貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置
【課題】接着剤の付着を抑制し、ディスプレイパネルの高い生産効率を達成することができる貼合装置を提供する。
【解決手段】第1基板と第2基板とを接着剤を用いて貼り合わせる貼合装置であって、前記第1基板と前記第2基板との間の前記接着剤を加圧する加圧機構と、前記第2基板と前記加圧機構との間に配置され、前記接着剤から前記加圧機構を保護する保護シートと、前記第2基板に対する前記保護シートの接触位置を変更する位置変更部と、を備えることを特徴とする貼合装置。
【解決手段】第1基板と第2基板とを接着剤を用いて貼り合わせる貼合装置であって、前記第1基板と前記第2基板との間の前記接着剤を加圧する加圧機構と、前記第2基板と前記加圧機構との間に配置され、前記接着剤から前記加圧機構を保護する保護シートと、前記第2基板に対する前記保護シートの接触位置を変更する位置変更部と、を備えることを特徴とする貼合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイパネルの基板を貼り合わせるための貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶や有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を用いたディスプレイパネルは、典型的には、一対の基板と、基板間に配設された接着剤と、を備える。基板間の接着剤は、基板同士を接着させるだけでなく、基板上に形成された光電デバイスを封止する役割を担う。
【0003】
特許文献1は、ディスプレイパネルの製造方法を開示する。特許文献1の技術によれば、一対の基板と、基板間に配設された接着剤と、を備える積層体が用意される。積層体は、加圧装置を用いて、加圧され、一対の基板は、接着剤によって接着される。
【0004】
加圧装置は、積層体が配設されるチャンバと、チャンバ内の積層体に向けて膨張するエアバッグと、を備える。エアバッグの膨張によって、一対の基板が圧縮並びに接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−255540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一対の基板同士の圧着の結果、基板間に配設された接着剤は、面内方向に流動する。最終的に、接着剤は、基板の縁部からはみ出すので、エアバッグは、接着剤によって汚染されることもある。
【0007】
新たにディスプレイパネルを製造するために、エアバッグに付着した接着剤は除去される必要がある。エアバッグの清掃作業は、ディスプレイパネルの生産効率を悪化させる。
【0008】
エアバッグに対して、接着剤の剥離を促すための表面処理が施与されることもある。しかしながら、エアバッグの表面は、接着剤に直接的に接触するので、表面処理に拘わらず、接着剤がエアバッグに付着することがある。
【0009】
本発明は、接着剤の付着を抑制し、ディスプレイパネルの高い生産効率を達成することができる貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の局面に係る第1基板と第2基板とを接着剤を用いて貼り合わせる貼合装置は、前記第1基板と前記第2基板との間の前記接着剤を加圧する加圧機構と、前記第2基板と前記加圧機構との間に配置され、前記接着剤から前記加圧機構を保護する保護シートと、前記第2基板に対する前記保護シートの接触位置を変更する位置変更部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の局面に係るディスプレイパネルを製造するための製造装置は、上述の貼合装置を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置は、接着剤から加圧機構を保護する保護シートが変位されるので、ディスプレイパネルを高い生産効率で製造することに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ディスプレイパネルを製造するために一対の基板を貼り合わせる貼合装置の概略的な断面図である。
【図2】図1に示される貼合装置の保護シートの概略的な平面図である。
【図3】図1に示される貼合装置によって製造されるディスプレイパネルの概略的な平面図である。
【図4】図1に示される貼合装置の膨張性シートの概略的な平面図である。
【図5】図3に示されるディスプレイパネルをN個製造するための製造方法の概略的なフローチャートである。
【図6】図5に示される製造方法のステップS130において用意される支持基板と光電デバイス層との積層体の概略的な断面図である。
【図7】図3に示されるディスプレイパネルの接着剤層の形成に用いられる接着剤シートの概略的な斜視図である。
【図8】図5に示される製造方法のステップS130において用意される接着剤層と保護基板との積層体の概略的な断面図である。
【図9】図5に示される製造方法のステップS140における貼合装置の概略的な断面図である。
【図10】図5に示される製造方法のステップS150における貼合装置の概略的な断面図である。
【図11】図5に示される製造方法のステップS150における貼合装置の概略的な断面図である。
【図12】図5に示される製造方法のステップS160における貼合装置の概略的な断面図である。
【図13】図1に示される貼合装置から取り出されたディスプレイパネルの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、ディスプレイパネルを製造するために一対の基板を貼り合わせる貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置が添付の図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置の原理はこれらに何ら限定されるものではない。
【0015】
(貼合装置)
図1は、ディスプレイパネル500を製造するために一対の基板を貼り合わせる貼合装置100の概略的な断面図である。図1を用いて、貼合装置100が説明される。尚、以下の説明において用いられる「上」や「下」といった方向を表す用語は、本実施形態の原理を明瞭化させるためのものであり、本実施形態の原理を何ら限定するものではない。
【0016】
貼合装置100は、映像を表示するための光電デバイスが配設された光電デバイス層510を支持する支持基板520と、光電デバイス層510を被覆並びに保護する保護基板530と、を貼り合わせ、ディスプレイパネル500を製造する。貼合装置100は、支持基板520と保護基板530とを収容する収容空間210を規定する下側チャンバ200と、下側チャンバ200の上方に配設される上側チャンバ300と、を備える。本実施形態において、支持基板520は、第1基板として例示される。また、保護基板530は、第2基板として例示される。
【0017】
支持基板520は、光電デバイス層510を支持する支持面521を含む。支持面521が上側チャンバ300に対向するように、支持基板520は、収容空間210内に設置される。
【0018】
ディスプレイパネル500は、接着剤を用いて形成された接着剤層540を更に備える。保護基板530は、支持基板520の支持面521に対向する接着面531を含む。接着剤層540は、接着面531に固定される。接着剤層540が光電デバイス層510に対向するように、保護基板530は、収容空間210内に設置される。
【0019】
貼合装置100は、支持基板520と保護基板530との間に配設された接着剤層540を加圧する加圧機構400を備える。上述の下側チャンバ200及び上側チャンバ300は、加圧機構400の一部として用いられる。本実施形態において、下側チャンバ200は、第1チャンバとして例示される。
【0020】
加圧機構400は、収容空間210から空気を吸引し、収容空間210を減圧する第1真空装置410を更に備える。支持基板520と保護基板530との接着の間、収容空間210は、第1真空装置410を用いて減圧される。本実施形態において、第1真空装置410は、減圧部として例示される。
【0021】
上側チャンバ300は、下側チャンバ200に向けて開口した連通口310と、収容空間210の内圧に対する圧力差を作り出すために内圧調整がなされる調整空間320と、を規定する。本実施形態において、上側チャンバ300は、第2チャンバとして例示される。
【0022】
加圧機構400は、調整空間320から空気を吸引し、調整空間320を減圧する第2真空装置420と、調整空間320内に空気を送り込む送気装置430と、を更に備える。第2真空装置420が作動するならば、減圧された収容空間210と調整空間320との間の内圧差は低減する。送気装置430が作動するならば、減圧された収容空間210と調整空間320との間の内圧差は増大する。したがって、第2真空装置420及び送気装置430は、調整空間320内の内圧並びに減圧された収容空間210と調整空間320との間の内圧差を適切に調整することができる。本実施形態において、第1真空装置410に加えて、第2真空装置420及び送気装置430も、減圧部として例示される。尚、送気装置430は、省略されてもよい。例えば、調整空間320内に適時に空気を流入させることができる弁体が送気装置430の代わりに用いられてもよい。
【0023】
加圧機構400は、連通口310を閉塞するように上側チャンバ300に取り付けられた膨張性シート440を更に備える。したがって、膨張性シート440は、上側チャンバ300と協働して、収容空間210を規定する。収容空間210の内圧が、調整空間320の内圧を下回ると、膨張性シート440は、収容空間210に向けて膨張する。この結果、膨張性シート440と支持基板520との間に配設された保護基板530は支持基板520に押しつけられる。また、接着剤層540は、支持基板520と保護基板530との間で圧縮され、保護基板530の接着面531を覆うように拡がる。かくして、支持基板520及び保護基板530は、接着剤層540によって適切に貼り合わせられる。
【0024】
貼合装置100は、保護基板530と膨張性シート440との間を通過するように配設された帯状の保護シート110を更に備える。したがって、膨張性シート440が収容空間210に向けて膨張すると、帯状に形成された保護シート110は、膨張性シート440と保護基板530とに挟まれることとなる。
【0025】
上述の如く、膨張性シート440によって加圧された接着剤層540は、保護基板530の接着面531を覆うように拡がる。支持基板520の支持面521は、保護基板530の接着面531より広く形成されるので、接着剤層540の接着剤は、最終的に、保護基板530の側縁からはみ出すこととなる。
【0026】
保護基板530及び接着剤層540を加圧する膨張性シート440は、保護基板530よりも広い面積を有する。したがって、保護基板530及び接着剤層540を加圧する膨張性シート440は、保護基板530の周囲で支持基板520の支持面521をも押圧する。保護シート110は、膨張性シート440の表面を覆うので、保護基板530の側縁からはみ出した接着剤は、保護シート110に付着する。したがって、保護シート110は、膨張性シート440を接着剤から適切に保護することができる。
【0027】
貼合装置100は、保護基板530に対する保護シート110の接触位置を変更する位置変更部120を更に備える。位置変更部120は、帯状の保護シート110の下流端が接続される巻取機構121と、ロール状に巻回された保護シート110が搭載される搭載部122と、を含む。巻取機構121及び搭載部122は、上側チャンバ300の調整空間320外に設置される。
【0028】
支持基板520と保護基板530との接着によって、保護シート110に接着剤が付着することもある。支持基板520と保護基板530との接着の後、巻取機構121は、保護シート110を巻き取る。この結果、搭載部122から新たな保護シート110が巻出される。収容空間210に新たに保護基板530及び支持基板520が配設されると、保護シート110の新たな表面が保護基板530に接触することとなる。したがって、保護シート110に付着した接着剤は、新たなディスプレイパネル500の製造をほとんど妨げない。かくして、貼合装置100は、ディスプレイパネル500の高い生産効率の達成に貢献する。
【0029】
貼合装置100は、下側チャンバ200内に配設された支持台130と、支持台130を上下動させるシリンダ装置140と、を備える。支持台130は、支持基板520が載置される支持部131と、支持部131を支持するシャフト132と、を備える。シャフト132は、ベローズ133を含む。シリンダ装置140が支持部131を上下動させると、ベローズ133は伸縮する。
【0030】
貼合装置100は、下側チャンバ200と上側チャンバ300との間に配設されたシール部材180を更に備える。シール部材180は、下側チャンバ200と上側チャンバ300との間の境界を気密にするので、下側チャンバ200及び上側チャンバ300内で作り出された減圧環境は適切に維持される。
【0031】
貼合装置100は、下側チャンバ200の収容空間210を加熱する加熱装置190を更に備える。加熱装置190は、接着剤層540を硬化するために用いられる。
【0032】
(保護シート)
図2は、保護シート110の概略的な平面図である。図1及び図2を用いて、保護シート110が説明される。
【0033】
保護シート110は、上述の如く、帯状に形成される。ロール状に巻回された保護シート110は、搭載部122に搭載される。保護シート110の下流端は、保護シート110のロールから引き出され、巻取機構121に巻き付けられる。巻取機構121が保護シート110を巻き取ると、保護シート110は搭載部122から巻取機構121に向けて搬送される。
【0034】
保護シート110には、保護シート110の搬送方向に沿って整列された矩形状の開口部111が複数形成される。支持基板520に対する保護基板530の接着の度に、開口部111が保護基板530の上方に位置するように、巻取機構121は保護シート110を巻き取る。
【0035】
図1に示される如く、膨張性シート440は、多数の貫通穴441が形成された開口領域を含む。図2において点線で描かれた矩形枠は、膨張性シート440の開口領域を表す。開口部111は、好ましくは、膨張性シート440の開口領域よりも広く形成される。
【0036】
図1に示される如く、膨張性シート440の貫通穴441は、収容空間210と調整空間320とを連通させる。保護基板530は、支持基板520に接着される接着面531とは反対側の吸着面532を含む。第2真空装置420によって調整空間320が減圧された後、吸着面532が開口領域の貫通穴441を閉塞するように、保護基板530は、収容空間210内に設置される。この結果、保護基板530の吸着面532は、膨張性シート440に吸着されることとなる。かくして、保護基板530は、膨張性シート440によって、収容空間210内で保持されることとなる。
【0037】
図3は、ディスプレイパネル500の概略的な平面図である。図1及び図3を用いて、支持基板520に対する保護基板530の貼り合わせが説明される。
【0038】
保護基板530は、支持基板520より狭く形成される。保護基板530は、接着面531及び吸着面532を取り囲む側面533を更に含む。膨張性シート440が保護基板530を支持基板520に押しつけると、保護基板530と支持基板520との間の接着剤層540は、保護基板530の接着面531に沿って拡がり、最終的に、接着剤層540の接着剤は、保護基板530の四辺からはみ出す。
【0039】
図4は、膨張性シート440の概略的な平面図である。図1及び図4を用いて、支持基板520に対する保護基板530の貼り合わせが説明される。
【0040】
図4に示される如く、膨張性シート440には、多数の貫通穴441が形成される。保護シート110の開口部111が、多数の貫通穴441が形成された開口領域に重なり合うように、巻取機構121は、保護シート110の位置を調整する。この結果、保護基板530は、貫通穴441並びに開口部111を介した真空圧によって、膨張性シート440に吸着される。
【0041】
保護シート110の開口部111は、膨張性シート440の開口領域よりも広く形成される一方で、保護基板530よりも狭く形成される。したがって、保護シート110は、保護基板530からはみ出した接着剤層540を適切に覆う。かくして、保護基板530からはみ出した接着剤層540の接着剤は、膨張性シート440にほとんど付着しない。
【0042】
保護シート110は、保護基板530からはみ出した接着剤層540に接触するので、保護シート110は、好ましくは、接着剤層540の接着剤が乗り移りにくい材料から形成される。このような材料として、フッ素樹脂含浸硝子クロス、シリコンゴムやテフロン(登録商標)含浸硝子クロスが例示される。保護シート110がこれらの材料を用いて形成されるならば、保護シート110は、接着剤層540を損傷しにくくなる。
【0043】
(ディスプレイパネルの製造方法)
図5は、「N個」のディスプレイパネル500を製造するための例示的な製造方法の概略的なフローチャートである。図1、図2及び図5を用いて、ディスプレイパネル500の製造方法が説明される。
【0044】
(ステップS110)
ディスプレイパネル500の製造方法において、ステップS110が最初に実行される。ステップS110に示される変数「n」は、ディスプレイパネル500の製造数量を表す。ステップS110において、変数「n」のデフォルト値として、「0」の値が設定される。その後、ステップS120が実行される。
【0045】
(ステップS120)
ステップS120において、変数「n」に「1」の値が加算される。その後、ステップS130が実行される。
【0046】
(ステップS130)
ステップS130において、支持基板520と光電デバイス層510との積層体は、支持台130の支持部131上に設置される。このとき、光電デバイス層510が膨張性シート440の開口領域の下方に位置するように、支持基板520は支持部131に対して位置決めされる。
【0047】
ステップS130において、第2真空装置420が作動される。この結果、調整空間320は減圧される。このとき、保護基板530の吸着面532が膨張性シート440の開口領域に形成された貫通穴441を閉塞するように、保護基板530及び接着剤層540との積層体が膨張性シート440に取り付けられる。調整空間320内に作り出された減圧環境によって、保護基板530及び接着剤層540との積層体は、膨張性シート440に適切に吸着される。尚、ステップS130において、好ましくは、第1真空装置410も作動される。第1真空装置410によって収容空間210も減圧されるので、貼り合せ時の気泡が入りにくくなる。
【0048】
支持基板520と光電デバイス層510との積層体が支持部131上に設置され、且つ、保護基板530及び接着剤層540との積層体が膨張性シート440に吸着されると、ステップS140が実行される。
【0049】
(ステップS140)
ステップS140において、シリンダ装置140が作動される。シリンダ装置140は、支持部131を膨張性シート440に向けて変位させる。この結果、支持基板520の支持面521上に形成された光電デバイス層510は、保護基板530に取り付けられた接着剤層540に接触する。支持基板520と保護基板530との積層の後、ステップS150が実行される。
【0050】
(ステップS150)
ステップS150において、第2真空装置420が停止される一方で、送気装置430が作動される。この結果、調整空間320の内圧は、収容空間210の内圧よりも大きくなる。したがって、膨張性シート440は、収容空間210に向けて膨張する。接着剤層540が保護基板530と支持基板520との間の境界からはみ出すまで、膨張性シート440は、保護基板530並びに接着剤層540を支持基板520に押しつける。この結果、保護基板530及び接着剤層540は、支持基板520に圧着される。
【0051】
支持基板520と保護基板530との圧着の間、加熱装置190が作動される。この結果、収容空間210は加熱される。本実施形態において、接着剤層540は、熱硬化性樹脂を用いて形成される。したがって、収容空間210の温度上昇に伴って、接着剤層540は硬化する。接着剤層540の硬化の後、ステップS160が実行される。
【0052】
(ステップS160)
ステップS160において、第1真空装置410は停止される。収容空間210に空気が供給され、第1真空装置410によって収容空間210に作り出された減圧環境は解消される。この結果、膨張性シート440は収縮する。
【0053】
膨張性シート440の収縮によって、保護基板530と膨張性シート440との間に空間が作り出される。上述の如く、保護シート110は、接着剤層540に対して、優れた剥離性を有するので、保護シート110は、保護基板530と膨張性シート440との間の空隙を利用して、ディスプレイパネル500から容易に剥離される。その後、ディスプレイパネル500は、収容空間210から取り出される。
【0054】
図2に示される如く、保護シート110には、複数の開口部111が連設されている。使用された開口部111の上流の開口部111が、膨張性シート440の開口領域に重なり合うように、巻取機構121は、保護シート110を巻き取る。この結果、次のディスプレイパネル500を作成するための準備が完了する。その後、ステップS170が実行される。
【0055】
(ステップS170)
ステップS170において、ディスプレイパネル500の生産目標数「N」と、実際の生産数「n」と、が比較される。実際の生産数「n」が、生産目標数「N」に到達していないならば、ステップS120が実行される。他の場合には、ディスプレイパネル500の生産は終了する。
【0056】
図6は、ステップS130において用意される支持基板520と光電デバイス層510との積層体の概略的な断面図である。図1、図5及び図6を用いて、ディスプレイパネル500の製造方法が更に説明される。
【0057】
ステップS130の実行の為に、支持基板520の支持面521に、EL膜やバリア膜といった光電デバイスを用いて、光電デバイス層510が形成される。光電デバイス層510の形成手法は、有機EL(エレクトロルミネセンス)材料を用いた既知のディスプレイパネルの光電デバイスの形成と同様の手法に従ってもよい。
【0058】
支持基板520と光電デバイス層510との積層体は、予め複数(N個)用意される。ステップS130の実行の度に、支持基板520と光電デバイス層510との積層体は、支持部131に設置される。
【0059】
図7は、接着剤層540の形成に用いられる接着剤シートASの概略的な斜視図である。図8は、ステップS130において用意される接着剤層540と保護基板530との積層体の概略的な断面図である。図5、図7及び図8を用いて、ディスプレイパネル500の製造方法が更に説明される。
【0060】
ステップS130の実行の為に、熱硬化性樹脂を用いて形成された接着剤シートASが用意される。接着剤シートASは、保護基板530の接着面531よりも狭いシート片ASPに切り取られる。シート片ASPは、保護基板530の接着面531に接着され、接着剤層540として用いられる。
【0061】
接着剤層540と保護基板530との積層体は、予め複数(N個)用意される。ステップS130の実行の度に、接着剤層540と保護基板530との積層体は、膨張性シート440に取り付けられる。
【0062】
図9は、ステップS140における貼合装置100の概略的な断面図である。図5及び図9を用いて、ステップS140における貼合装置100の動作が説明される。
【0063】
支持基板520と光電デバイス層510との積層体並びに保護基板530と接着剤層540との積層体が下側チャンバ200内に適切に設置されると、シリンダ装置140が作動される。この結果、支持台130の支持部131は、上方に変位し、光電デバイス層510と接着剤層540とが軽く接触する。
【0064】
図10及び図11は、ステップS150における貼合装置100の概略的な断面図である。図5、図10及び図11を用いて、ステップS150における貼合装置100の動作が説明される。
【0065】
上述の如く、ステップS150が開始されると、第2真空装置420が停止される。その一方で、送気装置430が作動される。尚、ステップS150の間、第1真空装置410によって作り出された下側チャンバ200の減圧環境は維持される。したがって、上側チャンバ300の内圧は、下側チャンバ200の内圧よりも大きくなり、膨張性シート440は、支持基板520に向けて膨張する。膨張性シート440の下方への膨張の結果、支持基板520と保護基板530との間の接着剤層540は加圧される。
【0066】
図10は、ステップS150の開始直後の貼合装置100の概略的な断面図である。図10に示される如く、膨張性シート440は、保護基板530の外側において、下方に膨張し、保護シート110を介して、支持基板520の支持面521に圧着される。この結果、膨張性シート440は、支持基板520の支持面521との間で接着剤層540の接着剤の流動を許容する流動空間590を形成する。
【0067】
膨張性シート440の下方への膨張によって、接着剤層540は支持基板520と保護基板530の境界において面内方向に押し広げられる。この結果、接着剤層540の接着剤は、保護基板530の側面533からはみ出し、流動空間590を満たす。かくして、保護基板530の接着面531より広い接着剤層540が形成される(図10参照)。
【0068】
下側チャンバ200と上側チャンバ300との圧力差は、膨張性シート440及び保護シート110が保護基板530の吸着面532に密着又は側面533の一部を被覆するように設定される。この結果、膨張性シート440及び保護シート110は、保護基板530の吸着面532への接着剤の流入を防ぐ障壁として機能する。膨張性シート440によって、保護基板530の吸着面532への接着剤の流入が防止されるので、保護基板530の吸着面532に取り付けられる他の部品(例えば、偏光板やタッチパネル)と接着剤層540との干渉はほとんど生じない。
【0069】
ステップS150において、加熱装置190が作動される。この結果、流動空間590を満たすように拡張された接着剤層540は硬化する。本実施形態において、接着剤層540は、熱硬化性樹脂を用いて形成される。代替的に、接着剤層は、所望のタイミングで硬化させることができる他の材料を用いて形成されてもよい。例えば、接着剤層は、紫外線硬化樹脂を用いて形成されてもよい。紫外線硬化樹脂が用いられるならば、加熱装置190に代えて、接着剤層に紫外線を照射する照射装置が用いられてもよい。
【0070】
図12は、ステップS160における貼合装置100の概略的な断面図である。図5、図11及び図12を用いて、ステップS160における貼合装置100の動作が説明される。
【0071】
接着剤層540の硬化の後、下側チャンバ200内に空気が導入され、第1真空装置410によって作り出された減圧環境は解消される。上側チャンバ300と下側チャンバ200との間の内圧差も解消されるので、膨張性シート440は収縮する。また、シリンダ装置140が作動され、支持台130の支持部131は下方に変位される。この結果、ディスプレイパネル500は、膨張性シート440から離間する。最終的に、ディスプレイパネル500は、下側チャンバ200から取り出される。その後、必要に応じて、偏光板やタッチパネルが保護基板530の吸着面532に取り付けられもよい。上述の如く、接着剤層540の接着剤は、保護基板530の側面533の一部を覆う範囲に留められているので、これらの追加的な部品と接着剤層540との干渉はほとんど生じない。
【0072】
図12に示される如く、ディスプレイパネル500が収容空間210から取り出された後、巻取機構121は保護シート110を巻き取る。図11に示されるように、ステップS150の実行の間、保護シート110は、接着剤層540に接触する。したがって、図12に示される如く、接着剤層540の接着剤の一部が保護シート110に付着することもある。巻取機構121は、保護シート110を巻き取り、保護基板530に対する保護シート110の接触位置を変更するので、保護シート110に付着した接着剤は、次のディスプレイパネル500の製造に対して、ほとんど影響しない。
【0073】
(ディスプレイパネル)
図13は、貼合装置100から取り出されたディスプレイパネル500の概略的な断面図である。図11及び図13を用いて、ディスプレイパネル500が説明される。
【0074】
ディスプレイパネル500は、上述の如く、略矩形状の支持基板520を備える。支持基板520の支持面521には、EL膜やバリア膜といった光電デバイスを用いて形成された光電デバイス層510が配設される。ディスプレイパネル500に入力された映像信号に基づき、光電デバイス層510に電流が供給され、光電デバイス層510が発光する。この結果、光電デバイス層510は、映像信号に応じた映像を表示することとなる。光電デバイス層510は、有機EL(エレクトロルミネセンス)材料を用いた既知のディスプレイパネルに採用される構造であってもよい。
【0075】
上述の如く、ディスプレイパネル500は、光電デバイス層510を覆うように、接着剤を用いて形成された接着剤層540と、接着剤層540を介して支持基板520に接着される保護基板530と、を備える。保護基板530は、支持基板520に対向する接着面531と、接着面531とは反対側の吸着面532と、接着面531及び吸着面532を取り囲む側面533と、を含む。保護基板530の接着面531は、接着剤層540の接着剤によって、支持基板520の支持面521に接着される。
【0076】
接着剤層540は、光電デバイス層510を封止する役割を担う。保護基板530は、光電デバイス層510を保護する役割を担う。以下の説明において、保護基板530と支持基板520との積層構造は、「積層基板550」と称される。必要に応じて、ディスプレイパネル500は、積層基板550に加えて、保護基板530の吸着面532に取り付けられる偏光板(図示せず)やタッチパネル(図示せず)を更に備えてもよい。
【0077】
本実施形態において、支持基板520及び保護基板530は、可撓性を有する。したがって、ディスプレイパネル500は、フレキシブルディスプレイ装置として機能する。代替的に、支持基板520及び保護基板530のうち一方が可撓性を有してもよい。更に代替的に、支持基板520及び保護基板530は、比較的高い剛性を有してもよい。
【0078】
保護基板530の接着面531は、支持基板520の支持面521よりも狭く、且つ、光電デバイス層510よりも広く形成される。以下の説明において、保護基板530の接着面531と支持基板520の支持面521との間の境界は、「境界領域」と称される。
【0079】
保護基板530と支持基板520との境界領域に介在する接着剤層540は、光電デバイス層510並びに保護基板530の接着面531より広く、且つ、支持基板520の支持面521よりも狭く形成される。境界領域からはみ出した接着剤層540の接着剤は、保護基板530の側面533の一部を覆う。接着剤層540の接着剤は、保護基板530の側面533の一部を覆う領域に留められるので、保護基板530の吸着面532に取り付けられた追加的な部品(例えば、偏光板やタッチパネル)と接着剤層540との干渉はほとんど生じない。
【0080】
上述の実施形態において、保護シート110は、巻取機構121と搭載部122とを備える位置変更部120によって、搬送される。代替的に、保護シート110を適切に移動及び/又は搬送し、保護シート110と保護基板530との接触位置を変更することができる他の機構が、位置変更部として用いられてもよい。
【0081】
上述のディスプレイパネル500は、有機ELを用いて、映像を表示する。本実施形態の原理は、有機ELを用いるディスプレイパネル500の製造だけでなく、他の表示方式にしたがって映像を表示するディスプレイパネルの製造にも同様に適用可能である。
【0082】
上述の貼合装置100は、ディスプレイパネル500を製造するための製造装置に好適に組み込まれる。ディスプレイパネル500の製造工程中の一対の基板を貼り合わせる貼合工程において、上述の貼合装置100が用いられるならば、ディスプレイパネル500は、高い生産効率で製造されることとなる。
【0083】
上述された実施形態に係る貼合装置は、以下の構成を有する。したがって、貼合装置は、ディスプレイパネルを高い生産効率で製造することができる。
【0084】
上述された実施形態の一の局面に係る第1基板と第2基板とを接着剤を用いて貼り合わせる貼合装置は、前記第1基板と前記第2基板との間の前記接着剤を加圧する加圧機構と、前記第2基板と前記加圧機構との間に配置され、前記接着剤から前記加圧機構を保護する保護シートと、前記第2基板に対する前記保護シートの接触位置を変更する位置変更部と、を備えることを特徴とする。
【0085】
上記構成によれば、貼合装置は、第1基板と第2基板とを、接着剤を用いて、貼り合わせる。加圧機構は、第1基板と第2基板との間の接着剤を加圧するので、接着剤は、面内方向に流動する。保護シートは、第2基板と加圧機構との間に配設されるので、加圧機構は、保護シートによって、接着剤から適切に保護される。位置変更部は、第2基板に対する保護シートの接触位置を変更するので、保護シートに付着した接着剤は、次の貼合工程にほとんど影響を与えない。したがって、ディスプレイパネルの生産効率は、高い水準で維持される。
【0086】
上記構成において、前記保護シートは、帯状に形成され、前記位置変更部は、前記保護シートを巻き取る巻取機構を含むことが好ましい。
【0087】
上記構成によれば、巻取機構は、帯状の保護シートを巻き取るので、使用後の保護シートは、小さな空間内で保持されることとなる。
【0088】
上記構成において、前記保護シートは、ロール状に巻回され、前記位置変更部は、前記ロール状の保護シートが搭載される搭載部を含むことが好ましい。
【0089】
上記構成によれば、ロール状に巻回された保護シートが搭載部に搭載され、巻取機構の巻取動作によって、第2基板に対する保護シートの位置は変更される。したがって、使用前の保護シートは、小さな空間内で保持されることとなる。
【0090】
上記構成において、前記保護シートは、フッ素樹脂含浸硝子クロス、シリコンゴム及びテフロン(登録商標)含浸硝子クロスからなる群から選択される材料から形成されることが好ましい。
【0091】
上記構成によれば、保護シートは、フッ素樹脂含浸硝子クロス、シリコンゴム及びテフロン(登録商標)含浸硝子クロスからなる群から選択される材料から形成されるので、接着剤は、保護シートに不必要に付着しない。したがって、保護シートは、第1基板と第2基板との間の接着剤の層をほとんど損傷させない。
【0092】
上記構成において、前記加圧機構は、前記第1基板と前記第2基板との間の接着剤が前記第2基板の縁部からはみ出すように前記第2基板を加圧することが好ましい。
【0093】
上記構成によれば、加圧機構は、第1基板と第2基板との間の接着剤が第2基板の縁部からはみ出すように、第2基板を加圧するので、第1基板と第2基板との間の境界は接着剤によって満たされる。したがって、第1基板と第2基板との間の剥離は生じにくくなる。
【0094】
上記構成において、貼合装置は、前記第1基板を支持する支持部を更に備え、前記第1基板は、前記第2基板よりも広いことが好ましい。
【0095】
上記構成によれば、第1基板は、第2基板より広いので、接着剤は、第1基板を支持する支持部にほとんど付着しない。
【0096】
上記構成において、前記加圧機構は、前記第2基板と協働して前記保護シートを挟持する膨張性シートと、該膨張性シートと協働して前記第1基板と前記第2基板とを収容するための収容空間を規定する第1チャンバと、前記収容空間を減圧する減圧部と、を含み、前記膨張性シートは、前記収容空間内の圧力低下に伴い膨張し、前記第2基板を前記第1基板に押しつけることが好ましい。
【0097】
上記構成によれば、膨張性シートは、第2基板と協働して保護シートを挟持する。第1チャンバは、膨張性シートと協働して第1基板と第2基板とを収容するための収容空間を規定する。減圧部が収容空間を減圧すると、膨張性シートは、収容空間内の圧力低下に伴い膨張し、第2基板を第1基板に押しつける。この結果、接着剤は、面内方向に流動する。膨張性シートと第2基板とによって挟持された保護シートは、膨張性シートを接着剤から保護する。位置変更部は、第2基板に対する保護シートの接触位置を変更するので、保護シートに付着した接着剤は、次の貼合工程にほとんど影響を与えない。したがって、ディスプレイパネルの生産効率は、高い水準で維持される。
【0098】
上記構成において、前記加圧機構は、前記第1チャンバに向けて開口した連通口と、前記減圧部によって内圧調整がなされる調整空間と、を規定する第2チャンバを備え、前記連通口を閉塞するように前記第2チャンバに取り付けられた前記膨張性シートは、前記収容空間と前記調整空間とを連通させる貫通穴が形成された開口領域を含み、前記調整空間が減圧されている間、前記第2基板は、前記開口領域の前記貫通穴を閉塞することが好ましい。
【0099】
上記構成によれば、第2チャンバは、第1チャンバに向けて開口した連通口と、減圧部によって内圧調整がなされる調整空間と、を規定する。膨張性シートは、連通口を閉塞するように第2チャンバに取り付けられる。膨張性シートは、収容空間と調整空間とを連通させる貫通穴が形成された開口領域を含む。調整空間が減圧されている間、第2基板は、開口領域の前記貫通穴を閉塞する。したがって、第2基板は、膨張性シートに適切に吸着並びに保持される。
【0100】
上記構成において、前記保護シートには、前記第2基板の面積よりも小さい開口部が形成され、前記第2基板は、前記開口部を介して、前記開口領域の前記貫通穴に吸着されることが好ましい。
【0101】
上記構成によれば、保護シートには、開口部が形成される。第2基板は、開口部を介して、開口領域の前記貫通穴に吸着される。開口部は、第2基板の面積よりも小さいので、保護シートは、膨張性シートを接着剤から適切に保護することができる。
【0102】
上述された実施形態の他の局面に係るディスプレイパネルの製造装置は、上述の貼合装置を含むことを特徴とする。
【0103】
上記構成によれば、ディスプレイパネルの製造装置は、上述の貼合装置を含むので、ディスプレイパネルの生産効率は、高い水準で維持される。
【産業上の利用可能性】
【0104】
上述の実施形態に係る原理は、映像を表示するためのディスプレイパネルの製造に好適に適用される。
【符号の説明】
【0105】
100・・・・・・・・・・貼合装置
110・・・・・・・・・・保護シート
111・・・・・・・・・・開口部
120・・・・・・・・・・位置変更部
121・・・・・・・・・・巻取機構
122・・・・・・・・・・搭載部
131・・・・・・・・・・支持部
200・・・・・・・・・・下側チャンバ
300・・・・・・・・・・上側チャンバ
310・・・・・・・・・・連通口
320・・・・・・・・・・調整空間
400・・・・・・・・・・加圧機構
410・・・・・・・・・・第1真空装置
420・・・・・・・・・・第2真空装置
430・・・・・・・・・・送気装置
440・・・・・・・・・・膨張性シート
441・・・・・・・・・・貫通穴
520・・・・・・・・・・支持基板
530・・・・・・・・・・保護基板
540・・・・・・・・・・接着剤層
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイパネルの基板を貼り合わせるための貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶や有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を用いたディスプレイパネルは、典型的には、一対の基板と、基板間に配設された接着剤と、を備える。基板間の接着剤は、基板同士を接着させるだけでなく、基板上に形成された光電デバイスを封止する役割を担う。
【0003】
特許文献1は、ディスプレイパネルの製造方法を開示する。特許文献1の技術によれば、一対の基板と、基板間に配設された接着剤と、を備える積層体が用意される。積層体は、加圧装置を用いて、加圧され、一対の基板は、接着剤によって接着される。
【0004】
加圧装置は、積層体が配設されるチャンバと、チャンバ内の積層体に向けて膨張するエアバッグと、を備える。エアバッグの膨張によって、一対の基板が圧縮並びに接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−255540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一対の基板同士の圧着の結果、基板間に配設された接着剤は、面内方向に流動する。最終的に、接着剤は、基板の縁部からはみ出すので、エアバッグは、接着剤によって汚染されることもある。
【0007】
新たにディスプレイパネルを製造するために、エアバッグに付着した接着剤は除去される必要がある。エアバッグの清掃作業は、ディスプレイパネルの生産効率を悪化させる。
【0008】
エアバッグに対して、接着剤の剥離を促すための表面処理が施与されることもある。しかしながら、エアバッグの表面は、接着剤に直接的に接触するので、表面処理に拘わらず、接着剤がエアバッグに付着することがある。
【0009】
本発明は、接着剤の付着を抑制し、ディスプレイパネルの高い生産効率を達成することができる貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の局面に係る第1基板と第2基板とを接着剤を用いて貼り合わせる貼合装置は、前記第1基板と前記第2基板との間の前記接着剤を加圧する加圧機構と、前記第2基板と前記加圧機構との間に配置され、前記接着剤から前記加圧機構を保護する保護シートと、前記第2基板に対する前記保護シートの接触位置を変更する位置変更部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の局面に係るディスプレイパネルを製造するための製造装置は、上述の貼合装置を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置は、接着剤から加圧機構を保護する保護シートが変位されるので、ディスプレイパネルを高い生産効率で製造することに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ディスプレイパネルを製造するために一対の基板を貼り合わせる貼合装置の概略的な断面図である。
【図2】図1に示される貼合装置の保護シートの概略的な平面図である。
【図3】図1に示される貼合装置によって製造されるディスプレイパネルの概略的な平面図である。
【図4】図1に示される貼合装置の膨張性シートの概略的な平面図である。
【図5】図3に示されるディスプレイパネルをN個製造するための製造方法の概略的なフローチャートである。
【図6】図5に示される製造方法のステップS130において用意される支持基板と光電デバイス層との積層体の概略的な断面図である。
【図7】図3に示されるディスプレイパネルの接着剤層の形成に用いられる接着剤シートの概略的な斜視図である。
【図8】図5に示される製造方法のステップS130において用意される接着剤層と保護基板との積層体の概略的な断面図である。
【図9】図5に示される製造方法のステップS140における貼合装置の概略的な断面図である。
【図10】図5に示される製造方法のステップS150における貼合装置の概略的な断面図である。
【図11】図5に示される製造方法のステップS150における貼合装置の概略的な断面図である。
【図12】図5に示される製造方法のステップS160における貼合装置の概略的な断面図である。
【図13】図1に示される貼合装置から取り出されたディスプレイパネルの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、ディスプレイパネルを製造するために一対の基板を貼り合わせる貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置が添付の図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、貼合装置及びディスプレイパネルの製造装置の原理はこれらに何ら限定されるものではない。
【0015】
(貼合装置)
図1は、ディスプレイパネル500を製造するために一対の基板を貼り合わせる貼合装置100の概略的な断面図である。図1を用いて、貼合装置100が説明される。尚、以下の説明において用いられる「上」や「下」といった方向を表す用語は、本実施形態の原理を明瞭化させるためのものであり、本実施形態の原理を何ら限定するものではない。
【0016】
貼合装置100は、映像を表示するための光電デバイスが配設された光電デバイス層510を支持する支持基板520と、光電デバイス層510を被覆並びに保護する保護基板530と、を貼り合わせ、ディスプレイパネル500を製造する。貼合装置100は、支持基板520と保護基板530とを収容する収容空間210を規定する下側チャンバ200と、下側チャンバ200の上方に配設される上側チャンバ300と、を備える。本実施形態において、支持基板520は、第1基板として例示される。また、保護基板530は、第2基板として例示される。
【0017】
支持基板520は、光電デバイス層510を支持する支持面521を含む。支持面521が上側チャンバ300に対向するように、支持基板520は、収容空間210内に設置される。
【0018】
ディスプレイパネル500は、接着剤を用いて形成された接着剤層540を更に備える。保護基板530は、支持基板520の支持面521に対向する接着面531を含む。接着剤層540は、接着面531に固定される。接着剤層540が光電デバイス層510に対向するように、保護基板530は、収容空間210内に設置される。
【0019】
貼合装置100は、支持基板520と保護基板530との間に配設された接着剤層540を加圧する加圧機構400を備える。上述の下側チャンバ200及び上側チャンバ300は、加圧機構400の一部として用いられる。本実施形態において、下側チャンバ200は、第1チャンバとして例示される。
【0020】
加圧機構400は、収容空間210から空気を吸引し、収容空間210を減圧する第1真空装置410を更に備える。支持基板520と保護基板530との接着の間、収容空間210は、第1真空装置410を用いて減圧される。本実施形態において、第1真空装置410は、減圧部として例示される。
【0021】
上側チャンバ300は、下側チャンバ200に向けて開口した連通口310と、収容空間210の内圧に対する圧力差を作り出すために内圧調整がなされる調整空間320と、を規定する。本実施形態において、上側チャンバ300は、第2チャンバとして例示される。
【0022】
加圧機構400は、調整空間320から空気を吸引し、調整空間320を減圧する第2真空装置420と、調整空間320内に空気を送り込む送気装置430と、を更に備える。第2真空装置420が作動するならば、減圧された収容空間210と調整空間320との間の内圧差は低減する。送気装置430が作動するならば、減圧された収容空間210と調整空間320との間の内圧差は増大する。したがって、第2真空装置420及び送気装置430は、調整空間320内の内圧並びに減圧された収容空間210と調整空間320との間の内圧差を適切に調整することができる。本実施形態において、第1真空装置410に加えて、第2真空装置420及び送気装置430も、減圧部として例示される。尚、送気装置430は、省略されてもよい。例えば、調整空間320内に適時に空気を流入させることができる弁体が送気装置430の代わりに用いられてもよい。
【0023】
加圧機構400は、連通口310を閉塞するように上側チャンバ300に取り付けられた膨張性シート440を更に備える。したがって、膨張性シート440は、上側チャンバ300と協働して、収容空間210を規定する。収容空間210の内圧が、調整空間320の内圧を下回ると、膨張性シート440は、収容空間210に向けて膨張する。この結果、膨張性シート440と支持基板520との間に配設された保護基板530は支持基板520に押しつけられる。また、接着剤層540は、支持基板520と保護基板530との間で圧縮され、保護基板530の接着面531を覆うように拡がる。かくして、支持基板520及び保護基板530は、接着剤層540によって適切に貼り合わせられる。
【0024】
貼合装置100は、保護基板530と膨張性シート440との間を通過するように配設された帯状の保護シート110を更に備える。したがって、膨張性シート440が収容空間210に向けて膨張すると、帯状に形成された保護シート110は、膨張性シート440と保護基板530とに挟まれることとなる。
【0025】
上述の如く、膨張性シート440によって加圧された接着剤層540は、保護基板530の接着面531を覆うように拡がる。支持基板520の支持面521は、保護基板530の接着面531より広く形成されるので、接着剤層540の接着剤は、最終的に、保護基板530の側縁からはみ出すこととなる。
【0026】
保護基板530及び接着剤層540を加圧する膨張性シート440は、保護基板530よりも広い面積を有する。したがって、保護基板530及び接着剤層540を加圧する膨張性シート440は、保護基板530の周囲で支持基板520の支持面521をも押圧する。保護シート110は、膨張性シート440の表面を覆うので、保護基板530の側縁からはみ出した接着剤は、保護シート110に付着する。したがって、保護シート110は、膨張性シート440を接着剤から適切に保護することができる。
【0027】
貼合装置100は、保護基板530に対する保護シート110の接触位置を変更する位置変更部120を更に備える。位置変更部120は、帯状の保護シート110の下流端が接続される巻取機構121と、ロール状に巻回された保護シート110が搭載される搭載部122と、を含む。巻取機構121及び搭載部122は、上側チャンバ300の調整空間320外に設置される。
【0028】
支持基板520と保護基板530との接着によって、保護シート110に接着剤が付着することもある。支持基板520と保護基板530との接着の後、巻取機構121は、保護シート110を巻き取る。この結果、搭載部122から新たな保護シート110が巻出される。収容空間210に新たに保護基板530及び支持基板520が配設されると、保護シート110の新たな表面が保護基板530に接触することとなる。したがって、保護シート110に付着した接着剤は、新たなディスプレイパネル500の製造をほとんど妨げない。かくして、貼合装置100は、ディスプレイパネル500の高い生産効率の達成に貢献する。
【0029】
貼合装置100は、下側チャンバ200内に配設された支持台130と、支持台130を上下動させるシリンダ装置140と、を備える。支持台130は、支持基板520が載置される支持部131と、支持部131を支持するシャフト132と、を備える。シャフト132は、ベローズ133を含む。シリンダ装置140が支持部131を上下動させると、ベローズ133は伸縮する。
【0030】
貼合装置100は、下側チャンバ200と上側チャンバ300との間に配設されたシール部材180を更に備える。シール部材180は、下側チャンバ200と上側チャンバ300との間の境界を気密にするので、下側チャンバ200及び上側チャンバ300内で作り出された減圧環境は適切に維持される。
【0031】
貼合装置100は、下側チャンバ200の収容空間210を加熱する加熱装置190を更に備える。加熱装置190は、接着剤層540を硬化するために用いられる。
【0032】
(保護シート)
図2は、保護シート110の概略的な平面図である。図1及び図2を用いて、保護シート110が説明される。
【0033】
保護シート110は、上述の如く、帯状に形成される。ロール状に巻回された保護シート110は、搭載部122に搭載される。保護シート110の下流端は、保護シート110のロールから引き出され、巻取機構121に巻き付けられる。巻取機構121が保護シート110を巻き取ると、保護シート110は搭載部122から巻取機構121に向けて搬送される。
【0034】
保護シート110には、保護シート110の搬送方向に沿って整列された矩形状の開口部111が複数形成される。支持基板520に対する保護基板530の接着の度に、開口部111が保護基板530の上方に位置するように、巻取機構121は保護シート110を巻き取る。
【0035】
図1に示される如く、膨張性シート440は、多数の貫通穴441が形成された開口領域を含む。図2において点線で描かれた矩形枠は、膨張性シート440の開口領域を表す。開口部111は、好ましくは、膨張性シート440の開口領域よりも広く形成される。
【0036】
図1に示される如く、膨張性シート440の貫通穴441は、収容空間210と調整空間320とを連通させる。保護基板530は、支持基板520に接着される接着面531とは反対側の吸着面532を含む。第2真空装置420によって調整空間320が減圧された後、吸着面532が開口領域の貫通穴441を閉塞するように、保護基板530は、収容空間210内に設置される。この結果、保護基板530の吸着面532は、膨張性シート440に吸着されることとなる。かくして、保護基板530は、膨張性シート440によって、収容空間210内で保持されることとなる。
【0037】
図3は、ディスプレイパネル500の概略的な平面図である。図1及び図3を用いて、支持基板520に対する保護基板530の貼り合わせが説明される。
【0038】
保護基板530は、支持基板520より狭く形成される。保護基板530は、接着面531及び吸着面532を取り囲む側面533を更に含む。膨張性シート440が保護基板530を支持基板520に押しつけると、保護基板530と支持基板520との間の接着剤層540は、保護基板530の接着面531に沿って拡がり、最終的に、接着剤層540の接着剤は、保護基板530の四辺からはみ出す。
【0039】
図4は、膨張性シート440の概略的な平面図である。図1及び図4を用いて、支持基板520に対する保護基板530の貼り合わせが説明される。
【0040】
図4に示される如く、膨張性シート440には、多数の貫通穴441が形成される。保護シート110の開口部111が、多数の貫通穴441が形成された開口領域に重なり合うように、巻取機構121は、保護シート110の位置を調整する。この結果、保護基板530は、貫通穴441並びに開口部111を介した真空圧によって、膨張性シート440に吸着される。
【0041】
保護シート110の開口部111は、膨張性シート440の開口領域よりも広く形成される一方で、保護基板530よりも狭く形成される。したがって、保護シート110は、保護基板530からはみ出した接着剤層540を適切に覆う。かくして、保護基板530からはみ出した接着剤層540の接着剤は、膨張性シート440にほとんど付着しない。
【0042】
保護シート110は、保護基板530からはみ出した接着剤層540に接触するので、保護シート110は、好ましくは、接着剤層540の接着剤が乗り移りにくい材料から形成される。このような材料として、フッ素樹脂含浸硝子クロス、シリコンゴムやテフロン(登録商標)含浸硝子クロスが例示される。保護シート110がこれらの材料を用いて形成されるならば、保護シート110は、接着剤層540を損傷しにくくなる。
【0043】
(ディスプレイパネルの製造方法)
図5は、「N個」のディスプレイパネル500を製造するための例示的な製造方法の概略的なフローチャートである。図1、図2及び図5を用いて、ディスプレイパネル500の製造方法が説明される。
【0044】
(ステップS110)
ディスプレイパネル500の製造方法において、ステップS110が最初に実行される。ステップS110に示される変数「n」は、ディスプレイパネル500の製造数量を表す。ステップS110において、変数「n」のデフォルト値として、「0」の値が設定される。その後、ステップS120が実行される。
【0045】
(ステップS120)
ステップS120において、変数「n」に「1」の値が加算される。その後、ステップS130が実行される。
【0046】
(ステップS130)
ステップS130において、支持基板520と光電デバイス層510との積層体は、支持台130の支持部131上に設置される。このとき、光電デバイス層510が膨張性シート440の開口領域の下方に位置するように、支持基板520は支持部131に対して位置決めされる。
【0047】
ステップS130において、第2真空装置420が作動される。この結果、調整空間320は減圧される。このとき、保護基板530の吸着面532が膨張性シート440の開口領域に形成された貫通穴441を閉塞するように、保護基板530及び接着剤層540との積層体が膨張性シート440に取り付けられる。調整空間320内に作り出された減圧環境によって、保護基板530及び接着剤層540との積層体は、膨張性シート440に適切に吸着される。尚、ステップS130において、好ましくは、第1真空装置410も作動される。第1真空装置410によって収容空間210も減圧されるので、貼り合せ時の気泡が入りにくくなる。
【0048】
支持基板520と光電デバイス層510との積層体が支持部131上に設置され、且つ、保護基板530及び接着剤層540との積層体が膨張性シート440に吸着されると、ステップS140が実行される。
【0049】
(ステップS140)
ステップS140において、シリンダ装置140が作動される。シリンダ装置140は、支持部131を膨張性シート440に向けて変位させる。この結果、支持基板520の支持面521上に形成された光電デバイス層510は、保護基板530に取り付けられた接着剤層540に接触する。支持基板520と保護基板530との積層の後、ステップS150が実行される。
【0050】
(ステップS150)
ステップS150において、第2真空装置420が停止される一方で、送気装置430が作動される。この結果、調整空間320の内圧は、収容空間210の内圧よりも大きくなる。したがって、膨張性シート440は、収容空間210に向けて膨張する。接着剤層540が保護基板530と支持基板520との間の境界からはみ出すまで、膨張性シート440は、保護基板530並びに接着剤層540を支持基板520に押しつける。この結果、保護基板530及び接着剤層540は、支持基板520に圧着される。
【0051】
支持基板520と保護基板530との圧着の間、加熱装置190が作動される。この結果、収容空間210は加熱される。本実施形態において、接着剤層540は、熱硬化性樹脂を用いて形成される。したがって、収容空間210の温度上昇に伴って、接着剤層540は硬化する。接着剤層540の硬化の後、ステップS160が実行される。
【0052】
(ステップS160)
ステップS160において、第1真空装置410は停止される。収容空間210に空気が供給され、第1真空装置410によって収容空間210に作り出された減圧環境は解消される。この結果、膨張性シート440は収縮する。
【0053】
膨張性シート440の収縮によって、保護基板530と膨張性シート440との間に空間が作り出される。上述の如く、保護シート110は、接着剤層540に対して、優れた剥離性を有するので、保護シート110は、保護基板530と膨張性シート440との間の空隙を利用して、ディスプレイパネル500から容易に剥離される。その後、ディスプレイパネル500は、収容空間210から取り出される。
【0054】
図2に示される如く、保護シート110には、複数の開口部111が連設されている。使用された開口部111の上流の開口部111が、膨張性シート440の開口領域に重なり合うように、巻取機構121は、保護シート110を巻き取る。この結果、次のディスプレイパネル500を作成するための準備が完了する。その後、ステップS170が実行される。
【0055】
(ステップS170)
ステップS170において、ディスプレイパネル500の生産目標数「N」と、実際の生産数「n」と、が比較される。実際の生産数「n」が、生産目標数「N」に到達していないならば、ステップS120が実行される。他の場合には、ディスプレイパネル500の生産は終了する。
【0056】
図6は、ステップS130において用意される支持基板520と光電デバイス層510との積層体の概略的な断面図である。図1、図5及び図6を用いて、ディスプレイパネル500の製造方法が更に説明される。
【0057】
ステップS130の実行の為に、支持基板520の支持面521に、EL膜やバリア膜といった光電デバイスを用いて、光電デバイス層510が形成される。光電デバイス層510の形成手法は、有機EL(エレクトロルミネセンス)材料を用いた既知のディスプレイパネルの光電デバイスの形成と同様の手法に従ってもよい。
【0058】
支持基板520と光電デバイス層510との積層体は、予め複数(N個)用意される。ステップS130の実行の度に、支持基板520と光電デバイス層510との積層体は、支持部131に設置される。
【0059】
図7は、接着剤層540の形成に用いられる接着剤シートASの概略的な斜視図である。図8は、ステップS130において用意される接着剤層540と保護基板530との積層体の概略的な断面図である。図5、図7及び図8を用いて、ディスプレイパネル500の製造方法が更に説明される。
【0060】
ステップS130の実行の為に、熱硬化性樹脂を用いて形成された接着剤シートASが用意される。接着剤シートASは、保護基板530の接着面531よりも狭いシート片ASPに切り取られる。シート片ASPは、保護基板530の接着面531に接着され、接着剤層540として用いられる。
【0061】
接着剤層540と保護基板530との積層体は、予め複数(N個)用意される。ステップS130の実行の度に、接着剤層540と保護基板530との積層体は、膨張性シート440に取り付けられる。
【0062】
図9は、ステップS140における貼合装置100の概略的な断面図である。図5及び図9を用いて、ステップS140における貼合装置100の動作が説明される。
【0063】
支持基板520と光電デバイス層510との積層体並びに保護基板530と接着剤層540との積層体が下側チャンバ200内に適切に設置されると、シリンダ装置140が作動される。この結果、支持台130の支持部131は、上方に変位し、光電デバイス層510と接着剤層540とが軽く接触する。
【0064】
図10及び図11は、ステップS150における貼合装置100の概略的な断面図である。図5、図10及び図11を用いて、ステップS150における貼合装置100の動作が説明される。
【0065】
上述の如く、ステップS150が開始されると、第2真空装置420が停止される。その一方で、送気装置430が作動される。尚、ステップS150の間、第1真空装置410によって作り出された下側チャンバ200の減圧環境は維持される。したがって、上側チャンバ300の内圧は、下側チャンバ200の内圧よりも大きくなり、膨張性シート440は、支持基板520に向けて膨張する。膨張性シート440の下方への膨張の結果、支持基板520と保護基板530との間の接着剤層540は加圧される。
【0066】
図10は、ステップS150の開始直後の貼合装置100の概略的な断面図である。図10に示される如く、膨張性シート440は、保護基板530の外側において、下方に膨張し、保護シート110を介して、支持基板520の支持面521に圧着される。この結果、膨張性シート440は、支持基板520の支持面521との間で接着剤層540の接着剤の流動を許容する流動空間590を形成する。
【0067】
膨張性シート440の下方への膨張によって、接着剤層540は支持基板520と保護基板530の境界において面内方向に押し広げられる。この結果、接着剤層540の接着剤は、保護基板530の側面533からはみ出し、流動空間590を満たす。かくして、保護基板530の接着面531より広い接着剤層540が形成される(図10参照)。
【0068】
下側チャンバ200と上側チャンバ300との圧力差は、膨張性シート440及び保護シート110が保護基板530の吸着面532に密着又は側面533の一部を被覆するように設定される。この結果、膨張性シート440及び保護シート110は、保護基板530の吸着面532への接着剤の流入を防ぐ障壁として機能する。膨張性シート440によって、保護基板530の吸着面532への接着剤の流入が防止されるので、保護基板530の吸着面532に取り付けられる他の部品(例えば、偏光板やタッチパネル)と接着剤層540との干渉はほとんど生じない。
【0069】
ステップS150において、加熱装置190が作動される。この結果、流動空間590を満たすように拡張された接着剤層540は硬化する。本実施形態において、接着剤層540は、熱硬化性樹脂を用いて形成される。代替的に、接着剤層は、所望のタイミングで硬化させることができる他の材料を用いて形成されてもよい。例えば、接着剤層は、紫外線硬化樹脂を用いて形成されてもよい。紫外線硬化樹脂が用いられるならば、加熱装置190に代えて、接着剤層に紫外線を照射する照射装置が用いられてもよい。
【0070】
図12は、ステップS160における貼合装置100の概略的な断面図である。図5、図11及び図12を用いて、ステップS160における貼合装置100の動作が説明される。
【0071】
接着剤層540の硬化の後、下側チャンバ200内に空気が導入され、第1真空装置410によって作り出された減圧環境は解消される。上側チャンバ300と下側チャンバ200との間の内圧差も解消されるので、膨張性シート440は収縮する。また、シリンダ装置140が作動され、支持台130の支持部131は下方に変位される。この結果、ディスプレイパネル500は、膨張性シート440から離間する。最終的に、ディスプレイパネル500は、下側チャンバ200から取り出される。その後、必要に応じて、偏光板やタッチパネルが保護基板530の吸着面532に取り付けられもよい。上述の如く、接着剤層540の接着剤は、保護基板530の側面533の一部を覆う範囲に留められているので、これらの追加的な部品と接着剤層540との干渉はほとんど生じない。
【0072】
図12に示される如く、ディスプレイパネル500が収容空間210から取り出された後、巻取機構121は保護シート110を巻き取る。図11に示されるように、ステップS150の実行の間、保護シート110は、接着剤層540に接触する。したがって、図12に示される如く、接着剤層540の接着剤の一部が保護シート110に付着することもある。巻取機構121は、保護シート110を巻き取り、保護基板530に対する保護シート110の接触位置を変更するので、保護シート110に付着した接着剤は、次のディスプレイパネル500の製造に対して、ほとんど影響しない。
【0073】
(ディスプレイパネル)
図13は、貼合装置100から取り出されたディスプレイパネル500の概略的な断面図である。図11及び図13を用いて、ディスプレイパネル500が説明される。
【0074】
ディスプレイパネル500は、上述の如く、略矩形状の支持基板520を備える。支持基板520の支持面521には、EL膜やバリア膜といった光電デバイスを用いて形成された光電デバイス層510が配設される。ディスプレイパネル500に入力された映像信号に基づき、光電デバイス層510に電流が供給され、光電デバイス層510が発光する。この結果、光電デバイス層510は、映像信号に応じた映像を表示することとなる。光電デバイス層510は、有機EL(エレクトロルミネセンス)材料を用いた既知のディスプレイパネルに採用される構造であってもよい。
【0075】
上述の如く、ディスプレイパネル500は、光電デバイス層510を覆うように、接着剤を用いて形成された接着剤層540と、接着剤層540を介して支持基板520に接着される保護基板530と、を備える。保護基板530は、支持基板520に対向する接着面531と、接着面531とは反対側の吸着面532と、接着面531及び吸着面532を取り囲む側面533と、を含む。保護基板530の接着面531は、接着剤層540の接着剤によって、支持基板520の支持面521に接着される。
【0076】
接着剤層540は、光電デバイス層510を封止する役割を担う。保護基板530は、光電デバイス層510を保護する役割を担う。以下の説明において、保護基板530と支持基板520との積層構造は、「積層基板550」と称される。必要に応じて、ディスプレイパネル500は、積層基板550に加えて、保護基板530の吸着面532に取り付けられる偏光板(図示せず)やタッチパネル(図示せず)を更に備えてもよい。
【0077】
本実施形態において、支持基板520及び保護基板530は、可撓性を有する。したがって、ディスプレイパネル500は、フレキシブルディスプレイ装置として機能する。代替的に、支持基板520及び保護基板530のうち一方が可撓性を有してもよい。更に代替的に、支持基板520及び保護基板530は、比較的高い剛性を有してもよい。
【0078】
保護基板530の接着面531は、支持基板520の支持面521よりも狭く、且つ、光電デバイス層510よりも広く形成される。以下の説明において、保護基板530の接着面531と支持基板520の支持面521との間の境界は、「境界領域」と称される。
【0079】
保護基板530と支持基板520との境界領域に介在する接着剤層540は、光電デバイス層510並びに保護基板530の接着面531より広く、且つ、支持基板520の支持面521よりも狭く形成される。境界領域からはみ出した接着剤層540の接着剤は、保護基板530の側面533の一部を覆う。接着剤層540の接着剤は、保護基板530の側面533の一部を覆う領域に留められるので、保護基板530の吸着面532に取り付けられた追加的な部品(例えば、偏光板やタッチパネル)と接着剤層540との干渉はほとんど生じない。
【0080】
上述の実施形態において、保護シート110は、巻取機構121と搭載部122とを備える位置変更部120によって、搬送される。代替的に、保護シート110を適切に移動及び/又は搬送し、保護シート110と保護基板530との接触位置を変更することができる他の機構が、位置変更部として用いられてもよい。
【0081】
上述のディスプレイパネル500は、有機ELを用いて、映像を表示する。本実施形態の原理は、有機ELを用いるディスプレイパネル500の製造だけでなく、他の表示方式にしたがって映像を表示するディスプレイパネルの製造にも同様に適用可能である。
【0082】
上述の貼合装置100は、ディスプレイパネル500を製造するための製造装置に好適に組み込まれる。ディスプレイパネル500の製造工程中の一対の基板を貼り合わせる貼合工程において、上述の貼合装置100が用いられるならば、ディスプレイパネル500は、高い生産効率で製造されることとなる。
【0083】
上述された実施形態に係る貼合装置は、以下の構成を有する。したがって、貼合装置は、ディスプレイパネルを高い生産効率で製造することができる。
【0084】
上述された実施形態の一の局面に係る第1基板と第2基板とを接着剤を用いて貼り合わせる貼合装置は、前記第1基板と前記第2基板との間の前記接着剤を加圧する加圧機構と、前記第2基板と前記加圧機構との間に配置され、前記接着剤から前記加圧機構を保護する保護シートと、前記第2基板に対する前記保護シートの接触位置を変更する位置変更部と、を備えることを特徴とする。
【0085】
上記構成によれば、貼合装置は、第1基板と第2基板とを、接着剤を用いて、貼り合わせる。加圧機構は、第1基板と第2基板との間の接着剤を加圧するので、接着剤は、面内方向に流動する。保護シートは、第2基板と加圧機構との間に配設されるので、加圧機構は、保護シートによって、接着剤から適切に保護される。位置変更部は、第2基板に対する保護シートの接触位置を変更するので、保護シートに付着した接着剤は、次の貼合工程にほとんど影響を与えない。したがって、ディスプレイパネルの生産効率は、高い水準で維持される。
【0086】
上記構成において、前記保護シートは、帯状に形成され、前記位置変更部は、前記保護シートを巻き取る巻取機構を含むことが好ましい。
【0087】
上記構成によれば、巻取機構は、帯状の保護シートを巻き取るので、使用後の保護シートは、小さな空間内で保持されることとなる。
【0088】
上記構成において、前記保護シートは、ロール状に巻回され、前記位置変更部は、前記ロール状の保護シートが搭載される搭載部を含むことが好ましい。
【0089】
上記構成によれば、ロール状に巻回された保護シートが搭載部に搭載され、巻取機構の巻取動作によって、第2基板に対する保護シートの位置は変更される。したがって、使用前の保護シートは、小さな空間内で保持されることとなる。
【0090】
上記構成において、前記保護シートは、フッ素樹脂含浸硝子クロス、シリコンゴム及びテフロン(登録商標)含浸硝子クロスからなる群から選択される材料から形成されることが好ましい。
【0091】
上記構成によれば、保護シートは、フッ素樹脂含浸硝子クロス、シリコンゴム及びテフロン(登録商標)含浸硝子クロスからなる群から選択される材料から形成されるので、接着剤は、保護シートに不必要に付着しない。したがって、保護シートは、第1基板と第2基板との間の接着剤の層をほとんど損傷させない。
【0092】
上記構成において、前記加圧機構は、前記第1基板と前記第2基板との間の接着剤が前記第2基板の縁部からはみ出すように前記第2基板を加圧することが好ましい。
【0093】
上記構成によれば、加圧機構は、第1基板と第2基板との間の接着剤が第2基板の縁部からはみ出すように、第2基板を加圧するので、第1基板と第2基板との間の境界は接着剤によって満たされる。したがって、第1基板と第2基板との間の剥離は生じにくくなる。
【0094】
上記構成において、貼合装置は、前記第1基板を支持する支持部を更に備え、前記第1基板は、前記第2基板よりも広いことが好ましい。
【0095】
上記構成によれば、第1基板は、第2基板より広いので、接着剤は、第1基板を支持する支持部にほとんど付着しない。
【0096】
上記構成において、前記加圧機構は、前記第2基板と協働して前記保護シートを挟持する膨張性シートと、該膨張性シートと協働して前記第1基板と前記第2基板とを収容するための収容空間を規定する第1チャンバと、前記収容空間を減圧する減圧部と、を含み、前記膨張性シートは、前記収容空間内の圧力低下に伴い膨張し、前記第2基板を前記第1基板に押しつけることが好ましい。
【0097】
上記構成によれば、膨張性シートは、第2基板と協働して保護シートを挟持する。第1チャンバは、膨張性シートと協働して第1基板と第2基板とを収容するための収容空間を規定する。減圧部が収容空間を減圧すると、膨張性シートは、収容空間内の圧力低下に伴い膨張し、第2基板を第1基板に押しつける。この結果、接着剤は、面内方向に流動する。膨張性シートと第2基板とによって挟持された保護シートは、膨張性シートを接着剤から保護する。位置変更部は、第2基板に対する保護シートの接触位置を変更するので、保護シートに付着した接着剤は、次の貼合工程にほとんど影響を与えない。したがって、ディスプレイパネルの生産効率は、高い水準で維持される。
【0098】
上記構成において、前記加圧機構は、前記第1チャンバに向けて開口した連通口と、前記減圧部によって内圧調整がなされる調整空間と、を規定する第2チャンバを備え、前記連通口を閉塞するように前記第2チャンバに取り付けられた前記膨張性シートは、前記収容空間と前記調整空間とを連通させる貫通穴が形成された開口領域を含み、前記調整空間が減圧されている間、前記第2基板は、前記開口領域の前記貫通穴を閉塞することが好ましい。
【0099】
上記構成によれば、第2チャンバは、第1チャンバに向けて開口した連通口と、減圧部によって内圧調整がなされる調整空間と、を規定する。膨張性シートは、連通口を閉塞するように第2チャンバに取り付けられる。膨張性シートは、収容空間と調整空間とを連通させる貫通穴が形成された開口領域を含む。調整空間が減圧されている間、第2基板は、開口領域の前記貫通穴を閉塞する。したがって、第2基板は、膨張性シートに適切に吸着並びに保持される。
【0100】
上記構成において、前記保護シートには、前記第2基板の面積よりも小さい開口部が形成され、前記第2基板は、前記開口部を介して、前記開口領域の前記貫通穴に吸着されることが好ましい。
【0101】
上記構成によれば、保護シートには、開口部が形成される。第2基板は、開口部を介して、開口領域の前記貫通穴に吸着される。開口部は、第2基板の面積よりも小さいので、保護シートは、膨張性シートを接着剤から適切に保護することができる。
【0102】
上述された実施形態の他の局面に係るディスプレイパネルの製造装置は、上述の貼合装置を含むことを特徴とする。
【0103】
上記構成によれば、ディスプレイパネルの製造装置は、上述の貼合装置を含むので、ディスプレイパネルの生産効率は、高い水準で維持される。
【産業上の利用可能性】
【0104】
上述の実施形態に係る原理は、映像を表示するためのディスプレイパネルの製造に好適に適用される。
【符号の説明】
【0105】
100・・・・・・・・・・貼合装置
110・・・・・・・・・・保護シート
111・・・・・・・・・・開口部
120・・・・・・・・・・位置変更部
121・・・・・・・・・・巻取機構
122・・・・・・・・・・搭載部
131・・・・・・・・・・支持部
200・・・・・・・・・・下側チャンバ
300・・・・・・・・・・上側チャンバ
310・・・・・・・・・・連通口
320・・・・・・・・・・調整空間
400・・・・・・・・・・加圧機構
410・・・・・・・・・・第1真空装置
420・・・・・・・・・・第2真空装置
430・・・・・・・・・・送気装置
440・・・・・・・・・・膨張性シート
441・・・・・・・・・・貫通穴
520・・・・・・・・・・支持基板
530・・・・・・・・・・保護基板
540・・・・・・・・・・接着剤層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板とを接着剤を用いて貼り合わせる貼合装置であって、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記接着剤を加圧する加圧機構と、
前記第2基板と前記加圧機構との間に配置され、前記接着剤から前記加圧機構を保護する保護シートと、
前記第2基板に対する前記保護シートの接触位置を変更する位置変更部と、を備えることを特徴とする貼合装置。
【請求項2】
前記保護シートは、帯状に形成され、
前記位置変更部は、前記保護シートを巻き取る巻取機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の貼合装置。
【請求項3】
前記保護シートは、ロール状に巻回され、
前記位置変更部は、前記ロール状の保護シートが搭載される搭載部を含むことを特徴とする請求項2に記載の貼合装置。
【請求項4】
前記保護シートは、フッ素樹脂含浸硝子クロス、シリコンゴム及びテフロン(登録商標)含浸硝子クロスからなる群から選択される材料から形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の貼合装置。
【請求項5】
前記加圧機構は、前記第1基板と前記第2基板との間の接着剤が前記第2基板の縁部からはみ出すように前記第2基板を加圧することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貼合装置。
【請求項6】
前記第1基板を支持する支持部を更に備え、
前記第1基板は、前記第2基板よりも広いことを特徴とする請求項5に記載の貼合装置。
【請求項7】
前記加圧機構は、
前記第2基板と協働して前記保護シートを挟持する膨張性シートと、
該膨張性シートと協働して前記第1基板と前記第2基板とを収容するための収容空間を規定する第1チャンバと、
前記収容空間を減圧する減圧部と、を含み、
前記膨張性シートは、前記収容空間内の圧力低下に伴い膨張し、前記第2基板を前記第1基板に押しつけることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の貼合装置。
【請求項8】
前記保護シートには、前記第2基板の面積よりも小さい開口部が形成され、前記第2基板は、前記開口部を介して、前記膨張性シートに保持されることを特徴とする請求項7に記載の貼合装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の貼合装置を含むディスプレイパネルの製造装置。
【請求項1】
第1基板と第2基板とを接着剤を用いて貼り合わせる貼合装置であって、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記接着剤を加圧する加圧機構と、
前記第2基板と前記加圧機構との間に配置され、前記接着剤から前記加圧機構を保護する保護シートと、
前記第2基板に対する前記保護シートの接触位置を変更する位置変更部と、を備えることを特徴とする貼合装置。
【請求項2】
前記保護シートは、帯状に形成され、
前記位置変更部は、前記保護シートを巻き取る巻取機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の貼合装置。
【請求項3】
前記保護シートは、ロール状に巻回され、
前記位置変更部は、前記ロール状の保護シートが搭載される搭載部を含むことを特徴とする請求項2に記載の貼合装置。
【請求項4】
前記保護シートは、フッ素樹脂含浸硝子クロス、シリコンゴム及びテフロン(登録商標)含浸硝子クロスからなる群から選択される材料から形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の貼合装置。
【請求項5】
前記加圧機構は、前記第1基板と前記第2基板との間の接着剤が前記第2基板の縁部からはみ出すように前記第2基板を加圧することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貼合装置。
【請求項6】
前記第1基板を支持する支持部を更に備え、
前記第1基板は、前記第2基板よりも広いことを特徴とする請求項5に記載の貼合装置。
【請求項7】
前記加圧機構は、
前記第2基板と協働して前記保護シートを挟持する膨張性シートと、
該膨張性シートと協働して前記第1基板と前記第2基板とを収容するための収容空間を規定する第1チャンバと、
前記収容空間を減圧する減圧部と、を含み、
前記膨張性シートは、前記収容空間内の圧力低下に伴い膨張し、前記第2基板を前記第1基板に押しつけることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の貼合装置。
【請求項8】
前記保護シートには、前記第2基板の面積よりも小さい開口部が形成され、前記第2基板は、前記開口部を介して、前記膨張性シートに保持されることを特徴とする請求項7に記載の貼合装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の貼合装置を含むディスプレイパネルの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−114186(P2013−114186A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262221(P2011−262221)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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