説明

質問器を指定して応答する無線通信システム

【課題】所定のリーダから送信された質問信号を受信したタグは、受信した質問信号に対する応答信号をその所定のリーダにのみ送信することができる通信システムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係るICタグ通信システムは、リーダは自器を識別するためのIDを質問信号に含ませて送信し、質問信号を受信したタグは、質問信号に入っているIDを応答信号に含ませて送信し、リーダは、受信した応答信号に含まれるIDが自器のIDである場合にのみ、応答信号を用いた処理を行い、自器のIDと異なるIDを含む応答信号を受信した質問器は、受信した応答信号を破棄し、応答信号を受信していないこととする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグシステムに関し、特に、タグから送信する応答信号を、所定の質問器に送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ICタグシステムは、データを含むICおよびアンテナからなるタグと、タグのデータを読み書きするリーダとで構成される。
ICタグシステムが用いられる例として、入室管理がある。具体的には、タグはリーダから繰り返し送信されている質問信号を捉えると、認証用のデータを含んだ応答信号をリーダに送り返し、リーダは受け取ったデータに基づいて認証のための処理を行って入口の扉の開錠等を行う。
【0003】
このように、リーダは、管理したい場所に1つずつ設置されることから、管理したい場所によっては、複数のリーダが接近して設置される場合がある。この場合、タグが、受信した質問信号に応答するために送信した応答信号を、質問信号を送信したリーダのみならず他のリーダも受信してしまうことがあり得、予期しない扉が開錠されてしまう等の不都合が生じ得る。
【0004】
ここで、所定のリーダに応答信号を送信する技術がある。
かかる技術は、第1周波数で質問信号を送信し、第3周波数で応答信号を受信するリーダと、第2周波数で質問信号を送信し、第4周波数で応答信号を受信するリーダとが両者各々質問信号を送信している場合に、タグは、それぞれ所定期間ずつ交互に第1周波数と第2周波数とで質問信号を受信し、第1周波数で質問信号を受信した場合には第3周波数で応答信号を送信し、第2周波数で質問信号を受信した場合には第4周波数で応答信号を送信するものである(特許文献1参照)。
【0005】
この技術によれば、タグは、所定のリーダから送信された質問信号に対する応答信号を、その質問信号を送信した所定のリーダにのみ送信することが可能となる。
【特許文献1】特開2007−72746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この技術では、所定のリーダに応答信号を送信しようとする場合は、リーダ毎に送信する質問信号の周波数が異なり、かつ、受信する応答信号の周波数が異なる必要があり、同一の周波数で質問信号を送信し、かつ、同一の周波数の応答信号を受信する複数のリーダに対しては、適用できない。
そこで、本発明は、通信する周波数にかかわらず、所定のリーダから送信された質問信号を受信したタグは、受信した質問信号に対する応答信号をその所定のリーダに送信することができる通信システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、本発明の通信システムは、質問器と応答器とから成り、質問器は応答器と無線通信を行う通信システムであって、前記応答器は、前記質問器から、当該質問器を識別するための質問器識別情報を含む質問信号を受信する質問受信手段と、自器に対するユーザによる特定操作を検出した時に応答信号を送信する応答送信手段であって、前記質問受信手段での質問信号の受信に関する一定条件を満たしていると判断した場合は、当該受信した質問信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための応答器識別情報とを含んだ応答信号を送信し、前記一定条件を満たしていないと判断した場合は、前記質問器識別情報と異なる特定の質問器識別情報を含んだ応答信号を送信する応答送信手段とを備え、前記質問器は、自器を識別するための質問器識別情報を含み、前記応答器の応答送信手段が送信する応答信号よりも送信可能範囲が狭い質問信号を、所定周期で送信する質問送信手段と、前記応答信号を受信する応答受信手段と、前記応答受信手段が受信した応答信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための質問器識別情報とが同一である場合は、受信した応答信号に含まれる応答器識別情報に基づいて認証のための処理を行う処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る通信システムは、上述の構成を備えることにより、応答信号を送信する指示を受けた際に、一定条件を満たしているか否か、すなわち、質問信号を受信しているか否かの判断ができるので、質問信号を受信している場合は、質問信号を送信した質問器の質問器識別情報を応答信号に含ませて送信し、質問信号を受信していない場合は、他の質問器識別情報と異なる特定の質問器識別情報であるダミーの質問器識別情報を含ませた応答信号を送信することができるようになる。
【0009】
このような応答信号を受信した質問器は、応答信号に自器の質問器識別情報と同じ質問器識別情報が含まれている場合は、認証のための処理を行い、含まれていない場合は、無駄な処理を行わないようにすることができる。例えば、認証を認証用サーバが行っている場合には、複数の質問器から認証用のデータが一度に送信され、伝送効率が悪くなること等が生じ得る。
【0010】
また、前記応答送信手段が前記一定条件を満たしていると判断する場合とは、前記質問受信手段で受信した最新の質問信号に対して応答信号を送信していない場合であり、前記一定条件を満たしていないと判断する場合とは、当該最新の質問信号に対して応答信号を送信している場合であることとしてもよい。
これにより、最新の質問信号に応答していない場合には、一定条件を満たしており、質問信号を受信していると判断するので、受信した質問信号に対して応答信号を送信し、最新の質問信号に応答していた場合は、一定条件を満たしておらず、質問信号を受信していないと判断するので、応答信号を送信しないようにすることができるようになる。
【0011】
また、前記応答送信手段が前記一定条件を満たしていると判断する場合とは、前記質問受信手段で最新の質問信号を受信した時から所定時間経過していない場合であり、前記一定条件を満たしていないと判断する場合とは、前記質問受信手段で最新の質問信号を受信した時から所定時間経過している場合であることとしてもよい。
これにより、質問信号を受信してから所定時間経過していた場合は、質問信号を受信していないと判断するので、所定時間経過後に、質問信号を受信した質問器に対して、応答信号を送信することがなくなる。例えば、質問器の近くを通っただけの時に質問信号を受信した場合に、かなり時間がたってから所持者が応答信号を送信したら、予期しないドアが開錠されたりすること等を防ぐことができるようになる。
【0012】
本発明に係る応答器は、質問器と応答器とから成り、質問器は応答器と無線通信を行う通信システムで使用される応答器であって、前記質問器から、当該質問器を識別するための質問器識別情報を含む質問信号を受信する質問受信手段と、自器に対するユーザによる特定操作を検出した時に応答信号を送信する応答送信手段であって、前記質問受信手段での質問信号の受信に関する一定条件を満たしていると判断した場合は、当該受信した質問信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための応答器識別情報とを含んだ応答信号を送信し、前記一定条件を満たしていないと判断した場合は、前記質問器識別情報と異なる特定の質問器識別情報を含んだ応答信号を送信する応答送信手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る応答器は、上述の構成を備えることにより、応答信号を送信する指示である特定操作を検出した際に、一定条件を満たしているか否か、すなわち、質問信号を受信しているか否かの判断ができるので、質問信号を送信した質問器の識別情報が含まれている質問信号を受信した場合に、質問信号に含まれる質問器識別情報を応答信号に含ませて送信し、質問信号を受信していない場合は、ダミーの質問器識別情報を含ませた応答信号を送信することができるようになる。
【0014】
このような応答信号を受信した質問器は、応答信号に自器の質問器識別情報と同じ質問器識別情報が含まれている場合は、認証のための処理を行い、含まれていない場合は、処理を行わないようにすることができ、応答器の所持者の意図に反した処理を行わずに済むようになる。
本発明の通信システムは、質問器と応答器とから成り、質問器は応答器と無線通信を行う通信システムであって、前記応答器は、前記質問器から、当該質問器を識別するための質問器識別情報を含む質問信号を受信する質問受信手段と、前記質問受信手段で質問信号を受信した場合は、当該受信した質問信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための応答器識別情報とを含んだ応答信号を送信する応答送信手段とを備え、前記質問器は、自器を識別するための質問器識別情報を含み、前記応答器の応答送信手段が送信する応答信号よりも送信可能範囲が狭い質問信号を、所定周期で送信する質問送信手段と、前記応答信号を受信する応答受信手段と、前記応答受信手段が受信した応答信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための質問器識別情報とが同一である場合は、受信した応答信号に含まれる応答器識別情報に基づいて認証のための処理を行う処理手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る通信システムは、このような構成を備えることにより、質問信号を受信したら、質問信号を送信した質問器の質問器識別情報を応答信号に含ませて送信するので、応答信号を受信した質問器は、応答信号に自器の質問器識別情報と同じ質問器識別情報が含まれている場合は、認証のための処理を行い、含まれていない場合は、無駄な処理を行わないようにすることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<実施形態>
<概要>
本発明の通信システムは、リーダは自器を識別するためのIDを質問信号に含ませて送信し、質問信号を受信したタグは、質問信号に入っているIDを応答信号に含ませて送信する。リーダは、受信した応答信号に含まれるIDが自器のIDである場合にのみ、応答信号を用いた処理を行うものである。また、自器のIDと異なるIDを含む応答信号を受信した質問器は、受信した応答信号を破棄し、応答信号を用いた無駄な処理を行わないこととする。
【0017】
本実施形態の通信システムを説明する前に、図2及び図3を用いて、従来の通信システムと比較して、本発明の通信システムの使用例を簡単に説明する。
本実施形態では、リーダを質問器、タグを応答器というものとする。
ここで、応答器が行う質問器への応答信号の送信方法は2つある。一つは、応答器が質問信号を捉えたときに、自動で応答信号を送信する方法であり、もう一つは、応答器の保持者が応答信号を送信したいとき、例えば、質問器に近づいて認証させたいときに、応答器のボタンを押下する等して手動で応答信号を送信する方法である。本実施形態では、説明の便宜上、自動で応答信号を送信する方法で応答信号を送信する応答器を「自動応答器」、手動で応答信号を送信する方法で応答信号を送信する応答器を「手動応答器」と言うものとする。
【0018】
尚、図2及び図3は模式図であって、質問器や信号送信範囲等は実際のサイズを正確に表していない。
図2及び図3は、質問器A、Bが廊下に設置され、それぞれルームA、BのドアA、Bの開閉を制御しているものとする。
質問器の周りの一点鎖線は、質問器が送信する質問信号の到達範囲を示し、到達距離は数メートルであるとする。また、応答器の周りの破線は、応答器が送信する応答信号の到達範囲を示し、到達距離は数十メートルであるとする。
【0019】
応答器の保持者(図では、「応答器」で示す。)が、右から左に向かって廊下を歩いてくる場合を想定する。白抜き矢印で、歩行ルートを表す。応答器2001の保持者はルームBに向かって歩いているものとする。
自動応答器の場合は、応答器の保持者が、質問器Bの質問信号到達範囲内に入ると、応答器が質問器Bから送信された質問信号を受信して、応答信号を送信する。
【0020】
手動応答器の場合は、応答器の保持者が、質問器Bの質問信号到達範囲内に入ったと判断すると、タグの特定のボタンを押下する。タグは、特定のボタンが押下されたときに応答信号を送信する。この場合、応答器は、質問器Bが送信した質問信号の到達範囲内にあり、ボタン押下前に、質問信号を受信している。以下、この特定のボタンを、「応答信号送信ボタン」というものとする。
【0021】
質問器Bは、応答器2001の送信した応答信号を受信し、認証のための処理を行い、認証に成功したらドアBの開錠を行う。
また、この応答器2001が送信する応答信号は、その到達距離が数十メートルと長いため、近くに設置されている質問器Aも受信する。
従来は、質問器Bのみならず質問器Aも、応答器2001の送信した応答信号を受信したら、応答器2001の送信した認証用データ、すなわち、応答器2001の応答器IDに基づいて、認証のための処理を行っていた。
【0022】
質問器Aが、応答器2001が質問器Bに対して送信した応答信号に基づいて認証のための処理を行った場合の不都合としては、例えば、応答器2001に対しての認証に質問器Aが成功したら、質問器AはドアAの開錠を行い、ルームAに入室した旨の履歴を取るようなシステムであった場合には、応答器2001の所持者にルームAに入る意思がなくても、ドアAが開いてしまったり、ルームAに居るという履歴が残ってしまうということが生じ得た。
【0023】
しかし、本実施形態では、応答器2001は、送信する応答信号に応答器2001の応答器IDと質問器Bの質問器IDとを含ませて送信し、この応答信号を受信した質問器Aと質問器Bとは、応答信号に含まれている質問器IDが自器のIDである場合には自器宛の応答信号であると判断し、処理を行う。従って、質問器Aは、受信した応答信号に含まれている質問器IDは質問器Bの質問器IDであるので、自器宛の応答信号ではないと判断し、受信した応答信号に基づいた処理は行わない。
【0024】
次に、図3は、応答器2002が質問器A、B何れの質問信号到達範囲にも入っていないときに、応答信号が送信された場合を示している。このような場合は、質問信号を受信していないので、質問信号を受信したら応答信号を送信する自動応答器では起こりえず、手動応答器を使用する場合にのみ生じ得る。
この場合、従来は、応答器2002が送信した応答信号の到達範囲にある質問器A、Bは、応答信号を受信し、応答信号に含まれる応答器2001の応答器IDに基づいて、認証のための処理を行ってしまっていた。その結果、応答器2002が質問器から数十メートル離れているにもかかわらず、また、応答器2002の保持者が誤って応答信号送信ボタンを押下してしまいルームA、Bの何れにも入室する意志がなかったとしても、質問器A、Bが応答器2002の認証に成功してドアAとドアBとを開錠しまうことがあり得た。
【0025】
しかし、本実施形態では、応答器2002は、送信する応答信号には、質問器Aの質問器IDとも質問器Bの質問器IDとも異なるダミーの質問器IDを含ませて送信する。この応答信号を受信した質問器Aと質問器Bとは、応答信号に含まれている質問器IDが自器のIDとは異なるので、受信した応答信号に基づいた認証のための処理は行わない。
以下、本実施形態の通信システムを説明する。
【0026】
本通信システムは、ドア付近に設置されている質問器が、ユーザが所持する応答器を認証するための処理を行い、認証が成功すればドアを開け、認証が成功した応答器の履歴を取るものとする。認証は、認証用サーバで行うものとし、質問器が認証用サーバに応答器のIDを送信し、認証結果を受信するものとする。
また、応答器は、手動応答器の場合を説明する。
【0027】
<構成>
本システムを構成する、質問器1000及び応答器2000について説明する。
図1は、本発明にかかる質問器1000と応答器2000の機能ブロック図である。本システムは、通常、複数の質問器と複数の応答器とで構成される場合が多いが、それぞれ同様の構成を有する。
【0028】
尚、質問器1000は、壁などに設置され電気は外部電源から供給されているものとし、応答器2000は内蔵する電池(図示していない。)を電源とするものとする。
まず、質問器1000は、制御部1100、質問信号送信部1200、応答信号受信部1300、応答履歴記憶部1400、自質問器ID記憶部1500、LF信号送信部1800、LFアンテナ1810、RF信号受信部1900及びRFアンテナ1910で構成される。
【0029】
制御部1100は、図示しないCPU、メモリ等を備え、応答器2000の認証に必要な認証サーバとの通信等の一般的な制御処理を行う他、以下に説明する本発明に特有の処理、例えば、自器を識別するための情報を含ませた質問信号の送信を質問信号送信部1200に依頼する等の処理を行う。
次に、質問信号送信部1200は、質問信号を生成し、LF信号送信部1800に送信を依頼する機能を有する。
【0030】
LF信号送信部1800は、質問信号送信部1200から渡された質問信号を、誘電磁界の信号成分に重畳し、増幅して、LFアンテナ1810から送信する機能を有する。
また、応答信号受信部1300は、RF信号受信部1900から応答信号を受け取ると、制御部1100に、その旨と応答信号から取り出した情報を渡す機能を有する。
RF信号受信部1900は、RFアンテナ1910を介して応答信号を受信し、受信した応答信号を解析し、応答信号受信部1300に渡す機能を有する。
【0031】
質問信号及び応答信号の構成については、<データ>の項で図4を用いて説明する。
次に、応答履歴記憶部1400は、認証が成功した応答器の応答器IDを記録した履歴テーブルを記憶している機能を有する。
自質問器ID記憶部1500は、自器を識別するための自質問器IDを記憶している機能を有する。
【0032】
履歴テーブル及び自質問器IDの構成については、<データ>の項で図5を用いて説明する。
次に、応答器2000は、制御部2100、質問信号受信部2200、応答信号送信部2300、質問信号受信判断部2400、ダミー質問器ID記憶部2500、自応答器ID記憶部2600、送信指示検出部2700、LF信号受信部2800、LFアンテナ2810、RF信号送信部2900及びRFアンテナ2910で構成される。
【0033】
制御部2100は、図示しないCPU、メモリ等を備え、他の機能部に指示を出して、応答信号の指示を検出したら応答信号を送信する等の処理の制御を行う。
質問信号受信部2200は、LF信号受信部2800から受信した質問信号を受け取り、受け取った質問信号を解析して必要な情報を制御部2100に渡す機能を有する。
LF信号受信部2800は、LFアンテナ2810を介して質問信号を受信し、受信した質問信号受信部2200に渡す機能を有する。
【0034】
また、応答信号送信部2300は、制御部2100から依頼を受け、応答信号を生成し、RF信号送信部2900に送信を依頼する機能を有する。応答器信号に含ませる情報は、制御部2100から受け取る。
RF信号送信部2900は、応答信号送信部2300から渡された応答信号を、RFアンテナ2910を介して送信する機能を有する。
【0035】
次に、質問信号受信判断部2400は、質問信号を受信しているか否かを判断する機能を有する。ここで言う質問信号を受信しているとは、判断を依頼された時点で、応答信号を送信すべき質問信号を受信していることであり、質問信号を受信していないとは、判断を依頼された時点で、応答信号を送信すべき質問信号を受信していないことである。この判断の詳細は、図8を用いて、後で説明する。
【0036】
この質問信号受信判断部2400は、応答器2000が手動応答器であるので、必要な機能部である。すなわち、応答器2000は、応答信号送信ボタンが押下されたら応答信号を送信するが、応答信号送信ボタンが押下された時に必ずしも質問信号の到達可能範囲にいて質問信号を受信しているとは限らず、応答信号の宛先となる質問器IDとしてどの質問器IDを設定するのかを判断する機能が必要だからである。
【0037】
この判断を行うために、質問信号受信判断部2400は、質問信号を受信すると、受信した質問信号を送信した質問器の質問器IDを内部の作業メモリに記憶する機能を有する。
次に、ダミー質問器ID記憶部2500は、質問器を識別する何れの質問器IDとも異なる質問器IDであるダミー質問器IDを記憶している機能を有する。
【0038】
自応答器ID記憶部2600は、自器を識別するための自応答器IDを記憶している機能を有する。
送信指示検出部2700は、特定のボタンを含み、当該ボタンが押下されたことを検出し、制御部2100にその旨を通知する機能を有する。この特定のボタンが応答信号送信ボタンであり、応答信号を送信する機能が割り当てられている。応答器の所持者は、このボタンを押下して応答器に応答信号を送信させる。
【0039】
ダミー質問器ID及び自応答器IDの構成については、<データ>の項で図6を用いて説明する。
ここで、質問器1000の制御部1100等の各部による各処理の全部または一部は、CPU(図示していない。)が各種プログラムを実行することにより実現されるものであり、応答器2000の各部による各処理の全部または一部も、CPU(図示していない。)が各種プログラムを実行することにより実現される。
【0040】
<データ>
以下、本実施形態の通信システムが用いる主なデータについて、図4〜図6を用いて説明する。
図4は、質問信号と応答信号のデータ構成及び内容例を示す図である。図4(a)は、質問器1000が送信する質問信号10のデータ構成及び内容例であり、図4(b)は、応答器2000が送信する応答信号20のデータ構成及び内容例を示す図である。
【0041】
まず、図4(a)の質問信号10は、PR(PReamble)11、UW(Unique Word)12、質問器ID13及びCRC14で構成される。
PR11は、質問信号10のデータの始まりを示すビット列(同期符号)であり、UW12は、いわゆるフレーム同期信号である。また、CRC14は、質問信号10を受信した応答器2000が、受信した質問信号10に誤りが発生しているか否かを検出するためのデータである。
【0042】
また、質問器ID13は、質問信号10を送信した質問器1000の識別子であり、自質問器ID記憶部1500に記憶されている自質問器IDが設定される。
次に、図4(b)の応答信号20は、PR21、UW22、質問器ID23、応答器ID24及びCRC25で構成される。
PR21は、応答信号20のデータの始まりを示すビット列(同期符号)であり、UW22は、いわゆるフレーム同期信号である。また、CRC25は、応答信号20を受信した質問器1000が、受信した応答信号20に誤りが発生しているか否かを検出するためのデータである。
【0043】
質問器ID23は、質問器1000の識別子を表し、この応答信号20がどの質問器1000から送信された質問信号10に応じたものかを示すものである。すなわち、この応答信号20は、質問器ID23で示される質問器から送信された質問信号に対して送信された応答信号であることになる。但し、質問信号受信判断部2400が質問信号を受信していないと判断した場合は、ダミーの質問器IDが設定され、ダミーの質問器から送信された質問信号に対して送信された応答信号であることとなる。
【0044】
応答器ID24は、応答信号20を送信した応答器2000の識別子であり、自応答器ID記憶部2600に記憶されている自応答器IDが設定される。
次に、図5(a)は、履歴テーブル1410のデータ構成及び内容例であり、図5(b)は、自質問器ID1510のデータ構成及び内容例を示す図である。これらは、質問器1000の記憶部に記憶されているデータであり、履歴テーブル1410は応答履歴記憶部1400に記憶され、自質問器ID1510は自質問器ID記憶部1500に予め記憶されているものとする。
【0045】
まず、図5(a)の履歴テーブル1410は、応答番号1411、応答器ID1412及び応答時間1413とで構成される。
応答番号1411は、本テーブルに応答器IDが登録された順番を示す。
また、応答器ID1412は、質問器1000において認証が成功した応答器の応答器IDを示す。例えば、「Tag001」などである。
【0046】
応答時間1413は、対応する応答器ID1412で示される応答器の認証が成功した時間を示す。例えば、応答器ID1412「Tag002」で示される応答器は、応答時間1413「10:15」で示される10時15分に認証されたことになる。
この履歴テーブル1410には、応答器が認証されるたびに、応答器ID1412と応答時間1413とが追加されていく。
【0047】
図5(b)の自質問器ID1510は、自器を識別する為の識別情報である。
次に、図6(a)は、ダミー質問器ID2510のデータ構成及び内容例であり、図6(b)は、自応答器ID2610のデータ構成及び内容例を示す図である。これらは、応答器2000の記憶部に記憶されているデータであり、ダミー質問器ID2510はダミー質問器ID記憶部2500に、自応答器ID2610は自応答器ID記憶部2600にそれぞれ予め記憶されているものとする。
【0048】
まず、図6(a)のダミー質問器ID2510は、質問器を識別するための質問器IDの何れとも異なる質問器IDである。例えば、質問器を識別するための質問器IDが、「R001」、「R002」、「R003」のように「R」に「001」から昇順に3桁の番号が付されている場合は、ダミー質問器ID2510を「R000」とする。
図6(b)の自応答器ID2610は、自器を識別する為の識別情報である。
【0049】
<動作>
以下、上述した通信システムの、質問器1000と応答器2000の動作について、図7と図8とを用いて説明する。
図7は、質問器1000の質問信号送信処理と、応答器2000の応答信号送信処理とを示すフローチャートである。本図では、点線は質問信号等の信号の送信を表すものとする。
【0050】
質問器1000の制御部1100は、起動の指示、例えば、図示しない操作スイッチの押下等を検知すると、質問信号送信部1200に、質問信号を送信するよう依頼する。
依頼を受けた質問信号送信部1200は、質問器ID13として自質問器ID記憶部1500に記憶している自質問器ID1510を設定した質問信号10を生成し、生成した質問信号10(図4(a)参照)をLF信号送信部1800に渡して送信を依頼する。質問信号送信部1200は、生成した質問信号10を内部の作業メモリに記憶し、次回の依頼からは記憶している質問信号10をLF信号送受信部1800に渡すものとする。
【0051】
依頼を受けたLF信号送受信部1800は、受け取った質問信号10をLFアンテナ1810を介して送信する(ステップS20)。
質問信号送信部1200に、質問信号10を送信するよう依頼した制御部1100は、依頼してから所定時間、例えば、300msの間に応答信号受信部1300から応答信号20(図4(b)参照)を受け取らなかった場合は(ステップS21:NO)、質問信号送信部1200に、質問信号を送信するよう依頼する(ステップS20)。
【0052】
質問信号を送信するよう質問信号送信部1200に依頼した制御部1100は、依頼してから所定時間の間に、応答信号受信部1300が応答信号を受け取った場合は(ステップS21:YES)、その旨と、受信した応答信号20から取り出した質問器ID23と応答器ID24とを受け取る。
尚、応答信号受信部1300は、RFアンテナ1910を介して応答信号20を受信したRF信号受信部1900から、受信した応答信号20を渡され、渡された応答信号20から質問器ID23と応答器ID24とを取り出して制御部1100に渡す。
【0053】
制御部1100は、受け取った質問器ID23が自質問器ID記憶部1500に記憶されている自質問器IDと同じである場合(ステップS22:YES)には、応答信号に基づいた処理を行う(ステップS23)。
具体的には、受け取った応答器ID24を認証用サーバ(図示していない。)に送信して認証結果を受け取る。受け取った認証結果が認証成功である場合は、管理しているドアの開錠を行い、応答履歴記憶部1400の履歴テーブル1410に、応答器ID1412と応答時間1423として応答器ID24と現在の時刻とを登録する。現在の時刻は、内部のタイマーから取得するものとする。
【0054】
一方、取り出した質問器ID23が自質問器ID記憶部1500に記憶されている自質問器IDと同じである場合(ステップS22:NO)には、何も行わず、制御部1100は、質問信号送信部1200に質問信号の送信を依頼し、繰り返し通信処理(ステップS20〜ステップS23)を行う。
次に、応答器2000の処理について説明する。
【0055】
応答器2000のLF信号受信部2800は、LFアンテナ2810を介して質問器1000が送信した質問信号10を受信し、受信した質問信号10を質問信号受信部2200に渡す(ステップS10)。
質問信号受信部2200は、受け取った質問信号10の質問器ID13を取り出して制御部2100に渡し、質問器ID13を受け取った制御部2100は、質問器ID13を質問信号受信判断部2400に渡す。
【0056】
質問器ID13を受け取った質問信号受信判断部2400は、受け取った質問器ID13を、内部の作業メモリに記憶し、記憶したらタイマーをリセットして時間の測定を開始する(ステップS11)。
送信指示検出部2700は、応答信号送信ボタンが押下されたことを検出した場合(ステップS12:YES)は、制御部2100にその旨を通知する。また、押下を検出しない場合(ステップS12:NO)は、質問信号の受信を待つ(ステップS10)。
【0057】
応答信号送信ボタンが押下された旨の通知を受けた制御部2100は、質問信号受信判断部2400に、質問信号を受信しているか否かの判断をするよう依頼する。
依頼を受けた質問信号受信判断部2400は、質問信号を受信しているか否かの判断を行い、判断結果を制御部2100に返す(ステップS13)。この判断結果が、質問信号を受信しているという判断である場合は、内部の作業メモリに記憶している質問器ID13を制御部2100に渡す。この判断の方法については、図8を用いて後で説明する。
【0058】
判断結果を返された制御部2100は、その判断結果が、質問信号を受信しているという判断である場合(ステップS14:受信している)は、受け取った質問器ID13を応答信号送信部2300に渡して応答信号の送信を依頼し、質問信号を受信していないという判断である場合(ステップS14:受信していない)は、ダミー質問器ID記憶部2500に記憶されているダミー質問器ID2510を応答信号送信部2300に渡して応答信号の送信を依頼する。
【0059】
依頼を受けた応答信号送信部2300は、応答信号20を生成し、生成した応答信号20をRF信号送信部2900に渡して、送信を依頼する。
応答信号送信部2300は、受け取った質問器ID13又ダミー質問器ID2510を、応答信号20に質問器ID23として設定し(ステップS15、ステップS16)、自応答器ID記憶部2500に記憶されている自応答器ID2510を制御部2100を介して読み出して応答器ID24として設定して、応答信号20を生成する。
【0060】
依頼を受けたRF信号送信部2900は、受け取った応答信号20をRFアンテナ2910を介して送信する(ステップS17)。
次に、図8を用いて、質問信号受信判断部2400が、質問信号の受信に関する一定条件を満たしているか否かの判断を行う方法について説明する。
図8は、質問信号受信判断部2400の質問信号受信判断処理を示すフローチャートである。
【0061】
制御部2100から、質問信号を受信しているか否かの判断をするよう依頼を受けた質問信号受信判断部2400は、まず、受信した質問信号に対して既に応答信号を送信している場合(ステップS30:YES)は、質問信号を受信していないと判断する(ステップS35)。既に応答信号を送信しているか否かは、内部の作業メモリに質問器IDが記憶されていない場合には、既に応答信号を送信したと判断する。質問信号を一度も受信していない場合は記録されておらず、質問信号を送信した質問器の質問器IDを含ませた応答信号を送信した場合は消去している(ステップS36参照)からである。
【0062】
受信した質問信号を送信した質問器の質問器IDを含ませた応答信号を送信していない場合(ステップS30:NO)は、質問器IDを記録した時から測定を開始した経過時間が、所定時間、例えば、10分を越えていた場合(ステップS31:YES)は、質問信号を受信していないと判断する(ステップS35)。
一方、質問器IDを内部の作業メモリに記憶した時から測定を開始した経過時間が、所定時間を越えていない場合(ステップS31:NO)は、質問信号を受信したと判断し(ステップS32)、内部の作業メモリに記憶している質問器IDを制御部2100に渡す(ステップS33)。
【0063】
質問信号受信判断部2400は、判断結果を制御部2100に渡し(ステップS34)、記憶している質問器IDを消去する(ステップS36)。
<変形例>
<概要>
本実施形態では、応答器が手動応答器である場合を説明したが、本変形例では、自動応答器である場合を説明する。
【0064】
変形例にかかる質問器1000と応答器2000の機能ブロックは、図1で説明した実施形態の機能ブロックとほぼ同じである。本変形例の質問器は、応答器2000の質問信号判断部2400とダミー質問器IDと送信指示検出部2700がない点と、それに伴う制御部2100の処理がない点とが異なるのみであるので、以下、変形例の質問器2000というものとする。尚、質問器1000は同じである。
【0065】
使用するデータは、図4〜図6で説明した実施形態でのデータとほぼ同じであり、図6のダミー質問器ID2510が無い点のみが異なる。
<動作>
本変形例の通信システムの、質問器1000と応答器2000の動作について、図9を用いて簡単に説明する。
【0066】
図9は、質問器1000の質問信号送信処理と、変形例の応答器2000の応答信号送信処理とを示すフローチャートであり、図7のフローチャートとほぼ同じであり、異なる点は、図7のステップS11〜ステップS14、ステップS16の処理が無い事であり、応答器の処理は、質問信号を受信したら応答信号を送信することのみである。
質問器の質問信号送信処理は、図7と同じであるため、以下、変形例の応答器2000の処理についてのみ簡単に説明する。
【0067】
変形例の応答器2000のLF信号受信部2800は、LFアンテナ2810を介して質問器1000が送信した質問信号10を受信し、受信した質問信号10を質問信号受信部2200に渡す(ステップS10)。
質問信号受信部2200は、受け取った質問信号10の質問器ID13を取り出して制御部2100に渡し、質問器ID13を受け取った制御部2100は、受け取った質問器ID13を応答信号送信部2300に渡して応答信号の送信を依頼する。
【0068】
依頼を受けた応答信号送信部2300は、応答信号20を生成し、生成した応答信号20をRF信号送信部2900に渡して、送信を依頼する。
応答信号送信部2300は、受け取った質問器ID13を、応答信号20に質問器ID23として設定し(ステップS15)、自応答器ID記憶部2500に記憶されている自応答器ID2510を制御部2100を介して読み出して応答器ID24として設定して、応答信号20を生成する。
【0069】
依頼を受けたRF信号送信部2900は、受け取った応答信号20をRFアンテナ2910を介して送信する(ステップS17)。
<補足>
以上、本発明に係る通信システムについて実施形態に基づいて説明したが、このシステムを部分的に変形することもでき、本発明は上述の実施形態に限られないことは勿論である。即ち、
(1)本実施形態では、応答器が手動応答器である場合の質問信号受信判断処理において、応答信号を送信していた場合や、時間が所定時間経過していた場合に、質問信号を受信していないと判断しているが、他の判断方法であってもよい。
【0070】
例えば、応答信号を送信してあったとしても、所定時間の間は、何度でも応答信号を送信できるような判断を行うなどである。
(2)実施形態では、ダミーの質問器IDを受信した質問器は、自器が送信した質問信号に応じた応答信号ではないと判断して、受信した応答信号を破棄して認証のための処理は行わないこととしているが、ダミー質問器IDを受信した質問器は何らかの処理を行うこととしても良い。
【0071】
例えば、エラーメッセージを表示するとか、エラー履歴を記録するとかである。
(3)通信システムに含まれる質問器、応答器においては、図2等の各構成要素の全部又は一部を、1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよい。
(4)実施形態で示した通信システムの各機能を実現させる為の各制御処理(図7参照)をCPUに実行させる為のプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるCPUで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのCPUがそのプログラムを実行することにより実施形態で示した各機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明にかかる質問器1000と応答器2000の機能ブロック図である。
【図2】本通信システムの使用例を示す図である。
【図3】本通信システムの使用例を示す図である。
【図4】図4(a)は、質問器1000が送信する質問信号10のデータ構成及び内容例であり、図4(b)は、応答器2000が送信する応答信号20のデータ構成及び内容例である。
【図5】図5(a)は、履歴テーブル1410のデータ構成及び内容例であり、図5(b)は、自質問器ID1510のデータ構成及び内容例である。
【図6】図6(a)は、ダミー質問器ID2510のデータ構成及び内容例であり、図6(b)は、自応答器ID2610のデータ構成及び内容例である。
【図7】質問器1000の質問信号送信処理と応答器2000の応答処理とを示すフローチャートである。
【図8】質問信号受信判断処理を示すフローチャートである。
【図9】変形例の、質問器1000の質問信号送信処理と応答器2000の応答処理とを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
10 質問信号
20 応答信号
1000 質問器
1100 2100 制御部
1200 質問信号送信部
1300 応答信号受信部
1400 応答履歴記憶部
1500 自質問器ID記憶部
1800 LF信号送信部
1810 2810 LFアンテナ
1900 RF信号受信部
1910 2910 RFアンテナ
2000 応答器
2200 質問信号受信部
2300 応答信号送信部
2400 質問信号受信判断部
2500 ダミー質問器ID記憶部
2600 自応答器ID記憶部
2700 送信指示検出部
2800 LF信号受信部
2900 RF信号送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質問器と応答器とから成り、質問器は応答器と無線通信を行う通信システムであって、
前記応答器は、
前記質問器から、当該質問器を識別するための質問器識別情報を含む質問信号を受信する質問受信手段と、
自器に対するユーザによる特定操作を検出した時に応答信号を送信する応答送信手段であって、前記質問受信手段での質問信号の受信に関する一定条件を満たしていると判断した場合は、当該受信した質問信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための応答器識別情報とを含んだ応答信号を送信し、前記一定条件を満たしていないと判断した場合は、前記質問器識別情報と異なる特定の質問器識別情報を含んだ応答信号を送信する応答送信手段とを備え、
前記質問器は、
自器を識別するための質問器識別情報を含み、前記応答器の応答送信手段が送信する応答信号よりも送信可能範囲が狭い質問信号を、所定周期で送信する質問送信手段と、
前記応答信号を受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段が受信した応答信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための質問器識別情報とが同一である場合は、受信した応答信号に含まれる応答器識別情報に基づいて認証のための処理を行う処理手段とを備える
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記応答送信手段が前記一定条件を満たしていると判断する場合とは、前記質問受信手段で受信した最新の質問信号に対して応答信号を送信していない場合であり、前記一定条件を満たしていないと判断する場合とは、当該最新の質問信号に対して応答信号を送信している場合である
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記応答送信手段が前記一定条件を満たしていると判断する場合とは、前記質問受信手段で最新の質問信号を受信した時から所定時間経過していない場合であり、前記一定条件を満たしていないと判断する場合とは、前記質問受信手段で最新の質問信号を受信した時から所定時間経過している場合である
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
質問器と応答器とから成り、質問器は応答器と無線通信を行う通信システムで使用される応答器であって、
前記質問器から、当該質問器を識別するための質問器識別情報を含む質問信号を受信する質問受信手段と、
自器に対するユーザによる特定操作を検出した時に応答信号を送信する応答送信手段であって、前記質問受信手段での質問信号の受信に関する一定条件を満たしていると判断した場合は、当該受信した質問信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための応答器識別情報とを含んだ応答信号を送信し、前記一定条件を満たしていないと判断した場合は、前記質問器識別情報と異なる特定の質問器識別情報を含んだ応答信号を送信する応答送信手段とを備える
ことを特徴とする応答器。
【請求項5】
質問器と応答器とから成り、質問器は応答器と無線通信を行う通信システムで使用される応答器で用いられる通信方法あって、
前記質問器から、当該質問器を識別するための質問器識別情報を含む質問信号を受信する質問受信ステップと、
自器に対するユーザによる特定操作を検出した時に応答信号を送信する応答送信ステップであって、前記質問受信ステップでの質問信号の受信に関する一定条件を満たしていると判断した場合は、当該受信した質問信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための応答器識別情報とを含んだ応答信号を送信し、前記一定条件を満たしていないと判断した場合は、前記質問器識別情報と異なる特定の質問器識別情報を含んだ応答信号を送信する応答送信ステップとを備える
ことを特徴とする通信方法。
【請求項6】
質問器と応答器とから成り、質問器は応答器と無線通信を行う通信システムであって、
前記応答器は、
前記質問器から、当該質問器を識別するための質問器識別情報を含む質問信号を受信する質問受信手段と、
前記質問受信手段で質問信号を受信した場合は、当該受信した質問信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための応答器識別情報とを含んだ応答信号を送信する応答送信手段とを備え、
前記質問器は、
自器を識別するための質問器識別情報を含み、前記応答器の応答送信手段が送信する応答信号よりも送信可能範囲が狭い質問信号を、所定周期で送信する質問送信手段と、
前記応答信号を受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段が受信した応答信号に含まれる質問器識別情報と自器を識別するための質問器識別情報とが同一である場合は、受信した応答信号に含まれる応答器識別情報に基づいて認証のための処理を行う処理手段とを備える
ことを特徴とする通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−124371(P2010−124371A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297844(P2008−297844)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】