説明

超音波モータ

【課題】圧電素子のすべり振動を積極的に使用することによりねじれ共振振動を効率よく発生させることのできる超音波モータを提供する。
【解決手段】振動子の回転軸方向に伸縮する縦1次共振振動と、回転軸をねじれ軸とするねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動とを合成することにより、楕円振動を形成してなり、振動子の回転軸方向に伸縮する縦1次共振振動と、回転軸をねじれ軸とするねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動と、の共振周波数がほぼ一致するように、振動子の矩形状の長さ比率を設定し、振動子は、ねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動を発生させる少なくとも1つのねじれ圧電体と、少なくとも縦1次共振振動を発生させる縦振動用圧電体とを断面の短辺方向に積層した構造を備えることを特徴とする超音波モータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1には、振動子の縦振動とねじれ振動を合成して楕円振動を発生させ、ロータを回転させる超音波モータが提案されている。そして、下記特許文献1の図1には、振動子の分解斜視図が描かれており、振動子軸方向に対し斜めにカッティングされた弾性体の間に複数枚の圧電素子が挿入された構成となっている。また、圧電素子の正電極は2分割されており、ここでは、それぞれA相、B相と称するものとする。
【0003】
ここで、A相とB相に同位相の交番電圧を印加することで、棒状振動子に縦振動を発生させることができる。また、A相とB相に逆位相の交番電圧を印加することで、棒状振動子にねじれ振動を発生させることができる。尚、振動子の溝位置を調整して縦振動の共振周波数と、ねじれ振動の共振周波数を、ほぼ一致するようにしておく。そして、A相とB相にπ/2位相の異なる交番電圧を印加すると、縦振動とねじれ振動が同時に発生し、棒状弾性体上面に楕円振動を発生させることができる。棒状弾性体上面にロータを押圧することにより、ロータを時計方向(CW方向)若しくは反時計方向(CCW方向)に回転させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−117168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された超音波モータは、その図1に示されるように、圧電素子と弾性体が必要になる、弾性体を斜めにカットしなければならない、縦振動とねじれ振動の周波数を合わせるために弾性体の一部に溝部を設けなければならない、構造が複雑であり組立性に難点がある等の課題があった。それ故、全体として振動子の構成が非常に複雑になり、ねじれ共振振動の発生効率が低いという課題を有していた。
【0006】
したがって本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧電素子のすべり振動を積極的に使用することによりねじれ共振振動を効率よく発生させることのできる超音波モータを提供することにある。また、本発明は、単一の部材からなり、構造が単純であり、溝部等が不要であり、縦振動とねじれ振動を容易に励起することができ、縦振動とねじれ振動を合成することにより楕円振動を形成し、楕円振動によりロータを回転させる超音波モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る超音波モータは、中心軸に垂直な断面が矩形状の長さ比率を有する振動子と、振動子の楕円振動発生面に接して振動子の楕円振動発生面と直交する中心軸を回転軸として回転駆動されるロータと、を少なくとも備えた超音波モータであって、振動子の回転軸方向に伸縮する縦1次共振振動と、回転軸をねじれ軸とするねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動とを合成することにより、楕円振動を形成してなり、振動子の回転軸方向に伸縮する縦1次共振振動と、回転軸をねじれ軸とするねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動と、の共振周波数がほぼ一致するように、振動子の矩形状の長さ比率を設定し、振動子は、ねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動を発生させる少なくとも1つのねじれ圧電体と、少なくとも縦1次共振振動を発生させる縦振動用圧電体とを断面の短辺方向に積層した構造を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る超音波モータにおいて、ねじれ圧電体にねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動を発生させる電極は、ねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動の腹位置に配置されていることが好ましい。
【0009】
本発明に係る超音波モータにおいて、ねじれ圧電体の分極方向は、ロータの回転軸に垂直であり、かつ、駆動電極への印加方向に垂直であることが好ましい。
【0010】
本発明に係る超音波モータにおいて、振動子は、1枚のねじれ圧電体と1枚の縦振動用圧電体を、断面の短辺方向に積層した構造を備えることが好ましい。
【0011】
本発明に係る超音波モータにおいて、振動子は、1枚の縦振動用圧電体を2枚のねじれ圧電体で挟持した構造を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る超音波モータは、圧電素子のすべり振動を積極的に使用することによりねじれ共振振動を効率よく発生させることができるという効果を奏する。また、本発明の超音波モータにおいては、単一の部材からなり、構造が単純であり、溝部等が不要であり、縦振動とねじれ振動を容易に励起することができ、縦振動とねじれ振動を合成することにより楕円振動を形成し、楕円振動によりロータを回転させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る超音波モータの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る超音波モータの構成を示す分解斜視図である。
【図3】(a)は、第1実施形態に係る振動子の概略構成を示す斜視図、(b)は、ねじれ1次振動モードにおける振動状態を破線で示した斜視図、(c)は、縦1次振動モードにおける振動状態を破線で示した斜視図、(d)は、ねじれ2次振動モードにおける振動状態を破線で示した斜視図、(e)は、ねじれ3次振動モードにおける振動状態を破線で示した斜視図である。
【図4】振動子の高さを一定として、横軸を短辺の長さ/長辺の長さとしたときの各モードの共振周波数を表したグラフである。
【図5】第1実施形態に係るねじれ振動用圧電素子の構成を示す斜視図である。
【図6】(a)は第1実施形態に係るねじれ振動用圧電素子に駆動信号を印加したときの厚みすべり振動を示す斜視図、(b)は(a)の平面図である。
【図7】(a)は第1実施形態に係るねじれ振動用圧電素子に対して、図6の場合とは逆方向の駆動信号を印加したときの厚みすべり振動を示す斜視図、(b)は(a)の平面図である。
【図8】(a)は第1実施形態に係るねじれ振動用圧電素子に対して、交番電界を印加したときの厚みすべり振動を示す斜視図、(b)は(a)の平面図である。
【図9】(a)は第1実施形態に係る縦振動用圧電素子の構成を示す、正面上方から見た斜視図、(b)は(a)の右側面図である。
【図10】(a)は第1実施形態に係る縦振動用圧電素子に駆動信号を印加したときの縦振動を示す、正面上方から見た斜視図、(b)は(a)の右側面図である。
【図11】(a)は第1実施形態に係る縦振動用圧電素子に対して、図9の場合とは逆方向の駆動信号を印加したときの振動を示す、正面上方から見た斜視図、(b)は(a)の右側面図である。
【図12】(a)は第1実施形態に係る縦振動用圧電素子に対して、交番電界を印加したときの縦振動を示す斜視図、(b)は(a)の右側面図である。
【図13】第1実施形態に係る積層圧電素子の構成を示す分解斜視図と、図3(d)に示すねじれ2次共振振動における振動状態を側面から見た図である。
【図14】第1実施形態に係る積層圧電素子の構成を示す正面上方右側から見た斜視図である。
【図15】第2実施形態に係る積層圧電素子の構成を示す分解斜視図と、図3(d)に示すねじれ2次共振振動における振動状態を側面から見た図である。
【図16】第2実施形態に係る積層圧電素子の構成を示す正面上方右側から見た斜視図である。
【図17】第3実施形態に係る積層圧電素子の構成を示す分解斜視図と、図3(e)に示すねじれ3次共振振動における振動状態を側面から見た図である。
【図18】第3実施形態に係る積層圧電素子の構成を示す正面上方右側から見た斜視図である。
【図19】第4実施形態に係る積層圧電素子の構成を示す分解斜視図と、図3(e)に示すねじれ3次共振振動における振動状態を側面から見た図である。
【図20】第4実施形態に係る積層圧電素子の構成を示す正面上方右側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る超音波モータの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る超音波モータ100は、縦1次共振振動とねじれ2次共振振動の合成により楕円振動を発生させるものであり、図1、図2に示すように、振動子101及びロータ102を備える。
振動子101は、中心軸100C(回転軸)に垂直な断面が矩形状の長さ比率を有する、略直方体形状の圧電素子である。ロータ102は、略円板状をなし、その下面が振動子101の楕円振動発生面101aに設けた摩擦接触部材103a、103bに接し、振動子101の楕円振動発生面101aと直交する中心軸100Cを回転軸として回転駆動される。
【0016】
振動子101へのロータ102の取り付け構造について説明する。
振動子101(圧電素子)の節近傍にはホルダ110が固着される。振動子101の楕円振動発生面101aとホルダ110との間には、シャフト105、ロータ102、ベアリング107、押圧バネ108、バネ押さえリング109が順に配置される。この配置は、中心軸100Cに対して同心状に行われる。
【0017】
ロータ102の中央の凹部102aにはベアリング107が結合され、ロータ102とベアリング107には中心軸100Cに沿うようにシャフト105が挿通される。シャフト105の下部は振動子101の楕円振動発生面101a上に接触配置される。
【0018】
ロータ102及びベアリング107に挿通されたシャフト105の上部先端は、押圧バネ108とバネ押さえリング109に順に挿通され、さらに、ホルダ110の上部の貫通穴110aを通って、ホルダ110の上方に配置されたシャフト固定リング111に螺合される。これにより、シャフト105はホルダ110に固定される。
【0019】
バネ押さえリング109とシャフト105はネジ溝によって互いに螺合されており、バネ押さえリング109を回転させてシャフト105に対する位置を変更することにより、押圧バネ108の力量を調節してロータ102の摩擦接触部材103a、103bへの押圧力量を調節することができる。
【0020】
次に、図3及び図4を参照して、超音波モータ100に使用される振動子101(圧電素子)の共振周波数の一致に関して説明する。
【0021】
図3(a)に示されるように、振動子101は略直方体形状であり、中心軸100Cに直交する矩形状の断面の短辺101sの長さをa、長辺101fの長さをb、中心軸100Cに沿った高さをcとしている。以下の説明では、高さ方向を、1次振動モードの振動の方向、かつ、ねじれ振動のねじれの軸方向とする。また、a、b、cの大小関係はa<b<cとする。
【0022】
振動子101においては、a、b、cの各寸法を適切な値とすることで、縦1次振動モードの共振周波数とねじれ2次振動モード、若しくはねじれ3次振動モードの、共振周波数をほぼ一致させている。
【0023】
ここで、図3(b)〜(e)には、ねじれ振動の方向p1、p2、縦振動の方向q、及び振動の節Nを示している。節Nは、ねじれ1次振動(図3(b))及び縦1次振動(図3(c))では高さ方向の中心位置に1つ存在し、ねじれ2次振動(図3(d))では高さ方向の2つの位置に存在し、ねじれ3次振動(図3(e))では高さ方向の3つの位置に存在する。
【0024】
また、図3(b)〜(e)において、実線は振動前の振動子101の形状を示しており、破線は振動後の振動子101の形状を示している。
【0025】
図4からわかるように、a/bを変化させた場合には、縦1次振動モードの共振周波数はa/bに依存せず、ほぼ一定の値をとるが、ねじれ振動の共振周波数は、a/b値の増加とともに大きくなっていく。
【0026】
また、ねじれ1次振動モードの共振周波数は、a/bがどのような値をとっても、縦1次振動モードの共振周波数と一致する条件はない。これに対して、ねじれ2次振動モードの共振周波数は、a/b値が0.6となる近傍で、縦1次振動モードの共振周波数と一致する。また、ねじれ3次振動モードの共振周波数は、a/b値が0.3の近傍となるところで、縦1次振動モードの共振周波数と一致する。したがって、第1実施形態の振動子101においては、縦1次ねじれ3次振動ではa/bが0.25〜0.35、縦1次ねじれ2次振動ではa/bが0.5〜0.6、となるように長さa、bをそれぞれ設定する。
【0027】
超音波モータ100においては、振動子101の中心軸100C(回転軸)方向に沿って伸縮する縦1次共振振動と、中心軸100Cをねじれ軸とするねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動と、を合成することにより、楕円振動を形成する。長さa、bの比(比率)は、振動子101の中心軸100C方向に伸縮する縦1次共振振動と、中心軸100Cをねじれ軸とするねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動と、の共振周波数がほぼ一致するように設定する。
【0028】
振動子101は、その厚み方向(中心軸100Cに直交する断面における短辺方向)に複数の圧電素子を積層接着した積層圧電素子120(図13、図14)からなり、各圧電素子の変形に応じて、縦1次共振振動と、ねじれ2次共振振動と、を発生する。積層圧電素子120は、ねじれ振動用圧電素子130である第1圧電素子131及び第2圧電素子132と、縦振動用圧電素子140である第3圧電素子141と、を備える。第3圧電素子141は、第1圧電素子131及び第2圧電素子132によって挟持され、これら3枚の圧電素子は、中心軸100Cに直交する断面における短辺方向に積層されている。
なお、図1、図2においては、各圧電素子及び駆動電極の図示を省略している。
【0029】
以下に、図5から図8を参照して、積層圧電素子120を構成するねじれ振動用圧電素子130(ねじれ圧電体)について説明する。ここで、図5は、ねじれ振動用圧電素子130の構成を示す、正面上方右側から見た斜視図である。図6(a)はねじれ振動用圧電素子130に駆動信号を印加したときの厚みすべり振動を示す、正面上方右側から見た斜視図、(b)は(a)の平面図(図6(a)のA方向から見た図)である。図7(a)はねじれ振動用圧電素子130に対して、図6の場合とは逆方向の駆動信号を印加したときの厚みすべり振動を示す、正面上方右側から見た斜視図、(b)は(a)の平面図(図7(a)のA方向から見た図)である。図8(a)はねじれ振動用圧電素子130に対して、交番電界を印加したときの厚みすべり振動を示す斜視図、(b)は(a)の平面図(図8(a)のA方向から見た図)である。
【0030】
図5に示すように、ねじれ振動用圧電素子130は、略直方体形状の圧電体である。ねじれ振動用圧電素子130には、その側面のうち正面に第1駆動電極130aを設け、正面に対向する背面に第2駆動電極130bを設けている。第1駆動電極130aと第2駆動電極130bは、超音波モータ100の外部の電源(不図示)にそれぞれ接続される。接続には、例えばFPC(flexible print circuit)を用い、各電極にFPCの一端を固着する。これにより、第1駆動電極130aと第2駆動電極130bを介してねじれ振動用圧電素子130に対して駆動信号が印加される。したがって、駆動電極への印加方向は、信号の電気極性に応じて、第1駆動電極130aから第2駆動電極130bへ、又は、第2駆動電極130bから第1駆動電極130aへ向かう方向となる。
【0031】
ねじれ振動用圧電素子130の分極方向P1は、駆動電極への印加方向に垂直であり、かつ、ねじれ振動用圧電素子130の上下方向に垂直な方向に設定する。ねじれ振動用圧電素子130は、後述するように、その上下方向をロータ102の中心軸100C(図1、図2)に垂直に一致させるように配置するため、ねじれ振動用圧電素子130の分極方向P1は、駆動電極への印加方向に垂直であり、かつ、ロータ102の中心軸100Cに垂直な方向となり、外部電極が楕円振動発生面101aに来ない構成となる。
【0032】
このような構成のねじれ振動用圧電素子130に対して直流の駆動信号を印加すると、ねじれ振動用圧電素子130は、図6又は図7に示すように厚みすべり振動する。具体的には、図6に示すように、外部の電源の−(マイナス)側を第1駆動電極130aに、+(プラス)側を第2駆動電極130bに、それぞれ接続すると、ねじれ振動用圧電素子130の正面及び背面が、各面に平行であって、かつ、互いに逆の方向に変形する。これに対して、図7に示すように、外部の電源の+側を第1駆動電極130aに、−側を第2駆動電極130bに、それぞれ接続すると、ねじれ振動用圧電素子130の正面及び背面は、図6に示す場合と逆の方向に変形する。
【0033】
また、ねじれ振動用圧電素子130に対して交番電界を印加すると、厚みすべり振動により、図8に示すように往復ずれ変形が起きる。
【0034】
したがって、第1駆動電極130aと第2駆動電極130bへ印加する信号に応じてねじれ振動用圧電素子130を厚みすべり振動させることができ、ねじれ振動用圧電素子130にはずれ変形が生ずる。
【0035】
次に、図9から図14を参照して、積層圧電素子120を構成する縦振動用圧電素子140(縦振動用圧電体)について説明する。ここで、図9(a)は、縦振動用圧電素子140の構成を示す、正面上方右側から見た斜視図、(b)は(a)の右側面図(図9(a)のB方向から見た図)である。図10(a)は縦振動用圧電素子140に駆動信号を印加したときの振動を示す、正面上方右側から見た斜視図、(b)は(a)の右側面図(図10(a)のB方向から見た図)である。図11(a)は縦振動用圧電素子140に対して、図10の場合とは逆方向の駆動信号を印加したときの縦振動を示す、正面上方右側から見た斜視図、(b)は(a)の右側面図(図11(a)のB方向から見た図)である。図12(a)は縦振動用圧電素子140に対して、交番電界を印加したときの縦振動を示す斜視図、(b)は(a)の右側面図(図12(a)のB方向から見た図)である。図13は、積層圧電素子120の構成を示す分解斜視図と、図3(d)に示すねじれ2次共振振動における振動状態を側面から見た図である。図14は、積層圧電素子120の構成を示す正面上方右側から見た斜視図である。
【0036】
図9に示すように、縦振動用圧電素子140は、略直方体形状の圧電体である。縦振動用圧電素子140には、その側面のうち正面に第1駆動電極140aを設け、正面に対向する背面に第2駆動電極140bを設けている。第1駆動電極140aと第2駆動電極140bは、超音波モータ100の外部の電源(不図示)にそれぞれ接続される。接続には、例えばFPCを用い、各電極にFPCの一端を固着する。これにより、第1駆動電極140aと第2駆動電極140bを介して縦振動用圧電素子140に対して駆動信号が印加される。したがって、駆動電極への印加方向は、信号の電気極性に応じて、第1駆動電極140aから第2駆動電極140bへ、又は、第2駆動電極140bから第1駆動電極140aへ向かう方向となる。
【0037】
縦振動用圧電素子140の分極方向P2は、駆動電極への印加方向に沿った方向である。縦振動用圧電素子140は、後述するように、その上下方向をロータ102の中心軸100C(図1、図2)に垂直に一致させるように配置するため、縦振動用圧電素子140の分極方向P2は、駆動電極への印加方向に沿った方向であり、かつ、ロータ102の中心軸100Cに垂直な方向となり、外部電極が楕円振動発生面101aに来ない構成となる。
【0038】
このような構成の縦振動用圧電素子140に対して駆動信号を印加すると、縦振動用圧電素子140は、図10又は図11に示すように縦振動する。具体的には、外部の電源の+と−の一方を第1駆動電極140aに、他方を第2駆動電極140bに、それぞれ接続すると、縦振動用圧電素子140は上下方向(図9から図11の上下方向)に伸び(図10)、第1駆動電極140aと第2駆動電極140bへの接続を入れ替えると、縦振動用圧電素子140は上下方向に縮む(図11)。
【0039】
また、縦振動用圧電素子140に対して交番電界を印加すると、縦振動により、図12に示すように往復縦変形が起きる。
【0040】
したがって、第1駆動電極140aと第2駆動電極140bへ印加する信号に応じて縦振動用圧電素子140を縦振動させることができる。
【0041】
以下、図13及び図14を参照しつつ、ねじれ2次共振振動を発生させる場合について説明する。積層圧電素子120は、厚み方向D1に沿って順に、第1圧電素子131、第3圧電素子141、第2圧電素子132を積層してなる。
【0042】
第1圧電素子131及び第2圧電素子132は、図5から図8に示すねじれ振動用圧電素子130と同様の構成であり、互いに同一の形状を備える。第1圧電素子131については、第1駆動電極131aがねじれ振動用圧電素子130の第1駆動電極130aに対応し、第2駆動電極131bがねじれ振動用圧電素子130の第2駆動電極130bに対応する。第2圧電素子132については、第1駆動電極132aがねじれ振動用圧電素子130の第1駆動電極130aに対応し、第2駆動電極132bがねじれ振動用圧電素子130の第2駆動電極130bに対応する。
【0043】
第2駆動電極131b及び第1駆動電極132aは全面電極であり、第1圧電素子131、第3圧電素子141、及び第2圧電素子132を積層したときに、第2駆動電極131bは第3圧電素子141の第1駆動電極141aに対向し、第1駆動電極132aは第3圧電素子141の第2駆動電極141bに対向する。第1駆動電極131a及び第2駆動電極132bは、第1圧電素子131、第3圧電素子141、及び第2圧電素子132を積層したときに、互いに対応する位置に配置される。
【0044】
第3圧電素子141は、図9から図12に示す縦振動用圧電素子140と同様の構成であり、第1圧電素子131及び第2圧電素子132と同一の外形形状を備える。第1駆動電極141aは、縦振動用圧電素子140の第1駆動電極140aに対応し、第2駆動電極141bは縦振動用圧電素子140の第2駆動電極140bに対応する。第1駆動電極141aと第2駆動電極141bは全面電極である。
【0045】
以下に、これまで述べた積層圧電素子120の構成についての考え方を述べる。積層圧電素子120は、図4に示す、ねじれ2次共振振動が生じるような条件を満たすように、短辺と長辺が構成されている。この結果、図13の右側に示すねじれ2次共振振動が生じることになる。図13の右側に示すねじれ2次共振振動150の振動状態を波線で示す。このねじれ2次共振振動150の振動状態の節及び腹の位置に対応するように、第1圧電素子131の第1駆動電極131a及び第2圧電素子132の第2駆動電極132bが配置されている。
【0046】
具体的には、図13に示すように、ねじれ2次共振振動150の節N11に対応するように第1圧電素子131の第1駆動電極131a及び第2圧電素子132の第2駆動電極132bの上端を配置し、ねじれ2次共振振動150の節N12に対応するように第1圧電素子131の第1駆動電極131a及び第2圧電素子132の第2駆動電極132bの下端を配置している。これにより、ねじれ2次共振振動150の腹に対応するように、ねじれ2次共振振動を発生させる第1駆動電極131a、第2駆動電極132bが配置される。このような構成により、ねじれの応力が最大になる位置がねじれの節になり、ねじれ2次共振振動が効率よく励起される。
【0047】
第1圧電素子131と第2圧電素子132には、印加方向が逆となるように、逆位相の駆動信号がそれぞれ印加され、これにより中心軸100Cをねじれ軸とするねじれ2次共振振動(図3(d))が生じる。このねじれ2次共振振動と、第3圧電素子141による縦1次共振振動(図3(c))と、の合成により、振動子101の高さ方向の両端面に楕円振動が発生する。したがって、摩擦接触部材103a、103bを介してロータ102に楕円振動が伝達される。
【0048】
以上の構成により、単一の部材からなり、構造が単純であり、溝部等が不要な振動子101を得ることができる。この振動子101を用いた超音波モータ100は、部品点数が少なくなり、製造が容易となるため、コストを低減することができる。さらに、超音波モータ100は、縦振動とねじれ振動を容易に励起することができ、縦振動とねじれ振動を合成することにより楕円振動を形成し、楕円振動によりロータ102を回転させることができる。
【0049】
なお、第1駆動電極131aと第2駆動電極132bは、同じ平面形状を備え、かつ、積層した積層圧電素子120において対応する位置に配置されていれば、図13、図14に示す以外の位置、面積、形状としてもよい。例えば、上端及び下端の一方又は両方が、ねじれ2次共振振動150の節N11、N12よりも内側にあってもよい。
【0050】
また、第2駆動電極131b、第1駆動電極141a、第2駆動電極141b、及び第1駆動電極132aからの電極の取り出しは、例えば、積層圧電素子120の上下面側に銀ペーストを塗布することによって行うことができる。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る超音波モータは、振動子101に用いる積層圧電素子220の構成が第1実施形態に係る積層圧電素子120と異なる。積層圧電素子220以外の構成は第1実施形態に係る超音波モータ100と同様であって、同じ部材については同じ参照符号を使用し、積層圧電素子220以外の構成についての詳細な説明は省略する。
【0052】
図15は、積層圧電素子220の構成を示す分解斜視図と、図3(d)に示すねじれ2次共振振動における振動状態を側面から見た図である。図16は、積層圧電素子220の構成を示す正面上方右側から見た斜視図である。
図15及び図16に示すように、積層圧電素子220は、厚み方向D2に沿って、第1圧電素子231及び第2圧電素子241を積層してなる。
【0053】
第1圧電素子231は、図5から図8に示すねじれ振動用圧電素子130と同様の構成を備える。第1駆動電極231aは、ねじれ振動用圧電素子130の第1駆動電極130aに対応し、第2駆動電極231bは、ねじれ振動用圧電素子130の第2駆動電極130bに対応する。
【0054】
第2圧電素子241は、図9から図12に示す縦振動用圧電素子140と同様の構成を備える。第1駆動電極241aは、縦振動用圧電素子140の第1駆動電極140aに対応し、第2駆動電極241bは、縦振動用圧電素子140の第2駆動電極140bに対応する。
【0055】
以下に、これまで述べた積層圧電素子220の構成についての考え方を述べる。積層圧電素子220は、図4に示す、ねじれ2次共振振動が生じるような条件を満たすように、短辺と長辺が構成されている。この結果、図15の右側に示すねじれ2次共振振動が生じることになる。図15の右側に示すねじれ2次共振振動250の振動状態を波線で示す。ねじれ2次共振振動250の振動状態の節及び腹の位置に対応するように第1圧電素子231の第1駆動電極231aが配置されている。
【0056】
具体的には、図15に示すように、ねじれ2次共振振動250の節N21に対応するように第1圧電素子231の第1駆動電極231aの上端を配置し、ねじれ2次共振振動250の節N22に対応するように第1駆動電極231aの下端を配置している。これにより、ねじれ2次共振振動250の腹に対応するように、第1駆動電極231aが配置される。
このような構成により、ねじれの応力が最大になる位置がねじれの節になり、ねじれ2次共振振動が効率よく励起される。
【0057】
第1実施形態の超音波モータでは、2つのねじれ振動用圧電素子131、132の間に、縦振動用の第3圧電素子141を配置したのに対して、第2実施形態の超音波モータでは、ねじれ振動用の第1圧電素子231と第2圧電素子241の2枚構成としている。このようにねじれ2次共振振動が発生するねじれ振動用圧電素子が1つであっても、第1実施形態と同じようなねじれ2次共振振動を発生させることができる。
【0058】
第1圧電素子231に駆動信号を印加すると、中心軸100Cをねじれ軸とするねじれ2次共振振動(図3(d))が生じる。このねじれ2次共振振動と、第2圧電素子241による縦1次共振振動(図3(c))と、の合成により、振動子101の高さ方向の両端面に楕円振動が発生する。したがって、摩擦接触部材103a、103bを介してロータ102に楕円振動が伝達される。
なお、その他の構成、作用、効果、変形例については、第1実施形態と同様である。
【0059】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る超音波モータは、振動子101に用いる積層圧電素子320の構成、及び、発生するねじれ共振振動がねじれ3次共振振動である点、が第1実施形態に係る積層圧電素子120と異なる。積層圧電素子320以外の構成は第1実施形態に係る超音波モータ100と同様であって、同じ部材については同じ参照符号を使用し、積層圧電素子320以外の構成についての詳細な説明は省略する。
【0060】
図17は、積層圧電素子320の構成を示す分解斜視図と、図3(e)に示すねじれ3次共振振動における振動状態を側面から見た図である。図18は、積層圧電素子320の構成を示す正面上方右側から見た斜視図である。
図17及び図18に示すように、積層圧電素子320は、厚み方向D3に沿って、第1圧電素子331、第3圧電素子341、第2圧電素子332を積層してなる。
【0061】
第1圧電素子331、332は、図5から図8に示すねじれ振動用圧電素子130と同様の構成を備える。第1圧電素子331においては、第1駆動電極331aがねじれ振動用圧電素子130の第1駆動電極130aに対応し、第2駆動電極331bがねじれ振動用圧電素子130の第2駆動電極130bに対応する。第2圧電素子332においては、第1駆動電極332aがねじれ振動用圧電素子130の第1駆動電極130aに対応し、第2駆動電極332bがねじれ振動用圧電素子130の第2駆動電極130bに対応する。
【0062】
第3圧電素子341は、図9から図12に示す縦振動用圧電素子140と同様の構成を備える。第1駆動電極341aは、縦振動用圧電素子140の第1駆動電極140aに対応し、第2駆動電極341bは縦振動用圧電素子140の第2駆動電極140bに対応する。
【0063】
以下に、積層圧電素子320の構成についての考え方を述べる。積層圧電素子320は、図4に示す、ねじれ3次共振振動(節N31、N32、N33)が生じるような条件を満たすように、短辺と長辺が構成されている。この結果、図17の右側に示すねじれ3次共振振動が生じることになる。図17の右側に示すねじれ3次共振振動350の振動状態を波線で示す。ねじれ3次共振振動350で示した振動状態の節及び腹の位置に対応するように第1圧電素子331の第1駆動電極331a及び第2圧電素子332の第2駆動電極332bがそれぞれ配置されている。
【0064】
具体的には、図17に示すように、節N31に対応するように、第1圧電素子331の第1駆動電極331a及び第2圧電素子332の第2駆動電極332bの上端を配置し、節N32に対応するように、第1圧電素子331の第1駆動電極331a及び第2圧電素子332の第2駆動電極332bの下端を配置している。これにより、ねじれ3次共振振動350の腹に対応するように、第1駆動電極331a及び第2駆動電極332bが配置される。
このような構成により、ねじれの応力が最大になる位置がねじれの節になり、ねじれ3次共振振動が効率よく励起される。
【0065】
第1圧電素子331、332に対して、印加方向が逆となるように逆位相の駆動信号をそれぞれ印加すると、中心軸100Cをねじれ軸とするねじれ3次共振振動(図3(e))が生じる。このねじれ3次共振振動と、第3圧電素子341による縦1次共振振動(図3(c))と、の合成により、振動子101の高さ方向の両端面に楕円振動が発生する。したがって、摩擦接触部材103a、103bを介してロータ102に楕円振動が伝達される。
なお、その他の構成、作用、効果、変形例については、第1実施形態と同様である。
【0066】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る超音波モータは、振動子101に用いる積層圧電素子420の構成が第1実施形態に係る積層圧電素子120と異なる。積層圧電素子420以外の構成は第1実施形態に係る超音波モータ100と同様であって、同じ部材については同じ参照符号を使用し、積層圧電素子420以外の構成についての詳細な説明は省略する。
【0067】
図19は、積層圧電素子420の構成を示す分解斜視図と、図3(e)に示すねじれ3次共振振動における振動状態を側面から見た図である。図20は、積層圧電素子420の構成を示す正面上方右側から見た斜視図である。
図19及び図20に示すように、積層圧電素子420は、厚み方向D4に沿って、第1圧電素子431及び第2圧電素子441を積層してなる。
【0068】
第1圧電素子431は、図5から図8に示すねじれ振動用圧電素子130と同様の構成を備える。第1駆動電極431aは、ねじれ振動用圧電素子130の第1駆動電極130aに対応し、第2駆動電極431bは、ねじれ振動用圧電素子130の第4駆動電極130bに対応する。
【0069】
第2圧電素子441は、図9から図12に示す縦振動用圧電素子140と同様の構成を備える。第1駆動電極441aは、縦振動用圧電素子140の第1駆動電極140aに対応し、第2駆動電極441bは、縦振動用圧電素子140の第4駆動電極140bに対応する。
【0070】
以下に、積層圧電素子420の構成についての考え方を述べる。積層圧電素子420は、図4に示す、ねじれ3次共振振動(節N41、N42、N43)が生じるような条件を満たすように、短辺と長辺が構成されている。この結果、図19の右側に示すねじれ3次共振振動が生じることになる。図19の右側に示すねじれ3次共振振動450の振動状態を波線で示す。ねじれ3次共振振動450の振動状態の節及び腹の位置に対応するように第1圧電素子431の第1駆動電極431aが配置されている。
【0071】
具体的には、図19に示すように、ねじれ3次共振振動450の節N41に対応するように第1圧電素子431の第1駆動電極431aの上端を配置し、ねじれ3次共振振動450の節N42に対応するように第1駆動電極431aの下端を配置している。これにより、ねじれ3次共振振動450の腹に対応するように、第1駆動電極431aが配置される。
このような構成により、ねじれの応力が最大になる位置がねじれの節になり、ねじれ3次共振振動が効率よく励起される。
【0072】
第3実施形態の超音波モータでは、2つのねじれ振動用の第1圧電素子331、332の間に、縦振動用の第3圧電素子341を配置したのに対して、第4実施形態の超音波モータでは、ねじれ振動用の第1圧電素子431と第2圧電素子441の2枚構成としている。このようにねじれ3次共振振動が発生するねじれ振動用圧電素子が1つであっても、第3実施形態と同じようなねじれ3次共振振動を発生させることができる。
【0073】
第1圧電素子431に駆動信号を印加すると、中心軸100Cをねじれ軸とするねじれ3次共振振動(図3(e))が生じる。このねじれ3次共振振動と、第2圧電素子441による縦1次共振振動(図3(c))と、の合成により、振動子101の高さ方向の両端面に楕円振動が発生する。したがって、摩擦接触部材103a、103bを介してロータ102に楕円振動が伝達される。
なお、その他の構成、作用、効果、変形例については、第1実施形態と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明に係る超音波モータは、振動とねじれ振動を合成することにより楕円振動を形成し、楕円振動によりロータを回転させる超音波モータに適している。
【符号の説明】
【0075】
100 超音波モータ
100C 中心軸(回転軸)
101 振動子
101a 楕円振動発生面
101f 長辺
101s 短辺
102 ロータ
103a、103b 摩擦接触部材
105 シャフト
107 ベアリング
108 押圧バネ
109 バネ押さえリング
110 ホルダ
111 シャフト固定リング
120 積層圧電素子
130 ねじれ振動用圧電素子
130a 第1駆動電極
130b 第2駆動電極
131 第1圧電素子
131a 第1駆動電極
131b 第2駆動電極
132 第2圧電素子
132a 第1駆動電極
132b 第2駆動電極
140 縦振動用圧電素子
140a 第1駆動電極
140b 第2駆動電極
141 第3圧電素子
141a 第1駆動電極
141b 第2駆動電極
150 ねじれ2次共振振動
220 積層圧電素子
231 第1圧電素子
231a 第1駆動電極
231b 第2駆動電極
241 第2圧電素子
241a 第1駆動電極
241b 第2駆動電極
250 ねじれ2次共振振動
320 積層圧電素子
331 第1圧電素子
331a 第1駆動電極
331b 第2駆動電極
332 第2圧電素子
332a 第1駆動電極
332b 第2駆動電極
341 第3圧電素子
341a 第1駆動電極
341b 第2駆動電極
350 ねじれ3次共振振動
420 積層圧電素子
431 第1圧電素子
431a 第1駆動電極
431b 第2駆動電極
441 第2圧電素子
441a 第1駆動電極
441b 第2駆動電極
450 ねじれ2次共振振動
N11、N12、N21、N22 節
N31、N32、N33、N41、N42、N43 節

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸に垂直な断面が矩形状の長さ比率を有する振動子と、前記振動子の楕円振動発生面に接して前記振動子の前記楕円振動発生面と直交する前記中心軸を回転軸として回転駆動されるロータと、を少なくとも備えた超音波モータであって、
前記振動子の前記回転軸方向に伸縮する縦1次共振振動と、前記回転軸をねじれ軸とするねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動とを合成することにより、前記楕円振動を形成してなり、
前記振動子の前記回転軸方向に伸縮する縦1次共振振動と、前記回転軸をねじれ軸とするねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動と、の共振周波数がほぼ一致するように、前記振動子の前記矩形状の長さ比率を設定し、
前記振動子は、前記ねじれ2次共振振動又は前記ねじれ3次共振振動を発生させる少なくとも1つのねじれ圧電体と、少なくとも縦1次共振振動を発生させる縦振動用圧電体とを前記断面の短辺方向に積層した構造を備えることを特徴とする超音波モータ。
【請求項2】
前記ねじれ圧電体に前記ねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動を発生させる電極は、前記ねじれ2次共振振動又はねじれ3次共振振動の腹位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
【請求項3】
前記ねじれ圧電体の分極方向は、前記ロータの回転軸に垂直であり、かつ、駆動電極への印加方向に垂直であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波モータ。
【請求項4】
前記振動子は、1枚の前記ねじれ圧電体と1枚の前記縦振動用圧電体を、前記断面の短辺方向に積層した構造を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超音波モータ。
【請求項5】
前記振動子は、1枚の前記縦振動用圧電体を2枚の前記ねじれ圧電体で挟持した構造を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超音波モータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate