説明

超音波診断装置

【課題】超音波プローブを走査する位置や向きにかかわらず、その位置検出を高精度に行なうことができ、この位置情報に基づく高精度の3次元超音波画像が得られる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】超音波プローブ12の位置データを算出する位置データ信号処理回路9と、この位置データ信号処理回路9により算出された超音波プローブ12の位置データを、画像収集ユニット3に収集された複数枚の超音波画像の位置データとして用い、当該画像を画像処理して3次元超音波画像を生成する演算ユニット5と、レシーバ7からの信号に基づく位置検出状態をモニタする位置データチェック部10と、この位置データチェック部10によりモニタされた位置検出状態に基づく所定のメッセージを表示する表示ユニット6と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブを手動により走査して被検体の3次元の超音波画像データを収集し、これに基づく3次元超音波画像を生成して表示する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている超音波診断装置は、一般には超音波ビームを1つの面内で走査し、これに基づく例えば断面画像(Bモード像など)を表示するシステムであるが、近年、超音波プローブを移動させながら被検体の3次元の領域を走査し、これにより3次元超音波画像を得る試みが盛んに行われてきている。超音波診断装置における3次元画像表示は新たな診断の可能性を期待されており、現状では、腹部用のコンベックスプローブやリニアアレイプローブを用い、これらを手動で又は機械的に移動させたり、電子式セクタプローブを回転させる機構を持った経食道用マルチプレーンプローブを用いるなどして、3次元の画像情報を得るための種々の研究が進められている。
【0003】
通常の体表用超音波プローブを用い、術者がフリーハンド(手動)で走査を行って複数枚の断面画像を収集し、これを3次元ユニットによる画像処理に供することで3次元超音波画像を生成する3次元超音波診断システムでは、収集した断面画像の位置情報をいかに精度良く得るかという点が大きな技術的課題の一つとなっている。この従来のシステムでは、超音波プローブに位置センサが取り付けられており、このセンサから検出されたプローブの位置に基づいて収集画像の位置情報を得るようにしている。使用される位置センサとしては、位置検出精度やセンサ自体の大きさ、コスト等の観点から磁気センサや超音波センサ等が主に用いられる。磁気センサや超音波センサは、それぞれ磁気又は超音波を発生するトランスミッタと、それを受信するレシーバ(センサ)とによって構成され、超音波プローブのケース表面にレシーバが取り付けられる。
【0004】
しかしながら、このような従来の3次元超音波診断システムにおけるプローブの位置検出には次のような問題点がある。
【0005】
すなわち、トランスミッタ−レシーバ間に例えば検査者等が介在すると、これが障害物となって位置検出精度が低下するという問題点がある。また、検査者が手に保持して用いる超音波プローブは、空間中において自由にその位置及び向きを変えることができるため、超音波プローブがトランスミッタとレシーバの両者に挟まれた状態になり、すなわち超音波プローブ自体が障害物となる場合がある。この場合についても、やはり位置センサによる検出精度が低下してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、超音波プローブを走査する位置や向きにかかわらず、その位置検出を高精度に行なうことができ、この位置情報に基づく高精度の3次元超音波画像が得られる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の超音波診断装置は、被検体に超音波を送受波し、該被検体の断面を超音波で走査する超音波プローブと、前記超音波プローブから得られた受波信号に基づいて複数枚の2次元の超音波画像を生成する2次元画像生成手段と、磁気又は超音波を発生するトランスミッタと、前記超音波プローブのケース表裏の各々に少なくとも1つ以上取り付けられ、前記トランスミッタが発生した磁気又は超音波を受波するレシーバと、前記各々のレシーバの受波信号に基づく位置データを算出する信号処理手段と、前記信号処理手段により算出された位置データに基づき前記トランスミッタから前記レシーバまでの各々の距離を計算し、当該距離が短い方のレシーバを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたレシーバからの位置データを前記複数枚の2次元超音波画像の位置データとして用い、当該画像を処理して3次元超音波画像を生成する3次元画像生成手段と、を具備する。
【0008】
(2)本発明の超音波診断装置は、被検体に超音波を送受波し、該被検体の断面を超音波で走査する超音波プローブと、前記超音波プローブから得られた受波信号に基づいて複数枚の2次元の超音波画像を生成する2次元画像生成手段と、磁気を発生するトランスミッタと、前記超音波プローブのケース表裏の各々に少なくとも1つ以上取り付けられ、前記トランスミッタが発生した磁気を受波するレシーバと、前記各々のレシーバの受波信号に基づく位置データを算出する信号処理手段と、前記信号処理手段により算出された位置データを前記レシーバ毎に格納する記憶手段と、前記記憶手段に格納された位置データの各々の分散値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された分散値が小さい方の位置データを前記記憶手段から選択的に読み出す位置データ選択手段と、前記位置データ選択手段により読み出された位置データを前記複数枚の超音波画像の位置データとして用い、当該画像を画像処理して3次元超音波画像を生成する3次元画像生成手段と、を具備する。
【0009】
(3)本発明の超音波診断装置は、被検体に超音波を送受波し、該被検体の断面を超音波で走査する超音波プローブと、前記超音波プローブから得られた受波信号に基づいて複数枚の2次元の超音波画像を生成する2次元画像生成手段と、磁気又は超音波を発生するトランスミッタと、前記超音波プローブのケース表裏の各々に少なくとも1つ以上取り付けられ、前記トランスミッタが発生した磁気又は超音波を受波するレシーバと、前記各々のレシーバの受波信号に基づく位置データを算出するとともに、各々の位置データの一定範囲時間の分散値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された各々のレシーバの分散値同士を比較し、当該分散値が小さい方のレシーバを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたレシーバの受波信号に基づく位置データを算出する信号処理手段と、
前記信号処理手段により算出された位置データを前記複数枚の2次元超音波画像の位置データとして用い、当該画像を処理して3次元超音波画像を生成する3次元画像生成手段と、を具備する。
【0010】
(作 用)
上記(1)の超音波診断装置によれば、超音波プローブの表裏にそれぞれ少なくとも1個以上、計2個以上のレシーバが取り付けられており、トランスミッタに近い方のレシーバが自動的に選択される。この場合、トランスミッタとレシーバ間で超音波プローブが障害物とはならない状態が得られるので、検査者はレシーバの位置を気にすることなく高精度の位置情報が付加された3次元の画像データ収集を行なうことができる。
【0011】
上記(2)の超音波診断装置によれば、超音波プローブの表裏にそれぞれ少なくとも1個以上、計2個以上のレシーバが取り付けられており、各々のレシーバから得られた位置データのうち、分散値が小さい方の位置データが記憶手段から選択的に読み出され、当該位置データに基づいて3次元画像処理が行われる。これにより、高精度の位置情報が付加された3次元の画像データ収集を行なうことができる。
【0012】
上記(3)の超音波診断装置によれば、超音波プローブの表裏にそれぞれ少なくとも1個以上、計2個以上のレシーバが取り付けられており、一定範囲時間の分散値が小さい、安定したレシーバが自動的に選択されるので、このレシーバからの位置データに基づく超音波プローブの位置検出が行われることになり、位置検出精度をより高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、磁気又は超音波を送受信するトランスミッタと位置センサ(レシーバ)により構成される位置検出ユニットを備える3次元超音波診断システムにおいて、3次元画像の構成元となる複数の超音波断面画像の各々の位置データを高精度に収集することができるようになる。このような高精度の位置データに基づく3次元画像処理によって作成された3次元超音波画像は歪み等が少なくなり、これにより画質を向上でき、表示対象物を3次元画像によって現実に近い形で表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る3次元超音波診断システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態の3次元超音波診断システムは、超音波プローブ12を備え、このプローブ12を検査者が手動で操作することによって被検体の複数枚の断面画像(2次元の超音波画像)を得るための超音波診断装置1と、これら複数枚の断面画像の画像データを画像処理し、3次元超音波画像を生成して表示する3次元システム2とによって構成される。超音波プローブ12は、被検体に対し超音波を送受波し、被検体の断面を超音波で走査するためのものである。
【0016】
3次元システム2は、超音波診断装置1から得られた複数枚の2次元超音波画像の画像データを収集する画像収集ユニット3と、超音波プローブ12の位置を検出し、その検出結果に基づき各々の断面画像の位置等を示す位置データを出力する位置検出ユニット4と、画像収集ユニット3に収集された複数枚の断面画像を、位置検出ユニット4により検出された位置データに基づいて画像処理し、3次元の画像データを構成処理する演算ユニット5と、この構成処理によって得られた3次元超音波画像を表示する表示ユニット6とによって構成される。
【0017】
位置検出ユニット4は、レシーバ(位置センサ)7と、トランスミッタ8と、位置データ信号処理回路9と、位置データチェック部10と、位置データ収集部11とによって構成される。レシーバ7は超音波プローブ12の所定の表面に取り付けられている。位置データチェック部10は位置データ信号処理回路9を介して得られた位置データに基づき、レシーバ7による位置検出状態をモニタする手段を構成するものである。
【0018】
トランスミッタ8は、位置データ信号処理回路9により駆動されて磁気又は超音波を発生し、レシーバ7は、トランスミッタから発生した磁気又は超音波を受波する。この受波信号は超音波プローブ12の所定の信号線を通じて位置検出ユニット4の位置データ信号処理回路9に供給される。位置データ信号処理回路9は、この信号に基づいて所定の演算を行なって超音波プローブ12の位置データ等を算出し、位置データ収集部11に対し出力する。
【0019】
ここで、超音波プローブ12の位置データを収集するのに適した状態を、本実施形態では次のように定義する。すなわち、レシーバ7とトランスミッタ8との間に障害物等が存在せず、トランスミッタ8から発生した磁気又は超音波をレシーバ7が安定的に受信でき、レシーバ7が、プローブ12の動きに準じた安定した受波信号を出力する状態と定義する。
【0020】
これに対し、超音波プローブ12の位置データを収集するのに適さない状態は次のように定義する。すなわち、レシーバ7とトランスミッタ8との間に超音波プローブ自体や検査者、あるいは他の磁性体などの障害物が介在し、トランスミッタ8から発生した磁気又は超音波をレシーバ7が安定的に受信することができず、レシーバ7が、例えば突出した信号値を含んでいるような不安定な受波信号を出力する状態である。この状態は、(1)手動により自在に移動可能であるプローブ12の、位置データの分散値が大きい状態、(2)プローブ12を素早く移動させている状態であってその移動速度が100mm/sを超える状態、(3)レシーバ7が取り付けられたプローブ12をトランスミッタ8から離しすぎた状態のことを言い、これらの状態は位置データを収集する状態としては不適切であるとみなせる。
【0021】
位置データ信号処理回路9により算出された位置データに基づくプローブ12の位置検出状態の判定は、位置データチェック部10により行われる。
【0022】
位置データチェック部10は、位置データ信号処理回路9から位置データを順次に取り込み、以下の場合はプローブ12の位置検出状態が正常ではないと判断し、その旨を表す所定のメッセージをモニタ13,14上に表示する。
【0023】
(1)一定時間間隔に於ける位置データの分散値を計算し、その値が所定の閾値を超えた場合
(2)プローブ12の2点間の位置の差を求め、これを間隔で除算して求まる速度値が100mm/sを超えた場合
(3)トランスミッタ8からレシーバ7までの距離を計算し、その値が所定の閾値(センサに依存する値、例えば70cm)を超えた場合
したがって、障害物が介在して位置検出が阻害されている状態、あるいは位置検出に不適な状態になると、その旨を表すメッセージが検査者に対して表示されることになるので、検査者は、適切な時期に検査を中断し、あるいは位置検出が正常に行えるようにプローブの位置を調整することができるようになる。これにより、高精度な位置情報を行なって3次元超音波画像を収集することができる。
【0024】
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態に係る3次元超音波システムの外観図である。また、図3は本実施形態の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の3次元超音波診断システムは、超音波プローブ12の表裏にレシーバ(位置センサ)が各1個づつ取り付けられており(7a,7b)、位置検出ユニット4(図3参照)による位置検出を2つのセンサから同時に行える構成としている点が第1実施形態のものとは異なる。他の構成については第1実施形態のものと同様である。
【0025】
2個のレシーバ7a,7bは、超音波プローブ12の表裏に1個ずつ取り付けられており、このため一方のレシーバがトランスミッタ8から見て超音波プローブ12の陰に入ってしまう場合、他方のレシーバは、ちょうど超音波プローブ12とトランスミッタ8との間に介在することになる。よって、少なくともどちらか一方のレシーバが正常に位置データを検出可能な状態を実現できる。
【0026】
そして本実施形態では、2次元の超音波画像データの収集を行う前に、2つのレシーバ7a,7bからの位置データの算出が行われる。すなわち、トランスミッタ8は2次元の超音波画像データの収集前に磁気又は超音波を発生し、レシーバ7a,7bはこれを受波する。この受波信号は位置データ信号処理回路9に入力され、各々のレシーバの位置データが算出される。
【0027】
ここで、位置センサ選択部15は算出された位置データに基づいて、トランスミッタ8からレシーバ7a、7bまでの各々の距離を算出する。そして両者の距離を比較し、距離が短い方(すなわちトランスミッタ8に近い方)のレシーバを選択する。
【0028】
複数枚の2次元超音波画像の収集、すなわち3次元の画像データの収集においては、選択されたレシーバに基づく位置データの検出が行われる。位置データ収集部11は、選択されたレシーバからの位置データを収集して演算ユニット5に対し出力する。演算ユニット5は、この位置データを複数枚の2次元超音波画像の位置データとして用い、当該画像を3次元画像処理し、3次元の超音波画像を生成する。
【0029】
このような本実施形態によれば、超音波プローブ12の向きによってプローブ自体が障害物となる状況にあっても、2つのレシーバのうちトランスミッタ8に近い方のレシーバ、すなわち超音波プローブ12とトランスミッタ8との間に介在するレシーバが常に選択されることになる。
【0030】
したがって、超音波プローブ12自体がトランスミッタ−レシーバ間の陰となってレシーバからの位置情報の精度が低下することを防止できる。これにより3次元画像データ収集のための位置情報を安定して得ることができ、したがって、高精度の3次元超音波画像を安定して得ることができるようになる。
【0031】
ところで、本実施形態は第1実施形態と組み合わせてもよい。すなわち、超音波プローブに2つのレシーバを設け、常にトランスミッタに近い方のレシーバを選択して位置データを得るようにし、且つ位置データチェック部により位置検出状態の判定を上記実施形態と同様に行なっても良い。これによれば第1実施形態と第2実施形態の効果を同時に得ることができる。
【0032】
(第3実施形態)
図4は本発明の第3の実施形態に係る3次元超音波診断システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態は、第2の実施形態と同様に超音波プローブ12の表裏にレシーバ(7a,7b)が各1個づつ取り付けられており、位置検出ユニット4(図3参照)は、2つのレシーバ7a,7bからの信号を同時に取込み、各々のレシーバに対応する2つの位置データを得る。
【0033】
そして本実施形態においては、各々のレシーバからの信号が3次元画像データの収集タイミングと同期して位置データ信号処理回路9に同時に供給され、これらの信号に基づく各々の位置データが位置データ信号処理回路9により求められる。得られた位置データは位置データ格納部16a,16bにそれぞれ格納される。そして、3次元画像データの収集終了と同時に位置データの収集も終了する。
【0034】
画像データの収集後において、レシーバ7a,7bから収集された各々の位置データは位置データ比較部17に入力される。位置データ比較部17は入力された位置データに基づき各々の分散値を算出し、両者を比較する。そして、分散の小さい、すなわち安定した値をとる位置データが選択されて演算ユニット5に対し出力される。つまり、安定した値をとる位置データが位置データ格納部16a又は16bから選択的に読み出されて演算ユニット5に対し出力される。演算ユニット5は、この位置データを複数枚の2次元超音波画像の位置データとして用い、当該画像を3次元画像処理し、3次元の超音波画像を生成する。
【0035】
このように、本実施形態によれば2つのレシーバ7a,7bのうち、安定した値をとる位置データを選択するので、超音波プローブ12の高精度な位置検出情報を得ることができ、これにより高精度の3次元超音波画像を得ることが可能となる。
【0036】
ところで、本実施形態は第1実施形態と組み合わせてもよい。すなわち、画像データの収集中において、位置データチェック部により位置検出状態の判定を上記実施形態と同様に行なうとともに2つのレシーバからの信号に基づく2つの位置データを収集して位置データ格納部に記憶させておき、画像データ収集後において、安定したデータを選択的に読み出して用いるようにしても良い。この場合は第1実施形態と第3実施形態の効果を同時に得ることができる。
【0037】
(第4実施形態)
図5は本発明の第4実施形態に係る3次元超音波診断システムの概略構成を示すブロック図である。本実施形態は、第2の実施形態と同様に超音波プローブ12の表裏にレシーバ(7a,7b)が各1個づつ取り付けられており、位置検出ユニット4(図3参照)は、2つのレシーバ7a,7bからの信号を同時に取込み、各々のレシーバに対応する2つの位置データを得る。
【0038】
そして本実施形態では、2次元の超音波画像データの収集を行う前に、2つのレシーバ7a,7bの位置を検出し、各々のセンサからの位置データを収集する。位置センサ選択部18は、収集された各々のセンサからの位置データの、一定範囲時間における分散値を比較し、分散値の小さい安定した位置データが得られた方のレシーバを選択する。位置データ収集部11は、選択されたレシーバからの位置データを3次元画像データの収集位置のデータとして用いる。
【0039】
本実施形態によれば、一定範囲時間内における位置データの分散値が小さい、安定したレシーバが自動的に選択されるので、3次元画像データ収集のための位置情報を安定して得ることができ、したがって、高精度の3次元超音波画像を安定して得ることができるようになる。
【0040】
ところで、本実施形態は第1実施形態と組み合わせてもよい。すなわち、超音波プローブに2つのレシーバを設け、安定した位置データの得られるレシーバを選択して位置データを得るようにし、且つ位置データチェック部により位置検出状態の判定を上記実施形態と同様に行なっても良い。これによれば第1実施形態と第4実施形態の効果を同時に得ることができる。
【0041】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず種々変形して実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態に係る3次元超音波診断システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る3次元超音波診断システムの外観図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る3次元超音波診断システムの概略構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第3実施形態に係る3次元超音波診断システムの概略構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第4実施形態に係る3次元超音波診断システムの概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0043】
1…超音波診断装置
2…3次元システム
3…画像収集ユニット
4…位置検出ユニット
5…演算ユニット
6…表示ユニット
7…レシーバ
8…トランスミッタ
9…位置データ信号処理回路
10…位置データチェック部
11…位置データ収集部
12…超音波プローブ
13、14…モニタ
15、18…位置センサ選択部
16…位置データ格納部
17…位置データ比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に超音波を送受波し、該被検体の断面を超音波で走査する超音波プローブと、
前記超音波プローブから得られた受波信号に基づいて複数枚の2次元の超音波画像を生成する2次元画像生成手段と、
磁気又は超音波を発生するトランスミッタと、
前記超音波プローブのケース表裏の各々に少なくとも1つ以上取り付けられ、前記トランスミッタが発生した磁気又は超音波を受波するレシーバと、
前記各々のレシーバの受波信号に基づく位置データを算出する信号処理手段と、
前記信号処理手段により算出された位置データに基づき前記トランスミッタから前記レシーバまでの各々の距離を計算し、当該距離が短い方のレシーバを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたレシーバからの位置データを前記複数枚の2次元超音波画像の位置データとして用い、当該画像を処理して3次元超音波画像を生成する3次元画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
被検体に超音波を送受波し、該被検体の断面を超音波で走査する超音波プローブと、
前記超音波プローブから得られた受波信号に基づいて複数枚の2次元の超音波画像を生成する2次元画像生成手段と、
磁気を発生するトランスミッタと、
前記超音波プローブのケース表裏の各々に少なくとも1つ以上取り付けられ、前記トランスミッタが発生した磁気を受波するレシーバと、
前記各々のレシーバの受波信号に基づく位置データを算出する信号処理手段と、
前記信号処理手段により算出された位置データを前記レシーバ毎に格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された位置データの各々の分散値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された分散値が小さい方の位置データを前記記憶手段から選択的に読み出す位置データ選択手段と、
前記位置データ選択手段により読み出された位置データを前記複数枚の超音波画像の位置データとして用い、当該画像を画像処理して3次元超音波画像を生成する3次元画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
被検体に超音波を送受波し、該被検体の断面を超音波で走査する超音波プローブと、
前記超音波プローブから得られた受波信号に基づいて複数枚の2次元の超音波画像を生成する2次元画像生成手段と、
磁気又は超音波を発生するトランスミッタと、
前記超音波プローブのケース表裏の各々に少なくとも1つ以上取り付けられ、前記トランスミッタが発生した磁気又は超音波を受波するレシーバと、
前記各々のレシーバの受波信号に基づく位置データを算出するとともに、各々の位置データの一定範囲時間の分散値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された各々のレシーバの分散値同士を比較し、当該分散値が小さい方のレシーバを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたレシーバの受波信号に基づく位置データを算出する信号処理手段と、
前記信号処理手段により算出された位置データを前記複数枚の2次元超音波画像の位置データとして用い、当該画像を処理して3次元超音波画像を生成する3次元画像生成手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−149175(P2008−149175A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60263(P2008−60263)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願平10−170007の分割
【原出願日】平成10年6月17日(1998.6.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】