説明

超音波診断装置、超音波断層像処理装置、及び超音波診断プログラム

【課題】操作者の指定した条件に合わせてサムネイル画像を分類し表示する超音波診断装置を提供する。
【解決手段】被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて超音波断層像を生成する超音波断層像生成手段001と、超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶する記憶手段002と、記憶手段002に記憶されている超音波断層像を縮小したサムネイル画像に変換するサムネイル画像作成手段004と、入力手段007から指定された画像種別に該当する超音波断層像のサムネイル画像を画像種別毎に1群として抽出する抽出手段003と、抽出された群毎にサムネイル画像を表示手段008に表示させる表示制御手段005とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波断層像を縮小したサムネイル画像を複数配列して表示する超音波診断装置、超音波断層像処理装置、及び超音波診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置では、被検体に超音波を走査して生成した超音波断層像をモニタに表示させる。そして、この超音波断層像は次々と生成され、モニタに表示されるとともに、揮発性の記憶媒体であるシネメモリに画像を次々に記憶している。しかし、シネメモリは容量が小さいため、静止画像及び動画像を含めた及び動画を含めた超音波画像がシネメモリの容量分に達すると、記憶している最も古い画像上に最新の画像を上書きする。そこで、操作者又はユーザは保存しておきたい超音波断層像がある場合には、ハードディスク等の主記憶装置にシネメモリに記憶された超音波断層像を保存しておく必要がある。
【0003】
また、3D画像や4D画像を生成する場合、3D画像の生成には3D制御用に作った超音波プローブを、4D画像の生成には4D制御用に作った超音波プローブを使用していたが、近年1つの超音波プローブで3D画像及び4D画像ともに生成可能な超音波プローブが提供されてきている。このような超音波プローブを使用した場合、3D画像と4D画像が混在した状態で時系列で画像が並ぶことになる。
【0004】
そして従来、撮影終了後に保存した超音波断層像を参照して診断する場合、ハードディスクに記憶された超音波断層像の画素を減らすなどして縮小化したサムネイル画像を時系列に表示する超音波診断装置(例えば、特許文献1参照。)や、ハードディスクに記憶された全体のサムネイル画像群を一連の関係するサムネイル画像の群にグループ分けして、グループ分けした群毎に表示する超音波診断装置(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。さらに、これらのサムネイル画像にどのような画像種別化を判別するための情報が添付されている超音波診断装置もある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−57356号公報
【特許文献2】特開2006−14989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のように時系列にサムネイル画像を並べて表示すると、サムネイル画像の表示領域が小さく多数の画像が保存されている場合などは診断最初のころに保存した画像のサムネイル画像が表示領域外に移動してしまい、関連性のあるサムネイル画像を検索することは困難であった。また、特許文献2の超音波画像診断装置では、どの超音波撮影における超音波断層像であるかといった特定や、超音波断層像が治療前のものか治療後のものかなどの特定はできるが、前述の3D画像や4D画像が混在する場合なと様々な画像種別の超音波断層像のサムネイル画像が並んで表示されていときに、操作者が必要とする画像種別のサムネイル画像を検索することは困難である。
【0007】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、操作者の指定した条件に合わせてサムネイル画像を分類し表示する超音波診断装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の超音波診断装置は、被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて超音波断層像を生成する超音波断層像生成手段と、前記超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記超音波断層像を縮小したサムネイル画像に変換するサムネイル画像作成手段と、入力手段から指定された前記画像種別に該当する前記超音波断層像の前記サムネイル画像を画像種別毎に1群として抽出する抽出手段と、前記抽出された群毎に前記サムネイル画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に記載の超音波診断装置は、被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて超音波断層像を生成する超音波断層像生成手段と、前記超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記超音波断層像を縮小したサムネイル画像に変換するサムネイル画像作成手段と、前記超音波断層像を形成する前の前記データが存在する前記超音波断層像の前記サムネイル画像の群と、前記超音波断層像を形成する前の前記データが存在しない前記超音波断層像の前記サムネイル画像の群とに分けて抽出する抽出手段と、前記抽出された群毎に前記サムネイル画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項6に記載の超音波断層像処理装置は、被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて生成された超音波断層像を外部から受けて、前記超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記超音波断層像を縮小したサムネイル画像に変換するサムネイル画像作成手段と、入力手段から指定された前記画像種別に該当する前記超音波断層像の前記サムネイル画像を画像種別毎に1群として抽出する抽出手段と、前記抽出された群毎に前記サムネイル画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7に記載の超音波診断プログラムは、コンピュータに、被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて生成された超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶手段へ記憶させ、記憶されている前記超音波断層像の縮小したサムネイル画像への変換を実行させ、入力手段から指定された前記画像種別に該当する前記超音波断層像の前記サムネイル画像を画像種別毎に1群として抽出させ、前記抽出された群毎の前記サムネイル画像の表示手段への表示を実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の超音波診断装置、請求項6に記載の超音波断層像処理装置、又は請求項7に記載の超音波診断プログラムによると、操作者の指定した条件に合った画像種別を有する超音波断層像のサムネイル画像を、画像種別毎に表示することができる。これにより、ユーザ又は操作者は表示手段のサムネイル画像表示領域に並んで表示されているサムネイル画像の中から必要とする画像を容易に検索することが可能となる。
【0013】
請求項5に記載の超音波診断装置によると、画像化する前のデータの有無によって、サムネイル画像を分けて表示させることができる。これにより、ユーザ又は操作者は、表示されているサムネイル画像から、その超音波断層像が画像を再構成して精査するために使用できるデータを有するか否かを容易に判断することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔第1の実施形態〕
以下、この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。図1は本発明に係る超音波診断装置の機能を表すブロック図である。ここで、図1に示す、超音波断層像生成手段001、抽出手段003、サムネイル画像作成手段004、表示制御手段005、及び実行制御手段009はCPU及びその動作を規定するプログラムで構成されている。また、ユーザインタフェース006には、マウスやキーボードを含む入力手段007及び、モニタなどの表示手段008が備えられている。さらに、本発明に係る超音波診断装置は、超音波断層像を生成する画像生成モードと、記憶手段002に記憶された超音波断層像及びサムネイル画像に表示する画像観察モードを有する。
【0015】
(画像生成モード)
ユーザ又は操作者は、超音波断層像の作成前に、ここで、アプリケーションの種類として、心臓などの対象部位に圧力を掛けてその動きを確認するストレスエコー、コントラスト剤が血流に沿って流動する様子を確認するコントラストエコー、心臓の内壁の動きなどを確認するためのトラッキングエコーといった検査方法、及びBモード画像、Mモード画像、又はカラードプラなどといった超音波断層像の生成モードのうち、どの検査方法及びどの生成モードを使用するかを入力手段007を用いて入力する。また、ユーザ又は操作者は、被検体を走査している最中に順次表示手段008に表示される生成された超音波断層像のうち保存しておきたい超音波断層像を入力手段007を使用して指定する。さらに、ユーザ又は操作者は、保存させる超音波断層像に対応した画像化される前のデータ(以下、「Rawデータ」という。これに対し、画像化されたデータを以下、「Clipデータ」という。)を残しておきたい場合には、入力手段007を使用してRawデータを残す命令も保存する画像の指定と同時に入力する。
【0016】
超音波断層像生成手段001は、超音波プローブ、送受信回路、及び画像処理回路で構成される。そして、超音波断層像生成手段001は、入力された検査方法及び生成モードに基づいて、超音波プローブを介して超音波ビームにより被検体を走査しその反射波である超音波エコーを送受信回路で受けて得られたRawデータを基に画像処理回路で超音波断層像を生成する。超音波断層像生成手段001は、実行制御手段009からの命令を受けて、ユーザ又は操作者により指定された超音波断層像をハードディスクなどの記憶手段002に保存していく。また、ユーザ又は操作者により入力された保存した画像のRawデータを残す命令を実行制御手段009から受けている場合には、保存した画像に対応したRawデータも記憶手段002に記憶させる。
【0017】
さらに、超音波断層像生成手段001は、Rawデータの存否、静止画又は動画、重要と指定された画像、検査方法の種類、超音波断層像の生成モードの種類、使用した超音波プローブの種類といった保存した画像の画像種別と保存した画像とを対応付けた対応テーブルを記憶手段002に記憶させる。
【0018】
ここで、画像化する前のデータの有無及び、重要と指定された画像かどうかなどの画像種別は、ユーザ又は操作者により保存の命令が入力されるときに同時に、超音波断層像生成手段001に送られるので、超音波断層像作成手段001は保存する画像に対応させて入力された情報を画像種別として対応テーブルに書き込む。また、検査方法及び超音波断層像の生成モードは超音波断層像の生成前にユーザ又は操作者により入力されているので、超音波断層像生成手段001はその情報を画像種別として保存する画像に対応させて対応テーブルに書き込む。さらに、被検体を走査するときに使用した超音波プローブの種類及び、静止画又は動画のどちらを撮影したかという画像種別は、被検体の走査を行った超音波断層像生成手段001が記憶しているので、超音波断層像生成手段001はその情報を画像種別として保存する画像に対応させて対応テーブルに書き込む。
【0019】
表示制御手段005は、超音波断層像生成手段001が生成した画像を順次表示手段008に表示させていく。
【0020】
(画像観察モード)
図2は第1の実施形態に係る超音波診断装置の画像観察モードにおける画像表示画面の図である。図2に示される画面は表示手段008に表示される。
【0021】
ユーザ又は操作者は、ユーザインタフェース006を用いて、抽出条件として画像種別を指定する。さらに、ユーザ又は操作者は、指定した画像種別で抽出したサムネイル画像を表示させる表示手段008内の表示領域をユーザインタフェース006を用いて指定する。また、ユーザ又は操作者は参照したい超音波断層画像があるときは、該超音波断層像をユーザインタフェース006を用いて指定する。以下では、ユーザ又は操作者によりRawデータが存在する超音波断層像という画像種別及びClipデータのみの超音波断層像という画像種別が指定され、さらにRawデータが存在する超音波断層像のサムネイル画像を図2に示す太枠で囲まれた上段の表示領域202に、Clipデータのみの超音波断層像のサムネイル画像を図2に示す太枠で囲まれた下段の表示領域203に表示するよう指定した場合で説明する。
【0022】
サムネイル画像作成手段004は、記憶手段002に記憶されている超音波断層像を縮小しサムネイル画像を作成する。さらに、サムネイル画像作成手段004は、作成したサムネイル画像を記憶手段002に記憶させる。
【0023】
抽出手段003は、実行制御手段009からユーザ又は操作者から指定された画像種別を受けて、記憶手段002に記憶されている対応テーブルを参照し、指定された画像種別に該当する超音波断層像のサムネイル画像を取得する。
【0024】
ここで、抽出手段003は、記憶手段002に複数の患者の超音波断層像が保存されている、もしくは、同一の患者でも複数の検査が行われている場合には、ユーザ又は操作者から患者を特定する患者IDや検査を特定する検査IDの指定に基づき、抽出対象とする複数のサムネイル画像を決定する。このように、患者IDや検査IDが指定された場合には、抽出手段003は、患者IDや検査IDなどで指定された抽出対象の中から指定された画像種別に対応する超音波断層像のサムネイル画像を記憶手段002から取得する。これにより、本実施形態に係る超音波診断装置は患者毎もしくは検査ごとの表示を行うことができる。以下の説明における動作は、抽出対象となった複数のサムネイル画像に対する動作である。
【0025】
抽出手段003は、取得したサムネイル画像を一群として表示制御手段005に送る。ここでは、「Rawデータが存在する」とう画像種別の指定を受けて、Rawデータが存在する超音波断層像のサムネイル画像をサムネイル画像作成手段004から取得し、Rawデータが存在する超音波断層像のサムネイル画像の群(以下、「Rawデータ群」という。)として表示制御手段005に送る。また、抽出手段003は、Rawデータが存在しない超音波断層像のサムネイル画像をサムネイル画像作成手段004から取得し、Rawデータが存在しない超音波断層像のサムネイル画像の群(以下、「Clipデータ群」という。)として表示制御手段005に送る。
【0026】
ここで、本実施形態では、確認したい超音波断層像をより大きく表示するために、指定された画像種別である超音波断層像のみを群として表示制御手段005に送り、指定された画像種別に対応した群に含まれるサムネイル画像のみを表示させる構成であるが、これは、全てのサムネイル画像を表示させるため、ある画像種別を指定したときに、その画像種別には該当しない超音波断層像のサムネイル画像も自動的に群として表示制御手段005に送る構成でもよい。この場合には、指定した画像種別に対応する群に含まれるサムネイル画像は他のサムネイル画像と識別できるように表示される。
【0027】
表示制御手段005は、表示手段008の表示領域を複数の表示領域に分割し管理している。本実施形態では、図2に示すように、表示制御手段005は、表示手段008の表示領域を、超音波断層像201を表示する表示領域206、サムネイル画像を表示する2つの表示領域202及び表示領域203の3つの表示領域に分けて管理している。本実施形態では、表示制御手段005は3つの表示領域に分割して管理しているが、この管理方法はこれに限定されるものではなく、1つの超音波断層像を表示する表示領域及び、サムネイル画像の1つの群を表示する1つの表示領域があればよい。
【0028】
表示制御手段005は、ユーザ又は操作者による参照したい超音波断層像の指定を実行制御手段009から受けて、指定された超音波断層像を記憶手段002から取り出し図2に示す超音波断層像201として表示手段008に表示させる。ここで、本実施形態ではユーザ又は操作者が参照したい画像を指定しているが、かかる指定がない場合には、抽出したサムネイル画像のなかで先頭にあるサムネイル画像に対応した超音波断層像を表示手段008に表示させる。
【0029】
表示制御手段005は、ユーザ又は操作者が指定した表示手段008内の表示領域に、対応するサムネイル画像を表示させる。ここでは、表示制御手段005は、表示領域202の中にRawデータ群のサムネイル画像204を表示させ、表示領域203にClipデータ群のサムネイル画像205を表示させる。ここで、図2におけるグレーで表わされたサムネイル画像204はRawデータ群のサムネイル画像を表わし、白抜きのサムネイル画像205はClipデータ群のサムネイル画像を表わしている。また、本実施形態では、表示領域202及び表示領域203に予想された範囲のサムネイル画像数を表示することができてきている。しかし、サムネイル画像の数が多かったり、表示領域が狭かったりするために、表示すべきサムネイル画像数が予想された範囲のサムネイル画像数を超えた場合には、サムネイル画像を表示領域に表示できるだけ表示させ、さらに、表示領域の周りにスクロールバーなどを付けることで、抽出された群に含まれる表示されていないサムネイル画像を確認できるようにすればよい。
【0030】
実行制御手段009は、超音波断層像の作成及び表示、並びに、サムネイル画像の作成及び表示における、信号の送受信や動作のタイミングなどを統括して制御する。
【0031】
また、本実施形態ではユーザ又は操作者により表示領域が指定されているが、表示領域が指定されていない場合には、表示制御手段005は、予め記憶している規定のサムネイル画像の表示領域に各群を並べて表示する。例えば、図2における表示領域202及び表示領域203を合わせた領域が規定の表示領域とされている場合には、表示制御手段005は、表示領域202及び表示領域203を合わせた領域を上下の領域に分けずに各群を並べて表示する。
【0032】
本実施形態では、ユーザ又は操作者が指定した画像種別に基づきサムネイル画像の抽出を行っているが、これは、予め抽出する画像種別を抽出手段003に記憶させておき、抽出手段003が自動的にその画像種別に基づいてサムネイル画像を抽出し、表示制御手段005がその抽出したサムネイル画像を受けて表示手段008に表示させる構成にしてもよい。例えば、予め抽出する画像種別をRawデータが存在する超音波断層像及び、Rawデータが存在しない超音波断層像と抽出手段003に記憶させておき、自動的に、抽出手段003はRawデータ群及びClipデータ群を抽出し表示制御手段005におくり、表示制御手段005はRawデータ群及びClipデータ群に含まれるサムネイル画像を表示手段008に表示させる、といった構成でもよい。
【0033】
次に、図3を参照し画像観察モードにおける画像表示の動作の流れを説明する。ここで、図3は本実施形態に係る超音波診断装置の画像観察モードにおける画像表示のフローチャートの図である。ここで、図3のフローチャートは既に超音波断層像作成手段001によって超音波断層像が作成され記憶手段002に保存され、さらに、超音波断層像作成手段によって超音波断層像と画像種別の対応テーブルが作成され記憶手段002に記憶されているものとする。
【0034】
ステップS001:サムネイル画像作成手段004は、記憶手段002に記憶されている超音波断層像のサムネイル画像を作成し、記憶手段002に記憶させる。
【0035】
ステップS002:ユーザ又は操作者は、ユーザインタフェース006を使用して、抽出したい画像種別、抽出したサムネイル画像の表示領域、参照したい超音波断層像を指定する。
【0036】
ステップS003:実行制御手段009は、抽出する画像種別の指定があるか否かを判断し、指定がある場合にはステップS004に進み、指定がない場合にはステップS007に進む。
【0037】
ステップS004:抽出手段003は、記憶手段002に記憶されているサムネイル画像の中から指定された画像種別に該当する超音波断層像のサムネイル画像を抽出し、1つの群として表示制御手段005に送る
【0038】
ステップS005:実行制御手段009は、抽出したサムネイル画像の群の表示領域が指定されているか否かを判断する、指定されている場合にはステップS006に進み、指定されていない場合にはステップS007に進む。
【0039】
ステップS006:表示制御手段005は、抽出された群を受けて、指定された表示手段008の各表示領域に対応する各サムネイル画像の群を表示させる。
【0040】
ステップS007:表示制御手段005は、予め記憶している表示手段008の規定の領域に抽出手段003から受けたサムネイル画像群を並べて表示させる。
【0041】
ステップS008:表示制御手段005は、超音波断層像を表示手段008に表示させる。
【0042】
以上のフローでは、超音波断層像の表示を最後のステップS008で行っているが、この超音波断層像の表示は、サムネイル画像の表示の判断に入る前、すなわちステップS003の前に行ってもよい。
【0043】
本実施形態では、超音波診断装置として超音波断層像生成手段001を含む構成で説明しているが、これは超音波断層像生成手段001を有さずに、生成された超音波断層像を超音波診断装置本体から受けて、上記の画像観察モードのみを行う超音波断層像処理装置としても動作可能である。そして、該超音波断層像処理装置は以上のような動作を規定したプログラムで構成される。
【0044】
以上では、ユーザ又は操作者がRawデータが存在する超音波断層像とClipデータのみの超音波断層像という画像種別を指定した場合で説明したが、これは他の画像種別を指定した場合でも同様である。ただし、検査方法に対応した解析用のアプリケーションの種類という画像種別に関しては、検査方法の違いによって使用するワークステーション側の解析用のアプリケーションが変わるため、ユーザはアプリケーションの種類の指定を行い、抽出手段003はその指定されたアプリケーションを使用する検査方法で生成された超音波断層像のサムネイル画像を1群として抽出する。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る超音波診断装置では、画像種別毎に分けてサムネイル画像を表示させることができる。これにより、ユーザ又は操作者は並んで表示されているサムネイル画像の中から必要な画像を容易に検索でき、迅速で正確な診断の支援が可能となる。例えば、ユーザ又は操作者が詳細診断をしたい場合にはRawデータが存在している超音波断層像が必要であり、このような場合にRawデータ群とClipデータ群を分けて表示させていれば、ユーザ又は操作者は必要とするRawデータが存在している超音波断層像をRawデータ群のサムネイル画像の中から容易に見つけ出すことが可能となる。
【0046】
〔第2の実施形態〕
この発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。本実施形態に係る超音波診断装置は、第1の実施形態に係る超音波診断装置において抽出されたサムネイル画像の複数の群のうち、ユーザインタフェース006で表示する群として指定された群に含まれるサムネイル画像に表示を切り替えることができる構成にしたものである。本実施形態に係る超音波診断装置の機能構成は第1の実施形態に係る超音波診断装置に図2における点線で示された切替手段010を追加したものである。そこで、サムネイル画像の表示の切り替えについて説明する。以下では、ユーザ又は操作者によって抽出する画像種別として「動画」及び「静止画」が指定されている場合で説明する。
【0047】
抽出手段003は、患者ID又は検査IDの指定に基づき抽出対象を決定し、その抽出対象の中で指定された複数の画像種別に該当する複数の群のサムネイル画像を抽出する。ここで、複数の画像種別に該当する複数の群のサムネイル画像が抽出されているとは、例えば先に画像種別を指定された群、及び次に画像種別を指定された群というように2つ以上の画像種別に該当する群が抽出されている場合である。本実施形態では抽出手段003は、画像種別が動画に該当する超音波断層像のサムネイル画像の群、及び、画像種別が静止画に該当する超音波断層像のサムネイル画像の群という2つのサムネイル画像の群を抽出する。
【0048】
切替手段010は、入力手段007からのユーザ又は操作者による表示切り替えの指示を実行制御手段009から受けて、表示制御手段005に表示の切り替えの命令を送る。
【0049】
表示制御手段005は、抽出手段003から受けた抽出された複数の群のうち、最初に指定された群に含まれるサムネイル画像を表示手段008に表示させる。
【0050】
次に、表示制御手段005は、切替手段010からの表示切り替えの命令を受けて、表示手段008に表示されているサムネイル画像の表示を消し、抽出された複数の群のうちの表示する群として指定された群に含まれるサムネイル画像を表示する。
【0051】
また、抽出する画像種別が1つしか指定されていない場合は、抽出手段003が指定された画像種別に該当する超音波断層像のサムネイル画像を群とするとともに、その画像種別には該当しない超音波断層像のサムネイル画像も自動的に群として表示制御手段005に送っている。そこでまず、表示制御手段005は、指定された群に含まれるサムネイル画像を表示手段008に表示させ。次に、表示切り替えの命令を受けて、指定された画像種別に該当する超音波断層像のサムネイル画像を表示している場合には、表示制御手段005は表示されているサムネイル画像の表示を消し、指定された画像種別に該当しない超音波断層像のサムネイル画像を表示する。また、指定された画像種別に該当しない超音波断層像のサムネイル画像を表示している場合には、表示切り替えの命令を受けて、表示制御手段005は表示されているサムネイル画像の表示を消し、指定された画像種別に該当する超音波断層像のサムネイル画像を表示する。
【0052】
ここではまず、表示制御手段005は、画像種別が動画に該当する超音波断層像のサムネイル画像を表示手段008に表示させる。次に、表示制御手段005は、画像種別が動画に該当する超音波断層像のサムネイル画像が表示手段008に表示させている場合には、切り替えの指示を受けて画像種別が静止画に該当する超音波断層像のサムネイル画像を表示手段008に表示させる。また逆に、画像種別が静止画に該当する超音波断層像のサムネイル画像を表示手段008に表示させている場合には、表示制御手段005は、切り替えの指示を受けて画像種別が動画に該当する超音波断層像のサムネイル画像を表示手段008に表示させる。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る超音波診断装置では、複数のサムネイル画像の群がある場合に、表示されているサムネイル画像を指定された群に含まれるサムネイル画像に切り替えることができる。これにより、必要なサムネイル画像だけを表示することができ確認したい超音波断層像をより大きく表示できるとともに、必要とする画像種別に該当するサムネイル画像の表示を迅速に行うことができ、診断時間の短縮や正確な診断の支援が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る超音波診断装置のブロック図
【図2】第1の実施形態に係る超音波診断装置の画像観察モードにおける画像表示画面の図
【図3】第1の実施形態に係る超音波診断装置の画像観察モードにおける画像表示のフローチャートの図
【符号の説明】
【0055】
001 超音波断層像生成手段
002 記憶手段
003 抽出手段
004 サムネイル画像作成手段
005 表示制御手段
006 ユーザインタフェース
007 入力手段
008 表示手段
009 実行制御手段
010 切替手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて超音波断層像を生成する超音波断層像生成手段と、
前記超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記超音波断層像を縮小したサムネイル画像に変換するサムネイル画像作成手段と、
入力手段から指定された前記画像種別に該当する前記超音波断層像の前記サムネイル画像を画像種別毎に1群として抽出する抽出手段と、
前記抽出された群毎に前記サムネイル画像を表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記画像種別は、超音波断層像を形成する前の前記データの有無、静止画もしくは動画、重要と指定された画像、検査方法に対応した解析用のアプリケーションの種類、超音波断層像の生成モードの種類、又は使用した超音波プローブの種類、のいずれかもしくは組み合わせによる種別であることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
表示手段の表示領域を複数の表示領域に分けて管理しており、
前記抽出した群に含まれるサムネイル画像を表示させる指定された表示領域に、該サムネイル画像を表示させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記抽出したサムネイル画像の複数の群のなかから表示させる群の指定を受けて、前記表示手段の表示を該群に含まれるサムネイル画像の表示に切り替える切替手段をさらに備えた超音波診断装置。
【請求項5】
被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて超音波断層像を生成する超音波断層像生成手段と、
前記超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記超音波断層像を縮小したサムネイル画像に変換するサムネイル画像作成手段と、
前記超音波断層像を形成する前の前記データが存在する前記超音波断層像の前記サムネイル画像の群と、前記超音波断層像を形成する前の前記データが存在しない前記超音波断層像の前記サムネイル画像の群とに分けて抽出する抽出手段と、
前記抽出された群毎に前記サムネイル画像を表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて生成された超音波断層像を外部から受けて、前記超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記超音波断層像を縮小したサムネイル画像に変換するサムネイル画像作成手段と、
入力手段から指定された前記画像種別に該当する前記超音波断層像の前記サムネイル画像を画像種別毎に1群として抽出する抽出手段と、
前記抽出された群毎に前記サムネイル画像を表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする超音波断層像処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
被検体からの超音波エコーを受信して得られたデータに基づいて生成された超音波断層像を該超音波断層像の画像種別に対応付けて記憶手段へ記憶させ、
記憶されている前記超音波断層像の縮小したサムネイル画像への変換を実行させ、
入力手段から指定された前記画像種別に該当する前記超音波断層像の前記サムネイル画像を画像種別毎に1群として抽出させ、
前記抽出された群毎の前記サムネイル画像の表示手段への表示を実行させる
ことを特徴とする超音波診断プログラム。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−194343(P2008−194343A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34557(P2007−34557)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】