説明

赤外線撮像システム

【課題】レンズやフィルタの追加変更が容易な赤外線撮像システムを提供する。
【解決手段】撮像対象からの赤外線を基本の光学要素L1を介して受光する二次元センサM1と、二次元センサM1から得た撮像対象の温度データを補正するための第1補正データa1 ,b1 を記憶する第1テーブル記憶部21と、第1補正データa1 ,b1 を読み出し、二次元センサM1から得た撮像対象の温度データを、補正して補正値を出力する演算手段12と、演算手段12から出力された補正値に基づいて熱画像を表示器14に表示させる赤外線撮像システムに関する。基本の光学要素L1とは異なる別の追加の光学要素L2についての追加補正データp,qと、第1補正データa1 ,b1 とに基づいて演算手段12が二次元センサM1から得た撮像対象の温度データを補正して補正値を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮像対象から放射される赤外線を撮像する赤外線撮像装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−96667号(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
たとえば、一般的な赤外線撮像システムは、撮像対象からの赤外線をフォーカスレンズ(基本の光学要素)を介して二次元センサに導き、該二次元センサの各画素から得た撮像対象の温度データを各画素ごとに補正データに基づき補正した補正値に基づき、熱画像を表示器に表示させている。
すなわち、各画素から得た温度データは、前記補正データにより補正された補正値に基づき、撮像対象の温度が正確に反映された熱画像が前記表示器に表示される。
【0004】
ところで、前記フォーカスレンズに、別途、望遠レンズや、広角レンズ、近接レンズなどを取り付けて当該撮像対象の撮影を行うことがある。また、フィルタを取り付ける場合がある。
かかる場合には、別途取り付けたレンズやフィルタからなる追加の光学要素によって、前記二次元センサからの温度データが変化し、前記補正データでは適正な補正値が得られず、撮像対象の温度が正確に反映された熱画像が得られない。
そこで、従来の赤外線撮像システムでは、前記基本の光学要素と、前記追加の光学要素との組合せに対応した別の新たな補正データを用いて前記補正を行っている。
【0005】
しかし、従来では、前記新たな補正データは、メーカーが顧客から赤外線撮像システムを回収し、該メーカーにおいて追加の光学要素を装着した後に入力して設定する必要があった。そのため、追加の光学要素を取り付けるには、メーカーが新たな補正データを設定する間、顧客が赤外線撮像システムを使用できないという不具合があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、レンズやフィルタの追加変更が容易な赤外線撮像システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の赤外線撮像システムは、撮像対象からの赤外線を基本の光学要素を介して受光する二次元センサと、前記二次元センサの各画素から得た撮像対象の温度データを前記各画素ごとに補正するための第1補正データを記憶する第1テーブル記憶部と、前記第1補正データを前記各画素ごとに読み出し、前記二次元センサから得た撮像対象の温度データを、前記各画素ごとに、補正して補正値を出力する演算手段と、前記演算手段から出力された補正値に基づいて熱画像を表示器に表示させるために前記補正値を記憶する表示記憶部とを備えた赤外線撮像システムにおいて、前記基本の光学要素とは異なる別の追加の光学要素についての追加補正データと、前記第1補正データとに基づいて前記演算手段が前記二次元センサから得た撮像対象の温度データを前記各画素ごとに補正して補正値を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、追加の光学要素についての追加補正データを赤外線撮像システムにインストールすることにより、該追加補正データと、前記第1補正データとに基づいて前記温度データを各画素ごとに補正することができる。そのため、メーカーが顧客から赤外線撮像システムを回収することなく、レンズやフィルタなどの追加の光学要素の取り付けを容易に行うことができる。
したがって、メーカーに赤外線撮像システムを預けることで、長期間に渡って該赤外線撮像システムを使用できなくなるおそれがなくなるので至便である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記目的を達成するための別の赤外線撮像システムは、撮像対象からの赤外線を基本の光学要素を介して受光する二次元センサと、前記二次元センサの各画素から得た撮像対象の温度データを前記各画素ごとに補正するための第1補正データを記憶する第1テーブル記憶部と、前記第1補正データを前記各画素ごとに読み出し、前記二次元センサから得た撮像対象の温度データを、前記各画素ごとに、補正して補正値を出力する演算手段と、前記演算手段から出力された補正値に基づいて熱画像を表示器に表示させるために前記補正値を記憶する表示記憶部とを備えた赤外線撮像システムにおいて、前記基本の光学要素とは異なる別の追加の光学要素についての追加補正データで、前記第1補正データを補正した第2補正データを作成する補正データ作成手段を更に備え、前記作成された第2補正データに基づいて前記演算手段が前記二次元センサから得た撮像対象の温度データを前記各画素ごとに補正して補正値を出力することを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、追加補正データで第1補正データを補正した第2補正データを用いて、前記各画素ごとに温度データを補正した補正値を得るので、第1補正データと追加補正データの2つのデータに基づいて補正を行うよりも、高速に温度データの補正を行うことができる。
【0011】
本発明において、前記第2補正データを記憶する第2テーブル記憶部を更に備えているのが好ましい。
【0012】
本発明において、前記追加補正データを記憶するチップを本体に着脱自在に装填する装填部を設けるのが好ましい。
本態様によれば、装填部を設けることにより、チップに記憶させた追加の光学要素に対応する追加補正データを容易に赤外線撮像システムに読み込ませることができる。
また、追加補正データを、既存の温度データや画像記憶用のチップに記憶させることで、追加のハードウェアが不要となる。
【0013】
本発明において、前記追加補正データを前記チップから本体内に固着された別のチップ内に形成された追加テーブル記憶部を更に備えているのが好ましい。
本態様によれば、読み出し速度の高速な本体内のチップに追加補正データを記憶させることにより、高速に温度データの補正を行うことができる。
【0014】
本発明において、二次元センサ、第1テーブル記憶部、演算手段および表示記憶部を赤外線カメラに搭載してもよい。
かかる態様によれば、赤外線撮像システムを一体型の赤外線カメラに搭載することで、コンパクトに該赤外線撮像システムを作成することができる。
【0015】
本発明において、前記追加補正データが各画素に相当するアドレスごとに設けられていてもよい。
本態様によれば、前記追加補正データに基づき、各画素に相当するアドレスごとに補正値を得ることができる。
【0016】
なお、前記各画素のアドレスごとに補正を行う代わりに、全画素を一括して補正してもよい。また、前記アドレスを複数のエリアに分割し、該分割されたエリアごとに追加補正データを用いて補正を行うようにしてもよい。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1および図2は実施例1を示す。
なお、以下の説明では、図1(b)に示すように、赤外線撮像システムの基本の光学要素であるフォーカスレンズL1に、追加の光学要素として、追加レンズL2を取り付ける場合について例示して説明する。
【0018】
基本となる赤外線撮像システム:
図1(a)に示すように、基本となる赤外線撮像システムは、フォーカスレンズ(基本の光学要素)L1、二次元センサM1、アンプ部10、A/D変換部11、内部メモリ20、演算装置12、メモリアレイ(表示記憶部)13および表示器14を備えている。
【0019】
前記フォーカスレンズL1は、撮像対象から放射される赤外線Irを、たとえば、マイクロボロメータなどからなる二次元センサM1に導き、当該撮像対象の像を二次元センサM1に結ぶ光学要素を構成している。
【0020】
二次元センサM1は、多数の画素An を備えており、各画素Ai 毎に赤外線量に応じたアナログ信号をアンプ部10に出力する。
前記アンプ部10は、前記各画素Ai ごとのアナログ信号をデジタル信号に変換した温度データt1 を演算装置12に出力する。前記各画素Ai には、それぞれ固有のアドレス(i,j)が付されており、前記温度データt1 は当該アドレス(i,j)毎に出力される。
【0021】
前記内部メモリ20は、赤外線撮像システムの本体内に固着されたメモリチップからなり、該内部メモリ20には、第1テーブル記憶部21が設けられている。第1テーブル記憶部21には、前記温度データt1 を前記アドレス(i,j)毎に補正するための第1補正データa1 ,b1 が記憶されている。
【0022】
演算装置12は、前記内部メモリ20の第1テーブル記憶部21から第1補正データa1 ,b1 を読み出し、当該第1補正データa1 ,b1 に基づき前記温度データt1 を補正した補正値T1 を生成する。
【0023】
ここで、演算装置12は、前記補正値T1 の算出を下記の(1) 式に基づいて行う。
1 =a1 1 +b1 …(1)
但し、t1 :温度データ
1 ,b1 :第1補正データ
【0024】
前記演算装置12は、A/D変換部11から、二次元センサM1の各画素Ai ごとに付されたアドレス(i,j)に対応する前記温度データt1 ごとに前記補正を行い、当該撮像対象の温度に対応する補正値T1 を当該アドレス(i,j)毎にメモリアレイ13に送る。
メモリアレイ13は、前記アドレス(i,j)毎に出力される補正値T1 を記憶して撮像対象の熱画像を構成し、表示器14に当該熱画像を表示させる。
【0025】
温度データt1 の記録:
一方、前記熱画像や温度データt1 は、必要に応じて操作者が所定の操作を行うことにより、装填部30に装填された温度データ記録用のC/F(Compact Flash)カード31に送られる。
前記C/Fカード31は、装填部30を介して赤外線撮像システム本体に着脱自在に形成されている。C/Fカード31は、書き換え可能なメモリチップを備えており、前記温度データt1 や熱画像は、該C/Fカード31に形成された熱画像記憶部32に記憶される。
【0026】
追加の光学要素L2の装着:
図1(b)に示すように、操作者は追加レンズL2からなる追加の光学系をフォーカスレンズL1の撮像対象側に装着すると共に、前記装填部30に当該追加レンズL2に対応する追加補正用のC/Fカード31を装填する。
【0027】
前記C/Fカード31には、追加補正データ記憶部33が設けられている。追加補正データ記憶部33には、追加補正データp,qが記憶されている。
【0028】
なお、前記追加補正データp,qの供給方法としては種々の方法を用いることができるが、たとえば、追加レンズL2に当該追加補正データp,qが記録されたCD−ROMなどを添付し、操作者がパソコンを用いて前記CD−ROMから当該追加補正データp,qを読み出し、温度データ記録用のC/Fカード31に記録することで、追加補正データ記憶部33を作成してもよい。また、追加補正データp,qが記憶された追加補正データ記憶部33が形成されたC/Fカード31を追加レンズL2に添付して販売してもよい。
【0029】
前記演算装置12は、前記C/Fカード31の追加補正データ記憶部33から、追加補正データp,qを読み出すと共に、内部メモリ20に追加テーブル記憶部22を作成し、当該追加テーブル記憶部22に追加補正データp,qを記憶させる。
【0030】
撮像方法:
撮像対象から放射される赤外線Irは、追加レンズL2およびフォーカスレンズL1を通り、二次元センサM1に導かれる。二次元センサM1からのアナログ信号は、アンプ部10およびA/D変換部11により温度データとして演算装置12に出力される。
【0031】
演算装置12は、内部メモリ20の第1テーブル記憶部21および追加テーブル記憶部22から、第1補正データa1 ,b1 および追加補正データp,qを読み出し、当該第1補正データa1 ,b1 および追加補正データp,qに基づき、前記温度データを補正した補正値T2 を生成する。
【0032】
ここで、前記演算装置12は、補正値T2 の算出を下記の(2) 式に基づいて行う。
2 =p(a1 1 +b1 )+q …(2)
但し、t1 :温度データ
1 ,b1 :第1補正データ
p,q:追加補正データ
【0033】
前記演算装置12は、A/D変換部11から、二次元センサM1の各画素Ai ごとに付されたアドレス(i,j)に対応する前記温度データ毎に前記補正を行い、当該撮像対象の温度に対応する補正値T2 を当該アドレス(i,j)毎にメモリアレイ13に送る。
メモリアレイ13は、前記アドレス(i,j)毎に出力される補正値T2 を記憶して撮像対象の熱画像を構成し、表示器14に当該熱画像を表示させる。
【0034】
追加補正データp,qの生成方法:
つぎに、前記追加補正データp,qの生成方法について説明する。
図2(a)に示すように、赤外線撮像システム本体の納品時において、第1テーブル記憶部21には、第1補正データa1 ,b1 が記憶されている。前述のように、A/D変換部11(図1(a))からの温度データt1 を第1補正データa1 ,b1 に基づき補正することで、補正値T1 を得る。
【0035】
一方、図2(b)に示すように、メーカーの工場内には、前記赤外線撮像システム本体と同一機種のフォーカスレンズ(基本の光学要素)L1A、二次元センサM1Aおよび第1テーブル記憶部21Aを備えた追加補正データ生成用の赤外線撮像システムが形成されている。
したがって、同一温度の撮像対象を、前記追加補正データ生成用の赤外線撮像システムと、前記納品された赤外線撮像システム本体とを用いて撮像すると、同一の補正値T1 が得られる。
【0036】
追加補正データp,qを生成するには、図2(c)に示すように、追加レンズL2のサンプルをメーカー工場内の追加補正データ生成用の赤外線撮像システムに装着し、補正値が補正値T2 になるように、追加補正データp,qを設定する。
【0037】
具体的には、たとえば、所定の一定温度に設定可能な恒温体を撮像することで、当該撮像対象の温度に対応する前記補正値T2 が出力されるように、追加補正データp,qの値を決定する。前記生成された追加補正データp,qは、CD−ROMやC/Fカード31の追加補正データ記憶部33などに記憶される。
なお、前記恒温体としては、種々の恒温体を用いることができるが、たとえば、その一例として、周知の黒体炉などを用いることができる(たとえば、特開平10−96667号公報参照)。
【0038】
その後、メーカーは、追加レンズL2と、当該追加レンズL2に対応する追加補正データp,qの記憶されたCD−ROMやC/Fカード31などを生産し、販売する。
【0039】
前記追加レンズL2の購入者は、図2(d)に示すように、納品済の赤外線撮像システムに、前記追加レンズL2を装着すると共に、C/Fカード31の追加補正データ記憶部33から、図1(b)に示す赤外線撮像システム本体の追加テーブル記憶部22に追加補正データp,qを記憶させる(インストールする)。
かかる追加補正データp,qのインストールにより、追加レンズL2が装着された赤外線撮像システムは、前述したように、前記第1補正データa1 ,b1 および追加補正データp,qに基づき温度データが補正されて、撮像対象の温度に対応した正確な補正値T2 に基づく熱画像を表示器14に表示させることができるようになる。
【実施例2】
【0040】
図3は実施例2を示す。
以下に述べる実施例2では、主に、前述の実施例1と異なる部分について説明する。
図3(a)に示すように、本実施例2の赤外線撮像システム本体には、補正データ作成手段15が設けられていると共に、内部メモリ20には、後述する第2補正データa2 ,b2 が記憶される第2テーブル記憶部22が形成される。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
操作者が追加レンズL2を装着すると共に、追加補正データp,qが記憶された追加補正用のC/Fカード31を装填部30に装填すると、補正データ作成手段15が、前記追加補正データp,qをC/Fカード31から読み出すと共に、内部メモリ20の第1テーブル記憶部21から第1補正データa1 ,b1 を読み出し、前記追加補正データp,qおよび第1補正データa1 ,b1 に基づき、下記の(2) 〜(5) 式に基づいて補正値T2 を得るための第2補正データa2 ,b2 を算出する。
2 =pT1 +q …(2) =p(a1 1 +b1 )+q …(3)
=(pa1 )t1 +(pb1 +q) …(4)
=a2 1 +b2 …(5)
但し、t1 :温度データ
1 ,b1 :第1補正データ
p,q:追加補正データ
2 =(pa1 ),b2 =(pb1 +q):第2補正データ
【0042】
補正データ作成手段15は、内部メモリ20に追加テーブル記憶部22を作成し、当該追加テーブル記憶部22に前記第2補正データa2 ,b2 を記憶させる。
【0043】
撮像方法:
図3(b)に示すように、追加レンズL2を取り付けた赤外線撮像システムを用いて撮像対象を撮像すると、A/D変換部11からの温度データt1 が演算装置12に入力される。演算装置12は、前記内部メモリ20の追加テーブル記憶部22から第2補正データa2 ,b2 を読み出し、当該第2補正データa2 ,b2 に基づいて二次元センサM1から得た撮像対象の温度データを各画素Ai ごとに補正して補正値T2 をメモリアレイ13に出力する。メモリアレイ13は、当該補正値T2 に基づく熱画像を表示器14に表示させる。
【0044】
なお、前述の各実施例では、各画素Ai 毎に温度データを補正することとしたが、たとえば、全画素の温度データを一括して補正してもよいし、各画素Ai に付されたアドレス(i,j)を複数のエリアに分割し、該分割されたエリア毎に温度データの補正を行うようにしてもよい。
また、温度データや追加補正データを記憶するためのチップとしては、前述のC/Fカードの他に、種々のメモリカードを採用することができる。
【0045】
さらに、追加の光学要素は、追加レンズの他に、たとえば、フィルタなどであってもよい。
また、赤外線撮像システムは一体型であってもよいし、たとえば、監視カメラのように、光学要素と、演算装置および表示器とが別体に形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、赤外線撮像システムに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1にかかる赤外線撮像システムを示す概略構成図である。
【図2】追加補正データの生成方法を示す工程図である。
【図3】本発明の実施例2にかかる赤外線撮像システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0048】
12:演算装置
13:メモリアレイ(表示記憶部)
14:表示器
15:補正データ作成手段
21:第1テーブル記憶部
22:追加テーブル記憶部
1 ,b1 :第1補正データ
2 ,b2 :第1補正データ
i :画素
Ir:赤外線
L1:フォーカスレンズ(基本の光学要素)
M1:二次元センサ
L2:追加レンズ(追加の光学要素)
p,q:追加補正データ
1 :温度データ
1 ,T2 :補正値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象からの赤外線を基本の光学要素を介して受光する二次元センサと、
前記二次元センサの各画素から得た撮像対象の温度データを前記各画素ごとに補正するための第1補正データを記憶する第1テーブル記憶部と、
前記第1補正データを前記各画素ごとに読み出し、前記二次元センサから得た撮像対象の温度データを、前記各画素ごとに、補正して補正値を出力する演算手段と、
前記演算手段から出力された補正値に基づいて熱画像を表示器に表示させるために前記補正値を記憶する表示記憶部とを備えた赤外線撮像システムにおいて、
前記基本の光学要素とは異なる別の追加の光学要素についての追加補正データと、前記第1補正データとに基づいて前記演算手段が前記二次元センサから得た撮像対象の温度データを前記各画素ごとに補正して補正値を出力することを特徴とする赤外線撮像システム。
【請求項2】
撮像対象からの赤外線を基本の光学要素を介して受光する二次元センサと、
前記二次元センサの各画素から得た撮像対象の温度データを前記各画素ごとに補正するための第1補正データを記憶する第1テーブル記憶部と、
前記第1補正データを前記各画素ごとに読み出し、前記二次元センサから得た撮像対象の温度データを、前記各画素ごとに、補正して補正値を出力する演算手段と、
前記演算手段から出力された補正値に基づいて熱画像を表示器に表示させるために前記補正値を記憶する表示記憶部とを備えた赤外線撮像システムにおいて、
前記基本の光学要素とは異なる別の追加の光学要素についての追加補正データで、前記第1補正データを補正した第2補正データを作成する補正データ作成手段を更に備え、
前記作成された第2補正データに基づいて前記演算手段が前記二次元センサから得た撮像対象の温度データを前記各画素ごとに補正して補正値を出力することを特徴とする赤外線撮像システム。
【請求項3】
請求項2において、前記第2補正データを記憶する第2テーブル記憶部を更に備えた赤外線撮像システム。
【請求項4】
請求項1、2もしくは3において、前記追加補正データを記憶するチップを本体に着脱自在に装填する装填部を設けたことを特徴とする赤外線撮像システム。
【請求項5】
請求項4において、前記追加補正データを前記チップから本体内に固着された別のチップ内に形成された追加テーブル記憶部を更に備えた赤外線撮像システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、二次元センサ、第1テーブル記憶部、演算手段および表示記憶部を赤外線カメラに搭載した赤外線撮像システム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記追加補正データが各画素に相当するアドレスごとに設けられている赤外線撮像システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−74889(P2009−74889A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243434(P2007−243434)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(598167268)株式会社アピステ (13)
【Fターム(参考)】