説明

貼付装置

【課題】搬送中の被貼付物に対して高速に、且つ精度良くラベルを貼り付けることができる貼付装置を提供すること。
【解決手段】一方向に並べて配置されたラベル5を、一方向と交差する方向へ搬送される複数の被貼付物に貼り付ける貼付装置1であって、帯状の剥離紙上に複数のラベルが配置された原紙からラベルを剥離して繰出すラベル繰出部2と、ラベル繰出部2から繰出されたラベルを前記一方向に延びる無端ベルト状の搬送帯の面上に吸着させて前記一方向に搬送するラベル搬送部11と、ラベル搬送部11によって搬送されたラベルを前記無端ベルトの面と直交する方向へ移動させるラベル貼付部29と、ラベル繰出部2とラベル搬送部11とにそれぞれ接続され、ラベル繰出部2におけるラベルの繰出し速度を前記無端ベルトの走行速度に同調させる制御部35とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方向へ搬送される複数の被貼付物に対してラベルを貼り付ける貼付装置が知られている。たとえば特許文献1には、剥離紙から剥がした複数のラベルをコンベアベルトに吸着させて被貼付物まで搬送し、コンベアベルト上の複数のラベルを被貼付物に貼り付けるラベル貼付装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のラベル貼付装置は、被貼付物の搬送方向に対して交差する方向にコンベアが延びている。また、このラベル貼付装置は、停止しているコンベアベルト上に一枚のラベルを繰出して吸着させ、コンベアベルトを移動させてラベルを所定の距離だけ搬送した後に再びコンベアベルトを停止させ、さらに一枚のラベルをコンベアベルト上に載置する。このように、特許文献1に記載のラベル貼付装置では、コンベアベルト上に複数のラベルを繰出す工程において、コンベアベルトを間欠駆動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−39442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のラベル貼付装置では、コンベアベルトを間欠駆動させているので、コンベアベルト上に必要数のラベルを出し切るまでの時間が長くかかってしまう。このため、特許文献1に記載のラベル貼付装置では、ラベル貼付装置の動作速度によっては被貼付物の搬送速度が制限されてしまう場合がある。また、被貼付物の搬送速度が速い場合や被貼付物がさらに多列に並べられている場合には、特許文献1に記載のラベル貼付装置ではラベルの搬送が間に合わなくなるおそれがある。
【0006】
特許文献1に記載のラベル貼付装置において、コンベアベルトの走行速度を高めることにより、ラベルを搬送する速度を上げることが考えられる。しかしながら、この場合、コンベアベルトの急加速および急減速がラベル1枚ごとに必要となり、コンベアベルト上に繰出されるラベルの位置がずれるおそれがある。コンベアベルト上に繰出されるラベルの位置がずれると、被貼付物においてラベルを貼り付けるべき位置からずれた位置にラベルが貼り付けられてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、搬送中の被貼付物に対して高速に、且つ精度良くラベルを貼り付けることができる貼付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の貼付装置は、一方向に並べて配置されたラベルを、前記一方向と交差する方向へ搬送される複数の被貼付物に貼り付ける貼付装置であって、帯状の剥離紙上に複数の前記ラベルが配置された原紙から前記ラベルを剥離して繰出すラベル繰出部と、前記ラベル繰出部から繰出された前記ラベルを前記一方向に延びる無端ベルト状の搬送帯の面上に吸着させて前記一方向に搬送するラベル搬送部と、前記ラベル搬送部によって搬送された前記ラベルを前記搬送帯の面と直交する方向へ移動させるラベル貼付部と、前記ラベル繰出部と前記ラベル搬送部とにそれぞれ接続され、前記ラベル繰出部における前記ラベルの繰出し速度を前記搬送帯の走行速度に同調させる制御部と、を備えることを特徴とする貼付装置である。
【0009】
また、前記ラベル搬送部は、前記搬送帯が一定距離だけ走行するたびに前記制御部へパルス信号を出力するパルス信号出力手段を有し、前記制御部は、前記パルス信号出力手段が出力した前記パルス信号に基づいて前記搬送帯の走行速度を検出する搬送帯速度検出手段を有し、前記搬送帯速度検出手段が検出した前記走行速度と等しい速度で前記ラベルを前記搬送帯上に繰出すための信号を前記ラベル繰出部へ出力することが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記パルス信号出力手段が出力した前記パルス信号に基づいて前記搬送帯の移動量を検出する移動量検出手段を有し、前記移動量検出手段が検出した前記移動量が所定の移動量に達したときに、前記ラベル繰出部に対してラベルの繰出しを開始させるための繰出信号を出力することが好ましい。
【0011】
また、前記ラベル搬送部は、略円柱形状に形成されているとともに軸回りに転動自在に設けられ、外周面が前記搬送帯に接して前記搬送帯の走行により転動し、前記ラベルのうち前記ラベル繰出部において前記剥離紙から剥離された部分を、前記ラベルが前記剥離紙から完全に剥離される前に前記搬送帯に押し付けるラベル押さえ部材と、前記ラベル押さえ部材よりも前記搬送帯の走行方向の先側に配置され、前記ラベル押さえ部材と前記搬送帯との接触部へ向けて気体を吹き出す巻き込み防止部と、を有することが好ましい。
【0012】
また、前記搬送帯の少なくとも一部には貫通孔あるいは隙間が形成されており、前記ラベル繰出部は、前記貫通孔あるいは前記隙間の少なくとも一部を覆うように前記ラベルを前記搬送帯上に繰出し、前記ラベル貼付部は、前記一方向に並べて複数設けられているとともに前記貫通孔あるいは隙間を通じて前記被貼付物へ向けて気体を吹出す吹付け部を有することが好ましい。
【0013】
また、前記ラベル搬送部は、前記ラベル繰出部から繰出された前記ラベルを前記搬送帯上に吸着させるチャンバー構造の第一吸着部と、前記搬送帯の走行方向において前記第一吸着部よりも先側に設けられ、前記ラベルを前記搬送帯に吸着させるチャンバー構造の第二吸着部と、を有し、前記搬送帯の少なくとも一部には貫通孔あるいは隙間が形成されており、前記ラベル貼付部は、前記一方向に並べて複数設けられているとともに前記貫通孔あるいは隙間を通じて前記被貼付物へ向けて気体を吹出す吹付け部を前記第二吸着部内に有し、前記第一吸着部および前記第二吸着部は、前記貫通孔あるいは隙間から外気を吸引して外部へ排気することが好ましい。
【0014】
また、前記第一吸着部および前記第二吸着部は、それらの動作時に前記第一吸着部の内圧が前記第二吸着部の内圧よりも低いことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の貼付装置によれば、ラベル繰出部が、ラベル搬送部の無端ベルトの走行速度にラベルの繰出速度を同調させるので、搬送中の被貼付物に対して高速に、且つ精度良くラベルを貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態の貼付装置が組み込まれた成形システムの構成を示す概念図である。
【図2】同貼付装置の側面図である。
【図3】(A)は同貼付装置におけるラベル繰出部を示す側面図、(B)は同ラベル繰出部に取り付けられる原紙の構成を示す斜視図である。
【図4】同貼付装置におけるラベル搬送部およびラベル貼付部の構成を示す平面図である。
【図5】同ラベル搬送部の構成を示す部分断面図である。
【図6】図5のA−A線における断面図である。
【図7】図5のB−B線における断面図である。
【図8】同ラベル搬送部および同ラベル貼付部の構成を示す平面図である。
【図9】図8のC−C線における断面図である。
【図10】同貼付装置の構成を示すブロック図である。
【図11】同貼付装置における信号の発信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図12】同貼付装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】同貼付装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】同貼付装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】同貼付装置の動作を説明するための図である。
【図16】同貼付装置の動作を説明するための図である。
【図17】同貼付装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態の貼付装置1について、貼付装置1が組み込まれた成形システム100を例に説明する。図1は、本実施形態の貼付装置1が組み込まれた成形システム100の構成を示す概念図である。
成形システム100は、たとえばシート状の樹脂からなる原反Wに対して成形加工を施して複数の成形品を製造するためのシステムである。
【0018】
図1に示すように、成形システム100は、供給部101と、成形部102と、集積部103と、成形部102と集積部103との間に配置された撓み部104と、撓み部104と集積部103との間に配置された本実施形態の貼付装置1とを有する。
【0019】
供給部101は、ロール状に巻かれた長尺な原反Wがセットされ、成形部102へ原反Wを繰出すものである。
成形部102は、供給部101から繰出された原反Wに対して、所定の金型形状を成形するものである。成形部102は、複数の成形品の形状を一工程で原反Wに成形するための金型を有している。たとえば、本実施形態で説明する成形部102は、原反Wの幅方向に10個、原反Wの長手方向に9個並べられた計90個の成形品の形状を一工程で成形するようになっている。また、成形部102は、90個の成形品を原反Wに成形した後、90個分の原反Wを集積部103側へ一度に送り出すようになっている。
【0020】
集積部103は、成形部102によって成形品の形状が成形された原反Wから、各成形品を切り出して集積するものである。なお、集積部103は、各成形品の切り出し以外にたとえば穴あけ等の追加加工をするようになっていてもよい。また、成形部103は、成形部102から搬送された原反Wを一列ずつ間欠的に搬入するようになっている。
【0021】
撓み部104は、原反Wの搬送方向に間隔を空けて配置されたローラ104Aおよびローラ104Bを有する。ローラ104Aとローラ104Bとの間には、成形部102から搬送された原反Wが送り込まれ、ローラ104Aとローラ104Bとの間から、集積部103へと原反Wは引き出される。ローラ104Aとローラ104Bとの間に原反Wを一時的に蓄えておくことにより、成形部102における原反Wの送り出しタイミングが集積部103における原反Wの搬入タイミングが異なっていても原反Wを好適に搬送することができる。
【0022】
また、成形部102および集積部103は、原反Wをその長手方向へと搬送する図示しない搬送手段を有する。本実施形態では、搬送手段は、原反Wの長手方向において成形品の1つ分を単位として間欠的に原反Wを搬送するようになっている。すなわち、本実施形態では、成形部102が原反Wに対して金型形状を成形する工程が終了したあと、成形品の横一列分を原反Wを搬送方向前方へ移動させる工程を9回繰り返すことで成形部102に新たな原反Wを搬入するようになっている。
【0023】
成形システム100において、原反Wは、その幅方向に10個の成形品が並べられており、その長手方向に沿って成形部102から集積部103へと搬送される。撓み部104と集積部103との間に配置された貼付装置1には、成形部102における金型形状の成形工程が終了したあと、成形品の形状が成形された原反Wが搬入されるようになっている。
【0024】
次に、貼付装置1の詳細について説明する。図2は、貼付装置1の側面図である。図3(A)は、貼付装置1におけるラベル繰出部2を示す側面図である。図3(B)は、ラベル繰出部2に取り付けられる原紙3の構成を示す斜視図である。
貼付装置1は、剥離紙4上に複数のラベル5が配置された原紙3からラベル5を剥離し、剥離されたラベル5を被貼付物に貼り付ける装置である。
図3(B)に示すように、ラベル5は、長尺な剥離紙4上に、互いに離間して一定間隔置きに配置されている。また、原紙3は、筒状に形成された芯管6の外周面に巻かれてロール状に形成されている。ラベル5は、剥離紙4に接する側の面に粘着材が設けられており、剥離紙4に接する側と反対側の面には、文字や模様、あるいは凹凸形状などが形成されている。
本実施形態における被貼付物は、上述の成形部102によって成形されたあと、集積部103によって切り出される前の各成形品である。
【0025】
図2に示すように、貼付装置1は、ラベル繰出部2と、ラベル搬送部11と、ラベル貼付部29と、制御部35とを備える。
図3(A)に示すように、ラベル繰出部2は、原紙3が芯管6にロール状に巻かれた状態で供給され、ロール状に巻かれた原紙3を外周側から順に引き出してラベル搬送部11へと送出するものである。
【0026】
図4は、貼付装置1におけるラベル搬送部11およびラベル貼付部29の構成を示す平面図である。
図3(A)および図4に示すように、ラベル繰出部2は、原紙送出部8と、剥離紙回収部10と、剥離部7とを有する。
原紙送出部8は、原紙3の芯管6が挿通される円柱状の原紙固定軸8Aと、原紙固定軸8Aから引き出された原紙3を剥離部7側に送るための送出サーボモータ8Bと、原紙送出部8と剥離部7との間で原紙3の張力を調整するための板バネ8Cと、板バネ8Cの位置を検出する光センサ8Dとを有している。
【0027】
原紙固定軸8Aと芯管6とは固定されておらず、原紙3は原紙固定軸8Aの中心軸線周りに自在に回転できるようになっている。
光センサ8Cは、板バネ8Cへ向けて検出光を照射し、板バネ8Cから反射する反射光を検出するセンサである。光センサ8Dは、検出光の反射光が検出されなくなった場合に、板バネ8Cが剥離部7側へ引き込まれて検出光の光軸から外れたことを検出し、送出サーボモータ8Bによって原紙3を剥離部7側へ送るための駆動信号を出力するようになっている。
【0028】
原紙送出部8は、光センサ8Dによって板バネ8Cが剥離部7側へ引き込まれたか否かを検出し、板バネ8Cが剥離部7側へ引き込まれたことを検出したら、送出サーボモータを駆動させて原紙3を剥離部7側へ移動させる。原紙3が剥離部7側へ移動すると、原紙固定軸8Aに取り付けられたロール状の原紙3は外周側から引き出される。
【0029】
これにより、送出サーボモータ8Bと板バネ8Cとの間に再び原紙3が供給され、板バネ8Cは元の位置に戻る。板バネ8Cが元の位置に戻ると、光センサ8Dが発する検出光は再び板バネ8Cから反射し、反射光が光センサ8Dに入射する。光センサ8Dに反射光が入射したら、光センサ8Dからの駆動信号の出力は停止し、送出サーボモータ8Bの回転は停止する。
このように、原紙送出部8は、原紙固定軸8Aに取り付けられたロール状の原紙3を外周側から引き出し、一定の張力を掛けた状態で剥離部7へ送ることができるようになっている。
【0030】
剥離紙回収部10は、後述するラベル搬送部11に固定された剥離板部13においてラベル5が剥離された残りの剥離紙4をロール状に回収するためのものである。剥離紙回収部10は、剥離紙4が掛けられる複数のローラを有するリワインドダンサーアーム9と、剥離紙4の端部が固定される円柱状の剥離紙固定軸10Aと、剥離紙固定軸10Aをその中心軸線回りに回転させる図示しない回転駆動部とを有する。
【0031】
リワインドダンサーアーム9は、剥離紙4が掛けられる複数のローラーが取り付けられ、図示しない揺動中心を揺動の中心として揺動自在な棒状の本体9Aと、本体9Aを間に挟むように一対設けられたアーム位置検出センサ9B、9Cとを有する。本体9Aには、剥離紙4に張力を掛けるための引っ張りバネ9Dが設けられている。これにより、本体9Aは、剥離紙4にかかる張力の大小に応じて揺動中心を中心として揺動するようになっている。
【0032】
アーム位置検出センサ9Bは、剥離紙4が緩んだときに本体9Aによって押されるように配置された接触スイッチである。アーム位置検出センサ9Bは、剥離紙回収部10の回転駆動部の回転を開始させるためのスイッチとして機能している。
アーム位置検出センサ9Cは、剥離紙4に張力がかかったときに本体9Aによって押されるように配置された接触スイッチである。アーム位置検出センサ9Cは、剥離紙回収部10の回転駆動部の回転を停止させるためのスイッチとして機能している。
なお、アーム位置検出センサ9B、9Cは、接触スイッチ以外のスイッチであってもよい。例えば、アーム位置検出センサ9B、9Cは光センサであってもよい。
【0033】
リワインドダンサーアーム9と剥離部7との間には、剥離紙4をリワインドダンサーアーム9側へと送るサーボモータ10Bが設けられている。サーボモータ10Bは、後述する制御部35から繰出信号sig3を受信し、繰出信号sig3を受信することによって剥離紙4の巻き取りを行う。繰出信号sig3を一度受け付けたときに剥離紙4を巻き取る量は、剥離紙4上で隣接するラベル5の間隔と等しい間隔に予め設定されている。
サーボモータ10Bによって剥離紙4がリワインドダンサーアーム9側へ送られると、リワインドダンサーアーム9の各ローラに掛けられた剥離紙にかかる張力が減少し、これによりリワインドダンサーアーム9の本体9Aがアーム位置検出センサ9Bをオンにする。
すると、回転駆動部が剥離紙固定軸10Aを回転させる。これにより、リワインドダンサーアーム9に掛けられた剥離紙4が剥離紙固定軸10Aに巻き取られる。
剥離紙固定軸10Aに剥離紙4が巻き取られると、リワインドダンサーアーム9の本体9Aはアーム位置検出センサ9Bから離れ、逆にアーム位置検出センサ9Cをオンにする。すると、回転駆動部は剥離紙固定軸10Aの回転を停止させ、剥離紙4の巻き取りは停止する。
【0034】
また、剥離紙回収部10の回転駆動部は、
剥離紙回収部10の回転駆動部は、搬送帯速度検出手段が検出した速度に応じて剥離紙4の巻き取り速度を調整するようになっている。剥離紙回収部10の回転駆動部は、剥離紙4の巻き取り速度を調整することにより、原紙3からラベル5を剥離して搬送帯28上へラベル5を繰出す速度を、搬送帯28の走行速度と等しい速度に同調させるようになっている。
【0035】
剥離部7は、原紙送出部8と剥離紙回収部10とに掛けられた原紙3を引き出すとともにラベル5が剥離されたあとの剥離紙4を受入れるための開口部7Aと、ラベル搬送部11に固定された剥離板部13と、ラベル5の先端の位置を位置決めする図示しないラベルセンサ7Bとを有する。
【0036】
剥離板部13は、開口部7Aから引き出された原紙3を鋭角に折り返すための剥離板本体13Bを有する。剥離板本体13Bは、ブラケット13Aによってラベル搬送部11の筐体12に固定されている(図5参照)。剥離板本体13Bは、後述する搬送帯28へ尖端が向けられた板状であり、搬送帯28へ近づくにしたがってその厚さが漸次薄くなっている。また、剥離板本体13Bの尖端は、原紙3が切断されるのを防止する目的で丸みを帯びて形成されている。
【0037】
ラベルセンサ7Bは、後述する制御部35と電気的に接続されており、ラベル5の先端を検出したら原紙3の搬送を停止させるための信号を制御部35へ出力するようになっている。本実施形態では、ラベルセンサ7Bはラベル繰出部2に固定されている。なお、ラベルセンサ7Bは、剥離板本体13Bの尖端付近に固定されていても構わない。
【0038】
また、ラベル繰出部2は、原紙送出部8と剥離紙回収部10との間を走行する原紙3の張力を調整し、原紙3の撓みやねじれを防止するようになっている。
【0039】
図5は、ラベル搬送部11の構成を示す部分断面図である。図6は、図5のA−A線における断面図である。図7は、図5のB−B線における断面図である。
図4に示すように、ラベル搬送部11は、ラベル繰出部2から繰出されたラベル5を原反Wの幅方向(図4に符号X1で示す方向)に沿って搬送するためのものである。
図4および図5に示すように、ラベル搬送部11は、原反Wの幅方向X1に長い略直方体形状の筐体12と、ベルト走行機構20と、ラベル押さえ機構14と、第一吸着部12Bと、第二吸着部12Cとを有している。また、ラベル搬送部11の筐体12内には、詳細は後述するラベル貼付部29が配置されている。
【0040】
筐体12は、原反Wの幅方向X1に長い長方形の開口12Dを有する中空形状に形成されており、この開口12Dは原反Wにおいてラベル5が貼り付けられる側の面に向けられている。本実施形態では、筐体12に形成された開口12Dの長手寸法は原反Wの幅寸法よりも長い。
図5および図7に示すように、筐体12内には、筐体12の内部空間を2つの空間に分けるための隔壁12Aが形成されている。隔壁12Aには、後述する搬送帯28を通すための貫通孔が形成されている。隔壁12Aによって分けられた2つの空間は、それぞれチャンバー構造の吸着部(第一吸着部12B、第二吸着部12C)となっている。2つの吸着部のうち、剥離板部13に近い方が第一吸着部12Bであり、剥離板部13から遠い方が第二吸着部12Cである。
【0041】
図5および図6に示すように、ベルト走行機構20は、サーボモータ21と、駆動ローラ25と、従動ローラ27と、搬送帯28とを有する。
サーボモータ21は、台形波パルス制御によって出力軸21Aの回転速度を増減させ、フィードバック制御(サーボ機構)により自身の回転速度が設定値と等しくなるように制御されるモータである。また、サーボモータ21は、制御部35が出力する後述の搬送帯駆動停止信号sig2を受信した場合に出力軸21Aを減速させることができるようになっている。
サーボモータ21は、制御部35と電気的に接続されている。サーボモータ21は、制御部35(図10参照)から出力される搬送帯駆動開始信号sig1を受信することにより出力軸21Aの回転を開始し、制御部35から出力される搬送帯駆動停止信号sig2を受信することにより出力軸21Aの回転を停止するようになっている。
【0042】
サーボモータ21には、一定の回転角度ごとに所定のパルス信号を発するロータリーエンコーダ21B(パルス信号出力手段)が設けられている。ロータリーエンコーダ21Bは、制御部35に電気的に接続されている。ロータリーエンコーダ21Bが発するパルス信号は、制御部35によって参照されるようになっている。なお、ロータリーエンコーダ21Bが発するパルス信号は、上記サーボ機構におけるフィードバック制御をする目的でも使用される。
【0043】
図5および図6に示すように、駆動ローラ25は、第二吸着部12Cの内部に設けられており、筐体12の長手方向において剥離板部13が固定された側とは反対側の端に配置されている。駆動ローラ25は、筐体12を開口12D側から見たときの短手方向に向けられた回転軸を有し、回転軸の両端は筐体12に連結されている。駆動ローラ25の回転軸の端部にはプーリ23が固定されており、プーリ23にはベルト24が掛けられている。ベルト24は、サーボモータ21の出力軸21Aの端に固定されたプーリ22に掛けられている。これにより、駆動ローラ25はサーボモータ21によって回転軸回りに回転するようになっている。回転軸には3つのプーリ26(プーリ26A、プーリ26B、およびプーリ26C)が互いに離間して形成されており、後述する無端ベルト28A〜Cが各プーリ26の外周面にそれぞれ掛けられている。
【0044】
図5および図7に示すように、従動ローラ27は、第一吸着部12Bの内部に設けられており、筐体12の長手方向において剥離板部13が固定された側の端に配置されている。従動ローラ27は、筐体12を開口12D側から見たときの短手方向に向けられた回転軸と、回転軸に形成された3つの略円板状のプーリ(プーリ27A、プーリ27B、およびプーリ27C)を有している。従動ローラ27の回転軸の両端は筐体12によって回転自在に支持されている。プーリ27A、プーリ27B、およびプーリ27Cのそれぞれの外周面には、搬送帯28を構成する3つの無端ベルト28A、無端ベルト28B、および無端ベルト28C(以下、「無端ベルト28A〜C」と称する場合がある。)がそれぞれ掛けられている。
【0045】
図6および図7に示すように、搬送帯28は、駆動ローラ25と従動ローラ27とにそれぞれ掛けられて筐体12の長手方向に延びる無端ベルト28A〜Cからなる。本実施形態では、搬送帯28は、3つの無端ベルト28A〜Cが互いに間隔を空けて平行に並べて設けられている。
図5に示すように、搬送帯28は、駆動ローラ25が回転軸回りに回転することによって、各無端ベルト28A〜Cのうち筐体12の開口12Dに近い側に位置する部分が、筐体12の長手方向において剥離板部13側からその反対側へ移動するように走行するようになっている。本明細書では、筐体12の長手方向において剥離板部13側からその反対側へ向く方向を、搬送帯28の走行方向という。
【0046】
図5および図7に示すように、ラベル押さえ機構14は、搬送帯28の走行方向において剥離板部13の先側に設けられ、搬送帯28に押し付けられた押圧ローラ17(ラベル押さえ部材)と、押圧ローラ17の外周面にラベル5が付着してしまった場合に押圧ローラ17の外周面からラベル5を剥がすための剥離ノズル19(巻き込み防止部)とを有する。
【0047】
押圧ローラ17は、略円柱形状に形成されており、その外周面には、粘着材が付着するのを防止するための表面加工が施されている。押圧ローラ17の外周面の表面加工としては、粘着材に対する付着性を低下させる適宜の表面加工を採用することができる。たとえば、本実施形態では、押圧ローラ17の外周面は、たとえば表面に微小な凹凸を形成した非貼付表面加工が施され、ラベル5の粘着面との接触面積が少なくなるように形成されている。
押圧ローラ17の外周面は、回転軸方向の中間部が縮径されている。これは、後述する剥離ノズル19の先端から吹き出した気体を押圧ローラ17とラベル5との間に吹き込む目的で形成されたものである。本実施形態では、押圧ローラ17が縮径された部分に剥離ノズル19の先端が挿入されている。
押圧ローラ17の中心軸方向の両端は、中心軸回りに転動自在となるように、略L字形状のアーム16に取り付けられている。
押圧ローラ17は、搬送帯28の無端ベルト28Aおよび無端ベルト28Bが押圧ローラ17の外周面に接しており、無端ベルト28Aおよび無端ベルト28Bが走行することによって摩擦により回転駆動される。
なお、本実施形態では、押圧ローラ17は無端ベルト28Cとは接していないが、これは本実施形態においてラベル繰出部2から繰出されるラベル5の寸法が無端ベルト28Aおよび無端ベルト28Bにのみ接する寸法だからである。ラベル5の寸法に応じて、押圧ローラ17の回転軸方向の寸法は適宜設定され、必要に応じて寸法の異なる押圧ローラ17を交換してラベル押さえ機構14に取り付けることができる。
【0048】
押圧ローラ17の両端を支持する一対のアーム16は、揺動軸16A回りに揺動自在となるように、ブラケット15を介して筐体12に固定されている。ブラケット15とアーム16とは、コイルバネ18によって連結されている。
コイルバネ18は引っ張りバネであり、引き延ばされた状態から元に戻ろうとする力によって、アーム16を牽引する。これにより、アーム16は、揺動軸16Aを中心として揺動し、押圧ローラ17を搬送帯28へ押し付ける。
【0049】
コイルバネ18の付勢力によって、押圧ローラ17が搬送帯28を押圧する力は一定に維持される。これにより、搬送帯28が高速に走行することにより搬送帯28の各無端ベルト28A〜Cが振動しても、ラベル5を搬送帯28に確実に押し付けることができ、また、ラベル5を押圧ローラ17によって押しすぎることによって押圧ローラ17の外周面にラベル5が付着してしまうことを抑えることができる。
【0050】
また、ラベル5を高速に搬送するために搬送帯28の走行速度を高めると、搬送帯28近傍の気流が乱れることによりラベル5がずれる可能性が考えられるが、押圧ローラ17によってラベル5を搬送帯28に押し付けておくことにより、搬送帯28の走行速度を高めてもラベル5のずれを抑えることができる。
【0051】
図5および図7に示すように、剥離ノズル19は、搬送帯28の走行方向において押圧ローラ17よりも先側に配置されている。また、剥離ノズル19の先端は、押圧ローラ17において縮径された部分に挿入されている。剥離ノズル19は、押圧ローラ17と搬送帯28との接触部へ向けて図示しない送気手段によって先端から気体を吹き出すことができるようになっている。押圧ローラ17の縮径部分に入った剥離ノズル19の先端から気体が吹き出されるので、剥離ノズル19から吹き出された気体はラベル5の粘着面に直接吹き付けられる。このため、剥離ノズル19から吹き出された気体によってラベル5は搬送帯28上に押し付けられる。
また、剥離ノズル19から気体を吹き出すことによって、万が一押圧ローラ17の外面にラベル5が付着してしまった場合であっても、ラベル5は搬送帯28側へと押し返され、押圧ローラ17の外面からラベル5は剥がされる。これにより、ラベル5が押圧ローラ17に巻き込まれるのが抑えられている。
【0052】
図5に示すように、第一吸着部12Bは、ラベル繰出部2の剥離板部13から繰出されたラベル5を搬送帯28上に吸着させるためのものである。
第一吸着部12Bは、筐体12の外壁を貫通して形成された貫通孔を通じて筐体12内の気体を吸引して外部へ排出するブロアユニット33を有する。ブロアユニット33によって、第一吸着部12Bの内圧は負圧となり、筐体12の開口12Dにおける各無端ベルト28A〜Cの隙間から外気が第一吸着部12B内に流入するようになっている。これにより、第一吸着部12Bは、各無端ベルト28A〜Cの隙間から外気を吸引して外部へ排気することができる。
【0053】
図8は、ラベル搬送部11およびラベル貼付部29の構成を示す平面図である。図9は、図8のC−C線における断面図である。
図8および図9に示すように、第二吸着部12Cは、搬送帯28の走行方向において第一吸着部12Bよりも先側に設けられており、ラベル5が搬送帯28に吸着された状態を維持するためのものである。
第二吸着部12Cは、第一吸着部12Bに設けられたブロアユニット33と同様のブロアユニット34を有する。本実施形態では、第二吸着部12Cにはブロアユニット34が2基(ブロアユニット34Aおよびブロアユニット34B)設けられている。ブロアユニット34Aとブロアユニット34Bとは、筐体12の長手方向において互いに離間して設けられている。
ブロアユニット34によって、第二吸着部12Cの内圧は負圧となり、筐体12の開口12Dにおける各無端ベルト28A〜Cの隙間から外気が第二吸着部12C内に流入するようになっている。これにより、第二吸着部12Cは、各無端ベルト28A〜Cの隙間から外気を吸引して外部へ排気することができる。
【0054】
第一吸着部12Bおよび第二吸着部12Cは、それらの動作時に第一吸着部12Bの内圧が第二吸着部12Cの内圧よりも低くなるように、各ブロアユニット33、34の風量が設定されている。
なお、第一吸着部12Bおよび第二吸着部12Cにおいて、ブロアユニット33、34の台数は特に限定されるものではなく、適宜増減させることによって筐体12の開口12Dから流入させる気体の流量を調整することもできる。
【0055】
ラベル貼付部29は、ラベル搬送部11によって搬送されたラベル5を搬送帯28の面と直交する方向へ移動させるためのものである。本実施形態では、ラベル貼付部29は、搬送帯28上に吸着されたラベル5に対して気体を吹きつけることにより搬送帯28から被貼付物へラベル5を飛ばして貼り付けるようになっている。
【0056】
ラベル貼付部29は筐体12の第二吸着部12C内に設けられており、筐体12の長手方向に一方向に並べて複数配置された吹付け部29−1〜29−10を有する。吹付け部29−1〜29−10の数は、一工程で貼り付けるラベル5の最大数量と同じ数とされており、本実施形態では、図4に示すように、原反Wの幅方向に並べて形成された10個の成形品に対応して10個設けられている。
【0057】
図8および図9に示すように、各吹付け部29−1〜29−10は、各無端ベルト28A〜Cの隙間を通じて被貼付物へ向けて先端から気体を吹出す複数の吹付けノズル31と、各吹付けノズル31の基端が内部に開口する中空のマニホールド30と、マニホールド30内に気体を供給するための送気管路32とを有する。
各送気管路32は、マニホールド30と、送気管路32に気体を送り込む図示しないポンプとにそれぞれ接続されている。各送気管路32に接続されたポンプは、制御部35から出力される吹付信号sig4を受信したときに気体を各送気管路32へ供給するようになっている。
【0058】
図8に示すように、吹付けノズル31は、ラベル搬送部11の筐体12の開口12Dから吹付けノズル31を見たときに、無端ベルト28Aと無端ベルト28Bとの間に8つ、無端ベルト28Bと無端ベルト28Cとの間に8つ設けられている。なお、ラベル5の大きさが、たとえば無端ベルト28Cに載らずに無端ベルト28Aおよび無端ベルト28Bのみに載る大きさである場合には、無端ベルト28Bと無端ベルト28Cとの間に位置する各吹付けノズル31を閉じてもよい。本実施形態で説明する例では、無端ベルト28Bと無端ベルト28Cとの間に位置する各吹付けノズル31は図示しない電磁弁によって閉じられている。
【0059】
図10は、貼付装置1の構成を示すブロック図である。
制御部35は、ラベル繰出部2、ラベル搬送部11、およびラベル貼付部29の動作を制御するためのものである。制御部35は、貼付装置1を使用するユーザによる入力を受け付けたり、設定値や動作状態をユーザに通知したりするための入出力装置IODと電気的に接続されている。入出力装置IODとしては、たとえば、液晶パネル上にタッチセンサが設けられたタッチパネル装置などを採用することができる。
【0060】
また、制御部35は、ラベル繰出部2、ラベル搬送部11、およびラベル貼付部29にそれぞれ電気的に接続されている。制御部35は、ラベル搬送部11のサーボモータ21に設けられたロータリーエンコーダ21Bが出力したパルス信号に基づいて搬送帯28の走行速度を検出する搬送帯速度検出手段と、ロータリーエンコーダ21Bが出力したパルス信号に基づいて搬送帯28の移動量を検出する移動量検出手段と、原紙3の速度を搬送帯28の走行速度と同期させる原紙速度同期手段とを有している。
原紙速度同期手段は、搬送帯速度検出手段によって計測されているパルスカウントを参照し、後述するPLCの制御の下で、搬送帯28の走行速度に原紙3の速度が同調するようにサーボモータ10Bを動作させるようになっている。
【0061】
移動量検出手段は、ロータリーエンコーダ21Bが出力したパルスの出力回数を積算して記憶するパルスカウンタを有する。パルスカウンタは、必要に応じてリセット可能であり、パルスカウンタがリセットされると、パルスカウンタはロータリーエンコーダ21Bが出力したパルスを0から再度積算して記憶するようになっている。
また、制御部35は、予め設定された動作タイミングにしたがって以下に説明する各信号を発するPLC(Programmable Logic Controller)を有する。
【0062】
図11は、貼付装置1における信号の発信タイミングを示すタイミングチャートである。
制御部35のPLCは下記の信号をそれぞれ発するようになっている。
(1)搬送帯駆動開始信号sig1
搬送帯駆動開始信号sig1は、ラベル搬送部11へと出力される信号であり、ラベル搬送部11のサーボモータ21の出力軸21Aを回転させるためのパルス信号である。搬送帯駆動開始信号sig1の発信間隔に応じて、サーボモータ21の出力軸21Aの回転速度は変化するようになっている。なお、図11においては、搬送帯駆動開始信号sig1の最初の1パルスのみを図示している。
【0063】
(2)搬送帯駆動停止信号sig2
搬送帯駆動停止信号sig2は、ラベル搬送部11へと出力される信号であり、ラベル搬送部11のサーボモータ21の出力軸21Aの回転を停止させるためのパルス信号である。搬送帯駆動停止信号sig2は、サーボモータ21を減速させるための信号である。
【0064】
(3)繰出信号sig3
繰出信号sig3は、ラベル繰出部2のサーボモータ10Bを回転動作させるための信号である。繰出信号sig3は、移動量検出手段が検出した移動量が所定の移動量に達したときに、ラベル繰出部2に対してラベル5の繰出しを開始させるようになっている。繰出信号sig3には、ラベル5を繰出す枚数、ラベル5の繰出しタイミング、およびラベル5の繰出し速度を示す情報が含まれている。繰出信号sig3に含まれるラベル5の繰出し速度の情報は、搬送帯28の走行速度に基づいて制御部35において算出されるようになっている。
【0065】
(4)吹付信号sig4
吹付信号sig4は、ラベル貼付部29へと出力される信号であり、電圧の高低によってHighとLowとの2値をとる信号である。吹付信号sig4がLowからHighに切り替わったときには、ラベル貼付部29のポンプは気体の送出を開始し、吹付信号sig4がHighからLowに切り替わったときには、ラベル貼付部29のポンプは気体の送出を停止する。すなわち、吹付信号sig4がHighとなっている間は、ポンプから気体が送気管路32へ送られるようになっている。
また、吹付信号sig4がLowからHighに切り替わるタイミングは、貼付装置1が組み込まれた成形システム100から被貼付物到着信号sig5を受信したタイミングである。被貼付物到着信号sig5は、成形システム100が原反Wを間欠駆動により搬送しているときに、原反Wが停止した直後に発せられる。なお、原反Wの移動状態を検知するためのセンサーを別途貼付装置1に設け、このセンサーが被貼付物到着信号sig5を制御部35に出力するようにしてもよい。
【0066】
図11に示すように、制御部35において、各信号は、搬送帯駆動開始信号sig1が出力されてから吹付け信号がHighからLowに切り替わるまで(所定時間幅T)が1サイクルとなっており、このサイクルが繰り返される。この所定時間幅Tは、上記成形システム100における原反Wの搬送速度によって決まる。
【0067】
次に、貼付装置1における動作制御について図12ないし図14を参照して説明する。図12ないし図14は、貼付装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、貼付装置1における制御部35の動作制御を中心に説明する。
貼付装置1を起動すると、まず、ラベル5の貼付枚数および貼付位置の入力を受け付ける(図12に示すステップS101)。すなわち、原反Wの幅方向に並べられた複数の被貼付物のうちのどれにラベル5を貼り付けるかの入力を制御部35が受け付ける。
貼付装置1の制御部35に対する入力方法はどのようなものであってもよい。一例を挙げれば、ラベル5を貼り付ける場合を1、ラベル5を貼り付けない場合を0として、10桁の数列を入力することによって、ラベル5を貼り付けるか貼り付けないかを選択することができる。たとえば原反Wの幅方向に10個並べて形成された被貼付物のすべてにラベル5を貼り付ける場合には、貼付装置1を使用するユーザによって、「1111111111」が入力され、原反Wの幅方向の一端側の2個の被貼付物のみにラベル5を貼り付ける場合には、ユーザによって「1100000000」が入力される。
【0068】
また、被貼付物である成形品を模した10個の画像をタッチパネル上に一列に並べて表示し、その画像をユーザがタッチしたときにその画像を反転あるいは他の色に変換して表示し、ラベル5を貼り付ける対象となる被貼付物の選択を受け付けてもよい。
ラベル5を貼り付ける対象となる被貼付物の選択結果は、制御部35における図示しない記憶領域に記憶される。
また、このとき、ユーザによって、搬送帯28の走行速度および加速度、並びにラベル貼付部29によるラベル5の吹き付け時間が設定される。
これで、ステップS101は終了し、ステップS102へ進む。
【0069】
ステップS102は、制御部35のPLCにおいて、ラベル5の貼付枚数とその貼付位置とを設定するステップである。
ステップS102では、制御部35のPLCは、ラベル5を貼り付ける対象となる被貼付物の選択結果を参照し、繰出信号sig3の発信タイミングを設定する。たとえば、10個の被貼付物のすべてにラベル5を貼り付ける場合には、制御部35のPLCは、ラベル5の貼付枚数Nを10とし、繰出信号sig3を一定間隔おきに10回出力するように繰出信号sig3の出力タイミングを設定する。
繰出信号sig3の出力タイミングは、制御部35に記憶された各ラベル5の貼付位置に基づいて、サーボモータ21のロータリーエンコーダ21Bから出力されるパルス信号のカウント数を用いて設定される。具体的には、まず、1枚目のラベル5の貼付位置Dはカウント数0に設定される。2枚目のラベルの貼付位置Dは、貼付位置Dにおいてカウント数を0リセットし、吹付け部29−1〜29−10間の距離Daに対応するカウント数として設定される。3枚目以降のラベル5の貼付位置D・・・Dも同様に、吹付け部29−1〜29−10間の距離Daに対応するカウント数に設定される。
これでステップS102は終了し、ステップS103へ進む。
【0070】
ステップS103は、貼付装置1のユーザによる初回繰出の入力を受け付けるステップである。
ステップS103では、被貼付物の選択結果の確認をユーザに促し、ラベル5を被貼付物に貼り付けるための初回繰出を行う決定の入力の受け付け待ちとなる。
これでステップS103は終了し、ステップS104へ進む。
【0071】
ステップS104は、初回繰出を行う決定の入力があったか否かを判定するステップである。
ステップS104において、初回繰出を行う決定の入力がないと判定された場合には、ステップS103へ進み、初回繰出を行う決定の入力があったと判定された場合には、ステップS105へ進む。
【0072】
ステップS105は、搬送帯駆動開始信号sig1のラベル搬送部11への出力を開始するステップである。
ステップS105では、制御部35のPLCは、搬送帯駆動開始信号sig1をラベル搬送部11のサーボモータ21へと出力する。すると、図6に示すように、サーボモータ21は、出力軸21Aの回転を開始する。
これでステップS105は終了し、ステップS106へ進む。なお、搬送帯駆動開始信号sig1は、以下のステップS106からステップS110までの間、継続して出力されている。
【0073】
ステップS106は、ラベル5の繰出枚数をリセットするステップである。
ステップS106では、ラベル5の繰出枚数nに1を代入する。
これでステップS106は終了し、ステップS107へ進む。
【0074】
ステップS107は、ラベル繰出部2からラベル搬送部11へ一枚のラベル5を繰出させるための信号をラベル繰出部2へ出力するステップである。
図13は、ステップS107における動作を説明するためのフローチャートである。
ステップS107では、まず、制御部35が、パルスカウンタをリセットする(図13に示すステップS201)。
ステップS201では、搬送帯28の走行が開始した後、搬送帯28が所定の走行速度で安定して走行するようになったときに制御部35がパルスカウンタをリセットする。
たとえば、搬送帯28の走行が開始された直後は、搬送帯28は所定の走行速度に達するまで加速運転される。さらに、搬送帯28の走行速度が所定の走行速度に達したことが制御部35によって判定され、制御部35は搬送帯28の走行状態を加速運転から定速運転に切り替える。
このとき、制御部35は、搬送帯28の走行速度が所定の走行速度に達したことが判定されてから所定時間後にパルスカウントを0にリセットする。この所定時間は、搬送帯28の加速運転から定速運転に切り替えるときのオーバーシュート等の速度変動が収まるまでの時間として予め調査あるいは計算により求めた値とすることができる。パルスカウンタが0にリセットされると、制御部35の移動量検出手段においては、ロータリーエンコーダ21Bが出力したパルス信号の数を0から新たに積算する。
なお、ステップS201が開始した時点ですでに搬送帯28が定速運転によって所定の走行速度で走行している場合には、ステップS201では直ちにパルスカウンタをリセットする。
これでステップS201は終了し、ステップS202へ進む。
【0075】
ステップS202は、制御部35のパルスカウンタが記憶したカウント数が各貼付位置として設定されたカウント数に達したか否かを判定するステップである。
ステップS202では、ステップS102において設定された貼付位置Dnと、制御部35のパルスカウンタが記憶したカウント数とが一致するまでステップS202を繰り返し、貼付位置Dnと、制御部35のパルスカウンタが記憶したカウント数とが一致したらステップS203へ進む。例えば1枚目のラベル5について説明すると、1枚目のラベル5の貼付位置D1としてカウント数0が設定されているので、ステップS202から直ちにステップS203へ進む。2枚目以降のラベル5においては上記距離Daに対応するカウント数に達したときにステップS203へ進む。
【0076】
ステップS203は、ラベル繰出部2へ繰出信号sig3を出力するステップである。
ステップS203では、ラベル繰出部2の回転駆動部へ繰出信号sig3を1パルスだけ出力して終了する。ラベル繰出部2の回転駆動部における動作制御については後述する。
ステップS203が終了したら、ステップS107へ戻ってステップS107は終了し、ステップS108へ進む。
【0077】
ステップS108は、ラベル繰出部2から繰出されたラベル5の繰出枚数nと貼付枚数Nとを比較するステップである。
ステップS108では、ラベル繰出部2から繰り出されたラベル5の枚数nが貼付枚数Nと一致したらステップS110へ進み、それ以外の場合にはステップS109へ進む。
ステップS108においてラベル5の繰出枚数nがラベル5の貼付枚数Nと一致したときには、ラベル搬送部11の搬送帯28上には、N枚のラベル5が吸着されている。
【0078】
ステップS109は、ラベル5の繰出枚数nに1を加えるステップである。
ステップS109では、ラベル5の繰出枚数nに1を加え、ステップS107へ進む。これにより、ステップS107において、n+1枚目のラベル5が搬送帯28上に繰出される。
【0079】
ステップS110は、搬送帯駆動停止信号sig2をラベル搬送部11に出力するステップである。
ステップS110では、制御部35は、搬送帯駆動停止信号sig2を、ラベル搬送部11のサーボモータ21に出力する。すると、サーボモータ21の回転が減速するとともに搬送帯駆動開始信号sig1のパルス間隔が広げられ、出力軸21Aの回転速度が低下して出力軸21Aの回転は停止する(図5参照)。これにより、搬送帯28は停止する。
これでステップS110は終了し、ステップS111へ進む。
【0080】
ステップS111は、被貼付物到着信号sig5の入力の有無を判定するステップである。
ステップS111では、被貼付物到着信号sig5を制御部35が受信していればステップS112へ進み、被貼付物到着信号sig5を制御部35が受信していなければ再びステップS111を行う。
【0081】
ステップS112は、ラベル貼付部29に対して吹付信号sig4を出力するステップである。
ステップS112では、制御部35は、吹付信号sig4をLowからHighに切り替え、所定時間だけ吹付信号sig4をHighに維持したのち、吹付信号sig4をHighからLowに切り替える。これにより、吹付信号sig4をHighにしている間、ポンプから気体が送気管路32へ送られる。
これでステップS112は終了し、ステップS113へ進む。
【0082】
ステップS113は、貼付装置1の動作を終了させるための終了割り込みの有無を判定するステップである。
ステップS113では、ユーザが押し釦などにより終了を指示する緊急停止信号や、成形システム100において原反Wの成形が終了し、最後尾の成形品が貼付装置1に到着した場合に最終の貼付であることを示すために成形システム100が発する終了信号などを終了割り込みとして受け付ける。
終了割り込みが発せられていない場合にはステップS105へ進み、終了割り込みを受け付けた場合には制御部35における一連の工程は終了する。
ステップS113からステップS105へ進んだ場合には、ステップS105からステップS111までの一連の動作を再度行い、ステップS111において被貼付物到着信号sig5が受信されたと判定した後に、ステップS112に進んで吹付信号sig4をラベル貼付部29へ出力する。
【0083】
次に、上述のステップS203において繰出信号sig3がラベル繰出部2へ出力されたときのラベル繰出部2の動作制御について説明する。
【0084】
ラベル繰出部2の回転駆動部は、制御部35からの繰出信号sig3の入力の有無を判定する(図14に示すステップS301)。
ステップS301では、繰出信号sig3が入力されるまでステップS301を繰り返し、繰出信号sig3が入力されたらステップS302へ進む。
【0085】
ステップS302は、搬送帯28の走行速度と同じ速度で原紙3を送出するステップである。
ステップS302では、図3(A)に示すように、ラベル繰出部2のサーボモータ10Bおよび回転駆動部によって剥離紙4を巻き取る。このとき、繰出信号sig3により、剥離紙4の巻き取り速度は、搬送帯28の走行速度と同調するように制御されている。ラベル繰出部2は、操出信号sig3に基づいて原紙3を送出し、ラベル5を搬送帯28上へと繰出す。
これでステップS302は終了し、ステップS304へ進む。
【0086】
ステップS303は、原紙3の送出を停止するステップである。
ステップS303では、ラベルセンサ7Bによって後続のラベル5の先端が検出され、制御部35へ信号が出力される。制御部35は、ラベルセンサ7Bから出力された信号を受信したらサーボモータ10Bの回転を停止させる。
これでステップS303は終了し、ステップS301へ進む。
ステップS303からステップS301へ進むと、ラベル繰出部2は、再び繰出信号sig3の入力待ちとなる。
【0087】
ラベル繰出部2は、起動してから電源が遮断されるまで、上記ステップS301からステップS303を繰り返す。
【0088】
次に、貼付装置1の作用について説明する。
図15ないし図17は、貼付装置1の動作を説明するための図である。
図15に示すように、貼付装置1の使用時には、剥離板本体13Bの尖端において原紙3が鋭角に折り返されることにより、ラベル5が剥離紙4から剥離される。剥離紙4から剥離されたラベル5は、搬送帯28上に載置される。本実施形態では、ラベル5は無端ベルト28Aと無端ベルト28Bとに架け渡されるように配置される。剥離板本体13Bの尖端は、筐体12の開口12Dのうち第一吸着部12Bが設けられた領域に向けられており、剥離板本体13Bから搬送帯28に繰出されたラベル5は、まず第一吸着部12Bによって吸着される。
【0089】
ラベル5のうちラベル繰出部2において剥離紙4から剥離された部分は、ラベル5が剥離紙4から完全に剥離される前に押圧ローラ17と搬送帯28との間に入り込み、押圧ローラ17によって搬送帯28に押し付けられる。さらに、ラベル5は搬送帯28の走行方向へ移動して押圧ローラ17によって押圧される。押圧ローラ17によって、搬送帯28とラベル5とを密着させることができる。
【0090】
押圧ローラ17は、搬送帯28の無端ベルト28A、無端ベルト28Bによって回転駆動されているので、押圧ローラ17の周速と搬送帯28の走行速度とは互いに等しい。このため、押圧ローラ17が搬送帯28にラベル5を押し付けても搬送帯28上でラベル5がずれることがない。
【0091】
搬送帯28が走行することにより、ラベル5は押圧ローラ17よりも先へ移動する。押圧ローラ17の外面は粘着材を付着し難くする表面加工等が施されているので、押圧ローラ17にはラベル5は付着しない。なお、剥離ノズル19の先端から気体がラベル5に吹き付けられることにより、ラベル5が押圧ローラ17の外面に付着した場合であってもラベル5は押圧ローラ17の外面から剥離され、搬送帯28に吸着されたまま搬送帯28とともにその走行方向の先側へ移動する。
このように、巻き込み防止部の剥離ノズル19の先端から気体を吹き出すことにより、押圧ローラ17の外周面にラベル5が巻き込まれる可能性をさらに低減することができる。
【0092】
図15および図16に示すように、搬送帯28が走行することにより、搬送帯28に吸着されたラベル5は第一吸着部12Bから第二吸着部12Cへと移動する。第二吸着部12Cでは、ブロアユニットによって開口12Dから外気が吸引されているので、搬送帯28上のラベル5は第一吸着部12Bにラベル5が位置していたときと同様に、搬送帯28に吸着されている。
搬送帯28は、一枚目のラベル5が吹付け部29−10の吹出しノズル31と重なるまで走行し、一枚目のラベル5が吹付け部29−10の吹出しノズル31と重なる位置で停止する。このとき、2枚目以降の他のラベル5も同様に、吹付け部29−1〜9の吹出しノズル31と重なる位置で停止する。
【0093】
被貼付物到着信号sig5の入力を制御部35が受け付けると、制御部35が発する吹付信号sig4に基づいてラベル貼付部29のポンプは気体を送気管路32へ送る。すると、送気管路32に送られた気体はマニホールド30に送り込まれ、マニホールド30から各吹付けノズル31へと送られる。
図17は、図16のD−D線における断面を示している。図17に示すように、各吹付けノズル31の先端は、被貼付物へ向けて気体を吹出す。これにより、搬送帯28の無端ベルト28Aと無端ベルト28Bとに架け渡されるように配置されたラベル5は、被貼付物へ向けて吹き飛ばされる。これにより、被貼付物にラベル5の粘着材が接し、被貼付物にラベル5が貼り付けられる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態の貼付装置1によれば、ラベル繰出部2が、ラベル搬送部11の搬送帯28の走行速度にラベル5の繰出速度を同調させるので、搬送中の被貼付物に対して高速に、且つ精度良くラベル5を貼り付けることができる。
【0095】
また、ラベル繰出部2の回転駆動部と、制御部35とがラベル5の繰出速度を制御して、ラベル5の繰出速度を搬送帯28の走行速度と等しい速度にするので、複数のラベル5を繰出している間は搬送帯28の加速や減速をする必要がなく、搬送帯28の走行速度を高く維持することができる。これにより、短時間で搬送帯28上に複数のラベル5を整列させることができる。
【0096】
また、制御部35が、ラベル搬送部11が発するパルス信号に基づいて搬送帯28の移動量を検出し、検出した移動量に基づいて、各ラベル5を繰出すための繰出信号sig3をラベル繰出部2へ出力するので、各ラベル5を搬送帯28上に繰出す位置の精度が高い。
【0097】
また、ラベル押さえ機構14が設けられていることによって、搬送帯28上にラベル5を押し付けることができ、ラベル5の位置ずれを抑えることができる。
【0098】
また、剥離ノズル19(巻き込み防止部)が設けられていることによって、押圧ローラ17の外周面にラベル5が巻きつくことが防止され、被貼付物に対する貼付不良の発生頻度を下げることができる。
【0099】
また、第一吸着部12Bと第二吸着部12Cとが隔壁12Aによって仕切られた別のチャンバーとして形成されているので、剥離部7近傍における外気の流入速度を安定させることができ、搬送帯28上にラベル5が繰出されたときのラベル5の位置ずれを抑えることができる。
【0100】
また、第一吸着部12Bの内圧を第二吸着部12Cの内圧よりも下げることにより、第一吸着部12Bにおいては第二吸着部12Cよりも高い吸引力でラベル5が搬送帯28に吸着されるようになっている。このため、搬送帯28上にラベル5が繰出されたときのラベル5の位置ずれをさらに抑えることができる。また、本実施形態の貼付装置1の場合には、第二吸着部12Cの内圧とは独立して第一吸着部12Bの内圧を調整することができることにより、ラベル5を搬送帯28上に確実に吸着させるだけでよい第一吸着部12Bと、ラベル5を被貼付物に付着させるために必要な吹出し力とラベル5を搬送帯28上に吸着させるための内圧とのバランスをとることが好ましい第二吸着部12Cとのそれぞれにおいて、最適な内圧とすることができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
たとえば、上述の実施形態では、互いに隙間を空けて設けられた3つの無端ベルト28A〜Cによって搬送帯28が構成されている例を示したが、搬送帯28の構成はこれに限られない。すなわち、搬送帯28は、ラベル5を被貼付物へ吹付けるための気体を通過させるための貫通孔が形成された1つの無端ベルトからなっていてもよい。また、無端ベルトの数は2つ、あるいは3つより多くてもかまわない。
【0102】
また、ラベル搬送部11に、搬送帯28の走行速度を検出するためのエンコーダ等の速度検知手段を別途設け、この速度検知手段によって搬送帯28の実際の走行速度をパルス信号としてラベル繰出部2や制御部35に出力するようにしてもよい。これにより、例えば搬送帯28と駆動ローラ25との間、駆動ローラ25のプーリ23とベルト24との間、およびベルト24とプーリ22との間のそれぞれにおいて静止摩擦力を超える力がかかってすべりが生じた場合であっても、確実に搬送帯28の移動量および速度を検出することができる。
なお、サーボモータ21によって各無端ベルト28A〜Cを移動させるために動力を伝達する構造として、スプロケットおよび歯付きベルト等による嵌合構造を用いることもできる。この場合、サーボモータ21から駆動ローラ25へはすべりなく動力を伝達することができる。
【0103】
また、無端ベルトの数および幅は、貼り付けるラベル5の大きさや重さに応じて適宜選択することができる。
【0104】
また、無端ベルトの数および幅と、無端ベルト上に配置されるラベル5の大きさおよび形状とに応じて、ラベル押さえ機構14におけるラベル押さえ部材の軸方向の寸法は適宜設定されてよい。
【0105】
また、ラベル押さえ機構14の押圧ローラ17は、ラベル5がラベル繰出部2から繰出されるときにラベル5が搬送帯28に接する位置においてラベル5を搬送帯28に押し付けるようになっていてもよい。この場合、ラベル5の先端は搬送帯28と押圧ローラ17との間に挟まれ、ラベル5の後端は剥離紙4に付着しているので、ラベル5を安定して支持することができる。なお、この場合であっても、搬送帯28の走行速度とラベル5の繰出し速度とが等しいので、ラベル5が引っ張られたり撓んだりすることはない。
【符号の説明】
【0106】
1 貼付装置
2 ラベル繰出部
3 原紙
4 剥離紙
5 ラベル
7 剥離部
11 ラベル搬送部
12B 第一吸着部
12C 第二吸着部
17 押圧ローラ(ラベル押さえ部材)
19 剥離ノズル(巻き込み防止部)
21B ロータリーエンコーダ(パルス信号出力手段)
28 搬送帯
28A、28B、28C 無端ベルト
29 ラベル貼付部
35 制御部
sig1 搬送帯駆動開始信号
sig2 搬送帯駆動停止信号
sig3 繰出信号
sig4 吹付信号
sig5 被貼付物到着

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並べて配置されたラベルを、前記一方向と交差する方向へ搬送される複数の被貼付物に貼り付ける貼付装置であって、
帯状の剥離紙上に複数の前記ラベルが配置された原紙から前記ラベルを剥離して繰出すラベル繰出部と、
前記ラベル繰出部から繰出された前記ラベルを前記一方向に延びる無端ベルト状の搬送帯の面上に吸着させて前記一方向に搬送するラベル搬送部と、
前記ラベル搬送部によって搬送された前記ラベルを前記搬送帯の面と直交する方向へ移動させるラベル貼付部と、
前記ラベル繰出部と前記ラベル搬送部とにそれぞれ接続され、前記ラベル繰出部における前記ラベルの繰出し速度を前記搬送帯の走行速度に同調させる制御部と、
を備えることを特徴とする貼付装置。
【請求項2】
請求項1に記載の貼付装置であって、
前記ラベル搬送部は、前記搬送帯が一定距離だけ走行するたびに前記制御部へパルス信号を出力するパルス信号出力手段を有し、
前記制御部は、前記パルス信号出力手段が出力した前記パルス信号に基づいて前記搬送帯の走行速度を検出する搬送帯速度検出手段を有し、前記搬送帯速度検出手段が検出した前記走行速度と等しい速度で前記ラベルを前記搬送帯上に繰出すための信号を前記ラベル繰出部へ出力する
ことを特徴とする貼付装置。
【請求項3】
請求項2に記載の貼付装置であって、
前記制御部は、前記パルス信号出力手段が出力した前記パルス信号に基づいて前記搬送帯の移動量を検出する移動量検出手段を有し、前記移動量検出手段が検出した前記移動量が所定の移動量に達したときに、前記ラベル繰出部に対してラベルの繰出しを開始させるための繰出信号を出力する
ことを特徴とする貼付装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の貼付装置であって、
前記ラベル搬送部は、
略円柱形状に形成されているとともに軸回りに転動自在に設けられ、外周面が前記搬送帯に接して前記搬送帯の走行により転動し、前記ラベルのうち前記ラベル繰出部において前記剥離紙から剥離された部分を、前記ラベルが前記剥離紙から完全に剥離される前に前記搬送帯に押し付けるラベル押さえ部材と、
前記ラベル押さえ部材よりも前記搬送帯の走行方向の先側に配置され、前記ラベル押さえ部材と前記搬送帯との接触部へ向けて気体を吹き出す巻き込み防止部と、
を有することを特徴とする貼付装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の貼付装置であって、
前記搬送帯の少なくとも一部には貫通孔あるいは隙間が形成されており、
前記ラベル繰出部は、前記貫通孔あるいは前記隙間の少なくとも一部を覆うように前記ラベルを前記搬送帯上に繰出し、
前記ラベル貼付部は、前記一方向に並べて複数設けられているとともに前記貫通孔あるいは隙間を通じて前記被貼付物へ向けて気体を吹出す吹付け部を有する
ことを特徴とする貼付装置。
【請求項6】
請求項4に記載の貼付装置であって、
前記ラベル搬送部は、
前記ラベル繰出部から繰出された前記ラベルを前記搬送帯上に吸着させるチャンバー構造の第一吸着部と、
前記搬送帯の走行方向において前記第一吸着部よりも先側に設けられ、前記ラベルを前記搬送帯に吸着させるチャンバー構造の第二吸着部と、
を有し、
前記搬送帯の少なくとも一部には貫通孔あるいは隙間が形成されており、
前記ラベル貼付部は、前記一方向に並べて複数設けられているとともに前記貫通孔あるいは隙間を通じて前記被貼付物へ向けて気体を吹出す吹付け部を前記第二吸着部内に有し、
前記第一吸着部および前記第二吸着部は、前記貫通孔あるいは隙間から外気を吸引して外部へ排気する
ことを特徴とする貼付装置。
【請求項7】
請求項6に記載の貼付装置であって、
前記第一吸着部および前記第二吸着部は、それらの動作時に前記第一吸着部の内圧が前記第二吸着部の内圧よりも低いことを特徴とする貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−116490(P2012−116490A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265484(P2010−265484)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(591186888)株式会社トッパンTDKレーベル (46)
【Fターム(参考)】