説明

超平滑面スパッターターゲットとそれを製造する方法

ある厚さのスパッターターゲット表面変形層を除去するための方法を提案する。この方法により、スパッタリング作業時のバーンイン時間の短縮が実現される。この方法は、粘弾性研磨媒体による、ターゲット表面の押出しホーンポリッシングから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願第60/898,159号(2007年1月29日出願)の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、ターゲット表面変形層の除去によって、スパッターターゲット表面の表面粗さ(Ra)と清浄さとを改善する方法に関する。さらに、表面汚染、たとえば誘電性物質による表面汚染が、最小限に抑えられる。したがって、初期スパッタリング性能が改善され、ターゲット“バーンイン”中の粒子状物質の放出が最小限に抑えられる。本発明は、また、前記方法によって製造されるターゲットにも関する。
【背景技術】
【0003】
陰極スパッタリングは、必要な基板上に材料の薄層を付着させるために広く使用されている。基本的には、この方法は、基板上に薄膜または薄層として付着させるべき必要材料から成る表面を有するターゲットのガスイオン衝撃を必要とする。ターゲットのイオン衝撃は、ターゲット材料の原子または分子のスパッタリングを生じるばかりでなく、ターゲットに相当な熱エネルギーを与える。この熱は、一般に、ターゲットと熱交換関係にあるように配置されたバッキングプレートの下または回りを循環する冷却流体の使用によって散逸させられる。
【0004】
ターゲットは、排気されて不活性ガス好ましくはアルゴンが充填されたチャンバー内に、陽極とともに配置される陰極アセンブリの一部となる。高圧電場が陰極と陽極との間に加えられる。不活性ガスは、陰極から放出される電子との衝突によってイオン化される。正帯電したガスイオンは、陰極に引きつけられ、ターゲット表面に衝突して、ターゲット材料を叩き出す。この叩き出されたターゲット材料は、排気されたチャンバー内を横断して、通常陽極のすぐ近くに配置される必要基板上に付着して薄膜となる。
【0005】
ターゲットは、たとえば、アルミニウム、銅、タンタル、チタンまたはタングステンのような金属から成ることができる。ターゲットからの材料だけが、基板をスパッター被覆することができ、あるいは場合によっては、必要基板上に、ターゲット材料とプロセスガスとから成る化合物が形成される。この“反応性”スパッタリングの例としては、スパッタリングプロセス時に必要基板を被覆する窒化タンタル、窒化チタン、窒化タングステン化合物がある。一般に、スパッタリングチャンバーは、プロセス帯域を包囲するハウジングを有する。このプロセス帯域には、反応性スパッタリングプロセス時に、プロセスガスたとえばN2が送り込まれる。
【0006】
ターゲットを製造する製造法においては、一般に、ターゲットに損傷表面層が生じ、これは、好ましくないスパッタリング特性、あるいは一様でないスパッタリング特性を与える。たとえば、ターゲット表面の機械加工においては、ターゲット表面にせん断力を加える必要があり、そのため、表面結晶粒に塑性変形その他の欠陥が生じうる。これらの欠陥は、ターゲット表面全体にわたって変動する一様でないスパッタリング特性を与える。
【0007】
通常、ターゲットの好ましくない損傷表面層の除去のために、ターゲット“バーンイン”ステップが使用される。このバーンインステップは、スパッターチャンバー内で、ターゲットを励起プラズマガスにさらすことによって実施され、好ましくない表面層がスパッタリング除去される。明らかに、このバーンインプロセスは、エネルギー消費とスパッタリングチャンバー停止時間とが増大するので、不経済である。
【0008】
好ましくないターゲット表面変形層の除去のために、いろいろな試みがなされており、たとえば、研削、電解研磨、化学エッチングおよびメカノケミカルポリッシング(chemical/mechanical polishing)(CMP)がなされる。研削プロセスは、しばしば、ターゲット表面に埋め込また付着物質を生じ、また、電解研磨と化学エッチングはターゲット表面にH2を残留させる可能性がある。CMPプロセスは、他の表面を汚染しうるスラッジを生じうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、このような問題を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本件の発明者は、好ましくないターゲット表面損傷層または変形層の実質的に全体を、流動化粘弾性研磨媒体を使用する押出しホーニングプロセス(extrusion honing process)によって除去できる、ということを発見した。したがって、このターゲットにより、スパッタリング作業時のバーンイン時間の短縮が実現される。押出しホーニングプロセスにおいては、ターゲット表面と粘弾性研磨媒体との間の相対運動が与えられる。この運動は、直線、周期、振動、らせんおよび/または軌道運動として特徴づけることができる。
【0011】
本発明の方法で得られるターゲット表面は、約5μmよりも小、好ましくは2μmよりも小、もっとも好ましくは1μmよりも小の表面粗さを有しうる。さらに、押出しホーンされたターゲット表面は、他のポリッシングプロセスにおいては表面上に存在しうる異物粒子を、実質的に含まない。
【0012】
本発明の方法は、多数のターゲット材料、たとえば、銅、タンタル、ニオブ、タングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、およびこれらのものの合金に対して使用することができる。さらに、ターゲット表面は、必要な任意の断面形状を有することができ、たとえば、凹形、凸形、平坦形、および非常に深く絞った皿形の形状を有することができる。また、ターゲット表面は、本発明の押出しホーニングのあと、実質的に水素汚染されていない。
【0013】
粘弾性研磨媒体(VEAM)は、研磨媒体全体に分散した研磨粒子を含む。これらの粒子は、ダイヤモンド、炭化物、アルミナ、シリカおよびガーネットから選択することができる。好ましい炭化物としては、たとえば、炭化シリコン、炭化ホウ素および炭化タングステンがある。好ましくは、VEAMは、ポリマーゲルまたはポリ(ボロシロキサン)材料から成る。もっとも好ましくは、VEAMは、レオペクシー材料である。
【0014】
本発明については、大部分、スパッターターゲット表面の準備における使用に関して説明するが、当業者には容易にわかるように、通常のスパッタリングシステムの他の要素の表面たとえばRFコイルの表面領域の準備にも使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】
本発明においては、スパッタリングターゲットと、スパッタリングシステム内でプラズマを生成させるのに適したタイプのRFコイルとを、押出しホーンポリッシュして、5μmよりも小、好ましくは、2μmよりも小、もっとも好ましくは1μmよりも小の表面粗さを有するようにすることができる。また、ポリッシングプロセスにおける粘弾性研磨媒体(VEAM)の使用により、ポリッシュされた仕上げ表面が、他のポリッシングプロセス時に生じうる汚染砕片を含まない。本発明の方法では、スパッターターゲット表面から好ましくない変形層をその実質的に完全な厚さにわたって除去して、ターゲット“バーンイン”時間の短縮が得られるとともに、初期スパッタリング均一性が改善される。ポリッシングプロセスによって生じる応力下で、VEAMは弾性固体となるので、このプロセスにおいて研磨粒子その他の汚染粒子が残留することがない。したがって、得られるターゲット表面は実質的に汚染されておらず、また、水素を捕捉または保持することがない。
【0017】
まず図7を参照すると、本発明によってターゲット表面またはRFコイルをポリッシュするのに使用できる種類の装置の一つの実施形態が示されている。この装置は、米国特許第6,273,787号明細書に記載されているものと実質的に同じである。同明細書を参照されたい。押出しホーニング装置400が、断面概略図として示されており、この装置は、固定具402と一体シャフト403とを有し、この固定具は、シャフトの上に円形矢印で示されているような回転に適している。ターゲットたとえばスパッターターゲット404が、通常の手段(図示せず)たとえばボルトまたはクランプにより、固定具の端に取りつけられている。このターゲットは、表面406を有し、この表面には、スパッタリングプロセス時に、スパッタリングプラズマのイオンによって衝撃が与えられ、表面406から材料が放出され、必要な基板上に達する。本発明によってポリッシュされるのは、この表面406である。図7に示すように、このターゲットは、凹面の形を有するが、本発明の方法は、平面から深絞りボウル形まで、任意の表面形状のものをポリッシュするのに適合させることができる。
【0018】
ディスプレーサ408が、ターゲット表面に対向するように配置され、頂面411を有している。この頂面は、好ましい実施形態においては、ターゲット表面406と相補的であり、大体該表面の断面形状の鏡像になっている。この固定具とディスプレーサとは、両方とも容器416内に収容されており、VEAM研磨媒体412は、容器内に送り込まれ、ターゲットとディスプレーサとの隣接面間に形成されている狭い間隙または流路410に沿って流れる。排出流路414が備えられ、使用済み粘弾性研磨媒体は、その意図するポリシング機能を果たしたあと、ここから出て行くことができるようになっている。さらに、固定具402の右側に矢印で示すように、この固定具は、たとえばボールねじその他(図示せず)によって、該固定具に対して相対直線運動を与える手段をも備えている。それによって、固定具402は、回転し、かつ/または間隙410内にしっかりと押し込まれ、VEAMがこの間隙を通って循環するときに、このVEAMに圧力を加えることができるようになっている。この粘弾性研磨媒体は、ポリッシング作業時に、ターゲット表面に沿って動き、ターゲットの表面上を横断するように運ばれる。米国特許第6,273,787号明細書に記載されているように、このポリッシング動作は、ターゲットとディスプレーサとの間に存在する狭い間隙を通っての粘弾性研磨媒体の“押出し”によるものである。
【0019】
米国特許第6,273,787号明細書で指摘されているように、VEAMは、作業動作時に加えられるひずみにおいて、ほとんど弾性固体としてふるまう。したがって、この固体は、表面を清浄化し、他の場合にターゲットとディスプレーサの界面に沿って形成されうるポリッシング異物を保持し、これらの異物は、使用済み研磨媒体が排出流路414を通って出て行くときに、該研磨媒体とともに除去される。図7の円形矢印で示す円形軌道駆動要素と固定具の右側に直線矢印で示す垂直駆動要素とは、ターゲット表面と粘弾性研磨媒体とを接触させて接触作業運動状態になるようにする作用をする。米国特許第6,273,787号明細書に記載されているように、この相対運動駆動においては、好ましくは割合に小さな振幅でこの相対運動が行われるようにする。一般に、割合に大きな振動数の軌道運動としての相対運動、が必要だからである。米国特許第6,273,787号明細書においては、代表的な作業パラメータとして、運動振幅(すなわち、軌道半径)約0.025〜1.27cm(約0.010〜約0.500インチ)好ましくは約0.102〜0.0635cm(約0.040〜0.0250インチ)、および振動数約5〜100Hz好ましくは約12〜25Hzが示されている。振動の向きは、時計回り、反時計回り、またはこれらの組合せとすることができる。図7に示す容器は、開放容器であるが、当業者には明らかなように、閉鎖容器も使用することができる。
【0020】
必要な研磨粒子が添加される粘弾性媒体または基材は、ポリマーゲル特にヒドロゲルとすることができ、またはポリ(ボロシロキサン)とすることができる。これは、従来ポリッシング媒体として使用されている水基材のスラリーとは異なる。
【0021】
粘弾性研磨媒体の研磨粒子の粒径は、約1〜2,000μm、好ましくは約2〜400μm、もっとも好ましくとは約20〜300μmの程度とすべきである。研磨粒子として適当な材料の例としては、アルミナ、シリカ、ガーネット、炭化シリコン、炭化ホウ素、ダイヤモンド、炭化タングステン、その他がある。一般に好ましくは、研磨粒子は、媒質中に、粘弾性研磨媒体の総重量の約30〜90wt%好ましくは約65〜85wt%の濃度だけ使用される。
【0022】
現在、粘弾性媒体としては、ポリ(ボロシロキサン)ポリマーの使用が好ましい。このポリマーは、“レオペクシー”を有する、と表現される。すなわち、加えられた応力により見かけの粘性が増大する。研磨粒子を含むこの粘弾性媒体の静粘性は、好ましくは、約n=2×104センチポアズ〜約n=8×106センチポアズである。
【0023】
本発明においては、ターゲットと研磨媒体との間の相対運動は、軌道、らせん、回転、往復直線運動、またはこれらの運動を二つ以上組合せて得られる運動とすることができる。
【0024】
図8には、本発明の方法を実施するのに好ましい装置が示されている。図8に示すように、固定具402とこれに支持されているターゲット404とは、この場合も両方とも、直線または回転運動に適するようになっている。固定具のこの回転は、回転軸CL1の回りになされる。
【0025】
図8に示す実施形態の場合にも、ディスプレーサ408がそのシャフト409上で軸CL2の回りに回転することができ、この軸はCL1に平行であるが、これからずれている。言い換えると、軸CL1とCL2は同一平面状にあるが、共線ではない。軸CL1とCL2は、ずれていて、シャフト403、409の回転時に、VEAMがディスプレーサ408とターゲット表面406との間の狭い間隙410においてターゲット表面406に接触して、軌道ポリッシング動作を与える。一般に、この間隙は、厚み(ターゲット表面とディスプレーサとの間の距離)約0.0396〜1.27cm(約1/64〜1/2インチ)好ましくは0.0794〜0.318cm(1/32〜1/8インチ)を有する。ターゲットとディスプレーサとがそれぞれ軸CL1とCL2の回りに非共線回転すると、ターゲットとディスプレーサとの間の相対偏心運動が与えられる。図8に模式的に示す装置は、米国特許第7,255,631号明細書にもっと詳しく示されているので、同明細書を参照されたい。同明細書に示されている実施形態においては、VEAMが、ディスプレーサを回転させる円筒シャフトを通過して、当該表面に送られ、使用済みVEAMが、媒体に接している固定具の一部分にある開口部その他を通してシステムから排出される。図8の実施形態においては、固定具とディスプレーサとの両方が回転できるように示してあるが、ディスプレーサは静止しているようにすることができる。このとき、CL1とCL2とのずれはやはり存在する。すなわち、CL1とCL2との間に偏心が存在するようにすることができ、固定具が軸CL1の回りに回転し、また、ディスプレーサ表面に向かって動きまたこれから離れるように動くように、直線的に前後に運動させることができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を下記の例によってさらに詳しく説明する。これらは、本発明を説明するための単なる例であり、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【0027】
Ta、TiおよびCuターゲットに、本発明の押出しホーニング(XH)プロセスを加え、機械加工および機械的ポリッシング(サンドブラスト(sanding))ステップを含む通常の方法によって処理した同様のターゲットと比較した。このような処理済みターゲットを、いろいろな深さで、グロー放電質量分析(GDMS)し、ターゲット上の不純物の存在について調べた。直径約2.54cm(約1インチ)の円形試料を準備し、平坦セルGDMS試験を行った。この試料をゆっくりとスパッターし、表面から放出された原子をこれらが質量分析計を通過するときに計数した。
【0028】
この試験の結果を、図1〜6にグラフとして示す。各グラフのX軸は、不純物を分析しているターゲット表面からの深さまたは厚さを示し、Y軸は、除去された表面に存在する不純物のppm濃度を示す。各試料に見られるように、特にターゲット表面レベルまたは表面直下層において見られるように、XHプロセスを使用した場合、従来の処理に比して、不純物濃度が劇的に減少する。表面の走査電顕観察によれば、通常の準備法の場合、表面が荒れており、異物を保持しうるが、ホーニングした表面は滑らかで研磨きずが存在しない。
【0029】
本発明の以上の説明と開示は、通常の技量を有する本発明に関係のある当業者に指針を与えるために説明することを意図するものであり、本発明の範囲の定義または限定を意図するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定められ、限定される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】Si/Cを含む粘弾性研磨媒体(VEAM)を使用する押出しホーニング(XH)表面処理によって製造されたタンタルターゲットのいろいろな表面深さにおけるグロー放電質量分析(GDMS)の結果を、従来の機械加工法(CMP)の場合と比較して、示すグラフである。
【図2】本発明によるダイヤモンドを含むVEAMを使用するXH表面処理によって製造されたタンタルターゲットのいろいろな表面深さにおけるGDMS分析の結果を、CMPの場合と比較して、示すグラフである。
【図3】本発明によるダイヤモンドを含むVEAMを使用するXH表面処理によって製造されたCuターゲットのいろいろな表面深さにおけるGDMS分析の結果を、CMP場合と比較して、示すグラフである。
【図4】本発明によるSi/Cを含むVEAMを使用するXH表面処理によって製造されたCuターゲットのいろいろな表面深さにおけるGDMS分析の結果を、CMP場合と比較して、示すグラフである。
【図5】本発明によるSi/Cを含むVEAMを使用するXH表面処理によって製造されたTiターゲットのいろいろな表面深さにおけるGDMS分析の結果を、CMP場合と比較して、示すグラフである。
【図6】本発明によるダイヤモンドを含むVEAMを使用するXH表面処理によって製造されたTiターゲットのいろいろな表面深さにおけるGDMS分析の結果を、CMP場合と比較して、示すグラフである。
【図7】本発明による、スパッターターゲットを処理するのに適した装置の一つの実施形態の模式断面図である。
【図8】本発明による、スパッターターゲットを処理するのに適した装置のもう一つの実施形態の模式断面図である。
【符号の説明】
【0031】
400 押出しホーニング装置
402 固定具
403 402の一体シャフト
404 ターゲット
406 ターゲット表面
408 ディスプレーサ
409 シャフト
410 間隙
411 頂面
412 VEAM研磨媒体
414 排出流路
416 容器
CL1 回転軸
CL2 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある厚さの表面変形層を除去して、スパッタリング時のバーンイン時間の短縮を実現する、スパッターターゲット表面を処理する方法であって、
前記ターゲット表面を粘弾性研磨媒体(VEAM)と接触させ、前記ターゲット表面と前記媒体との間に相対運動を行わせることによって、前記ターゲット表面を押出しホーンポリッシュすること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
当該運動が周期的であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該運動が振動的であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
当該ポリッシングのあと、当該ターゲットが、約5μm以下の表面粗さを有し、当該ポリッシングによって生じる汚染粒子を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
当該ターゲットが、銅、タンタル、ニオブ、タングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、およびこれらのものの合金から成るグループから選択される要素から成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
当該スパッターターゲットが凹形を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
当該ポリッシングのあと、当該ターゲットが実質的に水素汚染されていないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
当該VEAMが、ダイヤモンド、炭化物、アルミナ、シリカおよびガーネットから成るグループから選択される研磨粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
当該炭化物が、炭化シリコン、炭化ホウ素および炭化タングステンから選択されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
当該研磨粒子の直径が約1〜2,000μmの範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
当該VEAMが、ポリマーゲルおよびポリ(ボロシロキサン)から成るグループから選択される要素を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
当該VEAMがレオペクシーを有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
当該VEAMが、当該ポリッシングで加えられるひずみにおいて、ほとんど弾性固体としてふるまうことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
当該研磨媒体が、約n=2×104センチポアズから約n=8×106センチポアズの静粘性率を有し、また、研磨粒子が、当該VEAM中に、当該VEAMの重量の約30〜90wt%の量だけ存在することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
さらに、
回転自在の固定具を用意して、当該ターゲットを当該固定具に取りつけ、
当該ターゲットに隣接するディスプレーサ要素を用意して、当該ターゲット表面と当該ディスプレーサ要素との間に間隙を形成させ、
当該VEAMを当該間隙内に送り込んで、当該ターゲット表面をポリッシュすること、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
さらに、当該ターゲット表面と当該ディスプレーサ要素との間に相対直線運動を与えることを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
さらに、当該ターゲット表面を当該ディスプレーサ要素に対して回転させることを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
さらに、当該回転中に、当該ターゲットと当該ディスプレーサ要素とを、互いに近づいたり離れたりするように直線運動させることを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
さらに、当該ディスプレーサ要素を回転させ、当該回転自在の固定具のための第一の回転軸と当該ディスプレーサ要素のための第二の回転軸を使用することを含み、当該第一および第二の軸が、互いに平行であるが、互いにずれており、それによって、当該固定具と当該ディスプレーサとの回転に際して、当該ターゲット表面の軌道旋回ポリッシングが行われることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
スパッタリングチャンバー内でのプラズマ生成に使用するのに適した種類の高周波コイルの表面を処理する方法であって、
前記表面を粘弾性研磨媒体に接触させて、前記表面と前記研磨媒体との間で相対運動がなされるようにし、それによって、前記コイル表面がポリッシュされるようにすること、
を特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−516900(P2010−516900A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547326(P2009−547326)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/001145
【国際公開番号】WO2008/127493
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(500190801)トーソー エスエムディー,インク. (7)
【Fターム(参考)】