説明

超音波診断装置

【課題】複数の診断装置本体を並列運転して高画質の超音波画像を得ることができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】第1の診断装置ユニットおよび第2の診断装置ユニットは、接続されたコネクタの識別番号に基づいてプローブ認識を行い(S1,S3)、マスター装置本体として並列運転を行うことを認識した第1の診断装置ユニットとスレーブ装置本体として並列運転を行うことを認識した第2の診断装置ユニットは、それぞれ並列運転のための準備を行い(S2,S4)、第2の診断装置ユニットからのスレーブ動作の問い合わせ(S5)に対し、第1の診断装置ユニット1は、スレーブ動作の回答をした後(S6)、並列運転を開始し(S8)、第2の診断装置ユニットはスレーブ動作の確認を行った後に(S7)、並列運転を開始する(S8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波診断装置に係り、特に、複数の診断装置本体を並列運転して1つの超音波プローブから超音波の送受信を行う超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、振動子アレイを内蔵した超音波プローブと、この超音波プローブに接続された装置本体とを有しており、超音波プローブから被検体に向けて超音波を送信し、被検体からの超音波エコーを超音波プローブで受信して、その受信信号を装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
近年、ベッドサイドや救急医療現場等に搬送して使用することができるポータブル型あるいは携帯型の超音波診断装置が開発されている。このような超音波診断装置は、操作性および利便性を追求すべく装置の小型化が要求され、これに伴って超音波送受信回路の規模自体も小さく、画質の低下を余儀なくされており、このため、初期診断、救急診断等の用途に多く用いられている。
【0004】
高画質の超音波画像を得るためには、大規模な超音波送受信回路を備えた高級の超音波診断装置が必要となり、小規模の超音波送受信回路しか持たないポータブル型あるいは携帯型の超音波診断装置を複数台備えている施設等においても、高級の超音波診断装置がなければ高画質の超音波画像を得ることはできない。仮に、小規模の超音波送受信回路しか持たない超音波診断装置を複数台並列運転させて高画質の超音波画像を得ることができれば、極めて有用なものとなる。
【0005】
例えば、特許文献1には、携帯型の超音波ユニットをドッキング・カートにドッキングさせることによりドッキング・カートでデータ処理を行う超音波診断システムが開示されている。携帯型の超音波ユニットで生成された受信信号がドッキング・カートに供給され、ドッキング・カートの高いデータ処理能力で受信信号が処理された後、ドッキング・カートのディスプレイに高い解像度で超音波画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2006−519684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のシステムでは、ドッキング・カートに携帯型の超音波ユニットをドッキングさせることで、携帯型の超音波ユニットが有する処理能力よりも高い能力で受信信号の処理を行うことができる。しかしながら、ドッキング・カートにドッキングしても、携帯型の超音波ユニットに備えられている超音波送受信回路の規模すなわちチャンネル数は変わらないため、超音波画像の高画質化は制限されたものとなってしまう。
【0008】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、複数の診断装置本体を並列運転して高画質の超音波画像を得ることができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る超音波診断装置は、振動子アレイを有する1つの超音波プローブと、それぞれ振動子アレイの一部の振動子に対応すると共に対応する振動子からの超音波の送信および受信信号の処理を行う複数の診断装置本体とを備え、複数の診断装置本体に1つの超音波プローブが接続されると、複数の診断装置本体のうちいずれか1つの診断装置本体がマスター装置本体として選択されると共に残りの診断装置本体がそれぞれマスター装置本体に対するスレーブ装置本体となり、複数の診断装置本体が同期動作するものである。
【0010】
複数の診断装置本体は、それぞれ対応する振動子からの受信信号に基づいて超音波画像を生成するバックエンドを内蔵するように構成することができる。
好ましくは、マスター装置本体は、スレーブ装置本体に共通のクロック信号と共通のトリガ信号をそれぞれ供給する。この場合、複数の診断装置本体は、それぞれクロック信号を形成するクロック回路とトリガ信号を形成するトリガ回路とを内蔵し、マスター装置本体は、内蔵するクロック回路で形成されたクロック信号を共通のクロック信号として、内蔵するトリガ回路で共通のクロック信号に基づいて形成されたトリガ信号を共通のトリガ信号としてそれぞれスレーブ装置本体に供給することができる。
【0011】
また、スレーブ装置本体は、対応する振動子からの受信信号の処理結果をマスター装置本体へ伝送し、マスター装置本体に内蔵されたバックエンドは、すべての診断装置本体による受信信号の処理結果に基づいて超音波画像を生成することが好ましい。この場合、複数の診断装置本体は、超音波画像の生成に係るデータ処理を互いに協調して行うようにしてもよい。
【0012】
複数の診断装置本体はそれぞれ超音波画像を生成する手段を有しておらず、複数の診断装置本体でそれぞれ処理された受信信号に基づいて超音波画像を生成するバックエンドをさらに備えるように構成することもできる。
この場合、複数の診断装置本体を同期動作させるための共通のクロック信号を形成して複数の診断装置本体に供給する同期クロック発生回路と、同期クロック発生回路で形成された共通のクロック信号に基づいて共通のトリガ信号を形成して複数の診断装置本体に供給するトリガ回路をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、複数の診断装置本体に1つの超音波プローブが接続されると、複数の診断装置本体のうちいずれか1つの診断装置本体がマスター装置本体として選択されると共に残りの診断装置本体がそれぞれマスター装置本体に対するスレーブ装置本体となり、複数の診断装置本体が同期動作するので、複数の診断装置本体を並列運転して高画質の超音波画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る超音波診断装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1における各診断装置ユニットの動作モード変更の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1における診断装置ユニットと振動子アレイとの接続関係を示す図である。
【図5】実施の形態1における振動子アレイからの超音波送信の様子を示す図である。
【図6】実施の形態1における振動子アレイでの超音波エコー受信の様子を示す図である。
【図7】実施の形態1における各診断装置ユニットでのビームフォーミングの様子を示し、(A)は第1の診断装置ユニット、(B)は第2の診断装置ユニットでのビームフォーミングを示す図である。
【図8】実施の形態1の装置で合成された音線信号を示す図である。
【図9】超音波プローブの振動子アレイから送信される超音波ビームを示す図である。
【図10】超音波プローブの振動子アレイから送信される超音波ビームのプロファイルを示し、(A)は周波数2GHz、(B)は周波数40MHz、(C)は周波数20MHzにおけるプロファイルを示す図である。
【図11】実施の形態2に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態2に係る超音波診断装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態2で用いられた診断装置サブユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態2におけるクロック信号とトリガ信号の関係を示すタイミングチャートである。
【図15】実施の形態3に係る超音波診断装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図16】実施の形態3の変形例に係る超音波診断装置の具体的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、2つの診断装置本体として第1の診断装置ユニット1と第2の診断装置ユニット2を有し、これら第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2に信号分配器3を介して共通の超音波プローブ4が接続されている。
第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2は、互いに同一の内部構成を有しており、それぞれnチャンネルの超音波送受信回路を有すると共に、データバス5および動作制御ケーブル6を介して互いに接続されている。
【0016】
また、超音波プローブ4は、診断装置ユニット1および2のチャンネル数の和2n以上の開口数の振動子アレイを備えたものである。
信号分配器3は、ユニット側コネクタ7および8を介して第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2に接続されると共にプローブコネクタ9を介して超音波プローブ4に接続され、超音波プローブ4の振動子アレイを構成する複数の振動子のうち一部の振動子を第1の診断装置ユニット1に選択的に接続すると共に、第1の診断装置ユニット1に接続されたこれらの振動子とは異なる他の一部の振動子を第2の診断装置ユニット2に選択的に接続する。
【0017】
図2に、第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2の内部構成を示す。第1の診断装置ユニット1は、ユニット側コネクタ7を介して信号分配器3に接続されるフロントエンド11を有し、このフロントエンド11にビームフォーマ12を介してバックエンド13が接続され、バックエンド13にモニタ14が接続されている。さらに、第1の診断装置ユニット1は、クロック・リトリガ回路15を有しており、このクロック・リトリガ回路15に制御部16が接続されている。
【0018】
フロントエンド11は、nチャンネルの送受信回路を有し、信号分配器3を介して接続された超音波プローブ4の対応する振動子に駆動信号を供給すると共に被検体からの超音波エコーを受信することによりこれら振動子で生成された受信信号に対して直交検波処理等を施すことにより複素ベースバンド信号を生成し、複素ベースバンド信号をサンプリングすることにより、組織のエリアの情報を含むサンプルデータを生成する。フロントエンド11は、複素ベースバンド信号をサンプリングして得られるデータに高能率符号化のためのデータ圧縮処理を施すことによりサンプルデータを生成してもよい。
【0019】
ビームフォーマ12は、制御部16により設定された受信方向に応じて、予め記憶されている複数の受信遅延パターンの中から1つの受信遅延パターンを選択し、選択された受信遅延パターンに基づいて、サンプルデータによって表される複数の複素ベースバンド信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれたベースバンド信号(音線信号)が生成される。
【0020】
バックエンド13は、ビームフォーマ12によって生成される音線信号に基づいて、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。バックエンド13は、STC(sensitivity time control)部と、DSC(digital scan converter:デジタル・スキャン・コンバータ)とを含んでいる。STC部は、音線信号に対して、超音波の反射位置の深度に応じて、距離による減衰の補正を施す。DSCは、STC部によって補正された音線信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)し、階調処理等の必要な画像処理を施すことにより、Bモード画像信号を生成する。
【0021】
モニタ14は、バックエンド13によって生成される画像信号に基づいて超音波診断画像を表示する。
クロック・リトリガ回路15は、クロック信号を診断装置ユニット1内の各部に供給すると共に、このクロック信号によりリトリガされたトリガ信号を診断装置ユニット1内の各部に供給するものである。
また、制御部16は、診断装置ユニット1内の各部の動作を制御する。
【0022】
一方、第2の診断装置ユニット2も、第1の診断装置ユニット1と同様の内部構成を有している。すなわち、第2の診断装置ユニット2は、ユニット側コネクタ8を介して信号分配器3に接続されるフロントエンド21を有し、このフロントエンド21にビームフォーマ22を介してバックエンド23が接続され、バックエンド23にモニタ24が接続されている。さらに、第2の診断装置ユニット2は、クロック・リトリガ回路25を有しており、このクロック・リトリガ回路25に制御部26が接続されている。
これら第2の診断装置ユニット2内の各部は、第1の診断装置ユニット1内の同一名称の各部と同様の機能を有している。
【0023】
第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2が並列運転されるときには、例えば第1の診断装置ユニット1がマスター装置本体として、第2の診断装置ユニット2がスレーブ装置本体としてそれぞれ選択されて機能し、図2に示されるように、第2の診断装置ユニット2のビームフォーマ22がデータバス5を介して第1の診断装置ユニット1のバックエンド13に接続されると共に、第2の診断装置ユニット2のバックエンド23およびクロック・リトリガ回路25が動作制御ケーブル6を介して第1の診断装置ユニット1のバックエンド13およびクロック・リトリガ回路15にそれぞれ接続される。
【0024】
信号分配器3に接続されているユニット側コネクタ7および8には、互いに異なる識別番号(ID番号)が予め設定されており、第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2は、ユニット側コネクタ7が接続されると、このユニット側コネクタ7の識別番号により、マスター装置本体として機能することを認識し、ユニット側コネクタ8が接続されると、このユニット側コネクタ8の識別番号により、スレーブ装置本体として機能することを認識するように構成されている。
また、超音波プローブ4に接続されているプローブコネクタ9にも、ユニット側コネクタ7および8とは異なる識別番号が予め設定されており、第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2は、プローブコネクタ9が直接接続されると、並列運転を行わず、それぞれ単独で通常の超音波診断動作を行うことを認識する。
【0025】
ここで、図3のフローチャートを参照して、第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2の動作モード変更の流れを説明する。
まず、ステップS1で、第1の診断装置ユニット1は、接続されたコネクタの識別番号に基づき、超音波プローブが直接接続されたか否かを認識する。図2に示されるように、ユニット側コネクタ7が接続されれば、第1の診断装置ユニット1は、マスター装置本体として選択されて並列運転を行うことを認識し、ステップS2に進んで並列運転のための準備を行う。すなわち、クロック・リトリガ回路15は、動作制御ケーブル6を介して第2の診断装置ユニット2のクロック・リトリガ回路25に自らのクロック信号およびトリガ信号をそれぞれ同期用クロック信号およびメイントリガ信号として供給する。
【0026】
これに並行して、第2の診断装置ユニット2は、ステップS3で、接続されたコネクタの識別番号に基づき、超音波プローブが直接接続されたか否かを認識する。図2に示されるように、ユニット側コネクタ8が接続されれば、第2の診断装置ユニット2は、スレーブ装置本体として並列運転を行うことを認識し、ステップS4に進んで並列運転のための準備を行う。すなわち、クロック・リトリガ回路25は、動作制御ケーブル6を介して第1の診断装置ユニット1のクロック・リトリガ回路15から供給された同期用クロック信号およびメイントリガ信号を第2の診断装置ユニット2内の各部に供給する。
【0027】
そして、ステップS5で、第2の診断装置ユニット2は、動作制御ケーブル6を介して第1の診断装置ユニット1にスレーブ動作の問い合わせを行い、ステップS6で、第1の診断装置ユニット1からスレーブ動作の回答があると、ステップS7で、スレーブ動作の確認を行う。スレーブ動作可能の確認がされると、ステップS8に進んで並列運転を開始する。
一方、第1の診断装置ユニット1は、ステップS6で、第2の診断装置ユニット2に対してスレーブ動作の回答を行った後、ステップS8に進んで並列運転を開始する。
【0028】
なお、ステップS7で、スレーブ動作可能の確認ができない場合には、ステップS9に進んで、第2の診断装置ユニット2は、単独で通常の超音波診断動作を行う、あるいは、動作停止する。
また、ステップS1およびS3で、接続されたコネクタの識別番号によりプローブコネクタ9が接続されたと認識すると、第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2は、それぞれステップS10およびS11に進んで単独で通常の超音波診断動作を行う。
【0029】
次に、並列運転時の動作について説明する。
まず、図4に示されるように、信号分配器3により、超音波プローブ4の振動子アレイの複数の振動子のうち偶数番目に配列された振動子が第1の診断装置ユニット1に接続されると共に奇数番目に配列された振動子が第2の診断装置ユニット2に接続されるものとする。
スレーブ装置本体として機能する第2の診断装置ユニット2は、第1の診断装置ユニット1のクロック・リトリガ回路15から供給された同期用クロック信号およびメイントリガ信号に従って動作する。
【0030】
例えば、「m」を自然数として、第1の診断装置ユニット1のフロントエンド11から超音波プローブ4の(2m+2)番目の振動子に駆動信号を供給すると共に第2の診断装置ユニット2のフロントエンド21から超音波プローブ4の(2m+3)番目の振動子に駆動信号を供給することにより、図5に示されるように、互いに隣接するこれら2つの振動子から超音波が送信されると、被検体からの超音波エコーを受信した超音波プローブ4の振動子アレイの各振動子は、それぞれ図6に示されるように受信信号を出力する。
なお、図6では、被検体の2カ所の関心領域R1およびR2から超音波エコーが発生し、関心領域R1からの超音波エコーによる受信信号が実線により、関心領域R2からの超音波エコーによる受信信号が点線により、それぞれ模式的に示されている。
【0031】
そして、振動子アレイの偶数番目に配列された振動子から出力された受信信号が第1の診断装置ユニット1のフロントエンド11に入力されてサンプルデータが生成されると共に、振動子アレイの奇数番目に配列された振動子から出力された受信信号が第2の診断装置ユニット2のフロントエンド21に入力されてサンプルデータが生成される。このとき、第2の診断装置ユニット2は、第1の診断装置ユニット1のクロック・リトリガ回路15から供給された同期用クロック信号およびメイントリガ信号に従って動作するため、第1の診断装置ユニット1のフロントエンド11と第2の診断装置ユニット2のフロントエンド21は、互いに同一タイミングでサンプルデータを生成する。
【0032】
第1の診断装置ユニット1では、フロントエンド11で生成されたサンプルデータに対してビームフォーマ12が受信フォーカス処理を行うことにより、図7(A)に示されるように、音線信号が生成され、バックエンド13に供給される。一方、第2の診断装置ユニット2においても、フロントエンド21で生成されたサンプルデータに対してビームフォーマ22が受信フォーカス処理を行うことにより、図7(B)に示されるように、音線信号が生成されるが、この音線信号は、データバス5を介して第1の診断装置ユニット1のバックエンド13に供給される。
なお、このとき、第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2は、超音波プローブ4の振動子アレイのそれぞれの開口を形成する振動子に対して、サブ開口で位相整合を行い、複数方向の超音波ビームを合成し、合成結果に基づいて音線信号を生成するように構成することもできる。
【0033】
このようにして双方の診断装置ユニット1および2のビームフォーマ12および22で生成された音線信号が供給されると、第1の診断装置ユニット1のバックエンド13は、図8に示されるように、これらの音線信号を合成し、合成された音線信号に基づいて、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。この画像信号が第1の診断装置ユニット1のモニタ14に送られ、超音波診断画像がモニタ14に表示される。
【0034】
以上のように、この実施の形態1では、第1の診断装置ユニット1と第2の診断装置ユニット2が信号分配器3を介して1つの超音波プローブ4に接続されると、接続に用いられたユニット側コネクタの識別番号に基づき、第1の診断装置ユニット1がマスター装置本体として、第2の診断装置ユニット2がスレーブ装置本体としてそれぞれ機能し、マスター装置本体である第1の診断装置ユニット1から第2の診断装置ユニット2へ同期用クロック信号およびメイントリガ信号を供給することにより、これら双方の診断装置ユニット1および2が同期運転する。
【0035】
第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2はそれぞれnチャンネルの超音波送受信回路を有しているので、それぞれ単独で通常の超音波診断動作を行う際には、同時に並行して処理し得る受信信号の数は「n」であるが、双方の診断装置ユニット1および2を同期運転することにより、同時に並行して処理し得る受信信号の数は、単独の場合の2倍の「2n」となる。このため、高画質の超音波画像を得ることが可能となる。
【0036】
なお、図9に示されるように、超音波プローブ4の振動子アレイから超音波ビームを送信した際に、振動子アレイの各素子の遅延の量子化精度を変化させたときの、超音波ビームの進行方向Zに垂直なX方向における合成ビームのプロファイルを図10に例示する。図10において、(A)は量子化の周波数を2GHzとしたとき、(B)は量子化の周波数を40MHzとしたとき、(C)は量子化の周波数を20MHzとしたときのプロファイルをそれぞれ示している。これらの図から分かるように、量子化の周波数を大きくして量子化精度を高めるほど、ピーク値が高くなり且つビームのフロアが下がり、コントラストが高くなって合成ビームのプロファイルは鮮明になるが、逆に、量子化の周波数が小さくて量子化精度が低いほど、合成ビームのプロファイルは量子化誤差に起因して劣化してしまう。このため、同期用クロック信号およびメイントリガ信号を用いて第1の診断装置ユニット1と第2の診断装置ユニット2を同期動作させることにより、高精度の超音波画像を得ることが可能となる。
【0037】
なお、上記の実施の形態1では、マスター装置本体である第1の診断装置ユニット1のバックエンド13が画像信号を生成したが、このとき、第1の診断装置ユニット1のバックエンド13から第2の診断装置ユニット2のバックエンド23に動作制御ケーブル6を介してデータ伝送し、超音波画像の生成に係るデータ処理を双方の診断装置ユニット1および2のバックエンド13および23で互いに協調して行うこともできる。このようにすれば、マスター装置本体内のバックエンドにおけるデータ処理の負担が軽減され、より高速の処理が可能となる。
【0038】
また、図3のステップS9、10および11のように、第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2が、それぞれ単独で通常の超音波診断動作を行うときには、第2の診断装置ユニット2のビームフォーマ22がデータバス5を介して第1の診断装置ユニット1のバックエンド13に接続されることなく、図2に点線で示されるように、第2の診断装置ユニット2内でビームフォーマ22がバックエンド23に接続される。
【0039】
上記の実施の形態1では、2つの診断装置ユニット1および2を同期運転したが、これに限るものではなく、3つ以上の診断装置ユニットを1つの超音波プローブに接続し、これらのうち1つの診断装置ユニットをマスター装置本体として機能させると共に残りの診断装置ユニットをそれぞれスレーブ装置本体として機能させて同期運転することができる。この場合、マスター装置本体となる診断装置ユニットからスレーブ装置本体となる複数の診断装置ユニットへそれぞれ同期用クロック信号およびメイントリガ信号を供給すればよい。
【0040】
実施の形態2
実施の形態1では、画像信号を生成するバックエンド13および23と超音波画像を表示するモニタ14および24をそれぞれ備えて単独で通常の超音波診断動作を行うことができる第1の診断装置ユニット1および第2の診断装置ユニット2を同期運転したが、これに限らず、超音波画像を生成する手段を有しない診断装置サブユニットを診断装置本体として用いて、このような複数の診断装置サブユニットを共通の超音波プローブに接続して同期運転することもできる。
図11に、実施の形態2に係る超音波診断装置の構成を示す。この超音波診断装置は、2つの診断装置本体として第1の診断装置サブユニット31と第2の診断装置サブユニット32を有し、これら第1の診断装置サブユニット31および第2の診断装置サブユニット32に信号分配器3を介して共通の超音波プローブ4が接続されている。
【0041】
第1の診断装置サブユニット31および第2の診断装置サブユニット32は、互いに同一の内部構成を有しており、それぞれnチャンネルの超音波送受信回路を有するが、実施の形態1における第1の診断装置ユニット1のバックエンド13および第2の診断装置ユニット2のバックエンド23のように超音波画像を生成するためのバックエンドは備えていない。そこで、第1の診断装置サブユニット31および第2の診断装置サブユニット32に、バックエンド33を具備した共通回路34が接続されている。
なお、共通回路34には、バックエンド33のほか、双方の診断装置サブユニット31および32に同期用クロック信号およびメイントリガ信号を供給するクロック・リトリガ回路と超音波画像を表示するモニタも具備されている。
【0042】
第1の診断装置サブユニット31および第2の診断装置サブユニット32は、共通回路34のクロック・リトリガ回路から供給される同期用クロック信号およびメイントリガ信号により同期動作し、それぞれ超音波プローブ4の対応する振動子から出力された受信信号によりサンプルデータを生成し、音線信号を生成する。第1の診断装置サブユニット31で生成された音線信号と第2の診断装置サブユニット32で生成された音線信号とが合成され、合成された音線信号に基づいて共通回路34のバックエンド33で画像信号が生成され、共通回路34のモニタに超音波診断画像が表示される。
このような構成としても、実施の形態1と同様に、双方の診断装置サブユニット31および32を同期運転することにより、同時に並行して処理し得る受信信号の数は「2n」となり、高画質の超音波画像を得ることが可能となる。
【0043】
図11では、2つの診断装置サブユニット31および32が共通の超音波プローブ4に接続されていたが、3つ以上の診断装置サブユニットを1つの超音波プローブに接続して同期運転することができる。
図12に、N個の診断装置サブユニット41−1〜41−Nを同期運転するようにした超音波診断装置の具体的構成を示す。
【0044】
超音波プローブ4に信号分配器3を介してN個の診断装置サブユニット41−1〜41−Nが接続され、これら診断装置サブユニット41−1〜41−Nに2次ビームフォーマ42を介してバックエンド33が接続され、バックエンド33にモニタ43が接続されている。診断装置サブユニット41−1〜41−Nは、それぞれクロック同期回路44−1〜44−Nを内蔵しており、これらクロック同期回路44−1〜44−Nに同期クロック発生回路45が接続され、さらに、同期クロック発生回路45にリトリガ回路46が接続され、リトリガ回路46が診断装置サブユニット41−1〜41−Nに接続されている。また、信号分配器3、診断装置サブユニット41−1〜41−N、2次ビームフォーマ42、バックエンド33、同期クロック発生回路45およびリトリガ回路46に制御部47が接続されている。
【0045】
図13に示されるように、診断装置サブユニット41−1は、クロック同期回路44−1のほか、信号分配器3に接続されたフロントエンド48−1と、フロントエンド48−1に接続された1次ビームフォーマ49−1を有し、この1次ビームフォーマ49−1が2次ビームフォーマ42に接続されている。さらに、診断装置サブユニット41−1は、リトリガ回路46に接続あれたトリガ回路50−1を有している。
【0046】
フロントエンド48−1は、実施の形態1におけるフロントエンド11および21と同様に、信号分配器3を介して接続された超音波プローブ4の対応する振動子に駆動信号を供給すると共に被検体からの超音波エコーを受信することによりこれら振動子で生成された受信信号に対して直交検波処理等を施すことにより複素ベースバンド信号を生成し、複素ベースバンド信号をサンプリングすることにより、組織のエリアの情報を含むサンプルデータを生成する。フロントエンド48−1は、複素ベースバンド信号をサンプリングして得られるデータに高能率符号化のためのデータ圧縮処理を施すことによりサンプルデータを生成してもよい。
【0047】
1次ビームフォーマ49−1は、実施の形態1におけるビームフォーマ12および22と同様に、制御部47により設定された受信方向に応じて、予め記憶されている複数の受信遅延パターンの中から1つの受信遅延パターンを選択し、選択された受信遅延パターンに基づいて、サンプルデータによって表される複数の複素ベースバンド信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより受信フォーカス処理を行い、音線信号を生成して2次ビームフォーマ42に供給する。
【0048】
他の診断装置サブユニット41−2〜41−Nも、図13に示した診断装置サブユニット41−1と同様に、クロック同期回路44−2〜44−Nのほか、フロントエンドと1次ビームフォーマとトリガ回路を有している。
また、2次ビームフォーマ42は、診断装置サブユニット41−1〜41−Nの1次ビームフォーマでそれぞれ生成される音線信号を合成した合成音線信号を生成する。
バックエンド33は、2次ビームフォーマ42により生成される合成音線信号に基づいて、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
モニタ43は、バックエンド33によって生成される画像信号に基づいて超音波診断画像を表示する。
【0049】
同期クロック発生回路45は、診断装置サブユニット41−1〜41−Nを同期動作させるための共通の同期クロック信号Scを発生して診断装置サブユニット41−1〜41−Nに供給する。なお、この同期クロック信号Scは、超音波プローブ4の周波数帯域と重ならないように、超音波プローブ4が使用する主要な中心周波数の少なくとも2倍以上の周波数を有することが好ましい。
診断装置サブユニット41−1〜41−Nに内蔵されたクロック同期回路44−1〜44−Nは、図14に示されるように、同期クロック発生回路45で発生された同期クロック信号Scに基づき、互いに同期すると共にフロントエンドに内蔵されているA/Dコンバータ(アナログ/デジタル変換器)を動作させるに必要な高い周波数のクロック信号CLK−1〜CLK−Nを生成する。
【0050】
リトリガ回路46は、同期クロック発生回路45で発生された同期クロック信号Scによりリトリガされたメイントリガ信号Stを診断装置サブユニット41−1〜41−Nに供給する。診断装置サブユニット41−1〜41−Nに内蔵されたトリガ回路は、図14に示されるように、リトリガ回路46から供給されたメイントリガ信号Stと、クロック同期回路44−1〜44−Nで生成されたクロック信号CLK−1〜CLK−Nに基づいて互いに同期したトリガ信号TRG−1〜TRG−Nを生成する。
さらに、制御部47は、超音波診断装置内の各部の動作を制御する。
【0051】
次に、図12に示した超音波診断装置の動作について説明する。
診断装置サブユニット41−1〜41−Nは、クロック同期回路44−1〜44−Nで生成されたクロック信号CLK−1〜CLK−Nとトリガ回路で生成されたトリガ信号TRG−1〜TRG−Nにより同期動作し、それぞれフロントエンドから超音波プローブ4の対応する振動子に駆動信号を供給して超音波を送信させると共に被検体からの超音波エコーを受信した振動子から出力された受信信号Srによりサンプルデータを生成し、1次ビームフォーマにより音線信号を生成する。診断装置サブユニット41−1〜41−Nの1次ビームフォーマで生成された音線信号が2次ビームフォーマ42で合成されて合成音線信号が生成され、合成音線信号に基づいてバックエンド33で画像信号が生成され、モニタ43に超音波診断画像が表示される。
【0052】
N個の診断装置サブユニット41−1〜41−Nを同期運転することにより、同時に並行して処理し得る受信信号の数が増大され、実施の形態1と同様に、高画質の超音波画像を得ることが可能となる。
【0053】
なお、この実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、診断装置サブユニット41−1〜41−Nをそれぞれユニット側コネクタを介して信号分配器3に接続し、ユニット側コネクタの識別番号に基づき、診断装置サブユニット41−1〜41−Nのうちいずれかの診断装置サブユニットをマスター装置本体として機能させ、残りの診断装置サブユニットをスレーブ装置本体として機能させて、診断装置サブユニット41−1〜41−Nを同期運転することもできる。
【0054】
実施の形態3
図15に、実施の形態3に係る超音波診断装置の具体的構成を示す。この超音波診断装置は、図12に示した実施の形態2の装置において、診断装置サブユニット41−1〜41−Nと2次ビームフォーマ42との間に遅延推定部51を接続すると共に、制御部47の制御により信号分配器3を介して超音波プローブ4の1つの振動子からの受信信号を同一信号Ssとして診断装置サブユニット41−1〜41−Nに入力されるように構成したものである。
【0055】
遅延推定部51は、診断装置サブユニット41−1〜41−Nに同一信号Ssを入力した際の診断装置サブユニット41−1〜41−Nによる処理結果、すなわち、診断装置サブユニット41−1〜41−Nの1次ビームフォーマでそれぞれ生成される音線信号に基づいて、診断装置サブユニット41−1〜41−N相互間のクロックスキューを推定する。このクロックスキューの推定は、超音波プローブ4からの1回の超音波の送受信が完了した後に行われる。
2次ビームフォーマ42は、遅延推定部51で推定されたクロックスキューに基づき、このクロックスキューによる影響が最小限となるように補正しつつ音線信号の合成を行って合成音線信号を生成する。
【0056】
このように、診断装置サブユニット41−1〜41−N相互間のクロックスキューを推定し、クロックスキューに基づいて合成音線信号の生成を行うことで、より高精度の超音波画像を得ることが可能となる。
【0057】
図15に示した超音波診断装置では、超音波プローブ4の1つの振動子からの受信信号を同一信号Ssとして診断装置サブユニット41−1〜41−Nに入力したが、図16に示されるように、基準信号発生部52をさらに備え、基準信号発生部52から同一信号Ssを診断装置サブユニット41−1〜41−Nに入力してもよい。
基準信号発生部52は、基準信号を生成し、この基準信号を同一信号Ssとして診断装置サブユニット41−1〜41−Nに入力する。
このようにしても、遅延推定部51が、診断装置サブユニット41−1〜41−Nに同一信号Ssを入力した際の診断装置サブユニット41−1〜41−N相互間のクロックスキューを推定し、2次ビームフォーマ42が、遅延推定部51で推定されたクロックスキューに基づいて音線信号の合成を行うことができる。
【0058】
なお、基準信号発生部52は、生成された基準信号を同一信号Ssとして診断装置サブユニット41−1〜41−Nに常時入力し、超音波プローブ4からの1回の超音波の送受信が完了した後に遅延推定部51がクロックスキューを推定するように構成することができる。あるいは、基準信号発生部52は、超音波プローブ4の振動子アレイからの超音波送信前の所定の時間にのみ基準信号を同一信号Ssとして診断装置サブユニット41−1〜41−Nに入力し、この所定の時間に対応して遅延推定部51がクロックスキューを推定するように構成してもよい。
【0059】
上述した実施の形態2および3に係る超音波診断装置では、リトリガ回路46が同期クロック発生回路45で発生された同期クロック信号Scによりリトリガされたメイントリガ信号Stを診断装置サブユニット41−1〜41−Nに供給したが、リトリガ回路46の代わりに同期クロック発生回路45に接続されないトリガ回路を診断装置サブユニット41−1〜41−Nに接続し、このトリガ回路から診断装置サブユニット41−1〜41−Nにメイントリガ信号Stを供給するようにしてもよい。
ただし、実施の形態2および3のように、リトリガ回路46で同期クロック信号Scによりリトリガされたメイントリガ信号Stを診断装置サブユニット41−1〜41−Nに供給する方が、診断装置サブユニット41−1〜41−N相互間の動作の同期性が高まるため好ましい。
【符号の説明】
【0060】
1 第1の診断装置ユニット、2 第2の診断装置ユニット、3 信号分配器、4 超音波プローブ、5 データバス、6 動作制御ケーブル、7,8 ユニット側コネクタ、9 プローブコネクタ、11,21,48−1 フロントエンド、12,22 ビームフォーマ、13,23,33 バックエンド、14,24,43 モニタ、15,25 クロック・リトリガ回路、16,26,47 制御部、31 第1の診断装置サブユニット、32 第2の診断装置サブユニット、34 共通回路、41−1〜41−N 診断装置サブユニット、42 2次ビームフォーマ、44−1〜44−N クロック同期回路、45 同期クロック発生回路、46 リトリガ回路、49−1 1次ビームフォーマ、50−1 トリガ回路、51 遅延推定部、52 基準信号発生部、Sc 同期クロック信号、St メイントリガ信号、Sr 受信信号、Ss 同一信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動子アレイを有する1つの超音波プローブと、
それぞれ前記振動子アレイの一部の振動子に対応すると共に対応する振動子からの超音波の送信および受信信号の処理を行う複数の診断装置本体と
を備え、前記複数の診断装置本体に前記1つの超音波プローブが接続されると、前記複数の診断装置本体のうちいずれか1つの診断装置本体がマスター装置本体として選択されると共に残りの診断装置本体がそれぞれ前記マスター装置本体に対するスレーブ装置本体となり、前記複数の診断装置本体が同期動作することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記複数の診断装置本体は、それぞれ対応する振動子からの受信信号に基づいて超音波画像を生成するバックエンドを内蔵する請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記マスター装置本体は、前記スレーブ装置本体に共通のクロック信号と共通のトリガ信号をそれぞれ供給する請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記複数の診断装置本体は、それぞれクロック信号を形成するクロック回路とトリガ信号を形成するトリガ回路とを内蔵し、
前記マスター装置本体は、内蔵する前記クロック回路で形成されたクロック信号を前記共通のクロック信号として、内蔵する前記トリガ回路で前記共通のクロック信号に基づいて形成されたトリガ信号を前記共通のトリガ信号としてそれぞれ前記スレーブ装置本体に供給する請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記スレーブ装置本体は、対応する振動子からの受信信号の処理結果を前記マスター装置本体へ伝送し、
前記マスター装置本体に内蔵された前記バックエンドは、すべての診断装置本体による受信信号の処理結果に基づいて超音波画像を生成する請求項2〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記複数の診断装置本体は、前記超音波画像の生成に係るデータ処理を互いに協調して行う請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記複数の診断装置本体はそれぞれ超音波画像を生成する手段を有しておらず、前記複数の診断装置本体でそれぞれ処理された受信信号に基づいて超音波画像を生成するバックエンドをさらに備えた請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記複数の診断装置本体を同期動作させるための共通のクロック信号を形成して前記複数の診断装置本体に供給する同期クロック発生回路と、前記同期クロック発生回路で形成された共通のクロック信号に基づいて共通のトリガ信号を形成して前記複数の診断装置本体に供給するトリガ回路をさらに備えた請求項7に記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−65712(P2012−65712A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210933(P2010−210933)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】