説明

超硬工具を製作するための方法及び装置

本発明は、異なる硬度を有する少なくとも2種類の材料を有するロッド状の超硬工具を製作するための方法に関する。第2の材料より低い硬度を有する第1の材料が、この第1の材料より高い硬度を有する第2の材料のためのロッド状の支持体を形成している。第1の材料が、第1の押出工具(P1)内のノズル領域内に塑性質量流として押し込まれる。第2の材料が、第2の押出工具(P2)内で同様に塑性質量流として第1の質量流内に押し込まれる。本発明は、この方法を実施するための装置にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の材料が第2の材料より低い硬度を有していて、第1の材料が、この第1の材料より高い硬度を有する第2の材料のためのロッド状の支持体を形成している形式の、異なる硬度を有する少なくとも2種類の材料を有するロッド状の超硬工具を製作するための方法に関する。
【0002】
ロッド状の超硬工具特に超硬ドリル工具を製作するための方法は、例えばドイツ連邦共和国特許第4021383号明細書、ドイツ連邦共和国特許第4120166号明細書、国際公開第01/17705号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願第10229325.2号明細書並びにドイツ連邦共和国特許出願第10229326.0号明細書により公知である。これらの公知の方法においては、それぞれ1つの押出工具が使用されており、この押出工具によって、塑性材料より成る円筒形体が製作され、この円筒形体の内側に、単数又は複数の切欠が形成されている。押出工具は、先細りした領域と、円筒形の通路を形成するノズル口金とを備えたプレスノズルを有している。この公知の方法はいずれも、第1の材料がより低い硬度を有していて、より高い硬度を有する第2の材料のためのロッド状の支持体を形成している形式の、異なる硬度を有する少なくとも2種類の材料を有するロッド状の超硬工具を製作するための方法ではない。
【0003】
アメリカ合衆国特許第4762445号明細書によれば、円筒形のベース体を有するドリル工具を製作するための方法が公知である。このベース体は端部領域が円錐形に形成されている。このベース体は、ろう付け又は溶接し易く、良好に研削可能である例えばタングステンカーバイド(Wolframcarbid)より成っている。このベース体に溝が、特に研削によって形成されている。これらの溝に特に硬い第2の材料例えばダイヤモンド又は立方体(キュービック)状の窒化硼素が満たされる。次いで2種類の材料を互いに堅固に結合するために、高圧及び高温を用いて焼結工程が行われる。前記溝は、ダイヤモンド層若しくは立方体の窒化硼素がドリル工具の刃先を形成するように、成形されかつ位置決めされている。
【0004】
この公知の方法においては、一般的な形式で研削工程によって行われる、ベース体内への溝の形成が高価であるという点が欠点である。研削された溝の深さは小さい。つまりこれらの溝は、工具の長手方向の延在寸法が小さい。このことは、最終的に製作されたドリル工具が場合によっては再研削され、従って限定的にしか使用することができないという点で欠点ある。
【0005】
英国特許第882693号明細書によれば、種々異なる金属材料の質量流を1つの流れに合流させることが公知である。2つのコンテナ間に配置されたノズルを使用することによって行われる。質量流は、種々異なる押出ピストンによって提供され、これらの押出ピストンの突起部がそれぞれ2つのコンテナのうちの一方内に突入する。この従来技術の目的は、偏心的な引張力重心点を備えたバイメタルを製作することである。この英国特許第882693号明細書に記載された方法では、一方の成分が他方の成分を完全に包囲する2成分より成る金属ロッドの製作は不可能である。
【0006】
アメリカ合衆国特許第3457760号明細書によれば同様に、種々異なる金属製の材料の質量流を1つの流れに合流させることが公知である。これは電気的に加熱されるコンテナを有する特別なメカニズムを用いて行われる。このコンテナに、既に存在する2成分より成る金属ロッドが供給され、この場合、第2の金属成分が第1の金属成分のコーティング(被覆)を形成する。これらの金属成分は、押出ピストンによって特別に成形されたノズルを通して押し出される。ノズルの出口に、2成分より成る金属ロッドが提供され、この場合、第2の金属成分が第1の金属成分のコーティングを形成する。アメリカ合衆国特許第3457760号明細書に記載された方法によれば、既に存在するロッドの横断面が変化せしめられるだけである。
【0007】
本発明の課題は、以上のような欠点を取り除くことができる、超硬工具を製作するための方法を提供することである。
【0008】
この課題は、請求項1の特徴部に記載した方法によって解決される。有利な実施例及び実施態様は、請求項2から12に記載されている。請求項13から20は、請求項1から12までのいずれか1項に記載した方法を実施するための装置に関する。請求項21及び22は、請求項1から12までのいずれか1項に記載した方法に従って製作された超硬工具に関する。
【0009】
本発明の利点は、ベース体に溝を形成する必要がないという点にある。何故ならば第2の材料は押出作業中に既に第1の材料内に押し込まれるようになっているからである。これによって特に、第2の材料を第1の材料の縁部領域だけでなく、第1の材料の内部領域内にも供給することができる。第2の材料は、ロッド状の工具の軸方向で大きい寸法を有しているので、工具を頻繁に後作業で研削することができる。これによって工具の耐用年数が著しく延長される。
【0010】
本発明のその他の有利な特徴が、図示の実施例を用いて以下に説明されている。
【0011】
図1は、本発明の第1実施例の概略図、
図2は、本発明の第2実施例の概略図、
図3は、本発明の第3実施例の概略図である。
【0012】
図1には、本発明の第1実施例の概略図が示されている。この概略図を用いて、本発明の基本的な作用形式について説明する。
【0013】
図1に示した装置によって、超硬工具のためのロッド状のブランク(半製品)が製作される。このブランクは硬さの異なる2種類の材料を有している。第1の材料は、第2の材料より低い硬さを有していて、第1の材料より硬い第2の材料のためのロッド状の支持体を形成している。第1の材料は超硬合金であって、この超硬合金は高い粘性及びひいては、高い破壊強度を有している。第1の材料は、第2の材料のための支持体を形成しているので、最終的に製作された工具の破壊強度は、第1の材料の粘性に基づいている。しかしながら、より硬い第2の材料は、所望の高い硬さを得るために、第1の材料とは別の組成を有している。より硬い第2の材料は、この実施例では第1の材料の心線、つまり第2の材料の、長手方向に延びる中心軸を形成している。しかしながら、第2の材料は、図示していない別の実施例に従って、偏心的に(中心を外れて)配置されていてもよい。
【0014】
このような形式の工具の製作は次のように行われる。
【0015】
第1の押出工具P1内で、塑性質量流8として提供される第1の材料が、押出ノズルの幅の広い領域を通って方向7で、ノズル口金2に向かって押し出される。幅の広い領域1とノズル口金2との間に、幅の狭い領域1aが設けられている。ノズル口金は、円筒形の通路を形成している。
【0016】
第2の材料は、第2の押出工具P2によって提供される。第2の押出工具内で、同様に塑性質量流として提供される第2の材料が、幅の広い領域11を通って方向7で、ノズル口金12に向かって押し出される。幅の広い領域11とノズル口側12との間に、幅の狭い領域11aが設けられている。ノズル口側12は円筒形の通路を形成しており、この円筒形の通路を通って、第2の材料が質量流として導管4に供給される。この導管4は、2つの押出工具P1とP2との間に設けられている。この導管を通って、第2の押出工具P2によって提供された材料が第1の押出工具P1に供給される。第1の押出工具P1は、プレスノズルの領域内、有利にはズル口金2の領域内で入口開口13を有しており、この入口開口を通って、導管4を介して提供された第2の材料が供給される。
【0017】
ノズル口金2は図示の実施例では2つに分割して構成されており、この場合、第1の部分5aは、幅の広い領域1と一体的に、及びプレスノズルの幅の狭い領域1aと一体的に構成されている。ノズル口側2の第2の部分5bは、このノズル口金の端部領域を形成しており、この端部領域は、第1の部分5aから、取り外す(例えばねじ外す)ことができる。
【0018】
ノズル口側2の第1の領域5a内にはホルダ3が挿入されており、このホルダ3は同心的なホルダリングである。このホルダは、端部領域5bを取り外せば、押出工具P1内に容易に挿入することができ、またこの押出工具P1から再び取り出すことができる。
【0019】
ホルダ3は通路3aを有していて、この通路3aの閉鎖部がホルダ出口ノズル10を形成している。通路3aは入口側で通路14に接続されていて、この通路14はノズル口金2のケーシング内に設けられている。
【0020】
第2の押出工具P2によって生ぜしめられて導管4を介して提供された第2の材料は、入口開口13を通って第1の押出工具P1内に侵入し、ここでさらに通路14を通ってホルダ3の通路3aに供給される。ホルダ3の出口ノズル10から押し出される第2の材料は、第1の質量流(Massestrom;マスフロー)に押し込まれる。出口開口10は図示の実施例では中央に配置されているので、第2の材料は、第1の材料(質量流)内に押し込まれると、第1の材料の心線を形成する。
【0021】
従って第1の押出工具P1によって形成される円筒形体9は支持体を有しており、この支持体は、円筒形体9のすべての外側領域9bが第1の材料より成っている。円筒形体9の心線9aは第2の材料によって形成される。これは、図1の右下の横断面図に示されている。
【0022】
以上の実施例に対して選択的に次の変化実施例が可能である。
【0023】
第1の変化実施例では、ホルダ3がホルダリングとして形成されているのではなく、ピン状のホルダエレメントとして構成されている。第2の変化実施例では、第2の材料は円形横断面を有する質量流として形成されているのではなく、非円形の横断面を有する質量流として第1の材料内に押し込まれるようになっている。非円形の横断面とは、有利には、例えばノズル口金の内径の半部又は全部に亘って延在する縦長の横断面形状である。このような形式によって、より高硬度の第2の材料によって刃先領域が形成されるドリル工具を製作することができる。
【0024】
図示の実施例では、硬さの異なる2種類の材料を有するロッド状の超硬工具を製作するための方法及び装置について開示されている。第1の材料は、より低い硬度を有していて、より高い硬度の第2の材料のためのロッド状の支持体を形成している。第1の材料は、第1の押出工具内で、塑性質量流として押出ノズルのノズル口金に向かって押し出される。有利な形式で第2の押出工具によって塑性質量流として提供される第2の材料は、第1の押出工具内で第1の質量流内に押し込まれる。
【0025】
第1の押出工具P1によって供給されたロッド状の、有利には円筒形体はさらに、完成された超硬工具、有利には超硬ドリル工具又は超硬フライス工具に加工される。
【0026】
さらに行われる加工の枠内で、第1の押出工具P1から提供される円筒形体は、第1の押出工具P1の外で所望の長さに切断されて短くされる。次いでこのように短くされた円筒形体は、摩擦接触(Reibflachenanordnung;例えば国際公開第01/17705号明細書に詳しく記載されている)によって、一様にねじられる。短くされ、ねじられ又はねじられていない円筒形体は、乾燥され、場合によってその外周面に、単数又は複数のチップガイド溝が形成され、次いで焼結される。
【0027】
このような手段によって、第1の材料の特性に基づいて破壊に対して強く、かつ第2の材料の特性に基づいて作業領域において著しく高い硬度を有している超硬工具が得られる。
【0028】
図2には、図1に示した実施例の変化実施例に相当する、本発明の第2実施例の概略図が示されている。第2実施例によれば、第3の押出工具P3を付加的に使用して、第2の材料と同じ特性を有しているか又は別の所望の特性を有している第3の材料が提供されている。この第3の材料は、別の導管20を介して第1の押出工具P1に供給される。
【0029】
第3の押出工具P3によって形成され、導管20を解して提供された第3の材料は、入口開口18を通って、第1の押出工具P1内に侵入し、ここでさらに通路19を通ってホルダ3の通路3bに供給される。ホルダ3の出口ノズル10bから押し出された第3の材料は、ホルダ3の出口ノズル10aから押し出された第2の材料と同様に、第1の質量流内に押し込まれる。
【0030】
この実施例においては、第1の押出工具P1から円筒形体9が押し出されている。この円筒形体は、円筒形体のすべての外側領域が第1の材料から成っている支持体を有している。この支持体9b内には、図2の右下の上側の横断面図に示されているように、2つのインサートが設けられている。2つのインサートのうちのインサート9dは第2の材料より成っていて、インサート9cは第3の材料より成っている。
【0031】
図2の変化実施例では、ホルダ3の出口ノズル10a,10bが方形に形成されていて、インサート9c′及び9d′が、ドリル工具の完成時に刃先を形成するように、選択されている。これは、図2の右下の下側の横断面図に示されている。インサートの湾曲された形状は、ホルダ3の出口ノズル10a及び10bが予め湾曲された形状を有していることによって形成されるか、又は第1の押出工具P1によって提供された円筒形体が第1の押出工具P1の外側でまず切断されて短くされ、次いで所望の形式でねじられることによって、形成される。
【0032】
図3には、図2に示した実施例の変化実施例に相当する、本発明の第3実施例の概略図が示されている。
【0033】
この第3実施例では、図2に示した実施例のものに対して付加的に、制御ユニット21,センサ22、弁23及び弁24が設けられている。弁23は、第2の押出工具P2と第1の押出工具P1との間で導管4内に配置されている。弁24は第3の押出工具P3と第1の押出工具P1との間で導管20内に配置されている。センサ22は、第1の押出工具P1の外側で円筒形体9の出口領域に設けられていて、行程速度センサ若しくは出口速度センサとして用いられるか、又は第1の押出工具P1から押し出された円筒形体が所定の位置にいつ達したかを検出するために用いられる。提供された円筒形体が所定の位置に達すると、センサ22は出力信号ssを発信する。
【0034】
この出力信号ssは制御ユニット21に送信され、この制御ユニット21によって、制御信号s1,s2,s3及びs4の検出時に考慮される。制御信号s1は、第2の押出工具P2内に配置されたピストン6の速度を調節するために用いられる。制御信号s2は、弁23を制御するために用いられる。制御信号s3は、第3の押出工具P3内に設けられたピストン17の運動速度を調節するために用いられる。制御信号s4は弁24を制御するために用いられる。制御ユニット21の別の制御振動は、押出工具P1内で第1の材料の容積流を調節するために用いられる。容積流の前記制御若しくは調節は例えば、第2の材料及び、後加工におけるドリル工具の刃先領域を形成する第3の材料が、ドリル工具の前半部内でだけ第1の材料内に押し込まれるように、行われる。これによって、完成されたドリル工具の後ろ領域が加工作業中にドリルチャック内で緊締され、短時間刃先領域を形成するような場合が考慮される。このような形式によってコストが節約される。何故ならば、ドリル工具の刃先領域を形成し、従って非常に高硬度でなければならない第2及び第3の材料が一般的に、より低い硬度を有する第1の材料よりも非常に高価だからである。
【0035】
有利には、使用されたすべての材料は、それぞれ所望の特性を有する超硬合金成分である。これはリサイクリングを簡略化するという利点も有している。何故ならばすべての製品は超硬合金成分より成っているからである。ろう付け結合部は設けられておらず、異なる物質を選別する必要もない。
【0036】
選択的に、後の加工作業でドリル工具の刃先領域を形成する、より高い硬度の材料として多結晶ダイヤモンド(polykristallindaimant;PKD)を使用してもよい。この多結晶ダイヤモンドは、従来公知のドリル工具においても刃先領域に使用されている。
【0037】
本発明による方法及び装置は、支持体材料として高い粘性及び比較的低い硬度の第1級の超硬合金品質を有する、ロッド(棒)状の超硬ドリル又はフライス工具を製作するためにも使用することができる。このような超硬合金品質は、例えば高い含有量のコバルトを有していて、超硬工具の刃先領域のために適していない比較的粗い粒子を有している。このような形式の超硬合金品質は、比較的安価である。この支持体材料内に、押出工程の範囲内で刃先材料が押し込まれる。この場合、超硬工具の刃先領域における要求を満たすために、有利な形式で非常に高い硬度及び微細な粒子を有する超硬合金品質使用される。選択的に、刃先領域内に多結晶ダイヤモンドを使用してもよい。
【0038】
製作された工具は、リーマであってもよい。
【0039】
製作された工具は、前記国際公開第01/17705号明細書により公知なように、内側に位置する冷却通路を有しており、この冷却通路を通って、工具の加工作業中に、液状の冷却媒体が、それぞれの工具の作業領域内に供給される。
【0040】
上記実施例に対して選択的に、それぞれ製作プロセスに関与する容積流の押出のために公知であれば、ピストン押出の代わりにスクリュー押出を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施例の概略図である。
【図2】本発明の第2実施例の概略図である。
【図3】本発明の第3実施例の概略図である。
【符号の説明】
【0042】
P1 第1の押出工具、 P2 第2の押出工具、 P3 第3の押出工具、 1 押出ノズルの幅の広い領域、 1a 押出ノズルの幅の狭い領域、 2 ノズル口金、 3a ホルダ内の通路、 3b ホルダ内の通路、 4 導管、 5a ノズル口金2の第1の領域、 5b ノズル口金2の端部領域、 6 第2の押出工具のピストン、 7 押出方向、 8 塑性質量流、 9 円筒形体、 9a 第2の硬い材料より成る心線、 9b 第1の柔軟な材料より成る支持体、 9c 第2の硬い材料より成るインサート、 9d 第3の硬い材料より成るインサート、 10,10a,10b ホルダ出口ノズル、 11 第2の押出の幅の広い領域、 11a 第2の押出ノズルの幅の狭い領域、 12 ノズル口金、 13 入口開口、 14 ノズル口金2内の通路、 15 第3の押出ノズルの幅の広い領域、 15a 第3の押出ノズルの幅の狭い領域、 16 第3の押出ノズルのノズル口金、 17 第3の押出工具のピストン、 18 入口開口、 19 ノズル口金2内の通路、 20 導管、 21 制御ユニット、 22 センサ、 23,24 弁、 s1,s2,s3,s4 制御信号、 ss センサ2の出力信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる硬度を有する少なくとも2種類の材料を有するロッド状の超硬工具を製作するための方法であって、第1の材料が第2の材料より低い硬度を有していて、第1の材料が、この第1の材料より高い硬度を有する第2の材料のためのロッド状の支持体を形成するようにする方法において、
第1の材料を、第1の押出工具(P1)内で塑性質量流として提供し、
第2の材料を、第2の押出工具(P2)内で同様に塑性質量流として提供し、
第2の材料を、第1の押出工具(P1)に供給し、第1の押出工具(P1)内で第1の質量流に押し込み、
第1の材料と第2の材料とから成る共通の塑性質量流を、第1の材料が第2の材料のためのロッド状の支持体を形成するロッド状体として、第1の押出工具から押し出し、
次いで、第1の押出工具から押し出されたロッド状体を超硬工具に加工する、
ことを特徴とする、超硬工具を製作するための方法。
【請求項2】
第2の材料を、ノズルを使用して第1の質量流に押し込む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第2の材料を、円形横断面形状を有するノズルを使用して第1の質量流に押し込む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
第2の材料を、縦長の横断面形状を有するノズルを使用して第1の質量流に押し込む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
第2の材料を第2の押出工具(P2)によって提供し、第1の押出工具(P1)に、2つの押出工具を接続する通路を介して供給する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
複数の材料の必要とされる容積流を、センサの出力信号に関連して調節する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
センサによって、第1の押出工具(P1)から円筒形体の出口速度を測定する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
第1及び第2の押出工具(P1,P2)の質量流の速度を、それぞれセンサの出力信号に関連して、ピストンの運動によって制御する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
第2の押出工具(P2)によって提供される材料を、制御された弁を介して第1の押出工具(P1)に供給する、請求項5から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
弁をセンサの出力信号に関連して制御する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
所定の時間内で第1の質量流内に第2の材料を押し込むことによって、第1の押出工具(P1)を通過した第1の材料流の前方領域内だけに第2の材料が押し込まれるように、ピストン及び/又は弁の運動の制御を行う、請求項8から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
第1の押出工具(P1)内に、それぞれ塑性質量流として提供される別の材料を第1の質量流内に押し込む、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置において、
第1の押出工具(P1)が設けられていて、該第1の押出工具(P1)のノズル口金(2)に向かって、第1の材料(2)が塑性質量流として押し込まれるようになっており、
第2の押出工具(P2)が設けられていて、該第2の押出工具(P2)によって第2の材料が塑性質量流として提供されるようになっており、
前記第1及び第2の押出工具を接続する通路(4)が設けられており、
第2の材料を第1の材料内に押し込む別のノズル(10)が設けられている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
別のノズル(10)が非円形の横断面形状を有している、請求項13記載の装置。
【請求項15】
別のノズルが細長い横断面形状を有している、請求項14記載の装置。
【請求項16】
複数の材料の必要な容積流を調節するための制御ユニット(21)が設けられている、請求項13から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
前記制御ユニット(21)に接続されたセンサ(22)が設けられており、前記制御ユニット(21)が、必要な容積流をセンサの出力信号(ss)に関連して調節するようになっている、請求項16記載の装置。
【請求項18】
弁(23)が設けられていて、該弁(23)が2つの押出工具を接続する通路(4)内に配置されている、請求項13から17までのいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
前記制御ユニット(21)が前記弁(23)を制御するようになっている、請求項16から18までのいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
少なくとも1つの別の押出工具(P3)が設けられており、該別の押出工具(P3)が通路(20)を介して第1の押出工具(P1)に接続されており、塑性質量流としての別の材料を提供するための少なくとも1つの別の押出工具(P3)が設けられている、請求項13から19までのいずれか1項記載の装置。
【請求項21】
請求項1から12までのいずれか1項記載の方法に従って製作された、異なる硬度を有する少なくとも2種類の材料を有するロッド状の超硬工具において、
第1の材料が第2の材料より低い硬度を有していて、第1の材料が、この第1の材料より高い硬度を有する第2の材料のためのロッド状の支持体を形成していることを特徴とする、超硬工具。
【請求項22】
第1の材料より高い硬度を有する第2の材料が工具の刃先領域形成している、請求項21記載の超硬工具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる硬度を有する少なくとも2種類の材料を有するロッド状の超硬工具を製作するための方法であって、第1の材料が第2の材料より低い硬度を有していて、第1の材料が、この第1の材料より高い硬度を有する第2の材料のためのロッド状の支持体を形成するようにする方法において、
第1の材料を、第1の押出工具(P1)内で塑性質量流として提供し、
第2の材料を、第2の押出工具(P2)内で同様に塑性質量流として提供し、
第2の材料を、2つの押出工具を接続する通路(4)を介して第1の押出工具(P1)に供給し、第1の押出工具(P1)内で第1の質量流に押し込み、
第1の材料と第2の材料とから成る共通の塑性質量流を、第1の材料が第2の材料のためのロッド状の支持体を形成するロッド状体として、第1の押出工具から押し出し、
次いで、第1の押出工具から押し出されたロッド状体を超硬工具に加工し、
複数の材料の必要とされる容積流を、センサの出力信号に関連して調節する、
ことを特徴とする、超硬工具を製作するための方法。
【請求項2】
第2の材料を、ノズルを使用して第1の質量流に押し込む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第2の材料を、円形横断面形状を有するノズルを使用して第1の質量流に押し込む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
第2の材料を、縦長の横断面形状を有するノズルを使用して第1の質量流に押し込む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
センサによって、第1の押出工具(P1)から円筒形体の出口速度を測定する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
第1及び第2の押出工具(P1,P2)の質量流の速度を、それぞれセンサの出力信号に関連して、ピストンの運動によって制御する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
第2の押出工具(P2)によって提供される材料を、制御された弁を介して第1の押出工具(P1)に供給する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
弁をセンサの出力信号に関連して制御する、請求項9記載の方法。
【請求項9】
所定の時間内で第1の質量流内に第2の材料を押し込むことによって、第1の押出工具(P1)を通過した第1の材料流の前方領域内だけに第2の材料が押し込まれるように、ピストン及び/又は弁の運動の制御を行う、請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
第1の押出工具(P1)内に、それぞれ塑性質量流として提供される別の材料を第1の質量流内に押し込む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置において、
第1の押出工具(P1)が設けられていて、該第1の押出工具(P1)のノズル口金(2)に向かって、第1の材料(2)が塑性質量流として押し込まれるようになっており、
第2の押出工具(P2)が設けられていて、該第2の押出工具(P2)によって第2の材料が塑性質量流として提供されるようになっており、
前記第1の押出工具と第2の押出工具とを接続する通路(4)が設けられており、
第2の材料を第1の材料内に押し込む別のノズル(10)が設けられており、
複数の材料の必要な容積流を調節するための制御ユニット(21)が設けられており、
前記制御ユニット(21)に接続されたセンサ(22)が設けられており、
前記制御ユニット(21)が、必要な容積流をセンサの出力信号(ss)に関連して調節するようになっている、
ことを特徴とする、超硬工具を製作するための装置。
【請求項12】
別のノズル(10)が非円形の横断面形状を有している、請求項11記載の装置。
【請求項13】
別のノズルが細長い横断面形状を有している、請求項11記載の装置。
【請求項14】
弁(23)が設けられていて、該弁(23)が2つの押出工具を接続する通路(4)内に配置されている、請求項11から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記制御ユニット(21)が前記弁(23)を制御するようになっている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つの別の押出工具(P3)が設けられており、該別の押出工具(P3)が通路(20)を介して第1の押出工具(P1)に接続されており、塑性質量流としての別の材料を提供するための少なくとも1つの別の押出工具(P3)が設けられている、請求項11から15までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−512211(P2006−512211A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564223(P2004−564223)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014906
【国際公開番号】WO2004/060588
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(502088157)
【氏名又は名称原語表記】Arno Friedrichs
【住所又は居所原語表記】Gruenbaum3,D−95326 Kulmbach,Germany
【Fターム(参考)】