説明

足撮像装置

足撮像装置の近くに座っている者、当該装置の近くに立っている者、当該装置の上に立っている者が自身の足裏の像を取得する幾つかの方法を提供する。ある実施例においては、床上の像は、床に対し調節可能な角度を有する反射面を有する。別の実施例においては、体重計を搭載した足撮像装置の表面下にミラーが配置される。また、装置表面は、紙ヤスリ面、先の滑らかなプローブ又は熱刺激装置などの、足裏の感覚の喪失をユーザーが検出する手段を搭載可能である。更なる実施例においては、装置は像取り込み装置を搭載し、それは足の像をローカルディスプレイに送信するか、格納、表示及び印字機能を備えたパーソナルコンピューターなどのローカルコンピューターに送信するか、又は、医療又は保険提供者のコンピューターなどの遠隔装置に送信することができ、そこでそれが診断目的で閲覧されるか又は患者が撮像動作を実行したことを証明するために単に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの足裏の像を撮影又は反射するミラー及び/又はカメラを有する足撮像装置に関する。足撮像装置は、体重計と結合されてもよい。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、蔓延している規模に到達している慢性疾患である。現在、約2千百万人の米国人が糖尿病を患い、年間150万の新規な症例が診断されている。2000年に誕生した子供で3人に1人が、その一生のうちに糖尿病を発症すると推定されている。世界保健機関は、糖尿病患者は2025年までに米国で2千5百万人、世界で3億人にのぼると予想している。また、これらの患者の60〜70%は、その一生のうちに足に関する疾患を発症すると推定されている。
【0003】
米国では、全下肢切断の半数以上が糖尿病患者でおこる。現在、これは年間約8万2千の切断である。これら切断の約半分が、神経障害及び血行不良によって行われると推定されてきたが、これは日常的な足の自己点検を含む、入念な足の手入れによって防止可能であったであろう。
【0004】
糖尿病性神経障害は、糖尿病に起因する神経異常の一種である。時間の経過と共に、糖尿病患者は体中の神経を損なうようになる。神経障害は、手、腕、足、脚の麻痺や時には痛みや虚弱をもたらす。糖尿病患者は、神経障害を発症する可能性が常時あるが、糖尿病を有する期間が長ければ長いほど、そのリスクは大きくなる。これら糖尿病患者の推定50パーセントが、検査による検出が可能な何らかの形態の神経障害を患っているが、全ての神経障害患者が症状を有するわけではない。最も一般的な種類は末梢神経障害であり、これは末梢性遠位神経障害とも呼ばれ、腕や脚に影響を及ぼす。抹消神経障害の症状は、痛みや温度に対する麻痺や無感覚、刺痛、炎症、穿痛感、激痛や痙攣、軽い接触であっても接触に対する過敏、平衡及び協調の喪失を含む。槌状足指症及び足中心部の壊死など足の奇形が起こる可能性もある。圧力や怪我に気づかないため、足の麻痺領域で疱疹や激痛が発症する場合もある。
【0005】
足の怪我が直ちに治療されないと感染が骨に拡がる場合があり、足の切断を余儀なくされる。かかる切断の半分は小さい問題が発見されて適時に治療されれば防止可能であると推定する専門家もいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
糖尿病患者には、日常的な足の自己検査が典型的に奨励されているが、糖尿病患者は極度の肥満で足裏を見ることができない、検査を忘れる、及び/又は、そのようにすることが厄介又は面倒であるために怠る、という理由で、多くの者はその奨励に従わない。
【0007】
従って、糖尿病患者が足の自己検査を行うことを補助する方法の需要がある。
【0008】
伸縮ポールに配置されたミラーが、足裏を見る身体的柔軟性が欠如する糖尿病患者を補助をするために使用されてきた。
【0009】
図1は、提案された浴室パーソナルケア環境を示している。ミラー面10及びフラットディスプレイ20がミラー表示装置を形成する。電源が無いと、ミラー表示装置は標準ミラーのように機能する。電源が入ると、ミラー表示装置は、背景の役割を果たすミラー面10を用いて前景の情報を表示する。情報は、テレビ信号又は体重計70などのパーソナルケア装置からの読み出しである。より特定的には、体重計70は、体重の読み出しを行い、それを、アンテナ75を介した送信用のフォーマットにする回路と共に、ローカル体重ディスプレイ80及びアンテナ75を有する。この送信は、ジグビーなどの低電力無線周波数プロトコルに従う。ミラー表示装置では、受信アンテナ45は体重計の読み出しを受信してプロセッサ50の制御の下、送信インターフェース40を介して体重計の読み出しを、体重計の読み出しを表示するようにフラットディスプレイ20を制御する役割を果たすディスプレイインターフェース30に送信する。パーソナルケア環境は、音声命令及びおそらく身振りによる命令に応答する。しかし、このパーソナルケア環境は、糖尿病患者の特定の需要には適合していない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によれば、ユーザーの足の像を反射する床置き型撮像装置は、実質的に透明な上面を有する保護筐体と、前記筐体の内部に配置されて前記保護筐体の前記上面を通して像を反射する反射面と、を有する。
【0011】
前記反射面は、前記保護筐体の下に位置する床に対して角度を有する。角度調節手段は、床に対する反射面の角度を調節するために設けられている。
【0012】
本発明の別の側面によれば、ユーザーの足の像を反射する床置き型撮像装置は、床と平行に配置されてユーザーが乗るための台と、前記台に対して固定された位置にあって前記床から離れた方向に反射する反射面と、を有する。
【0013】
ある場合には、保護面は反射面上に配置される。保護面は反射面を露出するように開くことができ、反射面を露出するためにその光透過特性を変更することができる。反射面の下に拡大面を配置してもよく、場合によっては、反射面の下から拡大面が引き出し可能なように、拡大面の端部を支持するガイドレールがついていてもよい。反射面を照明する光源があってもよい。ユーザーが台に乗ると、ユーザーの体重を表示し、台から除去可能な体重ディスプレイがあってもよい。
【0014】
ある場合には、モノフィラメント及び/又は触覚面がある神経障害検出器があってもよい。
【0015】
本発明の更に別の側面によれば、ユーザーの足の像を取り込む床置き型撮像装置は、床と平行して置かれ、ユーザーが乗る台と、台の下の固定された位置にあり、台上にある物の像を取り込む像取り込み面と、取り込まれた画像を表示又は処理のために他の装置へ送信する画像送信回路と、を有する。
【0016】
また、取り込まれた像を表示する表示装置があってもよい。画像送信回路及び表示装置間の接続は、有線接続でも無線接続でもよい。像取り込み面はカメラ内に配置されてもよい。床置き型撮像装置とは異なる場所に配置されている処理用コンピューターに、取り込まれた像は送信されてもよい。
【0017】
本発明は、ここで完全に要約されることを意図していない。むしろ、本発明の更なる特徴や側面や長所は、以下の説明と図面で記述又は明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、足撮像装置の近くに座る者、該装置の近くに立つ者又は該装置の上に立つ者に、自身の足裏の像を取得する幾つかの方法を提供する。ある実施例においては、床上の装置は、床に対して調節可能な角度を有する反射面を有する。別の実施例においては、体重計を搭載した足撮像装置の表面の下にミラーが配置される。更に、装置の表面は、紙ヤスリ面、先が滑らかなプローブ又は熱刺激装置など、ユーザーが、足裏の感覚の喪失を検出する手段を組み込み可能である。更なる実施例においては、装置は像取り込み装置を搭載し、それは足の像をローカルディスプレイに送信するか、格納、表示及び印字機能を備えたパーソナルコンピューターなどのローカルコンピューターに送信するか、又は、医療又は保険提供者のコンピューターなどの遠隔装置に送信することができ、そこでそれが診断目的で閲覧されるか又は患者が撮像動作を実行したことを証明するために単に保持される。
【0019】
図2(a)及び2(b)は、ユーザーの足裏を反射する床置き装置100の図である。装置1000は、プリキシガラスなどの材料から構成され、床に対する角度が0°から45°の範囲内もしくは他の適切な角度に調節可能である反射面1020を取り囲む、透明で丈夫な筐体1005を有する。筐体1005は、上面1010と、上端部1011と、側端部1012、1013と、底端部1014と、基部1015と、を有する。
【0020】
反射面1020は、ミラーガラス又はその他の反射面から形成され、反射がユーザーに見えるように筐体1005内に配置される。シャフト1026は反射面120の上端部から突出する。角度調節ノブ1025は、シャフト1026の末端部に配置される。シャフト1026は、角度調節部材1030のトラック形状の開口部に沿って移動可能である。角度調節ノブ1025、シャフト1026、角度調節部材1030は、床に対する反射面1020の角度をユーザーが調節できるように協働する。
【0021】
ある実施例においては、角度調節部材1030は、ネジ切りされたトラック形状の開口部を有し、シャフト1026もネジ切りされ、ユーザーはノブ1025を回して、反射面1020を上下させる。別の実施例においては、角度調節部材1030は棚状突出部を有する開口部を有し、ユーザーはノブ1025を利用して棚状突出部の一つにシャフト1026を乗せ、それによって床に対する反射面1020の先端の高さを調節する。その他の角度調節機構は、当業者に明らかであろう。
【0022】
図3(a)は、足ミラー100の図である。足ミラー100は、台110と、ミラー面120と、足ミラー100の四隅にある4本の台脚130と、ミラー面120の上下左右にある発光帯140t、140b、140r、140f(総じて140)と、足ミラー100の右側及び左側にあるモノフィラメント150r、150f(総じて150)と、足ミラー100の上部、中央部、下部にある感度線160t、160m、160b(総じて160)と、壁掛け用などのために、台110から取り外し可能なローカル体重ディスプレイ180を有する。
【0023】
ここで及び特許請求の範囲で使用されるように、「ミラー」は反射面を意味するが、被覆ガラスに限定されない。例えば、反射できるように処理を施したプラスチックも、ミラーの一例である。
【0024】
体重ディスプレイ180が、台110から取り外し可能な実施例においては、取り外し可能なユニットは、テザーコード、無線赤外線、低電力高周波又はその他の通信技術などの適切な通信路を介して、台110に結合された制御電子機器(図示せず)と交信する。
【0025】
動作において、ユーザーは台110に乗り、重量センサー(図示せず)はユーザーの体重を検出し、印刷された文字盤、発光ダイオード(LED)ディスプレイ又はその他の適切なディスプレイである体重ディスプレイ180を調節する。ある実施例では、音声発生装置がユーザーの体重を音声で伝える機能を有する。ある実施例では、体脂肪センサーなどの他のセンサーが設けられている。
【0026】
ユーザーは、典型的にミラー面120の上で片足を押さえ、次にもう片方の足をミラー面120の上で押さえることにより、自身の足裏を見ることができる。ミラー面120は、通常反射又は拡大反射を起こすことができる。
【0027】
図3(b)〜3(f)は、ミラー面120の変形例の部分側面図である。図3(b)においては、ミラー面は、銀膜などで台110の上にある。この配置の問題は、ミラー面120は、傷、染み、汚れなどの影響を受け易いことである。図3(c)の変形例においては、台110は、被覆ガラスか単に台110の裏側の反射膜であるミラー面120の上部にある。台110は、プレキシガラスなどの透明な材料から構成される。
【0028】
図3(d)の変形例においては、ミラー面120は台110の下にあり、ミラー面120は、ユーザーが台110に乗る際に、ユーザーの好ましくない正直な体型が見えないように、上部が台支持部(図示せず)などの底部の上で持ち上がるように角度をつけて配置されている。台110及び床に対するミラー面の角度を調節するために、図2(a)〜図2(b)で示すような角度調節機構をミラー面120に設けてもよい。
【0029】
図3(e)の実施例において、台110にユーザーが乗る際に起動されるランプなどの発光装置140は、床に水平なミラー面120の上部において、実質的により明るい照明を与える。発光装置140は、台110の裏側にその底端部に向かって取り付けられ、ミラー面120のより均一な照明を確保している。図3(f)においては、ユーザーの好ましくない正直な体型が見えないように、ミラー面120は床に対して傾斜している。
【0030】
図3(a)に戻り、発光帯140は、ユーザーにとって自身の足裏の検査が容易になるようにミラー面120を照明する役割を果たしている。ある実施例においては、ユーザーが台110に乗ると、発光帯140は所定時間起動される。別に実施例においては、発光帯140は、ユーザーがそこに圧力をかけると起動される。更に別の実施例においては、ユーザーが発光帯140を手動で起動するためのスイッチ(図示せず)がある。
【0031】
足ミラー100は2つの足感度検出部である、モノフィラメント150と感度線160を有する。
【0032】
モノフィラメントは、患者の圧点検知能力を測定するのに使用される。患者の圧力検知能力を検査する原理は、中程度の認識できない圧力を繰り返し発生することが、糖尿病及び神経障害患者の足底の潰瘍の発症の一次機構になると考えられていることである。感覚の有無の検査に様々なフィラメントを使用する歴史は、ボン・フレイが、患者の感覚閾値を検査するのに馬の毛を使用した1800年代まで遡る。1960年には、ジョセフィン・セムス博士とシドニー・ウェイスティン博士が、より高度な医療用の段階知覚検査フィラメントを開発した。彼らの前提は、モノフィラメントの直径が増加すると、それが被検面に適用されると、モノフィラメントの曲げを形成するのに必要な力が増加することであった。彼らは、神経知覚検査用モノフィラメントを革新的な尺度で作りだした。モノフィラメントは、製造業者が校正する数値で1.65から6.65の範囲に割り当てられている。数値が高くなればなるほどフィラメントは硬くなる。使用される数式は、マーキング=(log10力(ミリグラム) ×10)である。5.07のモノフィラメントは、足の保護感覚の最小レベルのスクリーニングのための医療基準として受け入れられてきた。5.07のモノフィラメントを折り曲げるのに必要とされる再生可能な座屈応力は10グラムの力である。
【0033】
モノフィラメント150は、10ゲージナイロンの円柱で、長さ約3インチ、直径約1〜3ミリメートルであるが、それ以外の寸法でもよい。ユーザーは、足裏の潰瘍、たこ、又は傷跡の近くの領域にモノフィラメント150の先端を1〜2秒間接触させ、同様に足裏の指定領域を1〜2秒間接触させる。感覚がない場合は、ユーザーは医療提供者に連絡する。
【0034】
感度帯160は、織目加工されたプラスチック、紙ヤスリなどから構成された触覚帯である。動作において、ユーザーは感度帯160を横切って自身の足又は足裏を通過させ、感覚がない場合は、医療提供者に連絡する。その他の実施例においては、感度帯160は、ユーザーが台110に乗る際に発熱するプラスチック又は金属などの熱変動材料から構成され、発熱が感じられない場合は、ユーザーは医療提供者に連絡する。その他の実施例においては、感度帯160は単に滑り止め用に織目加工されている。
【0035】
感度帯160のその他の明示に関しては、機械装置設計の当業者及び糖尿病神経障害の経験者に明らかであろう。
【0036】
その他の神経障害検査装置を使用してもよい。例えば、米国特許第6,090,050号、「熱測定装置及び方法」は、表皮との接触又は近傍を検知した後で、温度を記録するグースネックシャフトの端部の熱センサーを開示している。患者の両足を走査することから得られる温度を使い、温点が見つかった場合に警告をしながら、診断が行われる。局所的な皮膚温度の上昇は組織障害又は炎症の最も早い段階での兆候であることがわかってきたため、足の皮膚温度の監視は潰瘍のリスクを検出する方法である。特に、熱センサー(図示せず)は、モノフィラメント150で示したのと同様の方法で、足ミラー100上に配置されてもよい。
【0037】
図4(a)は、足ミラー200の図である。足ミラー200は、台210と、ミラー面220と、足ミラー200の四隅にある4本の台脚230と、ミラー面の右側及び左側にあるガイドレール260r、260f(総じて260)と、ハンドル270と、壁掛け用などのために台210から取り外しが可能であるローカル体重ディスプレイ280を有する。台210は、典型的に透明であるが、ある実施例では半透明か不透明である。
【0038】
図4(a)の実施例は図3(a)のそれと同様であるため、相違点のみを説明する。
【0039】
動作において、ユーザーがミラー面220に取り付けられたハンドル270を握り、台210の下からミラー面220をガイドレール260に沿って引き出す。そのため、台210に引っかき傷又は染みがついても、綺麗なミラー面が足裏を見るために入手可能である。足裏が検査された後で、ユーザーはハンドル270を押してミラー面220を台210の下にあるその静止位置まで戻す。変形例において、ミラー面220の端部と係合するガイドレール260の代わりに、ミラー面260を保持する引き出しがあり、この引き出しはガイドレールと係合する。
【0040】
図4(b)は、足ミラー200の部分側面図である。台210の裏側は、第1のミラー面として機能する反射膜290がある。そして、第2のミラー面220が、更に近くを見る時に必要に応じて引き出され、第1のミラー面290は、典型的に、0%などの第1の倍率であり、第2のミラー面220は、典型的に、50%などの倍率であるか、第1のミラー面290の倍率より高い別の値の第2の倍率である。
【0041】
図5(a)及び5(b)は、カバーが閉じられた状態とカバーが開かれた状態の足ミラー300の図である。足ミラー300は、台310と、ミラー面320と、足ミラー300の四隅にある4本の台脚330と、ミラー面320の右側及び左側にあるシャッター330r、330f(総じて330)と、アクチュエーター340r、340fと、壁掛け用などのために台310から取り外し可能なローカル体重ディスプレイ380を有する。
【0042】
図5(a)及び5(b)の実施例は、図3(a)の実施例と同様であるので、相違点のみを説明する。
【0043】
シャッター330は、透明な台310の下に配置され、ミラー面320を保護する機能を有する。図5(a)に示す閉位置では、シャッター330はミラー面320を完全に又は少なくとも実質的に塞ぐ。ユーザーが自身の足裏の検査を行いたい場合は、「開」ボタンとして機能するアクチュエーター340fが押圧され、シャッター330を、図5(b)に示す開位置まで互いに離れるように移動させる。検査完了後に、ユーザーは、「閉」ボタンとして機能するアクチュエーター340rを押圧し、シャッターを、図5(a)に示す閉位置まで互いに近づくように移動させる。ある実施例においては、足ミラー300は、ユーザーに足の検査を行うように催促する定期催促装置(図示せず)を有する。定期催促装置は、シャッターが開いた最後の時から一定の時間間隔で又は別の方法で警告を発してもよい。
【0044】
別の実施例においては、機械的なシャッター330の代わりに、台310が、シャッターの開閉に応じて半透明から透明に変化する。この場合、台310は、液晶などの光透過特性が変化する適当な材料から形成又は被覆される。
【0045】
上記の実施例は、足の像を形成するのに反射に依存している。反射とは、一時的事象である。足の像を取り込むことが好ましく、これによって、それは表示、格納、処理、送信のために直ちに処理可能である。以下の実施例は、足の像の取り込みに依存している。
【0046】
上記の実施例の様々な特徴は、以下の実施例に結合されてもよい。
【0047】
図6(a)は、足撮像装置400の図である。足撮像装置400は、台410と、像取り込み面420と、足撮像装置400の四隅にある4本の台脚430と、送受信回路440と、テザー450と、足像ディスプレイ460と、体重ディスプレイ480と、アクチュエーター490を有する。
【0048】
テザー450は、アクチュエーター490及び送受信回路440の間、送受信回路440及び足像ディスプレイ460の間に、信号を送信する手段を有する。ある実施例においては、テザー450は、足像ディスプレイ460、体重ディスプレイ480及びアクチュエーター490の組み合わせで壁掛け又はテーブル掛けを可能にする柔軟な電線である。別の実施例においては、テザー450は、足像ディスプレイ460、体重ディスプレイ480及びアクチュエーター490の組み合わせを支持する独立した垂直部材の一部である。
【0049】
動作において、ユーザーは自身の足が像取り込み面420の領域の中心にくるように台410に乗る。図6(b)に示すように、像取り込み面420は、台410の裏側に配置される。台410は、より好ましくは、プレキシガラスなどの透明材料である。像取り込み面420は、光ダイオード、光伝導センサー、集積回路又はその他適切なセンサーアセンブリなどの、像取り込み素子が配列されたものである。
【0050】
台410に乗った後で、ユーザーはアクチュエーター490を、ボタンを押すなどによって起動する。ある場合には、台410に乗る行為が起動の役割を果たしており、アクチュエーター490は省略される。手動で押されたボタンの代わりに、アクチュエーター490は、音声により起動するか、別の適切な刺激に応答することもできる。アクチュエーター490は、送受信回路440に像取り込み面420を起動させ電子スナップ写真を直ちに撮らせ、その電子スナップ写真を足像ディスプレイ460に送信させる。足像ディスプレイ460は、フラットパネルディスプレイであるが、その他適切な表示装置であってもよい。
【0051】
ユーザーが、台410に乗る際、体重センサー(図示せず)がユーザーの体重を検出し、体重ディスプレイ480を調節する。この体重センサーは、体重ディスプレイ480と交信するために送受信回路440を使用できるが、別の通信路も使用できる。
【0052】
足像ディスプレイ460が、台410に取り付けられた状態よりもユーザーの目に近いという事実は、目が悪い者又は体型によって台上の足若しくはディスプレイを見ることができない者に有利である。更に、足の像が近くにあると、足裏が心臓に近づくという心理的効果もある。
【0053】
図6(c)は、既製のカメラ421が像取り込み面420に置換された足撮像装置400の変形例を示す部分側面図である。アクチュエーター490は、通信路491を介してカメラ421と交信する。ある実施例では、通信路491は、機械的で、カメラ421の像取り込みボタンを起動し、別の実施例では、通信路491は電気的で、像取り込みを促すようにカメラ421内の制御回路と通信する。空気又は透明材料であるスペーサー470はカメラ421と台410の間に配置される。また、ミラー面415は、台410の下に位置し、上記の反射を与える。ミラー面415は、光を通過させ、カメラ421によって、取り込まれることを可能にする。ある実施例においては、ミラー面415は存在しない。
【0054】
図6(c)の実施例においては、カメラ421によって取り込まれた後で、カメラ421は除去される。ある場合には、カメラ421は、取り込み直後の画像を見るのに十分な解像度の内蔵ディスプレイを有する。別の場合には、カメラ421は、ユーザーが見ることができる画像を形成する別個のディスプレイ又はプリンター(図示せず)に結合されている。
【0055】
図7(a)は、足撮像装置500の図である。足撮像装置500は、台510と、像取り込み面520と、足撮像装置500の四隅にある4本の台脚530と、処理回路540と、アンテナ575と、体重ディスプレイ580と、を有する。
【0056】
ユーザーが台510に乗ると、体重センサー(図示せず)は、ユーザーの体重を検出し、体重ディスプレイ580を調節する。また、像取り込み面520が起動され、ユーザーの足裏の像を取り込む。処理回路540を介して、取り込まれた像はアンテナ575を通って受信装置に送信される。
【0057】
ある実施例においては、受信装置は、近接したディスプレイである。別の実施例においては、図10で示すように、受信装置は、近接したコンピューターである。ここで近接したとは、同じ建物又は居住場所内に収まった状態を意味する。更なる実施例においては、処理回路540は、無線通信ネットワークで発呼し、予めプログラムされた宛先、例えば、サーバーコンピューターなどにダイヤルし、そこに取り込まれた像を送信することができる。
【0058】
ある変形例においては、一つの像を取り込む代わりに、像取り込み面520は継続的に読み出され、ディスプレイを継続的に更新する、あるいはビデオストリームの情報を提供するビデオカメラとして機能する。
【0059】
図7(b)〜図7(c)は、足撮像装置500の実施例の部分側面図である。図7(b)に示すように、像取り込み面520は、台510の下に配置される。図7(c)に示すように、反射面515は、台510の裏側と像取り込み面520の間に介在し、それによってユーザーは自身の足裏の反射された像を見ることができる。
【0060】
図8は、足撮像装置500と、コンピューター600と、通信ネットワーク700と、を有する足撮像ケア環境の図である。足撮像装置500は、図7(a)〜図7(c)に関して上述したものである。
【0061】
通信ネットワーク700は、回路交換、パケット交換技術、又は情報送信に適したその他のプロトコルを利用した、有線及び/又は無線回路上で動作する公衆又は私設通信ネットワークであってもよい。例として、ダイアルアップ型公衆交換電話ネットワーク、専用回路の私設ネットワーク、インターネット、携帯電話システム、ワイマックス通信などである。通信ネットワーク700は、コンピューター600を、医療提供者や医療保険者によって又はそのために操作されるコンピューターなどの遠隔コンピューターにリンクさせる機能を有する。
【0062】
コンピューター600は、内部バス605と、プロセッサ610と、格納部615と、ローカル通信インターフェース620と、リモート通信インターフェース630と、プリンターインターフェース640と、USB、PCMCIAなどの基準に則った装置インターフェース650、660と、キーボードインターフェース670と、ディスプレーインターフェース680と、ポインティングデバイスインターフェース690と、を有する。プリンター645、生体センサー655、665、キーボード675、ディスプレイ685、別個のマウスか、トラックボールやタッチパッドのようにキーボード675に結合されてもよいポインティングデバイス695は、適切な有線又は無線通信路と介してコンピューター600に結合されている。
【0063】
ローカル通信インターフェース620は、コンピューター600と足撮像装置500との間で情報の送受信を可能にする機能を有する。
【0064】
リモート通信インターフェース630は、コンピューター600と遠隔コンピューター(図示せず)との間で情報の送受信を、医療提供者や医療保険者によって又はそのために操作されるコンピューターなどの通信ネットワーク700を介して、可能にする役割をなす。
【0065】
生体センサー655、665は、いかなる形態のユーザーの行動のセンサーであってもよい。例として、血圧モニター、血糖モニター、歩数計、体脂肪計などが含まれる。2つのセンサーが示されているが、他の数でもよい。ある場合には、センサーの代わりに、ユーザーは、キーボード、ポインティングデバイス、又は処理部610によって実行される音声認識ソフトを用いたマイクなどの適切なインターフェース(図示せず)を使って生体情報を手動で入力する。
【0066】
以下、足撮像ケア環境に関する幾つかの使用例について説明する。
【0067】
ある場合には、ユーザーは足撮像装置500に乗り、それはユーザーの足裏の像を取り込み、コンピューター600に画像を送信する。コンピューター600は、画像を保管してそれをディスプレイ685に表示する。ユーザーは、その画像をプリンター645で印刷することができる。
【0068】
別の場合においては、コンピューター600は、受信した足の像を、通信ネットワーク700を介して、ユーザーの医療提供者に送信する。像は、受信時に送信可能であるか、必要に応じて、要望に応じて、若しくは定期的な間隔で、一括して送ることが可能である。
【0069】
別の場合においては、コンピューター600は、ユーザーの足の像を比較し、問題になりそうな領域が検出された場合に自動的に警告を発するソフトウェアを有する。警告に応答して、ユーザーは、足の像をもう1つとる、自身の医療サービス提供者に連絡する、又はその他適切な措置をとるよう指示される。
【0070】
別の場合においては、コンピューター600は、ユーザーが、足の像をある領域において拡大するなどの操作ができるようにするか、あるいは選択されて格納された足の画像の比較を要求することを可能にする。
【0071】
別の場合においては、他の生体センサーからの情報が、1つ以上の足の像に関連付けられる。例えば、血糖レベル及び/又はユーザーの体重に対して、潜在的な損傷部の数と寸法がプロットされてもよい。
【0072】
本発明の例示的な実施例とその様々な変形例が、添付図面を参照して、ここで詳細に説明されてきたが、本発明は、これらの正確な実施例と記載された変形例に限定されず、添付された特許請求の範囲で規定されるように、様々な変更と更なる変形が当業者にとって本発明の本旨を逸脱しない範囲で可能であることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】従来技術の浴室パーソナルケア環境の図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)は床置き型ミラーの図である。
【図3】図3(a)〜 図3(f)は、体重計を有する足ミラーの図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は、引出しミラーを有する体重計の図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、カバーが閉じられた状態とカバーが開かれた状態の足撮像装置の図である。
【図6】図6(a)〜 図6(c)は、カメラ及び付属のディスプレイを搭載した足撮像装置の図である。
【図7】図7(a)〜 図7(c)は、画像送信機能付き足撮像装置の図である。
【図8】足撮像のケア環境の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの足の像を反射する床置き型撮像装置であって、
実質的に透明な上面を有する保護筐体と、
前記筐体の内部に配置され、前記保護筐体の前記上面を通して像を反射する反射面と、
を有することを特徴とする床置き型撮像装置。
【請求項2】
前記反射面は、前記保護筐体の下に位置する床に対して角度を持っていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記反射面の前記床に対する前記角度を調節する角度調節手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
ユーザーの足の像を反射する床置き型撮像装置であって、
床と平行に配置され、前記ユーザーが乗るための台と、
前記台に対して固定された位置にあり、前記床から離れた方向に反射する反射面と、
を有することを特徴とする床置き型撮像装置。
【請求項5】
前記反射面の上に配置された保護面を更に有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記反射面は、前記台に対して角度を持っていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記反射面の前記台に対する角度を調節する角度調節手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記保護面は、前記反射面を露出するように開くことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記保護面は、前記反射面を露出するためにその光透過特性を変更することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記反射面の下に配置された拡大面を更に有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項11】
前記拡大面が、前記反射面の下から引き出し可能なように、前記拡大面の端部を支持するガイドレールを更に有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記反射面を照明する光源を更に有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項13】
前記ユーザーが前記台に乗ると、前記ユーザーの体重を表示する体重ディスプレイを更に有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項14】
前記体重ディスプレイは前記台から除去可能であることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
神経障害検出器を更に有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項16】
前記神経障害検出器はモノフィラメントであることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記神経障害検出器は触覚面であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
ユーザーの足の像を取り込む床置き型撮像装置であって、
床に平行に配置され、ユーザーが乗るための台と、
前記台の下の固定された位置にあり、前記台の上にある物の像を取り込む像取り込み面と、
取り込まれた像を、別の装置に表示又は処理のために送信する画像送信回路と、
を有することを特徴とする床置き型撮像装置。
【請求項19】
前記取り込まれた像を表示する表示装置を更に有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記画像送信回路と前記表示装置との間は有線接続されていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記画像送信回路と前記表示装置との間は無線接続されていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記台に対して固定された位置にあり、前記床から離れる方向に反射する反射面を更に有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記反射面の上に配置された保護面を更に有することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記反射面は、前記台に対して角度を持っていることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記台に対して前記反射面の角度を調節する角度調節手段を更に有することを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記反射面を照明する光源を更に有することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記ユーザーが前記台に乗ると、前記ユーザーの体重を表示する体重ディスプレイを更に有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記体重ディスプレイは、前記台から除去可能であることを特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項29】
神経障害検出部を更に有することを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項30】
前記像取り込み面は、カメラの中に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項31】
前記取り込まれた像は、コンピューターに処理のために送信されることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項32】
前記コンピューターは、前記床置き型撮像装置と異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項31に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−529963(P2009−529963A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500413(P2009−500413)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/006218
【国際公開番号】WO2007/109000
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(508276947)アルカディア・グループ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】