説明

買物袋

【課題】持ち手を外部に露出させることなく買物袋に収納し、持ち手を利用するひったくり犯罪を確実に防止する。
【解決手段】底面部、正面部21、背面部および一対の襠部23をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体2と、袋本体2の正面部21の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手3とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋1である。そして、この買物袋1において、上端部が一対の紐41によって開閉自在に形成された被覆部材4の下端部が各持ち手3に対応する部分を開口4aに形成して袋本体2の上端部に縫製され、各持ち手3が被覆部材4と正面部21との開口4aおよび被覆部材4と背面部との開口4aを通してそれぞれ袋本体2の内部に収納され、また、袋本体2の上方に突出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、買物袋、特に、自転車の前かごに収容した際にひったくりを防止する買物袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、消費者がスーパーなどにて食料品などの商品を購入するとき、持参した買物袋に購入した商品を収納した後、持ち手を利用して手に提げて、あるいは、自転車の前かごに収容して帰路につくことになる。ここで、自転車にて帰路につく場合、買物袋に購入した商品とともに財布が収納されていることを狙ってひったくりが多発している。
【0003】
このようなひったくりに遭遇することを回避するため、特許文献1,2に示すように、自転車の前かごにネットなどの覆いを設け、前かごに収容した買物袋にネットなどの覆いを被せて覆ったり、また、特許文献3,4に示すように、自転車に買物袋の持ち手を係止する係止具を設け、前かごに収容した買物袋の持ち手を係止具に係止し、前かごから買物袋が意図することなく離脱するのを防止することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3071501号公報
【特許文献2】特開2004−276893号公報
【特許文献3】実開平7−15490号公報
【特許文献4】実用新案登録第3026237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自転車などにネットなどの覆いを設けるものでは、自転車毎に覆いを設ける必要があり、コストがかさむとともに、前かごに簡単に取り付けることができず、手間がかかる他、前かごの大きさや形状などによっては、取り付けることができない場合もある。また、常時前かごに取り付けていることから、経年によって強度が低下し、ひったくりに対応することができないおそれもある。
【0006】
一方、自転車に設けた係止具を利用して持ち手を係止するものでは、持ち手が上方に向けて支持された形になっており、原動機付き自転車などを利用して後方から接近したひったくり犯にとっては、ひったくりの目印になるとともに、持ち手を介してひったくった場合、係止具から持ち手が離脱し、簡単にひったくられる可能性が大きい。この場合、係止具から持ち手が離脱しない場合には、ひったくられた買物袋を介して自転車が引きずられて転倒する危険性がある。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、持ち手を外部に露出させることなく買物袋に収納し、持ち手を利用するひったくりを確実に防止することのできる買物袋を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、底面部、正面部、背面部および一対の襠部をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体と、袋本体の正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋において、上端部が一対の紐によって開閉自在な被覆部材の下端部が、各持ち手に対応する範囲に開口を形成するように当該範囲を除いて袋本体の上端部に縫製され、各持ち手が被覆部材と正面部および背面部との開口を通してそれぞれ袋本体の内部に収納され、また、袋本体の上方に突出されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、被覆部材の一対の紐によって閉鎖された上端開口部を押し開き、開放した上端開口部を通して袋本体の内部に購入した商品を収納する。そして、買物袋に商品を収納したならば、一対の紐を牽引し、被覆部材の上端開口部を絞って閉鎖する一方、被覆部材と正面部および背面部との開口を通して各持ち手をそれぞれ引き出して把握することにより、買物袋を持ち運ぶことができる。一方、買物袋を自転車の前かごに収容する際には、被覆部材と正面部および背面部との開口を通して各持ち手を袋本体の内部に押込んで収納することができる。
【0010】
この結果、持ち手が買物袋の上方に露出した状態で配置されることがないことから、仮にひったくり犯が買物袋をひったくろうとしても、ひったくる際に把握する持ち手が存在せず、ひったくることができないものとなる。また、被覆部材を付加すればよいことから、買物袋のコストを各別に上昇させることもない他、自転車の前かごに新たなネットなどの覆いを設ける場合に比較して安価にひったくりを防止することができる。
【0011】
本発明において、前記各持ち手が正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部にそれぞれ縫製され、また、被覆部材と正面部および背面部との開口がそれぞれスライドファスナーを介して開閉自在であることが好ましい。これにより、被覆部材と正面部および背面部との開口をそれぞれスライドファスナーを介して閉鎖することができ、開口を通して袋本体の内部に収納した持ち手が意図することなく袋本体の上方に突出することを確実に防止でき、さらに安全となる。
【0012】
本発明において、前記正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部がスナップを介して止着可能であることが好ましい。これにより、被覆部材を袋本体の外面に沿って垂れ下げた状態で、正面部と背面部を突き合わせることで、対向するスタッドとソケットを止着して袋本体の上端開口部を簡略的に閉鎖することができ、少量の商品を収納する場合において、覗き見を防止しつつ買物袋の容積を削減した状態で持ち運びできる。
【0013】
本発明において、前記正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部がスライドファスナーを介して分離かつ開閉自在であることが好ましい。これにより、被覆部材を袋本体の外面に沿って垂れ下げた状態で、正面部と背面部を突き合わせ、スライドファスナーを閉じることで、袋本体の対向する正面部の上端部と背面部の上端部を閉鎖することができ、少量の商品を収納する場合において、覗き見を防止しつつ買物袋の容積を削減した状態で持ち運びできる。
【0014】
本発明において、前記被覆部材に各開口に臨んでフラップがそれぞれ設けられ、各フラップが開口を跨いで正面部および背面部にそれぞれ止着可能であることが好ましい。これにより、各フラップを開口を覆ってスナップや面ファスナーなどを利用して正面部および背面部にそれぞれ止着することにより、袋本体内に収納した商品が衝撃などによって開口を通して飛び出すことを確実に防止できる。
【0015】
本発明において、前記底面部、正面部、背面部および一対の襠部の各内面にそれぞれ断熱材が縫製されることが好ましい。これにより、買物袋に保冷機能を付与することができ、冷蔵品の温度上昇や冷凍食品の解凍を抑制できる。
【0016】
本発明において、前記背面部の外面に、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯の基端部がそれぞれ縫製されることが好ましい。これにより、自転車の前かごに買物袋を収容した際に、自転車のハンドルポストに係止帯を巻き回して面ファスナー同士を止着することにより、自転車に対して買物袋を離脱しないように固定できる。
【0017】
本発明は、底面部、正面部、背面部および一対の襠部をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体と、袋本体の正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋において、スライドファスナーを介して分離かつ開閉自在な被覆部材における一対の覆い材の対向する前後各端部が、各持ち手に対応する範囲に開口を形成するように当該範囲を除いて正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製され、各持ち手が一方の覆い材と正面部との開口および他方の覆い材と背面部との開口を通してそれぞれ袋本体の内部に収納され、また、袋本体の上方に突出されることを特徴とするものである。
【0018】
本発明によれば、被覆部材のスライドファスナーを分離し、各覆い材をそれぞれ折り返し、正面部の外面および背面部の外面に沿うように垂れ下げることにより、袋本体の上端開口部を開放し、開放した上端開口部を通して袋本体の内部に購入した商品を収納する。そして、買物袋に商品を収納したならば、覆い材を折り返し、スライドファスナーを閉じることにより、袋本体の上端開口部を閉鎖する。また、被覆部材の一方の覆い材と正面部との開口および他方の覆い材と背面部との開口を通して各持ち手をそれぞれ引き出して把握することにより、買物袋を持ち運ぶことができる。一方、買物袋を自転車の前かごに収容する際には、被覆部材の一方の覆い材と正面部との開口および他方の覆い材と背面部との開口を通して各持ち手を袋本体の内部に押込んで収納することができる。
【0019】
この結果、持ち手が買物袋の上方に露出した状態で配置されることがないことから、仮にひったくり犯が買物袋をひったくろうとしても、ひったくる際に把握する持ち手が存在せず、ひったくることができないものとなる。しかも、買物袋の上面に突出する部分がなく、より確実にひったくりを防止できる。また、被覆部材を付加すればよいことから、買物袋のコストを各別に上昇させることもない他、自転車の前かごに新たなネットなどの覆いを設ける場合に比較して安価にひったくりを防止することができる。
【0020】
本発明において、前記各持ち手が正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部にそれぞれ縫製され、また、一方の覆い材と正面部との開口および他方の覆い材と背面部との開口がそれぞれスライドファスナーを介して開閉自在であることが好ましい。これにより、一方の覆い材と正面部との開口および他方の覆い材と背面部との開口をそれぞれスライドファスナーを介して閉鎖することができ、開口を通して袋本体の内部に収納した持ち手が意図することなく袋本体の上方に突出することを確実に防止でき、さらに安全となる。
【0021】
本発明において、前記正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部がスナップを介して止着可能であることが好ましい。これにより、被覆部材の各覆い材を正面部の外面および背面部の外面に沿ってそれぞれ垂れ下げた状態で、正面部と背面部を突き合わせることで、対向するスタッドとソケットを止着して袋本体の上端開口部を簡略的に閉鎖することができ、少量の商品を収納する場合において、覗き見を防止しつつ買物袋の容積を削減した状態で持ち運びできる。
【0022】
本発明において、前記被覆部材の各覆い材に開口に臨んでフラップがそれぞれ設けられ、各フラップが開口を跨いで正面部および背面部にそれぞれ止着可能であることが好ましい。これにより、各フラップを開口を覆ってスナップや面ファスナーなどを利用して正面部および背面部にそれぞれ止着することにより、袋本体内に収納した商品が衝撃などによって開口を通して飛び出すことを確実に防止できる。
【0023】
本発明において、前記底面部、正面部、背面部および一対の襠部の各内面にそれぞれ断熱材が縫製されることが好ましい。これにより、買物袋に保冷機能を付与することができ、冷蔵品の温度上昇や冷凍食品の解凍を抑制できる。
【0024】
本発明において、前記背面部の外面に、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯の基端部がそれぞれ縫製されることが好ましい。これにより、自転車の前かごに買物袋を収容した際に、自転車のハンドルポストに係止帯を巻き回して面ファスナー同士を止着することにより、自転車に対して買物袋を離脱しないように固定できる。
【0025】
本発明は、底面部、正面部、背面部および一対の襠部をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体と、袋本体の正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋において、上端部が一対の紐によって開閉自在な被覆部材の下端部が袋本体の上端部に全周にわたって縫製され、また、スライドファスナーを介して分離かつ開閉自在な第2の被覆部材における一対の覆い材の対向する前後各端部が正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製され、スライドファスナーを閉じた第2の被覆部材の一対の覆い材によって被覆部材および持ち手が被覆されることを特徴とするものである。
【0026】
本発明によれば、第2の被覆部材のスライドファスナーを分離し、各覆い材をそれぞれ折り返し、正面部の外面および背面部の外面に沿って垂れ下げた後、被覆部材の一対の紐によって閉鎖された上端開口部を押し開き、開放した被覆部材の上端開口部を通して袋本体の内部に購入した商品を収納する。そして、買物袋に商品を収納したならば、一対の紐を牽引し、被覆部材の上端開口部を絞って閉鎖する。次いで、第2の被覆部材の各覆い材に沿って垂れ下がっている各持ち手をそれぞれ引き上げて把握すれば、買物袋を持ち運ぶことができる。一方、買物袋を自転車の前かごに収容する際には、各持ち手を被覆部材の上面に配置した後、第2の被覆部材の各覆い材を折り返して被覆部材の上方に被せ、スライドファスナーを閉じることにより、被覆部材の上方を覆うとともに、被覆部材上に配置された持ち手を覆うことができる。
【0027】
この結果、持ち手が買物袋の上方に露出した状態で配置されることがないことから、仮にひったくり犯が買物袋をひったくろうとしても、ひったくる際に把握する持ち手が存在せず、ひったくることができないものとなる。しかも、買物袋の上面に突出する部分がなく、より確実にひったくりを防止できる。また、被覆部材および第2の被覆部材を付加すればよいことから、買物袋のコストを各別に上昇させることもない他、自転車の前かごに新たなネットなどの覆いを設ける場合に比較して安価にひったくりを防止することができる。
【0028】
本発明において、前記底面部、正面部、背面部および一対の襠部の各内面にそれぞれ断熱材が縫製されることが好ましい。これにより、買物袋に保冷機能を付与することができ、冷蔵品の温度上昇や冷凍食品の解凍を抑制できる。
【0029】
本発明において、前記背面部の外面に、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯の基端部がそれぞれ縫製されることが好ましい。これにより、自転車の前かごに買物袋を収容した際に、自転車のハンドルポストに係止帯を巻き回して面ファスナー同士を止着することにより、自転車に対して買物袋を離脱しないように固定できる。
【0030】
本発明は、底面部、正面部、背面部および一対の襠部をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体と、袋本体の正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋において、スライドファスナーを介して分離かつ開閉自在な被覆部材における一対の覆い材の対向する前後各端部が正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製され、また、スライドファスナーを介して分離かつ開閉自在な第2の被覆部材における一対の覆い材の対向する前後各端部が正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製され、スライドファスナーを閉じた第2の被覆部材の一対の覆い材によって被覆部材および持ち手が被覆されることを特徴とするものである。
【0031】
本発明によれば、第2の被覆部材のスライドファスナーを分離し、各覆い材をそれぞれ折り返し、正面部の外面および背面部の外面に沿って垂れ下げた後、被覆部材のスライドファスナーを分離し、各覆い材をそれぞれ折り返して、先に折り返した第2の被覆部材の各覆い材に沿って各持ち手とともに垂れ下げ、開放した袋本体の上端開口部を通して内部に購入した商品を収納する。そして、買物袋に商品を収納したならば、袋本体の上端開口部を覆うように、被覆部材の各覆い材を折り返し、スライドファスナーを閉じることで袋本体の上端開口部を閉鎖する。次いで、第2の被覆部材の各覆い材に沿って垂れ下がっている各持ち手をそれぞれ引き上げて把握すれば、買物袋を持ち運ぶことができる。一方、買物袋を自転車の前かごに収容する際には、各持ち手を被覆部材の上面に配置した後、第2の被覆部材の各覆い材を折り返して被覆部材の上方に被せ、スライドファスナーを閉じることにより、被覆部材の上方を覆うとともに、被覆部材上に配置された持ち手を覆うことができる。
【0032】
この結果、持ち手が買物袋の上方に露出した状態で配置されることがないことから、仮にひったくり犯が買物袋をひったくろうとしても、ひったくる際に把握する持ち手が存在せず、ひったくることができないものとなる。しかも、買物袋の上面に突出する部分がなく、より確実にひったくりを防止できる。また、被覆部材および第2の被覆部材を付加すればよいことから、買物袋のコストを各別に上昇させることもない他、自転車の前かごに新たなネットなどの覆いを設ける場合に比較して安価にひったくりを防止することができる。
【0033】
本発明において、前記底面部、正面部、背面部および一対の襠部の各内面にそれぞれ断熱材が縫製されることが好ましい。これにより、買物袋に保冷機能を付与することができ、冷蔵品の温度上昇や冷凍食品の解凍を抑制できる。
【0034】
本発明において、前記背面部の外面に、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯の基端部がそれぞれ縫製されることが好ましい。これにより、自転車の前かごに買物袋を収容した際に、自転車のハンドルポストに係止帯を巻き回して面ファスナー同士を止着することにより、自転車に対して買物袋を離脱しないように固定できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、持ち手を外部に露出させることなく買物袋に収納し、持ち手を利用するひったくりを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の買物袋の一実施形態を示す正面側斜視図である。
【図2】図1の買物袋の背面側斜視図である。
【図3】図1の買物袋の持ち手を収納した状態を示す斜視図である。
【図4】図3の買物袋を自転車の前かごに収容した状態を示す斜視図である。
【図5】図1の買物袋の第1変形例を示す斜視図である。
【図6】図1の買物袋の第2変形例を示す斜視図である。
【図7】図1の買物袋の第3変形例を示す斜視図である。
【図8】図1の買物袋の第4変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明の買物袋の他の実施形態を示す正面側斜視図である。
【図10】図9の買物袋の持ち手を収納した状態を示す斜視図である。
【図11】図10の買物袋を自転車の前かごに収容した状態を示す斜視図である。
【図12】図9の買物袋の変形例を示す斜視図である。
【図13】図9の買物袋の他の変形例を示す斜視図である。
【図14】図9の買物袋のもう一つの変形例を示す斜視図である。
【図15】本発明の買物袋のもう一つの実施形態を示す斜視図である。
【図16】図15の買物袋の持ち手の収納要領を説明する斜視図である。
【図17】本発明の買物袋のもう一つの他の実施形態を示す斜視図である。
【図18】図17の買物袋の持ち手の収納要領を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1乃至図3には、本発明の買物袋1の一実施形態が示されている。
【0039】
この買物袋1は、袋本体2と、袋本体2に縫製された一対の持ち手3と、袋本体2の上端部に縫製されて袋本体2の上端開口部を開閉自在な被覆部材4とから構成され、柔軟な生地、例えば、ナイロン生地や布生地などより形成されている。
【0040】
袋本体2は、方形状の底面部(図示せず)と、底面部の対向する前後各端縁部にそれぞれ下端縁部が縫製された正面部21および背面部22と、底面部の対向する他の左右各端縁部にそれぞれ下端縁部が縫製されるとともに、正面部21の左右各端縁部および背面部22の左右各端縁部にそれぞれ前後各端縁部が縫製された一対の襠部23,23とによって上端を開口した直方体状の空間を有するように形成され、この上端開口部を通して袋本体2の内部に商品を収納し、あるいは、袋本体2の内部から収納された商品を取り出すことができる。
【0041】
一対の持ち手3は、各帯状材の両端部を袋本体2における正面部21の内面側上端縁部および背面部22の内面側上端縁部にそれぞれ設定間隔をおいて縫製して形成されている。
【0042】
被覆部材4は、詳細には図示しないが、巾着として知られているように、袋本体2の上端開口部の周長の半分の長さを若干越える幅と設定高さを有するとともに、上端部に紐通し411(図6参照)が形成された2枚の生地を重ね、上端部を残して左右各端縁部を縫製して形成された覆い材41であって、覆い材41の左右各縫製端縁部がそれぞれ各襠部23の奥行き方向の略中間に位置するように、その下端部が袋本体2における正面部21、背面部22および一対の襠部23の各上端部に持ち手3に対応する範囲を除いて全周にわたって縫製されている。そして、前後の紐通し411には、それらの両端の通し口および返し口を経て一対の紐42が両端部をそれぞれ左右に位置するように挿通されている。このため、一対の紐42を各端部を互いに離隔する方向に牽引することにより、被覆部材4の上端開口部を絞って閉鎖することができ、また、絞った上端開口部を押し広げることにより、袋本体2の上端開口部に連通するように開放することができる。また、被覆部材4の上端開口部を開放した状態において、覆い材41を袋本体2の正面部21、背面部22および一対の襠部23の各外面に沿って折り返して垂れ下げたり、袋本体2の内部に押し込んで各内面に沿って垂れ下げることができる。
【0043】
ここで、被覆部材4における覆い部材41の下端部を、袋本体2における正面部21の内面側上端部および背面部22の内面側上端部に縫製するに際して、各持ち手3の両端縫製部に相当する範囲については縫製されていない。このため、被覆部材4と正面部21および背面部22との間に縫製されないことによる開口4aが形成されている。これにより、覆い材41と正面部21との開口4a、覆い材41と背面部22との開口4aを通して対応する持ち手3をそれぞれ袋本体2の上方に突出させ、あるいは、袋本体2の内部に収納することができる(図3参照)。
【0044】
なお、袋本体2における背面部22の外面側上端縁部の略中間部には、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯5,5の基端部がそれぞれ設定間隔をおいて縫製されている。これにより、買物袋1を自転車の前かごB(図4参照)に収容した際、一対の係止帯5を自転車のハンドルポストに巻き回して面ファスナー同士を付着することで、前かごBに収容された買物袋1を自転車から離脱しないように固定することができる。
【0045】
また、袋本体2の背面部22にはポケット6が設けられており、ファスナー61を介して開閉自在な出入口を通して小物などを出し入れすることができる。
【0046】
このように構成された買物袋1は、スーパーなどにおいて商品を購入すれば、被覆部材4の一対の紐42によって閉鎖された上端開口部を押し開き、開放した上端開口部を通して商品を袋本体2の内部に収納する。袋本体2の内部に商品を収納したならば、一対の紐42を互いに離隔する方向に牽引して被覆部材4の上端開口部を絞ることにより、袋本体2の上端開口部を覆い材41が覆って閉鎖し、袋本体2の内部に収納した商品を第三者が覗き見できないように遮蔽する。次いで、被覆部材4の覆い材41と正面部21および背面部22との開口4aを通して一対の持ち手3をそれぞれ上方に引き出して把握すれば、一対の持ち手3を介して商品を収納した買物袋1を吊り下げて持ち運びすることができる。
【0047】
ここで、買物袋1を自転車の前かごBに入れて運搬するときには、前かごBに買物袋1を収容した後、持ち手3をそれぞれ被覆部材4の覆い材41と正面部21および背面部22との開口4aを通して袋本体2の内部に押し込む。さらに、袋本体2の背面部22に設けた一対の係止帯5を自転車のハンドルポストに巻き回して面ファスナー同士を付着し、買物袋1を自転車から離脱しないように固定する(図4参照)。
【0048】
この結果、袋本体2の内部に各持ち手3をそれぞれ収納することにより、買物袋1の上方、具体的には、被覆部材4の上方に持ち手3が露出した状態で配置されることはない。このため、仮にひったくり犯が後方から接近して買物袋1をひったくろうとしても、ひったくるための持ち手3がないため、買物袋1をひったくることができないものとなる。また、被覆部材4を付加すればよく、買物袋1のコストを各別に上昇させることもない他、見栄えを低下させることもない。さらに、自転車毎に新たなネットなどの覆いを設ける場合に比較して取付作業が不要であることと相俟って安価にひったくりを防止することができる。
【0049】
なお、この実施形態においては、各持ち手3を袋本体2における正面部21の内面側および背面部22の内面側にそれぞれ縫製した場合を例示したが、それらの外面側にそれぞれ縫製しても構わない。
【0050】
図5には、前述した実施形態の買物袋1の第1変形例が示されている。
【0051】
この変形例の買物袋1も、袋本体2、一対の持ち手3および被覆部材4から構成される点では同一であるが、被覆部材4の覆い材41と正面部21および背面部22との開口4aがスライドファスナー43によって開閉自在に形成されている。したがって、開口4aを通して持ち手3を袋本体2の内部に収納した際、スライドファスナー43を閉じることにより、開口4aを閉鎖することができる。これにより、各開口4aは閉鎖状態に維持されることから、持ち手3は確実に袋本体2の内部に収納され、意図することなく開口4aを通して上方に突出することを防止でき、安全となる。
【0052】
この場合、スライドファスナー43を介して開口4aを閉鎖した際、持ち手3を袋本体2の内部に完全に収納するには、持ち手3を袋本体2における正面部21の内面側および背面部22の内面側に縫製すればよい。
【0053】
図6には、前述した実施形態の買物袋1の第2変形例が示されている。
【0054】
この変形例の買物袋1は、袋本体2における正面部21の内面側上端部の中間部および背面部22の内面側上端部の中間部にスナップ7を構成するスタッドおよびソケットをそれぞれ設けたものである。
【0055】
これにより、図6に示すように、被覆部材4の上端開口部を開放するとともに、正面部21、背面部22および一対の襠部23の各外面に沿うように覆い材41を折り返して垂れ下げた場合に、対向する正面部21および背面部22の上端部同士を突き合わせてスナップ7を介して止着することで、正面部21の上端部および背面部22の上端部が中間部において密着し、袋本体2の上端開口部を閉鎖することができる。
【0056】
この場合、図7に示すように、スナップ7に代えてスライドファスナー8を正面部21の上端部および背面部22の上端部に設け、スライドファスナー8によって袋本体2の上端開口部を閉鎖するようにしてもよい。
【0057】
図8には、前述した実施形態の買物袋1の第4変形例が示されている。
【0058】
この変形例の買物袋1は、被覆部材4に各開口4aに臨んでそれぞれフラップ10の端縁が縫製されたものである。そして、各フラップ10の内面には、スナップ7を構成するスタッドまたはソケットが設けられ、一方、袋本体2の正面部21および背面部22に各フラップ10に設けられたスタッドまたはソケットに対応してソケットまたはスタッドが設けられている。
【0059】
これにより、各フラップ10を開口4aを跨ぐとともに、持ち手3を通して正面部21および背面部22に沿って垂下させ、スタッドおよびソケットを嵌め込むことにより、正面部21および背面部22に対して各フラップ10を止着することができる。したがって、自転車の前かごBに買物袋1を収容して走行する際、段差などによる衝撃を受けて跳ね上げられ、袋本体2内に収納された一部の商品が開口4aを通して飛び出そうとしても、フラップ10が開口4aを覆って止着されていることにより、商品の飛び出しを確実に防止できるものとなる。
【0060】
この場合、スナップ7以外に面ファスナーやボタン、さらには、フックなど、任意の止着手段を利用しても構わない。また、開口4aをスライドファスナー43を介して開閉自在に構成した変形例(図5参照)においても、フラップ10を設けることを妨げるものではない。
【0061】
さらに、詳細には図示しないが、前述した実施形態の買物袋1において、袋本体2の底面部、正面部21、背面部22および一対の襠部23の各内面に、アルミ蒸着フィルムを積層して形成された断熱材をそれぞれ一体に縫製してもよい。これにより、保冷機能を有する買物袋1を得ることができ、冷蔵品の温度上昇や冷凍食品の解凍を抑制することができる。
【0062】
ところで、図9乃至図11には、本発明の買物袋1の他の実施形態が示されている。
【0063】
この買物袋1も、袋本体2と、袋本体2に縫製された一対の持ち手3と、袋本体2の上端部に縫製されて袋本体2の開口部を開閉自在な被覆部材4とから構成されている。
【0064】
ここで、袋本体2および持ち手3などは、前述した実施形態と同一であり、同一の部材に同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
被覆部材4は、袋本体2の上端開口部を覆う面積を有するように、2枚の覆い材44,44の突き合わせ端縁部にそれぞれスライドファスナー45のジッパーテープを縫製し、奥行き方向中間部がスライドファスナー45を介して分離可能に形成したものであり、その対向する前後各端部がそれぞれ対向する袋本体2における正面部21の上端部および背面部22の上端部にそれぞれ持ち手3に対応する範囲を除いて縫製されている。すなわち、被覆部材4の各覆い材44の端部を、袋本体2における正面部21の内面側上端部および背面部22の内面側上端部に縫製するに際して、各持ち手3の両端縫製部に相当する範囲については縫製されていない。このため、各覆い部材44と正面部21および背面部22との間に縫製されないことによる開口4aが形成されている。これにより、一方の覆い材44と正面部21との開口4a、他方の覆い材44と背面部22との開口4aを通して対応する持ち手3をそれぞれ袋本体2の上方に突出させ、あるいは、袋本体2の内部に収納することができる。
【0066】
このように構成された買物袋1は、スーパーなどにおいて商品を購入すれば、被覆部材4のスライドファスナー45を分離した後、各覆い材44を折り返して正面部21の外面および背面部22の外面に沿ってそれぞれ垂れ下げる。これにより、被覆部材4によって閉鎖された袋本体2の上端開口部を開放することができ、開放した上端開口部を通して袋本体2の内部に商品を収納することができる。
【0067】
袋本体2の内部に商品を収納したならば、それぞれ垂れ下がった各覆い材44を折り返すとともに、対向するスライドファスナー45を閉じることにより、袋本体2の上端開口部を閉鎖し、袋本体2の内部に収納した商品を第三者が覗き見できないように遮蔽する。次いで、一対の持ち手3をそれぞれ開口4aを通して引き出して把握すれば、一対の持ち手3を介して商品を収納した買物袋1を吊り下げて持ち運びすることができる。
【0068】
そして、買物袋1を自転車の前かごBに入れて運搬するときには、前かごBに買物袋1を収容した後、持ち手3をそれぞれ被覆部材4の一方の覆い材44と正面部21との開口4aおよび他方の覆い材44と背面部22との開口4aを通して袋本体2の内部に押し込む。さらに、袋本体2の背面部22に設けた一対の係止帯5を自転車のハンドルポストに巻き回して面ファスナー同士を付着し、買物袋1を自転車から離脱しないように固定する。
【0069】
この結果、袋本体2の内部に各持ち手3をそれぞれ収納することにより、買物袋1の上方、具体的には、被覆部材4の上方に持ち手3が露出した状態で配置されることはない。このため、仮にひったくり犯が後方から接近して買物袋1をひったくろうとしても、ひったくるための持ち手3がないため、買物袋1をひったくることができないものとなる。しかも、図10に示したように、買物袋1の上面に突出する部分がなく、より確実にひったくりを防止できるものとなる。また、被覆部材4を付加すればよく、買物袋1のコストを各別に上昇させることもない他、見栄えを低下させることもない。さらに、自転車毎に新たなネットなどの覆いを設ける場合に比較して取付作業が不要であることと相俟って安価にひったくりを防止することができる。
【0070】
なお、この実施形態においては、各持ち手3を袋本体2における正面部21の内面側および背面部22の内面側にそれぞれ縫製した場合を例示したが、それらの外面側にそれぞれ縫製しても構わない。
【0071】
この実施形態においても、被覆部材4に一方の覆い材44と袋本体2の正面部21との開口4aおよび他方の覆い材44と背面部22との開口4aをスライドファスナー43によってそれぞれ開閉自在に形成してもよく(図12参照)、また、袋本体2における正面部21の内面側上端部および背面部22の内面側上端部にスナップ7のスタッドおよびソケットをそれぞれ設け、正面部21の上端部と背面部22の上端部を突き合わせて止着し、袋本体2の上端開口部を閉鎖するようにしてもよい(図13参照)。
【0072】
さらに、被覆部材4の各覆い材44にフラップ10を設け、各開口4aをフラップ10によってそれぞれ覆うようにしてもよい。具体的には、図14に示すように、被覆部材4の各覆い材44に開口4aに臨んでフラップ10の端縁をそれぞれ縫製する一方、各フラップ10の内面にスナップ7を構成するスタッドまたはソケットを設け、また、袋本体2の正面部21および背面部22に各フラップ10に設けたスタッドまたはソケットに対応してソケットまたはスタッドを設ける。
【0073】
これにより、各フラップ10を開口4aを跨ぐとともに、持ち手3を通して正面部21および背面部22に沿って垂下させ、スタッドおよびソケットを嵌め込むことにより、正面部21および背面部22に対して各フラップ10を止着することができる。したがって、自転車の前かごBに買物袋1を収容して走行する際、段差などによる衝撃を受けて跳ね上げられ、袋本体2内に収納された一部の商品が開口4aを通して飛び出そうとしても、フラップ10が開口4aを覆って止着されていることにより、商品の飛び出しを確実に防止できるものとなる。
【0074】
この場合、スナップ7以外に面ファスナーやボタン、さらには、フックなど、任意の止着手段を利用しても構わない。また、開口4aをスライドファスナー43を介して開閉自在に構成した変形例(図12参照)においても、フラップ10を設けることを妨げるものではない。
【0075】
さらにまた、詳細には図示しないが、袋本体2の底面部、正面部21、背面部22および一対の襠部23の各内面にそれぞれ断熱材を一体に縫製し、買物袋1に保冷機能を付加することもできる。
【0076】
また、図15には、本発明の買物袋1のもう一つの実施形態が示されている。
【0077】
この買物袋1は、袋本体2と、袋本体2に縫製された一対の持ち手3と、袋本体2の上端部に縫製されて袋本体2の開口部を開閉自在な被覆部材4と、袋本体2の上端部に縫製されて被覆部材4を被覆可能な第2の被覆部材9とから構成され、柔軟な生地、例えば、ナイロン生地や布生地などより形成されている。
【0078】
ここで、袋本体2、持ち手3および被覆部材4などは、図1に示した実施形態と基本的に同一であり、同一の部材に同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
ただし、被覆部材4(覆い材41)の下端部は、袋本体2における正面部21、背面部22および一対の襠部23の各上端部の全周にわたって縫製されている。すなわち、持ち手3は、袋本体2における正面部21の内面側上端部または外面側上端部、背面部22の内面側上端部または外面側上端部にそれぞれ縫製され、一対の紐42を介して被覆部材4の上端開口部を閉鎖するときには、覆い部材41の上面に露出した状態で配置される。
【0080】
第2の被覆部材9は、袋本体2の上端開口部を覆う面積を有するように、2枚の覆い材91,91の突き合わせ端縁部にそれぞれスライドファスナー92のジッパーテープを縫製し、奥行き方向中間部がスライドファスナー92を介して分離可能に形成したものであり、その対向する前後各端部がそれぞれ対向する袋本体2における正面部21の上端部および背面部22の上端部にそれぞれ縫製されている。具体的には、第2の被覆部材9の前後各端部は、袋本体2における正面部21の上端部および背面部22の上端部にそれぞれ縫製された持ち手3の外方側に位置して、袋本体2における正面部21の上端部および背面部22の上端部にそれぞれ縫製されている。
【0081】
このように構成された買物袋1においては、第2の被覆部材9のスライドファスナー92を分離し、各覆い材92をそれぞれ折り返して正面部21の外面および背面部22の外面に沿って垂れ下げる。次いで、被覆部材4の上端開口部を押し開いて開放すれば、開放した被覆部材4の上端開口部を通して袋本体2の内部に購入した商品を収納することができる。
【0082】
袋本体2の内部に商品を収納したならば、一対の紐42を牽引して被覆部材4の上端開口部を絞って閉鎖し、袋本体2の上端開口部を覆って遮蔽した後、持ち手3を把握して買物袋1を持ち運ぶことができる。そして、買物袋1を自転車の前かごBに収容すれば、各持ち手3を上端開口部を閉鎖した被覆部材4の覆い材41上に配置した後、第2の被覆部材9の各覆い材91をそれぞれ持ち上げて折り返し、被覆部材4上に重ねる(図16参照)。この際、各覆い材91は、持ち手3の外方側に位置して縫製されていることにより、各覆い材91を折り返した場合、持ち手3の上方に位置することになる。次いで、覆い材91のスライドファスナー92を閉じれば、被覆部材4の上方を覆って、かつ、被覆部材4上に配置された持ち手3を覆って遮蔽することができる。この後、袋本体2の背面部22に設けた一対の係止帯5を自転車のハンドルポストに巻き回して面ファスナー同士を付着し、買物袋1が自転車から離脱しないように固定する。
【0083】
この結果、袋本体2の上端開口部を遮蔽する被覆部材4上に配置された各持ち手3は、第2の被覆部材9によって覆われていることにより、買物袋1の上方に露出することはない。このため、仮にひったくり犯が後方から買物袋1をひったくろうとしても、ひったくるための持ち手3がないため、買物袋1をひったくることができないものとなる。しかも、買物袋1の上面は第2の被覆部材9によって覆われて上方に突出する部分がないことから、より確実にひったくりを防止できるものとなる。また、被覆部材4および第2の被覆部材9を付加すればよく、買物袋1のコストを各別に上昇させることもない他、見栄えを低下させることもない。さらに、自転車毎に新たなネットなどの覆いを設ける場合に比較して取付作業が不要であることと相俟って安価にひったくりを防止することができる。
【0084】
この実施形態においても、袋本体2の底面部、正面部21、背面部22および一対の襠部23の各内面に断熱材をそれぞれ一体に縫製し、買物袋1に保冷機能を付加するようにしてもよい。
【0085】
さらに、図17には、本発明の買物袋1のもう一つの他の実施形態が示されている。
【0086】
この買物袋1も、袋本体2と、袋本体2に縫製された一対の持ち手3と、袋本体2の上端部に縫製されて袋本体2の開口部を開閉自在な被覆部材4と、袋本体2の上端部に縫製されて被覆部材4を被覆可能な第2の被覆部材9とから構成されている。
【0087】
ここで、袋本体2、持ち手3および被覆部材4などは、図9に示した実施形態と基本的に同一であり、同一の部材に同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
ただし、被覆部材4の一方の覆い部材44の端部は、袋本体2における正面部21の上面部にほぼ全長にわたって縫製され、他方の覆い部材44の端部も背面部22の上端部にほぼ全長にわたって縫製されている。すなわち、持ち手3は、袋本体2における正面部21の内面側上端部または外面側上端部、背面部22の内面側上端部または外面側上端部にそれぞれ縫製されて、被覆部材4のスライドファスナー45を閉じるときには、被覆部材4の連結された覆い部材44,44の上面に露出した状態で配置される。
【0089】
第2の被覆部材9は、前述したように、袋本体2の上端開口部を覆う面積を有するように、2枚の覆い材91,91の突き合わせ端縁部にそれぞれスライドファスナー92のジッパーテープを縫製し、奥行き方向中間部がスライドファスナー92を介して分離可能に形成したものであり、その対向する前後各端部がそれぞれ対向する袋本体2における正面部21の上端部および背面部22の上端部にそれぞれ縫製されている。具体的には、第2の被覆部材9の前後各端部は、袋本体2における正面部21の上端部および背面部22の上端部にそれぞれ縫製された持ち手3の外方側に位置して、袋本体2における正面部21の上端部および背面部22の上端部にそれぞれ縫製されている。
【0090】
このように構成された買物袋1においては、第2の被覆部材9のスライドファスナー92を分離し、各覆い材91をそれぞれ折り返して正面部21の外面および背面部22の外面に沿って垂れ下げる。次いで、被覆部材4のスライドファスナー45を分離した後、各覆い材44をそれぞれ折り返して各持ち手3とともに正面部21の外面および背面部22の外面に沿って垂れ下げる。これにより、被覆部材4によって閉鎖された袋本体2の上端開口部を開放することができ、開放した上端開口部を通して袋本体2の内部に商品を収納することができる。
【0091】
袋本体2の内部に商品を収納したならば、それぞれ垂れ下がった各覆い材44を折り返すとともに、スライドファスナー45を閉じることにより、袋本体2の上端開口部を閉鎖した後、持ち手3を把握して買物袋1を持ち運ぶことができる。そして、買物袋1を自転車の前かごBに収容すれば、各持ち手3を上端開口部を閉鎖した被覆部材4の覆い材44,44上に配置した後、第2の被覆部材9の各覆い材91をそれぞれ持ち上げて折り返し、被覆部材4上に重ねる(図18参照)。この際、各覆い材91は、持ち手3の外方側に位置して縫製されていることにより、各覆い材91を折り返した場合、持ち手3の上方に位置することになる。次いで、覆い材91のスライドファスナー92を閉じれば、被覆部材4の上方を覆って、かつ、被覆部材4上に配置された持ち手3を覆って遮蔽することができる。この後、袋本体2の背面部22に設けた一対の係止帯5を自転車のハンドルポストに巻き回して止着し、買物袋1が自転車から離脱しないように固定する。
【0092】
この結果、袋本体2の上端開口部を遮蔽する被覆部材4上に配置された各持ち手3は、第2の被覆部材9によって覆われていることにより、買物袋1の上方に露出することはない。このため、仮にひったくり犯が後方から買物袋1をひったくろうとしても、ひったくるための持ち手3がないため、買物袋1をひったくることができないものとなる。しかも、買物袋1の上面は第2の被覆部材9によって覆われて上方に突出する部分がないことから、より確実にひったくりを防止できるものとなる。また、被覆部材4および第2の被覆部材9を付加すればよく、買物袋1のコストを各別に上昇させることもない他、見栄えを低下させることもない。さらに、自転車毎に新たなネットなどの覆いを設ける場合に比較して取付作業が不要であることと相俟って安価にひったくりを防止することができる。
【0093】
この実施形態においても、袋本体2の底面部、正面部21、背面部22および一対の襠部23の各内面に断熱材をそれぞれ一体に縫製し、買物袋1に保冷機能を付加するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 買物袋
2 袋本体
21 正面部
22 背面部
23 襠部
3 持ち手
4 被覆部材
4a 開口
41,44 覆い材
42 紐
43,45 スライドファスナー
5 係止帯
7 スナップ
8 スライドファスナー
9 第2の被覆部材
91 覆い材
92 スライドファスナー
10 フラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部、正面部、背面部および一対の襠部をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体と、袋本体の正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋において、上端部が一対の紐によって開閉自在な被覆部材の下端部が、各持ち手に対応する範囲に開口を形成するように当該範囲を除いて袋本体の上端部に縫製され、各持ち手が被覆部材と正面部および背面部との開口を通してそれぞれ袋本体の内部に収納され、また、袋本体の上方に突出されることを特徴とする買物袋。
【請求項2】
請求項1に記載の買物袋において、前記各持ち手が正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部にそれぞれ縫製され、また、被覆部材と正面部および背面部との開口がそれぞれスライドファスナーを介して開閉自在であることを特徴とする買物袋。
【請求項3】
請求項1または2に記載の買物袋において、前記正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部がスナップを介して止着可能であることを特徴とする買物袋。
【請求項4】
請求項1または2に記載の買物袋において、前記正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部がスライドファスナーを介して分離かつ開閉自在であることを特徴とする買物袋。
【請求項5】
請求項1または2に記載の買物袋において、前記被覆部材に各開口に臨んでフラップがそれぞれ設けられ、各フラップが開口を跨いで正面部および背面部にそれぞれ止着可能であることを特徴とする買物袋。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の買物袋において、前記底面部、正面部、背面部および一対の襠部の各内面にそれぞれ断熱材が縫製されることを特徴とする買物袋。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の買物袋において、前記背面部の外面に、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯の基端部がそれぞれ縫製されることを特徴とする買物袋。
【請求項8】
底面部、正面部、背面部および一対の襠部をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体と、袋本体の正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋において、スライドファスナーを介して分離かつ開閉自在な被覆部材における一対の覆い材の対向する前後各端部が、各持ち手に対応する範囲に開口を形成するように当該範囲を除いて正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製され、各持ち手が一方の覆い材と正面部との開口および他方の覆い材と背面部との開口を通してそれぞれ袋本体の内部に収納され、また、袋本体の上方に突出されることを特徴とする買物袋。
【請求項9】
請求項8に記載の買物袋において、前記各持ち手が正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部にそれぞれ縫製され、また、一方の覆い材と正面部との開口および他方の覆い材と背面部との開口がそれぞれスライドファスナーを介して開閉自在であることを特徴とする買物袋。
【請求項10】
請求項8または9に記載の買物袋において、前記正面部の内面側上端部および背面部の内面側上端部がスナップを介して止着可能であることを特徴とする買物袋。
【請求項11】
請求項8または9に記載の買物袋において、前記被覆部材の各覆い材に開口に臨んでフラップがそれぞれ設けられ、各フラップが開口を跨いで正面部および背面部にそれぞれ止着可能であることを特徴とする買物袋。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか一つに記載の買物袋において、前記底面部、正面部、背面部および一対の襠部の各内面にそれぞれ断熱材が縫製されることを特徴とする買物袋。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか一つに記載の買物袋において、前記背面部の外面に、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯の基端部がそれぞれ縫製されることを特徴とする買物袋。
【請求項14】
底面部、正面部、背面部および一対の襠部をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体と、袋本体の正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋において、上端部が一対の紐によって開閉自在な被覆部材の下端部が袋本体の上端部に全周にわたって縫製され、また、スライドファスナーを介して分離かつ開閉自在な第2の被覆部材における一対の覆い材の対向する前後各端部が正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製され、スライドファスナーを閉じた第2の被覆部材の一対の覆い材によって被覆部材および持ち手が被覆されることを特徴とする買物袋。
【請求項15】
請求項14に記載の買物袋において、前記底面部、正面部、背面部および一対の襠部の各内面にそれぞれ断熱材が縫製されることを特徴とする買物袋。
【請求項16】
請求項14または15に記載の買物袋において、前記背面部の外面に、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯の基端部がそれぞれ縫製されることを特徴とする買物袋。
【請求項17】
底面部、正面部、背面部および一対の襠部をそれぞれ縫製して上端を開口した直方体状の空間を有するように形成された袋本体と、袋本体の正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製された一対の持ち手とを備え、自転車の前かごに収容可能な買物袋において、スライドファスナーを介して分離かつ開閉自在な被覆部材における一対の覆い材の対向する前後各端部が正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製され、また、スライドファスナーを介して分離かつ開閉自在な第2の被覆部材における一対の覆い材の対向する前後各端部が正面部の上端部および背面部の上端部にそれぞれ縫製され、スライドファスナーを閉じた第2の被覆部材の一対の覆い材によって被覆部材および持ち手が被覆されることを特徴とする買物袋。
【請求項18】
請求項17に記載の買物袋において、前記底面部、正面部、背面部および一対の襠部の各内面にそれぞれ断熱材が縫製されることを特徴とする買物袋。
【請求項19】
請求項17または18に記載の買物袋において、前記背面部の外面に、先端部に面ファスナーを設けた一対の係止帯の基端部がそれぞれ縫製されることを特徴とする買物袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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