説明

超音波データの再サンプリング方法

本発明は、再サンプリング目的のアンチエイリアシングまたは復元のための超音波走査データの多次元フィルタリングに関する。特に、本発明は超音波走査データの再サンプリング方法を提供する。本方法は、a)ビーム形成システムから取得される標本超音波走査データを取得するステップであって、標本データはn個の軸を有する元のn次元標本座標系により定義され、n次元標本座標系は超音波探査および走査ジオメトリにより定義され、n次元標本座標系において標本は各軸に適切な単位で測定される際に各軸に沿って一様に離間しているステップと、b)各軸に適切な単位で測定される際に各軸に沿って一様に離間している目標n次元座標系内の所望の目標標本位置を定義するステップと、c)ステップ(b)において定義された目標標本位置をステップ(a)の元のn次元標本座標系内にマッピングするステップと、d)ステップ(c)のマッピングされた目標標本の位置を、それらが元の標本位置間の単純かつ正確な整数のサブ間隔に位置するように量子化するステップと、e)ナイキストシャノン標本理論の適用により一組のn次元線形フィルタカーネルを、最近傍の元の標本位置に対して異なる目標標本位置毎に1つ、設計するステップであって、ステップ(a)の標本データの元の標本座標とステップ(d)の所望の目標標本位置とをそれぞれのn次元空間において使用し、n次元フィルタは元の走査次元のそれぞれに沿って分離可能であるステップと、f)ステップ(e)において設計された一組のn次元線形フィルタカーネルをステップ(a)の標本データに適用するステップであって、各フィルタは、目標標本を計算することにより再標本データを取得するように適用されるステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケーリング、補間および間引きの目的を有する再サンプリング目的のアンチエイリアシングまたは復元のための超音波走査データの多次元フィルタリングに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像診断システムは、心臓、発育中の胎児、内部腹部器官、および他の解剖学的構造の検査のために、心臓内科医、産科医、放射線技師他により広く用いられている。
【0003】
従来の超音波診断システムは、体内に超音波エネルギーの波を送信し、波が衝突した組織から散乱された超音波エコー信号を受信する超音波変換器のアレイを含む。送信波は、変換器アレイ表面から放射される超音波ビーム(「見通し線(lines of sight)」とも呼ばれる)を形成するように、各変換器から成形され時刻が決められる(このプロセスは「ビーム形成」と呼ばれる)。受信エコー信号もまたビーム形成の効果を強化するように処理され、その結果受信信号は見通し線に沿って測定された超音波散乱を表す。
【0004】
受信信号は、走査された容積内の空間位置において散乱する超音波を表す標本のアレイを提供するようにサンプリングされディジタル化される。標本は間隔(通常は、時間間隔、空間的距離または角度)により分離される特定位置(通常は、時空内の位置)における信号の測定結果を提供する。
【0005】
超音波データの解析、処理またはレンダリングに一般的なまたは便利な座標系はしばしば、元の走査ジオメトリ(scan geometry)により定義される座標系と異なる。したがって元の標本データは、新しい目標座標軸に沿って一様に離間している位置において標本のアレイを提供するように再サンプリングされ処理されなければならない。
【0006】
例えば(表示は長方形である傾向があり、大抵の処理アルゴリズムは直交デカルト座標入力を想定するので)超音波データの処理およびレンダリングに最も一般的な座標系は直交デカルト座標である。したがってデータは、処理またはレンダリングに備えて直交デカルト座標系内で一様に離間するように再サンプリングされなければならない。直交デカルト座標の標本データ座標系はまた、各標本が同じ容積を表すので処理と解析に便利である。したがってこの場合、元の標本データは、直交デカルト座標軸に沿って一様に離間している位置において標本のアレイを提供するように再サンプリングされなければならない。
【0007】
一組の超音波画像の標本は、その標本間隔が元の組より小さいまたは大きくてもよく、その標本位置が入力標本間に存在してよく、いくつかの元の標本がもはや望ましくないかもしれなく、再サンプリングを必要とする、より大きいまたはより小さい組を計算するように使用されることが通常は望ましい。
【0008】
再サンプリングのプロセスは一組の標本が内在連続信号を完全に決定することができる条件を定義するナイキストシャノン標本理論(以下、標本理論)の要件を満足しなければならない。特に標本理論は、再サンプリング中に入力標本が、元の標本間隔と新しい標本間隔に依存する特徴をもつフィルタを使用してフィルタ処理されなければならないということを要求する。
【0009】
超音波における再サンプリングのためのフィルタを設計する現在の方法は、標本理論の要件を満足することを示すことができないフィルタを使用する。超音波におけるフィルタリングと再サンプリングの現在の方法は、元の標本が一様に離間していないため標本理論を直接適用することができない目標座標系に対するフィルタを設計する。
【0010】
超音波における再サンプリングのためのフィルタを設計する現在の方法は満足のいく画像表示を生成するという目的を有する。用語「満足のいく」の正式な定義は無いが、これは通常、画像表示が滑らかな領域と明確な境界を示す傾向があることを意味する。真の内在データはこの視覚的に満足のいく表示をレンダリングするために歪められるので、有益な情報が失われ、誤ったアーティファクトが導入されるかもしれない。このようなフィルタは、「平滑化」等の不明確な効果に関する議論を介し設計されており、標本理論の直接適用を特徴としない。特に標本理論の数学的要件は、満足のいく画像表示は内在信号が完全に決定されることを要求しないので、満足されない。
【0011】
超音波における再サンプリングのためのフィルタリングの現在の方法の中には、標本理論に適用されるように直接計算されることができず、したがって標本理論の要件を満足することを示すことができないという特徴を持つ非線形フィルタ(「メディアン」フィルタ等)を使用するものもある。
【0012】
したがってデータが歪められないようにそしてその有益な情報が失われないように標本理論の要件を尊重した、超音波データを再サンプリングするための線形フィルタを設計および実施する新しい方法を開発する必要がある。したがって本発明の目的は、超音波走査データを再サンプリングするための線形フィルタを設計および実施する新規な方法とシステムを提供することである。従来技術の欠点の少なくとも1つを克服または改善するあるいはその有用な代替案を提供することも本発明の目的である。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、n次元容積(以降、「nD」と呼ぶ)、例えば(限定するものではないが)3D空間容積にわたる超音波走査データのフィルタリングと再サンプリングに関する。特に、本発明は、標本が各軸に適切な単位で各軸に沿って一様に離間している座標ジオメトリからの超音波走査データを、元の標本は一様にしていないが新しい目標標本が一様に離間している異なる座標空間に再サンプリングすることに関する。例えば、本発明は、走査ジオメトリに自然に合致する非デカルト座標系の軸に沿って一様に分布される標本から、直交デカルト座標系の軸に沿って一様に分布される標本に再サンプリングすることに関する。一実施形態では、この再サンプリングは元の走査座標系において設計されたアンチエイリアスおよび復元フィルタを使用する。
【0014】
本発明は、内在する信号がナイキストシャノン標本理論の要件に従って依然として完全に決定されかつその効果が線形数学モデルを使用して容易に計算され得るやり方で超音波走査データを再サンプリングする方法に関する。
【0015】
特に、本発明は超音波走査データの再サンプリング方法に関し、
a)ビーム形成システムから取得される標本超音波走査データ(sampled ultrasound scan data)を取得するステップであって、標本データはn個の軸を有する元のn次元標本座標系により定義され、n次元標本座標系は超音波探査および走査ジオメトリにより定義され、n次元標本座標系において標本は各軸に適切な単位で測定される際に各軸に沿って一様に離間しているステップと、
b)各軸に適切な単位で測定される際に各軸に沿って一様に離間している目標n次元座標系内の所望の目標標本位置を定義するステップと、
c)ステップ(b)において定義された目標標本位置をステップ(a)の前記元のn次元標本座標系内にマッピングするステップと、
d)ステップ(c)のマッピングされた目標標本の位置を、それらが元の標本位置間の単純かつ正確な整数のサブ間隔(subspacings)に位置するように量子化するステップと、
e)ナイキストシャノン標本理論の適用により一組のn次元線形フィルタカーネルを、最近傍の元の標本位置に対して異なる目標標本位置毎に1つ、設計し、ステップ(a)の標本データの元の標本座標とステップ(d)の所望の目標標本位置とをそれぞれのn次元空間において使用するステップであって、任意選択的に前記n次元フィルタは元の走査次元のそれぞれに沿って分離可能であるステップと、
f)ステップ(e)において設計された一組のn次元線形フィルタカーネルをステップ(a)の標本データに適用するステップであって、各フィルタは、目標標本を計算することにより再標本データを取得するように適用されるステップと、を含む。
【0016】
本方法は、内在する信号が依然として完全に決定され、歪みまたは情報消失無しにさらに処理および解析され得るという利点を有する。これは、本方法が、標本理論の直接的適用によりフィルタを設計可能にするからである。
【0017】
本発明とは対照的に、従来技術の方法は元の標本が非一様に離間しているので標本理論(これは一様な標本間隔を想定する)を使用するフィルタ設計が不可能である所望目標座標系において再サンプリングフィルタを設計する。したがってこれらのフィルタが歪みまたは情報消失を生じないことを示すことができない。本発明者らは、標本理論と復元のためのシャノンの方法とを直接適用することによりにより、内在する信号が依然として完全に決定され、歪みまたは情報消失無しにさらに処理および解析され得るということを示した。
【0018】
本方法は、最小データサイズの最大情報を保持することができるので必要メモリと計算を最小に抑えることができるという別の利点を有する。これは、内在する信号を完全に決定するのに必要な最小数の標本と必要なフィルタ設計とを標本理論の適用とフィルタ長見積もり(例えばKaiser’s method)とにより直接計算することができるからである。
【0019】
本発明とは対照的に、従来技術は、内在する信号を完全に決定するのに必要な最小数の標本を計算するために標本理論を直接適用することができず、その結果、必要以上の数の標本が使用されるか、信号が歪められるか、あるいは情報が失われるかのいずれかである。
【0020】
さらに、本方法は数学的に正しくかつ標本理論を満足するという利点を有するので厳密な数理解析に従うことができる。
【0021】
また、本方法は、目標標本が一様に離間しているため、多相実施法(polyphase implementation)を利用するnDフィルタカーネルの直接適用により計算的に効率的な実施形態を提供するという利点を有する。
【0022】
対照的に、従来技術の方法はフィルタ実施を複雑にするフィルタカーネルに対し元の標本が非一様に離間している。
【0023】
本発明はまた、様々な元のn次元走査ジオメトリと標本空間からの超音波走査データを、さらなる処理のために便利でありかつ、標本理論の手段と超音波走査プロセスの物理的特性とに従って元の情報を保持する一方でデータ量を低減する一様なn次元標本グリッド(これだけではなくしばしば直交デカルト座標)へ再サンプリングするための装置とシステムを提供する。本発明は、処理に便利でありかつ本物の情報を不必要に失うすること無しに処理すべきデータの量を低減するn次元標本空間を設けることにより、n次元超音波走査データの表示、特徴の抽出、および解析を著しく簡単にする。
【0024】
本発明は特に、3Dフィルタカーネル設計モジュールと3D再サンプリングおよびフィルタカーネル実施モジュールと3D再サンプリングモジュールとを含む超音波走査データ再サンプリング装置を提供する。好ましくは、本発明は本発明による超音波走査データ再サンプリング方法を行なうように構成された本明細書で定義されるような装置を提供する。
【0025】
本発明はまた、
(a)散乱、反射または送信された超音波走査データを取得する少なくとも1つの手段と、
(b)少なくとも1つのサンプリングモジュールと、
(c)3D再サンプリングモジュールを含む少なくとも1つのプロセッサであって、3Dフィルタカーネルを設計し、3D再サンプリングおよびフィルタカーネルを実現するように構成されたプロセッサと、を含む超音波処理システムを提供する。前記プロセッサは本発明による超音波走査データの再サンプリング方法を行なうように構成されることが好ましい。
【0026】
次に本発明についてさらに説明する。以下の節では、本発明の様々な態様がさらに詳細に定義される。そのように定義された各態様は、特に明記しない限り、任意の他の態様と組み合わせられてもよい。特に、好ましいまたは有利であるものとして示された任意の特徴は、好ましいまたは有利であると示される任意の他の1つまたは複数の特徴と組み合わされてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、内在する信号がナイキストシャノン標本理論の要件に従って依然として完全に決定され、かつその効果が線形数学モデルを使用して容易に計算され得るやり方で超音波走査データを再サンプリングする方法に関する。例えば、標準的なサンプルレート変換方法が使用されてもよい。サンプルレート変換の好適な標準的方法はCrochiere and Rabiner,“Multirate Digital Signal Processing”,ISBN 0−13−605162−6)に記載されている。
【0028】
シャノンの標本化定理(Claude E Shannon,“Communication in the presence of noise”,Proc IRE,vol37,No.1,Jan 1949,reprinted in Proc IEEE,Vol86,No.2,February 1998)は、帯域制限信号が一定間隔離間した標本により完全に決定される(Oppenheim and Schafer,’Discrete Time Signal Processing,Prentice Hall,ISBN 0−13−216771−9)ということを述べている。すなわち、フーリエ変換がWより高い周波数を含まない関数f(t)により信号が表されれば、信号はW/2離間した一連の点におけるその縦座標(標本)により完全に決定される。間隔W/2はナイキスト間隔と呼ばれ、信号が完全に決定される標本間の最大間隔である。したがってナイキスト間隔は、最小数の標本したがって最小量のデータが信号を完全に決定する標本間隔を表す。また、標本理論は標本間隔が一様である(すなわち、すべての標本が等距離離間している)場合に証明される。本明細書で使用されるように、用語「帯域制限された」は、信号のフーリエ変換または電力スペクトル密度がある有限周波数を越えると零である(すなわち、信号のフーリエ変換または電力スペクトル密度が有限支持(finite support)を有する)ということを意味する。本明細書で使用されるように、用語「完全に決定された」は、任意の座標における元の信号の値が標本から復元され得ることを意味する。
【0029】
本発明によると、再サンプリング中、入力標本は、元の標本間隔と新しい標本間隔とに依存しその設計がシャノンの規定に従わなければならないという特徴をもつ復元フィルタを使用することによりフィルタ処理される。好適な復元フィルタは、例えばClaude E Shannon,Proc IRE,vol37,No1,Jan 1949とOppenheim and Schafer,’Discrete Time Signal Processing,Prentice Hall,ISBN 0−13−216771−9とに記載されている。
【0030】
一実施形態では、本発明は超音波走査データの再サンプリング方法に関し、
(a)ビーム形成システムから取得される標本超音波走査データを取得するステップであって、標本データは、探査および走査ジオメトリにより自然に定義されるn個の軸を有する元のn次元標本座標系(以下「元の走査座標系」と呼ぶ)により定義され、標本は各軸に適切な単位で測定される際に各軸に沿って一様に離間しているステップと、
(b)目標n次元座標系内の(所望の)目標標本位置を定義するステップであって、上記位置は各軸に適切な単位で測定される際に各軸に沿って一様に離間しているステップと、
(c)ステップ(b)において定義された目標標本位置をステップ(a)の元のn次元標本座標系内にマッピングするステップと、
(d)ステップ(c)のマッピングされた目標標本の位置を、それらが元の標本位置間の単純かつ正確な整数のサブ間隔に位置するように量子化するステップ(したがって各軸に適切な単位で測定される際に元の走査座標系の各軸に沿って一様に離間しているステップと記述してもよい)、と、
(e)ナイキストシャノン標本理論の適用によりn次元線形フィルタカーネルを設計するステップであって、ステップ(a)の標本データの元の標本座標とステップ(b)の新たに望まれる目標標本位置とをそれぞれのn次元空間において使用し(これらの間隔はいずれの場合も位置量子化ステップ(d)を介し一様にされている)、設計はフィルタが各軸次元に沿って分離可能であるようにされるステップと、
(f)ステップ(e)において設計されたn次元線形フィルタカーネルをステップ(a)の標本データに適用し(これは最小計算をもたらす)これにより再標本データを取得するステップと、を含む。
【0031】
本明細書で使用されるように、用語「再サンプリング」は、新しい所望の標本位置において取得されていたであろう標本を(元データ標本から)計算する処理を指す。
【0032】
一実施形態では、本方法は(a)ビーム形成システムから取得された標本超音波走査データを取得するステップを含む。
【0033】
標本位置と標本単位は、探査および走査ジオメトリにより決定され、走査ジオメトリに合致する座標系を使用することにより最も容易に記述され、座標系内において標本は、座標軸のそれぞれに対し自然な単位に従って座標軸のそれぞれに沿って一様に離間している。例えば、共通中心から三次元に放射するビームを生成する探査および走査ジオメトリは球面極座標系を使用することにより最も容易に記述され、半径方向次元は、超音波見通し線の軸(本明細書では「軸」次元とも呼ぶ)と、さらにフレーム内のビームの角度位置(本明細書では「アジマス」次元とも呼ぶ)とフレームの角度位置(本明細書では「仰角」次元とも呼ぶ)とを表す2つの角度次元と、に整合される。
【0034】
本方法における次のステップは、(b)各軸に適切な単位で測定される際に各軸に沿って一様に離間している目標n次元座標系内の所望の目標標本位置を定義するステップと、(c)元の座標系内に目標標本位置をマッピングするステップと、を含む。
【0035】
本明細書で使用されるように、用語「マッピング」は元の標本座標系の座標系を使用して目標標本位置を表すことを意味する。これらマッピングされた目標標本位置のそれぞれにおける元の信号は次に、シャノンまたは別の標準的方法に従って設計された復元フィルタを使用して復元されてもよい。復元フィルタは元の走査座標系において設計される。
【0036】
本方法における次のステップは、(d)マッピングされた目標標本の位置を、それらが元の標本位置間の単純かつ正確な整数のサブ間隔に位置するように量子化するステップ、したがって各軸に適切な単位で測定される際に元の走査座標系の各軸に沿って一様に離間させるようにと記載してもよいステップを含む。各目標標本はその隣に対する位置を有する(「相対位置」は目標座標とその最近傍のそれぞれの座標との差異を意味する)。その隣に対する目標標本の位置はそれぞれ異なる復元補間フィルタを必要とし得る。これは、可能性として多くの復元フィルタが、一意的な相対的目標標本位置毎に1つ、が必要とされるだろうということを意味する。しかしながら計算された目標標本位置が元の座標系において量子化される(有限の数値精度に近似されることを意味する)場合、一意的相対位置の数と、したがって必要とされる一意的復元フィルタの数と、が制限されてもよい。例えば、元の走査座標が分離dの整数倍で離間している場合、目標標本座標が小数第一位の数値精度まで量子化されれば、10個の相対位置だけ、したがって10個の必要な補間フィルタだけが存在することになる。
【0037】
本明細書で使用されるように、用語「量子化」はある数値精度で一組の座標として表された位置をより低い数値精度に変換することを意味する。本明細書における「位置の量子化」は、目標標本(元の走査ジオメトリ内)の座標をある数値精度まで計算し、次により低い数値精度に変換することを意味する。例えば座標が32ビットIEEE浮動小数点数値精度まで計算される場合、16ビット整数、または16ビット分数固定小数点精度まで量子化されてもよい。
【0038】
ステップ(d)の位置の量子化は、必要とされるステップ(e)の異なる復元フィルタカーネルの数を減らす。その隣に対する目標標本の各位置は異なる復元補間フィルタを必要とする。位置の量子化は相対位置の数と、したがって補間フィルタの数とを減らす。例えば元の走査座標が分離dの整数倍で離間している場合、目標標本座標が小数第一位の数値精度まで量子化されれば10個の一意的補間フィルタだけが存在することになる。
【0039】
一実施形態では、量子化された点のすべてが後で実際に使用されなくてもよい、すなわちこれらの可能な量子化点の一部だけが必要とされる(あるいは使用される)。例えば量子化点のフルグリッドが目標グリッドの上位集合であってよい。
【0040】
本方法における次のステップは、(e)アンチエイリアシングまたは復元を行なうために標本理論の適用に従って、n次元線形フィルタカーネルを設計するステップ、好ましくは一組のn次元ライナー(liner)フィルタカーネル(好ましくはその最近傍の元の標本位置に対し異なる目標標本位置毎に1つ)を設計するステップであって、それぞれのn次元空間における元の標本間隔と新たに望まれる目標標本位置(これらの間隔は位置量子化工程を介しいずれにしても一様にされている)とに基づき、設計は任意選択的にフィルタが各軸次元に沿って分離可能となるようにされてもよいステップを含む。
【0041】
本明細書で使用されるように、用語「線形」は線形演算子の使用に基づく数学的モデルを意味する。
【0042】
本明細書で使用されるように、用語「フィルタ」は線形演算子が信号に適用されることを意味する。これは、次のものに限定しないが、信号を「フィルタカーネル」により畳み込み演算、フィルタカーネルのフーリエ変換の複素共役による信号のフーリエ変換の乗算による直接的フーリエ領域畳み込みの演算、または標準的テキストで記述される他の等価な方法(例えば、Oppenheim and Schafer,‘Discrete Time Signal Processing,Prentice Hall,ISBN 0−13−216771−9)を含む。
【0043】
本明細書で使用されるように、用語「カーネル」は、例えば直接的畳み込みにより、フィルタカーネルのフーリエ変換の複素共役による信号のフーリエ変換の乗算によるフーリエ領域畳み込みにより、あるいは標準的テキストで記述される他の等価な方法(例えば、Oppenheim and Schafer,‘Discrete Time Signal Processing,Prentice Hall,ISBN 0−13−216771−9)により、信号と畳み込まれる有限集合の数を意味する。
【0044】
本明細書で使用されるように用語「フィルタカーネル」はフィルタ「係数」またはフィルタ「インパルス応答」と呼ばれてもよい(Steven W Smith,“The Scientist’s and Engineer’s Guide to Digital Signal Processing”,ISBN 0−9660176−4−1)。
【0045】
設計はフィルタが各軸次元に沿って分離可能であるようにされることが好ましい。分離可能性は、各次元において独立に設計復元フィルタを可能にする利点を有する。
【0046】
本明細書で使用されるように、用語「分離可能」は、元の走査座標系の次元のそれぞれに沿った1Dフィルタカーネルを別個に設計し、次に値1に初期化されたnD組のカーネル標本を取ることとnDカーネルを生成するためにそのカーネルの次元方向に各1Dフィルタカーネルにより連続的に乗算することとに等価な処理によりこれらの個別の1Dフィルタを組み合わせることにより、nD復元フィルタカーネルの設計が行われてもよいことを意味する(フィルタに適用される「分離可能性」の定義についてはSteven W Smith,“The Scientist’s and Engineer’s Guide to Digital Signal Processing”,ISBN 0−9660176−4−1)。分離可能な1Dカーネルを組み合わせてnDカーネルを生成するこの処理は、nDデータセットをnD行列とみなし、各1Dフィルタカーネルを1D行列(またはベクトル)とみなし、結果として得られるnD行列により各1D行列のKroneckerテンソル積を連続的に計算することにより記述されてもよい(Mary L Boas,“Mathematical Methods for the Physical Sciences”,ISBN 0−471−04409−1)。
【0047】
本方法における次のステップは、(f)例えば最小計算をもたらす多相実施法を使用することにより、例えば直接畳み込みにより前記n次元線形フィルタを標本データに適用し、これにより再標本データを取得するステップ(好ましくは前記一組のn次元線形フィルタを適用するステップ)を含む。
【0048】
本明細書で使用されるように、用語「畳み込み」は、(xにおける1つの関数)*((u−x)における別の関数)の支持の間隔(interval of support)にわたる積分を意味する。一実施形態では、これは具体的には、(xにおける信号)*((u−x)におけるフィルタカーネル)の支持の間隔にわたる積分を意味してもよい(Steven W Smith,“The Scientist’s and Engineer’s Guide to Digital Signal Processing”,ISBN 0−9660176−4−1)。
【0049】
一実施形態では、前記方法は、当該軸に適切な単位で測定される際に元の走査座標系の座標軸に対する入力および出力標本の両方の一様な標本間隔に基づき、内在する信号が完全に依然として決定されるように標本理論の直接適用により、走査ジオメトリの自然空間において設計され適用されたn次元(以降、nDと呼ぶ)フィルタを使用する一貫したn次元標本空間への超音波データの再サンプリングと補間を含む。
【0050】
一実施形態では、内在する信号が完全に依然として決定されることを保証する一方でデータを再サンプリングするために、標本理論は、両方の組の間隔が一様であるという条件で、データが、元の標本間隔と目標標本間隔とから容易に計算することができるという特徴を持つアンチエイリアシングおよび復元フィルタによりフィルタ処理されることを必要とする。
【0051】
しかし目標nD空間では元の標本は非一様に離間しているので、標本理論は目標nD座標空間において必要なアンチエイリアシングおよび復元フィルタを設計するために直接適用されることができない。
【0052】
しかしながら元の標本は元の走査座標ジオメトリ空間において一様に離間しているので、標本理論は、元の走査座標空間においても適用されなければならないフィルタを設計するために元の走査座標空間において直接適用されてもよい。そのように設計され適用されたフィルタは、新しい標本を新しい目標座標空間内の所望の一様な間隔で計算することによりデータを再標本するために使用されてもよい。この複合ステップ(元の走査座標空間においてフィルタを設計し実施するが新しい目標座標空間では一様に離間している新しい標本を計算するためにそれらを適用するステップ)は、標本が一様に離間していることを要求する標本理論の直接適用を可能にする。
【0053】
前記方法によると、所望の目標標本の位置は元の走査座標系に対し非一様である。したがってすべての新たに望まれる目標標本の位置を、元の走査座標系内の元の標本間の間隔の単純かつ正確な整数分の1である便利でかつうまく定義された位置にあるように近似する位置の量子化が適用される。例えば新たに望まれる標本位置は、元の標本間隔の1/4または1/5における位置により近似されるように量子化されてもよい。この位置量子化工程は、入力および出力標本の両方が一様に離間していることを要求する標本理論の直接適用を可能にする。
【0054】
前記方法によると、nDフィルタカーネルは元の走査次元のそれぞれに沿って分離可能な線形フィルタを組み合わせることにより設計することができ、その特徴は、元のおよび所望の目標標本の一様なサンプルレートに基づく標本理論の適用に従って決定される。
【0055】
本方法によると、nDフィルタカーネルは、それぞれの所望の目標再標本位置を中心とするフィルタカーネルを配置しnD畳み込み積(積和)を計算することにより、直接畳み込みにより適用されてもよい。位置量子化工程は、各nDフィルタ係数が実際に位置量子化空間内の正確な標本位置と一致するようにする。さらにnDフィルタカーネルはnD多相フィルタとして実施することができる。
【0056】
本発明の実施形態は、3D非デカルト座標系走査ジオメトリから3D直交デカルト座標ジオメトリへデータを再サンプリングする。
【0057】
元の標本はnD空間内の単一位置における信号を表す点(零次元:0D)である。
【0058】
例えば、元の走査標本のnDグリッドは、ビーム形成処理を使用する変換器により投影されるビームに沿って標本から構築することができる、
【0059】
ビームは標本の1D線である。ビームは通常「見通し線」とも呼ばれる。
【0060】
変換器のアレイはそのジオメトリが変換器の配置とビーム形成処理により定義されるビームの2Dフレームを投影する。
【0061】
フレームが変換器アレイの移動(回転または平行移動)により走査される、あるいは変換器アレイ自体が2Dである場合、フレームは3つの特定次元を自然に定義する3D走査を形成し、3つの次元の各次元(通常は空間的距離、角度または時間)に対し適切な単位で測定される際にその各次元に沿って一様に離間している標本である。
【0062】
4D走査は、一定の時間(時間はこの例では第4番目の次元である)間隔で完全な3D容積を測定することにより行われてもよい。
【0063】
各走査ジオメトリはn次元座標系により表すことができる。
【0064】
例えば各標本の位置を座標(A,B,C)の三つ組(triplet)で指定することができる3次元座標系。
【0065】
4D直交デカルト座標系は(x,y,z,t)により表される。
【0066】
いくつかのスキャナジオメトリは環状配置、すなわち走査中の変換器アレイの回転運動または変換器アレイへの円形形状のいずれかを含み、いくつかのスキャナジオメトリは両方を有する。
【0067】
このようなジオメトリは極座標により最もよく表される。例えばそれ自身の線と平行な軸を中心として回転される変換器の線形アレイは円筒極座標(r,θ,z)で最もよく表される円筒状標本空間を定義するだろう。ここでzは変換器位置、θは回動角度、rはビームに沿った距離である。
【0068】
走査ジオメトリにより自然に定義される1D、2D、3Dまたは4D空間内の標本の位置は以下の1、2、3または4個の座標により固定することができる。
【0069】
標本位置(ビームに沿った)はビームの見通し線(LOS:line of sight)に沿った距離(ビームの見通し線に沿った標本の原位置(すなわちビームの原点からの標本の距離(ビーム内の標本位置))である。
【0070】
ビーム位置(センサアレイに沿った)は基準中央ビームと比較した変換器線に沿った距離またはビームの角度である。
【0071】
フレーム位置(走査の方向に沿った)は走査線に沿った距離または基準中央フレームに対する走査(フレーム)の角度である。
【0072】
時間は、ビーム、フレームまたは容積を獲得する時間である。時間は、1D、2Dまたは3D空間標本走査にそれぞれ適用される場合の第2、第3または第4番目の次元であってよい。
【0073】
標本位置は通常、線形距離であり、ビーム位置(時に、「見通し線」位置と呼ばれる)とフレーム位置は走査ジオメトリに依存する線形距離または角度であってよい。
【0074】
2D空間走査では、任意の個々の標本の位置は座標(標本位置,ビーム位置)により定義される。
【0075】
3D空間走査では、任意の個々の標本の位置は三つ組の座標(標本位置,ビーム位置,フレーム位置)により定義される。
【0076】
4D空間/時間走査では、任意の個々の標本の位置は、四つ組(quadruplet)の座標(標本位置,ビーム位置,フレーム位置,時間)により定義される。
【0077】
2D空間走査の本発明の一実施形態では、標本の元座標は上に定義されるような2つの座標(標本位置,ビーム位置)により定義され、前記少なくとも1つのnD線形フィルタは2D線形フィルタカーネルである。
【0078】
この実施形態では、新しい再標本値の位置はその2D直交座標(再標本X,再標本Y)により与えることができる.
【0079】
本発明の別の実施形態では、標本の元座標は3つの座標(標本位置,ビーム位置,フレーム位置)により定義される。ここで標本位置は、ビームの見通し線に沿った標本の元の位置(ビームの原点からの標本の距離(ビーム内の標本位置)であり、ビーム位置は基準中央ビームに対するビームの元の距離または角度であり、フレーム位置は基準中央フレームに対するフレームの距離または角度であり、前記少なくとも1つの線形フィルタは3D線形フィルタカーネルである。
【0080】
この実施形態は、その形状がそれぞれの元の走査座標の延長により元の走査ジオメトリにおいて自然に定義され、その軸が元の走査次元に自然に整合される3Dフィルタカーネル容積に基づくフィルタリングにより超音波走査データを再サンプリングすることを含む。
【0081】
新しい再標本値の位置はその3D直交座標(再標本X,再標本Y,再標本Z)により与えることができる。
【0082】
この再標本ジオメトリでは、新しい再標本は一様に離間しているが元の走査標本は非一様に離間している。
【0083】
新しい再標本値の位置もまた元の走査ジオメトリにおけるその3D座標(再標本標本位置,再標本ビーム位置,再標本フレーム位置)により与えることができる。
【0084】
新しい再標本は必ずしも任意の元の走査標本の位置に正確には一致しないが元の標本は元の走査次元のそれぞれに沿って一様に離間している。
【0085】
標本理論によると、再標本は元の走査次元のそれぞれに沿ったフィルタリングと再サンプリングにより計算することができる。これは、各走査次元に沿ったその形状がその次元要件により単独で決定される3Dフィルタカーネルによるフィルタリングと等価である(すなわち、フィルタはそれぞれの元の走査次元において分離可能である)。
【0086】
一実施形態では、3Dフィルタカーネルは3つの分離可能な再サンプリングフィルタを組み合わせることにより構築される。それぞれの再サンプリングフィルタは各走査次元に沿った測定の特別な物理的特性を考慮して1つの元の走査次元毎に特別に設計される。好ましくは、3Dフィルタカーネルは標本理論の要件も考慮して3つの分離可能な再サンプリングフィルタを組み合わせることにより構築される。
【0087】
フィルタカーネル軸は元の走査次元に整合され、そしてこれら走査次元は直交するので、本方法は成功裏に、2Dまたは3Dフィルタ設計を2つまたは3つの1Dフィルタ設計(次元毎に1つの1Dフィルタ設計)に分離可能にし、これによりフィルタ設計を著しく簡単にする。
【0088】
本方法は、標本理論の要件に従って、元の標本により表された内在する連続超音波信号の完全な決定を最大限に保持するために、元の走査ジオメトリにより課された特別の方向の特定のフィルタリングを正しく適用する。
【0089】
各次元における再サンプリングは、その次元に沿った新しい再標本と最も近い元の標本との距離により決定されるフィルタサンプルレートにより係数が設計されるフィルタを必要とする。多くのフィルタサンプルレートが生じてもよい。一実施形態では、本発明の方法は、元の走査次元において規定される再標本の可能な位置を量子化することによりこの数を当該次元に沿った元の走査サンプルレートの(小さな)倍数に制限する。この倍数はフィルタレート乗数(FilterRateMultiplier)と呼ばれ、可変パラメータであってよい。
【0090】
さらに別の実施形態では、標本元座標は4つの座標(標本位置,ビーム位置,フレーム位置,時間)により定義される。ここで標本位置はビームの見通し線に沿った標本の元の位置(ビームの原点からの標本の距離(ビーム内の標本位置)、ビーム位置は基準中央ビームに対するビームの元の距離または角度、そしてフレーム位置は基準中央フレームに対するフレームの距離または角度であり、前記少なくとも1つの線形フィルタは4D線形フィルタカーネルである。一実施形態では、再サンプリングの方法は、近所の元の走査標本からの値に基づいた3Dフィルタカーネルを適用する。フィルタ形状は、3つの走査次元それぞれの次元に沿った標本理論(アンチエイリアシング)、物理学(超音波波長は、実際の分解能に対する基本的制限を表す)、正規化(DC信号の値はフィルタリング後に同じでなければならない)の考慮に基づき設計される。
【0091】
一実施形態では、少なくとも1つの線形フィルタはアンチエイリアスフィルタである。
【0092】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの線形フィルタは低域通過ディジタルFIRフィルタである。
【0093】
一実施形態では、低域通過フィルタは、以下のパラメータ:阻止帯域、通過帯域、および阻止帯域減衰、により規定される。好ましくは、低域通過フィルタは以下のパラメータ:サンプルレート、阻止帯域、通過帯域、通過帯域リップルおよび阻止帯域減衰、により規定される。一実施形態では、通過帯域は各次元において入出力サンプルレートに基づき標本理論により必要とされるものより低くなければならない。阻止帯域減衰は、(完全に決定される内在信号に対する標本理論による必要に応じ)非許可周波数が実際に拒絶される程度である。
【0094】
好ましい実施形態では、本方法で用いる低域通過フィルタは次の5つのパラメータにより規定される。
・サンプルレート:実施するサンプルレート
・通過帯域:その周波数まで値が「不変」である周波数
・通過帯域リップル:通過帯域内で許容する変化の最大量
・阻止帯域:それを越えると成分が減衰される周波数
・阻止帯域減衰:阻止帯域を越えた帯域での最小減衰
【0095】
本発明は、処理に便利でありかつ本物の情報を不必要に失うこと無しに処理すべきデータの量を低減する3Dデカルト座標系標本空間を提供することにより3D超音波走査データの表示、特徴の抽出、および解析を簡単にするという利点を有する。
【0096】
本発明はまた、
ビーム形成システムから取得される標本超音波走査データを取得するステップであって、標本データは元の座標により定義されるステップと
標本の元座標のそれぞれに沿って少なくとも1つの線形フィルタを標本データに適用するステップと、
前記組織を例えば正常または異常組織に特徴付けるために1つまたは複数の特性評価アルゴリズム(characterization algorithms)を使用することにより再標本データを処理するステップと、を含む組織特性評価(tissue characterization)方法を提供する。
【0097】
本発明の一実施形態によると、特性評価アルゴリズムを使用する処理はレンダリング前の再標本データに適用され、3D復元アルゴリズムが適用される。
【0098】
再標本データは組織特性評価プロセッサにより解析することができる。好ましくは、再標本データは、悪性挙動を有すると疑われる位置を決定するように構成されるプロセッサにより解析することができる。この適用に続いて、下層組織の形態に対応する特定の数学的特徴が抽出される。特性評価アルゴリズムは、エントロピー、FFTパラメータ、ウェーブレットパラメータ、相関測定値等の特徴を計算することに基づくことができ、解析された組織が悪性または非悪性組織として分類される確率を定量化するように調節される。
【0099】
一実施形態では、特性評価アルゴリズムは、フーリエ解析、ウェーブレット解析とエントロピー解析を含む群から選択される。特性評価アルゴリズムは、様々な組織病理を検出するように設計される。健康組織などの所定条件と関係する特性と悪性組織などの所定条件と関係する特性とが特定される。用語「設計された」の意味は、2つの病理学的現象を最も良く分離する特徴の同定と選択である。
【0100】
関心領域を特定するのに好適な特性評価アルゴリズムは、検出すべき病気に特有である組織形態構造(tissue morphology)における変質により誘起される後方散乱エネルギーの変化に十分に敏感である。好適な特性評価アルゴリズムは、その主題を参照により本明細書に援用する米国特許第6,785,570号明細書とPCT出願国際公開第2004/000125号パンフレットに記載されている。特性評価に好適なプログラムは、Histoscanning(商標)装置(Advanced Medical Diagnostics,Waterloo,Belgium)にインストールされる特性評価ソフトウェアである。
【0101】
本発明はまた、3Dフィルタカーネル設計モジュール、3D再サンプリングおよびフィルタカーネル実施モジュール、3D再サンプリングモジュールを含む超音波走査データ再サンプリング装置を提供する。本装置は、3Dの再サンプリングとフィルタリングを実施するように3Dフィルタカーネルを設計するように構成された1つまたは複数のプロセッサであってよい。前記プロセッサは1つのコンピュータまたは2つ以上のコンピュータ内に設けることができる。
【0102】
本発明はまた、
(a)反射または送信された超音波走査データを取得する少なくとも1つの手段と、(b)少なくとも1つのサンプリングモジュールと、(c)3D再サンプリングモジュールを含む少なくとも1つのプロセッサであって、3Dフィルタカーネルを設計し、3D再サンプリングおよびフィルタカーネルを実施するように構成された、前記プロセッサと、を含む超音波処理システムを提供する。
【0103】
一実施形態では、サンプリングモジュールは少なくとも1つのプロセッサ内に含まれる。
【0104】
本発明はまた、
a)ビーム形成システムから取得される元の座標により定義された標本データを取得し、
b)標本の元座標のそれぞれに沿って少なくとも1つの線形フィルタを標本データに適用する、機能を行なうことにより特徴付けられる超音波走査データの再サンプリングのためのコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
【0105】
本発明はまた、(a)反射または送信された超音波走査データを取得する少なくとも1つの手段と、(b)少なくとも1つのサンプリングモジュールと、(c)3D再サンプリングモジュールを含む少なくとも1つのプロセッサであって、3Dフィルタカーネルを設計し、3D再サンプリングおよびフィルタカーネルを実施し、前記組織を正常または異常組織に特徴付けるように構成された1つまたは複数の特性評価アルゴリズムを使用して再標本データを処理するように構成される、プロセッサと、を含む組織特性評価システムを提供する。
【0106】
本方法、システムおよび装置は、走査次元したがって座標軸が直交し、標本が一様に離間している(標本理論が容易に適用されるように)元の走査ジオメトリにおいて設計と実装を行うことにより、3D超音波走査のための3D再サンプリングフィルタの解析、設計および実装を簡単にするという利点を有する。
【0107】
本発明は、走査次元したがって座標軸が直交し、標本が一様に離間しているので標本理論による再サンプリングフィルタの厳密な設計を可能にする。
【0108】
本方法と装置は、各元の走査次元の標本理論の要件が走査データ内に閉じ込められた元の本物の情報を適切に表す最小データを選択するために超音波走査処理の物理的特性からの演繹的知識を特にかつ正しく適用するということを尊重するので、本方法と装置は本物の情報の不必要な損失無しに処理すべきデータの量を低減する。一実施形態では、データ量は5分の1となる。
【0109】
本発明は、内在する信号が完全に依然として決定されるので歪みまたは情報消失無しに標本データをさらに処理、解析できるようにする。これは、組織の特性評価などの測定が、内在する信号の正確な決定に依存する処理または解析の有効性に依存するいかなる場合においても利点である。対照的に、従来技術では、標本理論の直接適用により容易にフィルタを設計することができないので内在する信号は標本により依然として完全に決定されないと考えられる。また、従来技術の方法は、元の標本が非一様に離間しておりしたがって標本理論(これは一様な標本間隔を想定する)を利用するフィルタ設計が可能ではない所望の目標座標系において再サンプリングフィルタを設計するので、これらのフィルタが歪みまたは情報消失を生じないことを示すことができない。
【0110】
例えば、本方法は最小データサイズの最大情報を保持することができ、したがって必要メモリと計算を最小限に抑えることができるようにする。これは、内在する信号を完全に決定するのに必要な最小数の標本と必要なフィルタ設計とを標本理論の適用とフィルタ長見積もり(例えばKaiser’s method)とにより直接計算することができるからである。本発明とは対照的に、従来技術は、内在する信号を完全に決定するのに必要な最小数の標本を計算するために標本理論を直接適用することができなく、その結果、必要以上の数の標本が使用され得るか、信号が歪められ得るか、あるいは情報が失われ得るかのいずれかである。このようにして本発明は必要とされる最小データサイズの形式的分析を可能にし、これにより必要メモリを低減しかつ走査時間を低減することができる。
【0111】
例えば、本発明は、様々な元のn次元走査ジオメトリと標本空間からの超音波走査データを、さらなる処理のために便利でありかつ、標本理論の手段と超音波走査プロセスの物理的特性とに従って元の情報を保持する一方でデータ量を低減する一様なn次元標本グリッド(これだけではなくしばしば直交デカルト座標)へ再サンプリングすることを容易にする。本発明は、処理に便利でありかつ本物の情報の不必要な損失無しに処理すべきデータの量を低減するn次元標本空間を設けることにより、n次元超音波走査データの表示、特徴の抽出、および解析を著しく簡単にする。
【0112】
次に本発明について、本発明の範囲を決して制限しない以下の例により説明する。
【実施例】
【0113】
本発明の一実施形態によるフィルタリングと再サンプリングは、同じフィルタが全方向に適用されることに基づく。これは、再サンプリングが走査ジオメトリと無関係であるいう利点を有し、元データ内に存在するすべてのサンプルレートを考慮する。これは球状フィルタカーネル(カーネルはフィルタ係数のアレイであり、この場合は3Dアレイ)を定義する。
【0114】
本例は前立腺超音波走査に基づく。本例は再標本位置を元のジオメトリ内に投影し、その元のジオメトリにおいてフィルタを設計、適用する。
【0115】
前立腺走査における各元の標本の位置は、球面極空間内の3つの座標(SamplePos,BeamPos,FramePos)により与えることができる。
ここで、
SamplePosはビームの(想像上の)原点からの見通し距離(mm)である。
BeamPosは「中央」ビームに対するビームの角度(ラジアン)である。
FramePosは「中央」フレームに対するフレームの角度(ラジアン)である。
【0116】
新しい再標本値の位置はその3D直交座標(x,y,z)により与えらることができるが球面極座標(r,θ,φ)においても定義することができる
【0117】
この球面極ジオメトリ(spherical polar geometry)では、元の標本は次元のそれぞれに沿って一様に離間している。この再標本はビーム原点から外に放射する「見通し線」の仮想線上にある。
【0118】
このビームの角度は(θ,φ)により定義され、θもφも必ずしもそれぞれ元のBeamPosまたはFramePosに合致する必要はない。再標本の半径方向距離はrにより定義され、rは必ずしも元のSamplePosに合致しない。
【0119】
次元が3つのフィルタ、すなわち見通し線に沿ったフィルタ、ビーム間隔に沿ったフィルタ、フレーム間隔に沿ったフィルタ、により設定される3Dフィルタカーネルが設計される。
【0120】
必要なフィルタリングと再サンプリングの3次元は「四角錐」ジオメトリ(r,θ,φ)を自然に定義し、3Dフィルタカーネルはこの四角錐を貫通するスライスである。
【0121】
角錐スライスの高さは「見通し線」フィルタの長さであり、固定される。他の2つの次元はフレーム間およびビーム間フィルタの長さにより固定される。これらの2つの次元では間隔は角度である。
【0122】
再サンプリングプロセスは、角錐の中心にある新しい再標本を計算するために周囲の元の標本に重みを適用する四角錐フィルタを適用することと見ることができるが、元の走査次元のそれぞれに沿った再サンプリングとも考えることができる。この場合、我々は3つの別個の1Dフィルタ(再サンプリング毎に1つ)を有する。このとき、これら3つの1Dフィルタは必要な3D四角錐フィルタを生成するために組み合わせることができる。
【0123】
新しい標本を計算する場合、アップサンプリング(もともと測定されたものより多くの標本が補間されなければならない)とダウンサンプリング(元の標本のいくつかは捨てられなければならない)の2つのケースを見ることができるであろう。いずれにしても信号は低域通過フィルタによりフィルタ処理されなければならない。
【0124】
本発明で使用される低域通過フィルタは存在し得ない周波数成分を除去する。ダウンサンプリングするためには、元の標本は低域通過フィルタによりフィルタ処理され、次に元の標本のいくつかは捨てられる。ダウンサンプリング用低域通過フィルタは、新しいサンプルレートの2分の1より高い周波数を除去する。これは、遮断が、最大で元のサンプルレートの2分の1まで変化してもよいということを意味する。アップサンプイングするためには、零が新しい(より高いサンプルレート)標本位置において補間され、次に低域通過フィルタによりフィルタ処理される。アップサンプリング用低域通過フィルタは、元のサンプルレートの2分の1より高い周波数を除去する。この遮断は新しいアップサンプルレートにかかわらず固定される。
【0125】
前立腺走査については、フィルタの3つの方向、すなわち「見通し線」に沿った方向(これはmmを単位とする距離である)と「見通し線全体にわたる2つの方向」(これはこの例ではラジアンを単位とする角度である)とが適用される。
【0126】
本実施例で用いる低域通過ディジタルFIRフィルタは、以下の5つのパラメータにより規定することができる。
サンプルレート:実施するサンプルレート
通過帯域:その周波数まで値が「不変」である周波数
通過帯域リップル:通過帯域内で許容する変化の最大量
阻止帯域:それを越えると成分が減衰される周波数
阻止帯域減衰:阻止帯域を越えた帯域での最小減衰
【0127】
最も低い元のサンプルレートと新しい再サンプルレートは、本フィルタ設計に次のような制限を設定する。
最も低い元のサンプルレート:最も低い必要遮断
再サンプルレート:最も高い必要遮断
【0128】
見通し線フィルタ
見通し線フィルタは見通し線標本間隔と再標本間隔により決定される。前立腺走査については、見通し線標本間隔はmm当たり22.7標本のサンプルレートである0.044mmで固定される。再標本間隔は5サイクル/mmのサンプルレートである0.200mmであるので、我々は4.54だけダウンサンプリングする。
【0129】
この場合、標本間隔と再標本間隔は両方とも固定され、再サンプルレートはさらに低いので、必要な遮断を固定する。
見通し線遮断=2.50サイクル/mm
見通し線フィルタサンプルレート=22.7標本/mm
【0130】
通過帯域幅は1標本/mmであり、2サイクル/mmの通過帯域を作る。以前に推奨されたパラメータ:
通過帯域:2
阻止帯域:2.5
通過帯域リップル:6dB
阻止帯域減衰=20dB
サンプルレート=22.7標本/mm
を有するこの遮断を採用し、フィルタ設計/解析ツールfdatoolを使用して等リップルフィルタを設計すると、8つの係数を必要とするフィルタが得られる。
【0131】
ビーム間およびフレーム間フィルタ
ビーム間フィルタはビーム間隔と再標本角度間隔により決定される。アップサンプリングする際に最も狭い低域通過フィルタが必要とされ、その通過帯域はビーム間間隔により決定される。
【0132】
パラメータは:
再標本角度サンプルレート=500標本/ラジアン
ビームレート=200ビーム/ラジアン
フレームレート=333フレーム/ラジアン。
【0133】
これらの間隔は、アップサンプリングがこれらの半径方向に起こる(2.5倍および1.5倍で)ということを意味する。
【0134】
阻止帯域の10%である通過帯域が設定される。
【0135】
ビーム間フィルタ(すなわち、単一フレーム内のビームの)については、フィルタは次のように規定することができる。
通過帯域:90標本/ラジアン
阻止帯域:100標本/ラジアン
通過帯域リップル:6dB
阻止帯域減衰=20dB
サンプルレート=500標本/ラジアン。
そしてフレーム間フィルタ(すなわち、隣接フレーム間)については、
通過帯域:150標本/ラジアン
阻止帯域:166標本/ラジアン
通過帯域リップル:6dB
阻止帯域減衰=20dB
サンプルレート=500標本/ラジアン。
【0136】
これらは、8つの係数と5つの係数をそれぞれ必要とするフィルタを提供する。
【0137】
フィルタカーネル
フィルタカーネルは3Dである。フィルタカーネルはフィルタ係数により各次元において変調することにより計算することができる。例えば、
1.見通し線次元におけるすべての列を見通し線係数で満たし、
2.ビームフィルタによりビーム方向の見通し線全体にわたって乗算し、
3.フレームフィルタによりフレーム次元内の見通し線全体にわたって乗算することにより。
【0138】
これによりフィルタ係数の3D行列を生成する。これらは新しい再標本値を計算する際に重みとして周囲の標本に適用することができる。
【0139】
本発明の詳細について好ましい実施形態を特に参照し説明してきたが、添付の特許請求範囲により定義される発明概念の精神と範囲から逸脱することなく変形と応用がなされ得ることは明かである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ビーム形成システムから取得される標本超音波走査データを取得するステップであって、前記標本データはn個の軸を有する元のn次元標本座標系により定義され、前記n次元標本座標系は超音波探査および走査ジオメトリにより定義され、前記n次元標本座標系において前記標本は各軸に適切な単位で測定される際に前記各軸に沿って一様に離間しているステップと、
b)各軸に適切な単位で測定される際に前記各軸に沿って一様に離間している目標n次元座標系内の所望の目標標本位置を定義するステップと、
c)ステップ(b)において定義された前記目標標本位置をステップ(a)の前記元のn次元標本座標系内にマッピングするステップと、
d)ステップ(c)の前記マッピングされた目標標本の前記位置を、それらが前記元の標本位置間の単純かつ正確な整数のサブ間隔に位置するように量子化するステップと、
e)ナイキストシャノン標本理論の適用により一組のn次元線形フィルタカーネルを、最近傍の元の標本位置に対して異なる目標標本位置毎に1つ、設計するステップであって、ステップ(a)の前記標本データの前記元の標本座標とステップ(d)の前記所望の目標標本位置とをそれぞれのn次元空間において使用し、任意選択的に前記n次元フィルタは前記元の走査次元のそれぞれに沿って分離可能であるステップと、
f)ステップ(e)において設計された前記一組のn次元線形フィルタカーネルをステップ(a)の前記標本データに適用するステップであって、各フィルタは、前記目標標本を計算することにより再標本データを取得するように適用されるステップと、を含むことを特徴とする超音波走査データの再サンプリング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記n次元フィルタは前記元の走査次元のそれぞれに沿って分離可能であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、前記ステップ(f)は直接畳み込みにより行なわれることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の方法において、前記ステップ(f)は多相実施法を使用して実行されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法において、前記標本の元座標は2つの座標(標本位置,ビーム位置)により定義され、ここで標本位置はビームの見通し線に沿った標本の元の位置であり、ビーム位置は基準中央ビームに対するビームの元の距離または角度であり、前記少なくとも1つのn次元線形フィルタは2D線形フィルタカーネルであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法において、前記標本の元の座標は3つの座標(標本位置,ビーム位置,フレーム位置)により定義され、ここで標本位置はビームの見通し線に沿った前記標本の元の位置であり、ビーム位置は基準中央ビームに対するビームの元の距離または角度であり、フレーム位置は基準中央フレームに対する距離またはフレームの角度であり、前記少なくとも1つのn次元線形フィルタは3D線形フィルタカーネルであることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記3Dフィルタカーネルは3つの分離可能な再サンプリングフィルタを組み合わせることにより構築され、前記再サンプリングフィルタのそれぞれは各走査次元に沿った測定の物理的特性を考慮して、1つの元の走査次元に対し特別に設計されることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法において、前記標本の元座標は4つの座標(標本位置,ビーム位置,フレーム位置,時間)により定義され、ここで標本位置はビームの見通し線に沿った前記標本の元の位置であり、ビーム位置は基準中央ビームに対するビームの元の距離または角度であり、フレーム位置は基準中央フレームに対する距離またはフレームの角度であり、前記少なくとも1つの線形フィルタは4D線形フィルタカーネルであることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法において、前記少なくとも1つの線形フィルタはアンチエイリアスフィルタであることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法において、前記少なくとも1つの線形フィルタは低域通過ディジタルFIRフィルタであることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記低域通過フィルタは以下のパラメータ阻止帯域、通過帯域、および阻止帯域減衰によって規定されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記低域通過フィルタはさらに以下のパラメータサンプルレートおよび通過帯域リップルによって規定されることを特徴とする方法。
【請求項13】
3Dフィルタカーネル設計モジュールと、3D再サンプリングおよびフィルタカーネル実施モジュールと、3D再サンプリングモジュールと、を含む超音波走査データ再サンプリング装置。
【請求項14】
(a)散乱、反射または送信された超音波走査データを取得する少なくとも1つの手段と、
(b)少なくとも1つのサンプリングモジュールと、
(c)3D再サンプリングモジュールを含む少なくとも1つのプロセッサであって、3Dフィルタカーネルを設計し、3Dの再サンプリングおよびフィルタカーネルを実施するように構成されたプロセッサと、を含む超音波処理システム。

【公表番号】特表2013−510612(P2013−510612A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538361(P2012−538361)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067529
【国際公開番号】WO2011/058186
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512122333)アドバンスド メディカル ダイアグノスティクス ホールディング ソシエテ アノニム (1)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MEDICAL DIAGNOSTICS HOLDING S.A.
【Fターム(参考)】