説明

資材の載荷または掘削用車両を制御する方法およびシステム

車両250を制御する方法およびシステムは、車両250の少なくとも1つの車輪254に加えられた第1のトルクレベルおよび第2のトルクレベルを検出するトルク検出装置10を備える。第1のトルクレベルは、ブーム252の低い方のブーム位置に関連し、第2のトルクレベルは、低い方のブーム位置より高い、高架されたブーム位置に関連する。第1の油圧シリンダ14は、有効なトルクを第1のトルクレベルから高めるように、ブームを、低い方のブーム位置から上昇させることが可能である。第2の油圧シリンダ20は、たとえば、検出された第2のトルクレベルが第2のトルク閾値を満たすか、または超える場合、車両250に関連したバケット251を上方回転させ、またはひねるように適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書(図面を含む)は、2007年3月20日に出願し、「METHOD AND SYSTEM FOR CONTROLLING A VEHICLE FOR LOADING OR DIGGING MATERIAL」という名称の米国特許仮出願第60/895,808号に基づく優先権を、米国特許法119(e)項に基づいて主張する。
【0002】
本発明は、資材の載荷または掘削用車両を制御する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
操縦者の作業力は、とりわけ、操縦者の能力、経験、疲労、および注意力のレベルに基づいて変わり得る。たとえば、載貨機、または他の資材の載荷または掘削用車両の場合、未熟な操縦者は、経験豊富な操縦者よりも資材の移動または扱いの効率が悪い可能性がある。したがって、資材の載荷または掘削用車両を制御することによって、操縦者の作業力(特に未熟な操縦者)を増大させ、または高める必要がある。
【発明の概要】
【0004】
車両を制御する方法およびシステムは、車両の少なくとも1つの車輪に加えられた第1のトルクレベルおよび第2のトルクレベルを検出するトルク検出装置を備える。第1のトルクレベルは、ブームの低い方のブーム位置に関連し、第2のトルクレベルは、低い方のブーム位置より高い、高架されたブーム位置に関連する。第1の油圧シリンダは、有効なトルクを第1のトルクレベルから高めるように、ブームを、低い方のブーム位置から上昇させることが可能である。第2の油圧シリンダは、たとえば、検出された第2のトルクレベルが第2のトルク閾値を満たすか、または超える場合、車両に関連したバケットを上方回転させ、またはひねるように適合される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】載荷または掘削用車両を制御する制御システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】載荷または掘削用車両を制御する制御システムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【図3】載荷または掘削用車両を制御する制御システムの第3の実施形態を示すブロック図である。
【図4】載荷または掘削用車両を制御する制御システムの第4の実施形態を示すブロック図である。
【図5】様々な操作位置にある車両(たとえば、載貨機)を示す側面図である。
【図6】様々な操作位置にある車両(たとえば、載貨機)を示す側面図である。
【図7】様々な操作位置にある車両(たとえば、載貨機)を示す側面図である。
【図8】載荷または掘削用車両を制御する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図9】載荷または掘削用車両を制御する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。
【図10】載荷または掘削用車両を制御する方法のさらに別の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
牽引力とは、車両を動かし、または車両を資材堆積物に押し込むための、車輪(たとえば、タイヤ)と地面(または他の表面)の間で得られる力またはトルクである。牽引力は、地面または他の表面に対する車輪(たとえば、図5の254)またはタイヤの牽引摩擦によって制限される。牽引力の値またはトルクレベルは、車両がどれだけしっかりと押したり引いたりしているかを示す。載貨機の場合、載貨機は、バケット(たとえば、図5の251)が資材で一杯になる掘削動作または別の動作中に、資材堆積物に押し込んでよい。
【0007】
一実施形態によると、図1のシステムは、コントローラ18に結合されたトルク検出装置10を備える。コントローラ18は、ユーザインタフェース21からのデータのインプット、ユーザインタフェース21へのデータのアウトプット、またはその両方をサポートする。コントローラ18は、データ記憶装置28に結合される。コントローラ18は、第1の電気的インタフェース16、第2の電気的インタフェース22、またはその両方と通信することができる。第1の電気的インタフェース16は第1の油圧シリンダ14に関連づけられ、第2の電気的インタフェース22は第2の油圧シリンダ20に関連づけられる。
【0008】
上記構成要素(10、16、21、22、28)をコントローラ18に相互接続する図1の直線は、1つまたは複数の物理通信経路、論理通信経路、またはその両方を表し得る。たとえば、多数の論理通信経路を、コントローラ18を上記構成要素と接続する1本のデータバスまたは物理的通信経路上に実装してよい。
【0009】
トルク検出装置10は、車両の1つまたは複数の車輪に関連した牽引力またはトルクレベルを検出し、または推定するトルクセンサまたはトルク変換器を備える。一構成では、トルク検出装置10は、センサ入力側軸およびセンサ出力側軸を備え、変換器、歪みゲージ、圧電性部材、またはピエゾ抵抗部材は、センサ入力側軸とセンサ出力側軸との間に結合され、または接続される。歪みゲージまたはピエゾ抵抗部材は、センサ入力側軸とセンサ出力側軸との間に加えられたトルクに応じて、電気的性質(たとえば、電気抵抗やリアクタンス)を変え得る。同様に、圧電性部材は、センサ入力側軸とセンサ出力側軸との間のトルクの印加に関連した部材が変形すると、電気的性質を変える場合も、電気エネルギーを生成する場合もある。センサアウトプットは、トルク信号またはトルクデータを与え得る。一実施形態では、変換器、歪みゲージ、ピエゾ抵抗部材、または圧電性部材は、トルクを示すデジタルアウトプット信号を与えるように、アナログ/デジタル変換装置に結合される。
【0010】
トルク検出装置10は、車両の1つまたは複数の車輪に関連したトルクを直接または間接的に判定し、または推定するように、動力伝達経路中のどこに取り付けてもよい。第1の例では、トルク検出装置は、車両の変速機、車両のトルク変換装置、車両の動力伝達経路、車両の駆動モータ、または車両のクランク軸に関連づけられる。いくつかの構成では、1つまたは複数の車輪に加えられるトルクは概して、車両の変速機、動力伝達経路、またはクランク軸の所で測定されるトルクに比例する。たとえば、トルク検出装置10は、トルク変換装置入力側軸、トルク変換装置の出力側軸、またはその両方に関連してよく、トルク変換装置は、変速機インプットまたは入力側軸に結合される。トルク検出装置10は歪みゲージ、圧電性部材またはピエゾ抵抗部材を用いるので、トルク測定値または観察トルクレベルは概して、車両の温度変化(または周囲温度)に依存しない。有利には、トルク検出装置10は、車両が暖まるのに従って、あるいは時間経過とともに大きく変わり得る水圧流または圧力の測定値に依拠しない。
【0011】
第2の例では、トルク検出装置10のセンサ入力側軸は、駆動モータ(たとえば、電気ハブモータ、車輪に関連づけられた従動軸、または差動軸)に関連づけても、結合してもよい。したがって、トルク検出装置10のセンサ出力側軸は、車輪または車輪のハブに関連づけてよい。
【0012】
代替実施形態では、トルク検出装置10またはトルクセンサは、磁気変換器、磁気センサと1つまたは複数の磁石との組合せ、ならびに磁気抵抗センサと1つまたは複数の磁石との組合せを備え得る。たとえば、1つまたは複数の磁気部材は、車輪、ハブもしくは車輪、車輪軸、または従動軸に固定され、変換器、磁気抵抗センサ、または磁気センサ装置は、1つの磁気部材または複数の磁気部材と間隔を空けられる。変換器、磁気抵抗センサ、または磁気センサは、軸が回転するときに磁気部材によって生じる磁界の変化を測定して、トルク、軸速度、車輪回転速度(たとえば、スピード)、または上記パラメータのどの組合せも推定する。
【0013】
ユーザインタフェース21は、スイッチ、ジョイスティック、キーパッド、制御パネル、キーボード、指示装置(たとえば、マウスやトラックボール)あるいは制御システム11からの操縦者の情報インプットおよび/またはそこへのアウトプットをサポートする別の装置を備える。
【0014】
データ記憶装置28は、基準トルクレベルデータ30または牽引力データを格納するメモリ、不揮発性メモリ、磁気記憶装置、光学記憶装置、または電子記憶装置を含んでよい。基準トルクレベル30データは、第1の油圧シリンダ14、第2の油圧シリンダ20、またはその両方に関する決定を行うのに用いられる、1つまたは複数のトルク閾値、すなわち最大トルクレベルを含み得る。
【0015】
コントローラ18は、データプロセッサ(たとえば、12)、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、論理回路、プログラム可能論理アレイ、あるいはユーザインプットデータ、検出されたトルクデータ、車両対地スピードデータ、ブーム加速度データ、およびデータ記憶装置28に関連した格納データの1つまたは複数に応答して制御システム11を制御する別の装置を備えてよい。一実施形態では、コントローラ18は、データプロセッサ12またはトルク計算器を備え得る。データプロセッサ12は、車両の1つまたは複数の車輪に加えられたトルクを推定するトルク計算器を備え得る。たとえば、データプロセッサ12は、トルク検出装置10からの1つまたは複数のサンプル、示度、あるいは測定値に基づいて、トルクレベルまたは牽引力を推定すればよい。1つまたは複数の車輪でのトルクレベルは、1つまたは複数の車輪に回転エネルギーを間接的または直接与える、エンジンのトルク変換装置、伝動軸、またはクランク軸でのトルクレベルから導き出しても、推定してもよい。たとえば、エンジンのトルク変換装置、伝動軸、またはクランク軸に関連した遠隔トルクレベルから車輪トルクレベルまたは牽引力を推定する際には、変速機のギア比、その中の1つまたは複数のアクティブギアのギア比、あるいは機械エネルギー(たとえば、回転運動)を伝える別の装置を考慮すればよい。トルク検出装置10は、コントローラ18またはデータプロセッサ12にサンプル、示度または測定値を与える。データプロセッサ12は、1つまたは複数の示度または測定値を、対応するトルクレベル、トルクデータ、またはトルク信号に変換するルックアップテーブル、等式、公式、またはアルゴリズムを利用することができる。さらに、コントローラ18は、変速機コントローラと(たとえば、データバスを介して)通信して、車両の操縦中に、変速機のアクティブギアまたは現在のギア比状況を識別することができる。
【0016】
コントローラ18は、データ記憶装置28に格納された基準トルクレベルデータ30の格納、取出しまたはアクセスを管理する。たとえば、データ記憶装置28は、第1の閾値トルクレベル(たとえば、降下されたブーム状態または基本ブーム位置に対する最大トルクレベル)、第2の閾値トルクレベル(たとえば、高架されたブーム状態または二次ブーム位置に対する最大トルクレベル)、および最小加速レベルを格納することができる。ユーザインタフェース21からの制御データまたは制御信号およびトルク検出装置10からのトルクデータまたは牽引力データの受信に応答して、コントローラ18は、データ記憶装置28から基準トルクレベルデータ30にアクセスし、または取り出すことができる。これに対して、コントローラ18は、検出されたトルクデータ(または観察された牽引力データ)および基準トルクレベル30データ30を用いて、第1の電気的インタフェース16、第2の電気的インタフェース22、またはその両方向けに適切な制御信号を判定する。一実施形態では、制御信号または制御データは、第1の電気的インタフェース16、第2の電気的インタフェース22、第1の油圧シリンダ14または第2の油圧シリンダ20の1つまたは複数に関連した弁開口のサイズ、量、または持続期間に比例する規模(たとえば、電気的値)をもち得る。たとえば、第1の油圧シリンダ14または第2の油圧シリンダ20の弁の開口が大きいほど、バケット251またはブーム252の運動(たとえば節点回転)率が高くなる。
【0017】
第1の電気的インタフェース16は、作動装置、ソレノイド、継電気、サーボモータ、または電気もしくは電子制御弁、または第1の油圧シリンダ14に関連した油圧液の油圧弁もしくは油圧流を制御する別の電気機械装置を備え得る。第1の電気的インタフェース16は、第1の油圧シリンダ14に関連した第1の可動部材(たとえば、油圧シリンダ)の運動(たとえば、運動率)または位置の制御を容易にする。一実施形態では、第1の油圧シリンダは、ブームの運動(たとえば、ブーム高度)を制御するように、車両のブームに機械的に結合される。
【0018】
第2の電気的インタフェース22は、作動装置、ソレノイド、継電気、サーボモータ、または電気もしくは電子制御弁、または第2の油圧シリンダ20に関連した油圧弁もしくは油圧流を制御する別の電気機械装置を備え得る。第2の電気的インタフェース22は、第2の油圧シリンダ20に関連した第2の可動部材(たとえば、油圧ピストン)の運動(たとえば、運動率)または位置の制御を容易にする。一実施形態では、第2の油圧シリンダ20は、バケットまたは付属装置の運動(たとえば、ひねりまたはカーブ)を制御するように、車両のバケットまたは付属装置に機械的に結合される。トルク検出装置10がトルクレベル(たとえば、牽引力)の増大を検出すると、コントローラ18は、それに比例して、(たとえば、第2の油圧シリンダ20内のチェンバへの油圧液流を増大させることによって)バケットの運動率を増大させればよい。
【0019】
例示的な一実施形態では、コントローラ18は、第1のトルクレベルが第1の閾値を超える場合、ブームを上昇させるように第1の油圧シリンダ14を制御する第1の制御データまたは第1の制御信号を(第1の電気的インタフェース16に)送るように適合され、またはプログラムされる。コントローラ18は、検出された第2のトルクレベルが第2のトルクレベルを満たすか、または超える場合、第2の油圧シリンダ20を介してバケットを上方回転させるために、第2の制御データまたは第2の制御信号を(第2の電気的インタフェース22に)送るように適合され、またはプログラミングされる。
【0020】
別の例示的実施形態では、コントローラ18は、第1のトルクレベルが第1の閾値を超える場合、ブームを上昇させるように第1の油圧シリンダ14を制御する第1の制御データまたは第1の制御信号を(第1の電気的インタフェース16に)送るように適合され、またはプログラミングされる。さらに、コントローラ18は、ブームを上昇させようとする間にブームの検出加速レベルが最小レベル未満の場合、第2の油圧シリンダ20を介してバケットを上方回転させるための第2の制御データまたは第2の制御信号を(第2の電気的インタフェース22に)送るように適合され、またはプログラミングされる。
【0021】
図2の制御システム111は、車輪滑り検出装置24、駆動モータコントローラ25、およびトルク調整モジュール19を図2の制御システム111がさらに備えること以外は、図1の制御システム11と同様である。図1、図2の同じ参照番号は、同じ要素を示す。
【0022】
車輪滑り検出装置24は、車輪がその上に載っている地面または別の表面に対する、車両の1つまたは複数の車輪の滑りを検出する。駆動モータコントローラ25は、車輪滑り検出装置24にモータ制御信号またはモータデータ(たとえば、モータ軸スピードデータや関連したモータトルクデータ)を与え、トルク検出装置10は、1つまたは複数の車輪に関連した検出トルクを与える。車輪滑り検出装置24は、瞬間モータトルクデータが推定され、または検出された瞬間トルク(たとえば、検出され、または推定された牽引力)とは具体的差分(たとえば、車両変速機システムにおける比較的機械的ではない摩擦損失)だけ異なる(たとえば、モータ制御信号またはデータによって支配される)場合、車輪滑りを検出する。代替実施形態では、車輪滑り検出装置24は、車輪(または関連した軸)の瞬間速度と、駆動モータまたはエンジンによって加えられた瞬間速度との間の差に基づいて車輪滑りを検出してよい。
【0023】
図2の制御コントローラ118は、トルク調整モジュール19をコントローラ118がさらに含むこと以外は、図1の制御コントローラ18と同様である。図2の制御コントローラ118は、データプロセッサ12(たとえば、トルク計算器)およびトルク調整モジュール19を備える。トルク調整モジュール19またはコントローラ118は、代替的に、または追加して適用することができる様々な技法により、検出された車輪滑りに応答することができる。第1の技法では、トルク調整モジュール19は、検出された具体的車輪滑りに応答して、モータ制御信号またはモータデータ(たとえば、モータ軸スピードデータや関連したモータトルクデータ)を変化させる。第2の技法では、トルク調整モジュール19は、車輪滑りに応答して基準トルクレベルデータ30(あるいはバケット、ブーム、またはその両方を制御するのに用いられる様々なトルク閾値(たとえば、第1のトルク閾値、第2のトルク閾値、またはその両方))を低下させる。トルク調整モジュール19は、典型的または想定される程度の牽引摩擦が、たとえば車両が現時点でその上で動作中である地面または表面上に存在し得ない場合、車輪滑りを補償してよい。トルク調整モジュール19は、データ記憶装置28に格納することができる式、ルックアップテーブル、図表、データベース、または別のデータ構造を参照することによって、検出された車輪滑りを補償するように、基準トルクレベル30のトルク調整の程度の伝達を担当する。
【0024】
第3の技法では、モータ駆動コントローラ25が加えられた回転エネルギーを抑制して車輪滑りを防止し、あるいは移動され、または掘削されるべき資材堆積物への押込みの量を最大限にし得るように、トルク調整モジュール19がモータ駆動コントローラ25に基準トルクレベルデータ30を与えることができる。
【0025】
図3の制御システム211は、対地スピードセンサ15、堆積物検出装置17、およびブーム加速度計91を図3の制御システム211がさらに備えること以外は、図1の制御システム11と同様である。図3、図1の同じ参照番号は、同じ要素を示す。
【0026】
対地スピードセンサ15は、走行距離計、推測航法システム、場所判定受信機(たとえば、全地球位置発見システム受信機)、または地面に対する車両の観察スピードもしくは観察速度を与える別の装置を備え得る。対地スピードセンサ15は、観察スピードデータまたは観察速度データをコントローラ18に与える。
【0027】
図3の制御コントローラ218は、堆積物検出装置17をコントローラ218がさらに含むこと以外は、図1の制御コントローラ18と同様である。図3の制御コントローラ218は、データプロセッサ12(たとえば、トルク計算器)および堆積物検出装置17を備える。一実施形態では、堆積物検出装置17またはコントローラ218は、少なくともインプットされた対地スピードデータおよび観察トルクデータを用いて、車両が資材堆積物(たとえば、泥、下層土、粘土、砂利、砂、瓦礫、土、建築資材、道路材料、または建設材料)と相互作用中なのか、それとも掘込み中なのか判定する。さらに、堆積物検出装置17またはコントローラ218は、ユーザインプットデータ(たとえば、オート掘削モード、補助モード、または自動機械動作モードを示すスイッチまたはコントロールの活動化)、観察対地スピードデータ、および観察トルクデータを用いて、車両が堆積物と相互作用中なのか、それとも掘込み中なのか判定することができる。一実施形態では、堆積物検出装置17は、車両対地スピードが対地スピード閾値より低下した場合、および第1のトルクレベルが最小閾値(たとえば、第1のトルク閾値またはより低い堆積物検出トルク閾値)を超えた場合、資材堆積物が作業域内に存在する可能性があると見なされるかどうか判定する。
【0028】
代替実装形態では、堆積物検出装置17またはコントローラ218は、資材堆積物の存在または位置を識別し、または確認する視覚システムまたは撮像システムおよび色認識ソフトウェアまたはパターン認識ソフトウェアに関連づければよい。
【0029】
ブーム加速度計91は、ブーム上に取り付けられた、またはブームに関連した1つまたは複数の加速度計を備える。ブーム加速度計91は、ブームの加速または減速を検出し、または測定する。ブーム加速度は、加速度がゼロに近づき、または最小閾値を下回るストール状態にブームが近づき、または入るときを推定するのに用いることができる。コントローラ218は、検出された加速度を用いて、たとえば、掘削中の応力を軽減するように、バケットのひねり、バケットの上方回転、またはバケットの他の運動をトリガすることができる。
【0030】
図4の制御システム311は、対地スピードセンサ15および堆積物検出装置17を図4の制御システム311がさらに備えること以外は、図2の制御システム211と同様である。図4、図2の同じ参照番号は、同じ要素を示す。
【0031】
対地スピードセンサ15は、走行距離計、推測航法システム、場所判定受信機(たとえば、全地球位置発見システム受信機)、または地面に対する車両の観察スピードもしくは観察速度を与える別の装置を備え得る。対地スピードセンサ15は、観察スピードデータまたは観察速度データをコントローラ218に与える。
【0032】
図4の制御コントローラ3189は、堆積物検出装置17をコントローラ318がさらに含むこと以外は、図2の制御コントローラ118と同様である。図4の制御コントローラ318は、データプロセッサ12(たとえば、トルク計算器)、トルク調整モジュール19、および堆積物検出装置17を備える。一実施形態では、堆積物検出装置17またはコントローラ318は、少なくともインプットされた対地スピードデータおよび観察トルクデータ(たとえば、牽引力)を用いて、車両が資材堆積物と相互作用中なのか、それとも掘込み中なのか判定する。車両が資材堆積物に掘込み中のとき、観察トルクデータは、掘削トルク範囲内に収まり得る。同様に、車両が資材堆積物に掘込み中のとき、観察された対地スピードデータは、掘削スピード範囲(たとえば、時速0〜4.83km(0〜3マイル))内に収まり得る。さらに、堆積物検出装置17またはコントローラ318は、ユーザインプットデータ(たとえば、操縦者が資材堆積物を目視によって観察した後、または観察する間のスイッチまたはコントロールの活動化)、観察対地スピードデータ、および観察トルクデータを用いて、車両が堆積物と相互作用中なのか、それとも掘込み中なのか判定すればよい。堆積物検出装置17は概して、ユーザインプット、車両の動作状況(たとえば、インプットされた対地スピードおよび/または観察トルクデータ)、あるいはその両方に基づいて資材堆積物を検出する。
【0033】
代替実装形態では、堆積物検出装置17は、資材堆積物の存在または位置を識別し、または検証する視覚システムまたは撮像システムおよび色認識ソフトウェアまたはパターン認識ソフトウェアに関連づければよい。視覚システムおよび色認識ソフトウェアまたはパターン認識ソフトウェアは、操縦者が資材堆積物の存在を目視によって確認し、あるいは検証する余裕がない場合がある無人車両での使用に適している。
【0034】
図5から図7において、作業車両は載貨機250を含み、付属装置251はバケットを含む。図示してある載貨機250は運転台253および車輪254を有するが、車輪254は、はめば歯車(たとえば、鎖歯車)および軌道で置き換えてよく、運転台253はなくしてもよい。車両の1つまたは複数の車輪254、またははめば歯車および軌道は、内燃エンジン、電気駆動モータ、またはその両方によって推進される。軌道は、連結された部材またはベルトを備え、これらとはめば歯車は、地面または別の表面上での車両の推進のために係合する。車両が、車輪およびタイヤではなく軌道を装備する場合、車両は、軌道車両またはクローラと呼ばれ得る。
【0035】
図5は、例示的作業車両としての載貨機250の側面図を示し、ここで載貨機250は基本位置にある。基本位置は、資材堆積物への掘込みを開始することができる位置を表し得る。基本位置は、低い方のブーム位置にあるブーム252に関連する。基本位置または低い方のブーム位置は、ブーム高度が地面の上の限界高度未満のブーム252と定義してよい。あるいは、低い方のブーム位置は、車両の支持部277または垂直基準軸線287に相対した、ブーム252のブーム角度285によって定義してもよい。したがって、低い方のブーム位置は、限界ブーム角度より大きい、垂直基準287軸線に相対したブーム角度285に関連づけてよい。図5の基本位置では、ブーム252に対するバケット角度255(θ)は、ほぼゼロからほぼ25度の範囲、または資材堆積物に掘り込む他の適切などの範囲内にも収まり得る。たとえば、バケット251の底面は概して、水平位置にあっても、地面に対して実質的に並列であってもよく、この場合、バケット角度255(θ)は、ゼロ度に近づき、またはほぼ等しくなることになる。
【0036】
図6は、例示的作業車両としての載貨機250の側面図を示し、ここで載貨機250は二次的位置にある。二次的位置は、基本位置に関連づけられた第1のブーム位置より高い、ブーム252の第2のブーム位置またはブーム高度257によって特徴づけられる。二次的位置は、低い方のブーム位置より高い、高架されたブーム位置に関連づけられる。第2の位置または第2のブーム位置は、ブーム高度が地面の上の限界高度より大きいブーム252として定義すればよい。あるいは、第2のブーム位置または高架されたブーム位置は、車両の支持部277または垂直基準軸線287に相対する、ブーム252のブーム角度285によって定義してもよい。したがって、第2のブーム位置または高架されたブーム位置は、限界ブーム角度未満である(または等しい)垂直基準287軸線に相対するブーム角度285に関連づけてよい。基本位置および二次的位置に関連づけられたバケット角度255(θ)は、同一の一般的範囲内でも、資材堆積物に掘り込む別の適切な範囲内でもよい。
【0037】
図7は、例示的作業車両としての載貨機250の側面図を示し、ここで載貨機250またはそのバケット251およびそのブーム252は、バケットひねり位置にある。バケットひねり位置は通常、バケット251が、収集された資材を抱え、含み、または保持した後のバケット251の位置を表す。ひねり位置では、バケットの口は概して、上方に面し、または傾いている。ひねり位置は、バケット251が資材で一杯になる、掘削プロセスまたは別の操縦の終末部分とすることができる。たとえば、ブーム252が高架された、または上昇された位置にある場合、コントローラ(18、118、218、または318)は、トルク検出装置10が第2の閾値を超える第2のトルクレベルを検出するのに応答して、またはブームアクセラレータが最小レベルを下回る加速度を検出するのに応答して、バケットのひねりまたはバケットの同様の上方回転をトリガし得る。
【0038】
図8は、掘削または積荷用車両を制御する方法を示す。図8の方法は、ステップS199で始まる。
ステップS199で、ユーザインタフェース21は、操縦者の、オート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードの入力、選択、使用可能化、活動化、またはインプットをサポートする。アシストモードにおいて、コントローラ(たとえば、18、118、218または318)は、操縦者に、自動掘削または他の動作の改善、調整または訂正を行わせ、あるいは掘削タスクまたはサイクルの何らかの部分を自動化させる。アシストモードまたはオート掘削モードどちらかにおいて、コントローラ(たとえば、18、118、218または318)は、遠隔操作インタフェースを介した遠隔操作により、または車両の運転台の中で、操縦者によって中断され、または停止されるまで、機械制御または機械動作を続ける。自動機械動作モードは、バケット、ブーム、またはその両方の自動または自律動作に関する。
【0039】
ステップS199を実施する代替実施形態において、堆積物検出装置17またはコントローラ(たとえば、18、118、218もしくは318)は、一定の基準(たとえば、トルクレベル、操縦者インプット、および/または車両スピード)を満たすと、車両(たとえば、そのブーム、もしくはバケット、またはその両方)のオート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードに入ることができる。ただし、堆積物検出装置17またはコントローラは、操縦者がユーザインタフェース21に関連づけられたコマンド、入力または選択によりオート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードを可能にしない限り、または可能にするまでは、このようなオート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードを活動化し、または入ることを許可されない場合がある。
【0040】
ステップS200で、トルク検出装置10は、車両の少なくとも1つの車輪(または軌道車両に関連した少なくとも1つのはめば歯車)に加えられたトルクの第1のトルクレベル(たとえば、牽引力)を検出する。たとえば、車両の付属装置またはバケットが資材堆積物と係合する間、またはブームが第1の位置(たとえば、低い方の位置)にある状態で車両が基本位置にあるとき、第1のトルクレベルを検出することができる。検出された第1のトルクレベル(たとえば、車輪トルクレベルやはめば歯車トルクレベル)または牽引力は、変速機、動力伝達経路、トルク変換装置、またはそれ以外の軸に関連づけられたトルク測定値(たとえば、遠隔トルクレベル)に基づいて導き出すことも推定することもできる。
【0041】
ステップS201で、コントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12は、検出された第1のトルクレベルが第1のトルク閾値を超えるかどうか判定する。第1のトルク閾値は、車両の基本位置または低い方のブーム位置に関連した第1の最大トルクレベルを指し、またはそこから導き出される。低い方のブーム位置または基本ブーム位置は、限界ブーム高度(または垂直基準軸線287に対して、限界ブーム角度より大きいブーム角度285)未満であるブーム高度と定義してよい。
【0042】
一実施形態では、第1のトルク閾値は、車輪が基本位置または低い方の位置で牽引摩擦を緩め、あるいは地面の上を滑り、またはスリップする第1の最大トルクレベルに基づいて定めればよい。第1の最大トルクレベルは、信頼性を向上させるように安全域分だけ低下させてもよいが、必ずしもそうする必要はない。第1の最大トルクレベルは、モデル、実証的研究、フィールドテストに基づいて、またはそれ以外のやり方で定めてよい。
【0043】
特定のモデルでは、第1の最大トルクレベルは、他の要因の中でも、車両特性、車両重量、車両の重量配分、車両懸垂構成、車両懸垂または支柱に関連づけられたバネ定数、車両幾何形状、タイヤサイズ、タイヤ溝、タイヤ直径、タイヤ足跡、地面特性(たとえば、圧縮率、含水量)、ならびに地面と1つまたは複数のタイヤとの間の摩擦係数という要因の1つまたは複数に基づいて変わり得る。摩擦係数は、タイヤ、およびたとえば舗装面、コンクリート、アスファルト、未舗装、砂利、むき出しの表土、むき出しの下層土などの地面を含む様々な材質の特性に依存する。
【0044】
検出された第1のトルクレベルが第1の閾値を超えるとコントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12が判定した場合、方法は、ステップS202で継続する。ただし、検出された第1のトルクレベルが第1の閾値を超えないとコントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12が判定した場合は、方法は、ステップS203で継続する。
【0045】
ステップS202で、ユーザインタフェース21、コントローラ(18、118、218または318)あるいはその両方は、車両に関連したブーム252を上昇させて、有効なトルクを、検出された第1のトルクレベルよりも高める。たとえば、コントローラ(18、118、218または318)は、第1のトルクが第1のトルク閾値に達したとき、操縦者の介入なしでブームを(図5の低い方の位置または基本ブーム位置より上に)自動的に上昇させてよい。ステップS202を実施する一例では、コントローラ(18、118、218または318)は、ブーム252を基本位置から二次的位置まで上昇させて、有効なトルク(たとえば、牽引力)を増大させ、または車輪(または、はめ歯および関連した軌道)に加えることができるトルクを、第1のトルク閾値を超えるトルクレベルまで蓄える。車両が資材堆積物の中にさらに押し込み、電気抵抗レベルがより大きくなると、高架された位置または第2のブーム位置までブームを上昇させることによって、より大きい牽引摩擦が生じ、バケットが容易に満杯にされる。というのは、ブームを上昇させると、前輪または前側はめば歯車に下向きの力がかかり、または加重軽減されるからである。
【0046】
コントローラ(18、118、218または318)は、ブーム252に関連した初期上向きブーム運動率を、一定の期間中に対地スピードセンサ15によって与えられる、車両の検出対地スピードの減少に比例して、より高いブーム運動率まで増大させる。
【0047】
ステップS202を実行する第1の技法では、コントローラ(18、118、218または318)は、ブーム252に関連した初期上向きブーム運動率を、一定の期間中に、検出された第1のトルクレベルの増加に比例してより高いブーム運動率まで増大させる。コントローラ(18、118、218または318)は、第1の電気的インタフェース16向けの制御信号またはコマンドデータを生成して、ブーム252に動作可能に接続される第1の油圧シリンダ14に関連した弁の開口を増大させることによって、初期上向きブーム運動率を増大させることができる。
【0048】
ステップS202を実行する第2の技法では、コントローラ(18、118、218または318)は、ブーム252に関連した初期上向きブーム運動率を、一定の期間中に、対地スピードセンサ15によって与えられる、車両の検出対地スピードの減少に比例してより高いブーム運動率まで増大させる。
【0049】
第3の実施形態では、コントローラ(18、118、218または318)は、ブーム252に関連した初期上向きブーム運動率を、一定の期間中に、対地スピードセンサ15によって与えられる、検出された第1のトルクレベルの増加および車両の検出対地スピードの同時低下の組合せに比例して、より高いブーム運動率まで増大させる。
【0050】
第4の実施形態では、コントローラ(18、118、218または318)は、(たとえば、操縦者からユーザインタフェース21へのインプットに基づいて、あるいは撮像システムまたは光学検出システムを介して)検出された堆積物の高度と同程度の所定の量だけブームを上昇させる。
【0051】
ステップS202は、ユーザインタフェース21を介して操縦者によって選択され、インプットされ、あるいは指示されるオート掘削モード、アシストモード、または自動動作モードに従って実行することができる。アシストモードは、操縦者に自動掘削または他の動作の改善、調整または訂正を行わせる。支援モードおよびオート掘削モードは両方とも、遠隔操作インタフェースを介した遠隔操作により、または車両の運転台の中で、操縦者によって中断され、または停止されるまで続く。
【0052】
ステップS203で、コントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12は、カウンタが最大閾値を超えるまで、一定期間待機してよく、ここでカウンタは、ステップS203が実行され、または繰り返された回数を示す。
【0053】
ステップS204で、ブームを高架されたブーム位置(たとえば、第2のブーム位置)まで上昇させる間またはその後、トルク検出装置10は、車両の少なくとも1つの車輪に加えられたトルクの第2のトルクレベルを検出する。第2のトルクレベルは概して、第1のトルクレベルより大きい。
【0054】
ステップS205で、コントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12は、検出された第2のトルクレベルが第2のトルク閾値を超えるかどうか判定する。第2のトルク閾値は、高架されたブーム位置にある車両に関連した第2の最大トルクレベルを指し、またはそこから導出される。高架されたブーム位置は、ブーム高度が限界高度以上である(または、ブーム角度285が垂直基準軸線287に対して限界ブーム角度未満である)。第2のトルク閾値は概して、車輪が牽引摩擦を緩め、地面から離れ、滑り、または二次的位置(たとえば、図6)でスリップする際の第2の最大トルクレベルに関連し、ここでブームは、高架されたブーム位置または第2のブーム位置にある。検出された第2のトルクレベルが第2のトルク閾値を超えている場合、方法は、ステップS206で継続する。ただし、第2のトルクレベルが第2のトルク閾値を超えない場合は、方法は、ステップS207で継続する。
【0055】
ステップS206で、ユーザインタフェース21、コントローラ18、またはその両方は、車両に付随するバケットをひねる(または上方回転させる)が、ここで、検出された第2のトルクレベルは、第2のトルク閾値(たとえば、最大トルクレベル)を満たすか、または超えている。たとえば、コントローラ(たとえば、18、118、218または318)は、バケットをバケットひねり位置(たとえば、図7)に動かすことができるが、ここで、検出された第2のトルクレベルは、第2のトルク閾値(たとえば、最大トルクレベル)を満たすか、または超えている。コントローラ(18、118、218または318)は、バケット251をブームに相対してひねり、資材からバケット251に対する電気抵抗を削減する。コントローラ(18、118、218または318)は、大きなトルクレベルまたは大きな牽引力値を維持することによって、自動掘削手順を容易にする。自動掘削手順が完了した後、操縦者は、ブームもしくはバケットを、または車両を、荷積バケットを(たとえば、置場に)投下する所望の位置に動かすための1つまたは複数のコマンドを入力することができる。
【0056】
ステップS206は、個々に、または追加して適用することができる様々な技法によって実行することができる。ステップS206を実行する第1の技法では、コントローラ(18、118、218または318)は、バケット252に関連した初期上向きバケット回転率を、一定の期間中に、検出された第2のトルクレベルの増加に比例して、より高いバケット回転率まで増大させる。コントローラ(18、118、218または318)は、たとえば、バケット251に動作可能に接続される第2の油圧シリンダ20に関連した弁の開口を増大させることによって、第2の電気的インタフェース22が初期上向きバケット回転率を増大させるための制御信号またはコマンドデータを生成することができる。
【0057】
ステップS206を実行する第2の技法では、コントローラ(18、118、218または318)は、バケット252に関連した初期上向きバケット回転率を、一定の期間中に、対地スピードセンサ15によって与えられる、検出された対地スピードの減少に比例して、より高いバケット回転率まで増大させる。
【0058】
ステップS206を実行する第3の技法では、コントローラ(18、118、218または318)は、バケット252に関連した初期上向きバケット回転率を、一定の期間中に、対地スピードセンサ15によって与えられる、検出された第2のトルクレベルの増加および検出対地スピードの同時低下の組合せに比例して、より高いバケット回転率まで増大させる。
【0059】
ステップS206は、ユーザインタフェース21を介して操縦者によって選択され、インプットされ、あるいは指示されるオート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードに従って実行することができる。アシストモードは、操縦者に自動掘削または他の動作の改善、調整または訂正を行わせ、支援モードおよびオート掘削モードは両方とも、遠隔操作インタフェースを介した遠隔操作により、または車両の運転台の中で、操縦者によって中断され、または停止されるまで続く。
【0060】
ステップS207で、コントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12は、カウンタが最大閾値を超えるまで一定期間待機してよく、ここで、カウンタは、ステップS207が実行され、または繰り返された回数を示す。
【0061】
図9の方法は、図9の方法がさらに、ステップS204をステップS210で置き換え、ステップS206をステップS208で置き換えること以外は、図8の方法と同様である。図8、図9の同じ参照番号は、同じステップまたは手順を示し、図8に関連してより十分に記載したどの同じステップ(たとえば、ステップS202、S206)の詳細も、ここで十分に説明されるものとして図9に等しく当てはまるものとする。
【0062】
ステップS199で、ユーザインタフェース21は、操縦者の、オート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードの入力、選択、使用可能化、活動化、またはインプットをサポートする。アシストモードにおいて、コントローラ(たとえば、18、118、218または318)は、操縦者に、自動掘削または他の動作の改善、調整または訂正を行わせ、あるいは掘削タスクまたはサイクルの何らかの部分を自動化させる。アシストモードまたはオート掘削モードどちらかにおいて、コントローラ(たとえば、18、118、218または318)は、遠隔操作インタフェースを介した遠隔操作により、または車両の運転台の中で、操縦者によって中断され、または停止されるまで、機械制御または機械動作を続ける。自動機械動作モードは、バケット、ブーム、またはその両方の自動または自律動作に関する。
【0063】
ステップS199を実施する代替実施形態において、堆積物検出装置17またはコントローラ(たとえば、18、118、218もしくは318)は、一定の基準(たとえば、トルクレベル、操縦者インプット、および/または車両スピード)を満たすと、車両(たとえば、そのブーム、もしくはバケット、またはその両方)のオート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードに入ることができる。ただし、堆積物検出装置17またはコントローラは、操縦者がユーザインタフェース21に関連づけられたコマンド、入力または選択によりオート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードを可能にしない限り、または可能にするまでは、このようなオート掘削モード、アシストモード、または自動機械動作モードを活動化し、または入ることを許可されない場合がある。
【0064】
ステップS200で、トルク検出装置10は、車両の少なくとも1つの車輪(または軌道車両に関連した少なくとも1つのはめば歯車)に加えられたトルクの第1のトルクレベル(たとえば、牽引力)を検出する。たとえば、車両の付属装置またはバケットが資材堆積物と係合する間、またはブームが第1の位置(たとえば、低い方の位置)にある状態で車両が基本位置にあるとき、第1のトルクレベルを検出することができる。検出された第1のトルクレベル(たとえば、車輪トルクレベルやはめば歯車トルクレベル)または牽引力は、変速機、動力伝達経路、トルク変換装置、またはそれ以外の軸に関連づけられたトルク測定値(たとえば、遠隔トルクレベル)に基づいて導き出すことも推定することもできる。
【0065】
ステップS201で、コントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12は、検出された第1のトルクレベルが第1のトルク閾値を超えるかどうか判定する。第1のトルク閾値は、車両の基本位置または低い方のブーム位置に関連した第1の最大トルクレベルを指す。低い方のブーム位置または基本ブーム位置は、限界ブーム高度未満であるブーム高度と定義してよい。一実施形態では、第1のトルク閾値は、車輪が基本位置または低い方の位置で牽引摩擦を緩め、あるいは地面の上を滑り、またはスリップする第1の最大トルクレベルに基づいて定めればよい。第1の最大トルクレベルは、信頼性を向上させるように安全域分だけ低下させてもよいが、必ずしもそうする必要はない。第1の最大トルクレベルは、モデル、実証的研究、フィールドテストに基づいて、またはそれ以外のやり方で定めてよい。
【0066】
特定のモデルでは、第1の最大トルクレベルは、他の要因の中でも、車両特性、車両重量、車両の重量配分、車両懸垂構成、車両懸垂または支柱に関連づけられたバネ定数、車両幾何形状、タイヤサイズ、タイヤ溝、タイヤ直径、タイヤ足跡、地面特性(たとえば、圧縮率、含水量)、ならびに地面と1つまたは複数のタイヤとの間の摩擦係数という要因の1つまたは複数に基づいて変わり得る。摩擦係数は、タイヤ、およびたとえば舗装面、コンクリート、アスファルト、未舗装、砂利、むき出しの表土、むき出しの下層土などの地面を含む様々な材質の特性に依存する。
【0067】
検出された第1のトルクレベルが第1の閾値を超えるとコントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12が判定した場合、方法は、ステップS202で継続する。ただし、検出された第1のトルクレベルが第1の閾値を超えないとコントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12が判定した場合は、方法は、ステップS203で継続する。
【0068】
ステップS202で、ユーザインタフェース21、コントローラ(18、118、218または318)あるいはその両方は、車両に関連したブーム252を上昇させて、有効なトルクを、検出された第1のトルクレベルよりも高める。たとえば、コントローラ(18、118、218または318)は、第1のトルクが第1のトルク閾値に達したとき、操縦者の介入なしでブームを(図5の低い方の位置または基本ブーム位置より上に)自動的に上昇させてよい。ステップS202を実施する一例では、コントローラ(18、118、218または318)は、ブーム252を基本位置から二次的位置まで上昇させて、有効なトルク(たとえば、牽引力)を増大させ、または車輪(または、はめ歯および関連した軌道)に加えることができるトルクを、第1のトルク閾値を超えるトルクレベルまで蓄える。車両が資材堆積物の中にさらに押し込み、電気抵抗レベルがより大きくなると、高架された位置または第2のブーム位置までブームを上昇させることによって、より大きい牽引摩擦が生じ、バケットが容易に満杯にされる。というのは、ブームを上昇させると、前輪または前側はめば歯車に下向きの力がかかり、または加重軽減されるからである。
【0069】
ステップS202は、ユーザインタフェース21を介して操縦者によって選択され、インプットされ、あるいは指示されるオート掘削モード、アシストモード、または自動動作モードに従って実行することができる。アシストモードは、操縦者に自動掘削または他の動作の改善、調整または訂正を行わせる。支援モードおよびオート掘削モードは両方とも、遠隔操作インタフェースを介した遠隔操作により、または車両の運転台の中で、操縦者によって中断され、または停止されるまで続く。
【0070】
ステップS203で、コントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12は、カウンタが最大閾値を超えるまで、一定期間待機してよく、ここでカウンタは、ステップS203が実行され、または繰り返された回数を示す。
【0071】
ステップS210で、ブーム加速度計91またはブームの加速を検知する別の装置が、ブーム252の加速(たとえば、垂直上方加速)または減速を検出する。掘削動作中のブームの検出された加速または減速(たとえば、垂直上方加速)は、ブーム252およびそれに関連した第1の油圧シリンダ14がストール状態にあり、またはストール状態に近づきつつあることを指示することができ、ここで、第1の油圧シリンダ14に関連した油圧室内の油圧の増大はもはや、ブームの対応する具体的な上向きの移動を生じない。ブーム252の検出された加速または減速は、ブームシステムおよびその関連した第1の油圧シリンダ14が、適用可能などの安全域も差し引いたブームの最大揚力または失速量に近づきつつあることを指示し得る。
【0072】
ステップS209で、コントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12は、検出された加速(たとえば、垂直上方加速)が最小レベル(たとえば、ゼロ加速に近いか、またはほぼ等しい)を下回るかどうか判定し、ここでブーム252は高架された位置(たとえば、第2のブーム位置)にあり、バケット251には資材が積まれている。検出された加速が最小レベルを下回るか、またはゼロに近い場合、方法は、ステップS208で継続する。ただし、検出された加速が最小レベル(たとえば、ゼロ加速に近いか、またはほぼ等しい)を下回らない場合は、方法は、ステップS207で継続する。
【0073】
ステップS208で、ブーム252が高架された位置にあり、バケット251には積荷がある間に、ブーム252の上昇が止まるか、または加速が最小レベルを下回ると、コントローラ(18、118、218または318)は、車両に関連したバケット251(たとえば、積荷のあるバケット)をひねり、または上方回転させる。たとえば、コントローラ(18、118、218または318)は、操縦者が堆積物に掘り込み、ブームがその上向きの軌跡で止まる(252)と、ユーザインタフェース21への操縦者のインプットに自動的に、本質的には瞬時に優先して、バケット251をひねり、または上方回転させればよい。一実施形態では、失速は、とりわけ、油圧システム(たとえば、第1の油圧シリンダ14)の容量、堆積物中の資材の密度、ブームの長さ、およびバケットのボリュームまたはサイズによる影響を受ける場合がある。
【0074】
ステップS207で、コントローラ(18、118、218もしくは318)またはデータプロセッサ12は、カウンタが最大閾値を超えない限り一定期間待機してよく、ここでカウンタは、ステップS207が実行され、または繰り返された回数を示す。
【0075】
図10は、掘削または積荷用車両を制御する方法を示す。図10の方法は、ステップS300で始まる。
ステップS300で、対地スピード検出装置15は、車両の対地スピードを検出し、トルク検出装置10は、車両の少なくとも1つの車輪に関連した観察トルクレベルを直接または間接的に検出し、ユーザインタフェース21は、自動掘削、補助モード、トルク管理、または自動機械運動が適用されるかどうかに関する、ユーザからのインプットを受諾する。ユーザインプットは、ユーザインタフェース21に入力されて、(1)堆積物検出装置17またはコントローラ18が資材堆積物を実際に探しているのかどうか、(2)自動掘出モード、補助モード、または自動機械動作モードが活動化しているのか、それとも不活なのかどうか、(3)操縦者が車両付近で資材堆積物を目視によって観察しているのか、または目視によって観察したのかどうか、のうち1つまたは複数を立証することができる。
【0076】
ステップS302で、堆積物検出装置17またはコントローラ18は、状況分析、確立された論理規則への準拠、またはそれ以外の全体に基づく、検出された対地スピード、観察トルクレベル、およびユーザインプットの少なくとも2つに基づいて、資材堆積物を検出する。少なくとも1つの車輪に関連した観察された第1のトルクレベル(たとえば、瞬間牽引力)が最小閾値(たとえば、第1のトルクレベル)を超える場合、およびオート掘削モード、補助モード、または自動機械動作モードが有効な場合、コントローラ18は、資材堆積物が検出されたことを示す制御信号または状況データを生成してよい。同様に、フィルタリングされ、観察された第1のトルクレベル(たとえば、平均的牽引力)が最小閾値を超える場合、およびオート掘削モード、補助モード、または自動機械運動モードが有効な場合、コントローラ18は、資材堆積物が検出されたことを示す制御信号または状況データを生成してよい。資材堆積物が検出された場合、または操縦者が、ユーザインタフェース21を介してオート掘削モード、補助モード、または自動機械動作モードに入るように車両に(たとえば、資材堆積物の検出に優先し、またはそれに代わって)指令した場合、方法は、ステップS304で継続する。ただし、資材堆積物が検出されなかった場合は、方法は、ステップS300で継続する。
【0077】
ステップS302の堆積物検出手順を第1のトルクレベル(たとえば、牽引力)を考慮することによって、堆積物検出装置17またはコントローラ18は、資材堆積物または障害物(たとえば、れんが壁)のより信頼性の高い検出を容易にする。たとえば、より信頼性の高い検出は、他の方法では凹凸地形または油圧システム内の油圧のスパイクによって引き起こされるかもしれない堆積物の誤検出指示を無視することを含み得る。
【0078】
ステップS304で、コントローラ18は、検出されたトルク(たとえば、牽引力)に基づいて、1つまたは複数のコマンドを生成する。生成されたコマンドは、検出されたトルク(たとえば、牽引力)に応じて、バケット、ブーム、またはその両方の位置または運動(たとえば、加速や速度)を制御するのに用いればよい。ステップS304は、代替的に、かつ追加して適用することができる、様々な技法に従って実施することができる。第1の技法では、ブーム、バケット、またはその両方は、観察された第1のトルク(たとえば、牽引力)に応じて活動化され、または移動される。第2の技法では、ブーム、バケット、またはその両方は、観察された第1のトルクおよび車両スピードまたは速度に応じて活動化され、または移動される。第3の技法では、車両スピードまたは車両速度の規模が増大すると、ブームおよびバケットコマンド信号の規模が、それに比例して、または同程度に増大する。
【0079】
ステップS305で、対地スピード検出装置15は、車両の対地スピードを更新し、トルク検出装置10は、車両の少なくとも1つの車輪に関連した観察トルクレベルを更新し、ユーザインタフェース21は、自動掘削モード、補助モード、自動運動モード、またはトルク管理を適用し続けるべきかどうかに関する、ユーザからのインプットを更新し、またはインプットを受諾する。
【0080】
ステップS306で、コントローラ18または堆積物検出装置17は、掘削がほぼ完了したか、または堆積物のサイズが大きく減少しているか判定する。たとえば、バケットまたはブームが掘削空間の境界に近づいている場合、コントローラ18は、フラグを立て、留意し、または車両を掘削終了状態に遷移させればよい。一例では、バケットが(たとえば、操縦者によって、堆積物上に残っている資材をバケットで収集し、取り除き、または掘るために)ほとんど十分に戻されているか、あるいはブーム高度が一定の高度レベルを超えた(たとえば、ブームの望ましい最大移送高度を満たすか、または超える)とき、掘削空間の境界に達する。
【0081】
ステップS308で、コントローラ18、ユーザインタフェース21またはその両方は、検出されたトルクレベルに基づくコマンドなしで、資材の掘削または移動の完了をサポートする。掘削終了状態と呼ばれ得るステップS308で、コントローラ18は、バケットに関連した油圧シリンダにコマンド(たとえば、大規模コマンド)を発行して、移動させる(たとえば、資材をバケットの後ろに戻す)ことができる。ステップS208の後、アルゴリズムは、再度ステップS300に戻ればよい。
【0082】
本明細書で開示した制御システムおよび方法の実施形態は、拡張温度範囲に渡って、掘削または他の動作用の車両、またはそのブーム、またはバケットの信頼性制御および自動制御に適している。トルク検出装置10は、信頼性の高い制御信号を提供するために、概して車両の温度または周囲温度に依存しないトルクレベル(たとえば、第1のトルクレベルや牽引力)を検出する。さらに、掘削動作および他の動作を支援し、または自動化するのにトルクレベル(たとえば、牽引力)を用いることによって、未熟な、または経験不足の操縦者が、それ以外のやり方で可能な場合よりも少ない動作時間でより優れた効率を達成し得る。制御システムは、資材堆積物の密度の変動に関わらず、安定した作業力を容易にする。
【0083】
好ましい実施形態を記載したが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正を行ってよいことが明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載荷または掘削動作用車両を制御する方法であって、
前記車両の少なくとも1つの車輪に加えられたトルクの第1のトルクレベルを検出するステップであって、前記第1のトルクレベルが、前記車両に付随するブームの低い方のブーム位置に関連しているステップと、
前記第1のトルクレベルが第1のトルク閾値を超える場合、有効なトルクを前記第1のトルクレベルから高めるように、前記ブームを前記低い方のブーム位置から上昇させるステップと、
前記ブームの前記上昇の間または後に、少なくとも1つの車輪車両に加えられた前記トルクの第2のトルクレベルを検出するステップであって、前記第2のトルクレベルが、前記第1のトルクレベルより大きいステップと、
前記検出された第2のトルクレベルが第2のトルク閾値を満たすか、または超えるとき、前記ブームに関連したバケットを上方回転させ、またはひねるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記低い方のブーム位置にある前記車両に関連した第1の最大トルクレベルに基づいて、前記第1のトルク閾値を定めるステップであって、前記低い方のブーム位置はブーム高度が限界高度未満であるステップと、
高架されたブーム位置にある前記車両に関連した第2の最大トルクレベルに基づいて、前記第2のトルク閾値を定めるステップであって、前記高架されたブーム位置はブーム高度が前記限界高度以上であるステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブームの前記上昇が、
前記ブームに関連した初期上向きブーム運動率を、一定の期間中に、前記検出された第1のトルクレベルの増加に比例して、より高いブーム運動率まで増大させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記初期上向きブーム運動率を増大させるステップが、前記ブームに動作可能に接続された油圧シリンダに関連した弁の開口を増大させるための信号またはデータコマンドを生成するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ブームの前記上方回転が、
前記バケットに関連した初期上方回転率を、一定の期間中に、前記検出された第2のトルクレベルの増加に比例して、より高いバケット回転率まで増大させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記初期上方回転率を増大させるステップが、前記バケットに動作可能に接続された油圧シリンダに関連した弁の開口を増大させるためのデータ信号またはコマンドを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
地面に相対した車両スピードがスピード閾値より低下した場合、および前記第1のトルクレベルが最小閾値を超える場合、資材堆積物が作業域内に存在する可能性があると見なされると判定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
トルクの前記第1のトルクレベルを検出するステップが、変速機、トルク変換装置、動力伝達経路、モータ、およびエンジンのうち少なくとも1つの軸回転スピードに基づいて前記第1のトルクレベルを推定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ブームの前記上昇が、前記ブームに関連した初期上向きブーム運動率を、一定の期間中に、前記車両の前記検出された対地スピードの減少に比例して、より高いブーム運動率まで増大させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記バケットの前記上方回転または前記ひねりが、前記バケットに関連した初期上向きバケット回転率を、一定の期間中に、前記検出された対地スピードの減少に比例して、より高いバケット回転率まで増大させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの車輪が、連結された部材の軌道またはベルトに関連したはめば歯車を含み、前記車両が軌道車両またはクローラを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
車両を制御するシステムであって、
前記車両の少なくとも1つの車輪に加えられたトルクの第1のトルクレベルおよび第2のトルクレベルを検出するトルク検出装置であって、前記第1のトルクレベルが、前記車両に付随するブームの低い方のブーム位置に関連し、前記第2のトルクレベルが、前記低い方のブーム位置より高い高架されたブーム位置に関連するトルク検出装置と、
有効なトルクを前記第1のトルクレベルから高めるために、前記ブームを前記低い方のブーム位置から上昇させる第1の油圧シリンダと、
前記車両に付随するバケットを上方回転させる第2の油圧シリンダと、
前記第1のトルクレベルが第1のトルク閾値を超える場合、前記ブームを上昇させるための、前記第1の油圧シリンダを制御する第1の制御データまたは第1の制御信号を送り、前記検出された第2のトルクレベルが第2のトルク閾値を満たすか、または超える場合、前記バケットを上方回転させるための第2の制御データまたは第2の制御信号を送るコントローラとを備えるシステム。
【請求項13】
前記第1のトルク閾値が、前記低い方のブーム位置にある前記車両に関連した第1の最大トルクレベルに基づき、前記第2のトルク閾値が、前記高架されたブーム位置にある前記車両に関連した第2の最大トルクレベルに基づき、前記低い方のブーム位置はブーム高度が限界高度未満であり、前記高架されたブーム位置はブーム高度が前記限界高度以上である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラが、前記ブームに関連した初期上向きブーム運動率を、一定の期間中に、前記検出された第1のトルクレベルの増加に比例して、より高いブーム運動率まで増大させるようになっている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラが、前記第1の油圧シリンダに関連した弁の開口を増大させるための前記第1の制御信号または第1の制御データを生成する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラが、前記バケットに関連した初期上方回転率を、一定の期間中に、前記検出された第2のトルクレベルの増加に比例して、より高いバケット回転率まで増大させるようになっている、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラが、前記第2の油圧シリンダに関連した弁の開口を増大させるための前記第2の制御信号または第2の制御データを生成する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記車両の対地スピードを測定する、前記車両に関連した対地スピードセンサと、
前記測定された対地スピードが対地スピード閾値より低下した場合、および前記第1のトルクレベルが最小閾値を超えた場合、資材堆積物が作業域に存在する可能性があると見なされると判定する堆積物検出装置とをさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記トルク検出装置が、変速機、トルク変換装置、動力伝達経路、モータ、およびエンジンの少なくとも1つの軸回転スピードに基づいて第1のトルクレベルを検出する、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラが、前記ブームに関連した初期上向きブーム運動率を、一定の期間中に、前記車両の前記検出された対地スピードの減少に比例して、より高いブーム運動率まで増大させるようになっている、請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
前記コントローラが、前記バケットに関連した初期上向きバケット回転率を、一定の期間中に、前記検出された対地スピードの減少に比例して、より高いバケット回転率まで増大させるようになっている、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
連結された部材の複数の軌道と、
前記少なくとも1つの車輪としての複数のはめば歯車であって、前記はめば歯車が前記連結された部材を係合させ、前記車両が軌道車両と見なされる、はめば歯車とをさらに備える、請求項12に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2010−522293(P2010−522293A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554577(P2009−554577)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/003674
【国際公開番号】WO2008/115546
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【Fターム(参考)】