説明

超純水製造方法および装置

【課題】 簡単な装置と操作により、過酸化水素の発生を防止し、効率よくUV処理を行って有機物を分解除去し、高純度の超純水を製造することができる超純水製造方法および装置を提供する。
【解決の手段】 1次純水製造システムAにおいて製造された1次純水を、2次純水製造システム(サブシステム)Bにおいて、サブタンク11からUV処理装置13へ供給する際、水素添加装置12から過酸化水素の発生を抑制する量の水素を添加し、UV処理装置13においてUVを照射し、一次純水中に含まれる有機物を分解してイオン化し、アニオン交換器14および混床式交換器15で有機物が分解して生成するアニオンや、一次純水から持ち込まれる他のアニオンおよびカチオンを除去して超純水を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品製造工程の洗浄水等に使用される超純水の製造方法および装置、特に工業用水等からイオン交換樹脂等により脱塩して得られる1次純水をさらに処理して超純水を製造する方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体工場や液晶工場等の電子部品製造工程や、医療機器、医薬品等の製造工程などでは、高純度の超純水を使用している。このような高純度の超純水は、一般に1次純水製造システムにおいて、工業用水等からイオン交換樹脂等により脱塩し、必要により脱酸素処理、膜処理等の工程を経て1次純水を製造し、この1次純水製造システムで得られる1次純水を2次純水製造システムにおいて、UV処理、イオン交換処理、膜処理等の工程を経て超純水として製造されている。
【0003】
UV処理は、1次純水にUV(紫外線)を照射して、有機物を分解して有機酸や二酸化炭素に変える処理であり、この有機酸や二酸化炭素をイオン交換樹脂、特にアニオン交換樹脂に吸着させて除去し、2次純水(超純水)を製造するようにしている。UV処理は酸化処理であり、オゾン、過酸化水素等の酸化剤を注入してUV照射する場合が多いが、オゾン、過酸化水素等の酸化剤を注入せず、UV照射することもある(例えば特許文献1)。
【0004】
このようなUV処理では、通常185nm紫外線が用いられるが、これを水に照射すると過酸化水素(H)が生成する。超純水製造システムで用いている低圧UV酸化装置の場合もその例外ではなく、同様に過酸化水素が発生する。UV照射に際してオゾン、過酸化水素等の酸化剤を注入する場合は、処理水中に過酸化水素が残留し、あるいは新たに過酸化水素が生成することは容易に理解できるが、オゾン、過酸化水素等の酸化剤を注入しない場合でも、過酸化水素が生成する。これは185nmのUVを照射することにより、水からOHラジカルが生成し、これが有機物の酸化分解に使用されるが、一部は使用されずに残留したラジカル同士が反応して過酸化水素が生成し、また微量に存在する溶存酸素が酸素源となって過酸化水素が生成するものと考えられている。
【0005】
UV処理水中に過酸化水素が存在すると、この過酸化水素は後段のイオン交換装置(カートリッジポリシャー)のアニオン交換樹脂を分解してアミン類を生成する。生成したアミン類はカチオン交換樹脂のイオン交換吸着容量に余裕があれば除去されるが、この余裕がなくなると超純水中へリークする。そしてリークしたアミン類はシリコンウェハ表面に付着し、表面荒れを引き起こすなどの障害を引き起こす。そのため、UV処理時の過酸化水素の生成を抑制したシステムとする必要がある。
【0006】
特許文献2には、溶存酸素を除去するために、還元剤を注入することなく、パラジウム等の触媒をイオン交換樹脂に担持した触媒樹脂を用いる例があるが、UV処理で発生する微量の過酸化水素の除去のためには、大量の触媒樹脂を用いる必要があり、装置および操作が複雑化するという問題点がある。
【0007】
特許文献3には、純水または超純水を精製してさらに高純度の超純水を製造する方法において、純水または超純水にオゾンまたは過酸化水素を溶解してUV処理し、その処理水に水素ガスを溶解してUV処理する工程を含む方法が示されている。この方法では、被処理水としての純水または超純水中の有機物の分解は最初のオゾンまたは過酸化水素を溶解したUV処理で行い、この処理水中の過酸化水素の分解を後段の水素ガスを溶解したUV処理で行うようにしている。しかしこの方法では、2段にUV処理を行う必要があり、装置および操作が複雑であるという問題点があった。
【特許文献1】特公昭54−19227号公報
【特許文献2】特開平8−168756号公報
【特許文献3】特公昭6−47105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、簡単な装置と操作により、過酸化水素の発生を防止し、効率よくUV処理を行って有機物を分解除去し、高純度の超純水を製造することができる超純水製造方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、次の超純水製造方法および装置である。
(1) 一次純水に過酸化水素の発生を抑制する量の水素を添加してUVを照射し、一次純水中に含まれる有機物を分解してイオン化するUV処理工程と、
UV処理工程の処理水をイオン交換して、前記有機物の分解により生成したイオン化物を除去するイオン交換工程と
を含む超純水製造方法。
(2) 一次純水1リットルに対し水素を3〜25μg添加する上記(1)記載の方法。
(3) 一次純水1リットルに対し水素を3〜10μg添加し、TOC濃度0.5μg/L以下の超純水を製造する上記(2)記載の方法。
(4) 一次純水1リットルに対し水素を10〜25μg添加し、TOC濃度1μg/L以下の超純水を製造する上記(2)記載の方法。
(5) 膜分離装置により微粒子を除去する膜分離工程をさらに含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 一次純水に水素を添加する水素添加手段と、
水素を添加した一次純水にUVを照射し、一次純水中に含まれる有機物を分解してイオン化するUV処理装置と、
UV処理装置の処理水をイオン交換して、前記有機物の分解により生成したイオン化物を除去するイオン交換装置と
を含む超純水製造装置。
【0010】
本発明において、処理の対象となる一次純水は、2次純水製造システムにおいて超純水を製造する際に被処理水とされる純水であり、
1次純水製造システムにおいて、工業用水等からイオン交換樹脂等により脱塩し、必要により脱酸素処理、膜処理等の工程を経て製造された1次純水、あるいは超純水のユースポイントから未使用のため戻される高純度の純水、またはこれらの混合水等が含まれる。この1次純水には、一般に超純水に分類されるような高純度の純水も含まれる。
【0011】
上記の一次純水を製造する1次純水製造システムとしては、カチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂を含むイオン交換装置、あるいは逆浸透(RO)膜を含む逆浸透装置等の脱塩装置によりイオンを除去することが最小限必要であるが、高純度の水質が要求される場合には、さらに脱酸素処理、膜処理等の工程を経て不純物を除去するシステムが好ましい。処理の対象となる一次純水としては、溶存酸素濃度(DO)20μg/L以下、高純度の水質が要求される場合にはDO 5μg/L以下、TOC濃度10μg/L以下、高純度の水質が要求される場合にはTOC濃度5μg/L以下のものが処理の対象となる。
【0012】
本発明で製造する超純水は、上記の一次純水から有機物を分解して除去し、必要により他の不純物も除去して高純度化した超純水である。この超純水の用途は、電子部品製造工程や、医療機器、医薬品等の製造工程などでは、高純度の超純水を使用している分野であり、特に制限はない。超純水の純度、すなわち水質はそれぞれの分野によって要求されるものであり、それぞれの水質に合わせて、2次純水製造システム(サブシステム)が構成される。
【0013】
本発明におけるUV処理工程は、一次純水にUV(紫外線)を照射し、一次純水中に含まれる有機物を分解して有機酸や二酸化炭素に変換し、イオン化する工程である。ここで照射するUVは酸化性UVであり、一般的には波長185nmのものが使用されるが、その付近のものでもよい。UV処理装置は、このようなUVを流動状態、または静止状態の一次純水に照射できるように、水槽内にUVランプを備えた装置であり、従来から用いられているものが使用できる。UV処理装置の出力は0.15〜0.4kW/m処理水とすることができる。
【0014】
本発明では、UV処理に際して、一次純水に水素を添加してUVを照射することにより、過酸化水素の発生を防止して、一次純水中に含まれる有機物をイオン化することができる。水素の添加は、UV処理の前であればよいが、UV処理装置に入る前の一次純水に添加するのが好ましい。水素注入手段としては、水素ボンベや水素発生機をサブシステム内に設置して微小流量計を介して注入してもよく、工場内のユーティリティの水素ガスラインより直接、微小流量計を介して注入してもよい。注入場所は、一次純水のサブタンク入口側、またはサブタンク出口側、あるいはサブタンク出口からUV処理装置入口までの間とすることができる。
【0015】
本発明では、UV処理に際して従来のようにオゾン、過酸化水素等の酸化剤を注入しないで、水素を添加した一次純水にUVを照射する。この場合、前記溶存酸素濃度範囲および前記TOC濃度範囲の一次純水であれば、少ない水素添加量で、過酸化水素の発生を防止して、一次純水中に含まれる有機物をイオン化することができる。
【0016】
水素の添加量は、UV処理の際、過酸化水素の発生を抑制する量である。この量は水素添加のないときに発生する過酸化水素を還元して、水を生成させるのに必要な理論量より過剰量とし、一次純水を還元性雰囲気とする量を添加することにより、過酸化水素の発生を抑制することができる。このような水素の添加量として、一般的には、一次純水1リットルに対し水素を3〜25μg、好ましくは3〜20μg添加することができる。出力0.15〜0.4kW/mのUV処理装置の場合、処理水中には、10〜30μg/Lの過酸化水素が発生するが、この場合でも上記の添加量とすることにより、過酸化水素を発生を抑制することができる。
【0017】
TOC濃度0.5μg/L以下の超純水を製造する場合は、一次純水1リットルに対し水素を3〜10μg、好ましくは3〜8μg添加し、TOC濃度1μg/L以下の超純水を製造する場合は、一次純水1リットルに対し水素を10〜25μg、好ましくは10〜20μg添加することができる。特に前記TOC濃度範囲の一次純水の場合は、このような水素の添加量とすることにより、過酸化水素の発生を防止して、一次純水中に含まれる有機物をイオン化することができる。
【0018】
水素添加量が少ない場合は、過酸化水素が発生し、それが後段のアニオン交換樹脂と接触し分解して、溶存酸素が増加する。また水素添加量が多い場合は、生成したOHラジカルを水素が消費してしまい、一次純水中の有機物の分解が進まなくなり、TOC濃度の低下が抑制されることがある。水素添加により過酸化水素の発生が防止される機構は明らかではないが、発生する過酸化水素が添加された水素と反応して水になるか、あるいは水素添加によって還元性雰囲気となることにより、過酸化反応自体が起こらなくなり、その結果過酸化水素の発生が防止されるものと推測される。
【0019】
上記の水素添加UV処理により、過酸化水素の発生を防止して、一次純水中に含まれる有機物がイオン化する。ここで生成するイオンは、一次純水中に含まれる有機物の種類や、UV処理の条件等により異なるが、一部は二酸化炭素まで分解され、他の一部は有機酸、アミン等のイオン交換樹脂により吸着除去されるイオンである。このため本発明では、UV処理工程の処理水中の有機物が分解して生成する上記イオンを、イオン交換工程においてイオン交換により除去する。
【0020】
イオン交換工程において用いるイオン交換装置は、UV処理工程の処理水中に生成するイオンの種類、量、および要求される水質等に応じてイオン交換樹脂の種類、量等を選択し、構成する。イオンの種類、量としては、有機酸等のアニオンの量が多いので、アニオン交換樹脂が主体となるが、メタル基質やアミン等のカチオンも含まれるため、カチオン交換樹脂も使用する。好ましいイオン交換装置は、アニオン交換樹脂を充填したアニオン交換器と、カチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂を充填した混床式イオン交換器とを、この順にシリーズに設けたものが好ましいが、混床式イオン交換器を1基のみ設けたもの、あるいは混床式イオン交換器を2基シリーズに設けたものでもよい。アニオン交換樹脂としては、強塩基性アニオン交換樹脂を用い、カチオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂を用いる。
【0021】
本発明の2次純水製造システム(サブシステム)では、さらに微粒子を除去するために、UF膜、MF膜等の分離膜を備えた膜分離装置を設け、膜分離工程により微粒子を除去するのが好ましい。さらに不純物を除去するための他の処理装置を設け、超純水の純度を上げることもできる。
【0022】
本発明の超純水製造方法は、一次純水に過酸化水素の発生を抑制する量の水素を添加し、水素を添加した一次純水をUV処理装置に導入し、UV処理工程としてUVを照射し、UV処理を行う。これにより過酸化水素の発生を抑制しながら、一次純水中に含まれる有機物をイオン化する。UV処理工程の処理水をイオン交換装置に導入し、UV処理工程で有機物が酸化分解して生成する有機酸や二酸化炭素のほか、一次純水から持ち込まれた微量のメタル類やアニオン類を、イオン交換工程としてイオン交換樹脂によりイオン交換して除去し、超純水を製造する。膜分離装置を含む場合は、さらに膜分離工程として、UF膜等の分離膜により微粒子等の不純物を除去し、高純度の超純水を製造する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、一次純水に過酸化水素の発生を抑制する量の水素を添加してUVを照射し、一次純水中に含まれる有機物をイオン化し、その処理水に含まれるイオン化した有機物をイオン交換して除去するするようにしたので、簡単な装置と操作により、過酸化水素の発生を防止し、効率よくUV処理を行って有機物を分解除去し、高純度の超純水を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。図1は本発明の実施形態の超純水製造方法および装置を示すフロー図である。図1において、Aは1次純水製造システムで、前処理装置1、脱塩装置2、脱気装置3、脱酸素装置4、逆浸透膜分離装置5から構成されている。Bは2次純水製造システム(サブシステム)で、サブタンク11、水素添加装置12、UV処理装置13、アニオン交換器14、混床式交換器15、UF装置16から構成されている。POU17はポイント・オブ・ユース、すなわち超純水の使用場所である。
【0025】
図1の超純水製造装置では、以下のようにして超純水を製造する。まず1次純水製造システムAで1次純水が製造されるが、ここではラインL1から工業用水等の原水を供給し、前処理装置1において沈殿、濾過等の前処理を行い、ラインL2から脱塩装置2に送ってカチオン交換、アニオン交換により脱塩し、ラインL3から脱気装置3に送って脱気し、ラインL4から脱酸素装置4に送って脱酸素を行い、さらにラインL5から逆浸透膜分離装置5に送って逆浸透膜分離を行い、製造された一次純水はラインL6から取出されるが、その一部がラインL7から2次純水製造システム(サブシステム)Bのサブタンク11に送られる。
【0026】
2次純水製造システム(サブシステム)における超純水製造方法は、サブタンク11の一次純水をラインL11からUV処理装置13に送る途中で、水素添加装置12からラインL12を経て、調節弁21で添加量を調節しながら水素ガスを添加する。そしてUV処理装置13においてUV照射し、過酸化水素の発生を防止しながら、一次純水中に含まれる有機物を分解してイオン化する。ここでは水素添加UV処理工程の前に、オゾン、過酸化水素等の酸化剤を注入したUV処理工程、あるいはオゾン、過酸化水素等の酸化剤を注入しないUV処理工程を設けないで上記の水素添加UV処理工程を行う。UV処理水はラインL13からアニオン交換塔14に導入し、有機物が分解して生成するアニオンや、一次純水から持ち込まれたCl、SO2−などを交換除去し、さらにラインL14から混床式交換塔15に導入し、一次純水から持ち込まれたメタル類や、NH、アミン類などのカチオンおよび残留するアニオンを交換除去する。混床式交換塔15の処理水はラインL15からUF装置16に送って残留する微粒子等の不純物を除去し、超純水を製造する。製造されれた超純水はラインL16からPOU(ポイント・オブ・ユース)17に送られて使用される。使用されない余剰の超純水はラインL17からサブタンク11に回収され、一次純水とともに処理される。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例について説明する。以下の実施例および比較例では、図1の2次純水製造システム(サブシステム)において、一次純水(溶存酸素濃度(DO)0.5μg/L、TOC濃度1.8μg/L)を流量8.4m/hrで処理し、超純水を製造した。UV処理装置13として、波長185nmのUVランプ(日本フォトサイエンス(株)製、AUV−4)で4本の装置を使用し、消費電力633W、出力0.30kW/mでUV処理した。アニオン交換器14は、強塩基性アニオン交換樹脂(栗田工業(株)製、KR−UA1)を140L充填し、混床式交換器15は、強酸性カチオン交換樹脂(栗田工業(株)製、KR−UC1)32Lおよび強塩基性アニオン交換樹脂(栗田工業(株)製、KR−UA1)を52L充填し、UF装置16はUF膜(栗田工業(株)製、KU1510HS)を備えたものである。結果を示す表1〜4において、13入口はUV処理装置13の入口濃度、13出口はUV処理装置13の出口濃度、14出口はアニオン交換塔14の出口濃度、15出口は混床式交換塔15の出口濃度、DHは溶存水素濃度(μg/L)、TMAはトリメチルアミン濃度(ng/L)、NH4はアンモニウムイオン濃度(ng/L)である。
【0028】
〔比較例1〕:
図1の2次純水製造システム(サブシステム)Bにおいて、水素添加装置12から水素添加することなく処理を行った。結果を表1に示す。
【表1】

【0029】
〔比較例2〕:
図1の2次純水製造システム(サブシステム)Bにおいて、アニオン交換塔14に、触媒樹脂(バイエル社製、LewatitK3433)を7L充填し、水素添加装置12から水素添加することなく処理を行った。結果を表2に示す。
【表2】

【0030】
〔実施例1〕:
図1の2次純水製造システム(サブシステム)Bにおいて、水素添加装置12から水素を10μg/L添加して処理を行った。結果を表3に示す。
【表3】

【0031】
〔実施例2〕:
図1の2次純水製造システム(サブシステム)Bにおいて、水素添加装置12から水素を25μg/L添加して処理を行った。結果を表4に示す。
【表4】

【0032】
以上の結果より、水素を添加してUV処理を行う実施例1、2では、過酸化水素の発生を防止し、効率よく有機物を分解除去できることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
電子部品製造工程の洗浄水等に使用される超純水の製造方法および装置、特に工業用水等からイオン交換樹脂等により脱塩して得られる1次純水をさらに処理して超純水を製造する方法および装置に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態の純水製造方法および装置を示すフロー図。
【符号の説明】
【0035】
A 1次純水製造システム
B 2次純水製造システム(サブシステム)
1 前処理装置
2 脱塩装置
3 脱気装置
4 脱酸素装置
5 逆浸透膜分離装置
11 サブタンク
12 水素添加装置
13 UV処理装置
14 アニオン交換器
15 混床式交換器
16 UF装置
17 ポイント・オブ・ユース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次純水に過酸化水素の発生を抑制する量の水素を添加してUVを照射し、一次純水中に含まれる有機物を分解してイオン化するUV処理工程と、
UV処理工程の処理水をイオン交換して、前記有機物の分解により生成したイオン化物を除去するイオン交換工程と
を含む超純水製造方法。
【請求項2】
一次純水1リットルに対し水素を3〜25μg添加するである請求項1記載の方法。
【請求項3】
一次純水1リットルに対し水素を3〜10μg添加し、TOC濃度0.5μg/L以下の超純水を製造する請求項2記載の方法。
【請求項4】
一次純水1リットルに対し水素を10〜25μg添加し、TOC濃度1μg/L以下の超純水を製造する請求項2記載の方法。
【請求項5】
膜分離装置により微粒子を除去する膜分離工程をさらに含む請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
一次純水に水素を添加する水素添加手段と、
水素を添加した一次純水にUVを照射し、一次純水中に含まれる有機物を分解してイオン化するUV処理装置と、
UV処理装置の処理水をイオン交換して、前記有機物の分解により生成したイオン化物を除去するイオン交換装置と
を含む超純水製造装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−125519(P2007−125519A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321989(P2005−321989)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】