説明

超音波診断装置

【課題】超音波診断装置に関する発明を提供する。
【解決手段】開示された超音波診断装置は、バンド状に形成され、測定対象物に巻かれる連結部と、連結部に連結され、プローブを備える検診部とを備える。前記プローブは、前記測定対象物に連結部が巻かれる方向とは異なる方向に移動することを特徴とする。本発明に係る超音波診断装置は、測定対象物に連結部を巻いて固定し、連結部の巻方向とは異なる方向にプローブを移動させて測定対象物の均一な超音波映像を取得するので、超音波検査の信頼性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関するもので、より詳細には、測定対象物の長さ方向に移動しながら、測定対象物の曲面や突出部分に沿って超音波診断を容易に行うことができる超音波診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、測定対象物の体表から体内の所望の部位に向けて超音波信号を照射し、反射された超音波信号(超音波エコー信号)の情報を用いて軟部組織の断層像や血流に関する情報を得る装置である。
【0003】
超音波診断装置は、X線診断装置、CTスキャナ(Computerized Tomography Scanner)、MRI(Magnetic Resonance Image)、核医学診断装置などの他の映像診断装置と比較し、小型である、安価である、リアルタイムで表示が可能である、X線などの被曝がなくて安全性が高いなどの長所があるため、心臓、腹部、泌尿器及び産婦人科などの診断のために幅広く用いられている。
【0004】
超音波診断装置は、測定対象物(例えば、人体の臓器)の超音波映像を得るために超音波信号を測定対象物に送信し、測定対象物から反射してくる超音波信号を受信するためのプローブを備える。プローブを通して受信された信号は制御部を通して映像表示部に出力され、検査者は、映像表示部の画面と測定対象物を交互に見ながら検査をする。
【0005】
上述した技術構成は、本発明の理解を促進するための背景技術であって、本発明の属する技術分野で広く知られた従来技術の全てを意味するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−264254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
超音波診断を行う時、腕、胴体又は脚などの測定対象物においては、周りが曲線状であるので、検査者は、プローブをつかんで測定対象物の長さ方向に移動させながらスキャンする。このような超音波診断においては、検査者の能力によって超音波映像が異なるので、超音波検査の信頼度が低下する。また、検査者は曲面や突出部位に沿ってプローブを移動させる作業を要求されるので、検査者の手首を含む身体に傷害が発生するおそれがある。そのため、これを改善することが要請される。
【0008】
本発明は、前記のような問題を改善するためになされたもので、測定対象物の超音波検査時において、検査者の能力と関係なしに信頼性のある検査を行える超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、検査者の疲労度を減少させる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る超音波診断装置は、バンド状に形成され、測定対象物に巻かれる連結部と、連結部に連結され、プローブを備える検診部とを備え、プローブは、測定対象物に連結部が巻かれる方向とは異なる方向に移動する。
【0011】
また、連結部は、検診部の一方の面の一端に連結される第1のバンド部材と、検診部の一方の面の他端に連結される第2のバンド部材とを備える。
【0012】
また、前記連結部は、第1のバンド部材に連結される第1の結合部と、第2のバンド部材に連結され、第1の結合部と結合される第2の結合部とをさらに備える。
【0013】
また、第1の結合部と第2の結合部としては織製面ファスナーを使用することが望ましい。
【0014】
また、検診部は、連結部と連結する超音波透過膜と、該超音波透過膜の一方の面に備えられ、プローブを移動させる移動部とを備える。
【0015】
また、本発明は、測定対象物と対向し、超音波透過膜の他方の面に設置され、内側にゲルを有するゲルパッドをさらに備える。
【0016】
また、検診部は、連結部と連結され、プローブの移動方向に沿って設置される弾性材質のゲルパッドと、ゲルパッドの内部でプローブを移動させる移動部とを備える。
【0017】
また、検診部は、超音波透過膜の一方の面に移動部を覆うように設けられたカバー部材をさらに備え、該カバー部材は、移動部を作動させるボタンを有する。
【0018】
また、移動部は、回転動力を供給する駆動部材と、駆動部材の回転によって移動する移送ベルトと、移送ベルトに固定されて移送ベルトと共に移動し、プローブが一方の側に固定される移動装着部とを備える。
【0019】
また、移動部は、駆動部材の動力を受け、移送ベルトの一端を支持する駆動ギアと、移送ベルトの他端を支持する従動ギアとをさらに備える。
【0020】
また、移送ベルトは2つの移送ベルトで構成され、該2つの移送ベルトが前記移動装着部の一方の側に設置される。
【0021】
また、移動部は、超音波透過膜の長手方向に沿って超音波透過膜に設置されるギアレールと、ギアレールに沿って移動し、プローブが側面に固定される移動検査部とを備える。
【0022】
また、ギアレールは移動検査部の両端に設置される。
【0023】
また、移動検査部は、ギアレールに噛み合って回転するギア部材と、ギア部材を駆動させる移送モータと、移送モータ、ギア部材及びプローブが装着される移動プレートとを備える。
【0024】
また、移動検査部は、移動プレートの両端で折り曲げられ、超音波透過膜の他方の面に掛止される離脱防止リング部材をさらに備える。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る超音波診断装置は、測定対象物に連結部を巻いて固定し、連結部の巻方向とは異なる方向にプローブを移動させて測定対象物の均一な超音波映像を取得するので、超音波検査の信頼性を向上させることができる。
【0026】
また、本発明では、プローブの移動が自動的に行われるため、検査者の疲労度を減少させ、作業性を向上させることができる。
【0027】
また、本発明では、スキャン作業を行う検査者が、プローブを直接つかんで測定対象物の周りに固定する作業を行うことをせずに、織製面ファスナー、紐及びバンドなどを用いてプローブを測定対象物の周りに固定して検査を行うため、検査者の疲労度を減少させることができる。
【0028】
また、本発明は、超音波透過膜がフレキシブルに曲げられ、ギアレールも同一の方向に曲げられるので、その結果、移動検査部に備えられたプローブも曲面に対する抵抗なしに測定対象物の周りに沿ってスキャンすることができる。
【0029】
また、本発明は、超音波透過膜の長さ方向に沿ってプローブが移動するので、測定対象物の多様な曲面にもかかわらず、広い部位の接触が可能であり、広い検査領域を確保することができる。
【0030】
また、本発明は、検査者の手による操作なしにスキャン作業が行われるので、どの患者も均一な超音波映像を得ることができ、超音波検査の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置の使用状態を概略的に示した斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置を概略的に示した斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置の内部構成を概略的に示した分解斜視図である。
【図4】図3に示した移動装着部が移送ベルトに沿って移動する状態を概略的に示した斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る移送ベルトが超音波透過膜に傾斜した状態で設置される状態を示した斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る移動部の分解斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置のブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る超音波診断装置の内部構成を概略的に示した分解斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る移動部の分解斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施例に係る超音波診断装置を概略的に示した斜視図である。
【図11】図10に示した超音波診断装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の各図面を参照して、本発明に係る超音波診断装置の第1の実施例を説明する。説明の便宜のために、測定対象物が腕である場合を説明する。この過程で、図面に示されている線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性及び便宜上、誇張されて示される場合もある。また、後述する各用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これらは、使用者及び運用者の意図又は慣例により変わることがある。従って、このような用語に対する定義は、本明細書の全般に渡った内容に基づいて下さなければならないだろう。
【0033】
図1〜図7は、本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置を示す図である。
【0034】
図1〜図7に示すように、本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置1は、バンド状に形成され、測定対象物10の周りに巻かれる連結部20と、連結部20に連結され、測定対象物10に連結部20が巻かれる方向とは異なる方向(交差する方向)にプローブ12を移動させる検診部30とを備える。
【0035】
ここでは、第1の実施例に係る測定対象物10として、人間の腕を例に挙げて説明する。超音波診断装置1は、測定対象物10に巻かれた状態でプローブ12を移動させることにより、測定対象物10の超音波映像を取得する。
【0036】
超音波診断装置1に備えられたプローブ12としては、連結部20の巻方向とは異なる方向に移動しながら超音波信号を送受信し、測定対象物10の超音波映像を取得するものであればどのような物であっても良い。
【0037】
超音波診断装置1を測定対象物10に固定する連結部20は、検診部30の内側面の一方の長辺側に連結される第1のバンド部材22と、検診部30の内側面の他方の長辺側に連結される第2のバンド部材26とを備える(図2、3参照)。
【0038】
このような連結部20は、測定対象物10の周りに巻かれて固定されるので、検診部30の移動を拘束するものであれば、伸縮できる紐やバンドを含みいかなる部材であっても構わない。
【0039】
連結部20は、第1のバンド部材22の検診部30とは反対側の端部に連結される第1の結合部24と、第2のバンド部材26の検診部30とは反対側の端部に連結される第2の結合部28とをさらに備える。
【0040】
第1のバンド部材22に連結されている第1の結合部24と、第2のバンド部材26に連結されている第2の結合部28は、互いに結合する。これらの部材は相互結合という目的を達するものであればどんな物でも構わない。
【0041】
第1の実施例に係る第1の結合部24と第2の結合部28としてはベルクロファスナーなどのような織製面ファスナーを使用するので、連結部20の長さ調節及び着脱が容易に行われる。
【0042】
そして、連結部20を測定対象物10に設置することによって、測定対象物10に接して設置される検診部30内におけるプローブ12は、連結部20が巻かれる方向とは異なる方向に移動する。本実施形態では、プローブ12は、連結部20が巻かれる方向と直交する方向に移動するが、ここでも上記の目的を達成するものであれば、どのような物であっても良い。
【0043】
第1の実施例に係る検診部30は、連結部20と連結され、超音波が透過される材質で形成される超音波透過膜32と、プローブ12を移動させる移動部40とを備える。
【0044】
超音波透過膜32は、超音波の透過性が優れており、測定対象物10に沿って曲げられる伸縮性のある材質で形成される。
【0045】
検診部30は、測定対象物10に直接接触するゲルパッド34をさらに備えていてもよい。このゲルパッド34は超音波透過膜32の測定対象物10側の面に接して設置されてもよいし、ゲルパッド34なしに超音波透過膜32のみが使用されてもよい。
【0046】
ゲルパッド34は、測定対象物10と対向する超音波透過膜32に設置され、その内側に超音波透過性ゲルが備えられる。
【0047】
プローブ12が測定対象物10に沿って移動するとき、ゲルパッド34が測定対象物10の周りに密着しているので、プローブ12と測定対象物10との間に形成される空間によりエラーが発生するのが防止される。
【0048】
そしてさらに、測定対象物10とプローブ12との間には一定の厚さを有するゲルパッド34が設置されるので、これが発生しうる超音波の乱反射を除去し、超音波映像の信頼度を向上させる。
【0049】
超音波透過膜32に設置される移動部40は、連結部20が測定対象物10に巻かれる方向とは異なる方向にプローブ12を移動させる。
【0050】
例えば、連結部20は測定対象物10である腕の周りに巻かれ、プローブ12は、腕の長さ方向に沿って移動しながら超音波映像を取得する。
【0051】
連結部20の巻方向とプローブ12の移動方向とは通常、直角になっている。しかし、図5に示すように、移送ベルト42が超音波透過膜32の長辺に対して設定角度Aだけ傾斜するように設置することも可能である。この場合、プローブ12は、移送ベルト42に沿って、超音波透過膜32の斜め方向に移動することになる。このように本発明では、プローブ12の移動方向を変えることが可能である。
【0052】
第1の実施例に係る移動部40は、回転動力を供給する駆動部材41と、駆動部材41の回転によって移動する移送ベルト42と、移送ベルト42と共に移動し、プローブ12が一方の面に固定される移動装着部43と、駆動部材41の動力を受け、移送ベルト42の一端を支持する駆動ギア44と、移送ベルト42の他端を支持する従動ギア45とを備える。
【0053】
駆動部材41は、回転動力を供給するモータであって、超音波透過膜32のカバー部材36側の面に固定設置される。
【0054】
駆動部材41の上側(図6参照)と下側に延長される駆動軸には駆動ギア44がそれぞれ設置される。
【0055】
駆動ギア44は移送ベルト42の一端(図6の右側)を支持するように設置され、従動ギア45は移送ベルト42の他端を支持するように設置される。
【0056】
図6の上側と下側に備えられる従動ギア45は、連結棒で連結されて同一の回転をする。
【0057】
移送ベルト42は、その内側面に歯形が形成されているので、駆動ギア44及び従動ギア45と噛み合って回転する。
【0058】
プローブ12が装着される移動装着部43は、移送ベルト42の超音波透過膜32側の面に固定され、移送ベルト42の移動によって移動装着部43も移動する。
【0059】
このような移動装着部43の両側(図6の上側と下側)に移送ベルト42が設置されるので、すなわち、移動装着部43のカバー部材36側の面に2つの移送ベルト42が設置されるので、移動装着部43の左右移動がより安定的に行われる。
【0060】
移動制御部62は、移動装着部43のカバー部材36側の面で、2つの移送ベルト42の間に設置され、駆動部材41及びプローブ12の動作を制御する。
【0061】
移動制御部62は、ボタン60の動作によって制御され、このようなボタン60は、超音波透過膜32を覆うカバー部材36に直接、備えられるか、その他の部位に設置される。
【0062】
移動制御部62は、有線又は無線でメイン制御部64と連結されてプローブ12の測定値を伝送し、メイン制御部64は、測定された超音波信号を画像信号に変換してディスプレイ部66に伝送する(図7参照)。
【0063】
カバー部材36に備えられたボタン60の操作によって移動部40が作動し、駆動部材41は、有線や無線で電力を受けるか、検診部30の内側に別途に備えられたバッテリを介して電力を受ける。
【0064】
以下に、添付の各図面を参照して本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置1の動作を詳細に説明する。
【0065】
測定対象物10に連結部20を巻いた状態で、第1の結合部24と第2の結合部28を結合して連結部20の位置を固定する。連結部20の固定により、プローブ12を備えた検診部30も測定対象物10に接して設置される。
【0066】
ユーザがボタン60を押すと、駆動部材41に電力が供給され、回転動力が発生して駆動部材41の上側と下側にある駆動ギア44が回転する。
【0067】
駆動ギア44の回転によって移送ベルト42が移動するので、移送ベルト42は駆動ギア44と従動ギア45との間で回転する。
【0068】
移送ベルト42に固定された移動装着部43も移送ベルト42と共に移動し、移動装着部43に備えられたプローブ12も移動しながら測定対象物10をスキャンし、超音波映像を作成する。
【0069】
超音波透過膜32の後面(測定対象物10側の面)に付着されたゲルパッド34は、曲面状の測定対象物10を取り囲みながら設置されるので、プローブ12と測定対象物10との間の空気による超音波の測定エラーを減少させることができる。
【0070】
移動制御部62は、プローブ12の移動位置を計算し、駆動部材41を正方向又は逆方向に回転させて、プローブ12を左右方向(図4参照)に移動させ、その位置を調節する。
【0071】
プローブ12で得られた超音波信号は、移動制御部62を介してメイン制御部64に伝達される。メイン制御部64は、超音波信号を画像信号に変換してディスプレイ部66に伝送することにより、測定対象物10の超音波映像を表示する。
【0072】
次に、図面を参照して本発明の第2の実施例に係る超音波診断装置2を説明する。
【0073】
説明の便宜上、本発明の第1の実施例と構成及び作用が同一の構成要素については、同一の参照番号を用いて引用し、これに対する詳細な説明は省略する。
【0074】
図8と図9は、本発明の第2の実施例に係る超音波診断装置2を概略的に示した図である。
【0075】
図8と図9に示すように、本発明の第2の実施例に係る超音波診断装置2に備えられる移動部50は、プローブ12が移動する長さ方向(超音波透過膜32の長手方向)に沿って超音波透過膜32に設置されるギアレール51と、ギアレール51に沿って移動し、プローブ12が側面に固定されている移動検査部52とを備える。
【0076】
ギアレール51は超音波透過膜32の側面(カバー部材36側の面)に固定され、ギアレール51と超音波透過膜32はフレキシブルな材質で形成される。
【0077】
ギアレール51は、プローブ12を備える移動検査部52の上下(図8参照)両側に設置されるので、すなわち、超音波透過膜32の長辺に沿って設置されるので、移動検査部52の左右移動がより安定的に行われる。
【0078】
第2の実施例に係る移動検査部52は、ギアレール51に噛み合って回転するギア部材53と、ギア部材53を駆動させる移送モータ54と、移送モータ54、ギア部材53及びプローブ12が装着される移動プレート55と、移動プレート55の両側で折り曲げられ、超音波透過膜32の後面に掛止される離脱防止リング部材56とを備える。
【0079】
互いに分離された各離脱防止リング部材56は、移動プレート55の上側と下側に延長され、移動プレート55の両側で折り曲げられる。このように移動プレート55の上側と下側に離脱防止リング部材56が延長形成され、この離脱防止リング部材56が超音波透過膜32の後面に掛止されるので、移動プレート55の移動検査部52からの離脱が防止される。
【0080】
移動プレート55のカバー部材36側の面には、移送モータ54の動作を制御する移動制御部62が設置され、移送モータ54はギアレール51に噛み合っているギア部材53を回転させる。
【0081】
移動プレート55の下側にも、ギアレール51と噛み合って回転するギア部材53のうちの一つが回転可能な状態で設置される(図9参照)。
【0082】
次に、添付の各図面を参照して本発明の第2の実施例に係る超音波診断装置2の動作を詳細に説明する。
【0083】
ユーザがボタン60を押すと、移送モータ54に電力が供給され、回転動力が発生するので、移送モータ54と連結されるギア部材53が回転する。
【0084】
ギア部材53がギアレール51と噛み合って回転するので、プローブ12を備えた移動プレート55はギアレール51に沿って水平方向(図8参照)に移動する。
【0085】
移動プレート55に備えられたプローブ12も、水平に移動しながら測定対象物10をスキャンし、超音波映像を形成する。
【0086】
移動制御部62は、プローブ12の移動位置を計算し、移送モータ54を正方向又は逆方向に回転させて、プローブ12を左右方向(図8参照)に移動させる。
【0087】
次に、図面を参照して本発明の第3の実施例に係る超音波診断装置3を説明する。
【0088】
説明の便宜上、本発明の第1の実施例と構成及び作用が同一の構成要素については、同一の参照番号を用いて引用し、これに対する詳細な説明は省略する。
【0089】
図10は、本発明の第3の実施例に係る超音波診断装置を概略的に示した斜視図で、図11は、図10に示した超音波診断装置の側面図である。
【0090】
図10と図11に示すように、本発明の第3の実施例に係る検診部30は、連結部20と連結され、プローブ12の移動方向に沿って設置される弾性材質のゲルパッド35と、ゲルパッド35の内部にプローブ12を移動させる移動部40とを備える。
【0091】
プローブ12及びプローブ12を自動的に移動させる移動部40は、ゲルパッド35の内部に備えられる。ゲルパッド35は、測定対象物10に密着しており、プローブ12と測定対象物10との間に空間が形成されるのを防止する。この目的を達成する物であればそこで使用する部材は何であっても構わない。
【0092】
ゲルパッド35のの上面の両長辺側には、連結部20を構成する第1のバンド部材22及び第2のバンド部材26が設置される。
【0093】
駆動部材41、駆動ギア44及び従動ギア45は、ゲルパッド35の内部又は外部に設置され、移送ベルト42を回転させる。
【0094】
本発明の第3の実施例に係る超音波診断装置3は、第1の実施例に係る超音波診断装置1に比べて、超音波透過膜32とカバー部材36が省略されるので、生産コストを節減することができる。
【0095】
以下に、添付の各図面を参照して本発明の第3の実施例に係る超音波診断装置3の動作を詳細に説明する。
【0096】
ゲルパッド35に備えられているボタン60を押すと、駆動部材41に電力が供給され、回転動力が発生するので、駆動部材41の上側と下側(図10参照)にある駆動ギア44が回転する。
【0097】
この駆動ギア44の回転によって移送ベルト42が回転し、ゲルパッド35の内部に設置されている移送ベルト42は駆動ギア44と従動ギア45との間で回転する。
【0098】
移送ベルト42に固定された移動装着部43も、移送ベルト42と共に連動しながらゲルパッド35の内部を移送ベルト42に沿って移動する。
【0099】
移動装着部43に備えられたプローブ12も、水平に移動しながら測定対象物10をスキャンし、超音波映像を形成する。プローブ12と測定対象物10との間には超音波透過性ゲルのみが備えられるので、空気による超音波の測定エラーを減少させることができる。
【0100】
移動制御部62は、プローブ12がゲルパッド35の内部のみで移動するようにプローブ12の移動位置を計算し、駆動部材41の回転を正方向又は逆方向に制御する。
【0101】
上述した構成によれば、第1〜第3の実施例に係る超音波診断装置1、2、3は、測定対象物10に検診部30を固定し、検診部30の長手方向に沿って移動するプローブ12によって測定対象物10の均一な超音波映像が取得されるので、超音波検査の信頼性を向上させることができる。
【0102】
また、プローブ12の移動が自動的に行われるので、検査者の疲労度を減少させ、作業性を向上させることができる。
【0103】
本発明を図面に示した実施例を参考にして説明したが、これは例示的なものにすぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施例を考案することが可能であるという点を理解するだろう。また、超音波診断装置の測定対象物が腕である場合を説明したが、これは例示的なものにすぎず、身体の他の部分の超音波撮影にも本発明の超音波診断装置が使用可能である。
【0104】
したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0105】
1、2、3:超音波診断装置、10:測定対象物、12:プローブ、20:連結部、22:第1のバンド部材、24:第1の結合部、26:第2のバンド部材、28:第2の結合部、30:検診部、32:超音波透過膜、34、35:ゲルパッド、36:カバー部材、40、50:移動部、41:駆動部材、42:移送ベルト、43:移動装着部、44:駆動ギア、45:従動ギア、51:ギアレール、52:移動検査部、53:ギア部材、54:移送モータ、55:移動プレート、56:離脱防止リング部材、60:ボタン、62:移動制御部、64:メイン制御部、66:ディスプレイ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンド状に形成され、測定対象物に巻かれる連結部と、
前記連結部に連結され、プローブを備える検診部とを備え、
前記プローブは、前記測定対象物に前記連結部が巻かれる方向とは異なる方向に移動することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記連結部は、
前記検診部の一方の面の一端に連結される第1のバンド部材と、
前記検診部の前記一方の面の他端に連結される第2のバンド部材と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記連結部は、
前記第1のバンド部材に連結される第1の結合部と、
前記第2のバンド部材に連結され、前記第1の結合部と結合される第2の結合部と、をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記検診部は、
前記連結部と連結する超音波透過膜と、
前記超音波透過膜の一方の面に備えられ、前記プローブを移動させる移動部と、を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記検診部は、前記測定対象物と対向し、前記超音波透過膜の他方の面に設置され、内側にゲルを備えるゲルパッドをさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記検診部は、前記超音波透過膜の前記一方の面に前記移動部を覆うように設けられたカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記移動部を作動させるボタンを有することを特徴とする、請求項4または5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記移動部は、
回転動力を供給する駆動部材と、
前記駆動部材の回転によって移動する移送ベルトと、
前記移送ベルトに固定されて前記移送ベルトと共に移動し、前記プローブが一方の側に固定される移動装着部と、を備えることを特徴とする、請求項4ないし6のいずれかに記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記移動部は、
前記駆動部材の動力を受け、前記移送ベルトの一端を支持する駆動ギアと、
前記移送ベルトの他端を支持する従動ギアと、をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記移送ベルトは2つの移送ベルトで構成され、該2つの移送ベルトが前記移動装着部の前記一方の側に設置されることを特徴とする、請求項7または8に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記移動部は、
前記超音波透過膜の長手方向に沿って前記超音波透過膜に設置されるギアレールと、
前記ギアレールに沿って移動し、前記プローブが側面に固定されている移動検査部と、を備えることを特徴とする、請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記ギアレールは、前記移動検査部の両端に設置されることを特徴とする、請求項10に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記移動検査部は、
前記ギアレールに噛み合って回転するギア部材と、
前記ギア部材を駆動させる移送モータと、
前記移送モータ、前記ギア部材及び前記プローブが装着される移動プレートと、を備えることを特徴とする、請求項10または11に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記移動検査部は、前記移動プレートの前記両端で折り曲げられ、前記超音波透過膜の他方の面に掛止される離脱防止リング部材をさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記検診部は、
前記連結部と連結され、前記プローブの移動方向に沿って設置される弾性材質のゲルパッドと、
前記ゲルパッドの内部で前記プローブを移動させる移動部と、を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記第1の結合部と前記第2の結合部は、織製面ファスナーであることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−240129(P2011−240129A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100091(P2011−100091)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(597096909)三星メディソン株式会社 (269)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea
【Fターム(参考)】