説明

超純水貯槽

【課題】多大な設備コストを必要とすることなく、気泡の混入を回避して、超純水貯槽内の滞留を防止することができる超純水貯槽を提供する。
【解決手段】超純水貯槽1の配管ノズル20の直前に、配管ノズル20から流入する超純水に、貯槽本体10の周方向で、かつ斜め上方向の流れを生じさせる整流板40を設ける。超純水層50内に、周方向の水流と上下方向の水流を共に発生させることができるので、滞留を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超純水を一時的に貯留する超純水貯槽に係り、特に滞留防止機能を備えた超純水貯槽に関する。
【背景技術】
【0002】
超純水製造システムにおいては、従来から、超純水を安定して供給する目的で、次工程のサブシステムやユースポイント等に送出されるまで超純水を一時的に貯留する超純水貯槽が設置されている。超純水貯槽には、流入した超純水の質(例えば、溶存酸素濃度、TOC(Total Organic Carbon)濃度、比抵抗等)を低下させないよう維持することが求められる。
【0003】
超純水貯槽に流入される超純水は、脱気処理済みであるため、大気を介しての汚染に非常に敏感である。従って、大気を介しての汚染を避け、酸素や炭酸ガス等の気体が水中に再溶解するのを防止するため、超純水貯槽の貯槽本体は密閉構造とされ、貯槽本体の上部空間は、窒素ガス等の不活性ガスでシールされる。このように不活性ガスでシールされた密閉型の超純水貯槽の場合、超純水を流入させる配管ノズル(流入口)および超純水を流出させる流出口は、いずれも、貯槽本体の下方の中心を挟んだ対向位置の側壁に設けられる(例えば特許文献1、特許文献2参照)。このように超純水の入出口を貯槽本体の下方に設けるのは、超純水層の上面をシールしている不活性ガスが超純水中に混入して、送出する超純水中に不活性ガスの気泡ができるのを防止するためである。貯留槽に貯留された超純水は、ポンプや配管等を介して次工程のサブシステムやユースポイント等へ送出される。
【特許文献1】特開平7−96273号公報
【特許文献2】特開平10−114393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、超純水貯槽においては、一般に、気泡の混入を避ける目的で、超純水の流入口および流出口は共に貯槽本体の下方に設けられる。このため、下層部は超純水が比較的よく流れるが、上層部は滞留が生じ、上層部と下層部とで超純水の質が異なるという問題が生じる。脱気処理済の超純水が貯槽内に滞留すると、生菌類が繁殖して水質純度が低下し、当該貯槽から流出する超純水の質が不安定になるという問題があった。
【0005】
滞留を解消させるためにはポンプで強制的に撹拌することが考えられるが、撹拌により気体がさらに混入して、超純水の質を維持できないという問題が生じる。また、撹拌のために電力コストが高くなるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解消すべくなされたもので、多大な設備コストを必要とすることなく、気泡の混入を回避して、超純水貯槽内の滞留を防止することができる超純水貯槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、密閉構造のほぼ円筒状をなす貯槽本体と、貯槽本体の底板近傍の側壁に設けた超純水を流入させる配管ノズルと、配管ノズルと周方向に間隔を置いて貯槽本体の底板近傍の側壁に開口させた超純水の流出口とを備えた超純水貯槽において、貯槽本体の底板の配管ノズルの直前に、配管ノズルから流入する超純水に、貯槽本体の周方向で、かつ斜め上方の流れを生じさせる整流板を固設したことを特徴とする超純水貯槽が提供される。
【0008】
本発明の他の一態様によれば、密閉構造のほぼ円筒状をなす貯槽本体と、貯槽上部の貯槽本体の側壁寄りから底板近傍まで垂下させた配管にほぼ水平方向に向けて固設された超純水を流入させる配管ノズルと、配管ノズルと周方向に間隔を置いて貯槽本体の下部側壁に開口させた超純水の流出口とを備えた超純水貯槽において、貯槽本体の底板の配管ノズルの直前に、配管ノズルから流入する超純水に、貯槽本体の周方向で、かつ斜め上方の流れを生じさせる整流板を固設したことを特徴とする超純水貯槽が提供される。
【0009】
本発明における整流板は、配管ノズルの直前に、上記流れを生じさせるように、配管ノズルから流入する超純水の流線に対して水平及び鉛直方向に傾斜する角度で配置されることが好ましい。そうすることで、容易に、配管ノズルから流入する超純水に、貯槽本体の周方向で、かつ斜め上方の流れを生じさせることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多大な設備コストを必要とすることなく、気泡の混入を回避して、超純水貯槽内の滞留を防止することができる超純水貯槽を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。同一のものには同一の符号を付し、原則として説明を省略する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態に係る超純水貯槽1を模式的に示す図である。
【0013】
図1は、超純水貯槽1の概略透視図である。図2は超純水貯槽1の底板13近傍を上方向から表した平面図である。図3は図1におけるAの部分を拡大して概略的に示す平面図である。図4は図2におけるBの部分を拡大して概略的に示す側面図である。図1〜図4において、実線太線の矢印は、水流の方向を示している。
【0014】
この超純水貯槽1は、超純水製造システムにおいて、ユースポイントに供給される超純水を一時的に貯留するために用いられるものである。
【0015】
図1および図2に示すように、この超純水貯槽1は、密閉構造のほぼ円筒状をなす貯槽本体10を備えている。この貯槽本体10の下方、底板13の近傍の側壁(周壁)12には、超純水を流入させる配管ノズル20が設けられ、その配管ノズル20の先端が開口されて流入口20aとなっている。この配管ノズル20と貯槽本体10の周方向に適当に間隔を置いて、底板13の近傍の側壁12に超純水を流出させる流出口30aが開口されている。流入口20aと流出口30aとは、ともに側壁12の下方、底板13の近傍の同程度の高さに設けられている。この超純水貯槽1の外側には、配管ノズル20の先に図示しない流入用配管21が、流出口30aの先に流出用配管31が、それぞれ接続されている。なお、流入用の配管ノズル20と流出口30aとは、必ずしも図1および2で示すような位置関係にある必要はなく、貯槽本体10の周方向に適当に離間していればよい。
【0016】
この貯槽本体10は、超純水の水質を悪化させず腐食に強く強度的にも十分な材質の材料、例えば、表面が防食加工されたステンレス鋼(SUS)などの金属や、強化繊維入りプラスチック(FRP)などにより構成される。超純水を流入させる配管ノズル20(流入口20aを含む)、流入用配管21、超純水を流出させる配管ノズル30(流出口30aを含む)、および流出用配管31は、硬質塩化ビニル樹脂(PVC)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などにより構成される。いずれも、超純水の水質を極力悪化させないように清浄化されたもので、超純水製造システムにおいて普通に用いられるものである。
【0017】
貯槽本体10の大きさは、設計によるが、例えば、内径(直径)3m〜5m、高さ4〜15m、水深は2m〜10m程度である。配管ノズル20および流出口30aの内径は例えば30〜50mmである。
【0018】
貯槽本体10の内部には、配管ノズル20より流入した超純水が貯留され、超純水層50が形成される。その超純水層50の上方空間には、貯槽本体10の上部に設けられたバルブ(図示せず)により窒素ガス等の不活性ガスが封入されて、不活性ガス層60が形成される。貯槽本体10に貯留された超純水は、図示しないポンプにより流出口30aから送出され、図示しないユースポイントに供給される。
【0019】
ここまでは従来の超純水貯槽と同様であるが、さらに、本発明においては、図1〜4に示すように、超純水を流入させる配管ノズル20の直前に、配管ノズル20から流入する超純水に、貯槽本体の周方向で、かつ斜め上方の水流を生じさせるように、整流板40を設けた。
【0020】
すなわち、図3、図4に示すように、配管ノズル20から流入する超純水が衝突する程度の近傍の位置に、たとえば流入口20aから配管ノズル20の内径dの約4分の1〜等倍離間した位置に、流入する超純水の流線W1に対して周方向に傾斜させて配置し、かつ斜め上方に傾斜させて、整流板40の両端を2本の支持棒41により支持させて、整流板40を貯槽本体10の底板13に取り付けた。整流板40および支持棒41は、溶接やネジ止め等により底板13に取り付けることができる。傾斜させる角度は、流入する超純水の流線W1に対する周方向の角度αが例えば30度〜60度程度、底板13に対する上方向の角度βが例えば45度〜70度程度である。この角度は、配管ノズル20から流入する超純水に、貯槽本体の周方向で、かつ斜め上方の水流W2を生じさせる範囲で、かつ、超純水層50の上方の不活性ガス層60を巻き込まない範囲で、適宜定めることができる。
【0021】
整流板40は、例えば、縦20〜40cm、横20〜50cmの矩形、厚さ1〜2mm程度の平板で構成されている。図3、4に示すように水平方向及び鉛直方向に傾斜させて整流板40を配置したときに、配管ノズル20から流入する超純水の流れW1が整流板40の中央よりやや上寄りの位置に衝突するように配慮したものである。整流板40の構成は、特にこれに限定されず、配管ノズル20の内径や底板からの距離、超純水の流入速度、貯槽本体10の貯留量等を考慮し、大きすぎず、小さすぎず、所望の方向に水流を変化させることができる構成で、水圧に耐え得る程度の強度を有していればよい。
【0022】
整流板40や支持棒41の材質は、超純水の水質を極力悪化させないものであればよく、特に限定されない。例えば、表面が防食加工されたステンレス鋼(SUS)などの金属や、強化繊維入りプラスチック(FRP)、硬質塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など、超純水用の貯槽や配管に通常用いられている材料を用いることができる。整流板40は、貯槽本体10と同じ材料で構成する必要はないが、実質的に同じ材質の材料から構成すれば、材料の調達、加工、メンテナンス等の面で便利であるから好適である。たとえば、貯槽本体10の材料がFRPである場合、これと実質的に同一のFRPで構成し、貯槽本体10の材料が防食加工されたSUSである場合、これと実質的に同一のSUSで構成するとよい。
【0023】
このように、配管ノズル20の直前に、周方向かつ斜め上方向に傾けた整流板40を設けたことにより、配管ノズル20から流入した水は、整流板40に衝突して方向が変わり、概ね、貯槽本体10の周方向で、かつ斜め上方の水流が生じるようになる。したがって、貯槽本体10の超純水層50内部で、周方向の水流と上下方向の水流が共に生じるようになる。
【0024】
上記構成の超純水貯槽1に、脱気処理済の超純水を配管ノズル20から随時流入させ、貯留させた。流入させた超純水は、例えば、温度25℃、比抵抗17〜18MΩ・cm、溶存酸素濃度(DO: Dissolved oxygen)3ppb程度、TOC(Total Organic Carbon)1ppb程度の水質である。
【0025】
貯槽容量に対して送出量を保持できるホールド時間は貯留槽の用途や設計等により異なるが、例えば15分〜1時間である。例えば、直径4m、貯槽本体の高さ4m、水深2m以上の貯留槽の場合、流出する流量は約300m/時間、ホールド時間は約15分である。また、直径5m水深10mの貯留槽の場合、流出する流量は約800m/時間、ホールド時間は約1時間である。
【0026】
このように、図1〜4のような配置で整流板40を設け、超純水を流入させた結果、配管ノズル20から流入した水が整流板40に衝突して、周方向かつ斜め上方の水流W2が生じた。水流は、例えば15分間に貯留槽内を1回転する程度の緩やかさであり、決して速くはないが、水の送出を止めている間でも、滞留が生じなくなった。その結果、上層部と下層部で顕著な水質の差は見られなくなった。
【0027】
従来は、例えば、縦長で水深が数メートルに及ぶ超純水貯槽で、ホールド時間が十数分以上に及ぶような運用をする場合に、水の流入があっても滞留が生じやすく、上層部と下層部で、水質純度に差が生じやすいという問題があった。例えば、直径5mで水深10m程度の超純水貯槽の場合、上層部と下層部の水質の違いは、溶存酸素濃度で4ppb程度の差、TOCで1ppb程度の差があった。また、超純水の比抵抗は通常17〜18MΩ・cm程度のところ、上層部で14MΩ・cm程度まで質が低下したという問題があった。
【0028】
本実施形態に係る超純水貯槽1の場合、超純水が流入する配管ノズル20の直前に、上記のように傾けた整流板40を設けて、超純水層50内部に貯槽本体10の周方向の水流と上下方向の水流をともに生じさせるようにしたので、滞留を防止することができ、上層部と下層部で顕著な水質の差は見られないという効果が得られた。
【0029】
[第2の実施形態]
図5〜図8は、本発明の第2の実施形態に係る超純水貯槽1を模式的に示す図である。
【0030】
図5は、超純水貯槽1の概略透視図である。図6は超純水貯槽1の底板近傍を上方向から表した平面図である。図7は図5におけるCの部分を拡大して概略的に示す平面図である。図8は図6におけるDの部分を拡大して概略的に示す側面図である。図5〜図8において、実線太線の矢印は、水流の方向を示している。
【0031】
この超純水貯槽1も、超純水製造システムにおいて、ユースポイントに供給される超純水を一時的に貯留するために用いられるものである。
【0032】
図5および図6に示すように、この超純水貯槽1も、密閉構造の、ほぼ円筒状をなす貯槽本体10を備えている。
【0033】
この超純水貯槽1では、第1の実施形態に係る超純水貯槽1と異なり、図5〜8に示すように、貯槽本体10の天板11の側壁寄りの上方から底板13の近傍まで、流入用配管21がほぼ鉛直に導入されており、その流入用配管21の先端に、略水平方向に、流入口20aを側壁12の方向に向けて、超純水を流入させる配管ノズル20が設けられている。
【0034】
図5〜8に示すように、配管ノズル20およびその先端の開口部である流入口20aを側壁12の方に向け、さらに、流入口20aの直前に、流入する超純水の流線W1に対して周方向かつ上方に傾けて整流板40を配置させた。そうすることにより、配管ノズル20から流入する超純水は整流板40に衝突し、その流線W1はW2に変化し、さらに、側壁12に衝突することにより、貯槽本体10の周方向で、かつ斜め上方向の水流が生じるようになる。
【0035】
すなわち、図7および図8に示すように、配管ノズル20から流入する超純水が衝突する程度の近傍の位置に、たとえば流入口20aから配管ノズル20の内径dの4分の1〜等倍程度離間した位置に、流入する超純水の流線W1に対して水平方向にα度傾斜させて配置し、かつ鉛直方向にβ度傾斜させて、整流板40の両端を2本の支持棒41により支持させて、整流板40を貯槽本体10の底板13に取り付けた。整流板40および支持棒41は、溶接やネジ止め等により底板13に取り付けることができる。傾斜させる角度は、第1の実施形態の場合と同様、流入する超純水の流線W1に対する周方向の角度αが例えば30度〜60度程度、底板13に対する上方向の角度βが例えば45度〜70度程度である。この角度は、配管ノズル20から流入する超純水に、貯槽本体の周方向で、かつ斜め上方の水流W2を生じさせる範囲で、かつ、超純水層50の上方の不活性ガス層60を巻き込まない範囲で、適宜定めることができる。
【0036】
材料、形状、大きさ、容量、流量その他の事項は第1の実施形態と同様である。
【0037】
このように、本実施形態に係る超純水貯槽1の場合も、配管ノズル20の直前に、配管ノズル20から流入する超純水に、貯槽本体10の周方向で、かつ上方向の水流を生じさせるように、流入する超純水の流線W1に対して水平及び鉛直方向に傾斜させて整流板40を配置させた。そして、実際に第1の実施形態と同様の超純水を流入させたところ、これにより、滞留を防止することができ、上層部と下層部で顕著な水質の差は見られないという効果が得られた。
【0038】
なお、図6の例では、流入口20aと流出口30aとは周方向に約120度程度離間しているが、これに限らず、貯槽本体10の周方向に適当に離間していればよい。図6に示すように、配管ノズル20から流入した超純水を流出口30aに近づく方向ではなく、離れる方向の周方向に水流を生じさせるとよい。そのほうが、滞留が生じにくいからである。また、流入用配管21は、周方向の水流を生じさせるべく、中央付近よりは側壁寄りに垂下させることが好ましいが、流入用配管21と側壁12との距離は特に限定されない。本実施形態では、流入用配管21を垂下させる位置、配管ノズル20(流入口20a)の向き、整流板40の三者を適宜調整することにより、超純水層50内部で、周方向の水流と上下方向の水流を共に生じさせることができ、滞留を回避できる。
【0039】
[その他の実施形態]
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、大きさ、形状、材質、各部材の配置等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0040】
たとえば、整流板の取り付け位置や、周方向および上方向への傾斜角度は、固定式でも良いが、適宜調節できるよう、可変式であってもよい。たとえば、支持棒を伸縮自在にしてもよいし、スライドや複数のネジ穴を設けて取り付け位置を可変にしてもよい。そうすることで整流板の取り付け位置や傾斜角度をある程度調節することができる。
【0041】
また、整流板を設けなくても、超純水を流入させる配管ノズル自体を斜めに傾けることにより、貯槽本体の周方向で、かつ上方向の水流を生じさせるようにしてもよい。そのようにしても、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施形態に係る超純水貯槽の概略透視図。
【図2】第1の実施形態に係る超純水貯槽の底板近傍を上から示した平面図。
【図3】図1のAの部分を拡大して概略的に示した平面図。
【図4】図1のBの部分を拡大して概略的に示した側面図。
【図5】第2の実施形態に係る超純水貯槽の概略透視図。
【図6】第2の実施形態に係る超純水貯槽の底板近傍を上から示した平面図。
【図7】図5のCの部分を拡大して概略的に示した平面図。
【図8】図6のDの部分を拡大して概略的に示した側面図。
【符号の説明】
【0043】
1……超純水貯槽、10……貯槽本体、11……天板、12……側壁、13……底板、20……流入用配管ノズル、20a……流入口、21……流入用配管、30……流出用配管ノズル、30a……流出口、31……流出用配管、40……整流板、41…支持棒、50……超純水層、60……不活性ガス層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉構造のほぼ円筒状をなす貯槽本体と、前記貯槽本体の底板近傍の側壁に設けた超純水を流入させる配管ノズルと、前記配管ノズルと周方向に間隔を置いて前記貯槽本体の底板近傍の側壁に開口させた超純水の流出口とを備えた超純水貯槽において、
前記貯槽本体の底板の前記配管ノズルの直前に、前記配管ノズルから流入する超純水に、前記貯槽本体の周方向で、かつ斜め上方の流れを生じさせる整流板を固設したことを特徴とする超純水貯槽。
【請求項2】
密閉構造のほぼ円筒状をなす貯槽本体と、前記貯槽上部の前記貯槽本体の側壁寄りから底板近傍まで垂下させた配管に略水平方向に向けて固設された超純水を流入させる配管ノズルと、前記配管ノズルと周方向に間隔を置いて前記貯槽本体の下部側壁に開口させた超純水の流出口とを備えた超純水貯槽において、
前記貯槽本体の底板の前記配管ノズルの直前に、前記配管ノズルから流入する超純水に、前記貯槽本体の周方向で、かつ斜め上方の流れを生じさせる整流板を固設したことを特徴とする超純水貯槽。
【請求項3】
前記整流板は、前記貯槽本体の底板の前記配管ノズルの直前に、前記配管ノズルから流入する超純水の流線に対して水平及び鉛直方向に傾斜する角度で配置された平板状の整流板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超純水貯槽。
【請求項4】
前記整流板は、両端近傍をそれぞれ支持棒により支持されて、前記貯槽の底板に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項に記載の超純水貯槽。
【請求項5】
前記整流板の傾斜角が、可変とされていることを特徴とする請求項3又は4に記載の超純水貯槽。
【請求項6】
前記貯槽本体と前記整流板とは、実質的に同じ材質の材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超純水貯槽。
【請求項7】
前記貯槽本体の上部空間には、不活性ガスが封入されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超純水貯槽。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−335449(P2006−335449A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164770(P2005−164770)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000245531)野村マイクロ・サイエンス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】