説明

赤外線温度計およびそのプローブカバー

【課題】口腔体温測定に適した赤外線温度計を提供する。
【解決手段】赤外線センサを有する電子温度計であって、患者口腔内の温度測定に適した型式である。温度計は、生体組織を直視するか、または生体組織温度と平衡するよう急速に暖められるチップを有する。赤外線センサが、そのチップを眺める。間接的に温度を測定するための金属化チップを有するプローブカバーについても開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に温度計に関し、より詳細には口腔体温測定に適した赤外線温度計に関する。
【背景技術】
【0002】
電子温度計は健康管理の分野で患者の体温を測定するために広く用いられている。典型的な電子温度計は、細長いシャフトをもつプローブの形をとる。サーミスタまたは他の温度感知素子等の電子温度センサがシャフト部内に収容されている。一変形では、プローブは遠位端にカップ型のアルミチップを含む。そのアルミチップと熱接触しているサーミスタをプローブ内側に設置する。遠位端部を、例えば患者口腔内に入れると、チップが患者の身体により暖められ、サーミスタがチップ温度を測定する。電子センサ構成体に接続される補助的な電子回路は、線材でシャフト部と接続されるベースユニット内に収納するか、または、例えばシャフト部の柄の内部に収納してもよい。電子構成体は、センサ構成体から入力を受け取って、患者の温度を計算する。次いで、7セグメントの数字ディスプレイ装置等の、視覚的出力装置上に温度を表示するのが典型的である。既知の電子温度計の特徴には更に、ビープ音つまりトーン警告信号等の、聴覚的温度レベル通知が含まれる。使い捨てのカバーつまりシースをシャフト部上に嵌合するのが典型的であり、衛生上の理由から温度計を使用する度に廃棄する。
【0003】
電子温度計は、従来の温度計を越える多くの利点を有し、健康管理の分野では、従来のガラス製温度計の使用を基本的に置き換えた。これら従来のガラス製の相手を越える電子温度計の一利点は、温度指示が得られる速さにある。幾つかの手順を用いて、対象者の迅速な温度測定を進める。利用する一技法は、温度計論理構成の一部として予測アルゴリズムを用いて、チップと接触しているサーミスタからの温度測定値を外挿して、チップが体温と平衡に達する前に温度指示を得る技法である。予測アルゴリズムと同時に利用できるもう一つの技法は、チップから離れたプローブの一部がヒートシンク(放熱器)として作用しないように、プローブを体温近くまで加熱することであり、チップが更に迅速に、体温に近い温度に到達できる。加熱はプローブと接触して設置するサーミスタにより行うことができる。別のサーミスタをプローブと接触させて設置して、抵抗器がプローブを加熱している量を測定でき、それを用いて加熱を制御する。アイソレータを用いて、プローブの他の部品へのチップからの熱損失を減少させることも、やはり既知である。
【0004】
従来の電子温度計を更に改良することが望ましい。特に、電子温度計は、各種の小型部品をプローブ内に設置しなければならないので組立方法に課題がある。更に、電子温度計は、特に従来のガラス製温度計と比較すると、体温を迅速に測定するが、更に速いほうが望ましい。更に、迅速に温度を得るためにプローブが加熱されるので、バッテリの電力が浪費される。更に、迅速な温度測定は、予測アルゴリズム使用に依存していて、それが温度計を一層複雑にしている。
【発明の開示】
【0005】
本発明の一態様では、対象の温度を測定するための赤外線電子温度計は、概ね、温度計が測定した温度を示すよう適合したディスプレイおよび内部空間を有する細長いプローブシャフトを備える。プローブシャフトに取り付けられ、プローブシャフトの内部空間に配置される赤外線センサは、ディスプレイとプローブとの間で電子通信するために、ディスプレイに接続して動作させる。赤外線センサは、測定温度を指示する信号を送ることができる。プローブシャフトのほぼ遠位端に取り付けられているプローブチップは、プローブチップと熱接触している対象の温度と一致する温度と急速に平衡に達するよう適応している。赤外線センサは、プローブチップからの赤外線放射を測定するように配置する。
【0006】
本発明の別の態様では、非鼓膜型対象温度測定用の電子温度計は、概ね、温度計が測定した温度を示すよう適合しているディスプレイを備える。プローブには、内部空間、およびプローブシャフトの遠位端にプローブチップを有する細長いプローブシャフトが含まれる。プローブシャフトの長さ対直径の比は、少なくともおよそ3である。赤外線放射センサは、赤外線放射を受け、対象温度を指示する信号を提供するよう適合している。温度センサは、温度指示信号をディスプレイに送るためにディスプレイと電子通信して動作する。
【0007】
本発明の更に別の態様では、対象の間接的温度測定方法は、概ね、対象と接触するプローブチップを含む電子温度計のプローブを設置することを含む。プローブチップを平衡温度まで急速に暖めるための対象からプローブチップへの熱伝導を可能とし、チップからの赤外線放射を、プローブのプローブシャフト内に封止されたセンサにより感知する。センサが検出するプローブチップの温度と対応する信号が生成される。信号は、センサから電子温度計のディスプレイに伝達される。検出温度はディスプレイ上に表示される。
【0008】
本発明の更に別の態様では、赤外線電子温度計のためのプローブカバーは、概ね、開口端および閉止端を有するほぼ円筒形の本体を備える。本体は、開口端を通じて本体内に赤外線電子温度計のプローブを係止する大きさおよび形状をしている。本体には、本体の前記閉止端に黒体部分が含まれる。黒体部分は、電子温度計のセンサがそれを見て対象の温度を測定するように、対象の温度と一致する温度に急速に平衡する材料で形成する。
【0009】
下記に、他の目的および特徴を、一部については明らかし、一部については要点を指摘する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面、特に図1および図2を参照すると、本発明の原理により構築した電子温度計の全体が1で示されている。電子温度計は、手Hで快適に保持できる大きさ、および形状の、全体を3で示す温度計算ユニットを備える。計算ユニット3(広義には、「ベースユニット」)は、ヘリカルコード5によりプローブ7(参照符号はそれら対象の全体を示す)に接続される。言うまでもなく、別体のベースユニットおよび接続コードを省略するために、計算電子回路をプローブ内に組み込むことができる。プローブ7を対象(例えば、患者)と接触させ、温度を表示する計算ユニット3に信号を送るように構築する。計算ユニット3は、プローブ7から信号を受け取り、それを用いて温度を計算する。これらの計算を実行するのに適したプログラマブルマイクロコントローラ8等の、電子回路を計算ユニット3の筐体9内に収納する。電子回路は、筐体9の前面にあるLCDディスプレイ11上に計算した温度を表示する。計算ユニット3内のマイクロコントローラ8は、プローブ7からの温度信号を測定対象の温度に変換するよう校正される。図示した実施の形態では、直接的な温度測定を行う。しかし、言うまでもなく、マイクロコントローラ8には、プローブ7からマイクロコントローラへの温度信号出力が定常状態になる前に、ディスプレイ11上に温度指示を表示する予測ソフトウエアを含めることができる。当該分野の技術者には言うまでもなく、他の情報も要望に応じてディスプレイ11上に表示することができる。温度計1を操作するためのボタンのパネル11Aをディスプレイ11のすぐ上に配置する。
【0011】
使用していない場合に、プローブを保持するとともに、その遠位部を周囲から離しておくために、筐体9には、プローブ7の遠位部を筐体に係止できる区画(不図示)が概して筐体背部に含まれる。図1は、使用準備のために他方の手H1が、その区画から抜こうとしているプローブ7を示す。筐体9は、プローブカバー12(図2参照)のためのカートンCのような容器をぴったりと係止する受容部13も有する。使用に際しては、カートンCの上部を外して、プローブカバーの開口端を露出させる。プローブ7の遠位部を、カートンCの開口端に挿入でき、プローブカバー12の内の一つを環状の凹部14に解放可能に固定できる。プッシャー15をプローブ7の把手17とプローブシャフト19の接合部に配置する。プローブシャフト19の遠位端部を、例えば、患者の口腔内に挿入する場合(図2A)、カバーによりプローブシャフトを汚染から保護する。口腔または他のもっと広いキャビティ(例えば、直腸)に挿入して使用するようプローブシャフト19は比較的長くかつ細くする。例えば、一実施の形態では、プローブシャフトの長さと直径の比は、少なくともおよそ3であり、別の実施の形態では、その比は少なくともおよそ6であり、更に別の実施の形態では、その比は、少なくともおよそ12であり、更に別の実施の形態では、およそ18である。プローブシャフトの長さは、凹部14の上のプローブ把手17から出たところから、金属チップ29が突出する遠位端までを測定する。プローブシャフト19の直径は、長さに沿ってほぼ一定であるが、直径が一定でないプローブシャフトでは平均直径または中央値の直径を用いて長さと直径の比を計算する。プローブ把手17上のボタン21を押下して、プローブシャフト19からプローブカバーを開放するようプッシャー15を前方に移動させることができる。使用後、プローブカバー12は廃棄される。本発明の範囲から逸脱することなく、プローブカバーを捕捉し、開放する他の方法を用いることができる。
【0012】
本発明の一態様は、赤外線放射を感知して体温を取得する(図2A)温度感知編成に向けられる。本発明の好ましい実施の形態は、体温を取得するためのものであるが、言うまでもなく、本発明の原理は、生体であろうとなかろうと「対象」の温度を測定するのに適用できる。更に、測定対象は固体、液体または気体でもよい。図3に示す第1の実施の形態では、プローブ7の内部構成体には、温度センサ25、導波管27および円錐体の金属チップ29(参照符号はそれら対象の全体を示す)が含まれる。図示の実施の形態では、チップ29は、アルミ製であるが、本発明の範囲内で、他の金属(非金属を含む)を用いてもよい。これらの構成体は、プローブシャフト19(図3には不図示)により支持する。金属チップ29をプローブシャフト19の遠位端に取り付け、口腔内で組織と接触させることにより暖める。金属チップ29は、高い熱伝導率、小さな熱容量および小さな質量、およびチップと熱接触している生体組織の温度まで急速に暖められるよう選定した形状を有する。チップ29の円錐体形状は、放射率を向上させ、赤外線放射の反射を低下させる。暖められた金属チップ29から放射された赤外線放射を、内面に反射材料(例えば、金層)を有する導波管27内に受ける。導波管27は、長さ方向に沿う損失を最小限に抑えつつ近位端まで赤外線を伝送し、その近位端で温度センサ25に接する。温度センサは、導波管27の近位端に隣接して配置した熱電対列31の形をとる熱電効果センサを備える。言うまでもなく、焦電センサ、マイクロボロメータ等の、他の熱電効果センサ(不図示)または焦電効果を利用しない他のセンサを、本発明の範囲から逸脱することなく、用いることができる。
【0013】
熱電対列31は、「冷接点」に対する「高温接点」の温度と対応する電圧を発生する。熱電対列には直列接続した複数の個別熱電対(不図示)が含まれている。それぞれの熱電対は冷接点および高温接点を有する。1988年2月2日公告のJunkert他の米国特許第4,722,612号を参照のこと。高温接点は、赤外線放射を当てる小さな黒体(ターゲット領域)により形成されているのが普通である。黒体は、赤外線を放射する対象の温度と一致する温度まで急速に暖められる。熱電対列31は、その上に入射した赤外線放射の量を表すアナログ出力信号(電圧)を生成する。図示した本発明の実施の形態は、人体口腔内の生体表面組織の温度に関連する、金属チップ29が放射した赤外線放射を感知するよう設計されている。言うまでもなく、本発明の原理を組み込む温度計を用いて、本発明の範囲内で身体の他の場所(例えば、直腸、脇の下等)で組織の温度を測定できる。
【0014】
温度センサ25には、熱電対列31に適切な方法で取り付けるか、または熱電対列に組み込んだ第2センサも含まれる。第2センサは、熱電対列31の温度を表すアナログ出力信号(抵抗)を生成する。この目的に適う一センサはサーミスタ33である。第2センサつまりサーミスタ33は、周囲センサとも呼ばれる。温度計1が使用されている部屋の周囲温度、つまり熱電対列31の温度、を効果的に測定するからである。熱電対列の出力信号から実際の体温を決定するには、熱電対列31の温度を知ることが必要である。温度センサ25は、プローブシャフト19内に封止することが好ましい。温度計として使用する際には、金属チップ29およびプローブシャフト19の上にプローブカバー12を係止する。プローブカバー12は、プローブ7の遠位端を覆うように嵌合し、環状の凹部14によりプローブシャフト19上に解放可能に保持する。プローブカバー12については、このあとの温度計の第2の実施の形態と関連させて更に詳細に説明する。
【0015】
円筒形導波管27は、熱電対列31の視野開口部と近接させて設置する。好適には、導波管27は、赤外線スペクトル領域、すなわち8〜12ミクロンの波長で可能な限り反射率を高くするように金めっきした内径を有する黄銅または銅である
【0016】
図4を参照すると、プローブシャフト119およびプローブシャフトの遠位端に取り付けた金属チップ129を備えている第2の実施の形態のプローブ(全体を107で示す)を示す(断片的な部分のみを示す)。第1の実施の形態のプローブ7の部品と対応するプローブ107の部品は、「100」を加えた同一参照符号で示す。第1の実施の形態のプローブ7と違って、導波管27がなく、温度センサ125が、プローブシャフトの遠位端近くにあるプローブシャフト119内のカラー126により取り付けられている。従って、金属チップ129から放射される赤外線放射は、温度センサ125の熱電対列(不図示)から直視でき、どんな構造体(例えば、導波管)も介在させることなく温度センサに伝送される。熱電対列の円錐状視野FVを図4に示すが、その視野は金属チップ129の基部の幅と等しく、そこで金属チップの基部と視野が交差する。センサ125を口腔内の熱から遮断するために、センサをできるだけプローブ107の遠位端から遠ざけて設置する。この場合、センサにはチップ129だけが見えるように、センサ125に狭い視野をもたせる。つまり、熱電対列は金属チップ129全体を見ることができる。プローブ遠位端に近い温度センサ125の適切な編成例は、鼓膜温度計の関連では、同一出願人による2003年12月10日付けの米国特許出願第10/480,428号に示されている。その開示を引用して本明細書に組み込む。類似の編成をここで用いることができる。温度センサ125からの線材128がプローブシャフト119を通って把手(不図示)まで延伸する。フレキシブル回路(不図示)または他の適切な電気接続構造を用いることができる。
【0017】
次に図5および図6をも参照すると、口腔に挿入したときの汚染および操作性の低下または損失(例えば、唾液による)を防ぐために用いるプローブシャフト119をカバーするためのプローブカバー全体が112で示されている。プローブカバー112には、円筒形本体116および円筒形本体の一端を閉じている伸縮可能なフィルム118が含まれる。フィルム118は、例えば、低密度のプラスチック(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE))で構成でき、一方本体116は高密度プラスチック(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE))で構成できる。図5に示すように、プローブシャフト119上に設置する前に、フィルム118を円筒形本体の端部をほぼ垂直に横断して延伸させる。プローブシャフト119上に被せると、フィルム118は、プローブシャフトの金属チップ129上に係止され、引き延ばされる。従って、プローブカバー112をプローブシャフト119上に取り付けると、フィルム118は金属チップ129の外表面の形状に密接する。従って、身体組織からフィルム118を通って金属チップ129に至るまでの熱伝導が容易になる。
【0018】
図4〜図6の実施の形態と類似のプローブシャフト219、およびプローブシャフトの遠位端近くに取り付けた温度センサ225を備えるプローブ207の第3の実施の形態を図7に示す。プローブ107の部品と対応するプローブ207の部品は、「100」を加えた同一参照符号で示す。第3の実施の形態では、金属チップ125が省略されている。代わりに、プローブシャフト219が、遠位端を閉じる透明な窓220を有する。本発明の目的に対しては、窓220は赤外線放射に透明であればよい。その他に関しては、プローブ207の構成は、第2の実施の形態のプローブ107と同一でよい。
【0019】
第3の実施の形態のプローブカバー212には、円筒形本体216および本体の遠位端を閉じるフィルム218が含まれる。円筒形本体216は、円筒形本体をプローブシャフト219に係止し、かつ離間させるスペーサ221(その内の2個を示す)を内側に有する。スペーサ221は、個数を変更して他の構成とするか、または本発明の範囲から逸脱することなく省略することもできる。プローブ207上に完全に被せた場合、プローブカバーフィルム218は(最初の2つの実施の形態とは違って)、プローブシャフト219の端部と係合せず、プローブシャフトの端部から軸方向に離間している。フィルムの中央領域222は、その上に金属を蒸着している。言うまでもなく、金属蒸着部を中央領域に配置しなくてもよく、または中央領域に限定しなくてもよい。例えば、フィルム全体を金属化してもよい。金属の中央領域222は、先の2つの実施の形態の金属チップ29、129の置き換えである。温度センサ225の熱電対列(不図示)の視野は、中央領域222を包含する。中央領域は、高い熱伝導性、小さな熱容量および小さな質量を有する他の材料で形成することもできる。
【0020】
温度センサ325、導波管327およびレンズ328を備える第4の実施の形態のプローブの構成体を図8に示す。第4の実施の形態のプローブは、概ね、第1の実施の形態のプローブ7と、両者が導波管(27および327)を有するという点で対応している。第1の実施の形態のプローブ7の部品と対応する第4の実施の形態のプローブの部品は、「300」を加えた同一参照符号で示す。第4の実施の形態では、レンズにより、身体組織(例えば、口腔内側の組織)からの赤外線放射を導波管327に集める。導波管は、第1の実施の形態の導波管とほぼ同一の方法で赤外線放射を温度センサ325に導く。従って、第4の実施の形態では、温度センサ325は、金属チップ等の、中間構造を見るのではなく身体組織を直接見ることになる。
【0021】
本発明の要素または本発明の好適な実施の形態を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記」が意図する意味は、一つ以上の要素が存在する、ということである。用語「備える」、「含む」、および「有する」は、包含すべきことを意図し、またその意味は、列挙した要素以外の追加要素が存在してもよい、ということである。
【0022】
上記観点からわかることは、本発明の幾つかの目的が達成され、他の利点ある結果が得られる、ということである。
【0023】
上記温度計およびその使用方法において、本発明の範囲から逸脱することなく多様な変更を成すことができるが、意図しているのは、上記説明に含まれ、かつ付帯の図面で示されること全ては、説明として解釈するべきであり、限定する意味で解釈すべきではないということである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】赤外線電子温度計の斜視図。
【図1A】温度計のブロック図的表現。
【図2】温度計のプローブの斜視図。
【図2A】患者の口腔内に受けたプローブを示す斜視略図。
【図3】第1の実施の形態の構成を示すプローブの内部構成体の部分立面略図。
【図4】第2の実施の形態のプローブの内部構成体の部分立面略図。
【図5】プローブカバーの斜視図。
【図6】図4と類似しているが、プローブ上のプローブカバーを示す部分拡大立面図。
【図7】図4と類似しているが、第3の実施の形態のプローブおよびプローブカバーを示す部分拡大立面図。
【図8】第4の実施の形態の構成を示すプローブの内部構成体の部分立面略図。 同じ参照符号は、図面全体にわたって同じ部品を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の温度を測定するための赤外線電子温度計であって、前記温度計は、
前記温度計が測定した温度を表示するようにされたディスプレイ、
内部空間を有する細長いプローブシャフト、
前記プローブシャフトに取り付けられ、前記プローブシャフトの内部空間に配置される赤外線センサであって、前記ディスプレイと前記プローブとの間の電気通信で測定温度を表す信号を送ることができるように、前記ディスプレイに接続された、赤外線センサ、
前記プローブシャフトの遠位端近傍に取り付けられているプローブチップであって、前記プローブチップと熱的に接触している前記対象の温度と対応する温度に急速に平衡に達するようになっている、プローブチップ、
を備え、
前記赤外線センサは、前記プローブチップからの赤外線放射を測定するように配置された、赤外線電子温度計。
【請求項2】
前記プローブチップが、ほぼ凹凸形状を有する請求項1の赤外線電子温度計。
【請求項3】
前記プローブチップがほぼ円錐形である請求項2の赤外線電子温度計。
【請求項4】
前記プローブチップが金属製である請求項1の赤外線電子温度計。
【請求項5】
前記プローブの長さと直径の比が少なくともおよそ3である請求項1の赤外線電子温度計。
【請求項6】
前記プローブの長さと直径の比が少なくともおよそ6である請求項5の赤外線電子温度計。
【請求項7】
前記プローブの長さと直径の比が少なくともおよそ12である請求項6の赤外線電子温度計。
【請求項8】
前記プローブの長さと直径の比がおよそ18である請求項7の赤外線電子温度計。
【請求項9】
前記プローブシャフト上で前記プローブシャフトを覆うように係止される大きさのプローブカバーと組み合わされる請求項1の赤外線電子温度計。
【請求項10】
前記プローブカバーが円筒形本体および前記円筒形本体の一端を閉じるフィルムを備え、前記フィルムは、前記プローブシャフトの遠位端のプローブチップ上で引き延ばされるようになっている請求項9の赤外線電子温度計。
【請求項11】
前記プローブカバーを前記プローブシャフト上に取り付けた場合、前記プローブカバーが、前記赤外線センサから見えるよう位置決めした熱伝導材料で形成されるターゲット領域を有する請求項9の赤外線電子温度計。
【請求項12】
更に、前記温度センサに接続されて動作する電子計算回路を備え、前記電子計算回路は温度を計算し、前記ディスプレイに出力を提供して、計算した温度を表示するよう動作可能である請求項1の赤外線電子温度計。
【請求項13】
前記電子計算回路は、前記温度センサからの温度指示信号が定常状態に達する前に、対象の温度を予測するための予測アルゴリズムを含む請求項12の赤外線電子温度計。
【請求項14】
プローブチップの測定温度を対象の実際の温度に変換するよう前記電子計算回路が校正される請求項12の赤外線電子温度計。
【請求項15】
対象の温度を測定するための非鼓膜型電子温度計であって、前記温度計は、
前記温度計が測定した温度を表示するようにされたディスプレイ、
内部空間を有する細長いプローブシャフトおよび前記プローブシャフトの遠位端にプローブチップを含むプローブであって、前記プローブシャフトは、長さと直径の比が少なくともおよそ3である、プローブ、
赤外線放射を受け、対象の温度を指示する信号を提供するようになっている赤外線放射センサであって、前記ディスプレイに温度指示信号を送るために前記ディスプレイと電気通信するようになっている、赤外線センサ、
を備える非鼓膜型電子温度計。
【請求項16】
前記プローブシャフトの長さと直径の比が少なくともおよそ6である請求項15の非鼓膜型電子温度計。
【請求項17】
前記プローブシャフトの長さと直径の比が少なくともおよそ12である請求項16の非鼓膜型電子温度計。
【請求項18】
前記プローブシャフトの長さと直径の比がおよそ18である請求項17の非鼓膜型電子温度計。
【請求項19】
前記温度センサが赤外線放射を検出するよう適合している請求項15の非鼓膜型電子温度計。
【請求項20】
前記温度センサが熱電対列を備える請求項19の非鼓膜型電子温度計。
【請求項21】
前記プローブシャフトの遠位端から前記熱電対列まで赤外線放射を導くための前記プローブシャフト内に位置する導波管を更に備える請求項20の非鼓膜型電子温度計。
【請求項22】
前記プローブチップが、赤外線放射を前記導波管に導くためのレンズを備える請求項21の非鼓膜型電子温度計。
【請求項23】
前記プローブシャフト上で前記プローブシャフトを覆うように係止される大きさのプローブカバーと組み合わされる請求項15の非鼓膜型電子温度計。
【請求項24】
前記プローブカバーが、円筒形本体、および前記円筒形本体に取り付けられ、その一端を閉じる端部フィルムを備える請求項23の非鼓膜型電子温度計。
【請求項25】
前記プローブカバーを前記プローブシャフト上に取り付けた場合、前記端部フィルムが、前記赤外線センサから見えるよう位置決めした熱伝導材料で形成されるターゲット領域を有する請求項24の非鼓膜型電子温度計。
【請求項26】
前記ターゲット領域が金属で形成される請求項25の非鼓膜型温度計。
【請求項27】
前記ターゲット領域が、前記端部フィルムの全面積に満たない面積しか占めない請求項25の非鼓膜型温度計。
【請求項28】
温度指示信号を受け取るために温度センサに接続して動作する計算ユニットを更に備え、前記計算ユニットは、温度を計算し、前記ディスプレイに出力して計算温度を表示するよう動作可能な請求項15の非鼓膜型温度計。
【請求項29】
前記計算ユニットは、前記温度センサからの温度指示信号が定常状態に達する前に、対象の温度を予測するための予測アルゴリズムを含む請求項28の非鼓膜型温度計。
【請求項30】
対象の温度を間接的に測定する方法であって、
対象と接触しているプローブチップを含む電子温度計のプローブを設置し、
対象からの熱伝達がプローブチップを平衡温度まで急速に暖めるのを可能にし、
前記プローブのプローブシャフト内に封止したセンサにより前記チップからの赤外線放射を感知し、
前記センサが検出した前記プローブチップの温度と対応する信号を生成し、
前記センサからの信号を前記電子温度計のディスプレイに伝達し、
前記ディスプレイ上に検出温度を表示することを含む方法。
【請求項31】
更に、プローブカバー内に前記プローブを納めることを含む請求項30の方法。
【請求項32】
前記プローブを納めることが、略円筒形のプローブカバー本体を、前記プローブカバーの遠位端で熱伝導フィルムが前記プローブチップの上に引き延ばされる位置まで、前記プローブ上で移動させることを含む請求項31の方法。
【請求項33】
赤外線放射を感知することが、前記プローブ内に配置した赤外線センサで前記プローブチップを直視することを含む請求項30の方法。
【請求項34】
前記信号を伝達することが、前記センサが生成した信号を処理することおよび処理した信号を前記ディスプレイに送ることを含む請求項30の方法。
【請求項35】
前記信号を処理することが、前記センサが生成した信号を、前記プローブチップの温度から対象の温度に、所定の校正因子に従って変換することを含む請求項34の方法。
【請求項36】
前記信号を処理することが、予測アルゴリズムを利用して、前記センサからの信号が定常状態に達する前に、対象の温度を予測することを含む請求項34の方法。
【請求項37】
赤外線電子温度計のためのプローブカバーであって、開口端および閉止端を有するほぼ円筒形の本体を備え、前記本体は、前記開口端を通じて前記本体内に前記赤外線電子温度計のプローブを係止する大きさおよび形状をなし、前記本体には、前記本体の前記閉止端に黒体部分が含まれ、前記黒体部分は、前記電子温度計のセンサがそれを見て対象の温度を測定するように、対象の温度と一致する温度に急速に平衡する材料で形成するプローブカバー。
【請求項38】
前記黒体部分の材料が、前記円筒形本体の他の部分の材料と異なる請求項37のプローブカバー。
【請求項39】
前記黒体部分の材料が金属である請求項38のプローブカバー。
【請求項40】
更に、フィルム部材を備え、前記黒体部分は、前記フィルム上に蒸着した金属により画成される請求項38のプローブカバー。
【請求項41】
前記黒体部分が、前記フィルム部材の中央領域に配置される請求項40のプローブカバー。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−301356(P2007−301356A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−111176(P2007−111176)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(507132673)コヴィディーン アーゲー (12)
【Fターム(参考)】