説明

超音波診断装置及び制御プログラム

【課題】体内に存在するガスや骨の影響を受けない画像データの生成
【解決手段】超音波診断装置100は、所定走査領域に対し体内からの超音波送受信を行なう超音波カプセル1と、超音波カプセル1の超音波送受信にて得られた受信信号に基づいて第1の画像データを生成する内視鏡画像データ生成手段36と、カプセル型超音波プローブ1からの送信超音波を受信すると共に体外からの超音波送受信を行なう超音波プローブ2と、超音波プローブ2によって受信された前記送信超音波に基づいて前記走査領域の位置情報を検出する走査領域検出手段34と、この走査領域に対する前記体外からの超音波送受信にて得られた受信信号に基づいて第2の画像データを生成する画像データ生成手段35と、前記走査領域にて得られた前記第1の画像データと前記第2の画像データを合成して第3の画像データを生成する画像データ合成手段37とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被検体内に配置することが可能なカプセル型超音波プローブを用いて画像データの生成と表示を行なうことが可能な超音波診断装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された振動素子から発生する超音波パルス(送信超音波)を被検体の体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異に起因した超音波反射波(受信超音波)を前記振動素子で受信することにより前記被検体の体内情報を非侵襲あるいは低侵襲で得るものである。この診断方法は、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作でリアルタイムの画像データを容易に得ることができるため臓器の機能診断や形態診断に広く用いられている。
【0003】
今日、最も普及している電子走査方式の超音波診断装置では、1次元配列された複数個の振動素子に対する送受信を高速制御することによって2次元画像データのリアルタイム収集が行なわれている。この場合の2次元画像データは、被検体に対する超音波の2次元走査によって収集されるが、近年では、振動素子が1次元配列された従来の超音波プローブを機械的に移動あるいは回動させる方法、あるいは、2次元配列された振動素子を用いる3次元走査によって収集された3次元データ(ボリュームデータ)に基づいて任意断面の2次元画像データ(MPR画像データ)やボリュームレンダリング画像データ等の3次元画像データを生成する方法も開発されている。
【0004】
一方、上述のように被検体の体表面に配置される超音波プローブを備えた従来の超音波診断装置を用いて胃や腸等の管腔臓器を診断する場合、これらの管腔臓器の近傍に存在するガス(空気)や骨等が障害物となり所望の画像データを得ることができない場合がある。そして、このような問題点を解決するために、管腔臓器内に小型の超音波内視鏡プローブを挿入し、体内から超音波送受信を行なう、所謂、超音波内視鏡診断法が開発され、更に、この診断法を上部消化管等に適用する際、超音波内視鏡プローブを嚥下する被検体の苦痛を軽減するために無線通信回線による無索のカプセル型超音波プローブあるいは有線通信回線による有索のカプセル型超音波プローブを用いた超音波内視鏡診断法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−275409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
被検体の管腔臓器内に超音波内視鏡プローブあるいはカプセル型超音波プローブを挿入する超音波内視鏡診断法は高い周波数の超音波を用いることができるため、優れた空間分解能を有した画像データ(超音波内視鏡画像データ)を得ることができる。しかしながら、この超音波内視鏡画像データに示される診断対象部位の領域は極めて狭いため、広範囲な管腔臓器やその周囲臓器と前記診断対象部位との位置関係を把握することは困難であるという問題点を有していた。
【0007】
本開示は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検体の同一診断対象部位に対する体内からの超音波送受信によって得られた第1の画像データと体外からの超音波送受信によって得られた第2の画像データを合成することにより診断対象部位あるいはその近傍に存在するガスや骨等にあまり影響されることなく診断に有効な第3の画像データを生成することが可能な超音波診断装置及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の超音波診断装置は、被検体の体内に挿入され診断対象部位の所定走査領域に対して体内からの超音波送受信を行なう第1の超音波プローブと、前記第1の超音波プローブによる前記体内からの超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて前記走査領域における第1の画像データを生成する第1の画像データ生成手段と、前記被検体の体外に配置され前記第1の超音波プローブから放射された送信超音波を受信すると共に前記被検体の診断対象部位に対し体外からの超音波送受信を行なう第2の超音波プローブと、前記第2の超音波プローブによって受信された前記送信超音波に基づいて前記走査領域の位置情報を検出する走査領域検出手段と、前記走査領域に対する前記体外からの超音波送受信において得られた受信信号に基づいて第2の画像領域データを生成する第2の画像データ生成手段と、前記走査に対する前記体内からの超音波送受信によって得られた前記第1の画像データと前記体外からの超音波送受信によって得られた前記第2の画像データに基づいて第3の画像データを生成する第3の画像データ生成手段と、前記第3の画像データを表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の実施形態における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態の超音波カプセルが備える受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態の診断装置本体が備える送受信部、受信信号処理部及びボリュームデータ生成部の具体的な構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態の超音波プローブによる超音波送受信方向及び超音波受信方向を説明するための図。
【図5】本実施形態の走査領域を検出する超音波プローブの振動素子を示す図。
【図6】本実施形態における走査領域方向の検出方法を説明するための図。
【図7】本実施形態の診断装置本体が備える画像データ合成部の具体的な構成を示すブロック図。
【図8】本実施形態の画像データ合成部によって生成される診断用画像データの具体例を示す図。
【図9】本実施形態における診断用画像データの生成/表示手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(実施形態)
以下に述べる本実施形態の超音波診断装置では、先ず、被検体の管腔臓器内に挿入されるカプセル型超音波プローブ(第1の超音波プローブ)(以下では、超音波カプセルと呼ぶ。)を用いた体内からの超音波送受信によって超音波内視鏡画像データ(第1の画像データ)を生成する。次いで、前記被検体の体外に配置された超音波プローブ(第2の超音波プローブ)を用いて前記超音波内視鏡画像データが生成された走査領域を検出すると共に、この超音波プローブによって収集されたボリュームデータにおける前記走査領域のボクセルに基づいてMPR画像データ(第2の画像データ)を生成し、得られたMPR画像データと上述の超音波内視鏡画像データを合成することによって当該診断対象部位の診断に有効な診断用画像データ(第3の画像データ)を生成する。
【0012】
尚、以下の実施形態では、無線通信回線を介して診断装置本体と接続された上述の超音波カプセルを用いて体内からの超音波送受信を行なう場合について述べるが、有線通信回線を介して前記診断装置本体と接続された超音波カプセルあるいは通常の超音波内視鏡プローブを用いて体内からの超音波送受信を行なってもよい。
【0013】
(装置の構成)
本開示の実施形態における超音波診断装置の構成と機能につき図1乃至図8を用いて説明する。尚、図1は、本実施形態における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、前記超音波診断装置の超音波カプセルが備える受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図である。又、図3は、前記超音波診断装置の診断装置本体が備える送受信部、受信信号処理部及びボリュームデータ生成部の具体的な構成を示すブロック図であり、図7は、前記診断装置本体が備える画像データ合成部の具体的な構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す本実施形態の超音波診断装置100は、被検体の管腔臓器内に挿入され、体内からの超音波送受信によって診断対象部位150の所定走査領域における超音波データを収集する超音波カプセル(第1の超音波プローブ)1と、診断対象部位150を含んだ被検体の3次元領域に対する体外からの超音波送受信によって受信信号を収集する超音波プローブ(第2の超音波プローブ)2と、超音波プローブ2から供給された受信信号を処理して3次元データ(ボリュームデータ)を生成し、超音波カプセル1からの超音波データに基づいて生成した前記走査領域における超音波内視鏡画像データ(第1の画像データ)と上述のボリュームデータに基づいて生成した前記走査領域と略同一の領域におけるMPR画像データ(第2の画像データ)とを合成することによって所望の診断用画像データ(第3の画像データ)を生成する診断装置本体3を備え、超音波カプセル1と診断装置本体3は、無線通信回線5を介して接続されている。
【0015】
次に、超音波診断装置100の超音波カプセル1が備える各ユニットの構成と機能について説明する。超音波カプセル1は、図1に示すように、駆動パルス発生部11、超音波振動子12、受信信号処理部13、振動子移動機構14、通信部15及び電源部16を備えている。
【0016】
駆動パルス発生部11は、診断装置本体3から無線通信回線5を介して供給される画像データ生成開始指示信号に基づいて所定の形状と繰り返し周期を有する駆動信号を生成し超音波カプセル1の先端部に設けられた超音波振動子12へ供給する。超音波振動子12は電気音響変換素子であり、送信時には、駆動パルス発生部11から供給される電気的な駆動パルスを超音波パルス(送信超音波)に変換し、受信時には、診断対象部位150等において反射した超音波反射波(受信超音波)を電気的な受信信号に変換する機能を有している。
【0017】
次に、受信信号処理部13は、図2に示すようにプリアンプ131、A/D変換器132、包絡線検波器133及び、対数変換器134を備えている。プリアンプ131は、超音波振動子12から供給された受信信号を増幅して十分なS/Nを確保するためのものであり、その初段部には、駆動パルス発生部11が発生する大振幅の駆動パルスから保護するための図示しないリミッタ回路が設けられている。即ち、超音波振動子12から供給された受信信号は、受信信号処理部13のプリアンプ131において所定の大きさに増幅され、A/D変換器132にてデジタル信号に変換された後包絡線検波器133へ供給される。
【0018】
受信信号処理部13の包絡線検波器133は、A/D変換器132から出力された受信信号に対して包絡線検波を行ない、対数変換器134は、包絡線検波後の受信信号に対して対数変換処理を行なうことにより小さな信号振幅を相対的に強調して超音波データとしてのBモードデータを生成する。そして、得られたBモードデータは通信部15へ供給される。
【0019】
図1へ戻って振動子移動機構14は、例えば、図示しない小型モータ、スリップリング及び回転角度検出部を備え、超音波カプセル1の先端部に配置された超音波振動子12を所定の方向へ高速回転させる機能と超音波振動子12の回転角度を検出する機能を有している。即ち、振動子移動機構14が備える小型モータによって高速回転している超音波振動子12に対し駆動パルス発生部11が発生する所定の繰り返し周期(レート周期)と形状を有した駆動パルスを供給することにより所定走査領域における2次元の超音波送受信(超音波走査)が行なわれる。そして、各々の超音波送受信における超音波振動子12の回転角度は、前記回転角度検出部によって検出され、得られた回転角度の情報は通信部15へ供給される。
【0020】
一方、通信部15は、無線通信回線5を介して診断装置本体3が備える後述の通信部39と接続され、診断装置本体3から供給される画像データ生成開始指示信号を受信し、超音波カプセル1の受信信号処理部13から供給されたBモードデータに振動子移動機構14から供給された超音波振動子12の回転角度情報を付加して診断装置本体3へ送信する。そして、電源部16は、図示しない充電器を備え、超音波カプセル1が備える上述のユニットに対し所定の直流電圧を供給する。
【0021】
次に、図1の超音波プローブ2は、2次元配列された図示しないN個の振動素子をその先端部に有し、これら振動素子の各々は、Nチャンネルの多芯ケーブルを介して診断装置本体3が備える後述の送受信部31に接続されている。これらの振動素子は、超音波カプセル1の超音波振動子12と同様に電気音響変換素子であり、送信時には、電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、受信時には、超音波反射波(受信超音波)を電気的な受信信号に変換する機能を有している。尚、本実施例では、2次元配列されたN個の振動素子を有するセクタ走査用の超音波プローブ2を用いた場合について述べるが、振動素子が2次元配列されたリニア走査対応やコンベックス走査対応の超音波プローブであっても構わない。
【0022】
次に、超音波診断装置100の診断装置本体3が備える各ユニットの構成と機能について説明する。診断装置本体3は、図1に示すように、被検体の診断対象部位150を含む3次元領域の複数方向に対し送信超音波を順次送信するための駆動信号を超音波プローブ2の振動素子に供給しこれらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する送受信部31と、整相加算後の受信信号を処理してBモードデータを生成する受信信号処理部32と、上述の3次元領域に対する超音波送受信によって得られたBモードデータを送受信方向に対応させて配列することによりボリュームデータを生成するボリュームデータ生成部33と、送受信部31から供給された整相加算前の受信信号に基づいて超音波カプセル1の超音波振動子12及び振動子移動機構14によって形成される走査領域の位置及び方向(以下では、これらを纏めて位置情報とよぶ。)を検出する走査領域検出部34と、ボリュームデータ生成部33において生成されたボリュームデータの中から上述の走査領域に対応するボクセルを抽出することによりMPR(Multi Planar Reconstruction)画像データ(第2の画像データ)を生成する画像データ生成部(第2の画像データ生成部)35を備えている。
【0023】
更に、診断装置本体3は、超音波振動子12の回転角度情報が付加された状態で超音波カプセル1から無線通信回線5を介して供給されたBモードデータを回転角度に対応させて配列することにより上述の走査領域における超音波内視鏡画像データ(第1の画像データ)を生成する内視鏡画像データ生成部(第1の画像データ生成部)36と、同一の走査領域において生成されたMPR画像データと超音波内視鏡画像データを合成して診断用画像データ(第3の画像データ)を生成する画像データ合成部(第3の画像データ生成部)37と、得られた診断用画像データを表示する表示部38と、超音波カプセル1に対して各種の情報を送受信する通信部39と、被検体情報の入力、画像データ生成条件の設定、各種指示信号の入力等を行なう入力部40と、超音波診断装置100が備える上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部41と、電源部42を備えている。
【0024】
次に、超音波診断装置100の診断装置本体3が備える送受信部31、受信信号処理部32及びボリュームデータ生成部33の具体的な構成につき図3を用いて説明する。
【0025】
図3に示す送受信部31は、当該被検体の診断対象部位150に対して送信超音波を放射するための駆動信号を超音波プローブ2に設けられたN個の振動素子に供給する送信部31aと、前記振動素子から得られたNチャンネルの受信信号に対して整相加算を行なう受信部31bを備えている。
【0026】
送信部31aは、レートパルス発生器311、送信遅延回路312及び駆動回路313を備え、レートパルス発生器311は、システム制御部41から供給される基準信号を分周することにより送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスを生成する。送信遅延回路312は、独立したNチャンネルの遅延回路から構成され、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに送信超音波を集束するための遅延時間(集束用遅延時間)と送受信方向(θf、φg)に送信超音波を放射するための遅延時間(偏向用遅延時間)を前記レートパルスに与える。そして、Nチャンネルの駆動回路313は、前記レートパルスに基づいて生成した駆動パルスを用いて超音波プローブ2に内蔵されたN個の振動素子を駆動することにより送信超音波を被検体の診断対象部位150へ放射させる。
【0027】
一方、受信部31bは、Nチャンネルから構成されるプリアンプ314、A/D変換器315及び受信遅延回路316と、加算器317を備えている。プリアンプ314は、上述の振動素子によって電気信号に変換された微小な受信信号を増幅して十分なS/Nを確保し、このプリアンプ314において増幅されたNチャンネルの受信信号はA/D変換器315にてデジタル信号に変換される。受信遅延回路316は、所定の深さからの受信超音波を集束するための集束用遅延時間と所定の送受信方向(θf、φg)に対して強い受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をA/D変換器315から出力されるNチャンネルの受信信号に与え、加算器317は、これら受信遅延回路316から供給された受信信号を加算合成する。即ち、受信遅延回路316と加算器317により、所定方向からの受信超音波に対応する受信信号は整相加算(位相合わせして加算合成)される。
【0028】
図4は、超音波プローブ2の中心軸をr軸とした直交座標(p−q−r)に対する超音波の送受信方向あるいは受信方向(θf、φg)を示す。例えば、N個の振動素子はp軸方向及びq軸方向に2次元配列され、θf及びφgは、p−r平面及びq−r平面に投影された送受信方向あるいは受信方向を示している。
【0029】
図3へ戻って、受信信号処理部32は、受信部31bの加算器317から供給された整相加算後の受信信号を包絡線検波する包絡線検波器321と、包絡線検波後の受信信号を対数変換してBモードデータを生成する対数変換器322を備えている。但し、包絡線検波器321と対数変換器322は順序を入れ替えて構成してもよい。
【0030】
次に、ボリュームデータ生成部33は、図3に示すように超音波データ記憶部331、補間処理部332及びボリュームデータ記憶部333を備え、超音波データ記憶部331には、診断対象部位150に対する3次元走査によって得られた受信信号に基づいて受信信号処理部32が生成した超音波データとしてのBモードデータが、システム制御部41から供給される送受信方向(θf、φg)の情報を付帯情報として順次保存される。
【0031】
一方、補間処理部332は、超音波データ記憶部331から読み出したBモードデータを超音波の送受信方向に対応させて配列することにより3次元超音波データを形成し、更に、この3次元超音波データに対し補間処理等を行なってボリュームデータを生成する。そして、得られたボリュームデータは、ボリュームデータ記憶部333に保存される。
【0032】
再び図1へ戻って、走査領域検出部34は、高速回転している超音波カプセル1の超音波振動子12から放射され診断対象部位150を透過した送信超音波(透過超音波)を検出した超音波プローブ2の振動素子から送受信部31を介して供給される整相加算前の受信信号に基づいて超音波振動素子12による走査領域の位置情報を検出する機能を有し、図示しない受信信号記憶部、信号振幅比較部及び遅延情報計測部を備えている。
【0033】
図5は、図4のp方向にd1間隔、q方向にd2間隔で2次元配列された超音波プローブ2の振動素子を示したものであり、超音波カプセル1の超音波振動子12から放射され診断対象部位150を透過した送信超音波(透過超音波)を診断対象部位150の後方に配置された超音波プローブ2の振動素子によって検出することにより走査領域の位置情報を検出することができる。
【0034】
即ち、超音波プローブ2が有する振動素子の各々は、高速回転している超音波振動子12から放射され診断対象部位150を透過した送信超音波を受信し、上述の振動素子から受信部31bのプリアンプ314及びA/D変換器315を介して供給された受信信号は受信信号記憶部に保存される。一方、走査領域検出部34の信号振幅比較部は、超音波プローブ2の振動素子に対応させて受信信号記憶部に保存されている受信信号を順次読み出し、これらの受信信号の振幅と所定の閾値αとを比較することにより、例えば、図5の振動素子b1乃至b4を含む斜線部で示した振動素子配列面における走査領域の位置(振動素子配列面と走査領域の交差位置)を検出する。
【0035】
一方、図6は、斜線部の振動素子から得られる受信信号に基づいた走査領域方向の検出方法を説明するための図であり、p−r平面及びq−r平面に投影された受信方向が夫々θf及びφgの場合、例えば、p方向に配列された振動素子b1及びb2の各々から得られる受信信号の遅延時間差Δτ12あるいは振動素子b3及びb4の各々から得られる受信信号の遅延時間差Δτ34は次式(1)によって示され、従って、遅延時間Δτ12あるいはΔτ34を計測することにより受信方向θfを検出することができる。
【0036】
同様にして、p方向に配列された振動素子b1及びb3の各々から得られる受信信号の遅延時間差Δτ13あるいは振動素子b2及びb4の各々から得られる受信信号の遅延時間差Δτ24も次式(1)によって示され、この式(1)に基づいて受信方向φgを検出することが可能となる。尚、式(1)に示したCoは、診断対象部位150における超音波音速である。
【数1】

【0037】
従って、上述の信号振幅比較部の比較結果に基づいて検出された振動素子配列面における走査領域の位置と、遅延時間計測部の計測結果に基づいて検出されたp−r平面における受信方向θf及びq−r平面における受信方向φgに基づいて超音波振動子12による走査領域の位置情報(位置と方向)を検出することができる。
【0038】
次に、図1に示した画像データ生成部35は、走査領域検出部34によって検出された超音波カプセル1の超音波振動子12による走査領域の位置情報を受信する。次いで、上述の走査領域に対応するMPR断面をボリュームデータ生成部33のボリュームデータ記憶部333から読み出したボリュームデータに対して設定し、このMPR断面に存在するボクセルを抽出することによって上述の走査領域における2次元のMPR画像データを生成する。
【0039】
一方、内視鏡画像データ生成部36は、図示しない超音波データ記憶部と画像処理部を備え、超音波カプセル1の受信信号処理部13において生成され超音波振動子12の回転角度情報と共に無線通信回線5を介して供給されたBモードデータは、回転角度情報に対応させて超音波データ記憶部に保存される。次いで、前記画像処理部は、超音波データ記憶部に保存された超音波データに対しノイズ低減や輪郭強調を目的としたフィルタリング処理等を行なって上述の走査領域における2次元の超音波内視鏡画像データを生成する。
【0040】
次に、画像データ合成部37は、内視鏡画像データ生成部36から供給された超音波振動子12の走査領域における超音波内視鏡画像データと画像データ生成部35から供給された前記走査領域におけるMPR画像データとを合成して診断用画像データを生成する機能を有し、図7に示すようにマッチング処理部371、位置ズレ補正部372及び加算合成部373を備えている。
【0041】
画像データ合成部37のマッチング処理部371は、同一走査領域において収集された超音波内視鏡画像データとMPR画像データとのパターンマッチング処理によって走査領域方向における画像データ間の位置ズレを検出し、位置ズレ補正部372は、マッチング処理部371において検出された位置ズレに基づいて、例えば、超音波内視鏡画像データに対するMPR画像データの位置ズレを補正する。一方、加算合成部373は、位置ズレ補正された超音波内視鏡画像データ及びMPR画像データの画素に対して所定の重み付けを行なった後、加算合成することにより診断用画像データを生成する。この場合、高解像度を有する超音波内視鏡画像データの画素に対する重み付けをMPR画像データの画素に対する重み付けより大きく設定する。
【0042】
図8は、画像データ合成部37によって生成された診断用画像データの具体例を示したものであり、管腔臓器Abの内部で高速回転する超音波振動子12の超音波送受信によって収集された所定走査領域における超音波内視鏡画像データImaと体外に配置された超音波プローブ2の超音波送受信によって収集された前記走査領域と同一領域におけるMPR画像データImbは、位置ズレ補正された後重み付け加算合成されて所望の診断用画像データImcが生成される。
【0043】
次に、表示部38は、図示しない表示データ生成部、データ変換部及びモニタを備え、表示データ生成部は、画像データ合成部37において生成された診断用画像データを所定の表示フォーマットに変換して表示データを生成し、データ変換部は、前記表示データに対してD/A変換やテレビフォーマット変換等の変換処理を行なってモニタに表示する。
【0044】
通信部39は、無線通信回線5を介して超音波カプセル1の通信部15と接続され、超音波カプセル1の駆動パルス発生部11に対して画像データ生成開始指示信号を送信し、超音波カプセル1の受信信号処理部13において生成されたBモードデータと振動子移動機構14において検出され上述のBモードデータに付加された超音波振動子12の回転角度情報を受信する。
【0045】
一方、入力部40は、操作パネル上に表示パネルやキーボード、トラックボール、マウス、選択ボタン、入力ボタン等の入力デバイスを備え、被検体情報の入力、超音波プローブの選択、撮影モードの選択、各種画像データ生成条件の設定、診断用画像データ表示条件の設定、閾値αの設定、更には、各種指示信号の入力等を行なう。尚、撮影モードとしてBモードやカラードプラモード等があり、画像データ生成条件として超音波周波数、走査密度、走査領域、送信超音波の繰り返し周期(周波数)等がある。
【0046】
次に、システム制御部41は、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部40において入力/設定/選択された上述の各種情報は記憶回路に保存される。一方、CPUは、上述の各種情報を用いて超音波診断装置100が備える各ユニットを統括的に制御することにより管腔臓器内からの超音波送受信による所定走査領域における超音波内視鏡画像データの生成、体外からの超音波送受信による前記走査領域と同一の領域におけるMPR画像データの生成、更には、超音波内視鏡画像データとMPR画像データとの合成による診断用画像データの生成とその表示を実行させる。そして、電源部42は、診断装置本体3が備える上述のユニットに対し所定の直流電圧を供給する。
【0047】
(診断用画像データの生成/表示手順)
次に、本実施形態における診断用画像データの生成/表示手順につき図9のフローチャートに沿って説明する。
【0048】
診断用画像データの生成に先立ち、超音波診断装置100の操作者は、診断装置本体3の入力部40において被検体情報の入力、超音波プローブ2の選択、撮影モード(Bモード)の選択、各種画像データ生成条件の設定、診断用画像データ表示条件の設定、閾値αの設定等を行なった後、被検体の診断対象部位150に対してその先端部が対向するように超音波カプセル1を管腔臓器内に配置する(図9のステップS1)。そして、上述の初期設定が終了したならば、操作者は、入力部40において画像データ生成開始指示信号を入力し(図9のステップS2)、この指示信号が診断装置本体3のシステム制御部41及び通信部39、無線通信回線5、超音波カプセル1の通信部15を介して駆動パルス発生部11及び振動子移動機構14へ供給されることにより、超音波振動子12による超音波送受信が所定走査領域において開始される。尚、以下では説明を簡単にするために、無線通信回線5を介した超音波カプセル1と診断装置本体3とのデータ送受信における通信部15、無線通信回線5及び通信部39の記述は省略する。
【0049】
即ち、上述の画像データ生成開始指示信号を受信した振動子移動機構14は、超音波カプセル1の先端部に配置された超音波振動子12を所定方向へ回転移動させ(図9のステップS3)、前記指示信号を受信した駆動パルス発生部11は、所定の形状と繰り返し周期を有する駆動パルスを超音波振動子12へ供給することにより診断対象部位150の所定走査領域に設定された第1の方向に対して送信超音波を放射する。そして、受信信号処理部13は、このとき診断対象部位150から得られる受信超音波に対応した受信信号に対し包絡線検波と対数変換を行なってBモードデータを生成し、得られたBモードデータは、振動子移動機構14から供給された超音波振動子12の回転角度情報と共に診断装置本体3の内視鏡画像データ生成部36が備える超音波データ記憶部に保存される(図9のステップS4)。
【0050】
一方、上述の診断対象部位150を透過した第1の方向の送信超音波(透過超音波)は、診断対象部位150の後方において2次元配列された超音波プローブ2の振動素子によって検出され、これらの振動素子から得られた前記透過超音波に対応する受信信号は、診断装置本体3の送受信部31が備えるプリアンプ314及びA/D変換器315を介して走査領域検出部34の受信信号記憶部に保存される(図9のステップS5)。
【0051】
そして、超音波振動子12を用いた第1の方向に対する超音波送受信が終了したならば、同様の手順により前記第1の方向に隣接した第2の方向、第3の方向・・・・に対する超音波送受信を順次繰り返す。そして、このとき診断対象部位150から得られた受信超音波に基づくBモードデータは、超音波振動子12の回転角度情報を付帯情報として内視鏡画像データ生成部36の超音波データ記憶部に保存され、診断対象部位150を透過した透過超音波に基づく受信信号は、走査領域検出部34の受信信号記憶部に保存される(図9のステップS3乃至S5)。
【0052】
前記走査領域に対して予め設定された全ての方向に対する超音波送受信が終了したならば、内視鏡画像データ生成部36の画像処理部は、超音波データ記憶部に保存された超音波データに対しノイズ低減や輪郭強調を目的としたフィルタリング処理等を行なって上述の走査領域における2次元の超音波内視鏡画像データを生成する(図9のステップS6)。一方、走査領域検出部34の信号振幅比較部は、超音波プローブ2の振動素子に対応させて受信信号記憶部に保存されている受信信号を順次読み出し、これらの受信信号の振幅と所定の閾値αとを比較することにより振動素子配列面における走査領域の位置(即ち、振動素子配列面と走査領域とが交差する位置)を検出し、走査領域検出部34の遅延情報計測部は、走査領域との交差位置における振動素子によって検出された受信信号の遅延時間に基づいて前記走査領域の方向を検出する(図9のステップS7)。
【0053】
次に、システム制御部41は、診断装置本体3の送受信部31に対し診断対象部位150を3次元走査するための走査制御信号を供給し、この走査制御信号を受信した送受信部31は、自己の送信遅延回路312及び受信遅延回路316の遅延時間を順次更新することによって送受信方向(θf、φg)(θf=θ1乃至θF、φg=φ1乃至φG)に対する超音波送受信を順次行なう。そして、このとき得られた3次元のBモードデータは、送受信方向(θf、φg)を付帯情報としてボリュームデータ生成部33の超音波データ記憶部331に保存される。
【0054】
次いで、ボリュームデータ生成部33の補間処理部332は、上述の超音波データ記憶部331から読み出したBモードデータを送受信方向(θf、φg)に対応させて配列することにより3次元超音波データを形成し、更に、この3次元超音波データに対し補間処理等を行なってボリュームデータを生成する。そして、得られたボリュームデータをボリュームデータ記憶部333に保存する(図9のステップS8)。
【0055】
一方、画像データ生成部35は、ボリュームデータ生成部33のボリュームデータ記憶部333から読み出したボリュームデータに走査領域検出部34から供給された走査領域の位置情報に基づくMPR断面を設定し、このMPR断面上に存在する前記ボリュームデータのボクセルを抽出することによって上述の走査領域における2次元のMPR画像データを生成する(図9のステップS9)。
【0056】
次に、画像データ合成部37のマッチング処理部371は、内視鏡画像データ生成部36から供給された所定走査領域における超音波内視鏡画像データと画像データ生成部35から供給された前記走査領域と略同一の領域におけるMPR画像データとの位置ズレを検出し、位置ズレ補正部372は、この検出結果に基づいて画像データ間の位置ズレを補正する。そして、加算合成部373は、位置ズレ補正された超音波内視鏡画像データ及びMPR画像データの画素に対し所定の重み付けを行なった後、加算合成処理することにより診断対象部位150の診断に好適な診断用画像データを生成し、得られた診断用画像データを表示部38のモニタに表示する(図9のステップS10)。
【0057】
以上述べた本実施形態によれば、被検体の同一診断対象部位に対する管腔臓器内からの超音波送受信によって得られた超音波内視鏡画像データ(第1の画像データ)と体外からの超音波送受信によって得られたMPR画像データ(第2の画像データ)を合成することにより診断対象部位あるいはその近傍に存在するガスや骨等にあまり影響されない診断用画像データ(第3の画像データ)を生成することができる。
【0058】
特に、体外からの超音波送受信を行なう超音波プローブ(第2の超音波プローブ)の先端部に2次元配列された複数の振動素子を用いることにより、管腔臓器内に配置された超音波カプセル(第1の超音波プローブ)の超音波振動子によって形成される走査領域の位置情報を正確に検出することが可能となり、更に、上述の超音波プローブによって収集されたボリュームデータに前記走査領域の位置情報をMPR断面として設定することにより、前記走査領域と略同一の領域におけるMPR画像データを容易に生成することができる。
【0059】
即ち、超音波振動子の高速回転によって形成される走査領域に対応したMPR断面を診断対象部位に対する3次元超音波走査によって収集されたボリュームデータに設定することにより同一の診断対象部位から得られた超音波内視鏡画像データとMPR画像データを効率よく収集することが可能となる。
【0060】
又、高分解能を有しガスや骨の影響を受けない超音波内視鏡画像データに体外からの3次元走査によって生成されたMPR画像データを合成することにより、超音波内視鏡画像データに示された比較的狭範囲な診断対象部位とMPR画像データに示された広範囲な管腔臓器との位置関係の把握が容易となる。
【0061】
一方、上述の実施形態によれば、超音波カプセルと診断装置本体とを無線通信回線を介して接続することにより超音波内視鏡画像データの収集における被検体の苦痛を軽減することができる。
【0062】
又、超音波カプセルの超音波振動子から放射され診断対象部位を透過した送信超音波(透過超音波)を体外に配置した上述の超音波プローブを用いて検出することにより、診断対象部位の前方に配置された超音波振動子の中心軸と前記診断対象部位の後方に配置された超音波プローブの中心軸とを容易に一致させることが可能となる。
【0063】
更に、超音波内視鏡画像データとMPR画像データを重み付け加算合成して診断用画像データを生成する際、超音波内視鏡画像データの画素に対する重み付けをMPR画像データの画素に対する重み付けより大きく設定することにより解像度に優れた診断用画像データを得ることができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでは無く、変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施形態では、無線通信回線5を介して診断装置本体3と接続された超音波カプセル1を用いて体内からの超音波送受信を行なう場合について述べたが、有線通信回線を介して診断装置本体3と接続された超音波カプセルあるいは通常の超音波内視鏡プローブを用いて体内からの超音波送受信を行なってもよい。
【0065】
又、内視鏡画像データ生成部36及びボリュームデータ生成部33は、診断対象部位150から得られた受信信号に基づいて超音波カプセル1の受信信号処理部13及び診断装置本体3の受信信号処理部32が生成したBモードデータを用いて超音波内視鏡画像データ及びボリュームデータを生成する場合について述べたが、上述の超音波内視鏡画像データ及びボリュームデータは、前記受信信号に基づいて生成されたカラードプラデータあるいはBモードデータとカラードプラデータとを用いて生成しても構わない。
【0066】
更に、上述の実施形態における超音波カプセル1と診断装置本体3は、無線通信回線5を介して接続される場合について述べたが、有線通信回線を介して接続されていてもよい。
【0067】
又、超音波内視鏡画像データとMPR画像データを重み付け加算合成することによって診断用画像データを生成する場合について述べたが、超音波内視鏡画像データとMPR画像データとの単純な加算合成あるいは並列配置によって診断用画像データを生成してもよい。
【0068】
一方、上述の実施形態では、超音波プローブ2を用いた3次元走査によってボリュームデータを生成し、超音波カプセル1からの超音波データに基づいて生成した所定走査領域における超音波内視鏡画像データ(第1の画像データ)と上述のボリュームデータに基づいて生成した前記走査領域と略同一の領域におけるMPR画像データ(第2の画像データ)とを合することによって所望の診断用画像データ(第3の画像データ)を生成する場合について述べたが、前記走査領域と略同一の走査領域における2次元の超音波走査を体外に配置された超音波プローブ2を用いて行ない、このとき得られた2次元の画像データ(第2の画像データ)と内視鏡画像データ生成部36において生成された上述の超音波内視鏡画像データ(第1の画像データ)とを合成することにより診断用画像データ(第3の画像データ)を生成してもよい。
【0069】
又、上述の実施形態における走査領域検出部34は、走査領域との交差位置における振動素子によって検出された受信信号の遅延時間に基づいて走査領域方向を検出する場合について述べたが、前記受信信号の遅延位相に基づいて走査領域方向の検出を行なっても構わない。
【0070】
更に、上述の超音波カプセル1は、光学的な内視鏡画像データの撮影が可能な微小な内視鏡カメラを備えていてもよい。この内視鏡カメラによって得られた内視鏡画像データを上述の診断用画像データと共に表示部38に表示することにより、更に、正確な診断を診断対象部位150に対して行なうことができる。
【0071】
尚、本実施形態に係るX線診断装置100に含まれる各ユニットは、例えば、CPU、RAM、磁気記憶装置、入力装置、表示装置等で構成されるコンピュータをハードウェアとして用いることでも実現することができる。例えば、診断装置本体3を制御するシステム制御部41は、上記のコンピュータに搭載されたCPU等のプロセッサに所定の制御プログラムを実行させることにより各種機能を実現することができる。この場合、上述の制御プログラムをコンピュータに予めインストールしてもよく、又、コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体への保存あるいはネットワークを介して配布された制御プログラムのコンピュータへのインストールであっても構わない。
【0072】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1…超音波カプセル(第1の超音波プローブ)
11…駆動パルス発生部
12…超音波振動子
13…受信信号処理部
14…振動子移動機構
15…通信部
16…電源部
2…超音波プローブ(第2の超音波プローブ)
3…診断装置本体
31…送受信部
32…受信信号処理部
33…ボリュームデータ生成部
34…走査領域検出部
35…画像データ生成部(第2の画像データ生成部)
36…内視鏡画像データ生成部(第1の画像データ生成部)
37…画像データ合成部(第3の画像データ生成部)
371…マッチング処理部
372…位置ズレ補正部
373…加算合成部
38…表示部
39…通信部
40…入力部
41…システム制御部
42…電源部
100…超音波診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の体内に挿入され診断対象部位の所定走査領域に対して体内からの超音波送受信を行なう第1の超音波プローブと、
前記第1の超音波プローブによる前記体内からの超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて前記走査領域における第1の画像データを生成する第1の画像データ生成手段と、
前記被検体の体外に配置され前記第1の超音波プローブから放射された送信超音波を受信すると共に前記被検体の診断対象部位に対し体外からの超音波送受信を行なう第2の超音波プローブと、
前記第2の超音波プローブによって受信された前記送信超音波に基づいて前記走査領域の位置情報を検出する走査領域検出手段と、
前記走査領域に対する前記体外からの超音波送受信において得られた受信信号に基づいて第2の画像領域データを生成する第2の画像データ生成手段と、
前記走査に対する前記体内からの超音波送受信によって得られた前記第1の画像データと前記体外からの超音波送受信によって得られた前記第2の画像データに基づいて第3の画像データを生成する第3の画像データ生成手段と、
前記第3の画像データを表示する表示手段とを
備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記第2の超音波プローブを用いた体外からの3次元超音波走査によって得られた受信信号に基づいてボリュームデータを生成するボリュームデータ生成手段を備え、前記第2の画像データ生成手段は、前記走査領域検出手段が検出した前記走査領域の位置情報に基づいて前記ボリュームデータのボクセルを抽出し前記第2の画像データを生成することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記第2の超音波プローブは、前記走査領域検出手段の検出結果に基づいて前記走査領域に対する体外からの超音波走査を行ない、前記第2の画像データ生成手段は、前記走査領域に対する超音波送受信によって得られた受信信号に基づいて前記第2の画像データを生成することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記走査領域検出手段は、前記体内からの超音波送受信において前記第2の超音波プローブが備える振動素子が受信した前記送信超音波の信号振幅及び遅延情報に基づいて前記走査領域の位置及び方向を検出することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記第3の画像データ生成手段は、前記第1の画像データと前記第2の画像データの位置ズレをパターンマッチング処理によって検出するマッチング処理手段と、前記位置ズレの検出結果に基づいて画像データ間の位置ズレを補正する位置ズレ補正手段と、位置ズレ補正した前記第1の画像データと前記第2の画像データを加算合成する加算合成手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記加算合成手段は、前記第1の画像データの画素に対する重み付けを前記第2の画像データの画素に対する重み付けより大きく設定して加算合成することを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記第1の超音波プローブは、無線通信回線を介し前記第1の画像データ生成手段が備えられた診断装置本体と接続されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記第1の超音波プローブは、前記体内からの超音波送受信を行なう超音波振動子と、この超音波振動子を所定方向へ高速回転あるいは高速移動することによって前記走査領域における超音波走査を行なう振動子移動機構とを有することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記第1の超音波プローブは、光学的な内視鏡画像データの撮影が可能な内視鏡カメラを備えたことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項10】
体内からの超音波送受信によって収集した所定走査領域における第1の画像データと体外からの超音波送受信によって収集した前記走査領域に対応した領域における第2の画像データに基づいて第3の画像データを生成する超音波診断装置に対し、
前記体内からの超音波送受信が可能な第1の超音波プローブによって得られた受信信号に基づいて前記走査領域における第1の画像データを生成する第1の画像データ生成機能と、
体外からの超音波送受信を行なう第2の超音波プローブによって検出された前記第1の超音波プローブからの送信超音波に基づいて前記走査領域の位置情報を検出する走査領域検出機能と、
前記走査領域に対する前記体外からの超音波送受信において得られた受信信号に基づいて第2の画像データを生成する第2の画像データ生成機能と、
前記体内からの超音波送受信によって得られた前記第1の画像データと前記体外からの超音波送受信によって得られた前記第2の画像データに基づいて第3の画像データを生成する第3の画像データ生成機能と、
前記第3の画像データを表示する表示機能を
実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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