説明

超音波診断装置

【課題】診断能の高い超音波画像を得る超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波診断装置20であって、被検体1に対して送信超音波を出力するとともに、被検体1からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波探触子20bと、超音波探触子20bにより取得された受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部204と、超音波探触子20bをXY方向に移動する電動ステージ10と、超音波探触子20bにより出力される送信超音波の向きを変更するゴニオステージ140と、超音波探触子20bにより取得された受信信号に基づいて、ゴニオステージ140に送信超音波の向きを変更させる制御部208と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ピンクリボン活動に代表されるような啓蒙活動の成果もあって、乳癌検診に対する社会や個人の認識が高まり、それに合わせてX線を使用するマンモグラフィーのみならず、超音波の乳癌検診のニーズも増大し、一部の自治体ではマンモグラフィーと超音波の交互検診が既に導入されている。
【0003】
しかしながら、超音波検診はマンモグラフィーに比較して術者の手技への依存性が高く、十分な技量を持った術者を確保できない等の理由から、術者に依らず安定して的確な画像が撮影可能な自動走査超音波診断装置が求められていた。
【0004】
このような問題に対し、乳房を受け入れる水槽中に超音波探触子を設け、当該超音波探触子を、水槽中に設けられた駆動機構により水平方向に移動させながら走査を行う装置(例えば、特許文献1参照)や、乳房に平板を押し当てた状態で、超音波探触子を平板と平行な方向に移動させながら走査を行う装置が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−336256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前者の装置では、乳房に対する超音波ビーム(送信超音波)の入射方向が、乳房表面に対する垂線から大きくずれる場合があるため、面状脂肪組織、乳腺、筋膜等の反射指向性に影響を及ぼす構造体の安定した描出ができない場合がある。また、アーチファクトの影響も異なるため、ハローや音響陰影等も乳房の位置の影響を受けてしまい読影が困難となる等の問題もある。更に、超音波プローブと乳房表面までの距離が一定でないため、乳房の最突出部と辺縁部では表面からの深度が同じでも超音波ビームのアジマス方向やエレベーション方向のビーム径が異なるため、分解能が異なってしまい、これも読影を困難とする要因となる。
また、後者の装置では、乳房表面に対する超音波ビームはほぼ垂線とずれがなく、乳房表面からの深度と超音波ビーム径の関係も一定である。しかし、乳房が圧迫を受けているため、乳房の変形により腫瘤の境界形状や短軸/長軸比(D/W比)が正確に描出されない、乳腺構造の構築の乱れ等を把握しにくい等、診断結果のカテゴリー分類に必要な情報が得にくいという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、診断能の高い超音波画像を得る超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、超音波診断装置において、
被検体に対して送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波探触子と、
前記超音波探触子により取得された受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記超音波探触子をXY方向に移動する移動部と、
前記超音波探触子により出力される送信超音波の向きを変更する超音波出力方向変更部と、
前記超音波探触子により取得された受信信号に基づいて、前記超音波出力方向変更部に送信超音波の向きを変更させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記超音波探触子は、所定の箇所を支軸として揺動可能に構成され、
前記制御部は、前記超音波出力方向変更部に前記超音波探触子の向きをXY方向に変更させることにより送信超音波の向きを変更させることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の超音波診断装置において、
前記制御部は、前記超音波探触子により取得される受信信号に基づいて、前記超音波探触子から被検体表面の異なる2点までの各距離を検出し、各距離が等しくなるように、前記超音波出力方向変更部に送信超音波の向きを変更させることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
前記移動部は、前記超音波探触子をZ方向に移動可能に構成され、
前記制御部は、前記超音波探触子により取得される受信信号に基づいて、前記超音波探触子から被検体表面までの距離が一定となるように、前記超音波出力方向変更部に送信超音波の向きを変更させることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
前記移動部は、前記超音波探触子をZ方向に移動可能に構成され、
前記制御部は、フォーカス点が被検体表面から所定距離の位置となるように、前記超音波出力方向変更部に送信超音波の向きを変更させることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
超音波伝達媒体が収容された容器を更に備え、
前記超音波探触子及び前記移動部は、前記容器内に設けられることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の超音波診断装置において、
前記被検体は乳房であり、前記超音波探触子は、前記容器内に挿入された乳房に対して送信超音波を出力するとともに、当該乳房からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、診断能の高い超音波画像を得る超音波診断装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】超音波診断装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】超音波探触子及び電動ステージの概略構成を示す斜視図である。
【図3】超音波探触子及び電動ステージの概略構成を示す側面図である。
【図4】超音波探触子及び電動ステージの一部の概略構成を示す拡大背面図である。
【図5】超音波診断装置の使用状態を説明する図である。
【図6】超音波画像の一例を示す図である。
【図7】画像記憶及びステージ移動制御処理について説明するフローチャートである。
【図8】画像記憶及びステージ移動制御処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0018】
超音波診断装置20は、患者(被検体)の生体内部組織の状態を超音波画像にして表示出力する装置である。即ち、超音波診断装置20は、生体等の被検体内に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体内で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波診断装置20は、受信した反射波を電気信号に変換し、これに基づいて超音波画像データを生成する。超音波診断装置20は、生成した超音波画像データに基づき、被検体内の内部状態を超音波画像として表示する。また、超音波診断装置20は、撮影オーダ情報に基づいて、生成した超音波画像データに関する付帯情報を生成し、当該付帯情報を超音波画像データに付帯して所定の規格からなる画像ファイルを生成することが可能となっている。
【0019】
超音波診断装置20は、図1に示すように、超音波診断装置本体20aと超音波探触子20bとを備えている。超音波探触子20bは、上述したようにして超音波を送信するとともに、反射波を受信する。超音波診断装置本体20aは、ケーブル20cを介して超音波探触子20bと接続され、超音波探触子20bに電気信号の駆動信号を送信することによって、超音波探触子20bに送信超音波を送信させる。また、超音波診断装置本体20aは、超音波探触子20bにて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子20bで生成された電気信号である受信信号を受信し、上述のようにして超音波画像データを生成する。
【0020】
超音波探触子20bは、圧電素子からなる振動子(図示略)を備えており、この振動子は、例えば、方位方向(走査方向)に一次元アレイ状に複数配列されている。本実施の形態では、例えば、192個の振動子を備えた超音波探触子20bを用いている。なお、振動子は、二次元アレイ状に配列されたものであっても良い。また、振動子の個数は、任意に設定することができる。また、超音波探触子20bは、リニア型、セクタ型又はコンベックス型の何れであっても良い。
【0021】
また、本発明における超音波探触子20bは、電動ステージ(移動部)10に取り付けられている。この電動ステージ10の構成について、図2〜5を参照して以下説明する。
【0022】
電動ステージ10は、超音波探触子20bが着脱自在に取り付けられるゴニオステージ140(超音波出力方向変更部)と、ゴニオステージ140をX軸方向に移動するX軸駆動機構110と、ゴニオステージ140をY軸方向に移動するY軸駆動機構120と、ゴニオステージ140をZ軸方向に移動するZ軸駆動機構130と、を備えている。ここで、X軸方向は、超音波探触子20bを走査させる方向であって、患者(被検体)の頭から足にかけての方向とし、Y軸方向は、X軸方向に対して直交する方向であって、患者の左右方向とし、Z軸方向は、XY平面に対して直交する方向であって、患者に対する接離方向とする。
【0023】
X軸駆動機構110は、X軸方向に延在するX軸駆動機構本体111と、X軸駆動機構本体111に平行な向きに設けられ、X軸駆動機構本体111と所定間隔を空けて配置されるガイドレール112と、X軸駆動機構本体111の延在方向一端部に設けられるX軸駆動モータ113とから構成されている。
【0024】
Y軸駆動機構120は、Y軸方向に延在するY軸駆動機構本体121と、Y軸駆動機構本体121の延在方向一端部に設けられるY軸駆動モータ123とから構成されている。このY軸駆動機構120は、X軸駆動機構110のX軸駆動機構本体111及びガイドレール112に対して取り付けられ、X軸駆動モータ113が回転駆動することにより、ガイドレール112にガイドされながらX軸方向に移動可能となっている。
【0025】
Z軸駆動機構130は、Z軸方向に延在するZ軸駆動機構本体131と、Z軸駆動機構本体131の延在方向一端部に設けられるZ軸駆動モータ133とから構成されている。このZ軸駆動機構130は、Y軸駆動機構120のY軸駆動機構本体121に対して取り付けられ、Y軸駆動モータ123が回転駆動することにより、Y軸駆動機構本体121の延在方向に沿ってY軸方向に移動可能となっている。
【0026】
ゴニオステージ140は、超音波探触子20bを揺動可能な状態で支持し、超音波探触子20bの姿勢を所定方向に傾けることにより、超音波探触子20bの向く方向、即ち、超音波探触子20bによる送信超音波の出力方向を変更することができるように構成されている。ここで、超音波探触子20bの向く方向とは、超音波探触子20bの送信超音波出力面の垂直方向であって、送信超音波の出力方向である。
【0027】
具体的には、ゴニオステージ140は、超音波探触子20bを直接支持するX軸ステージ141と、X軸ステージ141を支持するY軸ステージ142と、から構成されている。
X軸ステージ141は、超音波探触子20bの姿勢をX軸方向に沿って傾斜させ、これにより、送信超音波の出力方向をX軸方向に沿う方向に変更させる。つまり、X軸ステージ141は、図3に示す角度θaを変更することが可能となっている。ここで、角度θaは、Y軸方向から見て、超音波探触子20bの向く方向とZ軸方向とがなす角度とする。
Y軸ステージ142は、超音波探触子20bの姿勢をY軸方向に沿って傾斜させ、これにより、送信超音波の出力方向をY軸方向に沿う方向に変更させる。つまり、Y軸ステージ142は、図4に示す角度θbを変更することが可能となっている。ここで、角度θbは、X軸方向から見て、超音波探触子20bの向く方向とZ軸方向とがなす角度とする。
【0028】
ゴニオステージ140は、アーム144を介してZ軸駆動機構130に取り付けられている。これにより、ゴニオステージ140及びアーム144は、Z軸駆動機構130のZ軸駆動モータ133が回転駆動することにより、Z軸駆動機構本体131の延在方向に沿ってZ軸方向に移動可能となっている。
【0029】
このように、電動ステージ10は、ゴニオステージ140により超音波探触子20bの向く方向をX軸方向及びY軸方向に沿う方向に傾け、且つ、X軸駆動機構110、Y軸駆動機構120及びZ軸駆動機構130により超音波探触子20bをXYZ方向に移動することができるように構成されている。
【0030】
以上のように構成される電動ステージ10は、図5に示すように設置される。即ち、超音波探触子20bが取り付けられた電動ステージ10は、被検体1の乳房を受け入れる検査用水槽(容器)30の底部に設置される。検査用水槽30には、音響伝達媒体(例えば、水等)が収容されている。被検体1は、検査用水槽30の上部開口部にシート40を介して乳房が挿入されるように、うつ伏せ状態となって超音波診断を受ける。電動ステージ10は、検査用水槽30内において、超音波探触子20bの向く方向を変更させながら、超音波探触子20bの位置をXYZ軸方向に移動させる。
【0031】
次に、超音波診断装置本体20aの構成について、図1を参照して以下説明する。
超音波診断装置本体20aは、図1に示すように、例えば、操作入力部201と、送信部202と、受信部203と、画像生成部204と、表示部207と、制御部208と、記憶部209と、受信データ記憶部211と、アドレスデータ生成部210と、を備えて構成されている。
【0032】
操作入力部201は、例えば、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報等のデータの入力等を行うための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を備えており、操作信号を制御部208に出力する。
【0033】
送信部202は、制御部208の制御に従って、超音波探触子20bにケーブル20cを介して電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子20bに送信超音波を発生させる回路である。また、送信部202は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備えている。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、駆動信号の送信タイミングを振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させて送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。上述のように構成された送信部202は、例えば、超音波探触子20bに配列された複数(例えば、192個)の振動子のうちの連続する一部(例えば、64個)を駆動して送信超音波を発生させる。そして、送信部202は、送信超音波を発生させる毎に駆動する振動子を方位方向にずらすことで走査(スキャン)を行う。
【0034】
受信部203は、制御部208の制御に従って、超音波探触子20bからケーブル20cを介して電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部203は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、振動子毎に対応した個別経路毎に、予め設定された増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をA/D変換するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成するための回路である。
【0035】
画像生成部204は、受信部203からの音線データに対して包絡線検波処理や対数増幅などを実施し、ダイナミックレンジやゲインの調整を行って輝度変換することにより、Bモード画像データを生成する。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。画像生成部204は、Bモード画像データの他、Aモード画像データ、Mモード画像データ及びドプラ法による画像データが生成できるものであっても良い。また、画像生成部204は、図示しないDSCを備え、画像データをテレビジョン信号の走査方式による画像信号に変換し、表示部207に出力する。
【0036】
表示部207は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ、無機ELティスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示装置が適用可能である。表示部207は、画像生成部204から出力された画像信号に従って表示画面上に画像の表示を行う。なお、表示装置に代えてプリンタ等の印刷装置等を適用し、プリント出力可能に構成しても良い。
【0037】
制御部208は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えて構成され、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波診断装置20の各部の動作を集中制御する。
ROMは、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、超音波診断装置20に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な、例えば、後述する画像記憶及びステージ移動制御処理等を実行する各種処理プログラムや、ガンマテーブル等の各種データ等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0038】
記憶部209は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量記録媒体によって構成されており、生成された画像データを記憶する。
【0039】
アドレスデータ生成部210は、超音波探触子20bにより取得された受信信号に基づいて、超音波探触子20bと被検体表面上の異なる2点との間の各距離をそれぞれ算出する。そして、アドレスデータ生成部210は、算出した二つの距離から、超音波探触子20bの向く方向と、被検体表面の垂線方向とのずれの程度を算出する。アドレスデータ生成部210は、算出したずれの程度に基づいて、超音波探触子20bの向く方向を変更させる角度や超音波探触子20bを移動させる方向及びその距離を示すアドレスデータを生成する。また、アドレスデータ生成部210は、生成したアドレスデータを制御部208に出力する。
【0040】
受信データ記憶部211は、各フレーム単位で、アドレスデータ生成部210により算出された、超音波探触子20bと被検体表面上の異なる2点との間の各距離のデータを記憶する。
【0041】
次に、以上のようにして構成された超音波診断装置20の制御部208にて実行される画像記憶及びステージ移動制御処理について図7及び図8を参照しながら説明する。この画像記憶及びステージ移動制御処理は、超音波診断装置20による1回の超音波診断検査の実施に応じて実行される処理である。例えば、画像記憶及びステージ移動制御処理は、医師や技師等の術者(操作者)による所定の検査実施操作に応じて実行される。
【0042】
先ず、制御部208は、電動ステージ10により、超音波探触子20bをZ軸方向に所定量移動させる(ステップS1)。
次に、制御部208は、超音波探触子20bにより被検体に向けて超音波の送受信を行う(ステップS2)。制御部208は、アドレスデータ生成部210により、超音波探触子20bが受信した受信信号に基づいて、超音波探触子20bと被検体表面上の異なる2点との間の各距離をそれぞれ算出する(ステップS3)。
【0043】
次に、制御部208は、算出された二つの距離のうち、少なくとも何れか一方が所定距離範囲内であるか否かを判定する(ステップS4)。
二つの距離のうち少なくとも一方が所定距離範囲内であると判定されると(ステップS4:YES)、制御部208は、アドレスデータ生成部210により、算出された二つの距離に基づいて、被検体表面の垂線方向に対する超音波探触子20bの向く方向の傾斜度を算出する(ステップS5)。一方、算出された二つの距離のうち何れも所定距離範囲内でないと判定されると(ステップS4;NO)、制御部208は、再度ステップS1の処理を行う。制御部208は、ステップS4にて、算出された二つの距離のうち少なくとも一方が所定距離範囲内であると判定されるまで(ステップS4;YES)、ステップS1〜S4の処理を繰り返す。
【0044】
次に、制御部208は、アドレスデータ生成部210により、ステップS5にて算出された傾斜度に基づいてアドレスデータを生成する(ステップS6)。ここで、ステップS6にて生成されるアドレスデータは、超音波探触子20bをY軸方向に沿って傾斜させる角度、超音波探触子20bをY軸方向及びZ軸方向に移動させる距離を示すデータである。
具体的には、例えば、超音波探触子20bにより取得された受信信号に基づいて画像生成部204により図6に示すような超音波画像データPが生成される場合、アドレスデータ生成部210は、超音波探触子20bと被検体表面1a上の位置1bとの間の距離L1、及び超音波探触子20bと被検体表面1a上の位置1cとの間の距離L2をそれぞれ算出する。アドレスデータ生成部210は、算出した距離L1,L2に基づいて、被検体表面1aの位置1bと位置1cを結ぶ直線と、超音波画像データPの横方向における直線とがなす角度θcを算出する。更に、アドレスデータ生成部210は、算出された角度θcに基づいてアドレスデータを生成する。
【0045】
次に、制御部208は、生成されたアドレスデータに基づいて、電動ステージ10に超音波探触子20bの姿勢及び位置を補正させる(ステップS7)。
具体的には、ステップS6において、上記のように角度θc(図6参照)に基づいてアドレスデータが生成された場合、制御部208は、電動ステージ10のY軸ステージ142により、超音波探触子20bの向く方向をY軸方向に沿って角度θcと等しい角度θb分だけ傾ける。同時に、制御部208は、電動ステージ10のY軸駆動機構120及びZ軸駆動機構130により、超音波探触子20bの姿勢が変更されることにより超音波探触子20bが被検体表面を強く押圧したり、被検体表面から離れすぎたりしないように、超音波探触子20bをY軸方向及びZ軸方向に移動させる。このとき制御部208は、フォーカス点が被検体表面から所定距離の位置となるように、超音波探触子20bの姿勢及び位置の補正を行う。
これにより、超音波探触子20bと被検体表面1a上の位置1bとの間の距離L1と、超音波探触子20bと被検体表面1a上の位置1cとの間の距離L2とが等しくなり、超音波探触子20bの向く方向が、被検体表面の垂線方向と一致する。
【0046】
次に、制御部208は、超音波探触子20bにより被検体に向けて超音波の送受信を行う(ステップS8)。制御部208は、アドレスデータ生成部210により、超音波探触子20bが受信した受信信号に基づいて、超音波探触子20bと被検体表面上の異なる2点(例えば、図6に示す位置1b,1c)との間の各距離を算出する(ステップS9)。
【0047】
次に、制御部208は、算出された二つの距離の両方が所定距離範囲内であるか否かを判定する(ステップS10)。
二つの距離の両方が所定距離範囲内であると判定されると(ステップS10;YES)、制御部208は、算出された二つの距離(例えば、図6に示す距離L1,L2)のデータを受信データ記憶部211に記憶させる(ステップS12)。一方、算出された二つの距離の両方が所定距離範囲内でないと判定されると(ステップS10;NO)、制御部208は、電動ステージ10により、当該二つの距離の両方が当該所定距離範囲内となるように、超音波探触子20bをZ軸方向に所定量移動させる(ステップS11)。制御部208は、ステップS10にて、算出された二つの距離の両方が所定距離範囲内であると判定されるまで(ステップS10;YES)、ステップS8〜S11の処理を繰り返す。
【0048】
次に、制御部208は、送信部202及び受信部203によって超音波の送受を行い、受信信号に基づいて画像生成部204により超音波画像データを生成し、1フレーム分の超音波画像データを取得する(ステップS13)。
【0049】
次に、制御部208は、超音波探触子20bが、スキャンラインの終点位置に到達したか否かを判定する(ステップS14)。ここで、スキャンラインとは、超音波探触子20bによる走査を行いながら、超音波探触子20bを移動させる移動経路であって、X軸方向に対して平行な方向とする。超音波探触子20bによる走査を行いながら、Y軸方向に複数配列する各スキャンラインに沿って超音波探触子20bを移動させることにより、被検体の検査部位に対して1回の超音波診断検査を行うことができる。
スキャンラインの終点位置に到達していないと判定されると(ステップS14;NO)、制御部208は、電動ステージ10により、超音波探触子20bをX軸方向に所定量移動させる(ステップS15)。
【0050】
次に、制御部208は、超音波探触子20bにより被検体に向けて超音波の送受信を行う(ステップS16)。制御部208は、アドレスデータ生成部210により、超音波探触子20bが受信した受信信号に基づいて、超音波探触子20bと被検体表面の異なる2点との間の各距離を算出する(ステップS17)。
【0051】
次に、制御部208は、ステップS12にて受信データ記憶部211に記憶させた1フレーム前の超音波画像データにおける距離データを取得する。制御部208は、アドレスデータ生成部210により、取得した距離データとステップS17にて算出された距離データに基づいて、被検体表面の垂線方向に対する超音波探触子20bの向く方向の傾斜度を算出する(ステップS18)。
【0052】
次に、制御部208は、アドレスデータ生成部210により、ステップS18にて算出された傾斜度に基づいてアドレスデータを生成させる(ステップS19)。ここで、ステップS19にて生成されるアドレスデータは、超音波探触子20bをX軸方向に沿って傾斜させる角度、超音波探触子20bをX軸方向及びZ軸方向に移動させる距離を示すデータである。
【0053】
次に、制御部208は、生成されたアドレスデータに基づいて、電動ステージ10に超音波探触子20bの姿勢及び位置を補正させる(ステップS20)。
具体的には、制御部208は、電動ステージ10のX軸ステージ141により、超音波探触子20bの向く方向をX軸方向に沿って所定角度分傾ける。同時に、制御部208は、電動ステージ10のX軸駆動機構110及びZ軸駆動機構130により、超音波探触子20bの姿勢が変更されることにより超音波探触子20bが被検体表面を強く押圧したり、被検体表面から離れすぎたりしないように、超音波探触子20bをX軸方向及びZ軸方向に移動させる。このとき制御部208は、超音波探触子20bと被検体表面との距離が、ステップS12にて受信データ記憶部211に記憶させた1フレーム前の超音波画像データにおける距離データの値に一致するように、超音波探触子20bの姿勢及び位置の補正を行う。更に、制御部208は、フォーカス点が被検体表面から所定距離の位置となるように、超音波探触子20bの姿勢及び位置の補正を行う。
これにより、超音波探触子20bの向く方向が、被検体表面の垂線方向と一致する。制御部208は、ステップS20の処理を終えると、再度ステップS8の処理を行う。制御部208は、ステップS14にて、超音波探触子20bがスキャンラインの終点位置に到達したと判定されるまで(ステップS14;YES)、ステップS8〜S20の処理を繰り返す。
【0054】
ステップS14において、超音波探触子20bがスキャンラインの終点位置に到達したと判定されると(ステップS14;YES)、制御部208は、当該スキャンラインが最終スキャンラインであるか否かを判定する(ステップS21)。具体的には、制御部208は、被検体の検査部位を全てスキャンしたか否かを判定する。
【0055】
最終スキャンラインでないと判定されると(ステップS21;NO)、制御部208は、電動ステージ10により超音波探触子20bを次のスキャンラインの原点位置へ移動させる。具体的には、制御部208は、電動ステージ10のY軸駆動機構120により超音波探触子20bをY軸方向に移動させて、超音波探触子20bを次のスキャンラインの原点位置に配置させる。
【0056】
最終スキャンラインであると判定されると(ステップS21;YES)、制御部208は、電動ステージ10により超音波探触子20bを検査開始原点へ復帰移動させる(ステップS22)。即ち、制御部208は、X軸駆動機構110、Y軸駆動機構120及びZ軸駆動機構130により超音波探触子20bを検査開始原点へ移動させるとともに、X軸ステージ141及びY軸ステージ142により超音波探触子20bの向く方向をZ軸方向に対して平行となるように傾ける。
これにより、画像記憶及びステージ移動制御処理を終了する。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、超音波探触子20bをXYZ軸方向に移動させ、超音波探触子20bにより取得された受信信号に基づいて、超音波探触子20bから出力される送信超音波の向きを変更させるので、被検体に何ら応力を加えることなく、被検体表面の垂線方向に沿って送信超音波を出力することができる。これにより、画像品質の劣化を伴うことなく、読影に適した超音波画像を安定して得ることができる。したがって、超音波診断検査において診断能の高い超音波画像を得ることができ、特徴量抽出によるCAD(Computer Aided Diagnosis)等の精度も向上させることができる。
また、超音波探触子20bにより取得された受信信号に基づいて、超音波探触子20bから出力される送信超音波の向きを変更させるので、超音波探触子20bと被検体表面との間の距離を検出する距離センサ等が不要であり、装置構成を簡易にすることができる。
【0058】
また、超音波探触子20bから被検体表面の異なる2点までの各距離を検出し、各距離が等しくなるように、超音波探触子20bから出力される送信超音波の向きを変更させるので、超音波診断検査を行っている間、送信超音波の向きを常に被検体表面の垂直方向に一致させることができる。これにより、診断能の高い超音波画像を連続して取得することができる。
【0059】
また、超音波探触子20bから被検体表面までの距離が一定となるように、超音波探触子20bから出力される送信超音波の向きを変更させるので、超音波診断検査を行っている間、被検体表面に対する超音波探触子20bの位置を一定に保つことができる。これにより、取得される複数の超音波画像データ間において、注目する深度位置の連続性が保たれ、診断能を更に高めることができる。
【0060】
また、フォーカス点が被検体表面から所定距離の位置となるように、超音波探触子20bから出力される送信超音波の向きを変更させるので、所望する診断部位について高い分解能を得ることができ、診断能の高い超音波画像を取得することができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、超音波診断装置において記憶された超音波画像データに基づく超音波画像を表示部に出力するようにしたが、超音波診断装置に外部接続された表示装置や印刷装置、あるいは、ネットワーク等に接続された外部機器に超音波画像データを出力するようにしても良い。
【0062】
また、本実施の形態では、被検体の乳房に対して超音波診断検査を行うものとしたが、これに限られるものではなく、被検体の何れの検査部位に対して行うものとしても良い。
【0063】
また、本実施の形態では、超音波診断検査を行いながら、超音波探触子により取得される受信信号に基づいて超音波探触子の姿勢及び位置を補正するものとしたが、これに限られるものではなく、予め超音波診断検査前に被検体の検査部位の表面形状を示す情報を取得しておき、超音波診断検査中には取得した表面形状情報に基づいて超音波探触子の姿勢及び位置を補正するものとしても良い。
【0064】
また、本実施の形態では、1フレーム分の超音波画像データを取得する毎に、超音波探触子の姿勢及び位置を補正するものとしたが、これに限られるものではなく、複数フレーム分の超音波画像データを取得する毎に超音波探触子の姿勢及び位置を補正するものしても良い。
【0065】
また、本実施の形態では、超音波探触子をXYZ方向に移動させる移動部として、図2〜5に示すような電動ステージを用いるものとしたが、これに限られるものではなく、超音波探触子の位置をXYZ方向に移動できる構成のものであれば良い。
【0066】
また、本実施の形態では、電動ステージを検査用水槽中に設置した状態で超音波診断検査を行うものとしたが、これに限られるものではなく、超音波探触子が音響伝達媒体を介して被検体に送信超音波を出力できる構成であれば良い。
【0067】
また、本実施の形態では、超音波探触子の姿勢をゴニオステージにより傾けることで、送信超音波の向きを変更するものとしたが、これに限られるものではなく、超音波探触子の姿勢を変化させることなく送信超音波の向きのみを変更させる構成であっても良い。例えば、超音波探触子内の各振動子毎に超音波の発射タイミングをずらすことにより、超音波探触子から出力される送信超音波の向きを変更させるような構成としても良い。
【0068】
また、本実施の形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【実施例】
【0069】
以下、本実施形態に係る超音波診断装置20に対して行った評価について説明する。
【0070】
表1は、本実施形態に係る超音波診断装置20により取得された超音波画像を、従来の超音波診断装置により取得された超音波画像と比較した結果を示したものである。
表1における「実施例1」は、本実施形態に係る超音波診断装置20を用いて取得された超音波画像に対する評価を示している。また、表1における「比較例1」は、従来の超音波診断装置を用いて、超音波診断に関して熟練した術者の手技により取得された超音波画像に対する評価を示している。また、表1における「比較例2」は、被検体の乳房を受け入れる水槽中に超音波探触子を設け、当該超音波探触子を駆動機構により水平方向に移動させながら走査を行う従来の超音波診断装置(例えば、特許文献1に記載の超音波診断装置)を用いて取得された超音波画像に対する評価を示している。また、表1における「比較例3」は、乳房に平板を押し当てた状態で、超音波探触子を平板と平行な方向に移動させながら走査を行う従来の超音波診断装置を用いて取得された超音波画像に対する評価を示している。
なお、何れの超音波画像も同一の超音波探触子を使用して取得されたものであって、同一被検体の同一部位に対して走査を行ったものである。
【0071】
【表1】

【0072】
表1において、「腫瘤描出」の「内部エコー」を比較すると、比較例2では、超音波ビームの出力方向が被検体表面の垂線に対して傾斜していることにより、皮膚と脂肪組織の音速の違い等によって超音波ビームが屈折・拡散されて腫瘤外部で反射された超音波が混入してしまい、比較例1,3及び実施例1とは被検体内部全体の明るさが異なる超音波画像が得られている。
また、「形状」を比較すると、比較例3では、平板により被検体表面を押圧しているため、腫瘤の形状が正確でない超音波画像が得られている。
また、「境界」を比較すると、比較例2では、超音波ビームのビーム径が変化しているため、腫瘤の境界がぼやけた超音波画像が得られている。比較例1,3及び実施例1では、超音波ビームの出力方向が被検体表面の垂直方向に一致しているため、腫瘤の境界が明瞭な超音波画像が得られている。
また、「後方エコー」を比較すると、比較例2では、上記したように超音波ビームの出力方向が被検体表面の垂線に対して傾斜しているため、腫瘤に対する超音波ビームの入射方向が異なり、比較例1及び実施例1とは腫瘤後方の明るさが異なる超音波画像が得られている。また、比較例3では、被検体表面の押圧により腫瘤の形状が変化しているため、腫瘤後方のエコーが減弱されず、比較例1及び実施例1とは腫瘤後方の明るさが異なる超音波画像が得られている。
また、「D/W比」を比較すると、比較例3では、被検体表面の押圧により腫瘤の形状が変化しているため、D/W比が正確でない超音波画像が得られている。
【0073】
「乳腺構造」の「構築判定性」を比較すると、比較例2では、超音波ビームの出力方向が被検体表面の垂線に対して傾斜しているため、乳腺構造が不明瞭な超音波画像が得られている。また、比較例3では、被検体表面を押圧しているため、乳腺構造が変形した超音波画像が得られている。
【0074】
「術者依存性」を比較すると、比較例1では術者の手技に依存するが、比較例2,3及び実施例1では術者の手技に関わりなく一定の診断能を有する超音波画像が得られることが分かる。
【0075】
以上のように、本実施形態に係る超音波診断装置20によれば、術者の熟練度に依存することなく、熟練した術者の手技により取得される超音波画像と同等の、診断能に優れた超音波画像を取得することが可能であることが示された。
【符号の説明】
【0076】
10 電動ステージ(移動部)
20 超音波診断装置
20a 超音波診断装置本体
20b 超音波探触子
20c ケーブル
30 検査用水槽(容器)
110 X軸駆動機構
120 Y軸駆動機構
130 Z軸駆動機構
140 ゴニオステージ(超音波出力方向変更部)
141 X軸ステージ
142 Y軸ステージ
201 操作入力部
202 送信部
203 受信部
204 画像生成部
207 表示部
208 制御部
209 記憶部
210 アドレスデータ生成部
211 受信データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対して送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波探触子と、
前記超音波探触子により取得された受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部と、
前記超音波探触子をXY方向に移動する移動部と、
前記超音波探触子により出力される送信超音波の向きを変更する超音波出力方向変更部と、
前記超音波探触子により取得された受信信号に基づいて、前記超音波出力方向変更部に送信超音波の向きを変更させる制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記超音波探触子は、所定の箇所を支軸として揺動可能に構成され、
前記制御部は、前記超音波出力方向変更部に前記超音波探触子の向きをXY方向に変更させることにより送信超音波の向きを変更させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記超音波探触子により取得される受信信号に基づいて、前記超音波探触子から被検体表面の異なる2点までの各距離を検出し、各距離が等しくなるように、前記超音波出力方向変更部に送信超音波の向きを変更させることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記移動部は、前記超音波探触子をZ方向に移動可能に構成され、
前記制御部は、前記超音波探触子により取得される受信信号に基づいて、前記超音波探触子から被検体表面までの距離が一定となるように、前記超音波出力方向変更部に送信超音波の向きを変更させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記移動部は、前記超音波探触子をZ方向に移動可能に構成され、
前記制御部は、フォーカス点が被検体表面から所定距離の位置となるように、前記超音波出力方向変更部に送信超音波の向きを変更させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
超音波伝達媒体が収容された容器を更に備え、
前記超音波探触子及び前記移動部は、前記容器内に設けられることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記被検体は乳房であり、前記超音波探触子は、前記容器内に挿入された乳房に対して送信超音波を出力するとともに、当該乳房からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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