超音波診断装置
【課題】瞬間的に高輝度、高血流速、高血流パワーになるような画像が表示されることを抑制することができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、各画素の輝度に対応するデータからなるBフローフレームデータffd(n−2),ffd(n−1),ffdnを作成するBフロー処理部部と、これらBフローフレームデータffd(n−2),ffd(n−1),ffdnにおいて互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDnを作成する処理済Bフローフレームデータ作成部と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、各画素の輝度に対応するデータからなるBフローフレームデータffd(n−2),ffd(n−1),ffdnを作成するBフロー処理部部と、これらBフローフレームデータffd(n−2),ffd(n−1),ffdnにおいて互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDnを作成する処理済Bフローフレームデータ作成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血流画像を表示する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血流画像としては、例えばBフロー画像やカラードプラ画像、パワードプラ画像などが挙げられる(例えば、特許文献1,2及び非特許文献1参照)。これらの血流画像は、同一音線上に複数回の超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−129967号公報
【特許文献2】特開2010−125203号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Richard Y.chiao,Larry Y.Mo et al.,B−Mode Blood Flow(B−Flow) Imaging, Ultrasonics Symposium, 2000 IEEE, 米国,IEEE, 2000年, vol.2, PP. 1469−1472
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、Bフロー画像においては、動いているものの輝度が高く表示されるため、超音波の送受信時に被検体が動いてしまったり、超音波プローブが動いてしまったりすると、瞬間的に高輝度の画像が表示される場合がある。また、心臓の近傍におけるBフロー画像においては、心臓周囲の組織が動くため、この部分の輝度が心臓の拍動に合わせて高輝度になったフレームが存在する場合がある。このように血流画像において瞬間的に高輝度のフレームが存在すると画像が見づらい。また、同様にカラードプラ画像及びパワードプラ画像においても瞬間的に高血流速、高血流パワーのフレームが存在すると画像が見づらい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するためになされた第1の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高輝度、高血流速又は高血流パワーであるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0007】
第2の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データ又は輝度が高い順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする超音波診断装置である。
【0008】
第3の観点の発明は、第2の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0009】
第4の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流速データ又は血流速が大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする超音波診断装置である。
【0010】
第5の観点の発明は、第4の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流速のデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0011】
第6の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする超音波診断装置である。
【0012】
第7の観点の発明は、第6の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流パワーのデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0013】
第8の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データ又は輝度が高い順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なうことを特徴とする超音波診断装置である。
【0014】
第9の観点の発明は、第8の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0015】
第10の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流速データ又は血流速が大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高血流速であるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なうことを特徴とする超音波診断装置である。
【0016】
第11の観点の発明は、第10の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流速のデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0017】
第12の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高血流パワーであるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なうことを特徴とする超音波診断装置である。
【0018】
第13の観点の発明は、第12の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流パワーのデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0019】
第14の観点の発明は、第8〜13のいずれか一の観点の発明において、前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、前記推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする超音波診断装置である。
【0020】
第15の観点の発明は、第2〜14のいずれか一の観点の発明において、前記推定エラーデータとする数を入力する推定エラーデータ数入力部を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0021】
第16の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、輝度、血流速又は血流パワーが中央値のデータを用いた処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0022】
第17の観点の発明は、第1〜16のいずれか一の観点の発明において、前記異なる時相の複数のフレームデータは、最新のフレームデータから所定のフレーム数さかのぼったフレームデータまでのフレームデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0023】
第18の観点の発明は、第1〜17のいずれか一の観点の発明において、前記処理済フレームデータを作成する対象となるフレームデータの数を入力するフレーム数入力部を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0024】
第19の観点の発明は、第1〜18のいずれか一の観点の発明において、前記フレームデータはスキャンコンバータによる走査変換前のローデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0025】
第20の観点の発明は、第1,2,3,8,9の観点の発明において、前記血流画像はBフロー画像であることを特徴とする超音波診断装置である。
【0026】
第21の観点の発明は、第1,4,5,6,7,10,11,12,13の発明において、前記血流画像はカラードプラ画像であることを特徴とする超音波診断装置である。
【0027】
第22の観点の発明は、第1,6,7,12,13の観点の発明において、前記血流画像はパワードプラ画像であることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0028】
上記観点の発明によれば、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、前記エラーデータを除いた処理済フレームデータに基づく血流画像を表示することにより、瞬間的に高輝度、高血流速、高血流パワーになるような画像が表示されることを抑制することができる。しかも、前記処理済Bフローフレームデータは、前記エラーデータを除いた最新のデータからなるので、血流の流れている様子ができるだけ損なわれることのない血流画像を表示させることができる。
【0029】
また、上記他の観点の発明によれば、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、前記推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には最新フレームのデータを処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記エラーデータを除いた最新フレームのデータを処理済フレームデータのデータとして用いることにより、エラーデータを除いた処理済フレームデータに基づく血流画像が表示されるので、瞬間的に高輝度、高血流速、高血流パワーになるような画像が表示されることを抑制することができる。しかも、前記処理済Bフローフレームデータは、前記エラーデータを除いた最新のデータからなるので、血流の流れている様子ができるだけ損なわれることのないBフロー画像を表示させることができる。
【0030】
さらに、上記他の観点の発明によれば、輝度、血流速又は血流パワーが中央値のデータを用いた処理済フレームデータに基づく血流画像を表示することにより、瞬間的に高輝度になるような画像が表示されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の第一実施形態の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】処理済Bフローフレームデータの作成の処理を示すフローチャートである。
【図4】Bフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図である。
【図5】Bフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、3フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の一例を示す図である。
【図6】Bフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、3フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の他例を示す図である。
【図7】Bフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、3フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の他例を示す図である。
【図8】第一実施形態の第二変形例におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図である。
【図9】第一実施形態の第二変形例における処理済Bフローフレームデータの作成の処理を示すフローチャートである。
【図10】第一実施形態の第二変形例におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、4フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の一例を示す図である。
【図11】第一実施形態の第二変形例におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、4フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の他例を示す図である。
【図12】第一実施形態の第二変形例におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、4フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の他例を示す図である。
【図13】第二実施形態における処理済Bフローフレームデータの作成の処理のフローチャートである。
【図14】第二実施形態におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、3フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図7に基づいて詳細に説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信部3、Bモード処理部4、Bフロー処理部5、表示制御部6、表示部7、操作部8、制御部9、HDD(ハードディスクドライブ:Hard Disk Drive)10を備える。
【0033】
前記超音波プローブ2は、アレイ状に配置された複数の超音波振動子(図示省略)を有して構成され、この超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。
【0034】
前記送受信部3は、前記超音波プローブ2を所定の送信条件で駆動させ、スキャン面を超音波ビームによって音線順次で走査させる。前記送受信部3は前記制御部9からの制御信号によって前記超音波プローブ2を駆動させる。送受信部3は、前記超音波プローブ2を駆動させて同一音線上に複数回の超音波の送受信を行なう。
【0035】
また、前記送受信部3は、前記超音波プローブ2で得られたエコー信号について、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコーデータを前記Bモード処理部4及び前記Bフロー処理部5へ出力する。
【0036】
前記Bモード処理部4は、前記送受信部3から出力されたエコーデータに対し、対数圧縮処理、包絡線検波処理等の所定の処理を行ってBモードデータを作成する。このBモードデータは、各画素の輝度に対応するデータである。一フレーム分のBモードデータをBモードフレームデータBFDと云うものとする。このBモードフレームデータBFDは、一フレーム分の音線毎のBモードデータからなる。前記Bモード処理部4から出力されたBモードフレームデータBFDは前記表示制御部6に入力される。
【0037】
前記Bフロー処理部5は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に対しBフロー処理を行い、Bフローデータを作成する。Bフローデータは、各画素の輝度に対応するデータである。一フレーム分のBフローデータをBフローフレームデータffdと云うものとする。従って、前記Bフロー処理部5はBフローフレームデータffdの作成を行なうものである(Bフローフレームデータ作成機能)。前記Bフローフレームデータffdは、一フレーム分の音線毎のBフローデータからなる。前記Bフロー処理部5から出力されたBフローフレームデータffdは前記表示制御部6に入力される。前記Bフロー処理部5は本発明におけるフレームデータ作成部の実施の形態の一例である。また、Bフローデータに基づいて作成され表示されるBフロー画像は、血流画像の実施の形態の一例であり、前記Bフローフレームデータffdは本発明における血流画像のフレームデータの実施の形態の一例である。
【0038】
前記表示制御部6は、図2に示すように、メモリ61、Bモード画像データ作成部62、処理済Bフローフレームデータ作成部63、Bフロー画像データ作成部64、画像表示制御部65を有している。前記メモリ61は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(Memory)などで構成される。このメモリ61には、例えば前記BモードフレームデータBFDや前記Bフローフレームデータffdなどが記憶される。前記BモードフレームデータBFD及び前記Bフローフレームデータffdは、前記HDD10に記憶されるようになっていてもよい。
【0039】
前記Bモード画像データ作成部61は、前記BモードフレームデータBFDをスキャンコンバータ(Scan Converter)によって走査変換してBモード画像データを作成する。
【0040】
前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、異なる時相の複数の前記Bフローフレームデータffdにおいて、互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDを作成する(処理済Bフローフレームデータ作成機能)。詳細は後述する。前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は本発明における処理済フレームデータ作成部の実施の形態の一例である。また、処理済BフローフレームデータFFDは本発明における処理済フレームデータの実施の形態の一例である。
【0041】
前記Bフロー画像データ作成部64は、前記処理済BフローフレームデータFFDをスキャンコンバータによって走査変換してBフロー画像データを作成する。
【0042】
前記画像表示制御部65は、前記Bモード画像データ及び前記Bフロー画像データを加算し、Bモード画像とBフロー画像とが合成された超音波画像を表示させる(画像表示機能)。すなわち、本例では、血流画像であるBフロー画像は、Bモード画像と合成されて前記表示部7に表示される。前記画像表示制御部65は、本発明における画像表示制御部の実施の形態の一例である。
【0043】
前記表示部7は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。前記操作部8は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。この操作部8においては、操作者は、例えば後述のように、処理済BフローフレームデータFFDを作成する対象になるフレームデータの数や推定エラーデータの数を入力する。前記操作部8は、本発明におけるフレーム数入力部及び推定エラーデータ数入力部の実施の形態の一例である。
【0044】
前記制御部9は、CPU(CentRal Processing Unit)を有して構成される。この制御部9は、前記HDD10に記憶された制御プログラムを読み出し、前記Bフローフレームデータ作成機能、前記処理済Bフローフレームデータ作成機能、前記画像表示機能をはじめとする前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
【0045】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について説明する。前記超音波プローブ2による超音波の送受信により得られたエコー信号に基づいて、前記Bモード処理部4がBモードフレームデータBFDを作成し、また前記Bフロー処理部5がBフローフレームデータffdを作成する。そして、前記BモードフレームデータBFD及び前記Bフローフレームデータffdは、前記メモリ61に記憶される。
【0046】
前記Bモード画像データ作成部62は、前記BモードフレームデータBFDに基づいてBモード画像データを作成する。一方、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記Bフローフレームデータffdに基づいて、処理済BフローフレームデータFFDを作成する。処理済BフローフレームデータFFDの作成の詳細について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0047】
ここでは、図4に示すように、フレームFnの時相についてBフローフレームデータffDnが得られ、このフレームFnについて超音波画像を表示するものとする。そして、最新フレームであるフレームFnから2フレームさかのぼったフレームF(n−2)までのフレーム、すなわちフレームFn,F(n−1),F(n−2)までの3フレームのBフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)を対象にして図3に示すステップS1〜S5の処理を行ない、処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。
【0048】
ちなみに、前記ステップS1〜S5の処理の対象になり、処理済BフローフレームデータFFDを作成する対象になるフレームの数は、ここでは3フレームとしているがこれに限られるものではなく、また操作者が前記操作部8において任意のフレーム数を設定できるようになっていてもよい。
【0049】
前記ステップS1〜S5について説明する。ちなみに、このステップS1〜S5は一画素を対象とした処理であり、各画素毎にこのステップS1〜S5の処理を行なって、一フレーム分の処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。
【0050】
先ず、ステップS1では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記Bフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)において、互いに対応する画素のデータのうち、最大の輝度のデータ(以下、「最大輝度データ」と云う)を特定し、これを推定エラーデータとする。ただし、このように本例では推定エラーデータの数は1としたが、後述の第二変形例のように、輝度が高い順に複数のデータを推定エラーデータとしてもよい。そして、推定エラーデータの数は前記操作部8において入力することにより変更できるようになっていてもよい。
【0051】
次に、ステップS2では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記最大輝度データが、最新のフレームのBフローフレームデータのデータであるか否かを判定する。ここでは、現在の時相はフレームFnでありこのフレームFnが最新のフレームであるため、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記最大輝度データが前記Bフローフレームデータffdnのデータであるか否かを判定する。
【0052】
前記ステップS2において、前記最大輝度データが前記Bフローフレームデータffdnのデータではないと判定された場合(ステップS2においてNO)、ステップS3へ移行する。一方、ステップS2において、前記最大輝度データが前記Bフローフレームデータffdnのデータであると判定された場合(ステップS2においてYES)、ステップS4へ移行する。
【0053】
ここで、例えば、図5〜7において、データdnはフレームFnのBフローフレームデータffdnにおける一画素のデータ、データd(n−1)はフレームF(n−1)のBフローフレームデータffd(n−1)における一画素のデータ、データd(n−2)はフレームF(n−2)のBフローフレームデータffd(n−2)における一画素のデータとする。図5においては前記データd(n−1)が最大輝度データであり、図6,7においては前記データdnが最大輝度データである。従って、図5の場合はステップS3へ移行し、図6,7の場合はステップS4へ移行する。
【0054】
前記ステップS3においては、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記フレームFnのデータをそのまま処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。すなわち、データdnを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。一方、前記ステップS4においては、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであるか否かを判定する。前記所定輝度は、操作者が前記操作部8において入力することにより設定されてもよいし、前記HDD10や前記メモリ61に予め記憶されていてもよい。
【0055】
ここで、前記基準データについて説明する。前記基準データは、前記Bフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)におけるデータdn,d(n−1),d(n−2)のうち、推定エラーデータである前記最大輝度データを除いたデータの中で、最新フレームのデータである。すなわち、ここではフレームf(n−1)のデータd(n−1)が基準データとなる。従って、前記ステップS4では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnが前記データd(n−1)よりも所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。具体的には、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnと前記データd(n−1)との輝度の差Dが所定の閾値DTH以上であるか否かにより、前記データdnが前記データd(n−1)よりも所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。前記データdnと前記データd(n−1)との差が前記閾値DTH以上であると判定された場合の前記データdnをエラーデータと云うものとする。すなわち、エラーデータは、推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータである。
【0056】
前記ステップS4において、前記データdnと前記データd(n−1)との差が前記閾値DTH未満であると判定された場合(前記ステップS4においてNO)、前記ステップS3へ移行する。一方、前記ステップS4において、前記データdnと前記データd(n−1)との差が前記閾値DTH以上であると判定された場合(前記ステップS4においてYES)、ステップS5へ移行する。そして、このステップS5では、エラーデータと判定された最大輝度データであるデータdnを除いたデータのうち最新のデータであるデータd(n−1)を処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0057】
図6において、前記データdnと前記データd(n−1)との輝度の差D1は、前記閾値DTH未満であり、ステップS3の処理へ移行する。ステップS3では、前記データdnを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0058】
また、図7において、前記データdnと前記データd(n−1)との輝度の差D2は、前記閾値DTH以上であり、ステップS5の処理へ移行する。ステップS5では、前記データd(n−1)を処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0059】
前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、各画素のデータについて前記ステップS1〜S5の処理を行ない、処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。ここで、前記ステップS1〜S5の処理において、最新フレームのデータであるデータdnが推定エラーデータ(最大輝度データ)でない場合には、この最新フレームのデータdnを前記処理済フレームデータFFDnのデータとして用いるようになっているので、エラーデータを除いた最新のデータが用いられることになる。一方、前記データdnが推定エラーデータである場合においても、この推定エラーデータのうち基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新フレームのデータ(図6ではデータdn、図7ではデータd(n−1))を前記処理済フレームデータFFDnのデータとして用いるようになっているので、同様にエラーデータを除いた最新のデータが用いられることになる。従って、前記ステップS1〜S5の処理を行なうことによって作成される処理済BフローフレームデータFFDnは、エラーデータを除いた最新のデータを用いたものとなる。
【0060】
前記処理済BフローフレームデータFFDnが作成されると、前記Bフロー画像データ作成部64が、前記処理済BフローフレームデータFFDnに基づいてBフロー画像データを作成する。このBフロー画像データが作成されると、前記画像表示制御部65は、前記Bフロー画像データと前記Bモード画像データとを合成して前記超音波画像Gを表示させる。
【0061】
ちなみに、前記フレームFnの次のフレームF(n+1)の処理済BフローフレームデータFFD(n+1)の作成は(図4参照)、フレームF(n+1)から2フレームさかのぼったフレームF(n−1)までのフレーム、すなわちフレームF(n+1),Fn,F(n−1)までの3フレームのBフローフレームデータffd(n+1),ffdn,ffd(n−1)を対象として、前記ステップS1〜S5の処理を行なう。さらに、前記フレームF(n+1)の次のフレームF(n+2)の処理済BフローフレームデータFFD(n+2)の作成は、フレームF(n+2)から2フレームさかのぼったフレームFnまでのフレーム、すなわちフレームF(n+2),F(n+1),Fnまでの3フレームのBフローフレームデータffd(n+2),ffd(n+1),ffdnを対象として、前記ステップS1〜S5の処理を行なう。
【0062】
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、前記エラーデータを除いた処理済BフローフレームデータFFDに基づいて作成されるBフロー画像が表示されるので、一、二フレームだけ瞬間的に高輝度になるような画像が表示されることを抑制することができ、見やすい画像を表示することができる。しかも、前記処理済BフローフレームデータFFDは、エラーデータを除いた最新のデータからなるので、血流の流れている様子ができるだけ損なわれることのないBフロー画像を表示させることができる。
【0063】
第一実施形態の変形例について説明する。先ず、第一変形例について説明する。前記基準データは、処理済BフローフレームデータFFDを作成する対象となる複数のBフローフレームデータffdにおける対応画素のデータのうち、中央値のデータであってもよい。例えば、図6においては、中央値のデータは前記データd(n−1)であり、前記ステップS4においてはこのデータd(n−1)を基準データとして、これよりも前記データdnが所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。また、図7においては、中央値のデータは前記データd(n−2)であり、前記ステップS4においてはこのデータd(n−2)を基準データとしてこれよりも前記データdnが所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。
【0064】
次に、第二変形例について説明する。この第二変形例では、処理済BフローフレームデータFFDを作成する対象となるフレームの数を4フレームとする。例えば、図8に示すように、フレームFnの時相について超音波画像を表示する場合について、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。図9に示すステップS11〜S15においては、フレームFn,F(n−1),F(n−2),F(n−3)のBフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2),ffd(n−3)を対象にして処理済BフローフレームデータFFDnの作成を行なう。
【0065】
先ず、ステップS11では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、Bフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2),ffd(n−3)において、互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データと二番目に輝度が高いデータとを特定し、これらを推定エラーデータとする。この第二変形例では、前記最大輝度データを第一高輝度データと云い、二番目に輝度が高いデータを第二高輝度データと云うものとする。従って、第一高輝度データ及び第二高輝度データが推定エラーデータである。
【0066】
次に、ステップS12では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記第一高輝度データ及び前記第二高輝度データのいずれかが、最新のフレームのBフローフレームデータのデータであるか否かを判定する。ここでは、フレームFnが最新のフレームであり、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記第一高輝度データ及び前記第二高輝度データのいずれかが、前記Bフローフレームデータffdnのデータであるか否かを判定する。
【0067】
前記ステップS12において、前記第一高輝度データ及び前記第二輝度データのいずれかが前記Bフローフレームデータffdnのデータではないと判定された場合(ステップS12においてNO)、ステップS13へ移行する。一方、ステップS12において、前記第一高輝度データ及び前記第二高輝度データのいずれかが前記Bフローフレームデータffdnのデータであると判定された場合(ステップS12においてYES)、ステップS14へ移行する。
【0068】
例えば、図10に示すように、データd(n−2)が第一高輝度データであり、データd(n−1)が第二高輝度データである場合、ステップS13の処理へ移行する。一方、図11に示すように、データd(n−1)が第一高輝度データであり、データdnが第二高輝度データである場合と、図12に示すように、データdnが第一高輝度データであり、データd(n−1)が第二高輝度データである場合には、ステップS14の処理へ移行する。
【0069】
前記ステップS13においては、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、上述のステップS3の処理と同様に、前記フレームFnのデータをそのまま処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。すなわち、データdnを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。一方、前記ステップS14においては、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、上述のステップS4の処理と同様に、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであるか否かを判定する。
【0070】
ここで、前記基準データについて説明する。前記基準データは、データdn,d(n−1),d(n−2),d(n−3)のうち、推定エラーデータである第一高輝度データ及び第二高輝度データを除いたデータの中で、最新フレームのデータである。従って、図11では、前記基準データはデータd(n−2)であり、図12では、前記基準データはデータd(n−2)である。従って、図11に示す例では、前記ステップS14において、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnと前記データd(n−2)との輝度の差D3が所定の閾値DTH以上であるか否かを判定することにより、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。また、図12に示す例では、前記ステップS14において、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnと前記データd(n−2)との輝度の差D4が所定の閾値DTH以上であるか否かを判定することにより、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。
【0071】
前記ステップS14において、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度ではないと判定された場合(ステップS14においてNO)、ステップS13へ移行する。一方、前記ステップS14において、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度であると判定された場合(ステップS14においてYES)、ステップS15へ移行する。このステップS15では、第一高輝度データ及び第二高輝度データを除いた最新のデータを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0072】
図11において、前記データdnと前記データd(n−2)との輝度の差D3は、前記閾値DTH未満であるものとする。従って、ステップS13の処理へ移行し、前記データdnを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0073】
また、図12において、前記データdnと前記データd(n−2)との輝度の差D4は、前記閾値DTH以上であり、前記データdnはエラーデータであるものとする。従って、ステップS15の処理へ移行し、第一高輝度データ及び第二高輝度データを除いた最新のデータであるデータd(n−2)を処理済BフローフレームデータFFDのデータとする。
【0074】
この第二変形例においても、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、各画素のデータについて前記ステップS11〜S15の処理を行ない、処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。ここで、前記ステップS11〜S15の処理において、最新フレームのデータであるデータdnが推定エラーデータ(第一高輝度データ及び第二高輝度データ)でない場合には、この最新フレームのデータdnを前記処理済フレームデータFFDnのデータとして用いるようになっているので、エラーデータを除いた最新のデータが用いられることになる。一方、データdnが推定エラーデータである場合においては、この推定エラーデータを除いた最新フレームのデータ(図11ではデータdn、図12ではデータd(n−1))を前記処理済フレームデータFFDnのデータとして用いるようになっているので、同様にエラーデータを除いた最新のデータが用いられることになる。従って、前記ステップS11〜S15の処理を行なうことによって作成される処理済BフローフレームデータFFDnも、エラーデータを除いた最新のデータを用いたものとなる。
【0075】
ここで、高輝度のフレームが増えても、推定エラーデータの数を1つのみに設定していると、高輝度のデータを基準データとしてエラーデータであるか否かの判定が行なわれる可能性が高くなる。従って、エラーデータであるとして用いるべきではないデータが処理済BフローフレームデータFFDに用いられるおそれがある。しかし、この第二変形例では、前記第一、第二高輝度データを推定エラーデータとし、二フレーム分のデータが前記基準データの対象外になる。そして、このような基準データに基づいて、エラーデータであるか否かの判定を行なうので、高輝度のフレームが増えても、エラーデータとして用いるべきではないデータが処理済BフローフレームデータFFDに用いられることをできるだけ排除することができる。従って、瞬間的に高輝度になるような画像が表示されることを一層効果的に抑制することができる。
【0076】
以上のようなことから、操作者は、画像を見ながら瞬間的に高輝度になる画像が表示される場合には、推定エラーデータの数を調節することで、瞬間的に高輝度になる画像が表示されることを抑制することができる。
【0077】
この第二変形例のステップS15において、図12に示すように前記データdnがエラーデータである場合に、第二高輝度データであるデータd(n−1)についても、前記基準データであるデータd(n−2)よりも所定輝度以上高輝度のエラーデータであるか否かを判定してもよい。この場合、前記データd(n−1)がエラーデータであれば、エラーデータを除いた最新のデータである前記データd(n−2)を前記処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。一方、前記データd(n−1)がエラーデータでなければ、このデータd(n−1)を前記処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。このようにしても、エラーデータを除いた最新フレームのデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDを作成することができる。
【0078】
次に、第三変形例について説明する。前記血流画像はBフロー画像に限られるものではなく、カラードプラ画像やパワードプラ画像であってもよい。前記血流画像がカラードプラ画像である場合、カラードプラ画像において瞬間的に高血流速又は高パワーの画像が表示されることを防止するため、異なる時相の複数のドプラフレームデータにおいて、互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高血流速又は高血流パワーであるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済ドプラフレームデータを作成する。そして、この処理済ドプラフレームデータに基づくカラードプラ画像を表示する。ちなみに、前記ドプラフレームデータ及び処理済ドプラフレームデータは、エコー信号をドプラ処理して作成された血流速及び/又は血流パワーのデータからなる。このように血流画像がカラードプラ画像の場合、輝度の代わりに血流速又は血流パワーを判断基準として前記推定エラーデータ及び前記エラーデータを特定して上述と同様にして処理済ドプラフレームデータの作成を行なう。すなわち、上述の推定エラーデータとしては、最大輝度データ又は輝度が高い順に複数のデータの代わりに、最大血流速データ又は血流速が大きい順に複数のデータを用い、上述と同様にしてエラーデータを特定し、前記処理済ドプラフレームデータを作成する。或いは、前記推定エラーデータとして、最大輝度データ又は輝度が高い順に複数のデータの代わりに、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に複数のデータを用い、上述と同様にしてエラーデータを特定し、前記処理済ドプラフレームデータを作成する。
【0079】
また、前記血流画像がパワードプラ画像である場合も、このパワードプラ画像において瞬間的に高パワーの画像が表示されることを防止するため、異なる時相の複数のドプラフレームデータにおいて、互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高血流パワーであるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済ドプラフレームデータを作成する。この場合においても、輝度の代わりに血流パワーを判断基準として前記推定エラーデータ及び前記エラーデータを特定して上述と同様に処理済ドプラフレームデータの作成を行なう。
【0080】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。以下、第一実施形態と異なる構成及び作用についてのみ説明する。
【0081】
本例では、処理済Bフローフレームデータ作成部63は、異なる時相の複数の前記Bフローフレームデータffdにおいて互いに対応する画素のデータのうち、輝度が中央値のデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDをフレーム毎に作成する。
【0082】
本例における処理済BフローフレームデータFFDの作成について、図13のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、フレームFn,F(n−1),F(n−2)までの3フレームのBフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)(図4参照)が、図13のステップS21,S22の処理の対象になるものとし、フレームFnについて画像を表示する場合について説明する。
【0083】
先ず、ステップS21では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記Bフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)において互いに対応する画素のデータのうち、輝度が中央値のデータを特定する。例えば、図14に示すように、データdn,d(n−1),d(n−2)の順で輝度が低くなっているような場合、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、輝度が中央値のデータとしてデータd(n−1)を特定する。
【0084】
次に、ステップS22では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データd(n−1)を、フレームFnについての処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。そして、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、各画素のデータについて前記ステップS21,S22の処理を行ない、処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。
【0085】
本例によれば、輝度が中央値のデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDに基づいて作成されるBフロー画像が表示される。従って、第一実施形態と同様に、一瞬高輝度になるような画像が表示されることを抑制することができ、見やすい画像を表示することができる。
【0086】
次に、第二実施形態の変形例について説明する。本例においても前記血流画像はカラードプラ画像やパワードプラ画像であってもよい。前記血流画像がカラードプラ画像である場合、異なる時相の複数のドプラフレームデータにおいて、輝度の代わりに血流速又は血流パワーを基準にして中央値のデータを特定して処理済ドプラフレームデータを作成する。そして、この処理済ドプラフレームデータに基づくカラードプラ画像を表示する。また、前記血流画像がパワードプラ画像である場合、異なる時相の複数のドプラフレームデータにおいて、輝度の代わりに血流パワーを基準にして中央値のデータを特定して処理済ドプラフレームデータを作成する。そして、この処理済ドプラフレームデータに基づくパワードプラ画像を表示する。
【0087】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。
【符号の説明】
【0088】
1 超音波診断装置
5 Bフロー処理部(フレームデータ作成部)
8 操作部(推定エラーデータ数入力部、フレーム数入力部)
63 処理済Bフローフレームデータ作成部(処理済フレームデータ作成部)
65 画像表示制御部
ffd Bフローフレームデータ(フレームデータ)
FFD 処理済Bフローフレームデータ(処理済フレームデータ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、血流画像を表示する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血流画像としては、例えばBフロー画像やカラードプラ画像、パワードプラ画像などが挙げられる(例えば、特許文献1,2及び非特許文献1参照)。これらの血流画像は、同一音線上に複数回の超音波の送受信を行なって得られたエコー信号に基づいて作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−129967号公報
【特許文献2】特開2010−125203号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Richard Y.chiao,Larry Y.Mo et al.,B−Mode Blood Flow(B−Flow) Imaging, Ultrasonics Symposium, 2000 IEEE, 米国,IEEE, 2000年, vol.2, PP. 1469−1472
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、Bフロー画像においては、動いているものの輝度が高く表示されるため、超音波の送受信時に被検体が動いてしまったり、超音波プローブが動いてしまったりすると、瞬間的に高輝度の画像が表示される場合がある。また、心臓の近傍におけるBフロー画像においては、心臓周囲の組織が動くため、この部分の輝度が心臓の拍動に合わせて高輝度になったフレームが存在する場合がある。このように血流画像において瞬間的に高輝度のフレームが存在すると画像が見づらい。また、同様にカラードプラ画像及びパワードプラ画像においても瞬間的に高血流速、高血流パワーのフレームが存在すると画像が見づらい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するためになされた第1の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高輝度、高血流速又は高血流パワーであるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0007】
第2の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データ又は輝度が高い順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする超音波診断装置である。
【0008】
第3の観点の発明は、第2の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0009】
第4の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流速データ又は血流速が大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする超音波診断装置である。
【0010】
第5の観点の発明は、第4の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流速のデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0011】
第6の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする超音波診断装置である。
【0012】
第7の観点の発明は、第6の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流パワーのデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0013】
第8の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データ又は輝度が高い順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なうことを特徴とする超音波診断装置である。
【0014】
第9の観点の発明は、第8の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0015】
第10の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流速データ又は血流速が大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高血流速であるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なうことを特徴とする超音波診断装置である。
【0016】
第11の観点の発明は、第10の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流速のデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0017】
第12の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高血流パワーであるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なうことを特徴とする超音波診断装置である。
【0018】
第13の観点の発明は、第12の観点の発明において、前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流パワーのデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0019】
第14の観点の発明は、第8〜13のいずれか一の観点の発明において、前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、前記推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする超音波診断装置である。
【0020】
第15の観点の発明は、第2〜14のいずれか一の観点の発明において、前記推定エラーデータとする数を入力する推定エラーデータ数入力部を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0021】
第16の観点の発明は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、輝度、血流速又は血流パワーが中央値のデータを用いた処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0022】
第17の観点の発明は、第1〜16のいずれか一の観点の発明において、前記異なる時相の複数のフレームデータは、最新のフレームデータから所定のフレーム数さかのぼったフレームデータまでのフレームデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0023】
第18の観点の発明は、第1〜17のいずれか一の観点の発明において、前記処理済フレームデータを作成する対象となるフレームデータの数を入力するフレーム数入力部を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0024】
第19の観点の発明は、第1〜18のいずれか一の観点の発明において、前記フレームデータはスキャンコンバータによる走査変換前のローデータであることを特徴とする超音波診断装置である。
【0025】
第20の観点の発明は、第1,2,3,8,9の観点の発明において、前記血流画像はBフロー画像であることを特徴とする超音波診断装置である。
【0026】
第21の観点の発明は、第1,4,5,6,7,10,11,12,13の発明において、前記血流画像はカラードプラ画像であることを特徴とする超音波診断装置である。
【0027】
第22の観点の発明は、第1,6,7,12,13の観点の発明において、前記血流画像はパワードプラ画像であることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0028】
上記観点の発明によれば、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、前記エラーデータを除いた処理済フレームデータに基づく血流画像を表示することにより、瞬間的に高輝度、高血流速、高血流パワーになるような画像が表示されることを抑制することができる。しかも、前記処理済Bフローフレームデータは、前記エラーデータを除いた最新のデータからなるので、血流の流れている様子ができるだけ損なわれることのない血流画像を表示させることができる。
【0029】
また、上記他の観点の発明によれば、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、前記推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には最新フレームのデータを処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記エラーデータを除いた最新フレームのデータを処理済フレームデータのデータとして用いることにより、エラーデータを除いた処理済フレームデータに基づく血流画像が表示されるので、瞬間的に高輝度、高血流速、高血流パワーになるような画像が表示されることを抑制することができる。しかも、前記処理済Bフローフレームデータは、前記エラーデータを除いた最新のデータからなるので、血流の流れている様子ができるだけ損なわれることのないBフロー画像を表示させることができる。
【0030】
さらに、上記他の観点の発明によれば、輝度、血流速又は血流パワーが中央値のデータを用いた処理済フレームデータに基づく血流画像を表示することにより、瞬間的に高輝度になるような画像が表示されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の第一実施形態の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】処理済Bフローフレームデータの作成の処理を示すフローチャートである。
【図4】Bフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図である。
【図5】Bフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、3フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の一例を示す図である。
【図6】Bフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、3フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の他例を示す図である。
【図7】Bフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、3フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の他例を示す図である。
【図8】第一実施形態の第二変形例におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図である。
【図9】第一実施形態の第二変形例における処理済Bフローフレームデータの作成の処理を示すフローチャートである。
【図10】第一実施形態の第二変形例におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、4フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の一例を示す図である。
【図11】第一実施形態の第二変形例におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、4フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の他例を示す図である。
【図12】第一実施形態の第二変形例におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、4フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の他例を示す図である。
【図13】第二実施形態における処理済Bフローフレームデータの作成の処理のフローチャートである。
【図14】第二実施形態におけるBフローフレームデータに基づく処理済Bフローフレームデータの作成を説明するための図であり、3フレーム分のBフローフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータの輝度の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図7に基づいて詳細に説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信部3、Bモード処理部4、Bフロー処理部5、表示制御部6、表示部7、操作部8、制御部9、HDD(ハードディスクドライブ:Hard Disk Drive)10を備える。
【0033】
前記超音波プローブ2は、アレイ状に配置された複数の超音波振動子(図示省略)を有して構成され、この超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。
【0034】
前記送受信部3は、前記超音波プローブ2を所定の送信条件で駆動させ、スキャン面を超音波ビームによって音線順次で走査させる。前記送受信部3は前記制御部9からの制御信号によって前記超音波プローブ2を駆動させる。送受信部3は、前記超音波プローブ2を駆動させて同一音線上に複数回の超音波の送受信を行なう。
【0035】
また、前記送受信部3は、前記超音波プローブ2で得られたエコー信号について、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコーデータを前記Bモード処理部4及び前記Bフロー処理部5へ出力する。
【0036】
前記Bモード処理部4は、前記送受信部3から出力されたエコーデータに対し、対数圧縮処理、包絡線検波処理等の所定の処理を行ってBモードデータを作成する。このBモードデータは、各画素の輝度に対応するデータである。一フレーム分のBモードデータをBモードフレームデータBFDと云うものとする。このBモードフレームデータBFDは、一フレーム分の音線毎のBモードデータからなる。前記Bモード処理部4から出力されたBモードフレームデータBFDは前記表示制御部6に入力される。
【0037】
前記Bフロー処理部5は、同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に対しBフロー処理を行い、Bフローデータを作成する。Bフローデータは、各画素の輝度に対応するデータである。一フレーム分のBフローデータをBフローフレームデータffdと云うものとする。従って、前記Bフロー処理部5はBフローフレームデータffdの作成を行なうものである(Bフローフレームデータ作成機能)。前記Bフローフレームデータffdは、一フレーム分の音線毎のBフローデータからなる。前記Bフロー処理部5から出力されたBフローフレームデータffdは前記表示制御部6に入力される。前記Bフロー処理部5は本発明におけるフレームデータ作成部の実施の形態の一例である。また、Bフローデータに基づいて作成され表示されるBフロー画像は、血流画像の実施の形態の一例であり、前記Bフローフレームデータffdは本発明における血流画像のフレームデータの実施の形態の一例である。
【0038】
前記表示制御部6は、図2に示すように、メモリ61、Bモード画像データ作成部62、処理済Bフローフレームデータ作成部63、Bフロー画像データ作成部64、画像表示制御部65を有している。前記メモリ61は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(Memory)などで構成される。このメモリ61には、例えば前記BモードフレームデータBFDや前記Bフローフレームデータffdなどが記憶される。前記BモードフレームデータBFD及び前記Bフローフレームデータffdは、前記HDD10に記憶されるようになっていてもよい。
【0039】
前記Bモード画像データ作成部61は、前記BモードフレームデータBFDをスキャンコンバータ(Scan Converter)によって走査変換してBモード画像データを作成する。
【0040】
前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、異なる時相の複数の前記Bフローフレームデータffdにおいて、互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDを作成する(処理済Bフローフレームデータ作成機能)。詳細は後述する。前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は本発明における処理済フレームデータ作成部の実施の形態の一例である。また、処理済BフローフレームデータFFDは本発明における処理済フレームデータの実施の形態の一例である。
【0041】
前記Bフロー画像データ作成部64は、前記処理済BフローフレームデータFFDをスキャンコンバータによって走査変換してBフロー画像データを作成する。
【0042】
前記画像表示制御部65は、前記Bモード画像データ及び前記Bフロー画像データを加算し、Bモード画像とBフロー画像とが合成された超音波画像を表示させる(画像表示機能)。すなわち、本例では、血流画像であるBフロー画像は、Bモード画像と合成されて前記表示部7に表示される。前記画像表示制御部65は、本発明における画像表示制御部の実施の形態の一例である。
【0043】
前記表示部7は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。前記操作部8は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。この操作部8においては、操作者は、例えば後述のように、処理済BフローフレームデータFFDを作成する対象になるフレームデータの数や推定エラーデータの数を入力する。前記操作部8は、本発明におけるフレーム数入力部及び推定エラーデータ数入力部の実施の形態の一例である。
【0044】
前記制御部9は、CPU(CentRal Processing Unit)を有して構成される。この制御部9は、前記HDD10に記憶された制御プログラムを読み出し、前記Bフローフレームデータ作成機能、前記処理済Bフローフレームデータ作成機能、前記画像表示機能をはじめとする前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
【0045】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について説明する。前記超音波プローブ2による超音波の送受信により得られたエコー信号に基づいて、前記Bモード処理部4がBモードフレームデータBFDを作成し、また前記Bフロー処理部5がBフローフレームデータffdを作成する。そして、前記BモードフレームデータBFD及び前記Bフローフレームデータffdは、前記メモリ61に記憶される。
【0046】
前記Bモード画像データ作成部62は、前記BモードフレームデータBFDに基づいてBモード画像データを作成する。一方、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記Bフローフレームデータffdに基づいて、処理済BフローフレームデータFFDを作成する。処理済BフローフレームデータFFDの作成の詳細について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0047】
ここでは、図4に示すように、フレームFnの時相についてBフローフレームデータffDnが得られ、このフレームFnについて超音波画像を表示するものとする。そして、最新フレームであるフレームFnから2フレームさかのぼったフレームF(n−2)までのフレーム、すなわちフレームFn,F(n−1),F(n−2)までの3フレームのBフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)を対象にして図3に示すステップS1〜S5の処理を行ない、処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。
【0048】
ちなみに、前記ステップS1〜S5の処理の対象になり、処理済BフローフレームデータFFDを作成する対象になるフレームの数は、ここでは3フレームとしているがこれに限られるものではなく、また操作者が前記操作部8において任意のフレーム数を設定できるようになっていてもよい。
【0049】
前記ステップS1〜S5について説明する。ちなみに、このステップS1〜S5は一画素を対象とした処理であり、各画素毎にこのステップS1〜S5の処理を行なって、一フレーム分の処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。
【0050】
先ず、ステップS1では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記Bフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)において、互いに対応する画素のデータのうち、最大の輝度のデータ(以下、「最大輝度データ」と云う)を特定し、これを推定エラーデータとする。ただし、このように本例では推定エラーデータの数は1としたが、後述の第二変形例のように、輝度が高い順に複数のデータを推定エラーデータとしてもよい。そして、推定エラーデータの数は前記操作部8において入力することにより変更できるようになっていてもよい。
【0051】
次に、ステップS2では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記最大輝度データが、最新のフレームのBフローフレームデータのデータであるか否かを判定する。ここでは、現在の時相はフレームFnでありこのフレームFnが最新のフレームであるため、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記最大輝度データが前記Bフローフレームデータffdnのデータであるか否かを判定する。
【0052】
前記ステップS2において、前記最大輝度データが前記Bフローフレームデータffdnのデータではないと判定された場合(ステップS2においてNO)、ステップS3へ移行する。一方、ステップS2において、前記最大輝度データが前記Bフローフレームデータffdnのデータであると判定された場合(ステップS2においてYES)、ステップS4へ移行する。
【0053】
ここで、例えば、図5〜7において、データdnはフレームFnのBフローフレームデータffdnにおける一画素のデータ、データd(n−1)はフレームF(n−1)のBフローフレームデータffd(n−1)における一画素のデータ、データd(n−2)はフレームF(n−2)のBフローフレームデータffd(n−2)における一画素のデータとする。図5においては前記データd(n−1)が最大輝度データであり、図6,7においては前記データdnが最大輝度データである。従って、図5の場合はステップS3へ移行し、図6,7の場合はステップS4へ移行する。
【0054】
前記ステップS3においては、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記フレームFnのデータをそのまま処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。すなわち、データdnを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。一方、前記ステップS4においては、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであるか否かを判定する。前記所定輝度は、操作者が前記操作部8において入力することにより設定されてもよいし、前記HDD10や前記メモリ61に予め記憶されていてもよい。
【0055】
ここで、前記基準データについて説明する。前記基準データは、前記Bフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)におけるデータdn,d(n−1),d(n−2)のうち、推定エラーデータである前記最大輝度データを除いたデータの中で、最新フレームのデータである。すなわち、ここではフレームf(n−1)のデータd(n−1)が基準データとなる。従って、前記ステップS4では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnが前記データd(n−1)よりも所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。具体的には、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnと前記データd(n−1)との輝度の差Dが所定の閾値DTH以上であるか否かにより、前記データdnが前記データd(n−1)よりも所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。前記データdnと前記データd(n−1)との差が前記閾値DTH以上であると判定された場合の前記データdnをエラーデータと云うものとする。すなわち、エラーデータは、推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータである。
【0056】
前記ステップS4において、前記データdnと前記データd(n−1)との差が前記閾値DTH未満であると判定された場合(前記ステップS4においてNO)、前記ステップS3へ移行する。一方、前記ステップS4において、前記データdnと前記データd(n−1)との差が前記閾値DTH以上であると判定された場合(前記ステップS4においてYES)、ステップS5へ移行する。そして、このステップS5では、エラーデータと判定された最大輝度データであるデータdnを除いたデータのうち最新のデータであるデータd(n−1)を処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0057】
図6において、前記データdnと前記データd(n−1)との輝度の差D1は、前記閾値DTH未満であり、ステップS3の処理へ移行する。ステップS3では、前記データdnを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0058】
また、図7において、前記データdnと前記データd(n−1)との輝度の差D2は、前記閾値DTH以上であり、ステップS5の処理へ移行する。ステップS5では、前記データd(n−1)を処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0059】
前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、各画素のデータについて前記ステップS1〜S5の処理を行ない、処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。ここで、前記ステップS1〜S5の処理において、最新フレームのデータであるデータdnが推定エラーデータ(最大輝度データ)でない場合には、この最新フレームのデータdnを前記処理済フレームデータFFDnのデータとして用いるようになっているので、エラーデータを除いた最新のデータが用いられることになる。一方、前記データdnが推定エラーデータである場合においても、この推定エラーデータのうち基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新フレームのデータ(図6ではデータdn、図7ではデータd(n−1))を前記処理済フレームデータFFDnのデータとして用いるようになっているので、同様にエラーデータを除いた最新のデータが用いられることになる。従って、前記ステップS1〜S5の処理を行なうことによって作成される処理済BフローフレームデータFFDnは、エラーデータを除いた最新のデータを用いたものとなる。
【0060】
前記処理済BフローフレームデータFFDnが作成されると、前記Bフロー画像データ作成部64が、前記処理済BフローフレームデータFFDnに基づいてBフロー画像データを作成する。このBフロー画像データが作成されると、前記画像表示制御部65は、前記Bフロー画像データと前記Bモード画像データとを合成して前記超音波画像Gを表示させる。
【0061】
ちなみに、前記フレームFnの次のフレームF(n+1)の処理済BフローフレームデータFFD(n+1)の作成は(図4参照)、フレームF(n+1)から2フレームさかのぼったフレームF(n−1)までのフレーム、すなわちフレームF(n+1),Fn,F(n−1)までの3フレームのBフローフレームデータffd(n+1),ffdn,ffd(n−1)を対象として、前記ステップS1〜S5の処理を行なう。さらに、前記フレームF(n+1)の次のフレームF(n+2)の処理済BフローフレームデータFFD(n+2)の作成は、フレームF(n+2)から2フレームさかのぼったフレームFnまでのフレーム、すなわちフレームF(n+2),F(n+1),Fnまでの3フレームのBフローフレームデータffd(n+2),ffd(n+1),ffdnを対象として、前記ステップS1〜S5の処理を行なう。
【0062】
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、前記エラーデータを除いた処理済BフローフレームデータFFDに基づいて作成されるBフロー画像が表示されるので、一、二フレームだけ瞬間的に高輝度になるような画像が表示されることを抑制することができ、見やすい画像を表示することができる。しかも、前記処理済BフローフレームデータFFDは、エラーデータを除いた最新のデータからなるので、血流の流れている様子ができるだけ損なわれることのないBフロー画像を表示させることができる。
【0063】
第一実施形態の変形例について説明する。先ず、第一変形例について説明する。前記基準データは、処理済BフローフレームデータFFDを作成する対象となる複数のBフローフレームデータffdにおける対応画素のデータのうち、中央値のデータであってもよい。例えば、図6においては、中央値のデータは前記データd(n−1)であり、前記ステップS4においてはこのデータd(n−1)を基準データとして、これよりも前記データdnが所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。また、図7においては、中央値のデータは前記データd(n−2)であり、前記ステップS4においてはこのデータd(n−2)を基準データとしてこれよりも前記データdnが所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。
【0064】
次に、第二変形例について説明する。この第二変形例では、処理済BフローフレームデータFFDを作成する対象となるフレームの数を4フレームとする。例えば、図8に示すように、フレームFnの時相について超音波画像を表示する場合について、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。図9に示すステップS11〜S15においては、フレームFn,F(n−1),F(n−2),F(n−3)のBフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2),ffd(n−3)を対象にして処理済BフローフレームデータFFDnの作成を行なう。
【0065】
先ず、ステップS11では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、Bフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2),ffd(n−3)において、互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データと二番目に輝度が高いデータとを特定し、これらを推定エラーデータとする。この第二変形例では、前記最大輝度データを第一高輝度データと云い、二番目に輝度が高いデータを第二高輝度データと云うものとする。従って、第一高輝度データ及び第二高輝度データが推定エラーデータである。
【0066】
次に、ステップS12では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記第一高輝度データ及び前記第二高輝度データのいずれかが、最新のフレームのBフローフレームデータのデータであるか否かを判定する。ここでは、フレームFnが最新のフレームであり、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記第一高輝度データ及び前記第二高輝度データのいずれかが、前記Bフローフレームデータffdnのデータであるか否かを判定する。
【0067】
前記ステップS12において、前記第一高輝度データ及び前記第二輝度データのいずれかが前記Bフローフレームデータffdnのデータではないと判定された場合(ステップS12においてNO)、ステップS13へ移行する。一方、ステップS12において、前記第一高輝度データ及び前記第二高輝度データのいずれかが前記Bフローフレームデータffdnのデータであると判定された場合(ステップS12においてYES)、ステップS14へ移行する。
【0068】
例えば、図10に示すように、データd(n−2)が第一高輝度データであり、データd(n−1)が第二高輝度データである場合、ステップS13の処理へ移行する。一方、図11に示すように、データd(n−1)が第一高輝度データであり、データdnが第二高輝度データである場合と、図12に示すように、データdnが第一高輝度データであり、データd(n−1)が第二高輝度データである場合には、ステップS14の処理へ移行する。
【0069】
前記ステップS13においては、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、上述のステップS3の処理と同様に、前記フレームFnのデータをそのまま処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。すなわち、データdnを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。一方、前記ステップS14においては、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、上述のステップS4の処理と同様に、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであるか否かを判定する。
【0070】
ここで、前記基準データについて説明する。前記基準データは、データdn,d(n−1),d(n−2),d(n−3)のうち、推定エラーデータである第一高輝度データ及び第二高輝度データを除いたデータの中で、最新フレームのデータである。従って、図11では、前記基準データはデータd(n−2)であり、図12では、前記基準データはデータd(n−2)である。従って、図11に示す例では、前記ステップS14において、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnと前記データd(n−2)との輝度の差D3が所定の閾値DTH以上であるか否かを判定することにより、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。また、図12に示す例では、前記ステップS14において、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データdnと前記データd(n−2)との輝度の差D4が所定の閾値DTH以上であるか否かを判定することにより、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度であるか否かを判定する。
【0071】
前記ステップS14において、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度ではないと判定された場合(ステップS14においてNO)、ステップS13へ移行する。一方、前記ステップS14において、前記データdnが基準データよりも所定輝度以上高輝度であると判定された場合(ステップS14においてYES)、ステップS15へ移行する。このステップS15では、第一高輝度データ及び第二高輝度データを除いた最新のデータを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0072】
図11において、前記データdnと前記データd(n−2)との輝度の差D3は、前記閾値DTH未満であるものとする。従って、ステップS13の処理へ移行し、前記データdnを処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。
【0073】
また、図12において、前記データdnと前記データd(n−2)との輝度の差D4は、前記閾値DTH以上であり、前記データdnはエラーデータであるものとする。従って、ステップS15の処理へ移行し、第一高輝度データ及び第二高輝度データを除いた最新のデータであるデータd(n−2)を処理済BフローフレームデータFFDのデータとする。
【0074】
この第二変形例においても、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、各画素のデータについて前記ステップS11〜S15の処理を行ない、処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。ここで、前記ステップS11〜S15の処理において、最新フレームのデータであるデータdnが推定エラーデータ(第一高輝度データ及び第二高輝度データ)でない場合には、この最新フレームのデータdnを前記処理済フレームデータFFDnのデータとして用いるようになっているので、エラーデータを除いた最新のデータが用いられることになる。一方、データdnが推定エラーデータである場合においては、この推定エラーデータを除いた最新フレームのデータ(図11ではデータdn、図12ではデータd(n−1))を前記処理済フレームデータFFDnのデータとして用いるようになっているので、同様にエラーデータを除いた最新のデータが用いられることになる。従って、前記ステップS11〜S15の処理を行なうことによって作成される処理済BフローフレームデータFFDnも、エラーデータを除いた最新のデータを用いたものとなる。
【0075】
ここで、高輝度のフレームが増えても、推定エラーデータの数を1つのみに設定していると、高輝度のデータを基準データとしてエラーデータであるか否かの判定が行なわれる可能性が高くなる。従って、エラーデータであるとして用いるべきではないデータが処理済BフローフレームデータFFDに用いられるおそれがある。しかし、この第二変形例では、前記第一、第二高輝度データを推定エラーデータとし、二フレーム分のデータが前記基準データの対象外になる。そして、このような基準データに基づいて、エラーデータであるか否かの判定を行なうので、高輝度のフレームが増えても、エラーデータとして用いるべきではないデータが処理済BフローフレームデータFFDに用いられることをできるだけ排除することができる。従って、瞬間的に高輝度になるような画像が表示されることを一層効果的に抑制することができる。
【0076】
以上のようなことから、操作者は、画像を見ながら瞬間的に高輝度になる画像が表示される場合には、推定エラーデータの数を調節することで、瞬間的に高輝度になる画像が表示されることを抑制することができる。
【0077】
この第二変形例のステップS15において、図12に示すように前記データdnがエラーデータである場合に、第二高輝度データであるデータd(n−1)についても、前記基準データであるデータd(n−2)よりも所定輝度以上高輝度のエラーデータであるか否かを判定してもよい。この場合、前記データd(n−1)がエラーデータであれば、エラーデータを除いた最新のデータである前記データd(n−2)を前記処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。一方、前記データd(n−1)がエラーデータでなければ、このデータd(n−1)を前記処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。このようにしても、エラーデータを除いた最新フレームのデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDを作成することができる。
【0078】
次に、第三変形例について説明する。前記血流画像はBフロー画像に限られるものではなく、カラードプラ画像やパワードプラ画像であってもよい。前記血流画像がカラードプラ画像である場合、カラードプラ画像において瞬間的に高血流速又は高パワーの画像が表示されることを防止するため、異なる時相の複数のドプラフレームデータにおいて、互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高血流速又は高血流パワーであるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済ドプラフレームデータを作成する。そして、この処理済ドプラフレームデータに基づくカラードプラ画像を表示する。ちなみに、前記ドプラフレームデータ及び処理済ドプラフレームデータは、エコー信号をドプラ処理して作成された血流速及び/又は血流パワーのデータからなる。このように血流画像がカラードプラ画像の場合、輝度の代わりに血流速又は血流パワーを判断基準として前記推定エラーデータ及び前記エラーデータを特定して上述と同様にして処理済ドプラフレームデータの作成を行なう。すなわち、上述の推定エラーデータとしては、最大輝度データ又は輝度が高い順に複数のデータの代わりに、最大血流速データ又は血流速が大きい順に複数のデータを用い、上述と同様にしてエラーデータを特定し、前記処理済ドプラフレームデータを作成する。或いは、前記推定エラーデータとして、最大輝度データ又は輝度が高い順に複数のデータの代わりに、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に複数のデータを用い、上述と同様にしてエラーデータを特定し、前記処理済ドプラフレームデータを作成する。
【0079】
また、前記血流画像がパワードプラ画像である場合も、このパワードプラ画像において瞬間的に高パワーの画像が表示されることを防止するため、異なる時相の複数のドプラフレームデータにおいて、互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高血流パワーであるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済ドプラフレームデータを作成する。この場合においても、輝度の代わりに血流パワーを判断基準として前記推定エラーデータ及び前記エラーデータを特定して上述と同様に処理済ドプラフレームデータの作成を行なう。
【0080】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。以下、第一実施形態と異なる構成及び作用についてのみ説明する。
【0081】
本例では、処理済Bフローフレームデータ作成部63は、異なる時相の複数の前記Bフローフレームデータffdにおいて互いに対応する画素のデータのうち、輝度が中央値のデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDをフレーム毎に作成する。
【0082】
本例における処理済BフローフレームデータFFDの作成について、図13のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、フレームFn,F(n−1),F(n−2)までの3フレームのBフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)(図4参照)が、図13のステップS21,S22の処理の対象になるものとし、フレームFnについて画像を表示する場合について説明する。
【0083】
先ず、ステップS21では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記Bフローフレームデータffdn,ffd(n−1),ffd(n−2)において互いに対応する画素のデータのうち、輝度が中央値のデータを特定する。例えば、図14に示すように、データdn,d(n−1),d(n−2)の順で輝度が低くなっているような場合、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、輝度が中央値のデータとしてデータd(n−1)を特定する。
【0084】
次に、ステップS22では、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、前記データd(n−1)を、フレームFnについての処理済BフローフレームデータFFDnのデータとする。そして、前記処理済Bフローフレームデータ作成部63は、各画素のデータについて前記ステップS21,S22の処理を行ない、処理済BフローフレームデータFFDnを作成する。
【0085】
本例によれば、輝度が中央値のデータを用いた処理済BフローフレームデータFFDに基づいて作成されるBフロー画像が表示される。従って、第一実施形態と同様に、一瞬高輝度になるような画像が表示されることを抑制することができ、見やすい画像を表示することができる。
【0086】
次に、第二実施形態の変形例について説明する。本例においても前記血流画像はカラードプラ画像やパワードプラ画像であってもよい。前記血流画像がカラードプラ画像である場合、異なる時相の複数のドプラフレームデータにおいて、輝度の代わりに血流速又は血流パワーを基準にして中央値のデータを特定して処理済ドプラフレームデータを作成する。そして、この処理済ドプラフレームデータに基づくカラードプラ画像を表示する。また、前記血流画像がパワードプラ画像である場合、異なる時相の複数のドプラフレームデータにおいて、輝度の代わりに血流パワーを基準にして中央値のデータを特定して処理済ドプラフレームデータを作成する。そして、この処理済ドプラフレームデータに基づくパワードプラ画像を表示する。
【0087】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。
【符号の説明】
【0088】
1 超音波診断装置
5 Bフロー処理部(フレームデータ作成部)
8 操作部(推定エラーデータ数入力部、フレーム数入力部)
63 処理済Bフローフレームデータ作成部(処理済フレームデータ作成部)
65 画像表示制御部
ffd Bフローフレームデータ(フレームデータ)
FFD 処理済Bフローフレームデータ(処理済フレームデータ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高輝度、高血流速又は高血流パワーであるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データ又は輝度が高い順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流速データ又は血流速が大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流速のデータであることを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流パワーのデータであることを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、
前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データ又は輝度が高い順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なう
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項9】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであることを特徴とする請求項8に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、
前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流速データ又は血流速が大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高血流速であるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なう
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項11】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流速のデータであることを特徴とする請求項10に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、
前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高血流パワーであるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なう
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項13】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流パワーのデータであることを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、前記推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記推定エラーデータとする数を入力する推定エラーデータ数入力部を備えることを特徴とする請求項2〜14のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項16】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、輝度、血流速又は血流パワーが中央値のデータを用いた処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項17】
前記異なる時相の複数のフレームデータは、最新のフレームデータから所定のフレーム数さかのぼったフレームデータまでのフレームデータであることを特徴とする請求項1〜16に記載の超音波診断装置。
【請求項18】
前記処理済フレームデータを作成する対象となるフレームデータの数を入力するフレーム数入力部を備えることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項19】
前記フレームデータはスキャンコンバータによる走査変換前のローデータであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項20】
前記血流画像はBフロー画像であることを特徴とする請求項1,2,3,8,9に記載の超音波診断装置。
【請求項21】
前記血流画像はカラードプラ画像であることを特徴とする請求項1,4,5,6,7,10,11,12,13に記載の超音波診断装置。
【請求項22】
前記血流画像はパワードプラ画像であることを特徴とする請求項1,6,7,12,13に記載の超音波診断装置。
【請求項1】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、基準データよりも高輝度、高血流速又は高血流パワーであるエラーデータを除いた最新のデータを用いた処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データ又は輝度が高い順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流速データ又は血流速が大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流速のデータであることを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流パワーのデータであることを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、
前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大輝度データ又は輝度が高い順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高輝度であるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なう
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項9】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定輝度以上高輝度のデータであることを特徴とする請求項8に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、
前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流速データ又は血流速が大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高血流速であるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なう
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項11】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流速のデータであることを特徴とする請求項10に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
前記フレームデータに基づいて処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、を備え、
前記処理済フレームデータ作成部は、異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、最大血流パワーデータ又は血流パワーが大きい順に所定数のデータを推定エラーデータとし、該推定エラーデータが最新フレームのデータではない場合には該最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用い、一方で前記推定エラーデータが最新フレームのデータである場合には前記推定エラーデータのうち基準データよりも高血流パワーであるエラーデータを除いた最新フレームのデータを前記処理済フレームデータのデータとして用いて前記処理済フレームデータの作成を行なう
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項13】
前記エラーデータは、前記推定エラーデータのうち前記基準データよりも所定以上高血流パワーのデータであることを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記処理済フレームデータ作成部は、前記複数のフレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、前記推定エラーデータを除いたデータの中から前記基準データを選択することを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記推定エラーデータとする数を入力する推定エラーデータ数入力部を備えることを特徴とする請求項2〜14のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項16】
同一音線上における複数回の超音波の送受信によって得られたエコー信号に基づいて、血流画像のフレームデータを作成するフレームデータ作成部と、
異なる時相の複数の前記フレームデータにおいて互いに対応する画素のデータのうち、輝度、血流速又は血流パワーが中央値のデータを用いた処理済フレームデータを作成する処理済フレームデータ作成部と、
前記処理済フレームデータに基づく血流画像を表示させる画像表示制御部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項17】
前記異なる時相の複数のフレームデータは、最新のフレームデータから所定のフレーム数さかのぼったフレームデータまでのフレームデータであることを特徴とする請求項1〜16に記載の超音波診断装置。
【請求項18】
前記処理済フレームデータを作成する対象となるフレームデータの数を入力するフレーム数入力部を備えることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項19】
前記フレームデータはスキャンコンバータによる走査変換前のローデータであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項20】
前記血流画像はBフロー画像であることを特徴とする請求項1,2,3,8,9に記載の超音波診断装置。
【請求項21】
前記血流画像はカラードプラ画像であることを特徴とする請求項1,4,5,6,7,10,11,12,13に記載の超音波診断装置。
【請求項22】
前記血流画像はパワードプラ画像であることを特徴とする請求項1,6,7,12,13に記載の超音波診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−19917(P2012−19917A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159470(P2010−159470)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
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