説明

超音波造影剤として有用な再構成可能なミクロスフィア組成物

ミクロまたはナノスフィアの容易に再構成可能な乾燥組成物を製造するのに有用である方法および懸濁液を提供する。該乾燥組成物は、超音波画像形成のような診断用途における使用を見出している。上記懸濁液は、重要な成分として、t-ブチルアルコールおよび/または非晶質糖(または非晶質糖混合物)の1つまたは双方を、上記懸濁液を構成する粒子の凝集を低減する特定の量で含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2003年10月31日に出願された米国仮特許出願第60/517,219号に対する35 U. S. C. § 119 (e) による優先権の利益を主張する。該米国特許の開示は、その全体を参考として本明細書に合体させる。
【0002】
(背景技術)
ソリッドおよび中空コア型マイクロ-およびナノ-粒子は、増大している各種の医療、製薬および診断用途においてにおいて使用されている。血流中に注入したとき、そのような粒子は、超音波エコー検査画像造影剤として使用されて心臓および血管のような内部構造の可視化の助けとなり得る。そのような造影剤は、臓器潅流の検査にも使用して、例えば、梗塞によって生じる損傷を評価し、肝臓のような臓器を検査し、或いは正常組織と腫瘍および嚢胞のような異常組織とを識別することができる。
超音波コントラストは、界面での2つの物質の音響インピーダンスが異なるときに得られる。超音波画像法および造影剤として有用な粒子組成物は、例えば、Ultrasound Contrast Agents, Basic Principles and Clinical Applications, Golderg et al., Eds, 2d Edition, 2001, Martin Dunitz Ltdにかなり詳細に記載されている。超音波造影剤として有用なソリッドコア型粒子(“マトリックス”粒子とも称する)は、例えば、米国特許第5,558, 857号、米国特許第5,670,135号、米国特許第5,674,468号、米国特許第6,264,959号、米国特許第6,177,062号および米国特許第5,565,215号に記載されている。造影剤として有用な中空コア型粒子は、例えば、米国特許第6,193,951号、米国特許第6,200,548号、米国特許第6,123,922号、米国特許第6,333,021号、米国特許第6,063, 362号、米国特許第6,022, 252号、米国特許第6,569,405号、米国特許第6,045,777号および現在係属中の米国出願第09/637,516号に記載されている。また、中空およびソリッドコア型粒子は、薬物および/または他の治療用または診断用組成物のような製薬生成物を体内のターゲット臓器または組織に伝達させるためにも使用し得る。調合製剤は、粒子から、拡散により、粒子の分解により或いは超音波エネルギーを使用するその場での粒子の破壊により放出し得る。
【0003】
注入可能な超音波造影剤および調合製剤伝達粒子の周知の安定化方法は、リオフィリゼーション(lyophilization)としても知られる凍結乾燥である。粒子懸濁液を凍結乾燥し、次いで安定化させて保存する種々の方法は、例えば、米国特許第6,165,442号において以前に記載されている。しかしながら、懸濁液中の粒子は、凍結乾燥工程において(または、保存時に)、多くの場合凝集する。そのような凝集は、とりわけ凍結乾燥粒子組成物を静脈内注射によって患者に投与する場合に望ましくない。
凝集問題は、タンパク質からなる粒子またはタンパク質外部コーティーングを有する粒子においてはとりわけ深刻である。また、凝集問題は、合成ポリマーおよび/または合成ポリマーとタンパク質の混合物からなる粒子においても直面する。注射可能な粒子の調製および凍結乾燥における固有の他の問題としては、プロセッシングにおいて使用する1種以上の有機溶媒の除去がある。この問題は、中空コア型粒子組成物の形成および調製においてとりわけ重要である。
従って、凝集を低減させ且つより効率的で好都合な再構成組成物を提供する凍結乾燥マイクロ-およびナノ-粒子組成物の改良された調製および取扱い方法が求められている。
【0004】
(発明の開示)
これらおよび他の要求に、本発明は対処し、ある局面においては、粒子が凍結乾燥、保存および再構成中に凝集する即ち“一緒に粘着する”性向を低減させる粒子懸濁液および乾燥粒子組成物の製造方法を提供する。また、水による再構成時に容易に分散し得る乾燥粒子組成物も提供する。
本発明は、1部において、2つの重要な発見に基づく。先ず、出願人等は、タンパク質外部層コーティーングを含む高分子粒子の懸濁液に特定量の非晶質糖を添加することにより、粒子の、とりわけ粒子懸濁液の凍結乾燥中に一緒に粘着する性向が大いに低減されることを見出した。しかしながら、非晶質糖が凍結乾燥または凍結乾燥粒子組成物の保存時の粒子の凝集を低減させるまたは回避するのに十分な濃度で存在する場合、粒子の製造において使用する溶媒の除去が妨げられることを観察した。次に、出願人等は、別の次善最適濃度(良好な溶媒除去を可能にするには十分に低いが凝集を完全に抑制するには低過ぎる濃度)の非晶質糖を含む粒子懸濁液に特定量のt-ブチルアルコールを添加することが、粒子懸濁液の凍結乾燥中の溶媒の除去を促進し、とりわけ、中空コア型粒子の中空コアからの溶媒の除去を促進して、粒子凝集が殆んどまたは全くない安定な乾燥凍結乾燥粒子組成物を提供することを見出した。特定量のt-ブチルアルコールおよび/または非晶質糖を含む懸濁液から製造した乾燥粒子組成物は、水による再構成時に容易に分散し、これら組成物を診断および/または治療用途に理想的に適するものにする。この容易な分散性故に、本明細書において説明する粒子懸濁液を凍結乾燥することによって製造した乾燥粒子組成物は、動物およびヒトへの静脈内注射による投与にとりわけ適している。
【0005】
即ち、1つの局面においては、本発明は、通常の懸濁液と比較して粒子が凍結乾燥中に凝集する性向を克服した、再構成並びに動物およびヒトへの生体内投与に適する乾燥粒子組成物を製造するのに有用である粒子の水性懸濁液を提供する。該懸濁液は、一般に、懸濁液ミリリットル(mL)当り0.3mg〜4mgの中空コア型粒子(質量はシェル物質の質量に基づく)または懸濁液ミリリットル当り0.3mg〜56mgのソリッドコア型粒子、および下記の1種または双方を含む:t-ブチルアルコールおよび/または非晶質糖(2種以上の非晶質糖の混合物)。懸濁液を構成するt-ブチルアルコールおよび/または非晶質糖(1種以上)の量は、懸濁液が中空コア型粒子またはソリッドコア型粒子のいずれを含むかによる。ソリッドコア型粒子においては、懸濁液は、一般に、約2.14:1〜43:1範囲の質量対質量比(t-ブチルアルコール:粒子)のt-ブチルアルコールおよび/または約0.02:1〜0.86:1範囲の質量対質量比(総非晶質糖(1種以上):粒子)の非晶質糖(非晶質糖混合物)を含む。中空コア型粒子においては、懸濁液は、一般に、約30:1〜600:1範囲の質量対質量比(t-ブチルアルコール:粒子)のt-ブチルアルコールおよび/または約0.3:1〜12:1範囲の質量対質量比(総非晶質糖(1種以上):粒子)の非晶質糖(非晶質糖混合物)を含む。
【0006】
一般に、懸濁液の大部分は水である。しかしながら、懸濁液は、粒子の製造中に典型的に使用される溶媒および/または溶媒混合物のようなさらなる溶媒、および/または、例えば、緩衝剤、浸透圧および等張性を調節する薬剤、および充填剤のような1種以上の賦形剤を含み得る。また、懸濁液は、1種以上の界面活性剤も含み得る。しかしながら、本明細書において説明する懸濁液の有意の利点は、懸濁液を有意の粒子凝集なしで取扱い且つ凍結乾燥する能力である。即ち、懸濁液は界面活性剤および他の通常の凝集防止剤を含み得るものの、そのような薬剤の使用は必須ではない。
1つの実施態様においては、懸濁液は、t-ブチルアルコールおよび非晶質糖(1種以上)の双方を含む。
【0007】
もう1つの局面においては、本発明は、水の添加時に容易に再構成可能であり且つ分散可能である粒子の乾燥組成物の製造方法を提供する。一面において、上記方法は、上述したようなt-ブチルアルコールおよび/または1種以上の非晶質糖類を含む水性粒子懸濁液を凍結乾燥して乾固させることを含む。t-ブチルアルコールおよび/または非晶質糖(1種以上) (および任意成分としての賦形剤および/または界面活性剤)は、高分子および/またはタンパク質粒子の形成後で凍結乾燥前に、粒子懸濁液に典型的に添加する。例えば、ソリッドコア型または中空コア型粒子は、通常の方法を使用して製造し、上述したような粒子の水性懸濁液を得るのに適する濃度でt-ブチルアルコール、非晶質糖(1種以上)および/または任意の所望の任意成分としての賦形剤および/または界面活性剤を含む水性賦形剤組成物と混合し、この懸濁液を凍結乾燥して乾固させる。所望であれば、粒子は、上記水性賦形剤組成物と混合する前に、濾過または他の手段(例えば、遠心分離)により集め得る。所望または必要であれば、上記水性賦形剤組成物との混合前の溶媒交換を、粒子を集めることなく、例えば、ダイアフィルトレーション(diafiltration)または他の通常の手段により実施し得る。
【0008】
上記方法は、凝集するおよび/または一緒に粘着する性向を有する実質的にあらゆるタイプの粒子において使用し得るけれども、上記方法は、米国特許第6,193,951号および同時係属中の米国出願第09/637,516号(WO 01/12071号)に記載されている二分子層型タンパク質コーティーング高分子ナノ-および/またはマイクロ-粒子のような二分子層中空コア型粒子の乾燥組成物の製造においてとりわけ有利であることを見出している(上記米国特許および出願の開示は、参考として本明細書に合体させる)。
上記方法の特定の実施態様においては、t-ブチルアルコールおよび1種以上の非晶質糖類を、そのように形成させた二分子層中空コア型粒子の水性懸濁液に、これら単独または1種以上の賦形剤と組合せて、懸濁液の凍結乾燥前に添加する。その後、懸濁液を凍結乾燥し乾固させて、水の添加時に容易に分散可能である所望の乾燥粒子組成物を得る。当該技術においては既知であるように、乾燥組成物を構成する中空コア型粒子は、窒素(N2)、空気またはパーフルオロカーボンのような特定のガスまたはガス混合物によって、乾燥粒子組成物を収容する凍結乾燥室にこれらのガスまたはガス混合物を満たすことにより充填し得る。
【0009】
もう1つの局面においては、本発明は、粒子の乾燥した容易に分散可能でありおよび/または再構成可能である組成物を提供する。該乾燥組成物は、上述したようなt-ブチルアルコールおよび/または非晶質糖(1種以上)を含む水性粒子懸濁液を凍結乾燥することによって調製し、一般に、粒子および約0.3:1〜12:1(中空コア型粒子において)または0.02:1〜0.86:1(ソリッドコア型粒子において)範囲の質量比の非晶質糖または2種以上の非晶質糖の混合物を含む。該乾燥組成物は、必要に応じて、上述したような1種以上の賦形剤および/または界面活性剤を含み得る。賦形剤は、凍結乾燥前の懸濁液に含ませてもよく、或いは乾燥凍結乾燥組成物に添加してもよい。組成物中に含ませる場合、そのような賦形剤は、治療および/または診断用途として設計した粒子組成物において一般的に使用する量で典型的に使用する。特定の実施態様においては、上記組成物は、下記のおおよその質量対質量比(成分質量:粒子質量)を有する下記の各成分を含む:
【0010】

【0011】
乾燥組成物は、特定の用途に応じて、任意の好都合な包装用容器中に包装し得る。例えば、乾燥組成物は、ばらで包装して、所望量を必要に応じた基準で量り分けることも可能である。典型的には、乾燥組成物は、滅菌条件を維持し得るようなバイアル中での直接の水による組成物の再構成に適する大きさおよび形状の密閉ガラスバイアル中に単回使用量で包装する。中空コア型ガス充填粒子は、コア内のガス(1種以上)が保存中に放散しないように充填ガス(1種以上)を含有する上部空間の下で、バイアルまたは他の同様な容器中で保存し得る。
【0012】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、現在入手し得る方法および/または組成物よりも粒子凝集に対して感受性の低い粒子の組成物を調製するための方法および懸濁液を提供する。該方法および懸濁液は、診断画像法、薬物伝達、並びに他の医療および製薬用途において使用する粒子組成物を調製するのに有用である。また、上記方法によって調製した乾燥粒子組成物も提供する。そのような乾燥組成物は、水中に容易に分散可能であり、これら組成物を診断および治療用途に理想的に適するものとする。上記方法は、凍結乾燥、保存および/または再構成中に凝集する即ち“一緒に粘着する”性向を有するポリマーおよび/またはタンパク質類並びに他の粒子を含む粒子懸濁液を取扱うのにとりわけ有利である。数多くの可能性ある用途のうちで、上記方法および懸濁液は、例えば、米国特許第5,558, 857号、米国特許第5,670,135号、米国特許第5,674,468号、米国特許第6,264,959号、米国特許第6,177,062号および米国特許第5,565,215号に開示されているもののような、ポリマーおよび/またはタンパク質類を含むソリッドコア型即ち“マトリックス”粒子;および、米国特許第6,193,951号、米国特許第6,200,548号、米国特許第6,123,922号、米国特許第6,333,021号、米国特許第6,063,362号、米国特許第6,022,252号、米国特許第6,569,405号、米国特許第6,045,777号および同時係属中の米国出願第09/637,516号(WO 01/12071号)に開示されているもののような、ポリマーおよび/またはタンパク質類を含む中空コア型粒子の調製において有用である。粒子は、ソリッドコア型または中空コア型粒子のいずれであれ、循環系を通過する(および、RESによる蓄積を回避する)のに適する粒度範囲の直径を典型的に有する。典型的には、粒子の直径は10μm未満であり、組成物を構成する粒子の集団は、比較的狭い分布の平均直径を有する。静脈内注射による投与に適する粒子は、3〜3.5ミクロン範囲の数平均直径を有し、95%以上、好ましくは99%以上が7ミクロン未満の直径を有する。
【0013】
上記方法は、広範囲の再構成可能な粒子を含有する乾燥組成物の調製に広く応用可能である。一般的には、粒子凝集問題を実質的に低減する水性粒子懸濁液の調製方法を提供する。この方法は、凍結乾燥、保存および/または再構成中に凝集する性向を有するあらゆる粒子において有用であり、一般に、懸濁液ミリリットル当り約0.3mg〜4mgの中空コア型粒子(質量はシェル物質の質量に基づく)または懸濁液ミリリットル当り約0.3mg〜56mgのソリッドコア型粒子、並びに中空コア型粒子またはソリッドコア型粒子のいずれを含むかに依存する特定の質量対質量比のt-ブチルアルコールおよび非晶質糖(または、2種以上の非晶質糖の混合物)の1つまたはその双方を含む懸濁液を凍結乾燥して乾固させることを含む。中空コア型粒子においては、非晶質糖(1種以上)は、典型的に、懸濁液中に約0.3:1〜12:1範囲の質量対質量比(非晶質糖総質量:粒子質量)で含ませ、および/または、t-ブチルアルコールは、懸濁液中に約30:1〜600:1範囲の質量対質量比(t-ブチルアルコール質量:粒子質量)で含ませる。特定の実施態様においては、非晶質糖全体(1種以上)の質量対質量比は約0.75:1〜3:1の範囲にあり、および/または、t-ブチルアルコールの質量対質量比は約60:1〜150:1の範囲にある。
【0014】
ソリッドコア型粒子においては、非晶質糖(1種以上)は、典型的に、懸濁液中に典型的に約0.02:1〜0.86:1範囲の質量対質量比で含ませ、および/または、t-ブチルアルコールは、懸濁液中に約2.14:1〜43:1範囲の質量対質量比で含ませる。特定の実施態様においては、非晶質糖全体(1種以上)の質量対質量比は約0.07:1〜0.36:1の範囲にあり、および/または、t-ブチルアルコールの質量対質量比は約4:1〜11:1の範囲にある。
特定の実施態様においては、懸濁液は、上記の質量対質量比のt-ブチルアルコールと非晶質糖(1種以上)の双方を含む。
【0015】
本明細書において使用するときの“非晶質糖”とは、結晶化し得るが凍結乾燥したときに非結晶性の非晶質状態で捕捉され得る糖類である。これらの凍結乾燥非晶質糖類は、そのガラス転移温度(Tg)よりも高い温度に暴露させたとき自然に結晶形に転化し得る。従って、本発明において有用な非晶質糖類は、典型的には約20℃よりも高い比較的高ガラス転移温度(Tg)を有する糖類である。本明細書において説明するようにして使用するのに適する非晶質糖類の特定の例としては、限定するものではないが、スクロース、トレハロースおよびラクトースがある。非晶質糖(1種以上)および/またはt-ブチルアルコールは、粒子の形成または精製工程において、粒子または粒子を形成する他の水性化合物を担持する1以上の溶液中の添加剤として添加し得る。より典型的には、非晶質糖(1種以上)および/またはt-ブチルアルコールを、粒子形成後の粒子懸濁液と混合する賦形剤または組成物溶液の1部として添加する。
【0016】
開示した濃度範囲内の非晶質糖(1種以上)は、凍結乾燥、保存および/または再構成過程における凝集抑制剤として機能する。開示した範囲よりも実質的に低い非晶質糖濃度においては、粒子凝集により、独立した再構成可能な粒子を有する組成物を調製するのに問題が生じ得る。非晶質糖濃度が高過ぎる場合には、溶媒除去が許容し得ないほどに妨げられ得る。溶媒除去の難しさは、例えば、米国特許第6,193,951号および同時係属中の米国出願第09/637,516号(WO 01/12071号)に記載されているような二分子層中空コア型タンパク質コーティーング高分子粒子のような中空コア型粒子の調製における実質的な懸念ごとである。
開示した濃度範囲内のt-ブチルアルコールの使用は、二重の利益を提供する。開示した濃度範囲においては、t-ブチルアルコールは、溶媒除去を促進させながら粒子の凝集性向を低下させるように作用する。凝集作用の低下は、t-ブチルアルコールを上述したような非晶質糖と組合せて使用したときに最も顕著である。一般に、t-ブチルアルコールは、結果として凍結乾燥中に懸濁液からt-ブチルアルコールがほぼ完全に除去される性質を有し、動物およびヒトへの生体内投与に適する乾燥粒子組成物の製造における非凝集剤として使用するのにt-ブチルアルコールをとりわけ有利なものにしている。DMSO、またはDMSOとt-ブチルアルコールの混合物も同様な作用に対して使用し得る。
【0017】
また、さらなる賦形剤も、水性粒子懸濁液に、粒子形成後または1以上の粒子形成工程中もしくは前のいずれかで添加する賦形剤溶液のさらなる成分として添加し得る。これらの賦形剤としては、なかんずく、ポロクサマーまたはtween類のような界面活性剤;マンニトール、ラクトースまたはグリシンのような充填剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のような緩衝剤;デキストラン、ポリエチレングリコールまたは糖類のような崩壊温度改良剤;マンニトールまたはグリシンのような結晶質マトリックス成分;マンニトール、グリシンまたは塩化ナトリウムのような等張性および浸透圧改良剤があり得る。
非晶質糖および/またはt-ブチルアルコールを上述の質量比範囲内で含有する調製粒子懸濁液は、凍結乾燥させて乾燥した再構成可能な粒子組成物を調製し得る。凍結乾燥は、水およびt-ブチルアルコールの実質的画分並びに懸濁液中または粒子内のいずれかに存在し得る他の加工用溶媒を除去する。中空コア型粒子は、凍結乾燥室にガス(1種以上)を流入させることにより、ガスまたはガス混合物で充填し得る。凍結乾燥組成物は、バイアルまたは数種の他の適切な容器中で都合良く保存および/または輸送し得る。粒子がガス充填されている場合、粒子は、粒子を充填するのに使用したガス(1種以上)の下に保存し得る。使用前に、組成物を水によって再構成して生理学的に適合し得る浸透圧およびpHを有する個々の粒子懸濁液を調製し得る。
【0018】
1つの実施態様においては、上記再構成懸濁液は、懸濁粒子をミリリットル(mL)当り約0.3〜6mgの中空コア型粒子または0.3〜84mgのソリッドコア型粒子の範囲の濃度で有利に含む(中空コア型粒子においては、質量は粒子シェル質量に基づく)。もう1つの実施態様においては、上記水性粒子懸濁液、乾燥凍結乾燥粒子組成物および再構成粒子組成物は、粒子以外に、非晶質糖(1種以上)および/またはt-ブチルアルコール(水性粒子懸濁液において)、下記の濃度比のグリシン、ポリエチレングリコール、および/またはポロクサマー188を含む:
【0019】

【0020】
本明細書において説明する方法は、米国特許第6,193,951号および同時係属中の米国出願第09/637,516号(WO 01/12071号)に記載されている粒子のような、タンパク質外部層またはシェルを有する中空コア型二分子層高分子粒子の調製においてとりわけの利点を有する(上記米国特許および米国特許出願の内容は、参考として本明細書に合体させる)。下記で説明する特定の応用例は、これらの文献に記載されているマイクロ粒子およびナノ粒子の注射可能な組成物に絞っている。しかしながら、一般的には、望ましくない粒子凝集によって生じる問題に影響を受けやすい任意のタイプの粒子懸濁液、とりわけ生物学的に適合性のある任意の粒子懸濁液は、いずれも本明細書において説明するようにして調製することができる。
【0021】
1つの例としての実施態様においては、凍結乾燥可能な水性懸濁液および乾燥した再構成可能な組成物を構成する粒子は、中空コアを囲む二分子層シェルを有する。シェルの外部層は、例えば、架橋アルブミンのようなタンパク質または他の生物学的に適合性のある両親媒性物質から形成させ得る。外部層は、体内の血液または組織に暴露される粒子の表面を構成する。内部層は、例えば、ポリ(D,L-ラクチド)のような合成ポリマーまたは合成生分解性ポリマーであり得る。超音波造影剤としての用途においては、粒子のコアは、空気、窒素またはパーフルオロカーボンのようなガスで充填し得る。粒子は、懸濁液または組成物を構成する大多数が約1〜10ミクロン範囲内の直径を有して体内の毛管系を通過するように構築する。また、粒子は、リンパ節系の画像形成またはリンパ節への薬物活性剤の伝達における用途においては、例えば200〜800nm範囲のような1μm未満の直径を有して構築する。
【0022】
これらの粒子は外部層と内部層を含むシェルを有するので、各層は、異なる機能を奏するように調整し得る。外部の露出層は、粒子と身体間の生物学的界面として機能する。従って、外部層は、一般に、両親媒性(疎水性と親水性の両特性を有する)であり得る生体適合性物質を含む。また、外部層は、1種以上の合成生分解性ポリマーからも形成させ得る。両親媒性である以外に、外部層は、帯電および化学修飾を可能にする化学特性も有し得る。内部層は、合成生分解性ポリマーであり得る生分解性ポリマーを含む。内部層は、外部層によって十分に付与し得ない機械的性質または薬物伝達特性を粒子に付与し或いはそれら特性を増強する。外部層が生物学的に適合性のある界面を提供するので、上記ポリマーの選択は、表面特性条件に拘束されないで行い得る。上記ポリマーは、所望の機械的性質を決定するその弾性率および引張弾性率について選択し得る。そのような二分子層粒子の内部層として使用するのに適する典型的な生分解性ポリマーは、米国特許第6,193,951号および同時係属中の米国出願第09/637,516号(WO 01/12071号)に記載されており、これらの米国特許および米国特許出願の内容は、参考として本明細書に合体させる。さらなる適切な生分解性ポリマーは、Langer, et al., (1983) Macromol. Chem. Phys. C23, 61-125 (参考として本明細書に合体させる) に記載されている。これらの各種ポリマーは、ソリッドコア型粒子を製造するのにも使用し得、これらの粒子は、必要に応じて、上述したような生体適合性で必要に応じて両親媒性の物質の外部層でコーティーングし得る。
【0023】
超音波造影剤としてまたはターゲット化超音波放出性薬物担体剤として使用する粒子においては、内部層は、最低の機械的性質または薬物担持/伝達特性を満たす必要のある厚さよりも大きくない厚さを典型的に有する。このことは、粒子の内部ガス容量を最大にする。粒子内のガス容量が大きいほど、そのエコー発生特性は良好である。粒子の外部層と内部層の合計厚さは、1部では、粒子の必要とする機械的性質および薬物担持/伝達特性に依存するが、典型的には、シェル全体の厚さは、10〜750nmの範囲内であろう。
【0024】
要するに、これらの粒子は、以下の一般的工程を含む方法によって形成させ得る。2つの溶液を調製する;第1は、外部層生体材料の水溶液である。第2は、ポリマーに対する溶媒である比較的稀発性の水非混和性液体(“ポリマー溶媒”)およびポリマー対する非溶媒である比較的不揮発性の水非混和性液体(“ポリマー非溶媒”)中の、内部層を形成させるのに使用するポリマーの溶液(“ポリマー溶液”)である。ポリマー溶媒は、典型的に、酢酸イソプロピルのようなC5〜C7エステルである。ポリマー非溶媒は、典型的に、デカン、トリデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等のようなC6〜C20炭化水素である。ポリマー溶液においては、ポリマーと各水非混和性溶媒を混合して、ポリマーが十分に溶解し且つ2種類の溶媒が撹拌により混和し得るようにする。ポリマー溶液(有機相)を生体材料溶液(水性相)に撹拌しながらゆっくり添加してエマルジョンを調製する。この工程において使用する各溶液の相対的濃度および有機相対水性相の比率並びに撹拌度合が、最終粒子の粒度およびシェル厚を本質的に決定する。エマルジョンを十分に混合した後、エマルジョンを水中に分散させ、緩やかに撹拌しながら約30〜35℃に典型的に温める。架橋剤、例えば、カルボジイミドまたはグルタルアルデヒドのような二官能性アルデヒドを混合物に添加して生体材料外被と反応させ、この外被を水不溶性として、外部層を安定化させる。
【0025】
新たに形成させた外部層の内部コアは、ポリマー、ポリマー溶媒およびポリマー非溶媒を含有し、それらの各々が異なる稀発性を有する。高めの稀発性のポリマー溶媒は蒸発しまたは希釈されるので、ポリマーは、稀発性の低いポリマー非溶媒の存在下に沈降する。そのようにして、沈降物のフィルムを生体材料(外部)層の内部表面との界面に形成させる。この沈降物は、高めの稀発性のポリマー溶媒が希釈、蒸発等によって濃度を低下したときに、粒子の内部層を形成する。形成された粒子のコアは、主として、ポリマー非溶媒を含有する。
この段階で、形成させた粒子を集め、中空コア型粒子に対して上記で開示した濃度範囲のt-ブチルアルコールおよび1種以上の非晶質糖の片方または双方並びに任意成分としての所望の賦形剤および/または界面活性剤を含む水性懸濁液中に処方する。該懸濁液は、遠心分離、濾過または他の手段により集めた形成粒子を、所望量のt-ブチルアルコール、非晶質糖(1種以上)、および任意成分としての賦形剤および界面活性剤を含む水溶液中に懸濁させることによって調製し得る。また、形成させた粒子の溶媒系を、例えば、ダイアフィルトレーションまたは希釈(または他の手段もしくは各手段の組合せ)により懸濁用媒質と交換し、t-ブチルアルコール、非晶質糖(1種以上)および任意の所望賦形剤および/または界面活性剤を水性溶媒系に溶解させても、本発明に従う水性粒子懸濁液を調製することができる。
【0026】
その後、この水性懸濁液を凍結乾燥により乾燥させて、典型的には凍結乾燥ケーキの形にある乾燥した再構成可能な粒子組成物を得る。凍結乾燥状態となる水性粒子懸濁液中に非晶質糖を含ませることは、凍結乾燥生成物中での粒子凝集を最低限にする。T-ブチルアルコールを含ませることは、凍結乾燥した乾燥組成物の再構成後に生じる粒子凝集をさらに抑制する。非晶質糖は乾燥凍結乾燥粒子組成物中にそのまま残り、一方、t-ブチルアルコールの大部分は除去される。これらの添加剤の使用は、粒子形成中、懸濁液の処理中または凍結乾燥直前の粒子懸濁液へ添加する賦形剤としてのいずれであれ、高多孔度および表面積を有する凍結乾燥ケーキを与える傾向にある。また、これらの添加剤は、水および溶媒蒸気を除去するチャンネルを与えることにより、凍結乾燥中の乾燥速度も増大させ得る。また、これらの添加剤は、これら添加剤なしで調停した凍結乾燥生成物よりも大きい表面積を有する凍結乾燥ケーキも提供し、この凍結乾燥ケーキは、後の再構成段階において有利である。
【0027】
米国特許第6,193,951号および同時係属中の米国出願第09/637,516号(WO 01/12071号)において以前に開示されているように、形成中のこれら二分子層粒子の凝集は、外部表面を形成する生体材料の等電点(Pi)よりも少なくとも1〜2 pH単位高いまた低いpHを維持することによってさらに最少にし得る。別法としては、粒子を界面活性剤の使用によりPiでまたはその近辺で調製して過度の凝集に対して安定化させることもできる。いずれにせよ、対象者に注入する乾燥凍結乾燥組成物の緩衝液系は、生理学的に適合し得なければならない。
乾燥凍結乾燥粒子組成物は、容器当り約1〜50mgの中空コア型粒子または1〜700mgのソリッドコア型粒子範囲の総質量を含有する単位容器中で提供し得る。循環系の画像形成用の超音波造影剤として使用する粒子は、約1〜10ミクロンの粒度範囲において約3ミクロンの平均直径を典型的に有する。典型的には、粒子の5%未満がおよそ10ミクロンよりも大きい直径を有するであろう。また、リンパ系の超音波画像形成用の粒子は、同時係属中の米国出願第09/637,516号(WO 01/12071号)に記載されているような約200〜800nm範囲の平均直径を有し得る。
【0028】
本発明の特定の例における粒子は、架橋アルブミンの外部層を有する。アルブミンは、グルタルアルデヒドのようなジアルデヒド架橋剤により架橋させたヒト血清アルブミンであり得る。また、粒子は、ガスまたはガス混合物(例えば、空気、窒素、パーフルオロカーボン等)で充填し得る中空コアを封入するポリ(D,L-ラクチド)の内部層を有し得る。薬物またはある種の他の薬物活性剤の伝達のような用途においては、コアは、薬物で充填し得る。また、内部層は、内部層が下記で説明するように内部層形成中に生分解性ポリマーと共沈する場合、薬物をさらに含み得る。
【0029】
特定の実施態様においては、グルタルアルデヒド架橋アルブミン/ポリラクチド粒子を、開示した質量比のt-ブチルアルコール、開示した質量比のスクロース並びにポリエチレングリコール、グリシンおよびポロクサマー(下記でさらに説明する質量比で)を含む水性懸濁液中に、凍結乾燥後、乾燥凍結乾燥組成物中の粒子がポリエチレングリコール、グリシン、スクロースおよび例えばポロクサマー188のようなポロクサマーのマトリックス内に含有されるように配合する。ポロクサマーは、食品、薬物または化粧品用途であり得る製品の個々の独自の識別標示のために末尾数字と一緒に使用される非専用的な名称である。
再構成時において、上記生成物は、ミリリットル当り約0.3〜6mgの中空コア型粒子または0.3〜84mgのソリッドコア型粒子を典型的に含有しているが、任意の量の再構成媒質を添加して、本明細書で開示した範囲を越える濃度範囲を使用し得ることを理解されたい。さらに、再構成媒質は、再構成生成物の最終浸透圧が使用する再構成媒質の容量に本質的に依存するように等浸透圧性であり得る。
【0030】
架橋アルブミンの外部層とポリ(D,L-ラクチド)の内部層を有する中空コア型粒子を形成させる特定の実施態様においては、外部層を構成するアルブミンを含有するpH調整した水溶液を先ず調製する。1つの実施態様においては、pHは、約3〜9の範囲にあり、より詳細には約4である。アルブミンは、ヒト血清アルブミンであり得る。pHは、酸、例えば、塩酸の添加により調整し得る。アルブミン濃度は、典型的に約4質量%〜10質量%の範囲にある。約4質量%アルブミンよりも高い濃度の単分散エマルジョンが好ましい。得られる粒子の凝集は、10質量%アルブミンよりも高い濃度において問題となり得る。
【0031】
次に、酢酸イソプロピル(ポリマー溶媒)中に溶解させたポリ(D,L-ラクチド)とシクロオクタン(ポリマー非溶媒)を含有する有機溶液を調製し、上記水溶液中に乳化させる。特定の実施態様においては、ポリ(D,L-ラクチド)の固有粘度は、粒子一体性を維持するために約0.15 dL g-1 (クロロホルム中0.5%、30℃)よりも高くなければならない。ポリ(D,L-ラクチド)の濃度は、溶液の約0.2〜3質量%の範囲にあって、凍結乾燥中のシクロオクタンポリマー非溶媒の除去に過度の困難を生じることなく、十分な粒子壁強度を維持するようにする。酢酸イソプロピルとシクロオクタンの比は、重量で約30:1〜3:1の範囲にある。その比が高いほど、厚くおよび/または強い粒子壁が有利に生じる。しかしながら、あまりに高過ぎる比率の使用は、中空粒子コアの形成が損なわれるほどの厚さである壁を生じ得る。過剰のシクロオクタンの使用は、循環系の静水圧環境において破壊し得る過度に脆い粒子壁を生じ得る。
【0032】
上記有機溶液は、膜乳化法のような標準の乳化方法を使用して上記水溶液中に乳化させる。典型的には、乳化は、約4ミクロンの液滴サイズ(容積測定)を得るに十分な流量および圧力条件下に約30℃で実施する。有機対水性成分比は、約0.3:1〜3:1の範囲にあり、より典型的には約1.62:1である。この範囲の上限付近の比率が粒子単分散に有利に作用する。しかしながら、過度に高めた比率の使用は、処理するには濃厚過ぎるエマルジョンを生じ得る。下限比よりも低いと、必要とする容器容量が制約要因となり得るが、適切な容器を利用し得る場合には、それより低い比率も使用し得る。
その後、上記エマルジョンを、グルタルアルデヒドのような架橋剤を含有する第2の水溶液中に約3〜18倍、好ましくは約4〜6倍希釈する(撹拌しながら)。架橋剤は、第2水溶液に、得られる希釈懸濁液中で約0.05:1〜1:1範囲の質量対質量比(架橋剤:アルブミン)を得るに十分な濃度で含ませる。グルタルアルデヒドにおいては、約0.2:1範囲の最終架橋剤対アルブミン質量比によって、最良の結果が得られる。この水溶液のpHは、例えば、約pH 6〜10の範囲、好ましくはpH 7〜8の範囲のpHのような所望の慣用値に調整し得る。
【0033】
希釈後、撹拌を、30℃で、酢酸イソプロピルが蒸発により実質的に除去されるまで続ける。その後、ポロクサマー188を、水性懸濁液中に、典型的には約0.25質量%の濃度に溶解する。
次に、上記懸濁液を最終濾過して凝集物およびポリマー屑片を除去し、ポロクサマー188水溶液(0.25質量%)でダイアフィルトレーション処理して未反応グルタルアルデヒドおよび未結合アルブミンを除去する。懸濁液容量は、上記ポロクサマー188水溶液で希釈して0.09質量%〜1.2質量%(0.9〜12mg/ml懸濁液)の所望粒子濃度範囲を得ることによって調整し得る。特定の実施態様においては、粒子濃度を0.5質量%に調整する。
濃厚賦形剤水溶液を別個に調製し、上記粒子懸濁液に添加して本発明に従う水性粒子懸濁液を得る。該賦形剤水溶液は、t-ブチルアルコールおよび/または1種以上の非晶質糖、特定の実施態様におけるスクロースを、前述したように、30:1〜600:1(t-ブチルアルコール)および0.3:1〜12:1(スクロース)の結果としての質量対質量比(成分質量:粒子質量)を得るに十分な濃度で含有する。特定の実施態様においては、上記賦形剤水溶液は、t-ブチルアルコールおよびスクロースの双方を、それぞれ、105:1および1.5:1の質量対質量比で含む。
【0034】
上記賦形剤水溶液は、上述したように、1種以上の賦形剤および界面活性剤をさらに含み得る。特定の実施態様においては、上記濃厚賦形剤水溶液は、約2200〜8000範囲の平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG) (好ましくは、約3400;PEG 3350)、ポロクサマー(好ましくは、ポロクサマー188)およびグリシンを、それぞれ、約6:1〜300:1(PEG)、0:1〜60:1(ポロクサマー)および0:1〜75:1(グリシン)範囲の得られる水性懸濁液中での各質量対質量比(成分:粒子)を得るに十分な濃度でさらに含む。特定の実施態様においては、これらの賦形剤は、上記濃厚賦形剤水溶液中に、それぞれ、17.3:1(PEG)、3.6:1(ポロクサマー)および7.2:1(グリシン)の得られる水性粒子懸濁液中での各質量対質量比を得るように含ませる。
【0035】
上記粒子懸濁液と濃厚賦形剤溶液を、冷却条件下に、およそ1部の懸濁液対2部の濃厚賦形剤溶液の割合で混合する。その後、懸濁液をバイアルのような容器に分配し、凍結乾燥して乾固させ、減圧窒素下に栓をする。バイアルは、典型的に乾燥凍結乾燥組成物グラム当り約2〜200mgの中空コア型粒子または2〜2800mgのソリッドコア型粒子の有用な単位量の粒子を典型的に含む。
凍結乾燥組成物は、水(または他の生理学的に許容し得る緩衝液)を添加することによって再構成して、約200〜300mOs/kg範囲の浸透圧を有するマイクロ粒子の生理学的に許容し得る注射可能な懸濁液を調製し得る。この実施態様に従い中空コア型粒子を含む乾燥凍結乾燥組成物は、その各成分の下記の濃度比を有する:
【0036】

【0037】
有用な単位量の中空コア型粒子を含む典型的な乾燥凍結乾燥組成物は、下記の組成を有し得る:
【0038】

【0039】
上記乾燥凍結乾燥粒子組成物を含有するバイアルまたは他の密閉および/または密封容器は、良好な貯蔵安定性を有し、水により容易に再構成して注射可能な超音波造影剤を調製し得る。中空コア型粒子においては、再構成懸濁液は、下記の成分を下記の濃度で含有し得る:
【0040】

【0041】
再構成生成物は、ボーラスまたは輸注により対象者の血流中に注入し、その後、診断画像法および/またはターゲッティング薬物または製薬伝達のための1以上の方法と一緒に使用する。
【0042】
(実施例)
下記の実施例は、例示として提示し、本発明を限定するものではない。
実施例1
本実施例は、非晶質糖のスクロースおよび/またはt-ブチルアルコールが凍結乾燥および再構成中の中空コア型グルタルアルデヒド架橋アルブミン/ポリラクチドミクロスフィアの凝集を低減させる能力を実証する。
シクロオクタン充填中空コア型アルブミン/ポリラクチドミクロスフィアの調製
48.4gmのポリ(D,L-ラクチド) (クロロホルム中0.5%で0.41 dL/gmの固有粘度、30℃)、0.666kgのシクロオクタンおよび4.450kgの酢酸イソプロピルを含有する有機溶液を、上記ポリマーを上記溶媒混合物に溶解させることによって調製した。有機溶液を、10%HClで4.0のpHに調整している3.25kgのUSP級ヒト血清アルブミン5質量%溶液に撹拌しながらゆっくり添加した。30℃の温度を維持しながら、得られた混合物を焼結ステンレススチールフリットに通して循環させた。この工程により、約4ミクロンの平均容積液滴サイズを有する水中油エマルジョンを得た。30kgのグルタルアルデヒド0.1%水溶液を含有する水溶液を調製した。pHを、1N NaOHを使用して7.2〜8.0に調整した。次に、約6.8kgの上記エマルジョンを浴中に撹拌しながら添加した。浴の撹拌を、酢酸イソプロピルが蒸発により実質的に除去されるまで、混合物上に通る乾燥窒素ガス流により30℃で続けた(1夜)。酢酸イソプロピルの除去後、懸濁液を18℃に冷却し、ポロクサマー188を、得られた懸濁液に0.25質量%の最終濃度を得るのに十分な量で添加した。懸濁液を深層濾過してマイクロカプセル凝集物およびポリマー屑片を除去した。次に、過剰のグルタルアルデヒド、生成塩および未結合アルブミンを除去するため、懸濁液を濃縮し、その後、0.65ミクロンホロファイバーTFFを使用しての約7容量の0.25質量%ポロクサマー188水溶液に対するダイアフィルトレーションにより洗浄した。ダイアフィルトレーション処理した懸濁液をポロクサマー188水溶液(0.25質量%)で希釈して、懸濁液グラム当り5mgミクロスフィアシェル質量のミクロスフィア濃度を有する懸濁液を得た。希釈懸濁液中のミクロスフィアの粒度分布をMalvern 2000粒度分析器により測定したところ、3.86ミクロンの容積ピーク直径を有することが判明した。
【0043】
中空ミクロスフィア配合物および凍結乾燥
別個に、下記の表に従う成分および濃度(質量による)を使用して、凍結乾燥賦形剤として機能する4種類の水溶液を調製した。
【0044】

【0045】
次に、上記希釈ミクロスフィア懸濁液を、1質量部の懸濁液対2質量部の賦形剤溶液の比率で上記4種類の調製賦形剤と配合した。得られた配合物の各々を10ml血清バイアル中に3ml/バイアルで分配し、その後、FTS Dura-Stop凍結乾燥機を使用して、乾燥ケーキに凍結乾燥し、窒素下に栓をした。この凍結乾燥工程において、ミクロスフィアのシクロオクタンコアが除去され、中空窒素充填ミクロスフィアが得られた。
【0046】
各バイアルの今や乾燥した懸濁液を2mlの脱イオン水中で再構成し、次いで、各懸濁液中のミクロスフィアの粒度分布を、Malvern 2000粒度分析器を使用して測定した。粒度測定の結果を下記の表に示す。表中の派生統計値はミクロスフィア粒度の容積測定頻度ヒストグラムに基づいており、3本のバイアルの平均を示す。
【0047】

【0048】
結果
ミクロスフィアの凝集物を、上記粒度分析器は単一の大きいミクロスフィアとして読取っている。ミクロスフィアの凝集が減少している場合、下方にシフトしている粒度測定値によって反映されるであろう。上記表の粒度ヒストグラム統計値の比較により(図1A〜1D参照)、スクロースまたはtert-ブチルアルコールを配合物中に含有する懸濁液(配合物2および3)における、いずれの成分も含有しない配合物(配合物4)を上回る小粒度ミクロスフィア、従って、少ない凝集への傾向が明らかである。また、スクロースとtert-ブチルアルコールの双方が存在する場合(配合物1)、ミクロスフィア凝集の低減に対して付加的効果が存在しているようである。
配合物1と配合物4の顕微鏡検査により、配合物1におけるよりも配合物4におけるはるかに大きい度合のミクロスフィア凝集の存在を定性的に確認した。
【0049】
実施例2
本実施例は、非晶質糖のスクロースおよび/またはt-ブチルアルコールが凍結乾燥および再構成中のソリッドコア型アルブミンコーティーングポリラクチドミクロスフィアの凝集を低減させる能力を実証する。
アルブミンコーティーングソリッドポリラクチドミクロスフィアの調製
6%水溶液を、USP級ヒト血清アルブミン(HAS)の25%溶液から、脱イオン水で希釈することによって調製した。溶液のpHを、6M HClを使用して4に調整した。別個に、ポリ(D,L-ラクチド)の10%溶液を、ポリマーを酢酸イソプロピル中に溶解させることによって調整した。42ml量の上記有機溶液を、30℃の温度を維持しながら、25mlの上記で調製したHSA溶液中に撹拌によりゆっくり混入した。その後、得られた粗いo/wエマルジョンをステンレススチール焼結金属フィルター要素に通して循環させた。次に、エマルジョンを脱イオン水により4×容量に希釈し、その後、30℃に維持した400mlの脱イオン水に撹拌により添加した。希釈剤エマルジョンの添加と同時に、1mlの25%グルタルアルデヒドと2mlの1N NaOHを撹拌浴中に添加した。撹拌を、酢酸イソプロピルが蒸発するまで約3時間続行した。3時間後、5mlのポロクサマー188の15%溶液をミクロスフィア懸濁液に添加した。ミクロスフィアを遠心分離により回収し、0.25%ポロクサマー188水溶液を使用して3回洗浄した。ミクロスフィアの粒度をMalvern 2000粒度分析器により測定したところ、4.34ミクロンの容積ピーク直径を有することが判明した。
【0050】
ソリッドポリラクチドミクロスフィア配合物および凍結乾燥
ソリッドポリラクチドミクロスフィアの懸濁液を0.25%ポロクサマー188で希釈して約2.5E+9粒子/mlのミクロスフィア濃度を得た。別個に、下記の表に従う成分および濃度(質量による)を使用して、凍結乾燥賦形剤として機能する4種類の水溶液を調製した。



【0051】

【0052】
次に、上記希釈ミクロスフィア懸濁液を、1質量部の懸濁液対2質量部の賦形剤溶液の比率で上記4種類の調製賦形剤と配合した。得られた配合物の各々を10ml血清バイアル中に分配し、その後、FTS Dura-Stop凍結乾燥機を使用して、乾燥ケーキに凍結乾燥し、窒素下に栓をした。
【0053】
粒度測定
凍結乾燥後、各バイアルを2mlの脱イオン水中で再構成し、各懸濁液中のミクロスフィアの粒度分布を、Malvern 2000粒度分析器を使用して測定した。粒度測定の結果を下記の表に示す。表中の派生統計値はミクロスフィア粒度の容積測定頻度ヒストグラムに基づいており、3本のバイアルの平均を示す。
【0054】

【0055】
結果
ミクロスフィアの凝集物を、上記粒度分析器は単一の大きいミクロスフィアとして読取っている。ミクロスフィアの凝集が減少している場合、下方にシフトしている粒度測定値によって反映されるであろう。上記表の粒度ヒストグラム統計値の比較により(図2A〜2D参照)、スクロースまたはt-ブチルアルコールを配合物中に含有する懸濁液(配合物2および3)における、いずれの成分も含有しない配合物(配合物4)を上回る小粒度ミクロスフィア、従って、少ない凝集への傾向が明らかである。また、スクロースとt-ブチルアルコールの双方が存在する場合(配合物1)、ミクロスフィア凝集の低減に対して付加的効果が存在しているようである。
【0056】
実施例3
本実施例は、中空コア型ミクロスフィアのコアからの残留溶媒除去に対するスクロース濃度の効果を実証する。
シクロオクタン充填ミクロスフィアを実施例1で説明したようにして調製した。別個に、下記の表に従う成分および濃度(質量による)を使用して、凍結乾燥賦形剤として機能する増分スクロース濃度を有する4種類の水溶液を調製した。

【0057】

【0058】
次に、上記希釈ミクロスフィア懸濁液を、1質量部の懸濁液対2質量部の賦形剤溶液の比率で上記4種類の調製賦形剤と配合した。得られた配合物の各々を10ml血清バイアル中に3ml/バイアルで分配し、その後、Virtis Ultra-35XL凍結乾燥機を使用して、乾燥ケーキに凍結乾燥し、窒素下に栓をした。この凍結乾燥工程において、ミクロスフィアのシクロオクタンコアが除去され、中空窒素充填ミクロスフィアが得られた。
生成物バイアルを、ガスクロマトグラフィーにより、残留シクロオクタンについて分析した。結果は、下記の表に示している。
【0059】

【0060】
実施例4
本実施例は、中空コア型ミクロスフィアのコアからの残留溶媒除去に対するt-ブチルアルコール濃度の効果を実証する。
シクロオクタン充填ミクロスフィアを実施例1で説明したようにして調製した。別個に、下記の表に従う成分および濃度(質量による)を使用して、凍結乾燥賦形剤として機能する増分t-ブチルアルコール濃度を有する5種類の水溶液を調製した。
【0061】

【0062】
次に、上記希釈ミクロスフィア懸濁液を、1質量部の懸濁液対2質量部の賦形剤溶液の比率で上記5種類の調製賦形剤と配合した。得られた配合物の各々を10ml血清バイアル中に3ml/バイアルで分配し、その後、Virtis Ultra-35XL凍結乾燥機を使用して、乾燥ケーキに凍結乾燥し、窒素下に栓をした。この凍結乾燥工程において、ミクロスフィアのシクロオクタンコアが除去され、中空窒素充填ミクロスフィアが得られた。 生成物バイアルを、ガスクロマトグラフィーにより、残留シクロオクタンについて分析した。結果は、下記の表に示している。
【0063】

【0064】
本発明の特定の実施態様および実施例についての上記説明は例示および説明を目的として提示しており、本発明をある種の上記実施例により例示しているものの、それら実施例に限定するものと解釈すべきではない。これらの実施態様および実施例は、本発明を網羅するものまたは本発明を開示した正確な形に限定するものでもなく、明らかに、多くの修正、実施態様および変形が上記の教示に照らして可能である。本発明の範囲は、本明細書において開示したようなさらに特許請求の範囲による一般的範囲、およびその等価物を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1A】実施例1において説明したようにして製造した中空コア型ミクロスフィア組成物のピーク直径を例示する棒グラフを示す。
【図1B】実施例1において説明したようにして製造した中空コア型ミクロスフィア組成物の平均直径を例示する棒グラフを示す。
【図1C】実施例1において説明したようにして製造した中空コア型ミクロスフィア組成物の中央直径値を例示する棒グラフを示す。
【図1D】実施例1において説明したようにして製造した中空コア型組成物における7ミクロンよりも大きい直径を有するミクロスフィアの容積パーセントを例示する棒グラフを示す。
【図2A】実施例2において説明したようにして製造したソリッドコア型ミクロスフィア組成物のピーク直径を例示する棒グラフを示す。
【図2B】実施例2において説明したようにして製造したソリッドコア型ミクロスフィア組成物の平均直径を例示する棒グラフを示す。
【図2C】実施例2において説明したようにして製造したソリッドコア型ミクロスフィア組成物の中央直径値を例示する棒グラフを示す。
【図2D】実施例2において説明したようにして製造したソリッドコア型組成物における10ミクロンよりも大きい直径を有するミクロスフィアの容積パーセントを例示する棒グラフを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含む水性粒子懸濁液:
懸濁液ミリリットル当り0.3〜4mg量の複数の粒子;
中空コア型粒子において0.3:1〜12:1(粒子のシェル質量基準で)またはソリッドコア型粒子において0.02:1〜0.86:1範囲の総質量対質量比(非晶質糖類質量:粒子質量)の1種以上の非晶質糖類;および、
中空コア型粒子において30:1〜600:1またはソリッドコア型粒子において2:1〜43:1の範囲の質量対質量比(t-ブチルアルコール:粒子)のt-ブチルアルコール。
【請求項2】
前記非晶質糖が、スクロース、トレハロースおよびラクトース、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項1記載の粒子懸濁液。
【請求項3】
中空コア型粒子において0.01:1〜60:1またはソリッドコア型粒子において0.01:1〜4.5:1の範囲の質量対質量比(界面活性剤:粒子)の界面活性剤をさらに含む、請求項1記載の粒子懸濁液。
【請求項4】
中空コア型粒子において6:1〜300:1またはソリッドコア型粒子において0.4:1〜22:1の範囲の質量対質量比(水溶性ポリマー:粒子)の水溶性ポリマーをさらに含む、請求項1記載の粒子懸濁液。
【請求項5】
中空コア型粒子において0.01:1〜75:1またはソリッドコア型粒子において0.01:1〜6:1の範囲の質量対質量比(浸透圧調節剤:粒子)の浸透圧調節剤をさらに含む、請求項1記載の粒子懸濁液。
【請求項6】
前記粒子が中空コア型であり、前記組成物が下記をさらに含む請求項1記載の粒子懸濁液:
6:1〜300:1範囲の質量対質量比(ポリマー:粒子)の水溶性ポリマー;
0:1〜60:1範囲の質量対質量比(界面活性剤:粒子)の界面活性剤;および、
0:1〜75:1範囲の質量対質量比(浸透圧調節剤:粒子)の浸透圧調節剤。
【請求項7】
前記水溶性ポリマーが、中分子量のポリエチレングリコール、低ないし中分子量のポリビニルピロリドン、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項4または6記載の粒子懸濁液。
【請求項8】
前記界面活性剤が、ポロクサマーである、請求項3または6記載の粒子懸濁液。
【請求項9】
前記浸透圧調節剤が、グリシンである、請求項5または6記載の粒子懸濁液。
【請求項10】
前記粒子が、中空コア型二分子層粒子である、請求項1または6記載の粒子懸濁液。
【請求項11】
前記中空コア型二分子層粒子が中空コアを囲むシェルを含み、該シェルが生分解性ポリマーの内部層と架橋両親媒性物質の外部層を含む、請求項10記載の粒子懸濁液。
【請求項12】
前記外部層が、グルタルアルデヒド架橋アルブミンを含む、請求項11記載の粒子懸濁液。
【請求項13】
前記内部層が、ポリ(D,L-ラクチド)を含む、請求項11記載の粒子懸濁液。
【請求項14】
前記中空コア型二分子層粒子が、約1〜10マイクロメートル範囲の平均直径を有する、請求項11記載の粒子懸濁液。
【請求項15】
前記中空コア型二分子層粒子が、約200〜800ナノメートル範囲の平均直径を有する、請求項11記載の粒子懸濁液。
【請求項16】
前記内部層がポリ(D,L-ラクチド)を含み;前記外部層がグルタルアルデヒド架橋アルブミンを含み;前記中空コア型二分子層粒子が約1〜10マイクロメートル範囲の平均直径を有する、請求項11記載の粒子懸濁液。
【請求項17】
前記内部層がポリ(D,L-ラクチド)を含み;前記外部層がグルタルアルデヒド架橋アルブミンを含み;前記中空コア型二分子層粒子が約200〜800ナノメートル範囲の平均直径を有する、請求項11記載の粒子懸濁液。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項記載の粒子懸濁液を凍結乾燥して乾固させることによって製造した粒子組成物。
【請求項19】
3.3質量%量の複数の中空コア型マイクロ粒子;56.6質量%量のポリエチレングリコール3350;11.7質量%量のポロクサマー188;4.9質量%量のスクロース;および、23.5質量%量のグリシンを含む乾燥組成物。
【請求項20】
前記中空コア型マイクロ粒子が二分子層シェルを含み、該二分子層シェルがポリ(D,L-ラクチド)の内部層およびグルタルアルデヒド架橋アルブミンの外部層を含む、請求項19記載の乾燥組成物。
【請求項21】
前記中空コア型マイクロ粒子の中空コアがガスまたはガス混合物で充填されている、請求項19または20記載の乾燥組成物。
【請求項22】
ガスが窒素である、請求項21記載の乾燥組成物。
【請求項23】
窒素下に密閉するストッパー付きガラスバイアル中に包装された、請求項22記載の乾燥組成物。
【請求項24】
前記ガラスバイアルが、2.5〜7mgのマイクロ粒子、86.7mgのポリエチレングリコール3350、18mgのポロクサマー188、7.5mgのスクロースおよび36mgのグリシンを含有する、請求項23記載の乾燥組成物。
【請求項25】
請求項1〜17のいずれか1項記載の粒子懸濁液を凍結乾燥して乾固させることを特徴とする、高分子および/またはタンパク質粒子の乾燥組成物の製造方法。
【請求項26】
下記の各工程を含むことを特徴とする、超音波画像形成法において使用するのに適する中空コア型二分子層ミクロスフィアの乾燥組成物の製造方法:
(i) 0.9質量%のポリ(D,L-ラクチド)、12.9質量%のシクロオクタンおよび86.2質量%の酢酸イソプロピルを含む有機溶液を、5質量%のヒト血清アルブミンを含む第1の水溶液と一緒に乳化して、水中油エマルジョンを得る工程;
(ii) 前記エマルジョンを、0.2:1の質量対質量比(グルタルアルデヒド質量:アルブミン質量)を得るのに十分な量のグルタルアルデヒドを含む第2の水溶液中に3〜18倍希釈する工程;
(iii) 工程(ii)の成果物を、酢酸イソプロピルが実質的に除去されるまで撹拌する工程;
(iv) 工程(iii)の成果物に、ポロクサマー188を0.25質量%の濃度を得るに十分な量で添加する工程;
(v) 工程(iv)の成果物をポロクサマー188 (0.25質量%)水溶液に対してダイアフィルトレーション処理して、グルタルアルデヒドおよび未結合アルブミンを除去する工程;
(vi) 工程(v)の成果物をポロクサマー188 (0.25質量%)水溶液で希釈して、懸濁液グラム当り2.5〜7mgのミクロスフィア濃度(ミクロスフィアシェル質量基準)を有する懸濁液を得る工程;
(vii) 工程(vi)の成果物に、26.25質量%のt-ブチルアルコール、0.375質量%のスクロース、1.8質量%のグリシン、4.335質量%のポリエチレングリコール3350および0.775質量%のポロクサマー188を含む賦形剤水溶液を、懸濁液グラム当り1.7mgのマイクロ粒子 (ミクロスフィアシェル質量基準で)を含む水性マイクロ粒子懸濁液を得るのに十分な量で添加する工程;および、
(viii) 工程(vii)の水性マイクロ粒子懸濁液を凍結乾燥して乾固させる工程。
【請求項27】
前記ミクロスフィアを窒素ガスで戻し充填する工程をさらに含む、請求項26記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate


【公表番号】特表2007−509989(P2007−509989A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538447(P2006−538447)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/036537
【国際公開番号】WO2005/041897
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(502132531)ポイント バイオメディカル コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】