説明

賦香方法及び製品

布地向上剤製品であって、(a)(1)容器と、(2)クロージャと、を含むパッケージと、(b)パッケージから布地向上剤と共に注出可能な物質を含む布地向上剤であって、その物質が、(1)布地向上剤との共注出が可能な香料組成物、(2)布地ケア添加剤、及び(3)これらのいずれかの組み合わせ、から選択される布地向上剤と、(c)ヘッドスペースと、(d)布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物と、を含み、布地向上剤のpHが7未満である、布地向上剤製品。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
布地向上剤は、処方及び包装に関係した固有の課題を有する独特の消費者製品カテゴリーとして周知である。そのような製品は、一般に、香料を含有し、ボトルなどのパッケージに入れられて販売されており、製品がそこから比較的広口の注出口を通じて注出される。消費者は一般に、パッケージを開封して製品の臭気を嗅ぐたびに、洗浄及び/又は乾燥サイクルが完了した後に、並びにしばらく収納された洗濯された衣類において、清浄で爽やかな香りを望む。
【0002】
賦香された布地向上剤は、依然として多くの欠点を有している。例えば、香料は、高価な成分の複雑な混合物であり、しばしば、布地向上剤と化学的に反応性があるか又は不適合である。このことは、香料及び香料が相互作用する物質の両方共に、悪影響を与えることがある。更に、これらの適合性の問題は、便器洗浄剤、自動食器洗い製品、シャンプー若しくは食器洗浄剤など、技術的により単純な洗浄製品の場合に直面する問題よりもはるかに大きい可能性がある。特に、シャンプー及び食器手洗い用製品は、製品がそれを通って搾られる制限オリフィスを有するパッケージに入れられて販売され、したがって消費者がそれを通じて製品の匂いを嗅ぐことのできる大きな開口部を有さない。
【0003】
布地向上剤成分は、望ましくない臭気を有する特定の構成成分を含有する場合があり、更に、布地向上剤は香料の安定化を困難にする、課題の多い一連の補助剤を含有する。更に、高価な香料の大部分は、製品が自動洗濯機で衣服を処理するために使用されるときに「排水管に流されて」失われる可能性がある。更に、洗浄された又は処理された基材上の香料の香りは、長く持続しなくてはならない。最後に、布地向上剤は、消費者にとって許容可能な、全体的な香料特徴を有さなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、必要とされているものは、パッケージ開封時の改善された香料の印象、香料成分の改善された使用効率、香料と布地向上剤とのより良好な適合性、製品を使用している間の様々な時点での及びその後の洗濯された織物のより良好な香料の印象、様々な最新性能の補助剤を組み込む能力、並びに一般的に入手可能な布地向上剤物質のあらゆる悪臭を効果的に制御する能力をもたらす布地向上剤である。
【0005】
これらの要求は、布地洗濯の特定の状況で消費者が求める香料の嗅覚特徴に関して消費者を満足させることとパッケージ及び布地向上剤の構成成分が販売されるべき製品へと組み立てられるときの製造上の複雑さを増大させることがないことを両立させる方式で満たされなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、布地向上剤製品であって、(a)(1)容器と、(2)クロージャと、を含むパッケージと、(b)パッケージから布地向上剤と共に注出可能な物質を含む布地向上剤であって、その物質が、(1)布地向上剤との共注出が可能な香料組成物、(2)布地ケア添加剤、及び(3)これらのいずれかの組み合わせ、から選択される、布地向上剤と、(c)ヘッドスペースと、(d)布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物とを含む、布地向上剤製品を包含し、布地向上剤のpHは約7未満である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一態様は、布地向上剤製品であって、(a)(1)容器と、(2)クロージャと、を含むパッケージと、(b)少なくとも1つの布地ケア添加剤と、パッケージから布地向上剤と共に注出可能な物質と、を含む布地向上剤であって、その物質が、(1)布地向上剤との共注出が可能な香料組成物、(2)布地ケア添加剤、(3)香料マイクロカプセル、及び(4)これらのいずれかの組み合わせ、から選択される、布地向上剤と、(c)ヘッドスペースと、(d)布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物とを含む、布地向上剤製品に関する。
【0008】
理論に束縛されるものではないが、本発明は、少なくとも4つの有意な時点において消費者に香料を送達しつつ、容器内に含有された香料の効率を最大限にすると考えられる。消費者は、第1の重要な瞬間では容器を開けるときに香料を供給される。消費者は、第2の重要な瞬間では洗濯サイクルの完了後に香料を供給される。最後に、消費者は、第3の重要な瞬間では衣類の収納後に、並びに衣類の着用中に、香料を供給される。
【0009】
第2の及び第3の重要な瞬間の経験、例えば、乾燥機から出る香り及び乾燥布地の臭気を所望する消費者による要求が存在する。しかし、一部の消費者は、乾燥布地の臭気が1週間まで持続することを望むが、それより長くは望まない。このような初期の乾燥布地の臭気強度を制御することを欲する消費者のためには、驚くべきことに、こうした香り経験は、香料マイクロカプセル及びアミン補助送達システム濃度を、高分子アミンと遊離香料の比率が約0.4よりも大きく約25未満となるように、更には約0.4よりも大きく5未満となるように選択すれば、低い、更にはゼロの、遊離の又はニートの香料濃度を有する布地向上剤を処方することによって達成できることが見出された。別の実施形態では、こうした布地向上剤組成物はまた、布地向上剤との共注出が不可能な香料をも包含する。
【0010】
第3の重要な瞬間の経験がより長い期間続くこと、例えば、彼らの乾燥布地がより強い香り強度を1週間よりも長く有することを望む消費者による要求もまた存在する。より長い期間の間乾燥布地の臭気強度を獲得することを所望する消費者のためには、驚くべきことに、こうした香り経験が、布地向上剤にマイクロカプセル及び高分子アミン及び遊離の香料を配合することにより達成できることが見出された。驚くべきことに、高分子アミン濃度を1%を大幅に超えて増大させることにより、乾燥布地の臭気性能の減少がもたらされる。更に驚くべきことに、高分子アミンと遊離香料との比率が0.030よりも大きく0.40未満であると、所望の乾燥布地の持続性経験がもたらされることを見出した。
【0011】
理論に束縛されるものではないが、高分子アミンと遊離香料の選択された比率は、香料の付着と香料の放出の間の適切なバランスを提供する場合がある。本発明の範囲外の比率は、香料がより抑制され、タイミング悪く放出されることにつながる場合がある。
【0012】
驚くべきことに、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物中の、1.7E−21g(1000ダルトン)を超える分子量を有する全てのポリマーの合計のポリマー濃度と、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物中の香料との比率が、消費者が望む香料の香り持続性を達成するための重要な因子であるということもまた見出された。一実施形態では、全ポリマーの遊離香料に対する比率は、約0.02〜約3.0%であり、別の実施形態では約0.10〜約2.0%、別の実施形態では約0.20〜約1.0%である。
【0013】
パッケージ
本発明の一態様は、(1)容器、典型的にはボトルと、(2)クロージャと、を含むパッケージを含む布地向上剤製品に関する。特定の実施形態では、パッケージは、(3)トランジションカラーなどのトランジション構成要素を更に含む。好適なパッケージは、米国特許第4,550,862号明細書、米国特許第5,108,009号明細書、米国特許第6,398,076号明細書、及び米国特許第6,659,310号明細書に見出され得る。布地向上剤が、例えば、非混和性の、2つ以上の液体を含む特定の実施形態では、米国特許第6,644,511号明細書に記載されるようなパッケージを使用するのが有利な場合がある。
【0014】
特定の実施形態では、通気孔付きクロージャデバイスを包含することが有利な場合がある。好適な通気孔付きクロージャデバイスは、米国特許第6,601,740号明細書及び同第6,874,656号明細書に記載されている。
【0015】
特定の実施形態では、容器にチャイルドセーフティ機構を備えるよう、ドレーンバック・スナップ式注ぎ口クロージャを包含することが有利な場合がある。そのような特定の実施形態では、ドレーンバック注ぎ口嵌着部材は、容器頚部の口(finish)を覆うスナップ嵌め構造を有し、接着剤でそれに固定することができる。スナップ嵌め構造は、容器の口(finish)の径方向外側に向いた表面に係合する、内部の径方向内側に向いたビードを備えた外側の環状スカートを包含する。水平な上側フランジによって外側の環状スカートから離隔されたところに、注ぎ口嵌着部材は、外ねじ付きクロージャを受けるために嵌着部材上に内ねじを備えた内側環状スカートを包含する。クロージャは、嵌着部材の上側フランジに係合するねじ山の上方のプラグシールと、嵌着部材上の径方向内側に向いた干渉突起に係合する径方向外側に向いたラッチとを有し、嵌着部材クロージャのためのチャイルドセーフティ機構を形成する。このようなクロージャの例は、米国特許第6,923,341号明細書に見出され得る。
【0016】
パッケージを作製するために、好適ないずれの構造用プラスチックを使用してもよい。そのような構造用プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、パッケージの構造プラスチックは米国特許第6,756,350号明細書に記載されているように透明であってよい。特定の代替的な実施形態では、構造用プラスチックは、不透明であってもよく、又は異なる不透明度、例えば、パッケージ内の製品の液位をそれを通じて見ることのできる透明ストライプを有する一方、パッケージの残りの部分が不透明であるような構造用プラスチックを組み込んでもよい。
【0017】
特定の実施形態では、応力亀裂抵抗ボトルを使用することが有利な場合がある。このような容器の好適な例は、米国特許第6,464,106号明細書及び米国特許第6,223,945号明細書に見出すことができる。
【0018】
pH
一実施形態では、本発明の布地向上剤は、約1〜約7のpHを有し、別の実施形態では約2〜約6.5、別の実施形態では約4〜約6、別の実施形態では約2〜約、別の実施形態では約2.5〜約4のpHを有する。一実施形態では、布地向上剤のpHは7未満である。布地向上剤の酸性の性質は、特にすすぎサイクルにおいて使用される場合に、布地に柔らかい感触を付与するのを助けると考えられている。
【0019】
香料組成物
本明細書で使用するとき、用語「香料」には、工業グレードの布地ケア活性物質、溶媒、及びビルダー中に存在し得る悪臭不純物以外の、あらゆる発香性物質が包含される。一般的に、そのような物質は、室温における大気圧未満の蒸気圧によって特徴付けられる。本明細書で使用される香料は、ほとんどの場合、室温で液体であるが、また当該技術分野で既知の様々な樟脳系香料又は他の昇華性香料などの固体であってもよい。香料アルデヒド、ケトン、エステル、アルコール、及びテルペンなどの物質を包含する多種多様な化学物質が、香料用途で知られている。様々な化学構成成分の複雑な混合物を含む天然起源の植物油及び動物油並びに滲出物が、香料としての使用で知られており、このような物質を本明細書で使用することができる。本明細書の香料は、それらの組成が比較的単純なものであることもでき、又はすべていずれかの所望の香りをもたらすように選択される、天然及び合成の化学香料構成成分の高度に洗練された複雑な混合物を含むこともできる。本発明の一態様では、香料は、少なくとも1つの香料原料物質を含む。香料原料物質は、種々の香りを創造するために、互いに組み合わせて使用することのできる組成物である。
【0020】
本発明で使用できる典型的な香料は、例えば、ビャクダン油、シベット及びパチョリ油などのような特異的な物質を含有する木質/土壌性の基剤を含む。他の好適な香料は、例えば淡い、花の芳香剤、例えば、バラ抽出物、スミレ抽出物などである。香料は、望ましい果実の香り、例えば、ライム、レモン、オレンジなどの香りをもたらすように処方することができる。
【0021】
簡潔にいえば、心地よい、あるいは他の望ましい香りを発する、化学的に適合性のあるあらゆる材料を、香料として使用してよい。香料材料は、S.アークタンダー(S. Arctander)、パフューム・フレーバー・アンド・ケミカルズ(Perfume Flavors and Chemicals.)、I巻及びII巻、オーサー(Author)(ニュージャージー州、モントクレア(Montclair))、及びメルク・インデックス(Merck Index)、第13版、メルク社(Merck & Co., Inc.)(ニュージャージー州、ラーウエイ(Rahway))により詳しく記載されている。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「悪臭」及び「悪臭のある」には、酵素由来の短鎖脂肪酸、又はアミン、ポリアミン、アミンオキシド界面活性剤、アミド、アルカノールアミン、アンモニア、若しくはアンモニア含有部分などの窒素性化合物を包含するが、これらに限定されない。
【0023】
特定の実施形態では、本明細書で使用するための香料を、カプセル化又はマイクロカプセル化することができる。カプセル化された香料は、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物のポリマー材料全体にわたって分散させてよい。本明細書で使用するための香料はまた、ニート香料として添加されることも可能である。ニート香料は、カプセル化又はマイクロカプセル化されていない。むしろ、ニート香料は典型的に布地向上剤に応じて液体又は固体である。
【0024】
あるいは、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物中に組み込まれる1つ以上の香料構成成分が、カプセル化されていてもよい。一実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な組成物中に存在するカプセル化された香料構成成分は、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物中にはない。特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物をカプセル化する一方で、布地向上剤との共注出が不可能な香料自体を、任意で、従来の可塑剤及び/又は粘着付与剤と組み合わせて、低融点熱可塑性物質、例えば、ホットメルト接着剤などのポリマー材料全体にわたって分散させてよい。
【0025】
本明細書で使用するとき、「カプセル化」は、当該技術分野で認識されており、少量の香料を完全に取り囲むシェルの形成を指す。シェル材料は、布地向上剤との共注出が不可能な香料のポリマー組成物と同一であってもよく、又は香料を放出させるためにシェルを破裂させる前にも破裂させた後にもポリマー組成物の特性を損なわない他のいずれかの成分を含んでよい。同様に、香料を、それ自体が他のカプセルと共にカプセル化されるシェル内でカプセル化してよい。別の実施形態では、カプセルシェル壁材料は、ゼラチン、尿素−ホルムアルデヒド、ポリウレタン、メラミン−ホルムアルデヒド、又はこれらの組み合わせのような有機ポリマーを含む。
【0026】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴に合致する嗅覚特徴を有する。特定の代替的な実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴とは異なる嗅覚特徴を有する。
【0027】
香料は、典型的には、揮発性の異なる多数の構成成分から構成される。布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、一実施形態では、それらの異なる揮発性に基づいた構成成分の分離を回避し、長時間にわたって完全な香料ブーケの持続供給を可能にする。特定の好ましい実施形態では、香料は、一実施形態では複数の構成成分、一実施形態では5種を超える構成成分によって構成される香料である。
【0028】
一態様では、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する好適な香料原料物質は、表1に列挙された物質であり、このような物質を表1の香料原料物質として記述する。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【0029】
一態様では、好適な表1の香料原料物質としては、No.1〜No.39の香料原料物質及びこれらの混合物が挙げられる。
【0030】
一態様では、好適な表1の香料原料物質としては、No.1〜No.29の香料原料物質及びこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
一態様では、250℃以下の沸点及び2.5よりも大きいClogPを有する好適な香料原料物質は、以下の表2に列挙された物質であり、このような物質を表2の香料原料物質として記述する。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

【0032】
一態様では、好適な表2の香料原料物質としては、No.1〜No.116の香料原料物質及びこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
一態様では、好適な表2の香料原料物質としては、No.1〜No.79の香料原料物質及びこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
一態様では、250℃よりも大きいが280℃以下の沸点を有する好適な香料原料物質は、以下の表3に列挙された物質であり、このような物質を表3の香料原料物質として記述する。
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【表3−4】

【0035】
一態様では、好適な表3の香料原料物質としては、No.1〜No.58の香料原料物質及びこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
一態様では、好適な表3の香料原料物質としては、No.1〜No.39の香料原料物質及びこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
好適な香料原料物質及びアコードは、以下の会社の1つ以上から入手できる:フィルメニッシュ(Firmenich)(スイス、ジュネーブ(Geneva)))、ジボダン(Givaudan)(フランス、アルジャントゥイユ(Argenteuil))、IFF(米国、ニュージャージー州、ヘズレット(Hazlet))、クエスト(Quest)(米国、ニュージャージー州、マウントオリーブ(Mount Olive))、ベドウキアン(Bedoukian)(コネチカット州、ダンバリー(Danbury))、シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)(米国、ミズーリ州、セントルイス(St. Louis))、ミレニアム・スペシャルティ・ケミカルズ(Millennium Specialty Chemicals)(米国、イリノイ州、オリンピアフィールズ(Olympia Fields)、ポラロン・インターナショナル(Polarone International)(米国、ニュージャージー州、ジャージーシティー(Jersey City))、フレグランス・レソーシズ(Fragrance Resources)(米国、ニュージャージー州、キーポート(Keyport))、及びアロマ&フレーバー・スペシャルティーズ(Aroma & Flavor Specialties)(米国、コネチカット州、ダンバリー(Danbury))。
【0038】
布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物
布地向上剤製品は、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物を含む。本明細書で使用するのに好適な布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物としては、国際公開第2005/049717号公報に記載されている揮発性物質の持続した放出のための高分子組成物が挙げられる。布地向上剤からの揮発によってヘッドスペースに進入可能なあらゆる香料又は悪臭(そのような物質が布地向上剤中に存在する場合)に加えて、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、香料をヘッドスペース全体に拡散させる有効な技術を提供する。一実施形態では、持続された放出のための布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物に関連する高分子組成物は、ポリマー補助送達(PAD)マトリックスシステムとみなされている。
【0039】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物からの香料の放出は、受動的である。
【0040】
本明細書で使用するとき、用語「受動的」は、ユーザーによる介入を必要としない、拡散などによる香料組成物の放出経路を包含することが意図されている。対照的に、「能動的」放出経路は、香料組成物を放出するために、これらに限定するものではないが、スポンジなどの好適な媒質から香料を搾ること、又はねじる動作を包含する、ユーザーによる動作を必要とする。受動的放出では、一実施形態では、閉止又はパッケージの振盪を受けるときでさえ、香料組成物の放出速度は無変化のままである。すなわち、香料組成物の急速及び/又は間欠的放出は、放出の一次機構ではない。
【0041】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な組成物は、パッケージの内側部分に付着されており、ただし、その布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が溶融可能である場合、その布地向上剤との共抽出不可能香料組成物は周囲の貯蔵温度よりも少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、又は更には少なくとも約15℃高い注出温度を有する。
【0042】
布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、容器、トランジション構成要素、クロージャ、又はこれらのいずれかの組み合わせ中に配置されてよい。布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、リング、環状ディスク、円形、正方形、長方形、又はその布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が組み込まれるべきスペースの形状に適したあらゆる他の形状を包含する、様々な形状のいずれかへと形成されてよい。特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、パッケージのトランジション構成要素内に、又はキャップ若しくはクロージャではなく自己排出型分与オリフィスを形成する要素内へと配置される。
【0043】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、パッケージの出口よりも大きな寸法を有し、布地向上剤中で浮揚可能な固体に吸着若しくは付着されており、ただし、香料組成物が溶融可能であるときには、それらの注出温度が周囲の貯蔵温度よりも少なくとも5℃高い。そのような特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、中空の球体の形態であるが、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、これらに限定するものではないが、シート、星、花、ディスク、長方形、正方形、若しくはあらゆる他の形状を含めた、中空又は中実のいずれか好適な形状であってもよく、ただし、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、パッケージの出口よりも大きくなるように寸法設定され、布地向上剤中で浮揚可能である。特定の実施形態では、パッケージが透明であり、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が多数の形状及び/又は色のうちのいずれか1つであることが有利な場合がある。特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、1つ以上の色を有してよい。特定の実施形態では、パッケージは、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物を1つ以上含有してよい。更に、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、パッケージの構成要素に直接的又は間接的に付着されてよい。例えば、間接的付着方法は、賦香されたホットメルト接着剤を薄いプラスチックフィルム、例えばHDPEフィルム上で固まらせ、そのフィルムを次に接着テープなどの別個の接着材料を用いてパッケージ要素に結合させるものである。ゆえに、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の粘着性は、常に重要なわけではない。
【0044】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、香料とポリマー組成物とを含み、一実施形態では、布地向上剤が使われてしまったときに、又は布地向上剤の残留量しか容器内に残っていないときに、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物中に依然として検出可能な量の香料が存在するように、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、持続的な方式で、すなわち、比較的一定した放出速度で長い時間にわたって香料を放出する能力を有する。そのような特定の好ましい実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の香料の放出は、布地向上剤と繰り返し接触させられたときでさえ、実質的に変わらない。換言すれば、布地向上剤自体は、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物から香料を自己抽出しない。
【0045】
特に指示のない限り、本明細書の語句「ポリマー組成物」は、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物中で香料を送達するために使用できる熱可塑性ポリマー組成物を指す。用語「ポリマー組成物」は、本明細書で使用するとき、包装プラスチックとは異なる。一実施形態では、「ポリマー組成物」は、ボトル製造に用いられる包装プラスチックの軟化温度よりも少なくとも約10℃低い軟化温度を有するが、香料の添加なしに少なくとも約35℃の温度で注出不可能なままである。
【0046】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の香料は、ヘッドスペース内への拡散によって放出される。そのような特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、所望により、透過性ライナー要素によって布地向上剤から隔てられていてもよいが、そのような要素は必須ではない。そのような特定の実施形態では、ライナーは、香料物質を透過するが、布地向上剤は透過しない。一般に、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、布地向上剤と接触するようになされ得る。
【0047】
一般に、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物と布地向上剤との重量基準による割合は、広く変化させることができ、例えば、約3kgまで布地向上剤を含む製品を賦香するためには、約0.01g〜約2g、別の実施形態では約0.05g〜約1g、別の実施形態では0.1g〜約0.8gの布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物で十分である。
【0048】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、約1重量%〜約80重量%、一実施形態では約10重量%〜約60重量%の香料を含む。そのような特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な組成物の残部は、熱可塑性ポリマー、可塑剤、粘着付与剤、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0049】
製品が全体として布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物と布地向上剤との共注出が可能な香料組成物との両方を含む場合、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物中の香料と、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物中の香料との重量比は、約0:1〜約1:0である。
【0050】
製品が全体として、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物と、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物との両方を含み、これらの合計が製品中の全香料の100%とみなされるときに、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の有効量は、製品中の全香料の約0.001重量%ほどの少量、より典型的には約0.01〜約3重量%(すなわち、重量で最大100分の3まで)であってよい。
【0051】
他の実施形態では、布地向上剤を賦香されていないものとすることができ、布地向上剤との共注出が不可能な組成物の好適な量は、全香料の100重量%を構成することになる。
【0052】
特定の好ましい実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物が、布地実体の香料原料物質の最高約0.1%まで、一実施形態では最高約50%まで、一実施形態では最高約100%までを構成してよい。
【0053】
特定の実施形態では、例えば、布地向上剤との共注出が可能な香料の濃度を製品中の全香料の約20%未満、約10%未満、又は更に約1%未満にすることによって、他の布地向上剤成分と相互作用を起こしやすい可能性のある布地向上剤との共注出が可能な香料の量を最小限に抑えることが有利な場合がある。そのような特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料をポリアミンシェル内にカプセル化することが有利な場合がある。
【0054】
好適なポリマー組成物は、広い極性範囲の多種多様な香料を効果的に送達可能であり、又は更に高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどのプラスチック包装構築材料に良好に接着する。好適なポリマー組成物は、その極性特徴の非常に精密な調整を可能にする添加剤を更に含んでなってもよい。これによって、可塑化されたポリマーマトリックスに導入され得るあらゆる香料との適合性を最大限にすることが可能となり、それにより、本発明によるポリマー組成物が得られる。理論に束縛されるものではないが、香料の良好な組込み及び持続供給をもたらすには、可塑化されたポリマーマトリックスと香料との間の特定の極性の合致が必要と考えられている。
【0055】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、フィルム、シート、発泡体、又は接着剤から選択される材料へと形成されてよい。特定の実施形態では、ポリマー組成物は、接着剤、一実施形態では固化されたホットメルト接着剤へと形成される。
【0056】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、少なくとも1つの可塑剤、少なくとも1つの粘着付与剤、又はこれらのいずれかの組み合わせを更に含む、固化されたホットメルト接着剤である。
【0057】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、布地向上剤に不溶である。
【0058】
布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物は、いずれの好適な方法を使用してパッケージに付着されてもよい。そのような特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が付着されるパッケージの表面は、初めに局所的粗面処理にさらされる。そのような局所的粗面処理の方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、本来は滑らかな包装プラスチックの擦過による。
【0059】
特定の実施形態では、好適なポリマー組成物を、一実施形態では、約100℃未満、場合によっては約70℃未満の低い適用温度を有するホットメルト接着剤として処方することができる。これは、処理温度が高いほど、組成物の製造中に組み込まれる香料のかなりの量を蒸発によって失う危険が大きくなるので、香料を組み込むために使用される材料にとって特に望ましい特性である。更に、適用温度又は処理温度が高いほど、ポリマー組成物の処理に関係した安全上の危険を増大させることがある。好適なホットメルト接着剤の例は、米国特許第6,084,010号明細書及び米国特許第5,827,913号明細書に見出し得る。
【0060】
固化され賦香されたホットメルト接着剤は、約85℃未満の処理温度で熱可塑性樹脂を香料で処理して均質な混合物を形成することにより、製造することができる。そのような特定の実施形態では、熱可塑性樹脂は、香料を含む流体に加えられる。したがって、固化され賦香されたホットメルト接着剤を製造する方法は、約85℃未満の処理温度で熱可塑性樹脂を香料で処理して均質な混合物を形成する工程を含む。特定の実施形態では、方法は、香料を含む流体に熱可塑性樹脂を加えることによって熱可塑性樹脂を処理する工程を含む。
【0061】
特定の実施形態では、ポリマー組成物は、a)エチレンと少なくとも1つのヘテロ原子を含む少なくとも別のモノマーとのコポリマーと、b)少なくともヘテロ原子を含む10%よりも多くの可塑剤とを含む。そのような組成物は、フィルム、シート、発泡体、及び接着剤、又はホットメルト接着剤へと形成されてよい。これらのホットメルト接着剤組成物は、ほとんどの基材(プラスチックフィルム、発泡体、厚紙など)への接着性が良好である。
【0062】
好適なコポリマーは、ブロックコポリマー若しくは非ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、側鎖若しくは架橋をもつコポリマー、又はエチレンモノマーが、少なくとも1つのヘテロ原子を含むモノマーとランダムに共重合したコポリマーであってよい。
【0063】
エチレンの好適なコポリマーは、例えば、エチレン−ビニルエステルコポリマー、エチレン−アクリル酸エステルコポリマー、エチレン−メタクリル酸エステルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー及びこれらの塩、エチレン−メタクリル酸コポリマー及びこれらの塩、エチレン−ビニルエステル−アクリル酸コポリマー、エチレン−ビニルエステル−メタクリル酸コポリマー、エチレン−ビニルエステル−無水マレイン酸コポリマー、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸コポリマー、エチレン−ビニルエステル−グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、エチレン−グリシジルメタクリレートコポリマーである。
【0064】
コポリマー中に少なくとも1つのヘテロ原子を含むモノマーは、一実施形態では、コポリマーの総重量の10%〜90%、一実施形態では、少なくとも14%、一実施形態では、少なくとも18%に相当する。
【0065】
特に好ましいコポリマーは、デュポン(Dupont)から商品名エルバックス(Elvax)(商標)として、アトフィナ(Atofina)からエバサン(Evathane)(商標)として、エクソン(Exxon)からエスコレン(Escorene)(商標)として、バイエル(Bayer)からレバプレン(Levapren)(商標)及びレバメルト(Levamelt)(商標)として販売されているようなエチレン−ビニルアセテートコポリマー、並びにアトフィナ(Atofina)から商品名ロートリル(Lotryl)(商標)として販売されているようなエチレン−アクリル酸エステルコポリマーである。
【0066】
用語「少なくともヘテロ原子を含むモノマー」には、分子中に少なくともC−X連結を含んでなり、XがCでもHでもない、すべてのモノマーが含まれる。そのC−X連結は、一実施形態では、極性連結である。一実施形態では、炭素原子はN、S、F、Cl、又はO原子と連結される。一実施形態では。その極性連結はカルボニル基の一部であり、一実施形態では、その極性連結はエステル基の一部である。本発明のための好ましい、少なくともヘテロ原子を含むモノマーは、ビニルアセテート、ビニルアルコール、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリル酸及びこれから形成される塩、メタクリル酸及びこれから形成される塩、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、及び一酸化炭素である。
【0067】
本発明のポリマー組成物のための第2の構成成分は、少なくとも1つのヘテロ原子を含む可塑剤又は可塑剤のブレンドであり、その可塑剤又は可塑剤のブレンドは、エチレンと、少なくともヘテロ原子を含む少なくとも別のモノマーとのコポリマーと適合性がある。用語「少なくともヘテロ原子を含む可塑剤」には、分子中に少なくともC−X連結を含んでなり、XがCでもHでもない、すべての可塑剤が含まれる。そのC−X連結は、一実施形態では、極性連結である。一実施形態では、炭素原子はN、S、F、Cl、又はO原子と連結される。一実施形態では、その極性連結はカルボニル基の一部であり、一実施形態では、その極性連結はエステル基の一部である。
【0068】
本発明によるポリマー組成物で使用するのに好適な可塑剤は、その全体を本明細書に参考として組み込まれる国際公開第2005/049717号公報に記載されており、可塑剤としては、クエン酸エステル、低分子量ポリエステル、ポリエーテル、液体ロジンエステル、芳香族スルホンアミド、フタレート、ベンゾエート、スクロースエステル、多官能性アルコールの誘導体(多官能性とは、2つ以上のヒドロキシル基を有することを意味する)、アジペート、タータラート、セバケート、リン酸、脂肪酸、及び二酸のエステル、脂肪族アルコール及びジオール、エポキシ化植物油など、並びにこれらの混合物が挙げられる。すでに前述したように、異なる適合性可塑剤の異なる極性(当業者にとって公知のあらゆる方法で測定可能のもの、例えば水/オクタノール分配係数)は、香料の極性とのより良い適合を提供するために、ポリマーマトリックスの極性を調整するために使用できる。
【0069】
本発明のポリマー組成物は、一実施形態では、熱可塑性ポリマー組成物である。これらは、熱可塑性ポリマー組成物を製造するいずれか既知のプロセスを用いて製造することができ、典型的には、ポリマーを溶融させる工程と、次いで可塑剤と香料とを均質にブレンドして均質な塊を形成し、次いでその塊を冷却してポリマー組成物を得る工程とを含む。熱可塑性組成物の中で好ましいのは、低い溶融温度及び粘度を有するもの、したがってホットメルトとして処理できるものである。これらのホットメルトシステムでは、ブレンド時並びにその後の溶融状態での適用時の香料の損失が最小限に抑えられる。
【0070】
本発明によるポリマー組成物が熱可塑性組成物であるときに使用でき、賦香されたホットメルト接着剤として使用するのに好適な他の任意構成成分は、本発明の組成物の接着能を更に高めるための、ロジン誘導体、脂肪族樹脂、芳香族樹脂又は脂肪族−芳香族混合樹脂などの粘着付与樹脂である。他のポリマー又はコポリマー、充填剤、架橋剤、顔料、染料、酸化防止剤及び他の安定化剤などのような更なる任意成分を添加して、組成物に所望の特性をもたらすこともできる。
【0071】
ポリマー組成物は、また、中間工程又は最終工程として、ポリマー溶液を使用して調製されてもよい。この種類の調製は、当業者には周知であり、典型的には、選択されたポリマー、可塑剤、及び香料を有効な溶媒に溶解させる工程と、必要に応じて溶液又はゲルを調製するために加熱する工程とを含む。次いで、溶媒を蒸発によって除去し、それによってその中に分散した香料を含有するポリマー組成物を提供することができる。
【0072】
あるいは、ポリマー組成物を水性エマルション又は分散液の形態で調製してよい。ポリマーの水性エマルション又は分散液を得る技術は、当業者には周知である。例えば、選択されたポリマー、可塑剤、及び香料を、熱可塑性材料として合わせてブレンドできる。次いで、得られる溶融物を、その融点よりも高い温度で、混合によって水に分散させることができ、当業者に既知の界面活性剤及び/又は安定化系を使用して、得られるエマルション又は分散液を安定化できる。
【0073】
特定の代替的な実施形態では、予め形成された水性ポリマー分散液又はエマルションを、選択された可塑剤及び香料とブレンドできる。これは、成分をポリマー分散液若しくはエマルションに直接加えることによって、又は例えば、香料と可塑剤との水性分散液を形成し、これをポリマー分散液若しくはエマルションとブレンドすることによって、達成できる。両方の手順が、ポリマー組成物の水性分散液の形成をもたらす。次いで、水を蒸発によって除去できる。
【0074】
別の方法としては、可塑剤及び/又は香料の存在下でコポリマーを水分散液中に直接形成できる。このプロセスは、分散した香料及び/若しくは可塑剤を含有する水中へのモノマー若しくはプレポリマーの溶解又は分散と、それに続くポリマー分散液を形成するための開始とを伴ってよい。必要ならば代替的に、香料又は可塑剤を後で加えて、分散されたポリマー組成物を生成できる。
【0075】
ポリマー組成物は、そのレオロジー及びその接着特性ゆえに、選択された基材上に溶融状態で適用されて基材に直接接着するのに特に有用である。それらは、例えば、香料を放出することによって容器内のヘッドスペースを好適に改善し、賦香されたヘッドスペースを作り出すために好適な位置で容器の内表面に適用できる。そのような放出は、「受動的」である。すなわち、人間の介入又は物理的変位を必要としない。特定の実施形態では、容器の内表面への適用は、容器を製造する間に実施されてよい。ポリマー組成物は、いずれか好適なホットメルト送達システムを使用して適用されてよい。これらのシステムは、典型的には、加工可能な粘度の材料を提供する温度でホットメルトを維持する溶融ユニットを包含する。溶融ユニットは、典型的には、ホットメルトがグルーガン又はノズルに達するまでホットメルトをホースを通じて送り込むことができるポンピング系を含む。ノズルは、接着剤の所望の適用形態(コーティング、ストライプ、ビーズ等)によって異なる幾何学形状を有することができる。典型的な実施形態では、グルーガンとしてスロットノズルを用いることができる。
【0076】
布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物、又は本明細書の好ましい賦香されたホットメルト接着剤組成物などの材料に適用される、用語「実質的に可溶性」は、言及される材料の総量の少なくとも約80%、一実施形態では少なくとも約90%が、容器内に存在する布地向上剤の総量に溶解することを意味する。
【0077】
布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴
特定の実施形態では、布地向上剤のニートな製品の臭気(NPO:neat product odor)が、例えば、「素晴らしい芳香」という嗅覚コノテーションとは相異なる、良好な「清浄/爽やかな洗濯物」の嗅覚コノテーションを有することが有利である。これは、製品のNPOが、製品を使って洗浄した消費者の洗濯物の予想される匂いについての予測因子の役割を果たすはずであると、消費者が予想する可能性が高いという事実に起因すると考えられている。換言すれば、消費者心理では、嗅覚特徴の選択は、所望の最終用途に合致する。
【0078】
したがって、好ましくは本明細書の布地向上剤との共注出が不可能な香料を、揮発性の香料原料物質(PRM:perfume raw materials)に焦点を当て、当該技術分野で「残留」若しくは「持続的」と呼ばれるPRMにはさほど焦点を当てずに、洗濯香料として処方すべきである。(以下で更に説明する布地向上剤との共注出が可能な香料組成物について、逆もまた真である)。
【0079】
布地向上剤との共注出が不可能な香料において使用するのに好適なPRMとしては:メチルノニルアセトアルデヒド、デシルアルデヒド、若しくはラウリンアルデヒドなどのアルデヒディック(aldehydic);PTブシナール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリチレート、ベンジルアセテート、若しくはペオニル(peonile)などのフローラル;オレンジ油、レモン油、レモニル(lemonile)、ゲルニルニトリル(gernyl nitrile)、若しくはジヒドロミルセノールなどのシトラス;フルテン(frutene)若しくはフロルアセテート(floracetate)などのフルーティ;ウンデカベルトール(undecavertol)、メチルフェニルカルビニルアセテート、β,γ−ヘキセノール、若しくはトリプラールなどのグリーン;イソEスーパー、メチルセドリロン(methyl cedrylone)、若しくはパチョリなどのウッディ;又は、ハバノリド若しくはガラクソリドなどのムスキーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
更に、布地向上剤との共注出が不可能な香料が、製品全体の香りを「担う」傾向にあるので、好ましくは布地向上剤との共注出が不可能な香料自体が、製品の臭気とブレンドし合う、より単純な「アコード」とは相異なる、完全に処方された香料を含むべきである。
【0081】
布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物、又は本明細書の好ましい賦香されたホットメルト接着剤組成物などの材料に適用される、用語「実質的に不溶性」は、言及される材料の総量の約20%未満、一実施形態では約10%未満が、容器内に存在する布地向上剤の総量に溶解することを意味する。
【0082】
本明細書で使用するとき、「残留量」は、もとの量の最大約5重量%まで、一実施形態では最大約3重量%まで、一実施形態では最大約1重量%までを包含することが意図されている。
【0083】
布地向上剤
本製品は、布地向上剤を含む。典型的には、布地向上剤の量は、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物を定義する際に上述した重量基準の割合に従う。布地向上剤は、典型的には、完全に布地向上剤で詰められたときに、それでも少なくとも約1ミリリットル、又は更に少なくとも5ミリリットルのヘッドスペース容積を有するような十分な内部容量を有するパッケージ内に、1リットル、1と1/2リットル、3リットル、又は5リットルの体積で提供される。
【0084】
特定の実施形態では、本明細書における布地向上剤は注出可能な液体又はゲルである。このような布地向上剤は、それらが注出可能な状態である限り、種々の粘度を有することができる。好適な粘度、粘度の測定、及び増粘剤/構造剤(structurants)については、国際公開第05/012475号公報、国際公開第05/059077号公報、及び国際公開第05/026303号公報に記載されており、これらの全体を本明細書に参考として組み込む。簡潔には、粘度は、指定された一定の低い応力下で、例えば、500マイクロメートルの隙間を有する40mmステンレス鋼平行プレートを備えたキャリメドCLS100粘度計(Carrimed CLS 100 Viscometer)を使用して測定される粘度を特定することによって、定量化することができる。それに反することを明確に示さない限り、本明細書全体を通して述べられるすべての粘度は、好適には剪断速度21s−1、温度25℃で測定される。
【0085】
特定の実施形態では、布地向上剤組成物は、一実施形態では約1,500mPa未満、約1,000mPa未満、又は更に約500mPa未満の粘度を有する、注出可能な液体である。
【0086】
特定の実施形態では、布地向上剤組成物は、一実施形態では、約1,500mPa〜約6,000mPa、約1,500mPa〜約4,000mPa、約1,500mPa〜約3,000mPa、又は更に約1,500mPa〜約2,000mPaの粘度を有する、注出可能なゲルである。
【0087】
好適な布地向上剤は、界面活性剤の残部及び/又はキャリアと共にパッケージから注出可能な少なくとも1つの物質を含む。これらの物質は、(1)布地向上剤と共に注出可能な香料組成物、(2)布地ケア添加剤、又は(3)これらのいずれかの組み合わせ、から選択される。
【0088】
(1)布地向上剤との共注出が可能な香料組成物
本明細書で好適な布地向上剤には、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物を含むものが包含される。布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、形態は様々であり、香油若しくは香料エマルションであってよく、又は香油と香料材料の微小粒子若しくはマイクロカプセル化物との両方を含む混合物であることができる。
【0089】
布地向上剤との共注出が可能な香料組成物の好適な濃度は、布地向上剤組成物の約0.0001〜約25重量%、別の実施形態では約0.001〜約20重量%、別の実施形態では約0.001〜約10重量%、別の実施形態では0.05〜1.0重量%を構成する。
【0090】
一実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、0.01%〜約2%の香料マイクロカプセル及び/又は0.03〜約1%のアミン補助送達システムを含む。一実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、0.1%〜約1%の香料マイクロカプセル及び/又は0.06〜約0.8%のアミン補助送達システムを含む。一実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、0.3%〜約0.9%の香料マイクロカプセル及び/又は0.12〜約0.35%のアミン補助送達システムを含む。理論に束縛されるものではないが、アミン補助送達システムは、布地向上剤との共注出が可能なPRMの遊離香料から及び/若しくはカプセル化された香料からの付着並びに/又は放出を改善することができる。
【0091】
一実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、高度に布地実体の香料を含む。
【0092】
特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物が、布地向上剤に完全に混合されて溶液、分散液、又は懸濁液をもたらすことが有利な場合がある。そのような特定の実施形態では、貯蔵安定性を改善するために増粘剤を使用してよい。好ましい布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、当該技術分野で既知のプロフレグランス又はプロ香料を包含する既知の香料物質を含む:例えば、その全体が本明細書に参考として組み込まれるエトキシ化ポリアルキレンイミンを有するβ−ケトエステルプロフレグランスについて記載した国際公開第00/00580号公報、及びその全体が本明細書に参考として組み込まれるシリコーンプロフレグランスについて記載した国際公開第99/46318号公報、及びその全体が本明細書に参考として組み込まれる光誘発されるプロフレグランスについて記載した米国特許第7,071,151号明細書を参照。
【0093】
単純なアコード又は単一の香料化合物とは異なる、完全に処方された香料が好ましい。特定の実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、液体香料処方を香料マイクロカプセルと合わせた混合物を含む。更に、香料マイクロカプセル又はアミン補助香料送達を使用するときには、本発明は、従来の液体香料処方が布地向上剤に加えられない実施形態を包含する。
【0094】
本明細書の香料マイクロカプセルは、それらがパッケージから布地向上剤組成物と共に注出可能であるように、本明細書の布地向上剤組成物中に分散又は懸濁されるのに十分に小さいサイズを有する離散粒子の形態を有するいずれかのカプセル化された香料である。「カプセル化された」は、一般に香料を閉囲する1つ以上のコーティング層が存在することを意味する。カプセル化物内に収められた香料は、液体又は固体形態であることができ、均質又は不均質に分布していることができる。好適な粒径は、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールまで、場合によってはミリメートルスケールにまでわたる。典型的な粒径は、1マイクロメートル〜1mmにわたる。本明細書の実施形態では、カプセル化された香料は、それが付着される布地上に目に見える残留物をほとんど又は全く残さない。一実施形態では、マイクロカプセル粒子径は、約1マイクロメートル〜約60マイクロメートル、別の実施形態では5マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲である。
【0095】
好ましい実施形態では、香料マイクロカプセルは、濾過によって布地に閉じ込められるのに好適な粒径を有することから、反対の正味表面電荷を有することによる(典型的には負に帯電した)布地への静電引力までにわたる、化学的及び/又は物理的メカニズムによって、布地向上剤を用いて洗濯する間の布地上への付着が測定可能なほどに増加する。他の実施形態では、香料マイクロカプセルは、粘着性によって布地に接着するもの、より具体的には、粘着性粒子と一致する付着作用を有するものである。
【0096】
好適なカプセル化又はマイクロカプセル化された香料、すなわち、香料マイクロカプセルについては、米国特許出願公開第2004/0072719号、米国特許第6,225,372号明細書、米国特許第6,359,031号明細書、米国特許第4,234,627号明細書、米国特許第3,516,941号明細書、米国特許第6,916,780号明細書、米国特許第4,919,841号明細書、米国特許第5,281,356号明細書、米国特許第5,281,357号明細書、米国特許第5,281,355号明細書、及びカーク・オスマーの工業化学百科事典(Kirk Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology)の芳香剤のカプセル化(Fragrance Encapsulation)の項に記載されており、これらの全体を本明細書に参考として組み込む。好適なカプセル化系としては、蝋、アミノプラスト、及びエマルション重合系が挙げられるが、これらに限定されない。コーティングは、カチオン性であっても、アニオン性であっても、又は帯電していなくてもよい。布地向上剤との共注出が可能な香料組成物で使用するための香料をカプセル化する際には、例えば、サイテック・インダストリーズ(Cytec Industries)から市販の香料負荷されたメラミン−ホルムアルデヒドカプセルスラリーに適用された特定のカチオン性コーティングを利用する上記で参照した米国特許出願公開2004/0072719(A1)号公報の実施例7で好適に教示されているように、(i)布地向上剤中への香料の拡散を低減又は制限すること、及び(ii)香料の布地実体を高めることが好ましい。一様なサイズの粒子は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる米国特許第6,890,592号明細書に記載されているようなプロセスによって作製できる。
【0097】
他の実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物は、液体香料処方と、任意でその液体香料と予め混合された、アミノ又はポリアミノ官能性化合物との混合物を含む。本明細書における香料の布地付着を向上させるためのポリアミノ又はポリイミン化合物のこうした使用は、集合的に、「アミン補助香料送達マトリックス」、又は別の言葉では、「アミン補助香料」、又は別の言葉では「アミン補助送達システム」、又は別の言葉では「アミン−ポリマー−補助送達システム」、又は別の言葉では「APADシステム」を伴うと表現されている。別の実施形態では、ポリアミノ又はポリイミン化合物は、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物とは別個に加えられる。
【0098】
本明細書のアミン補助香料又は香料送達システムには、香料化合物若しくは香料化合物の混合物と有機アミン若しくはポリアミンとの間の化学的及び/又は物理的相互作用によって、布地向上剤の存在下で洗濯されたときの布地上への付着が改善された、あらゆる香料化合物又は香料化合物の混合物が包含される。アミン若しくはポリアミンは、香料化合物とは別個に又は香料化合物と一緒に、布地向上剤に加えることができる。一実施形態では、アミン又はポリアミンは香料化合物とのプレミックスの形態ではなく、布地向上剤に別個に加えられる。アミン又はポリアミンは一実施形態では、少なくとも1つの、一実施形態では複数の、一級及び/又は二級及び/又は三級のアミン部分を含む。アミン補助香料又はアミン−若しくはポリアミン補助香料送達システムを含む好ましい実施形態では、アミンは、低い蒸気圧を有し、固有の臭気をほとんど若しくは全く有さず、例えば少なくとも200℃の標準沸点を有する。本明細書のアミン補助香料は、一般に、そのような実施形態の必須の高分子アミノ官能性香料付着向上材料として酵素タンパク質を含まない。更に、本明細書のアミン補助香料は、一般に、悪臭のある低沸点アミン不純物、例えば、トリメチルアミンを、多くても非常に低い濃度で、一実施形態では1ppb未満含む。本明細書の実施形態では、アミン補助香料は、それが付着される布地上に目に見える残留物をほとんど又は全く残さない。単一の及び複数のAPADシステムが企図される。理論に束縛されるものではないが、異なるAPADシステムは異なる香料に関係して改善された有効性を有すると考えられる。異なるAPADシステムの組み合わせはそれにより、香料、特に多構成成分の香料の付着及び放出を改善する。
【0099】
一態様では、そのAPADシステムはポリアルキルアミンを含む。一態様では、そのポリアルキルアミンはポリエチレンアミン又はポリビニルアミンを含む。一態様では、そのポリエチレンアミンは、マルベルン・インストルメンツ社(Malvern Instruments Ltd)(英国、エニグマビジネスパーク、グローブウッドロードマルバンワースターシア(Enigma Business Park, Grovewood Road Malvern Worcestershire)WR14 1XZ)により供給された、マルベルン・ゼータサイザー・ナノ−ZS(Malvern Zetasizer Nano-ZS)を用いる動的光散乱(DLS)によって決定される場合、ダルトン単位で、約500〜約5,000,000、約1,000〜約1,000,000、又は約7,000〜約200,000の重量平均分子量を有する。
【0100】
一態様では、そのAPADシステムは、エチレンイミンの重合によって製造されるポリマーを含む。別の実施形態では、そのポリマーは、水溶性又は部分的に水溶性である。特に好ましい実施形態では、APADシステムは、部分的に分枝であって、一級、二級、及び三級アミンを含有する、アミン系ポリマーを含む。理論に束縛されるものではないが、極性基(アミン)と疎水基(−CHCH−)の組み合わせが、ポリマー接着特性、並びに香料原料物質、香料マイクロカプセル、及び界面活性剤などの他の配合構成成分を包含するがこれらに限定されない種々の有機物質と相互作用する能力を付与する。例えば、APADシステムが布地向上剤に配合される場合、APADシステムは、洗浄プロセスからのキャリーオーバー界面活性剤及び/又はすすぎプロセスからのカチオン性柔軟剤と相互作用する場合がある。更に理論に束縛されるものではないが、こうした相互作用は、香料原料物質及び/又は香料マイクロカプセル粒子などの他の可溶性の又は不溶性の物質の付着を向上させる場合がある。このように、APADシステムは改善された柔軟性又は感触の利益を付与すると共に、改善された香料の送達を付与する場合がある。このような改善された香料の送達は、ニート製品の臭気、濡れた布地の臭気、使用時の部屋の臭気、又は乾燥機から出した直後の洗濯物の香り若しくは乾燥した布地のいずれかのその後の瞬間における香りのような、消費者の重要なタッチポイントのいずれかにおいて認識され得る、改善された香料付着及び/又は放出の形態をとることができる。
【0101】
本発明の更に別の態様では、驚くべきことに、ダルトンによる平均分子量が約3.3E−20g(20,000ダルトン)〜約1.7E−19g(100,000ダルトン)又は約9.9E−20g(60,000ダルトン)〜約1.3E−19g(80,000ダルトン)であるエチレンイミンの重合により作製されたポリマーから選択されるAPADシステムは、爽やかさ及び柔軟性の両方の利益の最良の組み合わせを提供することが見出された。こうしたAPADシステムの例としては、ルパソール(Lupasol)ポリマーとして既知でありBASFから入手可能な、又はエポミン(EPOMIN)ポリマーとして既知であり日本触媒(Nippon Shokubai)から入手可能な、ポリエチレンイミンポリマーが挙げられる。例としては、ルパソール(Lupasol)WF及びルパソールHF並びにエポミン(EPOMIN)P−1000又はP−1050が挙げられる。
【0102】
本発明の別の態様では、爽やかさ及び柔軟性の利益は遊離香料及び香料マイクロカプセルを含有する処方を介して送達される。
【0103】
驚くべきことに、布地向上剤製剤におけるAPADと他のポリマーとの適切な比率もまた性能のために重要であることが分かった。一実施形態では、処方におけるポリエチレンイミンポリマーの他の非ポリエチレンイミンポリマーに対する比率は、約0.01〜約10、別の実施形態では、約0.1〜約2.0、別の実施形態では約0.15〜0.40である。別の実施形態では、非ポリエチレンイミンポリマーは、カチオンデンプン、例えば、ナショナル・スターチ(National Starch)から商標名CATO(登録商標)で入手可能なカチオン性高アミローストウモロコシデンプンである。別の態様では、ポリアミノ又はポリイミン化合物は、他の布地向上剤配合成分と組み合わされる前に、そのポリアミノ又はポリイミン化合物の添加に先立ち中和されるか酸性にされる。更に別の態様では、ポリアミノ又はポリイミン化合物は、一実施形態では、布地向上剤との共注出が可能な香料組成物を包含する他の布地向上剤配合成分と組み合わされる前に、pH約1〜7、又は約2〜5、又は約3〜4まで、水で希釈され中和される。
【0104】
特定の実施形態では、ポリエチレンアミンは布地の柔軟性を改善し、絹のような感触を提供し、更に形状保持性を改善することができる。
【0105】
アミン補助香料送達及び/又は香料マイクロカプセルを含む本発明の実施形態では、少なくとも約0.001、別の態様では少なくとも0.01、別の実施形態では少なくとも0.1、別の実施形態では少なくとも1重量部の布地向上剤との共注出が可能な香料組成物がポリアミン補助送達マトリックス、香料マイクロカプセル、又はこれらのいずれかの組み合わせに組み込まれる。布地向上剤との共注出が可能な香料組成物として、又はその一部として使用するためのアミン若しくはポリアミン補助香料システムは、それらの全体が本明細書に参考として組み込まれる次の特許文献に開示されており:米国特許出願公開第2003211960号、米国特許出願公開第2003073607号、米国特許出願公開第2004097397号、米国特許出願公開第2003228992号、米国特許出願公開第2003211963号、米国特許出願公開第2004116320号、米国特許出願公開第2005009727号、米国特許出願公開第2005043205号、米国特許第6,451,751号明細書、米国特許第6,511,948号明細書、米国特許第6,699,823号明細書、米国特許第6,790,815号明細書、米国特許出願公開第2005043208号、米国特許第6,740,713号明細書、米国特許第6,764,986号明細書、国際公開第01/04084号公報、及び欧州特許第1067117号明細書、これらの全体を本明細書に組み込む。
【0106】
布地向上剤との共注出が可能な香料組成物の処方に好適な香料化合物としては、特に、理論に束縛されたものではないが、濡れた及び/又は乾いた布地の改善された臭気を保証するために布地上に少なくとも部分的に付着可能な実施形態では(その全体を参考として組み込まれる米国特許第5,780,404号明細書に「持続的香料」として記載されている香料化合物)、ベンゾフェノン、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、シトロネロール、シトロネリルエステル(アセテート、ホルメート、プロピオネート)、シス−3−ヘキセノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ダマスコン(α、β、δ)、ダマセノン、ダマセノントータル、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニルエステル(アセテート、ホルメート、プロピオネート、ブチレート、チグレート、フェニルアセテート)、ゲラニルニトリル、ヘキシルシンナミックアルデヒド、イオノン(α、β、γメチル)、イロン、リナロール、ラウリンアルデヒド、リナリルアセテート、リリアール、メチルジヒドロジャスモネート、ネロール、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルエステル(ホルメート、アセテート、イソブチレート、イソバレレート、フェニルアセテート)、フェニルヘキサノール、オルト−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、パラ−t−ブチルシクロヘキシルアセテート(シス及びトランス)、ロサルバ、テトラヒドロリナロール、ウンデシレンアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、アミルサリチレート、アニスアルデヒド、アネトール、ヒドロキシシトロネラール:「オーランチオール」として商業的に既知のメチルアントラニレート、ベンジルアルコール、ベンジルエステル(ブチレート、アセテート、プロピオネート、サリチレート、ベンゾエート)、シス−ジャスモン、ジヒドロイソジャスモネート、フロルアセテート、フルテン、γデカラクトン、ヘリオナル、ヒドロキシシトロネラール、インドール、ノナラクトン、メチルベンゾエート、メチルアントラニレート、ジャスモラクトン、ウンデカラクトン、サイマール、ジメチルベンジルカルビノール、フローラルオゾン、フロルヒドラル、リラール、メイオール、マジャントール、ムゲタノール、オンシダール、テトラヒドロムグオール、シス−3−ヘキセニルアセテート、ネオブテノン、ガラクソリド、テルピネオール、ヘリオトロピン、バニリン、ジヒドロミルセノール、βメチルナフチルケトン、シトロネリルニトリル、デシルアルデヒド、マンダリル、ミルセニルアセテート、ミルセン、メチルノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、ノニルアルデヒド、オクチルアルデヒド、オクチルアルコール、テトラヒドロミルセノール、テルピニルアセテート、αピネン、βピネン、カンフェン、ジペンテン、ユーカリプトール、フェンキルアセテート、フェンキルアルコール、テルピノレン、カルボン、メチルカビコール、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルサリチレート、クマリン、イソEスーパー、ベルトフィックス、「イソγスーパー」として商業的に既知の1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)エタノン、アンブロックス(ambrox)、「セタロックス(cetalox)として商業的に既知の1,5,5,9−テトラメチル−13−オキサトリシクロ(8.3.0.0(4,9))トリデカン、バクダノール、サンジノール、ダルタノール、ジャバノール、カシュメラン、カリオフィレン、ヒドロキシアンブラン、イロン、イソブチルキノリン、ロリシア、LRG201、メチルセドリロン、アンブロセニド、カラナール、ノルリンバノール、オリボン、ポリサントール、ニルバノール、シス−3−ヘキセニルサリチレート、ジフェニルオキシド、リグストラール、メチルへプチンカーボネート、メチルオクチンカーボネート、メチルフェニルカルビニルアセテート、カロン、フローラルオゾン、アリルアミルグリコレート、アリルカプロエート、アリルシクロヘキシル(allyl cyclohxyl)プロピオネート、アリルヘプトエート、アミルアセテート、アミルプロピオネート、ベンズアルデヒド、ドデカラクトン、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルメチルフェニルグリシデート、エチル−2−メチルプロピオネート、エチル−2−メチルブチレート、エチルマルトール、マルトール、エチルバニリン、アンブレットリド、カシュメラン、エチレンブラシレート、エキサルトリド、ムセノンδ、イソオイゲノール、トナリド、ムスクケトン、エキサルテックス、エキサルトリド、インドール、ムスクキシロール、ムスクプラスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
布地向上剤との共注出が可能な香料の特定の実施形態で使用するための他の好適な香料としては、比較的高い蒸気圧、具体的には約260℃よりも高い沸点を有するもの;高い疎水性、具体的には約3.0よりも大きいClogP(オクタノール/水)を有するもの;及び低い臭気検出閾値、具体的には約50ppb未満、を有する香料が挙げられ、これらの全体を本明細書に参考として組み込まれる米国特許第6,458,754号明細書、国際公開第99/55819(A)号公報、欧州特許第1073705(B)号明細書を参照のこと。
【0108】
(2)布地ケア添加剤
本明細書の布地向上剤には、布地ケア添加剤を含む実施形態が包含される。そのような実施形態における布地ケア添加剤の好適な濃度は、布地向上剤の約0.0001重量%〜約20重量%、より典型的には約0.1重量%〜約5重量%である。布地ケア添加剤とは、特に着色布地の布地特性及び/又は布地快適特性を保持する又は改善するのを助ける物質である。布地ケア添加剤としては、布地保形助剤、布地柔軟仕上げ剤若しくはコンディショナー、静電気防止剤、保湿剤、布地肌触り改善剤、しわ低減剤、ピリング防止剤、染料定着剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
好適な布地ケア添加剤としては、カチオン性布地柔軟仕上げ剤(四級アンモニウム布地柔軟化剤など)、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性ガム、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)、ダウ・コーニング(Dow Corning)、及び他の供給元から市販されているアミノシリコーンなどのシリコーンポリマー若しくはコポリマー、塩素捕捉剤、ポリエチレンマイクロビーズ、ポリビニルピリジンN−オキシドなどの染料定着剤、移染防止剤、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
特定の実施形態では、布地向上剤は、染料定着物質を含む。好適な染料定着剤は、参考として組み込まれる国際公開第00/27958号公報の35頁に記載されており、チバ(Ciba)及びクラリアント(Clariant)によって市販されている。
【0111】
特定の実施形態では、布地向上剤は、シリコーンポリマー又はシリコーンのブレンド、例えば、少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンを含むブレンドを含む。好適なアミノ官能性シリコーンについては、例えば、国際公開第05/007790号公報、国際公開第04/046452号公報、国際公開第04/042136号公報、国際公開第04041987号公報、及び国際公開第04/041912号公報に記載されており、これらの全体を参考として組み込む。国際公開第04/041983号公報に記載されているように、コアセルベート相形成ポリマーを加えてよい。他の好適なアミノシリコーンを使用してよく、そのような材料は、ダウ・コーニング(Dow Corning)、ワッカー・ケミー(Wacker Chemie)、及び他の供給元から市販されている。シリコーンコポリマー又はそのブレンド、特に、無黄変アミノシリコーンを含有するものは、布地柔軟性を改善し、絹のような感触を提供し、形状保持を改善することができる。
【0112】
特定の実施形態では、布地向上剤は、カチオン性シリコーンポリマーを含む。好適なカチオン性シリコーンポリマーについては、例えば、米国特許第6,903,061号明細書に記載されており、その全体を参考として組み込む。そのような特定の実施形態では、カチオン性シリコーンポリマーは、1つ以上のポリシロキサン単位、一実施形態では、50〜200の重合度nを有する式−{(CHSiO}−のポリジメチルシロキサン単位と、少なくとも1つのジ四級単位を含む有機ケイ素非含有単位とを含む。特定の好ましい実施形態では、選択されたカチオン性シリコーンポリマーは、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアンモニウム単位から選択される、0.50〜1.0重量分率のその有機ケイ素非含有単位を有する。
【0113】
選択されたカチオン性シリコーンポリマーはまた、有機ケイ素非含有単位全体の約0.0〜0.20重量分率の、特定の実施形態ではゼロでない量の、−NHCH(CH)CHO(AO)CHCH(CH)NH−単位を含有することができ、式中、AOは、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ及びこれらの混合物を表し、aは、5〜70である。
【0114】
選択されたカチオン性シリコーンポリマーはまた、有機ケイ素非含有単位全体の約0.0重量分率から、特定の実施形態ではゼロではない量から0.20重量分率までの、−NRを含有することができ、式中、Rはアルキル、ヒドロキシアルキル、又はフェニルである。これらの単位は、エンドキャップと考えることができる。
【0115】
更に、選択されたカチオン性シリコーンポリマーは一般に、四級部分の電荷の均衡を保つために、無機及び有機アニオンから選択されるアニオン、一実施形態では飽和及び不飽和のC〜C20カルボキシレート及びこれらの混合物から選択されるアニオンを含有しており、したがって、カチオン性シリコーンポリマーはまた、四級部分の電荷の均衡を保つ割合でこのようなアニオンを含む。
【0116】
概念的に、本明細書の選択されたカチオン性シリコーンポリマーは、布地実体でないが表面エネルギーを改変させる、ポリシロキサン単位で構成された「ループ」と、布地実体の「フック」とを包含する非架橋又は「直鎖」ブロックコポリマーとして考えるのが便利である。
【0117】
特定の実施形態では、布地向上剤は、ポリマー移染抑制剤を含んでよい。ポリマー移染抑制剤は、当該技術分野で、洗濯プロセスの間の移染を低減又は防止することで知られている。本明細書で有用なポリマー移染抑制剤としては、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマーが挙げられる。
【0118】
特定の代替的な実施形態では、布地向上剤は、布地ケア添加剤として布地柔軟化剤(「FSA」)を含んでよい。特定のこのような実施形態では、組成物は、組成物の少なくとも約1重量%、あるいは少なくとも約2重量%、あるいは少なくとも約3重量%、あるいは少なくとも約5重量%、あるいは少なくとも約10重量%、あるいは少なくとも約12重量%を含有する。組成物は典型的には、FSAを最大濃度で、組成物の約90重量%未満、あるいは約40重量%未満、あるいは約30重量%未満、あるいは約20重量%未満にて含んでよい。
【0119】
本発明の一実施形態では、FSAは、すすぎ工程での布地の柔軟化に好適な第四級アンモニウム化合物である。一実施形態では、FSAは脂肪酸とアルカノールアミンとの反応生成物から形成され(下記の用語に従う)、モノ−、ジ−、及び一実施形態では、トリエステル化合物の混合物が得られるが、第2の実施形態では、トリエステル化合物は含まないか実質的に含まない。別の実施形態では、FSAは、モノアルキル四級アンモニウム化合物、モノエステル四級アンモニウム化合物、モノアミド四級アンモニウム化合物、ジアルキル四級アンモニウム化合物、ジアミド四級化合物、ジエステル四級アンモニウム化合物、又はそれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない、1種類以上の柔軟剤四級アンモニウム化合物を含む。
【0120】
本発明の一態様では、FSAは、ジエステル四級アンモニウム(以後、「DQA」と称す)化合物組成物を含む。本発明の特定の実施形態では、DQA化合物の組成物はまた、ジアミドFSA類、及び混合アミド及びエステル連鎖並びに前述のジエステル連鎖を有するFSA類の種類も包含し、これらのすべてを本明細書ではDQAと称する。
【0121】
本発明のFSAとして好適であり得る第一類型のDQA(DQA(1))としては、次式を含む化合物が挙げられる:
{R4−m−N+−[(CH2)n−Y−R1]m}X−
式中、各R置換基は、水素、短鎖C〜C、一実施形態では、C〜Cのアルキル基又はヒドロキシアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなど、ポリ(C2〜3アルコキシ)、一実施形態ではポリエトキシ基、ベンジル、又はこれらの混合物であり、それぞれのmは、2又は3であり;それぞれのnは、1〜約4、一実施形態では2であり;それぞれのYは、−O−(O)C−、−C(O)−O−、−NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−であり、かつそれぞれのYは、同一か又は異なっていてよく、それぞれのR中の炭素総数に1を加えたものが、Yが−O−(O)C−又は−NR−C(O)−の場合に、C12〜C22、一実施形態ではC14〜C20であり、それぞれのRは、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり、Rは、不飽和又は飽和及び分枝鎖又は直鎖、一実施形態では直鎖であってよく、それぞれのRは、同一であるか又は異なっていてよく、一実施形態ではこれらは同一であり;Xは、いずれかの柔軟剤適合性アニオンであることができ、一実施形態ではクロライド、ブロミド、メチルサルフェート、エチルサルフェート、サルフェート、ホスフェート、及びニトレート、一実施形態ではクロライド又はメチルサルフェートである。好ましいDQA化合物類は、典型的には、MDEA(メチルジエタノールアミン)及びTEA(トリエタノールアミン)などのアルカノールアミンを脂肪酸と反応させることによって製造される。典型的にこのような反応から得られるいくつかの材料には、N,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド又はN,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートが挙げられ、アシル基は、動物性脂肪、不飽和及び多不飽和の脂肪酸、例えば、タロー、硬化タロー、オレイン酸、並びに/又は、植物油及び/若しくは部分硬化植物油、例えば、キャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米糠油、パーム油由来の部分硬化脂肪酸由来である。適した脂肪酸の非限定例は、米国特許第5,759,990号明細書、第4欄、45〜66行目に列記されている。一実施形態では、FSAは、DQA(1)又はDQAに加えて、その他の活性物質を含む。更に別の実施形態では、FSAは、DQA(1)又はDQAのみを含み、いずれかのその他の四級アンモニウム化合物若しくはその他の活性物質を含まないか又は実質的にそれを含まない。更に別の実施形態では、FSAは、DQAを製造するために使用される前駆体アミンを含む。
【0122】
本発明の別の態様では、FSAは、次式を含むDTDMACとして特定される化合物を含み:
[R4−m−N(+)−R1m]A−
式中、それぞれのmは、2又は3であり、それぞれのRは、C〜C22、一実施形態ではC14〜C20であるが、約C12未満であるのは1つ以下であり、他は少なくとも約16であるヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基、一実施形態ではC10〜C20アルキル又はアルケニル(「アルキレン」と称されることもある、多不飽和アルキルを包含する不飽和アルキル)、一実施形態ではC12〜C18アルキル又はアルケニルで、分枝又は非分枝である。一実施形態では、それぞれのRは、H、又は短鎖C〜C、一実施形態では、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチルなどのC〜Cのアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、ベンジル、又は(RO)2−4H、式中、それぞれのRは、C〜C6のアルキレン基であり、Aは、柔軟剤適合アニオン、一実施形態ではクロライド、ブロミド、メチルサルフェート、エチルサルフェート、サルフェート、ホスフェート、又はニトレートであり、一実施形態ではクロライド又はメチルサルフェートである。これらのFSAの例としては、ジアルキルジメチルアンモニウム塩(dialkydimethylammonium salts)及びジアルキレンジメチルアンモニウム塩、例えばジタロージメチルアンモニウムクロライド及びジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェートなどが挙げられる。本発明にて使用可能な市販のジアルキル(ジアルキレン)ジメチルアンモニウム塩の例は、それぞれ、アドゲン(Adogen)(登録商標)442及びアドゲン(登録商標)470の商標名でデグサ(Degussa)から入手可能なジ−水素添加タロージメチル塩化アンモニウム及びジタロージメチル塩化アンモニウムである。一実施形態では、FSAは、DTDMACに加えて、その他の活性物質を含む。更に別の実施形態では、FSAは、DTDMACの化合物のみを含み、いずれかのその他の四級アンモニウム化合物若しくはその他の活性物質を含まないか、又は実質的にそれを含まない。
【0123】
一実施形態では、FSAは、米国特許出願公開第2004/0204337(A1)号(2004年10月14日公開、コロナ(Corona)ら、パラグラフ30〜79)に記載されたFSAを含む。
【0124】
別の実施形態では、FSAは、米国特許出願公開第2004/0229769(A1)号(2005年11月18日公開、スミス(Smith)ら、パラグラフ26〜31)、又は米国特許第6,494,920号明細書(第1欄、51行以下参照)に記載されているものであり、詳細には「エステルクワット」又は四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩である。
【0125】
一実施形態では、分散ポリマーが組成物に添加される。このような分散ポリマーには、カチオン性及びアニオン性分散ポリマーが包含される。一実施形態では、非アクリルアミド系ポリマーが企図される。代表的なカチオン性分散ポリマーは、チバ(Ciba)(登録商標)により、商標名レオビス(Rheovis)(登録商標)CDEで製造される。理論に束縛されることなく、分散ポリマーは組成物内に存在するマイクロカプセルを懸濁すると考えられる。更に、これらの分散ポリマーはまた、APADシステムとしても作用する。
【0126】
その他の補助剤
本明細書における布地向上剤は、少量の従来の界面活性剤を、約1〜約80重量%、一実施形態では約1〜約50重量%の濃度で含んでよい。別の実施形態では、布地向上剤は、1%未満の界面活性剤、別の実施形態では0.5%未満の界面活性剤、別の実施形態では0.01%未満の界面活性剤を含んでよく、別の実施形態では界面活性剤を含まない。界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双極性、両性若しくはカチオン性、又はこれらのいずれか適合性のある混合物であってよい。
【0127】
本発明による布地向上剤はまた、水性キャリアを含有しており、特定の実施形態では、キャリアは、増粘化されていても増粘化されていなくてもよく、特定の実施形態では、キャリアは、従来のヒドロトロープを更に包含してよい。一般に、本明細書の組成物中で使用される水性キャリアの量は、比較的多い。一実施形態では、本発明の組成物は、約40%〜約80%の水性液体キャリアを含む。最もコスト的に有効な種類の水性非界面活性液体キャリアはいうまでもなく水そのものである。したがって、水性非界面活性液体キャリア構成成分は一般に、完全にではないとしても、大部分が水からなるであろう。アルカノール、ジオール、ポリオール、エーテル、アミン、アルカノールアミン、及び類似の溶媒など、他の水混和性キャリアを、共溶媒又は安定剤として布地向上剤に加えてよい。したがって、存在する場合には有機溶媒を包含する、本明細書の布地向上剤製品の水性液体キャリア構成成分は一般に、組成物の約30重量%〜93重量%、一実施形態では約35重量%〜約50重量%にわたる濃度で存在する水を含む。特定の実施形態では、あらゆる非水溶媒の濃度が最小限に抑えられ、例えば、約10%以下、一実施形態では約5%以下、一実施形態では約1%以下の非水溶媒が布地向上剤中に存在する。
【0128】
一実施形態では、本発明の組成物は、1種以上のいずれかの補助成分を含んでよい。更に別の実施形態では、本発明の組成物はいずれかの1種以上の補助成分を含まなくてよく、本質的に含まなくてよい。用語「補助成分」としては、分散剤、安定剤、pH制御剤、金属イオン制御剤、着色剤、増白剤、染料、臭気抑制剤、プロ香料、シクロデキストリン、溶媒、汚れ放出ポリマー、防腐剤、抗菌剤、塩素スカベンジャー、酵素、収縮防止剤、布地糊付け剤、染みとり剤、酸化防止剤、腐食防止剤、粘着付与剤、ドレープ及び形状制御剤、スムージング剤、静電気抑制剤、しわ制御剤、浄化剤、消毒剤、細菌抑制剤、カビ制御剤、白カビ制御剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、乾燥剤、染み防止剤、汚れ放出剤、悪臭抑制剤、布地リフレッシュ剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定剤、移染防止剤、色保全剤、色回復/再生剤、色あせ防止剤、白色度増強剤、耐磨耗剤、擦り切れ防止剤、布地保全剤、擦り切れ防止剤、及びすすぎ補助剤、紫外線保護剤、太陽光劣化阻害剤、防虫剤、抗アレルギー剤、酵素、難燃剤、防水加工剤、布地調整剤、水コンディショニング剤、防縮剤、伸び防止剤、塩化カルシウム、雲母、並びにこれらの組み合わせを挙げてよい。一実施形態では、組成物は、組成物の約2重量%まで、別の実施形態では約10重量%まで、別の実施形態では約20重量%までの補助剤成分を含む。
【0129】
本発明の趣旨及び範囲内で他の実施形態が可能である。そのような実施形態は、計量デバイスとして使用できるキャップ又はオーバーキャップを有する製品を包含する。そのような計量デバイスに付着された、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の別個の部分を含めることが可能である。更に、多区画ボトル、例えば、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、一方若しくは両方の区画のヘッドスペースを賦香するために存在する、2区画ボトルを本発明に包含することが可能である。完全に透明な、濁りを帯びた、又は不透明な(例えば、不透明化剤若しくはパールエッセンス剤を組み込んだ結果として、又は布地向上剤がもともと濁りを帯びている場合)布地向上剤製品と併せて、本発明を使用することが可能である。更に、いわゆる「分相」流体など、1つ以上の流体相を含む布地向上剤製品と併せて本発明を使用することも可能である。
【0130】
用語「周囲の貯蔵温度」とは、本明細書で使用するとき、約0℃〜約50℃、一実施形態では約5℃〜約40℃、一実施形態では約10℃〜約30℃の範囲であり、好適には約25℃である。
【0131】
本明細書で使用するとき、用語「共に注出可能」は、言及される物質が周囲温度で布地向上剤と共にパッケージから注ぎ出ることを意味する。共に注出可能な物質の例としては、布地向上剤に溶解する、又は布地向上剤に懸濁可能な物質が挙げられる。好ましい共に注出可能な香料としては、周囲の貯蔵温度で判定されるときに、布地向上剤中で乳化可能な香料、布地向上剤に溶解する香料、又は組成物中に小さな粒子(例えば、ナノメートルスケールから約2ミリメートルまでのサイズを有する)として懸濁可能な香料が挙げられる。
【0132】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、周囲温度で注出可能な組成物を包含することが意図されている。そのような組成物としては、液体及びゲルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
本明細書で使用するとき、用語「ヘッドスペース」は、接近可能なヘッドスペースを指し、パッケージ若しくは容器の内容物の臭気をユーザーによって検出可能にする、パッケージ若しくは容器内の布地向上剤の上方に位置する蒸気を包含することが意図されている。一実施形態では、ヘッドスペースは、パッケージのクロージャを開ける際の消費者による嗅覚的サンプリングに適した場所でパッケージ内に配置される。典型的なヘッドスペース容積は、5%〜10%、好適には8%v/v(体積/体積)であり、換言すれば、パッケージは、好適には92体積%の布地向上剤と8体積%のヘッドスペースとを含む。
【0134】
本明細書の用語「粘着付与剤」又は「粘着付与樹脂」は、接着剤、より具体的にはホットメルト接着剤の技術分野で使用される通りである。米国特許第4,623,698号明細書を参照のこと。粘着付与剤は、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物を製造するときに、その粘着性を改善するために、任意に添加される。粘着付与剤は、商標名エルバックス(ELVAX)としてデュポン(Dupont)、又は商標名フォラリン(FORALYN)としてイーストマン(Eastman)などの供給元から市販されている。
【実施例】
【0135】
以下は本発明の布地コンディショニング組成物の非限定例である。
【0136】
布地向上剤との共注出が可能な組成物の実施例:
【表4】

残部
**上記の製品を、キャップを含む容器を含むパッケージで包装する。一態様におけるパッケージは、上記のPADマトリックスシステムをホットメルト接着剤の形態で含む。上記の実施例におけるホットメルト接着剤の形態のPADはそのキャップの下又は近くに配置される。
***着色剤の例は米国特許第6,797,688(B2)号明細書の第32欄、5〜10行に記載されている。
****pH変性剤については、米国特許第6,797,688(B2)号明細書の第6欄、63〜67行、及び第7欄、1〜5行に記載されている。
N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド。
商品名CATO(登録商標)でナショナル・スターチ(National Starch)社から入手可能な、カチオン性高アミローストウモロコシデンプン。
米国特許第5,574,179号明細書、第15欄、1〜5行目に記載の式を有する、エチレンオキシドとテレフタレートとのコポリマーであって、式中、それぞれのXはメチルであり、それぞれのnは40であり、uは4であり、それぞれのR1は基本的に1,4−フェニレン部分であり、それぞれのR2は、基本的にエチレン、1,2−プロピレン部分、又はこれらの混合物である。
ジエチレントリアミン五酢酸。
ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Co.)から入手可能な、カトン(KATHON)(登録商標)CG。「PPM」は、「百万分の一部」。
DC2310の商標名でダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から入手可能な、シリコーン消泡剤。
ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Co.)から商品名アクラン(Aculan)44で入手可能な、疎水変性エトキシル化ウレタン。
米国特許第6,797,688(B2)号明細書、第30欄、1〜10行に記載されているように、主に水。
【0137】
布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の実施例:
【表5】

デュポン(Dupont)などの供給元から、商標名エルバックス(ELVAX)で市販
イーストマン(Eastman)などの供給元から、商標名フローラル(Foral)で市販
イーストマン(Eastman)などの供給元から、商標名フォラリン(FORALYN)で市販
【0138】
布地向上剤との共注出が可能な組成物の追加の実施例:
【表6】

残部
**上記の製品を、キャップを含む容器を含むパッケージで包装する。一態様におけるパッケージは、上記のPADマトリックスシステムをホットメルト接着剤の形態で含む。上記の例におけるホットメルト接着剤の形態のPADはそのキャップの下又は近くに配置される。
***着色剤の例は、米国特許第6,797,688(B2)号明細書の第32欄、5〜10行に記載されている。
****pH変性剤については、米国特許第6,797,688(B2)号明細書の第6欄、63〜67行、及び第7欄、1〜5行に記載されている。
N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド。
ナショナル・スターチ(National Starch)から商標名CATO(登録商標)で入手可能な、カチオン性高アミローストウモロコシデンプン。
米国特許第5,574,179号明細書、第15欄、1〜5行目に記載の式を有する、エチレンオキシドとテレフタレートとのコポリマーであって、式中、それぞれのXはメチルであり、それぞれのnは40であり、uは4であり、それぞれのR1は基本的に1,4−フェニレン部分であり、それぞれのR2は、基本的にエチレン、1,2−プロピレン部分、又はこれらの混合物である。
ジエチレントリアミン五酢酸。
ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas Co.)から入手可能な、カトン(KATHON)(登録商標)CG。「PPM」は「百万分の一部」。
DC2310の商標名でダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から入手可能なシリコーン消泡剤。
ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Co.)から商品名アクラン(Aculan)44で入手可能な、疎水変性エトキシル化ウレタン。
米国特許第6,797,688(B2)号明細書、第30欄、1〜10行に記載されているように、主に水。
日本触媒(Nippon Shokubai)から入手可能な、エポミン(EPOMIN)(登録商標)SP−200。
日本触媒(Nippon Shokubai)から入手可能な、エポミン(EPOMIN)(登録商標)P−1050。
チバ(CIBA)から入手可能な、レオビス(Rheovis)CDE。
ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能な、DC1664シリコーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地向上剤製品であって、
(a)(1)容器と、
(2)クロージャと、
を含むパッケージと、
(b)前記パッケージから布地向上剤と共に注出可能な物質を含む布地向上剤であって、前記物質が、
(1)布地向上剤との共注出が可能な香料組成物、
(2)布地ケア添加剤、
及び、
(3)これらのいずれかの組み合わせ、から選択される、布地向上剤と、
(c)ヘッドスペースと、
(d)布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物と、を含み、
前記布地向上剤のpHが、7未満である、布地向上剤製品。
【請求項2】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物からの香料の放出が受動的であり、前記パッケージが、圧搾圧力を加えることなく前記布地向上剤が前記パッケージから注ぎ出るのに十分な寸法を有する注ぎ口を備える、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項3】
前記布地向上剤との共注出が可能な香料組成物中の香料と、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物中の香料との重量比が約0:1〜約1:0.00001である、請求項2に記載の布地向上剤製品。
【請求項4】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記パッケージの内側部分に付着されており、ただし、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が溶融可能であるときには、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の注出温度が周囲の貯蔵温度よりも少なくとも約5℃高いことを条件とする、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項5】
前記パッケージが、トランジション構成要素を更に含む、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項6】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記トランジション構成要素中に配置される、請求項5に記載の布地向上剤製品。
【請求項7】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、固化され賦香されたホットメルト接着剤である、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項8】
前記ホットメルト接着剤が、少なくとも1つの可塑剤、少なくとも1つの粘着付与剤、又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項7に記載の布地向上剤製品。
【請求項9】
前記ホットメルト接着剤組成物が、前記布地向上剤に不溶である、請求項8に記載の布地向上剤製品。
【請求項10】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記パッケージの出口よりも大きな寸法を有し、前記布地向上剤中で浮揚可能な固体に付着され、ただし、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が溶融可能であるときには、これらの注出温度が周囲の貯蔵温度よりも少なくとも5℃高いことを条件とする、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項11】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記クロージャ中に配置される、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項12】
前記布地向上剤製品が、アミン補助送達システムを更に含む、請求項11に記載の請求項。
【請求項13】
(a)(1)容器と、
(2)クロージャと
を含むパッケージと、
(b)周囲の貯蔵温度で注出可能であり、かつ前記パッケージから前記布地向上剤と共に注出可能な少なくとも1つの物質を含む布地向上剤であって、前記物質が、布地ケア添加剤を含む、布地向上剤と、
(c)ヘッドスペースと、
(d)布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物と、
を含む、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項14】
前記布地ケア添加剤が、シリコーンポリマー、カチオン性布地柔軟仕上げ剤、染料定着剤、移染防止剤、カチオン性ガム、及びこれらの混合物から選択される、請求項13に記載の布地向上剤製品。
【請求項15】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が自己接着性である、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項16】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物を前記パッケージに付着するための接着剤を更に含む、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項17】
前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物中の香料の量が、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の約1〜80重量%であり、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の残部は、熱可塑性ポリマー、可塑剤、粘着付与剤、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項14に記載の布地向上剤製品。
【請求項18】
前記布地向上剤との共注出が可能な香料組成物及び前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の少なくとも一方が、少なくとも5つの構成成分を含む、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項19】
前記布地向上剤との共注出が可能な香料組成物が、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴と一致する嗅覚特徴を有する、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項20】
前記布地向上剤との共注出が可能な香料組成物が、前記布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物の嗅覚特徴とは異なる嗅覚特徴を有する、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項21】
前記布地向上剤との共注出が可能な香料組成物が、
a.)約0.01%〜約20%、約0.03%〜約15%、約0.05%〜約10%、又は約0.1%〜約5%のニート香料であって、前記ニート香料の重量基準で、
(i)約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原料物質と、
(ii)約5%〜約70%、約10%〜約60%、約15%〜約50%、又は約20%〜約40%の、250℃以下の沸点及び2.5よりも大きいClogPを有する香料原料物質と、
(iii)約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃よりも高いが280℃以下の沸点を有する香料原料物質と、を含む、ニート香料と、
b.)約0.01%〜約20%、約0.03%〜約15%、約0.5%〜約10%、又は約0.1%〜約5%の、香料マイクロカプセルを含む香料送達システムと、を含み、
任意で、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、約1%〜約80%、約5%〜約70%、約10%〜約60%の香料であって、
前記ニート香料の重量基準で、
(i)0〜100%、約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原料物質と、
(ii)0〜100%、約5%〜約70%、約10%〜約60%、約15%〜約50%、又は約20%〜約40%、250℃以下の沸点及び2.5より高いClogPを有する香料原料物質と、
(iii)約0〜約100、約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃よりも高いが280℃以下の沸点を有する香料原料物質と、を含む香料、を含む、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項22】
前記布地向上剤との共注出が可能な香料組成物が、
a.)約0.01%〜約20%、約0.03%〜約15%、約0.05%〜約10%、又は約0.1%〜約5%のニート香料であって、前記ニート香料の重量基準で、
(i)約2%〜約40%、約4%〜約30%、又は約8%〜約20%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原料物質と、
(ii)約4%〜約60%、約7%〜約50%、約10%〜約40%、又は約15%〜約30%の、250℃以下の沸点及び2.5よりも大きいClogPを有する香料原料物質と、
(iii)約1%〜約20%、約1%〜約15%、約2%〜約10%、又は約3%〜約6%の、250℃よりも高いが280℃以下の沸点を有する香料原料物質と、を含む、ニート香料と、
b.)約0.01%〜約20%、約0.03%〜約15%、約0.5%〜約10%、又は約0.1%〜約5%の、香料マイクロカプセルを含む香料送達システムと、
c.)約0.03%〜約2%、約0.06%〜約0.8%、約0.12%〜約0.35%の、アミン補助送達システムを含む香料送達システムと、を含み、
任意で、布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物が、約1%〜約80%、約5%〜約70%、約10%〜約60%の香料であって、
前記ニート香料の重量基準で、
(i)0〜100%、約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃以下の沸点及び2.5以下のClogPを有する香料原料物質と、
(ii)0〜100%、約5%〜約70%、約10%〜約60%、約15%〜約50%、又は約20%〜約40%の、250℃以下の沸点及び2.5より高いClogPを有する香料原料物質と、
(iii)約0〜約100、約1%〜約30%、約2%〜約20%、約3%〜約15%、又は約4%〜約10%の、250℃よりも高いが280℃以下の沸点を有する香料原料物質と、を含む香料、を含む、請求項1に記載の布地向上剤製品。
【請求項23】
(a)(1)容器と、
(2)クロージャと、
を含むパッケージと、
(b)周囲の貯蔵温度において注出可能であり、かつ前記パッケージから前記布地向上剤と共に注出可能な少なくとも1つの物質を含む布地向上剤であって、前記物質が布地向上剤との共注出が可能な香料組成物を含む布地向上剤と、
(c)ヘッドスペースと、
(d)布地向上剤との共注出が不可能な香料組成物と、を含み、
ただし、前記布地向上剤との共注出が可能な香料組成物の香料の少なくとも約0.10重量分率が、香料マイクロカプセル中に組み込まれていることを条件とし、前記布地向上剤のpHが7未満である、布地向上剤製品。

【公表番号】特表2010−519421(P2010−519421A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550366(P2009−550366)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050932
【国際公開番号】WO2008/111007
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】