孔39を形成させ、図7はドーナツ状の貫通孔39を形成させ、図8は単一(1個)の貫通孔39を形成させた例である。
図9、10、11、12、13は、攪拌板33の平面形状を凝固空間10(凝固容器1)の断面形状より僅かに小さい円形形状に形成させたもので、図9は攪拌板33に貫通孔を形成させず、図10は複数個(4個)の貫通孔39を形成させ、図11は複数個(4個)の貫通孔39を形成させた複数枚の攪拌板33,33を上下に配設させ、図12は単一(1個)の貫通孔39を形成させ、図13はスリット状の貫通孔39を放射状に形成させた例である。
【0048】
また、凝固剤注入口24に関しても、攪拌板33と同時に移動が可能な位置に取付けられていれば、その個数、向き形状は限定されない。
また、凝固容器1は第1実施例のように上部を開放させてもよいし、第2実施例のように密閉式に形成させてもよい。
密閉式の場合、凝固容器1の長手方向と攪拌板33の移動方向を垂直方向にさせて攪拌板33を実施例のように底面から上面に向かって上昇させてもよいし、逆に上方から下方に向かって下降させてもよく、さらに、凝固容器1の長手方向と攪拌板33の移動方向を水平方向や傾斜方向にさせることもできる。
【0049】
また、前記凝固空間と、攪拌手段と、凝固剤注入口とを備えた豆乳凝固装置を1組とし、その豆乳凝固装置を複数列に設けてもよい。
また、1個の凝固空間に対して複数個の攪拌ユニットを設け、その複数個の攪拌ユニットを循環させたり往復させたりして順次に凝固空間の上方に移動させるように形成させることもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 凝固容器
10 凝固空間
11 支持枠
12 開口部
13 内壁面
20 凝固剤注入シリンダ
21 注入用ピストンロッド
22 注入用ノズル(攪拌手段)
23 凝固剤供給ホース
24 凝固剤注入口
30 昇降用シリンダ
31 昇降用ピストンロッド
32 横腕
33 攪拌板(攪拌手段)
33a 板材
33b 板材
39 貫通孔
4 豆腐切り出し装置
5 昇降フレーム
50 ユニットベース
51 モータ
52 ピニオン
53 ラック
54 ガイドロッド
55 保持ベアリング
6 蓋部材
70 攪拌板用ロッド(攪拌手段)
8 駆動シリンダ
81 凝固剤注入シリンダ
82 駆動用ピストンロッド
83 注入用ピストンロッド
84 凝固剤注入ホース
T 温豆乳
T1 凝固剤混合済み温豆乳
M 凝固剤
S 隙間
U 攪拌ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
温豆乳(T)を収容させる凝固空間(10)と、前記凝固空間内を往復移動する攪拌手段(33)と、この攪拌手段に配設された凝固剤注入口(24)と、を備え、
温豆乳を凝固させるに際し、前記凝固空間内で攪拌手段を1方向にのみ移動させると同時に凝固剤注入口から凝固剤(M)を注入させて温豆乳と凝固剤を攪拌混合させることを特徴とした豆乳凝固方法。
【請求項2】
温豆乳(T)を収容させる凝固空間(10)と、
前記凝固空間内を往復移動し、かつ温豆乳を凝固させるに際し前記凝固空間内で1方向にのみ移動する攪拌手段(33)と、
前記攪拌手段に配設され、かつ温豆乳を凝固させるに際し前記攪拌手段の1方向移動と同時に温豆乳内に凝固剤(M)を注入させるように形成された凝固剤注入口(24)と、を備えていることを特徴とした豆乳凝固装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate