説明

資産管理システムおよび携帯資産管理装置

【課題】資産が置かれている場所を問わずに、資産の紛失を検知する。
【解決手段】持ち出す管理対象物品1を持出登録端末7に申請し、資産管理サーバ3に登録する。管理対象物品1には定期的にタグID情報21を発信するICタグ2が取り付けられている。保管棚4からタグID情報21を検知できない管理対象物品1が、全ての持出管理装置6または全ての一時退避棚5または他の全ての保管棚4においてタグID情報21を500ミリ秒間受信できない場合に、紛失があったと判断して警告する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資産を管理する資産管理システムおよび携帯資産管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコンや携帯端末を紛失し、その中の記憶媒体に保存されている顧客情報や個人情報が外部に流出することが問題となっており、資産管理の徹底が求められている。
【0003】
パソコンや携帯端末のような資産を管理するためのシステムとしては、管理対象の資産に無線ICタグを取り付け、無線ICタグリーダによって資産に取り付けられた無線ICタグに保存された情報を読み取り、その情報により資産を管理するものが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、資産に無線ICタグを取り付け、特定の領域の出入口に無線ICタグリーダを備えた出入検出装置を設置し、この特定の領域から退出する人にも無線ICタグを持たせることによって、資産を管理する手法が開示されている。
【0005】
資産を持ち出す人は、この特定の領域を出る前に管理データベースに、自分の保持する無線ICタグと持ち出す資産に取り付けられている無線ICタグの情報を登録する。特定の領域の出入口に設置された出入検出装置によって無線ICタグを持った人が無線ICタグの取り付けられた資産を持って退出したことが検出されると、出入検出装置は、検出された人の保持する無線ICタグと資産に取り付けられている無線ICタグの情報が事前に管理データベースに登録されているか否かをチェックする。
【0006】
出入検出装置は、これらの情報が登録されている場合には正当な持ち出しであると判断する。一方、いずれかの無線ICタグの情報が登録されていない場合、出入検出装置は、不正な持ち出しであると判断する。例えば、退出する人が保持する無線ICタグの情報が検出されず、持ち出された資産に取り付けられた無線ICタグの情報のみが検出された場合には出入検出装置は、不正な持出であると判断する
そして、不正な持出があったと判断すると、出入検出装置は、警告音声を発声し、監視カメラに映像を撮影させる。このようにして、出入検出装置は資産の不正な持出を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−260254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の出入検出装置は、特定の領域の出入口でのみ不正な持ち出しを検出することができる。資産が特定の領域から持ち出された場合、資産を管理することができない。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、資産が置かれている場所を問わずに、資産の紛失を検知することができる資産管理システムおよび携帯資産管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第一の観点に係わる資産管理システムは、
移動可能な資産ごとに装着され、当該各資産を識別する資産識別情報を記憶しており、当該資産識別情報を出力する複数の資産情報記憶手段と、
保管領域に保管されている資産に装着されている各前記資産情報記憶手段に記憶されている資産識別情報を読み取り、読み取った当該資産識別情報を出力する複数の保管資産情報処理手段と、
各前記資産情報記憶手段に記憶されている前記資産識別情報を読み取って、読み取った当該資産識別情報を出力する、移動可能な複数の携帯資産情報処理手段と、
各前記保管資産情報処理手段の出力する資産識別情報または各前記携帯資産情報処理手段の出力する資産識別情報を受信して記憶する受信資産情報記憶手段と、
管理対象の各資産の資産識別情報と、前記受信資産情報記憶手段に記憶されている前記資産識別情報とに基づいて、管理対象資産の資産識別情報であり、かつ、前記受信資産情報記憶手段に記憶されていない資産識別情報を特定し、特定した当該資産識別情報を紛失した資産の資産識別情報として出力する管理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第二の観点に係わる携帯資産管理装置は、電源をオン・オフすることが可能であり、当該電源がオンされているときに、移動可能な資産ごとに装着されている資産情報記憶手段に記憶されている資産識別情報を読み取る資産識別情報読取回路と、
管理対象の資産の資産識別情報を受信する受信手段と、
前記資産識別情報読取回路によって読み取られた資産識別情報を出力する出力手段と、
前記資産識別情報読取回路の電源がオフである場合に、前記受信手段によって資産識別情報が受信されたことに応答して前記資産識別情報読取回路の電源をオンし、前記受信手段によって受信された資産識別情報と同一の資産識別情報を前記資産識別情報読取回路が所定の期間内に読み取った場合には、前記資産識別情報読取回路の電源をオンに保ち、前記受信手段によって受信された前記資産識別情報と同一の資産識別情報を前記資産識別情報読取回路が所定の期間内読み取らなかった場合には、前記資産識別情報読取回路の電源をオフする電源制御手段と、
を備え、
移動可能である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、資産が置かれている場所を問わずに、資産の紛失を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態にかかる資産管理システムを示すブロック図である。
【図2】管理対象物品に取り付けたICタグのタグID情報と取り付けた管理対象物品に関する情報を記録する資産管理テーブルを示す図である。
【図3】管理対象物品に取り付けたICタグからタグID情報を読み取るICタグリーダを設置した場所を示す情報を記録するICタグリーダ管理テーブルを示す図である。
【図4】持出登録端末において登録されたグループ名とそのメンバを示す情報を記録するグループ管理テーブルを示す図である。
【図5】持出管理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】持出登録端末の表示部に表示される持出登録端末メインメニューを表す図である。
【図7】持出登録端末の表示部に表示される持出登録申請メニューを表す図である。
【図8】保管棚または一時退避棚から管理対象物品が持ち出された場合のフローチャートである。
【図9】持ち出されたと判断された管理対象物品のタグIDを、持出申請者の所有する持出管理装置が受信できる場合のフローチャートである。
【図10】持ち出されたと判断された管理対象物品が持出申請されていない場合、もしくは、持出申請者の所有する持出管理装置がタグIDを受信できない場合のフローチャートである。
【図11】持ち出した後の管理対象物品の監視フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る資産管理システムついて図面を参照して説明する。
【0015】
本発明の実施形態に係る資産管理システム100は、図1に示すように、管理対象物品1と、管理対象物品1に取り付けられたIC(Integrated Circuit)タグ2と、資産管理サーバ3と、ICタグリーダ10−aを備えた保管棚4と、ICタグリーダ10−bを備えた一時退避棚5と、ICタグリーダ10−cを備えた持出管理装置6と、持出登録端末7と、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント8とを備えている。
資産管理サーバ3と保管棚4と一時避難棚5と持出登録端末7と無線LANアクセスポイント8はネットワーク11を介して接続されている。
なお、図1には、管理対象物品1と保管棚4と一時退避棚5と持出管理装置6は各々1個のみ記載されているが、資産管理システム100は、管理対象物品1と保管棚4と一時退避棚5と持出管理装置6をそれぞれ複数個づつ有していても良い。
【0016】
管理対象物品1に取り付けられたICタグ2は、電源と、無線送信回路と、無線アンテナとを備えたアクティブタイプの無線ICタグである。ICタグ2は、100ミリ秒毎に、ICタグ2を識別するための情報であるタグID(Identifier)情報21を無線送信回路から発信する。
【0017】
資産管理サーバ3は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Randam Access Memory)、ROM(Read Only memory)等を含む制御部と、ハードディスク装置等を含む記憶部と、NIC(Network Interface Card)と、ルータ、モデム等を含む通信制御部と、現在時刻をカウントするタイマとを備えている。
資産管理サーバ3は、登録された資産を管理する。登録される資産は、例えば、ノートパソコンや携帯端末のような移動可能なものである。
資産管理サーバ3は、後述するように、図2に示す資産管理テーブル310と、図3に示すICタグリーダ管理テーブル320と、図4に示すグループ管理テーブル330を記憶部に保存している。
【0018】
保管棚4は、タグID情報21を受信するICタグリーダ10−aと、ネットワーク11に接続するためのNICとを備えている。ICタグリーダ10−aには、タグID情報21を受信したICタグリーダを識別するためにタグリーダID(Identifier)が付与されている。
保管棚4は、保管されている複数の管理対象物品1のICタグ2が送信するタグID情報21を受信し、受信したタグID情報21を、ネットワーク11を介して100ミリ秒毎に資産管理サーバ3に送信する。
【0019】
一時退避棚5は、タグID情報21を受信するICタグリーダ10−bと、ネットワーク11に接続するためのNICとを備えている。ICタグリーダ10−bには、タグID情報21を受信したICタグリーダを識別するためにタグリーダIDが付与されている。
一時退避棚5は、ユーザが一時的に管理対象物品1から離れる時に一時保管場所として利用される。一時退避棚5は、一時的に保管されている複数の管理対象物品1のICタグ2が送信する受信可能なタグID情報21を全て受信し、受信したタグID情報21を100ミリ秒毎に資産管理サーバ3に送信する。
【0020】
持出管理装置6は、後述の図5に示すように、タグID情報21を受信するICタグリーダ10−cと、受信したタグID情報21をログとして保存する読取情報保存部61と、無線LANアクセスポイント8と通信するための無線LAN通信モジュール62と、CPU、RAM、ROM等を含む制御部63と、現在時刻をカウントするタイマ64とを備えている。ICタグリーダ10−cには、タグID情報21を受信したICタグリーダを識別するためにタグリーダIDが付与されている。
持出管理装置6は、ユーザが持ち運びできる移動可能な装置である。持出管理装置6は、電源を備えた単体の装置であっても良いし、ICカードや携帯電話等の携帯型端末に組み込まれていても良い。
【0021】
ユーザは、保管棚4から管理対象物品1を持ち出す場合には、持出管理装置6を携行する。持出管理装置6は、ユーザが持ち運んでいる管理対象物品1のICタグ2から送信されるタグID情報21を受信し、受信したタグID情報21を無線LANアクセスポイント8とネットワーク11を介して100ミリ秒毎に資産管理サーバ3に送信する。
【0022】
持出登録端末7は、CPU、ROM、RAM等を含む制御部と、ハードディスク装置等を含む記憶部と、NIC、ルータ、モデム等を含む通信制御部と、ディスプレイ等を含む表示部、タッチパネルやキーボードを含む入力部と、現在時刻をカウントするタイマとを備えている。
ユーザは、保管棚4から管理対象物品1を持ち出す際に、持出登録端末7を用いて管理対象物品1の持出を資産管理サーバ3に申請する。
【0023】
申請された管理対象物品1のICタグ2が送信するタグID情報21が、保管棚4のICタグリーダ10−a、一時退避棚5のICタグリーダ10−b、および持出管理装置6のICタグリーダ10−cに受信される状況により、資産管理サーバ3は、申請された管理対象物品1が正当な所有者によって保持されているか、または、申請された管理対象物品1が紛失したか等を判別する。
【0024】
次に、本発明の実施形態に係る資産管理システム100の構成を詳細に説明する。
【0025】
資産管理サーバ3の記憶部に保存されている資産管理テーブル310には、図2に示すように、ICタグ2のタグID情報21と、ICタグ2の取り付けられた管理対象物品1の資産名とを紐付ける紐付情報が記録されている。また、ICタグ2の取り付けられた管理対象物品1の紐付情報には、タグID情報21を受信しているICタグリーダの所在である受信場所が更に紐付けられている。受信場所には、後述する図3のICタグリーダ管理テーブルにおいてタグID情報21を受信したICタグリーダのタグリーダIDに紐付けられるユーザ名または保管棚4の配置場所または一時退避棚5の配置場所が記録される。
【0026】
また、持出登録端末7で持出を申請することにより、更に管理対象物品1を持ち出す予定の時刻である予定持出時間と、管理対象物品1を返却する予定の時刻である予定返却時間と、持出を申請する人(申請者)の名前である申請者名と、申請者以外に使用する可能性のあるユーザが所属するグループの名前であるグループ名が紐付けされる。
【0027】
ICタグリーダ管理テーブル320には、図3に示すように、持出管理装置6のICタグリーダ10−cのタグリーダIDとしても用いられるユーザIDと、持出管理装置6の所有者の名前を示すユーザ名とを紐付ける紐付情報と、保管棚4に取り付けられたICタグリーダ10−aのタグリーダIDと保管棚4の配置場所を紐付ける紐付情報と、一時退避棚5に取り付けられたICタグリーダ10−bのタグリーダIDと一時退避棚5の配置場所を紐付ける紐付情報と、が記録されている。
【0028】
グループ管理テーブル330には、図4に示すように、持出登録端末7にて登録されるグループIDと、申請者以外に使用する可能性のあるユーザが所属するグループの名前を示すグループ名と、グループに所属するメンバの名前を示すメンバ名とを紐付ける紐付情報が記録されている。
【0029】
また、持出登録端末7の入力部から入力する事によって、図2の資産名、図3のユーザ名と保管棚4の配置場所と一時退避棚5の配置場所、および図4のグループ名とメンバ名を編集することができる。
【0030】
持出管理装置6は、図5に示すように、ICタグリーダ10−cと、読取情報保存部61と、無線LAN通信モジュール62と、制御部63と、タイマ64を備えている。
【0031】
ICタグリーダ10−cは、管理対象物品1に取り付けられているICタグ2から発信されるタグID情報21を受信し、受信したタグID情報21を読取情報保存部61と制御部63へ送信する。
【0032】
読取情報保存部61は、ICタグリーダ10−cが受信したタグID情報21をタイマ64によって計測される現在時刻とともにログとして保存する。
【0033】
制御部63は、ICタグリーダ10−c、読取情報保存部61、無線LAN通信モジュール62を制御する。また、制御部63は、無線LAN通信モジュール62から、無線LANアクセスポイント8を介してネットワーク11に接続されている資産管理サーバ3と通信する。
【0034】
持出管理装置6は、資産管理サーバ3からタグID情報21を通知するよう要求されると、現在受信している全てのタグID情報21を資産管理サーバ3に送信する。
【0035】
また、持出管理装置6は、資産管理サーバ3から管理対象物品1の監視を要求されると、監視の対象である管理対象物品1のタグID情報21を受信した場合には、読取情報保存部61に受信したタグID情報21をタイマ64の計測した現在時刻とともにログとして保存する。
監視の対象である管理対象物品1から、500ミリ秒間タグID情報21を受信しなかった場合には、監視の対象である管理対象物品1からタグID情報21を受信できない旨を資産管理サーバ3に通知する。
また、それまで受信できなかった監視対象の管理対象物品1のタグID情報21を受信すると、タグID情報21が受信できるようになった旨を資産管理サーバ3に通知する。
【0036】
また、持出管理装置6は、資産管理サーバ3から管理対象物品1の監視の停止を要求されると、監視の停止の対象である管理対象物品1のタグID情報21のログの保存を停止する。
【0037】
また、持出管理装置6は、監視中に資産管理サーバ3と通信できなくなった場合、資産管理サーバ3との通信が復旧した後に、受信できない期間があった旨を通知する。更に、受信できない期間に保存したログを資産管理サーバ3に送信する。
【0038】
保管棚4は、現在受信している全てのタグID情報21を100ミリ秒毎に資産管理サーバ3に送信する。
【0039】
一時退避棚5は、ユーザが一時的に管理対象物品1から離れる時に一時保管場所として利用される。一時退避棚5は、現在受信している全てのタグID情報21を100ミリ秒毎に資産管理サーバ3に送信する。
【0040】
持出登録端末7の表示部には、図6に示すメインメニュー710が表示されている。メインメニュー710には、現在どのユーザがログインしているかを示すログイン状況711と、タイマがカウントする現在時刻712と、持出登録申請窓713と、新規資産登録窓714と、資産情報編集窓715と、ユーザ登録・グループ登録窓716と、ユーザ編集・グループ編集窓717と、ログイン・ログアウト窓718とが表示される。
ユーザは、メインメニュー710から行いたい作業を選択する。
【0041】
持出を申請するとき、ユーザはログイン・ログアウト窓718を選択し、ユーザIDをもってログインする。そして、ユーザが持出登録申請窓713を選択すると、表示部に図7に示す持出申請登録メニュー810が表示される。
【0042】
表示部上の持出申請登録メニュー810には、ログイン状況711と、現在時刻712と、持ち出す管理対象物1を選択する資産選択窓811と、管理対象物品1を持ち出す予定の時刻を登録する予定持出時刻登録窓812と、管理対象物品1を返却する予定の時刻を登録する予定返却時刻登録窓813と、持ち出した管理対象物品1を引き渡すユーザがいる場合に申請者以外に使用する可能性のあるユーザが所属するグループ名を選択するユーザ・グループ窓814と、登録を完了する際に選択する登録ボタン815と、登録を中止するときに選択するメインメニューボタン816と、エラーなどのメッセージ817とが表示される。
ユーザは、持出申請登録メニュー810に表示される指示に従って持出を申請する。
【0043】
例えば、予定持出時刻と予定返却時刻が入力されていないと、メッセ−ジ817に予定持出時刻と予定返却時刻の入力を促すエラーメッセージが表示される。ユーザは、表示されたエラーメッセージに従って予定持出時刻と予定返却時刻を入力し、再度登録ボタン815を選択し、登録を完了させる。
また、引き渡す可能性のあるユーザがいる場合は、引き渡す予定のユーザの属するグループを更に選択する。
【0044】
入力を完了し登録ボタン815を選択すると、入力された情報は資産管理サーバ3に送信され、資産管理サーバ3に保管されている資産管理テーブル310が更新される。
【0045】
新規資産登録窓714と、資産情報編集窓715と、ユーザ登録・グループ登録窓716と、ユーザ編集・グループ編集窓717においても同様の作業が可能であり、登録または編集が完了すると、登録または編集された情報は資産管理サーバ3に送信される。
【0046】
また、持出登録端末7は、不正持出、紛失を検出したとき、アラームを鳴らすことにより警告を報知し、不正持出または紛失の情報をユーザの携帯電話やパソコンに送信して警告を報知する。
例えば、全てのICタグリーダ10−a、10−b、10−cにおいて読み取れないタグID情報21があると、持出登録端末7は紛失があったとして警告を報知する。
また、申請者または使用グループに属さない人の持出管理装置6のICタグリーダ10−cでタグID情報21が読み取られると、持出登録端末7は誤った持ち出しがあったとして警告を報知する。
また、持出申請されていない管理対象物品1のタグID情報21が持出管理装置6のICタグリーダ10−cで読み取られると、持出登録端末7は不正な持出があったとして警告を報知する。
【0047】
また、持出申請に対して、資産管理サーバ3は、タイマ64がカウントする現在時刻と資産管理テーブル310とに基づいて、管理対象物品1の持出の申請が登録されているにも関わらず、予定した時刻までに持ち出されなかった管理対象物品1を検出する。資産管理サーバ3は、予定した時刻までに持ち出されなかった管理対象物品1を検出すると、資産管理テーブル310の持出申請情報をキャンセルし、未登録に更新する。なお予定した時刻までに管理対象物品1が持ち出されなかったことは、タイマ64が出力する現在時刻が持出申請に含まれる持ち出しを予定する時刻から所定の時間以上経過した後に、資産管理サーバ3が、保管棚4から持ち出しを予定した管理対象物品1のタグID情報21を受信したことより検出する。
【0048】
また、資産管理サーバ3は、タイマがカウントする現在時刻と資産管理テーブル310に基づいて、返却を予定した時刻までに返却されなかった管理対象物品1を検出する。返却を予定した時刻までに返却されなかった管理対象物品1を検出すると、資産管理サーバ3は、持出登録端末7に申請された返却予定時刻までに返却されなかった管理対象物品1がある旨を送信し、申請された返却予定時刻までに返却されなかった管理対象物品1がある旨を受信した持出登録端末7はアラームを鳴らすことによって警告を報知する。また、資産管理サーバ3は、管理対象物品1の持出を申請した申請者の携帯端末やパソコンへメールで警告を通知してもよい。
なお、返却を予定した時刻までに管理対象物品1が返却されなかった事は、資産管理サーバ3に備えられたタイマが出力する現在時刻が持出申請に含まれる返却を予定する時刻から所定の時間以上経過した後に、資産管理サーバ3は、保管棚4から返却が予定されている管理対象物品1のタグID情報21を受信しないことにより検出する。
【0049】
図8乃至11に示す動作フローチャートを参照して、次に本発明の実施形態に係る資産管理システム100の動作を説明する。
【0050】
保管棚4は、保管棚4に保管している管理対象物品1に取り付けられたICタグから送信されるタグID情報21を受信し(ステップS101)、受信したタグID情報21を100ミリ秒毎に資産管理サーバ3に送信する(ステップS102)。タグID情報21を受信した資産管理サーバ3は、保管棚4から受信しているタグID情報21のうちで、500ミリ秒間受信できなくなったタグID情報21を検知すると(ステップS103)、受信できなくなったタグID情報21を持った管理対象物品1が、持出申請されているか調べる(ステップS104)。
【0051】
一方、一時退避棚5は、一時退避棚5が保管している管理対象物品1に取り付けられたICタグから送信されるタグID情報21を受信し(ステップS105)、受信したタグID情報21を100ミリ秒毎に資産管理サーバ3に送信する(ステップS106)。
【0052】
保管棚4から500ミリ秒間受信できないタグID情報21をもった管理対象物品1が、持出申請されている場合(ステップS104が“YES”)、もしくは、資産管理サーバ3が一時退避棚5から受信しているタグID情報21の中で、500ミリ秒間受信できなくなったタグID情報21を検知した場合(ステップS107)、資産管理サーバ3は、受信できなくなったタグID情報21を持つ管理対象物品1を持出申請している申請者の所有する持出管理装置6へ、受信可能なタグID情報21を全て受信して、受信したタグID情報21を全て送信するよう要求する(ステップS108)。この要求を受信した持出管理装置6(ステップS109)は、ICタグリーダ10−cと読取情報保存部61の電源がオフ状態であれば電源をオンし、オン状態であればICタグリーダ10−cと読取情報保存部61に動作を継続させ(ステップS110)、受信可能なタグID情報21を全て受信して(ステップS111が“YES”)、受信したタグID情報21を全て資産管理サーバ3へ送信する(ステップS112)。また、持出管理装置6は、タグID情報21を受信可能ではない場合(ステップS111が“NO”)、タグID情報21を受信できない旨を資産管理サーバ3へ通知する(ステップS113)。
【0053】
持出管理装置6からタグID情報21を受信すると(ステップS114)、資産管理サーバ3は、受信したタグID情報21が、持出申請された管理対象物品1のタグID情報21と同じタグID情報21であれば(ステップS201が“YES”)、申請者の所有する持出管理装置6へ、管理対象物品1の監視を要求する(ステップS202)。要求を受けた持出管理装置6は、管理対象物品1の監視を開始する(ステップS203)。
【0054】
資産管理サーバ3は、申請者の持出管理装置6から受信したタグID情報21が、持出申請された管理対象物品1のタグID情報21とは異なるタグID情報21であれば(ステップS201が“NO”)、持出登録端末7へ不正持出である旨を通知する(ステップS204)。不正持出である旨を受信した持出登録端末7は不正持出の警告を報知する(ステップS205)。また、資産管理サーバ3は、申請者の所有する持出管理装置6へ、申請者が不正に持出した管理対象物品1の監視を要求する(ステップS202)。要求を受けた持出管理装置6は、管理対象物品1の監視を開始する(ステップS203)。
【0055】
資産管理サーバ3が保管棚4から受信しているタグID情報21のうちで、500ミリ秒間受信できなくなった管理対象物品1が持出申請されていない場合(ステップS104が“NO”)、もしくは、申請者の持出管理装置6からタグID情報21を受信できない旨を受信した場合(ステップS115)、資産管理サーバ3は、全ての持出管理装置6に対し、受信可能なタグID情報21を全て受信し、受信したタグID情報21を送信するよう要求する(ステップS301)。
【0056】
要求を受信した各持出管理装置6(ステップS302)は、ICタグリーダ10−cと読取情報保存部61の電源がオフ状態であれば電源をオンし、オン状態であればICタグリーダ10−cと読取情報保存部61に動作を継続させる。そして、各持出管理装置6は、受信可能なタグID情報21を受信し、受信したタグID情報21を資産管理サーバ3へ送信する(ステップS303)。
【0057】
資産管理サーバ3は、持出管理装置6から受信したタグID情報21の中で、保管棚4または一時退避棚5から500ミリ秒間受信できなくなったタグID情報21と同じタグID情報21があれば(ステップS304が“YES”)、持出登録端末7へ不正持出があった旨を通知する(ステップS305)。不正持出があった旨を受信した持出登録端末7は不正持出の警告を報知する(ステップS306)。また、資産管理サーバ3は、不正に持ち出したユーザの持出管理装置6に対し、不正に持ち出された管理対象物品1の監視を要求する(ステップS307)。監視の要求を受信した持出管理装置6は(ステップS308が“YES”)、管理対象物品1の監視を開始する(ステップS309)。
【0058】
また、持出管理装置6は、タグID情報21の送信の要求を受信し(ステップS302)、受信可能なタグID情報21を送信(ステップS303)後、管理対象物品1の監視の要求を所定の時間受信せず(ステップS308“NO”)、かつ、監視対象がなければICタグリーダ10−cと読取情報保存部61の電源をオフする(ステップS310)。
【0059】
資産管理サーバ3は、持出管理装置6から受信したタグID情報21の中で、保管棚4または一時退避棚5から500ミリ秒間受信できなくなったタグID情報21と同じタグID情報21がなければ(ステップS304が“NO”)、持出登録端末7へ管理対象物品1を紛失した旨を通知する(ステップS311)。この通知を受信した持出管理端末7は紛失の警告を報知する(ステップS312)。
【0060】
以上が、保管棚4または一時退避棚5における資産管理フローチャートである。次に図11を参照して持出管理装置6における管理対象物品1の監視フローチャートについて説明する。
【0061】
管理対象物品1に取り付けられているICタグ2からは100ミリ秒毎にタグID情報21が発信されている(ステップS401)。持出管理装置6は、監視している管理対象物品1に取り付けられているICタグ2からタグID情報21を受信し(ステップS402)、監視中の管理対象物品1のタグID情報21を500ミリ秒間受信できなくなると(ステップS403が“YES”)、監視中の管理対象物品1のタグID情報21が受信できない旨を、資産管理サーバ3へ通知する(ステップS404)。
【0062】
資産管理サーバ3は、持出管理装置6から監視中の管理対象物品1のタグID情報21が受信できない旨を受信すると(ステップS405)、資産管理テーブル310を参照し、受信できなくなったタグID情報21を保管棚4もしくは一時退避棚5から受信しているか確認する(ステップS406)。持出管理装置6が受信できないタグID情報21を保管棚4もしくは一時退避棚5から受信していれば、(ステップS406が“YES”)、資産管理サーバ3は、該当の管理対象物品1を監視していた持出管理装置6に該当の管理対象物品1の監視の停止を要求する(ステップS407)。要求を受信した持出管理装置6は、監視を停止するように要求された管理対象物品1の監視を終了する(ステップS408)。
また、監視の停止を受信し、該管理対象物品1の監視を終了した(ステップS408)持出管理装置6は、他に監視中の管理対象物品1があれば(ステップS409が“YES”)、監視を続行し(ステップS410)、監視中の管理対象物品1がなければ(ステップS409が“NO”)、ICタグリーダ10−cと読取情報保存部61の電源をオフし、監視を終了する(ステップS411)
【0063】
持出管理装置6が受信できなくなったタグID情報21を、保管棚4と一時退避棚5とのどちらからも受信できていない場合(ステップS406が“NO”)、資産管理サーバ3は、全ての持出管理装置6に対し、受信可能なタグID情報21を全て受信し、受信したタグID情報21を資産管理サーバ3に送信するよう要求する(ステップS412)。
【0064】
各持出管理装置6は、資産管理サーバ3からタグID情報21の送信を要求されると(ステップS413)、ICタグリーダ10−cと読取情報部61の電源がオフならこれらの電源をオンする。ICタグリーダ10−cと読取情報部61の電源がオンならそのまま継続してこれらの電源をオンに保つ。そして、各持出管理装置6は、受信可能なタグID情報21を全て受信し、受信したタグID情報21を資産管理サーバ3へ送信する(ステップS414)。
【0065】
資産管理サーバ3は、持出管理装置6からタグID情報21を受信すると、受信したタグID情報21の中で、持ち出された管理対象物品1のタグID情報21と同じタグID情報21があるか否かを調べる(ステップS415)。
【0066】
持ち出された管理対象物品1のタグID情報21と同じタグID情報21があると、(ステップS415が“YES”)、資産管理サーバ3は、該当するタグID情報21を送信した持出管理装置6が、持出申請時に登録された引き渡しグループに所属するユーザの所持する持出管理装置6であるか否かを調べる(ステップS416)。
【0067】
該当するタグID情報21を送信した持出管理装置6が、持出申請時に登録された引き渡しグループに所属するユーザの所持する持出管理装置6であった場合(ステップS416が“YES”)、資産管理サーバ3は、該当のタグID情報21を受信可能な持出管理装置6に管理対象物品1の監視を要求し(ステップS417)、該当のタグID情報21を受信できなくなった持出管理装置6に管理対象物品1の監視の停止を要求する(ステップS418)。
【0068】
管理対象物品1の監視の要求を受信した(ステップS419が“YES”)持出管理装置6は、管理対象物品1の監視を開始し(ステップS420)、管理対象物品1の監視の要求を受信しなかった(ステップS419“NO”)持出管理装置6は、監視対象がなければ一定時間後にICタグリーダ10−cと読取情報保存部61の電源をオフする(ステップS421)。
また、管理対象物品1の監視の停止を受信し、該管理対象物の監視を終了した(ステップS408)持出管理装置6は、他に監視中の管理対象物品1があれば(ステップS409が“YES”)、監視を続行し(ステップS410)、監視中の管理対象物品1がなければ(ステップS409が“NO”)、ICタグリーダ10−cと読取情報保存部61の電源をオフして監視を終了する(ステップS411)。
【0069】
ただし、引き渡しグループに所属しないユーザの所持する持出管理装置6から、要求したタグID情報21を受信した場合(ステップS416が“NO”)には、資産管理サーバ3は持出登録端末7へ不正持出があった旨を通知する(ステップS422)。不正持出があった旨を通知された持出登録端末7は不正持出の警告を報知する(ステップS423)。
【0070】
また、資産管理サーバ3は、該当のタグID情報21を受信可能な持出管理装置6に管理対象物品1の監視を要求し(ステップS417)、該当のタグID情報21を受信できなくなった持出管理装置6に管理対象物品1の監視の停止を要求する(ステップS418)。
【0071】
管理対象物品1の監視の要求を受信した(ステップS419が“YES”)持出管理装置6は、管理対象物品1の監視を開始し(ステップS420)、管理対象物品1の監視の要求を受信しなかった(ステップS419“NO”)持出管理装置6は、監視対象がなければ一定時間後にICタグリーダ10−cと読取情報保存部61の電源をオフして監視を終了する(ステップS421)。
【0072】
資産管理サーバ3が全ての持出管理装置6から受信したタグID情報21の中で、持出管理装置6が監視中に受信できなくなったタグID情報21と同じタグID情報21がない場合(ステップS415が“NO”)には、持出登録端末7へ管理対象物品1が紛失した旨を通知する(ステップS424)。通知を受けた持出登録端末7は紛失の警告を報知する(ステップS425)。
【0073】
また、資産管理サーバ3は、タグID情報21を受信できなくなった持出管理装置6に、紛失した管理対象物品1の監視の停止を要求する(ステップS416)。要求を受けた持出管理装置6は紛失した管理対象物品1の監視を終了する(ステップS408)。
また、管理対象物品1の監視の停止を受信し、該管理対象物品1の監視を終了した(ステップS408)持出管理装置6は、他に監視中の管理対象物品1があれば(ステップS409が“YES”)、監視を続行し(ステップS410)、監視中の管理対象物品1がなければ(ステップS409が“NO”)、ICタグリーダ10−cと読取情報保存部61の電源をオフして監視を終了する(ステップS411)。
【0074】
以上図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0075】
なお、上記実施形態において、保管棚や一時退避場所は100ミリ秒毎にタグID情報を資産管理サーバに送信していたが、送信する時間の間隔は100ミリ秒に限られるわけではなく、任意に調整することができる。
【0076】
また、管理対象物品に取り付けられるICタグは、100ミリ秒毎にタグID情報を発信するアクティブタイプのICタグであったが、送信する時間の間隔は100ミリ秒に限られるわけではなく、任意に調整することができる。
【0077】
また、資産管理サーバは500ミリ秒間受信できないタグID情報を検出していたが、検出する時間の間隔は500ミリ秒に限られず、保管棚や一時退避場所が定期的に送信する時間より長ければ、使用者が任意に調整することができる。
【0078】
上記実施形態において、ICタグは、内部に電源を有しているアクティブタイプであったが、アクティブタイプに限定されず、ICタグの内部に電源を持たず、ICタグリーダが発信する電波を受け、その磁界によってコイル状のアンテナに電流を発生させて動作するパッシブタイプのICタグであってもよい。
【0079】
本実施形態において、保管棚は保管棚単体として説明したが、管理対象物品を保管可能であり、保管してある管理対象物品に取り付けられているICタグのタグID情報を受信できればよく、金庫や倉庫など保管庫に、ICタグリーダと受信したタグID情報を資産管理サーバに送信する機能とを付加して使用してもよい。
【0080】
また、一時避難棚は一時避難棚単体として説明したが、一時的に管理対象物品を保管でき、保管している管理対象物品に取り付けられているICタグのタグID情報を受信できればよく、机や棚に、ICタグリーダと受信したタグID情報を資産管理サーバに送信する機能とを付加して一時避難場所として使用してもよい。
【0081】
また、持出登録端末はタッチパネルを備えたパソコン端末として説明したが、持出登録端末はタッチパネルを備えるパソコン端末に限定されず、マウスやキーボードをインターフェースに備えるパソコン端末や、ユーザのバーコードやICチップを読み取ることでログインを行うことができるパソコン端末であってもよい。また上記実施形態では持出申請は持出登録端末から行うが、各ユーザの所有するパソコンや携帯端末から持出申請を行っても良い。
【0082】
また、上記実施形態では、持出登録端末を単体として説明したが、単体である必要はなく、持出登録端末は資産管理サーバに組み込まれていてもよい。
【0083】
本発明によれば、資産が置かれている場所を問わずに、資産の不正持出と紛失を検知することができる。
また、上記実施形態においては、携帯電話やノートパソコンのように個人情報を内部に保存している資産の管理について説明したが、本発明はプロジェクターのような資産や倉庫内の在庫の管理に適用することもできる。
【0084】
倉庫内の在庫管理の場合、在庫にICタグをつけ、在庫の種類によって決まった保管場所にICタグリーダをつけ、在庫を取り出す者は持出管理装置を所持し、在庫を取り出す際は持出登録端末にて持出登録をし、在庫が出荷された際はその在庫は管理対象から抹消される。
【0085】
これによって、常にどの在庫がどこにあるかを検知でき、資産管理サーバにて在庫管理を行うことができる。また、紛失や不正持出を検出でき、商品在庫を厳重に保管することが可能になる。
【0086】
また、本発明は企業や販売店の棚卸しにも適用することができる。この場合、棚卸し対象物にICタグをつけ、保管場所にICタグリーダをつけ、持出管理装置を社員カードに組み込ませる。持ち出す必要のあるものは持出登録端末にて持出申請し、棚卸し対象物はICタグリーダが備えられた規定の保管場所に保管する。
【0087】
これによって、常に棚卸しをしているのと同じ効果を得られ、かつ、棚卸し対象物を取り出したり収納しなおしたりする必要がなくなる。
【符号の説明】
【0088】
1 管理対象物品
2 ICタグ
3 資産管理サーバ
4 保管棚
5 一時退避棚
6 持出管理装置
7 持出登録端末
8 無線LANアクセスポイント
10 ICタグリーダ
11 ネットワーク
21 タグID情報
61 読取情報保存部
62 無線LAN通信モジュール
63 制御部
64 タイマ
100 資産管理システム
310 資産管理テーブル
320 ICタグリーダ管理テーブル
330 グループ管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な資産ごとに装着され、当該各資産を識別する資産識別情報を記憶しており、当該資産識別情報を出力する複数の資産情報記憶手段と、
保管領域に保管されている資産に装着されている各前記資産情報記憶手段に記憶されている資産識別情報を読み取り、読み取った当該資産識別情報を出力する複数の保管資産情報処理手段と、
各前記資産情報記憶手段に記憶されている前記資産識別情報を読み取って、読み取った当該資産識別情報を出力する、移動可能な複数の携帯資産情報処理手段と、
各前記保管資産情報処理手段の出力する資産識別情報または各前記携帯資産情報処理手段の出力する資産識別情報を受信して記憶する受信資産情報記憶手段と、
管理対象の各資産の資産識別情報と、前記受信資産情報記憶手段に記憶されている前記資産識別情報とに基づいて、管理対象資産の資産識別情報であり、かつ、前記受信資産情報記憶手段に記憶されていない資産識別情報を特定し、特定した当該資産識別情報を紛失した資産の資産識別情報として出力する管理手段と、
を備えることを特徴とする資産管理システム。
【請求項2】
各前記資産情報記憶手段は、記憶している前記資産識別情報を周期的に出力し、
各前記保管資産情報処理手段は、保管領域に保管されている資産に装着されている各前記資産情報記憶手段から読み取った資産識別情報を周期的に読み取って出力し、
前記受信資産情報記憶手段は、各前記保管資産情報処理手段から周期的に出力される資産識別情報を受信して記憶し、継続して受信していた前記資産識別情報の受信が停止したことに応答して、各前記携帯資産情報処理手段に前記資産識別情報を通知し、
各前記携帯資産情報処理手段は、電源をオン・オフすることが可能であり、当該電源がオンされているときに、移動可能な資産ごとに装着されている各前記資産情報記憶手段に記憶されている資産識別情報を読み取る資産識別情報読取回路を含み、読み取った資産識別情報を周期的に出力し、当該資産識別情報読取回路の電源がオフである場合に、前記受信資産情報記憶手段から前記資産識別情報が通知されたことに応答して前記資産識別情報読取回路の電源をオンし、前記受信資産情報記憶手段から通知された前記資産識別情報と同一の資産識別情報を前記資産識別情報読取回路が所定の時間内に読み取った場合には、前記資産識別情報読取回路の電源をオンに保ち、前記受信資産情報記憶手段から通知された前記資産識別情報と同一の資産識別情報を前記資産識別情報読取回路が所定の時間内に読み取らなかった場合には、前記資産識別情報読取回路の電源をオフし、
前記受信資産情報記憶手段は、各前記携帯資産情報処理手段から周期的に出力される資産識別情報を受信して更新し、
前記管理手段は、前記受信資産情報記憶手段に記憶されている資産識別情報に基づいて、紛失した資産の資産識別情報を周期的に判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の資産管理システム。
【請求項3】
各前記携帯資産情報処理手段を識別する携帯資産情報処理手段識別情報と各前記携帯資産情報処理手段を携帯する人を識別する人識別情報とを紐付ける紐付手段と、
各前記保管領域に保管されている資産を持ち出すための持出申請を受け付け、当該持出申請を行う申請者を識別する申請者識別情報と持ち出される資産の資産識別情報とを対応付けて出力する持出申請処理手段と、
を備え、
各前記携帯資産情報処理手段は、当該携帯資産情報処理手段を他の携帯資産情報処理手段と識別させるための携帯資産情報処理手段識別情報を記憶しており、当該携帯資産情報処理手段識別情報と読み取った前記資産識別情報とを対応付けて出力し、
前記紐付手段は、各携帯資産情報処理手段が出力した携帯資産情報処理手段識別情報に紐付けられている人識別情報を出力し、
前記管理手段は、各前記携帯資産情報処理手段が出力した資産識別情報と前記紐付手段が出力した人識別情報との組合せと、前記持出申請処理手段が出力した申請者識別情報と資産識別情報との組み合わせとが異なるか否かを判別し、異なると判別されたことに応答して、各前記携帯資産情報処理手段が出力した資産識別情報を誤って持ち出された資産の資産識別情報として出力する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の資産管理システム。
【請求項4】
前記持出申請処理手段は、現在時刻をカウントするタイマを含み、資産の持ち出しを予定する時刻を含む持出申請を受け付け、前記タイマが出力する現在時刻が前記持出申請に含まれる持ち出しを予定する時刻から所定の時間以上経過した後に、持出申請した資産が保管されている前記保管資産情報処理手段から持ち出しを予定した資産の資産識別情報を受信したことに応答して、当該持ち出しを予定した資産についての持出申請をキャンセルする、
ことを特徴とする請求項3に記載の資産管理システム。
【請求項5】
前記持出申請処理手段は、現在時刻をカウントするタイマを含み、資産の返却を予定する時刻を含む持出申請を受け付け、前記タイマが出力する現在時刻が前記持出申請に含まれる返却を予定する時刻から所定の時間以上経過した後に、前記保管資産情報処理手段から返却が予定されている資産の資産識別情報を受信しないことに応答して、当該返却が予定されている資産の資産識別情報を出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載の資産管理システム。
【請求項6】
前記携帯資産情報処理手段は、現在時刻をカウントするタイマを含み、前記各資産情報記憶手段から読み取った前記資産識別情報を当該タイマが出力する現在時刻に対応付けてログとして保存する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の資産管理システム。
【請求項7】
電源をオン・オフすることが可能であり、当該電源がオンされているときに、移動可能な資産ごとに装着されている資産情報記憶手段に記憶されている資産識別情報を読み取る資産識別情報読取回路と、
管理対象の資産の資産識別情報を受信する受信手段と、
前記資産識別情報読取回路によって読み取られた資産識別情報を出力する出力手段と、
前記資産識別情報読取回路の電源がオフである場合に、前記受信手段によって資産識別情報が受信されたことに応答して前記資産識別情報読取回路の電源をオンし、前記受信手段によって受信された資産識別情報と同一の資産識別情報を前記資産識別情報読取回路が所定の期間内に読み取った場合には、前記資産識別情報読取回路の電源をオンに保ち、前記受信手段によって受信された前記資産識別情報と同一の資産識別情報を前記資産識別情報読取回路が所定の期間内読み取らなかった場合には、前記資産識別情報読取回路の電源をオフする電源制御手段と、
を備え、
移動可能である、
ことを特徴とする携帯資産管理装置。
【請求項8】
他の携帯資産管理装置と識別させるための携帯資産管理装置識別情報を記憶する記憶手段を備え、
前記出力手段は、前記資産識別情報読取回路によって読み取られた資産識別情報と、前記記憶手段に記憶されている前記携帯資産管理装置識別情報とを対応付けて出力する、
ことを特徴とする請求項7に記載の携帯資産管理装置。
【請求項9】
現在時刻をカウントするタイマを備え、
前記資産識別情報読取回路によって読み取られた資産識別情報を前記タイマが出力する現在時刻に対応付けてログとして保存する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の携帯資産管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−238088(P2010−238088A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87001(P2009−87001)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】