説明

超音波式流体計測装置

【課題】計測精度を向上できる超音波式流体計測装置を提供する。
【解決手段】超音波式流体計測装置10は、第1〜第3の超音波計測部16〜18が、それぞれ計測流路14に設けられた第1送受波器16A〜18Aおよび第2送受波器16B〜18Bを有するとともに、第1送受波器16A〜18Aおよび第2送受波器16B〜18Bを結ぶ第1〜第3の超音波伝搬路36〜38が計測流路14を流れる流体24の通過方向に対して異なる角度で交差するものである。この超音波式流体計測装置10は、流量Qに対応して、第1〜第3の超音波計測部16〜18のうちのいずれかの計測値を採用するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波計測部の第1送受波器および第2送受波器が計測流路に設けられ、この超音波計測部で計測流路内を流れる流体の流速を計測する超音波式流体計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波式流体計測装置は、計測流路に流体を流し、計測流路内に超音波を伝搬させて、超音波の伝搬時間を計測し、計測した情報に基づいて流体の流速を求めるものである。
この計測流路は、断面長方形の角筒形状で対向する短辺側面にそれぞれ送波部、受波部が設けられている。
【0003】
送波部、受波部は計測流路の流れ方向に対して所定の角度で交差する線に沿って超音波を送受するように配置されている。
そして、近年では、計測精度を向上させるために、計測流路に複数の隔壁を並行に配置することにより、計測流路を多層流路とした超音波式流体計測装置が提案されている。
【0004】
また、近年では、計測用流路に複数の超音波計測部(第1送受波器および第2送受波器)を配置して複数の計測値を得、これらの計測値を基に求めた平均値を最終計測値とする超音波流量計が提案されている(特許文献1)。
特許文献1は、各超音波計測部の計測路の角度が異なる。
【特許文献1】特開2002−257607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した特許文献1の技術では、三つの超音波計測部のうち、どれかは高精度の計測値であるにも拘わらず、低精度な2つの計測値との平均値を最終的な計測値とするので、かえって計測精度が低くなる。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、計測精度を向上できる超音波式流体計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の超音波式流体計測装置は、断面矩形の角筒状に形成された計測流路と、前記計測流路に設けられた第1超音波計測部および第2超音波計測部とを備え、前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部が、それぞれ前記計測流路に設けられた第1送受波器および第2送受波器を有するとともに、前記第1送受波器および前記第2送受波器を結ぶ第1超音波伝搬路および第2超音波伝搬路が前記計測流路を流れる前記流体の通過方向に対して異なる角度で交差する超音波式流体計測装置であって、前記流体の流量に対応して、前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部のうちのいずれかの計測値を採用することを特徴とする。
【0008】
第1超音波計測部の第1超音波伝搬路や第2超音波計測部の第2超音波伝搬路を、計測流路を流れる流体の通過方向に対して異なる角度で交差させて、第1超音波計測部および第2超音波計測部のうちのいずれかの計測値を流量に対応させて採用するようにした。
これにより、流体の流量に応じて最適の計測値を選択的に採用することが可能になり高精度の計測値が得られる。
【0009】
さらに、本発明は、前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部のうちの前記流量に適した一方の計測値を採用することを特徴とする。
このような本発明においては、第1超音波計測部の計測値あるいは第2超音波計測部の計測値のうち、実際の流量に適した方の計測値を採用するため、流体の流速を高精度に計測できることになる。
【0010】
また、本発明は、前記各超音波伝搬路に対して略平行となるように前記計測流路に収容された複数の仕切板により、前記計測流路内に複数の扁平流路が積層形成され、前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部が前記仕切板により区画されていることを特徴とする。
【0011】
第1超音波計測部および第2超音波計測部を仕切板で区画することで一層高い計測精度が得られる。
【0012】
さらに、本発明は、前記第1超音波伝搬路の伝搬路中央および前記第2超音波伝搬路の伝搬路中央が、前記仕切板の厚み方向に沿って見たときに重なるように前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部が配置されていることを特徴とする。
【0013】
第1超音波伝搬路の伝搬路中央および第2超音波伝搬路の伝搬路中央を、仕切板の厚み方向に沿って見たときに重ならせることで、第1超音波計測部および第2超音波計測部を近接させて配置することが可能になる。
これにより、第1超音波計測部および第2超音波計測部を比較的小さな空間に配置することが可能になり、省スペースが図れる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の超音波式流体計測装置によれば、流体の流量に適した超音波伝搬路を選択することで、流体の流量に応じて最適の計測値が得られ計測精度を向上できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る超音波式流体計測装置について、図面を参照して説明する。
図1、図2、図3に示すように、第1実施形態に係る超音波式流体計測装置10は、左右の鉛直流路12,13および計測流路14で略U字状に形成された流体路11と、計測流路14に設けられた第1の超音波計測部16、第2の超音波計測部17、第3の超音波計測部18と、計測流路14に収容された複数の仕切板としての第1仕切板21,第2仕切板22とを備え、流体24の流量Qに対応して、第1の超音波計測部16、第2の超音波計測部17、第3の超音波計測部18のうちのいずれかの計測値を採用するものである。
【0016】
流体路11は、左鉛直流路12に遮断弁26を備え、計測流路14に第1仕切板21,第2仕切板22が上下の壁部14A,14Bに沿って一定間隔で設けられている。
計測流路14は、上下の壁部14A,14Bおよび左右の側壁14C,14Dで断面矩形の角筒状に形成されている。この計測流路14内に第1仕切板21,第2仕切板22を一定間隔で上下の壁部14A,14Bに対して平行に収容することで、計測流路14内に、複数の扁平流路として第1の扁平流路31、第2の扁平流路32、第3の扁平流路33が積層形成されている。
第1の扁平流路31、第2の扁平流路32、第3の扁平流路33は、それぞれの断面形状が略矩形状に形成されている。
【0017】
流体路11は、遮断弁26を想像線で示す閉位置から実線で示す開位置まで開くことにより、左鉛直流路12から計測流路14を経て右鉛直流路13に流体(例えば、天然ガス、液化石油ガス)24が矢印のように流れる。
【0018】
第1超音波計測部16は、図3(A)に示すように、第1扁平流路31に設けられている。具体的には、第1超音波計測部16は、右側壁14Dに設けられた第1送受波器16Aと、左側壁14Cに設けられた第2送受波器16Bとを有し、第1送受波器16Aが第2送受波器16Bの上流側に配置されている。
【0019】
第1超音波計測部16、すなわち、第1送受波器16Aおよび第2送受波器16Bは、演算部35に接続されている。
第1送受波器16Aおよび第2送受波器16Bを結ぶ第1超音波伝搬路36は、第1仕切板21に対して平行に、かつ計測流路14を流れる流体24の通過方向(矢印で示す方向)に対して傾斜角度θ1で交差するように設定されたZパスである。
【0020】
計測流路14に流体24を流した状態において、第1送受波器16Aから第2送受波器16Bに超音波を伝搬させるとともに、第2送受波器16Bから第1送受波器16Aに超音波を伝搬させて、超音波の伝搬時間を演算部35で計測し、計測した情報に基づいて流体の流速を求める。
【0021】
第2超音波計測部17は、図3(B)に示すように、第2扁平流路32に設けられている。具体的には、第2超音波計測部17は、右側壁14Dに設けられた第1送受波器17Aと、左側壁14Cに設けられた第2送受波器17Bとを有し、第1送受波器17Aが第2送受波器17Bの上流側に配置されている。
【0022】
第2超音波計測部17、すなわち、第1送受波器17Aおよび第2送受波器17Bは、演算部35に接続されている。
第1送受波器17Aおよび第2送受波器17Bを結ぶ第2超音波伝搬路37は、第1、第2仕切板21,22に対して平行に、かつ計測流路14を流れる流体24の通過方向(矢印で示す方向)に対して傾斜角度θ2で交差するように設定されたZパスである。
【0023】
計測流路14に流体24を流した状態において、第1送受波器17Aから第2送受波器17Bに超音波を伝搬させるとともに、第2送受波器17Bから第1送受波器17Aに超音波を伝搬させて、超音波の伝搬時間を演算部35で計測し、計測した情報に基づいて流体の流速を求める。
【0024】
第3超音波計測部18は、図3(C)に示すように、第3扁平流路33に設けられている。具体的には、第3超音波計測部18は、右側壁14Dに設けられた第1送受波器18Aと、左側壁14Cに設けられた第2送受波器18Bとを有し、第1送受波器18Aが第2送受波器18Bの上流側に配置されている。
【0025】
第3超音波計測部18、すなわち第1送受波器18Aおよび第2送受波器18Bは、演
算部35に接続されている。
第1送受波器18Aおよび第2送受波器18Bを結ぶ第3超音波伝搬路38は、第2仕切板22に対して平行に、かつ計測流路14を流れる流体24の通過方向(矢印で示す方向)に対して傾斜角度θ3で交差するように設定されたZパスである。
【0026】
計測流路14に流体24を流した状態において、第1送受波器18Aから第2送受波器18Bに超音波を伝搬させるとともに、第2送受波器18Bから第1送受波器18Aに超音波を伝搬させて、超音波の伝搬時間を演算部35で計測し、計測した情報に基づいて流体の流速を求める。
【0027】
ここで、第1超音波計測部16と第2超音波計測部17とは第1仕切板21により区画されている。また、第2超音波計測部17と第3超音波計測部18とは第2仕切板22により区画されている。
このように、第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18を第1仕切板21,第2仕切板22で区画することで一層高い計測精度が得られる。
【0028】
第1超音波伝搬路36の傾斜角度θ1、第2超音波伝搬路37の傾斜角度θ2、第3超音波伝搬路38の傾斜角度θ3は、θ1<θ2<θ3の関係が成立する。
傾斜角度θ1、θ2、θ3は0〜90°の傾斜角である。傾斜角度θ1は0°側に近い小さな傾斜角、傾斜角度θ2は中程度の傾斜角、傾斜角度θ3は90°側に近い大きな傾斜角に設定されている。
すなわち、第1の超音波伝搬路36、第2の超音波伝搬路37、第3の超音波伝搬路38は、計測流路14を流れる流体24の通過方向に対してそれぞれ異なる角度θ1,θ2,θ3で交差するように設定されている。
【0029】
さらに、第1の超音波伝搬路36、第2の超音波伝搬路37、第3の超音波伝搬路38は、第1の超音波伝搬路36、第2の超音波伝搬路37、第3の超音波伝搬路38の各伝搬路中央36A、17A、38Aが、第1仕切板21,第2仕切板22の厚み方向に沿って見たときに重なるように配置されている。
よって、第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18を近接させて配置することが可能になる。
これにより、第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18を比較的小さな空間に配置することが可能になり、省スペースが図れる。
【0030】
つぎに、超音波式流体計測装置10に第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18を備えた理由を図4に基づいて説明する。
第1超音波計測部16は、第1超音波伝搬路36が0°側に近い小さな傾斜角度θ1に設定されている。
この第1超音波計測部16は、計測流路14を流れる流体24が小流量Q1の場合において、流体24の流速を好適に計測することが可能である。
【0031】
具体的には、第1超音波計測部16は、小流量Q1のうち、流量Q1Aにおいて流体24の流速を高精度に計測することが可能であり、流量Q1Bにおいて流体24の流速をある程度精度良く計測することが可能である。
流量Q1Aと流量Q1Bとはしきい値S1で仕切られる。
【0032】
第2超音波計測部17は、第2超音波伝搬路37が中程度の傾斜角度θ2に設定されている。
この第2超音波計測部17は、計測流路14を流れる流体24が中流量Q2の場合において、流体24の流速を好適に計測することが可能である。
【0033】
具体的には、第2超音波計測部17は、中流量Q2のうち、流量Q2Aにおいて流体24の流速をある程度精度良く計測することが可能であり、流量Q2Bにおいて流体24の流速を高精度に計測することが可能であり、流量Q2Cにおいて流体24の流速をある程度精度良く計測することが可能である。
流量Q2Aと流量Q2Bとはしきい値S1で仕切られ、流量Q2Bと流量Q2Cとはしきい値S2で仕切られる。
【0034】
第3超音波計測部18は、第3超音波伝搬路38が90°側に近い大きな傾斜角度θ3に設定されている。
この第3超音波計測部18は、計測流路14を流れる流体24が大流量Q3の場合において、流体24の流速を好適に計測することが可能である。
【0035】
具体的には、第3超音波計測部18は、大流量Q3のうち、流量Q3Aにおいて流体24の流速をある程度精度良く計測することが可能であり、流量Q3Bにおいて流体24の流速を高精度に計測することが可能である。
流量Q3Aと流量Q3Bとはしきい値S2で仕切られる。
【0036】
超音波式流体計測装置10は、計測流路14を流れる流体24がしきい値S1未満の場合に、第1超音波計測部で流体24の流速を計測するように切り換え可能に構成されている。
また、超音波式流体計測装置10は、計測流路14を流れる流体24がしきい値S1以上でしきい値S2未満の場合に、第2超音波計測部で流体24の流速を計測するように切り換え可能に構成されている。
さらに、超音波式流体計測装置10は、計測流路14を流れる流体24がしきい値S2以上の場合に、第3超音波計測部で流体24の流速を計測するように切り換えるように構成されている。
【0037】
よって、超音波式流体計測装置10は、第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18のうちから、流体24の流量Qに適した超音波計測部を選択し(切換え)、選択した超音波計測部で流体24の流速を計測することができる。
これにより、計測流路14の流量Qを、小流量Q1、中流量Q2および大流量Q3の全域において高精度に流速を計測することができる。
【0038】
なお、しきい値S1において、第1超音波計測部16と第2超音波計測部17とを単純に切り換え、しきい値S2において、第2超音波計測部17と第3超音波計測部18とを単純に切り換えると、流量Qがしきい値S1,S2近傍の場合に、各超音波計測部16〜18が頻繁に切り換わる(チャタリングが発生する)ことが考えられる。
そこで、各しきい値S1,S1にヒステリシスを設けることで、しきい値S1,S2近傍において第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18が頻繁に切り換わることを防止することが可能である。
【0039】
つぎに、第1実施形態の超音波式流体計測装置10の作用を図4に基づいて説明する。
計測流路14を流れる流体24の流量Qを流量検出部(図示せず)で検出し、検出した情報を演算部35に伝える。
演算部35は、伝えられた流量Qが、しきい値S1未満(すなわち、Q<S1)、しきい値S1以上でしきい値S2未満(S1≦Q<S2)、またはしきい値S2以上(S2≦Q)のいずれに該当するかを判断する。
【0040】
求めた流量QがQ<S1の場合、第1超音波計測部16で流速を計測するように回路を切り換える。第1超音波計測部16は、Q<S1の小流量Q1Aにおいて流速を高精度に計測することが可能である。
よって、第1超音波計測部16で流量Qを精度良く計測し、高精度の計測値を得ることができる。
【0041】
流量QがS1≦Q<S2に変更した場合、第2超音波計測部17で流速を計測するように回路を切り換える。第2超音波計測部17は、S1≦Q<S2の中流量Q2Bにおいて流速を高精度に計測することが可能である。
よって、第2超音波計測部17で流量Qを精度良く計測し、高精度の計測値を得ることができる。
【0042】
流量QがS2≦Qに変更した場合、第3超音波計測部18で流速を計測するように回路を切り換える。第3超音波計測部18は、S2≦Qの大流量流量Q3Bにおいて流速を高精度に計測することが可能である。
よって、第3超音波計測部18で流量Qを精度良く計測し、高精度の計測値を得ることができる。
なお、本実施形態では、第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18は第1仕切板21,第2仕切板22に対してそれぞれ平行に設定したが、これに限定されるものではなく、第1の超音波伝搬路36、第2の超音波伝搬路37、第3の超音波伝搬路38を第1仕切板21,第2仕切板22に対して沿うように設定してもよい。
【0043】
つぎに、第2実施形態、第3実施形態の超音波式流体計測装置を図5、図6に基づいて説明する。なお、第2実施形態、第3実施形態において第1実施形態の超音波式流体計測装置10と同一構成部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0044】
(第2実施形態)
図5に示す第2実施形態の超音波式流体計測装置50は、第1実施形態の計測流路14から第1仕切板21,第2仕切板22を除去して計測流路14を単層としたもので、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0045】
第2実施形態の超音波式流体計測装置50によれば、計測流路14から第1仕切板21,第2仕切板22を除去することで構成の簡素化を図ることができる。
加えて、第2実施形態の超音波式流体計測装置50によれば、第1実施形態の超音波式流体計測装置10と同様の効果を得ることができる。
【0046】
(第3実施形態)
図6に示す第2実施形態の超音波式流体計測装置60は、第1の超音波伝搬路36、第2の超音波伝搬路37、第3の超音波伝搬路38の各伝搬路中央36A〜38Aが、第1仕切板21,第2仕切板22の厚み方向に沿って見たときに重ならないように第1の超音波計測部16,第2の超音波計測部17、第3の超音波計測部18を配置したもので、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0047】
第3実施形態の超音波式流体計測装置60によれば、第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18の超音波伝搬路36、37、38を重ならせる必要がないので、第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18を配置する空間を大きく確保できる場合には、第1超音波計測部16、第2超音波計測部17、第3超音波計測部18のレイアウトを決定する際の自由度を高めることができる。
加えて、第2実施形態の超音波式流体計測装置50によれば、第1実施形態の超音波式流体計測装置10と同様の効果を得ることができる。
【0048】
なお、前記実施形態では、第1送受波器17および第2送受波器18間の超音波伝搬路19をZパスに対応させた例について説明したが、これに限らないで、超音波伝搬路19を、いわゆるVパス、Wパスに対応することも可能である。
【0049】
また、前記実施形態で例示した計測流路14等の形状や構成は、これに限定するものではなく、適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、計測流路内を流れる天然ガス、液化石油ガス、空気、水等流体の流速を計測する超音波式流体計測装置への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る超音波式流体計測装置(第1実施形態)を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に係る超音波式流体計測装置を示す斜視図である。
【図3】(A)は図1のA−A線断面図、(B)は図1のB−B線断面図、(C)は図1のC−C線断面図である。
【図4】第1実施形態に係る第1〜第3の超音波計測部の特性を説明する図である。
【図5】本発明に係る超音波式流体計測装置(第2実施形態)を示す断面図である。
【図6】本発明に係る超音波式流体計測装置(第3実施形態)を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
10,50,60 超音波式流体計測装置
14 計測流路
16 第1超音波計測部
16A,17A,18A 第1送受波器
16B,17B,18B 第2送受波器
17 第2超音波計測部
18 第3超音波計測部
36 第1超音波伝搬路
36A 第1超音波伝搬路の伝搬路中央
37 第2超音波伝搬路
37A 第2超音波伝搬路の伝搬路中央
38 第3超音波伝搬路
38A 第3超音波伝搬路の伝搬路中央
21 第1仕切板(仕切板)
22 第2仕切板(仕切板)
31 第1扁平流路(扁平流路)
32 第2扁平流路(扁平流路)
33 第3扁平流路(扁平流路)
Q 流量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面矩形の角筒状に形成された計測流路と、
前記計測流路に設けられた第1超音波計測部および第2超音波計測部とを備え、
前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部が、それぞれ前記計測流路に設けられた第1送受波器および第2送受波器を有するとともに、
前記第1送受波器および前記第2送受波器を結ぶ第1超音波伝搬路および第2超音波伝搬路が前記計測流路を流れる前記流体の通過方向に対して異なる角度で交差する超音波式流体計測装置であって、
前記流体の流量に対応して、前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部のうちのいずれかの計測値を採用することを特徴とする超音波式流体計測装置。
【請求項2】
前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部のうちの前記流量に適した一方の計測値を採用することを特徴とする請求項1に記載の超音波式流体計測装置。
【請求項3】
前記各超音波伝搬路に対して略平行となるように前記計測流路に収容された複数の仕切板により、前記計測流路内に複数の扁平流路が積層形成され、
前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部が前記仕切板により区画されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波式流体計測装置。
【請求項4】
前記第1超音波伝搬路の伝搬路中央および前記第2超音波伝搬路の伝搬路中央が、前記仕切板の厚み方向に沿って見たときに重なるように前記第1超音波計測部および前記第2超音波計測部が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の超音波式流体計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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