説明

超音波ハンドピース

超音波ハンドピースがスクリューを増強するために用いられる。そのハンドピースは、筐体と、筐体内に移動可能に収容された超音波変換器と、超音波変換器の一端部に接続されたソノトロードとを有する。ソノトロードは、スクリュー内に筐体から突き出ている。調整要素が筐体に調整可能であるように接続されている。超音波変換器及び筐体のそれぞれにより支持される端部をスプリングは備えている。超音波変換器は、調整要素を設定することによりアジャスタホイールから遠ざかる方向にプリロードされ、それにより、ソノトロードは、スクリュー内に選択された力が加えられ、増強材料が、スクリューにより骨内に押圧される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、音波融着技術に関し、特に、超音波ハンドピース及び超音波ハンドピースを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2007/01412A2号パンフレットにおいて、超音波トランスジューサ装置、即ち、2%以下の鉛を有するアクティブな圧電セラミック材料、低いキューリー温度、圧電セラミック要素に適用される高圧縮バイアス力を有する圧電材料、エポキシ材料で満たされた低温のガラス転移点でアセンブルされる構成要素を有するバイアスボルトサブアセンブリ、及び/又は自動ロッキングテーパーを有する恒久的に取り付けられたエンドエフェクタを有する単独使用のための超音波変換器について開示されている。
【0003】
米国特許第4,653,489号明細書には、固化セメントが骨粗鬆症により冒された骨の部分にスクリューを介して導入されるシステムについて開示されている。大腿骨頸部骨折及び遠位大腿骨骨折はこのシステムにより治療されることが可能である。
【0004】
従来技術に従ったシステムは、フローキャビティ、即ち、骨セメントがスクリューの先端部分に導入されることが可能である骨内を通る軸方向を有する。骨セメントは、そのスクリューの終端に対して開放可能であるように取り付けられた装置により進められる。この装置は、筒状胴部及びプランジャを頑丈に有する市販のスピンドルに類似するものである。その胴部は、プランジャがその方に移動可能であり、且つ逆戻り可能であるキャビティを構成する。
【0005】
この従来の装置の使用においては、固化セメントが胴部に満たされ、その後、プランジャが促される。手動の圧縮力を加えることにより、固化セメントが、スクリューの骨の中の軸方向に噴出される。その圧力のために、固化セメントは、骨内にスクリューの近位端の中を通ることが可能であるように適切に流動化され、その結果として、スクリューが骨内に進められる。
【0006】
このシステムは、基本的には適用毎にばかりでなく、適用中に、固化セメントに加えられる手動の圧力が変化し、それ故、スクリューの先端における骨の部分の中の固化セメントの分布は信頼性がなくなる、又は均一でなくなるという短所を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/01412A2号パンフレット
【特許文献2】米国特許第4,653,489号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の特徴は、オブジェクト内の導入箇所に信頼性高い及び均一な添加が確実にされることが可能である装置及び方法を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、各々の独立請求項の主題により達成される。本発明に従った更なる実施形態については、それぞれの従属請求項に記載されている。
【0010】
一般に、本発明の第1実施形態に従って、超音波ハンドピースは外郭筐体を有する。超音波ソノトロード変換器が備えられている変換器筐体は、外郭筐体内の反復運動のために外郭筐体内に備えられている。弾性要素又はスプリングは、変換筐体を嵌合する第1端部と、外郭筐体を嵌合する第2端部とを有する。ハンドピースの軸方向における変換器筐体の位置の調整により、超音波変換器にプリロードが適用される。
【0011】
本発明の第2実施形態に従って、超音波ハンドピースの筐体は、筐体の全長を調整するように、それ故、ハンドピースの第1端部に備えられる複数のスクリューの異なる長さに適合するように、互いに対してスライド可能な2つの筐体部分を有する。
【0012】
更に、上記の超音波ハンドピースを用いる方法は、オブジェクト内に位置付けられるスクリューにハンドピースの第1端部を嵌合する段階であって、ソノトロードがスクリュー内に突出している、段階を有する。アジャスタホイールの軸方向位置を調整し、超音波ハンドピースのスプリングを一方に偏らせることにより、力が超音波変換器に加えられる。超音波変換器は、例えば、スクリュー内のポリマーロッドが液化し、それによって、スクリューがオブジェクト内の現位置で固定されるようにアクティブにされる。超音波変換器は、その場合、非アクティブにされ、増強された(augmented)スクリューから開放される。
【0013】
本発明は、その増強(augmentation)に、即ち、上記の従来技術により提案されている骨内でのスクリューの固定に限定されないことに留意する必要がある。スクリューはまた、ねじ山のないボルト、若しくはオブジェクトにおける2つ又はそれ以上の部品の固定のための適切な幾何学的構成を有するピンであることが可能である。上記オブジェクトは、例えば、木材、プラスチック、金属、石又は骨から成る何れかのオブジェクトであることが可能である。一般に、スクリューを進めることは、オブジェクト内でのスクリューの位置付けの後の、オブジェクトの内側の壁とスクリューとの間にだぼを導入することと比較することができる。
【0014】
本発明については、以下で、添付図を参照しながら好適な実施形態により詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に従った超音波ハンドピースの断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に従った超音波ハンドピースの断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に従った、調整された位置で筐体の2つの部分をロックする保持器要素の詳細図である。
【図4】本発明に従った超音波ハンドピースの筐体の端部にスクリュー又は組織保護スリーブの接続のための継ぎ手要素の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照するに、参照番号10で一般に示されている本発明の第1実施形態に従った超音波ハンドピースが示されている。超音波ハンドピースのコア要素は超音波変換器6である。この変換器は、ライン電力を、又は充電可能な及び充電可能でない電池電力を受け入れるように、電力供給される。その変換器の一端部において、変換器6は、変換器により振動するようにされる先端12を特徴とする。超音波ハンドピースから距離を置いて位置している要素に振動を伝えるように、ソノトロード4が先端12に嵌合されている。
【0017】
変換器6の本体は、2分割型筐体14は収容されている。先端12に隣接する変換器の筐体14の一部16は変換器の本体に接続され、変換器の本体を仕切る筐体14の他の部分18は、その外側において、変換器の軸方向におけるコイルスプリング7のような弾性要素の一端部を備えるステップ20を有する。このスプリングはまた、第2筐体部分18の一部19の構成によりサイドサポート及びガイドを受け入れる。コイルスプリングに代えて、ゴム製バッファ、板状スプリング等のような、ある他のプリロード手段を用いることが可能である。更に、コイルスプリング7は、圧縮スプリング又は引っ張りスプリングであることが可能である。
【0018】
更に、超音波ハンドピースは、超音波変換器6が変換器筐体14と共に収容される外側筐体5を有する。超音波変換器6は、筐体5内の変換器筐体14と共に軸方向に往復運動されることが可能である。変換器6により生じる振動は、この構成においては、筐体5を持っているユーザの手に減衰するように伝達される。筐体5は、その一端部に、ソノトロード4がその孔の中を通って外側に突き出ている孔22を有する。スクリュー1が超音波ハンドピースに固定して接続されているときに、ソノトロード4がその中に延びる、あるスクリュー又はスクリュー1を嵌合するための手段であって、例えば、ねじ山がまた、備えられている。
【0019】
筐体の他端部においては、筐体5は、その筐体の外側面においてねじ山24を有する。スクリューキャップとして実質的に構成されるアジャスタホイール8がねじ山24にねじ込まれ、それ故、コイルスプリング7の第2端部はアジャスタホイール8の内側25で支持される。アジャスタホイール8の回転により、開始位置を、それ故、ねじの長さを調節することが可能である。筐体5におけるアジャスタホイール8の回転により、アジャスタホイール8は、筐体5において筐体の軸方向に移動する。従って、アジャスタホイール8の内側25と筐体部分18に形成されたステップ20との間で支持されるスプリング7は、共に圧せられる又は延ばされる。スプリングの移動は、それ故、筐体5内の軸方向の筐体14及び変換器6の移動は、好適には、30mmであり、一般には、10mm乃至50mmの範囲内にあるが、これはまた、必要に応じて、任意に寸法決めされることが可能である。変換器の筐体14の第2筐体部分18の細くされた端部28が外側にその孔の中を突き出ている孔26が、アジャスタホイール8において軸方向に備えられている。第2筐体部分18の端部28に、筐体5において超音波変換器6の移動を制限するステップ9が嵌合され、このステップは、同様に、筐体5に関連して超音波変換器に接続されたソノトロード、及び筐体に接続されたスクリュー1の移動を制限する。停止部9がまた、スプリング7をプリロードするように用いられる。
【0020】
本発明の第1実施形態に従った超音波ハンドピースは、第1端部及び第2端部を有する外側筐体と、外側筐体内の往復運動のための外側筐体の第1端部内に収容されている変換器筐体と、変換器筐体内に備えられている超音波変換器と、外側筐体の第2端部に調整可能であるように接続されたアジャスタホイールと、弾性要素と、変換器筐体に嵌合する第1端部と、アジャスタホイールを嵌合する第2端部とを有し、超音波ハンドピースの軸方向における変換器の位置の調整は超音波変換器にプリロードを適用する。
【0021】
第1実施形態の特徴に従って、アジャスタホイールの内側面及び筐体の外側面はねじ山付けされていて、それらのねじ山は、アジャスタホイールの調整を可能にするように結合されている。
【0022】
本発明の第1実施形態に従った弾性要素はコイルスプリング又はゴム製バッファを有する。
【0023】
他の特徴としては、本発明の第1実施形態に従った超音波ハンドピースは、筐体内の超音波変換器の移動を制限し、超音波変換器に接続された停止部を更に有する。
【0024】
更なる他の特徴としては、本発明の第1実施形態に従った超音波ハンドピースは、超音波変換器の一端部に接続されたソノトロードを更に有し、筐体の第1端部から突き出ている。
【0025】
オブジェクトにおいてスクリュー1を進めて超音波ハンドピースを用いることについて、以下で詳述する。先ず、Kワイヤ等のガイドワイヤが、スクリューが位置付けられるようになっているオブジェクトにおけるある場所に導入されることが可能である。Kワイヤにおいて、所望したように位置付けられるまで、所定位置にスクリューが挿入され、ねじ込まれる。そのスクリューはまた、Kワイヤを用いることなく、オブジェクト内に位置付けられることが可能であることに留意する必要がある。スクリューにおいては、自在通路、即ち、カニュレーションが、スクリューの長手方向の中心線に沿って存在する。ポリマーピン3が、その場合、自在通路に導かれる。ピン3の主な特徴は、ピン3が、圧力変化及び超音波変化により流動化されるのに適切な材料から成ることであることに留意する必要がある。従って、ポリマーピンはポリマーから成る必要はない。
【0026】
超音波ハンドピースの筐体5が、その場合に、スクリュー1に接続されているとき、ソノトロード4はスクリュー内に突き出ていて、ソノトロードの遠心端は、ポリマーピン3と接するようになる。アジャスタホイール8により、ポリマーピン3にソノトロード4により作用する所定の圧縮力が設定されることが可能である。プリロードは、例えば、アジャスタホイール8と停止部9との間の所定位置にクランプされたブロックにより一時的に固定されることが可能である。このブロックは、しかしながら、先ず、超音波変換器がオンに切り換えられる前に、取り外される必要がある。
【0027】
オンに切り換えられるとき、変換器は、変換器筐体14とアジャスタホイール8との間にプリロードされたスプリング7によりもたらされた圧力と共に、ポリマーピン3の材料が流動化され、その結果、ポリマーピンの材料がスクリュー1の先端により押圧されることを保証する振動を生成する。このようにして、スクリューはオブジェクト内に進められる。
【0028】
従って、スクリューを増強するように、本発明の第1実施形態に従った超音波ハンドピースを用いる方法は:
スクリューに筐体の第1端部を嵌合するステップであって、ソノトロードがスクリュー内に突き出ている、ステップと;
アジャスタホイールの軸方向位置を調整することにより超音波変換器に力を加えるステップと;
スクリュー内にポリマーロッドを挿入するステップと;
ポリマーロッドが液化するように、超音波変換器をアクティブにするステップと;
超音波変換器を非アクティブにするステップと;
進められたスクリューから筐体を開放するステップと;
を有する。
【0029】
図2は、本発明の第2実施形態に従った超音波ハンドピースであって、同じ機能性を有する第1実施形態及び第2実施形態の要素は、同じ参照番号で表されている、超音波ハンドピースを示している。
【0030】
本発明の第2実施形態に従って、超音波変換器6は、変換器筐体14に固定されて接続されている。変換器筐体14は、より大きい直径を有する第1部分と、より小さい直径を有する第2部分とを有し、ステップ20は、第1部分と第2部分との間に位置している。
【0031】
超音波ハンドピースは、第1筐体部分5及び第2筐体部分32を有する2分割外側筐体を更に有する。外側筐体の第1部分及び第2部分は、第1部分5が軸方向で外側筐体の第2部分32に対してスライド可能である。これは、第1部分5のより大きい内径により得られ、その内径は、外側筐体の第2部分32の外径と等しい又はその外径より僅かに大きく、それ故、少なくとも第1部分5の一部は、外側筐体の第2部分32について移動可能である。
【0032】
外側筐体の第1部分5は、ソノトロード4が遠位方向に外側筐体から突き出るようにする孔を遠位端で更に有する。外側筐体の第2部分32は、孔を有する近位端を有し、弾性要素7が、変換器筐体14のステップ20と外側筐体の第2部分32の内側面との間に収容されることが可能である。従って、第2部分32は、第1実施形態に従ってアジャスタホイール8の機能性の1つを提供する、即ち、外側筐体に対して遠位方向で変換器筐体14と共に超音波変換器をバイアスすることが可能であるように弾性要素のための支持部を提供する。
【0033】
外側筐体の第2部分32の近位端における孔を通って、変換器筐体の近位端部は突き出ている。前記近位端部は、本発明の第1実施形態に従ったアジャスタホイール8の機能性の他の1つを有する、即ち、弾性要素7により変換器筐体におけるプリロードを調整する可能性を提供するキャップ状要素8aに接続されている。ユーザは、外側筐体を保持し、キャップ状要素8aを引っ張ることにより、弾性要素7を、即ち、近位方向で外側筐体に対して変換器筐体をバイアスすることが可能である。特定の距離だけ要素8aを引っ張った後、ユーザは、例えば、要素8aを回転することにより、要素8aの相対的位置及び外側筐体に対する変換器筐体14をロックすることが可能であり、その位置は、要素8aと外側筐体の第2部分32との間に備えられることが可能である差し込み継ぎ手によりロックされることが可能である。
【0034】
図3は、外側筐体の第1部分及び第2部分の相対的位置を互いに対してロックするロッキング機構の詳細を示す図である。この図において、変換器筐体14は、外側筐体の第2部分32内部に位置付けられ、第2部分32は第1部分5内部に位置付けられるように示されている。第1部分5の壁内には、ハンドピースの径方向に移動可能である少なくとも1つのボール34が備えられている。第1部分5の外側面には、保持器要素の操作を容易にするように外側面に溝を有するリングとして形成されることが可能である保持器要素30を備えている。
【0035】
保持器要素30は、第1位置において、少なくとも1つのボール34が、外側筐体の第2部分32から離れるように径方向に移動することが可能であるように形成されている。この位置においては、第1部分5は、第2部分32から開放されていて、それ故、外側筐体の長さが調整可能であるように、第2部分32に対して軸方向に移動されることが可能である。外側筐体の長さを調節した後、保持器要素は、少なくとも1つのボール34が第2部分32に対してその方向に押し戻される第2位置で移動されることが可能であり、溝36は、ボール34の部分を受け入れるように第2部分の外側面に形成されている。外側筐体の第2部分32における溝36の1つでボール34を押圧することにより、外側筐体の第2部分32に対する第1部分5の位置は固定される。保持器要素は、ハンドピースの軸方向又は周方向で第1位置と第2位置との間で移動されることが可能であることに留意する必要がある。
【0036】
図4は、外側筐体の第1部分5とスクリュー又は組織保護スリーブ50との間に備えられている継ぎ手40を詳細に示している。継ぎ手40は、外側要素42と、弾性要素46と、固定要素48とを有する。その継ぎ手は、超音波ハンドピースの外側筐体の第1部分5に接続され、軸方向に貫通孔を有し、スリーブ又はスクリューの近位端を受け入れることが可能である。更に、その継ぎ手の孔を通って及びスリーブ又はスクリュー内で、ソノトロード4の遠位端が延びている。
【0037】
近位方向に外側要素を引っ張ることにより、固定要素48は、前記スリーブ又はスクリューが接続解除される又は変化されることが可能であるように、スリーブ又はスクリューの近位端を開放することができる。スリーブ又はスクリューの近位端が継ぎ手内に位置付けられた後、外側要素42は、弾性要素46が遠位方向において外側要素を移動させ、それにより、超音波ハンドピースの外側筐体の第1部分にスリーブ又はスクリュー50を結合するようにスリーブ又はスクリュー50の近位端において固定要素を押圧するように、開放されることが可能である。
【0038】
本発明の第1実施形態に関連して上記している使用法の特徴に加えて、第2実施形態は、オブジェクトの所望位置において、組織保護スリーブの有無に拘わらず、スクリューを導入する可能性を有し、その場合、継ぎ手40により外側筐体の遠位端にスクリュー又はスリーブを接続する可能性を有する。更に、スリーブの有無に拘わらず、導入されたスクリューの長さに依存して、外側筐体の長さは、ソノトロード4がスクリュー(又はスリーブ)における遠位的に飛び出した長さと適合するように、調整されることが可能である。更に、要素8aにより、超音波変換器6は、オブジェクト内の導入場所でスクリューの高信頼性の且つ一様な進行を最終的に達成するように、所定の力で遠位方向にバイアスされることが可能である。好適には、超音波変換器6はバイアスされ、その場合、例えば、差し込み継ぎ手により所定位置にロックされ、その場合、スクリュー又はスリーブは、その継ぎ手40により外側筐体の遠位端と結合され、その場合、要素8aのロッキングは、ソノトロード、変換器及び変換器筐体を介してスクリュー内のポリマーピンにおけるプリロードを実現するように、開放される。
【0039】
本発明に従った超音波ハンドピースは、次のような有利点を有する。第1に、所定の圧縮力が、所定の振幅を有する超音波振動と共にポリマーピンに再現性よく与えられ、その結果、ポリマー材料の信頼性高い流動化が得られる。第2に、ソノトロードは、スクリュー内への特定の進行により進められ、そのために、オブジェクトに対してスクリューにより押圧されるようになっている材料の量を制御することができる。
【0040】
個々の構成要素の何れかの変更は、他の構成要素の変更と組み合わせられることが可能であり、それ故、具体的に参照された上記の組み合わせに限定されるものでないことに留意する必要がある。
【0041】
本発明について、本明細書においては、特定の実施形態を参照して詳述しているが、それらの実施形態は、本発明の原理及びアプリケーションの単なる例示であることが理解される必要がある。従って、多くの変形が例示としての実施形態に対して適用されることが可能であり、他の構成が、同時提出の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、案出されることが可能であることが理解できる。









【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波ハンドピースであって:
外側筐体;
該外側筐体内の往復運動のために前記外側筐体内に収容された変換器筐体;
該変換器筐体内に備えられた超音波変換器;
前記外側筐体に対して前記変換器筐体の位置を調整するための要素;及び
弾性要素であって、該弾性要素の第1端部は前記変換器筐体に嵌合し、前記弾性要素の第2端部は前記外側筐体に嵌合する、弾性要素であり、前記超音波ハンドピースの軸方向に前記反感器筐体の位置を調整することにより、前記超音波変換器にプリロードが加えられる、弾性要素;
を有する超音波ハンドピース。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波ハンドピースであって、前記弾性要素はコイルスプリング又はゴム製バッファを有する、超音波ハンドピース。
【請求項3】
請求項1に記載の超音波ハンドピースであって、前記変換器筐体内の前記超音波変換器の移動を制限する停止部を更に有する、超音波ハンドピース。
【請求項4】
請求項1に記載の超音波ハンドピースであって、前記超音波変換器の一端部に接続され、前記外側筐体から飛び出しているソノトロードを更に有する、超音波ハンドピース。
【請求項5】
増強用システムであって:
スクリュー;
該スクリュー内に導入されて適合されるポリマーピン;及び
請求項1乃至4の何れか一項に記載の超音波ハンドピースであって、前記超音波変換器は前記ポリマーピンと接していて、前記スクリューは、継ぎ手要素により前記超音波ハンドピースの前記筐体とつながれている、超音波ハンドピース;
を有する増強用システム。
【請求項6】
請求項5に記載の増強用システムであって:
前記スクリューの近位端に、及び前記超音波ハンドピースの前記筐体の遠位端の前記継ぎ手要素に接続されて適合される組織保護スリーブ;
を更に有する、増強用システム。
【請求項7】
スクリューを増強するように、請求項1乃至4に記載の超音波ハンドピースを用いる方法であって:
所望の場所にスクリューを位置付ける段階;
前記スクリュー内に材料を挿入する段階であって、前記材料は流動化されることが可能である、段階;
前記スクリューに前記超音波ハンドピースの前記筐体を嵌合する段階であって、前記超音波変換器は前記スクリュー内の材料と接する、段階;
前記変換器筐体の軸方向位置を調整することにより前記超音波変換器に力を加える段階;
前記スクリュー内の前記材料が液化するように、前記超音波変換器をアクティブにする段階;
前記超音波変換器を非アクティブにする段階;及び
前記増強されたスクリューから前記筐体を開放する段階;
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−532694(P2010−532694A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515419(P2010−515419)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005657
【国際公開番号】WO2009/010234
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(507015952)ストライカー トラウマ ゲーエムベーハー (13)
【Fターム(参考)】