説明

超音波診断装置

【課題】超音波プローブ内の温度上昇を防止し、超音波プローブの使用を制限することなく、内蔵される増幅部の増幅量の変動や熱雑音の変動等による高調波画像の劣化のない超音波診断装置を提供すること。
【解決手段】超音波を送受信する複数の送受信素子を有する送受信部と、送受信部により受信された受信信号を増幅する複数のアンプを有する増幅部と、増幅部と送受信部との接続状態を切り替える複数のスイッチを有する切替スイッチとを備えた超音波プローブを備えた超音波診断装置において、切替スイッチによって切り替えられた増幅部と送受信部との接続状態に基づいて、増幅部の増幅量を制御する制御部を備えることで、超音波プローブ内の温度上昇を防止し、超音波プローブの使用を制限することなく、内蔵される増幅部の増幅量の変動や熱雑音の変動等による高調波画像の劣化のない超音波診断装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、超音波プローブから被検体へ送信された超音波の反射波を受信して被検体内部の超音波画像を生成する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、超音波パルス反射法により、体表から被検体内の軟組織の断層像を無侵襲に得る医療用画像機器である。この超音波診断装置は、他の医療用画像機器に比べ、小型で安価、X線などの被爆がなく安全性が高い、ドップラー効果を応用して血流イメージングが可能等、多くの特長を有し、循環器系(心臓の冠動脈)、消化器系(胃腸)、内科系(肝臓、膵臓、脾臓)、泌尿器科系(腎臓、膀胱)、および産婦人科系などで広く利用されている。
【0003】
このような医療用超音波診断装置に使用される超音波プローブの送受信素子には、高感度、高解像度の超音波の送受信を行うために、圧電素子の圧電効果が一般的に利用される。
【0004】
一方、超音波の高調波信号を用いた組織ハーモニックイメージング(THI)診断は、従来のBモード診断では得られない鮮明な診断像が得られることから、標準的な診断モダリティとなりつつある。
【0005】
THI診断は、基本波に比較して、サイドローブレベルが小さいことでS/Nが良くコントラスト分解能が良くなること、周波数が高くなることでビーム幅が細くなり横方向分解能が良くなること、近距離では音圧が小さく、さらに音圧の変動が少ないので多重反射が起こらないこと、焦点以遠の減衰は基本波並みであり、高調波の超音波は基本波の超音波に比べ深速度を大きく取れること、という多くの利点を有している。
【0006】
そこで、例えば特許文献1には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリフッ化ビニリデン/3フッ化エチレン(P(VDF/3FE))等の有機圧電素子を利用することで、広帯域で高感度の受信用圧電素子を構成する方法が提案されている。これによって、THI診断が容易になる。
【0007】
ところで、超音波プローブを継続使用することで、プローブ内の温度が上昇し、被検者への当接面の温度の上限値を超えてしまったり、超音波を送受信する素子の特性が劣化する等の問題がある。
【0008】
また、近年、受信した信号を確実に伝送するために、超音波プローブ内に増幅器を内蔵したプローブが提供されている。しかし、増幅器を内蔵したことで、増幅器の消費電力により、密閉された超音波プローブ内の温度がさらに上昇する問題が発生している。
【0009】
さらに、超音波を送受信する素子が多素子化されたために、超音波プローブ内に、送受信素子と超音波プローブの出力ケーブルとを接続する切替スイッチの搭載が必要となり、超音波プローブ内の回路規模がますます大きくなり、消費電力の増大による超音波プローブ内の温度上昇がより厳しくなる傾向にある。
【0010】
これらを解決するために、例えば特許文献2では、超音波プローブ内に設けられた温度センサによって検知された温度から送受信面の温度を推定し、推定された送受信面の温度に基づいて送信制限を行う方法が開示されている。
【0011】
また、特許文献3では、周囲環境の温度を検知する温度センサを備え、使用環境温度内でのみ超音波プローブを使用可能とする制御方法が開示されている。
【0012】
さらに、特許文献4では、超音波プローブの温度上昇を小さく抑えるために、所定期間において受信回路の動作を停止するように制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−188415号公報
【特許文献2】特開2003−052693号公報
【特許文献3】特開2010−000137号公報
【特許文献4】特開2009−148424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献2、3および4に示された方法では、いずれの方法においても超音波プローブの使用が制限されてしまうために診断が中断されてしまい、使用者および被検者に超音波プローブの温度が低下するまで待たせるという不便を強いることになる。また、超音波プローブ内の温度変化によって、内蔵される増幅器の動作が不安定となり、増幅量の変動や熱雑音の変動等によって、高調波信号に変動ノイズが多く含まれてしまい、超音波画像が劣化してしまう不具合も発生することが分かってきた。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、超音波プローブ内の温度上昇を防止し、超音波プローブの使用を制限することなく、内蔵される増幅部の増幅量の変動や熱雑音の変動等による超音波画像の劣化の少ない超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
【0017】
1.超音波を送受信する複数の送受信素子を有する送受信部と、
前記送受信部により受信された受信信号を増幅する複数のアンプを有する増幅部と、
前記増幅部と前記送受信部との接続状態を切り替える複数のスイッチを有する切替スイッチとを備えた超音波プローブを備えた超音波診断装置において、
前記切替スイッチによって切り替えられた前記増幅部と前記送受信部との接続状態に基づいて、前記増幅部の増幅量を制御する制御部を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【0018】
2.前記制御部は、
前記増幅部と前記送受信部との接続状態に基づいて、前記増幅部の増幅量を決定する増幅量決定電圧テーブルと、
前記増幅量決定電圧テーブルに基づいて、前記増幅部の増幅量を制御する増幅量決定電圧を出力する電圧制御部とを有することを特徴とする前記1に記載の超音波診断装置。
【0019】
3.前記制御部は、
前記増幅部と前記送受信部との接続状態に基づいて、前記増幅部の増幅量を決定する増幅量決定電圧テーブルを生成し、
生成された前記増幅量決定電圧テーブルに基づいて、前記増幅部の増幅量を制御する増幅量決定電圧を出力する電圧制御部を有することを特徴とする前記1に記載の超音波診断装置。
【0020】
4.前記電圧制御部は、下記(1式)に従って前記増幅量決定電圧テーブルを演算することを特徴とする前記3に記載の超音波診断装置。ここに、
Vgd(β)=α×{N−(γ−β)}・・・(1式)
ただし、
Vgd(β):(増幅量決定電圧テーブルの)β番目のアンプの増幅量決定電圧データ
α:増幅定数
N:超音波の送受信回数
γ:増幅部のアンプの数
β:増幅部のアンプの番号
である。
【0021】
5.前記超音波診断装置は、複数の動作モードを有し、
前記制御部は、
前記動作モード毎に増幅量決定電圧テーブルを有することを特徴とする前記2から4の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0022】
6.前記増幅部は、入力される電圧によって増幅量が決定される増幅量決定端子を有する可変ゲインアンプであり、
前記電圧制御部の前記増幅量決定電圧を、前記増幅部の増幅量決定端子に入力することを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0023】
7.前記送受信部は、有機圧電素子薄膜であることを特徴とする前記1から6の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【0024】
8.前記送受信部は、送信された超音波の基本周波数成分の整数倍の高調波の反射波を受信し、
前記高調波の反射波に基づいて超音波画像を形成する画像処理部を有することを特徴とする前記1から7の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、超音波を送受信する複数の送受信素子を有する送受信部と、送受信部により受信された受信信号を増幅する複数のアンプを有する増幅部と、増幅部と送受信部との接続状態を切り替える複数のスイッチを有する切替スイッチとを備えた超音波プローブを備えた超音波診断装置において、切替スイッチによって切り替えられた増幅部と送受信部との接続状態に基づいて増幅部の増幅量を制御する制御部を備えることで、超音波プローブ内の温度上昇を防止し、超音波プローブの使用を制限することなく、内蔵される増幅部の増幅量の変動や熱雑音の変動等による超音波画像の劣化の少ない超音波診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の各実施の形態における超音波診断装置の外観構成を示す模式図である。
【図2】本発明の各実施の形態における送受信素子の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の各実施の形態における超音波プローブの構成の一例を示す模式図である。
【図4】超音波診断装置の第1の実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態の超音波プローブの受信部の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】超音波プローブの形式と反射波の強度との関係を示す模式図である。
【図7】超音波の受信時に使用される受信素子を示す模式図である。
【図8】第1の実施の形態の増幅量の制御方法の第1の例における制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示す模式図である。
【図9】第1の実施の形態の増幅量の制御方法の第2の例における制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示す模式図である。
【図10】超音波診断装置の第2の実施の形態の内部構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施の形態の超音波プローブの内部構成を示すブロック図である。
【図12】第2の実施の形態における制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示す模式図である。
【図13】第2の実施の形態における増幅部の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略することがある。
【0028】
最初に、本発明の各実施の形態における超音波診断装置の構成について、図1を用いて説明する、図1は、本発明の各実施の形態における超音波診断装置の外観構成を示す模式図である。
【0029】
図1において、超音波診断装置Sは、超音波診断装置本体1、超音波プローブ2およびケーブル3等で構成される。超音波診断装置本体1は、例えば診断開始を指示するコマンドや被検者の個人情報等のデータを入力する操作部11、および、操作部11で入力された各種情報や、超音波プローブ2で受信した受信信号に基づいて生成された被検体内の内部状態の画像(超音波画像)等を表示する表示部15等を備えている。
【0030】
超音波プローブ2は、図示しない人体等の被検体に対して超音波(超音波信号)を送信するとともに、被検体内で反射した超音波の反射波(エコー、超音波信号)を受信し、受信信号を生成する。
【0031】
ケーブル3は、超音波診断装置本体1と超音波プローブ2とを接続し、超音波診断装置本体1からの送信信号を超音波プローブ2へ伝達するとともに、超音波プローブ2で生成された受信信号を超音波診断装置本体1に伝達する。
【0032】
次に、超音波プローブに用いられる送受信素子について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の各実施の形態における送受信素子の一例を示す断面模式図である。ここでは、送信用素子と受信用素子とを分けて設ける方法について説明する。
【0033】
図2において、送受信素子21は、バッキング層211、バッキング層211上に設けられた電極および圧電体を有する圧電部212、圧電部212上に設けられた音響整合層213、および音響整合層213上に設けられた音響レンズ214等で構成される。
【0034】
圧電部212は、送信用素子212a、送信用素子212a上に配された中間層212b、および中間層212上に配された受信用素子212c等で構成される。送信用素子212aは、送信用圧電素子218と、送信用圧電素子218の両面に電極217が付されたものがフレキシブル基板(以下、FPCと言う)215上に載置されて構成される。受信用素子212cも同様に、受信用圧電素子219と、受信用圧電素子219の両面に電極217が付されたものがFPC216上に載置されて構成される。
【0035】
(バッキング層211)
バッキング層211は、圧電部212を支持し、不要な超音波を吸収し得る超音波吸収体である。バッキング層211に用いられるバッキング材としては、天然ゴム、フェライトゴム、エポキシ樹脂に酸化タングステンや酸化チタン、フェライト等の粉末を入れてプレス成形した材料、塩化ビニル、ポリビニルブチラール(PVB)、ABS樹脂、ポリウレタン(PUR)、ポリビニルアルコール(PVAL)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PETP)、フッ素樹脂(PTFE)ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体などの熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0036】
好ましいバッキング材としては、ゴム系複合材およびまたはエポキシ樹脂複合材からなるものであり、その形状は送受信素子21や送受信素子21を含む超音波プローブ2の形状に応じて、適宜選択することができる。
【0037】
ゴム系複合材としては、ゴム成分および充填剤を含有する物が好ましく、JIS K6253に準拠したスプリング硬さ試験機(デュロメータ硬さ)におけるタイプAデュロメータでA70からタイプDデュロメータでD70までの硬さを有するものであり、さらに、必要に応じて各種の他の配合剤を添加することもできる。
【0038】
ゴム成分としては、たとえば、エチレンプロピレンゴム(EPDMまたはEPM)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、EPDMとHNBRのブレンドゴム、EPDMとニトリルゴム(NBR)のブレンドゴム、NBRおよび/またはHNBRと高スチレンゴム(HSR)のブレンドゴム、EPDMとHSRブレンドゴムなどが好ましい。
【0039】
より好ましくは、エチレンプロピレンゴム(EPDMまたはEPM)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、EPDMとHNBRのブレンドゴム、EPDMとニトリルゴム(NBR)のブレンドゴム、NBRおよび/またはHNBRと高スチレンゴム(HSR)のブレンドゴム、EPDMとHSRブレンドゴムなどが挙げられる。本実施の形態のゴム成分は、加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーなどのゴム成分の1種を単独で使用してもよいが、ブレンドゴムのように2種以上のゴム成分をブレンドしたブレンドゴムを用いてもよい。
【0040】
ゴム成分に添加される充填剤としては、通常使用されているものから比重の大きいものに至るまでその配合量と共に様々な形で選ぶことが出来る。たとえば、亜鉛華、チタン白、ベンガラ、フェライト、アルミナ、三酸化タングステン、酸化イットリビウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、ハードクレイ、ケイソウ土などのクレイ類、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属塩類、ガラス粉末などやタングステン、モリブデン等の各種の金属系微粉末類、ガラスバルーン、ポリマーバルーン等の各種バルーン類が挙げられる。
【0041】
これらの充填剤は、種々の比率で添加することができるが、好ましくはゴム成分100質量部に対して50〜3000質量部、より好ましくは100〜2000質量部、または300〜1500質量部程度が好ましい。また、これらの充填剤は1種または2種以上を組み合わせて添加してもよい。
【0042】
ゴム系複合材料には、さらに他の配合剤を必要に応じて添加することができ、このような配合剤としては、加硫剤、架橋剤、硬化剤、それらの助剤類、劣化防止剤、酸化防止剤、着色剤などが挙げられる。たとえば、カーボンブラック、二酸化ケイ素、プロセスオイル、イオウ(加硫剤)、ジクミルパーオキサイド(Dicup、架橋剤)、ステアリン酸などを配合することができる。これらの配合剤は必要に応じて使用されるものであるが、その使用量は、一般にゴム成分100質量部に対しそれぞれ1〜100質量部程度であるが全体的バランスや特性によって適宜変更することもできる。
【0043】
エポキシ樹脂複合剤としては、エポキシ樹脂成分および充填剤を含有するのが好ましく、さらに必要に応じて各種の配合剤を添加することもできる。エポキシ樹脂成分としては、たとえばビスフェノールAタイプ、ビスフェノールFタイプ、レゾールノボラックタイプ、フェノール変性ノボラックタイプ等のノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン構造含有タイプ、アントラセン構造含有タイプ、フルオレン構造含有タイプ等の多環芳香族型エポキシ樹脂、水添脂環型エポキシ樹脂、液晶性エポキシ樹脂などが挙げられる。本発明のエポキシ樹脂成分は単独で用いても良いが、ブレンド樹脂のように2種類以上のエポキシ樹脂成分を混合して用いても良い。
【0044】
エポキシ成分に添加される充填剤としては、上記ゴム成分に混合する充填剤と同様のものから、上記ゴム系複合剤を粉砕しさく作製した複合粒子までいずれも好ましく使用することができる。複合粒子としては、たとえばシリコーンゴム中にフェライトを充填したものを、粉砕器にて粉砕し200μm程度の粒径にしたものが挙げることができる。
【0045】
エポキシ樹脂複合剤を使用する際にはさらに架橋剤を添加する必要があり、たとえばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の鎖状脂肪族ポリアミン、N−アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン等の環状脂肪族ポリアミン、m−キシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族アミン、ポリアミド樹脂、ピペリジン、NN−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール等の2級および3級アミン等、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート等のイミダゾール類、液状ポリメルカプタン、ポリスルフィド、無水フタル酸、無視トリメリット酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の酸無水物を挙げることができる。
【0046】
バッキング層211の厚さは、概ね1〜10mmが好ましく、特に1〜5mmであることが好ましい。
【0047】
(送信用素子212aおよび受信用素子212c)
本実施の形態における送信用素子212aおよび受信用素子212cは、電極および圧電素子を有し、電気信号を機械的な振動に、また機械的な振動を電気信号に変換可能で超音波の送受信が可能な素子である。圧電素子は、電気信号を機械的な振動に、また機械的な振動を電気信号に変換可能な圧電材料を含有する電気機械変換素子である。圧電材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系セラミクス、PbTiO3系セラミックなどの無機圧電セラミクス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの有機高分子圧電材料、水晶、ロッシェル塩などを用いることができる。圧電材料の厚さとしては、概ね100μm〜500μmの範囲で用いられる。圧電材料は、その両面に電極が付された状態で、圧電素子として用いられる。
【0048】
(電極217)
圧電材料に付される電極217に用いられる材料としては、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)などが挙げられる。
【0049】
圧電材料に電極217を付す方法としては、たとえば、チタン(Ti)やクロム(Cr)などの下地金属をスパッタ法により0.02〜1.0μmの厚さに形成した後、上記金属元素を主体とする金属およびそれらの合金からなる金属材料、さらには必要に応じ一部絶縁材料をスパッタ法、その他の適当な方法で1〜10μmの厚さに形成する方法が挙げられる。
【0050】
電極形成はスパッタ法以外でも、微粉末の金属粉末と低融点ガラスとを混合した導電ペーストをスクリーン印刷やディッピング法、溶射法で形成することもできる。電極217は、圧電材料上に、送受信素子21の形状に応じて、圧電体面の全面あるいは圧電体面の一部に設けられる。
【0051】
圧電部212とバッキング層211とは、接着層を介して積層されていることが好ましい態様である。接着層を形成するための接着剤としては、エポキシ系の接着剤を用いることができる。
【0052】
圧電部212の、バッキング層211側の表面の一部と、音響整合層213側の表面の一部には電極217が接触されており、バッキング層211と電極217とが接着層を介して積層されている部分を含む場合もある。
【0053】
(音響整合層213)
本実施の形態における音響整合層213は、圧電部212と被検体との間の音響インピーダンスを整合させるもので、圧電部212と被検体との中間の音響インピーダンスを有する材料で構成される。音響整合層に用いられる材料としては、アルミ、アルミ合金(たとえばAL−Mg合金)、マグネシウム合金、マコールガラス、ガラス、溶融石英、コッパーグラファイト、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ABC樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、ナイロン(PA6、PA6−6)、PPO(ポリフェニレンオキシド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド:ガラス繊維入りも可)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PAI(ポリアミドイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができる。
【0054】
好ましくは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に充填剤として亜鉛華、酸化チタン、シリカやアルミナ、ベンガラ、フェライト、酸化タングステン、酸化イットリビウム、硫酸バリウム、タングステン、モリブデン等を入れて成形したものを用いることができる。
【0055】
音響整合層213は、単層でもよいし複数層から構成されてもよいが、好ましくは2層以上である。音響整合層213の層厚は、超音波の波長をλとすると、λ/4となるように定める必要がある。これを満たさない場合、本来の共振周波数とは異なる周波数ポイントに複数の不要スプリアスが出現し、基本音響特性が大きく変動してしまう。結果、残響時間の増加、反射エコーの波形歪みによる感度やS/Nの低下を引き起こしてしまい、好ましくない。このような音響整合層213の厚さとしては、概ね30μm〜500μmの範囲で用いられる。
【0056】
(音響レンズ214)
音響レンズ214は、送受信素子21の最先端にあり、超音波ビームを集束させるためのものである。音響レンズ214の音響インピーダンスは生体組織とほぼ同じであり、音響レンズ214の形状を凸形にすることで、スネルの法則に従って超音波ビームを集束させることができる。
【0057】
上述した送受信素子21では、送信用素子212aと受信用素子212cとを別々に備える構成について説明した。送信用素子212aと受信用素子212cとの配列は、各々を上下に配置する配列、および並列に配置する配列のどちらでもよいが、上下に配置して積層する構造が好ましい。積層する場合の送信用素子212aおよび受信用素子212cの厚さとしては、40〜150μmであることが好ましい。
【0058】
なお、送受信素子21は、送信用素子212aと受信用素子212cとを別々に備える構成に限るものではなく、例えば図2において、受信用素子212c(受信用圧電素子219と電極217)とFPC216とを無くして、送信用素子212aを送受信兼用の送受信素子としてもよい。
【0059】
次に、本発明の各実施の形態における超音波プローブの構成の一例を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の各実施の形態における超音波プローブの構成の一例を示す模式図で、図3(a)は超音波プローブの外観模式図、図3(b)は超音波プローブの内部構成図である。
【0060】
図3(a)において、超音波プローブ2の外観は、筐体29、筐体29の先端に配置された送受信素子21の音響レンズ214、および筐体29の後端に接続されたケーブル3等で構成される。超音波プローブ2の使用者は、筐体29を把持し、音響レンズ214を被検者に押し当てて使用する。
【0061】
図3(b)において、超音波プローブ2の筐体29の内部には、音響レンズ214を含む送受信素子21、基板25、コネクタ26およびケーブル3等が配置されている。
【0062】
送受信素子21には、FPC24が接続され、FPC24と基板25とは接続部24aで接続されている。基板25上には複数のスイッチ素子で構成される切替スイッチ22と、複数のアンプ素子で構成される増幅部23とが実装されている。増幅部23を送受信素子21から離れた位置に実装することで、増幅部23の発熱が送受信素子21に悪影響を及ぼすことを防止することができる。基板25とケーブル3の各々の同軸ケーブル27とは、コネクタ26で接続されている。
【0063】
なお、基板25と同軸ケーブル27とは、基板25に直接ハンダ付け等で接続されてもよい。あるいは、同軸ケーブル27を、ハンダ付けあるいは同軸ケーブル用コネクタを用いて別基板に接続し、別基板に設けた基板用コネクタと基板25に設けたコネクタとで基板25と同軸ケーブル27とを接続する構成でもよい。
【0064】
また、例えば後述する第2の実施の形態のように、超音波プローブ2に温度センサ28を備える場合には、例えば図3(a)および図3(b)の例のように温度センサ28を配置することができる。
【0065】
この例では3個の温度センサ28を配置している。温度センサ28aは、増幅部23の配列の中心付近に配置されて、増幅部23の温度を検知する。温度センサ28bは、送受信素子21の音響レンズ214に近接する位置に配置され、被検者が肌に感じる音響レンズ214の温度を検知する。温度センサ28cは、例えば筐体29内の側面位置で、使用者が把持しない位置に配置され、外気温を検知する。
【0066】
次に、本発明の超音波診断装置の第1の実施の形態の構成について、図4および図5を用いて説明する。図4は、超音波診断装置の第1の実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0067】
図4において、上述したように、超音波診断装置Sは、超音波診断装置本体1、超音波プローブ2およびケーブル3等で構成される。超音波診断装置本体1は、送信部12、受信部13、画像処理部14、制御部16、記憶部17、および上述した操作部11、表示部15等で構成される。超音波プローブ2は、送受信部21、切替スイッチ22、増幅部23等で構成される。
【0068】
操作部11は、上述したように、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報等のデータを入力する。送信部12は、ケーブル3と切替スイッチ22とを介して、超音波プローブ2の送受信部21の所定の送受信素子へ送信信号121を供給することで、送受信部21の所定の送受信素子に超音波を発生させるように駆動する。
【0069】
受信部13は、切替スイッチ22とケーブル3とを介して、超音波プローブ2の送受信部21の所定の送受信素子で受信した超音波の反射波の信号21rを、増幅部23で増幅した受信信号231を受信する。
【0070】
画像処理部14は、受信部13で受信した受信信号231に基づいて、被検体内の内部状態の画像、即ち超音波画像を生成する。表示部15は、上述した操作部11で入力された各種情報や、画像処理部14で生成された被検体内の超音波画像を表示する。記憶部17は、画像処理部14で生成された被検体内の超音波画像を記憶する。
【0071】
制御部16は、操作部11、送信部12、受信部13、画像処理部14、表示部15、および記憶部17を各機能に応じて制御することによって、超音波診断装置Sの全体制御を行う。
【0072】
また、制御部16は、ケーブル3を介して、超音波プローブ2の切替スイッチ22に、切替スイッチ22を制御するスイッチ制御信号Scを供給し、増幅部23に、増幅部23の増幅量を制御する増幅量決定電圧Vgを供給する。増幅量決定電圧Vgによって増幅部23の増幅量を制御することで、増幅部23の発熱を抑え、超音波プローブ2内の温度を所定の範囲に治めることができる。
【0073】
図5は、第1の実施の形態の超音波プローブの受信部の構成の一例を示すブロック図である。
【0074】
図5において、上述したように、超音波プローブ2の受信部は、受信用素子212c、切替スイッチ22、増幅部23等で構成される。
【0075】
図5の例では、受信用素子212cは、PZ0からPZ191の192個の圧電素子PZで構成され、切替スイッチ22はMUX0からMUX63の64個の3対1の入出力関係を有する双方向スイッチMUXで構成され、増幅部23はAM0からAM63の64個のアンプAMで構成される。増幅部23の各アンプAMは、増幅量決定端子233に増幅量決定電圧Vgを印加することで、増幅量を制御可能な可変ゲインアンプである。
【0076】
なお、上述した受信用素子212cの圧電素子PZの数、切替スイッチ22のスイッチMUXの数および増幅部23のアンプAMの数は一例であって、超音波プローブ2が使用される超音波診断装置や診断システムに従って適宜決定されればよい。また、超音波プローブ2の形式にも依存せず、例えば、リニアプローブ、コンベックスプローブおよびセクタープローブ等の何れの超音波プローブにも適用可能である。
【0077】
超音波の受信時には、切替スイッチ22は、制御部16から供給されたスイッチ制御信号Scに従って、受信用素子212cの192個の圧電素子PZの中の連続した64個の圧電素子PZで受信した超音波の反射波の信号21rを増幅部23の64個の各アンプAMに入力する。増幅部23は、制御部16から供給された増幅量決定電圧Vgに従って64個の各アンプAMの増幅量を制御し、反射波の信号21rを増幅した増幅出力を受信信号231として受信部13に送信する。
【0078】
スイッチ制御信号Scに従って切替スイッチ22を順次シフトして切り替えながら、即ち受信用素子212cの圧電素子PZを順次シフトして切り替えながら、超音波の送受信を繰り返すことで、超音波画像を生成することができる。
【0079】
ここで、超音波プローブの形式と反射波の強度との関係について、図6を用いて説明する。図6は、超音波プローブの形式と反射波の強度との関係を示す模式図で、図6(a)は送信波の強度を示し、図6(b)はリニアプローブの反射波の強度を示し、図6(c)はコンベックスプローブの反射波の強度を示し、図6(d)はセクタープローブの反射波の強度を示す。
【0080】
図6(a)において、超音波プローブ2の送受信部21から送信される超音波は指向性を有し、その主ピークTの強度Iは、図示したようなナス型の強度を示す。従って、送受信部21の法線に対して角度θだけ傾いた方向の主ピークTの強度I(θ)は角度θの関数となる。また、送信される超音波は、主ピークTの両側に2次ピークのサイドローブTsを有している。
【0081】
図6(b)で、リニアプローブにおいては、平面の送受信部21に垂直に超音波を送信するので、図5に示した方法で圧電素子PZを矢印F方向に順次シフトして切り替えながら、図6(a)に示した超音波を送受信することで、反射波の強度Rは、図の上部に示したような中央が強く両側が弱い形となる。ここに、図の横軸Δは、送受信部21の圧電素子PZの位置を示している。以下、同様である。
【0082】
図6(c)で、コンベックスプローブにおいては、球面の送受信部21に垂直に超音波を送信するので、リニアプローブと同様に、図5に示した方法で圧電素子PZを矢印F方向に順次シフトして切り替えながら、図6(a)に示した超音波を送受信することで、反射波の強度Rは、図の上部に示したような中央が強く両側が弱い形となる。
【0083】
一方、図6(d)で、セクタープローブにおいては、送受信部21で発生される超音波の合成波面を偏向させることで扇形に超音波を送信するので、反射波の強度Rは、送信波の偏向角αに依存し、α=0の場合にはリニアプローブやコンベックスプローブと同様に中央が強く両側が弱い強度Rとなるが、偏向角αが大きくなる(例えば図のα=α1やα=−α1の場合)と、図に破線で示したように、一端が強く、中央が中間の強度で、他端が弱い形となる。なお、ここでは、送受信部21の受信用素子を、シフトして切り替えるのではなく、図9で後述する増幅部23の増幅量の制御方法の第2の例に合わせて固定して表示している。
【0084】
このように、超音波プローブの形式によって、反射波の強度分布の特性が異なるので、超音波画像の生成にあたっては、超音波プローブの形式に合わせて、超音波の受信時の増幅部23の増幅量を制御することで、より良い超音波画像を生成することができる。以下に、超音波プローブの形式に合わせて、増幅量の制御方法の2つの例を示す。
【0085】
次に、超音波の受信時の増幅部23の各アンプAMの増幅量の制御方法の第1の例について、図7および図8を用いて説明する。図7は、超音波の受信時に使用される受信用素子を示す模式図である。第1の例は、上述したリニアプローブおよびコンベックスプローブの場合に適用される方法である。
【0086】
図7において、超音波の1回目の送受信時には、切替スイッチ22によって、受信用素子212cの192個の圧電素子PZの中のPZ0からPZ63の連続した64個の圧電素子PZが送受信範囲として選択され、超音波を送信し、超音波の反射波を受信する。
【0087】
この時、リニアプローブおよびコンベックスプローブの場合には、図6(b)および図6(c)で説明したように、反射波の受信範囲の端にあたる圧電素子PZ0やPZ63およびその近傍では、反射波が弱いために、増幅部23のアンプAMの増幅量を大きくして反射波を十分に増幅する必要がある。一方、反射波の受信範囲の中心にあたる圧電素子PZ31およびその近傍では、反射波が強いために、増幅部23のアンプAMの増幅量をあまり大きくする必要がない。
【0088】
一方、超音波の32回目の送受信時には、切替スイッチ22によって、受信用素子212cの192個の圧電素子PZの中のPZ31からPZ94の連続した64個の圧電素子PZが送受信範囲として選択され、超音波を送信し、超音波の反射波を受信する。
【0089】
この時、反射波の受信範囲の端にあたる圧電素子PZ31やPZ94およびその近傍では、反射波が弱いために、増幅部23のアンプAMの増幅量を大きくして反射波を十分に増幅する必要がある。一方、反射波の受信範囲の中心にあたる圧電素子PZ63およびその近傍では、反射波が強いために、増幅部23のアンプAMの増幅量をあまり大きくする必要がない。
【0090】
つまり、切替スイッチ22によって選択された受信範囲の両端とその近傍では、増幅部23のアンプAMの増幅量を大きくする必要があり、受信範囲の中心とその近傍では、アンプAMの増幅量をあまり大きくする必要がない。
【0091】
そこで、第1の実施の形態では、切替スイッチ22によって選択された受信範囲の圧電素子PZの両端とその近傍の圧電素子PZに接続された増幅部23のアンプAMの増幅量を大きくし、受信範囲の中心とその近傍の圧電素子PZに接続された増幅部23のアンプAMの増幅量を低くする。
【0092】
受信範囲の両端と中心との間に位置する圧電素子PZに接続された増幅部23のアンプAMの増幅量は、圧電素子PZの位置に応じて、両端の圧電素子PZに接続されたアンプAMの増幅量と、中心の圧電素子PZに接続されたアンプAMの増幅量との間の増幅量とする。
【0093】
具体的には、図5に示したように、増幅部23のAM0からAM63の64個のアンプAMの各々の増幅量決定端子233に、制御部16から増幅量決定電圧Vgを印加することで、各々のアンプAM毎に増幅量を制御する。
【0094】
これによって、従来は大きな増幅量が不要なアンプAMまで一律に増幅していたために発生していた余計な消費電力を低減することができ、超音波プローブ2内の温度上昇を防ぐことができる。
【0095】
図8は、第1の実施の形態の増幅量の制御方法の第1の例における制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示す模式図であり、図8(a)は制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示すブロック図で、図8(b)は増幅量決定電圧テーブルの構成を示す模式図である。
【0096】
図8(a)において、制御部16は、電圧制御部161と増幅量決定電圧テーブル162等とで構成され、増幅部23の各アンプAMの増幅量を制御する。電圧制御部161は、電圧決定制御部1611と増幅量決定電圧生成部1612等とで構成される。
【0097】
電圧決定制御部1611は、超音波の送受信回数Nに基づいて、増幅量決定電圧テーブル162から各アンプAM毎の64個の増幅量決定電圧データVgdを決定し、増幅量決定電圧生成部1612に送信する。
【0098】
増幅量決定電圧生成部1612は、電圧決定制御部1611から受信した増幅量決定電圧データVgdに基づいて、各アンプAM毎の64個の増幅量決定電圧Vgを生成し、増幅部23の各アンプAMに供給する。
【0099】
図5で示したように、超音波プローブ2の受信用素子212cの切替スイッチ22によって選択された64個の圧電素子PZで受信された超音波の反射波の信号21rは、増幅部23のアンプAM0からAM63に入力され、各アンプAMの増幅量決定端子233に印加された増幅量決定電圧Vgによって決定される増幅量で増幅されて、受信信号231として出力される。ここでは、アンプAMは、増幅量決定電圧Vgが高いと増幅量が大きく、低いと小さいとする。
【0100】
図8(b)において、増幅量決定電圧テーブル162は、超音波の送受信回数Nに対応した増幅部23のアンプAM0からAM63の増幅量決定電圧データVgdで構成されるルックアップテーブル(LUT)である。増幅量決定電圧テーブル162は、記憶部17内に設けられてもよい。
【0101】
図示の例では、超音波の1回目の送受信時には、受信範囲の両端の圧電素子PZ0とPZ63に接続されたアンプAM0とAM63との増幅量決定電圧データVgdの値は高く、受信範囲の中心の圧電素子PZ31に接続されたアンプAM31の増幅量決定電圧データVgdの値は低い。
【0102】
一方、超音波の32回目の送受信時には、受信範囲の端の圧電素子PZ31に接続されたアンプAM31の増幅量決定電圧データVgdの値は高く、受信範囲の中心の圧電素子PZ63やPZ64に接続されたアンプAM63やAM0の増幅量決定電圧データVgdの値は低い。しかしながら、増幅量決定電圧テーブル162は、これに限るものではない。
【0103】
また、超音波プローブ2の動作モード(例えば、B−モード、パワードプラモード、カラードプラモード、M−モードやこれらの複合モード等)毎に消費電力や必要な増幅量が異なるので、動作モード毎に別個の増幅量決定電圧テーブル162を持ってもよい。
【0104】
さらに、例えば診断部位によって使用される超音波プローブが異なる場合等では、使用される超音波プローブ毎の増幅部23の数や送受信回数等の設定値を読み込んで、例えば下記の(1式)等を用いて、増幅量決定電圧テーブル162を演算して生成するようにしてもよい。ここに、
Vgd(β)=α×{N−(γ−β)}・・・(1式)
ただし、
Vgd(β):(増幅量決定電圧テーブルの)β番目のアンプの増幅量決定電圧データ
α:増幅定数
N:超音波の送受信回数
γ:増幅部23のアンプAMの数
β:増幅部23のアンプAMの番号
である。増幅定数αは、実験等により適宜決定されればよい。上述したように、(1式)は、リニアプローブおよびコンベックスプローブの場合に適用される。
【0105】
次に、超音波の受信時の増幅部23の各アンプAMの増幅量の制御方法の第2の例について、図9を用いて説明する。図9は、第1の実施の形態の増幅量の制御方法の第2の例における制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示す模式図であり、図9(a)は制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示すブロック図で、図9(b)は増幅量決定電圧テーブルの構成を示す模式図である。第2の例は、上述したセクタープローブの場合に適用される方法である。
【0106】
ここでは、説明を分かりやすくするために、図5の受信用素子212cをPZ0からPZ63の64個の圧電素子PZとし、各圧電素子PZと増幅部23の各アンプAM(AM0からAM63)とが切替スイッチ22の各双方向スイッチMUX(MUX0からMUX63)で1対1に固定接続されるとする。
【0107】
図9(a)において、制御部16は、図8(a)と同様に、電圧制御部161と増幅量決定電圧テーブル162等とで構成され、増幅部23の各アンプAMの増幅量を制御する増幅量決定電圧Vgを出力する。電圧制御部161は、電圧決定制御部1611と増幅量決定電圧生成部1612等とで構成される。
【0108】
電圧決定制御部1611は、制御部16で決定される送信波の偏向角αに基づいて、増幅量決定電圧テーブル162から各アンプAM毎の64個の増幅量決定電圧データVgdを決定し、増幅量決定電圧生成部1612に送信する。
【0109】
増幅量決定電圧生成部1612は、電圧決定制御部1611から受信した増幅量決定電圧データVgdに基づいて、各アンプAM毎の64個の増幅量決定電圧Vgを生成し、増幅部23の各アンプAMに供給する。
【0110】
図5で示したように、超音波プローブ2の64個の圧電素子PZで受信された超音波の反射波の信号21rは、増幅部23のアンプAM0からAM63に入力され、各アンプAMの増幅量決定端子233に印加された増幅量決定電圧Vgによって決定される増幅量で増幅されて、受信信号231として出力される。ここでは、アンプAMは、増幅量決定電圧Vgが高いと増幅量が大きく、低いと小さいとする。
【0111】
図9(b)において、増幅量決定電圧テーブル162は、超音波の偏向角αに対応した増幅部23のアンプAM0からAM63の増幅量決定電圧データVgdで構成されるルックアップテーブル(LUT)である。増幅量決定電圧テーブル162は、記憶部17内に設けられてもよい。
【0112】
図示の例では、超音波の偏向角α=−45°の場合には、受信範囲の一端の圧電素子PZ0に接続されたアンプAM0の増幅量決定電圧データVgdの値は低く、他端の圧電素子PZ63に接続されたアンプAM63の増幅量決定電圧データVgdの値は高く、受信範囲の中心の圧電素子PZ31に接続されたアンプAM31の増幅量決定電圧データVgdの値は中間の値である。偏向角α=45°の場合は、これとは逆である。
【0113】
一方、超音波の偏向角α=0°の場合には、受信範囲の両端の圧電素子PZ0およびPZ63に接続されたアンプAM31の増幅量決定電圧データVgdの値は高く、受信範囲の中心の圧電素子PZ31に接続されたアンプAM31の増幅量決定電圧データVgdの値は低い。しかしながら、増幅量決定電圧テーブル162は、これに限るものではない。
【0114】
上述した第2の例を、図5に示したような、切替スイッチ22で受信用素子212cと増幅部23との接続を切り替えながら走査する方式に拡張するためには、図9(b)の増幅量決定電圧テーブル162を、超音波の偏向角α毎に図8(b)の送受信回数N毎の複数のルックアップテーブルを持つ形に拡張すればよい。
【0115】
さらに、上述した第1の例の(1式)のように、偏向角αや送受信回数Nに基づいて、増幅量決定電圧テーブル162を演算して生成するようにしてもよい。
【0116】
上述したように、第1の実施の形態によれば、超音波を送受信する複数の送受信素子を有する送受信部と、送受信部により受信された受信信号を増幅する複数のアンプを有する増幅部と、増幅部と送受信部との接続状態を切り替える複数のスイッチを有する切替スイッチとを備えた超音波プローブを備えた超音波診断装置において、切替スイッチによって切り替えられた増幅部と送受信部との接続状態に基づいて、増幅部のアンプの増幅量を制御する制御部を備えることで、超音波プローブ内の温度上昇を防止し、超音波プローブの使用を制限することなく、内蔵される増幅部の増幅量の変動や熱雑音の変動等による高調波画像の劣化のない超音波診断装置を提供することができる。
【0117】
次に、本発明の超音波診断装置の第2の実施の形態の構成について、図10および図11を用いて説明する。図10は、超音波診断装置の第2の実施の形態の内部構成を示すブロック図である。
【0118】
図10において、超音波診断装置Sの第2の実施の形態が図4に示した第1の実施の形態と異なるのは、超音波プローブ2に温度センサ28を内蔵し、温度センサ28で測定された超音波プローブ2の内部温度を示す温度信号281を、制御部16に入力するようにした点と、後述する増幅部23の構成が異なる点と、後述する制御部16の増幅量決定電圧Vgを供給する部分の構成が異なる点の3点である。その他は第1の実施の形態と同じであるので説明は省略する。
【0119】
図11は、第2の実施の形態の超音波プローブの内部構成を示すブロック図である。
【0120】
図11において、第2の実施の形態では、増幅部23を構成するアンプAMが、第1の実施の形態とは異なり、通常の演算増幅器である。また、増幅部23を構成する各アンプAMの電源電圧VおよびVが可変で、制御部16の増幅量決定電圧Vgによって制御される。詳細は後述する。その他は、図5に示した第1の実施の形態と同じであるので説明は省略する。
【0121】
図12は、第2の実施の形態における制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示す模式図であり、図12(a)は制御部の増幅量決定電圧を供給する部分の構成を示すブロック図で、図12(b)は温度経時変化データの構成を示す模式図である。
【0122】
図12(a)において、制御部16は、電圧制御部161と温度経時変化データ163等とで構成され、増幅部23の増幅量を制御する。電圧制御部161は、電圧決定制御部1611と増幅量決定電圧生成部1612等とで構成される。
【0123】
電圧決定制御部1611は、例えば超音波プローブ2の電源が投入されてから所定時間(例えば10秒)間隔毎に、図10で示した温度センサ28の温度信号281を受信し、温度信号281に基づいて、超音波プローブ2内の主な熱源である送受信部21や増幅部23の温度Tpを取得して、温度経時変化データ163に追記する。
【0124】
次いで、取得された現在の温度Tpと過去に取得された温度Tpの経時変化データとに基づいて、例えばPID制御やPI制御等の制御法を用いて、増幅量決定電圧データVgdを決定し、温度経時変化データ163に追記するとともに、増幅量決定電圧生成部1612に送信する。
【0125】
増幅量決定電圧データVgdを決定する時の制御目標温度Toは、一意に決まる温度(例えば40℃)としてもよい。さらに好ましくは、外気温との差分に基づいて、患者が外気温と超音波プローブ2の接触面とに大きな温度差を感じないような温度を制御目標温度Toとしてもよい。
【0126】
増幅量決定電圧生成部1612は、電圧決定制御部1611から受信した増幅量決定電圧データVgdに基づいて、増幅量決定電圧Vgを生成し、増幅部23に供給する。図13で後述するように、増幅量決定電圧Vgは、増幅部23の電源電圧VおよびVを制御する電圧である。
【0127】
図12(b)において、温度経時変化データ163は、超音波プローブ2の電源が投入されてからの所定時間(例えば10秒)間隔毎の電圧決定制御部1611によって取得された超音波プローブ2内の温度Tpと、その時の増幅量決定電圧データVgdとのデータ表である。温度経時変化データ163は、記憶部17内に設けられてもよい。
【0128】
図示の例によれば、超音波プローブ2の電源が投入されてから時間が経過するにつれて、超音波プローブ2内の温度Tpが徐々に上昇しており、それに対応して、増幅量決定電圧データVgdも徐々に変化していることが分かる。
【0129】
図13は、第2の実施の形態における増幅部の構成を示す模式図で、図13(a)は第2の実施の形態における増幅部の構成を示す回路図で、図13(b)および図13(c)は増幅部の消費電力を示す模式図である。
【0130】
図13(a)において、第2の実施の形態では、増幅部23を構成する各アンプAMは、オペアンプを用いた反転増幅器である。超音波プローブ2の送受信部21で受信された超音波の反射波の信号21rは、抵抗R1を介してオペアンプの非反転入力(−)に入力され、抵抗R2と抵抗R1との比によって決定される増幅量で増幅されて、受信信号231として出力される。オペアンプの電源には、上述した増幅量決定電圧Vgから生成される電源電圧VとVとが用いられる。
【0131】
ここに、増幅部23の各アンプAMの正の電源電圧Vおよび負の電源電圧Vは、それぞれ、所定の電源電圧値+Vccから増幅量決定電圧データVgdに所定の係数kを乗算した値を減算した電圧、および所定の電源電圧値−Vccに増幅量決定電圧データVgdに所定の係数jを乗算した値を加算した電圧として生成される。ここに、
=+Vcc−k×Vgd
=−Vcc+j×Vgd
である。所定の係数kおよびjは、実測等により適宜決定されればよい。
【0132】
超音波プローブ2の送受信部21で受信された超音波の反射波の信号21rは、通常は正負両方の電圧を持つ信号であることが多い。そのため、増幅部23の消費電力Pは、図13(b)および図13(c)に示すように、
=Icc×(V−V)+Io×(V−Vo)・・・(2式)
あるいは、
=Icc×(V−V)+Io×(Vo−V)・・・(3式)
となる。
【0133】
従って、(2式)および(3式)から、増幅部23の電源電圧の差(V−V)、および、増幅部23の出力Voと電源電圧との差(V−Vo)あるいは(Vo−V)を小さくすることで、増幅部23の消費電力Pを小さく抑えることができ、増幅部23の発熱を抑えることができる。従って、増幅部23の電源電圧として、上述したVとVとを用いることで、増幅部23の発熱を抑えることができる。
【0134】
この場合でも、増幅部23の出力Voの振幅が小さい場合には、信号が歪むことはなく、出力Voの振幅が大きい場合にのみ、出力の線形性がなくなって飽和する状態となる。つまり、増幅量決定電圧Vgによって、出力Voの振幅が大きい場合にのみ、増幅部23の増幅量が抑圧されるように決定されたことになる。
【0135】
上述したように、第2の実施の形態によれば、超音波を送受信する複数の送受信素子を有する送受信部と、送受信部により受信された受信信号を増幅する複数のアンプを有する増幅部と、増幅部と送受信部との接続状態を切り替える複数のスイッチを有する切替スイッチとを備えた超音波プローブを備えた超音波診断装置において、超音波プローブ内に温度センサを内蔵し、温度センサによって検知された超音波プローブ内の温度の経時変化に基づいて、増幅部のアンプの電源電圧を制御する制御部を備えることで、超音波プローブ内の温度上昇を防止し、超音波プローブの使用を制限することなく、内蔵される増幅部の増幅量の変動や熱雑音の変動等による高調波画像の劣化のない超音波診断装置を提供することができる。
【0136】
さらに、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせて、超音波プローブ2内の温度Tpの履歴に基づいて、増幅部23の電源電圧(VとV)を制御するとともに、切替スイッチ22によって切り替えられた増幅部23と送受信部21との接続状態に基づいて、増幅部23のアンプAMの増幅量を制御することで、さらに効率よく増幅部23の消費電力を抑えることができ、超音波プローブ2内の温度上昇を防止し、超音波プローブ2の使用を制限することなく、内蔵される増幅部23の増幅量の変動や熱雑音の変動等による高調波画像の劣化のない超音波診断装置Sを提供することができる。
【0137】
ここで、超音波プローブ2に用いられる有機圧電素子薄膜とその動作とについて、簡単に説明する。有機圧電素子薄膜は、被検体内部で反射された超音波の反射波を受信して電気信号に変換する電気機械変換素子として用いられるもので、例えば、フッ化ビニリデンの重合体や、フッ化ビニリデン(VDF)系コポリマ、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体等の有機圧電材料の薄膜で構成される。
【0138】
被検体内部で反射された反射波は、送信された超音波の基本周波数成分の基本反射波だけでなく、基本周波数の整数倍の高調波の周波数成分、例えば、基本周波数の2倍、3倍および4倍等の第2高調波成分、第3高調波成分および第4高調波成分等の反射波も含まれる。
【0139】
つまり、基本波の高調波が受信されるので、上述したハーモニックイメージング技術によって超音波画像を形成することが可能となり、上述した第1および第2の実施の形態における超音波プローブ2および超音波診断装置Sは、より高精度な超音波画像の提供が可能となる。特に、比較的パワーの大きい第2高調波と第3高調波が受信されるので、より鮮明な超音波画像の提供が可能となる。
【0140】
以上に述べたように、本発明によれば、超音波を送受信する複数の送受信素子を有する送受信部と、送受信部により受信された受信信号を増幅する複数のアンプを有する増幅部と、増幅部と送受信部との接続状態を切り替える複数のスイッチを有する切替スイッチとを備えた超音波プローブを備えた超音波診断装置において、切替スイッチによって切り替えられた増幅部と送受信部との接続状態に基づいて、増幅部の増幅量を制御する制御部を備えることで、超音波プローブ内の温度上昇を防止し、超音波プローブの使用を制限することなく、内蔵される増幅部の増幅量の変動や熱雑音の変動等による高調波画像の劣化のない超音波診断装置を提供することができる。
【0141】
なお、本発明に係る超音波診断装置を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0142】
1 超音波診断装置本体
2 超音波プローブ
3 ケーブル
11 操作部
12 送信部
121 送信信号
13 受信部
14 画像処理部
15 表示部
16 制御部
161 電圧制御部
1611 電圧決定制御部
1612 増幅量決定電圧生成部
162 増幅量決定電圧テーブル
163 温度経時変化データ
17 記憶部
21 送受信部
21r (超音波の)反射波の信号
22 切替スイッチ
23 増幅部
231 受信信号
233 増幅量決定端子
28 温度センサ
281 温度信号
S 超音波診断装置
PZ 送受信素子
MUX スイッチ
AM アンプ
Vg 増幅量決定電圧
Vgd 増幅量決定電圧データ
Sc スイッチ制御信号
N 送受信回数
(増幅部23の)正の電源電圧
(増幅部23の)負の電源電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送受信する複数の送受信素子を有する送受信部と、
前記送受信部により受信された受信信号を増幅する複数のアンプを有する増幅部と、
前記増幅部と前記送受信部との接続状態を切り替える複数のスイッチを有する切替スイッチとを備えた超音波プローブを備えた超音波診断装置において、
前記切替スイッチによって切り替えられた前記増幅部と前記送受信部との接続状態に基づいて、前記増幅部の増幅量を制御する制御部を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記増幅部と前記送受信部との接続状態に基づいて、前記増幅部の増幅量を決定する増幅量決定電圧テーブルと、
前記増幅量決定電圧テーブルに基づいて、前記増幅部の増幅量を制御する増幅量決定電圧を出力する電圧制御部とを有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記増幅部と前記送受信部との接続状態に基づいて、前記増幅部の増幅量を決定する増幅量決定電圧テーブルを生成し、
生成された前記増幅量決定電圧テーブルに基づいて、前記増幅部の増幅量を制御する増幅量決定電圧を出力する電圧制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記電圧制御部は、下記(1式)に従って前記増幅量決定電圧テーブルを演算することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。ここに、
Vgd(β)=α×{N−(γ−β)}・・・(1式)
ただし、
Vgd(β):(増幅量決定電圧テーブルの)β番目のアンプの増幅量決定電圧データ
α:増幅定数
N:超音波の送受信回数
γ:増幅部のアンプの数
β:増幅部のアンプの番号
である。
【請求項5】
前記超音波診断装置は、複数の動作モードを有し、
前記制御部は、
前記動作モード毎に増幅量決定電圧テーブルを有することを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記増幅部は、入力される電圧によって増幅量が決定される増幅量決定端子を有する可変ゲインアンプであり、
前記電圧制御部の前記増幅量決定電圧を、前記増幅部の増幅量決定端子に入力することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記送受信部は、有機圧電素子薄膜であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記送受信部は、送信された超音波の基本周波数成分の整数倍の高調波の反射波を受信し、
前記高調波の反射波に基づいて超音波画像を形成する画像処理部を有することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−11118(P2012−11118A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152751(P2010−152751)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】